JP2005024885A - 液晶表示装置 - Google Patents

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功 藤原
Keiichi Miyazaki
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Abstract

【課題】液晶パネルの下方向の階調反転を防止し得、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止できる透過型の液晶表示装置の提供。
【解決手段】バックライト201と、入射角により散乱特性が異なる異方性散乱フィルム202と、対向する2枚の基板間に液晶を備えた液晶セル211と、該液晶セルのバックライト201側及び視認側にそれぞれ配置された偏光板203,210と、該液晶セル211の視認側に少なくとも1層の光拡散フィルム220とを有し、該異方性散乱フィルム202の液晶セル211の階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルム202の法線方向からの入射光に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であり、かつ該異方性散乱フィルム202がバックライト201と液晶セル211との間に配置されている液晶表示装置である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルの下方向の階調反転を防止し得、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止できる高性能な透過型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶表示装置は、偏光板と液晶セルから構成されている。液晶表示装置の表示品位上の欠点としては狭い視野角と外光の写り込みがあり、これらの欠点のないものの開発が望まれている。現在主流であるTNモードTFT液晶表示装置の視野角依存性に関しては、光学補償フィルムを偏光板と液晶セルとの間に挿入することにより視野角が拡大できることが知られている(非特許文献1参照)。しかし、前記液晶表示装置では、液晶パネルの下方向の階調反転が生じてしまい、また、視野角によって色味が変化してしまうという問題がある。
【0003】
前記問題を解決するため、光学補償フィルムと光拡散層を併用する方式が提案されている(特許文献1参照)。この提案によれば、視野角依存性はある程度向上するが、正面(法線)方向のコントラストの低下や透過画像鮮明性の低下が生じてしまうという問題がある。
【0004】
また、光学補償フィルムと、TN−LCDの下方向の階調反転角度への散乱光が最も強くなる異方性散乱素子とを用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この場合、階調反転角は充分に広がらず、外光の写り込みが大きく、視野角により色味が変化してしまうという問題がある。
【0005】
また、液晶表示装置においては、その光源として用いられるバックライトの放射角が広い場合には、光拡散フィルムを用いても階調反転角は広がらず、バックライトと液晶セルの間に集光板を、液晶セルの視認側に拡散板をそれぞれの指向性が逆になるように使用する方法が提案されている(特許文献3参照)。この提案によれば、階調反転角を広げることはできるが、正面輝度が低下し、正面から視角を変化させたときの輝度変化が滑らかでない、という問題がある。
【0006】
また、反射型液晶表示装置においても、異方性散乱フィルムは液晶セルの視認側に使用されている。例えば、外光が移りこむ角度の入射に対して散乱性を有し、それ以外の角度の光は透過させることで、明るく使用環境の依存性が少ない(外光の写り込みを改良した)反射型液晶表示装置が提案されている(特許文献4参照)。
前記透過型及び反射型のいずれの液晶表示装置においても、異方性散乱フィルムは、液晶セルの視認側に配置して、液晶セルからの出射光分布における光量が少ない方向へ選択的に散乱させることによって、出射光分布を平均化し、視野角特性を改善する手段として使用されている。しかし、前記異方性散乱フィルムは、液晶セルの視認側に配置し出射光分布を平均化して視野角依存性を改善したとしても、液晶パネルの下方向の階調反転を防止することはできないという問題がある。
【0007】
また、異方性散乱フィルムを透過型液晶表示のバックライトと液晶セルの間に配置して、バックライトからの出射光分布の指向性を変化させる目的で使用している(特許文献5参照)。しかし、この提案においても、液晶セルの視認側に光拡散フィルムを配置しておらず、階調反転角を広げる効果は認められない。
【0008】
従って、液晶パネルの下方向の階調反転角を広げ、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを改善でき、表示品位上の欠点を解消した液晶表示装置は、未だ提供されていないのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−10513号公報
【特許文献2】
特開2002−90527号公報
【特許文献3】
特開平10−153772号公報
【特許文献4】
特開2000−275408号公報
【特許文献5】
特開2000−171619号公報
【非特許文献1】
「液晶ディスプレイ入門講座 第11回:ディスコティック光学補償膜によるTFT−LCDの視野角拡大技術」、森裕行、液晶、第6巻第1号、84頁、2002年
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、液晶パネルの下方向の階調反転を防止し得、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止でき、正面方向のコントラスト及び画像鮮明性が向上した高性能な透過型の液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、液晶セルの視認側に光拡散フィルムを有する液晶表示装置における階調反転改良効果が、液晶セルの階調反転角度より広い角度の入射光量と負の相関関係があり、液晶セルへの入射光のうち液晶セルの階調反転角度より広い角度の成分が少ないほど、階調反転角が広くなることを知見した。
【0012】
また、バックライトを集光させる手法については数多く提案されているが、液晶セルの階調特性を考慮し、液晶セルの階調反転が起きている角度より広い角度の光を減少させる目的で、該階調反転が起きている角度より広い角度でバックライトから出射された光を積極的に他方向へ拡散させる技術はこれまで存在しなかった。更に、液晶セルの視認側に配置される光拡散フィルムのヘイズ値を制御し、該光拡散フィルム上に低屈折率層を積層することによって、画像の呆けを犠牲にせずに、外光の写り込み防止と視野角改良を達成できることを知見した。
しかしながら、上記のように、階調反転角を境にして広角側の入射光を極端に減少させると視角を傾けた際に輝度変化が大きくなり、表示品位が劣化してしまうという問題がある。他方、液晶セルへの入射光の指向性を狭くし、視認側の光拡散フィルムで光を散乱させすぎると、後方散乱が大きくなって正面輝度が減少し、画像鮮明性が劣化するという問題が生じる。従って、液晶セルへの入射光と光拡散フィルムの散乱光強度分布をある範囲に制御することが重要であることを知見した。
【0013】
そこで、本発明者らが、前記知見に基づき更に鋭意検討を進めた結果、所望の視認特性を達成するには、液晶セルの視認側に光拡散フィルムを設けると共に、液晶セルの階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルムの法線方向からの入射に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が一定の範囲である異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルの間に配置することが効果的であることを知見した。
【0014】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バックライトと、入射角により散乱特性が異なる異方性散乱フィルムと、対向する2枚の基板間に液晶を備えた液晶セルと、該液晶セルのバックライト側及び視認側にそれぞれ配置された偏光板と、該液晶セルの視認側に少なくとも1層の光拡散フィルムとを有する液晶表示装置であって、
前記異方性散乱フィルムの液晶セルの階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルムにおける法線方向からの入射光に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であり、かつ前記異方性散乱フィルムが、バックライトと液晶セルとの間に配置されていることを特徴とする液晶表示装置である。
<2> 光拡散フィルムの散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%以上0.2%以下であり、かつ該光拡散フィルムにおけるヘイズH(0)が40%以上である前記<1>に記載の液晶表示装置である。
<3> 光拡散フィルムの表面に屈折率が1.35以上1.45以下の低屈折率層を設けた前記<1>から<2>のいずれかに記載の液晶表示装置である。
<4> 光拡散フィルムの散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する60°の散乱光強度が0.02%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の液晶表示装置である。
【0015】
本発明の透過型液晶表示装置は、液晶セルの階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルムの法線方向からの入射に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下である散乱異方性フィルムを、バックライトと液晶セルとの間に配置することによって液晶表示装置の階調反転角を改良することができる。また、液晶セルの視認側に散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%以上0.2%以下であり、かつヘイズH(0)が40%以上である光散乱フィルムを設けることによって、液晶表示装置の階調反転角を大幅に改良することができる。その結果、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止でき、正面方向のコントラスト及び画像鮮明性が向上した高性能な透過型液晶表示装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示装置は、バックライトと、異方性散乱フィルムと、液晶セルと、偏光板と、光拡散フィルムとを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有し、該異方性散乱フィルムの液晶セルの階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルムの法線方向からの入射に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であり、かつ該異方性散乱フィルムがバックライトと液晶セルとの間に配置されている。
なお、本明細書において、「数値1」〜「数値2」の表記は、「数値1以上、数値2以下」の意味を表す。
【0017】
ここで、本発明の液晶表示装置の具体例について、図面を参照しながら説明する。図1に示す液晶表示装置は、各種光学シートを含むバックライトユニット201と、入射光により散乱特性が異なる異方性散乱フィルム202と、対向する2枚の基板間に液晶を備えた液晶セル211と、該液晶セルのバックライト側及び視認側にそれぞれ配置された偏光膜203,210と、光学異方性層204,209と、液晶セルの視認側に設けられる光拡散フィルム220と、で構成されている。なお、前記異方性散乱フィルムは、バックライトと液晶セルの間であればどの位置であってもよいが、光学シート群がある場合にはそれよりも視認側に配置されるのが好ましい。また、光拡散フィルムは、液晶セルの視認側の最表面に配置されることが好ましい。
【0018】
本発明の液晶表示装置においては、前記異方性散乱フィルムは、フィルム面に対し法線方向(0度)から入射された光に対するヘイズH(0)と、併用される液晶セルの階調反転角θより入射された光に対するヘイズH(θ)において、差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であることが必要であり、10%以上100%以下が好ましく、15%以上100%以下が更に好ましく、30%以上100%以下が特に好ましい。
前記差(H(θ)−H(0))が、5%未満であると、散乱特性の入射角度依存性が小さくなり、フィルムを通過した光の指向性が通過前と変わらなくなってしまうことがある。なお、差(H(θ)−H(0))が100%を超えることは通常はほとんどありえない。
ここで、前記ヘイズ値は、例えば、株式会社村上色彩技術研究所製の自動変角光度計GP−5型を用いて測定できる。
【0019】
また、本発明の液晶表示装置は、液晶セルの視認側に配置される光拡散フィルムが散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%以上0.2%以下であり、かつ該光拡散フィルムのヘイズH(0)が40%以上であることが好ましい。前記拡散フィルムの散乱角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度は0.02〜0.15%がより好ましく、0.03〜0.1%が更に好ましい。
前記出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%未満であると、階調反転を解消するために十分な散乱特性を得ることができないことがあり、0.2%を超えると、散乱光量が多くなって、画像の呆けにより画像鮮明性が低下することがある。
【0020】
また、前記光拡散フィルムが視認側の最外層に配置される場合には、該光拡散フィルムの上に屈折率1.35以上1.45以下の低屈折率層を設けることが好ましい。前記屈折率が1.45を超えると、光拡散フィルムの屈折率との屈折率差が小さくなり、反射防止機能が低下することがある。なお、前記屈折率が、1.35未満の低屈折率層は材料の制約から作製することが困難である。
また、画像鮮明性を向上させる観点から、画像の呆けと相関がある60°方向の散乱光強度を制御することが好ましく、光拡散フィルムの散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する60°の散乱光強度は、0.02%以下が好ましく、0.01%以下がより好ましく、0.005%以下が更に好ましい。
ここで、前記散乱光プロファイルは、例えば、株式会社村上色彩技術研究所製の自動変角光度計GP−5型を用いて測定できる。
【0021】
また、階調反転角の特性を改良するには光拡散フィルムのヘイズ値の制御も重要であり、光拡散フィルムの内部散乱ヘイズとしては、30〜80%が好ましく、35〜70%が更に好ましく、40〜60%が特に好ましい。
更に、前記光拡散フィルムは、視認性向上の観点から表面凹凸により表面ヘイズを設けることも好ましく、該内部散乱ヘイズと表面ヘイズが存在する状態で、ヘイズ値は40%以上が好ましく、40〜90%が好ましく、45〜80%がより好ましく、50〜70%が更に好ましい。これにより視野角改良効果が発揮される。
ここで、前記ヘイズ値(曇価)は、JIS−K7105に準じて測定することができ、例えば、株式会社村上色彩技術研究所製HR−100、ヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業株式会社製)を用いて測定できる。
【0022】
以下、前記透過型液晶表示装置を構成する各層について詳細に説明する。
<異方性散乱フィルム>
前記異方性散乱フィルムとしては、例えば、(i)入射方向に対して直交する2つの散乱面において散乱特性が異なるフィルム、(ii)光の入射角度によって散乱特性が異なるフィルム、などが挙げられるが、本発明においては、少なくとも前記(ii)の特性を有するものを異方性散乱フィルムとする。
【0023】
前記異方性散乱フィルムは、極角(入射角)に対して散乱異方性を有する。ある極角(例えば、極角30度)に対し、方位角の成分は異方性があっても良いし、なくても良い。即ち、極角30度に対する任意の方位角φに入射された光に対するヘイズをH(30、φ)とした時、ヘイズH(30、φ+90)とヘイズH(30、φ)との差は0%であっても良いし、0%でなくても良い。一方、ヘイズH(30、φ)とヘイズH(30、φ+180)との差は0%であっても良いし、0%でなくても良い。
【0024】
前記異方性散乱フィルムとしては、上述したように、フィルム面に対し法線方向(0度)から入射された光に対するヘイズH(0)と、併用される液晶セルの階調反転角θより入射された光に対するヘイズH(θ)において、差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができる。
しかし、等方的な表面凹凸や粒子を用いた散乱では、散乱特性に入射角度(極角)依存性をもたらすことは難しいことから、前記異方性散乱フィルムでは、そのフィルム内部に屈折率の異なる部分が不規則なピッチで存在し、更に、その屈折率の高低からなる構造が層状又は筒状であり、フィルムの厚み方向に対して0度又は傾斜して分布している屈折率不均一構造を有することが好ましい。
前記屈折率不均一構造を形成するためには、屈折率の異なる2種以上の光架橋性モノマー又はポリマーを用いることが好ましい。光架橋性官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、などが挙げられる。前記屈折率不均一構造を形成するには、例えば、前記光架橋性モノマー又はポリマーを含む光架橋性材料を支持体上に塗布し、ほぼ平行にコリメートした紫外線(UV)又は500nm以下の可視光を予め作製したランダムマスクパターンを通して照射すればよく、層状又は筒状の構造はランダムマスクパターンの模様、サイズ分布、又は照射光の入射角によって制御することができる。
具体的な組成物や製造方法については、特開2000−297110号公報、特開2000−297139号公報に記載がある。更に、特開2002−267812号公報には、透明樹脂と散乱物質を含む光散乱層において、そのうち少なくとも一方の成分を複屈折性物質で形成すると入射角度(極角)依存性のある異方性散乱フィルムが得られることが記載されている。
【0025】
前記異方性散乱フィルムとしては、例えば、ルミスティ「MFZ−2555」(商品名、住友化学株式会社製)、スペックルを記録したフィルムからなるスペックルグラム、また、屈折率の異なる部分が不規則な形状や厚さで分布した透光性樹脂からなるフィルム、などが挙げられ、これらの中でも、ルミスティ(商品名、住友化学株式会社製)が好適である。
【0026】
前記ルミスティは、相互に屈折率が異なる少なくとも2種類の光重合可能なモノマー及びオリゴマーの少なくともいずれかを含む異方性散乱フィルム用樹脂組成物を用いて形成される。
【0027】
前記光重合可能なモノマー又はオリゴマーとしては、例えば、特開平7−64069号公報に例示されているような、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、トリブロムフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ペンテニルオキシエチルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、ポリオールポリアクリレート、イソシアヌル酸骨格のポリアクリレート、メラミンアクリレート、ヒダントイン骨格のポリアクリレート、ウレタンアクリレート、などが挙げられる。
【0028】
前記光重合可能なモノマー又はオリゴマーは、相互に屈折率が異なる2種以上が使用される。その組合せとしては、例えば、モノマーから選ばれる2種、モノマー1種とオリゴマー1種、オリゴマーから選ばれる2種、あるいはこれらの組合せにさらに1種以上のモノマー又はオリゴマーを加えたものが挙げられる。これらの組合せにおいて、その少なくとも2種は屈折率差が0.01以上であることが、必要な光散乱能を得るうえで好ましい。
【0029】
また、前記異方性散乱フィルムの硬化性を向上させるために、光重合開始剤を使用することが好ましい。前記光重合開始剤としては、特開平7−64069号公報に例示されているような、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントンなどが例示される。
【0030】
前記異方性散乱フィルム用組成物は、光重合可能なモノマーやオリゴマーと屈折率が異なり、光重合性がない化合物を含有することができ、かかる光重合性がない化合物としては、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の樹脂、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤等のプラスチック添加剤などが挙げられる。これらは、前記異方性散乱フィルム用組成物中に、高屈折率成分又は低屈折率成分として配合することもできる。光重合可能なモノマー又はオリゴマーの少なくとも1種と光重合性がない化合物の屈折率の差は、0.01以上が好ましい。
【0031】
なお、前記異方性散乱フィルム用組成物には、平均粒径が0.05〜20μmの充填剤を0.01〜5質量配合することや、紫外線吸収剤を添加することも可能である。
【0032】
前記異方性散乱フィルム用組成物を、特開平7−64069号公報に記載されている光硬化装置で硬化させることにより、特定の角度をなす入射光を選択的に散乱する光制御板を得ることができる。また、性能発現に支障のない範囲で、熱硬化機構を併用してもよい。なお、硬化に際しては、これらの組成物を例えば、基板上に塗布するか、又はセル中に封入して膜状に製膜した後に、特定の方向から紫外線を照射して硬化させる方法が好ましい。この方法により、所望の角度をなす入射光を選択的に散乱する異方性散乱フィルムを得ることができる。
【0033】
光重合において用いる光源は、光重合に寄与する紫外線を発するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、前記光源の形状は、異方性散乱フィルムに必要とされる光制御機能により適宜選択される。特開平7−209637号公報に例示されているように、異方性散乱フィルムの光散乱能を全方位に等しくしたい場合には、太陽光のような平行光線を用いるのが最も好ましいが、球状又は箱状、ランプの長軸方向の長さと短軸方向の長さの比が2:1以下であるような棒状光源であれば、同等の性能を発現することができる。上下方向又は左右方向など、一方向についてのみ散乱特性を持たせる場合には、線状又は棒状の光源が好ましく用いられる。
【0034】
前記異方性散乱フィルムの光線入射角に対する選択的散乱能は、前記異方性散乱フィルムの光線入射角に対する曇価により規定される。本発明で用いられる前記異方性散乱フィルムは、光線入射角により曇価が変化する特性を持ち、曇価が30%以上の光線散乱能を示す光線入射角度域(散乱角度域)と、それ以外の曇価が30%未満の光線散乱能を示さない光線入射角度域を併せ持つものが好ましい。散乱角度域の最大曇価(ヘイズ値)は30〜85%であることが、表示の鮮明さなどの点から好ましい。
【0035】
前記異方性散乱フィルムの厚み(支持体用の透明基材を含まない)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、1.0〜20μmが好ましい。
【0036】
<光拡散フィルム>
前記光拡散フィルムとしては、上述したように、散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%以上0.2%以下であり、かつ該光拡散フィルムのヘイズH(0)が40%以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、透明基材上に少なくとも1層の光拡散層を有し、好ましくは該光拡散層の上に低屈折率層を有する光拡散フィルムが好適である。
本発明においては、液晶パネルの下方向の階調反転角改善を図るため、ある程度入射した光を拡散させることが好ましく、この拡散効果が大きければ大きいほど、視野角特性は向上するが、正面の明るさを維持するためには、できる限り透過率を高めることが好ましい。
【0037】
−透明基材−
前記透明基材の素材としては、例えば、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シート、透明ガラス、などが挙げられる。
前記透明樹脂フィルムとしては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。前記プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、セルロースエステル(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム株式会社製 商品名TAC−TD80U,TD80UF等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(例えば、アートン:商品名、JSR株式会社製)、非晶質ポリオレフィン(例えば、ゼオネックス:商品名、日本ゼオン株式会社製)、などが挙げられる。これらの中でも、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
前記透明基材の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、25〜1000μm程度が好ましい。
【0038】
前記トリアセチルセルロースは、単層及び複数層のいずれであっても構わない。前記単層のトリアセチルセルロースとしては、例えば、特開平7−11055号公報で開示されているドラム流延、又はバンド流延等により作製されるものなどが挙げられる。
【0039】
前記複数層のトリアセチルセルロースとしては、例えば、特開昭61−94725号公報、特公昭62−43846号公報等に開示されている、いわゆる共流延法により作製されるものなどが挙げられる。
該共流延法は、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(例えば、蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解する。次に、該溶液に、必要に応じて、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(以下、「ドープ」と称することがある。)を調製する。該ドープを水平式のエンドレスの金属ベルト又は回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(以下、「ダイ」と称することがある)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離する。次いで、各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去する方法である。
【0040】
前記トリアセチルセルロースを溶解するための溶剤としては、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が好適である。しかし、地球環境や作業環境の観点から、前記溶剤としてはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないものが好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(特に2質量%未満が好ましい)であることを意味する。
前記ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まない溶剤を用いてトリアセチルセルロースのドープを調製する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。これらは冷却溶解法、高温溶解法と称される。ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアセテートフィルム及びその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下、公開技報2001−1745号と略記する)に記載されている。
【0041】
前記透明支持体がトリアセチルセルロースの場合、片面に粘着層を設ける等してその他の機能性層や基材に接着する際に、十分に接着させるために鹸化処理を実施することが好ましい。前記鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に該フィルムを適切な時間浸漬して実施される。前記アルカリ液に浸漬した後は、該フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
前記鹸化処理することにより、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
前記親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏向膜との接着性を改良するのに有効である。また、前記親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏向膜と接着させる際に該偏向膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
前記鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。前記接触角は30゜以下がより好ましい、20゜以下が更に好ましい。
【0042】
前記アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。これらの中でも、汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で下記(1)が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題となる。この場合、特別な工程となるが、下記(2)を選択することが好ましい。
(1)透明支持体上に反射防止層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に反射防止層を形成する前又は後に、反射防止フィルムの該反射防止フィルムを形成する面と反対側の面にアルカリ液を塗布し、加熱、水洗及び中和の少なくともいずれかを行うことにより、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
【0043】
−光拡散層−
前記光拡散層は、透光性樹脂中に、第1透光性微粒子及び第2透光性微粒子を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0044】
前記透光性樹脂としては、透光性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、紫外線・電子線によって硬化する樹脂、即ち、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合し樹脂、及び熱硬化型樹脂の3種類が使用される。
【0045】
前記透光性樹脂としては、飽和炭化水素及びポリエーテルのいずれかを主鎖として有するポリマーが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーがさらに好ましい。なお、前記透光性樹脂は架橋していることが好ましい。
【0046】
前記飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーとしては、例えば、エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合反応により得られるポリマーが好ましい。架橋しているバインダーを得るためには、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0047】
前記二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、ビニルベンゼン誘導体、ビニルスルホン、アクリルアミド、メタクリルアミド、等が挙げられる。これらの中でも、膜硬度(耐傷性)を向上させることができる点で、3個以上の官能基を有するアクリレート又はメタアクリレートモノマー、更には、5個以上の官能基を有するアクリレートモノマーが特に好ましい。
なお、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物が市販されており、該混合物も好ましく用いられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0048】
前記多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,3,5−シクロヘキサントリオールトリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。前記ビニルベンゼン誘導体としては、例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサン等が挙げられる。前記ビニルスルホンとしては、例えば、ジビニルスルホン等が挙げられる。前記アクリルアミドとしては、例えば、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
【0049】
前記エチレン性不飽和基を有するモノマーは、各種の重合開始剤、その他の添加剤と共に溶剤に溶解し、塗布、乾燥させた後、電離放射線、又は熱による重合反応により硬化することができる。
【0050】
前記二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに又は該モノマーに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを反応させて架橋構造をバインダーに導入することもできる。
【0051】
前記架橋性官能基モノマーとしては、例えば、イソシアナート基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アジリジン基含有モノマー、オキサゾリン基含有モノマー、アルデヒド基含有モノマー、カルボニル基含有モノマー、ヒドラジン基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、メチロール基含有モノマー、活性メチレン基含有モノマー、などが挙げられる。また、ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル、ウレタン;テトラメトキシシラン等の金属アルコキシド、更に、ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基含有化合物を用いてもよい。なお、前記架橋性官能基を有するモノマー又は化合物は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであっても構わない。
これら架橋性官能基を有するバインダーは、塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
【0052】
前記透光性樹脂の屈折率は、1.51〜2.00が好ましく、1.51〜1.90がより好ましく、1.51〜1.85が更に好ましく、1.51〜1.80が特に好ましい。なお、前記透光性樹脂の屈折率は、透光性微粒子を含まない状態で測定した値である。
前記屈折率が、1.51未満であると、反射防止性が低下することがあり、2.00を超えると、反射光の色味が強くなりすぎてしまうことがある。
【0053】
前記透光性微粒子においては、2種類以上の粒子径の異なる透光性微粒子を用い、該透光性微粒子の混合を行うことにより、表示品位に関わる視野角特性と外光の写り込みを各々独自に最適化することができ、透光性微粒子の混合比により細かい設定が可能となり、1種類の場合よりも制御が可能となり、様々な設計が容易となる。
前記透光性微粒子としては、単分散の有機微粒子であっても、無機微粒子であってもよい。粒径にばらつきがないほど、散乱特性にばらつきが少なくなり、曇価の設計が容易となる。
【0054】
前記有機微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.54)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率1.68)、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカビーズ(屈折率1.44)、アルミナビーズ(屈折率1.63)、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、プラスチックビーズが好適であり、特に透明度が高く、透光性樹脂との屈折率差が前述のような数値になるものが好ましい。
【0055】
前記透光性微粒子の粒径は、上述したように、0.5〜5μmのものを適宜選択して用いることが好ましい。前記透光性微粒子の含有量は、前記透光性樹脂100質量部に対し5〜30質量部が好ましい。
【0056】
前記透光性微粒子の場合には、樹脂組成物(透光性樹脂)中で透光性微粒子が沈降し易い場合があり、沈降防止のためにシリカ等の無機フィラーを添加してもよい。なお、前記無機フィラーは添加量が増すほど、透光性微粒子の沈降防止に有効であるが、塗膜の透明性に悪影響を与える。従って、好ましくは、粒径0.5μm以下の無機フィラーを、透光性樹脂に対して塗膜の透明性を損なわない程度に、0.1質量%未満程度含有させるとよい。
【0057】
前記第1の透光性微粒子の粒径は、好ましい表面散乱を得るため、2.5〜5.0μmが好ましく、2.2〜4.7μmがより好ましく、2.4〜4.5μmが更に好ましい。前記第1の透光性微粒子の粒径が、2.5μm未満であると、表面凸凹が小さくなり、表面散乱の効果が小さく、外光による写り込みを十分に抑えることができなくなることがあり、5.0μmを超えると、表面凸凹が大きくなり、写り込みは抑えられるが、著しく白化し、逆に表示品位を落とすことになることがある。
【0058】
また、前記第2の透光性微粒子の粒子径は、光散乱の角度分布を得るため、0.5〜2.0μmが好ましく、0.6〜1.8μmがより好ましく、0.7〜1.7μmが更に好ましい。前記第2透光性微粒子の粒径が、0.5μm未満であると、散乱の効果が大きく、視野角特性は飛躍的に向上するが、後方散乱が大きくなり明るさの減少が激しくなることがあり、2.0μmを超えると、散乱効果が小さくなり、視野角特性の向上は小さくなることがある。
【0059】
前記第1透光性微粒子及び第2透光性微粒子の屈折率は、1.51〜2.00が好ましい。なお、前記低屈折率層の屈折率は、1.35〜1.45が好ましく、前記透明支持体として好適に用いられるトリアセチルセルロースの屈折率は1.48である。このように光拡散層の屈折率を高くすることによって、低屈折率層の屈折率を1.35〜1.45の範囲でも反射防止効果に優れる。
【0060】
前記第1透光性微粒子及び第2透光性微粒子と、前記光拡散層全体を構成する透光性樹脂との屈折率の差はいずれも0.02以上、0.20以下が好ましく、0.03以上、0.15以下がより好ましく、0.04以上、0.13以下が更に好ましい。前記屈折率差が、0.02未満であると、両者の屈折率の差が小さすぎて、光拡散効果が得られないことがあり、0.20を超えると、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白化してしまうことがある。
【0061】
前記光拡散層には、前記透光性樹脂、前記透光性微粒子以外にも、高屈折率を有するモノマー及び高屈折率を有する金属酸化物超微粒子から選択される少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0062】
前記高屈折率モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニル−4’−メトキシフェニルチオエーテル、等が挙げられる。
前記高屈折率モノマーの屈折率は、1.55以上2.00以下が好ましく、1.60以上1.75以下がより好ましい。
前記高屈折率モノマーの添加量は、前記透光性樹脂の全質量に対し10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
【0063】
前記高屈折率を有する金属酸化物超微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ジルコニウムの酸化物、チタンの酸化物、アルミニウムの酸化物、インジウムの酸化物、亜鉛の酸化物、錫の酸化物、アンチモンの酸化物、などが挙げられ、具体的には、ZrO、TiO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITO、等が挙げられる。これらの中でも、ZrOが特に好ましい。
前記金属酸化物超微粒子の粒径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。
前記金属酸化物超微粒子の添加量は前記透光性樹脂の全質量に対し、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
【0064】
前記透光性樹脂と透明基材フィルムが接する場合、透光性樹脂を形成するための塗布液の溶剤は、防眩性の発現及び支持体と防眩層間との密着性の両立を図るために、透明基材フィルム(例えば、トリアセチルセルロース支持体)を溶解する少なくとも一種類以上の溶剤と、透明基材フィルムを溶解しない少なくとも一種類以上の溶剤から構成することが好ましく、透明基材フィルムを溶解しない溶剤のうちのすくなくとも一種類が、透明基材フィルムを溶解する溶剤うちの少なくとも一種類よりも高沸点であることがより好ましく、透明基材フィルムを溶解しない溶剤のうち最も沸点の高い溶剤と、透明基材フィルムを溶解する溶剤のうち、最も沸点の高い溶剤との沸点温度差は30℃以上が好ましく、50℃以上が更に好ましい。
【0065】
前記透明基材フィルムを溶解する溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、炭素数3〜12のエーテル類、炭素数3〜12のケトン類、炭素数3〜12のエステル類、2種類以上の官能基を有する有機溶媒、等が挙げられ、これらの中でも、ケトン系溶剤が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0066】
前記炭素数3〜12のエーテル類としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等が挙げられる。前記炭素数3〜12のケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。炭素数3〜12のエステル類としては、例えば、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、γ−プチロラクトン等が挙げられる。前記2種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、例えば、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
【0067】
前記透明基材フィルムを溶解しない溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ペンタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0068】
前記透明基材フィルムを溶解する溶剤の総量(A)と、前記透明基材フィルムを溶解しない溶剤の総量(B)との質量割合〔(A)/(B)〕は、5/95〜50/50が好ましく、10/90〜40/60がより好ましく、15/85〜30/70更に好ましい。
【0069】
前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。
前記電子線硬化の場合には、コックロフワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keVのエネルギーを有する電子線等が使用される。電子線のエネルギーは、100〜300keVがより好ましい。前記紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0070】
前記光拡散層は、視角特性と外光の写り込みを異なる手段で最適化しても良く、所望の視角特性を得るために前記透光性微粒子を使用し、外光の映り込みを防止するための表面凹凸をエンボス加工法等によって作製しても良い。表面凹凸の作製方法は、エンボス、サンドブラスト等によってフィルム上に直接凹凸を付与する方法、電子ビーム描画やレーザー照射等によりあらかじめ表面凹凸を形成したマスターの凹凸上に紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂を塗布、硬化後剥離する方法、さらにエンボス等によってメカニカルに凹凸を転写する方法が挙げられる。
【0071】
前記光拡散層の表面凸凹としての表面粗さ(Ra)は、1.2μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
ここで、前記表面粗さ(Ra)は、例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて測定することができる。前記原子間力顕微鏡としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、SPI3800N(セイコーインスツルメント株式会社製)などが挙げられる。
【0072】
前記光拡散層の厚みは、0.5〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、2〜10μmが更に好ましく、3〜5μmが特に好ましい。また、防眩性を付与するためには表面凹凸を前記の範囲に制御することが重要で、光拡散層の厚みは前記透光性微粒子に対して75%以上、100%未満であることが好ましい。
【0073】
−低屈折率層−
前記低屈折率層は、反射防止能付与する目的で、支持体上に光拡散層を設けた側の最外層に設けられ、該低屈折率層の屈折率は、上述したとおり、1.35以上1.45以下が好ましい。
【0074】
前記低屈折率層の屈折率は、下記数式(1)を満たすことが好ましい。
<数式1>
(mλ/4)×0.7<n<(mλ/4)×1.3
前記数式1中、mは、正の奇数(一般に1)を表す。nは、低屈折率層の屈折率を表す。dは、低屈折率層の膜厚(nm)を表す。λは、可視光線の波長であり、450〜650(nm)の範囲の値である。
なお、前記数式(1)を満たすということは、前記波長の範囲において前記数式(1)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味する。
【0075】
前記低屈折率層の形成方法としては、金属酸化物の透明薄膜を化学蒸着する方法(CVD法)や物理蒸着する方法(PVD法)、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法、無機微粒子やポリマー、モノマーを塗布する方法等が挙げられる。本発明ではその形成方法は問わないが、安価でかつ大量生産可能な塗布法が好ましい。
【0076】
前記低屈折率層には、熱硬化性又は電離放射線硬化型の架橋性フッ素含有化合物が硬化したフッ素含有樹脂を用いることが好ましい。これにより、フッ化マグネシウム及びフッ化カルシウムを含有する低屈折率層に比べて、最外層として用いても耐傷性に優れている。熱硬化性又は電離放射線硬化型の架橋性フッ素含有化合物の屈折率としては、1.35以上1.45以下が好ましい。硬化したフッ素含有樹脂の動摩擦係数は、0.03〜0.15が好ましく、水に対する接触角は90〜120度が好ましい。
前記架橋性フッ素含有化合物としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、フッ素含有モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とするフッ素含有共重合体、などが挙げられる。
【0077】
前記フッ素含有モノマー単位としては、例えば、フルオロオレフィン類、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、等が挙げられる。
前記フルオロオレフィン類としては、例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類としては、例えば、ビスコート6FM(大阪有機化学工業株式会社製)、M−2020(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。
【0078】
前記架橋性基付与のためのモノマーとしては、例えば、グリシジルメタクリレートのように分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。前記架橋性基付与のためのモノマーは共重合した後、架橋構造を導入できることが特開平10−25388号公報及び特開平10−147739号公報により開示されている。
【0079】
また、前記低屈折率層には、前記フッ素含有モノマーと架橋性基付与のためのモノマーとの共重合体だけでなく、これにその他のモノマーが共重合したポリマーを用いてもよい。
前記その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、オレフィン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン誘導体、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体、等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
前記オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。前記アクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。前記メタクリル酸エステル類としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。前記スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル等が挙げられる。前記ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等が挙げられる。前記アクリルアミド類としては、例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等が挙げられる。
【0081】
前記低屈折率層に用いるフッ素含有樹脂には、耐傷性を付与するため、シリカ超微粒子を添加することが好ましい。該シリカ超微粒子の平均粒径は、0.1μm以下が好ましく、0.001〜0.05μmがより好ましい。反射防止性の観点からは屈折率が低いほど好ましいが、フッ素含有樹脂の屈折率を下げていくと耐傷性が悪化する。そこで、フッ素含有樹脂の屈折率とSiの酸化物超微粒子の添加量を最適化することにより、耐傷性と低屈折率のバランスの最も良い点を見出すことができる。
Siの酸化物超微粒子としては、市販の有機溶剤に分散されたシリカゾルをそのまま塗布液に添加しても、市販の各種シリカ紛体を有機溶剤に分散して使用してもよい。
【0082】
前記低屈折率層は、トリアセチルセルロース(TAC)及びポリエチレンテレフタレート(PET)のいずれかに対して常温常湿で測定した垂直剥離帯電は−200〜+200pc(ピコクーロン)/cmが好ましく、−100〜+100pc/cmがより好ましく、−50〜+50pc/cmが更に好ましく、0pc/cmが特に好ましい。また、常温10%RHで測定した垂直剥離帯電は−100〜+100pc/cmが好ましく、−50〜+50pc/cmがより好ましく、0pc/cmが特に好ましい。
ここで、前記垂直剥離帯電の単位であるpc(ピコクーロン)は、10−12クーロンである。
【0083】
ここで、前記垂直剥離帯電の測定方法としては、例えば、予め、測定サンプルを測定温度湿度の環境下で2時間以上放置する。前記測定装置としては、測定サンプルを置く台と相手のフィルムを保持して測定サンプルに上から圧着と剥離を繰り返せるヘッドからなり、このヘッドに帯電量を測定するエレクトロメーターがつながっている。次に、測定するフィルムを台に乗せ、ヘッドにTAC又はPETを装着する。測定部分を除電したのち、ヘッドを測定サンプルに圧着させ剥離させることを繰り返し、1回目の剥離時と5回目の剥離時の帯電値を読み、これを平均する。サンプルを変えて3サンプルでこれを繰り返し、全てを平均したものを垂直剥離帯電とする。
なお、相手フィルムや測定サンプルの種類によってプラスに帯電する場合とマイナスに帯電する場合があるが、問題となるのは絶対値の大きさである。
また、一般的に低湿度の環境下の方が帯電の絶対値は大きくなる。本発明の防眩性反射防止フィルムはこの絶対値も小さい。
【0084】
前記低屈折率層は、常温常湿及び常温10%RHでの垂直剥離帯電の絶対値が小さいので防塵性に優れる。
前記垂直剥離帯電の値を上記の範囲とするには、低屈折率層表面の各種元素の割合を調節することによって行われる。
【0085】
前記低屈折率層の表面抵抗値は、1×1011Ω/□以上が好ましく、1×1012Ω/□以上がより好ましい。
ここで、前記表面抵抗値は、例えば、JIS C−2141に記載されている円電極法により測定することができる。具体的には、電圧印加後、1分後の電流値を読み、表面抵抗値(SR)を求める。
本発明においては、前記表面抵抗値を小さくすること、例えば、1×1010Ω/□以下にすることで防塵性(ゴミ付着防止性)を良くする方法とは考え方が根本的に異なる。この方法は画像表示品位が落ちるため採用せず、本発明では上記した方法で垂直剥離帯電の絶対値を小さくしているので、表面抵抗値を小さくする必要がなく、表面抵抗値を1×1011Ω/□以上とすることができ画像表示品位が落ちない。
【0086】
前記低屈折率層は、5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値は2.5%以下が好ましく、1.2%以下がより好ましく、1.1%以下が更に好ましい。
また、前記5度入射における積分反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値は2.5%以下が好ましく、2.3%以下がより好ましい。
【0087】
ここで、前記5度入射における鏡面反射率は、サンプルの法線方向+5度から入射した光に対する法線方向−5度で反射した光の強度の割合であり、背景の鏡面反射による映り込みの尺度になる。防眩性反射防止フィルムに適用する場合には、防眩性付与のために設けた表面凹凸に起因する散乱光の分だけ、法線方向−5度で反射した光の強度は弱くなる。従って、鏡面反射率は防眩性と反射防止性の両方の寄与を反映する測定法といえる。
【0088】
一方、前記5度入射における積分反射率とは、サンプルの法線方向+5度から入射した光に対する全ての方向に反射した光強度の積分値の割合である。反射防止フィルムに適用する場合には、防眩性による反射光の減少が起こらないため、反射防止性だけを反映する測定が可能である。
従って、前記両方の反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値をそれぞれ2.5%以下(鏡面反射率)、2.5%以下(積分反射率)とすることにより、防眩性と反射防止性を同時に満足させることが可能になる。
【0089】
前記低屈折率層の5度入射における鏡面反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が2.5%を超えると、背景の映り込みが気になり、表示装置の表面フィルムに適用したときの視認性が低下することがある。
一方、前記低屈折率層の5度入射における積分反射率の450nmから650nmまでの波長領域での平均値が2.5%を超えると、表示装置のコントラスト改善効果が少なくなり、防眩性付与のための表面凹凸起因の散乱光により表示画面が白化し、表示装置の表示品位が低下することがある。
【0090】
前記低屈折率層は、CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味が、CIE1976L*a*b*色空間のL*、a*、b*値で定量化したときに、それぞれL*≦10、0≦a*≦2、−5≦b*≦2の範囲内に入るように設計されていることが好ましい。これを満たす正反射光の色味はニュートラルな色味である。
前記CIE標準光源D65の5度入射光に対する正反射光の色味は、5度入射における波長380nmから780nmの領域における鏡面反射率の実測値と光源D65の各波長における分光分布の積を算出して得られた分光反射スペクトルから、CIE1976L*a*b*色空間のL*値、a*値、b*値をそれぞれ算出することで定量化することができる。
前記L*値が10を超えると、反射防止性が十分でないことがある。前記a*値が2を超えると、反射光の赤むらさき色が強くなることがあり、0未満であると、緑色が強くなり好ましくない。前記b*値が−5未満であると、青味が強くなることがあり、2を超えると、黄色が強くなり好ましくない。
【0091】
このようなニュートラルな色味の反射光を有し、且つ低反射率を有する反射防止フィルムは、低屈折率層の屈折率と光拡散層の透光性樹脂素材の屈折率とのバランスを最適化することで得られる。
一般に、3層以上の蒸着、スパッタ等による光学薄膜による低屈折率層は、鏡面反射率の平均値を0.3%以下まで低減でき、従ってL*値も3以下にまで低減できるが、a*値が10以上、b*値が−10未満の値となり、反射光の色味が非常に強いものとなっていたが、前記光拡散層付き反射防止フィルムではこの反射光の色味が大幅に改善されている。
【0092】
ここで、本発明の光拡散フィルムの具体例について、図面を参照しながら説明する。図2に示す光拡散フィルムは、透明基材フィルム20と、透光性樹脂31中において、互いに屈折率及び粒径の少なくともいずれかが異なる2種以上の透光性微粒子(例えば、第1の透光性微粒子41及び第2の透光性微粒子42)とを含む光拡散層30を有し、必要に応じて該光拡散層30上に低屈折率層50を積層していても構わない。また、前記光拡散層30は複数の層から形成されていてもよい。また、ここでは2種類の異なる屈折率を有する透光性微粒子にて説明を行なうが、2種類以上の透光性微粒子を用いてもよく、本発明の目的及び効果を奏するためには、2種類以上の粒径の透光性微粒子を用いることが好ましい。
【0093】
<偏光板>
前記偏光板は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、偏光膜と、該偏光膜の両側に配置された二枚の保護フィルムとを含み、更に必要に応じてその他の層を有する。
【0094】
前記2枚のうちの一方の保護フィルムとしては、例えば、本発明の前記光拡散フィルム、液晶化合物からなる光学異方性層、などを用いることができる。他方の保護フィルムとしては、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。
【0095】
前記偏光膜としては、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜、ポリエン系偏光膜、などが挙げられる。前記ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造することが好ましい。
前記光拡散フィルムの透明基材やセルロースアセテートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
【0096】
前記偏光板の生産性を向上させるためには前記保護フィルムの透湿性が重要である。
前記偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶剤は保護フィルム中を拡散することで、乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
前記偏光板の透湿性は、透明基材、ポリマーフィルム(及び重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
前記光拡散フィルム、低屈折率層を偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100〜1000g/m・24hrsが好ましく、300〜700g/m・24hrsがより好ましい。
前記透明基材の厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
前記透明基材の自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。この場合、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
前記透明基材の親疎水性は、添加剤により調整することができる。前記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
前記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
【0097】
本発明においては、前記偏光板が液晶化合物からなる光学異方性層を有することが、液晶セルの階調反転角を広角に広げることができる点で好ましい。
【0098】
−液晶化合物からなる光学異方性層−
前記液晶性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、棒状液晶であっても、ディスコティック液晶であっても構わない。またそれらが高分子液晶、又は低分子液晶、更には、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなった液晶性化合物も含まれる。これらの中でも、ディスコティック液晶が特に好ましい。
【0099】
前記棒状液晶としては、例えば、特開2000−304932号公報に記載のものが挙げられる。
前記ディスコティック液晶としては、例えば、C.Destradeらの研究報告、及びMol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体;C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体;B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体;J.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクル、などが挙げられる。
【0100】
前記ディスコティック液晶としては、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射線状に置換された構造であり、液晶性を示す。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであればこれらに限定されるものではないが、円盤状化合物から形成される化合物、などが好ましい。
前記円盤状化合物から形成される化合物は、最終的生成物が前記円盤状化合物化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合又は架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。前記ディスコティック液晶の好適な例としては、特開平8−50206号公報などに記載されている。
【0101】
前記光学異方性層は、ディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層であって、該ディスコティック構造単位の面が、透明支持体面に対して傾き、かつ該ディスコティック構造単位の面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向に変化していることが好ましい。
【0102】
前記ディスコティック構造単位の面の角度(傾斜角)は、一般に、光学異方性層の深さ方向であり、かつ光学異方性層の底面からの距離の増加と共に増加又は減少している。前記傾斜角は、距離の増加と共に増加することが好ましい。更に、前記傾斜角の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、及び増加及び減少を含む間欠的変化等を挙げることができる。前記間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。前記傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体として増加又は減少していることが好ましい。更に、前記傾斜角は全体として増加していることが好ましく、特に連続的に変化することが好ましい。
【0103】
前記光学異方性層は、一般にディスコティック化合物及び他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥する。次いで、ディスコティックネマチック相形成温度まで加熱し、その後、配向状態(ディスコティックネマチック相)を維持して冷却することにより得られる。前記光学異方性層は、ディスコティック化合物又は他の化合物(例えば、重合性モノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜上に塗布し、乾燥する。次いで、ディスコティックネマチック相形成温度まで加熱した後、重合させる(UV光の照射等により)。更に、冷却することにより得られる。前記ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度としては、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
【0104】
例えば、前記支持体側のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物あるいは配向膜の材料を選択することにより、又はラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角は、一般にディスコティック化合物又はディスコティック化合物とともに使用する他の化合物(例えば、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、ポリマー等)を選択することにより調整することができる。更に、傾斜角の変化の程度も同様の選択により調整することができる。
【0105】
前記配向膜、可塑剤、界面活性剤及び重合性モノマーの好ましい例としては、特開2002−328228号公報及び特開平9−152509号公報に記載のものが挙げられる。
【0106】
前記液晶化合物からなる光学異方性層を塗設する透明支持体としては、高透過率なプラスチックフィルムであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、偏光板の保護フィルムであるセルロースアセテートを用いることが好ましい。前記透明支持体は、光学的に一軸性でもあっても、二軸性であってもよい。
前記光学異方性層を塗設する透明支持体は、それ自身が光学的に重要な役割を果たすため、Reレターデーション値は0〜200nmが好ましく、Rthレターデーション値は70〜400nmが好ましい。
前記液晶表示装置において、二枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、該フィルムのRthレターデーション値は70〜250nmが好ましい。
前記液晶表示装置において、一枚の光学的異方性セルロースアセテートフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150〜400nmが好ましい。
なお、前記セルロースアセテートフィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00〜0.002が好ましい。また、前記セルロースアセテートフィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001〜0.04が好ましい。
【0107】
前記レターデーション値(Re)は、下記数式(2)に従って算出できる。
<数式2>
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
前記数式2中、nxは、位相差板の面内の遅相軸方向屈折率(面内の最大屈折率)を表す。nyは、位相差板の面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率を表す。
【0108】
前記レターデーション値(Rth)は、下記数式(3)に従って算出できる。
<数式3>
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
前記数式3中、nxは、フィルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表す。nyは、フィルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率を表す。nzは、フィルムの厚み方向の屈折率を表す。dは、単位をnmとするフィルムの厚さを表す。
【0109】
<液晶セル>
前記液晶セルは、二枚の基板の間に液晶を担持してなり、VAモード、TNモード、OCBモード、及びECBモードのいずれかが挙げられ、TNモード、OCBモード、及びECBモードに用いることが好ましい。
【0110】
前記OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
【0111】
前記TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
前記ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、多数の文献に記載がある。
【0112】
<バックライト>
前記バックライトは、液晶表示装置における外部照射光源であり、(i)冷陰極管(蛍光)ランプを用いたもの、(ii)発光ダイオード(LED)を用いたもの、(iii)EL(エレクトロルミネッセンス)を用いたもの、などが挙げられ、これらの中でも、(i)冷陰極管(蛍光)ランプを用いたものが主流である。
前記冷陰極管(蛍光)ランプを用いたバックライトには、直下方式、サイドライト方式、面状光源方式などが挙げられる。LCDパネルの薄型化、軽量化を図る点からサイドライト方式バックライトが好適である。
【0113】
ここで、本発明のバックライトの具体例について、図面を参照しながら説明する。図3(A)は、液晶表示装置の構造を概念的に描いた断面図、図3(B)は、液晶表示装置に備え付けられる光源ユニットの斜視図を示す。
【0114】
前記液晶表示装置は、各々の主面が対向するように配置された一対の基板80とこれらの間に挟持された液晶層70からなる液晶表示素子(液晶表示パネル)と蛍光灯110が搭載された光源ユニット150を備える。液晶表示素子を構成するそれぞれの基板80の液晶層70とは反対側の主面には偏光板61、62が設けられ、一対の基板80の少なくとも一つの液晶層70側の主面には、複数の画素(図示せず)が2次元的に配置される。液晶表示装置の使用者は図3(A)の上側から基板80の主面を通して液晶層の光透過率のパターンとして表示される画像を見る。
【0115】
図3(B)は、その光源ユニット150における蛍光灯110の配置からサイドライト型(又はエッジライト型)と呼ばれる。この光源ユニット150は、前記液晶表示素子の下面に対向するように配置された四辺形の上面を有する導光板140と、この導光板の少なくとも一つの側面(四辺形の一辺)に沿って配置された管状の蛍光灯110と、この蛍光灯110から導光板の反対側へ輻射される光を導光板の側面に入射させるランプリフレクター100と、導光板内をその下面に向けて伝播していく光をその上面に向けて反射させ且つ液晶表示素子の下面に照射させる反射フィルム(不図示)とを備える。
導光板140の上面と液晶表示素子の下面の間には、例えば、一対の拡散シート92とこれに挟まれたプリズムシート91及び輝度向上フィルム93等を含む光学シート群90が配置されている。なお、サイドライト型の液晶表示装置では、液晶表示素子の下面は蛍光灯110と対向せず、図3(B)に示す導光板140の上面に対向するように配置される。
本発明においては、各種光学シート90を含む130をまとめてバックライトユニットと総称する。
【0116】
本発明の透過型液晶表示装置は、異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルとの間に配置して、液晶セルの階調反転が生じている角度の光を選択的に散乱させることで、相対的に階調反転が生じている角度の入射光を抑え、液晶セルの視認側にある光拡散フィルムで階調反転が生じていない光を散乱させることによって階調反転が大幅に改善でき、視野角依存性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止でき、正面方向のコントラスト及び画像鮮明性が向上する。
【0117】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0118】
−液晶セルの階調反転角の計測−
図4に示すTN型液晶セルを使用した液晶表示装置(TH−14TA3、松下電器産業株式会社製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに市販の光学補償シート付偏光板としてのLPT−HL56(株式会社サンリッツ製)偏光板を貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
なお、図4中、201はバックライトユニット、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セルをそれぞれ示す。
【0119】
次に、図4の液晶表示装置を改造した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒色表示(L0)から白表示(L7)までの8段階で輝度を測定した。L1〜L6は、黒表示と白表示の輝度をほぼ等分した濃淡のグレイ表示である。上下方向(上方向を「+」、下方向を「−」を付けて表す)の輝度の結果を図5(A),(B)及び図6に示す。
図5(A),(B)及び図6の結果から、前記液晶表示装置は液晶パネルの下方向で階調反転現象が生じており、階調反転角度は約30度(28度)であることがわかる。なお、前記階調反転角度とは、液晶セルに電圧を印加したときに、異なる電圧間で輝度の序列が入れ替わる最初の角度のことを意味する。
【0120】
−異方性散乱フィルムの特性−
入射光により異なる散乱特性(散乱効率)を有する異方性散乱フィルムとしてのルミスティ「MFZ−2555」(LUMISTY、住友化学工業株式会社製)を使用した。該異方性散乱フィルムの入射角度に対するヘイズを表1に示す。該異方性散乱フィルムは法線方向から入射された光は透過し、極角20度以上の入射に対しては、方位角により散乱特性が異なるという異方性を有する。
本発明においては、前記異方性散乱フィルムを極角20度以上においてヘイズが大きくなる方向が上下方向になるように、バックライトと液晶セルの間に配置する。
【0121】
【表1】ルミスティのヘイズ特性
Figure 2005024885
【0122】
表1の結果から、液晶セルの階調反転が起きている角度(下)30度におけるヘイズと0度入射におけるヘイズの差が60%以上であることがわかる。なお、本実施例においては、極角20度以上で散乱特性の異なる異方性散乱フィルムとしてのルミスティ「MFZ−2555」(LUMISTY、住友化学工業株式会社製)を使用したが、これに制限されるものではなく、例えば、極角35度で散乱特性の異なる異方性フィルムがあれば、該異方性散乱フィルムを使用した方が視野角改良効果は大きくなると考えられる。
【0123】
−光拡散フィルム(A−01)の作製−
光拡散層を構成する透光性樹脂としてのシリカ超微粒子分散物含有ハードコート液(デソライトZ7526、JSR株式会社製、屈折率1.51)100質量部、透光性微粒子としての架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学株式会社製、SX130H、粒径1.3μm、屈折率1.61)25質量部、及び透光性微粒子としての架橋ポリスチレンビーズ(綜研化学株式会社製、SX350H、粒径3.5μm、屈折率1.61)6質量部を、溶剤としてのメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=20/80(質量比)を用いて固形分濃度が45質量%になるように混合し、光拡散層用塗布液を調製した。
次に、得られた光拡散層用塗布液をトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム株式会社製、TD80U)上に、粒径1.3μmの架橋ポリスチレンビーズの塗布量が1.1g/mになるように塗工し、溶剤乾燥した後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス株式会社製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射し硬化させて、光拡散層を形成した。
以上により、光拡散フィルム(A−01)を作製した。
【0124】
−光拡散フィルム(B−01)の作製−
前記光拡散フィルム(A−01)の作製において、粒径1.3μmの架橋ポリスチレンビーズの塗布量1.1g/mを0.2g/mに変えた以外は、前記光拡散フィルム(A−01)の作製方法と同様にして、光拡散フィルム(B−01)を作製した。
【0125】
−低屈折率層用塗布液の調製−
屈折率1.42の熱架橋性フッ素含有ポリマー(JN−7228、JSR株式会社製)93g、MEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiOゾルのメチルエチルケトン(MEK)分散物、日産化学工業株式会社製)8g、及びメチルエチルケトン(MEK)100gを混合し、攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過した。以上により、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0126】
−低屈折率層付き光拡散フィルム(A−02)の作製−
前記光拡散フィルム(A−01)における光拡散層上に、前記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃にて乾燥した後、更に120℃にて10分間熱架橋し、厚み0.096μmの低屈折率層を形成した。以上により、低屈折率層付き光拡散フィルム(A−02)を作製した。
【0127】
−低屈折率層付き光拡散フィルム(B−02)の作製−
前記光拡散フィルム(B−01)における光拡散層上に、前記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃にて乾燥した後、更に120℃にて10分間熱架橋し、厚み0.096μmの低屈折率層を形成した。以上により、低屈折率層付き光拡散フィルム(B−02)を作製した。
【0128】
−光拡散フィルムの評価−
得られた光拡散フィルム(A−01)、低屈折率層付き光拡散フィルム(A−02)及び(B−02)について、以下のようにして、ヘイズ、及び散乱光プロファイルの評価を行った。結果を表2に示す。
【0129】
<ヘイズの測定>
各光拡散フィルムについて、ヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業株式会社製)を用いてヘイズH(0)を測定した。結果を表2に示す。
【0130】
<散乱光プロファイルの評価>
各光拡散フィルムについて、自動変角光度計GP−5型(株式会社村上色彩技術研究所製)を用いて、入射光に対して各光拡散フィルムを垂直に配置し、全方位に渡って散乱光プロファイルを測定した。出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度比、及び出射角0°の光強度に対する60°の散乱光強度比を求めた。結果を表2に示す。また、光拡散フィルム(A−02)における散乱プロファイルを図7に示す。
【0131】
【表2】
Figure 2005024885
表2の結果から、光拡散フィルム(A−01)及び(A−02)は、光拡散フィルム(B−02)に比べて、出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度、ヘイズH(0)、及び出射角0°の光強度に対する60°の散乱光強度がいずれも高いことが認められる。
【0132】
次に、前記光拡散フィルムを用いて偏光板を作製し、液晶表示装置での評価を行った。
−視認側偏光板(PA−01)、(PA−02)及び(PB−02)の作製−
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルム上にヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。前記光拡散フィルム(A−01)、(A−02)及び(B−02)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、各光拡散フィルムの透明基材(トリアセチルセルロースフィルム)が偏光膜側となるように該偏光膜の片側に貼り付けた。一方、ディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層をセルロースアセテートフィルム上に有する光学補償フィルムWV A 12B(富士写真フイルム株式会社製)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように該偏光膜の反対側に貼り付けた。以上により、視認側偏光板(PA−01)、(PA−02)及び(PB−02)を作製した。
【0133】
−視認側偏光板(PC−01)の作製−
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルム上にヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム株式会社製 フジタックTD80U)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、該偏光膜の片側に貼り付けた。一方、ディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層をセルロースアセテートフィルム上に有する光学補償フィルムWV A 12B(富士写真フイルム株式会社製)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように該偏光膜の反対側に貼り付けた。以上により、視認側偏光板(PC−01)を作製した。
【0134】
−バックライト側偏光板(BB−02)の作製−
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム株式会社製 フジタックTD80U)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、該偏光膜の片側に貼り付けた。一方、ディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層をセルロースアセテートフィルム上に有する光学補償フィルムWV A 12B(富士写真フイルム株式会社製)に鹸化処理を行い、PVA(株式会社クラレ製、PVA−117H)の3質量%水溶液を接着剤として用いて、セルロースアセテートフィルムが偏光膜側となるように該偏光膜の反対側に貼り付けた。以上により、バックライト側偏光板(BB−02)を作製した。
【0135】
(実施例1)
−液晶表示装置の作製−
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(TH−14TA3、松下電器産業株式会社製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに観察者側に前記視認側偏光板(PB−02)を、バックライト側には前記バックライト側偏光板(BB−02)をそれぞれ光学補償フィルムが液晶セル側となるように粘着剤を介して貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とが、Oモードとなるように配置した。また、バックライトと液晶セルの間に異方性散乱フィルムとしてのルミスティ「MFZ−2555」(LUMISTY、住友化学工業株式会社製)の散乱異方性が液晶表示装置の上下方向に相当するように配置した。
なお、実施例1の液晶表示装置の構成を図8に示す。なお、図8中、201はバックライトユニット、202は異方性散乱フィルム、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、B−02は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0136】
(実施例2)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、前記視認側偏光板(PB−02)を前記視認側偏光板(PA−02)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の液晶表示装置を作製した。なお、実施例2の液晶表示装置の構成を図9に示す。なお、図9中、201はバックライトユニット、202は異方性散乱フィルム、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、A−02は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0137】
(実施例3)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、前記視認側偏光板(PB−02)を前記視認側偏光板(PA−01)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の液晶表示装置を作製した。
なお、実施例3の液晶表示装置の構成を図10に示す。なお、図10中、201はバックライトユニット、202は異方性散乱フィルム、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、A−01は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0138】
(比較例1)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、異方性散乱フィルムがバックライトと液晶セルの間に配置されていないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の液晶表示装置を作製した。
なお、比較例1の液晶表示装置の構成を図11に示す。なお、図11中、201はバックライトユニット、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、B−02は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0139】
(比較例2)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、異方性散乱フィルムがバックライトと液晶セルの間に配置されておらず、前記視認側偏光板(PB−02)を前記視認側偏光板(PA−02)に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の液晶表示装置を作製した。
なお、比較例2の液晶表示装置の構成を図12に示す。なお、図12中、201はバックライトユニット、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、A−02は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0140】
(比較例3)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、異方性散乱フィルムがバックライトと液晶セルの間に配置されておらず、前記視認側偏光板(PB−02)を前記視認側偏光板(PA−01)に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の液晶表示装置を作製した。
なお、比較例3の液晶表示装置の構成を図13に示す。なお、図13中、201はバックライトユニット、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、A−01は光拡散フィルム、をそれぞれ示す。
【0141】
(比較例4)
−液晶表示装置の作製−
実施例1において、前記視認側偏光板(PB−02)を前記視認側偏光板(PC−01)に代え、視認側偏光板(PC−01)のさらに視認側に粘着剤を介して異方性散乱フィルム(ルミスティ)を配置した以外は、実施例1と同様にして、比較例4(従来)の液晶表示装置を作製した。
なお、比較例4の液晶表示装置の構成を図14に示す。なお、図14中、201はバックライトユニット、203は偏光膜、204は光学異方性層、209は光学異方性層、210は偏光膜、211は液晶セル、202は異方性散乱フィルム、をそれぞれ示す。
【0142】
次に、実施例1〜3及び比較例1〜4の各液晶表示装置について、以下のようにして、視野角及び蛍光灯の写り込みを評価した。結果を表3に示す。
【0143】
<視野角の測定>
作製した各液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)〜白表示(L7)までの8段階で視野角を測定した。
【0144】
<蛍光灯の写り込み>
作製した各液晶表示装置を、明室下におき、蛍光灯の写りこみを下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○・・・蛍光灯の管が全く判らない。
△・・・蛍光灯の管がわずかに判る。
×・・・蛍光灯の管がはっきり写り込む。
【0145】
【表3】
Figure 2005024885
【0146】
表3の結果から、実施例1と比較例1とを対比すると、両者は、異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルの間に配置するか否かの点でのみ相違するが、写り込み性について良好な同レベルであるが、実施例1は、比較例1に比べて、液晶パネルの下方向の階調反転角度が大幅に改良されていることが認められる。実施例2と比較例2とを対比すると、両者は、液晶セルの視認側に用いられる光拡散フィルムの30°/0°の散乱光強度比が0.01%以上の光拡散フィルムを用い、異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルの間に配置するか否かの点でのみ相違するが、写り込み性について良好な同レベルであるが、実施例2は、比較例2に比べて、液晶パネルの下方向の階調反転角度が大幅に改良されていることが認められる。
また、実施例3と比較例3とを対比すると、両者は、異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルの間に配置するか否かの点でのみ相違するが、実施例3は比較例3に比べて、液晶パネルの下方向の階調反転角度が大幅に改良されている。なお、両者は、視認側に用いられる光拡散フィルムに低屈折率層を設けていないので、蛍光灯の管がわずかに写り、表示品位がやや低下する。
比較例4は、異方性散乱フィルムを、特開2002−90527号公報に記載の従来の液晶表示装置と同様の構成である視認側偏向板の表面に配置しているので、液晶パネルの下方向の階調反転角度は改良されているが、下方向の階調反転角は実施例1〜3より狭く、蛍光灯の管がはっきり写り込んでしまい、表示品位が劣るものである。
【0147】
【発明の効果】
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、異方性散乱フィルムをバックライトと液晶セルとの間に配置して、液晶セルの階調反転が生じている角度の光を選択的に散乱させることで、相対的に階調反転が生じている角度の入射光を抑え、液晶セルの視認側に設けた光拡散フィルムで階調反転が生じていない光を散乱させることによって階調反転が大幅に改善でき、視野角特性が大幅に向上し、外光の写り込みを防止でき、正面方向のコントラスト及び画像鮮明性が向上した透過型の液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の光拡散フィルムの一例を示す断面図である。
【図3】図3(A)は、液晶表示装置の構造を示す断面図である。図3(B)は、光源ユニット斜視図である
【図4】図4は、階調反転角を計測した液晶表示装置の構成図である。
【図5】図5(A)は、階調反転角計測結果(上下方向の輝度分布)を表すグラフである。図5(B)は、図5(A)の部分拡大図である。
【図6】図6は、図5の階調反転角計測結果(上下方向の輝度分布)を表すグラフを対数表示したグラフである。
【図7】図7は、光拡散フィルム(A−02)の散乱プロファイル(同心円状の間隔は対数)である。
【図8】図8は、実施例1の液晶表示装置を示す構成図である。
【図9】図9は、実施例2の液晶表示装置を示す構成図である。
【図10】図10は、実施例3の液晶表示装置を示す構成図である。
【図11】図11は、比較例1の液晶表示装置を示す構成図である。
【図12】図12は、比較例2の液晶表示装置を示す構成図である。
【図13】図13は、比較例3の液晶表示装置を示す構成図である。
【図14】図14は、比較例4(従来)の液晶表示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10 光拡散フィルム
20 透明支持体
30 光拡散層
31 透光性樹脂
41 第1透光性微粒子
42 第2透光性微粒子
50 低屈折率層
61 視認側偏光板
62 バックライト側偏光板
70 液晶層
80 基板
90 光学シート群
91 プリズムシート
92 拡散シート
93 輝度向上フィルム
100 ランプリフレクター
110 蛍光灯
120 反射フィルム
130 バックライトユニット
140 導光板
150 光源ユニット
201 バックライトユニット
202 異方性散乱フィルム
203 偏光膜
204 光学異方性層
209 光学異方性層
210 偏光膜
211 液晶セル
220 光拡散フィルム
A−01 光拡散フィルム(低屈折率層なし)
A−02 光拡散フィルム(低屈折率層あり)
B−02 光拡散フィルム(低屈折率層あり+ヘイズが小)
PA−01 視認側偏光板
PC−01 視認側偏光板
PA−02 視認側偏光板
PB−02 視認側偏光板
BB−02 バックライト側偏光板

Claims (3)

  1. バックライトと、入射角により散乱特性が異なる異方性散乱フィルムと、対向する2枚の基板間に液晶を備えた液晶セルと、該液晶セルのバックライト側及び視認側にそれぞれ配置された偏光板と、該液晶セルの視認側に少なくとも1層の光拡散フィルムとを有する液晶表示装置であって、
    前記異方性散乱フィルムの液晶セルの階調反転角θにおける入射光に対するヘイズH(θ)と、該異方性散乱フィルムにおける法線方向からの入射光に対するヘイズH(0)との差(H(θ)−H(0))が5%以上100%以下であり、かつ前記異方性散乱フィルムが、バックライトと液晶セルとの間に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 光拡散フィルムの散乱光角度分布における出射角0°の光強度に対する30°の散乱光強度が0.01%以上0.2%以下であり、かつ該光拡散フィルムにおけるヘイズH(0)が40%以上である請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 光拡散フィルムの表面に屈折率が1.35以上1.45以下の低屈折率層を設けた請求項1から2のいずれかに記載の液晶表示装置。
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