JP2002202405A - 表示画面用光学フィルター - Google Patents

表示画面用光学フィルター

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JP2002202405A
JP2002202405A JP2001153288A JP2001153288A JP2002202405A JP 2002202405 A JP2002202405 A JP 2002202405A JP 2001153288 A JP2001153288 A JP 2001153288A JP 2001153288 A JP2001153288 A JP 2001153288A JP 2002202405 A JP2002202405 A JP 2002202405A
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Japan
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display screen
optical filter
film
self
adhesive layer
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Application number
JP2001153288A
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English (en)
Inventor
Katsuro Kuze
勝朗 久世
Hironori Nonami
宏典 野並
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Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレイの表示画面に取付けて他
人の覗き見を防止することができ、しかも取付けが容易
で、その取付けに際してディスプレイの内部構造を変更
する必要がなく、また表示画面を正面以外から見る必要
が生じた場合は容易に取り外すことができ、従来のルー
バー構造に比べて光線透過率が高く、かつ製造コストが
低下する。 【解決手段】 ディスプレイの表示画面20の前面に
取付けて可視範囲をコントロールするための表示画面用
光学フィルター10であり、高分子材料製のレンズフィ
ルム11、基材フィルム12および自己粘着層13から
なり、自己粘着層13が柔軟性ポリマーで表面平滑に形
成されて表示画面20に対して着脱自在の取付け手段を
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表示画面用光学
フィルターに関し、液晶ディスプレイの表示画面前面に
取付けて視界を制御し、横からの覗き見を防止するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ等の電子表示装置は、
パソコン、ワープロ、コピー機、ファクシミリ等のOA
機器の分野に限らず、キャッシュディスペンサー、AT
M、ゲーム機、テレビ、時計、電話、工場内の制御装置
等の広い分野で使用されているが、特にキャッシュディ
スペンサーやATMでは、またノートパソコンやモバイ
ルでは、プライバシー保護のため隣からの覗き見を防止
するための視界制御機能が要求される。
【0003】上記の視界制御機能を付与するため、上記
の表示装置における表示画面の前面にマイクロルーバー
を内蔵する可視角度調整フィルムと呼ばれる一種の光学
フィルターを取付け、表示画面の画像が正面からは明る
く見えるが、側方からは暗くて見えないようにしたもの
が知られている。しかしながら、このマイクロルーバー
を用いた光学フィルターは、カーボンブラックを含むル
ーバー構造のフィルムの表裏両面にポリエチレンテレフ
タレート製の透明フィルムを積層して作られているた
め、光量の透過損失が多くなり、かつ製造コストが高額
になるという問題があった。
【0004】一方、液晶パネルの背面側に光源(バック
ライト)を設置した液晶ディスプレイにおいて、液晶パ
ネルの表面輝度を増大させるため、上記液晶パネルとバ
ックライトとの間にレンズ機能を備えた高分子材料製の
フィルムもしくはシート、いわゆるレンズフィルム(レ
ンズシート、プリズムシート、調光シート等と呼ばれる
こともある)を介在させることにより、レンズフィルム
の集光、散乱、拡大、屈折、反射等を利用して正面の輝
度を向上したり、上下の特定視野に対する光の分布や均
一性の改善、または左右もしくは上下に対する光の分散
等を行って表示画面の輝度を向上させたりすることが知
られている(特開平4−32888号公報、特開平5−
313004号公報、特開平6−67178号公報、特
開平10−186106号公報および特表平10−50
6500号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ルーバー
構造の光学フィルターに代えてレンズフィルムを用いる
ことにより、従来のルーバー構造の光学フィルターに比
べて光量の透過損失が少なく、安価に製造でき、かつル
ーバー構造のものと同様に液晶ディスプレイの表示画面
前面に取付けて横からの覗き見を防止することができ、
取付けが容易で、その取付けに際して上記ディスプレイ
の内部構造を変更する必要がなく、また表示画面を正面
以外から見る必要が生じた場合は容易に取り外すことが
できる表示画面用光学フィルターを提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る表示画面
用光学フィルターは、ディスプレイの表示画面前面に取
付けて可視範囲をコントロールするための表示画面用光
学フィルターであり、高分子材料からなるレンズフィル
ムと該レンズフィルムを上記の表示画面前面に着脱自在
に固定するための取付け手段とを備えていることを特徴
とする。
【0007】上記の光学フィルターをその取付け手段に
よって任意のディスプレイの表示画面前面に取付ける
と、表示画面に対して法線方向の光線透過率が最大とな
り、正面からは表示画面の画像がはっきりと見える。し
かし、画像を見る角度を正面から横へずらしていくと、
レンズフィルムのレンズ効果によって画像の視認性が次
第に低下し、ある角度を越えると画像の内容が不明にな
る。すなわち、横からの覗き見を防ぐことができる。そ
して、表示画面に取付けた光学フィルターは、必要に応
じて外すことができる。
【0008】上記のレンズフィルムは、その表面構造に
よってレンズ機能を発現することが可能なものであれ
ば、その表面構造や材質は任意である。表面構造として
は、合成樹脂フィルム(シートを含む)の片面に角錐形
状、凸レンズ形状もしくはフレネルレンズ形の凸部や凹
部の多数個を縦横に並べて形成した蜂巣構造、並びに断
面形状が三角形、台形、長方形もしくは半円形等の直線
突条を多数本平行に配列して形成した突条構造等が例示
される。この場合、上記の凸部、凹部および直線突条等
のレンズ部は、それぞれが互いに隣接して並ぶもの、ま
たは若干の隙間を隔てて並ぶもののいずれでもよい。そ
して、上記のレンズフィルムは、上記の凸部、凹部また
は直線突条のいずれか一種からなる単一構造体でもよ
く、また二種以上の組合せ構造体でもよい。
【0009】上記のレンズフィルムは、透明な合成樹脂
フィルムを原料とし、レンズ構造のメス型の金型または
エンボス加工ロールで熱プレスを行うことにより、また
はレンズ構造を有する離型性シートの表面模様を合成樹
脂フィルムに転写することによって製造することができ
る。または、透明な合成樹脂フィルムの片面に球状また
は半球状の透明もしくは半透明な微粒子の平坦面を接着
剤で接着して作ることができる。
【0010】合成樹脂フィルムの片面に凸部や凹部、直
線突条等を熱プレスや転写法で成形する場合、その材質
は、レンズ面を形成して使用可能で透明な熱可塑性の高
分子材料であれば任意であるが、好ましいものとしてポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルおよび
その変成体、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸メチル等のメタクリル酸エステルや
アクリル酸エステルの単独重合体もしくは共重合体、ポ
リスチレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン
重合体およびその変成体、トリアセチルセルロース、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0011】また、上記のレンズフィルムを表示画面前
面に取付ける場合、レンズフィルムのレンズ面を表示画
面側でなく、その反対側前方に向けることがレンズフィ
ルムの機能発揮上好ましく、その場合はレンズ面に利用
者の手やタッチペンが接触することを考慮すると、上記
の透明な熱可塑性高分子材料からなるフィルムを基材フ
ィルムとし、その表面に耐スクラッチ性や防汚性に優れ
た材料でレンズ構造を形成してレンズフィルムとするこ
とが好ましい。
【0012】このような耐スクラッチ性材料としては、
メラミン系、ウレタン系、アクリル系、シリコーン系、
オキセタン系等の硬化性樹脂の単体または二種以上の混
合物が例示される。また、これらの硬化性樹脂と無機化
合物とのハイブリッド型硬化性材料も使用可能である。
この硬化性材料を使用する場合は、上記の基材フィルム
上に上記の硬化性材料を積層し、未硬化または半硬化の
状態でレンズ構造を形成し、しかるのち再度硬化処理を
行って硬化を終了する方法が好ましい。なお、硬化方法
は特に限定されないが、紫外線や電子線等の活性線で硬
化する方法は、硬化度のコントロールが容易な点で好ま
しい。
【0013】また、前記の微粒子を合成樹脂フィルムに
接着する場合の合成樹脂フィルムは、上記の基材フィル
ムが好ましい。そして、上記の微粒子は、透明または半
透明であれば特に材質に限定はなく、無機材料、有機材
料または両者のハイブリッド体のいずれでもよく、無機
材料としてはシリカやガラスが、有機材料としてはアク
リル系、ポリエステル系、オレフィン系等のポリマー
が、またハイブリッド体としてはシリカとポリマーとの
複合体が例示される。
【0014】上記の微粒子は、光線屈折率の高いことが
好ましく、例えばガラスの場合は鉛等の金属を、またシ
リカの場合は酸化チタンをそれぞれ添加したものが好ま
しい。また、ハイブリッド体の場合は、上記鉛等の金属
を添加したガラスまたは酸化チタンを添加したシリカを
使用することが好ましい。そして、接着剤は、透明また
は半透明な樹脂であればよく、前記の硬化性樹脂が例示
される。
【0015】上記の凸部、凹部または直線突条等のレン
ズ部において、その幅および高さは、任意に設定するこ
とができるが、好ましい幅および高さは、10〜100
0μmであり、特に10〜500μmが好ましい。モア
レを回避するためには、200μm以下が好ましい。ま
た、凸部を微粒子で形成する場合、その大きさは10〜
1000μmが好ましく、特に10〜500μmが好ま
しく、モアレを回避するためには、200μm以下が好
ましい。
【0016】この発明の光学フィルターは、ディスプレ
イの表示画面に直接取付けて使用することが好ましい。
具体的な固定手段は、着脱自在であれば任意であり、例
えば、ディスプレイ前面に対応する額縁枠に上記の光学
フィルターを張り、この額縁枠をディスプレイの前面に
引っ掛けたり、嵌めたりしてディスプレイ前面を被覆す
ることができる。また、ディスプレイの前面に上記の光
学フィルターを重ね、四隅または四周を粘着テープで貼
り付けることもできる。ただし、光学フィルターの裏側
を平面に形成して、この平面を表示画面に直接密着させ
ることが好ましく、これによって表示画像以外の多重像
の形成が減少して視認性が向上する。
【0017】また、上記の取付け手段としては、柔軟性
ポリマーからなる表面平滑で自己粘着性と再剥離性を有
する自己粘着層を用いるのが好ましい。すなわち、レン
ズフィルムの非レンズ面に直接または基材フィルムを介
して透明な柔軟性ポリマーからなる自己粘着層を積層し
ておき、表示画面の前面に自己粘着層の自己粘着力で貼
り付けるのがよく、この場合は、所望の大きさに裁断し
て目的の表示画面に当て、手で押さえることにより、自
己粘着層と表示画面との間に気泡を入れることなく均一
に取付けることができ、作業性が良好であり、また必要
に応じて剥離し、再度貼り付けて使用でき、貼着ミスが
あっても貼り直しが可能であり、また剥離跡に自己粘着
層が欠けて残ることがなく、表示画面を汚すことがない
等の点で好ましい。
【0018】上記の柔軟性ポリマーは、ゴム、軟質塩
ビ、エラストマーまたはプラストマーからなるものであ
り、ゴムとしては天然ゴム、シリコーンゴム、エチレン
プロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ス
チレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴ
ム、フッ素ゴムおよびウレタンゴム等が、また軟質塩ビ
としては塩化ビニル系樹脂に可塑剤や他の軟質ポリマー
を配合したものが、またエラストマーとしてはポリエス
テル系、ポリアミド系およびポリオレフィン系の熱可塑
性エラストマーが、またプラストマーとしてはポリオレ
フィン系プラストマーがそれぞれ例示される。なお、こ
れらの柔軟性ポリマーは、単体で用いてもよく、また2
以上を混合して用いてもよい。
【0019】上記の柔軟性ポリマーは、透明度を阻害し
ない範囲で各種の機能化剤や安定化剤等を含有すること
ができる。そして、この発明の光学フィルターは、上記
の柔軟性ポリマーからなる自己粘着層の自己粘着力を利
用して表示画面の前面に貼着されるので、粘着助剤を配
合することは不要であるが、この発明の目的を阻害しな
い範囲で粘着助剤を配合して粘着力を高めることができ
る。
【0020】上記の自己粘着力は、柔軟性ポリマーから
なる粘着層表面を平滑に形成することによって発生す
る。この場合の好ましい平均表面粗度(Ra )は0.1
2μm以下である。特に好ましいのは0.08μm以下
であり、0.05μm以下が最も好ましい。この平均表
面粗度(Ra )が0.12μmを超えると、自己粘着力
が発生せず、この発明の光学フィルターを自己粘着層の
自己粘着力で固定することが不可能になる。
【0021】上記自己粘着層の表層のダイナミック硬度
は、0.01〜20mN/25μm2が好ましい。特に
0.02〜10mN/25μm2 が好ましく、0.04
〜5mN/25μm2 が最も好ましい。このダイナミッ
ク硬度が、0.01mN/25μm2 未満の場合は、剥
離が困難になって前記の貼り直しを含むリペアー性が低
下し、反対に20mN/25μm2 を超えると、固定力
が不足する。
【0022】上記自己粘着層表面の初期粘着力は、自己
粘着層を構成する柔軟性ポリマーの種類、これに添加さ
れる粘着助剤や感圧性粘着剤の種類や添加量等によって
制御することができるが、上記初期粘着力の好ましい大
きさは、29〜1960mN/25mmである。この初期
粘着力が29mN/25mm未満の場合は、光学フィルタ
ーが表示画面から脱落し易くなり、反対に1960mN
/25mmを超えると、前記のリペアー性が低下する。
【0023】上記の柔軟性ポリマーからなる自己粘着層
は、前記光学フィルターの平面側、すなわち基材フィル
ムを有しないレンズフィルムにおいてはその平面側、基
材フィルム付きレンズフィルムにあってはレンズフィル
ムの反対側表面に柔軟性ポリマーを押出し法や塗工法に
よって積層する等、任意の方法で形成することができ
る。そして、この自己粘着層は、光学フィルターの平面
側全面に形成してもよく、また部分的に形成してもよ
い。この部分的に形成する手段としては、スクリーン印
刷法が例示される。また、上記の柔軟性ポリマー、例え
ば塩化ビニル系樹脂でレンズフィルムを作り、その非レ
ンズ面を表面平滑で自己粘着性と再剥離性を有する自己
粘着層に形成することができ、この場合は、片側にレン
ズ面を、反対側に自己粘着層をそれぞれ備えた単層構造
の光学フィルターが得られる。
【0024】上記自己粘着層の厚みおよび該自己粘着層
を除く表示画面用光学フィルターの厚みは、任意であ
り、市場の要求に応じて適宜に設定することができる
が、一般には、自己粘着層の厚みが1〜300μmに、
また自己粘着層を除いた上記光学フィルターの厚みが1
0〜300μmにそれぞれ設定される。
【0025】また、この発明の表示画面用光学フィルタ
ーは、その自己粘着層の表面に剥離性のカバーフィルム
を積層してその表面を保護することができ、上記光学フ
ィルターをロール状に巻いた際の自己粘着を防いで巻き
特性を向上させることができる。この場合は、カバーフ
ィルムを剥離しながら自己粘着層表面を表示画面の表面
に合わせることにより、自己粘着で密着が進み、上記光
学フィルターと表示画面との間に空気が噛み込まれるこ
となく貼着が行われる。そして、仮に空気が噛み込まれ
ても、前記のごとくリペアー性に優れるので、空気の入
った部分を剥がして再貼着することができ、また光学フ
ィルターの上から弱い力で押さえることで空気を逃がす
ことができる。
【0026】なお、上記の光学フィルターを構成するレ
ンズフィルム、基材フィルムおよび自己粘着層の少なく
とも一方に染料や顔料を配合することによって視界制御
性を向上し、ファッション性を高めることができる。用
いる染料や顔料は、特に限定されないが、視界制御性の
向上効果や耐候性の点からフタロシアニン系のものが好
ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】実施形態1 図1において、10は透明な高分子材料からなる表示画
面用光学フィルターであり、切り子面を構成する耐スク
ラッチ性レンズフィルム11と基材フィルム12の積層
フィルムで構成されている。耐スクラッチ性レンズフィ
ルム11は、紫外線硬化性樹脂からなり、その表面には
断面三角形の直線突条11aが多数本平行に並ぶ切り子
面が形成され、反対側の裏面は実質的に平面に形成され
る。そして、上記直線突条11aの間隔Pは20〜30
0μmに設定され、この突条11aを挟む左右の斜面の
長さは等しく設定され、また突条11aの頂角は40〜
160度に設定される。
【0028】上記の直線突条11aを有する耐スクラッ
チ性レンズフィルム11は、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステルからなる基材フィルム12の表面に
アクリル系その他の紫外線硬化性樹脂からなるハードコ
ート剤を塗工し、このコート層を紫外線の照射により半
硬化させ、この半硬化状態のコート層表面にカレンダー
方式又は型押しで上記の直線突条11aを成形し、しか
るのち上記のコート層に再び紫外線を照射することによ
って得られる。
【0029】次いで、上記表示画面用光学フィルター1
0の裏面に積層されている基材フィルム12の表面に柔
軟性ポリマーからなる自己粘着層13が積層によって形
成される。先ず、上記の基材フィルム12と自己粘着層
13間の接着性を向上させるための処理として、基材フ
ィルム12の表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、
プラズマ処理、火炎処理等の活性線処理を施し、しかる
のちこの処理面に柔軟性ポリマー用の透明なゴム組成物
を塗工法やカレンダー法で薄膜の形に積層し、このゴム
層表面に離型性のカバーフィルム14の平滑な易剥離面
を重ねてカバーフィルム14の平滑面を転写し、続いて
上記のゴム層に対して任意の架橋処理を施して自己粘着
層13を形成し、同時に自己粘着層13を基材フィルム
12と結合し一体化する。ただし、カバーフィルム14
は易剥離面において容易に剥離可能であり、その剥離に
より、表層のダイナミック硬度が0.01〜20mN/
25μm2 、平均表面粗度(Ra )が0.12μm以
下、初期粘着力が29〜1960mN/25mmの自己粘
着層13が得られる。
【0030】得られた表示画面用光学フィルター10を
所望の大きさに裁断し(図2参照)、その前面の直線突
条11aが上下方向を向き、かつ背面側の粘着層13が
後方に垂直に立てられた表示画面20の表面に接するよ
うに当て、上記の光学フィルター10を表側から押さえ
ると光学フィルター10が表示画面20に固定される。
この場合は、表示画面20の正面では表示画面を明るく
見ることができるが、左右両側では表示画面20が暗く
なるため、覗き見を防ぐことができる。
【0031】実施形態2 前記実施形態1の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、直線突条11aの表面すなわち頂角を挟む両側
斜面を金型やエンボスロール等によって粗面化し、10
点平均粗度Rz が0.1〜10μmの粗面に形成し、か
つ直線突条11aを上下方向に対して45度傾斜させ
(図3参照)、それ以外は実施形態1と同様にして光学
フィルター10を得る。この光学フィルター10は、実
施形態1に比べて多重像の形成が少なく、視認性に優れ
ている。
【0032】実施形態3 前記実施形態1の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、直線突条11aの断面形状を、図4に示すよう
に、頂部11b、左右の側辺11cおよび谷部11dか
らなる台形に形成し、かつこの切り子面を前記の金型等
によって10点平均粗度Rz が0.1〜10μmの粗面
に形成し、その他は実施形態1と同様にして光学フィル
ター10を得る。
【0033】実施形態4 前記実施形態1の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、直線突条11aの断面形状を、図5に示すよう
に、頂部11b、左右の側辺11cおよび谷部11dか
らなる正方形に形成し、その他は実施形態1と同様にし
て光学フィルター10を得る。
【0034】実施形態5 前記実施形態1の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、図6に示すように、表面に凸レンズ形状の凸部
11eを有する耐スクラッチ性レンズフィルム11を用
い、その他は実施形態1と同様にして光学フィルターを
得る。すなわち、前記のとおり、ポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステルからなる基材フィルムの表面に
アクリル系その他の紫外線硬化性樹脂からなるハードコ
ート剤を塗工し、このコート層を紫外線の照射により半
硬化させ、その表面に多数の凸部11eをカレンダー方
式又は型押しにより成形し、しかるのち再び紫外線を照
射して凸部11e付きの耐スクラッチ性レンズフィルム
11を得る。
【0035】次いで、上記基材フィルムの表面を活性線
で処理して接着性を向上し、この処理面に柔軟性ポリマ
ーを積層し、この柔軟性ポリマー層表面に離型性のカバ
ーフィルムの平滑な易剥離面を重ね、続いて架橋処理を
施して自己粘着層を形成し、同時に自己粘着層を基材フ
ィルムと結合し一体化し、しかるのちカバーフィルムを
剥離し、表層のダイナミック硬度が0.01〜20mN
/25μm2 、平均表面粗度(Ra )が0.12μm以
下、初期粘着力が29〜1960mN/25mmの自己粘
着層を得る。
【0036】得られた表示画面用光学フィルターは、実
施形態1〜4と同様に使用することができ、正面から眺
めたときの画像の視認性は高いが、レンズフィルム11
の凸部11eが縦横に不連続に並ぶので、上下左右から
眺めたときの視認性が全て低下し、側方だけでなく、四
方からの覗き見を防ぐことができる。
【0037】実施形態6 前記実施形態1の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、その断面三角形の直線突条11aに代え、図7
に示すように断面半円形の直線突条11fを形成する以
外は、実施形態1と同様にして光学フィルターを得る。
この光学フィルター10は、実施形態1と同様に使用で
きるが、直線突条11fが円柱面で形成されるため、実
施形態1に比べて多重像の形成が減少する。
【0038】実施形態7 前記実施形態5の耐スクラッチ性レンズフィルム11に
おいて、その凸レンズ形状の凸部11eに代え、図8に
示すように四角錐形状の凸部11gを縦横に密接して形
成する以外は、実施形態5と同様にして光学フィルター
を得る。この実施形態7の光学フィルターは、上記実施
形態5と同様に使用できる。
【0039】実施形態8 上記の実施形態1〜7において、そのレンズフィルム1
1をアクリル系その他の紫外線硬化性樹脂で成形し、耐
スクラッチ性フィルムとする代わりに、ポリエチレンテ
レフタレートやポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で成形
し、その他は実施形態1〜7と同様に基材フィルムおよ
び自己粘着層を順に積層して表示画面用光学フィルター
を得る。この場合は、耐スクラッチ性フィルムを用いた
場合に比べコスト的に有利となる。
【0040】実施形態9 上記の実施形態8において、その基材フィルムを省略
し、熱可塑性樹脂からなるレンズフィルムの裏面に直に
自己粘着層を積層して表示画面用光学フィルターを得
る。この場合は、実施形態8に比べてコスト的に有利と
なる。
【0041】実施形態10 上記の実施形態9において、そのレンズフィルムを柔軟
性ポリマー中の軟質塩ビで成形し、その際、裏面の非レ
ンズ面を表面平滑で自己粘着性と再剥離性を有する自己
粘着層に形成することにより、単層構造の表示画面用光
学フィルターを得る。この場合は、実施形態9に比べて
光学フィルターとしての柔軟性が増し、曲面に対しても
貼着可能になるので、曲面の表示画面用光学フィルター
として使用することができ、かつコスト的にも一層有利
となる。
【0042】
【実施例】種々の表示画面用光学フィルターを試作し、
その性能を比較した。なお、初期接着力、表層ダイナミ
ック硬度および平均表面粗度(Ra )は、下記によって
測定した。 1.初期接着力 JIS−Z−0237に準拠し、ステンレス鋼板に貼合
わせ、その20分後に剥離角度180度、引張り速度3
00mm/分で測定した。 2.表層ダイナミック硬度 島津製作所製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH2
02型を用い、試験モード:モード3(軟質材料試
験)、圧子の種類:115、試験荷重:1.97mN、
負荷速度:0.0142mN/秒、保持時間:5秒の条
件で測定した。試料はスライドガラス上にエポキシ接着
剤で固定し、測定台にセットした。本測定法で評価され
るダイナミック硬度は、試料の表面からの深さによって
異なる測定値が得られる。この発明では、表面から3μ
mの深さの測定値を表層硬度とした。 3.平均表面粗度(Ra ) 小坂研究所製SE200型表面粗さ計を用い、縦倍率:
1000、横倍率:20、カットオフ:0.08mm、測
定長:8mm、測定速度:0.1mm/分の条件で測定し
た。
【0043】実施例1 ポリエステルからなる厚み50μmの基材フィルム12
の片面に市販のアクリル系紫外線硬化性樹脂からなるハ
ードコート剤を厚みが30μmとなるように塗工法で積
層し、得られたハードコート層を紫外線照射で半硬化さ
せる。次いで、ロール表面に前記の直線突条11aに対
応する多数本の周方向突条を有する彫刻ロールを用い、
上記のハードコート層に多数本の直線突条を成形し、続
いて再び紫外線を照射してハードコート層の硬化を進
め、図1に示すように、多数本の直線突条11a(間隔
Pが100μm、頂角が140度)を有する耐スクラッ
チ性のレンズフィルム11と基材フィルム12とからな
る積層フィルム(表示画面用光学フィルター)10を得
た。なお、直線突条11aの左右の斜辺は、10点平均
粗さRz が0.1μmとなるように粗面化した。
【0044】上記表示画面用光学フィルター10におけ
る基材フィルム12の表面にプラズマ処理を行った。ま
た、厚み25μmのポリエステルフィルムの片面に易剥
離性処理を施してカバーフィルム14とした。一方、市
販の高透明度型シリコーンゴム組成物(ゴム硬度10
度)をトルエンに溶解し、これに基材フィルム12に対
する接着性向上剤としてペンタエリスリトールテトラア
クリレートを添加して塗工液とした。この塗工液を、上
記表示画面用光学フィルター10の基材フィルム12の
プラズマ処理面にシリコーンゴム厚みが30μmとなる
ように塗布して自己粘着層13を形成し、この自己粘着
層13の表面に上記カバーフィルム14を、その易剥離
性処理面が接するように重ねた。
【0045】得られた積層体を電子線照射装置に導入
し、シリコーンゴムからなる自己粘着層13を架橋し、
同時に表示画面用光学フィルター10と一体化し、かつ
自己粘着層13をカバーフィルム14で容易に剥離でき
るように被覆した。このカバーフィルム14を剥離して
自己粘着層13の特性を測定したところ、平均表面粗度
(Ra )は0.04μm、表層ダイナミック硬度は0.
09mN/μm2 、初期接着力は250mNであった。
【0046】この実施例1の表示画面用光学フィルター
10を液晶表示画面の形状に対応する長方形に切断する
際、前面(切り子面)の直線突条11aが液晶表示画面
の横辺に対して45度の角度で傾斜するように(図3参
照)上記光学フィルター10を裁断し、この光学フィル
ター10を、裏面のカバーフィルム14(図2参照)を
剥離しながら、裏面の自己粘着層13の自己粘着力で表
示画面20に貼り付けた。この光学フィルター10は、
正面から眺めたときの画像の視認性は高いが、横から眺
めたときの視認性は低くなり、眺める方向が表示画面の
法線方向に対し水平にほぼ45度を超えると、上記の画
像が全く見えなくなった。すなわち、視角制御機能によ
る覗き見防止効果を備えていた。また、前面が断面三角
形の直線突条11a多数本からなる切り子面で形成され
ているため、外部からの光の反射性が低下して映り込み
が防止され、また手で触れたときに指紋がつき難かっ
た。
【0047】また、上記の光学フィルター10は、裏面
に柔軟性ポリマーからなる自己粘着性の自己粘着層13
を備えているため、表示画面に対し粘着剤や接着剤を用
いないで貼着することができ、しかも自己粘着層13の
表面にカバーフィルム14を設けたので、カバーフィル
ム14を剥がしながら自己粘着層13を表示画面等に接
触させるのみで、光学フィルター10の自重で自己粘着
が進行し、そのため貼着が容易に行われ、かつ光学フィ
ルター10と表示画面等の表面との間に介在する空気が
自己粘着力で押出され、空気の噛み込みを容易に防ぐこ
とができた。
【0048】また、上記実施例1の光学フィルター10
は、上記自己粘着層13の初期粘着力が適度であるた
め、固定力に優れると共に、表示画面等に貼着した後の
剥離も容易で、弱い力で剥離することができ、感圧粘着
剤による粘着とは異なり、剥離後における表示画面等の
表面汚れは皆無であった。そして、剥離後の光学フィル
ターにおいて自己粘着層13の初期粘着力は貼着前と変
わらず、貼着と剥離を20回繰り返しても同様であり、
リペアー性に優れていた。
【0049】比較例1 上記の実施例1において、耐スクラッチ性のレンズフィ
ルム11に直線突条11aからなる切り子面を形成する
ことなく紫外線を照射して硬化を進め、また反対側の基
材フィルム12の表面に、自己粘着層13に代えて上記
スクラッチ性フィルム11の形成に用いたものと同様の
ハードコート層を積層し、紫外線を照射して硬化させ
た。得られた硬化性樹脂層において、表面の平均表面粗
度(Ra )は0.06μm、表層ダイナミック硬度は3
00mN/μm2 以上、初期粘着力はほぼゼロであっ
た。すなわち、自己粘着性を有しないため、表示画面等
に取付けるには、粘着剤や接着剤その他の取付け手段を
必要とし、かつ視界制御機能を有しないため、覗き見を
防ぐことができなかった。
【0050】実施例2〜4 前記の実施例1において、耐スクラッチ性レンズフィル
ム11用の硬化性樹脂および自己粘着層13用の柔軟性
ポリマーの各成分を変更し、その他は実施例1と同様に
して実施例2〜4の表示画面用光学フィルター10とカ
バーフィルム14の積層体を得た。得られた光学フィル
ター10の自己粘着層13表面の特性を表1に示す。こ
の実施例2〜4の光学フィルター10は、実施例1と同
等の特性を備え、覗き見防止用として実用性良好であっ
た。
【0051】
【表1】
【0052】実施例5 実施例1の表示画面用光学フィルター10において、切
り子面における直線突条11aの断面形状を図4の台形
とし、その頂部11bおよび谷部11dの幅をそれぞれ
10μm、側辺11cの傾斜角度を45度、頂部11b
の間隔を100μmに設定し、頂部11b、側辺11c
および谷部11dの各表面を平滑面とし、その他は実施
例1と同様にして実施例5の光学フィルター10を試作
し、上記の直線突条11aが上下方向を向くように液晶
表示画面に取付けた。この場合、視野角は法線方向から
水平方向片側に50度であった。
【0053】実施例6 実施例1の表示画面用光学フィルター10において、切
り子面における直線突条11aの断面形状を図5の正方
形とし、その頂部11b、側辺11cおよび谷部11d
の寸法をそれぞれ20μmに設定し、頂部11b、側辺
11cおよび谷部11dの各表面を平滑面とし、その他
は実施例1と同様にして実施例6の光学フィルター10
を試作し、上記の直線突条11aが上下方向を向くよう
に液晶表示画面に取付けた。この場合、視野角は法線方
向から水平方向片側に60度であった。
【0054】実施例7 実施例1の表示画面用光学フィルター10において、そ
の自己粘着層13の積層を省略し、代わりに両面粘着テ
ープを用いて基材フィルム12の露出面の四周をディス
プレイの表示画面に貼着した。この実施例7の表示画面
用光学フィルター10は、取付け手段に自己粘着性が無
いが、視界制御機能を有しているため、覗き見防止用と
しての実用性を備えていた。
【0055】実施例8 前記実施例1の表示画面用光学フィルター10におい
て、その耐スクラッチ性レンズフィルム11の直線突条
11aに代えて図6の凸レンズ形凸部11eを密に並べ
て成形する以外は実施例1と同様にして耐スクラッチ性
のレンズフィルム11、基材フィルム12および自己粘
着層13からなる実施例8の表示画面用光学フィルター
10を得た。ただし、上記凸レンズ形凸部11eにおい
て、その直径dを150μmに、高さhを30μmに、
球面の半径を約109μmにそれぞれ設定し、この凸部
11eが密接して並ぶ多数列に、かつ奇数列が偶数列に
対して千鳥に並ぶように成形した。
【0056】得られた光学フィルター10において、そ
の自己粘着層の平均表面粗度(Ra )は0.04μm、
表層ダイナミック硬度は0.09mN/μm2 、初期接
着力は250mN/25mmであった。そして、この光学
フィルターを、凸部11eの列方向が液晶表示画面の縦
枠と平行になるように裁断し、裏面のカバーフィルムを
剥離しながら表示画面に貼り付けたところ、眺める方向
が表示画面の法線方向に対し水平にほぼ45度を越える
と、画像が見え難くなり、四方からの覗き見防止効果が
認められた。また、前面に凸レンズ形状の凸部11eが
並ぶため、外部からの光の反射性が低下し、映り込みが
防止された。また、自己粘着層は、実施例1と同様の作
業性やリペア性を備えていた。
【0057】実施例9〜11 前記の実施例8において、レンズフィルム11用の硬化
性樹脂および自己粘着層用の柔軟性ポリマーの各成分
を、それぞれ実施例2、3および4のものに変更し、そ
の他は実施例8と同様にして実施例9、10および11
の表示画面用光学フィルターを得た。得られた光学フィ
ルターは、実施例8と同等の特性を備え、覗き見防止用
として実用性良好であった。また、実施例9、10およ
び11の自己粘着層表面の特性は、それぞれ実施例2、
3および4と同等であった。
【0058】実施例12 塩化ビニル樹脂を用い、カレンダー法で厚み100μm
のフィルムを成形し、該フィルムの片面に実施例8と同
様のレンズ形状凸部をロールで成形し、レンズフィルム
を製造した。一方、ポリエチレンテレフタレートからな
る厚み50μmのフィルムの両面に易接着処理を施して
基材フィルムとし、その片面にアクリル系ポリマーから
なる感圧性の強粘着型粘着剤を25μmの厚みに積層
し、この粘着剤の積層面に、ポリエチレンテレフタレー
トからなり、あらかじめ易剥離性処理を施した厚み25
μmのカバーフィルムAを易剥離性処理面が接するよう
に積層した。
【0059】得られた基材フィルム・粘着剤層・カバー
フィルムA積層体の基材フィルム表面に、市販の高透明
度型シリコーンゴムコンパウンド(硬度:10度)を5
0μmの厚みに塗工し、前記の自己粘着層を形成し、自
己粘着層・基材フィルム・粘着剤層・カバーフィルムA
積層体を得た。この積層体の自己粘着層表面に、ポリエ
チレンテレフタレートからなり、あらかじめ易剥離性処
理を施した厚み38μmのカバーフィルムBを易剥離性
処理面が接するように積層した。得られたカバーフィル
ムB・自己粘着層・基材フィルム・粘着剤層・カバーフ
ィルムA積層体を電子線照射装置に導入し、シリコーン
ゴムからなる自己粘着層を架橋し、かつ基材フィルムと
一体化した。
【0060】得られた5層構造の積層体において、カバ
ーフィルムAおよびカバーフィルムBは、いずれも容易
に剥離可能である。自己粘着層側のカバーフィルムBを
剥離し、自己粘着層の特性を評価したところ、平均表面
粗度(Ra )は0.04μm、表層ダイナミック硬度は
0.09mN/μm2 、初期接着力は240mN/25
mmであった。次いで、反対側のカバーフィルムAを剥離
し、現われた粘着剤層に前記のレンズフィルムを重ねて
接着することにより、実施例12の表示画面用光学フィ
ルターを得た。この光学フィルターは、実施例8と同等
の性能を備え、覗き見防止用として実用性に優れてい
た。
【0061】実施例13 前記の実施例8において、そのレンズフィルム11の厚
みを200μmとし、凸レンズ形状の凸部11eを、図
7の断面半円形(直径100μm)の直線突条11fを
平行に、かつ密接させて成形する以外は、実施例8と同
様にして実施例13の表示画面用光学フィルターを得
た。そして、この光学フィルターを、直線突条11fが
表示画面の横線に対して45度傾斜するように裁断し、
裏面のカバーフィルムを剥離しながら自己粘着層で貼付
けたところ、正面からの画像の視認性は高いのに対し、
上下左右からの視認性は低くなり、視線が表示画面の法
線方向に対し水平に約60度傾斜したとき、上記の画像
が見え難くなった。また、実施例8と同様に、映り込み
防止性や防汚性を有し、実用性が高かった。
【0062】実施例14 上記の実施例13において、その自己粘着層用シリコー
ンゴムコンパウンド100重量部に付き、フタロシアニ
ン系の青色顔料とカーボンブラックとからなる青色顔料
0.05重量部を配合して自己粘着層を青色に着色し、
その他は実施例13と同様にして実施例14の表示画面
用光学フィルターを得た。この光学フィルターは、実施
例13よりも視界制御機能が向上し、表示画面の画像が
見え難くなる視線の角度が法線方向に対し45度であっ
た。また、青色に着色されているため、ファッション性
も良好であった。
【0063】実施例15 レンズフィルムに塩化ビニル樹脂を用いた前記の実施例
12において、その凸レンズ形状の凸部11eに代え
て、図8の四角錐形状の凸部11gを、底辺の一辺の長
さを100μmに、高さを65μmに成形し、その他は
実施例12と同様にしてレンズフィルムを製造した。一
方、ポリエチレンテレフタレートからなる厚み50μm
のフィルムの両面に易接着処理を施して基材フィルムと
し、その片面に、実施例12のシリコーンゴムコンパウ
ンド(硬度:10度)を50μmの厚みに積層し、その
上にポリエチレンテレフタレートからなり、あらかじめ
易剥離性処理が施されたカバーフィルムBを、その易剥
離性処理面を重ねて積層し、この積層体を電子線照射装
置に導入してシリコーンゴムコンパウンド層を架橋する
と共に基材フィルムと一体化し、しかるのち基材フィル
ム表面に上記のレンズフィルムを強粘着性の両面粘着テ
ープ(厚み:50μm)で接着し、実施例15の表示画
面用光学フィルターを得た。この光学フィルターも、実
施例12と同等の特性を備え、覗き見防止用として有用
であった。
【0064】実施例16 ポリエチレンテレフタレートからなる厚み100μmの
フィルムの両面に易接着処理を行って基材フィルムとし
た。また、酸化チタンを少量含む直径80μmの半球状
シリカ粒子をゾル−ゲル法で作成し、このシリカ粒子を
実施例1の紫外線硬化性のハードコート剤に分散させ、
この分散液を上記基材フィルムの片面に半球状シリカ粒
子の球面が上を向くように塗工し、しかるのち紫外線を
照射してハードコート剤を硬化させ、基材フィルムに半
球状シリカ粒子を2500個/cm2の密度で固定してレ
ンズフィルムとした。そして、上記基材フィルムの裏面
に実施例15と同様にして自己粘着層を形成し、実施例
16の表示画面用光学フィルターを得た。この光学フィ
ルターも、実施例12と同等の特性を備え、覗き見防止
用として有用であった。
【0065】実施例17 塩化ビニル樹脂をカレンダー法で成形して表裏両面が平
滑で厚みが300μmのシートとし、その片面に実施例
8と同様に凸レンズ形状の凸部をエンボスローラで成形
してレンズフィルムを得た。このレンズフィルムの平坦
面に、ポリエチレンテレフタレートからなり、あらかじ
め易剥離性処理が施された厚み38μmのカバーフィル
ムを、その易剥離性処理面が接するように積層してロー
ル状に巻き取り、次いでカバーフィルムを剥離し、平坦
面の特性を評価したところ、平均表面粗度(Ra )が
0.07μm、表層ダイナミック硬度が10mN/μm
2 、初期接着力が80mN/25mmであった。すなわ
ち、レンズフィルム自体が良好な自己粘着性を有してい
た。そして、覗き見防止効果も備えていた。
【0066】
【発明の効果】上記のとおり、この発明の表示画面用光
学フィルターは、液晶ディスプレイの表示画面前面に取
付けることにより、横からの覗き見を防ぐことができ
る。そして、表示画面の前面に取付けるものであるか
ら、ディスプレイの内部構造を変更する必要がなく、ま
た着脱自在に取付けることができるので、必要に応じて
剥離することができ、その場合は、正面だけでなく、斜
め方向からも表示画面を眺めることができ、複数人が同
時に眺めることが可能になる。しかも、レンズフィルム
を用いるので、マイクロルーバーを用いたものに比べて
透過光量の損失が少なく、かつ製造コストが低下する。
【0067】特に請求項2に係る発明は、取付け手段を
レンズフィルムと一体の自己粘着層に限定したものであ
るから、光学フィルターから分離した取付け手段が不要
となり、かつ利用者が好みの形状や大きさに裁断して直
ちに使用することができ、取付けが一層容易になる。ま
た、請求項3に係る発明は、自己粘着層のダイナミック
硬度および平均表面粗度(Ra )を限定したものである
から、取付けが一層容易になり、かつリペアー性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の断面図である。
【図2】使用状態の斜視図である。
【図3】実施形態2の正面図である。
【図4】実施形態3の断面図である。
【図5】実施形態4の断面図である。
【図6】実施形態5の斜視図である。
【図7】実施形態6の斜視図である。
【図8】実施形態7の斜視図である。
【符号の説明】
10:表示画面用光学フィルター 11:レンズフィルム 11a:断面三角形の直線突条、11b:頂部、11
c:側辺、11d:谷部、11e:凸レンズ形状の凸
部、11f:断面半円形の直線突条、11g:四角錐形
状の凸部 12:基材フィルム 13:自己粘着層 14:カバーフィルム 20:表示画面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 G02F 1/1335 G09F 9/00 313 G09F 9/00 313 Fターム(参考) 2H042 AA03 AA07 AA26 CA12 CA15 CA17 2H091 FA29X FA50X FD15 GA17 LA03 LA30 5G435 AA01 AA03 AA17 BB12 DD11 EE50 GG11 HH05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレイの表示画面前面に取付けて
    可視範囲をコントロールするための表示画面用光学フィ
    ルターであり、高分子材料からなるレンズフィルムと該
    レンズフィルムを上記の表示画面前面に着脱自在に固定
    するための取付け手段とを備えていることを特徴とする
    表示画面用光学フィルター。
  2. 【請求項2】 取付け手段が柔軟性ポリマーからなる表
    面平滑で自己粘着性と再剥離性を有する自己粘着層であ
    る請求項1記載の表示画面用光学フィルター。
  3. 【請求項3】 自己粘着層の表層のダイナミック硬度が
    0.01〜20mN/25μm2 、自己粘着層表面の平
    均表面粗度(Ra )が0.12μm以下である請求項1
    または2記載の表示画面用光学フィルター。
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