JPH07182692A - 光ディスクハードコート用樹脂組成物及びその硬化被膜を有する光ディスク - Google Patents

光ディスクハードコート用樹脂組成物及びその硬化被膜を有する光ディスク

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JPH07182692A
JPH07182692A JP5322046A JP32204693A JPH07182692A JP H07182692 A JPH07182692 A JP H07182692A JP 5322046 A JP5322046 A JP 5322046A JP 32204693 A JP32204693 A JP 32204693A JP H07182692 A JPH07182692 A JP H07182692A
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meth
optical disk
resin composition
acrylate
alkanediol
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JP5322046A
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Shiro Miyata
志郎 宮田
Tomoaki Hara
智章 原
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DIC Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロイル基を有するアミンおよび20
〜60重量%のアルカンジオールジ(メタ)アクリレー
トを含有する光ディスクハードコート用樹脂組成物及び
その硬化被膜を有する光ディスク。 【効果】 本発明の樹脂組成物によれば、良好な帯電防
止性能と耐擦傷性、白濁防止効果を維持しつつ、塗布外
観及び基板との密着性が改善されるので、記録再生エラ
ーが少なく、特に高温高湿環境における耐久性に優れた
ハードコートを有する光ディスクを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光などにより
情報の記録、再生及び/又は消去を行なう光ディスクの
ハードコートに用いられる硬化性樹脂組成物及び該硬化
性樹脂組成物の硬化被膜を有する光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザー光などの光ビームを用い
て、高密度の情報の記録、再生及び/又は消去を行なう
光ディスクが注目されている。光ディスクは、片面に案
内溝を有したポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート、アモルファスポリオレフィン等の透明円盤状樹脂
製基板の案内溝上に誘電体膜、記録膜、反射膜等が積層
されており、これら積層膜は紫外線硬化樹脂等の硬化性
樹脂の硬化被膜より成る保護膜により被覆されている。
また、光ビームは、透明円盤状樹脂製基板の積層膜とは
反対の面から入射するので、レーザー光入射面の基板の
傷付きや塵埃の付着による記録再生エラーを生じ易い。
記録再生エラーを防止するために、帯電防止成分を含有
した紫外線硬化型樹脂等の硬化性樹脂の硬化被膜より成
るハードコートがレーザー光入射面側になされている。
【0003】このハードコートに用いられる樹脂組成物
に含有される帯電防止成分の中でも、特開昭57−65
761号公報等に開示されているリン酸基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルは、帯電防止効果が高く、かつ
硬化反応により、それ自身架橋反応に関与し、被膜成分
に固定されるため、帯電防止性能の安定性に優れてい
る。しかしながら、このリン酸基を有する(メタ)アク
リル酸エステルを含有する硬化性樹脂組成物の硬化被膜
は、経時的に白濁してしまうという欠点があった。この
白濁は、例えば、80℃、85%RHの高温高湿環境に
おいて更に加速される。従って、光ディスクのハードコ
ートとして、かかる樹脂組成物を適用した場合、レーザ
ー光入射面が白濁して記録再生が不可能と成ることもあ
る。
【0004】また、特開平4−67330号公報には、
エチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの
リン酸モノエステル化合物と有機アミン化合物との1:
1付加物を0.1〜20重量%含有する硬化性樹脂組成
物で被覆した光ディスクが開示されている。この光ディ
スクは、本発明者らの検討によれば、室温での白濁の発
生は遅いものの、80℃、85%RHでの高温高湿環境
においては500時間以内に白濁が発生し、白濁防止効
果が不十分であることが判明した。また、この1:1付
加物は、他のモノマー及び/又はオリゴマーとの相溶性
が悪く、20重量%以上添加できないため、十分な帯電
防止効果が得られないという欠点があった。
【0005】また、特開平5−186534号公報に
は、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルに、
(メタ)アクリロイル基を有するアミンより成る樹脂組
成物が開示されている。ここで用いられたリン酸基を有
する(メタ)アクリル酸エステルは、特開平4−673
30号公報に開示のようにリン酸モノエステルに限定さ
れることなく、モノエステルとジエステルの混合物を用
いることにより、他成分との相溶性が改善されるので、
十分な帯電防止効果と表面硬度のバランスが取ることが
でき、かつ(メタ)アクリロイル基を有するアミンの添
加量を特定することにより高温高湿環境における白濁が
防げることが見い出されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この樹
脂組成物は、保存安定性が悪く、暗所で保存しても固化
してしまうため、工業的に利用する際の効率が悪く、ま
た基板との密着性が悪く、高温高湿環境で剥離してしま
う、あるいはレベリング性が悪く、ハードコート時にス
ジや塗布むら等の塗布外観不良が発生し易いため、記録
再生エラーを引き起こし易い、という問題点があり、光
ディスクのハードコート剤としての総合的な性能に劣っ
ていた。
【0007】本発明が解決しようとする第1の課題は、
リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを帯電防
止成分とする光ディスク用ハードコート樹脂組成物に関
して、良好な帯電防止効果と耐擦傷性及び白濁防止効果
を保持しつつ、樹脂組成物の保存安定性、基板との密着
性及び塗布外観を改善し、光ディスクのハードコート剤
としての総合的な性能が優れた樹脂組成物を提供するこ
とにあり、第2の課題は、該樹脂組成物により被覆さ
れ、特に高温高湿環境におけるハードコートの密着性や
透明性等の耐久性に優れた光ディスクを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリロイル基を有するアミン及びアル
カンジオールジ(メタ)アクリレートを含有し、アルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレートの含有量が20〜6
0重量%の範囲にあることを特徴とする光ディスクハー
ドコート用樹脂組成物を提供する。
【0009】本発明の光ディスクハードコート用樹脂組
成物は、ROMディスク、追記型ディスク、相変化型デ
ィスク、有機フォトクロミック材料を記録層としたディ
スク、磁気光学効果を利用した光磁気ディスク等、全て
のタイプの光ディスクに適用できる。また、本発明の光
ディスクハードコート用樹脂組成物は、上記光ディスク
のレーザー光が入射される面に、スピンコート法等のコ
ーティング手段によって塗布され、しかる後に紫外線や
電子線などの活性光線の照射及び/又は加熱されること
により硬化してハードコートと称される硬質被膜を形成
し得るものである。
【0010】本発明で使用するリン酸基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、例えば、式
【0011】
【化1】CH2=CHCOOCH2CH2OPO(OH)2
【0012】で表わされるエチレンオキシド変性リン酸
アクリレート、式
【0013】
【化2】 CH2=C(CH3)COOCH2CH2OPO(OH)2
【0014】で表わされるエチレンオキシド変性リン酸
メタクリレート、式
【0015】
【化3】 (CH2=CHCOOCH2CH2O)2PO(OH)
【0016】で表わされるエチレンオキシド変性リン酸
ジアクリレート、式
【0017】
【化4】(CH2=C(CH3)COOCH2CH2O)2
PO(OH)
【0018】で表わされるエチレンオキシド変性リン酸
ジメタクリレート、式
【0019】
【化5】 CH2=CHCOOCH2CH(CH3)OPO(OH)2
【0020】で表わされるプロピレンオキシド変性リン
酸アクリレート、式
【0021】
【化6】CH2=C(CH3)COOCH2CH(CH3
OPO(OH)2
【0022】で表わされるプロピレンオキシド変性リン
酸メタクリレート、式
【0023】
【化7】(CH2=CHCOOCH2CH(CH3)O)2
PO(OH)
【0024】で表わされるプロピレンオキシド変性リン
酸ジアクリレート、式
【0025】
【化8】(CH2=C(CH3)COOCH2CH(C
3)O)2PO(OH)
【0026】で表わされるプロピレンオキシド変性リン
酸ジメタクリレート、式
【0027】
【化9】 CH2=CHCO(OCH2CH2nOPO(OH)2
【0028】で表わされるポリエチレンオキシド変性リ
ン酸アクリレート、式
【0029】
【化10】CH2=C(CH3)CO(OCH2CH2n
OPO(OH)2
【0030】で表わされるポリエチレンオキシド変性リ
ン酸メタクリレート、式
【0031】
【化11】 (CH2=CHCO(OCH2CH2nO)2PO(OH)
【0032】で表わされるポリエチレンオキシド変性リ
ン酸ジアクリレート、式
【0033】
【化12】(CH2=C(CH3)CO(OCH2CH2
nO)2PO(OH)
【0034】で表わされるポリエチレンオキシド変性リ
ン酸ジメタクリレート、式
【0035】
【化13】CH2=CHCO(OCH2CH(CH3))n
OPO(OH)2
【0036】で表わされるポリプロピレンオキシド変性
リン酸アクリレート、式
【0037】
【化14】CH2=C(CH3)CO(OCH2CH(C
3))nOPO(OH)2
【0038】で表わされるポリプロピレンオキシド変性
リン酸メタクリレート、式
【0039】
【化15】(CH2=CHCO(OCH2CH(CH3))
nO)2PO(OH)
【0040】で表わされるポリプロピレンオキシド変性
リン酸ジアクリレート、式
【0041】
【化16】(CH2=C(CH3)CO(OCH2CH
(CH3))nO)2PO(OH)
【0042】で表わされるポリプロピレンオキシド変性
リン酸ジメタクリレート等の単独又は2種以上の混合物
が挙げられる。特に、モノ(メタ)アクリレート体とジ
(メタ)アクリレート体を約1:1程度の比率で混合し
たものは、帯電防止性能と他成分との相溶性や表面硬度
のバランスが取れているため、好ましく用いることがで
きる。これらモノ(メタ)アクリレート体とジ(メタ)
アクリレート体の混合物は、「MR−200」、「AR
−200」等の商品名で大八化学工業社等より市販され
ている。これらの化合物の光ディスクハードコート用樹
脂組成物中の含有量は、1〜50重量%の範囲が好まし
い。これらの化合物の含有量が1重量%より少ないと、
得られた硬化被膜が帯電防止性能に劣る傾向にあり、5
0重量%より多いと、得られた硬化被膜が耐擦傷性、耐
水性及び耐湿熱性に劣る傾向にあるので好ましくない。
【0043】また、本発明で使用する(メタ)アクリロ
イル基を有するアミンとしては、例えば、N,N−ジエ
チルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート等が挙げられる。
【0044】(メタ)アクリロイル基を有するアミンの
使用割合としては、リン酸基を有する(メタ)アクリル
酸エステルの酸としての当量を1とした場合、(メタ)
アクリロイル基を有するアミンの塩基としての当量が
0.55〜0.80の範囲であることが好ましい。(メ
タ)アクリロイル基を有するアミンの添加割合が0.5
5よりも少ない場合、高温高湿環境において硬化被膜に
白濁が発生する傾向にあり、また、0.80よりも多い
場合、硬化被膜の帯電防止性能、樹脂組成物の保存安定
性が悪化する傾向にあるので好ましくない。
【0045】また、本発明で使用するアルカンジオール
ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、炭素原子数
が2〜20の範囲にある直鎖のアルカンの両末端の炭素
原子に(メタ)アクリレート基が結合しているものが好
ましいが、その中でも1,6−ヘキサンジオールジアク
リレートが、組成物の保存安定性と密着性向上、及び表
面外観向上に対する効果が高いので特に好ましく用いる
ことができる。また、アルカンジオールジ(メタ)アク
リレートの樹脂組成物中の使用割合は、20〜60重量
%の範囲である。アルカンジオールジ(メタ)アクリレ
ートの使用割合が20重量%よりも少ない場合、コーテ
ィング後の塗布外観が悪化し、また樹脂組成物の保存安
定性、樹脂組成物と基板との密着性が低下するので、好
ましくない。また、アルカンジオールジ(メタ)アクリ
レートの使用割合が60重量%を超える場合、硬化被膜
の表面硬度や帯電防止性能が低下するので好ましくな
い。
【0046】本発明においてはアルカンジオールジ(メ
タ)アクリレートを20〜60重量%の範囲で含有する
ことにより、樹脂の保存安定性が向上するが、他の成分
によっては暗所における固化が生じることがある。その
ような場合、市販モノマーに既に含有されているメチル
エーテルハイドロキノン等の汎用的な重合禁止剤を添加
しても固化を防ぐことはできないが、特定の重合禁止
剤、即ち、t−ブチルハイドロキノン及び/又は2,6
−ジ−t−ブチルパラクレゾールの添加により固化を防
ぐことができる。これら特定の重合禁止剤の添加量は、
樹脂組成物に対し500PPM〜2000PPMの範囲
が好ましい。これら特定の重合禁止剤の添加量が500
PPMよりも少ない場合、固化防止効果が不十分となる
傾向にあり、これら特定の重合禁止剤の添加量が200
0PPMよりも多い場合、硬化速度の低下などの悪影響
を引き起こす傾向にあるので、好ましくない。
【0047】上記の成分の他に、活性光線硬化性オリゴ
マー、活性光線硬化性多官能モノマー、活性光線硬化性
単官能モノマー、更に必要に応じて光重合開始剤、レベ
リング剤、潤滑剤等の樹脂添加剤等を適宜混合すること
により、本発明の光ディスクハードコート用樹脂組成物
を得ることができる。
【0048】この樹脂組成物から成る硬化被膜は、耐擦
傷性と耐塵埃付着性の観点から、その鉛筆硬度は、H以
上であり、表面抵抗率は、5×1013Ω/□以下である
ことが好ましい。
【0049】また、本発明の光ディスクは、片面に案内
溝を有するポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、アモルファスポリオレフィン等の透明円盤状樹脂製
基板の案内溝の無い側に、上述したハードコート用樹脂
組成物の硬化被膜を形成し、更に案内溝のある側に誘電
体膜、記録膜、反射膜等を積層し、これら積層膜を硬化
性樹脂等より成る保護コートにより被覆し、更に必要に
応じてハブを付け、カートリッジへ組み込むことにより
得ることができる。勿論、積層膜及び保護コートを先に
形成した後にハードコートを形成しても良い。また、こ
れら光ディスクは単板であっても、2枚以上を貼り合わ
せたものであってもよい。
【0050】本発明の硬化性樹脂組成物を用いたハード
コート及び他の硬化性樹脂等より成る保護コートは、ス
ピンコート法やロールコーター法、スクリーン印刷法等
の塗布方法により均一に塗布した後に、紫外線や電子線
などの活性光線照射による硬化及び/又は熱硬化等の硬
化手段によって硬化せしめることにより形成することが
できる。この中でも塗布方法としては、生産性や表面外
観の観点からスピンコート法が好ましく、また硬化手段
も高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等による紫外
線照射により硬化させるのが装置も簡単で生産性にも優
れるので好ましい。この場合、硬化性樹脂組成物中には
適当な光重合開始剤を添加することが好ましい。また酸
素による重合阻害を防ぐため、窒素雰囲気下で硬化を行
なっても良い。
【0051】また、誘電体膜、記録膜、反射膜等の積層
膜は、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理
蒸着法、プラズマCVD等の化学蒸着法により形成する
ことができる。
【0052】誘電体膜の材質としては、例えば、SiN
x、SiOx、AlSiN、AlN、TaOx等が挙げら
れる。
【0053】記録膜の材質は、記録方式により異なる
が、追記型光ディスクでは、例えば、Te、Sn、Se
等のカルコゲナイト系合金、相変化型光ディスクでは、
例えば、TeOx、InSe、SnSb等のカルコゲナ
イト系合金、光磁気ディスクでは、例えば、TbFeC
o、NdDyFeCo等の遷移金属と希土類金属との合
金膜の単層及び2層以上の交換結合膜等が挙げられる。
【0054】反射膜の材質としては、例えば、Al、A
u、Ag、Cu等の金属膜、Al−Ti、Al−Cr等
の合金膜が挙げられる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例によって制限されるも
のではない。尚、実施例中「部」は「重量部」を表わ
す。
【0056】(実施例1)リン酸基を有する(メタ)ア
クリル酸エステルとして、エチレンオキシド変性リン酸
メタクリレートとエチレンオキシド変性リン酸ジメタク
リレートの約1:1混合物(大八化学工業社製の「MR
−200」)を35部、(メタ)アクリロイル基を有す
るアミンとして、ジメチルアミノエチルメタクリレート
(共栄社化学工業社製の「ライトエステルDM」)を2
6部、アルカンジオールジ(メタ)アクリレートとし
て、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化
薬社製の「カヤラッドHDDA」)を23部、多官能ア
クリル酸モノマーとして、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート(共栄社化学工業社
製の「ライトアクリレートTMP−6EO−3A」)を
12部、重合禁止剤として、t−ブチルハイドロキノン
(関東化学社製)を0.1部、光重合開始剤として「ダ
ロキュア1173」(チバガイギー社製)を3.9部を
混合して樹脂組成物を調製した。
【0057】この樹脂組成物を、3.5インチの光ディ
スク用ポリカーボネート基板のレーザー光入射面に、ス
ピンコート法により約5μmの膜厚と成るように塗布し
た後、紫外線を照射して硬化被膜を形成した。
【0058】更に、この基板のハードコート層とは反対
の面に、SiNから成る第1誘電体層、TbFeCoか
ら成る光磁気記録層、SiNから成る第2誘電体層、A
lから成る反射膜層を順次スパッタ法により成膜した。
更に、反射膜上に、「ダイキュアクリアSD−301」
(大日本インキ化学工業(株)製の保護コート剤)を約
10μmの膜厚に成るように塗布した後、紫外線を照射
して硬化させて、光ディスクを製造した。
【0059】(実施例2〜6、比較例1〜9)実施例1
において、樹脂組成物の組成を表1、表2及び表3に示
したように変更した以外は実施例1と同様にして、樹脂
組成物及び光ディスクを製造した。なお、いずれの例に
おいても、光重合開始剤として「ダロキュア1173」
を3.9部用いた。また、酸当量は各リン酸(メタ)ア
クリル酸エステルの酸価より計算し、塩基当量はアミン
モノマーの分子量より計算し、塩基当量/酸当量の比率
を算出した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】表1、表2及び表3において、表中の略号
は、以下の化合物を表わし、略号の下の数字は、配合量
(部)を表わす。
【0064】AR−200 : エチレンオキシド変性
リン酸アクリレートとエチレンオキシド変性リン酸ジア
クリレートの約1:1混合物(大八化学工業社製) PM : エチレンオキシド変性リン酸メタア
クリレート(共栄社化学工業社製) DE : ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト(共栄社化学工業社製) 1,4−BG : 1,4−ブタンジオールジメタクリ
レート(共栄社化学工業社製) 1,10−DC: 1,10−デカンジオールジメタク
リレート(共栄社化学工業社製) PE−4A : ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート(共栄社化学工業社製) 2,6−di : 2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾ
ール(関東化学社製) MEHQ : メチルエーテルハイドロキノン(関
東化学社製) ホスマーDM : エチレンオキシド変性リン酸メタア
クリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの
1:1付加物(ユニケミカル社製)
【0065】(評価)以下の評価項目について評価し、
その結果を表4及び表5にまとめて示した。
【0066】(保存安定性)各実施例及び各比較例で得
た樹脂組成物を80℃の乾燥炉中で1カ月保存し、固化
の有無で判断した。
【0067】(鉛筆硬度)各実施例及び各比較例で得た
樹脂組成物をガラス板上に塗布硬化させた後、これらの
硬化被膜についてJIS K−5400に従って鉛筆硬
度を測定した。
【0068】(表面抵抗率)各実施例及び各比較例で得
た光ディスクについて、ハードコート面の表面抵抗率を
JIS K−6911に従って測定した。
【0069】(塗布外観)各実施例及び各比較例で得た
光ディスクについて、ハードコート面の外観を目視で判
断した。
【0070】(高温高湿試験)各実施例及び各比較例で
得た光ディスクについて、80℃、85%RHの高温高
湿環境で2000時間保存し、コーティングの剥離の有
無、白濁の有無を目視により判断した。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】なお、これらの実施例及び比較例は、単板
の3.5インチ光磁気ディスクを例としているが、単板
の光磁気ディスクに限定されず、他のあらゆるタイプの
光ディスクについても同様に実施可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明の光ディスクハードコート用樹脂
組成物は、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロイル基を有するアミン及びアルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレートを含有し、組成物中
のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートの含有量を
20〜60重量%としたので、基板に塗布した際の塗布
外観が改善され、記録再生エラーを減少させることがで
き、高温高湿環境における基板との密着性が改善される
ので、光ディスクとしての長期信頼性が向上する。ま
た、本発明の光ディスクハードコート用樹脂組成物は、
保存安定性が改善されるので、この樹脂組成物を工業的
に生産及び使用する上での効率が向上する。
【0075】更に、請求項2記載の光ディスクハードコ
ート用樹脂組成物は、リン酸基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステルの酸としての当量と、(メタ)アクリロイ
ル基を有するアミンの塩基としての当量の比を1:0.
55〜0.80の範囲とすることにより、高温高湿環境
における硬化被膜の白濁防止効果が著しく向上し、光デ
ィスクとしての長期信頼性が改善する。
【0076】更にまた、請求項4記載の発明によれば、
上記の手段によっても保存安定性が不十分な場合であっ
ても、特定の重合禁止剤を添加することにより保存安定
性が改善される。
【0077】本発明によれば、総合的な性能のバランス
に優れた光ディスクハードコート用樹脂組成物が得ら
れ、更にこの樹脂組成物をハードコートとすることによ
り、帯電防止性、耐擦傷性、表面外観、基板との密着
性、耐湿熱性に優れた、信頼性の高い光ディスクを得る
ことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステル、(メタ)アクリロイル基を有するアミン及びア
    ルカンジオールジ(メタ)アクリレートを含有し、アル
    カンジオールジ(メタ)アクリレートの含有量が20〜
    60重量%の範囲にあることを特徴とする光ディスクハ
    ードコート用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステルの酸としての当量と(メタ)アクリロイル基を有
    するアミンの塩基としての当量との比が1:0.55〜
    0.80の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の
    光ディスクハードコート用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アルカンジオールジ(メタ)アクリレー
    トが1,6−ヘキサンジオールジアクリレートであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の光ディスクハード
    コート用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 t−ブチルハイドロキノン及び/又は
    2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾールを含有すること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の光ディスクハー
    ドコート用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の光ディス
    クハードコート用樹脂組成物から成る硬化被膜をレーザ
    ー光入射面に有することを特徴とする光ディスク。
JP5322046A 1993-12-21 1993-12-21 光ディスクハードコート用樹脂組成物及びその硬化被膜を有する光ディスク Pending JPH07182692A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007317347A (ja) * 2006-04-25 2007-12-06 Victor Co Of Japan Ltd 光記録媒体

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JP2007317347A (ja) * 2006-04-25 2007-12-06 Victor Co Of Japan Ltd 光記録媒体

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