JP2003260761A - 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法 - Google Patents
複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法Info
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Abstract
とに優れたハードコートが付与された物体を安価に提供
し、ハードコートの形成方法を提供する。 【解決手段】 ハードコート処理すべき対象物体1表面
に、活性エネルギー線硬化性化合物を含むハードコート
剤組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、
ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑
機能を有する活性エネルギー線硬化性化合物を含む表面
層用材料を成膜して表面材料層を形成し、形成されたハ
ードコート剤組成物層及び表面材料層に活性エネルギー
線を照射して、前記両層を同時に硬化させ、対象物体1
表面に接するハードコート層2とハードコート層2表面
に接する防汚表面層3とを形成する。
Description
層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法に関す
る。本発明において、複合ハードコート層とは、物体表
面に設けられた耐擦傷性及び耐摩耗性を担うハードコー
ト層と、ハードコート層表面に設けられた防汚性及び潤
滑性を担う防汚表面層とを含む。本発明は、より詳しく
は、防汚性及び潤滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗性とを必
要とする各種物体の分野において、これら諸性能を具備
した複合ハードコート層が表面に設けられた物体、及び
複合ハードコート層の形成方法に関する。
レンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び液晶ディス
プレー、CRTディスプレー、プラズマディスプレー、
ELディスプレー等の各種表示素子などの表面に、それ
らの光学性能や記録特性を損なうことなく防汚性及び潤
滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗性とを有する複合ハードコ
ートを形成する方法、及び前記ハードコートが形成され
た製品に関する。
の物体、例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digi
tal Versatile Disk)などの光記録媒体、光磁気記録媒
体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び液
晶ディスプレー、CRTディスプレー、プラズマディス
プレー、ELディスプレー等の各種表示素子の表面に
は、通常保護層(ハードコート層)が付与されている。
使用によって、その表面に指紋、皮脂、汗、化粧品等の
汚れが付着する場合が多い。このような汚れは、一度付
着すると除去することは容易でなく、特に、光記録媒体
や、この記録再生に用いられる光学レンズにおいては、
付着した汚れによって情報信号の記録及び再生に著しい
支障が生じるために、大きな問題となる。
の上に設けられた有機保護層上を磁界ヘッドが走行する
ため、保護層の耐摩耗性を高めると同時に、低摩擦係数
化することが求められる。
付着しにくく、付着しても拭き取りやすい性質、すなわ
ち防汚性を有する層を光学レンズ等の表面に形成する方
法が種々提案されている。具体的には、フッ素系又はシ
リコーン系の化合物からなる層を表面に設け、表面に撥
水性や撥油性を賦与し、防汚性を向上させる方法を採る
ことが多い。
ードコート層)表面の摩擦係数を低減する方法について
も、これまでに多くの対策が提案されている。具体的に
は、例えば、フッ素系ポリマー(例えば、パーフルオロ
ポリエーテル)やシリコーン系ポリマー(例えば、ポリ
ジメチルシロキサン)などの液体潤滑剤からなる膜を保
護層表面に設け、潤滑性を向上させる手法を用いること
が多い。
ったく別の特性であるが、それらの性能を賦与する手段
として、フッ素系化合物又はシリコーン系化合物を用い
ることが多いという点では共通している。このため、フ
ッ素系の化合物やシリコーン系の化合物を用いてハード
コート表面に防汚性又は潤滑性を賦与するに際して、両
者に共通して生じる問題点も多い。
かいものが多く、これらの化合物を用いた場合、充分な
耐摩耗性を得ることが極めて困難である。このような問
題点を改善するため、フッ素系ポリマー又はシリコーン
系ポリマーマトリックス中に、SiO2 微粒子などの無
機フィラーを添加し耐摩耗性を高める方法も考えられて
いる。しかしながら、このような方法では、多少の改善
はあっても、無機フィラーを分散するマトリックスとし
てフッ素系又はシリコーン系のポリマーを用いている限
り、満足な耐摩耗性を得ることはできない。
らなる積層構成とし、下層を高硬度の材料からなる層と
し、その表面に、フッ素系やシリコーン系の化合物から
なる上層を設け、防汚性や潤滑性を賦与する方法が考え
られている。この場合、積層保護層の最表面となる上層
が下層の硬度を反映するように、フッ素系やシリコーン
系の化合物からなる上層はできるだけ薄くすることが好
ましい。しかしながらこの方法においては、下層と、フ
ッ素系化合物やシリコーン系化合物からなる上層との間
の密着性を得ることが極めて難しい。
て、例えば以下のような手法が知られている。すなわ
ち、SiO2 などの無機物からなる下層をスパッタリン
グやゾル−ゲル法などの方法によって形成し、この下層
の表面に、フルオロアルキル基を有するアルコキシシラ
ンからなる上層を、蒸着や溶液塗布などの方法によって
形成する。その後、微量の水分の存在下で加熱処理を施
すことにより、前記アルコキシシランの加水分解により
生じたシラノール基同士の間で、及び/又はSiO 2 な
どからなる下層表面に存在する水酸基と前記シラノール
基との間で脱水縮合反応が起こり、上層が化学結合及び
/又は水素結合を介して下層表面に固定される。
活性基を高い密度で有していることが望ましい。このた
め、下層に用いることができる材料は、無機化合物、特
に、SiO2 、Al2 O3 、TiO2 、ZnSなどの金
属酸化物や金属カルコゲナイドに限定される。しかも、
下層がSiO2 などの金属酸化物からなっている場合で
あっても、上層の前記アルコキシシランとの密着性を充
分なものとするためには、上層の形成に先立って予め、
下層表面にアルカリ処理、プラズマ処理、コロナ放電処
理などの活性化処理を施し、表面の活性基の密度を増や
しておく必要がある。
ート又はポリメタクリル酸メチルなどの有機物を用い
て、下層表面をプラズマ処理やコロナ放電処理などの方
法によって親水化し、この下層表面上に前記アルコキシ
シランからなる上層を設ける試みもなされている。しか
し、この場合には、下層として上記無機物を用いた場合
に比べ、密着性に大きく劣り、充分な耐久性は得られて
いない。
樹脂製である場合、下層としてSiO2 などの無機物を
用いる上記の方法では、ハードコートとしての耐摩耗性
を得ることが極めて難しい。SiO2 などの無機物から
なる層を樹脂製基材表面に設ける場合、形成可能な膜厚
は高々数100nm程度である。これ以上の膜厚にする
ことは製法上も困難であるし、仮に形成できたとして
も、基材との弾性率差や熱膨張係数差が著しく大きいた
めに、無機膜の自己破壊が容易に生じる。しかしなが
ら、数100nmの厚さの無機膜によって充分な耐摩耗
性を得ることは困難である。また、樹脂製基材と無機膜
との間での充分な密着性を得ることも難しい。従って、
無機膜が剥離しやすく、この点からも充分な耐摩耗性を
得ることは困難である。
材が樹脂製である場合、樹脂製基材上に高弾性率のプラ
イマー層を設け、プライマー層上に前記無機膜からなる
下層を設けて樹脂製基材と無機膜との密着性や無機膜の
強度を確保して、さらに下層表面の活性化処理を施し、
その下層表面上に前記フッ素系アルコキシシランからな
る上層を設ける必要がある。このように、3つの層を順
次形成する必要があり、極めて生産性が悪い。
製基材表面に、分子中に少なくとも2個の(メタ)アク
リロイルオキシ基を有する重合性化合物とシリカ微粒子
等の無機化合物微粒子とを含有する組成物を塗布し、活
性エネルギー線照射により光重合させて硬化させ、この
硬化被膜表面にコロナ処理又はプラズマ処理を行い、次
いでその処理表面に、加水分解によりシラノール基を生
成する基を分子中に少なくとも1個有するシラン化合物
を塗布し、硬化被膜との密着性を高めたシラン化合物被
膜を形成する方法が開示されている。この場合にも、上
層のシラン化合物被膜と下層の硬化被膜との密着性を確
保するために、硬化被膜表面にコロナ処理又はプラズマ
処理を行うことが必要である。
いて、有機保護層表面にパーフルオロポリエーテルやポ
リジメチルシロキサンなどの液体潤滑剤を塗布し潤滑剤
膜を形成する場合は、潤滑剤が粘稠な液体であるため、
有機保護層と液体潤滑剤膜との間の密着性はさほど考慮
しなくてもよい。しかしながら、長期的には、磁界変調
ヘッドが繰り返し摺動することによって潤滑剤が減少し
たり、長期の保存において潤滑剤が僅かずつながら揮発
したりする恐れがある。このため、この方法において
も、前記潤滑剤は、有機保護層表面に強固に固定されて
いることが望ましい。
めには、保護層表面に撥水性や撥油性を賦与することが
必要であるが、これだけで必ずしも充分というわけでは
ない。付着した汚れの拭き取り操作は一般的にユーザー
の手によって行われるから、ユーザーが汚れの拭き取り
作業を行った際に、拭き取りが容易であると感じられる
ためには、保護層表面の摩擦係数の低減を図る必要があ
る。防汚性と摩擦係数との関係についてはこれまで指摘
されることがほとんどなかったが、実際には、防汚性を
賦与するにあたって、低摩擦係数化は、撥水・撥油性と
共に必須の特性といってよい。
よって、硬い突起物が接触した際の衝撃を滑らせて逃が
すことができるため、擦過傷の発生を抑制することがで
きる。従って、ハードコートの傷つき防止性をより向上
させるという見地からも、表面の低摩擦係数化が要求さ
れる。
00−301053号公報には、フルオロアルキルアク
リレートと、これと相溶性がないアクリルモノマーを、
両者を共に溶解する溶剤に所定の比率で溶かした組成物
を基材上に塗布し、塗布後直ちに電子線を照射して硬化
させることによってハードコート層を形成することが開
示されている。これらの公報によれば、前記組成物を1
〜15μmの厚さに塗布し、その後直ちに電子線を照射
することにより、瞬時に溶剤が蒸発し、且つ、フルオロ
アルキルアクリレート成分とアクリルモノマー成分とが
局在化し、塗膜表面にフルオロアルキルアクリレートが
偏在した状態で硬化する。
性のない成分を含む組成物を用いるため、組成物を塗布
した後、溶剤揮発による局在化が起こる前に電子線を照
射し瞬時に硬化させる必要がある。そのため、塗布から
電子線照射のタイミングも難しく、塗工方法も極めて限
定される。例えば、スピンコート法などの、溶剤の蒸発
速度が速い塗工方法を用いることはできない。
記載の方法では、電子線照射と同時に溶剤を蒸発させる
ので、硬化被膜中の溶剤を完全に除去できない恐れが高
い。同公報では、硬化被膜から溶剤が完全に除去された
かどうかは何ら検証されていない。内部に微量の溶剤が
残留している場合、ハードコート形成直後は問題がなく
ても、長期の使用において、膜にクラックや剥離が生じ
る恐れがある。また、硬度も不十分なものとなるうえ、
ハードコートが形成された基材の反りが徐々に増大しや
すい。
る方法では、硬化被膜がポーラスな構造になりやすいた
め、硬度が不足するばかりか、光学特性が劣化する恐れ
がある。従って、汎用製品への適用には問題がなくて
も、光学レンズや、光記録媒体などの、非常に高い光学
特性を要求される用途に対して適用することは困難であ
る。
高いレベルで同時に実現したハードコートはこれまで存
在していない。
は、上記従来技術の問題点を解決し、防汚性及び潤滑性
と、耐擦傷性及び耐摩耗性とに優れたハードコートが付
与された物体を安価に提供することにある。また、本発
明の目的は、防汚性及び潤滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗
性とに優れたハードコートを安価に且つ容易に形成する
方法を提供することにある。
した結果、耐擦傷性及び耐摩耗性を担うハードコート層
を対象物体表面に、そして、防汚性及び潤滑性を担う防
汚表面層を前記ハードコート層表面に、活性エネルギー
線の照射によって同時に硬化させて設けることにより、
これら防汚表面層とハードコート層とが強固に密着され
た複合ハードコート層が形成されることを見いだし、本
発明に到達した。
ート層とハードコート層表面に設けられた防汚表面層と
を含む複合ハードコート層が付与された物体であって、
ハードコート層は、活性エネルギー線硬化性化合物を含
むハードコート剤組成物の硬化物からなり、防汚表面層
は、防汚及び/又は潤滑機能を有する活性エネルギー線
硬化性化合物を含む表面層用材料の硬化物からなり、前
記防汚表面層は前記ハードコート層に固着されている、
複合ハードコート層が付与された物体である。ここで、
固着とは、例えば実施例で示されるように、複合ハード
コート層の撥水性として、ハードコート表面の水の接触
角が初期及びウェスでの摺動後のいずれにおいても85
度以上であることを意味する。固着していなければ、特
に摺動後において、85度以上の接触角は達成できな
い。
100nm以下である、前記の複合ハードコート層が付
与された物体である。
る活性エネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロ
イル基、ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択
される少なくとも1つの反応性基を有するものである、
前記の複合ハードコート層が付与された物体である。
ネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基、
ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択される少
なくとも1つの反応性基を有するものである、前記の複
合ハードコート層が付与された物体である。
ネルギー線硬化性化合物が、シリコーン系及び/又はフ
ッ素系の置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル
基、ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択され
る少なくとも1つの反応性基とを有する化合物を含む、
前記の複合ハードコート層が付与された物体である。
合開始剤、及び必要に応じて無機フィラーが含まれてい
る、前記の複合ハードコート層が付与された物体であ
る。
対象物体表面に、活性エネルギー線硬化性化合物を含む
ハードコート剤組成物を塗布してハードコート剤組成物
層を形成し、ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及
び/又は潤滑機能を有する活性エネルギー線硬化性化合
物を含む表面層用材料を成膜して表面材料層を形成し、
形成されたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活
性エネルギー線を照射して、前記両層を同時に硬化さ
せ、対象物体表面に接するハードコート層とハードコー
ト層表面に接する防汚表面層とを形成することを特徴と
する、対象物体表面にハードコート層と防汚表面層とを
含む複合ハードコート層を形成する方法である。
100nm以下に形成する、前記の複合ハードコート層
の形成方法である。
組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成した
後、ハードコート剤組成物層を乾燥して、ハードコート
剤組成物中に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物
層から除去し、その後、ハードコート剤組成物層表面上
に表面材料層を形成する、前記の複合ハードコート層の
形成方法である。
組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成した
後、必要に応じてハードコート剤組成物層を乾燥して、
活性エネルギー線を照射してハードコート剤組成物層を
半硬化の状態として、その後、ハードコート剤組成物層
表面上に表面材料層を形成する、前記の複合ハードコー
ト層の形成方法である。
より成膜して表面材料層を形成する、前記の複合ハード
コート層の形成方法である。
するに際して、溶剤として、すでに形成されているハー
ドコート剤組成物層中の活性エネルギー線硬化性化合物
を実質的に溶解しない溶剤を用いる、前記の複合ハード
コート層の形成方法である。表面層用材料の塗布により
表面材料層を形成する場合には、塗布後に乾燥を行う。
る活性エネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロ
イル基、ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択
される少なくとも1つの反応性基を有するものである、
前記の複合ハードコート層の形成方法である。
ネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基、
ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択される少
なくとも1つの反応性基を有するものである、前記の複
合ハードコート層の形成方法である。
ネルギー線硬化性化合物が、シリコーン系及び/又はフ
ッ素系の置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル
基、ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択され
る少なくとも1つの反応性基とを有する化合物を含む、
前記の複合ハードコート層の形成方法である。
線又は紫外線を用いる、前記の複合ハードコート層の形
成方法である。
素濃度500ppm以下の雰囲気中で行う、前記の複合
ハードコート層の形成方法である。
体表面に、活性エネルギー線硬化性化合物を含むハード
コート剤組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形
成し、ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又
は潤滑機能を有する活性エネルギー線硬化性化合物を含
む表面層用材料を成膜して表面材料層を形成し、形成さ
れたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活性エネ
ルギー線を照射して、前記両層を同時に硬化させ、対象
物体表面に接するハードコート層とハードコート層表面
に接する防汚表面層とを形成することにより得られた、
物体表面に設けられたハードコート層とハードコート層
表面に設けられた防汚表面層とを含む複合ハードコート
層が付与された物体である。
光記録媒体、光磁気記録媒体、光学レンズ、光学フィル
ター、反射防止膜、又は各種表示素子が挙げられる。表
示素子としては、例えば、液晶ディスプレー、CRTデ
ィスプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレー
等が挙げられる。
成物層」とは、未硬化又は半硬化(一部硬化)状態のハ
ードコート層を意味する。「表面材料層」とは、未硬化
状態の表面層すなわち防汚表面層を意味する。
形態について詳細に説明する。図1は、本発明の複合ハ
ードコート層が付与された物体の層構成例を模式的に示
す断面図である。図1において、ハードコート処理すべ
き対象物体(1) 表面にハードコート層(2) が形成され、
ハードコート層(2) 表面に接して防汚表面層(3) が形成
されている。ハードコート層(2) と防汚表面層(3) の両
層を便宜的に複合ハードコート層という。
の必要な種々のものが含まれる。例えば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど
の熱可塑性樹脂からなるシートや基板が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。より具体的な製品と
しては、光記録媒体、光磁気記録媒体、光学レンズ、光
学フィルター、反射防止膜、及び液晶ディスプレー、C
RTディスプレー、プラズマディスプレー、ELディス
プレー等の各種表示素子が挙げられる。
ー線硬化性化合物を含むハードコート剤組成物を塗布し
てハードコート剤組成物層を形成し、次に、ハードコー
ト剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑機能を有す
る活性エネルギー線硬化性化合物を含む表面層用材料を
成膜して表面材料層を形成する。ハードコート剤組成
物、及び表面層用材料の各成分について説明する。
ルギー線硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基、ビ
ニル基及びメルカプト基の中から選択される少なくとも
1つの活性基を有するものであれば、特にその構造は限
定されない。活性エネルギー線硬化性化合物は、ハード
コートとして十分な硬度を得るため、1つの分子内に2
つ以上、好ましくは3つ以上の重合性基を含む多官能モ
ノマーもしくはオリゴマーを含んでいることが好まし
い。
のうち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物として
は、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、3-(メタ)アクリロイルオキシグリ
セリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタ
エリスリトールジビニルエーテル、1,6-ヘキサンジオー
ルジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニル
エーテル、エチレンオキサイド変性ヒドロキノンジビニ
ルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA
ジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエ
ーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテ
ル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル等が
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
は、例えば、エチレングリコールビス(チオグリコレー
ト)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピ
オネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリ
コレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メル
カプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール
テトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙
げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
ルギー線硬化性化合物としては、1種のみを用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
始剤を含んでもよい。光重合開始剤は、活性エネルギー
線として電子線を用いる場合には特に必要はないが、紫
外線を用いる場合には必要となる。光重合開始剤のう
ち、光ラジカル開始剤としては、例えば、ダロキュア11
73、イルガキュア651 、イルガキュア184 、イルガキュ
ア907 (いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)
が挙げられる。光重合開始剤の含有量は、例えば、ハー
ドコート剤組成物(固形分として)中に0.5〜5重量
%程度である。
摩耗性向上のために、無機フィラーを含んでもよい。無
機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジル
コニア、チタニア等が挙げられる。無機フィラーの平均
粒径は、特に透明性が必要になる場合は100nm以下
が好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
高めるためには、無機フィラーの表面が、活性エネルギ
ー線重合性基を有する化合物で修飾されていることが好
ましい。平均粒径が50nm以下であり、且つ活性エネ
ルギー線重合性基を有する化合物で表面修飾されている
無機フィラーとして、例えば特開平11−60235号
公報、特開平9−100111号公報、及び特開200
1−187812号公報に記載されている反応性シリカ
粒子があり、本発明において好ましく用いることができ
る。なお、特開平11−60235号公報に記載のシリ
カ粒子は、反応性基としてカチオン反応性のオキセタニ
ル基を含むものであり、特開平9−100111号公報
に記載のシリカ粒子は、反応性基としてラジカル反応性
の(メタ)アクリロイル基を含んでいる。特開2001
−187812号公報に記載のシリカ粒子は、(メタ)
アクリロイル基等のラジカル反応性不飽和二重結合と、
エポキシ基等のカチオン反応性基とを同時に含むもので
ある。このような無機フィラーをハードコート剤組成物
に添加しておくことにより、ハードコート層の耐摩耗性
をより高めることができる。無機フィラーの含有量は、
例えば、ハードコート剤組成物(固形分として)中に5
〜80重量%程度である。無機フィラーを80重量%よ
りも多く含有させると、ハードコート層の膜強度が弱く
なりやすい。
要に応じて、非重合性の希釈溶剤、光重合開始助剤、有
機フィラー、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、消泡剤、レベリング剤、顔料、ケイ素化合物
などを含んでいても差し支えない。前記非重合性の希釈
溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、エチ
ルセロソルブ、トルエンなどが挙げられる。
又は潤滑機能を有するものであればよい。すなわち、表
面層用材料としては、防汚性(撥水性及び/又は撥油
性)及び/又は潤滑性を賦与することができ、且つ、活
性エネルギー線重合性の官能基を有していれば、特に限
定されない。例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル
基及びメルカプト基の中から選択される少なくとも1つ
の活性エネルギー線重合性官能基を有するシリコーン系
化合物、あるいはフッ素系化合物を用いることができ
る。シリコーン系の置換基や、フッ素含有置換基によっ
て、防汚性及び/又は潤滑性が発現される。一般的に
は、シリコーン系置換基を有する化合物よりも、フッ素
含有置換基を有する化合物の方が、より高い防汚性及び
/又は潤滑性、すなわちハードコート表面の水のより大
きな接触角が発現される。
系の置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル基、
ビニル基及びメルカプト基の中から選択される少なくと
も1つの反応性基とを有する化合物が挙げられ、より詳
細には、例えば下記式(1)から(3)に示す化合物が
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
メルカプト基の中から選択される少なくとも1つの反応
性基を含む置換基であり、n、mは重合度であり、nは
5〜1000、mは2〜100である。
タ)アクリレート化合物が挙げられ、具体的には、例え
ば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリ
レート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アク
リレート、3-(パーフルオロ-5- メチルヘキシル)-2-
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(パーフ
ルオロオクチル)エチルアクリレート、3-パーフルオロ
オクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2-(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレ
ート、2-(パーフルオロ−9−メチルオクチル)エチル
(メタ)アクリレート、3-(パーフルオロ−7−メチル
オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2-(パーフル
オロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレー
ト、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アク
リレート等のフッ化アクリレートが挙げられるが、必ず
しもこれらに限定されるものではない。例えば、(メ
タ)アクリレート基が導入されたパーフルオロポリエー
テルなどの高分子化合物、あるいは(メタ)アクリレー
ト基の代わりにビニル基又はメルカプト基を有するフッ
素系化合物等も好ましく用いることができる。Fombrin
Z DOL (アルコール変性パーフルオロポリエーテル(ア
ウジモント社製))のジアクリレート、ART3、AR
T4(共栄社化学)が具体例として挙げられる。
硬化性化合物としては、上記シリコーン系化合物及びフ
ッ素系化合物の内から1種のみを用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。表面層用材料に含まれる活性エネ
ルギー線硬化性化合物は、電子線硬化性であることが好
ましい。また、表面層用材料中の成分の一部として、前
述したハードコート剤組成物に用いられる活性エネルギ
ー線硬化性化合物が含まれていてもよい。
剤組成物におけるのと同様に、必要に応じて、非重合性
の希釈溶剤、光重合開始剤、光重合開始助剤、有機フィ
ラー、無機フィラー、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、顔料、ケイ
素化合物などを含んでいても差し支えない。
に、上記ハードコート剤組成物を塗布してハードコート
剤組成物層を形成する。塗布方法は、限定されることな
く、スピンコート法、ディップコート法、グラビアコー
ト法等の各種塗布方法を用いるとよい。
を塗布した後、表面層用材料を成膜するのに先立って、
ハードコート剤組成物層の流動性をなくしておくことが
好ましい。ハードコート剤組成物層の流動性をなくして
おくことによって、これの上に表面層用材料を成膜する
際に、ハードコート剤組成物層の膜厚変動や、表面性の
悪化を防ぐことができ、表面層用材料を均一に成膜しや
すい。
ためには、例えば、ハードコート剤組成物に希釈溶剤が
含まれる場合には、塗布後に乾燥して、ハードコート剤
組成物中に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物層
から除去するとよい。また、塗布後に必要に応じて乾燥
して、紫外線等の活性エネルギー線を照射してハードコ
ート剤組成物層を半硬化の状態としてもよい。ハードコ
ート剤組成物層が完全には硬化しないように、活性エネ
ルギー線の照射に注意する。なお、半硬化とは、塗布さ
れたハードコート剤組成物の一部が未反応であることを
意味する。従って、ハードコート剤組成物層の物理的な
硬化度は特に問わず、表面の粘着性(タック)が消失し
ていても差し支えない。この際の紫外線照射量は、ハー
ドコート層の厚さにもよるが、例えば1〜500mJ/
cm2 、好ましくは1〜200mJ/cm2 とするとよ
い。この程度の紫外線照射量で、半硬化状態のハードコ
ート剤組成物層が得られやすい。
れるハードコート層の厚さは、特に限定されることな
く、対象物体に種類や用途によって適宜決定するとよ
い。例えば、対象物体が、光記録ディスクの場合には、
1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm
以下となるように形成するとよい。1μm未満では、デ
ィスクに充分な表面硬度を与えることができず、10μ
mを超えると、クラックが発生したり、ディスクの反り
が大きくなる傾向にある。
のハードコート剤組成物層表面上に、上記表面層用材料
を成膜して表面材料層を形成する。表面材料層は、硬化
後に得られる防汚表面層の厚さが、1nm以上100n
m以下、好ましくは5nm以上50nm以下となるよう
に形成するとよい。1nm未満では、防汚性及び潤滑性
の効果があまり得られず、100nmを超えると、下層
のハードコート層の硬度があまり反映されず、耐擦傷性
及び耐摩耗性の効果が減少してしまう。
いは蒸着により行うことができる。塗布は、上記表面層
用材料を適当な溶剤で希釈し、この塗布液を限定される
ことなく、スピンコート法、ディップコート法、グラビ
アコート法、スプレーコート法等の各種塗布方法で塗布
するとよい。塗布後、乾燥を行う。
化(半硬化)状態のハードコート剤組成物層中の活性エ
ネルギー線硬化性化合物を実質的に溶解しない溶剤を選
択して用いることが好ましい。前記ハードコート剤組成
物層を実質的に溶解するか否かは、溶剤の種類だけでな
く、塗布方法にも依存する。例えば、表面材料層の塗布
方法としてスピンコート法を用いる際は、多くの場合、
スピンコート時に塗布液に含まれる希釈溶剤の大半は揮
発するため、前記ハードコート剤組成物層をある程度溶
解する溶剤を希釈溶剤として用いても、実用上は問題に
ならない。一方、例えば、表面材料層の塗布方法として
ディップコート法を用いる場合は、未硬化の前記ハード
コート剤組成物層表面と、表面材料層塗布液との接触時
間が長いため、前記ハードコート剤組成物層材料をまっ
たく溶解しないか、ほとんど溶解しない溶剤を用いる必
要がある。
しては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−
オクタン、イソオクタン等の飽和炭化水素、ヘキサメチ
ルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン等のケイ素化合物、パー
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオ
ロオクタン等のフルオロカーボンなどが挙げられる。ス
ピンコート法において用い得る溶剤としては、前記の各
種溶剤の他に、例えば、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、ジブチルエーテル、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、メチルパーフルオロブチルエー
テル、エチルパーフルオロブチルエーテル、HFC 43-
10mee 、 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタ
ンなどが挙げられる。
硬化)状態のハードコート剤組成物層と、その表面上に
未硬化の表面材料層とを形成する。
及び表面材料層に活性エネルギー線を照射して、前記両
層を同時に硬化させる。この際、前記両層を完全に硬化
させ得るに十分なエネルギー量の活性エネルギー線を照
射し、両層の硬化反応を完結させる。この際、電子線の
照射量は、例えば1〜50Mrad、好ましくは3〜3
0Mradとするとよい。また、電子線の加速電圧は、
例えば20〜200kVとするとよい。但し、後述する
ような記録層を有する光情報媒体の場合は、記録層にダ
メージを与えないように、例えば20〜100kV、好
ましくは30〜70kVとするとよい。未硬化又は一部
硬化(半硬化)状態のハードコート剤組成物層とその表
面上に接して設けられた未硬化の表面材料層とを同時に
硬化させることにより、これら両層が界面において強固
に密着され、すなわち、硬化したハードコート層(2) 上
に硬化した防汚表面層(3) が密着性良く得られる。
により、高硬度のハードコート層(2) 上に、その硬度が
最表面に反映される程度に薄く、且つ良好な撥水性・潤
滑性を有する防汚表面層(3) を設けると共に、ハードコ
ート層(2) と防汚表面層(3)の良好な密着性が得られ
る。
同時硬化させる手段としては、紫外線、電子線、可視光
などの活性エネルギー線の中から適切なものを選択して
用いればよい。ただし、本発明においては、防汚表面層
の厚さが1nm以上100nm以下、好ましくは5nm
以上50nm以下と極めて薄く、ハードコート層との良
好な密着性を得るために、両層の界面近傍において良好
な反応性が得られる硬化手段を用いる必要がある。
電子線又は紫外線のいずれを用いる場合でも、活性エネ
ルギー線照射雰囲気中の酸素濃度が500ppm以下、
好ましくは200ppm以下、より好ましくは10pp
m以下となるように、窒素などの不活性ガスによるパー
ジを行うことが好ましい。これは、照射雰囲気中で生じ
る酸素ラジカルに起因する表面の硬化阻害を抑制するた
めである。あるいは、照射雰囲気中の酸素濃度を制御す
る代わりに、ハードコート剤組成物及び/又は防汚及び
潤滑機能性材料中に、従来公知の各種酸素阻害抑制剤を
添加しておいてもよい。このような酸素阻害抑制剤とし
ては、例えば、特開2000−109828号公報、特
開2000−109828号公報及び特開2000−1
44011号公報に記載されている酸素阻害抑制剤を用
いることができる。いうまでもなく、上記酸素阻害抑制
剤と、照射雰囲気中の酸素濃度制御とを併用しても差し
支えない。
ることにより、耐摩耗性及び撥水・潤滑性にすぐれ、そ
の耐久性も良好な複合ハードコート層が形成される。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
ネート基板(直径12cm)上に、紫外線/電子線硬化
型ハードコート剤(JSR社製、デソライトZ750
3)をスピンコート法により塗布した後、大気中60℃
で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去
して、未硬化のハードコート層を形成した。なお、上記
ハードコート剤は特開平9−100111号公報に示さ
れる反応性無機フィラーを含む組成物であった。
ンアクリレート(信越化学工業社製、X-22-2445 )の
0.2%(質量百分率)n−オクタン溶液を、上記未硬
化ハードコート層上にスピンコート法によって塗布し、
これを60℃で1分間乾燥し、未硬化表面層とした。 R−[Si(CH3)2O]n−R (4) (ここで、Rは-C3H6OCOCH=CH2であり、重合度nは約4
0である)
とによりハードコート層と表面層とを同時に硬化させ
た。電子線照射装置Curetron(日新ハイボルテ
ージ(株)製)を用い、電子線加速電圧を200kV、
照射線量を5Mradとした。照射雰囲気の酸素濃度は
80ppmであった。ハードコート層の膜厚は3.2μ
m、表面層の膜厚は約21nmであった。なお、ハード
コート層の膜厚は、接触探針式の表面形状測定機により
測定した。表面層の膜厚は、シリコーンオイル(信越化
学工業社製、KF−96)を標準物質として、蛍光X線
分析(XRF)により測定した。このようにして、複合
ハードコート層付き基板を得た。
ネート基板(直径12cm)上に、紫外線/電子線硬化
型ハードコート剤(JSR社製、デソライトZ750
3)をスピンコート法により塗布した後、大気中60℃
で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去
して、未硬化のハードコート層を形成した。
ルアクリレート(ダイキンファインケミカル研究所社
製)の0.2%(質量百分率)フロリナートFC−77
(住友スリーエム社製)溶液を上記未硬化ハードコート
層上にスピンコート法によって塗布し、これを60℃で
3分間乾燥し、未硬化表面層を形成した。その後、実施
例1と同様の電子線照射条件で、窒素気流下で電子線を
照射することによりハードコート層と表面層とを同時に
硬化させた。ハードコート層の膜厚は3.1μm、表面
層の膜厚は約30nmであった。なお、表面層の膜厚
は、パーフルオロポリエーテル(ダイキン工業社製、デ
ムナム)を標準物質として、蛍光X線分析(XRF)に
より測定した。このようにして、複合ハードコート層付
き基板を得た。
ネート基板(直径12cm)上に、紫外線/電子線硬化
型ハードコート剤(JSR社製、デソライトZ750
3)をスピンコート法により塗布し、大気中60℃で3
分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去し
て、その後、大気中で紫外線(高圧水銀灯、100mJ
/cm2 )を照射して、半硬化のハードコート層を形成
した。
エーテル100重量部に対し、シリコーンアクリレート
(信越化学工業社製、X-22-2445 )0.2重量部及び光
ラジカル開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製、
イルガキュア907 )0.04重量部を添加した溶液を、
上記半硬化ハードコート層上にスピンコート法によって
塗布し、これを60℃で1分間乾燥し、未硬化表面層と
した。
灯、2000mJ/cm2 )を照射することによりハー
ドコート層と表面層とを同時に硬化させた。紫外線照射
雰囲気の酸素濃度は5ppmであった。ハードコート層
の膜厚は3.2μm、表面層の膜厚は約25nmであっ
た。なお、表面層の膜厚は、シリコーンオイル(信越化
学工業社製、KF−96)を標準物質として、蛍光X線
分析(XRF)により測定した。このようにして、複合
ハードコート層付き基板を得た。
コート剤(JSR社製、デソライトZ7503)95重
量部に、フッ化アクリレートとして2−(パーフルオロ
オクチル)エチルアクリレート(ダイキンファインケミ
カル研究所社製)5重量部を添加し、均一な組成物を調
製した。上記組成物を、厚さ0.6mmのポリカーボネ
ート基板(直径12cm)上にスピンコート法により塗
布した後、直ちに窒素気流下で電子線を照射することに
よりハードコート層付き基板を作製した。電子線照射条
件は実施例1と同様にした。ハードコート層の膜厚は
3.0μmであった。
ネート基板(直径12cm)上に、紫外線/電子線硬化
型ハードコート剤(JSR社製、デソライトZ750
3)をスピンコート法により塗布し、大気中60℃で3
分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去し
て、その後、大気中で紫外線(高圧水銀灯、2000m
J/cm2 )を照射して、完全に硬化させたハードコー
ト層を形成した。
学工業社製、X-22-2445 )の0.2%(質量百分率)n
−オクタン溶液を、上記完全硬化ハードコート層上にス
ピンコート法によって塗布し、これを60℃で1分間乾
燥し、未硬化表面層とした。その後、実施例1と同様の
電子線照射条件で、窒素気流下で電子線を照射すること
により表面層を硬化させ、複合ハードコート層付き基板
を得た。ハードコート層の膜厚は3.3μm、表面層の
膜厚は約16nmであった。
作製した各試料について、以下に示す性能試験を行っ
た。
表面を、荷重4.9N/cm2 にて20往復摺動した際
に生じた傷の程度を目視により判定した。判定基準は以
下の通りである。 ○:傷発生なし △:わずかに傷発生 ×:傷発生
は、初期と、溶剤を含ませたウェスで試料表面を摺動し
た後それぞれについて行った。摺動条件は以下の通りで
あった。すなわち、不織布(旭化成工業社製、ベンコッ
トリントフリーCT−8)にアセトンを含浸させ、荷重
4.9N/cm2 にて50往復摺動した。接触角の測定
は、協和界面科学社製、接触角計CA−Dを用いて、気
温20℃、相対湿度60%の環境下で行った。
実施例1〜3のハードコート層付き基板は、非常に高い
表面硬度を有すると共に、撥水性に優れ、その耐久性も
極めて良好であった。特に、フッ化アクリレートを防汚
表面層に用いたので、実施例2のハードコート層付き基
板が優れた性能を有していた。
プの材料を用いたにも係わらず、初期、ウェスでの摺動
後ともに撥水性に著しく劣っていた。すなわち、活性エ
ネルギー線硬化型樹脂にフッ化アクリレートを混合し、
塗布・硬化させただけではフッ化アクリレート成分が塗
膜表面に露出せず、所期の目的を達成できなかった。さ
らに、比較例1では、調製した組成物を基材表面に塗布
している段階で著しい塗布ムラを生じるのが確認され
た。これは、スピンコート時に希釈溶剤が揮発し、相溶
性のないアクリルモノマーとフッ化アクリレートとが急
激に相分離を起こしたことによるものであり、この点か
らも、ハードコートとしての実用に耐えるものではなか
った。
を用いたにも係わらず、ハードコート層を完全に硬化さ
せた後に、表面層の塗布及び硬化を行ったために、実施
例1に比べ、初期の撥水性に劣り、特に、ウェスでの摺
動後の撥水性に著しく劣っていた。すなわち、表面層の
ハードコート層への密着性が劣っていた。
ート層が付与された光情報媒体(以下、光ディスクと略
記する)の製造例である。この実施例では、相変化型の
光ディスクを製造したが、本発明はこれに限らず、再生
専用型の光ディスク、1回のみ記録可能な光ディスク
等、記録層の種類によらず広く適用が可能である。
光ディスクの一例の概略断面図である。図2において、
光ディスク(11)は、支持基体(12)の情報ピットやプリグ
ルーブ等の微細凹凸が形成されている側の面上に、反射
層(13)、第2誘電体層(14)、相変化記録材料層(15)及び
第1誘電体層(16)をこの順で有し、第1誘電体層(16)上
に光透過層(18)を有し、光透過層(18)上にハードコート
層(19)及び防汚表面層(20)を有する。この例では、反射
層(13)、第2誘電体層(14)、相変化記録材料層(15)及び
第1誘電体層(16)が記録層(17)を構成する。ハードコー
ト層(19)及び防汚表面層(20)の両層を便宜的に複合ハー
ドコート層という。光ディスク(11)は、防汚表面層(2
0)、ハードコート層(19)及び光透過層(18)を通して、記
録又は再生のためのレーザー光が入射するように使用さ
れる。
ルを以下のようにして作製した。
ィスク状支持基体(12)(ポリカーボネート製、直径12
0mm、厚さ1.1mm)の表面に、Al98Pd1 Cu
1 (原子比)からなる厚さ100nmの反射層(13)をス
パッタリング法により形成した。前記グルーブの深さ
は、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6
とした。グルーブ記録方式における記録トラックピッチ
は、0.32μmとした。
ーゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ20n
mの第2誘電体層(14)を形成した。第2誘電体層(14)表
面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いてスパ
ッタリング法により、厚さ12nmの記録材料層(15)を
形成した。記録材料層(15)の組成(原子比)は、Sb 74
Te18(Ge7 In1 )とした。記録材料層(15)表面
に、ZnS(80モル%)−SiO2 (20モル%)タ
ーゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ130
nmの第1誘電体層(16)を形成した。
成のラジカル重合性の紫外線硬化型樹脂をスピンコート
法により塗布し、紫外線を照射して、硬化後の厚さが9
8μmとなるように光透過層(18)を形成した。
外線/電子線硬化型ハードコート剤をスピンコート法に
より塗布した後、大気中60℃で3分間加熱することに
より被膜内部の希釈溶剤を除去して、未硬化のハードコ
ート層(19)を形成した。
ルアクリレート(ダイキンファインケミカル研究所社
製)の0.25%(質量百分率)フロリナートFC−7
7(住友スリーエム社製)溶液を上記未硬化ハードコー
ト層(19)上にスピンコート法によって塗布し、これを6
0℃で3分間乾燥し、未硬化表面層(20)を形成した。
とによりハードコート層(19)と表面層(20)とを同時に硬
化させた。電子線照射装置Min−EB(ウシオ電機社
製)を用い、電子線加速電圧を50kV、照射線量を5
Mradとした。照射雰囲気の酸素濃度は80ppmで
あった。ハードコート層(19)の膜厚は2.5μm、表面
層(20)の膜厚は約28nmであった。なお、表面層の膜
厚は、パーフルオロポリエーテル(ダイキン工業社製、
デムナム)を標準物質として、蛍光X線分析(XRF)
により測定した。このようにして、複合ハードコート層
が付与された光記録ディスクサンプルNo.1を得た。
スク状支持基体(12)の表面上に、反射層(13)、第2誘電
体層(14)、相変化記録材料層(15)及び光透過層(18)を順
次形成した。
外線/電子線硬化型ハードコート剤をスピンコート法に
より塗布した後、直ちに窒素気流下で電子線を照射する
ことにより、ハードコート層が付与された光記録ディス
クサンプルNo.2を得た。この際の電子線照射条件は
実施例4と同様であった。ハードコート層の膜厚は2.
8μmであった。
スク状支持基体(12)の表面上に、反射層(13)、第2誘電
体層(14)、相変化記録材料層(15)及び光透過層(18)を順
次形成した。
いたのと同じ組成の紫外線/電子線硬化型ハードコート
剤をスピンコート法により塗布し、大気中60℃で3分
間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去して、
その後、大気中で紫外線(高圧水銀灯、2000mJ/
cm2 )を照射して、完全に硬化させたハードコート層
を形成した。
学工業社製、X-22-2445 )の0.25%(質量百分率)
n−オクタン溶液を、上記完全硬化ハードコート層上に
スピンコート法によって塗布し、これを60℃で1分間
乾燥し、未硬化表面層とした。その後、実施例4と同様
の電子線照射条件で、窒素気流下で電子線を照射するこ
とにより表面層を硬化させ、複合ハードコート層が付与
された光記録ディスクサンプルNo.3を得た。ハード
コート層の膜厚は3.0μm、表面層の膜厚は約21n
mであった。
した各光記録ディスクサンプルNo.1〜3について、
光ディスク評価装置(パルステック社製、DDU−10
00)を用い、下記条件にて記録・再生特性の評価を行
った。 レーザー波長:405nm 対物レンズ開口数NA:0.85 線速度:6.5m/s 記録信号:1−7変調信号(最短信号長2T) 記録領域:グルーブ記録
ム信号を記録し、初期のジッタ値を測定した。次いで、
各ディスクのハードコート側表面を、スチールウール#
0000を用いて荷重2.5N/cm2 にて20往復擦
り、その後、再度ジッタ値を測定した(試験後のジッタ
値)。なお、スチールウールでの摺動方向は、ディスク
の半径方向とし、スチールウールは1.0cm×1.0
cmの大きさのものを用いた。
ム信号を記録し、初期のジッタ値を測定した。次いで、
各ディスクのハードコート側表面の半径40mm付近
に、9.8Nの押圧で中指を10秒間押し付けることに
より指紋を付着させた。その後、市販のティッシュペー
パー((株)クレシア製)を8組重ねたものを用いて、
付着した指紋をディスクの内周から外周にかけてゆっく
りと拭き取った。拭き取りの際の押圧は4.9N/cm
2 とし、拭き取り回数は1回とした。その後、再度ジッ
タ値を測定した(試験後のジッタ値)。
光記録ディスクサンプルNo.1は、耐摩耗性及び防汚
性いずれの試験においても、初期及び試験後のジッタ値
に優れていた。
複合ハードコート層の付与を示した。しかしながら、本
発明は、記録層が相変化型の光ディスクのみならず、再
生専用型光ディスクや、追記型光ディスクにも適用され
る。さらに、本発明は、光情報媒体のみならず、光学レ
ンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び各種表示素子
にも適用される。そのため、前述の実施例はあらゆる点
で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。
さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変更は、す
べて本発明の範囲内のものである。
とともに、撥水性・潤滑性にも優れ、且つ、その耐久性
も極めて良好なハードコートが付与された物体が安価に
且つ容易に提供される。
体の層構成例を模式的に示す断面図である。
ディスクの一例の概略断面図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 物体表面に設けられたハードコート層と
ハードコート層表面に設けられた防汚表面層とを含む複
合ハードコート層が付与された物体であって、 ハードコート層は、活性エネルギー線硬化性化合物を含
むハードコート剤組成物の硬化物からなり、防汚表面層
は、防汚及び/又は潤滑機能を有する活性エネルギー線
硬化性化合物を含む表面層用材料の硬化物からなり、前
記防汚表面層は前記ハードコート層に固着されている、
複合ハードコート層が付与された物体。 - 【請求項2】 防汚表面層は、厚さ1nm以上100n
m以下である、請求項1に記載の複合ハードコート層が
付与された物体。 - 【請求項3】 ハードコート剤組成物に含まれる活性エ
ネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基、
ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択される少
なくとも1つの反応性基を有するものである、請求項1
又は2に記載の複合ハードコート層が付与された物体。 - 【請求項4】 表面層用材料に含まれる活性エネルギー
線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基、ビニル基
及びメルカプト基からなる群から選択される少なくとも
1つの反応性基を有するものである、請求項1〜3のう
ちのいずれか1項に記載の複合ハードコート層が付与さ
れた物体。 - 【請求項5】 表面層用材料に含まれる活性エネルギー
線硬化性化合物が、シリコーン系及び/又はフッ素系の
置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル基、ビニ
ル基及びメルカプト基からなる群から選択される少なく
とも1つの反応性基とを有する化合物を含む、請求項1
〜4のうちのいずれか1項に記載の複合ハードコート層
が付与された物体。 - 【請求項6】 ハードコート剤組成物には光重合開始
剤、及び必要に応じて無機フィラーが含まれている、請
求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の複合ハードコ
ート層が付与された物体。 - 【請求項7】 ハードコート処理すべき対象物体表面
に、活性エネルギー線硬化性化合物を含むハードコート
剤組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、 ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑
機能を有する活性エネルギー線硬化性化合物を含む表面
層用材料を成膜して表面材料層を形成し、 形成されたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活
性エネルギー線を照射して、前記両層を同時に硬化さ
せ、対象物体表面に接するハードコート層とハードコー
ト層表面に接する防汚表面層とを形成することを特徴と
する、対象物体表面にハードコート層と防汚表面層とを
含む複合ハードコート層を形成する方法。 - 【請求項8】 防汚表面層を、厚さ1nm以上100n
m以下に形成する、請求項7に記載の複合ハードコート
層の形成方法。 - 【請求項9】 対象物体表面にハードコート剤組成物を
塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、ハード
コート剤組成物層を乾燥して、ハードコート剤組成物中
に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物層から除去
し、その後、ハードコート剤組成物層表面上に表面材料
層を形成する、請求項7又は8に記載の複合ハードコー
ト層の形成方法。 - 【請求項10】 対象物体表面にハードコート剤組成物
を塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、必要
に応じてハードコート剤組成物層を乾燥して、活性エネ
ルギー線を照射してハードコート剤組成物層を半硬化の
状態として、その後、ハードコート剤組成物層表面上に
表面材料層を形成する、請求項7又は8に記載の複合ハ
ードコート層の形成方法。 - 【請求項11】 表面層用材料を塗布又は蒸着により成
膜して表面材料層を形成する、請求項7〜10のうちの
いずれか1項に記載の複合ハードコート層の形成方法。 - 【請求項12】 表面層用材料を塗布により成膜するに
際して、溶剤として、すでに形成されているハードコー
ト剤組成物層中の活性エネルギー線硬化性化合物を実質
的に溶解しない溶剤を用いる、請求項7〜11のうちの
いずれか1項に記載の複合ハードコート層の形成方法。 - 【請求項13】 ハードコート剤組成物に含まれる活性
エネルギー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル
基、ビニル基及びメルカプト基からなる群から選択され
る少なくとも1つの反応性基を有するものである、請求
項7〜12のうちのいずれか1項に記載の複合ハードコ
ート層の形成方法。 - 【請求項14】 表面層用材料に含まれる活性エネルギ
ー線硬化性化合物が、(メタ)アクリロイル基、ビニル
基及びメルカプト基からなる群から選択される少なくと
も1つの反応性基を有するものである、請求項7〜13
のうちのいずれか1項に記載の複合ハードコート層の形
成方法。 - 【請求項15】 表面層用材料に含まれる活性エネルギ
ー線硬化性化合物が、シリコーン系及び/又はフッ素系
の置換基を有する部位と、(メタ)アクリロイル基、ビ
ニル基及びメルカプト基からなる群から選択される少な
くとも1つの反応性基とを有する化合物を含む、請求項
7〜14のうちのいずれか1項に記載の複合ハードコー
ト層の形成方法。 - 【請求項16】 活性エネルギー線として、電子線又は
紫外線を用いる、請求項7〜15のうちのいずれか1項
に記載の複合ハードコート層の形成方法。 - 【請求項17】 活性エネルギー線の照射を、酸素濃度
500ppm以下の雰囲気中で行う、請求項7〜16の
うちのいずれか1項に記載の複合ハードコート層の形成
方法。 - 【請求項18】 ハードコート処理すべき対象物体表面
に、活性エネルギー線硬化性化合物を含むハードコート
剤組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、 ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑
機能を有する活性エネルギー線硬化性化合物を含む表面
層用材料を成膜して表面材料層を形成し、 形成されたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活
性エネルギー線を照射して、前記両層を同時に硬化さ
せ、対象物体表面に接するハードコート層とハードコー
ト層表面に接する防汚表面層とを形成することにより得
られた、物体表面に設けられたハードコート層とハード
コート層表面に設けられた防汚表面層とを含む複合ハー
ドコート層が付与された物体。 - 【請求項19】 物体が、光記録媒体、光磁気記録媒
体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、又は各
種表示素子である、請求項1〜6及び18のうちのいず
れか1項に記載の複合ハードコート層が付与された物
体。
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