JP2004029240A - 防眩性反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射防止フィルム11に対して、少なくともその一方の側にエンボス加工を施す。エンボス加工は、エンボスローラ14またはエンボス板を用いて、プレス加工によって行う。エンボスの凹凸の版については、その算術平均粗さを0.05μm〜2.00μmとし、平均周期を50μm以下とする。プレス線圧を500N/cm〜4000N/cm、またはプレス圧力を5×105 Pa〜40×105 Paとする。エンボスローラ14及びエンボス板の表面の凹凸は、直径が0.1μm〜50μmのビーズを用いたビーズショット法により作製する。得られた反射防止フィルム11は、防眩性とギラツキ防止性を両立しており、耐擦傷性、防汚性にも優れ、高精細ディスプレイ適性に優れる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止フィルムの製造方法に関するものであり、特に、液晶表示装置やプラズマディスプレイパネル等の画像表示装置等に用いられる反射防止フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような様々な画像表示装置に設けられている。眼鏡やカメラのレンズにも反射防止フィルムが設けられている。反射防止フィルムとしては、様々なものが提案されてきたが、多層膜や不均一膜が従来から広く用いられている。
【0003】
多層膜は、金属酸化物の透明薄膜を積層させたものであり、これにより、可視光でなるべく広い波長領域での光の反射を防止することができるという利点がある。金属酸化物の透明薄膜は、主として、蒸着により製造されており、その手法は、蒸着機構によって化学蒸着(CVD;Chemical Vapor Deposition)と物理蒸着(PVD;Physical Vapor Deposition)に分類することができる。化学蒸着は、一般には、ハロゲン化金属蒸気と反応ガス等の2種類の分子または原子(仮にAとBとする)を、被処理物の表面で気相反応を行わせて、A+B→Cの化学反応モデル式で示されるCの薄膜を得る方法である。物理蒸着は、物質の蒸発現象を利用して、気体状態、すなわち分子や原子の蒸着により薄膜を得る方法である。なかでも、物理蒸着の一手法である真空蒸着法やスパッタ法の適用が多い。
【0004】
反射防止フィルムの製造において、用途によっては、被処理物である支持体として、防眩性を発現させるための凹凸をその表面に有するものを用いて物理蒸着を行う場合がある。これは、平滑な支持体上に蒸着膜を形成したものと比較して、平行光線透過率は低くなるが、光が表面の凹凸によって散乱されて背景の写り込みが低下するために防眩性を発現するという効果がある。したがって、これを画像形成装置に適用するとその表示品位は著しく改善される。
【0005】
一方で、蒸着法に代えて、無機微粒子の塗設による反射防止フィルムの製造方法が、特公昭60−59250号公報、特開昭59−50401号公報、特開平2−245702号公報、特開平5−13021号公報、特開平7−28527号公報、特開平11−6902号公報等に提案されている。特公昭60−59250号公報では、微細空孔と微粒子状無機物とを有する反射防止層とされている。これによると、反射防止層は塗布により形成され、その微細空孔は、層を塗布した後、これに活性化ガス処理を施してガスが層から離脱することによって形成される。また、特開昭59−50401号公報では、支持体、高屈折率層、低屈折率層をこの順に積層させた反射防止フィルムとともに、支持体と高屈折率層との間に中屈折率層を設けた反射防止フィルムを提案している。なお、低屈折率層は、ポリマーや無機微粒子等の塗布により形成されている。
【0006】
特開平2−245702号公報では、二種類以上の超微粒子(例えば、MgF2 とSiO2 )を混在させて、フィルムの膜厚方向にその混合比を変化させた反射防止フィルムが提案されている。ここでは、混合比を変化させることにより屈折率を変化させ、上記特開昭59−50401号公報に記載されている高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止フィルムと同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたSiO2 により接着している。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気も発生するが、同公報の第1図に示されているように、二酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒子の間に間隙が生じている。
【0007】
また、特開平5−13021号公報では、上記特開平2−245702号公報記載の反射防止フィルムに存在する超微粒子間隙をバインダーで充填することを提案しており、特開平7−48527号公報では、多孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダーとを含有する反射防止フィルムを提案している。さらに、特開平11−6902号公報によると、低屈折率層に無機微粒子を少なくとも2個以上積み重ねて空隙を含有させた層を用いた、ウエット塗布による3層構成の反射防止フィルムとされており、オールウエット塗布による安価な製造コストにて、膜強度と反射率の低さを両立したものとなっている。
【0008】
無機微粒子を使用した上記反射防止フィルムに、防眩性を付与するためには、反射防止層の形成のために無機微粒子を塗設する際、表面に凹凸を有する支持体を用いる方法や、支持体上に反射防止層を付与するための塗布液の中にマット粒子を添加して、表面に凹凸を形成させる方法がある。そのほかに、例えば、特開2000−275401号公報や特開2000−275404号公報に提案されているような、平滑な反射防止フィルムを作成した後、エンボス加工等によって表面に凹凸構造を形成させる方法がある。
【0009】
一方、液晶ディスプレイの高視野角化、高速応答化と並び、高精細化、すなわち高画質に対する要求が、近年は非常に高くなっている。この高精細化は、液晶セルサイズの微小化により実現される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記金属酸化物の透明薄膜は、反射防止フィルムとしての優れた光学特性を有しているが、蒸着法やスパッタ法による製膜方法は、生産性が低いため、大量生産には適していないという問題がある。そこで、本発明者らは、まず、無機微粒子の塗設により形成する低複屈折層について研究を進めた。その結果、無機微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることによって微粒子間に空隙を形成すると、層の屈折率が低下することが判明し、これによると非常に低い屈折率の層を得ることができる。
【0011】
特開平2−245702号公報に記載の反射防止フィルムでは、積み重なった超微粒子の間に空隙が生じているが、同公報ではその層構造を図1に示しているだけであって、空隙の光学的機能については全く記載されていない。また、低屈折率層は、画像表示装置の表示面やレンズの外側表面に配されるため、一定の強度が要求されることが多いが、特開平2−245702号公報に提案されているような空隙を有する低屈折率層は強度が弱いとの問題がある。同公報では、実質的には無機化合物のみで構成されている反射防止フィルムとされているが、これは、硬いが非常に脆いという問題がある。
【0012】
また、特開平5−13021号公報に記載されているように、微粒子間の空隙をバインダで充填すると強度の問題は解決されるが、空隙の光学的機能は失われてしまうという問題がある。
【0013】
また、ディスプレイの高精細化に伴い、液晶セルサイズを小さくするにつれて、例えば、133ppi(pixels/inch)以上の超高精細の領域となると、防眩性を有する反射防止フィルムを光が透過して、ユーザーの目に届く光には輝度のバラツキの現象、つまりギラツキが発生してしまい、表示品位が劣化するという問題がある。そこで、本発明者らは、次に、背景の写り込みをさらに有効に低減するための防眩性の付与方法とギラツキの防止方法について、前述のような従来法を含め検討を行った。無機微粒子の塗布によって反射防止機能を付与したフィルムに、防眩性、ギラツキの低減、低反射率、膜強度の向上という性能を同時に満足するためには、反射防止フィルムを形成した後に防眩性を付与する方法がもっとも適当であることがわかった。中でも最も好ましいのは、塗布により反射防止層を形成した後に、その支持体の少なくとも片面に対して外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法である。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塗布層である低屈折率層を有していても、蒸着層からなる反射防止フィルムに匹敵する反射防止機能と防眩機能とを有する反射防止フィルムの製造方法を提供することであり、また、反射防止フィルムの塗布層表面に、反射防止機能を低下させることなく、蒸着層と同様の表面凹凸を形成し、高精細ディスプレイ適性のある防眩性反射防止フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の防眩性反射防止フィルムの製造方法は、エンボス加工によりフィルム表面に凹凸を付与する反射防止フィルムの製造方法において、前記エンボス加工に使用する版の凹凸の算術平均粗さを0.05以上2.00μm以下とし、かつ、前記凹凸の平均周期を50μm以下とすることを特徴として構成されている。
【0016】
前記版の製作方法は、直径が0.1μm以上50.0μm以下のビーズを用いたビーズショット法で行い、前記エンボス加工を、平板プレス加工で行うことが好ましい。エンボス加工をフィルムに施すときのフィルムの温度は、これを110℃以上195℃以下とし、さらに、プレス圧力を5×105 Pa以上40×105 Pa以下とすることが好ましい。
【0017】
また、前記エンボス加工は、ロールプレス加工で行うことも好ましく、エンボス加工をフィルムに施すときのフィルムの温度を110℃以上195℃以下とし、さらに、プレス線圧を500N/cm以上4000N/cm以下とすることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における反射防止フィルムへの防眩性付与工程の断面図である。エンボス処理は、片面エンボシングカレンダー機10を用いることで行われる。反射防止フィルム11は、透明支持体を含む積層膜12に無機微粒子層を塗布により付設したものとなっており、この層が反射防止層13となっている。反射防止フィルム11の反射防止層13側にエンボスローラ14を位置させ、また、反対面である積層膜12側にバックアップローラ15を位置させる。これら2つのローラにより反射防止フィルム11をプレスし、少なくとも一方の表面、ここでは反射防止層13側のみに凹凸を形成することによって、実質的に膜厚が均一な低屈折率層を構成して反射防止性を失うことなく、防眩性を発現させることができる。
【0019】
膜厚の実質的な均一性は、膜厚のバラツキが±3%であることが好ましい。反射防止性能を低減させないために、必要とする実質的な膜の均一性は、光干渉層の層数や設計によって適宜決定する。なお、ここでは光干渉層は反射防止層13に対応しており、積層膜としての図示はしていない。例えば、空気界面側より順に、低複屈折層、高複屈折層、中複屈折層とした3層構造において、λを500nmの設計波長とし、nを各層の屈折率としたときの各層の厚みをλ/4nとした場合には、各層の膜厚の均一性が上記±3%の範囲を超えると著しく反射防止性能が低下してしまう。防眩性の程度は、エンボス加工における反射防止フィルム11の表面温度、プレス圧力、処理速度等の工程条件および反射防止フィルム11を有する透明支持体の力学物性によって制御することができるが、フィルム11の平面性、工程の安定性、コスト等の観点から、より温和な条件での実施が好ましい。
【0020】
エンボスローラ14の表面は凹凸状とされており、凹凸はランダムに並んでいることが好ましい。表面の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm以上2.00μm以下で、かつ、その凹凸の平均周期(RSm)が50μm以下となっている。算術平均粗さは、0.07μm以上1.50μm以下とすることが好ましく、0.09μm以上1.20μm以下とすることがさらに好ましく、0.10μm以上1.00μm以下とすることが最も好ましい。算術平均粗さが0.05μm未満であると、充分な防眩機能を得ることができず、また、2.00μmを越えると、解像度が低下したり、外光が当たった際に像が白く光ったりする。
【0021】
また、凹凸の周期とは、エンボスローラ14の表面を断面でみたとき、例えば、任意の凸部の左端から、最も近傍にある凸部の左端までの距離を意味するものである。つまり、平均周期とは、エンボスローラの表面全域にわたって施されている各凹凸間の周期の平均値である。この平均周期が50μmより大きい場合には、解像度が低下したり、反射防止フィルム11の表面にざらつき感が生じてしまい、質感がわるくなる。凹凸の平均周期は、好ましくは5μm以上30μm以下、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
【0022】
なお、凹凸の算術平均粗さ及び平均周期は、市販の表面粗さ測定器を用いて測定と解析を行うことができる。本発明においては、小型表面粗さ測定器(型番;SJ−401、(株)ミツトヨ製)を用いて折り、その測定方法はJIS−1994の粗さ規格に基づいている。
【0023】
本発明におけるエンボス加工は、エンボスローラ14とバックアップローラ15によるプレス線圧を100N/cm以上12000N/cm以下とすることが好ましく、500N/cm以上4000N/cm以下とすることがより好ましい。また、本発明においては、プレヒートローラ(図示せず)をエンボス処理工程の前に設置して、反射防止フィルムをあらかじめ加熱した上でプレスしている。プレヒートローラの温度については、好ましくは60℃以上180℃以下、より好ましくは70℃以上160℃以下とする。
【0024】
エンボスローラ14は、温度調整機構(図示せず)を有しており、適宜その温度を調整することができる。これにより、フィルムの温度を110℃以上195℃に加熱することが好ましい。エンボスローラ14の温度は、100℃以上200℃以下とすることが好ましく、105℃以上180℃以下とすることがより好ましい。もっとも好ましくは110℃以上165℃以下である。エンボス処理の速度は、0.3m/分以上10m/分以下とすることが好ましく、0.5m/分以上5m/分以下とすることがより好ましい。
【0025】
また、本発明の製造方法におけるエンボス加工は、平板プレスによって実施してもよい。図2は別の実施形態である平板プレスによるエンボス処理工程の要部の断面図である。ここでは、エンボス板21とバックアップ部材22を3組のみ図示しているが、反射防止フィルム11のサイズや搬送速度、製造場所の広さ等に応じて、適宜その大きさと数を設定することができる。
【0026】
図1に示したエンボスローラ14による処理と同様に、反射防止フィルム11の反射防止層13側にエンボス板を位置させ、透明支持体を有する積層膜12側にバックアップ部材22を配置する。エンボス板21とバックアップ部材22により、反射防止フィルム11をプレスすることで、少なくとも片面側、ここでは反射防止層13側のみにエンボス加工を施す。なお、図示は省略したが、エンボス処理工程の前に、プレヒートローラにより、反射防止フィルムをあらかじめ加熱している。
【0027】
エンボス板21についても、図1のエンボスローラ14と同様に、その表面は凹凸状とされており、この凹凸はランダムに並んでいることが好ましい。表面の算術平均粗さ(Ra)は0.05μm以上2.00μm以下で、かつ、その凹凸の平均周期(RSm)が50μm以下となっている。算術平均粗さは、0.07μm以上1.50μm以下とすることが好ましく、0.09μm以上1.20μm以下とすることがさらに好ましく、0.10μm以上1.00μm以下とすることが最も好ましい。凹凸の平均周期は、好ましくは5μm以上30μm以下、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
【0028】
本発明におけるエンボス加工は、エンボス板21とバックアップ部材22によるプレス圧力を1×105 Pa以上120×105 Pa以下とすることが好ましく、5×105 Pa以上40×105 Pa以下とすることがより好ましい。プレヒートローラの温度については、好ましくは60℃以上180℃以下、より好ましくは70℃以上160℃以下とする。
【0029】
エンボス板21は、温度調整機構(図示せず)を有しており、適宜その温度を調整することができる。エンボス板21の温度は、100℃以上200℃以下とすることが好ましく、105℃以上180℃以下とすることがより好ましい。もっとも好ましくは110℃以上165℃以下である。エンボス処理の速度は、0.3m/分以上10m/分以下とすることが好ましく、0.5m/分以上5m/分以下とすることがより好ましい。
【0030】
図3はビーズショット法の要部を示す断面図である。エンボス板21の表面に対し、サンドブラスト31よりビーズ32をぶつけて、凹凸が形成される。サンドブラスト31には、圧縮空気供給源33が備えられており、ここから圧縮空気を送り、その圧力によってビーズ32が吹き付けられる。ビーズ32は、その直径が0.1μm以上50.0μm以下のものとしている。エンボスローラ14に凹凸を形成する場合も、これと同様に行う。
【0031】
エンボス板21及びエンボスローラ14の表面材質については、前記の算術平均粗さ及び平均周期を満足する凹凸形状を付与することが可能であれば、ビーズ32の材質に応じて適宜これを選択することができる。例えば、これに吹き付けるビーズ32がガラスである場合にはニッケルメッキとしたものが好適である。エンボス板21及びエンボスローラ14の基材については、ビーズ32の種類に応じたメッキを施すにあたり、そのメッキを十分な密着強度で施すことができ、また、エンボス処理の際の押しつけ圧力に耐える強度を有するものであれば、適宜これを選択することができる。例えば、エンボス板21としてはSUS630を例示することができ、エンボスローラ14としてはS45Cを例示することができる。
【0032】
図4〜6は、本発明の製造方法におけるエンボス加工を施した後の反射防止フィルム11を示す断面図である。反射防止フィルムは、その使用目的によって、様々な層構造とされている。図4に示す態様は、最下層から順に、透明支持体41、プライマー層42、ハードコート層43、そして低屈折率層44の順序の層構成を有する。図5に示す態様は、最下層から順に、透明支持体41、プライマー層42、ハードコート層43、高屈折率層50、そして低屈折率層44の順序の層構成を有する。図6に示す態様は、最下層から順に、透明支持体41、プライマー層42、ハードコート層43、中屈折率層55、高屈折率層50、そして低屈折率層44の順序の層構成を有する。図4〜6の透明支持体41、プライマー層42、ハードコート層43の積層部は、図1,2における積層膜12に対応し、また、それ以外の低屈折率層44、高屈折率層50、中屈折率層55から構成される単一層または積層部が反射防止層13に対応している。図4〜6に示すように、いずれの層構造の反射防止フィルム11においても、エンボス加工による変形がそれぞれのプライマー層16に集中して、ハードコート層12や反射防止層13は、厚みがほぼ均一である。支持体は若干変形する。
【0033】
図4〜6に示すような、本発明に用いられる反射防止フィルムは、中屈折率層55、高屈折率層50、低屈折率層44のそれぞれの層の光学膜厚、すなわち屈折率nと膜厚dの積(n・d)が、設計波長λに対してnλ/4前後、またはその倍数であることが好ましいことが、特開昭59−50401号公報に記載されている。
【0034】
しかしながら、本発明の低反射率且つ反射光の色味が低減された反射率特性を実現するためには、特に設計波長λ(=500nm)に対して中屈折率層55が下式(I)を、高屈折率層50が下式(II)を、低屈折率層44が下式(III)をそれぞれ満足する必要がある。なお、下記の式中において、n1、n2、n3はそれぞれ中屈折率層55、高屈折率層50、低屈折率層44の屈折率を表し、d1、d2、d3はそれぞれ中屈折率層55、高屈折率層50、低屈折率層44の層厚(nm)を表す。
100.00<(n1・d1)<125.00 (I)
187.50<(n2・d2)<237.50 (II)
118.75<(n3・d3)<131.25 (III)
【0035】
さらに、例えばトリアセチルセルロース(屈折率:1.49)からなるような屈折率が1.45〜1.55の透明支持体に対しては、n1は1.60〜1.65、n2は1.85〜1.95、n3は1.35〜1.45の屈折率である必要がある。また、ポリエチレンテレフタレート(屈折率:1.66)からなるような屈折率が1.55〜1.65の透明支持体に対しては、n1は1.65〜1.75、n2は1.85〜2.05、n3は1.35〜1.45の屈折率である必要がある。
【0036】
上記のような屈折率を有する中屈折率層55や高屈折率層50の素材が選択できない場合には、設定屈折率よりも高い屈折率を有する層と低い屈折率を有する層を複数層組み合わせた等価膜の原理を用いて、実質的に設定屈折率の中屈折率層55あるいは高屈折率層50と光学的に等価な層を形成できることは公知であり、本発明の反射率特性を実現するためにも用いることができる。本発明では、このように等価膜を用いた3層以上の任意の積層構造を有する反射防止層を含む。
【0037】
本発明の製造方法において、透明支持体41としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリー1,4ーシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンー1,2ージフェノキシエタンー4,4’ージカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチ
ルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。
【0038】
特に、液晶表示装置や有機EL表示装置等に用いるために、本発明の反射防止フィルム11を偏光板の表面保護フィルムの片側として用いる場合にはトリアセチルセルロースが好ましく用いられる。トリアセチルセルロースフィルムの作成法は、公開技報番号2001−1745にて公開されたものが好ましく用いられる。また、平面CRTやPDP等に用いるためにガラス基板等に張り合わせて用いる場合にはポリエチレンテレフタレート、あるいはポリエチレンナフタレートが好ましい。
【0039】
透明支持体41の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体41のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体41の屈折率は、1.4以上1.7以下であることが好ましい。
【0040】
中屈折率層55および高屈折率層50は、屈折率の高い無機微粒子、熱または電離放射線硬化性のモノマ−、開始剤および溶媒を含有する塗布組成物の塗布、溶媒の乾燥、熱および/または電離放射線による硬化によって形成される。無機微粒子としては、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Sbの酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物からなるものが好ましい。このようにして形成された中屈折率層および高屈折率層は、高屈折率を有するポリマー溶液を塗布、乾燥したものと比較して、耐傷性や密着性に優れる。分散液安定性や、硬化後の膜強度等を確保するために、特開平11−153703号公報や特許番号US6210858 B1等に記載されているような、多官能(メタ)アクリレートモノマーとアニオン性基含有(メタ)アクリレート分散剤とが塗布組成物中に含まれることが好ましい。
【0041】
無機微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法で測定したときの平均粒径で1から100nmであることが好ましい。1nm以下では、比表面積が大きすぎるために、分散液中での安定性に乏しく、好ましくない。100nm以上では、バインダとの屈折率差に起因する可視光の散乱が発生し、好ましくない。高屈折率層50および中屈折率層55のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
【0042】
本発明の低屈折率層44を形成する素材について以下に説明する。本発明の低屈折率層44としては、例えば、LiF(屈折率n=1.4)、MgF2 (n=1.4)、3NaF・AlF3 (n=1.4)、AlF3 (n=1.4)、Na3 AlF6 (n=1.33)、SiO2 (n=1.45)等の低屈折率無機材料あるいはこれらを微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた材料、フッ素系、シリコーン系の有機材料等を用いることができる。これらの中でも本発明では特に熱または電離放射線により硬化する含フッ素化合物を用いることが好ましい。該硬化物の動摩擦係数は好ましくは0.02〜0.18、より好ましくは0.03〜0.15、純水に対する接触角は好ましくは90〜130度、より好ましくは100〜120度である。動摩擦係数が高いと、表面を擦った時に傷つきやすくなり、好ましくない。また、純水に対する接触角が小さいと指紋や油汚れ等が付着しやすくなるため、防汚性の観点で好ましくない。また本発明の低屈折率層には膜強度向上を目的として適宜シリカ粒子等のフィラーを添加しても良い。
【0043】
低屈折率層44に用いられる硬化性の含フッ素化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロー1,1,2,2ーテトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)等の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性付与のための構成単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
【0044】
含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロー2,2ージメチルー1,3ージオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
【0045】
硬化反応性付与のための構成単位としてはグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己硬化性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、これらの構成単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の硬化反応性基を導入した構成単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。
【0046】
また、上記含フッ素モノマー単位、硬化反応性付与のための構成単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーを共重合することもできる。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
【0047】
上記のポリマーに対しては特開平8−92323号、10−25388号、同10−147739号、同12−17028号公報に記載のごとく、適宜、硬化剤を併用しても良い。特に、ポリマーの硬化反応性基が水酸基、カルボキシル基のような単独で硬化反応性を持たない基の場合には、硬化剤を併用することが必須である。硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート系、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物などを挙げることができる。一方、硬化反応性基が自己硬化反応性の基である場合には、特に硬化剤を添加しなくても良いが、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能エポキシ化合物等種々の硬化剤を適宜併用することもできる。
【0048】
本発明の製造方法において、低屈折率層44に特に有用な含フッ素共重合体は、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類またはビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位はポリマーの全重合単位の5モル%以上70モル%以下を占めていることが好ましく、特に好ましくは30モル%以上60モル%以下の場合である。
【0049】
また、本発明の製造方法において、含フッ素ポリマーには、防汚性を付与する目的でポリシロキサン構造が導入されていることが好ましい。ポリシロキサン構造の導入方法に制限はないが、例えば特開平11−189621号、同11−228631号、特開2000−313709号に記載されるように、シリコーンマクロアゾ開始剤を用いてポリシロキサンブロック共重合成分を導入する方法や、特開平2−251555号、同2−308806号に記載されているようにシリコーンマクロマーを用いてポリシロキサングラフト共重合成分を導入する方法が好ましい。これらの場合、ポリシロキサン成分はポリマー中の0. 5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、特に好ましくは1質量%以上5質量%以下の場合である。
【0050】
防汚性の付与に対しては、上記以外にも反応性基含有ポリシロキサン(例えば、商品名;KF−100T,X−22−169AS,KF−102,X−22−3701IE,X−22−164B,X−22−5002,X−22−173B,X−22−174D,X−22−167B,X−22−161AS、以上信越化学工業(株)製、商品名;AK−5,AK−30,AK−32、以上東亜合成(株)製、商品名;サイラプレーンFM0275,サイラプレーンFM0721、以上チッソ(株)製等)を添加する手段も好ましい。この際、これらのポリシロキサンは、低屈折率層の全固形分の0. 5質量%以上10質量%以下の範囲で添加されることが好ましく、特に好ましくは1質量%以上5質量%以下の場合である。
【0051】
本発明における低屈折率層では、市販の含フッ素化合物として、例えば、TEFRON(R) AF1600(デュポン社製 屈折率n=1.30)、CYTOP(旭硝子(株)社製 n=1.34)、17FM(三菱レーヨン(株)社製n=1.35)、オプスターJN−7212(JSR(株)社製 n=1.40)、オプスターJN−7228(JSR(株)社製 n=1.42)、LR201(日産化学工業(株)社製 n=1.38)(いずれも商品名)等を利用することもできる。
【0052】
プライマー層には、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリエステルが好ましく用いられる。使用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えば、(メタ)アクリル系ポリマーでは、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアクリレート、(メタ)ウレタンアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルを挙げることができる。また、スチレン系ポリマ−では、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンを例示することができ、ポリエステルでは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールと無水フタル酸、フタル酸、テレフタル酸、無水マレイン酸、マレイン酸等との縮合物等が挙げられる。
【0053】
ポリマーの分子量(または重合度)は、ポリマーのガラス転移温度を考慮して決定する。プライマー層に含まれるポリマーのガラス転移温度や、透明支持体のガラス転移温度は、エンボス加工の処理温度より低いことが好ましく、60℃以上130℃以下であることがさらに好ましい。また、プライマー層の厚さとしては0.1μm以上50μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以上20μm以下の範囲である。
【0054】
常温における表面弾性率(単に弾性率ということあり)としては、プライマー層42は透明支持体41より高い表面弾性率を有する。プライマー層42の表面弾性率としては、好ましくは3GPa以上8GPa以下の範囲であり、さらに好ましくは4GPa以上7GPa以下の範囲である。透明支持体の表面弾性率との差は0.1GPa以上5GPa以下の範囲が好ましく、0.2GPa以上4GPa以下がより好ましい。
【0055】
エンボス加工の処理温度における表面弾性率としては、プライマー層42はハードコート層43より低い表面弾性率を有することが好ましい。プライマー層42とハードコート層43との表面弾性率の差は、0.1GPa以上8GPa以下が好ましく、0.5以上7.5GPa以下がより好ましい。本発明の製造方法におけるプライマー層42は、それを設けることで高精細モードの液晶表示装置においても輝度バラツキ、即ちギラツキを低減させることができるほか、表面硬度を向上させることができる。
【0056】
ここで、表面弾性率は、微小表面硬度計を用いて求めることができる。本発明においては(株)フィッシャー・インスツルメンツ社製のフィッシャースコープH100VPーHCUを用いている。具体的には、ガラス基板上に10μm以上の膜厚を設たサンプルを作成し、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが膜厚の1/10以上を超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求めている。
【0057】
プライマー層42には、上記の各種ポリマーと他のポリマーや粒子を併用してもよい。また、架橋構造を有していても良い。ほかのポリマーと粒子の例には、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアルギン酸およびその塩、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエーテルケトン、多価アルコール、シリカ粒子およびアルミナ粒子が含まれる。
【0058】
架橋構造を得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3ーシクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例えば、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
【0059】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わり、またはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造を導入してもよい。架橋性官能基の例としては、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基を挙げることができ、ヒドラジンアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。ここでの架橋基とは、上記化合物に限らず、上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
【0060】
プライマー層42は、溶剤中にポリマーおよびまたはモノマー、重合開始剤を溶解し、塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。重合開始剤については、ベンゾフェノン系等の水素引き抜き型、アセトフェノン系、トリアジン系等のラジカル開列型を単独あるいは併用してモノマーと共に塗布液に添加するのが好ましい。
【0061】
プライマー層42は、透明支持体41とその上の層との接着を強化する機能を有する。接着強化については、モノマーを用いることがより好ましい。ポリマーとモノマーの含有量比は重量比でポリマー:モノマー=(75〜25):(25〜75)であることが好ましく、より好ましくはポリマー:モノマー=(65〜35):(35〜65)である。
【0062】
本発明の反射防止フィルムの製造方法において、ハードコート層43は、透明支持体41に耐傷性を付与するために設けられている。ハードコート層43は、透明支持体41とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層43は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してもよい。
【0063】
ハードコートに用いる素材としては、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましく、架橋構造を有していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0064】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
【0065】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造を導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジンアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタンも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、ここでの架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
【0066】
ハードコート層43は、溶剤中にモノマーおよび重合開始剤を溶解し、塗布後に重合反応(必要ならばさらに架橋反応)により形成することが好ましい。重合開始剤については、ベンゾフェノン系等の水素引き抜き型、アセトフェノン系、トリアジン系等のラジカル開列型を単独あるいは併用してモノマーと共に塗布液に添加するのが好ましい。ハードコート層の塗布液に、少量のポリマー(例:ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリエステル、アルキド樹脂)を添加してもよい。
【0067】
ハードコート層43の厚さとしては0.5μm以上5μm以下であり、好ましくは0.5μm以上3μm以下の範囲である。このようなハードコート層43の厚さは、エンボス処理の適性に大きく影響する。即ち、ハードコート層43が厚すぎるとエンボス適性を低下し、同じエンボス処理を行っても必要とする粗さを得ることができない。本発明に用いる反射防止フィルム11では、薄くしたハードコート層43の硬さを、高い表面弾性率のプライマー層42でカバーしている。さらに、本発明の製造方法における反射防止フィルム11には、さらに、防湿層、帯電防止層や保護層を設けてもよい。
【0068】
反射防止フィルム11の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)等の塗布により形成することができる。ウエット塗布量を最小化することで乾燥ムラをなくすという観点では、マイクログラビア法およびグラビア法が好ましく、幅方向の膜厚均一性の観点では、特にグラビア法が好ましい。また、2層以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0069】
また、本発明の製造方法における反射防止フィルム11を偏光子の表面保護フィルムの片側として用いる場合には、透明支持体41の反射防止層13が形成される面とは反対側の面をアルカリによって鹸化処理することが必要である。アルカリ鹸化処理の具体的手段としては、以下の2つから選択することができる。
【0070】
ひとつの方法は、透明支持体41の上に反射防止層13を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、フィルムの裏面を鹸化処理する方法であり、2つめの方法は、透明支持体41の上に反射防止層を形成する前または後に、アルカリ液を反射防止フィルムの反射防止層13を形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、フィルムの裏面だけを鹸化処理するというものである。
【0071】
汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点では前者の方法が優れているが、反射防止フィルム面まで鹸化処理されるため、表面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題になり得る。その場合には、特別な工程となるが、後者の方法が優れる。
【0072】
本発明の製造方法における反射防止フィルム11は、これを偏光子の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。また、液晶表示装置の視野角を改良する視野角拡大フィルムなどの光学補償フィルム、位相差板等を組み合わせて使用することもできる。また、透過型または半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
【0073】
また、λ/4板と組み合わせることで、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面および内部からの反射光を低減するのに用いることができる。さらに、PET、PEN等の透明支持体上に本発明の反射防止層を形成して、プラズマディスプレイパネル(PDP)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。
【0074】
【実施例】
以下に、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(プライマー層用塗布液Aの調整)
重量平均分子量25,000のメタクリル酸メチル樹脂200質量部を480質量部のメチルエチルケトンと320質量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液を、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してプライマー層42用塗布液Aを調製した。
【0075】
(プライマー層用塗布液Bの調整)
重量平均分子量44,000のアリルメタクリレート−メタクリル酸共重合体樹脂100質量部を900質量部のメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してプライマー層42用塗布液Bを調製した。
【0076】
(プライマー層用塗布液Cの調製)
重量平均分子量25,000のメタクリル酸メチル樹脂100重量部とウレタンアクリレート(紫光UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)100重量部を480重量部のメチルエチルケトンと320重量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)3重量部を加え、溶解するまで攪拌した。得られた溶液を、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してプライマー層42用塗布液Cを調製した。
【0077】
(ハードコート層用塗布液の調整)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)306質量部を、16質量部のメチルエチルケトンと220質量部のシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5質量部を加え、溶解するまで攪拌した後に、450質量部のMEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)を添加し、撹拌して混合物を得、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過してハードコート層43用塗布液を調製した。
【0078】
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン超微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)250g、架橋反応性基含有アニオン性ポリマーP1を37.5g、カチオン性モノマー(DMAEA、(株)興人製)を2.5g、およびシクロヘキサノンを710g混合して、ダイノミルにより分散し、重量平均径65nmの二酸化チタン分散液を調整した。
【0079】
【化1】
【0080】
(中屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン750質量部およびメチルエチルケトン190質量部に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、チバガイギー社製)1.1質量部および光増感剤(商品名;カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4質量部を溶解した。さらに、二酸化チタン分散物31質量部およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)21質量部を加え、室温で30分間撹拌した後、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過して、中屈折率層55用塗布液を調製した。
【0081】
(高屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン540質量部およびメチルエチルケトン180質量部に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、チバガイギー社製)1.3質量部および光増感剤(商品名;カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.4質量部を溶解した。さらに、二酸化チタン分散物264質量部およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)16質量部を加え、室温で30分間撹拌した後、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過して、高屈折率層50用塗布液を調製した。
【0082】
(低屈折率層用塗布液Dの調製)
含フッ素共重合体PF1を下記の方法で合成した後、シクロヘキサノン193重量部およびメチルエチルケトン623重量部に、光重合開始剤(商品名;イルガキュア907、チバガイギー社製)1.7重量部および反応性シリコーン(商品名;X−22−164B、信越化学工業(株)製)1.7重量部を溶解した。さらに、含フッ素共重合体PF1の18.4重量パーセントのメチルイソブチルケトン溶液182重量部を添加、撹拌の後、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過して、低屈折率層44用塗布液Aを調製した
【0083】
【化2】
【0084】
含フッ素共重合体PF1の合成を以下に説明する。内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7gおよび過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらに、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gを、オートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4×105 Paであった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2×105 Paに達した時点で加熱をやめて放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
【0085】
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらに、このポリマーを少量の酢酸エチルに溶解して、ヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥した後、ポリマー28gを得た。次に、このポリマーの20gをN, N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解し、氷冷下でアクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗し、有機層を抽出した後に濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより含フッ素共重合体PF1を19g得た。得られた含フッ素共重合体PF1の数平均分子量は3.1万であり、屈折率は1.421であった。
【0086】
(低屈折率層用塗布液Eの調製)
含フッ素共重合体PF2を下記の方法で合成した後、シクロヘキサノン193重量部およびメチルエチルケトン623重量部に、光重合開始剤(商品名;UVI16990、ユニオンカーバイト社製)3.4重量部および反応性シリコーン(商品名;X−22−169AS、信越化学工業(株)製)3.4重量部を溶解した。さらに、含フッ素共重合体PF2の18.4重量パーセントのメチルイソブチルケトン溶液182重量部を添加、撹拌の後、孔径3μmのポリプロピレン製フィルター(PPE−03)で濾過して、低屈折率層44用塗布液Eを調製した
【0087】
【化3】
【0088】
含フッ素共重合体PF2の合成方法を以下に説明する。内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル30ml、グリシジルビニルエーテル11.5gおよび過酸化ジラウロイル0.42gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらに、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)21gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は6.2×105 Paであった。この温度を保持して8時間反応を続け、圧力が3.6×105 Paに達した時点で加熱をやめて放冷した。
【0089】
室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらに、このポリマーを少量の酢酸エチルに溶解して、ヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥した後、含フッ素共重合体PF2を21g得た。得られた含フッ素共重合体PF2の数平均分子量は2.8万であり、屈折率は1. 424であった。
【0090】
(反射防止フィルムの作製)
80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルム(商品名;TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製、)に、上記のプライマー層用塗布液Aを、グラビアコーターを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥し、プライマー層42を形成した。なお、用いたセルローストリアセテートフィルムの常温(25℃)での表面弾性率Eは3.9GPa、120℃での表面弾性率Eは2.3GPaである。また、プライマー層42の屈折率は1.49で、膜厚は8μmであり、常温(25℃)での表面弾性率Eは4.2GPa、さらに、120℃での表面弾性率Eは0.9GPaである。
【0091】
プライマー層42の上に、上記のハードコート層用塗布液を、グラビアコーターを用いて塗布し、100℃で2分間乾燥した。次に紫外線を照射して、塗布層を硬化させ、ハードコート層43を設けた。ハードコート層43の屈折率は1.51で、膜厚は2μm、常温(25℃)での表面弾性率Eは8.9GPaであり、120℃での表面弾性率Eは7.7GPaである。
【0092】
続いて、上記の中屈折率層用塗布液を、グラビアコーターを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層55を設けた。中屈折率層55の屈折率は1.63であり、膜厚は67nmである。
【0093】
中屈折率層55の上に、上記の高屈折率層用塗布液をグラビアコーターを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層50を設けた。高屈折率層50の屈折率は1.90であり、膜厚は107nmである。
【0094】
さらに、高屈折率層50の上に、上記の低屈折率層用塗布液Dをグラビアコーターを用いて塗布し、100℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、低屈折率層44を形成した。このようにして反射防止フィルム11を作製した。なお、低屈折率層44の屈折率は1.43であり、膜厚は86nmである。
【0095】
〔実施例1−1〕
平板ホットプレスに使用するエンボス版21に、10×50×50mmのSUS630を基材とし、50×50mmの片面にNi鍍金を100μの厚さで施し、粒経が20μ以下でかさ比重1.5〜1.6kg/Lのガラスビーズ32を圧力2.5×105 Paで吹き付けて凹凸を形成し、版を製作した。製作した反射防止フィルム11に、ホットプレス機( 東洋精機( 株) 製) を用いて、圧力を400×105 Pa、エンボス板21の温度を165℃、バックアップ材にSUS630を用いて室温とし、プレス時間を120秒として平板プレス加工を行った。本実施例の結果、得られた防眩性反射防止フィルムの表面は、目視でザラツキ感の無く、質感の高いものであった。また、各層の厚さを調べたところ、いずれの層の厚さも厚さ平均値±1%未満であり、実質的に均一であった。
【0096】
続いて、得られた防眩性反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。その結果については表1にまとめる。
(1)鏡面反射率
分光光度計Vー550(日本分光(株)製)にアダプターARV−474を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5度の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
【0097】
(2)算術平均粗さ・凹凸平均周期
表面を(株)ミツトヨ製のSJ−401を使用して計測を行った。
【0098】
(3)表面弾性率
微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ社製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を用いて求めた。
【0099】
(4)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS−K−5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS−S−6006に規定するH〜5Hの試験用鉛筆を用いて、500gの荷重にて、判定評価し、○となる最も高い硬度を評価値とした。判定は、試行回数nを5とする評価において、傷なしまたは傷1つの場合を○、傷が3つ以上の場合を×とした。
【0100】
(5)接触角測定
表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、純水の接触角を測定し、指紋付着性の指標とした。
【0101】
(6)動摩擦係数測定
表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した値を用いた。
【0102】
(7)ギラツキ評価
作製した反射防止フィルムを、200ppi(200pixels/inch)に模したセルに距離1mmのところにフィルムを乗せ、ギラツキ(反射防止フィルムの表面突起が原因の輝度バラツキ)の程度を目視評価した。その評価基準は、全くギラツキが見られないものが◎であり、ほとんどギラツキが見られないものが○、また、わずかにギラツキがあるものは△とし、不快なギラツキがあるものは×である。
【0103】
(8)防眩性評価
作製した反射防止フィルムを、ルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2 )を映し、蛍光灯の反射像のボケの程度を、目視評価を行い、その基準は蛍光灯がぼけている(防眩性あり)ものを○とし、蛍光灯がほとんどぼけない(防眩性不足)ものを×とした。
【0104】
〔実施例1−2〕
ガラスビーズ32を粒径30μ以下のものとし、かさ比重1.5〜1.6Kg/Lとした以外は、実施例1−1と同様にして、平板プレス加工を行い防眩性反射防止フィルムを作製した。得られた防眩性反射防止フィルム表面は、目視でザラツキ感の無く、質感の高いものであった。また、各層の厚さを調べたところ、いずれの層の厚さも厚さ平均値±1%未満であり、実質的に均一であった。実施例1と同様の項目について評価を行い、その結果については表1に記載する。
【0105】
〔実施例1−3〕
ガラスビーズ32を粒径50μ以下とし、かさ比重1.5〜1.6kg/Lとした以外は、実施例1−1と同様にして、平板プレス加工を行い防眩性反射防止フィルムを作製した。得られた防眩性反射防止フィルム表面は、目視でザラツキ感の無く、質感の高いものであった。また、各層の厚さを調べたところ、いずれの層の厚さも厚さ平均値±1%未満であり、実質的に均一であった。実施例1と同様の項目について評価を行い、その結果については表1に記載する。
【0106】
【表1】
【0107】
表1に示すように、実施例1−1では防眩性とギラツキの防止が両立されている。低反射であり非常に好ましい反射特性を有するだけでなく、動摩擦係数が0.15と低い為、耐傷性に優れる。また、純水の接触角も100°前後と高いことから、撥水、撥油性に優れるために、防汚性に優れ、更に、鉛筆硬度が3Hと高く、傷がつきにくく、高品位な反射防止フィルムが作製することができた。実施例1−2及び実施例1−3では、凹凸の平均周期RSmが大きくなって粗くなったために、ギラツキが見られた。
【0108】
〔実施例2〕
片面エンボシングカレンダー機10(由利ロール(株)製)を用いて、ロールプレスによるエンボス加工を行った。S45Cにハードクロームメッキを100μm被覆したバックアップロール15をセットした。エンボスローラ14に、実施例1−1の表面処理と同様に、S45CにNiメッキを100μm被覆し、粒経20μ以下で、かさ比重1.5〜1.6kg/Lのガラスビーズを、圧力2.5×105 Paで吹き付けて凹凸を作製した。プレヒート処理の温度が90℃、処理速度が0.5m/分の条件下で、エンボスローラ14の温度を105〜195℃とし、プレス線圧を500N/cm以上4000N/cmとして防眩性反射防止フィルムの製作をおこなった。なお、これらの製作条件による防眩性反射防止フィルムの結果を実施例2−1〜実施例2−5として表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】
実施例2−3では、幅方向均一に防眩性が付与され、低反射であり非常に好ましい反射特性を有するだけでなく、動摩擦係数が0.15と低い為、耐傷性に優れている。純水の接触角も100°前後と高いことから、撥水、撥油性に優れるために、防汚性に優れており、更に、鉛筆硬度が3Hと高く、傷がつきにくい、高品位な防眩性反射防止フィルムを作製することができた。実施例2−1では、線圧が低すぎ転写せず、実施例2−2では、幅方向に均一には転写しなかった。実施例2−4では、温度が低すぎて、プライマー層42の表面弾性率が十分に低下せず、十分な防眩性が得られなかった。また、実施例2−5では温度が高すぎて、膜厚が実質均一なフィルムにならず面状不良となり防眩性反射防止フィルムとして機能しなかった。
【0111】
〔実施例3〕
ホットプレス機( 東洋精機( 株) 製) を用いて、エンボス板21の温度を165℃とし、バックアップ部材22にSUS630を使用して室温とし、プレス時間を120秒とした条件下で平板エンボス加工を行った。エンボス板21は、実施例1−1と同様のものを使用した。エンボス板21の温度を105〜195℃、プレス圧力を50×105 Pa以上400×105 Paとして防眩性反射防止フィルムの製作をおこなった。なお、これらの製作条件による防眩性反射防止フィルムの結果を実施例3−1〜実施例3−5として表3に示す。
【0112】
【表3】
【0113】
実施例3−2及び3−3では、表面に均一に凹凸が付与されており、低反射であり非常に好ましい反射特性を有するだけでなく、動摩擦係数が0.15前後と低い為、耐傷性に優れたものとなった。純水の接触角も100°前後と高く、撥水、撥油性に優れるために、防汚性に優れ、更に、鉛筆硬度が3Hと高く、傷がつきにくい、高品位な反射防止フィルムを作製することができた。実施例3−1では、圧力が低すぎて均一に凹凸を転写することができなかった。実施例3−4では、温度が低すぎて、プライマー層の表面弾性率が十分低下せず、十分な防眩性が得られなかった。また、実施例3−5では温度が高すぎて、実質的に均一な膜厚のフィルムにならず、面状不良となって、防眩性反射防止フィルムとして機能しなかった。
【0114】
〔実施例4〕
実施例2で作成した実施例2−3における反射防止フィルムを、2.0規定、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬して、フィルムの裏面のセルローストリアセテート面を鹸化処理し、80μmの厚さのセルローストリアセテートフィルム(TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製)を同条件で鹸化処理したフィルムとでポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作成した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作成した。このようにして作成した偏光板を、反射防止膜側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置の視認側の偏光板と貼り代えた。なお、この液晶表示装置は、偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のDーBEFを、バックライトと液晶セルとの間に有している。本実施例の結果、得られた表示装置は、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高いものであった。
【0115】
〔実施例5〕
実施例4の鹸化処理を、1.0規定のKOH水溶液を塗布バーにて反射防止フィルムの裏面に塗布し、フィルムの表面温度を60℃にして10秒間処理した後に水洗し、乾燥した以外は実施例4と同様に実施した。実施例4と同様の表示品位の高い表示装置が得られた。
【0116】
〔実施例6〕
実施例5の反射防止フィルムを貼り付けた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムおよびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムとして、ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ、前記ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する視野角拡大フィルム(商品名;ワイドビュ−フィルムSA−12B、富士写真フィルム(株)製)を用いた。本実施例の結果、得られた液晶表示フィルムは、明室でのコントラストに優れ、且つ、上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れ、表示品位の高いものであった。
【0117】
〔実施例7〕
実施例2−3の反射防止フィルムを、有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせた。本実施例の結果、ガラス表面での反射が抑制され、視認性の高い表示装置が得られた。
【0118】
〔実施例8〕
実施例4で得られた片面反射防止フィルム付き偏光板の反射防止膜を有している側の反対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表面のガラス板に貼り付けた。本実施例の結果、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示が得られた。
【0119】
【発明の効果】
本発明者は、微粒子をマット材として使用せずに、塗布層の表面を上記の表面粗さの状態とする手段を検討し、エンボス加工時のエンボス版の製作方法およびエンボス加工条件を鋭意検討した。その結果、塗布層の厚さを均一に保った状態で、上記の表面粗さを達成することができた。従って、本発明の製造方法における反射防止フィルムは、低屈折率層が塗布層であるにもかかわらず、蒸着層からなる反射防止フィルムに匹敵する反射防止機能、防眩機能と高精細適性を有しており、塗布とエンボス加工との簡単な工程により製造することができる。よって、蒸着法による製造方法に比べ、大量生産に適したものとなっており非常に有効な製造方法である。以上のような製造方法によって反射防止フィルムを製造してこれを用いることによって、画像表示装置の画像表示面における外光の反射を有効に防止すると同時に、背景の映り込みを有効に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であり、反射防止フィルムに防眩性を付与する工程の断面図である。
【図2】別の実施形態としての防眩性付与方法を示す断面図である。
【図3】ビーズショット法による版の製作法を示す断面図である。
【図4】エンボス加工後の反射防止フィルムを示す断面図である。
【図5】エンボス加工後の反射防止フィルムであり、別の実施形態の断面図である。
【図6】エンボス加工後の反射防止フィルムであり、別の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
10 片面エンボシングカレンダー機
11 反射防止フィルム
13 反射防止層
14 エンボスローラ
21 エンボス板
31 サンドブラスト
32 ビーズ
Claims (6)
- エンボス加工によりフィルム表面に凹凸を付与する反射防止フィルムの製造方法において、
前記エンボス加工に使用する版の凹凸の算術平均粗さを0.05以上2.00μm以下とし、かつ、前記凹凸の平均周期を50μm以下とすることを特徴とする防眩性反射防止フィルムの製造方法。 - 前記版の製作方法が、直径が0.1μm以上50.0μm以下のビーズを用いたビーズショット法であることを特徴とする請求項1記載の防眩性反射防止フィルムの製造方法。
- 前記エンボス加工を、平板プレス加工で行うことを特徴とする請求項1または2記載の防眩性反射防止フィルムの製造方法。
- 前記エンボス加工を前記フィルムに施すときの前記フィルムの温度を110℃以上195℃以下とし、さらに、プレス圧力を5×105 Pa以上40×105 Pa以下とすることを特徴とする請求項3記載の防眩性反射防止フィルムの製造方法。
- 前記エンボス加工を、ロールプレス加工で行うことを特徴とする請求項1または2記載の防眩性反射防止フィルムの製造方法。
- 前記エンボス加工を前記フィルムに施すときの前記フィルムの温度を110℃以上195℃以下とし、さらに、プレス線圧を500N/cm以上4000N/cm以下とすることを特徴とする請求項5記載の防眩性反射防止フィルムの製造方法。
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