JPH08146207A

JPH08146207A - 光拡散シート

Info

Publication number: JPH08146207A
Application number: JP6289683A
Authority: JP
Inventors: Hirozo Nakamura; 浩造中村
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1994-11-24
Filing date: 1994-11-24
Publication date: 1996-06-07

Abstract

(57)【要約】【目的】高輝度化、高拡散化、薄型化の全ての要求を
満たす光拡散シートを提供する。【構成】熱可塑性の透明プラスチックシートの内部
に、該透明プラスチックシートとは屈折率の異なる透明
なアクリルビーズが、一様に分散含有されてなる。透明
プラスチックシートの表面にはエンボス加工が施されて
いる。このように、シート基材の内部に透明ビーズ（拡
散剤）が一様に含有されているので、シート基材の内部
を通過中に光が充分に拡散される上、エンボス加工が施
された表面でさらに拡散されるので、輝度を犠牲にする
ことなく、拡散性能の向上を確実に図ることができる。
加えて、従来のようにシート基材の上に拡散層を塗布す
る構成に比べて、薄型化を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、バックライト方式の
液晶表示装置等に用いられる光拡散シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、コントラストが鮮明で
高速表示が可能なＴＦＴ液晶パネルの出現と、視認性を
良くするバックライトの採用により、今や、薄型軽量の
表示装置の本命となっている。そして、これを用いて、
ワープロ、ノート型パソコン、ポータブルテレビ等が普
及してきている。図６は、バックライト方式の液晶表示
装置の構成を示す分解斜視図であり、この図に示すよう
に、この種の液晶表示装置１は、ＴＦＴ液晶パネル２の
背後にバックライト（背面光源）３が配置され、これら
がフロントシャーシ板４とリアシャーシ板５とで挟持さ
れてなっている。

【０００３】上記ＴＦＴ液晶パネル２は、液晶層、配向
膜、ＴＦＴアレイ基板、偏光板、配線プリント板等から
積層に構成され、カラー液晶パネルには、さらに、カラ
ーフィルタ基板も付加される。また、上記バックライト
３は、図７に拡大して示すように、ポリメチルメタクリ
レート板からなる導光板３１と、導光板３１の両サイド
に配される白色蛍光灯（三波長発光型の冷陰極管）３
２，３２と、導光板３１の裏面側に配される不透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルムからなる反射シート３
３と、導光板３１の表面側に配される２枚の光拡散シー
ト３４，３４とから概略構成されている。上記導光板３
１の裏面には、光拡散性のインクを用いて無数のドット
パターンＤ，Ｄ，…が印刷されている。

【０００４】上記構成の液晶表示装置１において、動作
時、バックライト３でＴＦＴ液晶パネル２を照らすに
は、白色蛍光灯３２，３２の光を導光板３１のサイドか
ら導光板３１の中に入れ、反射シート３３で反射させ、
１つ１つが疑似拡散光源として機能する裏面のドットパ
ターンＤ，Ｄ，…と、表面の光拡散シート３４，３４と
で明るさを均一にして表面から面射出させる。そして、
上方の光拡散シート３４の表面から一様に射出する光を
ＴＦＴ液晶パネル２の裏面から入射させ液晶層を通過さ
せる。このようにして、液晶層を通過した光を偏光板
（カラー液晶パネルの場合にはカラーフィルタ及び偏光
板）を通して見ることにより透過式のディスプレイとな
る。

【０００５】ところで、上記光拡散シート３４は、液晶
表示画面を観察する際に、ＴＦＴ液晶パネルを通してド
ットパターンＤ，Ｄ，…が視認されるものでは困り、光
拡散シート３４の表面上で一様な輝度が得られる程度に
拡散性に富むものでなければならない。一方、いかに拡
散性に優れていても、輝度の低いものでは、カラー液晶
表示には利用できない。最近の光拡散シートとしては、
カラー液晶の普及に伴い、高輝度のものが開発される傾
向にあり、例えば、実開平５−７３６０１号公報や、特
開平６−６７００３号公報等に記載されているように、
アクリルビーズ等の透明ビーズを屈折率の異なる液状の
有機高分子バインダ内に分散させ、透明支持体の片面又
は両面に塗布した後、乾燥固化して光拡散層としたもの
が知られている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光拡散シートでは、拡散剤として透明ビーズを用い
るため、高輝度化の要請には応えられるものの、透明ビ
ーズと透明支持体とでは、屈折率差が大きくないため、
充分な拡散性能を得るには、透明ビーズを極めて多量に
含ませるか、あるいは、拡散層を非常に厚くしなければ
ならないが、前者により解決を図ろうとすれば、光拡散
シートが非常にもろくなり、外力の衝撃で容易に脆性破
壊を起こす可能性が高くなり、また、後者による解決で
は、材料費が嵩む上、高輝度化及び薄型化の要請に反す
る結果を招く虞がある。

【０００７】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、高輝度化、高拡散化、薄型化の全ての要求を満
たすことができる光拡散シートを提供することを目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の光拡散シートは、熱可塑性の透明プ
ラスチックシートの内部に、該透明プラスチックシート
とは屈折率の異なる単一種又は複数種の透明なビーズ
が、一様に、あるいは、厚み方向に対して偏在して、分
散含有されてなると共に、透明プラスチックシートの表
面及び裏面のうち少なくとも一方の面には微細凹凸加工
が施されていることを特徴としている。

【０００９】

【作用】請求項１記載の構成によれば、透明プラスチッ
クシートの内部に透明ビーズ（拡散剤）が含有されてい
るので、、透明プラスチックシートの内部を通過中に光
が充分に拡散される上、微細凹凸加工の施された表面で
さらに拡散されるので、輝度を犠牲にすることなく、拡
散性能の向上を確実に図ることができる。加えて、従来
のようにシート基材の上に拡散層を塗布する構成に比べ
て、薄型化を達成できる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第１実施例図１は、この発明の第１実施例である光拡散シートが組
み込まれてなるバックライト方式の液晶表示装置の概略
構成を示す断面図、図２は、同光拡散シートの構成を拡
大して示す断面図である。この例に係る液晶表示装置１
Ａが、従来の液晶表示装置１と異なるところは、２枚一
組の光拡散シート６ａ，６ａ'の構成のみであるので、
図１において、従来の技術（図６及び図７）と同一構成
部分については、同一の符号を付してその説明を省略す
る。この例の光拡散シート６ａ，６ａ'は、図２に示す
ように、熱可塑性透明プラスチックからなるシート基材
６１の内部に、このシート基材６１とは屈折率の異なる
透明ビーズ６２，６２，…が、一様に分散状態に含有さ
れてなっていて、表面は、凹凸の平均ピッチ１〜５０μ
ｍのエンボス加工が施されている。このエンボス加工に
より、一方の光拡散シート６ａの表面には、フレネルプ
リズム形状の凹凸６３が、他方の光拡散シート６ａ'の
表面には、滑らかな曲面形状の凹凸６３'が、それぞれ
形成されている。なお、この例では、表面がフレネルプ
リズム形状の光拡散シート６ａを導光板３１側に、表面
が滑らかな曲面形状の光拡散シート６ａ'をＴＦＴ液晶
パネル２側に配置するようにしたが、逆の配置でも勿論
良い。

【００１１】上記シート基材６１としては、透明性が良
く、機械的強度もある厚さ１００〜５００μｍのポリカ
ーボネート（屈折率１.５９〜１.６０）が好ましいが、
これ以外にも、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリスチレン（屈
折率１.５９〜１.６０）、ポリエステルアミド、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化
ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリメタクリル酸メチル（屈折率１.４９）、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリ弗化ビニリデン、スチレン−アクリル共重
合樹脂等のフィルムを用いることができる。

【００１２】上記透明ビーズ６２としては、平均粒径が
１〜２５μｍの、例えば、アクリルビーズ（屈折率１.
４９）、ポリプロピレンビーズ、ポリスチレンビーズ
（屈折率１.５９〜１.６０）、ポリエチレンビーズ、ポ
リ塩化ビニルビーズ、ポリ弗化ビニルビーズ、ポリウレ
タンビーズ等の透明有機ビーズや、各種ガラスビーズ
（屈折率１.４５〜１.９６）、シリカ（屈折率１.４８
７）、炭酸カルシウムビーズ（屈折率１.６５８５）、
アルミナビーズ（屈折率１.７６〜１.７７）等の透明無
機ビーズ等を用いることができる。なお、シート基材６
１と透明ビーズ６２との組み合わせは、互いに同一の屈
折率でない限り、任意であり、いずれの屈折率が大であ
るか否かを問わない。

【００１３】◎比較実験次に、この例の光拡散シート６ａ，６ａ'の性能を評価
するために行った比較実験について言及する。平均粒径
７μｍ、配合比３０重量％の溶融アクリル粒子を溶融ポ
リカーボネート中に一様に分散させた後、この混合溶融
物を押出し成形すると共に、表面にエンボス加工を施し
て、厚さ１４０μｍの長尺の光拡散フィルムを作成し、
これを横寸法１９６ｍｍ、縦寸法１３５ｍｍに裁断し
て、この実施例の光拡散シート６ａ，６ａ'（図２）を
得た。固化されたアクリルビーズの屈折率は約１.４
９、シート基材（ポリカーボネート）６１の屈折率は約
１.５９〜１.６０であった。

【００１４】一方、比較例１として、アクリルビーズの
代わりに、ポリカーボネートと屈折率の近いガラスビー
ズを用いた点を除けば、この実施例と同一形状同一構成
である２枚一組の光拡散シートを作成した。また、比較
例２として、アクリルビーズが表面側に偏在している点
を除けば、この実施例例と同一形状同一構成である２枚
一組の光拡散シートを作成した。

【００１５】そして、実施例、比較例１及び比較例２の
各光拡散シートを用いて、３種類のバックライトを製造
した。３種類のバックライトは、光拡散シートが上記の
如く異なる点を除けば、互いに同一である。すなわち、
サイドライトとして、いずれも、外径３.５ｍｍで、長
さ１９６ｍｍの白色蛍光灯（冷陰極管）３２，３２が２
本ずつ用いられ、また、裏面に光拡散性のドットパター
ンＤ，Ｄ，…を有する導光板（ポリメチルメタクリレー
ト板）３１及び反射板（不透明ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム）３３も互いに同一形状同一構成のもので
ある。光拡散シートの比較実験（性能評価試験）は、サ
イドライトの２本の白色蛍光灯を直流１２Ｖのインバー
タで駆動して、５００〜１，０００Ｈｚの交流で発光さ
せることにより行った。

【００１６】比較実験の結果、下表の如き性能評価が得
られた。この例の光拡散シート６ａ，６ａ'は、明るさについ
て、比較例１と同等で、比較例２以上の性能を持つ。ま
た、視認性の良否につながる射出光範囲については、拡
散力が高いため、比較例以上の性能を持つ。さらに、ド
ット見えについては、比較例と比べものにならない程の
性能を持つ。

【００１７】この第１実施例の構成によれば、シート基
材の内部に透明ビーズ（拡散剤）が一様に含有されてい
るので、シート基材の内部を通過中に光が充分に拡散さ
れる上、エンボス加工が施された表面でさらに拡散され
るので、上述の比較実験の結果から明らかなように、輝
度を犠牲にすることなく、拡散性能の向上を確実に図る
ことができる。加えて、従来のようにシート基材の上に
拡散層を塗布する構成に比べて、薄型化を達成できる。

【００１８】◇第２実施例図３は、この発明の第２実施例である光拡散シート６
ｂ，６ｂ'の構成を拡大して示す断面図である。この例
の光拡散シート６ｂ，６ｂ'は、厚さ１５０μｍのポリ
カーボネートからなるシート基材６１の内部に、互いに
屈折率の異なる（勿論、シート基材６１とも屈折率の異
なる）２種類の透明ビーズ（アクリルビーズ及びアルミ
ナビーズ）６２ａ，６２ｂが、一様に分散状態に含有さ
れてなっていて、表面には、第１実施例で述べたと同様
のエンボス加工が施されている。

【００１９】この第２実施例の構成によれば、第１実施
例において述べたと同様の効果を得ることができる。加
えて、互いに屈折率の異なる２種類の透明ビーズを適当
に混ぜ合わせれば、拡散性能の飛躍的向上が期待でき
る。なお、混ぜ合わせる透明ビーズは、２種類に限ら
ず、３種類以上としても良い。

【００２０】◇第３実施例図４は、この発明の第３実施例である光拡散シート６
ｃ，６ｃ'の構成を拡大して示す断面図である。この例
の光拡散シート６ｃ，６ｃ'では、エンボス加工が施さ
れている表面から、透明ビーズ（アクリルビーズ）６
２，６２，…が、飛び出している。これ以外の点では、
第１実施例の光拡散シート６ａ，６ａ'（図２）と同一
である。なお、透明ビーズをエンボス表面から突出させ
る方法としては、エンボスローラに透明ビーズを一様に
付着して置き、エンボス加工と同時に透明ビーズをシー
ト基材６１側に転写させる方法や、エンボス表面にスプ
レイで付着させる方法等がある。

【００２１】この第３実施例の構成によれば、シート基
材６１の内部に透明ビーズ６２，６２，…が一様に含有
されているので、シート基材６１の内部を通過中に光が
充分に拡散され、エンボス加工が施された表面でも拡散
され、さらに、表面から突出している透明ビーズ６２，
６２，…によっても拡散されるので、輝度を犠牲にする
ことなく、拡散性能の向上を一段と確実に図ることがで
きる。

【００２２】◇第４実施例図５は、この発明の第４実施例である光拡散シート６
ｄ，６ｄ'の構成を拡大して示す断面図である。この例
の光拡散シート６ｄ，６ｄ'が、上述の第１実施例の光
拡散シート６ａ，６ａ'と異なるところは、第１実施例
では、透明ビーズ（アクリルビーズ）６２，６２，…
が、シート基材（ポリカーボネート）６１の内部に一様
に分散含有されているのに対して、この例の光拡散シー
ト６ｄ，６ｄ'では、シート基材６１の表面部（２０μ
ｍ）及び裏面部（２０μｍ）に透明ビーズ６２，６２，
…を偏在させ、シート基材６１の厚み方向に対する中間
部（１００μｍ）には透明ビーズ６２，６２，…が存在
しないようにした点である。この例の光拡散シート６
ｄ，６ｄ'の作製方法としては、例えば、共押出し成形
法、ラミネートエンボッサ法、ディッピング法等があ
る。

【００２３】この第４実施例の構成によれば、裏面部で
拡散した光が、透明ビーズ６２，６２，…が存在しない
中間部を伝搬して行きつつ拡散されるので、拡散性能の
面分布の一様化を図ることができる。

【００２４】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、液晶は、
カラー液晶であると、モノクロ液晶であるとを問わな
い。また、バックライトはサイド型に限らず、直下型で
も良い。白色蛍光灯は、熱陰極型であると冷陰極型であ
るとを問わない。光拡散シートは、２枚一組に限らず、
適宜、増減できる。エンボスの形状は、実施例のものに
限定されない。エンボス加工は、表面に限らず、裏面に
施しても良く、両面に施しても良い。また、この発明の
光拡散シートは、液晶表示装置のバックライトに限ら
ず、ＯＨＰや、電飾看板のバックライトにも適用でき
る。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の光
拡散シートによれば、透明プラスチックシートの内部に
透明ビーズ（拡散剤）が含有されているので、、透明プ
ラスチックシートの内部を通過中に光が充分に拡散され
る上、微細凹凸加工の施された表面でさらに拡散される
ので、輝度を犠牲にすることなく、拡散性能の向上を確
実に図ることができる。加えて、従来のようにシート基
材の上に拡散層を塗布する構成に比べて、薄型化を達成
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例である光拡散シートが組
み込まれてなるバックライト方式の液晶表示装置の概略
構成を示す断面図である。

【図２】同光拡散シートの構成を拡大して示す断面図で
ある。

【図３】この発明の第２実施例である光拡散シートの構
成を示す断面図である。

【図４】この発明の第３実施例である光拡散シートの構
成を示す断面図である。

【図５】この発明の第４実施例である光拡散シートの構
成を示す断面図である。

【図６】従来技術を説明するための図で、バックライト
方式の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。

【図７】従来技術を説明するための図で、同液晶表示装
置に組み込まれるバックライトの構成を分解して示す分
解斜視図である。

【符号の説明】

３バックライト３１導光板３２白色蛍光灯３３反射シート１Ａ液晶表示装置６ａ，６ａ'，６ｂ，６ｂ'，６ｃ，６ｃ' 光拡散
シート６ｄ，６ｄ' 光拡散シート６１シート基材（透明プラスチックシート）６２透明ビーズ６３，６３' シート基材の凹凸表面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】熱可塑性の透明プラスチックシートの内
部に、該透明プラスチックシートとは屈折率の異なる単
一種又は複数種の透明なビーズが、一様に、あるいは、
厚み方向に対して偏在して、分散含有されてなると共
に、前記透明プラスチックシートの表面及び裏面のうち
少なくとも一方の面には微細凹凸加工が施されているこ
とを特徴とする光拡散シート。