JP2006317571A - 光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する光学補償フィルムであって、光学補償フィルム全体のヘイズ(H2)と前記支持体単独のヘイズ(H1)との差(H2−H1)が0.2%以下である光学補償フィルム、該光学補償フィルムを備えた偏光板、及び液晶表示装置である。
【選択図】 なし
Description
[1] 支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する光学補償フィルムであって、光学補償フィルム全体のヘイズ(H2)と前記支持体単独のヘイズ(H1)との差(H2−H1)が0.2%以下である光学補償フィルム。
[2] 前記光学異方性層が、前記組成物を塗布することによって形成された層である[1]の光学補償フィルム。
[3] 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である[1]又は[2]の光学補償フィルム。
[4] ヘイズ(H2)が0.5%以下である[1]〜[3]のいずれかの光学補償フィルム。
[5] 前記組成物が、セルロースアセテートブチレートを0.1〜2.0質量%含有する[1]〜[4]のいずれかの光学補償フィルム。
[6] 前記光学異方性層の厚みが、0.1〜2.0μmである[1]〜[5]のいずれかの光学補償フィルム。
[7] 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、[1]〜[6]のいずれかの光学補償フィルムである偏光板。
[8] [1]〜[6]のいずれかの光学補償フィルム、又は[7]の偏光板を有する液晶表示装置。
また、本明細書において、「平行」、「直交」とは、厳密な角度±10゜未満の範囲内であることを意味する。この範囲は厳密な角度との誤差は、±5゜未満であることが好ましく、±2゜未満であることがより好ましい。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。さらに屈折率および位相差の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、本明細書において「偏光板」とは、特に断らない限り、長尺の偏光板及び液晶装置に組み込まれる大きさに裁断された(本明細書において、「裁断」には「打ち抜き」及び「切り出し」等も含むものとする)偏光板の両者を含む意味で用いられる。また、本明細書では、「偏光膜」及び「偏光板」を区別して用いるが、「偏光板」は「偏光膜」の少なくとも片面に該偏光膜を保護する透明保護膜を有する積層体を意味するものとする。
本発明の光学補償フィルムは、支持体と、該支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層を有し、光学補償フィルム全体のヘイズ(H2)と前記支持体単独のヘイズ(H1)との差(H2−H1)が0.2%以下であることを特徴とする。本明細書において、ヘイズは、ASTN−D 1003−52に従って測定した値をいうものとする。本発明の光学補償フィルム全体が示すヘイズ(H2)と、支持体単独のヘイズ(H1)との差(H2−H1)は、0.2%以下であり、0.1%以下であるのがより好ましく、0.05%以下であるのがさらに好ましい。ヘイズの差がかかる範囲であると、黒表示時の光漏れの軽減及びコントラスト比の改善に寄与する優れた光学補償フィルムとなる。また、本発明の光学補償フィルムのヘイズは、0.5%以下であるのが好ましく、0.4%以下であるのがより好ましく、0.3%以下であるのがさらに好ましい。光学補償フィルム全体のヘイズがかかる範囲であると、黒表示時の光漏れ、斜め方向において顕著に生じる光漏れをより軽減できるので好ましい。
(光学異方性層)
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶性化合物を補償するように設計することが好ましい。黒表示における液晶セル中の液晶性化合物の配向状態は、液晶表示装置のモードにより異なる。この液晶セル中の液晶性化合物の配向状態に関しては、IDW'00、FMC7−2のP411〜414等に記載されている。
光学異方性層は、支持体上に直接液晶性化合物から形成するか、もしくは配向膜を介して液晶性化合物から形成する。配向膜は、10μm以下の膜厚を有することが好ましい。
光学異方性層に用いる液晶性化合物には、棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物が含まれる。棒状液晶性化合物およびディスコティック液晶性化合物は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。光学異方性層は、液晶性化合物および必要に応じて重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。本発明の配向膜として好ましい例は、特開平8−338913号公報に記載されている。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、本発明の棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、例えば、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載のものを採用できる。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
ディスコティック液晶性化合物には、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年))に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻、70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告(J.C.S.,Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
D(−LQ)r
(一般式(5)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、rは4〜12の整数である。)
L1:−AL−CO−O−AL−、
L2:−AL−CO−O−AL−O−、
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−、
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−、
L5:−CO−AR−O−AL−、
L6:−CO−AR−O−AL−O−、
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−、
L8:−CO−NH−AL−、
L9:−NH−AL−O−、
L10:−NH−AL−O−CO−、
L12:−O−AL−O−、
L13:−O−AL−O−CO−、
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−、
L15:−O−AL−S−AL−、
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−、
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−、
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−、
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−、
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−、
L21:−S−AL−、
L22:−S−AL−O−、
L23:−S−AL−O−CO−、
L24:−S−AL−S−AL−、
L25:−S−AR−AL−。
ディスコティック液晶性化合物と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各公報記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各公報記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号、米国特許4239850号の各公報記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報記載)が含まれる。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20mJ/cm2〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
(連結基群A)
−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C6H4−および−C6H3<:ただし、ベンゼン環上の置換位置は任意の位置でよい。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4−(R4は水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO2−、−P(=O)(OR5)−(R5はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基。
(置換基群)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ポリ(アルキレンオキシ)基は(OR)x−Gで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、または−CH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。
Gは水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。
xは自然数をあらわすが、前記のポリ(オキシアルキレン)基中のオキシアルキレン単位はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布されたものであっても良く、直鎖または分岐状のオキシプロピレンまたはオキシエチレン単位であったり、または直鎖または分岐状のオキシプロピレン単位のブロック及びオキシエチレン単位のブロックのように存在するものであっても良い。
このポリ(オキシアルキレン)鎖は1つまたはそれ以上の連結基(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など:Phはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連結基が3価以上の原子価を有する場合には、分岐状のオキシアルキレン単位が得られる。
また、ポリ(オキシアルキレン)基を有する重合単位を含む共重合体を本発明に用いる場合には、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は80〜3000が適当であり、250〜3000がより好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名"プルロニック"[Pluronic(旭電化工業(株)製)、アデカポリエーテル(旭電化工業(株)製)"カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、"トリトン"[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))およびP.E.G(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリドまたは無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
均一性の高い光学補償フィルムを作製する場合には、前記塗布液の表面張力が25mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以下であることが更に好ましい。
(支持体)
本発明の光学補償フィルムが有する支持体は、ガラス、もしくは透明なポリマーフイルムであることが好ましい。支持体は、光透過率が80%以上であることが好ましい。また、支持体は、波長550nmの光で測定したRthレターデーション値が、10〜300nmの範囲であることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。Reレターデーション値は、1nm〜100nmであることが好ましく、5〜60nmであることがさらに好ましい。
中でもセルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。特に炭素原子数が2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
レターデーション上昇剤については、欧州特許出願公開第0911656号明細書、特開2000−111914号及び同2000−275434号の各公報に記載がある。
偏光板保護フィルム、もしくは位相差フィルムに本発明の光学補償フィルムを使用する場合は、ポリマーフイルムとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0〜62.0%であることがさらに好ましい。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。
6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
次に、本発明の光学補償フィルムを保護膜として有する偏光板について説明する。
本発明の光学補償フィルムは、偏光板と貼り合せるか、偏光板の偏光膜を保護する保護フィルムとして使用することで、その機能を著しく発揮することができる。
(偏光膜)
本発明の偏光板に使用可能な偏光膜は、Optiva社製のものに代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素または二色性色素からなる偏光膜が好ましい。
偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
汎用の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。一方、厚みの上限については、特に限定はしないが、偏光板を液晶表示装置に使用した場合に発生する光漏れ現象の観点からは、薄ければ薄い程よい。現在、汎用の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置では、観察されなくなる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。反応活性の高い化合物である架橋剤を用いてバインダー間に架橋剤に由来する結合基を導入して、バインダー間を架橋することにより形成することができる。
架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行なうことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できれば良いため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行なっても良い。
変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対して、共重合変性、連鎖移動変性あるいはブロック重合変性により変性基を導入して得られる。共重合変性では、変性基として、−COONa、−Si(OH)3、N(CH3)3・Cl、C9H19COO−、−SO3Na、−C12H25を導入することができる。連鎖移動変性では、変性基として、−COONa、−SH、−SC12H25を導入することができる。変性ポリビニルアルコールの重合度は、100〜3000が好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある。
ケン化度が85〜95%の未変性ポリビニルアルコールおよびアルキルチオ変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、2種以上を併用してもよい。
バインダーは、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。ただし、残存する架橋剤の量は、バインダー中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。バインダー層中に1.0質量%を超える量で架橋剤が含まれていると、耐久性に問題が生じる場合がある。すなわち、架橋剤の残留量が多い偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長期間放置した場合に、偏光度の低下が生じることがある。
架橋剤については、米国再発行特許23297号公報に記載がある。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も、架橋剤として用いることができる。
二色性色素の例には、C.I.ダイレクト・イエロー12、C.I.ダイレクト・オレンジ39、C.I.ダイレクト・オレンジ72、C.I.ダイレクト・レッド39、C.I.ダイレクト・レッド79、C.I.ダイレクト・レッド81、C.I.ダイレクト・レッド83、C.I.ダイレクト・レッド89、C.I.ダイレクト・バイオレット48、C.I.ダイレクト・ブルー67、C.I.ダイレクト・ブルー90、C.I.ダイレクト・グリーン59、C.I.アシッド・レッド37が含まれる。二色性色素については、特開平1−161202号、同1−172906号、同1−172907号、同1−183602号、同1−248105号、同1−265205号、同7−261024号の各公報に記載がある。二色性色素は、遊離酸、あるいはアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩として用いられる。2種類以上の二色性色素を配合することにより、各種の色相を有する偏光膜を製造することができる。偏光軸を直交させた時に黒色を呈する化合物(色素)を用いた偏光膜、あるいは黒色を呈するように各種の二色性分子を配合した偏光膜または偏光板が、単板透過率および偏光率とも優れており好ましい。
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10〜80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。
通常の傾斜角度は45度である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45度でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフィルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフイルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10〜80度斜め延伸されたバインダーフイルムが製造される。
長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60度の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40〜50度が好ましい。45度が特に好ましい。
偏光膜の光学異方性層とは反対側の表面には、ポリマーフイルムを配置する(光学異方性層/偏光膜/ポリマーフイルムの配置とする)ことが好ましい。
なお、本発明の支持体としては、Rthが正の値を示し、負の複屈折性を示すものが好ましい。
本発明の光学補償フィルム及び偏光板は、種々のモードの液晶表示装置に用いることができる。以下、各液晶モードにおける光学異方性層の好ましい形態について説明する。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
また、セル中央部分の棒状液晶性化合物に対しては、ホモジニアス配向(長軸が寝ている水平配向)の棒状液晶性化合物もしくは(透明)支持体で補償し、セルの基板近傍の棒状液晶性化合物に対しては、ハイブリット配向のディスコティック液晶性化合物で補償することもできる。
ホモジニアス配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が5度未満の状態で配向している。
ハイブリット配向の液晶性化合物は、液晶性化合物の長軸の平均配向方向と偏光膜の面との角度が15度以上であることが好ましく、15度〜85度であることがさらに好ましい。
ホメオトロピック配向(水平配向)しているディスコティック液晶性化合物層およびホモジニアス配向(水平配向)している棒状液晶性化合物層に関しては、特開平12−304931号および同12−304932号の各公報に記載されている。ハイブリット配向しているディスコティック液晶性化合物層に関しては、特開平8−50206号公報に記載がある。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性化合物を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各公報に開示されている。棒状液晶性化合物が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性化合物が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性化合物が寝た配向状態にある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性化合物が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性化合物を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
[実施例1]
(ポリマー基材の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
────────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 1.7 0
────────────────────────────────────
また、作製したセルロースアセテートのヘイズを測定したところ、0.3%であった。
作製したセルロースアセテートを2.0Nの水酸化カリウム溶液(25℃)に2分間浸漬した後、硫酸で中和し、純水で水洗、乾燥した。このPK−1の表面エネルギーを接触角法により求めたところ、63mN/mであった。
このセルロースアセテートフィルム上に、下記の組成の塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。
(配向膜塗布液組成)
下記の変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
配向膜上に、下記塗布液を、#3.2のワイヤーバーを1171回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、30m/分で搬送されている上記ロールフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で、溶媒を乾燥させ、その後、135℃の乾燥ゾーンで、ディスコティック液晶化合物層にあたる膜面風速がフィルム搬送方向に平行に1.5m/secとなるようにし、約90秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃の乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約100℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。
下記の組成物を、107質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記のディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.27質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.09質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1 0.03質量部
下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー2 0.23質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製) 1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
光学補償シートを1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
前記のように鹸化処理を行った光学補償シートを、同じく鹸化処理を行った市販のセルロースアシレートフィルムと組合せて前記の偏光膜を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せ偏光板を得た。ここで市販のセルロースアシレートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士写真フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光膜および偏光膜両側の保護膜はロール形態で作製されているため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わされる。従って光学補償シートロール長手方向(セルロースアシレートフィルムの流延方向)と偏光子吸収軸とは平行な方向となった。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(Syncmaster172X、三星電子(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L0)及び白表示(L7)の透過率を測定して、コントラスト比(白透過率/黒透過率)を求めた。コントラスト測定結果及びヘイズ測定値の関係を第1表に示す。
作製した液晶表示装置の表示パネルを全面中間調に調整し、ムラを評価したところ、パネル内にムラは検出されなかった。
光学異方性層形成用塗布液中のセルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)の添加量を0.10質量部にし、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。
[実施例3]
光学異方性層形成用塗布液中に、セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)及び、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を両方とも添加しなかった以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。
[実施例4]
光学異方性層形成用塗布液の塗布の際に用いたワイヤーバーを#2.2にした以外は、実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。作製された光学異方性層の膜厚は実施例1で作製した光学異方性層の膜厚の0.7倍であった。
光学異方性層形成用塗布液中のセルロースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製)の添加量を0.91質量部にし、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)の添加量を0.23質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして光学補償シートを作製した。
実施例1で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを76、85、100、110nmにしたセルロースアセテートフィルムを作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを76、85、100、110nmに変えても、ムラのない面状であることを確認した。これらの偏光板について上記と同様に光学異方性層形成前後のヘイズ差を求めるとともに、上記と同様に液晶表示装置に適用し、コントラスト比を確認した。いずれの光学補償シートも光学異方性層形成前後のヘイズの変化は0.05〜0.10%程度であり、またコントラスト比も上記実施例1〜4と同様に高かった。
実施例1で用いたレターデーション上昇剤を、下記のレターデーション上昇剤に代え、内層の添加量を1.2質量部にし、Rthを90nmにしたポリマー基材を作製した以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには、光学補償シート付き偏光板を作製した。ムラのない面状であることを確認した。いずれの光学補償シートも光学異方性層形成前後のヘイズの変化は0.05〜0.10%程度であり、またコントラスト比も上記実施例1〜4と同様に高かった。
実施例6で用いたレターデーション上昇剤の添加量を変えて、Rthを76、85、100、110nmにしたポリマー基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、光学補償シート、さらには光学補償シート付き偏光板を作製した。ポリマー基材のRthを76、85、100、110nmに変えても、ムラのない面状であることを確認した。いずれの光学補償シートも光学異方性層形成前後のヘイズの変化は0.05〜0.10%程度であり、またコントラスト比も上記実施例1〜4と同様に高かった。
(セルロースアセテート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
───────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液組成
───────────────────────────────────
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルフォスフェート 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート 3.9質量部
メチレンクロライド 300質量部
メタノール 45質量部
────────────────────────────────────
セルロースアセテート溶液470質量部に、レターデーション上昇剤溶液18.5質量部を混合し、十分に攪拌してドープを調製した。レターデーション上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は3.5%であった。残留溶剤量が35質量%のフィルムをバンドから剥離した後、140℃の温度で、フィルムのテンターを用いて38%の延伸倍率で横延伸した後、クリップを外して130℃で45秒間乾燥させ製造した。製造されたセルロースアセテートフィルムの残留溶剤量は0.2質量%であり、膜厚は88μmであった。
作製したセルロースアセテートフィルムについて、エリプソメータM−150(日本分光(株)製)を用い、波長550nmの光でレターデーション値Re(550)を測定したところ45nmであった。また面内の遅相軸をあおり軸として±40°あおった時のレターデーション値Re(40°)およびRe(−40°)を測定し、これらの実測結果からエリプソメータが算出するRth(550)は150nmであった。
Claims (8)
- 支持体上に、液晶化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層を少なくとも一層有する光学補償フィルムであって、光学補償フィルム全体のヘイズ(H2)と前記支持体単独のヘイズ(H1)との差(H2−H1)が0.2%以下である光学補償フィルム。
- 前記光学異方性層が、前記組成物を塗布することによって形成された層である請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 前記液晶性化合物が、ディスコティック液晶性化合物である請求項1又は2に記載の光学補償フィルム。
- 全体のヘイズ(H2)が0.5%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記組成物が、セルロースアセテートブチレートを0.1〜2.0質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 前記光学異方性層の厚みが、0.1〜2.0μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学補償フィルム。
- 少なくとも、偏光膜と、該偏光膜の片面に設けられた透明保護膜とを有し、該透明保護膜が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルムである偏光板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学補償フィルム、又は請求項7に記載の偏光板を有する液晶表示装置。
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