JP2009157323A - 光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract


【課題】本発明は、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置を得ることを目的とする。
【解決手段】アクリレート系官能基を有する樹脂材料からなる形成用材料2に、モード径が4〜12μmである樹脂材料からなる防眩用粒子31と、モード径が1〜5μmであり、屈折率が1.66〜1.80である無機酸化物からなる内部散乱用粒子32と、を分散させた防眩散乱層1を有することを特徴とする光学フィルム4により、上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)は、軽く、薄く、低消費電力であるといった利点を有するフラットパネルディスプレイ(FPD)であり、テレビ、カーナビゲーション、デスクトップパソコン、ノートPC(Personal Computer)、FA(Factory Automation)などの画像表示装置(ディスプレイ装置)として幅広く利用されている。
液晶表示装置は、液晶分子の配向特性のため、表示画像の色が表示画像を観察する角度によって異なって見えるという特性があることが知られている。
テレビで表示する画像では、中間階調が多用されている。また、リビングに集まった家族が色々な方向からテレビ画面を見る場合が多い。そのため、表示画像を観察する角度によって異なって見えるということは無い方がよく、中間階調は正確に表示されることが望ましい。
このような条件を満たすために、液晶分子の配向方式については、現在までにTN(Twisted Nematic)方式や、OCB(Optically Compensated Bend)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane Switching)方式などが開発されている。
TN方式は広い温度範囲で動作させることができるため、モバイルディスプレイや車載用ディスプレイなどに多く用いられている。近年は、その中でも特に車載用ディスプレイとして幅広く用いられるようになっている。
しかし、TN方式は液晶分子が捻れ配向となるために、位相差フィルムで偏光を補正しても、一方向だけコントラストの反転が起こってしまうという欠点があり、様々な方向から見ることが想定されるテレビには不向きとされている。
特許文献1および特許文献2には、TN方式の上記問題を解決するために、TN方式を用いた液晶表示パネルの前面に、拡散フィルムを配置して視域を拡大する技術が開示されている。この技術では視域拡大効果および階調反転防止効果を得ることができる。
しかし、表示画像の視域を拡大するために視域拡大効果を向上させた拡散フィルムを用いると、表示画像のボケが大きくなるという問題があった。この技術をデスクトップパソコンのモニターやカーナビゲーションのモニターに用いた場合には小さな文字、記号などを表示することが多いので、このような表示画像のボケの発生は、特に大きな問題となった。
表示画像のボケの一因は、斜め方向に抜けるはずの光が干渉により正面方向に進行して、コントラストを低下させることによる。特許文献3には、このコントラストの低下を抑制するために、バックライトからの光を正面方向に強く集光させる技術が開示されている。
しかし、この技術では、バックライトからの光を正面方向に強く集光させるために、バックライトの構造を複雑にする。そのため、バックライトが高価になり易く、また、集光効率も低下しやすいという問題が発生した。さらにまた、この技術は、特定の拡散フィルムの使用を考慮したものではないので、階調反転を十分に抑制できるものとはなっていなかった。
また、階調特性を改善するために階調反転防止効果を有する拡散フィルムを液晶パネルに張り合わせた場合、一般にギラツキとよばれる微小なムラが観察される。この原因の一つとして、拡散フィルムの表面の凹凸形状がレンズのような作用をして、液晶パネルの複数の微細な画素から出射される光あるいは反射される光との干渉が考えられる。また、別の理由として、拡散フィルムの表面の凹凸形状の各点で拡散反射したコヒーレント光が不規則な位相関係で干渉し合うことによって生じるスペックルが考えられる。なお、スペックルとは、光を拡散反射する面に対してレーザー光を当てたときに見られる班点状の模様である。このギラツキとよばれる微小なムラを低減させるためには、光を広く散乱させる必要があるが、光を広く散乱させると表示画像のボケが強くなる傾向がある。
さらに、視域拡大効果および階調反転防止効果を有する拡散フィルムは液晶表示装置の観察者側の面に配置することが多いので、防眩性機能に加えて、外光の写り込みが無いことやハードコート機能を同時に兼ね備えるのが望ましい。
特開平10−10513号公報 特開2001−343646号公報 特開2004−4763号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置を得ることを目的にしている。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
本発明の光学フィルムは、アクリレート系官能基を有する樹脂材料からなる形成用材料に、モード径が4〜12μmである樹脂材料からなる防眩用粒子と、モード径が1〜5μmであり、屈折率が1.66〜1.80である無機酸化物からなる内部散乱用粒子と、を分散させた防眩散乱層を有することを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、前記内部散乱用粒子が、酸化アルミニウムからなることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、前記内部散乱用粒子のモード径が0.5〜2μmであることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、前記防眩散乱層の膜厚が、5〜20μmであることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、前記防眩用粒子が、アクリル系樹脂材料からなることを特徴とする。
本発明の光学フィルムの作製方法は、形成用材料を100質量部、モード径が4〜12μmである樹脂材料からなる防眩用粒子を5〜30質量部、屈折率が1.66〜1.80である無機酸化物からなる内部散乱用粒子を1〜15質量部を混合し、更に、溶媒と混合して固形分比を40〜60wt%に調整した防眩散乱層用溶液を、基材フィルムの上に塗布する工程と、前記防眩散乱層用溶液を塗布した基材フィルムを加熱して前記溶媒を揮発させることにより、未重合防眩散乱層を形成する工程と、電子線または紫外線を前記未重合防眩散乱層に照射して、前記未重合防眩散乱層を重合収縮させることにより防眩散乱層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の偏光板は、先に記載の光学フィルムが、偏光層上に配置されてなることを特徴とする。
本発明の液晶表示装置は、先に記載の偏光板を、観察者側の面に配置してなることを特徴とする。
上記構成によれば、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える光学フィルム、光学フィルムの作製方法、偏光板、液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態である液晶表示装置、偏光板および光学フィルムの一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である液晶表示装置100は、本発明の実施形態である偏光板61と、TN型液晶パネル10と、別の偏光板62と、バックライトユニット11とから概略構成されている。偏光板61は、本発明の実施形態である光学フィルム4と、偏光層7と、透明基材フィルム52とから構成されている。さらに、光学フィルム4は、防眩散乱層1と、透明基材フィルム51とから構成されている。
なお、観察者は、正面方向(観察者側)fに位置し、TN型液晶パネル10の表示画像を観察する。
TN型液晶パネル10は、ガラス基板81とガラス基板82の間にTN液晶層を挟みこんで形成されている。また、別の偏光板62は、透明基材フィルム51、52の間に偏光層7を挟みこんで形成されている。
バックライトユニット11から出射された光は、偏光板62を介して、観察者と反対側の面10aからTN型液晶パネル10へ入射され、観察者側の面10bから出射される。この光は、偏光板62に入射された後、偏光板62の観察者側の面1bから正面方向(観察者側)fに出射される。
なお、偏光板62の正面方向(観察者側)fには、防眩散乱層1を有する光学フィルム4が配置されているので、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える構成とされている。
以下、この構成について説明する。
防眩散乱層1は、形成用材料2に防眩用粒子31と内部散乱用粒子32とが分散されて構成されている。また、防眩散乱層1は、正面方向(観察者側)fに配置され、観察者側の面1bと、観察者と反対側の面1aとを備えている。さらにまた、観察者と反対側の面1aは光の入射面、観察者側の面1bは光の出射面とされ、観察者側の面1bは非平坦な面とされている。
防眩散乱層1の観察者側の面1bは非平坦な面とされることが好ましい。
観察者側の面1bが凹凸形状を有する非平坦な面とされることにより、観察者側の面1bで反射される光が広く散乱され防眩性機能を発現させることができるためである。
なお、この凹凸形状は、防眩用粒子31の大きさと形状に起因するものである。後述するように、防眩散乱層1の製造工程で、形成用材料2に防眩用粒子31を分散して調整した溶液を透明基材フィルム51上に塗布した後、乾燥工程により溶媒を揮発させて形成用材料2のみの粘性を上げた状態にした後に、紫外線照射して形成用材料2を重合収縮させると、観察者側の面1bに防眩用粒子31の大きさと形状を転写するように凹凸形状が形成される。
しかし、図2に示されるように、防眩用粒子31の大きさが防眩散乱層1の膜厚に比べて著しく小さい場合は、観察者側の面1bに防眩用粒子31の大きさと形状を転写するように凹凸形状が形成されず、観察者側の面1bが平坦となる。この場合は、観察者側の面1bで反射される光を広く散乱させることができず、防眩性機能を発現させることができない。
また、図3に示されるように、防眩用粒子31の大きさが防眩散乱層1の膜厚に比べて著しく大きい場合は、防眩用粒子31が観察者側の面1bから露出され、防眩散乱層1の表面張力のバラツキが生じて表面にムラができ、観察者側の面1bで反射される光を広く散乱させることができず、防眩性機能を発現させることができなくなるので好ましくない。
なお、防眩用粒子31により形成される凹凸形状を有する観察者側の面1bにより散乱される光は、散乱の広がり角がそれほど広くないので、後述する内部散乱用粒子32が有する階調反転防止効果は持たない。
また、防眩用粒子31の大きさと形状に起因して観察者側の面1bに凹凸形状が形成されている場合には、光学フィルム4をロール体として保存するとき、光学フィルム4の重なり合う面4a、1bが互いに密着することはないので、光学フィルム4の観察者側の面1bの面状態が保たれ、保存安定性の面から好ましい。
さらにまた、表示画像のボケを防止することができるとともに、外光の写り込みを無くすことができる。
なお、防眩用粒子31のモード径は、内部散乱用粒子32のモード径より大きいことが好ましい。先に記載したように、防眩用粒子31が観察者側の面1bに凹凸形状を規定するように、防眩散乱層1を設計しているためである。そのため、たとえば、内部散乱用粒子32のモード径を5μmとした場合は、防眩用粒子31のモード径は5μm超とすることが好ましい。
(形成用材料)
形成用材料2は、アクリレート系官能基を有する樹脂材料(バインダー)からなることが好ましい。
アクリレート系官能基を有する樹脂材料は、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)などの放射線を照射することにより硬化する材料であり、硬化された場合高い表面硬度を実現する。そのため、これを形成用材料2として用いた場合には、十分なハードコート機能を備えさせることができる。
アクリレート系官能基を持つ樹脂材料としては、たとえば、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレートなどを挙げることができる。
このうち、ポリエステルアクリレートについては、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレート又はメタアクリレート、若しくはその混合物を挙げることができる。(以下、アクリレート及び/又はメタアクリレートを(メタ)アクリレートと記載する。)
一方、ウレタンアクリレートついては、ポリオール化合物をジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものを挙げることができる。
アクリレートを構成する単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、形成用材料2は、多官能モノマーを併用してもよい。
多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ポリエステル系オリゴマーとしては、たとえば、アジピン酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール等)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン等)、セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジペートポリオールや、ポリセバシエートポリオールなどを挙げることができる。
また、硬化の際に放射線硬化型材料の重合を効率良く進行させるために、形成用材料2に重合開始剤を配合してもよい。
この重合開始剤としては、特に制限はないものの、活性エネルギーを照射した際にラジカルを発生する化合物を用いることが好ましい。このような重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパンー1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。また、重合開始剤の配合量については、形成用材料100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜7質量部であり、更に好ましくは1〜5質量部である。
(防眩用粒子)
防眩用粒子31は、モード径が4〜12μmであることが好ましい。
防眩用粒子31のモード径を上記範囲内にした場合には、防眩散乱層1の観察者側の面1bを非平坦な面にして、防眩性機能を発現させることができる。
モード径が4μm未満の場合には、粒子径が小さすぎ、防眩性が防眩散乱層1の膜厚に大きく依存して好ましくない。
また、モード径が12μm超の場合には、粒子径が大きすぎるので、粒状態が強くなり均一性を保てないので好ましくない。
なお、モード径とは、一般に、出現確率が最も大きい粒子径あるいは粒度分布の極大値となる粒子径のことである。
モード径は、レーザー光を粒子に照射して得られる光散乱プロファイル(光散乱分布)により求めることが出来る。また、光学あるいは電子顕微鏡観察により粒子径を直接測定して、フィッティング処理を行うことにより求めることも出来る。
なお、防眩用粒子の屈折率は、形成用材料2との屈折率差が小さい方が好ましい。形成用材料としてアクリル樹脂(n=1.53)を用いることを考慮すると、防眩用粒子の屈折率は1.46〜1.60の範囲内あることが好ましい。これは、防眩用粒子31と形成用材料2との屈折率差が大きい場合には防眩散乱層内での光の散乱が過剰となり、表示画像のボケが発生する場合があることによる。
防眩用粒子31は、アクリル系樹脂材料からなることが好ましい。
防眩用粒子31がアクリル系樹脂材料からなる場合には、アクリレート系官能基を有する樹脂材料からなる形成用材料2に均一に分散させることができる。そのため、観察者側の面1bに形成する凹凸形状を均一にして、安定した防眩性機能を発現させることができる。また、防眩用粒子31と形成用材料2との間の屈折率差を小さくすることができるので、防眩散乱層1内での光の散乱を小さくして、表示画像のボケを抑制することができる。アクリル系樹脂材料としては、たとえば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などを挙げることができる。
防眩用粒子31の樹脂材料としては、他に、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン、ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの各種ポリマーを挙げることができる。このような汎用または準エンジニアリングプラスチックからなる樹脂は、材料コストが安く、取り扱いが容易である点から好ましい。
この防眩散乱層1は1層でも十分な防眩性機能を発現させることができるが、多層構造にしてもよい。さらに、表示画像のボケなどを抑制することができるので、より視認性の高い光学フィルム4とすることができるとともに、このような光学フィルムを容易に作製する事ができる。
(内部散乱用粒子)
防眩散乱層1に、内部散乱用粒子32を分散させることが好ましい。
内部散乱用粒子32を分散させることによって、防眩散乱層1の観察者と反対側の面1aから観察者側の面1bへ透過する光を広く散乱させて、階調反転防止効果を発現させることができる。また、視域を拡大させることができる。
内部散乱用粒子32の無機酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2O3)が好ましい。
内部散乱用粒子32が酸化アルミニウムからなる場合には、内部散乱用粒子32と形成用材料2との間の屈折率差を大きくすることができ、内部散乱を大きくすることができ、透過する光の広がり角を広くして、透過する光を広く散乱させて、階調反転防止効果および階調改善効果を発現させることができる。
また、後述するように、屈折率が1.76であるので、内部散乱用粒子32としては酸化アルミニウムが好適である。
また、酸化アルミニウムのような無機酸化物粒子は、一般に互いに吸着しやすく、また凝集しやすい。特に、粒子径を小さくした無機酸化物粒子は、粒子径が大きな無機酸化物粒子に吸着しやすくなる。無機酸化物粒子が吸着・凝集することは、防眩散乱層1内の粒子の分散状態を不均一にして防眩性機能を劣化させることとなるので、好ましくない。
一方、極性の低い樹脂材料粒子と極性の高い無機酸化物粒子との間では、極性の反発により、吸着・凝集は比較的起こりにくい。そのため、内部散乱用粒子32としてアルミナ粒子を用い、防眩用粒子31として樹脂材料粒子を用いる組み合わせは、吸着・凝集を防ぎ、防眩散乱層1内の粒子の分散状態を均一にして防眩性機能を確保できる点から好ましい。
無機酸化物粒子を用いる場合には、無機酸化物粒子の表面がある程度粗いことが好ましい。無機酸化物粒子の表面がある程度粗い場合には、無機酸化物粒子間の吸着・凝集を防ぐことができる。たとえば、酸化アルミニウムの結晶体や、バルク体を粉砕して加工した無機酸化物粒子は、完全な球体ではなく表面に凹凸形状を有するので吸着・凝集がしづらく好ましい。さらにまた、無機酸化物粒子間の吸着・凝集を防ぐために、分散剤を添加してもよい。
内部散乱用粒子32に関して、本発明者らが鋭意検討を行った結果、安定して、且つ、より高い散乱性を得るには、防眩散乱層1として単位面積、単位厚当たりに、単位コンテント量の内部散乱用粒子32を入れた際の散乱量(散乱性)が重要であることを見出した。
該散乱量は、以下のようにして求められる。
なお、本発明における散乱量とは、入射する光量と散乱される光量の比率を意味する。
先ず、防眩散乱層1中における、1内部散乱用粒子32当たりの散乱量は、下記式(1)で与えられる散乱断面積Sで表される。
S=Q×A ・・・(1)
ここで、Aは内部散乱用粒子32の断面積(A=円周率×粒子半径)である。一方、Qは散乱因子であり、Mieの散乱理論から、下記式(2)より求められる。
Figure 2009157323
χ、an、bnは、サイズパラメータと呼ばれ、χは下記式(3)より求められる。
χ=2πa/λ ・・・(3)
一方、an、bnは、それぞれ下記式(4)、(5)より求められる。
Figure 2009157323
Figure 2009157323
Ψn(χ)とξn(χ)は、Ricatti−Bessel関数で球状ベッセル関数のそれぞれ第一種のJ[n]と2種のY[n]であり(Bronstein&Semendjajew1991参照。)、それぞれ下記式(6)、(7)より求められる。
Ψn(χ)=χJn(χ)・・・(6)
ξn(χ)=Ψn(χ)−χYn(χ)I・・・(7)
また、Dnは、下記式(8)、(9)で示される関数である。
Figure 2009157323
Figure 2009157323
このように、散乱効率は、特殊関数の級数展開で与えられる。
次に、防眩散乱層1中に複数の内部散乱用粒子32を有する場合、内部散乱用粒子32の総数をNとすると、散乱断面積の総面積Snは、下記式(10)で表される。
Sn=S×N・・・(10)
また、防眩散乱層1に入射する光量Lと、散乱する光量Lsは、入射面積をWとし、単位面積当たりの入射光量をPとした場合、各々、下記式(11)、(12)で表される。
L=W×P・・・(11)
Ls=Sn×P・・・(12)
したがって、入射する光量と散乱する光量の比率(散乱量)Hは、上記式(10)〜(12)より、下記式(13)で表される。
H=Ls/L=Sn/W=N×S/W・・・(13)
ここで、内部散乱用粒子32の形成用材料2に対する体積密度をρv、防眩散乱層1の体積をV、1内部散乱用粒子32当たりの体積をVpとすると、内部散乱用粒子32の総数Nは、下記式(14)で表される。
N=(ρv×V)/Vp・・・(14)
したがって、入射する光量と散乱する光量の比率Hは、上記式(13)、(14)より、下記式(15)で表される。
H=ρv×S×V/(Vp×W)=(S/Vp)×ρv×V/W・・・(15)
ここで、S/Vpは単位体積当たりの散乱断面積(μs)、V/Wは光散乱フィルム10の厚さ(d)であるから、上記式(15)は下記式(16)のように表される。
H=μs×ρv×d・・・(16)
体積密度(ρv)と防眩散乱層1の厚さ(d)は、事実上、ある数値に限定されるため、散乱量(散乱性)においては、単位体積当たりの散乱断面積(μs)が重要な因子となることが明らかとなった。
見た目のボケを低減し、且つ階調反転を抑制するためには、平行光線透過率が高く、散乱の広がり角を広くする必要がある。そのためには、粒子直径の小さいものを用いることが好ましい。しかしながら、形成用材料(バインダ)2と内部散乱用粒子32との屈折率の差が小さいもので、粒子直径を小さくしていくと、上述した単位体積当たりの散乱断面積も小さくなってしまう。したがって、形成用材料2と内部散乱用粒子32との屈折率の差は大きくする必要がある。しかしながら、形成用材料2は、上述した樹脂材料からなるため、耐久性、生産性、ハンドリング、硬度の面から選択できる材料が少なく、一般的にはアクリル樹脂からなり、屈折率は1.53前後になってしまう。このため、内部散乱用粒子32として、屈折率の高いものか、屈折率の低いものを選択する必要があるが、屈折率の低いものは、フッ素添加ポリマー等で実現できるが、1.4程度のものしか得られず、且つ分散性が低いため、扱いにくい。一方、高い屈折率のものは、金属酸化物の結晶等があり、これらは入手もしやすく扱いやすいため、このような用途には、非常に適している。
このような内部散乱用粒子32をディスプレイの前面に配置するためには、明所でのコントラストを維持するために、後方散乱を低く抑える必要がある。これは、後方散乱が高い散乱体をディスプレイの前面に配置すると、外光を散乱し、黒が浮いた印象を与え、コントラストが低く感じられてしまうためである。上記の式と同様にMieの散乱理論から後方散乱は求められる。
ここで、形成用材料2の硬化時の屈折率を1.53とした場合に内部散乱用粒子32の屈折率による後方散乱量を図6に示す。なお、粒子直径は、上記の単位体積当たりの散乱断面積が最大となるようにした。図6から分かるように、粒子の屈折率としては、1.1〜1.8が適している。
また、単位体積当たりの散乱断面積が最大となる粒子直径を図7に示す。図7に示すように、屈折率が1.66未満では、粒子直径大きくなってしまうため、屈折率としては、1.66以上が好ましい。
したがって、本発明に用いられる内部散乱用粒子32では、その粒子の屈折率を1.66〜1.80とすることが好ましい。なお、屈折率の測定方法としては、ベッケ法による測定を用いることができる。
また、本発明に用いられる内部散乱用粒子32としては、単位体積当たりの散乱断面積が最大となる粒子直径の半分となるような粒子直径のうち、小さい方をDS、大きい方をDLとしたときに、粒子のモード径が、DS以上、DL以下となる粒子を用いるのが、効率の面から好ましい。なお、防眩性、密着防止、硬度向上などの他の機能を付加する理由などによって、上記範囲から外れる粒子が添加されていても、上記範囲の粒子が添加されていれば、同様の効果が期待できる。また、上記粒子のモード径は、レーザー光による光散乱分布から求める方法、より好ましくは、顕微鏡等により粒子直径を直接求める方法などを用いることができる。
TN型の液晶表示装置100において、見た目のボケを低減し、且つ階調反転を抑制するためには、上述した酸化アルミニウム粒子が化学的な安定性が高く、内部散乱用粒子32として最適である。
そこで、図4、図5及び図8のグラフを用いて、内部散乱用粒子32として酸化アルミニウム粒子(n=1.76)を用いた場合の最適な粒子直径について求めた。
なお、図4は、屈折率が1.52の形成用材料2に、屈折率nが1.43/1.65/1.76(酸化アルミニウム)/1.6/1.495/1.525の6種の粒子を分散させた際の、内部散乱用粒子32の粒子直径と各単位体積当たりの散乱断面積(μs[1/μm])の関係を示すグラフである。
一方、図5は、屈折率が1.52の形成用材料2に、屈折率nが1.43/1.65/1.76(酸化アルミニウム)の3種の粒子を分散させた際の、散乱断面積の波長依存性を示すグラフである。これは、内部散乱用粒子32の粒子直径と散乱断面積の波長での差異を示す指標として、以下の式で表されるΔS/Sを示したグラフである。
ΔS/S=S(λ:650nm)−S(λ:450nm)/S(λ:550nm)
なお、式中のS(λ:450nm)、S(λ:550nm)、S(λ:650nm)は、それぞれ、波長450nm、550nm、650nmでの散乱断面積である。このグラフでは、数値がプラスであれば、長波長の光をより多く散乱し、逆にマイナスであれば、短波長の光をより多く散乱する。
図4に示すように、単位体積当たりの散乱断面積を高めるためには、酸化アルミニウム粒子の粒子直径は0.5〜2.0μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.5μmの範囲である。一方、TN型の液晶表示装置100では、図5に示すΔS/Sを0に近づけることで、波長による散乱性の違いが小さくできるため、角度による色味の変化を最小限とすることができる。したがって、酸化アルミニウムの粒子直径は、1.0〜1.5μmの範囲が好ましく、特に酸化アルミニウムの粒子直径を1.5μmとした場合には、ΔS/Sをほぼ0にすることができる。また、上記理由から、粒度分布のモード径が、0.5〜2.0μmの範囲の粒子を用いることが好ましく、より好ましくは、1.0〜2.0μmであり、更に好ましくは1.0〜1.5μmの範囲である。
防眩散乱層1の膜厚は、5〜20μmであることが好ましい。
防眩散乱層1の膜厚が5μm未満の場合には、膜厚が薄すぎるので膜厚の制御が難しくなり、製造生産性が低下するおそれが発生する。また、防眩散乱層1の観察者側の面1bの防眩用粒子31に起因する凹凸形状が防眩性機能に影響するので、防眩散乱層1の膜厚を薄くした場合には防眩用粒子31の粒子径を小さくする必要が生じる。しかし、防眩用粒子31の粒子径を小さくした場合には、防眩用粒子31の吸着・凝集を生じさせる場合が高まる。さらに、防眩用粒子31が吸着・凝集された場合には、観察者側の面1bに均一な凹凸形状を形成できず、防眩性機能を確保することが困難となる。さらにまた、十分な硬度を有する防眩散乱層1を形成することができず、かつ、面状態も良好なものにすることができないので好ましくない。
防眩散乱層1の膜厚が20μm超の場合には、十分な防眩性機能を確保するために、観察者側の面1bに凹凸形状を形成する防眩用粒子31の粒子径を大きくする必要が生じる。しかし、防眩用粒子31の粒子径を大きくした場合には、防眩散乱層1の観察者側の面1bに粒状感が発生して、防眩性機能を低下させるおそれが発生するので好ましくない。さらに、材料を多く使うことになり製造コストが高くなるとともに、防眩散乱層1がワレやすくなるので好ましくない。
次に、本発明の実施形態である光学フィルムの作製方法の一例について説明する。
本発明の実施形態である光学フィルムの作成方法は、防眩散乱層用溶液調整工程と、塗布乾燥重合工程とからなる。
(防眩散乱層用溶液調整工程)
形成用材料2を100質量部と防眩用粒子31を5〜30質量部、内部散乱用粒子32を1〜15質量部量り取る。次に、形成用材料2に対して防眩用粒子31と内部散乱用粒子32と溶媒を混合して固形分比を40〜60wt%とした防眩散乱層用溶液を調整する。
この溶媒は必要に応じて加えることができる。また、溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、メチルイソブチルケトン酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類などを挙げることができる。また、このとき膜を均斉化させるために、沸点が70〜150℃程度のものを用いるのが望ましい。
(塗布乾燥重合工程)
次に、一般的なコーティング法により、透明基材フィルム51の一面に防眩散乱層用溶液(塗液)を塗布する。前記コーティング法としては、たとえば、ダイコータ、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、スクリーン印刷などの方法を用いることができる。また、透明基材フィルム51としては、たとえば、TACまたはPETなどを用いることができる。なお、乾燥などの工程により膜厚が薄くなることを考慮して、塗布膜厚を決定する。
次に、この防眩散乱層用溶液(塗液)を塗布した透明基材フィルム51を加熱炉の中を通して前記溶媒を揮発させて、乾燥させて、未重合防眩散乱層を形成する。
EBまたは紫外線をこの未重合防眩散乱層に照射して、形成用材料2を重合収縮させることにより防眩散乱層1を形成する。
防眩散乱層1に分散させる防眩用粒子31と内部散乱用粒子32の量は、合計して10wt%〜30wt%とすることが好ましい。
防眩用粒子31と内部散乱用粒子32の合計分散量が10wt%未満の場合には、十分な防眩性機能および内部散乱機能を得ることができないので好ましくない。
逆に、防眩用粒子31と内部散乱用粒子32の合計分散量が30wt%超の場合には、合計分散量が多すぎてヘイズ値が高くなり、正面方向(観察者側)fでのコントラストの低下を招くので好ましくない。
また、防眩用粒子31と内部散乱用粒子32の分散量の比は、2:1〜1:2とすることが好ましい。
防眩用粒子31と内部散乱用粒子32の分散量の比が、これより大きく外れるような場合には、防眩性機能もしくは内部散乱機能いずれかの機能が十分でないこととなるので、好ましくない。
(偏光板)
図1に示すように、本発明の実施形態である偏光板61は、本発明の実施形態である光学フィルム4が、偏光層7および別の透明基材フィルム52の上に配置されて構成されている。
このような構成とすることにより、偏光層7の偏光機能に加えて、光学フィルム4の視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないこと(防眩性機能)やハードコート機能を同時に兼ね備える偏光板61とすることができる。
(液晶表示装置)
図1に示すように、本発明の実施形態である液晶表示装置100は、本発明の実施形態である偏光板61が、TN型液晶パネル10の観察者側の面10bに配置されて構成されている。
このような構成とすることにより、バックライトユニット11からの光を用いてTN型液晶パネル10の情報を表示する光特性のうち、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことを改善するとともに、ハードコート機能を同時に兼ね備える液晶表示装置100とすることができる。
本発明の光学フィルム4は、形成用材料2に、モード径が4〜12μmである防眩用粒子31を分散させた防眩散乱層1を有する構成なので、防眩散乱層1の観察者側の面1bの表面に凹凸形状を形成して、防眩性機能を発現させることができる。さらに、表示画像のボケを防止することができるとともに、外光の写り込みを無くすことができる。
本発明の光学フィルム4は、アクリレート系官能基を有する樹脂材料からなる形成用材料2に、アクリル系樹脂材料からなる防眩用粒子31を分散させた防眩散乱層1を有する構成なので、防眩散乱層1に防眩用粒子31を均一に分散させることができ、安定した防眩性機能を発現させることができる。また、形成用材料2と防眩用粒子31との間の屈折率差を小さくすることが出来るので、防眩散乱層1内での光の散乱を小さくして、表示画像のボケを抑制することができる。
本発明の光学フィルム4は、形成用材料2に、モード径が1〜5μmである内部散乱用粒子32を分散させた防眩散乱層1を有する構成なので、透過する光の広がり角を広くすることができる。また、内部散乱用粒子32を均一に分散させることができる。そのため、防眩散乱層1の内部散乱を大きくするとともに、その内部散乱効果を均一にすることができ、透過する光を広く散乱させて、階調反転防止効果および階調改善効果を発現させることができる。さらにまた、視域を拡大させることができる。
本発明の光学フィルム4は、形成用材料2に、屈折率が1.66〜1.80である内部散乱用粒子32を分散させた防眩散乱層1を有する構成なので、防眩散乱層1での内部散乱を大きくすることができ、透過する光の広がり角を広くして、透過する光を広く散乱させて、階調反転防止効果および階調改善効果を発現させることができる。
本発明の光学フィルム4は、内部散乱用粒子32が、酸化アルミニウムからなる構成なので、形成用材料2との屈折率差が大きくされ、防眩散乱層1での内部散乱を大きくすることができ、透過する光の広がり角を広くして、透過する光を広く散乱させて、階調反転防止効果および階調改善効果を発現させることができる。
本発明の光学フィルム4は、形成用材料2に防眩用粒子31と内部散乱用粒子32を分散させてなる構成なので、階調反転防止効果および階調改善効果を発現させることができ、位相差フィルムが備えられたTN型液晶とともに用いることにより、位相差フィルムで補償しきれない方向での階調も改善させることができる。
本発明の光学フィルム4は、防眩散乱層1の膜厚を5〜20μmとする構成なので、容易に観察者側の面1bに均一な凹凸形状を形成することができ、面状態を良好にして防眩性機能を確保することができる。また、十分な硬度を有する防眩散乱層1を形成して、防眩散乱層1にハードコート機能を持たせることができる。
本発明の光学フィルム4の作製方法は、防眩散乱層用溶液を、基材フィルム51の上に塗布する工程と、防眩散乱層用溶液を塗布した基材フィルム51を加熱して溶媒を揮発させることにより、未重合防眩散乱層を形成する工程と、電子線または紫外線を未重合防眩散乱層に照射して、未重合防眩散乱層を重合収縮させることにより防眩散乱層1を形成する工程とからなる構成なので、生産性よく、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える光学フィルム4を製造することが出来る。
本発明の偏光板61は、本発明の光学フィルム4が、偏光層7上に配置されてなる構成なので、偏光層7の偏光機能に加えて、光学フィルム4の視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことやハードコート機能を同時に兼ね備える偏光板61とすることができる。
本発明の液晶表示装置100は、本発明の偏光板61を、画像表示面1b側に配置してなる構成なので、バックライトユニット11からの光を用いてTN型液晶パネル10の情報を表示する光特性のうち、視域拡大効果、階調反転防止効果、表示画像のボケ防止効果、外光の写り込みが無いこと、ギラツキがないことを改善するとともに、ハードコート機能を同時に兼ね備える液晶表示装置100とすることができる。
さらに、本発明の液晶表示装置100は、視域拡大効果が改善された液晶表示装置100なので、家庭用テレビや車載用のディスプレイなど、様々な方向から観察されるようなディスプレイを容易に得る事ができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(参考例1)
形成用材料としてアクリレート樹脂を100質量部、防眩用粒子としてモード径が3μmのアクリル粒子(積水化学工業(株)製)を12質量部量り取った。次に、形成用材料と防眩用粒子と溶媒と混合して固形分比を50wt%とした防眩散乱層用溶液を調整した。
次に、スピンコーティング法により、TACフィルム(富士フィルム(株)製「フジタック」)の一面に防眩散乱層用溶液(塗液)を塗布した。
次に、この防眩散乱層用溶液(塗液)を塗布した透明基材フィルムを加熱炉の中を通して前記溶媒を揮発させて、乾燥させて、未重合防眩散乱層を形成した。
紫外線を約500mJ/cmで未重合防眩散乱層に照射して、形成用材料を重合収縮させることにより参考例1の防眩散乱層を膜厚12mmで形成した。
(参考例2〜5)
防眩用粒子としてモード径が5、8、10、12μmのアクリル粒子(積水化学工業(株)製)を用いたほかは、試験例1と同様にして、参考例2〜5の防眩散乱層を形成した。
表1は、参考例1〜5の防眩散乱層の防眩用粒子の粒子径と、防眩散乱層の面状態との関係を示す表である。
防眩用粒子のモード径が5〜10μmのとき、面状態はOKであった。しかし、防眩用粒子の粒子径が3μmと小さすぎる場合には、粒子同士の凝集が起こり、面状態を著しく損ない、安定した面状態を得ることができなかった。さらに、膜厚を変えたサンプルでは、防眩性が大きく変化した。
逆に、防眩用粒子の粒子径が12μmと大きすぎる場合には、粒状感が強く均一な印象を受けず、不均一な面状態であった。
Figure 2009157323
(実施例)
防眩性を発現させるために、アクリル樹脂100質量部からなる形成用材料に、防眩用粒子としてモード径8μmのアクリル粒子(積水化学工業(株)製)を12質量部と、階調改善効果を発現させるために内部散乱用粒子としてモード径1.5μmのアルミナ粒子を4質量部分散させ、溶媒で希釈して、固形分比が40wt%となるように防眩散乱層用溶液(塗液)を調整した。これを、TACフィルム上に成膜した後、オーブンに入れて乾燥した。乾燥後、紫外線を照射して硬化させて、TACフィルム上に膜厚12μmの防眩散乱層を形成した。
この防眩散乱層は、ヘイズ値が51.5、60度方向でのグロスが79となり、所望の光学効果を得ることができた。
本発明の実施形態である光学フィルムを備えたTN型液晶表示装置の一例を示す概略図である。 光学フィルムの一例を示す概略図である。 光学フィルムの一例を示す概略図である。 内面散乱体の粒子直径と単位体積当たりの散乱断面積との関係を示すグラフである。 内面散乱体の粒子直径とΔS/S(散乱断面積の波長依存性)との関係を示すグラフである 内面散乱体の屈折率と後方散乱の比率を示すグラフである。 内面散乱体の屈折率と散乱断面積/粒子体積が最大化する粒子直径を示すグラフである。 内面散乱体の酸化アルミニウムであるときの後方散乱の比率を示すグラフである。
符号の説明
1…防眩散乱層、1a…観察者と反対側の面、1b…観察者側の面、2…形成用材料、31…防眩用粒子、32…内部散乱用粒子、4…光学フィルム、7…偏光層、9…TN型液晶層、10…TN型液晶パネル、10a…観察者と反対側の面、10b…観察者側の面、11…バックライト、51、52…透明基材フィルム、61、62…偏光板、81、82…ガラス基板、100…TN型液晶表示装置。

Claims (8)

  1. アクリレート系官能基を有する樹脂材料からなる形成用材料に、モード径が4〜12μmである樹脂材料からなる防眩用粒子と、モード径が1〜5μmであり、屈折率が1.66〜1.80である無機酸化物からなる内部散乱用粒子と、を分散させた防眩散乱層を有することを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記内部散乱用粒子が、酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記内部散乱用粒子のモード径が0.5〜2μmであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  4. 前記防眩散乱層の膜厚が、5〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記防眩用粒子が、アクリル系樹脂材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 形成用材料を100質量部、モード径が4〜12μmである樹脂材料からなる防眩用粒子を5〜30質量部、屈折率が1.66〜1.80である無機酸化物からなる内部散乱用粒子を1〜15質量部を混合し、更に、溶媒と混合して固形分比を40〜60wt%に調整した防眩散乱層用溶液を、基材フィルムの上に塗布する工程と、
    前記防眩散乱層用溶液を塗布した基材フィルムを加熱して前記溶媒を揮発させることにより、未重合防眩散乱層を形成する工程と、
    電子線または紫外線を前記未重合防眩散乱層に照射して、前記未重合防眩散乱層を重合収縮させることにより防眩散乱層を形成する工程と、を有することを特徴とする光学フィルムの作製方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルムが、偏光層上に配置されてなることを特徴とする偏光板。
  8. 請求項7に記載の偏光板を、観察者側の面に配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
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