JP2003315503A - 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法 - Google Patents

複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法

Info

Publication number
JP2003315503A
JP2003315503A JP2003037958A JP2003037958A JP2003315503A JP 2003315503 A JP2003315503 A JP 2003315503A JP 2003037958 A JP2003037958 A JP 2003037958A JP 2003037958 A JP2003037958 A JP 2003037958A JP 2003315503 A JP2003315503 A JP 2003315503A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
hard coat
agent composition
coat layer
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003037958A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Hayashida
直樹 林田
Kazuyuki Tanaka
和志 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2003037958A priority Critical patent/JP2003315503A/ja
Publication of JP2003315503A publication Critical patent/JP2003315503A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性及び潤滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗性
とに優れたハードコートが付与された物体を安価に提供
し、ハードコートの形成方法を提供する。 【解決手段】 ハードコート処理すべき対象物体1表面
に、カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤組
成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、ハー
ドコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑機能
を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用材料
を成膜して表面材料層を形成し、形成されたハードコー
ト剤組成物層及び表面材料層に活性エネルギー線を照射
するか、又は前記両層を加熱して、前記両層を同時に硬
化させ、対象物体1表面に接するハードコート層2とハ
ードコート層2表面に接する防汚表面層3とを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合ハードコート
層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法に関す
る。本発明において、複合ハードコート層とは、物体表
面に設けられた耐擦傷性及び耐摩耗性を担うハードコー
ト層と、ハードコート層表面に設けられた防汚性及び潤
滑性を担う防汚表面層とを含む。本発明は、より詳しく
は、防汚性及び潤滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗性とを必
要とする各種物体の分野において、これら諸性能を具備
した複合ハードコート層が表面に設けられた物体、及び
複合ハードコート層の形成方法に関する。
【0002】特に、光記録媒体、光磁気記録媒体、光学
レンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び液晶ディス
プレー、CRTディスプレー、プラズマディスプレー、
ELディスプレー等の各種表示素子などの表面に、それ
らの光学性能や記録特性を損なうことなく防汚性及び潤
滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗性とを有する複合ハードコ
ートを形成する方法、及び前記ハードコートが形成され
た製品に関する。
【0003】
【従来の技術】耐擦傷性や耐摩耗性が必要とされる各種
の物体、例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digi
tal Versatile Disk)などの光記録媒体、光磁気記録媒
体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び液
晶ディスプレー、CRTディスプレー、プラズマディス
プレー、ELディスプレー等の各種表示素子の表面に
は、通常保護層(ハードコート層)が付与されている。
【0004】これらの各種物体においては、ユーザーの
使用によって、その表面に指紋、皮脂、汗、化粧品等の
汚れが付着する場合が多い。このような汚れは、一度付
着すると除去することは容易でなく、特に、光記録媒体
や、この記録再生に用いられる光学レンズにおいては、
付着した汚れによって情報信号の記録及び再生に著しい
支障が生じるために、大きな問題となる。
【0005】また、光磁気記録媒体においては、記録層
の上に設けられた有機保護層上を磁界ヘッドが走行する
ため、保護層の耐摩耗性を高めると同時に、低摩擦係数
化することが求められる。
【0006】前者の問題を解決する手段として、汚れが
付着しにくく、付着しても拭き取りやすい性質、すなわ
ち防汚性を有する層を光学レンズ等の表面に形成する方
法が種々提案されている。具体的には、フッ素系又はシ
リコーン系の化合物からなる層を表面に設け、表面に撥
水性や撥油性を賦与し、防汚性を向上させる方法を採る
ことが多い。
【0007】一方、後者の問題、すなわち、保護層(ハ
ードコート層)表面の摩擦係数を低減する方法について
も、これまでに多くの対策が提案されている。具体的に
は、例えば、フッ素系ポリマー(例えば、パーフルオロ
ポリエーテル)やシリコーン系ポリマー(例えば、ポリ
ジメチルシロキサン)などの液体潤滑剤からなる膜を保
護層表面に設け、潤滑性を向上させる手法を用いること
が多い。
【0008】前者の防汚性と、後者の潤滑性とは本来ま
ったく別の特性であるが、それらの性能を賦与する手段
として、フッ素系化合物又はシリコーン系化合物を用い
ることが多いという点では共通している。このため、フ
ッ素系の化合物やシリコーン系の化合物を用いてハード
コート表面に防汚性又は潤滑性を賦与するに際して、両
者に共通して生じる問題点も多い。
【0009】フッ素系やシリコーン系の化合物には柔ら
かいものが多く、これらの化合物を用いた場合、充分な
耐摩耗性を得ることが極めて困難である。このような問
題点を改善するため、フッ素系ポリマー又はシリコーン
系ポリマーマトリックス中に、SiO2 微粒子などの無
機フィラーを添加し耐摩耗性を高める方法も考えられて
いる。しかしながら、このような方法では、多少の改善
はあっても、無機フィラーを分散するマトリックスとし
てフッ素系又はシリコーン系のポリマーを用いている限
り、満足な耐摩耗性を得ることはできない。
【0010】このため、保護層を2層以上の異なる層か
らなる積層構成とし、下層を高硬度の材料からなる層と
し、その表面に、フッ素系やシリコーン系の化合物から
なる上層を設け、防汚性や潤滑性を賦与する方法が考え
られている。この場合、積層保護層の最表面となる上層
が下層の硬度を反映するように、フッ素系やシリコーン
系の化合物からなる上層はできるだけ薄くすることが好
ましい。しかしながらこの方法においては、下層と、フ
ッ素系化合物やシリコーン系化合物からなる上層との間
の密着性を得ることが極めて難しい。
【0011】上記の密着性の問題を解決する方法とし
て、例えば以下のような手法が知られている。すなわ
ち、SiO2 などの無機物からなる下層をスパッタリン
グやゾル−ゲル法などの方法によって形成し、この下層
の表面に、フルオロアルキル基を有するアルコキシシラ
ンからなる上層を、蒸着や溶液塗布などの方法によって
形成する。その後、微量の水分の存在下で加熱処理を施
すことにより、前記アルコキシシランの加水分解により
生じたシラノール基同士の間で、及び/又はSiO 2
どからなる下層表面に存在する水酸基と前記シラノール
基との間で脱水縮合反応が起こり、上層が化学結合及び
/又は水素結合を介して下層表面に固定される。
【0012】上記の方法では、下層表面が水酸基などの
活性基を高い密度で有していることが望ましい。このた
め、下層に用いることができる材料は、無機化合物、特
に、SiO2 、Al2 3 、TiO2 、ZnSなどの金
属酸化物や金属カルコゲナイドに限定される。しかも、
下層がSiO2 などの金属酸化物からなっている場合で
あっても、上層の前記アルコキシシランとの密着性を充
分なものとするためには、上層の形成に先立って予め、
下層表面にアルカリ処理、プラズマ処理、コロナ放電処
理などの活性化処理を施し、表面の活性基の密度を増や
しておく必要がある。
【0013】下層として、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート又はポリメタクリル酸メチルなどの有機物を用い
て、下層表面をプラズマ処理やコロナ放電処理などの方
法によって親水化し、この下層表面上に前記アルコキシ
シランからなる上層を設ける試みもなされている。しか
し、この場合には、下層として上記無機物を用いた場合
に比べ、密着性に大きく劣り、充分な耐久性は得られて
いない。
【0014】また、ハードコート処理されるべき基材が
樹脂製である場合、下層としてSiO2 などの無機物を
用いる上記の方法では、ハードコートとしての耐摩耗性
を得ることが極めて難しい。SiO2 などの無機物から
なる層を樹脂製基材表面に設ける場合、形成可能な膜厚
は高々数100nm程度である。これ以上の膜厚にする
ことは製法上も困難であるし、仮に形成できたとして
も、基材との弾性率差や熱膨張係数差が著しく大きいた
めに、無機膜の自己破壊が容易に生じる。しかしなが
ら、数100nmの厚さの無機膜によって充分な耐摩耗
性を得ることは困難である。また、樹脂製基材と無機膜
との間での充分な密着性を得ることも難しい。従って、
無機膜が剥離しやすく、この点からも充分な耐摩耗性を
得ることは困難である。
【0015】このため、ハードコート処理されるべき基
材が樹脂製である場合、樹脂製基材上に高弾性率のプラ
イマー層を設け、プライマー層上に前記無機膜からなる
下層を設けて樹脂製基材と無機膜との密着性や無機膜の
強度を確保して、さらに下層表面の活性化処理を施し、
その下層表面上に前記フッ素系アルコキシシランからな
る上層を設ける必要がある。このように、3つの層を順
次形成する必要があり、極めて生産性が悪い。
【0016】特開平9−137117号公報には、樹脂
製基材表面に、分子中に少なくとも2個の(メタ)アク
リロイルオキシ基を有する重合性化合物とシリカ微粒子
等の無機化合物微粒子とを含有する組成物を塗布し、活
性エネルギー線照射により光重合させて硬化させ、この
硬化被膜表面にコロナ処理又はプラズマ処理を行い、次
いでその処理表面に、加水分解によりシラノール基を生
成する基を分子中に少なくとも1個有するシラン化合物
を塗布し、硬化被膜との密着性を高めたシラン化合物被
膜を形成する方法が開示されている。この場合にも、上
層のシラン化合物被膜と下層の硬化被膜との密着性を確
保するために、硬化被膜表面にコロナ処理又はプラズマ
処理を行うことが必要である。
【0017】一方、上述の光磁気記録媒体の保護層にお
いて、有機保護層表面にパーフルオロポリエーテルやポ
リジメチルシロキサンなどの液体潤滑剤を塗布し潤滑剤
膜を形成する場合は、潤滑剤が粘稠な液体であるため、
有機保護層と液体潤滑剤膜との間の密着性はさほど考慮
しなくてもよい。しかしながら、長期的には、磁界変調
ヘッドが繰り返し摺動することによって潤滑剤が減少し
たり、長期の保存において潤滑剤が僅かずつながら揮発
したりする恐れがある。このため、この方法において
も、前記潤滑剤は、有機保護層表面に強固に固定されて
いることが望ましい。
【0018】ところで、先述のように、防汚性を得るた
めには、保護層表面に撥水性や撥油性を賦与することが
必要であるが、これだけで必ずしも充分というわけでは
ない。付着した汚れの拭き取り操作は一般的にユーザー
の手によって行われるから、ユーザーが汚れの拭き取り
作業を行った際に、拭き取りが容易であると感じられる
ためには、保護層表面の摩擦係数の低減を図る必要があ
る。防汚性と摩擦係数との関係についてはこれまで指摘
されることがほとんどなかったが、実際には、防汚性を
賦与するにあたって、低摩擦係数化は、撥水・撥油性と
共に必須の特性といってよい。
【0019】また、表面を低摩擦係数化しておくことに
よって、硬い突起物が接触した際の衝撃を滑らせて逃が
すことができるため、擦過傷の発生を抑制することがで
きる。従って、ハードコートの傷つき防止性をより向上
させるという見地からも、表面の低摩擦係数化が要求さ
れる。
【0020】特開平6−211945号公報、特開20
00−301053号公報には、フルオロアルキルアク
リレートと、これと相溶性がないアクリルモノマーを、
両者を共に溶解する溶剤に所定の比率で溶かした組成物
を基材上に塗布し、塗布後直ちに電子線を照射して硬化
させることによってハードコート層を形成することが開
示されている。これらの公報によれば、前記組成物を1
〜15μmの厚さに塗布し、その後直ちに電子線を照射
することにより、瞬時に溶剤が蒸発し、且つ、フルオロ
アルキルアクリレート成分とアクリルモノマー成分とが
局在化し、塗膜表面にフルオロアルキルアクリレートが
偏在した状態で硬化する。
【0021】しかしながら、同両号公報によれば、相溶
性のない成分を含む組成物を用いるため、組成物を塗布
した後、溶剤揮発による局在化が起こる前に電子線を照
射し瞬時に硬化させる必要がある。そのため、塗布から
電子線照射のタイミングも難しく、塗工方法も極めて限
定される。例えば、スピンコート法などの、溶剤の蒸発
速度が速い塗工方法を用いることはできない。
【0022】さらに、最も大きな問題として、同両公報
記載の方法では、電子線照射と同時に溶剤を蒸発させる
ので、硬化被膜中の溶剤を完全に除去できない恐れが高
い。同公報では、硬化被膜から溶剤が完全に除去された
かどうかは何ら検証されていない。内部に微量の溶剤が
残留している場合、ハードコート形成直後は問題がなく
ても、長期の使用において、膜にクラックや剥離が生じ
る恐れがある。また、硬度も不十分なものとなるうえ、
ハードコートが形成された基材の反りが徐々に増大しや
すい。
【0023】また、電子線照射と同時に溶剤を蒸発させ
る方法では、硬化被膜がポーラスな構造になりやすいた
め、硬度が不足するばかりか、光学特性が劣化する恐れ
がある。従って、汎用製品への適用には問題がなくて
も、光学レンズや、光記録媒体などの、非常に高い光学
特性を要求される用途に対して適用することは困難であ
る。
【0024】すなわち、防汚性、潤滑性及び耐摩耗性を
高いレベルで同時に実現したハードコートはこれまで存
在していない。
【0025】
【特許文献1】特開平9−137117号公報
【特許文献2】特開平6−211945号公報
【特許文献3】特開2000−301053号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、防汚性及び潤滑性
と、耐擦傷性及び耐摩耗性とに優れたハードコートが付
与された物体を安価に提供することにある。また、本発
明の目的は、防汚性及び潤滑性と、耐擦傷性及び耐摩耗
性とに優れたハードコートを安価に且つ容易に形成する
方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、耐擦傷性及び耐摩耗性を担うハードコート層
を対象物体表面に、そして、防汚性及び潤滑性を担う防
汚表面層を前記ハードコート層表面に、活性エネルギー
線の照射又は加熱によって同時に硬化させて設けること
により、これら防汚表面層とハードコート層とが強固に
密着された複合ハードコート層が形成されることを見い
だし、本発明に到達した。
【0028】本発明には、以下の発明が含まれる。 (1) 物体表面に設けられたハードコート層とハードコー
ト層表面に設けられた防汚表面層とを含む複合ハードコ
ート層が付与された物体であって、ハードコート層は、
カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤組成物
の硬化物からなり、防汚表面層は、防汚及び/又は潤滑
機能を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用
材料の硬化物からなり、前記防汚表面層は前記ハードコ
ート層に固着されている、複合ハードコート層が付与さ
れた物体。ここで、固着とは、例えば実施例で示される
ように、複合ハードコート層の撥水性として、ハードコ
ート表面の水の接触角が初期及びウェスでの摺動後のい
ずれにおいても85度以上であることを意味する。固着
していなければ、特に摺動後において、85度以上の接
触角は達成できない。
【0029】(2) 防汚表面層は、厚さ1nm以上100
nm以下である、(1) に記載の複合ハードコート層が付
与された物体。
【0030】(3) ハードコート剤組成物に含まれるカチ
オン重合硬化性化合物が、環状エーテル基及びビニルエ
ーテル基からなる群から選択される少なくとも1つの反
応性基を有するものである、(1) 又は(2) に記載の複合
ハードコート層が付与された物体。
【0031】(4) 表面層用材料に含まれるカチオン重合
硬化性化合物が、環状エーテル基及びビニルエーテル基
からなる群から選択される少なくとも1つの反応性基を
有するものである、(1) 〜(3) のうちのいずれかに記載
の複合ハードコート層が付与された物体。
【0032】(5) 表面層用材料に含まれるカチオン重合
硬化性化合物が、シリコーン系及び/又はフッ素系の置
換基を有する部位と、環状エーテル基及びビニルエーテ
ル基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性
基とを有する化合物を含む、(1) 〜(4) のうちのいずれ
かに記載の複合ハードコート層が付与された物体。
【0033】(6) 前記ハードコート剤組成物及び/又は
前記表面層用材料には、光カチオン開始剤が含まれてい
る、(1) 〜(5) のうちのいずれかに記載の複合ハードコ
ート層が付与された物体。
【0034】(7) 前記ハードコート剤組成物及び/又は
前記表面層用材料には、熱重合カチオン硬化剤が含まれ
ている、(1) 〜(5) のうちのいずれかに記載の複合ハー
ドコート層が付与された物体。
【0035】(8) 前記ハードコート剤組成物及び/又は
前記表面層用材料には、さらに無機フィラーが含まれて
いる、(1) 〜(7) のうちのいずれかに記載の複合ハード
コート層が付与された物体。
【0036】(9) ハードコート処理すべき対象物体表面
に、カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤組
成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、ハー
ドコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑機能
を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用材料
を成膜して表面材料層を形成し、形成されたハードコー
ト剤組成物層及び表面材料層に活性エネルギー線を照射
するか、又は前記両層を加熱して、前記両層を同時に硬
化させ、対象物体表面に接するハードコート層とハード
コート層表面に接する防汚表面層とを形成することを含
む、対象物体表面にハードコート層と防汚表面層とを含
む複合ハードコート層を形成する方法。
【0037】(10) 防汚表面層を、厚さ1nm以上10
0nm以下に形成する、(9) に記載の複合ハードコート
層の形成方法。
【0038】(11) 対象物体表面にハードコート剤組成
物を塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、ハ
ードコート剤組成物層を乾燥して、ハードコート剤組成
物中に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物層から
除去し、その後、ハードコート剤組成物層表面上に表面
材料層を形成する、(9) 又は(10)に記載の複合ハードコ
ート層の形成方法。
【0039】(12) 対象物体表面にハードコート剤組成
物を塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、必
要に応じてハードコート剤組成物層を乾燥して、活性エ
ネルギー線を照射するか、又は加熱して、ハードコート
剤組成物層を半硬化の状態として、その後、ハードコー
ト剤組成物層表面上に表面材料層を形成する、(9) 又は
(10)に記載の複合ハードコート層の形成方法。
【0040】(13) 表面層用材料を塗布又は蒸着により
成膜して表面材料層を形成する、(9)〜(12)のうちのい
ずれかに記載の複合ハードコート層の形成方法。
【0041】(14) 表面層用材料を塗布により成膜する
に際して、溶剤として、すでに形成されているハードコ
ート剤組成物層中のカチオン重合硬化性化合物を実質的
に溶解しない溶剤を用いる、(13)に記載の複合ハードコ
ート層の形成方法。表面層用材料の塗布により表面材料
層を形成する場合には、塗布後に乾燥を行う。
【0042】(15) 活性エネルギー線として、電子線又
は紫外線を用いる、(9) 〜(14)のうちのいずれかに記載
の複合ハードコート層の形成方法。
【0043】(16) ハードコート処理すべき対象物体表
面に、カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤
組成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、ハ
ードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑機
能を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用材
料を成膜して表面材料層を形成し、形成されたハードコ
ート剤組成物層及び表面材料層に活性エネルギー線を照
射するか、又は前記両層を加熱して、前記両層を同時に
硬化させ、対象物体表面に接するハードコート層とハー
ドコート層表面に接する防汚表面層とを形成することに
より得られた、物体表面に設けられたハードコート層と
ハードコート層表面に設けられた防汚表面層とを含む複
合ハードコート層が付与された物体。
【0044】(17) 物体が、光記録媒体、光磁気記録媒
体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、又は各
種表示素子である、(1) 〜(8) 及び(16)のうちのいずれ
かに記載の複合ハードコート層が付与された物体。表示
素子としては、例えば、液晶ディスプレー、CRTディ
スプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレー等
が挙げられる。
【0045】この明細書において、「ハードコート剤組
成物層」とは、未硬化又は半硬化(一部硬化)状態のハ
ードコート層を意味する。「表面材料層」とは、未硬化
状態の表面層すなわち防汚表面層を意味する。
【0046】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の実施の
形態について詳細に説明する。図1は、本発明の複合ハ
ードコート層が付与された物体の層構成例を模式的に示
す断面図である。図1において、ハードコート処理すべ
き対象物体(1) 表面にハードコート層(2) が形成され、
ハードコート層(2) 表面に接して防汚表面層(3) が形成
されている。ハードコート層(2) と防汚表面層(3) の両
層を便宜的に複合ハードコート層という。
【0047】対象物体(1) としては、ハードコート処理
の必要な種々のものが含まれる。例えば、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど
の熱可塑性樹脂からなるシートや基板が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。より具体的な製品と
しては、光記録媒体、光磁気記録媒体、光学レンズ、光
学フィルター、反射防止膜、及び液晶ディスプレー、C
RTディスプレー、プラズマディスプレー、ELディス
プレー等の各種表示素子が挙げられる。
【0048】まず、対象物体(1) 表面に、カチオン重合
硬化性化合物を含むハードコート剤組成物を塗布してハ
ードコート剤組成物層を形成し、次に、ハードコート剤
組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑機能を有するカ
チオン重合硬化性化合物を含む表面層用材料を成膜して
表面材料層を形成する。ハードコート剤組成物、及び表
面層用材料の各成分について説明する。
【0049】ハードコート剤組成物に含まれるカチオン
重合硬化性化合物は、環状エーテル基及びビニルエーテ
ル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基を有
するものであれば、特にその構造は限定されない。カチ
オン重合硬化性化合物は、活性エネルギー線照射により
又は加熱によりハードコートとして十分な硬度を得るた
め、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上の重
合性基を含む多官能モノマーもしくはオリゴマーを含ん
でいることが好ましい。
【0050】このようなカチオン重合硬化性化合物のう
ち、環状エーテル基を有する化合物としては、例えばエ
ポキシ基や脂環エポキシ基、オキセタニル基を有する化
合物が挙げられる。
【0051】エポキシ基を有する化合物として、具体的
には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラ
ック型エポキシ樹脂類、トリスフェノールメタントリグ
リシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0052】また、脂環エポキシ基を有する化合物とし
て、具体的には、2,4-エポキシシクロヘキシルメチル-
3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス
(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2-
(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5- スピロ-3,4- エポ
キシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,
3-エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150
(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂)等
が挙げられる。
【0053】オキセタニル基を有する化合物として、具
体的には、1,4-ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル
メトキシ)メチル〕ベンゼン、1,3-ビス〔(3−エチル
−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチ
レングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメ
チル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−
エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエ
リスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニ
ルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキ
ス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エ
チル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられ
る。
【0054】カチオン重合硬化性化合物のうち、ビニル
エーテル基を有する化合物として、具体的には、トリエ
チレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレング
リコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパント
リビニルエーテル、シクロヘキサン-1,4- ジメチロール
ジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテ
ル、ポリエステルジビニルエーテル、ポリウレタンポリ
ビニルエーテル等が挙げられる。
【0055】ハードコート剤組成物に含まれるカチオン
重合硬化性化合物としては、1種のみを用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0056】また、ハードコート剤組成物において、上
記のカチオン重合硬化性化合物と同時に、ラジカル重合
硬化性の化合物を併用しても差し支えない。ラジカル重
合硬化性化合物としては、分子内に1つ以上のラジカル
重合性不飽和二重結合を有するものであれば特に制限は
ないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基を
有する化合物を用いることができる。
【0057】このようなラジカル重合硬化性化合物のう
ち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アク
リレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。
【0058】また、ビニル基を有する化合物としては、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテ
ル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチ
レングリコールジビニルエーテル等が挙げられるが、必
ずしもこれらに限定されるものではない。
【0059】ハードコート剤組成物において、ラジカル
重合硬化性化合物を用いる場合には、1種のみを用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0060】ハードコート剤組成物は、公知の光カチオ
ン開始剤又は熱重合カチオン硬化剤を含んでいることが
好ましい。光カチオン開始剤を含む場合には、活性エネ
ルギー線を照射することによりハードコート剤組成物は
硬化する(光カチオン重合硬化性)。熱重合カチオン硬
化剤を含む場合には、加熱することによりハードコート
剤組成物は硬化する(熱カチオン重合硬化性)。
【0061】光カチオン開始剤としては、例えば、ジア
ゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニ
ウム塩を用いることができ、特に、芳香族オニウム塩を
用いることが好ましい。その他、フェロセン誘導体等の
鉄−アレーン錯体や、アリールシラノール−アルミニウ
ム錯体等も好ましく用いることができ、これらの中から
適宜選択するとよい。具体的には、サイラキュアUVI
−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUV
I−6990(いずれも米国ダウケミカル社製)、イルガキ
ュア264 (チバスペシャルティケミカルズ社製)、CI
T−1682(日本曹達製)等が挙げられる。光カチオン開
始剤の含有量は、例えば、ハードコート剤組成物(固形
分として)中に0.5〜5重量%程度である。
【0062】また、ハードコート剤組成物が、カチオン
重合硬化性化合物の他にラジカル重合硬化性化合物をも
含む場合は、上記の光カチオン開始剤と同時に、光ラジ
カル開始剤を含んでいることが好ましい。このような光
ラジカル開始剤としては、例えば、ダロキュア1173、イ
ルガキュア651 、イルガキュア184 、イルガキュア907
、(いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)が
挙げられる。光ラジカル開始剤の含有量は、例えば、ハ
ードコート剤組成物(固形分として)中に0.5〜5重
量%程度である。
【0063】熱重合カチオン硬化剤としては、例えば、
潜在性硬化剤や、アミン系硬化剤、酸無水物硬化剤、ポ
リフェノール系硬化剤、ポリチオール系硬化剤等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0064】上記の潜在性硬化剤は取扱が容易であり、
上記に掲げた硬化剤の中で最も好ましく用いることがで
きる。このような潜在性硬化剤の例としては、当量的に
反応する有機酸ヒドラジド、アミンイミドや、触媒的に
反応する三フッ化ホウ素のアミン塩、スルホニウム塩等
を挙げることができる。熱重合カチオン硬化剤として、
具体的には、サンエイドSI−60L(三新化学工業
(株)製)などが市販されており、好ましく用いること
ができる。熱重合カチオン硬化剤の含有量は、例えば、
ハードコート剤組成物(固形分として)中に0.5〜2
0重量%程度である。
【0065】ハードコート剤組成物は、必要に応じて耐
摩耗性向上のために、無機フィラーを含んでもよい。無
機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジル
コニア、チタニア等が挙げられる。無機フィラーの平均
粒径は、特に透明性が必要になる場合は100nm以下
が好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
【0066】さらに、硬化被膜の強度や耐摩耗性をより
高めるためには、無機フィラーの表面が、活性エネルギ
ー線重合性基を有する化合物で修飾されていることが好
ましい。平均粒径が50nm以下であり、且つ活性エネ
ルギー線重合性基を有する化合物で表面修飾されている
無機フィラーとして、例えば特開平11−60235号
公報、特開平9−100111号公報、及び特開200
1−187812号公報に記載されている反応性シリカ
粒子があり、本発明において好ましく用いることができ
る。なお、特開平11−60235号公報に記載のシリ
カ粒子は、反応性基としてカチオン反応性のオキセタニ
ル基を含むものであり、特開平9−100111号公報
に記載のシリカ粒子は、反応性基としてラジカル反応性
の(メタ)アクリロイル基を含んでいる。特開2001
−187812号公報に記載のシリカ粒子は、(メタ)
アクリロイル基等のラジカル反応性不飽和二重結合と、
エポキシ基等のカチオン反応性基とを同時に含むもので
ある。このような無機フィラーをハードコート剤組成物
に添加しておくことにより、ハードコート層の耐摩耗性
をより高めることができる。無機フィラーの含有量は、
例えば、ハードコート剤組成物(固形分として)中に5
〜80重量%程度である。無機フィラーを80重量%よ
りも多く含有させると、ハードコート層の膜強度が弱く
なりやすい。
【0067】また、ハードコート剤組成物はさらに、必
要に応じて、非重合性の希釈溶剤、有機フィラー、重合
禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡
剤、レベリング剤、顔料、ケイ素化合物などを含んでい
ても差し支えない。前記非重合性の希釈溶剤としては、
例えば、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢
酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、エチルセロソルブ、
トルエンなどが挙げられる。
【0068】表面層用材料は、その硬化膜が防汚及び/
又は潤滑機能を有するものであればよい。すなわち、表
面層用材料に含まれるカチオン重合硬化性化合物は、防
汚性(撥水性及び/又は撥油性)及び/又は潤滑性を賦
与することができ、且つ、活性エネルギー線照射により
又は加熱によりカチオン重合するための環状エーテル基
及びビニルエーテル基の中から選択される少なくとも1
つの反応性基を有するものであれば、特にその構造は限
定されない。例えば、環状エーテル基及び/又はビニル
エーテル基を有するシリコーン系化合物、あるいはフッ
素系化合物を用いることができる。
【0069】シリコーン系化合物としては、シリコーン
系置換基を有する部位と、環状エーテル基及びビニルエ
ーテル基の中から選択される少なくとも1つの反応性基
とを有する化合物が挙げられ、より詳細には、例えば下
記式(1)から(3)に示す化合物が挙げられるが、必
ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、UV
硬化型剥離紙用シリコーンとして市販されているシリコ
ーン化合物も好ましく用いることができる。このような
UV硬化型剥離紙用シリコーンとしては、例えば、GE
東芝シリコーン(株)製のTPR6500、UV9315、XS
56−A2982や、仏ローディア社製のシリコリースUVシ
ステムなどが市販されており、好ましく用いることがで
きる。
【0070】 R−[Si(CH3)2O]n−R (1) R−[Si(CH3)2O]n−Si(CH3)3 (2) (CH3)3SiO −[Si(CH3)20]n−[Si(CH3)(R)O]m−Si(CH3)3 (3) ここで、Rは、環状エーテル基及びビニルエーテル基の
中から選択される少なくとも1つの反応性基を含む置換
基であり、n、mは重合度であり、nは5〜1000、
mは2〜100である。
【0071】フッ素系化合物としては、フッ素含有置換
基を有する部位と、環状エーテル基及びビニルエーテル
基の中から選択される少なくとも1つの反応性基とを有
する化合物が挙げられる。具体的には、3-(1H,1H-パー
フルオロオクチロキシ)-1,2- エポキシプロパン、3-
(1H,1H-パーフルオロノニロキシ)-1,2- エポキシプロ
パン、3-(1H,1H-パーフルオロデシロキシ)-1,2- エポ
キシプロパン、3-(1H,1H-パーフルオロウンデシロキ
シ)-1,2- エポキシプロパン、3-(1H,1H-パーフルオロ
テトラデシロキシ)-1,2- エポキシプロパン、3-(1H,1
H-パーフルオロヘキサデシロキシ)-1,2- エポキシプロ
パン、1H,1H,6H,6H-パーフルオロ-1,6- ヘキサンジオー
ルジグリシジルエーテル、1H,1H,8H,8H-パーフルオロ-
1,8- オクタンジオールジグリシジルエーテル、1H,1H,9
H,9H-パーフルオロ-1,9- ノナンジオールジグリシジル
エーテル、1H,1H,10H,10H-パーフルオロ-1,10-デカンジ
オールジグリシジルエーテル、1H,1H,12H,12H-パーフル
オロ-1,12-ドデカンジオールジグリシジルエーテル、Fo
mbrin Z DOL (アルコール変性パーフルオロポリエーテ
ル(アウジモント社製))のジグリシジルエーテル等が
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。例えば、反応性基として3,4-エポキシシクロヘキシ
ル基等の脂環エポキシ基や、ビニルエーテル基を有する
化合物も好ましく用いることができる。
【0072】表面層用材料に含まれるカチオン重合硬化
性化合物としては、上記シリコーン系化合物及びフッ素
系化合物の内から1種のみを用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。また、表面層用材料中の成分の一部と
して、前述したハードコート剤組成物に用いられるカチ
オン重合硬化性化合物が含まれていてもよく、場合によ
ってはラジカル重合硬化性化合物が含まれていてもよ
い。
【0073】表面層用材料中には、ハードコート剤組成
物が光カチオン開始剤を含む場合には光カチオン開始剤
が含まれていることも好ましく、ハードコート剤組成物
が熱重合カチオン硬化剤を含む場合には熱重合カチオン
硬化剤が含まれていることも好ましい。
【0074】また、表面層用材料中には、ハードコート
剤組成物におけるのと同様に、必要に応じて、非重合性
の希釈溶剤、有機フィラー、無機フィラー、重合禁止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レ
ベリング剤、顔料、ケイ素化合物などを含んでいても差
し支えない。
【0075】本発明において、以上のように、ハードコ
ート剤組成物と表面層用材料が構成される。
【0076】本発明において、まず、対象物体(1) 表面
に、上記ハードコート剤組成物を塗布してハードコート
剤組成物層を形成する。塗布方法は、限定されることな
く、スピンコート法、ディップコート法、グラビアコー
ト法等の各種塗布方法を用いるとよい。
【0077】対象物体(1) 表面にハードコート剤組成物
を塗布した後、表面層用材料を成膜するのに先立って、
ハードコート剤組成物層の流動性をなくしておくことが
好ましい。ハードコート剤組成物層の流動性をなくして
おくことによって、これの上に表面層用材料を成膜する
際に、ハードコート剤組成物層の膜厚変動や、表面性の
悪化を防ぐことができ、表面層用材料を均一に成膜しや
すい。
【0078】ハードコート剤組成物層の流動性をなくす
ためには、例えば、ハードコート剤組成物に希釈溶剤が
含まれる場合には、塗布後に乾燥して、ハードコート剤
組成物中に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物層
から除去するとよい。また、塗布後に必要に応じて乾燥
して、光カチオン開始剤を含む場合には紫外線等の活性
エネルギー線を照射して、又は熱重合カチオン硬化剤を
含む場合には加熱して、ハードコート剤組成物層を半硬
化の状態としてもよい。ハードコート剤組成物層が完全
には硬化しないように、活性エネルギー線の照射条件、
又は加熱条件に注意する。なお、半硬化とは、塗布され
たハードコート剤組成物の一部が未反応であることを意
味する。従って、ハードコート剤組成物層の物理的な硬
化度は特に問わず、表面の粘着性(タック)が消失して
いても差し支えない。光カチオン開始剤を含む場合に
は、この際の紫外線照射量は、ハードコート層の厚さに
もよるが、例えば1〜500mJ/cm2 、好ましくは
1〜200mJ/cm2 とするとよい。この程度の紫外
線照射量で、半硬化状態のハードコート剤組成物層が得
られやすい。電子線照射を行う場合には、電子線の照射
量は、例えば1〜30Mrad、好ましくは1〜10M
radとするとよい。使用する樹脂の反応性基の種類や
量、層の厚さ、含有されるフィラー等の添加剤にもよる
が、この程度の電子線照射量で、半硬化状態のハードコ
ート剤組成物層が得られやすい。また、熱重合カチオン
硬化剤を含む場合には、50〜120℃で5分〜60分
間程度の加熱条件とするとよい。
【0079】ハードコート剤組成物層の硬化により得ら
れるハードコート層の厚さは、特に限定されることな
く、対象物体に種類や用途によって適宜決定するとよ
い。例えば、対象物体が、光記録ディスクの場合には、
1μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上5μm
以下となるように形成するとよい。1μm未満では、デ
ィスクに充分な表面硬度を与えることができず、10μ
mを超えると、クラックが発生したり、ディスクの反り
が大きくなる傾向にある。
【0080】次に、未硬化又は一部硬化(半硬化)状態
のハードコート剤組成物層表面上に、上記表面層用材料
を成膜して表面材料層を形成する。表面材料層は、硬化
後に得られる防汚表面層の厚さが、1nm以上100n
m以下、好ましくは5nm以上50nm以下となるよう
に形成するとよい。1nm未満では、防汚性及び潤滑性
の効果があまり得られず、100nmを超えると、下層
のハードコート層の硬度があまり反映されず、耐擦傷性
及び耐摩耗性の効果が減少してしまう。
【0081】成膜は、表面層用材料の塗布により、ある
いは蒸着により行うことができる。塗布は、上記表面層
用材料を適当な溶剤で希釈し、この塗布液を限定される
ことなく、スピンコート法、ディップコート法、グラビ
アコート法、スプレーコート法等の各種塗布方法で塗布
するとよい。塗布後、乾燥を行う。
【0082】この際の溶剤としては、未硬化又は一部硬
化(半硬化)状態のハードコート剤組成物層中のカチオ
ン重合硬化性化合物を実質的に溶解しない溶剤を選択し
て用いることが好ましい。前記ハードコート剤組成物層
を実質的に溶解するか否かは、溶剤の種類だけでなく、
塗布方法にも依存する。例えば、表面材料層の塗布方法
としてスピンコート法を用いる際は、多くの場合、スピ
ンコート時に塗布液に含まれる希釈溶剤の大半は揮発す
るため、前記ハードコート剤組成物層をある程度溶解す
る溶剤を希釈溶剤として用いても、実用上は問題になら
ない。一方、例えば、表面材料層の塗布方法としてディ
ップコート法を用いる場合は、未硬化の前記ハードコー
ト剤組成物層表面と、表面材料層塗布液との接触時間が
長いため、前記ハードコート剤組成物層材料をまったく
溶解しないか、ほとんど溶解しない溶剤を用いる必要が
ある。
【0083】ディップコート法において用い得る溶剤と
しては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−
オクタン、イソオクタン等の飽和炭化水素、ヘキサメチ
ルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン等のケイ素化合物、パー
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオ
ロオクタン等のフルオロカーボンなどが挙げられる。ス
ピンコート法において用い得る溶剤としては、前記の各
種溶剤の他に、例えば、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、ジブチルエーテル、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、メチルパーフルオロブチルエー
テル、エチルパーフルオロブチルエーテル、HFC 43-
10mee 、 1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタ
ンなどが挙げられる。
【0084】このようにして、未硬化又は一部硬化(半
硬化)状態のハードコート剤組成物層と、その表面上に
未硬化の表面材料層とを形成する。
【0085】次に、形成されたハードコート剤組成物層
及び表面材料層の両層を同時に硬化させる。
【0086】ハードコート剤組成物及び/又は表面層用
材料が光カチオン開始剤を含む場合には、前記両層に活
性エネルギー線を照射することにより前記両層を同時に
硬化させる。この際、前記両層を完全に硬化させ得るに
十分なエネルギー量の活性エネルギー線を照射し、両層
の硬化反応を完結させる。
【0087】光カチオン重合硬化性の場合に、ハードコ
ート剤組成物層及び表面材料層を同時硬化させる手段と
しては、紫外線、電子線、可視光などの活性エネルギー
線の中から適切なものを選択して用いればよい。ただ
し、本発明においては、防汚表面層の厚さが1nm以上
100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下と
極めて薄く、ハードコート層との良好な密着性を得るた
めに、両層の界面近傍において良好な反応性が得られる
硬化手段を用いる必要がある。光カチオン重合硬化性の
場合には、酸素による硬化阻害は起こらないため、ラジ
カル重合系におけるような活性エネルギー線照射雰囲気
中の酸素濃度を制御する必要はなく有利である。しかし
ながら、水分、アミン系化合物、アルカリ化合物による
活性種の失活が起きやすいため、系中にこれらの成分が
混入しないよう注意する必要がある。
【0088】両層の同時硬化の際、紫外線を用いる場合
には、紫外線照射量は、例えば100〜5000mJ/
cm2 、好ましくは500〜3000mJ/cm2 とす
るとよい。電子線を用いる場合には、電子線の照射量
は、例えば1〜50Mrad、好ましくは3〜30Mr
adとするとよい。照射量は、使用する樹脂の反応性基
の種類や量、層の厚さ、含有されるフィラー等の添加剤
にもよるので、適宜調整するとよい。また、電子線の加
速電圧は、例えば20〜200kVとするとよい。但
し、後述するような記録層を有する光情報媒体の場合
は、記録層にダメージを与えないように、例えば20〜
100kV、好ましくは30〜70kVとするとよい。
【0089】ハードコート剤組成物及び/又は表面層用
材料が熱重合カチオン硬化剤を含む場合には、前記両層
を加熱することにより前記両層を同時に硬化させる。こ
の際、前記両層を完全に硬化させ得るに十分な熱量を与
え、両層の硬化反応を完結させる。
【0090】熱カチオン重合硬化性の場合に、ハードコ
ート剤組成物層及び表面材料層を同時硬化させる手段と
しては、常法により、熱風循環炉や遠赤外線パネルを用
いるとよい。60〜120℃で、15分〜180分間程
度の加熱条件とするとよい。
【0091】本発明において、未硬化又は一部硬化(半
硬化)状態のハードコート剤組成物層とその表面上に接
して設けられた未硬化の表面材料層とを同時に硬化させ
ることにより、これら両層が界面において強固に密着さ
れ、すなわち、硬化したハードコート層(2) 上に硬化し
た防汚表面層(3) が密着性良く得られる。
【0092】本発明のこのようなプロセスを用いること
により、高硬度のハードコート層(2) 上に、その硬度が
最表面に反映される程度に薄く、且つ良好な撥水性・潤
滑性を有する防汚表面層(3) を設けると共に、ハードコ
ート層(2) と防汚表面層(3)の良好な密着性が得られ
る。
【0093】このような材料及び成膜、硬化方法を用い
ることにより、耐摩耗性及び撥水・潤滑性に優れ、その
耐久性も良好な複合ハードコート層が形成される。
【0094】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0095】[実施例1:光カチオン硬化タイプ]以下
の組成の紫外線硬化型ハードコート剤を調製し、得られ
た組成物を、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板
(直径12cm)上にスピンコート法により塗布した。
その後、大気中60℃で3分間加熱することにより塗膜
内部の希釈溶剤を除去して、未硬化のハードコート層を
形成した。
【0096】 (紫外線硬化型ハードコート剤組成物) グリシジル基修飾コロイダルシリカ 50重量部 (平均粒径12nm、分散媒プロピレングリコールモノメチルエーテル、不揮発 分30質量%) ソルビトールポリグリシジルエーテル 23重量部 (四日市合成社製、PA36−PEP) 1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 12重量部 (四日市合成社製) 光重合開始剤(ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ ネート、GE東芝シリコーン社製、UV9380C) 2重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 15重量部
【0097】次いで、以下の組成の表面層材料を調製
し、得られた組成物を、上記未硬化ハードコート層上に
スピンコート法によって塗布し、これを60℃で3分間
乾燥し、未硬化表面層とした。
【0098】 (表面層材料組成物) 脂環エポキシ変性シリコーンオイルTPR6500 1重量部 (GE東芝シリコーン社製) 光重合開始剤(ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ ネート、GE東芝シリコーン社製、UV9380C) 0.03重量部 n−オクタン 499重量部
【0099】なお、上記脂環エポキシ変性シリコーンオ
イルは、反応性基として3, 4−エポキシシクロヘキシ
ル基を有しており、25℃における粘度は300cPで
あった。
【0100】次いで、大気中で紫外線を照射することに
よりハードコート層と表面層とを同時に硬化させた。光
源としては160Wの高圧水銀灯を用い、積算光量は
1.5J/cm2 とした。ハードコート層の膜厚は2.
5μm、表面層の膜厚は約16nmであった。なお、ハ
ードコート層の膜厚は、接触探針式の表面形状測定機に
より測定した。表面層の膜厚は、シリコーンオイル(信
越化学工業(株)製、KF96)を標準物質として、蛍
光X線分析(XRF)により測定した。このようにし
て、複合ハードコート層付き基板を得た。
【0101】[実施例2:光カチオン硬化タイプ]以下
の組成の紫外線硬化型ハードコート剤を調製し、得られ
た組成物を、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板
(直径12cm)上にスピンコート法により塗布した。
その後、大気中60℃で3分間加熱することにより塗膜
内部の希釈溶剤を除去して、未硬化のハードコート層を
形成した。
【0102】 (紫外線硬化型ハードコート剤組成物) 脂環式固形エポキシ樹脂EHPE−3150 20重量部 (ダイセル化学工業社製) 4官能脂環式エポキシ樹脂エポリードGT403 20重量部 (ダイセル化学工業社製) 2官能脂環式エポキシ樹脂UVR−6105 10重量部 (ダウケミカル社製) 光重合開始剤シリコリースUV CATA211 1.5重量部 (ジアリールヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、荒 川化学工業社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 50重量部
【0103】次いで、以下の組成の表面層材料を調製
し、得られた組成物を、上記未硬化ハードコート層上に
スピンコート法によって塗布し、これを60℃で3分間
乾燥し、未硬化表面層とした。
【0104】 (表面層材料組成物) 脂環エポキシ変性シリコーンオイル シリコリースUV POLY201 (荒川化学工業社製) 1重量部 光重合開始剤シリコリースUV CATA211 0.03重量部 (ジアリールヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、荒 川化学工業社製) n−オクタン 199重量部
【0105】次いで、大気中で紫外線を照射することに
よりハードコート層と表面層とを同時に硬化させた。光
源としては160Wの高圧水銀灯を用い、積算光量は
1.5J/cm2 とした。ハードコート層の膜厚は3.
2μm、表面層の膜厚は約40nmであった。このよう
にして、複合ハードコート層付き基板を得た。
【0106】[実施例3:熱カチオン硬化タイプ]以下
の組成の熱硬化型ハードコート剤を調製し、得られた組
成物を、厚さ0.6mmのポリカーボネート基板(直径
12cm)上にスピンコート法により塗布した。その
後、大気中60℃で3分間加熱することにより塗膜内部
の希釈溶剤を除去して、未硬化のハードコート層を形成
した。
【0107】 (熱硬化型ハードコート剤組成物) 脂環式固形エポキシ樹脂EHPE−3150 20重量部 (ダイセル化学工業社製) 4官能脂環式エポキシ樹脂エポリードGT403 20重量部 (ダイセル化学工業社製) 2官能脂環式エポキシ樹脂UVR−6105 10重量部 (ダウケミカル社製) 熱重合開始剤サンエイドSI−60L 1.5重量部 (三新化学工業社製) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 50重量部
【0108】次いで、以下の組成の表面層材料を調製
し、得られた組成物を、上記未硬化ハードコート層上に
スピンコート法によって塗布し、これを60℃で3分間
予備乾燥した後、120℃にて2時間加熱することによ
りハードコート層と表面層とを同時に硬化させた。ハー
ドコート層の膜厚は3.0μm、表面層の膜厚は約16
nmであった。このようにして、複合ハードコート層付
き基板を得た。
【0109】 (表面層材料組成物) 脂環エポキシ変性シリコーンオイルTPR6500 1重量部 (GE東芝シリコーン社製) 熱重合開始剤サンエイドSI−60L 0.03重量部 (三新化学工業社製) n−オクタン 499重量部
【0110】[比較例1]以下の組成の紫外線硬化型ハ
ードコート剤を調製し、得られた組成物を、厚さ0.6
mmのポリカーボネート基板(直径12cm)上にスピ
ンコート法により塗布した。その後、大気中60℃で3
分間加熱することにより塗膜内部の希釈溶剤を除去した
のち、大気中で紫外線を照射することによりハードコー
ト層を硬化させた。光源としては160Wの高圧水銀灯
を用い、積算光量は1.5J/cm 2 とした。
【0111】 (紫外線硬化型ハードコート剤組成物) グリシジル基修飾コロイダルシリカ 50重量部 (触媒化成工業社製、平均粒径12nm、分散媒プロピレングリコールモノメチ ルエーテル、不揮発分30質量%) ソルビトールポリグリシジルエーテル 20重量部 (四日市合成社製、PA36−PEP) 1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 15重量部 (四日市合成社製) 光重合開始剤(ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ ネート、GE東芝シリコーン社製、UV9380C) 2重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 15重量部
【0112】次いで、以下の組成の表面層材料を調製
し、得られた組成物を、上記硬化されたハードコート層
上にスピンコート法によって塗布し、これを60℃で3
分間乾燥したのち、大気中で紫外線を照射することによ
り表面層を硬化させた。光源としては160Wの高圧水
銀灯を用い、積算光量は1.5J/cm2 とした。
【0113】 (表面層材料組成物) 脂環エポキシ変性シリコーンオイルTPR6500 1重量部 (GE東芝シリコーン社製) 光重合開始剤(ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモ ネート、GE東芝シリコーン社製、UV9380C) 0.03重量部 n−オクタン 499重量部
【0114】なお、上記脂環エポキシ変性シリコーンオ
イルは、反応性基として3, 4−エポキシシクロヘキシ
ル基を有しており、25℃における粘度は300cPで
あった。ハードコート層の膜厚は3.2μm、表面層の
膜厚は約14nmであった。このようにして、複合ハー
ドコート層付き基板を得た。
【0115】(評価)実施例1〜3及び比較例1で作製
した各試料について、以下に示す性能試験を行った。
【0116】(1)耐摩耗性 スチールウール#0000を用い、試料のハードコート
表面を、荷重4.9N/cm2 にて20往復摺動した際
に生じた傷の程度を目視により判定した。判定基準は以
下の通りである。 ○:傷発生なし △:わずかに傷発生 ×:傷発生
【0117】(2)撥水性及びその耐久性 試料のハードコート表面の水の接触角を測定した。測定
は、初期と、溶剤を含ませたウェスで試料表面を摺動し
た後それぞれについて行った。摺動条件は以下の通りで
あった。すなわち、不織布(旭化成工業社製、ベンコッ
トリントフリーCT−8)にアセトンを含浸させ、荷重
4.9N/cm2 にて50往復摺動した。接触角の測定
は、協和界面科学社製、接触角計CA−Dを用いて、気
温20℃、相対湿度60%の環境下で行った。
【0118】
【表1】
【0119】以上の測定結果を表1に示す。表1から、
実施例1〜3のハードコート層付き基板は、非常に高い
表面硬度を有すると共に、撥水性に優れ、その耐久性も
極めて良好であった。一方、実施例1と同じ材料を用い
た比較例1においては、初期の撥水性には優れていた
が、摺動後の撥水性に劣っていた。比較例1では、硬化
後のハードコート層上に表面層を塗布形成したので、両
層間の密着性が不十分であった。
【0120】[実施例4]この実施例は、複合ハードコ
ート層が付与された光情報媒体(以下、光ディスクと略
記する)の製造例である。この実施例では、相変化型の
光ディスクを製造したが、本発明はこれに限らず、再生
専用型の光ディスク、1回のみ記録可能な光ディスク
等、記録層の種類によらず広く適用が可能である。
【0121】図2は、複合ハードコート層が付与された
光ディスクの一例の概略断面図である。図2において、
光ディスク(11)は、支持基体(12)の情報ピットやプリグ
ルーブ等の微細凹凸が形成されている側の面上に、反射
層(13)、第2誘電体層(14)、相変化記録材料層(15)及び
第1誘電体層(16)をこの順で有し、第1誘電体層(16)上
に光透過層(18)を有し、光透過層(18)上にハードコート
層(19)及び防汚表面層(20)を有する。この例では、反射
層(13)、第2誘電体層(14)、相変化記録材料層(15)及び
第1誘電体層(16)が記録層(17)を構成する。ハードコー
ト層(19)及び防汚表面層(20)の両層を便宜的に複合ハー
ドコート層という。光ディスク(11)は、防汚表面層(2
0)、ハードコート層(19)及び光透過層(18)を通して、記
録又は再生のためのレーザー光が入射するように使用さ
れる。
【0122】図2に示す層構成の光記録ディスクサンプ
ルを以下のようにして作製した。
【0123】情報記録のためにグルーブが形成されたデ
ィスク状支持基体(12)(ポリカーボネート製、直径12
0mm、厚さ1.1mm)の表面に、Al98Pd1 Cu
1 (原子比)からなる厚さ100nmの反射層(13)をス
パッタリング法により形成した。前記グルーブの深さ
は、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6
とした。グルーブ記録方式における記録トラックピッチ
は、0.32μmとした。
【0124】次いで、反射層(13)表面に、Al2 3
ーゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ20n
mの第2誘電体層(14)を形成した。第2誘電体層(14)表
面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いてスパ
ッタリング法により、厚さ12nmの記録材料層(15)を
形成した。記録材料層(15)の組成(原子比)は、Sb 74
Te18(Ge7 In1 )とした。記録材料層(15)表面
に、ZnS(80モル%)−SiO2 (20モル%)タ
ーゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ130
nmの第1誘電体層(16)を形成した。
【0125】次いで、第1誘電体層(16)表面に、下記組
成のラジカル重合性の紫外線硬化型樹脂をスピンコート
法により塗布し、紫外線を照射して、硬化後の厚さが9
8μmとなるように光透過層(18)を形成した。
【0126】 (光透過層:紫外線硬化型樹脂の組成) ウレタンアクリレートオリゴマー 50重量部 (三菱レイヨン(株)製、ダイヤビームUK6035) イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 10重量部 (東亜合成(株)製、アロニックスM315) イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 5重量部 (東亜合成(株)製、アロニックスM215) テトラヒドロフルフリルアクリレート 25重量部 光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 3重量部
【0127】次いで、光透過層(18)上に、実施例2で用
いたのと同じ紫外線硬化型ハードコート剤組成物をスピ
ンコート法により塗布した後、大気中60℃で3分間加
熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去して、未硬
化のハードコート層(19)を形成した。
【0128】次いで、上記未硬化ハードコート層(19)上
に、実施例2で用いたのと同じ表面層材料組成物をスピ
ンコート法によって塗布し、これを60℃で3分間乾燥
し、未硬化表面層(20)を形成した。
【0129】その後、大気中で紫外線を照射することに
よりハードコート層(19)と表面層(20)とを同時に硬化さ
せた。光源としては160Wの高圧水銀灯を用い、積算
光量は1.5J/cm2 とした。ハードコート層の膜厚
は3.0μm、表面層の膜厚は約40nmであった。こ
のようにして、複合ハードコート層が付与された光記録
ディスクサンプルを得た。
【0130】得られた光記録ディスクサンプルの複合ハ
ードコート層側表面について、前述したのと同じ方法に
より、耐摩耗性と、接触角の評価を行った。耐摩耗性に
ついては、傷の発生は全くなく良好であった。接触角に
ついては、初期:102.3度、摺動後:102.7度
であり、優れた撥水性及びその耐久性を示した。
【0131】上記実施例では、相変化型光ディスクへの
複合ハードコート層の付与を示した。しかしながら、本
発明は、記録層が相変化型の光ディスクのみならず、再
生専用型光ディスクや、追記型光ディスクにも適用され
る。さらに、本発明は、光情報媒体のみならず、光学レ
ンズ、光学フィルター、反射防止膜、及び各種表示素子
にも適用される。そのため、前述の実施例はあらゆる点
で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。
さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変更は、す
べて本発明の範囲内のものである。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、高い耐摩耗性を有する
とともに、撥水性・潤滑性にも優れ、且つ、その耐久性
も極めて良好なハードコートが付与された物体が安価に
且つ容易に提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合ハードコート層が付与された物
体の層構成例を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の複合ハードコート層が付与された光
ディスクの一例の概略断面図である。
【符号の説明】
(1) :対象物体 (2) :ハードコート層 (3) :防汚表面層 (11):光ディスク (12):支持基体 (13):反射層 (14):第2誘電体層 (15):相変化記録材料層 (16):第1誘電体層 (18):光透過層 (19):ハードコート層 (20):防汚表面層
フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 CC21 CC26 CC42 DD02 EE00 EE05 4D075 AE13 AE16 AE27 BB24Y BB25Y BB26Z BB42Z BB43Y BB46Y BB46Z BB47Y BB47Z BB92Z CA02 CA09 CA13 CA34 CA36 CB02 DA04 DA06 DB36 DB43 DB48 DC24 DC27 EA07 EA19 EA21 EB16 EB22 EB24 EB32 EB33 EB35 EB37 EB38 EB43 EC01 EC07 EC13 EC37 4F100 AK45 AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C BA25C CA23C CA30B CA30C EH462 EH662 EJ082 EJ522 GB41 GB56 JB12B JB12C JK09 JK12B JK16 JL06C JM02B JM02C YY00C

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体表面に設けられたハードコート層と
    ハードコート層表面に設けられた防汚表面層とを含む複
    合ハードコート層が付与された物体であって、 ハードコート層は、カチオン重合硬化性化合物を含むハ
    ードコート剤組成物の硬化物からなり、防汚表面層は、
    防汚及び/又は潤滑機能を有するカチオン重合硬化性化
    合物を含む表面層用材料の硬化物からなり、前記防汚表
    面層は前記ハードコート層に固着されている、複合ハー
    ドコート層が付与された物体。
  2. 【請求項2】 防汚表面層は、厚さ1nm以上100n
    m以下である、請求項1に記載の複合ハードコート層が
    付与された物体。
  3. 【請求項3】 ハードコート剤組成物に含まれるカチオ
    ン重合硬化性化合物が、環状エーテル基及びビニルエー
    テル基からなる群から選択される少なくとも1つの反応
    性基を有するものである、請求項1又は2に記載の複合
    ハードコート層が付与された物体。
  4. 【請求項4】 表面層用材料に含まれるカチオン重合硬
    化性化合物が、環状エーテル基及びビニルエーテル基か
    らなる群から選択される少なくとも1つの反応性基を有
    するものである、請求項1〜3のうちのいずれか1項に
    記載の複合ハードコート層が付与された物体。
  5. 【請求項5】 表面層用材料に含まれるカチオン重合硬
    化性化合物が、シリコーン系及び/又はフッ素系の置換
    基を有する部位と、環状エーテル基及びビニルエーテル
    基からなる群から選択される少なくとも1つの反応性基
    とを有する化合物を含む、請求項1〜4のうちのいずれ
    か1項に記載の複合ハードコート層が付与された物体。
  6. 【請求項6】 前記ハードコート剤組成物及び/又は前
    記表面層用材料には、光カチオン開始剤が含まれてい
    る、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の複合ハ
    ードコート層が付与された物体。
  7. 【請求項7】 前記ハードコート剤組成物及び/又は前
    記表面層用材料には、熱重合カチオン硬化剤が含まれて
    いる、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の複合
    ハードコート層が付与された物体。
  8. 【請求項8】 前記ハードコート剤組成物及び/又は前
    記表面層用材料には、さらに無機フィラーが含まれてい
    る、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の複合ハ
    ードコート層が付与された物体。
  9. 【請求項9】 ハードコート処理すべき対象物体表面
    に、カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤組
    成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、 ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑
    機能を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用
    材料を成膜して表面材料層を形成し、 形成されたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活
    性エネルギー線を照射するか、又は前記両層を加熱し
    て、前記両層を同時に硬化させ、対象物体表面に接する
    ハードコート層とハードコート層表面に接する防汚表面
    層とを形成することを含む、対象物体表面にハードコー
    ト層と防汚表面層とを含む複合ハードコート層を形成す
    る方法。
  10. 【請求項10】 防汚表面層を、厚さ1nm以上100
    nm以下に形成する、請求項9に記載の複合ハードコー
    ト層の形成方法。
  11. 【請求項11】 対象物体表面にハードコート剤組成物
    を塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、ハー
    ドコート剤組成物層を乾燥して、ハードコート剤組成物
    中に含まれていた溶剤をハードコート剤組成物層から除
    去し、その後、ハードコート剤組成物層表面上に表面材
    料層を形成する、請求項9又は10に記載の複合ハード
    コート層の形成方法。
  12. 【請求項12】 対象物体表面にハードコート剤組成物
    を塗布してハードコート剤組成物層を形成した後、必要
    に応じてハードコート剤組成物層を乾燥して、活性エネ
    ルギー線を照射するか、又は加熱して、ハードコート剤
    組成物層を半硬化の状態として、その後、ハードコート
    剤組成物層表面上に表面材料層を形成する、請求項9又
    は10に記載の複合ハードコート層の形成方法。
  13. 【請求項13】 表面層用材料を塗布又は蒸着により成
    膜して表面材料層を形成する、請求項9〜12のうちの
    いずれか1項に記載の複合ハードコート層の形成方法。
  14. 【請求項14】 表面層用材料を塗布により成膜するに
    際して、溶剤として、すでに形成されているハードコー
    ト剤組成物層中のカチオン重合硬化性化合物を実質的に
    溶解しない溶剤を用いる、請求項13に記載の複合ハー
    ドコート層の形成方法。
  15. 【請求項15】 活性エネルギー線として、電子線又は
    紫外線を用いる、請求項9〜14のうちのいずれか1項
    に記載の複合ハードコート層の形成方法。
  16. 【請求項16】 ハードコート処理すべき対象物体表面
    に、カチオン重合硬化性化合物を含むハードコート剤組
    成物を塗布してハードコート剤組成物層を形成し、 ハードコート剤組成物層表面上に、防汚及び/又は潤滑
    機能を有するカチオン重合硬化性化合物を含む表面層用
    材料を成膜して表面材料層を形成し、 形成されたハードコート剤組成物層及び表面材料層に活
    性エネルギー線を照射するか、又は前記両層を加熱し
    て、前記両層を同時に硬化させ、対象物体表面に接する
    ハードコート層とハードコート層表面に接する防汚表面
    層とを形成することにより得られた、物体表面に設けら
    れたハードコート層とハードコート層表面に設けられた
    防汚表面層とを含む複合ハードコート層が付与された物
    体。
  17. 【請求項17】 物体が、光記録媒体、光磁気記録媒
    体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、又は各
    種表示素子である、請求項1〜8及び16のうちのいず
    れか1項に記載の複合ハードコート層が付与された物
    体。
JP2003037958A 2002-02-22 2003-02-17 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法 Pending JP2003315503A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003037958A JP2003315503A (ja) 2002-02-22 2003-02-17 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-46135 2002-02-22
JP2002046135 2002-02-22
JP2003037958A JP2003315503A (ja) 2002-02-22 2003-02-17 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003315503A true JP2003315503A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29551862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003037958A Pending JP2003315503A (ja) 2002-02-22 2003-02-17 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003315503A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7101618B2 (en) 2004-05-07 2006-09-05 3M Innovative Properties Company Article comprising fluorochemical surface layer
JP2006281656A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Tohcello Co Ltd 多層フィルム
US7173778B2 (en) 2004-05-07 2007-02-06 3M Innovative Properties Company Stain repellent optical hard coating
JP2007171800A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Fujifilm Corp 積層構造体、それを用いた液晶セル用基板の製造方法及び液晶セル用基板、並びに液晶表示装置
JP2015047526A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 大日本印刷株式会社 積層フィルムの製造方法
JP2016043325A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 関西ペイント株式会社 基材の被膜形成方法
JP2016077952A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 株式会社日本製鋼所 塗装成形品の製造方法および製造装置
JP2016166307A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 大日本印刷株式会社 保護層形成用光硬化性樹脂組成物、及びその硬化物、並びに光学フィルム
WO2016171086A1 (ja) * 2015-04-24 2016-10-27 ダイキン工業株式会社 表面処理方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7173778B2 (en) 2004-05-07 2007-02-06 3M Innovative Properties Company Stain repellent optical hard coating
US7101618B2 (en) 2004-05-07 2006-09-05 3M Innovative Properties Company Article comprising fluorochemical surface layer
US7267850B2 (en) 2004-05-07 2007-09-11 3M Innovative Properties Company Article comprising fluorochemical surface layer
US7332217B2 (en) 2004-05-07 2008-02-19 3M Innovative Properties Company Article and comprising fluorochemical surface layer
JP4558560B2 (ja) * 2005-04-01 2010-10-06 東セロ株式会社 多層フィルム
JP2006281656A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Tohcello Co Ltd 多層フィルム
JP2007171800A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Fujifilm Corp 積層構造体、それを用いた液晶セル用基板の製造方法及び液晶セル用基板、並びに液晶表示装置
JP2015047526A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 大日本印刷株式会社 積層フィルムの製造方法
JP2016043325A (ja) * 2014-08-25 2016-04-04 関西ペイント株式会社 基材の被膜形成方法
JP2016077952A (ja) * 2014-10-14 2016-05-16 株式会社日本製鋼所 塗装成形品の製造方法および製造装置
JP2016166307A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 大日本印刷株式会社 保護層形成用光硬化性樹脂組成物、及びその硬化物、並びに光学フィルム
WO2016171086A1 (ja) * 2015-04-24 2016-10-27 ダイキン工業株式会社 表面処理方法
JP2016203167A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 ダイキン工業株式会社 表面処理方法
KR20170082596A (ko) * 2015-04-24 2017-07-14 다이킨 고교 가부시키가이샤 표면 처리 방법
KR102003621B1 (ko) 2015-04-24 2019-07-24 다이킨 고교 가부시키가이샤 표면 처리 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4525805B2 (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4590849B2 (ja) ハードコート剤組成物及びこれを用いた光情報媒体
KR100646557B1 (ko) 복합 하드 코트층이 부여된 물체 및 복합 하드 코트층의형성방법
KR100646556B1 (ko) 복합 하드 코트층이 부여된 물체 및 복합 하드 코트층의형성방법
WO2003055679A1 (fr) Article possedant une couche de revetement dur composite et procede de formation de cette couche
JP2005126453A (ja) ハードコート剤組成物及びこれを用いた光情報媒体
JP2005135550A (ja) 光情報媒体
US7235292B2 (en) Article with composite hard coat layer and method for forming composite hard coat layer
JP3732840B2 (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP2003315503A (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4496766B2 (ja) 保護層の形成方法及び光情報媒体の製造方法
JP4111818B2 (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4153937B2 (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4153941B2 (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
TW200402710A (en) Optical information medium and method for manufacturing the same
JP2005194485A (ja) ハードコート組成物及びハードコート層形成方法。
JP2004082713A (ja) 複合ハードコート層付き物体及び複合ハードコート層の形成方法
JP4185496B2 (ja) 光情報媒体の製造方法
JP2005194484A (ja) 光ディスクに用いるホットメルトハードコート用組成物及びハードコート層の形成方法
JP2006040323A (ja) 鏡面加工方法および鏡面加工方法を用いた光ディスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090804