JP2010030080A - 画像形成装置、及び画像形成装置の初期化方法 - Google Patents

画像形成装置、及び画像形成装置の初期化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期化処理の無駄な実行を低減する画像形成装置、及び画像形成装置の初期化方法を提供する。
【解決手段】被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段を収容し、開口を有する筺体と、開口を開閉する開閉カバーと、開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する検知手段と、開状態のときの開閉カバーの開放量が所定量以上であるか否かを判定する判定手段と、検知手段により開閉カバーの開状態から閉状態への変化が検知されると、開状態のときの開閉カバーの開放量が所定量以上であるときは画像処理手段に対する初期化処理を実行し、所定量未満であるときは初期化処理の実行を制限する処理手段と、を備える。
【選択図】図11

Description

本発明は、画像形成装置、及び画像形成装置の初期化方法に関する。
従来、カバーの開閉を検出するセンサを設け、カバーが閉じられたと判断した時に、感光体ドラムを回転させる等のプリント準備動作を行う多機能周辺装置(画像形成装置)が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−107929号公報
従来の画像形成装置はカバーが閉じられたことを契機として一律にプリント準備動作を実行するものである。
ところで、カバーが閉じられたことを契機として実行される処理はプリント準備動作の他にもある。例えば、カバーが閉じられるとカバーが開けられていた間に保守作業が行われた可能性があるとしてその保守作業に応じた初期化処理を実行する画像形成装置が知られている。具体的には例えば、カバーが閉じられるとカバーが開けられていた間に現像カートリッジが交換された可能性があるとして現像カートリッジの新旧識別処理を実行する画像形成装置が知られている。
しかしながら、カバーが開けられても必ず保守作業が行われるとは限らない。そのため、カバーが閉じられたことを契機として一律に初期化処理を実行するようにすると、保守作業が行われていない場合は処理が無駄になるという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、初期化処理の無駄な実行を低減する画像形成装置、及び画像形成装置の初期化方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、画像形成装置であって、被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段を収容し、開口を有する筺体と、前記開口を開閉する開閉カバーと、前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する検知手段と、開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量以上であるか否かを判定する判定手段と、前記検知手段により前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化が検知されると、前記判定手段により開状態のときの前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であると判定されるときは前記画像処理手段に対する初期化処理を実行し、前記所定量未満であると判定されるときは前記初期化処理の実行を制限する処理手段と、を備える。
保守作業を行うためには開閉カバーをある程度大きく開く必要があるので、開状態のときの開閉カバーの開放量が小さいときは保守作業が行われた可能性は低い。
この発明によると、開状態のときの開閉カバーの開放量が所定量以上であるときは初期化処理を実行し、所定量未満であるときは初期化処理の実行を制限するので、初期化処理の無駄な実行を低減できる。
第2の発明は、第1の発明の画像形成装置であって、前記判定手段は、前記開閉カバーの最大開放量が前記所定量以上であるか否かを判定する。
この発明によると、開閉カバーの最大開放量が所定量以上であるか否かを判定するので、初期化処理を実行するか否かをより適切に判定できる。
第3の発明は、第1又は第2の発明の画像形成装置であって、前記開閉カバーの開時間を計測する計測手段を備え、前記処理手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であっても前記開時間が所定時間未満のときは前記初期化処理の実行を制限する。
開放量が所定量以上であったとしても開時間が所定時間未満のときは保守作業が行われていない可能性があり、初期化処理を実行すると無駄になる可能性がある。
この発明によると、開閉カバーの開放量が所定量以上であっても開時間が所定時間未満のときは初期化処理の実行を制限するので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
第4の発明は、第3の発明の画像形成装置であって、前記計測手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であった時間を前記開時間とする。
開時間が所定時間以上であったとしても、開閉カバーの開放量が所定量未満であった時間が大半である場合は初期化処理を実行すると無駄になる可能性がある。
この発明によると、開閉カバーの開放量が所定量以上であった時間を開時間とするので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
第5の発明は、第4の発明の画像形成装置であって、前記計測手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上である状態が最も長く継続した時間を前記開時間とする。
開閉カバーは開放量が所定量以上と所定量未満とを前後することがある。開放量が所定量以上である時間がトータルとして所定時間以上であったとしても1回当たりの継続時間が所定時間未満のときは保守作業が行われていない可能性があり、初期化処理を実行すると無駄になる可能性がある。
この発明によると、開閉カバーの開放量が所定量以上である状態が最も長く継続した時間を開時間とすることにより、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかの発明の画像形成装置であって、被記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送経路に沿って配置され、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体を検出する複数のセンサとを備え、前記処理手段は、隣り合う2つの前記センサの間に被記録媒体がある状態で前記開閉カバーが開閉された場合、開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量未満であるときは前記初期化処理の実行を制限する。
隣り合う2つのセンサの間に被記録媒体がある状態で開閉カバーが開かれた場合は、それら2つのセンサの間で被記録媒体の詰まりが発生した可能性が高い。この場合、詰まりが解消されたか否かをセンサによって検出することはできないが、作業者が詰まりを解消するためには開閉カバーをある程度の開放量まで開く必要があるので、開閉カバーの開放量から詰まりが解消されたか否かを推測できる。詰まりが解消されていないと画像形成装置の動作を再開できないので、初期化処理を実行しても無駄な可能性が高い。
この発明によると、2つのセンサの間で被記録媒体の詰まりが発生した場合、開状態のときの開閉カバーの開放量が所定量未満のときは詰まりが解消されていないものとして初期化処理の実行を制限するので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
第7の発明は、第1〜第6のいずれかの発明の画像形成装置であって、前記判定手段は、前記開閉カバーの開閉に連動して移動する移動部材であって移動方向で表面の光反射率が異なる移動部材と、前記移動部材の前記表面に向けて光を発光する光源と、前記表面で反射された光を受光し、受光した光の明るさに応じた検出信号を出力する光学センサと、を有し、前記光学センサから出力される検出信号に基づいて前記開閉カバーの開放量を検出する。
この発明によると、開閉カバーの開放量を検出できる。
第8の発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段を収容し、開口を有する筺体と、前記開口を開閉する開閉カバーと、前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する検知手段と、開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量以上であるか否かを判定する判定手段と、を備える画像形成装置の初期化方法であって、前記検知手段により前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する段階と、前記段階で開状態から閉状態への変化が検知されると、前記判定手段により開状態のときの前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であると判定されるときは前記画像処理手段に対する初期化処理を実行し、前記所定量未満であると判定されるときは前記初期化処理の実行を制限する段階と、を含む。
この発明によると、初期化処理の無駄な実行を低減できる。
本発明によれば、初期化処理の無駄な実行を低減できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図16によって説明する。
(1)プリンタの全体構成
図1は、本発明の実施形態1に係るプリンタ1(画像形成装置の一例)の概略構成を示す側断面図である。実施形態1ではプリンタ1として4色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーによりカラー画像を形成するカラープリンタを例に説明する。
以下の説明では、各構成部品を色ごとに区別する場合にはその構成部品の符号末尾に各色を意味するK(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を付すものとする。また、以下の説明では図1における左側を前方とし、右側を後方とする。
筺体2は略箱状に形成されており、画像形成部10などを収容している。
筺体2の上面には現像カートリッジ22K、22Y、22M、22Cの脱着や用紙(被記録媒体の一例)の詰まり(以下「ジャム」という)の解消といった画像形成部10に対する各種の保守作業を行うための開口30が形成されている。
開閉カバー2Aは筺体2に回動可能に連結されており、開口30を開閉する。
また、筺体2の前面及び後面には主にジャムの解消作業を行うための開口31、32が形成されており、開口31、32を開閉する開閉カバー2B、2Cが設けられている。
供給トレイ4は、筺体2の前方に引き出し可能に筺体2の下部に収容されている。供給トレイ4内の用紙3は各種のローラ(搬送手段の一例)及びベルトユニット11(搬送手段の一例)によって1枚ずつ搬送経路35上を搬送される。
画像形成部10(画像形成手段の一例)は、ベルトユニット11、転写ローラ14、クリーニング装置17、露光部18、プロセス部20、定着部31などを備えている。
ベルトユニット11は、前後一対のベルト支持ローラ12、ベルト支持ローラ12に張架されている搬送ベルト13などを備えている。搬送ベルト13はベルト支持ローラ12によって図1における時計周り方向に循環移動し、用紙を後方へ搬送する。
4つの転写ローラ14は各感光ドラム28と搬送ベルト13を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている。
クリーニング装置17はベルトユニット11の下側に設けられており、搬送ベルト13の表面に付着したトナーや紙粉等を回収する。
露光部18は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応した4つのLEDユニット18K、18Y、18M、18Cを備えている。これらのLEDユニットは図示しない支持手段により開閉カバー2Aの下面に支持されており、下端部に複数のLEDが紙面垂直方向に一列に並んで配置されたLEDヘッド19K、19Y、19M、19Cを有している。
プロセス部20は、上記4色に対応した4つのプロセスカートリッジ20K、20Y、20M、20Cを備えている。開閉カバー2Aを開放すると各LEDユニット18K、18Y、18M、18Cが開閉カバー2Aと共に退避し、各プロセスカートリッジ20K、20Y、20M、20Cが脱着可能になる。
各プロセスカートリッジ20K、20Y、20M、20Cは、カートリッジフレーム21と、カートリッジフレーム21に対して脱着可能に装着される現像カートリッジ22K、22Y、22M、22Cとを備えている。
カートリッジフレーム21には、カートリッジフレーム21に対して脱着可能な感光体ドラム28と、スコロトロン型の帯電器29とが設けられている。
現像カートリッジ22K、22Y、22M、22Cは、現像剤である各色のトナーを収容している。トナー収容室23から放出されたトナーは供給ローラ24の回転によって現像ローラ25に供給され、供給されたトナーは層厚規制ブレード26によって一定厚さの薄層として現像ローラ25上に担持される。また、現像カートリッジ22K、22Y、22M、22Cはトナー残量を検出するための図示しないトナー残量センサを備えている。
定着部31は、用紙上に転写されたトナー像を紙面に熱定着させる。
(2)印字動作の概要
感光体ドラム28は帯電器29により一様に正に帯電された後、露光部18から出射された光によって露光され、表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム28の表面に形成された静電潜像は現像ローラ25から供給されるトナーによって現像され、各色のトナー像となる。
その後、搬送ベルト13によって搬送される用紙が感光体ドラム28と転写ローラ14との間の各転写位置を通る間に、各感光体ドラム28の表面上に担持されたトナー像が、転写ローラ14に印加される負極性の転写バイアスによって用紙に順次転写される。
トナー像が転写された用紙は定着部31により用紙上にトナー像が熱定着された後、開閉カバー2Aの上面に排出される。
(3)プリンタの電気的構成
図2は、プリンタ1の電気的な構成を示す模式図である。プリンタ1は、制御部33、画像形成部10、操作部34、駆動機構35、カバー開閉センサ36、用紙センサ37、カバー開放量センサ40などを備えている。
制御部33は、CPU50(画像形成手段、検知手段、判定手段、処理手段、計測手段、及び搬送手段の一例)、ROM51、RAM52、NVRAM53などを備えている。ROM51には後述する初期化処理などを実行するためのプログラムが記憶されており、CPU50はROM51から読み出したプログラムを実行してプリンタ1の各部を制御する。
操作部34は、ユーザが各種の設定や指示を入力するための操作ボタンや、各種の情報を表示するための液晶ディスプレイなどで構成されている。
駆動機構35(画像形成手段の一例)は、モータ、モータの回転駆動力を現像ローラ25、感光体ドラム28等に伝達するギヤ列などで構成されている。また、駆動機構35は感光体ドラム28に対して進退する回転駆動軸を有しており、開閉カバー2Aがある開放量以上まで開けられると回転駆動軸が退避して回転駆動軸と感光体ドラム28との係合が解除され、感光体ドラム28が脱着可能になる。開閉カバー2Aを閉じると回転駆動軸が感光体ドラム28に向かって進出し、回転駆動軸と感光体ドラム28とが係合する。
カバー開閉センサ36(検知手段の一例)は開閉カバー2A、2B、2Cにそれぞれ設けられている。カバー開閉センサ36としては、図3及び図4に示すように開閉カバーが開くとONになり、開閉カバーが閉じるとOFFになるスイッチなどを用いることができる。
用紙センサ37(被記録媒体を検出するセンサの一例)は搬送経路35に沿って複数配置されている。用紙センサ37としては光学センサなどを用いることができる。
カバー開放量センサ40(判定手段の一例)は開閉カバー2A、2B、2Cにそれぞれ設けられており、各開閉カバーの開放量を検出する。
図3及び図4は、開閉カバー2Aの開放量を検出するカバー開放量センサの一例を示す模式図である。カバー開放量センサ40は、上下方向に移動可能に設けられた移動部材41、開閉カバー2Aの回動運動を移動部材41の上下運動に変換する連結部材42、移動部材41の表面に向けて光を発光する光源43、移動部材41の表面で反射された光を受光し、受光した光の明るさに応じた検出信号をCPU50に出力する光学センサ44などを有している。
図3に示すように移動部材41の表面は上下方向に上段41A、中段41B、下段41Cの3つの領域に区画されており、各領域で光反射率が異なっている。上段41Aと中段41Bとの境界に対応する開放量、及び中段41Bと下段41Cとの境界に対応する開放量はそれぞれ特許請求の範囲に記載の「所定量」に相当する。つまり、本実施形態では2つの「所定量」が設定されている。
(4)画像形成手段の初期化処理
本実施形態では、開閉カバー2Aが閉じられたときに実行される初期化処理として、搬送ベルトクリーニング処理、現像カートリッジ新旧識別処理、トナー残量検出処理、感光体ドラムカウンタクリア処理、搬送ベルトカウンタクリア処理、回転駆動軸先行回転処理、及び色ずれ補正処理を例に説明する。以下、各処理について説明する。
搬送ベルトクリーニング処理は、クリーニング装置17によって搬送ベルト13をクリーニングする処理である。例えば開閉カバー2Aを開いた際に開口から塵埃が進入して搬送ベルト13に付着したり、あるいは開閉カバー2Aを開いて現像カートリッジ22を脱着する際にトナーが落ちて搬送ベルト13に付着したりすることがある。プリンタ1は開閉カバー2Aが閉じられると搬送ベルト13を回転させてクリーニングを実行し、付着した塵埃やトナーを除去する。
現像カートリッジ新旧識別処理は、現像カートリッジ22が新品であるか否かを判定する処理である。現像ローラ25は使用に伴って劣化するので、プリンタ1は現像ローラ25の回転数をカウントし、ある回転数を超えるとユーザに現像カートリッジ22の交換を案内する。ユーザは交換が案内されると開閉カバー2Aを開いて現像カートリッジ22を交換する。プリンタ1は開閉カバー2Aが閉じられると現像カートリッジ22が新品であるか否かを判定し、新品である場合は現像ローラ25の回転数をカウントするカウンタをクリアする。クリアするとカウンタには0がセットされる。
トナー残量検出処理は、現像カートリッジ22のトナー残量を検出する処理である。ユーザは開閉カバー2Aを開いたときに現像カートリッジ22を交換する可能性がある。このときユーザはトナーの残っていない現像カートリッジ22に交換してしまう可能性もある。トナーが残っていないと印字できないので、プリンタ1は開閉カバー2Aが閉じられると現像カートリッジ22のトナー残量を検出する。
感光体ドラムカウンタクリア処理は、感光体ドラム28の回転数をカウントするカウンタ(感光体ドラムカウンタ)をクリアする処理である。感光体ドラム28は使用に伴って帯電し難くなる、あるいは傷が付くなどにより劣化するので、プリンタ1は感光体ドラム28の回転数をカウントし、ある回転数を超えるとユーザに感光体ドラム28の交換を案内する。ユーザは交換が案内されると開閉カバー2Aを開いて感光体ドラム28を交換し、交換後に操作部34を操作して感光体ドラム28を交換したことをプリンタ1に通知する。プリンタ1は開閉カバー2Aが閉じられると、感光体ドラム28の交換が通知されているか否かを判定し、通知されている場合は感光体ドラムカウンタをクリアする。
搬送ベルトカウンタクリア処理は、搬送ベルト13の回転数をカウントするカウンタ(搬送ベルトカウンタ)をクリアする処理である。搬送ベルト13も使用に伴って伸びや傷、亀裂などにより劣化するので、プリンタ1は搬送ベルト13の回転数をカウントし、ある回転数を超えるとユーザに搬送ベルト13の交換を案内する。搬送ベルトカウンタをクリアする処理の流れは感光体ドラム28と実質的に同一であるので説明は省略する。
回転駆動軸先行回転処理は、搬送ベルト13の回転に先行して回転駆動軸を回転させる処理である。前述したように開閉カバー2Aがある開放量以上まで開けられると回転駆動軸が退避して回転駆動軸と感光体ドラム28との係合が解除され、このときユーザは感光体ドラム28を脱着する可能性がある。あるいは、脱着しないまでも、感光体ドラム28に触れて回転させてしまう可能性がある。感光体ドラム28が脱着されると、あるいは回転すると、回転駆動軸を進出させたときに感光体ドラム28と回転駆動軸との噛み込みが直ぐには合わず、噛み込みが合うまでの空転により搬送ベルト13の回転に対して感光体ドラム28の回転が一瞬遅れる場合がある。感光体ドラム28の回転が遅れると搬送ベルト13に擦れて感光体ドラム28が傷付く可能性がある。
そこで、本実施形態では搬送ベルト13の回転に先行して回転駆動軸を回転させ、それにより感光体ドラム28と回転駆動軸との噛み込みを合わせる。これにより空転を低減し、搬送ベルト13が回転し始めるタイミングと感光体ドラム28が回転し始めるタイミングとの時間差を低減する。
色ずれ補正処理は、開閉カバー2Aの開閉によって生じるLEDユニット18の位置ずれに起因する色ずれを補正する処理である。前述したようにLEDユニット18は開閉カバー2Aに支持されているので、開閉カバー2Aを開閉した際に振動によってLEDユニット18の位置が微妙にずれてしまう場合がある。LEDユニット18の位置がずれると用紙に対する各色の画像形成位置がずれ、それにより色ずれが生じる。
そこで、プリンタ1は開閉カバー2Aが閉じられると色ずれを補正する処理を実行する。色ずれを補正する方法としては、搬送ベルト13上に所定の補正用パターンを印字し、印字した補正用パターンを光センサで検出して補正量を求め、求めた補正量に基づいて露光タイミングをずらすことによって副走査方向のずれを補正する、あるいは露光に用いるLEDの範囲をずらすことによって主走査方向のずれを補正する方法などが公知である。
(5)プリンタの作動
図5及び図6は、開閉カバーの開閉を検出して初期化処理を実行する処理の流れを示すフローチャートである。ここでは開閉カバー2Aを例に説明する。
S101では、CPU50はカバー開閉センサ36のセンサ出力を監視し、開閉カバー2Aが開状態か否かを判定する。CPU50は開閉カバー2Aが開状態でないとき、すなわち閉状態のときは所定時間経過後に再判定し、開閉カバー2Aが開状態になるとS102に進む。
S102では、CPU50はプリンタ1が初期化処理中であるか否かを判定する。初期化処理中は高熱あるいは高圧の部品や機械的に動作している部品があるのでユーザが筺体2内に手を入れると危険である。そこで、CPU50はプリンタ1が初期化処理中であるか否かを判定し、初期化処理中のときはS103に進んで初期化処理を停止する。初期化処理中でなければCPU50はS104に進む。
S104では、CPU50はプリンタ1が印字動作中であるか否かを判定する。印字動作中も高熱あるいは高圧の部品や機械的に動作している部品があるのでユーザが筺体2内に手を入れると危険である。そこで、CPU50はプリンタ1が印字動作中であるか否かを判定し、印字動作中のときはS105に進んで印字動作を停止する。印字動作中でなければCPU50はS109に進む。
S106では、CPU50はベルトジャムが発生したか否かを判定する。印字動作中に開閉カバー2Aが開けられる理由の一つにジャムがある。ジャムには、用紙がいずれかの用紙センサ37の検出範囲内で詰まる場合と、2つの用紙センサ37の間で詰まる場合とがある。本実施形態では、搬送ベルト13を挟むように上流及び下流に隣り合って配置された2つの用紙センサ37の間で詰まる場合を特に「ベルトジャム」というものとする。
用紙がいずれかの用紙センサ37の検出範囲内で詰まった場合は、ジャムが発生したか否か、およびジャムが解消されたか否かはセンサ出力から知ることができる。
これに対し、ベルトジャムの場合は、ジャムが発生したか否かについてはセンサ出力から知ることができるものの、ジャムが解消されたか否かについてはセンサ出力から知ることはできない。具体的には、ベルトジャムは上流側の用紙センサ37で用紙が検出された後に下流側の用紙センサ37で用紙が検出されていない状態であるので、ベルトジャムが発生したか否かは開閉カバー2Aを開く前の2つの用紙センサ37のセンサ出力から知ることができる。これに対し、ベルトジャムが解消されたか否かについては、解消されてもされなくてもセンサ出力に変化はないので、センサ出力から知ることはできない。
そこで、本実施形態ではベルトジャムが解消されたか否かを開状態のときの開閉カバー2Aの開放量と開時間とから推測する。具体的には、ベルトジャムを解消するためには開閉カバー2Aをある程度大きく開く必要があるので、開閉カバー2Aの開放量が所定量以上であればベルトジャムが解消されたと推測する。ただし、開放量が所定量以上であっても開時間が短い場合はベルトジャムが解消されていない可能性が高い。そこで、プリンタ1は開閉カバー2Aの開放量が所定量以上である時間が所定時間以上継続した場合はベルトジャムが解消されたと推測する。
ここでは先ず開閉カバー2Aを開く前の2つの用紙センサ37のセンサ出力からベルトジャムが発生したか否かを判定する。CPU50はベルトジャムが発生したと判定した場合はS107に進み、発生していないと判定した場合はS108に進む。
S107では、CPU50はベルトジャムが発生したか否かを示す変数「ベルトジャムフラグ」にベルトジャムが発生したことを示す値をセットする。
S108では、CPU50は「ベルトジャムフラグ」をクリアする。クリアすると「ベルトジャムフラグ」にはベルトジャムが発生していないことを示す値がセットされる。
S109では、CPU50は開閉カバー2Aの開放量が所定量以上であった時間を計測する開時間計測処理を起動する。開時間計測処理は本処理とは別のタスクとして起動され、開閉カバー2Aが閉じられるまで本処理と並行して実行される。開時間計測処理の詳細については後述する。
S110では、CPU50は開閉カバー2Aが開状態であるか否かを判定する。CPU50は開閉カバー2Aが開状態であると判定した場合は所定時間経過後に再判定し、開閉カバー2Aが開状態ではない、すなわち閉状態であると判定した場合はS111に進む。
S111では、CPU50は開時間計測処理を終了させる。
S112では、CPU50はベルトジャムが解消されたか否かを判定するベルトジャム解消判定処理を実行する。ベルトジャムが解消されないまま搬送ベルト13を駆動してしまうと、ベルトジャムが悪化してしまう。そこで、前述したようにCPU50はベルトジャムが解消されたか否かを開状態のとき(S110のとき)の開閉カバー2Aの開放量と開時間とから推測する。ベルトジャム解消判定処理の詳細については後述する。
S113では、CPU50は搬送ベルトクリーニング処理を実行するか否かを判定する搬送ベルトクリーニング判定処理を実行する。
搬送ベルト13に塵埃やトナーが付着していなければ搬送ベルトクリーニング処理を実行しても処理が無駄になる。開閉カバー2Aの開放量が少ない場合は塵埃が進入する可能性は低いので、搬送ベルト13に塵埃が付着した可能性は低い。また、現像カートリッジ22を脱着するためには開閉カバー2Aをある程度大きく開く必要があるので、開状態のときの開放量が小さい場合は現像カートリッジ22が脱着された可能性は低く、搬送ベルト13にトナーが付着した可能性は低い。また、開放量が大きかったとしてもその時間が短ければやはり脱着された可能性は低いのでトナーが付着した可能性は低い。
そこで、CPU50は搬送ベルトクリーニング処理を実行するか否かを、開状態のときの開放量と開時間とに基づいて判定する。搬送ベルトクリーニング判定処理の詳細については後述する。
S114では、CPU50は現像カートリッジ22が脱着されたか否かを判定する現像カートリッジ脱着判定処理を実行する。
現像カートリッジ22が脱着されていなければ現像カートリッジ新旧識別処理やトナー残量検出処理を実行しても処理が無駄になる。前述したように開放量が小さい場合、又は開放量が大きくてもその時間が短い場合は現像カートリッジ22が脱着された可能性は低いので、CPU50は現像カートリッジ22が脱着されたか否かを、言い換えると、現像カートリッジ新旧識別処理、及びトナー残量検出処理を実行するか否かを、開状態のときの開放量と開時間とに基づいて判定する。現像カートリッジ脱着判定処理の詳細については後述する。
S115では、CPU50は感光体ドラムカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを判定する感光体ドラムカウンタクリア許可判定処理を実行する。
感光体ドラム28を交換していないにも拘わらず何らかの誤操作によって感光体ドラム28の交換が通知されてしまうことも考えられる。誤操作によって通知された場合にも感光体ドラムカウンタをクリアしてしまうと、使用中の感光体ドラム28が交換すべき回転数を超えて使用され続けてしまうことになる。ところで、感光体ドラム28を交換するためには、開閉カバー2Aをある程度大きく開く必要がある。したがって、開閉カバー2Aの開放量が小さいにもかかわらず感光体ドラム28の交換が通知された場合は、誤操作によって通知された可能性が高い。また、開放量が大きかったとしてもその時間が短ければやはり誤操作によって通知された可能性が高い。
そこで、CPU50は感光体ドラムカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量と開時間とに基づいて判定する。感光体ドラムカウンタクリア判定処理の詳細については後述する。
S116では、CPU50は搬送ベルトカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを判定する搬送ベルトカウンタクリア許可判定処理を実行する。
搬送ベルト13の場合も同じく誤操作によって交換が通知されてしまうことが考えられる。そこで、CPU50は感光体ドラムカウンタクリア処理の場合と同様の理由で、搬送ベルトカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量と開時間とに基づいて判定する。搬送ベルトカウンタクリア判定処理の詳細については後述する。
S117では、CPU50は搬送ベルト13に先行した回転駆動軸の回転を要求するか否かを判定する回転駆動軸先行回転要求判定処理を実行する。
回転駆動軸を退避させてもその時間が短ければ感光体ドラム28が脱着された可能性、あるいは回転させられた可能性は低い。感光体ドラム28が脱着あるいは回転させられていなければ、回転駆動軸を進出させたとき回転駆動軸と感光体ドラム28との噛み込みは合うはずである。噛み込みが合う場合にも回転駆動軸を先行して回転させると逆に感光体ドラム28を傷付けてしまう。
そこで、CPU50は搬送ベルト13に先行した回転駆動軸の回転を要求するか否かを開時間に基づいて判定する。回転駆動軸先行回転要求判定処理の詳細については後述する。
S118では、CPU50は色ずれ補正処理を要求するか否かを判定する色ずれ補正要求判定処理を実行する。
開閉カバー2Aの開放量が少ない場合はLEDヘッド19が位置ずれする可能性は低いので、色ずれが起きる可能性は低い。したがって開閉カバー2Aの開放量が少ない場合は色ずれ補正処理を実行すると処理が無駄になる可能性がある。
そこで、CPU50は色ずれ補正処理を実行するか否かを、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量に基づいて判定する。色ずれ補正処理の詳細については後述する。
S119では、CPU50は「ベルトジャムフラグ」がセットされているか否かを判定する。「ベルトジャムフラグ」がセットされている場合はベルトジャムが解消されていない可能性が高いので、搬送ベルト13を駆動してしまうとベルトジャムが悪化してしまう。そのため、CPU50は「ベルトジャムフラグ」がセットされている場合は初期化処理を実行することなくS101に戻る。一方、「ベルトジャムフラグ」がセットされていない場合は、CPU50はベルトジャムが解消されたと判定してS120に進む。
S120では、CPU50は用紙センサ37によって用紙が検出されているか否かを判定する。CPU50は用紙が検出されている場合はジャムが解消されていないと判定し、初期化処理を実行することなくS101に戻る。一方、用紙が検出されていない場合は、CPU50はジャムが解消されたと判定してS121に進む。
S121では、CPU50は上述したS112〜S118において実行するように判定された初期化処理を実行する。上述したS112〜S118では初期化処理を実行すると判定した場合にその初期化処理に対応するフラグに「実行」、「許可」又は「要求」がセットされる。CPU50はフラグにそれらの値がセットされている初期化処理のみを実行する。すなわち、CPU50はフラグにそれらの値がセットされていない初期化処理の実行を制限する。初期化処理後、CPU50はそれらのフラグをクリアする。
(5)開時間計測処理
本実施形態では、開閉カバー2Aの開放量を、移動部材41の上段41Aに対応するレベル(開放量レベル1)、中段41Bに対応するレベル(開放量レベル2)、下段41Cに対応するレベル(開放量レベル3)に分け、開放量が各開放量レベル以上であった時間をカウントする。
また、本実施形態では、例えば開閉カバー2Aの開放量が開放量レベル3以上であるときと開放量レベル3未満であるときとを行き来する場合は、開放量レベル3以上である状態が最も長く継続した時間(最長継続時間)を、開放量が開放量レベル3以上であった時間とする。開放量レベル1及び開放量レベル2についても同様である。
図7〜図9は、開時間計測処理のフローチャートである。本処理は無限ループであり、CPU50は1ミリ秒に1回のペースでループを繰り返すものとする。
S201では、CPU50は開放量レベルごとの最長継続時間を記憶する変数「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」、「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」、「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」を初期化する。初期化するとこれらの変数には0ミリ秒がセットされる。
S202では、CPU50は各開放量レベルについて開放量がその開放量レベル以上である状態が継続している時間をカウントする変数「開放量レベル1一時カウンタ(TmpCnt1)」、「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」、「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」を初期化する。初期化するとこれらの変数には0ミリ秒がセットされる。
S203では、CPU50は前回の開放量レベルを記憶する変数「前回の開放量レベル(PreLevel)」を初期化する。初期化すると「前回の開放量レベル(PreLevel)」にはいずれの開放量レベルにも対応しない値(例えば0)がセットされる。
S204では、CPU50はカバー開放量センサ40から出力される検出信号に基づいて現在の開閉カバー2Aの開放量が開放量レベル3であるか否かを判定する。ここでいう開放量とは最大開放量のことであり、最大開放量に至る途中の開放量のことではない。CPU50は現在の開放量レベルが3であるときは図8に示すS205に進み、開放量レベル3未満のときはS211に進む。
S205では、CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」が3であるときはS207に進み、それ以外のときはS206に進む。
S206では、CPU50は「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」を初期化する。例えば開放量が開放量レベル3以上から開放量レベル3未満に変化し、その後に再び開放量レベル3以上に変化したとする。この場合、開放量レベル3以上である状態が一旦途切れているので、「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」が初期化されることになる。初期化すると「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」には0ミリ秒がセットされる。
S207では、CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」に3をセットする。
S208では、CPU50は「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」に1ミリ秒を加算する。
S209では、CPU50は「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」の値が「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」よりも大きいか否かを判定する。CPU50は「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」の値が「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」よりも大きい場合はS210に進み、「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」以下である場合はS215に進む。
S210では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」に「開放量レベル3一時カウンタ(TmpCnt3)」の値をセットする。これにより開放量レベル3の最長継続時間が更新される。
S211では、CPU50は現在の開閉カバー2Aの開放量が開放量レベル2であるときはS212に進み、開放量レベル2未満のときはS218に進む。
S212では、CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」が2であるか否かを判定する。CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」が2のときはS213に進み、それ以外のときはS214に進む。
S213では、CPU50は「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」を初期化する。初期化すると「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」には0ミリ秒がセットされる。
S214では、CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」に2をセットする。
S215では、CPU50は「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」に1ミリ秒を加算する。
S216では、CPU50は「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」の値が「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」よりも大きいか否かを判定する。CPU50は「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」の値が「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」よりも大きい場合はS217に進み、「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」以下である場合は図9に示すS219に進む。
S217では、CPU50は「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」に「開放量レベル2一時カウンタ(TmpCnt2)」の値をセットする。これにより開放量レベル2の最長継続時間が更新される。
S218では、CPU50は「前回の開放量レベル(PreLevel)」に1をセットする。
S219では、CPU50は「開放量レベル1一時カウンタ(TmpCnt1)」に1ミリ秒を加算する。
S220では、CPU50は「開放量レベル1一時カウンタ(TmpCnt1)」の値が「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」よりも大きいか否かを判定する。CPU50は「開放量レベル1一時カウンタ(TmpCnt1)」の値が「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」よりも大きい場合はS221に進み、「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」以下である場合は図7に示すS204に戻る。
S221では、CPU50は「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」に「開放量レベル1一時カウンタ(TmpCnt1)」の値をセットする。
(6)各初期化処理の実行判定
次に、各初期化処理の実行判定処理の詳細について説明する。なお、以下に説明する各処理で用いられるフラグは「ベルトジャムフラグ」を除いて例えば電源投入時のタイミングで値がクリアされているものとする。
(6−1)ベルトジャム解消判定処理
図10は、ベルトジャム解消判定処理のフローチャートである。
S301では、CPU50は「ベルトジャムフラグ」がセットされているか否かを判定する。CPU50は「ベルトジャムフラグ」がセットされているときはS302に進み、セットされていないときは処理を終了する。
S302では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT1秒以上であるか否かを判定する。T1秒は例えば3秒である。CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT1秒以上であるときはS303に進み、T1秒未満のときは処理を終了する。
S303では、CPU50はベルトジャムが解消された可能性が高いとして「ベルトジャムフラグ」をクリアする。
(6−2)搬送ベルトクリーニング判定処理
図11は、搬送ベルトクリーニング判定処理のフローチャートである。
S401では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT2秒以上であるか否かを判定する。T2秒は例えば2秒である。CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT2秒以上であるときはS402に進み、T2秒未満のときは処理を終了する。
S402では、CPU50は搬送ベルト13に塵埃などが付着した可能性があるとして、搬送ベルトクリーニング処理を実行するか否かを示す変数「搬送ベルトクリーニングフラグ」に実行を示す値をセットする。
(6−3)現像カートリッジ脱着判定処理
図12は、現像カートリッジ脱着判定処理のフローチャートである。
S501では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT3秒以上であるか否かを判定する。T3秒は例えば2秒である。CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT3秒以上であるときはS502に進み、T3秒未満のときは処理を終了する。
S502では、CPU50は現像カートリッジ22が脱着された可能性があるとして、現像カートリッジ新旧識別処理を実行するか否かを示す変数「新旧識別フラグ」、及びトナー残量検出処理を実行するか否かを示す変数「トナーチェックフラグ」にそれぞれ実行を示す値をセットする。
(6−4)感光体ドラムカウンタクリア判定処理
図13は、感光体ドラムカウンタクリア判定処理のフローチャートである。
S601では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT4秒以上であるか否かを判定する。T4秒は例えば2秒である。CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT4秒以上であるときはS602に進み、T4秒未満のときは処理を終了する。
S602では、CPU50は誤操作によって通知された可能性は低いとして、感光体ドラムカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを示す変数「感光体ドラムカウンタクリア許可フラグ」に許可を示す値をセットする。
(6−5)搬送ベルトカウンタクリア判定処理
図14は、搬送ベルトカウンタクリア判定処理のフローチャートである。
S701では、CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT5秒以上であるか否かを判定する。T5秒は例えば10秒である。CPU50は「開放量レベル3カウンタ(Cnt3)」がT5秒以上であるときはS701に進み、T5秒未満のときは処理を終了する。
S702では、CPU50は誤操作によって通知された可能性は低いとして、搬送ベルトカウンタクリア処理の実行を許可するか否かを示す変数「搬送ベルトカウンタクリア許可フラグ」に許可を示す値をセットする。
(6−6)回転駆動軸先行回転要求判定処理
図15は、回転駆動軸先行回転要求判定処理のフローチャートである。ここでは開閉カバー2Aの開放量レベルが2のときに回転駆動軸が退避されるものとする。
S801では、CPU50は「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」がT6秒以上であるか否かを判定する。T6秒は例えば1秒である。CPU50は「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」がT6秒以上であるときはS802に進み、T6秒未満のときは処理を終了する。
S802では、CPU50は感光体ドラム28が脱着されたあるいは回転させられた可能性があるとして、搬送ベルト13に先行した回転駆動軸の回転を要求するか否かを示す変数「回転駆動軸先行回転要求フラグ」に要求を示す値をセットする。
(6−7)色ずれ要求判定処理
図16は、色ずれ要求判定処理のフローチャートである。
S901では、CPU50は「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」がT7秒よりも大きいか否かを判定する。T7秒は例えば0秒である。0秒としたのは、LEDユニット18の位置がずれるか否かは時間に関係なく開放量のみで決まり、開放量が一瞬でも開放量レベル2以上になれば位置がずれる可能性があるからである。CPU50は「開放量レベル2カウンタ(Cnt2)」がT7秒よりも大きいときはS902に進み、T7秒以下のときは処理を終了する。
S902では、CPU50は色ずれの可能性があるとして、色ずれ補正処理を要求するか否かを示す変数「色ずれ補正要求フラグ」に要求を示す値をセットする。
(7)実施形態の効果
本発明の実施形態1に係るプリンタ1によると、例えば、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量レベルが3以上のときは現像カートリッジ新旧識別処理を実行し、3未満のときは現像カートリッジ新旧識別処理を実行しない。開状態のときの開閉カバー2Aの開放量レベルが3未満であるときは現像カートリッジ22が交換されていない可能性が高いので、現像カートリッジ新旧識別処理を実行すると処理が無駄になる可能性が高いからである。
このようにプリンタ1によると、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量が所定量以上であるときは初期化処理を実行し、所定量未満であるときは初期化処理の実行を制限するので、初期化処理の無駄な実行を低減できる。
更に、プリンタ1によると、開閉カバー2Aの最大開放量が所定量以上であるか否かを判定するので、初期化処理を実行するか否かをより適切に判定できる。
更に、プリンタ1によると、開閉カバー2Aの開放量が所定量以上であっても開時間が所定時間未満のときは初期化処理の実行を制限するので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
更に、プリンタ1によると、開閉カバー2Aの開放量が所定量以上であった時間を開時間とするので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
更に、プリンタ1によると、開閉カバー2Aの開放量が所定量以上である状態が最も長く継続した時間を開時間とするので、初期化処理の無駄な実行をより低減できる。
更に、プリンタ1によると、ベルトジャムが発生した場合、開状態のときの開閉カバー2Aの開放量が3未満のときは詰まりが解消されていないものとして初期化処理の実行を制限するので、ベルトジャムの悪化を防止できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では初期化処理を実行するか否かを開閉カバー2Aの開放量に基づいて判定しているが、開閉カバー2B又は開閉カバー2Cの開放量に基づいて判定してもよい。ただし、開閉カバー2B及び開閉カバー2Cは主にジャムの解消作業を行うためのものであり、現像カートリッジ22や感光体ドラム28が交換されることはない。つまり、開閉カバーが閉じられたときに実行する初期化処理はその開閉カバーの用途に応じて異なる。
(2)上記実施形態ではカバー開放量センサ40は開放量を3段階で検出しているが、例えば設定する「所定量」が1つである場合は2段階で検出してもよいし、より細かく設定する場合は無段階で検出してもよい。
また、上記実施形態では上下方向に移動する移動部材41を用いて開放量を検出しているが、カバー開放量センサ40は開閉カバーの開放量を検出できる構成であればよく、例えば開閉カバー2Aの回動角度を検出して開放量を検出してもよい。
(3)上記実施形態ではカバー開閉センサ36を用いて開閉カバー2Aの開状態から閉状態への変化を検知しているが、カバー開放量センサ40のセンサ出力を用いて変化を検知するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では4色の現像カートリッジ22に対して「新旧識別フラグ」が1つである場合を例に説明したが、現像カートリッジ22の脱着に必要な開閉カバー2Aの開放量は現像カートリッジ22の位置によって異なるので、現像カートリッジ22ごとに異なる開放量レベルを設定して個別に「新旧識別フラグ」をセットし、現像カートリッジ新旧識別処理を実行するか否かを個別に判定するようにしてもよい。「トナーチェックフラグ」についても同様である。
(5)上記実施形態では初期化処理を実行するか否かの判定に「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」を用いていないが、開放量レベル1のときにも保守作業が想定される場合はその保守作業に応じた初期化処理を実行するか否かを「開放量レベル1カウンタ(Cnt1)」を用いて判定してもよい。
(6)上記実施形態では画像形成装置としてカラープリンタを例に説明したが、1色のトナーによりモノクロ画像を形成するモノクロプリンタに本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では画像形成装置としてレーザー方式で印字を行うプリンタを例に説明したが、インクジェット方式で印字を行うプリンタであってもよい。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成を示す模式図。 本発明の一実施形態に係るカバー開放量センサの模式図。 本発明の一実施形態に係るカバー開放量センサの模式図。 本発明の一実施形態に係る初期化処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る初期化処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る開時間計測処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る開時間計測処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る開時間計測処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係るベルトジャム解消判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る搬送ベルトクリーニング判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る現像カートリッジ脱着判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る感光体ドラムカウンタクリア判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る搬送ベルトカウンタクリア判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る回転駆動軸先行回転要求判定処理のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る色ずれ要求判定処理のフローチャート。
符号の説明
1…プリンタ(画像形成装置)
2…筺体
2A、2B、2C…開閉カバー
10…画像形成部(画像形成手段)
13…搬送ベルト(搬送手段)
30、31、32…開口
35…搬送経路
35…駆動機構(画像形成手段)
36…カバー開閉センサ(検知手段)
37…用紙センサ(被記録媒体を検出するセンサ)
40…カバー開放量センサ(判定手段)
41…移動部材
43…光源
44…光学センサ
50…CPU(画像形成手段、検知手段、判定手段、処理手段、計測手段、搬送手段)

Claims (8)

  1. 被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段を収容し、開口を有する筺体と、
    前記開口を開閉する開閉カバーと、
    前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する検知手段と、
    開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記検知手段により前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化が検知されると、前記判定手段により開状態のときの前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であると判定されるときは前記画像処理手段に対する初期化処理を実行し、前記所定量未満であると判定されるときは前記初期化処理の実行を制限する処理手段と、
    を備える画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記判定手段は、前記開閉カバーの最大開放量が前記所定量以上であるか否かを判定する。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記開閉カバーの開時間を計測する計測手段を備え、
    前記処理手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であっても前記開時間が所定時間未満のときは前記初期化処理の実行を制限する。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置であって、
    前記計測手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であった時間を前記開時間とする。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置であって、
    前記計測手段は、前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上である状態が最も長く継続した時間を前記開時間とする。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
    被記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
    前記搬送経路に沿って配置され、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体を検出する複数のセンサとを備え、
    前記処理手段は、隣り合う2つの前記センサの間に被記録媒体がある状態で前記開閉カバーが開閉された場合、開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量未満であるときは前記初期化処理の実行を制限する。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
    前記判定手段は、
    前記開閉カバーの開閉に連動して移動する移動部材であって移動方向で表面の光反射率が異なる移動部材と、
    前記移動部材の前記表面に向けて光を発光する光源と、
    前記表面で反射された光を受光し、受光した光の明るさに応じた検出信号を出力する光学センサと、
    を有し、前記光学センサから出力される検出信号に基づいて前記開閉カバーの開放量を検出する。
  8. 被記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段を収容し、開口を有する筺体と、
    前記開口を開閉する開閉カバーと、
    前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する検知手段と、
    開状態のときの前記開閉カバーの開放量が所定量以上であるか否かを判定する判定手段と、
    を備える画像形成装置の初期化方法であって、
    前記検知手段により前記開閉カバーの開状態から閉状態への変化を検知する段階と、
    前記段階で開状態から閉状態への変化が検知されると、前記判定手段により開状態のときの前記開閉カバーの開放量が前記所定量以上であると判定されるときは前記画像処理手段に対する初期化処理を実行し、前記所定量未満であると判定されるときは前記初期化処理の実行を制限する段階と、
    を含む画像形成装置の初期化方法。
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