JP2004302006A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被記録媒体の搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】紙ジャムが発生すると(S10:YES)、発生位置の推定が行われる(S11)。用紙がいずれの用紙センサの位置にもなければ(S15:YES)、推定された紙ジャム位置に対応し、その紙ジャムを取り除くために開閉が必要とされる開閉可能部分の開閉時間tが計測される(S29〜S33)。対応する開閉可能部分が画像形成位置近傍(区間C)であれば(S35:YES)、プロセスカートリッジの着脱の有無についても監視が行われる(S36)。開閉時間tが、利用者がジャム処理を行うのに必要と予測される時間(開閉基準時間)以上かかれば(S37:YES)、ジャム処理が正常に行われたものとみなしてイニシャライズが行われ(S50)、印刷が再開される(S51)。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録媒体の搬送障害が解消されたか否かを判断することができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写機、あるいはそれらの複合機などの画像形成装置には、紙等の被記録媒体が装置内に給紙され、画像形成が行われる位置を介して装置外に排紙されるまでの間、それら用紙を搬送するための搬送経路が設けられている。この搬送経路上の複数箇所には用紙の有無を検出するためのセンサが設けられており、例えば、給紙開始後の所定時間後にセンサがONになったか、その後所定時間後にOFFとなったかなど、これら各センサの検出結果が経時的に判断されることで、用紙の搬送時における紙ジャムの発生の検知が行われている。
【0003】
搬送経路上で紙ジャムが発生した場合、装置の駆動部は停止され、紙ジャムとなったジャム紙が取り除かれてからその駆動部の動作が再開される。このとき、ジャム紙が取り除かれずに駆動部の動作が再開されると、ジャム紙が破れるなど紙ジャムの状態がさらに深刻化することでジャム紙を取り除きにくくなったり、ジャム紙の抵抗により駆動部の動作に負荷がかかったりしてしまう。このため、画像形成装置では、紙ジャムがいずれかのセンサの配置位置で発生した場合には、カバーが閉じられた後にそのセンサの検出結果から用紙の有無を判断し、ジャム紙が取り除かれていなければ駆動部の動作の再開を行わない制御が行われている。しかし、センサとセンサとの間の位置で紙ジャムが発生した場合、ジャム紙が取り除かれたか否かは、センサの検出結果では判断できない。
【0004】
特許文献1では、紙ジャムの発生後に、例えば前扉等の開閉可能部分の開閉を監視し、開閉が行われた後に所定時間、用紙搬送駆動部を動作させ、除去されずに残ったジャム紙があれば搬送方向の次のセンサで検出されるように搬送を行う制御が行われている。
【特許文献1】
特開平9−90824号公報 (第0054段落参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1では、紙ジャム発生後、開閉可能部分の開閉後に用紙搬送駆動部が動作されるため、ジャム紙が破れるなど紙ジャムの状態がさらに深刻化することでジャム紙を取り除きにくくなったり、ジャム紙の抵抗により用紙搬送駆動部の動作に負荷がかかったりしてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被記録媒体の搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の画像形成装置は、筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、前記筐体の開閉可能部分の開閉を検出する開閉検出手段と、前記開閉可能部分が開かれるのを前記開閉検出手段が検出してから、その開閉可能部分が閉じられるのを前記開閉検出手段が検出するまでの時間を計測する開閉時間計測手段と、前記搬送経路に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、前記障害検知手段による前記被記録媒体の搬送障害の検知後、前記開閉検出手段により前記開閉可能部分の開閉が検出された場合に、前記開閉時間計測手段により計測される時間が開閉基準時間未満であれば、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段とを備えている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の画像形成装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記搬送経路に複数設けられた前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害位置を推定する障害位置推定手段と、前記開閉基準時間を、前記障害位置推定手段により推定された搬送障害位置ごとに記憶した記憶手段とを備えている。
【0009】
また、請求項3に係る発明の画像形成装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記開閉可能部分は複数設けられ、前記開閉基準時間を、前記開閉可能部分ごとに記憶した記憶手段を備えている。
【0010】
また、請求項4に係る発明の画像形成装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記開閉時間計測手段は、前記各開閉可能部分に対し、それぞれ独立に計測を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記画像形成手段は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段との少なくとも一方を収容し、前記筐体に着脱可能に設けられたプロセスカートリッジを備え、前記筐体の壁面に開口し、前記プロセスカートリッジを着脱可能に収納し、前記搬送経路の少なくとも一部が露出した収納部と、前記収納部に前記プロセスカートリッジが収納されているか否かを検出するプロセス検出手段と、前記開閉可能部分であって、前記収納部の開口の開閉を行うカバーと、前記開閉検出手段であって、前記カバーの開閉を検出するカバー開閉検出手段とを備え、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記プロセス検出手段によって、前記プロセスカートリッジの着脱が検出されなかった場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明の画像形成装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記収納部より、前記プロセスカートリッジが取り外されたことを前記プロセス検出手段が検出してから、プロセスカートリッジが装着されたことを前記プロセス検出手段が検出するまでの時間を計測する着脱時間計測手段を備え、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記着脱時間検出手段により計測される前記プロセスカートリッジの着脱にかかる時間が着脱基準時間未満である場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記開閉可能部分であって、前記被記録媒体を積層保持し、前記筐体に着脱可能に装着される給紙カセットと、前記開閉検出手段であって、前記給紙カセットが装着されているか否かを検出するカセット検出手段とを備え、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記給紙カセットの装着部の近傍であると推定された場合、前記開閉時間計測手段は、前記開閉可能部分の開閉にかかる時間の計測を行わないことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置は、筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、前記画像形成手段は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段との少なくとも一方を収容し、前記筐体に着脱可能に設けられたプロセスカートリッジを備え、前記搬送経路の複数箇所に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、前記障害検知手段により障害の発生が検知された場合に、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害位置を推定する障害位置推定手段と、前記筐体の壁面に開口し、前記プロセスカートリッジを着脱可能に収納し、前記搬送経路の少なくとも一部が露出した収納部と、前記収納部に前記プロセスカートリッジが収納されているか否かを検出するプロセス検出手段と、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記プロセス検出手段によって前記プロセスカートリッジの着脱が検出されなかった場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段とを備えている。
【0015】
また、請求項9に係る発明の画像形成装置は、請求項8に記載の発明の構成に加え、前記収納部の開口の開閉を行うカバーと、前記カバーの開閉を検出するカバー開閉検出手段とを備え、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記カバー開閉検出手段によって前記カバーの開閉が検出されなかった場合に、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明の画像形成装置は、請求項5乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記現像手段により前記像担持体に形成された現像剤像を被記録媒体に転写するための転写手段と、前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、前記転写バイアス印加手段により転写バイアスが印加された前記転写手段の電気的特性を検出する電気的特性検出手段とを備え、前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合において、前記カバーの開閉を前記カバー開閉検出手段が検出したときに、転写バイアス印加手段が前記転写手段に所定の転写バイアスを印加した後、前記電気的特性検知手段により検出された前記転写手段の電気的特性が基準電気的特性以上であった場合には、前記障害解消判断手段は、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする。
【0017】
また、請求項11に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至10のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記被記録媒体の搬送障害が解消されたと前記障害解消判断手段が判断した場合に、装置の再起動を行う再起動制御手段を備えている。
【0018】
また、請求項12に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと前記障害解消判断手段が判断した場合に、前記被記録媒体の搬送障害を報知する報知手段を備えている。
【0019】
また、請求項13に係る発明の画像形成装置は、請求項12に記載の発明の構成に加え、前記報知手段は、前記障害検知手段が前記被記録媒体の搬送障害を検知した場合と、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと前記障害解消判断手段が判断した場合とで異なる報知を行うことを特徴とする。
【0020】
また、請求項14に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記検出手段が、前記被記録媒体が有ることを検出しているときには、前記障害解消判断手段は、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする。
【0021】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至14のいずれかに記載の発明の構成に加え、電源の切断を検出する電源切断検出手段と、前記電源切断検出手段により電源が切断されたことが検出された場合に、画像形成装置の状態を記憶するための状態記憶手段とを備え、装置の電源が投入された場合に、前記状態記憶手段に記憶された画像形成装置の状態に基づいて、その状態が、前記被記録媒体の搬送障害状態、または画像形成動作状態であった場合には、前記報知手段が報知することを特徴とする。
【0022】
また、請求項16に係る発明の画像形成装置は、筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、前記画像形成手段は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段と、前記現像手段により前記像担持体に形成された現像剤像を被記録媒体に転写するための転写手段とを備え、前記筐体の開閉可能部分の開閉を検出する開閉検出手段と、前記搬送経路に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、前記転写バイアス印加手段により転写バイアスが印加された前記転写手段の電気的特性を検出する電気的特性検出手段と、前記障害検知手段による前記被記録媒体の搬送障害の検知後、前記開閉検出手段により前記開閉可能部分の開閉が検出されたときに、前記転写バイアス印加手段が前記転写手段に所定の転写バイアスを印加した後、前記電気的特性検知手段により検出された前記転写手段の電気的特性が基準電気的特性以上であった場合には、前記被記録媒体の搬送の障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段とを備えている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した画像形成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1の全体の構成について説明する。図1は、レーザプリンタ1の中央断面図である。
【0024】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、筐体2内に、被記録媒体としての用紙を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙に画像を形成する画像形成手段としての画像形成部5を構成するスキャナユニット16、プロセスカートリッジ17および定着器18等を備えている。ここで、レーザプリンタ1において、図中右手方向が前面となる。
【0025】
印刷が行われる用紙(筐体2内での搬送経路を図中2点鎖線で示す。)は、筐体2の底部に着脱される給紙カセット6に設けられた用紙押圧板7上にて積層状に保持され、その用紙押圧板7によって、筐体2の前面側で給紙カセット6の上方に設けられた給紙ローラ8に向かって押圧されている。そして、給紙ローラ8の回転にともなって、用紙は、搬送ローラ11を介するUターン状の搬送パスを通って、レジストローラ12から、筐体2内の略中央に設けられた画像形成部5に向かって搬送されるようになっている。なお、搬送ローラ11、後述する搬送ローラ43、排紙ローラ45、反転搬送ローラ51〜53等、搬送経路において用紙を搬送するローラが、本発明における「搬送手段」に相当する。
【0026】
なお、給紙カセット6が装着された場合の給紙カセット6の上方にあたる筐体2の内部の底面で、給紙ローラ8の近傍の位置には、用紙押圧板7に収容された用紙の有無を検出するための用紙センサ71が設けられている。用紙センサ71は、光を発する発光部と、発せられた光を受光する受光部とが対峙して設けられた公知のフォトセンサである。図示しないが、L字状のアームを有し、アームの一辺側が用紙押圧板7に向かって、また、他辺側が発光部と受光部との間の位置に配置されて、発光部から受光部へ発せられる光を遮るように、両辺の接続部分が筐体2の内部の底面に軸支されている。用紙押圧板7に用紙が収容されているときは、アームの一片側の先端が用紙に当接することでアームの軸を支点に他端側が揺動され、その結果、用紙センサ71の発光部と受光部との間の遮蔽が解除されるので、発光部から発せられた光を受光部で受光できるようになる。この検出結果に基づき、レーザプリンタ1では、給紙カセット6に収容した用紙の有無の検知を行うことができる。
【0027】
さらに、給紙カセット6の着脱状態を検出するため、上記同様のフォトセンサを用いた着脱センサ81が、筐体2の内部の底面で、給紙ローラ8よりも前面側の位置に設けられている。また、給紙カセット6が装着された場合に、着脱センサ81の発光部と受光部との間に位置され光を遮る遮蔽板(図示外)が、給紙カセット6の上面で着脱センサ81に対応した位置に設けられている。着脱センサ81の検出結果に基づいて、筐体2の前面側より前後方向に引き出し自在な給紙カセット6が筐体2に装着されているか否かを検知することができるようになっている。なお、着脱センサ81、後述する着脱センサ82、開閉センサ83,84が、本発明における「開閉検出手段」に相当する。さらに、着脱センサ81は、本発明の請求項7における「カセット検出手段」に相当し、開閉センサ83は、本発明の請求項5における「カバー開閉検出手段」に相当する。
【0028】
次に、画像形成部5のスキャナユニット16は、筐体2内において排紙トレイ46の直下に配置され、レーザ光を出射するレーザ発光部(図示外)、レーザ発光部より出射されたレーザ光を回転駆動して主走査方向に走査するポリゴンミラー19、ポリゴンミラー19に走査されたレーザ光の走査速度を一定にするfθレンズ20、走査されたレーザ光を反射する2つの反射ミラー21、反射ミラー21で反射されたレーザ光を反射ミラー23を介して感光体ドラム27上で結像する際の副走査方向における面倒れを補正するシリンダーレンズ22等で構成されている。スキャナユニット16は、印刷データに基づいてレーザ発光部から出射されるレーザ光をポリゴンミラー19、fθレンズ20、2つの反射ミラー21、シリンダーレンズ22、反射ミラー23の順に通過あるいは反射させて、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に露光走査するものである。
【0029】
次いで、画像形成部5のプロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジ17aと、ドラムカートリッジ17aに着脱可能な現像カートリッジ17bとから構成されている。ドラムカートリッジ17aは、感光体ドラム27、帯電器29、転写ローラ30等を備えている。現像カートリッジ17bは、現像ローラ31、供給ローラ33、トナーホッパー34等を備えている。筐体2内部のスキャナユニット16の下方の位置で、筐体2の前面側(図中右手側)から中央にかけての位置には、プロセスカートリッジ17の挿入のための一部開放状の収納部55が設けられている。
【0030】
ここで、この収納部55の開口を覆う前面カバー54は、筐体2の前面側の給紙カセット6の上方に設けられた支点54aを軸として、その自由端側が下向きに大きく回動することで、収納部55の開閉を行う。前面カバー54には、支点54aよりもさらに筐体2の前方の位置に設けられた支点54cを軸として開閉可能な手差しトレイ54bが設けられている。この手差しトレイ54bは、開かれたときに、上部に印刷を行う用紙を載置することが可能なトレイであり、手差しトレイ54b上に載置された用紙は、筐体2の壁面から突出するように設けられた給紙ローラ54dにより、画像形成部5に給紙されるようになっている。
【0031】
前面カバー54の自由端側と接離する筐体2の部分には、前面カバー54の開閉状態を検出するための開閉センサ83が設けられている。開閉センサ83は用紙センサ71と同様の公知のフォトセンサである。前面カバー54が閉じられたときには、自由端の先端に設けられた遮蔽板(図示外)が発光部と受光部との間の部分に位置されるようになっており、その遮蔽板により発光部から受光部へ発せられる光が遮られることで、前面カバー54が閉じられた状態が検出されるようになっている。
【0032】
また、手差しトレイ54bに載置された用紙が画像形成部5に向かって搬送される搬送経路上で、給紙ローラ54dよりも上流の位置には、手差しトレイ54bに載置される用紙の有無を検出するための用紙センサ72が設けられている。用紙センサ72は、用紙センサ71と同様のフォトセンサで、手差しトレイ54b上に用紙が搭載されていれば発光部と受光部との間の光の遮蔽が解除されるようになっており、前記同様、レーザプリンタ1は、手差しトレイ54b上の用紙の有無の検知を行うことができる。
【0033】
ドラムカートリッジ17aに現像カートリッジ17bが装着されたプロセスカートリッジ17が収納部55に収納された状態を検出するため、前記同様、公知のフォトセンサを利用した着脱センサ80が、プロセスカートリッジ17の下側で、前側の位置にて、収納部55の壁面に設けられている。ドラムカートリッジ17aの筐体には、プロセスカートリッジ17が収納部55に装着されたときに、フォトセンサの発光部と受光部との間に配置される遮蔽板(図示外)が設けられている。この着脱センサ80の検出結果に基づき、プロセスカートリッジ17が装着されているか否かの検知が行われることは、前記同様である。なお、着脱センサ80が、本発明における「プロセス検出手段」に相当する。
【0034】
ドラムカートリッジ17aの感光体ドラム27は、現像ローラ31と接触する状態で、図中時計方向に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、正帯電の有機感光体を塗布したものであり、電荷発生材料が電荷輸送層に分散された正帯電有機感光体である。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生材料で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面と、導電性基材とにその電荷が輸送されて、帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成される。なお、感光体ドラム27が、本発明における「像担持体」に相当する。
【0035】
帯電手段としてのスコロトロン型の帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させるスコロトロン型の帯電器であり、高圧電源部200(図2参照)より帯電バイアスが印加されて感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0036】
また、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図中時計方向)における帯電器29の配置位置より下流に配設されており、図中反時計方向に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、高圧電源部(図2参照)より現像バイアスが印加される。なお、現像ローラ31が、本発明における「現像手段」に相当する。
【0037】
供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給する現像剤としてのトナーを摩擦帯電するようになっている。このため、供給ローラ33は、現像ローラ31と同方向となる図中反時計方向に回転可能に配設されている。
【0038】
トナーホッパー34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給される現像剤を充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0039】
感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、図中反時計方向に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、高圧電源部200(図2参照)より転写バイアスが印加されるように構成されている。転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加されるバイアスである。なお、転写ローラ30が、本発明における「転写手段」に相当する。
【0040】
プロセスカートリッジ17の側方下流側には定着器18が配設されている。このプロセスカートリッジ17と、定着器18との間の位置には、画像形成時に感光体ドラム27および転写ローラ30のニップ部を通過する用紙を、定着器18の定着ローラ41および加圧ローラ42のニップ部へと用紙を導くための搬送ガイド58が設けられている。この搬送ガイド58は、プロセスカートリッジ17が収納部55から離脱されたときに筐体2の外部からアクセス可能となっており、例えば、用紙の搬送時に搬送ガイド58の位置で紙ジャムが発生した場合などには、利用者が前面カバー54を開き、プロセスカートリッジ17を取り出すことによって、紙ジャムを発生させたジャム紙を取り除くことができる。
【0041】
次に、画像形成部5の定着器18は、定着ローラ41、この定着ローラ41を押圧する加圧ローラ42等を備えている。定着ローラ41は、中空のアルミ製の軸にフッ素樹脂がコーティングされ焼成されたローラであり、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41aを備えている。加圧ローラ42は、低硬度シリコンゴムからなる軸にフッ素樹脂のチューブが被膜されたローラであり、スプリング(図示外)によってその軸が定着ローラ41の方向に付勢されることで、定着ローラ41に対して押圧されている。定着器18では、プロセスカートリッジ17において用紙上に転写されたトナーが、用紙が定着ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に用紙に加圧加熱定着される。その後、用紙は、搬送ローラ43によって定着器18から排出され、排紙パス44上を搬送されるようになっている。
【0042】
排紙トレイ46は、筐体2の上部中央より前側にかけての位置に、印刷された用紙を積層保持できるように、筐体2の前側ほど傾斜が小さくなるように凹部形成されている。画像形成部5で画像が形成された用紙は、半弧を描くように設けられた排紙パス44に導かれて、その末端に設けられた排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排出される。
【0043】
また、レーザプリンタ1には、両面印刷を行うための両面印刷装置26が、画像形成部5の下方で給紙カセット6の上方の位置に配設されている。両面印刷装置26には、反転搬送ローラ51,52,53が略水平方向に設けられており、その両末端側にはそれぞれ、反転搬送パス47,48が設けられている。反転搬送パス47は、用紙の搬送方向における排紙パス44の末端位置で、用紙が逆方向に搬送される際に排紙パス44から分岐されて両面印刷装置26に導かれるように、排紙ローラ45と反転搬送ローラ51とを接続している。反転搬送パス48は、その用紙を画像形成部に導くように、反転搬送ローラ53とレジストローラ12とを接続している。
【0044】
この両面印刷装置26は、筐体2の背面側から筐体2の前後方向に沿って水平に着脱可能に構成されている。両面印刷装置26の装着時の先端部は給紙ローラ8の近傍に位置され、筐体2のその部分には、給紙カセット6の着脱センサ81と同様の着脱センサ82が設けられている。すなわち、レーザプリンタ1では、着脱センサ82の検出結果に基づいて、両面印刷装置26が筐体2に装着されているか否かの検知を行うことができる。
【0045】
次に、筐体2の背面には、前面カバー54と同様に、支点56aを軸として自由端側が下向きに大きく回動可能な背面カバー56が設けられている。背面カバー56の筐体2の内面側の壁面は、上記した反転搬送パス47の一部として構成されている。また、定着器18の背面側で排紙パス44の一部を構成する内部カバー57は、背面カバー56と同様に支点57aを軸として自由端側が下向きに回動可能となっている。背面カバー56と内部カバー57とは図示外のリンク部材で連結されており、背面カバー56が開かれるときには、同時に、内部カバー57も開かれるようになっている。例えば、用紙の搬送時に紙ジャムが発生した場合などには、この背面カバー56および内部カバー57が開かれることにより、利用者が排紙パス44、反転搬送パス47、および定着器18にアクセス可能となって、紙ジャムを発生させたジャム紙を取り除くことができる。
【0046】
そして、背面カバー56の自由端側と接離する筐体2の部分には、前記同様、フォトセンサからなる開閉センサ84が設けられている。開閉センサ84に対応する背面カバー56の自由端側の位置には図示しない遮蔽板が設けられており、開閉センサ84の発光部と受光部との間で光を遮蔽することで、背面カバー56の開閉状態の検出が行われる。レーザプリンタ1では、開閉センサ84の検出結果をもとに、背面カバー56が開かれているか否かの検知を行うことができる。
【0047】
レーザプリンタ1には、内部を搬送される用紙がその搬送経路上で紙ジャムを発生したか否かを検知するため、前記同様、フォトセンサからなり、用紙の有無を検出することができる用紙センサ73,74,75,76が設けられている。用紙センサ73は、用紙搬送経路のレジストローラ12の上流すぐの位置に配設され、レジストローラ12の下流すぐの位置に、用紙センサ74が配設されている。また、用紙センサ75は、定着器18の定着ローラ41および加圧ローラ42のニップ部より下流すぐの位置に設けられている。用紙センサ76は、両面印刷装置26の反転搬送ローラ52,53の間の位置に設けられている。各センサとも、その位置に用紙が存在するか否かを、その位置に用紙があれば倒され、なければ自重でもとの状態に復帰するアーム(図示外)によって検出可能となっており、レーザプリンタ1では、各センサの検出結果に基づき、用紙の有無の検知を行うことができる。なお、用紙センサ73〜76が、本発明における「検出手段」に相当する。
【0048】
なお、上記したようにレーザプリンタ1には、用紙センサ71〜76、着脱センサ80〜82、および開閉センサ83,84など、用紙の有無や各部位の状態等を検出可能なセンサが複数設けられているが、便宜上、各センサ、すなわちフォトセンサの受光部が光を受光している状態をON、受光していない状態をOFFとして説明する。すなわち、用紙センサ71〜76では、その位置に用紙があればON、なければOFFとし、着脱センサ80〜82では、対象物が装着された状態をOFF、非装着状態をONとする。また、開閉センサ83,84では、各カバーが閉じた状態をOFF、開かれた状態をONとする。
【0049】
次に、図2〜図4を参照して、レーザプリンタ1の電気的な構成について説明する。図2は、レーザプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図3は、ROM120の記憶エリアを示す概念図である。図4は、RAM130の記憶エリアを示す概念図である。
【0050】
図2に示すように、制御部100には、レーザプリンタ1の各装置の制御を司るCPU110が設けられ、このCPU110に、ROM120と、RAM130と、フラッシュメモリ140とが接続されている。CPU110は、ROM120に記憶された各種プログラム等を実行し、その際にRAM130に一時的なデータの記憶を行わせ、制御部100に接続された他の装置の制御を行う。また、フラッシュメモリ140は、いわゆる不揮発性の記憶装置であって、レーザプリンタ1の電源が切断された場合でも情報を保持することができるように設けられている。なお、フラッシュメモリ140が、本発明における「状態記憶手段」に相当する。
【0051】
制御部100には、タイマカウンタ150と、表示制御部160と、発音制御部170と、入力検出部180と、駆動制御部190と、高圧電源部200と、低圧電源部210と、ビデオコントロール部220とが各々接続されている。タイマカウンタ150は、発振回路(図示外)の出力に基づいて、例えばレーザプリンタ1の電源が投入されてからの時間の経過を常時カウントするタイマである。後述する紙ジャム発生の検知が行われる際などに問い合わせがあった場合に、その時のカウント値の返答を行う。
【0052】
表示制御部160はLCD161に表示する文字や画像等の制御を行う。発音制御部170はエラー音等を発生させるためスピーカ171の発音の制御を行う。入力検出部180には、利用者がエラー解除のために押す確認ボタン70の入力や、用紙センサ71〜76、着脱センサ80〜82、および開閉センサ83,84のON・OFFの状態の検出を行う。
【0053】
駆動制御部190は、例えば、両面印刷装置26、給紙ローラ8、感光体ドラム27、定着ローラ41、ポリゴンミラー19など、機械的な動作をともなう部品の駆動源である駆動モータ(図示外)や、その駆動系の動作方向の切り換えを行うためのソレノイド(図示外)や、レーザ発光部(図示外)等を駆動させるための制御を行う。
【0054】
高圧電源部200は、帯電器29、転写ローラ30、現像ローラ31にそれぞれ帯電バイアス、転写バイアス、現像バイアスの印加を行う。ビデオコントロール部220は、用紙に画像を形成するための画像データの処理を行う。具体的には、ビデオコントロール部220に接続されたインターフェース230を介して、例えばUSBケーブルなどで接続されたホストコンピュータ300から入力される、例えばベクタデータなどで構成された印刷データを解析して、各種画像処理を施しつつビットマップデータへの変換を行う。なお、高圧電源部200が、本発明における「転写バイアス印加手段」に相当する。
【0055】
そして、制御部100、駆動制御部190、高圧電源部200、ビデオコントロール部220はそれぞれ、低圧電源部210から電源の供給を受けている。低圧電源部210は、レーザプリンタ1の外部から供給された、例えば単相100Vの電圧を、レーザプリンタ1の内部の各部に供給するために、例えば24Vの電圧に降下させるための回路を有する。低圧電源部210と外部との接続は、電源スイッチ215によりON・OFFされる。
【0056】
次に、図3に示す、ROM120には、搬送時間テーブル350(図5参照)を記憶した搬送時間テーブル記憶エリア121と、紙ジャム位置推定テーブル400(図7参照)を記憶した紙推定テーブル記憶エリア122と、レーザプリンタ1で実行される各種プログラムが記憶されたプログラム記憶エリア123と、開閉可能部分の開閉時間として予測され、比較基準とする開閉基準時間が、各開閉可能部分ごとに設定された開閉基準時間記憶エリア124となどが設けられている。なお、本発明における「開閉可能部分」とは、前面カバー54、背面カバー56、給紙カセット6、および両面印刷装置26をいうが、詳しくは後述する。なお、ROM120が、本発明における「記憶手段」に相当する。
【0057】
また、図4に示す、RAM130には、各種プログラム等の実行時に一時的なデータを記憶するためのワークエリア131と、用紙センサ73〜76の状態を一時的に記憶するセンサ状況記憶エリア132と、開閉可能部分が開かれてから閉じるまでの時間を計測するための開閉時間記憶エリア133と、同時開閉検知処理(図9参照)で2つの開閉可能部分のそれぞれの開閉状態を確認するために利用される開閉フラグx,yを記憶した開閉フラグ記憶エリア134と、プロセスカートリッジ17が外されると「1」となる離脱フラグmと、プロセスカートリッジ17が装着されると「1」となる装着フラグnとを記憶したカートリッジ着脱フラグ記憶エリア135となどが設けられている。
【0058】
次に、図1,図2を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。図2に示す、ホストコンピュータ300からの印刷データを受信したレーザプリンタ1では、駆動制御部190による制御に基づいて、駆動モータ(図示外)が駆動され、また、スコロトロン型の帯電器29に帯電バイアスが印加され、現像ローラ31に現像バイアスが印加される。このとき、転写ローラ30には、転写逆バイアスが印加されて、転写ローラ30に付着したトナーを感光体ドラム27に転写させて転写ローラ30のクリーニングを行い、感光体ドラム27上のトナーを帯電器29によって帯電し、現像ローラ31にて回収する。その後、転写ローラ30に転写バイアスを印加する。
【0059】
この処理を行った後、印刷開始信号がCPU110から出力されると、用紙は、回転する給紙ローラ8との間の摩擦力によってピックアップされ、搬送ローラ11を介してレジストローラ12に送られる。なお、手差しトレイ54b上に載置された用紙から印刷が行われる場合には、ホストコンピュータ300での操作によって手差しトレイ54bから給紙が行われることが指示される。この場合でも同様に、給紙ローラ54dの回転によって用紙がピックアップされ、搬送ローラ11を介してレジストローラ12に送られる。そして、レジストローラ12は用紙をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙の先端とが一致するタイミングで用紙を送り出す。
【0060】
一方、スキャナユニット16では、ビデオコントロール部220で生成されたビットマップデータに基づいて駆動制御部190においてレーザ駆動信号が生成され、この信号に従ってレーザ発光部(図示外)でレーザ光が発生され、ポリゴンミラー19に対して出射される。ポリゴンミラー19は入射したレーザ光を主走査方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズ20に対して出射する。fθレンズ20は、ポリゴンミラー19で等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換する。そして、レーザ光は、反射ミラー21で進行方向を変化され、シリンダーレンズ22によって収束され、反射ミラー23を介して感光体ドラム27の表面上で結像される。
【0061】
また、感光体ドラム27は、高圧電源部200より帯電バイアスが印加された帯電器29によって、その表面電位が約1000Vに帯電される。図1中時計方向に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙の主走査線上において、現像を行う部分には照射され、行わない部分には照射されないようにスキャナユニット16から出射されており、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が約200Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転にともなって、レーザ光が副走査方向(用紙の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
【0062】
ここで、トナーホッパー34より供給され、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電されたトナーは、厚みが一定の薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には、高圧電源部200より約400Vの正の現像バイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ、正帯電されているトナーは、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転移する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+200V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転移する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
【0063】
そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙が通過する際に、明部の電位(+200V)よりさらに低い、(電圧値にして)約−1000Vの負の定電流である転写順バイアスが転写ローラ30に印加されて、感光体ドラム27表面上に形成された可視像が用紙上に転写される。
【0064】
トナーが転写された用紙は、定着器18に搬送される。定着器18は、トナーの載った用紙に、定着ローラ41による約200℃の熱と加圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙上に溶着させて永久画像を形成する。なお、定着ローラ41と加圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、定着ローラ41の表面電位より加圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙の定着ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙を介して加圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に定着ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
【0065】
トナーが加圧加熱定着された用紙は、搬送ローラ43によって排紙パス44上を搬送され、印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙も同様に、先に排出された用紙の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙を得ることができる。
【0066】
ところで、両面印刷が行われる場合には、まず、一方の面に画像が形成された用紙が搬送され、その一部が一旦排紙トレイ46に排出される。そして、その用紙の後端が排紙ローラ45に挟まれたときに、排紙ローラ45が正転を停止し、逆転を行う。すると、用紙の後端が排紙パス44の弧面に当接し、弧面に沿って、定着器18の方向には戻らずに反転搬送パス47に導かれる。用紙は、反転搬送パス47を通り、反転搬送ローラ51〜53により搬送されて反転搬送パス48に送出され、この反転搬送パス48に沿ってレジストローラ12に導かれる。このような搬送経路を辿ることによって、用紙が排紙ローラ45からレジストローラ12に搬送される場合に、用紙は、前後逆向きに搬送され、また、既に印刷が行われた面が下向き、すなわち、画像の形成されていない他方の面が感光体ドラム27に対向する向きに反転され、画像形成部5に送られることになる。そして、画像形成部5にて、用紙の他方の面に画像が形成される。その後、前記同様、用紙は排紙トレイ46から排出され、利用者は、両面に画像が形成された印刷物を得ることができる。
【0067】
なお、このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ31で回収する、いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。
【0068】
このようなレーザプリンタ1において、印刷が開始されてから排紙トレイ46に排紙されるまでの間、用紙が、その搬送経路上のいずれかの位置にて紙ジャムを発生する場合がある。このとき、紙ジャムの発生が検知されなければ、用紙が無い状態で画像形成が継続されたり、紙ジャムを発生させたジャム紙が各回転されるローラに巻き付いてその駆動に負荷を与えたり、次の用紙が搬送されてジャム紙に衝突し、紙ジャム位置での詰まりが深刻化してジャム紙が取り除きにくくなったりするなどの弊害が発生する。
【0069】
図2に示すように、レーザプリンタ1では、CPU110の制御に基づいて、印刷開始のタイミングなどを基準に用紙が各用紙センサ73〜76を通過するタイミングが、それぞれのセンサに対して独立に監視されている。そして、あらかじめ行った実験等に基づき、各用紙センサ73〜76ごとに設けた基準タイミングi〜viから計測して、用紙が検出されるまでの経過時間および用紙を検出しなくなるまでの経過時間について、その基準となる基準時間I〜VIIIを対応付けてテーブル化した搬送時間テーブル350(図5参照)が参照されることで、紙ジャムの発生の検知が行われている。
【0070】
以下、図5を参照して、搬送時間テーブル350と、各用紙センサ73〜76ごとに監視される用紙の検出タイミングとが比較されることによる紙ジャムの発生の検知について説明する。図5は、搬送時間テーブル350の概念図である。なお、搬送時間テーブル350は、ROM120の搬送時間テーブル350記憶エリア121に記憶されており、参照される。
【0071】
用紙センサ73がONとなるタイミングは、給紙ローラ8または給紙ローラ54dの回転が開始されたタイミングを基準タイミングiとして、用紙センサ73がONとなるまでの経過時間を基準時間Iとしている。給紙ローラ8,54dの位置から用紙センサ73の位置までの距離はそれぞれ不変であり、また、用紙の搬送速度もそれぞれ略一定であることから、実験等で給紙ローラ8または給紙ローラ54dの回転開始のタイミングから用紙センサ73がONとなるまでの基準時間Iを求めることができる。搬送時間テーブル350にはこの基準時間Iが記録されており、参照可能となっている。
【0072】
駆動制御部190によって制御される給紙ローラ8または給紙ローラ54dの回転開始のタイミングにタイマカウンタ150のカウント値が確認されて、RAM130のセンサ状況記憶エリア132に記憶される。そして、定期的にタイマカウンタ150のカウント値が確認され、用紙センサ73のそのタイミングにおける状態とともにカウント値が対応付けられて、センサ状況記憶エリア132に記憶される。そして、先に記憶された給紙ローラ8または給紙ローラ54dの回転開始のタイミングからの差分と、搬送時間テーブル350の基準時間Iとが比較され、基準時間Iが経過しても用紙センサ73がONとならなければ、紙ジャムが発生したと判断される。
【0073】
次に、用紙センサ74,75のONとなるタイミングについて説明する。上述したように、用紙への画像形成の開始のタイミングは、レジストローラ12によって調整される。レジストローラ12から用紙が送り出されてから排紙トレイ46に排出されるまでは略一定の速度で用紙の搬送が行われる(両面印刷時を除く)。従って、用紙センサ74,75がONとなるタイミングは、レジストローラ12の回転が開始されたタイミングを基準タイミングiiとして、用紙センサ74,75がそれぞれONとなるまでの経過時間を、それぞれの基準時間III,Vとしている。搬送時間テーブル350にはこの基準時間III,Vがそれぞれ記録されており、参照可能となっている。紙ジャムが発生したか否かの判断については上記同様である。
【0074】
用紙センサ76がONとなるタイミングは、排紙ローラ45が逆回転を開始するタイミングを基準タイミングiiiとして、用紙センサ76がONとなるまでの経過時間を基準時間VIIとしている。搬送時間テーブル350にはこの基準時間VIIが記録され、参照可能となっている。紙ジャムが発生したか否かの判断については上記同様である。
【0075】
用紙センサ73がOFFとなるタイミングは、上記同様、レジストローラ12の回転開始のタイミングを基準タイミングiiとして求められる。用紙の搬送速度は一定であり、また、用紙センサ73の位置とレジストローラ12の位置との間の距離が不変であるため、利用者がホストコンピュータ300から指定した用紙の大きさや用紙の搬送速度をもとに、レジストローラ12が回転開始してから用紙センサ73がOFFとなる基準時間IIが求められる。なお、レジストローラ12が回転を開始するタイミングには用紙がレジストされているので、用紙センサ73はONとなっている。搬送時間テーブル350にはこの基準時間IIが記録され、参照可能となっている。そして、基準時間IIが経過しても用紙センサ73がOFFとならなければ、紙ジャムが発生したと判断される。
【0076】
用紙センサ74〜76がOFFとなるタイミングは、各用紙センサ74〜76がONとなったタイミングをそれぞれの基準タイミングiv,v,viとし、上記同様、用紙の大きさと用紙の搬送速度とに基づいて、各用紙センサ74〜76がONとなってからOFFとなるまでの経過時間をそれぞれの基準時間IV,VI,VIIIとしている。搬送時間テーブル350にはそれぞれの基準時間IV,VI,VIIIが記録され、参照可能となっている。紙ジャムが発生したか否かの判断については上記同様である。
【0077】
このようにして、レーザプリンタ1では、印刷時に紙ジャムが発生したか否かの監視が行われている。この監視を行うCPU110が、本発明における「障害検知手段」に相当する。そして、紙ジャムが発生した場合には利用者に対する報知が行われ、利用者が紙ジャムの除去を行った後に、レーザプリンタ1では、その紙ジャムを発生させたジャム紙に印刷されるはずであった画像を、再度、新たな用紙に印刷するための再起動(イニシャライズ)が行われる。この再起動の開始タイミングは、利用者にリセットボタン等を押させて指示させてもよいが、レーザプリンタ1では、利便性の向上のため、例えば開閉センサ83の検出結果に基づき前面カバー54の開閉が行われたことを検知した場合や、着脱センサ81の検出結果に基づき給紙カセット6の着脱が行われたことを検知した場合などをそのタイミングとしている。
【0078】
再起動時には、駆動制御部190によって、各駆動部分が駆動される。利用者が紙ジャムを発生させたジャム紙の除去を怠っていた場合、前述したように、各駆動部分に負荷を与えたり、ジャム紙を除去しづらくさせたりするなどの弊害が発生する。紙ジャムが発生した位置が各用紙センサ73〜76の配置位置であれば、その後時間が経過しても各用紙センサ73〜76がOFFとなることはないので、その位置にジャム紙があることを検知することができる。この場合、利用者がジャム紙を取り除き、レーザプリンタ1を再起動させたときに、各用紙センサ73〜76がすべてOFFとなっていれば、ジャム処理が正常に行われたとみなすことも可能である。
【0079】
しかし、例えば、感光体ドラム27に用紙が巻き付いたり、定着ローラ41と加圧ローラ42とのニップ部に用紙の先端が激突してジャバラ状に折れ曲がってしまった場合など、各用紙センサ73〜76で用紙を検出できない位置で紙ジャムが発生した場合、利用者によるジャム処理が正常に行われたか否かを判断することは難しい。
【0080】
例えば、感光体ドラム27に用紙が巻き付いた場合、レーザプリンタ1からプロセスカートリッジ17が取り出されなければ、用紙を取り除くことはできない。このとき、紙ジャムの発生した位置が把握されていなければ、例えば利用者が、ジャム処理に直接関係のない給紙カセット6の着脱を行ってしまっただけでも、レーザプリンタ1が再起動されてしまう。しかし、紙ジャムが発生した位置を推定することで、それがプロセスカートリッジ17の着脱を必要とする位置だとわかれば、プロセスカートリッジ17が着脱されたことを検知されたときのみにレーザプリンタ1の再起動が行われるようにすれば、ジャム紙が取り除かれていない状態での再起動を防止することができる。
【0081】
以下、レーザプリンタ1における紙ジャムの発生位置の推定について、図6,図7を参照して説明する。図6は、紙ジャムの発生位置の推定を行うため搬送経路を区間分けして示したレーザプリンタ1の模式図である。図7は、紙ジャム位置推定テーブル400の概念図である。なお、以下に説明するように、紙ジャムの発生位置の推定を行うCPU110が、本発明における「障害位置推定手段」に相当する。
【0082】
レーザプリンタ1では、紙ジャムの発生したことを判断した際に、その基準としたRAM130のセンサ状況記憶エリア132の記憶値を参照することによって、その紙ジャムがどの位置で発生したかの推定が行われている。図5に示すように、レーザプリンタ1では、各用紙センサ73〜76の配置位置に基づいて、用紙の搬送経路(図中2点鎖線で示す。)を区間A〜Gの7つの区間に分けて、紙ジャムが発生した区間がそのうちのいずれであるかの推定が行われる。
【0083】
区間Aは、給紙ローラ8または給紙ローラ54dから、レジストローラ12の上流に配置された用紙センサ73までの間の区間である。区間Bは、レジストローラ12を挟むようにその上流および下流に配置された2つの用紙センサ73,74の間の区間である。区間Cは、用紙センサ74から、感光体ドラム27と転写ローラ30とのニップ部までの間の区間である。区間Dは、感光体ドラム27と転写ローラ30とのニップ部から、定着器18の下流に配置された用紙センサ75までの間の区間である。区間Eは、用紙センサ75から排紙パス44を介して排紙ローラ45に達するまでの間の区間である。区間Fは、排紙ローラ45から、両面印刷装置26に向かって搬送された用紙が、用紙センサ76にたどり着くまでの間の区間である。区間Gは、用紙センサ76からレジストローラ12の手前の用紙センサ73までの区間である。
【0084】
紙ジャムが発生するケースは複数想定されるが、例えば、図6に示す、13種類のケースを例として、紙ジャム位置推定テーブル400に記録された各用紙センサ73〜76の状況と、推定された用紙の位置と対応付けについて、以下に説明する。なお、紙ジャム位置推定テーブル400には、各ケースにおける各用紙センサ73〜76の状況(センサのON・OFF、用紙の先端検出の有無、用紙の後端検出の有無)と、どの区間で紙ジャムが発生したかの推定結果とが、対応付けられて記憶されている。(各ケースは説明の都合上、表記したものであり、実際にテーブルとして記憶されているわけではない。)また、紙ジャム位置推定テーブル400は、ROM120の紙ジャム位置推定テーブル記憶エリア122に記憶され、上記した、紙ジャムが発生したと判断された場合に参照される。
【0085】
第1ケースは、給紙ローラ8または給紙ローラ54dのピックアップが失敗した場合や、搬送される用紙が、用紙センサ73にたどり着く前に、搬送経路に激突して搬送障害を引き起こした場合などが相当する。このケースでは、用紙センサ73では、基準タイミングiから基準時間Iが経過したにもかかわらず、用紙センサ73がONとならない。いずれのセンサも用紙は検出しておらず、用紙は、区間Aのいずれかの位置にあると推定される。
【0086】
第2ケースは、用紙センサ73,74の間で、用紙の先端が搬送経路に激突して搬送障害を引き起こした場合などが相当する。このケースでは、用紙センサ73は用紙の先端を正常に検出し、レジストローラ12が回転を開始した基準タイミングiiから基準時間IIIが経過したにもかかわらず、用紙センサ74がONとならない。また、用紙の長さは、通常、用紙センサ73,74の距離より長いので、用紙センサ73による用紙の後端の検出は行われない。このとき、用紙センサ73はONの状態のままであるので、区間B(ただし、用紙センサ73にかかる位置)に用紙があると特定される。
【0087】
第3ケースは、用紙の先端が、感光体ドラム27と転写ローラ30とのニップ部にたどり着く前に搬送経路に激突して搬送障害を引き起こした場合である。また、第4ケースは、用紙が感光体ドラム27に巻き付いてしまった場合である。いずれのケースも、レジストローラ12から用紙が送出されるタイミングでは正常であると検知されている。しかし、基準タイミングiiから基準時間IIIが経過する前に、用紙センサ74がONとなって、その位置を用紙が通過したことが検出されたにもかかわらず、基準タイミングiiから基準時間IIが経過しても、ONとなっている用紙センサ73がOFFとならなければ、第3または第4ケースに該当する。このとき、用紙センサ73,74はともにONの状態であり、用紙の先端が区間Cにあり、区間B(ただし、用紙センサ73にかかる位置)に用紙があると特定される。
【0088】
第5ケースは、第4ケースと同様に、感光体ドラム27に用紙が巻き付いた場合である。このケースでは、レジストローラ12から用紙が送出されるタイミングでは正常であり、基準タイミングivから基準時間IVが経過した後、ONとなっている用紙センサ74がOFFとなったが、基準タイミングiiから基準時間Vが経過しても用紙センサ75がONとならない。このとき、用紙センサ74がOFFとなるまでの時間が基準タイミングivから基準時間IVよりもやや長く(ただし、許容範囲内)かかった場合、用紙の先端が用紙センサ74からあまり離れていない位置で激突しつつもレジストローラ12からは送出されたことが推定される。すなわち、用紙は、区間Cから先に進めず、特に、感光体ドラム27に巻き付いている可能性が高いと推定される。
【0089】
第6ケースは、用紙先端が定着ローラ41と加圧ローラ42とのニップ部にたどり着かなかった場合である。基準タイミングivから基準時間IVが経過する前に、ONとなっている用紙センサ74がOFFとなり、用紙は用紙センサ74の位置は正常に通過したと予測される。しかし、基準タイミングiiから基準時間Vが経過しても用紙センサ75がONとならなければ、用紙は、区間Cまたは区間Dにあると推定される。第5ケースの場合のように用紙センサ74による用紙の後端の検出の際に遅れが発生していないため、感光体ドラム27と転写ローラ30とのニップ部は通過し、区間Dにあることが推定される。
【0090】
第7ケースのように、用紙の先端が、定着ローラ41または加圧ローラ42に巻き付いた場合、また、第8ケースのように、用紙が定着ローラ41と加圧ローラ42とのニップ部は通過したものの、用紙センサ75にたどり着く前に搬送経路に激突して搬送障害を引き起こした場合、各用紙センサ73〜76の検出結果は第6ケースの場合と同様となる。従って、用紙が区間Dにあることが推定される。
【0091】
第9ケースは、用紙の先端が排紙パス44上で激突した場合である。このケースでは、基準タイミングiiから基準時間Vが経過する前に用紙センサ75がONとなり、用紙センサ75の位置までは正常に用紙が搬送されたものの、基準タイミングvから基準時間VIが経過しても用紙センサ75がOFFとならない。このとき、用紙センサ75はONの状態のままであるので、区間E(ただし、用紙センサ75にかかる位置)に用紙があると特定される。
【0092】
第10ケースは、第9ケースと同様に、用紙の先端が排紙パス44上で激突した場合である。このケースでは、基準タイミングvから基準時間VIの経過以後に用紙センサ75がOFFとなって用紙の後端が検出されたものの、そのタイミングが基準時間VIよりもやや長く(ただし、許容範囲内)かかったため、用紙の先端が用紙センサ75からあまり離れていない位置で激突しつつも排紙パス44を搬送されたことが推定される。すなわち、用紙は、区間Eにて紙ジャムを発生させた可能性が高いと推定される。
【0093】
第11ケースは、用紙が、両面印刷装置26の用紙センサ76にたどり着く前に反転搬送パス47などの搬送経路上に激突した場合である。このケースでは、用紙は、用紙センサ75の位置を正常に通過したと予測される。そして、両面印刷を行うため、用紙の後端を排紙ローラ45がつかんだタイミング(用紙センサ76が後端を検出したタイミングが、両面印刷時に利用される。)に、排紙ローラ45が逆回転される。このタイミング、すなわち、基準タイミングiiiより基準時間VIIが経過しても、このケースでは、用紙センサ76がONとならない。従って、用紙が区間Fにあることが推定される。
【0094】
第12ケースは、用紙が、用紙センサ76を通過後に、反転搬送パス48などの搬送経路に激突した場合である。このケースでは、基準タイミングiiiより基準時間VIIが経過したときに用紙センサ76がONとなったが、基準タイミングviより基準時間VIIIが経過する前に用紙センサ76がOFFとならない。このとき、用紙センサ76はONの状態のままであるので、区間G(ただし、用紙センサ76にかかる位置)に用紙があると特定される。
【0095】
第13ケースは、第12ケースと同様に、用紙が用紙センサ76を通過後に反転搬送パス48等に激突した場合である。両面印刷装置26を通過した用紙は、表裏が反転された状態で画像形成部5に搬送されるが、印刷のタイミングを調整するためレジストローラ12でレジストされる。このとき、用紙センサ73を、再度、通過する。このケースでは、用紙がこの用紙センサ73に達する前に紙ジャムを発生し、基準時間が経過しても用紙センサ73がONとならない。この場合の基準時間は、例えば、排紙ローラ45が逆回転を開始した基準タイミングiiiや、用紙センサ76がONとなった基準タイミングviなどから計測されればよい。このケースでは、用紙は、区間Gにて紙ジャムを発生させたと推定される。
【0096】
また、第13ケースの場合、基準タイミングviから基準時間VIIIの経過以後に用紙センサ76がOFFとなって用紙の後端が検出されたものの、そのタイミングが基準時間VIIIよりもやや長く(ただし、許容範囲内)かかっている。このため、用紙の先端が用紙センサ76からあまり離れていない位置で激突しつつも、反転搬送パス48等を搬送されたことが推定される。
【0097】
上記した各ケースにおいて紙ジャムとなった用紙が、区間A〜Gのいずれかにあると推定されるが、この推定結果と、レーザプリンタ1の開閉可能部分の開閉、すなわち、筐体2に開閉可能に支持されたカバー(例えば、前面カバー54や背面カバー56など)や、筐体2に着脱可能に設けられたユニット(例えば、給紙カセット6、両面印刷装置26、プロセスカートリッジ17など)の開閉あるいは着脱とを関連付ければ、上記したような、ジャム紙を取り除く処理と直接関係の無い開閉可能部分の開閉が行われたことによるジャム解消前の再起動が行われることを防止することができる。
【0098】
区間A〜Gのいずれかの位置において発生した紙ジャムを解消するために開閉が必要となる開閉可能部分は、利用者が、筐体2の外部から各区間A〜Gにどのようにアクセスできるかで決まる。区間A,Bで発生した紙ジャムに対しては、給紙カセット6を取り外してジャム紙を取り除くことができる(用紙の後端がまだ給紙カセット6内に残るため。)。区間Cで発生した紙ジャムに対しては、プロセスカートリッジ17を取り出して、収納部55の内部にアクセスする必要があるため、前面カバー54の開閉が必須となる。区間Dで発生した紙ジャムに対しては、第6〜第8ケースのいずれもセンサの検出結果が同じであるので、区間D内のどの位置で発生したかは不明である。第6ケースの場合は、プロセスカートリッジ17を取り外して搬送ガイド58にアクセスし、また、第7,第8ケースの場合は、背面カバー56を開放して定着器18にアクセスすることによってジャム紙を取り除く。従って、区間Dの場合、前面カバー54および背面カバー56の開閉が必要となる。区間Eで発生した紙ジャムに対しては、背面カバー56を開いてジャム紙を取り除くことができる。区間F,Gで発生した紙ジャムに対しては、両面印刷装置26を取り外してジャム紙を取り除くことができる。
【0099】
本実施の形態のレーザプリンタ1では、ジャム処理プログラムが実行され、紙ジャムの発生の検知からジャム紙を取り除く処理(以下、「ジャム処理」という。)までの管理が行われる。そして、上記各区間で発生された紙ジャムに対し、対応する開閉可能部分の開閉が行われなければ、再起動が行われない。さらに、それら対応する開閉可能部分の開閉時間(カバーであれば開かれてから閉じるまでの時間、ユニットであれば離脱されてから装着されるまでの時間)が計測され、開閉時間があらかじめ実験等で確認されたジャム処理にかかる開閉基準時間を満たさなければ、利用者がジャム処理を行うのに最低限必要な時間が経過していないと判断し、すなわちジャム処理がなされなかったものとみなし、再起動が行われないようになっている。
【0100】
ここで、ジャム処理にかかる開閉基準時間の一例を挙げる。例えば、第1ケースの場合、区間Aのジャム処理のため、給紙カセット6の着脱が要求される。このとき、着脱センサ81の状態を監視することで、給紙カセット6を離脱して、ジャム紙を取り除いて、再度装着するまでにかかると予測される時間が、次のように、実験等での予測に基づき決められている。すなわち、給紙カセット6の離脱が開始されたタイミング(着脱センサ81がONとなるタイミング)から給紙カセット6の取り外しに2秒、利用者によるジャム処理に5秒、給紙カセット6を装着するため、給紙カセット6を取付位置に再配置するのに3秒、給紙カセット6を完全に装着状態(着脱センサ81がOFFの状態)までさらに3秒を想定することによって、合計で13秒が、ジャム処理のための時間として予測される。
【0101】
また、第4ケースの場合、区間Cのジャム処理のため、プロセスカートリッジ17の取り出しが必須となる。そのためには前面カバー54の開閉が必要で、開閉センサ83および着脱センサ80の状態が監視される。開閉にかかる開閉基準時間は、以下のように予測される。すなわち、前面カバー54の開放が開始されたタイミング(開閉センサ83がONとなるタイミング)から全開状態となるまで2秒、さらに、プロセスカートリッジ17の取り出しに3秒、利用者によるジャム処理に5秒、プロセスカートリッジ17を装着するのに3秒、プロセスカートリッジ17の取付具合等を確認して前面カバー54を閉じ始めるまでに2秒、そして、前面カバー54が完全に閉じられるまで3秒を想定することによって、合計で24秒が、ジャム処理のための時間として予測される。
【0102】
同様に、背面カバー56の開閉が必要となる場合、両面印刷装置26の着脱が必要となる場合についても、それぞれ、開閉基準時間があらかじめ求められている。なお、本実施の形態では、各開閉可能部分ごとに開閉時間が決められているが、図7に示した各ケースごとに、それぞれ異なる開閉基準時間が決められていてもよい。
【0103】
そして、上述したように、紙ジャムが発生した場合に、各開閉可能部分ごとの開閉時間がその開閉可能部分に対応する開閉基準時間以上とならなければレーザプリンタ1の再起動が行われないようにすることで、紙ジャムの発生位置に対応した開閉可能部分の開閉が行われても、その開閉時間内ではとてもジャム処理が行えるとは考えられないような場合、例えば、区間Eで紙ジャムが発生して対応する背面カバー56を利用者が開いたが、一瞥しただけで閉じてしまい、ジャム紙がまだ筐体2内に残る場合などに、再起動を防止することができる。本実施の形態のレーザプリンタ1では、上記したような紙ジャムの発生の検知から処理までの管理をジャム処理プログラムに従って行っている。
【0104】
以下、図8,図9に示す、ジャム処理プログラムのフローチャートに従って、紙ジャムの発生の検知からジャム処理までの流れについて説明する。図8は、ジャム処理プログラムのフローチャートである。図9は、同時開閉検知処理のサブルーチンである。なお、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
【0105】
図8に示す、ジャム処理プログラムは、ROM120のプログラム記憶エリア123に記憶されており、レーザプリンタ1の起動時、あるいは印刷処理が行われる際などに、RAM130のワークエリア131に読み込まれ、実行される。ジャム処理プログラムが開始されると、まず、紙ジャムが発生したか否かの確認が行われ(S10)、紙ジャムが発生していなければ(S10:NO)、そのまま待機が行われる。
【0106】
紙ジャムの発生の有無は、前述したように、用紙センサ73〜76の状況の監視によって行われる。印刷時の用紙の搬送にともない、各用紙センサ73〜76の通過のタイミングがタイマカウンタ150(図2参照)のカウント値をもとに測定され、搬送時間テーブル350(図5参照)に基づく紙ジャム発生の有無の検知が行われることは、既に説明したとおりである。
【0107】
紙ジャムの発生が検知されると(S10:YES)、次に、紙ジャムが発生した位置の推定が行われる(S11)。前述したように、紙ジャムが発生したときのRAM130のセンサ状況記憶エリア132に記憶された各用紙センサ73〜76の状況が確認され、紙ジャム位置推定テーブル(図7参照)に基づき、紙ジャムが発生した区間の推定が行われる。
【0108】
そして、紙ジャムを解消するための設定が行われる(S12)。紙ジャムが発生した区間が推定されているので、その区間について、ジャム紙を取り除くために必要な開閉可能部分に対応するセンサの情報と、その開閉時間が十分であるかを確認するための開閉基準時間とが開閉基準時間記憶エリア124から読み出され、設定される。
【0109】
次いで、推定結果に基づき、紙ジャムが発生したことが報知される(S13)。表示制御部160(図2参照)の制御に基づきLCD161に紙ジャムの発生を知らせるメッセージ等が表示され、あるいは、発音制御部170の制御に基づき、スピーカ171から紙ジャムの発生を知らせる報知音が発音される。なお、LCD161の表示に基づく報知とスピーカ171の発音に基づく報知は、ともに行われてもよいし、あるいは一方のみの報知であってもよい。また、LCD161に限らず、LED等の点灯・点滅による報知であっても、圧電ブザー等の鳴動による報知であってもよい。さらには、インターフェース230を介して接続されたホストコンピュータ300のモニタ画面等に、レーザプリンタ1を動作させるためのドライバソフトによってメッセージ等を表示させてもよい。また、S11の紙ジャム位置の推定結果に基づいて、推定される紙ジャムの発生位置と、そのアクセス法(どの開閉可能部分を開くべきか)などをLCD161等に表示させてもよい。なお、S13、後述するS23,S38,S73,S90の処理を行うCPU110が、本発明における「報知手段」に相当する。
【0110】
次に、用紙センサ73〜76がすべてOFFであるか否かの確認が行われる(S15)。用紙センサ73〜76のいずれか1つでもONであれば、その位置に紙ジャムを発生させた用紙があることがわかる。その場合には、ONとなっている用紙センサがOFFとならない限りジャム紙が取り除かれたとみなさない。
【0111】
用紙センサ73〜76のいずれか1でもONである場合(S15:NO)、紙ジャム位置の推定結果に基づいて、対応する開閉可能部分が開かれたか否かの確認が行われる(S20)。推定された紙ジャム位置に対応する開閉可能部分の開閉を検出するセンサ(上記したように、前面カバー54,背面カバー56,給紙カセット6,両面印刷装置26にはそれぞれ、開閉センサ83,開閉センサ84,着脱センサ81,着脱センサ82が対応する。)の状態が監視される。そして、開かれなければ(対応するセンサがONとならなければ)その状態で待機され(S20:NO)、開かれた場合(対応するセンサがONとなった場合)には(S20:YES)、次に、その開閉可能部分が閉じられたか否かの確認が行われる(S21)。S20の場合と同様に、開閉可能部分が閉じられたことが検出されなければ待機され(S21:NO)、閉じられたら(S21:YES)、S22に進む。
【0112】
S22の判断処理では、用紙センサ73〜76がすべてOFFであるか否かが確認される(S22)。利用者が開閉可能部分を開放してジャム処理を行ったが、ジャム紙が、例えば破れたりして、対応するセンサの位置に紙片がまだ残っていることに利用者が気づかずに開閉可能部分を閉じてしまった場合など、すべての用紙センサ73〜76がOFFとならなければ(S22:NO)、利用者に対して再チェックを行うように通知するための報知が行われる(S23)。その後、S20に戻り、すべての用紙センサ73〜76がOFFとなってジャム紙が取り除かれたとみなされるまで(S22:YES)、S20〜S23の処理が繰り返される。
【0113】
なお、S23の処理における利用者への報知は、S13の処理時の報知とは異なる仕方で行われる。たとえば、LCD161への表示メッセージ等を異ならせたり、スピーカ171から発音させる報知音を、紙ジャム発生後の初回の報知(S13)と異ならせることで、ジャム処理が適正に行われなかったことを利用者に報知できる。後述するS38,図9のS73,S90の報知の場合も同様である。
【0114】
そして、レーザプリンタ1の再起動(イニシャライズ)が行われる(S50)。この再起動処理では、紙ジャムが発生したときに印刷が行われていた画像について最初から印刷をやり直すために、各データやフラグ等について印刷開始前の状態に復帰させる処理が行われる。そして、印刷が再開され(S51)、S10に戻り、次の紙ジャムの発生に備えて用紙センサ73〜76の状況の監視が行われる。なお、S50の処理を行うCPU110が、本発明における「再起動制御手段」に相当する。
【0115】
ところで、S15の判断処理で、用紙センサ73〜76の検出結果がいずれもOFFであった場合(S15:YES)、ジャム紙はいずれの用紙センサ73〜76の位置にも存在しない。そこで、S11の紙ジャム位置の推定結果に基づき、それが区間Dであるか否かが確認される(S25)。前述したように、区間Dで紙ジャムが発生した場合(S25:YES)、その位置にアクセスするためには前面カバー54と背面カバー56との2つの開閉可能部分の開閉を行う必要がある。そのため、ジャム処理プログラムでは、この2つの開閉可能部分の管理を、図9に示す、同時開閉検知処理のサブルーチンで行っている(S26)。この同時開閉検知処理については後述する。
【0116】
紙ジャム位置の推定結果が区間Dでなければ(S25:NO)、紙ジャム位置の推定結果に基づいて、対応する開閉可能部分が開かれたか否かの確認が行われる(S29)。そして、前記同様に、開かれなければその状態で待機され(S29:NO)、開かれた場合には(S29:YES)、次に、その開閉可能部分の開閉時間を計測するため、タイマカウンタ150(図2参照)のカウント値が確認されて、RAM130の開閉時間記憶エリア133に記憶される。タイマtは、この最初のカウント値との差分によってカウントされる。すなわち、タイマtのカウントが開始される(S30)。
【0117】
このとき、RAM130のカートリッジ着脱フラグ記憶エリア135の離脱フラグmおよび装着nフラグがともにリセット、すなわち「0」クリアされる(S31)。離脱フラグmおよび装着フラグnは、プロセスカートリッジ17の着脱センサ80の状態が変化したときにそれぞれ立てられるフラグであり、着脱センサ80の状態が監視されることによって行われる。離脱フラグmには、着脱センサ80の状態がOFFからONに変化したとき、また、装着フラグnには、着脱センサ80の状態がONからOFFに変化したときに、それぞれ「1」が記憶される。
【0118】
次に、上記開閉可能部分が閉じられたか否かの確認が行われる(S32)。S29の場合と同様に、開閉可能部分が閉じられたことが検出されなければ待機され(S32:NO)、閉じられたら(S32:YES)、タイマカウンタ150のカウント値が再度確認され、開閉時間記憶エリア133に記憶される。このとき、先に記憶されたカウント開始時のカウント値に対して差分が計算され、開閉時間tとして、その差分の値が開閉時間記憶エリア133に記憶される。この処理をもってタイマtのカウントが終了される(S33)。なお、S33、後述するS70、S87の処理において開閉時間を求めるCPU110が、本発明における「開閉時間計測手段」に相当する。
【0119】
そして、紙ジャム位置推定結果が区間Cであるか否かの確認が行われる(S35)。前述したように、区間A〜Gのうち、プロセスカートリッジ17の着脱を行わないとアクセスできない区間は区間C,Dであり、区間Dについては同時開閉検出処理(図9参照)でプロセスカートリッジ17の着脱の確認が行われる。従って、区間Cであった場合(S35:YES)、プロセスカートリッジ17について着脱が行われたか否かの確認が行われる(S36)。プロセスカートリッジ17の着脱が行われたか否かは、カートリッジ着脱フラグ記憶エリア135に記憶された離脱フラグmと装着フラグnとがともに「1」であるか否かによって確認される。
【0120】
プロセスカートリッジ17の着脱が行われた形跡がなければ(S36:NO)、ジャム処理が正常に行われなかったとみなされ、利用者に対して再チェックを行うように通知するため、前記同様、報知が行われる(S38)。そして、S29に戻り、開閉可能部分の開閉の監視が最初から行われる。そして、プロセスカートリッジ17の着脱が行われたことが確認された場合には(S36:YES)、S37の判断処理に進む。
【0121】
一方、S35の判断処理の際に、紙ジャム位置推定結果が区間A,B,E〜Gのいずれかであり、つまり、区間Cでなかった場合(S35:NO)、ジャム処理のための開閉可能部分は、背面カバー56、給紙カセット6、または両面印刷装置26のいずれかが相当し、プロセスカートリッジ17の着脱は不要である。この場合も、S37の判断処理に進む。
【0122】
S37の判断処理では、S30〜S33の処理で計測した開閉可能部分の開閉時間tと、ジャム処理を行うのに必要と予測され、S12の処理で設定された開閉基準時間との比較が行われる(S37)。上述したように、開閉基準時間よりも実測された開閉時間tが短かった場合には(S37:NO)、ジャム処理を行うのに最低限必要と思われる時間が経過していないと判断され、すなわちジャム紙が取り除かれなかったものとみなされ、S38に進み、利用者に対して再チェックを行うように報知が行われて(S38)、S29に戻り、開閉可能部分の開閉の監視が最初から行われる。
【0123】
開閉時間tが開閉基準時間以上であった場合は(S37:YES)、前記同様、ジャム処理が適正に行われたものとみなされ、レーザプリンタ1の再起動(S50)、印刷の再開(S51)が行われ、S10に戻り、次の紙ジャムの発生に備えて用紙センサ73〜76の状況の監視が行われる。
【0124】
このように、レーザプリンタ1では、用紙センサ73〜76の状況の監視が行われて、用紙センサ73〜76のいずれも搬送経路上に用紙があることを検出していない状態(S15:YES)、かつ、実測された開閉時間が開閉基準時間以上であった場合(S37,後述するS72,S88:YES)、紙ジャムが解消したと判断するのである。この判断を行うCPU110が、本発明における「障害解消判断手段」に相当する。
【0125】
次に、S25の判断処理で、紙ジャム位置の推定結果に基づき、紙ジャムが区間Dで発生したと判断された場合(S25:YES)、図9に示す、同時開閉検知処理のサブルーチンが実行される(S26)。同時開閉検知処理のサブルーチンでは、前面カバー54の開閉時間txと、背面カバー56の開閉時間tyとがそれぞれ独立に計測される。さらに、前面カバー54の開閉の際には、プロセスカートリッジ17の着脱の有無も確認される。
【0126】
図9に示すように、同時開閉検知処理が開始されると、まず、開閉フラグx,yがリセットされ、RAM130の開閉フラグ記憶エリア134に、それぞれ「0」が記憶される(S61)。開閉フラグx,yは、同時開閉検知処理で2つの開閉可能部分についてそれぞれ独立に適正な開閉が行われたかを確認するためのフラグである。開閉フラグxは、S62〜S75の処理、開閉フラグyは、S81〜S91の処理を行うか否かの確認に使用される。
【0127】
次に、開閉フラグxが「1」か否かの確認が行われる(S62)。S61で開閉フラグxには「0」が記憶されているので(S62:NO)、前面カバー54が開いているか否か、確認が行われる(S63)。すなわち、開閉センサ83の状態が確認され、OFFであれば前面カバー54がまだ閉じていると判断され(S63:NO)、S81に進み、背面カバー56に対する処理が行われる。
【0128】
前面カバー54は開かれると(S63:YES)、次に、タイマtxが作動中か否かの確認が行われる(S65)。タイマtxが作動中の状態とは、開閉時間txの計測をおこなうため、RAM130の開閉時間記憶エリア133にタイマtxのカウント開始時のカウント値が記憶されている状態である。タイマtxは、前記同様、カウント開始時と終了時にタイマカウンタ150のカウント値をそれぞれ確認して、その差分をもとに開閉時間txを求めるためのタイマである。タイマtxが作動中でなければ(S65:NO)、タイマカウンタ150(図2参照)のカウント値が確認され、その値がタイマtxのカウント開始時のカウント値として開閉時間記憶エリア133に記憶される。すなわち、タイマtxのカウントが開始される(S66)。これにより、次回以降にS66の判断処理が行われた際には、タイマtxが作動中との判断がなされる(S65:YES)。
【0129】
なお、タイマtxのカウントが開始されたとき、前記同様に、カートリッジ着脱フラグ記憶エリア135の離脱フラグmおよび装着nフラグがともに「0」クリアされる(S67)。プロセスカートリッジ17の着脱センサ80の状態が変化に基づいて、離脱フラグmおよび装着フラグnに「1」が記憶されることは、前記同様である。
【0130】
次に、前面カバー54が閉じられたか否かの確認が行われる(S68)。開閉センサ83の状態が確認され、ONの状態であればまだ前面カバー54は開いていると判断され(S68:NO)、S81に進む。そして、利用者によるジャム処理が終了して前面カバー54が閉じられれば(S68:YES)、タイマカウンタ150のカウント値が再度確認され、開閉時間記憶エリア133に記憶され、このとき、先に記憶されたカウント開始時のカウント値に対して差分が計算され、開閉時間txとして、その差分の値が開閉時間記憶エリア133に記憶される。この処理をもってタイマtxのカウントが終了される(S70)。
【0131】
そして、離脱フラグmおよび装着フラグnが「1」であるか否かの確認によって、プロセスカートリッジ17の着脱が行われたか否かの確認が行われ(S71)、プロセスカートリッジ17の着脱が行われた形跡がなければ(S71:NO)、ジャム処理が正常に行われなかったとみなされ、前記同様、再チェックの報知が行われる(S73)。その後はS81に進む。また、プロセスカートリッジ17の着脱が行われたことが確認された場合には(S71:YES)、S72の判断処理に進み、前面カバー54の開閉時間txについて、開閉基準時間以上であるか否か確認される(S72)。
【0132】
前述したように、前面カバー54の開閉時間txが開閉基準時間より短かった場合には(S72:NO)、ジャム処理が適正に行われなかったとみなされて再チェックの報知が行われ(S73)、S81に進む。一方、開閉時間txが開閉基準時間以上であった場合は(S72:YES)、ジャム処理が適正に行われたものとみなされ、開閉フラグxに「1」が記憶される(S75)。これにより、次回以降のS62の判断処理ではS81に進むので(S61:YES)、前面カバー54に対する開閉時間の計測は終了する。
【0133】
背面カバー56に対するS81〜S91の処理では、前面カバー54に対するS62〜S75の処理と同様に、背面カバー56の開閉時間tyを計測して、ジャム処理が適正に行われたか否かの判断がなされる。ただし、背面カバー56の開閉にはプロセスカートリッジ17の着脱が不要のため、S67,S71の処理に対応する処理はない。従って、前面カバー54に対するS62〜S66,S68〜S70,S72〜S75の処理、および、開閉フラグx、開閉センサ83、タイマtx、開閉時間txがそれぞれ、背面カバー56に対するS81〜S85,S86〜S87,S88〜S91の処理、および、開閉フラグy、開閉センサ84、タイマty、開閉時間tyに対応している。
【0134】
そして、前面カバー54および背面カバー56のそれぞれに対して開閉時間の計測が終了したか、開閉フラグx,yの値がそれぞれ確認され(S92)、開閉フラグx,yの値がともに「1」とならないうちは(S92:NO)、S62に戻り、S62〜S75の処理、そしてS81〜S91の処理が繰り返される。前面カバー54および背面カバー56のそれぞれに対して開閉時間の計測が終了し、開閉フラグx,yの値が両方とも「1」となれば、(S92:YES)、図8のジャム処理プログラムのメインルーチンに戻り(S26)、前記同様、ジャム処理が適正に行われたものとみなされ、レーザプリンタ1の再起動(S50)、印刷の再開(S51)が行われる。さらに、S10に戻り、次の紙ジャムの発生に備えて用紙センサ73〜76の状況の監視が行われる。
【0135】
このように、通常の印刷時に紙ジャムが発生した場合に、その検知から処理まで管理をジャム処理プログラムで行うことができるが、例えば印刷中に停電が発生した場合、その復旧後に、レーザプリンタ1は通常の電源投入時の処理に従って起動するので、停電前に搬送中だった用紙によって、各駆動部分に負荷が与えられてしまうことがある。これを防止するため、レーザプリンタ1では、印刷中に電源の供給の監視が行われ、供給が停止した場合には、そのときの各用紙センサ73〜76の状況をフラッシュメモリ140に記憶することができる。この処理は、電源切断時対応プログラム(図10参照)の実行に従って行われる。
【0136】
以下、図10に示す、電源切断時対応プログラムのフローチャートに従って、印刷中に電源が切断された場合の処理について説明する。図10は、電源切断時対応プログラムのフローチャートである。
【0137】
なお、電源切断時対応プログラムは、ROM120のプログラム記憶エリア123に記憶されており、ジャム処理プログラムと並列に実行される。また、フラッシュメモリ140の所定の記憶エリアには、紙ジャム発生フラグが記憶され、この紙ジャム発生フラグはレーザプリンタ1の起動時に必ずその状態が確認されるようになっている。そして、レーザプリンタ1の起動時にこの紙ジャム発生フラグがONである(「1」が記憶された状態)場合には、他のプログラムに優先して電源切断時対応プログラムが実行されるようになっている。
【0138】
図10に示すように、電源切断時対応プログラムが実行されると、まず、上記紙ジャム発生フラグがONであるか否かが確認される(S101)。紙ジャム発生フラグがONの状態とは、用紙が搬送経路内に残されたまま、前回、電源が切断されたことを意味する。電源切断時対応プログラムがジャム処理プログラムの実行と並列に実行された場合には紙ジャム発生フラグはOFFの状態であるので(S101:NO)、電源の供給状態の監視が行われる(S102)。電源の供給が停止されたか否かの監視は、低圧電源部210(図2参照)に設けられた公知の回路によって行われるが、電源の供給が停止されない限り(S102:NO)、常に監視が行われる。なお、電源の供給状態の監視を行う低圧電源部210の公知の回路が、本発明における「電源切断検出手段」に相当する。
【0139】
そして、例えば停電時や、利用者の操作ミスで電源スイッチ215がOFFの状態とされてしまった場合など電源の供給が突然停止された場合(S102:YES)、例えば、RAM130のワークエリア131など、印刷が行われる際に使用される記憶エリアが参照され、そのタイミングに画像形成が行われているか否かが確認される(S103)。画像形成動作状態、すなわち、用紙搬送中であるか否かの判断は、レーザプリンタ1で印刷時に起動されるプログラムにて使用されるフラグ等を、直接確認することによって行われる。この場合には、プログラムごとに参照される記憶エリアが異なってくるが、別途、用紙搬送中にのみ立つフラグを設けるのもよい。ところで、上述した図8,図9に示す紙ジャムが発生してその解消が行われていない状態も用紙搬送中であり、すなわち、本発明における「搬送障害状態」に相当する。
【0140】
用紙搬送中でなければ(S103:NO)、電源切断時対応プログラムはそのまま終了され、レーザプリンタ1が終了される。しかし、用紙搬送中の場合(S103:YES)、バックアップが行われる(S105)。すなわち、各用紙センサ73〜76の状況を記憶したRAM130のセンサ状況記憶エリア132の記憶内容が、フラッシュメモリ140の所定の記憶エリアにコピーされる。
【0141】
バックアップは、図示外の内蔵電池などによる電力の供給を受けて行われる。この内蔵電池の代わりに充電池などを利用して、通常時に充電した電力を利用してもよい。また、CPU110の駆動電力は、レーザプリンタ1に供給された、例えば単相100Vの電圧が、低圧電源部210にて、例えば5V、12V、24Vなどの電圧に降下されて、制御部100に供給されている。低圧電源部210への外部からの電力の供給が突然停止されても、CPU110に供給される電力が降下するまでタイムラグがあるので、この時間を利用してバックアップを行ってもよい。
【0142】
そして、バックアップが終了すると、用紙が搬送経路に残った状態で電源が切断されたことを次回電源投入時に確認できるように、フラッシュメモリ140の紙ジャム発生フラグがONとされ(S106)、電源切断時対応プログラムが終了される。
【0143】
次回電源投入時には、紙ジャム発生フラグがONとなっていることから、他のプログラムに優先して電源切断時対応プログラムが実行される。実行された電源切断時対応プログラムでは、紙ジャム発生フラグの状態が確認され、このときはONとなっているので(S101:YES)、リカバリが行われる(S111)。すなわち、フラッシュメモリ140の所定の記憶エリアに記憶された各用紙センサ73〜76の状況が、センサ状況記憶エリア132にコピーされる。
【0144】
次いで、紙ジャム位置の推定が行われる(S112)。前記同様に、センサ状況記憶エリア132に記憶された各用紙センサ73〜76の状況が確認され、紙ジャム位置推定テーブル(図7参照)に基づき、紙ジャムが発生した区間の推定が行われる。
【0145】
さらに、推定結果に基づき、紙ジャムが発生したことが報知される(S13)。推定される紙ジャムの発生位置と、そのアクセス法(どの開閉可能部分を開くべきか)などがLCD161等に表示され、次に、確認ボタン70の入力待ちとなる(S115:NO)。利用者は、表示された情報をもとに紙ジャムの解消を行って、確認ボタン70(図2参照)を押すことで(115:YES)、CPU110にジャム処理が完了したことを知らせる。そして、フラッシュメモリ140の紙ジャム発生フラグをOFFにした後に(S116)、電源切断時対応プログラムが終了される。
【0146】
以上説明したように、本実施の形態のレーザプリンタ1では、紙ジャムが発生した場合に、その紙ジャムの位置を推定し、この推定結果に基づいてジャム紙を取り除くために必要な開閉可能部分を特定してその開閉時間の計測を行っている。用紙センサ73〜76の配置位置で紙ジャムが発生していれば、用紙センサ73〜76の検出結果に基づき紙ジャムが解消されたか否かの判断を行うことができるが、そうでない場合、予測に基づいてジャム解消の判断を行うために開閉時間の計測が行われる。そして、その計測結果があらかじめ求められた開閉基準時間よりも短い場合にはジャム処理が適正に行われなかったものとみなし、装置の再起動を行わず、また、ジャム処理に関係のない開閉可能部分が開閉された場合も装置の再起動を行わないようにすることができる。さらに、画像形成が行われる位置の近傍(区間C,D)で紙ジャムが発生した場合には、その解消にプロセスカートリッジ17の着脱が必須となるため、プロセスカートリッジ17の着脱の有無についても監視が行われる。このような紙ジャム発生時の制御が行われれば、ジャム紙が装置内に残ったまま各駆動部分が駆動される機会を減らすことができ、各駆動部分に負荷を与えたり、ジャム紙を取り除きにくくさせたりするなどの弊害の発生を防止することができる。さらに、印刷中に電源の供給が突然切断された場合でも、次回電源投入時に、搬送経路上に残る用紙の位置を利用者に報知することができるので、各駆動部分に負荷を与えないようにすることができる。
【0147】
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、再起動時に転写ローラ30の電圧変化を監視して、用紙の巻き付き等を検知できるようにしてもよい。駆動制御部190による駆動モータ(図示外)の駆動が行われる前に転写ローラ30に転写バイアスを印加し、そのときの電圧値を検出して正常値と異なれば転写ローラ30の位置に異物があるとみなすことができる。以下、図11に示す、電圧異常検知プログラムについて説明する。図11は、電圧異常検知プログラムのフローチャートである。
【0148】
図11に示す、電圧異常検知プログラムは、レーザプリンタ1がホストコンピュータ300より印刷データを受信したときに、印刷を行うプログラムと並列に実行される。電圧異常検知プログラムが実行されると、まず、電気的特性(本実施の形態では電圧)の検出が行われる(S121)。転写ローラ30に転写バイアスが印加され、そのときの電圧値が検出される。電圧値の検出は、高圧電源部200による公知の回路によって行われればよく、正常な場合、例えば−10μAの転写バイアスが印加された場合、電圧値は約−1KV程度である。なお、電圧値の検出を行う高圧電源部200の公知の回路が、本発明における「電気的特性検出手段」に相当する。電気的特性とは、上記のように、転写ローラ30の電圧値をいうが、これに限らず、電流値やインピーダンスの値などであってもよい。
【0149】
そして、この電圧値がRAM130の所定の記憶エリアに基準電気的特性として記憶される(S122)。すなわち、印刷開始直前の状態で、感光体ドラム27等に用紙の巻き付き等が発生していない状態における転写ローラ30の電圧値が記憶される。そして、レーザプリンタ1では印刷が開始される。
【0150】
電圧異常検知プログラムでは、レーザプリンタ1の印刷中に、印刷が終了したか否か(S125)、また、紙ジャムが発生したか否か(S126)の確認を行っている。電圧異常検知プログラムは印刷が行われる度に最初から実行されるので、その回の印刷時における異常の検知が行えればよい。従って、レーザプリンタ1で印刷中に(S125:NO)、紙ジャムが発生しなければ(S126:NO)、S125,S126の判断処理を繰り返し行って待機され、印刷が正常に終了すれば(S125:YES)、電圧異常検知プログラムが終了される。
【0151】
そして、紙ジャムが発生した場合(S126)、上述したジャム処理プログラムにおけるジャム処理が終了しないうちは(S132:NO)、その実行状態の監視が行われる(S131)。この電圧異常検知プログラムにおけるジャム処理完了の確認は、図8におけるS50の処理(イニシャライズ)が行われる状態となるか否かで行われる。
【0152】
ジャム処理が終了したと判断されれば(S132:YES)、ジャム処理プログラムに対して割込み処理が行われる(S133)。ジャム処理プログラムの実行は一時中断され、その状態のまま停止される。
【0153】
次いで、S121と同様に、転写電圧の検出が行われる(S135)。そして、その検出された電圧値が、基準電気的特性として先にRAM130に記憶されている正常な場合の電圧値と比較される(S136)。検出されたジャム処理後の電圧値が、正常な場合の電圧値に対して、あらかじめ実験等で求められた正常範囲内になければ(S136:NO)、本実施の形態と同様に、利用者に対して再チェックの報知が行われる(S137)。ここで、電圧値の正常な範囲の一例を示すと、転写バイアスとして前記同様、−10μAの電流が印加された場合、感光体ドラム27に用紙が巻き付いた場合など異物がある場合には、−1KVよりも大きい電圧値が検出される。従って、実験等では、異物とみなせる電圧値をあらかじめ測定しておけばよい。
【0154】
利用者への報知が行われると、次に、開閉可能部分の監視が行われる(S140)。この処理では、図8に示す、S15〜S38と同様の処理が行われてもよいし、単に紙ジャムが発生した区間に対応する開閉可能部分の開閉が行われたか否かだけを確認してもよい。そして、S135の処理に戻り、再度転写ローラ30の電圧値が検出され、正常となるまでS135〜S138の処理が繰り返される。
【0155】
ジャム処理後の転写ローラ30の電圧値が正常範囲内にあれば(S136:YES)、ジャム処理プログラムに対する割込みが終了され(S140)、ジャム処理プログラムはS50の処理(図8参照)から実行が再開される。電圧異常検知プログラムはS121の処理に戻り、前記同様、電圧値の検出(S121)、その値の記憶(S122)が行われ、印刷が再開される。そして、その後に紙ジャムが発生せずに(S126:NO)、印刷が終了されれば(S125:YES)、電圧異常検知プログラムは終了される。このように、ジャム処理後の印刷を再開する前に、転写ローラ30の電圧を監視して、レーザプリンタ1内に用紙がまだ残っていないか否か検知してもよい。また、このように転写ローラ30の位置で用紙を検出できるので、ジャム処理プログラムで紙ジャム位置の推定を行う際に利用すれば、紙ジャムの発生位置が区間Dと推定された場合に、前面カバー54と背面カバー56とのいずれのカバーを開けば紙ジャムを解消できるのかを利用者に指示することができる。
【0156】
また、図9の同時開閉検知処理が行われる場合の前面カバー54の開閉時間txに対する開閉基準時間と、背面カバー56の開閉時間tyに対する開閉基準時間とは、図8のS29〜S37の処理が行われる場合の前面カバー54あるいは背面カバー56の開閉時間tに対する開閉基準時間と異ならせてもよい。これは、区間Dにおいて紙ジャムが発生した場合、S13で前面カバー54および背面カバー56の両方に対してアクセスするように利用者に報知したとする。利用者が、いずれか一方のカバーを開いたときにジャム紙を発見し、そのジャム紙を解消した場合に、他方のカバーに対しては、開閉してジャム紙がないか目視確認するだけでも、ジャム処理を適正に行ったとみなせるからである。
【0157】
また、本実施の形態では、図8のS36の処理で、プロセスカートリッジ17については着脱動作のみの監視を行ったが、開閉可能部分と同様に、着脱にかかる時間を計測して、利用者がジャム処理にかかると予測される基準としての着脱基準時間と比較することにより、ジャム処理が行われたか否かを判断するようにしてもよい。以下、図12を参照して、この場合の変形例について説明する。図12は、プロセスカートリッジ17の着脱時間を監視する場合の変形例のフローチャートである。なお、着脱基準時間は、開閉基準時間と同様に、実験等によって求められている。
【0158】
図12に示すように、S36の処理の代わりに、S36a〜S36eの処理を設ける。S35の判断処理でYESとなると、まず、プロセスカートリッジ17が離脱されたか否かが着脱センサ80の状態に基づき確認され(S36a)、離脱されなければ待機される(S36a:NO)。プロセスカートリッジ17が離脱されると(S36a:YES)、タイマtzのカウントが開始される(S36b)。タイマtzのカウントの方法については前記同様である。次に、着脱センサ80の状態が監視され、プロセスカートリッジ17が装着されるまで待機される(S36c:NO)。プロセスカートリッジ17が装着されれば(S36c:YES)、タイマtzのカウントが終了される(S36d)。そして、前記同様、タイマtzとして計測されたタイマカウンタ150のカウント値の差分から求められた開閉時間tzの値が着脱基準時間以上であれば(S36e:YES)、ジャム処理が正常に行われたとしてS37に進み、そうでなければ(S36e:NO)、S38に進み、再チェックの報知が行われる。このようにプロセスカートリッジ17の着脱時間についても、ジャム処理が正常に行われたか否かの判断に利用してもよい。
【0159】
また、対象となる開閉可能部分は給紙カセット6である区間Aまたは区間Bで紙ジャムが発生した場合であれば、図8のS15の判断処理で、用紙センサ73〜76がすべてOFFであった場合でも、給紙カセット6の着脱時間を計測しないようにしてもよい。この場合、図8において、S25の判断処理の前に、紙ジャム発生位置として推定された区間が区間A,Bであるか否か判断する判断処理を設け、区間A,BであればS20に進み、それ以外の区間であればS25に進むようにすればよい。レーザプリンタ1の場合、給紙ローラ8からレジストローラ12までの搬送経路は短く、区間A,Bで紙ジャムが発生した場合には用紙の後端が給紙カセット6内に残るため、ジャム紙の除去が容易であり、着脱時間の計測を行うまでもないからである。また、給紙カセット6をわずか1/3程度引き出しただけでジャム紙を取り除くことができる場合もあり、着脱時間の計測を行わなくとも着脱動作だけで紙ジャムが解消されたとみなしても十分である。さらに、搬送経路の区間A,Bの下流にはレジストローラ12があり、万が一ジャム紙が発見されずに給紙カセット6が装着されてしまった場合でも、レジストローラ12によって画像形成部5への用紙の侵入を阻止することができ、感光体ドラム27の傷害等の問題は発生しにくい。
【0160】
また、本実施の形態では、用紙1枚の搬送中の紙ジャムの発生の監視が行われたが、連続して複数枚の印刷が行われる場合には、2枚以上の用紙が同時に搬送経路上に存在する場合もある。この場合、先に印刷される用紙がすでに通過した位置の用紙センサについて、その検出結果が正常であれば、その用紙センサについては、次の紙ジャムの発生の検知に利用するように制御が行われてもよい。また、本実施の形態では用紙センサを4つ利用したが、その数は多くても少なくてもよい。
【0161】
また、開閉時間の計測について、開閉可能部分が実際に開閉される前後のタイミングにおいて、計測が開始または終了されるようにしてもよい。例えば、開閉可能部分のロックを行うためのロック部材が設けられている場合、その部材が出退等されるのを検出したタイミングであってもよいし、あるいは紙ジャムの報知が行われてから利用者がその報知音を停止させたタイミング(例えば、確認ボタン70を押して停止を指示した場合など)であってもよい。すなわち、利用者がジャム処理を行う場合に必ず実行すると想定される動作のいずれかが行われたことを検出したタイミングに、開閉時間の計測が開始または終了されればよい。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の画像形成装置では、開閉可能部分が開かれても利用者が被記録媒体の搬送障害の解消にかかると予測される時間が閉じるまでに経過しなければ、その搬送障害がまだ解消していないと判断するので、従来よりも障害解消の判断の信頼性が向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0163】
また、請求項2に係る発明の画像形成装置では、請求項1に係る発明の効果に加え、被記録媒体の搬送障害が発生した搬送障害位置によって開閉基準時間が記憶されているので、障害解消の判断結果の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0164】
また、請求項3に係る発明の画像形成装置では、請求項1または2に係る発明の効果に加え、開閉可能部分によって開閉基準時間が記憶されているので、障害解消の判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0165】
また、請求項4に係る発明の画像形成装置では、請求項3に係る発明の効果に加え、被記録媒体の搬送障害を解消するために複数の開閉可能部分の開閉が必要となる場合でも、各開閉可能部分ごとに搬送障害が解消されたか否か判断できるので、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0166】
また、請求項5に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至4のいずれかに係る発明の効果に加え、被記録媒体の搬送障害位置が、その搬送障害を解消するのにプロセスカートリッジの着脱が必要な位置の場合にはその着脱の有無を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0167】
また、請求項6に係る発明の画像形成装置では、請求項5に係る発明の効果に加え、プロセスカートリッジの着脱にかかる時間を計測して、その時間を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0168】
また、請求項7に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至6のいずれかに係る発明の効果に加え、給紙カセット付近で被記録媒体の搬送障害が発生した場合、搬送障害を発生させた被記録媒体を発見するのは容易であるため、比較的短時間で搬送障害が解消される場合もあり、利用者による搬送障害の解消の確実性が高いので、給紙カセットの着脱時間を測定せずともよい。
【0169】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置では、被記録媒体の搬送障害位置がプロセスカートリッジの収納部の近傍と推定された場合に、プロセスカートリッジの着脱の有無を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0170】
また、請求項9に係る発明の画像形成装置では、請求項8に係る発明の効果に加え、被記録媒体の搬送障害位置がプロセスカートリッジの収納部の近傍と推定された場合に、その収納部のカバーの開閉の有無を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0171】
また、請求項10に係る発明の画像形成装置では、請求項5乃至8のいずれかに係る発明の効果に加え、被記録媒体の搬送障害位置がプロセスカートリッジの収納部の近傍と推定された場合に、電気的特性検知手段により検出された転写手段の電気的特性を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0172】
また、請求項11に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至10のいずれかに係る発明の効果に加え、搬送障害の解消後に再起動を行うことで、搬送障害が発生したときに被記録媒体に形成していた画像の形成を、再度、行うことができる。
【0173】
また、請求項12に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至11のいずれかに係る発明の効果に加え、搬送障害が解除されていないことを利用者に知らせることができる。
【0174】
また、請求項13に係る発明の画像形成装置では、請求項12に係る発明の効果に加え、搬送障害が解消されていないときに、搬送障害が発生した場合と異なる報知が行われることによって、搬送障害が解消されていないことを利用者に対して知らせやすくすることができる。
【0175】
また、請求項14に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至13のいずれかに係る発明の効果に加え、検出手段が被記録媒体が装置内にあることを検出している場合には、その検出手段の検出結果を信頼すればよく、検出手段により搬送障害が解消されていないことを判断することができる。
【0176】
また、請求項15に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至14のいずれかに係る発明の効果に加え、停電等により装置の電源の供給が断たれたときに、搬送経路上に被記録媒体があっても、その状態を記憶することができるので、次回電源投入時に搬送障害として利用者に報知でき、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【0177】
また、請求項16に係る発明の画像形成装置では、電気的特性検知手段により検出された転写手段の電気的特性を搬送障害の解消の判断に利用することで、搬送障害の解消判断の信頼性がより向上し、搬送障害が解消されずに装置が作動された場合に起こりうる弊害の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプリンタ1の中央断面図である。
【図2】レーザプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】ROM120の記憶エリアを示す概念図である。
【図4】RAM130の記憶エリアを示す概念図である。
【図5】搬送時間テーブル350の概念図である。
【図6】紙ジャムの発生位置の推定を行うため搬送経路を区間分けして示したレーザプリンタ1の模式図である。
【図7】紙ジャム位置推定テーブル400の概念図である。
【図8】ジャム処理プログラムのフローチャートである。
【図9】同時開閉検知処理のサブルーチンである。
【図10】電源切断時対応プログラムのフローチャートである。
【図11】電圧異常検知プログラムのフローチャートである。
【図12】プロセスカートリッジ17の着脱時間を監視する場合の変形例のフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
2 筐体
5 画像形成部
6 給紙カセット
11 搬送ローラ
12 レジストローラ
17 プロセスカートリッジ
26 両面印刷装置
27 感光体ドラム
30 転写ローラ
31 現像ローラ
43 搬送ローラ
44 排紙パス
45 排紙ローラ
47,48 反転搬送パス
51〜53 反転搬送ローラ
54 前面カバー
55 収納部
56 背面カバー
73〜76 用紙センサ
80〜82 着脱センサ
83,84 開閉センサ
110 CPU
140 フラッシュメモリ
200 高圧電源部
210 低圧電源部

Claims (16)

  1. 筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記筐体の開閉可能部分の開閉を検出する開閉検出手段と、
    前記開閉可能部分が開かれるのを前記開閉検出手段が検出してから、その開閉可能部分が閉じられるのを前記開閉検出手段が検出するまでの時間を計測する開閉時間計測手段と、
    前記搬送経路に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、
    前記障害検知手段による前記被記録媒体の搬送障害の検知後、前記開閉検出手段により前記開閉可能部分の開閉が検出された場合に、前記開閉時間計測手段により計測される時間が開閉基準時間未満であれば、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送経路に複数設けられた前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害位置を推定する障害位置推定手段と、
    前記開閉基準時間を、前記障害位置推定手段により推定された搬送障害位置ごとに記憶した記憶手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記開閉可能部分は複数設けられ、
    前記開閉基準時間を、前記開閉可能部分ごとに記憶した記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記開閉時間計測手段は、前記各開閉可能部分に対し、それぞれ独立に計測を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成手段は、
    静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段との少なくとも一方を収容し、前記筐体に着脱可能に設けられたプロセスカートリッジ
    を備え、
    前記筐体の壁面に開口し、前記プロセスカートリッジを着脱可能に収納し、前記搬送経路の少なくとも一部が露出した収納部と、
    前記収納部に前記プロセスカートリッジが収納されているか否かを検出するプロセス検出手段と、
    前記開閉可能部分であって、前記収納部の開口の開閉を行うカバーと、
    前記開閉検出手段であって、前記カバーの開閉を検出するカバー開閉検出手段と
    を備え、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記プロセス検出手段によって、前記プロセスカートリッジの着脱が検出されなかった場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記収納部より、前記プロセスカートリッジが取り外されたことを前記プロセス検出手段が検出してから、プロセスカートリッジが装着されたことを前記プロセス検出手段が検出するまでの時間を計測する着脱時間計測手段を備え、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記着脱時間検出手段により計測される前記プロセスカートリッジの着脱にかかる時間が着脱基準時間未満である場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記開閉可能部分であって、前記被記録媒体を積層保持し、前記筐体に着脱可能に装着される給紙カセットと、
    前記開閉検出手段であって、前記給紙カセットが装着されているか否かを検出するカセット検出手段と
    を備え、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記給紙カセットの装着部の近傍であると推定された場合、前記開閉時間計測手段は、前記開閉可能部分の開閉にかかる時間の計測を行わないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記画像形成手段は、
    静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段との少なくとも一方を収容し、前記筐体に着脱可能に設けられたプロセスカートリッジ
    を備え、
    前記搬送経路の複数箇所に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出するための検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、
    前記障害検知手段により障害の発生が検知された場合に、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害位置を推定する障害位置推定手段と、
    前記筐体の壁面に開口し、前記プロセスカートリッジを着脱可能に収納し、前記搬送経路の少なくとも一部が露出した収納部と、
    前記収納部に前記プロセスカートリッジが収納されているか否かを検出するプロセス検出手段と、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記プロセス検出手段によって前記プロセスカートリッジの着脱が検出されなかった場合には、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記収納部の開口の開閉を行うカバーと、
    前記カバーの開閉を検出するカバー開閉検出手段と
    を備え、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合、前記障害解消判断手段は、前記カバー開閉検出手段によって前記カバーの開閉が検出されなかった場合に、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記現像手段により前記像担持体に形成された現像剤像を被記録媒体に転写するための転写手段と、
    前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、
    前記転写バイアス印加手段により転写バイアスが印加された前記転写手段の電気的特性を検出する電気的特性検出手段と
    を備え、
    前記障害位置推定手段によって前記被記録媒体の搬送障害位置が前記収納部の近傍であると推定された場合において、前記カバーの開閉を前記カバー開閉検出手段が検出したときに、転写バイアス印加手段が前記転写手段に所定の転写バイアスを印加した後、前記電気的特性検知手段により検出された前記転写手段の電気的特性が基準電気的特性以上であった場合には、前記障害解消判断手段は、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記被記録媒体の搬送障害が解消されたと前記障害解消判断手段が判断した場合に、装置の再起動を行う再起動制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと前記障害解消判断手段が判断した場合に、前記被記録媒体の搬送障害を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記報知手段は、前記障害検知手段が前記被記録媒体の搬送障害を検知した場合と、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと前記障害解消判断手段が判断した場合とで異なる報知を行うことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記検出手段が、前記被記録媒体が有ることを検出しているときには、前記障害解消判断手段は、前記被記録媒体の搬送障害が解消されていないと判断することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 電源の切断を検出する電源切断検出手段と、
    前記電源切断検出手段により電源が切断されたことが検出された場合に、画像形成装置の状態を記憶するための状態記憶手段と
    を備え、
    装置の電源が投入された場合に、前記状態記憶手段に記憶された画像形成装置の状態に基づいて、その状態が、前記被記録媒体の搬送障害状態、または画像形成動作状態であった場合には、前記報知手段が報知することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 筐体内部に設けられた搬送経路に沿って被記録媒体を搬送するための搬送手段と、前記搬送経路に設けられ、前記搬送手段によって搬送される被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記画像形成手段は、
    静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体の静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成する現像手段と、
    前記現像手段により前記像担持体に形成された現像剤像を被記録媒体に転写するための転写手段と
    を備え、
    前記筐体の開閉可能部分の開閉を検出する開閉検出手段と、
    前記搬送経路に設けられ、前記被記録媒体の有無を検出するための検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて、前記被記録媒体の搬送障害を検知するための障害検知手段と、
    前記転写手段に転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段と、
    前記転写バイアス印加手段により転写バイアスが印加された前記転写手段の電気的特性を検出する電気的特性検出手段と、
    前記障害検知手段による前記被記録媒体の搬送障害の検知後、前記開閉検出手段により前記開閉可能部分の開閉が検出されたときに、前記転写バイアス印加手段が前記転写手段に所定の転写バイアスを印加した後、前記電気的特性検知手段により検出された前記転写手段の電気的特性が基準電気的特性以上であった場合には、前記被記録媒体の搬送の障害が解消されていないと判断する障害解消判断手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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