JP3552060B2 - 帯電防止材料及びこの帯電防止材料がコートされた記録媒体 - Google Patents

帯電防止材料及びこの帯電防止材料がコートされた記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、帯電防止材料並びにこの帯電防止材料がコートされた記録媒体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
光ディスク基板や光学レンズの材料として、成形性や透明性の観点からポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等が提案されていることは周知の通りである。
ところで、この種のプラスチック材料は耐擦傷性が十分ではなく、かつ、静電気が帯電し易く、表面に塵や埃が付着し易いといった問題を抱えている。この為、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等の樹脂製品の表面に透明で耐擦傷性に富み、そして帯電防止機能を備えた膜を設けることが提案されている。例えば、導電性フィラーを添加したハードコート膜を設ける手段や、界面活性剤を練り込んだハードコート膜を設ける手段が知られている。
【0003】
しかしながら、前記の技術手段のうち前者のものでは、帯電特性をある程度満足することが出来るものの、導電性フィラーを多量に添加する為、光学特性、硬度、その他コーティング特性に問題が有る。又、後者のものでは、静電気が帯電し易い低湿下においては十分な効果が期待でき難く、又、ブリード現象の為に濁りの問題や帯電防止機能の失活といった問題が有る。
【0004】
このような問題に対処する為、例えばチオシアン酸塩及びアルキレングリコール鎖を有するアニオン性界面活性剤からなる帯電防止性組成物と、共重合可能な(メタ)アクリル酸エステルと、光重合開始剤とが混合されてなる帯電防止性紫外線硬化型コーティング材が提案(特開平4−80266号公報)されている。この他にも、特開平4−33968号公報や特開平3−275705号公報において帯電防止性の組成物が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの提案による組成物にあっても帯電防止機能が十分なものとは言えなかった。
又、汚れは静電気の帯電による塵や埃の付着といったことにのみ起因するものではない。例えば、油性粘着物質、水溶性粘着物質、あるいは高湿環境での液架橋力からの粒子の付着による汚れが有る。
【0006】
そして、この種の汚れが付かないようにする為には、あるいは付着した汚れを簡単に除去できるようにする為には、表面エネルギーを低いものとしておく必要がある。
ところで、前述したような物質で表面処理してなる場合には、帯電防止の役割が発揮され、塵や埃の付着が防止されても、表面エネルギーが高いものとなっていることから、油性粘着物質、水溶性粘着物質、あるいは高湿環境での液架橋力からの粒子の付着による汚れが大きなものとなっている。
【0007】
そして、このような汚れが光ディスク等の記録媒体の分野では大きな問題であると指摘されている。
【0008】
【発明の開示】
本発明の目的は、汚れ防止機能に優れた技術を提供することである。
この本発明の目的は、(メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物(A)と、
第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び共重合可能な反応基を有する下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕又は〔IV〕で表される構造の反応型帯電防止剤(B)と、
シリコーン化合物(C)
とを含有することを特徴とする帯電防止材料によって達成される。
Figure 0003552060
[但し、R 1 ,R 2 は炭素数4以上の炭化水素基、A は対イオン、nは1〜25の数]

【0009】
又、(メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物(A)と、
第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び共重合可能な反応基を有する上記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕又は〔IV〕で表される構造の反応型帯電防止剤(B)と、
シリコーン化合物(C)
とが用いられて重合されてなることを特徴とする帯電防止材料によって達成される。
【0010】
又、上記の帯電防止材料が表面にコートされてなることを特徴とする記録媒体によって達成される。
尚、上記の帯電防止材料において、化合物(A)は、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレート、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、かつ、エチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、及び共重合可能な単官能(メタ)アクリレートの群の中から選ばれるものであることが好ましく、特に、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレートが20〜80重量%、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、かつ、エチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート5〜50重量%、及び共重合可能な単官能(メタ)アクリレート0〜30重量%の割合からなる混合物であるものが好ましい。
【0011】
又、反応型帯電防止剤(B)はビニル基及び/又はアリル基を有し、下記の一般式
【0012】
【化5】
Figure 0003552060
【0013】
で表されるもの、特に、下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕
【0014】
【化6】
Figure 0003552060
【0015】
〔但し、R,Rは炭素数4以上の炭化水素基、Aは対イオン、nは1〜25の数〕
で表されるものが好ましい。
又、シリコーン化合物(C)はポリエーテル変性シリコーン(特に、下記の一般式〔V〕で表されるもの)、より好ましくは反応基を有するポリエーテル変性シリコーン(特に、下記の一般式〔VI〕で表されるもの)であることが好ましい。
【0016】
【化7】
Figure 0003552060
【0017】
〔但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、R,RはH又はメチル基、x,yは1〜1000、sは1〜20の数〕
【0018】
【化8】
Figure 0003552060
【0019】
〔但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基、R,R,RはH又はメチル基、x,yは1〜1000、sは1〜20の数〕
又、化合物(A)と反応型帯電防止剤(B)とシリコーン化合物(C)との割合は、化合物(A)100重量部に対して反応型帯電防止剤(B)が0.1〜20重量部、シリコーン化合物(C)が0.1〜10重量部の割合であることが好ましい。
【0020】
そして、この本発明になる帯電防止材料は、化合物(A)の架橋によって硬度を発現させており、この硬化重合に際して長鎖炭化水素成分の存在によって反応型帯電防止剤(B)の表面への偏析が促進され、反応型帯電防止剤(B)は少量でも帯電防止機能が効果的に発揮され、硬度や光学的透明性にも優れた特長が奏される。ところで、前記の帯電防止機能は、空気中の水分子を表面に吸着させ、導電回路を構成することによって発揮されるものであるが、本発明になる帯電防止材料における化合物(B)は長い分子鎖に第4級アンモニウム塩基とエチレングリコール鎖を側鎖に有しているから、低湿下においても良好な帯電防止特性が奏されるのである。又、化合物(A)と反応型帯電防止剤(B)とは化学反応によってベース表面に完全に固定され、エタノール等による拭き取りによっても帯電防止機能の失活は認められない。かつ、シリコーン化合物(C)が複合化されていることから、表面エネルギーが低い(水の接触角が80℃以上)ものとなっており、汚れが付き難いものとなっている。又、潤滑性も付与される為、表面の滑性が向上し、拭き取りの際に一層傷が付き難くなる。そして、磁界変調型の光磁気ディスクにおいては、磁気ヘッドとの摺動性向上にも効果が発揮される。
【0021】
以下、本発明について詳細に説明する。
(メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物(A)〔モノマーあるいはオリゴマー等の形であっても良い〕としては、耐擦傷性や表面保護効果を発現させる為、1分子中に2個以上の官能基を持つ架橋性のあるものを含むことが好ましく、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド変性物などの3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、シクロペンタジエニルアルコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、その他ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミドポリ(メタ)アクリレート等の中から一種又は二種以上用いられる。
【0022】
そして、帯電防止性共重合物との溶解性促進、粘度調節、基材との密着性向上の観点から、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等を用いることも出来る。
【0023】
上記モノマー、すなわち化合物(A)は、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートを20〜80重量%、望ましくは50〜70重量%、2官能(メタ)アクリレート、特に鎖長が2〜20のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを5〜50重量%、望ましくは20〜40重量%、そして必要に応じて30重量%以下の単官能(メタ)アクリレートの混合物であることが好ましいものである。
【0024】
反応型帯電防止剤(B)は、第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び共重合可能な反応基を分子中に有するものである。
ここで、炭素数4以上の炭化水素基は、相分離(表面への偏析)を促進させる為に必要な基であって、炭化水素は飽和、不飽和、直鎖、分岐、環状構造の如何を問わないが、炭素数が4〜30、より望ましくは8〜22の直鎖状のものであることが好ましい。そして、この炭素数4以上の炭化水素基は(B)中に一つであっても、二つ以上あっても良い。
【0025】
帯電防止機能の面から(B)中に第4級アンモニウム塩基及びエチレングリコール鎖(好ましくは炭素数が2〜50、より好ましくは炭素数が4〜30のポリエチレングリコール鎖)を持たせる必要が有る。これは、如何なる型のものであっても良いが、
【0026】
【化9】
Figure 0003552060
【0027】
といった構造のものであることが好ましい。
共重合可能な反応基は、例えば光重合可能なものであれば良く、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが好ましいものとして挙げられる。又、電子線やγ線を照射することにより化合物(A)と化合物(B)の重合を図る場合には不要なものでもあるが、例えば紫外線照射によって重合を図るには、重合開始剤を用いることが好ましい。例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系の光重合開始剤、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系の光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン等のチオキサンソン系の光重合開始剤などが挙げられる。勿論、一種でも二種以上の重合開始剤が用いられても良い。添加量は、化合物(A)100重量部に対して10重量部以下であることが好ましい。
【0028】
シリコーン化合物(C)は有機基の付いたケイ素(オルガノシリコン)と酸素とが交互に結合して出来たポリマーであり、化合物(A)との相溶性を考慮すると、前記の一般式〔V〕や〔VI〕で表されるようなポリエーテル(ポリオキシアルキレン、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等)変性シリコーンが好適であり、特にポリエチレングリコール(炭素数2〜100)変性、あるいはポリエチレングリコール(炭素数2〜100)変性とポリプロピレングリコール(炭素数3〜180)変性との混合されたものが好ましい。
【0029】
尚、一般式〔V〕や〔VI〕において、xやyは5〜200であることが好ましいものである。
又、シリコーン化合物(C)は、粘度が10〜5000cSt(25℃)、より望ましくは50〜2000cSt(25℃)のものであることが好ましい。
そして、上記のような特徴のシリコーン化合物(C)は、ポリエーテル鎖がベース樹脂と相溶することから、表面に固定されるものとなる。尚、一般式〔VI〕で表された共重合性の反応基(例えば、(メタ)アクリロイル基)を有するタイプの場合には、完全にベース表面に固定できることから好ましいものである。
【0030】
そして、上記の組成物をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶剤で希釈し、所定のプラスチック表面に所望の手段でコーティングし、活性エネルギー線(紫外線、電子線やγ線)を照射して重合処理することにより、透明で耐擦傷性に富み、そして帯電防止機能に優れ、又、汚れが付き難いものが得られる。
【0031】
例えば、光ディスクの保護膜(記録面側、あるいは両面の保護膜)とする場合には、スピンコート法により上記の組成物を約0.5〜20μm厚塗布し、紫外線照射することによって硬化させれば、透明で、耐擦傷性に富み、かつ、帯電防止機能に優れ、さらには汚れが付き難いものが得られる。又、磁気ヘッドに接触する面では、これらの特性に加えてヘッドとの摺動性を向上できる。
【0032】
尚、上記の組成物の他に、例えば表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの各種の添加剤が用いられても良いものである。
又、本発明の帯電防止材料は記録媒体にコートされたもので説明しているが、これを再生装置のピックアップ側に塗布しても良い。すなわち、ピックアップ側に塗布しておけば、ピックアップに静電気が帯電し難くなり、この結果再生時に塵や埃が記録媒体に付着し難くなるといった特長が奏されるのである。
【0033】
【実施例】
〔反応型帯電防止剤(B−1)〕
アミート320(花王(株)製の界面活性剤)7.15g(11.5ミリモル)、クロロメチルスチレン1.93g(12.7ミリモル)及びハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)30mgのエタノール25g溶液を48時間還流し、反応溶液を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(ジクロロメタン〜クロロホルム:メタノール=10:1(v/v))により精製し、下記の構造式で表される化合物(B−1)を得た。
【0034】
【化10】
Figure 0003552060
【0035】
〔反応型帯電防止剤(B−2)〕
150℃下でジオレイルアミンにエチレンオキサイドを反応させ、エチレンオキサイド鎖を6モル付加した。次に、この反応物12.5g(16ミリモル)とアリルグリシジルエーテル9.13g(80ミリモル)、2N−HCl 8ml、水4ml、ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)20mgのイソプロピルアルコール50ml溶液を7時間還流し、その後クロロホルム、水、及び過剰のアリルグリシジルエーテルを除去する為にアンモニア水を添加し、抽出液を塩酸で洗浄した後、水洗を繰り返して行い、そしてクロロホルムで抽出し、溶媒を留去して下記の構造式で表される化合物(B−2)を得た。
【0036】
【化11】
Figure 0003552060
【0037】
〔シリコーン化合物(C−2)〕
【0038】
【化12】
Figure 0003552060
【0039】
上記の構造式で表されるハイドロジエン変性ポリシロキサン化合物(東芝シリコーン(株)製XF40−A2346)10重量部、ポリエチレングリコールモノアクリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加数10モル;PEGMA10)20重量部、トルエン20重量部、テトラヒドロフラン30重量部、メチルハイドロキノン0.02重量部を窒素雰囲気中で混合攪拌する。
【0040】
次に、酢酸カリウム10%エタノール溶液0.03重量部、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物の10%イソプロピルアルコール溶液0.03重量部を添加し、60℃で約10時間反応させる。さらに、アリルメタクリレート5.2重量部を添加して約7時間反応させ、そして常温に冷却後に活性炭を加えて1時間攪拌した後、濾過し、続いて溶媒を減圧下で留去し、下記の構造式で表されるメタクリロイル基をもつポリエーテル変性シリコーン(C−2)を得た。
【0041】
【化13】
Figure 0003552060
【0042】
〔R=R=CH,R=R=H,x=12,y+z=12,s=10〕
〔実施例1〕
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の反応型帯電防止剤(B−1)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部、及びポリエーテル変性シリコーンTSF4441(東芝シリコーン(株)製)を1重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0043】
この溶液をポリカーボネート基板上に乾燥厚が4〜5μmとなるようにスピンコート法で塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、表面に放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
〔実施例2〕
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の反応型帯電防止剤(B−1)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部、及び上記のシリコーン化合物(C−2)を1重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0044】
この溶液をポリカーボネート基板上に乾燥厚が4〜5μmとなるようにスピンコート法で塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、表面に放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
〔実施例3〕
実施例1において、反応型帯電防止剤(B−1)の代わりに上記反応型帯電防止剤(B−2)を用いて同様に行った。
【0045】
〔実施例4〕
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の反応型帯電防止剤(B−1)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部、及びポリエーテル変性シリコーンTSF4441(東芝シリコーン(株)製)を1重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0046】
この溶液を3.5インチ径の光磁気ディスク基板(ポリカーボネート)上に乾燥厚が4μmとなるようにスピンコート法で塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、表面に放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
このようにして得られたものを基にして光磁気ディスクを作製した。
【0047】
〔実施例5〕
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の反応型帯電防止剤(B−1)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部、及びポリエーテル変性シリコーンTSF4441(東芝シリコーン(株)製)を1重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0048】
この溶液を3.5インチ径の光磁気ディスク(基板はポリカーボネート製)の磁気ヘッド面側に乾燥厚が5μmとなるように塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
〔比較例1〕
アミート320(花王(株)製)をベンジルクロライドで4級化することにより下記の構造式で表される化合物(B−X)を得た。
【0049】
【化14】
Figure 0003552060
【0050】
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の化合物(B−X)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部、及びポリエーテル変性シリコーンTSF4441(東芝シリコーン(株)製)を1重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0051】
この溶液をポリカーボネート基板上に乾燥厚が4〜5μmとなるようにスピンコート法で塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、表面に放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
〔比較例2〕
アクリロイル基(多官能アクリレート)を有する共重合可能な化合物(A)として70重量部のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)と30重量部のポリエチレングリコールジアクリレート(Peg鎖長9)に、上記の反応型帯電防止剤(B−1)を5重量部、光重合開始剤Irg.651(日本チバガイギー製)を3重量部添加し、さらにエタノール10重量部添加し、45℃で完全に溶解させた。
【0052】
この溶液をポリカーボネート基板上に乾燥厚が4〜5μmとなるようにスピンコート法で塗布し、そして窒素気流下で紫外線照射(高圧水銀タイプ;650mW/cm,1800mJ/cm)により硬化を行わせ、表面に放射線硬化型コーテイング膜を設けた。
〔比較例3〕
比較例2の材料を基にして光磁気ディスクを作製した。
【0053】
〔特性〕
上記各例で得たものについて、下記の諸特性を調べたので、その結果を表1、表2、表3及び表4に示す。
表面電気抵抗:印加電圧500V(DC),1分値 リング電極(JISK−6911に準拠) 単位はΩ/□ 24℃、50%RHで測定
親水性接触角:基板を水平に置き、その表面に水(純水)滴を滴下し、接触角(θ)を協和界面化学(株)社製のCA−Z150で測定した。測定は、24℃,50%RHで実施。
【0054】
Figure 0003552060
【0055】
バイトエラーレート:再生装置に装着し、40℃、80%RHの環境下で30日連続走行させ、そしてダートチャンバー試験(ASTM D2741−68)を行い、その後ディスクのエラーレートを測定
Figure 0003552060
Figure 0003552060
Figure 0003552060
Figure 0003552060
又、実施例5のものについて、24℃、40%RH中で、ソニー製録音型MDドライブから取り外した磁気ヘッドをコート面に接触させた状態にて3000rpmで回転させ、2000時間後に動摩擦係数を測定した処、動摩擦係数は約0.2であり、試験前後における差は認められなかった。又、コート面に塵や埃の付着も認められなかった。これに対して、比較例2のコーテイング膜を設けたものでは、磁気ヘッドをコート面に接触させた直後においてコート面及び磁気ヘッドの双方に傷が付いた。
【0056】
【効果】
帯電防止特性に優れ、又、塵や埃が付着し難く、そして硬度や光学的透明性にも優れた特長が奏され、これが記録媒体の保護膜として用いられた場合にはエラーレートが著しく低く、再生特性が優れたものである。

Claims (10)

  1. (メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物(A)と、
    第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び共重合可能な反応基を有する下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕又は〔IV〕で表される構造の反応型帯電防止剤(B)と、
    シリコーン化合物(C)
    とを含有することを特徴とする帯電防止材料。
    Figure 0003552060
    [但し、R 1 ,R 2 は炭素数4以上の炭化水素基、A は対イオン、nは1〜25の数]
  2. (メタ)アクリロイル基を有する共重合可能な化合物(A)と、
    第4級アンモニウム塩基、エチレングリコール鎖、炭素数4以上の炭化水素基、及び共重合可能な反応基を有する下記の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕又は〔IV〕で表される構造の反応型帯電防止剤(B)と、
    シリコーン化合物(C)
    とが用いられて重合されてなることを特徴とする帯電防止材料。
    Figure 0003552060
    [但し、R 1 ,R 2 は炭素数4以上の炭化水素基、A は対イオン、nは1〜25の数]
  3. 化合物(A)は、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリレート、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、かつ、エチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、及び共重合可能な単官能(メタ)アクリレートの群の中から選ばれるものであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
  4. 反応型帯電防止剤(B)はビニル基及び/又はアリル基を有し、下記の一般式で表される構造を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
    Figure 0003552060
  5. シリコーン化合物(C)がポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
  6. シリコーン化合物(C)が反応基を有するポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
  7. シリコーン化合物(C)が下記の一般式〔V〕で表される構造を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
    Figure 0003552060
    〔但し、R3 は炭素数1〜20のアルキル基、R4 ,R5 はH又はメチル基、x,yは1〜1000、sは1〜20の数〕
  8. シリコーン化合物(C)が下記の一般式〔VI〕で表される構造を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
    Figure 0003552060
    〔但し、R3 は炭素数1〜20のアルキル基、R4 ,R5 ,R6 はH又はメチル基、x,yは1〜1000、sは1〜20の数〕
  9. 化合物(A)100重量部に対して反応型帯電防止剤(B)が0.1〜20重量部、シリコーン化合物(C)が0.1〜10重量部の割合であることを特徴とする請求項1または請求項2の帯電防止材料。
  10. 請求項1〜請求項9の帯電防止材料が表面にコートされてなることを特徴とする記録媒体
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