JP2007101679A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の広視野角化、特にパネル下方向の階調反転の改善を高度に実現し、かつ高精細液晶表示装置でも呆けがなく、明るさが均一な画像を実現できる液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】バックライト装置、液晶セル、および液晶セルの両側(視認側およびバックライト側)に配置される2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、 前記バックライト装置が、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、且つ、 前記視認側に配置される偏光板が、偏光層5、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム4,6、光学異方性層7、および散乱体1を含有する光拡散層3を少なくとも有し、光拡散層が特定の散乱光強度を有することを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】図1
【解決手段】バックライト装置、液晶セル、および液晶セルの両側(視認側およびバックライト側)に配置される2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、 前記バックライト装置が、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、且つ、 前記視認側に配置される偏光板が、偏光層5、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム4,6、光学異方性層7、および散乱体1を含有する光拡散層3を少なくとも有し、光拡散層が特定の散乱光強度を有することを特徴とする液晶表示装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン等の画像表示に用いる液晶表示素子に関し、詳しくは表示品位の良好な液晶表示装置に関する。
一般に偏光板と液晶セルから構成される液晶表示装置の表示品位上の欠点として、従来、視野角が狭いことおよび外光の映り込みが目立つことが挙げられてきた。
視野角に関しては、現在主流であるTNモードTFT液晶表示装置において、光学補償フィルムを偏光板と液晶セルの間に挿入し、極めて広視野角の液晶表示装置が実現されている(例えば、特許文献1〜3参照)。ところが、上記液晶表示装置はパネルの下方向の階調反転が生じるという問題が残っていた。
この問題に対して、光拡散手段(例えば、特許文献4参照)、および出射光を拡散する光学手段(例えば、特許文献5参照)を、視認側表面に設けることで表示品位を大幅に改善する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法の具体的手段は高度に制御されたレンズ構造、あるいは回折構造を有する光拡散手段であり、高価、かつ大量生産が非常に困難であった。
視野角に関しては、現在主流であるTNモードTFT液晶表示装置において、光学補償フィルムを偏光板と液晶セルの間に挿入し、極めて広視野角の液晶表示装置が実現されている(例えば、特許文献1〜3参照)。ところが、上記液晶表示装置はパネルの下方向の階調反転が生じるという問題が残っていた。
この問題に対して、光拡散手段(例えば、特許文献4参照)、および出射光を拡散する光学手段(例えば、特許文献5参照)を、視認側表面に設けることで表示品位を大幅に改善する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法の具体的手段は高度に制御されたレンズ構造、あるいは回折構造を有する光拡散手段であり、高価、かつ大量生産が非常に困難であった。
光軸変換板を視認側表面に設けることで、良好な視野角を付与し、かつ下方向の階調反転を防ぐ方法が提案されているが(例えば、特許文献6参照)、この方法では光軸方向とその周囲で、表示の明るさが大きく変わってしまう問題があった。
明るさのムラを解消する目的で、バックライト側に光軸変換板を設けて明るさの均一化を行っているが、その効果は不充分であった。
明るさのムラを解消する目的で、バックライト側に光軸変換板を設けて明るさの均一化を行っているが、その効果は不充分であった。
安価、かつ大量生産可能な光拡散フィルムとしては、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケイ素(シリカ)等のフィラーを含む樹脂を塗工して形成したもの、などが挙げられる(例えば、特許文献7〜14参照)。しかしながら、これらの光拡散フィルムを用いても、表示品位の向上は微々たるものであった。
さらに近年、液晶表示装置が画素が細かい(高精細)モニター用途に用いられることが多くなり、上記のような光拡散効果を利用するものは、画像の呆けという大きな課題に直面している。
一方、外光の映り込みに関しては、反射防止フィルムが一般に用いられる。反射防止フィルムは、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するもので、ディスプレイの最表面に配置される。しかしながら、従来の反射防止フィルムは上述のような視野角の問題を解決し得るものではなく、外光の映り込みに優れ、かつ階調反転や視野角の問題を解決できるような反射防止フィルムが望まれていた。
特開平8−50206号公報
特開平7−191217号公報
欧州特許0911656A2号明細書
特許第2822983号明細書
特開2001−56461号公報
特開2001−33783号公報
特開平6−18706号公報
特開平10−20103号公報
特開平11−160505号公報
特開平11−305010号公報
特開平11−326608号公報
特開2000−121809号公報
特開2000−180611号公報
特開2000−338310号公報
本発明の目的は、液晶表示装置の広視野角化、特にパネル下方向の階調反転の改善を高度に実現し、かつ高精細液晶表示装置でも呆けがなく、明るさが均一な画像を実現できる液晶表示装置を提供することにある。
本発明の目的は、下記(1)〜(3)の液晶表示装置により達成された。
(1)バックライト装置、液晶セル、および液晶セルの両側(視認側およびバックライト側)に配置される2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、
前記バックライト装置が、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、且つ、
前記視認側に配置される偏光板が、偏光層、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム、光学異方性層、および光拡散層を少なくとも有し、該光拡散層が透光性樹脂および透光性樹脂中に分散された散乱体を含み、更に該光拡散層が、ゴニオフォトメータの散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01乃至0.2%の範囲となるように調整されたことを特徴とする液晶表示装置。
(2)前記光拡散層の透光性樹脂が、バインダーポリマーと、高屈折率を有するモノマーおよび/または金属酸化物超微粒子とから形成されたことを特徴とする上記(1)に記載の液晶表示装置。
(3)前記液晶セルが、TNモードの液晶セルであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の液晶表示装置。
前記バックライト装置が、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、且つ、
前記視認側に配置される偏光板が、偏光層、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム、光学異方性層、および光拡散層を少なくとも有し、該光拡散層が透光性樹脂および透光性樹脂中に分散された散乱体を含み、更に該光拡散層が、ゴニオフォトメータの散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01乃至0.2%の範囲となるように調整されたことを特徴とする液晶表示装置。
(2)前記光拡散層の透光性樹脂が、バインダーポリマーと、高屈折率を有するモノマーおよび/または金属酸化物超微粒子とから形成されたことを特徴とする上記(1)に記載の液晶表示装置。
(3)前記液晶セルが、TNモードの液晶セルであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の液晶表示装置。
本発明の液晶表示装置は、バックライト装置、液晶セル、および液晶セルの両側(視認側およびバックライト側)に配置される2枚の偏光板を有し、
前記バックライト装置は、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、さらに
視認側に配置される偏光板は、偏光層、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム、光学異方性層、および散乱体を含有する光拡散層を有し、且つ光拡散層が特定の散乱光強度を有することを特徴とする。
前記バックライト装置は、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、さらに
視認側に配置される偏光板は、偏光層、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム、光学異方性層、および散乱体を含有する光拡散層を有し、且つ光拡散層が特定の散乱光強度を有することを特徴とする。
一般的に、視野角は、バックライトから出射された光が視認側の偏光板表面に設置された光拡散層で拡散されればされるほど広くなるが、あまり拡散されすぎると、後方散乱が大きくなり、正面輝度が減少する、あるいは、散乱が大きすぎて画像鮮明性が劣化する(画像の呆け)等の問題が生じる。さらに、下方向の階調反転は、バックライト面光源の下方向に出射された光が液晶セルを通過するために起こる現象であり、従来のバックライトでは本質的に解消されない問題であった。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、バックライト面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を用いることで、本質的に下方向の階調反転を解消することができ、さらに光拡散層を、散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対して、特に視野角改良効果と相関ある30°の散乱光強度を一定の範囲に制御すれば、画像の呆けが解消し、光拡散層による視野角拡大効果と両立し、特に下方向の階調反転を防ぎながら下方向の視野角を拡大できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備したバックライト装置を用いることで下方向の階調反転を解消し、液晶表示装置の視認側の偏光板に光拡散層と光学異方性層を組み合わせ、該光拡散層を、散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対して、特に視野角改良効果と相関ある30°の散乱光強度を一定の範囲に制御することで、視野角改良を達成することができたものである。
すなわち、本発明によれば、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備したバックライト装置を用いることで下方向の階調反転を解消し、液晶表示装置の視認側の偏光板に光拡散層と光学異方性層を組み合わせ、該光拡散層を、散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対して、特に視野角改良効果と相関ある30°の散乱光強度を一定の範囲に制御することで、視野角改良を達成することができたものである。
液晶セルの視認側に配置される偏光板に、光学異方性層、及び特定の散乱光強度を有する光拡散層を付与し、かつ面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備したバックライト装置を用いた液晶表示装置では、視野角特性が大幅に改善され、優れた視認性を示す。
以下、本発明を更に詳述する。
本発明の視認側偏光板の基本的な構成を、図面を引用しながら説明する。
まず図1に示す態様は、光拡散層を最表面に配置した偏光板の構成例である。散乱体1と透光性樹脂2からなる光拡散層3、第一の保護フィルム4、偏光層5、第二の保護フィルム6、光学異方性層7、粘着剤層8の順序の層構成を有する。
図1の構成に対して、図2〜図6に光拡散層を偏光板内部に配置した構成を示す。図2は光拡散層3を第一の保護フィルム4(視認側の保護フィルム)と偏光層5の間に配置した場合、図3は光拡散層3を偏光層5と第二の保護フィルム6(液晶セル側の保護フィルム)の間に配置した場合、図4は光拡散層3を第二の保護フィルム6と光学異方性層7に配置した場合、図5は光拡散層3を光学異方性層7と粘着剤層8の間に配置した場合である。図6は粘着剤層に散乱体を含有させ、光拡散粘着剤層9としたものである。本発明における光拡散層の配置は、図1〜図6のいずれにおいても、その効果を発揮する。視認側偏光板は、粘着剤層を介して液晶セルに貼合される。
本発明の視認側偏光板の基本的な構成を、図面を引用しながら説明する。
まず図1に示す態様は、光拡散層を最表面に配置した偏光板の構成例である。散乱体1と透光性樹脂2からなる光拡散層3、第一の保護フィルム4、偏光層5、第二の保護フィルム6、光学異方性層7、粘着剤層8の順序の層構成を有する。
図1の構成に対して、図2〜図6に光拡散層を偏光板内部に配置した構成を示す。図2は光拡散層3を第一の保護フィルム4(視認側の保護フィルム)と偏光層5の間に配置した場合、図3は光拡散層3を偏光層5と第二の保護フィルム6(液晶セル側の保護フィルム)の間に配置した場合、図4は光拡散層3を第二の保護フィルム6と光学異方性層7に配置した場合、図5は光拡散層3を光学異方性層7と粘着剤層8の間に配置した場合である。図6は粘着剤層に散乱体を含有させ、光拡散粘着剤層9としたものである。本発明における光拡散層の配置は、図1〜図6のいずれにおいても、その効果を発揮する。視認側偏光板は、粘着剤層を介して液晶セルに貼合される。
以下、本発明の偏光板を構成する各層についてさらに詳細に説明する。
(光拡散層)
光拡散層は、透光性粒子と透光性樹脂からなる。透光性粒子と透光性樹脂により散乱光プロファイル及びヘイズ値を調整する。本発明では、散乱体として2種類以上の粒径の透光性微粒子を用いることが好ましい。
(光拡散層)
光拡散層は、透光性粒子と透光性樹脂からなる。透光性粒子と透光性樹脂により散乱光プロファイル及びヘイズ値を調整する。本発明では、散乱体として2種類以上の粒径の透光性微粒子を用いることが好ましい。
2種類以上の透光性微粒子は、いずれも、光拡散層全体を構成する透光性樹脂との屈折率の差が0.02乃至0.20であることが好ましい。屈折率差が0.02未満の場合は、両者の屈折率の差が小さすぎて、光拡散効果が得られない。一方、屈折率差が0.20よりも大きい場合は、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白化する。屈折率差は、0.03乃至0.15がさらに好ましく、0.04乃至0.13が最も好ましい。
本発明では、表示品位を上げる(下方向視野角改善)ために、ある程度入射した光を拡散させることが必要である。拡散効果が大きければ大きい程、視角特性は向上する。上記の観点により、前記透光性微粒子の粒子径は、0.5μm乃至2.0μmであることが好ましい。粒子径の調整により、前述した光散乱の角度分布を得ることができる。
しかし、表示品位という点で正面の明るさを維持するためには、出来る限り透過率を高めることが必要である。前記粒子径を0.5μm未満とした場合、散乱の効果が大きく、視角特性は飛躍的に向上するが、後方散乱が大きくなり明るさの減少が激しい。一方、2.0μm超の場合は、散乱効果が小さくなり、視角特性の向上は小さくなる。従って、前記粒子径は、0.6μm乃至1.8μmが好ましく、0.7μm乃至1.7μmが最も好ましい。
しかし、表示品位という点で正面の明るさを維持するためには、出来る限り透過率を高めることが必要である。前記粒子径を0.5μm未満とした場合、散乱の効果が大きく、視角特性は飛躍的に向上するが、後方散乱が大きくなり明るさの減少が激しい。一方、2.0μm超の場合は、散乱効果が小さくなり、視角特性の向上は小さくなる。従って、前記粒子径は、0.6μm乃至1.8μmが好ましく、0.7μm乃至1.7μmが最も好ましい。
また、粒子径は2.5μm乃至5.0μmの透光性微粒子を併用することが好ましい。これにより、本発明に適した表面散乱を得ることができる。良好な表示品位を達成するには、外光の写り込みを防止することも必要である。表面のヘイズ値は、低いほど表示のボケを小さくして明瞭なディスプレイ表示を得ることができるが、ヘイズ値が低すぎると映り込み及び面ギラ(シンチレーション)と呼ばれるキラキラ光る輝きが発生する。逆に、高すぎると白っぽくなり(白化;黒濃度低下)、表面ヘイズ値hsは0.5<hs<30が好ましく、3≦hs≦20が更に好ましく、7≦hs≦15が最も好ましい。この表面ヘイズ値を制御するには、微粒子により樹脂層表面に適度な凹凸を設けることが好ましい形態として用いられる。ヘイズ値(曇価)は、JIS−K−7105に準じ、村上色彩技術研究所製HR−100を用いて測定出来る。
前記粒子径を2.5μm未満とした場合、表面凸凹は小さくなり、表面散乱の効果が小さく、外光による写り込みを十分に抑えることが出来ない。一方、5.0μm超とした場合は、表面凸凹が大きくなり、写り込みは抑えられるが、著しく白化し逆に表示品位を落とすことになる。従って、前記粒子径は、2.2μm乃至4.7μmが好ましく、2.4μm乃至4.5μmが最も好ましい。表面凸凹は、表面粗さRaが1.2μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることが更に好ましく、最も好ましくは、0.5μm以下である。表面粗さは原子間力顕微鏡(AFM:AtomicForce Microscope、SPI3800N、セイコーインスツルメント(株)製)を用いて測定出来る。
前記透光性微粒子において、2種類以上の粒子径の異なる透光性微粒子を用い、それら透光性微粒子の混合を行なうことにより、表示品位に関わる視角特性と外光の写り込みを各々独自に最適化することができ、透光性微粒子の混合比により細かい設定が可能となり、1種類の場合よりも制御が可能となり、様々な設計が容易となる。
前記透光性微粒子は、単分散の有機微粒子であっても、無機微粒子であってもよい。粒径にばらつきがないほど、散乱特性にばらつきが少なくなり、曇価の設計が容易となる。前記透光性微粒子としては、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.54)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、スチレンビーズ(屈折率1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率1.68)等が用いられる。無機微粒子としては、シリカビーズ(屈折率1.44)、アルミナビーズ(屈折率1.63)等が用いられる。
透光性微粒子の粒径は、前述のように0.5〜5μmのものを適宜選択して用いるとよく、透光性樹脂100質量部に対して5〜30質量部含有させるとよい。
透光性微粒子は、ゴニオフォトメーター(村上色彩技術研究所製 GP-5)で計測した光拡散層中の散乱光プロファイルの出射光0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01乃至0.2%となるように調整される。好ましくは0.02乃至0.18%、より好ましくは0.04乃至0.15%となるように調整される。
透光性微粒子は、ゴニオフォトメーター(村上色彩技術研究所製 GP-5)で計測した光拡散層中の散乱光プロファイルの出射光0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01乃至0.2%となるように調整される。好ましくは0.02乃至0.18%、より好ましくは0.04乃至0.15%となるように調整される。
上記のような透光性微粒子の場合には、樹脂組成物(透光性樹脂)中で透光性微粒子が沈降し易いので、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、無機フィラーは添加量が増す程、透光性微粒子の沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1質量%未満程度含有させるとよい。
透光性樹脂に用いるバインダーとしては、主として紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂の3種類が使用される。又、光拡散層の厚さは通常0.5μm〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましくは2μm〜10μm、最も好ましくは3μm乃至7μmとすると良い。透光性樹脂の屈折率は、好ましくは1.51〜2.00であり、より好ましくは1.51〜1.90であり、更に好ましくは1.51〜1.85であり、特に好ましくは1.51〜1.80である。なお、透光性樹脂の屈折率は、透光性微粒子を含まずに測定した値である。屈折率が小さすぎると反射防止性が低下する。さらに、これが大きすぎると、反射光の色味が強くなり、好ましくない。
該透光性樹脂に用いるバインダーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーを得るためには、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンの誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。これらのなかでも、少なくとも3つの官能基を有するアクリレートもしくはメタアクリレートモノマー、さらには少なくとも5つの官能基を有するアクリレートモノマーが、膜硬度、即ち耐傷性の観点で好ましい。ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物が市販されており、特に好ましく用いられる。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、各種の重合開始剤その他添加剤と共に溶剤に溶解、塗布、乾燥後、電離放射線または熱による重合反応により硬化することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋性官能基を有するバインダーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
透光性樹脂は、上記バインダポリマーに加えて、これに高屈折率を有するモノマーおよび/または高屈折率を有する金属酸化物超微粒子等から形成されることが好ましい。高屈折率モノマーの例には、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4‘−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。高屈折率を有する金属酸化物超微粒子の例には、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm以下の微粒子を含有することが好ましい。高屈折率を有する金属酸化物超微粒子としてはAl、Zr、Zn、Ti、InおよびSnから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物超微粒子が好ましく、具体例としては、ZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。これらの中でも、特にZrO2が好ましく用いられる。高屈折率のモノマーや金属酸化物超微粒子の添加量は、透光性樹脂の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であると更に好ましい。
光拡散層を保護フィルム上に設ける場合、光拡散層を形成するための塗布液の溶剤は、保護フィルムとの密着性を達成する為に、保護フィルム(例えばトリアセチルセルロース)を溶解する少なくとも一種類以上の溶剤と、保護フィルムを溶解しない少なくとも一種類以上の溶剤から構成するのが好ましい。より好ましくは、保護フィルムを溶解しない溶剤のうちのすくなくとも一種類が、保護フィルムを溶解する溶剤うちの少なくとも一種類よりも高沸点であることが好ましい。さらに好ましくは、保護フィルムを溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、保護フィルムを溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差が30℃以上であることであり、最も好ましくは50℃以上であることである。
保護フィルム(好ましくはトリアセチルセルロース)を溶解する溶剤として、炭素子数が3〜12のエーテル類:具体的にはジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等、炭素数が3〜12のケトン類:具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノン等、炭素数が3〜12のエステル類:具体的には蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等、2種類以上の官能基を有する有機溶媒:具体的には2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、およびアセト酢酸エチル等、等が挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。保護フィルムを溶解する溶剤としてはケトン系溶剤が好ましい。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。保護フィルムを溶解する溶剤としてはケトン系溶剤が好ましい。
保護フィルム(好ましくはトリアセチルセルロース)を溶解しない溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノンが挙げられる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
保護フィルムを溶解する溶剤の総量(A)と溶解しない溶剤の総量(B)の質量割合(A/B)は、5/95〜50/50が好ましく、より好ましくは10/90〜40/60であり、さらに好ましく15/85〜30/70である。
透光性樹脂の中でも、電離放射線硬化型樹脂組成物は、通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。
例えば、電子線硬化の場合には、コックロフワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用できる。紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発する紫外線等が利用できる。
例えば、電子線硬化の場合には、コックロフワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用できる。紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発する紫外線等が利用できる。
本発明において、図6に示す態様のように、光拡散層を粘着層と兼ねて光拡散粘着層として使用する場合は、透光性樹脂には粘着性を有する樹脂が用いられる。例えば、合成樹脂系接着剤、エマルジョン系接着剤、合成ゴム系接着剤等がある。
上記合成樹脂系接着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、シアノアクリレート樹脂系接着剤等、あるいはこれらの共重合体等が利用できる。
また、上記エマルジョン系接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン系接着剤、酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン系接着剤等が利用できる。この他、シリコン樹脂系接着剤、ポリイミド系接着剤等の耐熱接着剤、ポリビニルアルコール等の水溶性接着剤等を用いることもできる。さらに、該粘着剤は粘着付与剤、軟化剤、その他各種充填剤、顔料、老化防止剤、安定剤などをその用途に応じて適宜含んでもよい。
上記合成樹脂系接着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、シアノアクリレート樹脂系接着剤等、あるいはこれらの共重合体等が利用できる。
また、上記エマルジョン系接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン系接着剤、酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン系接着剤等が利用できる。この他、シリコン樹脂系接着剤、ポリイミド系接着剤等の耐熱接着剤、ポリビニルアルコール等の水溶性接着剤等を用いることもできる。さらに、該粘着剤は粘着付与剤、軟化剤、その他各種充填剤、顔料、老化防止剤、安定剤などをその用途に応じて適宜含んでもよい。
本発明において透光性樹脂中に散乱体を分散させる方法としては、溶媒に溶かした透光性樹脂中に散乱体を添加し、その混合溶液に対して、超音波分散法、攪拌脱泡ミキサー、ボールミル、ジェットミル等を用いることができる。
光拡散層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、カーテンコート法、スプレーコート法等を用いることができる。
光拡散層の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、スピンコート法、カーテンコート法、スプレーコート法等を用いることができる。
(防眩層)
本発明においては、外光の映り込み防止や防眩性付与を目的に、偏光板の視認側表面に防眩層を設けてもよい。
本発明においては、外光の映り込み防止や防眩性付与を目的に、偏光板の視認側表面に防眩層を設けてもよい。
防眩層に用いるバインダーは屈折率が1.46乃至2.00であれば特に限定されない。加工時にそれ自体に傷がつきにくいようにするためには、ハードコート性を有することが好ましい。
防眩層にハードコート性を付与するためにバインダーは、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。バインダーは架橋していることが好ましい。架橋しているバインダーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
防眩層のバインダーを高屈折率化するために、屈折率が1.57以上、好ましくは1.65以上の高屈折率モノマーを用いることができる。高屈折率モノマーの例には、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル等が含まれる。ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポキシ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化させる必要がある。
また防眩層のバインダーを高屈折率化するために、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる粒径100nm以下、好ましくは50nm以下の微粒子を含有することが好ましい。微粒子の例としては、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。無機微粒子の添加量は、防眩層の全質量の10乃至90質量%であることが好ましく、20乃至80質量%であるとさらに好ましく、30乃至60質量%が特に好ましい。
防眩層には、防眩性付与と干渉による反射率悪化防止、色むら防止の目的で、散乱性粒子を用いてもよい。散乱性粒子としては、平均粒径0.01乃至1.0μm、屈折率が1.35乃至1.65または2.00乃至3.00であって、バインダーの屈折率との差が0.03以上のものが好ましい。この散乱性粒子を添加することによって防眩層中に内部散乱が生じ、防眩層全体としては屈折率が一つの値で定義されない屈折率不均一層となる。
防眩層に防眩性を付与するためには、例えば特開昭61−209154号公報に記載されている透明支持体上にバインダーに粒子を添加した凹凸層を塗布する方法や、特開平6−16851号公報に記載されているあらかじめ凹凸面を形成したフィルムを透明支持体上の塗布層に貼り合わせて凹凸を転写させる方法、または透明支持体に直接またはハードコート層のごとき他の層を介してエンボス加工により凹凸を形成する方法が挙げられる。なかでもバインダーに粒子を添加して凹凸を形成する方法は、簡便かつ安定に製造できる点で好ましい。
防眩層に凹凸を設ける目的で付与する粒子としては、防眩層の表面に凹凸が形成されれば特に限定されないが、内部散乱をコントロールするために、粒子とバインダーとの屈折率差は0.05未満であることが好ましく、0.02未満であることがより好ましい。また、防眩層の表面に有効に凹凸を形成するために平均粒径が1乃至10μmであることが好ましく、1.5乃至6μmであることがより好ましい。粒子の例としてはポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。粒子は水及び有機溶剤に不溶のものが好ましい。防眩層に添加する粒子は、凹凸をコントロールするために2種類以上の粒子を組み合わせて用いても構わない。
防眩層に凹凸を設ける目的で付与する粒子としては、防眩層の表面に凹凸が形成されれば特に限定されないが、内部散乱をコントロールするために、粒子とバインダーとの屈折率差は0.05未満であることが好ましく、0.02未満であることがより好ましい。また、防眩層の表面に有効に凹凸を形成するために平均粒径が1乃至10μmであることが好ましく、1.5乃至6μmであることがより好ましい。粒子の例としてはポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。粒子は水及び有機溶剤に不溶のものが好ましい。防眩層に添加する粒子は、凹凸をコントロールするために2種類以上の粒子を組み合わせて用いても構わない。
(低屈折率層)
本発明においては、反射防止能を付与する目的で、偏光板の視認側表面に反射防止層として低屈折率層を設けてもよい。
低屈折率層の屈折率は、1.35〜1.45であるのが好ましい。
また、低屈折率層の屈折率は、可視光のほぼ全域の光に対して反射防止能を低屈折率層に付与するためには、下記数式(1)を満たすことが好ましい。
数式(1) (mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記数式(1)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(1)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
本発明においては、反射防止能を付与する目的で、偏光板の視認側表面に反射防止層として低屈折率層を設けてもよい。
低屈折率層の屈折率は、1.35〜1.45であるのが好ましい。
また、低屈折率層の屈折率は、可視光のほぼ全域の光に対して反射防止能を低屈折率層に付与するためには、下記数式(1)を満たすことが好ましい。
数式(1) (mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、上記数式(1)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(1)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
低屈折率層には、熱硬化性または電離放射線硬化型の架橋性含フッ素化合物が硬化した含フッ素樹脂が用いられる。これにより、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムを用いた低屈折率層に比べ、最外層として用いても耐傷性に優れている。熱硬化性または電離放射線硬化型の架橋性含フッ素化合物の屈折率としては1.35以上1.45以下が好ましい。硬化した含フッ素樹脂の動摩擦係数は、好ましくは0.03〜0.15、水に対する接触角は好ましくは90〜120度である。
このような架橋性含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
このような架橋性含フッ素化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。
低屈折率層に用いる含フッ素樹脂には、耐傷性を付与するために、平均粒径が好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.001〜0.05μmのSiの酸化物超微粒子を添加して用いるのが好ましい。反射防止性の観点からは屈折率が低いほど好ましいが、含フッ素樹脂の屈折率を下げていくと耐傷性が低下する。そこで、含フッ素樹脂の屈折率とSiの酸化物超微粒子の添加量を最適化することにより、耐傷性と低屈折率のバランスの最も良い点を見出すことができる。Siの酸化物超微粒子としては、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布液に添加しても、市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用してもよい。
なお、本発明の偏光板に上記防眩層とともに低屈折率層を設ける場合には、視認側の表面に防眩層、低屈折率層の順で設けることが好ましい。
なお、本発明の偏光板に上記防眩層とともに低屈折率層を設ける場合には、視認側の表面に防眩層、低屈折率層の順で設けることが好ましい。
(保護フィルム)
保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(屈折率1.48)、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。また、厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
本発明の保護フィルムとしては、従来、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアセテートフィルムを使用することが好ましい。
以下、透明性が高く、表面が平滑で本発明の偏光板の保護フィルムに特に好ましく使用できるセルロースアセテートフィルムに関し、説明する。
保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(屈折率1.48)、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。また、厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
本発明の保護フィルムとしては、従来、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアセテートフィルムを使用することが好ましい。
以下、透明性が高く、表面が平滑で本発明の偏光板の保護フィルムに特に好ましく使用できるセルロースアセテートフィルムに関し、説明する。
(高透明度、高平滑セルロースアセテートフィルム)
本発明では保護フィルムとして、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
本発明では保護フィルムとして、酢化度が59.0乃至61.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至1.7であることが好ましく、1.3乃至1.65であることがさらに好ましく、1.4乃至1.6であることが最も好ましい。
一般に、セルロースアシレートは2,3,6位の水酸基に全体の置換度の1/3づつが均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。本発明ではセルロースアシレートの6位水酸基の置換度が、2,3位に比べて多いほうが好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、さらには33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。
6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明のセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報記載の「0043」〜「0044」「実施例」[合成例1]、「0048」〜「0049」[合成例2]、「0051」〜「0052」[合成例3]の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、さらには33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。
6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明のセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報記載の「0043」〜「0044」「実施例」[合成例1]、「0048」〜「0049」[合成例2]、「0051」〜「0052」[合成例3]の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
(セルロースアセテートフィルムの表面処理)
セルロースアセテートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をTg以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
偏光板の透明保護フィルムとして使用する場合、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることがさらに好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をTg以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
偏光板の透明保護フィルムとして使用する場合、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることがさらに好ましい。
以下、アルカリ鹸化処理を具体例で説明する。
アルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N乃至3.0Nであることが好ましく、0.5N乃至2.0Nであることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさらに好ましい。
生産性の観点から、アルカリ液を塗布し、鹸化処理後に水洗によりフィルム表面よりアルカリ除去することが好ましい。濡れ性の観点から、塗布溶媒としてはIPA、n−ブタノール、メタノール、エタノール等のアルコール類が好ましく、アルカリ溶解の助剤として水、プロピレングリコール、エチレングリコール、等を加えることが好ましく用いられる。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアセテートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアセテートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
アルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。
アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N乃至3.0Nであることが好ましく、0.5N乃至2.0Nであることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさらに好ましい。
生産性の観点から、アルカリ液を塗布し、鹸化処理後に水洗によりフィルム表面よりアルカリ除去することが好ましい。濡れ性の観点から、塗布溶媒としてはIPA、n−ブタノール、メタノール、エタノール等のアルコール類が好ましく、アルカリ溶解の助剤として水、プロピレングリコール、エチレングリコール、等を加えることが好ましく用いられる。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のセルロースアセテートフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアセテートフィルムに滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
(光学異方性層)
光学異方性層は、光漏れ防止や視野角拡大など光学補償機能を有し、本発明においては液晶性化合物を用いて層を形成するのが好ましい。
光学異方性層は、光漏れ防止や視野角拡大など光学補償機能を有し、本発明においては液晶性化合物を用いて層を形成するのが好ましい。
(液晶性化合物)
本発明の光学異方性層に用いられる液晶化合物は、棒状液晶でも、ディスコティック液晶でもよく、またそれらが高分子液晶、もしくは低分子液晶、さらには、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含む。液晶性化合物として最も好ましいのは、ディスコティック液晶である。
本発明の光学異方性層に用いられる液晶化合物は、棒状液晶でも、ディスコティック液晶でもよく、またそれらが高分子液晶、もしくは低分子液晶、さらには、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含む。液晶性化合物として最も好ましいのは、ディスコティック液晶である。
棒状液晶の好ましい例としては、特開2000−304932号公報に記載のものがあげられる。
ディスコティック液晶の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、PhysicsLett.A、78巻、82頁(1990年)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック液晶は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。
ディスコティック液晶の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、PhysicsLett.A、78巻、82頁(1990年)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。上記ディスコティック液晶は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれる。上記ディスコティック液晶の好ましい例は特開平8−50206号公報に記載されている。
本発明の光学異方層は、ディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層であって、そしてディスコティック構造単位の面が、透明支持体面に対して傾き、且つ該ディスコティック構造単位の面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向に変化していることが好ましい。
上記ディスコティック構造単位の面の角度(傾斜角)は、一般に、光学異方層の深さ方向でかつ光学異方層の底面からの距離の増加と共に増加または減少している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加することが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化等を挙げることができる。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していることが好ましい。さらに、傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
支持体側のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいはディスコティック化合物とともに使用する他の化合物(例、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマー)を選択することにより調整することができる。さらに、傾斜角の変化の程度も上記選択により調整することができる。
上記可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのような化合物も使用することができる。これらの中で、重合性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する化合物)が好ましい。上記化合物は、ディスコティック化合物に対して一般に1〜50質量%(好ましくは5〜30質量%)の量にて使用される。さらに、好ましい重合性モノマーの例としては、多官能アクリレートが挙げられる。官能基の数は3官能以上が好ましく、4官能以上がさらに好ましい。最も好ましいのは6官能モノマーである。6官能モノマーの好ましい例としては、ジペンタエリストリトールヘキサアクリレートが挙げられる。また、これら官能基数の異なる多官能モノマーを混合して使用することも可能である。
上記ポリマーとしては、ディスコティック化合物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物に傾斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマーでも使用することができる。ポリマー例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース及びセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。上記ポリマーは、液晶性ディスコティック化合物の配向を阻害しないように、ディスコティック化合物に対して一般に0.1〜10質量%(好ましくは0.1〜8質量%、特に0.1〜5質量%)の量にて使用される。
本発明では、光学異方性層は、保護フィルム(例えば、セルロースアセテートフィルム)などの上に設けられた配向膜上に形成されたディスコティック液晶からなり、配向膜が架橋されたポリマーからなるラビング処理された膜であることが好ましい。
本発明では、光学異方性層は、保護フィルム(例えば、セルロースアセテートフィルム)などの上に設けられた配向膜上に形成されたディスコティック液晶からなり、配向膜が架橋されたポリマーからなるラビング処理された膜であることが好ましい。
(配向膜)
本発明で光学異方性層の液晶性化合物の配向を調整するために設ける配向膜は、架橋された2種のポリマーからなる層であることが好ましい。2種のうち少なくとも1種に、それ自体架橋可能なポリマー、あるいは架橋剤により架橋されるポリマー、のいずれかを使用することが好ましい。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱、PH変化等により、ポリマー間で反応させて形成するか、あるいは、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
本発明で光学異方性層の液晶性化合物の配向を調整するために設ける配向膜は、架橋された2種のポリマーからなる層であることが好ましい。2種のうち少なくとも1種に、それ自体架橋可能なポリマー、あるいは架橋剤により架橋されるポリマー、のいずれかを使用することが好ましい。上記配向膜は、官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、光、熱、PH変化等により、ポリマー間で反応させて形成するか、あるいは、反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、ポリマー間を架橋することにより形成することができる。
このような架橋は、通常上記ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱等を行なうことにより実施されるが、最終商品の段階で耐久性が確保できればよいので、配向膜を支持体上に塗設した後から、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で架橋させる処理を行なってもよい。配向膜上に形成される光学異方性層がディスコティック化合物で形成される場合、ディスコティック化合物の配向性を考えると、該化合物を配向させたのちに、充分架橋を行なうことも好ましい。すなわち、支持体上に、ポリマー及び該ポリマーを架橋することができる架橋剤を含む塗布液を塗布した場合、加熱乾燥した後(一般に架橋が行なわれるが、加熱温度が低い場合にはディスコティックネマチック相形成温度に加熱された時にさらに架橋が進む)、ラビング処理を行なって配向膜を形成し、次いでこの配向膜上に円盤状構造単位を有する化合物を含む塗布液を塗布し、ディスコティックネマチック相形成温度以上に加熱した後、冷却して光学異方層を形成する。
本発明で配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。勿論両方可能なポリマーもある。上記ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート、ゼラチン等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが好ましく、特にポリビルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましく、重合度の異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが最も好ましい。
上記ポリマーの中で、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましく、重合度の異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが最も好ましい。
本発明の配向膜は、配向膜形成材料である上記ポリマーおよび架橋剤を含む塗布液を、透明支持体上に塗布した後、加熱乾燥し(架橋させ)、ラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、前記のように、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なってよい。そして、前記のポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のあるメタノール等の有機溶媒と水の混合溶媒とすることが好ましく、その比率は質量比で水:メタノールが0:100〜99:1が一般的であり、0:100〜91:9であることが好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、さらには光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。塗布方法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。特にE型塗布法が好ましい。また、膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥は20℃ないし110℃で行なうことができる。充分な架橋を形成させるためには60℃〜100℃が好ましく、特に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36時間で行なうことができる。好ましくは5分間乃至30分間である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましく、架橋剤にグルタルアルデヒドを使用した場合は、pHは4.5〜5.5が好ましく、5が特に好ましい。
配向膜は、透明支持体上、または透明支持体と配向膜を密着し得る下塗り層を介して設けられる。下塗り層は、透明支持体と配向膜との組み合わせにおいて、両者の密着性を向上できるものであれば、特に限定されない。
配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。配向膜は、その上に設けられる液晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するように機能する。
配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより得ることができる。配向膜は、その上に設けられる液晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するように機能する。
前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行なうことにより実施される。
(光学異方性層を塗設する透明支持体)
光学異方性層を設ける透明支持体は、高透過率なプラスティックフィルムであれば特に制限はないが、本発明では、偏光板の保護フィルム(特に、セルロースアセテート)を用いることが好ましい。光学的に一軸性でも二軸性であってもよい。
光学異方性層を塗設する透明支持体は、それ自身が光学的に重要な役割を果たすため、透明支持体のReレターデーション値が0乃至200nmであり、そして、Rthレターデーション値が70乃至400nmに調節されることが好ましい。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70乃至250nmであることが好ましい。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150乃至400nmであることが好ましい。
光学異方性層を設ける透明支持体は、高透過率なプラスティックフィルムであれば特に制限はないが、本発明では、偏光板の保護フィルム(特に、セルロースアセテート)を用いることが好ましい。光学的に一軸性でも二軸性であってもよい。
光学異方性層を塗設する透明支持体は、それ自身が光学的に重要な役割を果たすため、透明支持体のReレターデーション値が0乃至200nmであり、そして、Rthレターデーション値が70乃至400nmに調節されることが好ましい。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70乃至250nmであることが好ましい。
液晶表示装置に一枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150乃至400nmであることが好ましい。
なお、セルロースアセテートフィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00乃至0.002であることが好ましい。また、セルロースアセテートフィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001乃至0.04であることが好ましい。
レターデーション値(Re)は、下記数式(2)に従って算出される。
レターデーション値(Re)は、下記数式(2)に従って算出される。
数式(2) Reレターデーション値=(nx−ny)×d
式中、nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり、nyは、フィルム面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率である。dは、単位をnmとするフィルムの厚さである。
また、Rthレターデーション値は下記数式(3)に従って算出される。
また、Rthレターデーション値は下記数式(3)に従って算出される。
数式(3) Rthレターデーション値={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxは、フィルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率である。nyは、フィルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率である。nzは、フィルムの厚み方向の屈折率である。dは、単位をnmとするフィルムの厚さである。
なお、本明細書において、Re、Rthは各々、波長550nmにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Reは自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)において波長550nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。
なお、本明細書において、Re、Rthは各々、波長550nmにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Reは自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)において波長550nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長550nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。
(偏光板)
一般的に偏光板は、偏光層(偏光膜)およびその両側に配置された二枚の保護フィルムからなる。本発明の液晶表示装置の視認側に配置される偏光板には、図1〜図6に示す本発明の構成に従い、光拡散層と光学異方性層の両方を付与した保護フィルムを用いることができる。さらに視認側最表面には、傷付き防止の為のハードコート層、外光の映り込み防止の為の表面凹凸を有する防眩層、低屈折率素材からなる低屈折率層(反射防止層)を適宜設けた保護フィルムを用いることができる。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
保護フィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
一般的に偏光板は、偏光層(偏光膜)およびその両側に配置された二枚の保護フィルムからなる。本発明の液晶表示装置の視認側に配置される偏光板には、図1〜図6に示す本発明の構成に従い、光拡散層と光学異方性層の両方を付与した保護フィルムを用いることができる。さらに視認側最表面には、傷付き防止の為のハードコート層、外光の映り込み防止の為の表面凹凸を有する防眩層、低屈折率素材からなる低屈折率層(反射防止層)を適宜設けた保護フィルムを用いることができる。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
保護フィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
偏光板の生産性には保護フィルムの透湿性が大きな影響を及ぼすことがわかった。偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護フィルム中を拡散することで、乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
偏光板の透湿性は、保護フィルム(および保護フィルム上に設けられた光拡散層等の機能層を含む)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。その透湿性は100乃至1000g/m2・24hrsであることが好ましく、300乃至700g/m2・24hrsであることがさらに好ましい。
保護フィルムの厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの親疎水性は、添加剤により調整することができる。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
上記偏光板は、液晶表示装置に有利に用いられ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
偏光板の透湿性は、保護フィルム(および保護フィルム上に設けられた光拡散層等の機能層を含む)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。その透湿性は100乃至1000g/m2・24hrsであることが好ましく、300乃至700g/m2・24hrsであることがさらに好ましい。
保護フィルムの厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
保護フィルムの親疎水性は、添加剤により調整することができる。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
上記偏光板は、液晶表示装置に有利に用いられ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
(液晶表示装置)
TNモードの液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
液晶表示装置においては光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置される。
TNモードの液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板からなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
液晶表示装置においては光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置される。
液晶セルは、TNモードであることが好ましいが、VAモード、OCBモード、IPSモードまたはECBモードであってもよい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60乃至120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
(バックライト)
図7は、本発明のバックライト装置10の一例を示す概略断面図である。このバックライト装置10は、光反射層12、光源14、光拡散層16及び集光板18がこの順で配置され構成されている。光反射層12は、アルミニウム等の金属薄膜から形成され、光源14の背面側に配置され、入射した光を集光板18方向に反射して戻す機能を有する。光源14の光反射層12と反対側には光拡散層16が配置されている。この光拡散層16は、高分子シート又はフィルム中に白色の無機粉末等を分散させて光拡散性を付与したものであり、入射した光を拡散させる機能を有する。光源14は面状発光体である。
図7は、本発明のバックライト装置10の一例を示す概略断面図である。このバックライト装置10は、光反射層12、光源14、光拡散層16及び集光板18がこの順で配置され構成されている。光反射層12は、アルミニウム等の金属薄膜から形成され、光源14の背面側に配置され、入射した光を集光板18方向に反射して戻す機能を有する。光源14の光反射層12と反対側には光拡散層16が配置されている。この光拡散層16は、高分子シート又はフィルム中に白色の無機粉末等を分散させて光拡散性を付与したものであり、入射した光を拡散させる機能を有する。光源14は面状発光体である。
<集光板について>
本発明における集光板18は、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正することを特徴とする。好ましくは上10°〜45°であり、より好ましくは10°〜40°に補正する。
出射光の輝度の最大となる方向が上10°未満であると、バックライト側の偏光板保護フイルムや光学補償フイルムの拡散の影響で、液晶セルを通過する出射光の一部が面光源の法線より下方向に出射され、下階調反転が発生する。また、出射光の輝度の最大となる方向が上50°を超えると、視認側表面に配置された光拡散層による拡散光の下方向の成分が不充分となり、下方向の視野角が低下する。
集光板18は、背面が平坦で、前面に複数条のプリズムが配設されている。プリズムの頂角は、90±15°の範囲が好適である。また、プリズムのピッチは、光導出手段の凸条のピッチより小さいのがよく、好適には3〜10倍細かいピッチにするのがよい。たとえば、10〜100μmの範囲で所望値に設定することができる。なお、ピッチは、一定でもよいし、ランダムであってもよい。さらに、プリズムは、導光板の光導出手段の凸条と同一方向に延在しているように配置される。
本発明における集光板18は、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正することを特徴とする。好ましくは上10°〜45°であり、より好ましくは10°〜40°に補正する。
出射光の輝度の最大となる方向が上10°未満であると、バックライト側の偏光板保護フイルムや光学補償フイルムの拡散の影響で、液晶セルを通過する出射光の一部が面光源の法線より下方向に出射され、下階調反転が発生する。また、出射光の輝度の最大となる方向が上50°を超えると、視認側表面に配置された光拡散層による拡散光の下方向の成分が不充分となり、下方向の視野角が低下する。
集光板18は、背面が平坦で、前面に複数条のプリズムが配設されている。プリズムの頂角は、90±15°の範囲が好適である。また、プリズムのピッチは、光導出手段の凸条のピッチより小さいのがよく、好適には3〜10倍細かいピッチにするのがよい。たとえば、10〜100μmの範囲で所望値に設定することができる。なお、ピッチは、一定でもよいし、ランダムであってもよい。さらに、プリズムは、導光板の光導出手段の凸条と同一方向に延在しているように配置される。
また、集光板は1枚でもよいが、その複数枚を重ねて配設することにより、所望の程度まで光路を補正することもできる。なお、重ねるときには、プリズムを同一方向にするのがよい。
さらに、集光板は、透明であれば構成材料に制約がない。フレキシブルであってもよいし、剛性であってもよい。集光板の全体をポリエステル樹脂で形成したものを用いることができる。また、ポリエステル樹脂のシート基材にアクリル樹脂のプリズムを付着してなる構成のものを光路補正シートとして用いることもできる。さらに、光路補正シートをガラスで形成することもできる。
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(光拡散層用塗布液の作製)
光拡散層を構成する透光性樹脂はシリカ超微粒子分散物含有ハードコート液(デソライトZ7526JSR(株)製、屈折率1.51)を100質量部、透光性微粒子として架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学製 SX130H、粒径1.3μm、屈折率1.61)を25質量部、架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学製 SX350H、粒径3.5μm、屈折率1.61)を6質量部、これらを混合してメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(20/80質量比)により固形分45%になるように調整した。
(光拡散層用塗布液の作製)
光拡散層を構成する透光性樹脂はシリカ超微粒子分散物含有ハードコート液(デソライトZ7526JSR(株)製、屈折率1.51)を100質量部、透光性微粒子として架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学製 SX130H、粒径1.3μm、屈折率1.61)を25質量部、架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学製 SX350H、粒径3.5μm、屈折率1.61)を6質量部、これらを混合してメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(20/80質量比)により固形分45%になるように調整した。
(光拡散層付与保護フィルムの作製)
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム社製、TD−80U)上に、光拡散層用塗布液を乾燥膜厚が4.0μmになるように塗工、溶剤乾燥後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ保護フィルムAを作製した。
また散乱体(透光性微粒子)のフィルム法線方向の断面の大きさは平均15μmであり、垂直な断面の大きさは平均3μmであった。
また、保護フイルムAの、ゴニオフォトメーター(村上色彩技術研究所製 GP-5)の散乱光プロファイルの出射光0°の光強度に対する30°の散乱光強度は、0.11%であった。
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム社製、TD−80U)上に、光拡散層用塗布液を乾燥膜厚が4.0μmになるように塗工、溶剤乾燥後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ保護フィルムAを作製した。
また散乱体(透光性微粒子)のフィルム法線方向の断面の大きさは平均15μmであり、垂直な断面の大きさは平均3μmであった。
また、保護フイルムAの、ゴニオフォトメーター(村上色彩技術研究所製 GP-5)の散乱光プロファイルの出射光0°の光強度に対する30°の散乱光強度は、0.11%であった。
(光拡散層及び光学異方性層付与偏光板の作製)
光拡散層付与保護フィルム(保護フィルムA)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、光拡散層付与保護フィルムの光拡散層が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。また、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムWVEA05D(富士写真フイルム製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、フィルム支持体が偏光膜側となるように反対側に貼り付けた。さらに光学補償フィルム側に粘着剤層を付与して視認側偏光板を作製した。
光拡散層付与保護フィルム(保護フィルムA)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、光拡散層付与保護フィルムの光拡散層が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。また、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムWVEA05D(富士写真フイルム製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、フィルム支持体が偏光膜側となるように反対側に貼り付けた。さらに光学補償フィルム側に粘着剤層を付与して視認側偏光板を作製した。
(バックライト側偏光板の作製)
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。市販のトリアセチルセルロースフィルムTD−80U(富士写真フイルム(株)社製)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。また、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムWVEA05D(富士写真フイルム(株)社製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように反対側に貼り付けた。このようにしてバックライト側偏光板を作製した。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。市販のトリアセチルセルロースフィルムTD−80U(富士写真フイルム(株)社製)に鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の片側に貼り付けた。また、液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムWVEA05D(富士写真フイルム(株)社製)にケン化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように反対側に貼り付けた。このようにしてバックライト側偏光板を作製した。
(液晶ディスプレイでの評価)
次に、上記偏光板を用いて液晶表示装置での評価を実施した。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(LL-191A−B、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記にて作製した視認側偏光板を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側に貼り付けた。またバックライト側には、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側偏光板を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
また、バックライトの導光板の前面に、光路補正シート1(住友スリーエム(株)製のBEFII90/50)を配置した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定を行った結果、輝度の最大となる方向は面光源の法線より上25°であった。
次に、作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)から白表示(L8)までの8段階で視野角(階調反転角度)を測定した。同時に、白表示における上25°、正面、下25°における輝度(明るさ)を測定し、300cd以上を◎、200〜250cdを○、200〜250cdを△、200cd以下を×とした。
次に、上記偏光板を用いて液晶表示装置での評価を実施した。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(LL-191A−B、シャープ(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記にて作製した視認側偏光板を、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側に貼り付けた。またバックライト側には、光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介してバックライト側偏光板を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
また、バックライトの導光板の前面に、光路補正シート1(住友スリーエム(株)製のBEFII90/50)を配置した。測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定を行った結果、輝度の最大となる方向は面光源の法線より上25°であった。
次に、作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)から白表示(L8)までの8段階で視野角(階調反転角度)を測定した。同時に、白表示における上25°、正面、下25°における輝度(明るさ)を測定し、300cd以上を◎、200〜250cdを○、200〜250cdを△、200cd以下を×とした。
<実施例2>
光拡散層を構成する透光性樹脂に、高屈折率を有するモノマーとしてビニルナフタレンを30質量%含有するDPHA100質量部を使用し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
光拡散層を構成する透光性樹脂に、高屈折率を有するモノマーとしてビニルナフタレンを30質量%含有するDPHA100質量部を使用し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
<比較例1>
光拡散層を塗布しない保護フィルムを用いて視認側偏光板を作製し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
光拡散層を塗布しない保護フィルムを用いて視認側偏光板を作製し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
<比較例2>
バックライトの導光板の前面に配置した光路補正シート1の前面に、光路補正シート2(住友スリーエム(株)製のBEFII100/31)を配置し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。この時のバックライトを、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定を行った結果、輝度の最大となる方向は正面方向(0°)であった。
バックライトの導光板の前面に配置した光路補正シート1の前面に、光路補正シート2(住友スリーエム(株)製のBEFII100/31)を配置し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。この時のバックライトを、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定を行った結果、輝度の最大となる方向は正面方向(0°)であった。
<比較例3>
視認側表面の光拡散層付与保護フィルムの代わりに、集光板(住友スリーエム(株)製のIDFII)を配置し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
視認側表面の光拡散層付与保護フィルムの代わりに、集光板(住友スリーエム(株)製のIDFII)を配置し、他は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製し、視野角の測定を行った。
それぞれの液晶表示装置の視野角・下方向階調反転角度を表1に示す。なお、下方向階調反転角度は、下記の評価基準によって評価した。
下方向35°を超える角度で観測しない限り階調反転がない :○
下方向35°〜30°で階調反転が観測された :△
下方向30°未満で階調反転が観測された :×
下方向35°を超える角度で観測しない限り階調反転がない :○
下方向35°〜30°で階調反転が観測された :△
下方向30°未満で階調反転が観測された :×
表1に示された結果から明らかなように視認側の偏光板に光学異方性層及び光拡散層を付与し、かつ面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備したバックライト装置を用いた液晶表示装置では、下方向の階調反転が大幅に改善されることが分かった。
1 散乱体
2 透光性樹脂
3 光拡散層
4 第一の保護フィルム
5 偏光層
6 第二の保護フィルム
7 光学異方性層
8 粘着剤層
9 光拡散粘着剤層
10 バックライト装置
12 光反射層
14 光源
16 光拡散層
18 集光板
2 透光性樹脂
3 光拡散層
4 第一の保護フィルム
5 偏光層
6 第二の保護フィルム
7 光学異方性層
8 粘着剤層
9 光拡散粘着剤層
10 バックライト装置
12 光反射層
14 光源
16 光拡散層
18 集光板
Claims (3)
- バックライト装置、液晶セル、および液晶セルの両側(視認側およびバックライト側)に配置される2枚の偏光板を有する液晶表示装置であって、
前記バックライト装置が、面光源からの出射光の輝度の最大となる方向を、面光源の法線より上10°〜50°に補正する集光板を具備し、且つ、
前記視認側に配置される偏光板が、偏光層、偏光層を挟持する2枚の保護フィルム、光学異方性層、および光拡散層を少なくとも有し、該光拡散層が透光性樹脂および透光性樹脂中に分散された散乱体を含み、更に該光拡散層が、ゴニオフォトメーターの散乱光プロファイルの出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01乃至0.2%の範囲となるように調整されたことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記光拡散層の透光性樹脂が、バインダーポリマーと、高屈折率を有するモノマーおよび/または金属酸化物超微粒子とから形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶セルが、TNモードの液晶セルであることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005288706A patent/JP2007101679A/ja active Pending
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