概要
好ましい態様では、自動薬局混合システム(APAS)は、大気圧より低い圧力に調節された配合チャンバ内でバッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療容器を輸送するためのマニピュレータシステムを含んでもよい。好ましい実装では、マニピュレータシステムは、様々な形状およびサイズのシリンジ、IVバッグ、およびバイアルを、大気圧より高い圧力で調節された隣接チャンバ内の貯蔵システムから把握し、運搬するように構成される。様々な態様が、IVバッグ、バイアル、またはシリンジの注入ポートをチャンバ内の流体移行ステーションの注ポートと位置合わせさせるようにマニピュレータシステムを作動させるように適合された制御装置を含んでもよい。好ましい実装は、流体移行ステーションまでの運搬に備えて、バイアルまたはIVバッグの注入ポート上の栓を実質的に消毒することができる消毒システムを含む。
様々な態様は下記利点の1つまたは複数を提供する可能性がある。第1に、APASは毒性および/または揮発性物質、例えば、化学療法のために使用されるものなどを、実質的に無菌のチャンバ中、大気圧より低い圧力で配合し、物質がチャンバの外に非意図的に漏れるのを実質的に阻止してもよい。第2に、APASは、特別な薬物オーダーのために容器に対する特定の場所(例えば、病院)のためのプロトコルに従い、IVバッグ、シリンジ、および/またはバイアルなどの医療容器を選択するようにプログラムされてもよい。第3に、IVバッグおよびバイアル栓ポートを含む医療アイテムを消毒線量のパルス紫外線を受けるように配置してもよい。
本発明の1つまたは複数の態様の詳細を添付の図面および下記説明において記述する。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかになると思われる。
例示的な態様の詳細な説明
様々な例示的な態様は、バッグ、バイアル、およびシリンジなどの容器中に含まれる医療アイテムの処理に関する。いくつかの態様は、流体、配合薬剤を移行させ、および/またはパッケージし、医療アイテムを調製する過程の自動化を含む。
自動薬局混合システム(APAS)は、実質的に無菌の混合チャンバについて、バッグ、バイアル、またはシリンジなどの医療容器を輸送するマニピュレータを含んでもよい。好ましい実装では、グリッパアセンブリは、様々な形状およびサイズのシリンジ、IVバッグおよびバイアルを実質的に広く、把握し、保持するように構成される。例示的な態様では、グリップ装置は、各々の型が異なる注入ポート構造を有する、複数の異なる型のIVバッグを把握するように構成された爪を含んでもよい。態様は、輸送アセンブリを作動させて、バッグ、バイアルまたはシリンジの注入ポートを、注入ステーションに配置されたカニューレなどの注ポートと位置合わせするように適合された制御装置を含んでもよく、バッグ、バイアルおよびシリンジを混合システムまで運搬し、バッグ、バイアルまたはシリンジ中の構成医用薬剤を放出領域まで送達させるように適合されたカルーセル輸送システムを備えさせてもよい。
図1は、病院薬局環境内で使用するための例示的な自動薬局混合システム(APAS)セル100装置を示す。APASセル100は、自動化技術を用いてシリンジおよびIVバッグの内容物を自動的に混合してもよい。例えば、APASセル100の態様は、そうでなければ、層流フード内の薬局人員により実施される1つまたは複数のオペレーションを実施してもよい。APASセル100は、IVバッグおよび/またはシリンジ中への薬物用量、例えば、病院薬局で調製される可能性のあるものの、配合および分配を自動化するロボットセルを含む。ロボットセルはシリンジに基づく流体移行過程を使用してもよく、医用薬剤が処理される際にセルを通って薬物バイアル、シリンジ、およびIVバッグを移動させるためのロボットマニピュレータ(例えば、多自由度アーム)を使用してもよい。
図2は、例示的な装置200を示し、この装置により、オペレータは、在庫をロードし、制御情報を入力し、および/または図1のAPASセル100からシリンジおよび/またはIVバッグを取り出すことができる。APASセル100はフラットパネルモニタ202を含み、オペレータ、例えば、薬剤技師は、これを、APASセル100へのユーザインタフェースとして使用してもよい。APASセル100は1つまたは複数のフラットパネルモニタ202を含んでもよく、これを使用して、例えば、制御情報を入力し、および/または状況情報を出力してもよい。この例では、フラットパネルモニタ202はまた、制御装置として作用してもよく、オペレータは、例えばタッチスクリーン上のインジケータにタッチすることにより、APASセル100を開始、中止、および中断させることができる。出力装置として、フラットパネルモニタ202を、APASの状況および警告状態のモニタリングにおいて、例えば、予め設定した状態が生じるとオペレータにメッセージを表示させることにより使用することができる。別の例として、オペレータはフラットパネルモニタ202を使用して、配合過程を実施するのに必要とされる薬物をAPASセル100にロードする過程を制御してもよい。オペレータはフラットパネルモニタ202を、例えば、入力装置として使用し、段階的な様式でAPASセル100のクリーニングを制御してもよい。APASセル100で調製される新規薬物のためのシステムを訓練する間、例えば、薬剤技師により、フラットパネルモニタ202を入力および出力装置として使用してもよい。
APASセル100と併せて、遠隔ユーザステーション(RUS)206は在庫制御、計画、および/または管理ならびに管理機能を提供してもよい。RUS206はワークステーション208、在庫ラック210、および在庫(例えば、薬物容器)212を含んでもよい。ワークステーション208は、直接、または、いくつかの実装では病院インタフェースネットワークの一部である可能性のあるコンピュータネットワーク(例えば、LAN、WAN、MAN、wLAN)を介して、APASセル100にインタフェースされてもよい。例えば、オペレータはワークステーション208を使用して、APASセル100に対する薬物オーダーおよび計画した製造を再検討し、追加し、優先順位をつけ、または修正してもよい。オペレータはまた、ワークステーション208を使用して、APAS100による薬物用量の配合および/または分配を計画および管理し、および/またはそのような過程に関連する動作を報告してもよい。別の例では、ワークステーション208をAPASセル管理において使用して、配合過程のための薬物オーダーキューのセルへの放出を制御し、または配合過程中のAPASセル状態をモニタしてもよい。ワークステーション208、および/またはAPASセル100は識別しるし、例えば、バーコード、RFIDタグなどを走査するためのハードウエアおよび/またはソフトウエアを含んでもよく、在庫の識別、および/または在庫のラック上への配置が容易になる。
この例では、オペレータはRUS206を使用して、在庫ラック210のローディングを調整してもよい。在庫ラック210には、様々なサイズ214、216のバイアル、シリンジ218および/またはIVバッグ(図示せず)を含んでもよい在庫212をロードしてもよい。この態様では、ラック210の各々は、1つの型またはサイズの在庫アイテムのみを保存してもよいが、異なるラックを配列して、様々なサイズの在庫アイテムを保持させてもよい。いくつかの態様では、1つまたは複数のラック210は、複数のサイズおよび/または型の在庫アイテムを保存するように構成されてもよい。この態様では、ラック210は大きなバイアル220、シリンジ222、または小さなバイアル224を保存するように配列される。在庫を保存するためのラック210の別の態様は、IVバッグのためのラックを含んでもよく、そのようなラックの例は、例えば、図5および14を参照して記述される。各在庫アイテムは、手動で、適当な支持体内に配置されてもよく、そのようなものとしては、例えば、ラック210上の保持クリップ、フック、シェルフ、大箱(bin)、スロット、またはポケットが挙げられる。
在庫212をAPASセル100への入力として使用してもよく、配合過程のためにシステムにより必要とされる薬物および/または希釈剤を含んでもよいバイアル、シリンジ、および/またはIVバッグを供給してもよい。APASセル100は、例えば、病院、医療施設、診療所の患者に薬物用量を分配する際に使用するために、または外来患者(例えば、在宅介護訪問)に配分するために、調製されたシリンジおよび/またはIVバッグを出力してもよい。
いくつかの実装では、在庫ラック210には、APASセル100への入力に必要とされる在庫212が予めロードされてもよい(例えば、前もってオフラインで)。例えば、一般に使用される入力(例えば、生理食塩水IVバッグ)の予めロードされたラックを、予測され、予期され、または計画された配合製造オーダーに応じるように調製してもよい。例えば、ラック、薬物在庫、および容器在庫が保存される可能性のある現地外倉庫で予めロードしてもよい。遠隔ワークステーションに関連するいくつかまたは全てのオペレーションは、実質的に無菌環境である可能性のある制御環境を有する作業領域で実施してもよい。コンピュータ装置208はAPASセル100と通信してもよく、各々が、これまでの、現在の、および予測される在庫についての情報を処理および/または交換し、スケジュールを提供し、および情報を要求するようにプログラミングされていてもよい。情報を使用して、在庫について、優先順位をつけ、計画をたて、オーダーしてもよく、例えば、1つまたは複数のAPASセル100システムに対する製造入力要求に応答し、それを満たしてもよい。いくつかの場合には、APASセル100は、病院在庫制御システムと協調し、例えば、オーダーを自動的に配置し、これまでの、および予期される要求情報に基づくAPASセル100のある入力または出力の在庫の最低レベルを維持してもよい。
いくつかの例では、APASセル100はバッチモードで動作させてもよく、いくつかの数の実質的に同様の出力、例えば、特別の用量の、特別の型のシリンジ中のセファゾリンを生成させてもよい。他の例では、APASセル100はインサイチューで在庫がロードされる226ように動作させてもよい。インサイチューローディングは、例えば、単回投与を含んでもよい、典型的に限られた数の出力を発生させるために実質的にいつでも起きる可能性がある。インサイチューローディングは、例えば、進行中の配合過程を妨害せずに、またはAPASセル100がアイドリングモードにある時に、APASセル100中のラック上に在庫をロードすることを含む。
いくつかの態様は、2つの独立して動作可能なカルーセルを含んでもよい。1つのオペレーションモードでは、カルーセルの1つは、在庫を処理チャンバに送達させるように動作することができ、もう一方のカルーセルはアンロードされ、またはロードされる。別の態様では、APASセル100は3つまたはそれ以上の在庫送達システムを含んでもよく、これはカルーセルと同じ機能を実行してもよく、その例は本明細書の他の場所で記述する。そのような態様では、1つまたは複数のカルーセルを動作させて在庫を送達させてもよく、その間、1つまたは複数の他のカルーセルは使用可能とされ、または在庫がロード/アンロードされる。
例えば、薬剤技師は医師からの直ちに必要な医用薬剤についての書面によるか、または電子メールにより受理したオーダー(スタットオーダーまたはオンデマンドオーダーと呼ばれることがある)に応答して、APASセル100のインサイチューローディングを使用してもよい。APASセル100は、オーダーを満たすために、何の入力をロードする必要があるかを技師に知らせてもよい。スタットオーダーに対し必要とされるアイテムを知ると、技師は任意の在庫(例えば、薬物バイアル、シリンジ、および/またはIVバッグ)をロードして、適当なラック210で配合および/または分配過程を実行してもよく、ラック210をAPASセル100中のカルーセル(ここでは図示せず)上に配置する。別の態様では、技師は在庫を、APASセル100内のカルーセル上にすでに存在する1つまたは複数のラック内の未使用位置にロードしてもよい。技師はオーダー情報または命令を入力し、APASセル100を構成させ、スタットオーダーを満たすようにしてもよい。
いくつかの例では、APASセル100はメモリまたはデータベース中に配合のための処方を保存していてもよい。そのような場合、オペレータはメモリから呼び戻すべき処方を識別してもよい。別の例では、薬剤技師またはオペレータはAPASセルに、例えば、ソフトウエアにより動かされるユーザインタフェースを用いて、在庫をどのように処理すべきかを教示してもよい。APASセル100は、訓練モードにより新しい処方を学んでもよく、これは、ユーザが、モニタ202上に表示されたグラフィックユーザインタフェースを介してコマンド情報を入力することを含んでもよい。オペレータは、例えば、在庫システムのグラフィック地図上の在庫アイテムの位置を示してもよい。
いくつかの態様では、在庫を補充する場合に、貯蔵ラックをスキャナ(例えば、バーコード、FRIDなど)により走査してもよい。APASにより、またはネットワークコンピュータ(例えば、病院の薬局データ入力端末)と関連するプリンタにより印刷されてもよい報告は、例えば、薬物を配分(例えば、患者、病院カートなどへ)する時に、相互参照することができるバーコード情報を含んでもよい。コンピュータシステムがアクセスすることができるメモリ中に保存されたデータは、医療アイテム、認定システムユーザおよび関連するアクセス権、記憶領域、および補充情報と関連するデータを含んでもよい。認定ユーザ情報は、ユーザ識別情報、例えば、バイオメトリックデータ、パスワード、チャレンジレスポンス認証、ならびに当業者に公知の他の機構を関連させてもよい。いくつかの実装では、少なくともいくつかのモードで、貯蔵チャンバへのアクセスには、認定ユーザが、ドアにアクセスできることが必要であり、このドアはアクセスのための認定要請に応答して解錠されてもよい。
保存データは、機械で読むことのできるしるし(例えば、1または2次元バーコード、RFIDタグコードなど)、OCR(optical character recognition)を用いて読んでもよいテキスト、および/または音声認識情報を含んでもよい。医療アイテムについての保存データは、商標および/または一般名情報を含んでもよい。IVバッグ、バイアル、および/またはシリンジを含む医療容器には、貯蔵カルーセルまたは貯蔵ラック、例えば、医療アイテムの個々の、もしくはキットしての出力と共に、そのようなデータのラベルを付けてもよい。
図3は図1のAPASセルの例示的な上切断図である。APASセル100は2つのチャンバを含む。在庫チャンバ302は、在庫ローディング領域として使用され、ここはオペレータがアクセスして、ローディングドア(図示せず)を介してAPASセル100にロードすることができる。処理チャンバ304は混合および/または配合過程が起こる可能性のある配合領域を含む。いくつかの態様では、処理チャンバ304は実質的に無菌の環境を提供し、これは、クリーンルーム規格に従うISOクラス5環境であってもよい。2つのモニタ202がAPASセル100の外側に載置され、これは図2を参照して記述したように、入力/出力装置として機能してもよい。
在庫チャンバ302は2つの在庫ラックカルーセル310および312ならびに一時的な在庫ラック314を含む。一時的な在庫ラック314を使用して、複数回投与を提供するのに十分な材料を含むインプロセス薬物バイアルを配置してもよい。各在庫ラックカルーセル310は複数の在庫ラック210を支持してもよい。いくつかの適用では、オペレータはカルーセル310、312から1つまたは複数のラックを取り出し、それらを、在庫がロードされたラックと交換してもよい。ラックはロードマップに従いカルーセル310、312上にロードされてもよく、ロードマップは、APASセル100へ提出するためにオペレータにより作成され、またはAPASセル100により作成され、オペレータに連絡されてもよい。チャンバ302および304は隔壁(dividing wall)316により分離され、その例を図4を参照して記述する。
処理チャンバ304は多自由度ロボットアーム318を含み、ロボットアーム318はさらに、例えば、ラック上のポケットからアイテムを選び出し、または操作のためにAPASセル100内のアイテムを把握するために使用することができるグリッパを含む。例示的なグリッパについては図9〜11を参照してさらに詳細に記述する。ロボットアーム318は制御装置(図示せず)からの指令信号に応答して、処理チャンバ304内、およびカルーセル310、312内またはその周囲の在庫アイテムを選び出し、操作し、または再配置してもよい。ロボットアーム318は例えば、在庫チャンバ302内のカルーセル310、312のラックからバイアル、IVバッグ、またはシリンジを選び出し、アイテムを配合物調製において使用するために処理チャンバ304内のステーションに移動させることにより、在庫アイテムを操作してもよい。いくつかの例では、ロボットアーム318は隔壁316中のアクセスポート410を介してカルーセル310、312上の在庫アイテムを操作してもよい。隔壁316は、処理チャンバ304内での配合過程のために実質的に無菌な環境が維持されるように、実質的に密閉されてもよい。
例示的な例によれば、RUS206から到着した薬物オーダーは、シリンジに、1つまたは複数のバイアルで提供された薬物から再構成される個々の用量の薬物を入れるバッチ製造オーダーを含む。オペレータは、例えば、薬物バイアルの在庫ラックをカルーセル310にロードすることにより、および入力/出力装置202を用いてAPASセル100とインタフェースし、ローディング過程を開始、モニタ、および/または制御することにより、ローディング過程中にAPASセル100中に薬物を予めロードしてもよい。APASセル100が前のオーダーを処理している時に、オペレータは、次のバッチ製造オーダーのために、APASセル100がカルーセル310を動作させている間に、カルーセル312にシリンジ、薬物バイアル、およびIVバッグの在庫ラックをロードしてもよい。ローディング過程が完了すると直ちに、オペレータはバッチ製造過程を提出してもよく、これは直ちに、または別の処理が完了した後に開始される可能性がある。
バッチ製造を実施するために、この例では、ロボットアーム318はカルーセル310中のラックの1つのポケットからシリンジを取り出してもよい。カルーセル内のシリンジは、針および針キャップを有してもよい。APASセル100中での処理のために、針キャップを除去する。ロボットアーム318はシリンジをデキャッパー(decapper)/デニードラー(deneedler)ステーション320まで運搬してもよく、そこで、針キャップがシリンジ/針アセンブリから除去され、針が露出する。ロボットアーム318はシリンジを針上昇(needle-up)シリンジマニピュレータ322に移動させてもよく、そこで、ある用量の薬物が、1または複数の確認オペレーション(例えば、重量測定、バーコード走査、および/または機械視覚認識技術)後に、ロボットアーム318により前にそこに配置されたバイアルから引き出される。ロボットアーム318はシリンジをデキャッパー/デニードラーステーション320に移動させ、そこで、針がシリンジから除去され、針容器(ここでは図示せず)中に廃棄される。その後、ロボットアーム318は、シリンジをシリンジキャッパーステーション324に移動させ、そこで、針のないシリンジにキャップがされる。ロボットアーム318はシリンジをはかりステーション326に移動させ、そこで、シリンジの重さが量られ、APASセルにプログラムされた予め決定された用量が確認される。その後、ロボットアーム318はシリンジをプリンタおよびラベリングステーション328に移動させ、印刷され、シリンジに貼り付けられる、コンピュータで読むことができる識別(ID)ラベルを受理する。このラベルはバーコードまたは、その上に印刷された他のコンピュータが読みことができるコードを有してもよく、これは、例えば、患者情報、シリンジ中の薬物名、投与量、ならびに日付および/または入力のためのロットコード情報を含んでもよい。ロボットアーム318はその後、シリンジを出力スキャナステーション330に移動させ、そこで、IDラベル上の情報がスキャナにより読みとられ、そのラベルが可読であることが確認される。APASセル100は、病院インタフェースネットワークを用いて、オペレーション計画において使用するためにRUS206に報告を戻してもよい。その後、シリンジはロボットアーム318により取られ、シリンジ放出シュート332内に放り込まれ、そこで、薬剤技師が利用して、例えば、病院薬局内の在庫中に入れることができる。過程が続くと、薬物オーダー過程中に、ロボットアーム318が針上昇シリンジマニピュレータ322から空のバイアルを除去し、これを廃棄シュート333内に入れる時間が生じる可能性がある。
別の例示的な例では、シリンジを、配合過程で混合させる流体(例えば、希釈剤または公知の薬物化合物)を含む入力、および患者に送達するために適した調製した用量を含む出力の両方として、使用してもよい。そのようなシリンジは、例えば、モニタ202の入力/出力機能を介してAPASセル100にプログラムされた特別な再構成オーダーを実行するのに必要とされる場合がある。別の例では、オーダーは、病院インタフェースから受理される可能性のあるスタットオーダーであってもよい。この例では、オペレータは、カルーセル310上にすでに配置させたラック上のポケットに再構成および投薬の両方のために使用されるシリンジを配置することにより、インサイチューローディング226を実行する。オペレータは再構成オーダーをAPASセル100中に入力する。ロボットアーム318はカルーセル310中のラック内のポケットから選択したシリンジを選び出し、それをデキャッパー/デニードラーステーション320に移動させ、そこで、針キャップがシリンジ/針の組み合わせから除去され、これにより針が露出する。その後、シリンジをロボットアーム318により針下降シリンジマニピュレータ334まで移動させる。ステーション334で、ロボットアーム318によりそこに前もって配置された希釈剤供給IVバッグ336から、シリンジ中に希釈剤を引き出す。希釈剤供給336はIVバッグ中に含ませてもよく、このバッグは図6〜7で示されるように、クリップにより針下降シリンジマニピュレータ334上につり下げされる。必要であれば、空気抽出過程を実施してIVバッグを準備してもよく、この詳細は図15A〜15Cを参照して説明する。その後、シリンジは、針下降の向きで、希釈剤ポート338(この別の例は図7に示す)の膜に穿刺する。シリンジを、例えば、IVバッグから予め決められた量の希釈剤を取り出すように作動させる。その後、針下降シリンジマニピュレータ334は、シリンジ下で、ロボットアーム318により予めそこに配置された、再構成バイアル340を移行させる。シリンジ中の希釈剤を、バイアル内容物との再構成のためにバイアルに移動させる。その後、ロボットアーム318はバイアルを、混合プロファイルに従い振盪させるためのミキサに移動させる。その後、ロボットアーム318はバイアルを針上昇シリンジマニピュレータ322まで移動させ、そこで、適当な量の再構成薬物をバイアルから、ロボットアーム318により前にそこに運搬された「出力」シリンジ中に引き出す。
別の態様では、APASセル100は、入力在庫アイテムとして、または出力としてIVバッグを含む可能性のある配合物を調製する製造オーダーを受理する可能性がある。いくつかの例では、IVバッグが、別の医療容器中に出力される薬物オーダーにおける再構成のための希釈剤源として選択されてもよい。別の例では、選択されたIVバッグを、薬物オーダーの調製が完了した後、出力のために使用してもよい。いくつかのIVバッグをカルーセル310、312上に配置してもよく、薬物を再構成するのに使用してもよい希釈剤を少なくとも部分的に充填させてもよい入力として使用してもよい。再構成薬物は充填シリンジまたはIVバッグの形態で出力されてもよい。オペレータはシリンジおよびIVバッグのラックを製造オーダーにおいて使用するためにカルーセル310中にロードする。製造オーダー中、ロボットアーム318はカルーセル310上のラックからIVバッグを選び出し、それを、はかりおよびバッグIDステーション326に移動させる。このステーションで、IVバッグはバーコードまたはパターン照合により識別され、その重量が記録される。これは、例えば、エラーチェックとして、および/または積極的に、再構成のために使用される希釈剤の型および/または体積を識別するために、実施されてもよい。IVバッグを希釈剤源として選択する場合、バッグは、使用前に重さを量り、IVバッグ内の希釈剤の存在を確認してもよい。出力のためにIVバッグを選択する場合、複数回、例えば、各流体移行工程前、中、および/または後などに重さを量ってもよい。移行後確認工程として、流体移行オペレーションを実施した後に重さを再チェックし、重さの変化が予測範囲内にあるかどうかを決定してもよい。そのようなチェックにより、例えば、漏れ、流出、過剰充填、または材料入力エラーが検出される可能性がある。この例では、ロボットアーム318はIVバッグをポートクリーナーステーション340に移動させ、そこで、パルス紫外(UV)光または他の消毒過程を使用して、IVバッグポートの少なくとも一部を実質的に滅菌、殺菌、および/または消毒してもよい。ロボットアーム318はIVバッグを針上昇シリンジマニピュレータ322まで移動させ、そこで、予め充填したシリンジをロードさせる。図17A〜17Cを参照して記述する例のように、IVバッグは注入ポートが、注入過程のために下方に配向するように反転されてもよい。シリンジの内容物はその後、IVバッグ中に注入されてもよい。その後、ロボットアーム318はIVバッグをはかりステーション326まで移動させ、そこで、IVバッグの重さを量り、APASセル中にプログラムさせた、予め決定された用量を確認する。その後、ロボットアーム318はIVバッグをバッグラベラートレイステーション342に移動させ、そこで、プリンタおよびラベリングステーション328により印刷されたラベルをIVバッグに貼り付ける。ロボットアーム318はIVバッグを出力スキャナステーション330に移動させてもよく、そこで、IDラベル上の情報がスキャナにより読みとられ、ラベルが可読であることが確認される。1つまたは複数の別の確認チェックを実施してもよく、そのような例は本明細書中の他の場所で記述する。IVバッグはその後、ロボットアーム318に捕まれ、IVバッグ放出シュート344内に放り込まれ、そこで、薬剤技師が、例えば、病院薬局内の在庫中に入れることができる。
別の態様では、バイアル(例えば他の医療アイテムまたは容器)を再構成のために調製してもよい。APASセル100によりこの過程を実施する間、バイアルはバイアルIDステーションで識別されてもよく、そこでは、例えば、バイアル上のバーコードラベルがスキャナおよび/または画像処理ソフトウエアと組み合わせた画像ハードウエアにより、読み取られてもよい。獲得された情報を処理して、バイアルの内容物を識別し、予測されるものと相関させてもよい。いくつかの実装では、バーコード走査の代わりとして、またはそれと組み合わせて、APASセル100は光学走査技術を使用するバイアル上でのパターン照合を使用してもよい。また、再構成過程では、バイアルミキサ346を使用して、バイアル内容物を希釈剤と混合し、その後、それを投与のために使用してもよい。
いくつかの態様では、ロボットマニピュレータは、配合チャンバおよび/または貯蔵チャンバを含む、APAS内に、機械で読み取ることができるしるしを読むための装置を含んでもよい。例えば、マニピュレータは、保存された画像情報(例えば、ビットマップ)と比較するために、処理することができる画像を撮るための光ファイバカメラを含んでもよい。別の例では、読み取り装置は、光学走査(例えば、バーコード)またはRFID(radio frequency identification)を含んでもよい。いくつかの態様は、画像情報を無線で(例えば、赤外またはRF(radio frequency)伝送を用いて)、APASに結合されたレシーバに伝送してもよい。そのようなレシーバは、ロボットマニピュレータを有するチャンバの内側または外側に配置されてもよい。そのような読み取り機を使用して、窓から、および配合チャンバに曝露された貯蔵カルーセルの部分上を含む、配合チャンバ内およびその周囲の様々な位置で、機械で読み取ることができるしるしを読んでもよい。
図4は、一例がAPASセル100である、例示的なAPASの斜視切断図400であり、APASセルにおいてシリンジおよびIVバッグを取り扱うための装置の詳細を示したものである。取り扱い装置は、処理チャンバ304内でロボットアーム318により把握される、様々なサイズおよび型のシリンジ、バイアル、またはIVバッグを含む、在庫を送達する。オペレータまたは技師は、ロボットアーム318に送達されるまで、在庫を保存する在庫ラックにロード/アンロードしてもよい。この例では、カルーセル310、312は、APASセル100において実行される過程において使用するための、例えば、シリンジ、バイアル、および/またはIVバッグを保存してもよい。処理チャンバ304を大部分除去して、ロボットアーム318および、どのようにしてロボットアームが在庫チャンバ302にアクセスすることができるのかを示した、APASセル100の部分図400を示す。
この態様では、ローディングドア404を備えた在庫チャンバ302が示されており、このドアは、カルーセル310、312のいずれかにラックをロードする、またはそれからラックを取り出すために開かれてもよい。オペレータはAPASセル100をローディングモードにし、カルーセルを、ロボットアクセス位置から離してインデックスをつけることにより制御し、ロボットアクセス位置では、湾曲した壁408により、カルーセルラックの位置が、ロボットアクセスポート410に提示され、これは隔壁316内の一部に存在する。カルーセル310、312は回転して、カルーセル上のラックステーションをローディングドア404と整合させ、ラック-ローディングアクセス412を可能とする。カルーセルは、オペレータにより命令され、ラック位置の任意の1つをローディングアクセスポート412と整合させて配置することができる。アクセスポート412と整合されたラックは除去され、満載の在庫を含むラックと置換することができ、またはラックは、在庫をインサイチューで交換させてもよく、在庫を1度に単一のポケットという小さなものにロードする。ラックは、全てのラックを一度に交換することを含む、個々のラックの任意の組み合わせで、リロードすることができる。ラックローディングの結果、オペレータはタッチスクリーンを介して、APASセルローディング過程が完了したことを示してもよい。これにより、サイクルが開始され、ここで、カルーセルは360度の回転により回転し、カルーセルに隣接するバーコード読み取り機はラックの各々上のバーコード(例えば、図14のバーコード1408)を読み取ることができる。これによりシステムは在庫データを更新し、ラックおよび在庫をカルーセル位置情報と相関させることができる。
この例では、隔壁316は湾曲した壁408を含むが、在庫チャンバ302を処理チャンバ304から分離し、これにより、例えば、カルーセル310は、オペレータがカルーセル312にロードしている間でさえも、処理チャンバ304内の実質的に無菌環境内で配合過程を実行することができる。インサイチュー過程では、例えば、図2を参照して記述したように、スタットオーダーによるカルーセル312のローディングは、APASセル100がカルーセル310の外で動作している間、実施してもよい。隔壁316は、在庫チャンバ302と処理チャンバ304との間の気流を実質的に最小に抑えるように設計されてもよい。同様に、気流制限を、在庫チャンバ302内のローディングドア404で設定してもよく、例えば、ラックがラックローディング位置にある(例えば、アクセスポート412と整合されている)、およびドア404が開いている時に、大気との空気交換が制限される。
1つの態様では、ローディングドア404は、オペレータの安全のためにカルーセル312の各々の前進中に、ローディングドア404に閉じるように要求するインターロックに結合されてもよい。そのような態様はまた、カルーセル312が回転している間、在庫チャンバ302内またはその外での制御されていない空気交換を減少させるのを助ける可能性がある。
図5は、自動化システムのセル、例えば、APASセル100などにより処理される可能性のある在庫(例えば、薬物バイアル、シリンジ、および/またはIVバッグ)を選び出すためにロボットがアクセスすることができる在庫領域を拡大した例示的な在庫システム500を示す。この在庫システム500は、在庫を載置するための1つまたは複数のカルーセル502を含む。カルーセル502はロボット移動範囲内に配置されてもよく、そのため、ロボットはカルーセル502上のラックの高さ全体にアクセスすることができる。在庫はカルーセルの周囲に配置された図2で示した型の有限数の垂直ラック504内に配置される。この例では、カルーセル502は12のラックを含むが、設計は、例えば、部分長(例えば、半分の長さ)のラックを含む、任意の数のラックに対応することができる。ラックサイズおよび構成は、在庫アイテムのサイズまたは在庫品質に対するユーザの要求に依存する。ラックは全て、カルーセルを360度、各ラックに対し個別に停止しながら回転させることにより、ロボットアーム506の到達範囲内で移動させることができる。在庫位置の位置決めは、カルーセル上でラックを繰り返し位置決めすること、および各ラック位置でカルーセルの回転を繰り返し、前もってプログラムして停止させることを含んでもよい。
例えば、図12〜13を参照して記述されるように、ラックは、補給のためにカルーセルから容易に交換されてもよい。ラックは、カルーセル上の位置に関して一般に取り替え可能であり、そのため、ラックはいずれの順でも、除去し、補給し、再設置することができる。図5は、ラックが、全て同じサイズおよび型であるものとして示されているが、在庫は、各サイズのIVバッグに対しラック上で別個に保存してもよい。同様に、ラックは各サイズのシリンジ、またはシリンジおよびサイズ品質の組み合わせに対し構成することができる。
薬物バイアルに対するラックはまた、全範囲のバイアルサイズを取り扱うように構成されてもよい。いくつかのバイアルラックは、多量バイアルサイズ専用としてもよく、いくつかは、2つまたはそれ以上のバイアル量サイズを取り扱う様に区切られてもよい。ラックの多様性およびラックの互換性により、セルには、多数の用量の1つの型の薬物のバッチ処理、またはオンデマンドで処理することができる様々な薬物範囲のための在庫がロードされ、使用モードは在庫のロード間で切り換えることができる。また、例えば、バッチ処理は、1つのカルーセルから在庫を引き出してもよく、オンデマンドオーダーは第2のカルーセルから在庫を引き出してもよい。
余分のラックは、セル内の在庫の可能な範囲を拡大することができ、セル内の在庫のインサイチュー(例えば、オンライン)補充は、複数のカルーセル(2またはそれ以上)を用いて達成することができる。セルの休止時間は、一方のカルーセルが空になり、セルは別のものから得ると、別の1つのカルーセルをリロードすることにより実質的に最小に抑えられる可能性がある。
この例では、カルーセルは実質的に円形であり、垂直軸の周りを回転する。別の態様では、カルーセルは、水平軸の周りを回転するように構成してもよく、ラックは垂直または水平に配列されてもよい。いくつかの態様では、カルーセルは、実質的に楕円、長方形、正方形、三角形または、在庫のラックをロボットアームに提供するのに適した他の多角形である断面を有してもよい。いくつかの態様では、カルーセルの中心部分は、軸の周りに回転してもよい。別の態様では、ラックは連続の、またはセグメント化されたベルト(例えば、鎖)に固定され、ラックが定位置にインデックスされると回転する2つまたはそれ以上の垂直または水平軸により支持されてもよく、または、1つもしくは複数の支持部材により支持されてもよく、それらの支持部材は、回転フープまたは軸により支持され、および/またはそれらから延在する。
制御電子装置は、独特の電子ラック識別を受理してもよく(例えば、ホールセンサ、エンコーダ、バーコード読み取り機、パターン認識など)、カルーセル上の各位置のラックを識別する。この位置情報を使用して、カルーセルの回転を調整し、在庫のローディング/アンローディングを容易にし、ならびに在庫を処理のためにロボットアームに供給してもよい。
いくつかの態様では、APASセル制御装置は、ローディング中のカルーセルの停止位置を各ラックの位置に関連づけてもよい。したがって、制御装置は自動的に、カルーセルの各在庫位置の在庫量を決定し、モニタしてもよい。いくつかの例では、制御装置は、実質的にオペレータ入力無しで、在庫の位置情報をモニタしてもよい。
例示的な態様では、APASセルは、全てのサイズのIVバッグが、在庫システムにおいて正確に明示され、または位置合わせされ、そのため、ロボットにより選び出され、移動され、セル内の他のステーションで置いておかれることができる注入ポートの保持および把握特徴を含みうる。これらの注入ポートホルダは、ポートの位置を繰り返し制御するように提供されてもよく、そのため、ロボットグリッパは、注入ポートによりバッグを把握し、IVバッグをセル内のステーション間で移動させ、正確に針上に置いておくことができ、用量が注入される。小さな改良により、これらの特徴は、各々が独特の形状を提供する可能性のある主な製造者全てからのIVバッグに適合するように順応させることができる。
Baxter 600およびAbbot 602から市販されているIVバッグの注入ポートを保持するための例示的な装置を図6A〜6Cに示す。例示的な保持装置、または保持クリップは、それぞれ、実質的に剛性のホルダ604および606を含む。これらのホルダ604、606では、注入ポートのコンプライアンスにより、注入ポートは、ホルダに挿入される間わずかに変形させることができる。
様々な態様では、ホルダの係合面と注入ポートとの間の干渉により、挿入後注入ポートをホルダ内に保持するのに十分な摩擦力が得られる可能性がある。ホルダの態様は、バッグ注入ポートを取り出すように設計されてもよく、バッグ間ならびに各IVバッグ製造者由来のバッグサイズの全範囲にわたり一致する、バッグの幾何学的特徴上に独特な位置合わせが提供される。
コンプライアントホルダ700の別の例示的な態様を図7に示す。その設計またはその変形を剛性材料で構成された注入ポート702を含むバッグ上で、またはセル内の高体積使用ステーションのために使用してもよい。そのようなステーションの例は、ステーションの近くの計量器フックまたはトレイを含んでもよい。ロボットは、処理中に1度または複数回、計量されるバッグをはかり上に置いてもよい。
図2の在庫ラック224に取り付けられるIVバッグホルダの例を図8に示すが、図8は正面図800および側面図802を含む。正面図800および側面図802は、IVバッグ804、例えばBaxterバッグ600がどのように、在庫ラック224内のポケット806に滑り込むのか、および注入ポート810を注入ポートホルダ812に挿入することによりどのように注入ポート810が在庫ラック808に固定されるのかを示す。
ロボットは、図9の斜視図900および側面図902において示されるように、注入ポート810によりホルダ位置からIVバッグを取り出すようにプログラムされてもよい。
この例では、ロボットグリッパ904はバッグホルダ812上下両方で、2顎グリッパフィンガー906により注入ポート810を把握して、確実に把持し、グリッパ軸に対するポートの整合を提供する。ロボットグリッパフィンガーは横方向908に移動し、注入ポート810を把握する。バッグの除去は、グリッパをホルダから直線的に移動させて離し(ホルダ本体が存在する面に実質的に平行)、注入ポートをホルダ812から離すことにより達成される。注入ポートをホルダ812から離すと、ロボットマニピュレータはその後、適当な動作でスロットからバッグを引き出してもよい。
ロボットマニピュレータはグリッパフィンガーを使用してIVバッグの注入ポートを把握してもよい。図10は例示的なグリッパフィンガーの組1000である。グリッパフィンガー1000は、IVバッグの取り扱いを含むが、他のアイテム、例えば様々なサイズおよび型のバイアルおよびシリンジの取り扱いも含む、複数のオペレーションを実施することができる。
グリッパフィンガー1000は、フィンガーの顎の先端が、IVバッグおよび/またはシリンジ上の注入ポートを保持または把握するための、実質的に半円の切り欠き1002を有する多目的設計を提供する。半円の顎設計は、実質的に、IVバッグ注入ポートの一般形状に従う可能性がある。様々な態様では、グリッパーフィンガーは様々なIVバッグ注入ポートを把握し、取り扱うようなサイズおよび形状としてもよく、ポートを許容されないレベルまで損傷または変形させることなく、かなり重い流体充填IVバッグの重量を支持するように設計してもよい。
図9に戻って参照するとわかるように、グリッパフィンガーは、上部および下部の組の対向する顎を含んでもよい。上部および下部の組の間の空間は、それぞれ、ホルダ812の上下の注入ポートを把握するのに十分であってもよい。
いくつかの態様では、1つまたは複数の支持部材(図示せず)が、切り欠き1002の内径の上面および/または底面の上方および/または下方に延在してもよい。そのような支持部材は、注入ポートに係合するための追加の表面領域を提供してもよく、これにより、グリッパフィンガーが注入ポートをホルダ812に挿入またはホルダ812から除去している時に、注入ポートのより大きな領域全体に、注入ポートに適用された力が分配される可能性がある。そのような支持部材はまた、必要であれば、より重いIVバッグを支持するために、追加の摩擦を提供してもよい。
様々な製造者からの注入ポートに対応するために、交換可能なグリッパフィンガーを提供してもよい。グリッパフィンガー交換ステーションを、例えば、APASセル100の処理チャンバ304で提供してもよい。取り扱うIVバッグの型に基づき、1つのグリッパフィンガー1000を異なる型のグリッパフィンガーと交換するために、ロボットアームは、例えば、異なる型のIVバッグを取り扱うための異なるサイズの切り欠き1002を有する第2の組の代わりに、1つの組のグリッパフィンガー1000を解除してもよい。グリッパフィンガーとロボットアームとの間の解除式結合は、電磁石、1つまたは複数のねじまたはボルト、および/またはフィンガーにより動作されるぜんまい仕掛けを含んでもよい。
または、ロボットマニピュレータへの一般的なインタフェースは、ロボットアームに対し均一の結合インタフェースを有するが、様々な型のIVバッグ注入ポートに適応するように適合された、またはそのような注入ポートのために特別なサイズとされた保持クリップを使用して提供されてもよい。そのようなクリップはAPASセルの外側の注入ポートに取り付けられてもよく、IVバッグがAPASセル100により処理された後、再利用のためにリサイクルされてもよい。
第2の顎領域1004は、図11に示されるように広範囲のサイズの剛性シリンジおよびバイアルを把握するために使用してもよい顎の汎用V字部分を提供する。二段フィンガー設計1100は、協調(例えば、鏡像)運動で対向する顎を動作させ、アイテム、例えば、IVバッグ1102、バイアル1104またはシリンジ1106を把握してもよく、そのため、アイテムはグリッパ軸と実質的に自己整合する可能性がある。
いくつかの態様では、力フィードバックを位置感知(例えば、電位差計、エンコーダーなどを使用)と共に使用して、ロボットアーム移動と共にグリッパフィンガーの把握を協調させ、および制御してもよく、これにより、ロボットは協調様式でアイテムを把握、保持および放出してもよい。力フィードバックおよびグリッパフィンガー位置感知をモニタして、把握すべきアイテムが予測される場所にあるかどうか、および適当な寸法を有しているかどうかを決定してもよい。例えば、力フィードバックにより、シリンジ円筒部の外径が予測よりも10%大きいことが示された場合、APASセル100はオペレータに誤りを知らせてもよい。別の例として、シリンジがカルーセルのラック上のポケットに対し小さすぎ、そのため予期せぬ角度に傾く場合、力フィードバックおよびグリッパフィンガー位置感知はそのような状態を検出することができ、APASセル100に、オペレータに知らせるようにさせてもよい。
切り欠き1002および/またはV字部分1004の係合表面は、滑らかな、またはきめのあるようにしてもよい。グリッパフィンガーは、金属、プラスチック、またはそれらの組み合わせで構成してもよい。いくつかの態様は例えば、係合表面の少なくとも一部に、滑らかでないきめのある表面を含んでもよく、これは、ゴムまたは他のグリッピング材料を含んでもよい。例えば、顎領域1004は粗面を有してもよく、グリッパフィンガー1000は、例えば、プラスチックシリンジ円筒部をよりしっかりと把握することができる。
この例では、グリッパフィンガー1000はさらに、V字部分1004の先端に配置されたノッチを含む。これらは様々な目的、例えば針の支持および/または矯正のために使用してもよい。
図11は様々な在庫アイテムの例示的な取り扱いのためのグリッパフィンガー1100のフレキシビリティを示す図である。1組のグリッパフィンガー1100はIVバッグ1102、バイアル1104、およびシリンジ1106を取り扱うことができる。そのようなものとして、グリッパフィンガー1100を使用して、例えば、APASセル100内で様々なオペレーションを実施してもよい。例えば、グリッパフィンガーは様々なサイズ、形状(例えば、必ずしも円形である必要はない)、重量、材料(例えば、プラスチック、ガラス、金属)を有するバイアルおよびシリンジに対応することができる。グリッパフィンガー1100はまた、例えば、アイテムの空間配向に関係なく、バイアルおよびシリンジを取り扱うことができる。
図12A〜12Dは、APASセル100のカルーセル内でのラックのロックローディングのための例示的なカルーセルおよびラックシステムを示す。一例が図3のカルーセル310である、在庫ラックカルーセルは、その上部および底部に、在庫ラックに係合し、カルーセル上のラックの迅速な交換を可能にする特徴を有する。
図12Aは、ラックを係合するためのカルーセル1200上のカルーセル上部プレート1206に対する形状を示したものである。カルーセル上部プレート1206は、ラック整合凸縁1202およびラック保持スロット1204を含む。図12Bはカルーセル1200と一緒になり、係合するラック1212の上端のための形状を示す。ラック1212の上端は、保持凸縁1218などの特徴を提供するラックハウジング1216上のラック上端プレート1214、およびラック整合凸縁1202をラック保持スロット1204に係合させ、カルーセル1200内でのラックの横位置合わせおよび保持の両方を提供するのを助ける横位置合わせ溝1220を有する。この係合は、ラック上部端プレート1214上の横位置合わせ溝1220を、カルーセル上部プレート1206上のラック整合凸縁1202に係合させることにより達成される。ラック1212の上端は、ラック1212上の保持凸縁1218をカルーセル1200上のラック整合凸縁1202中のラック保持スロット1204に係合させることにより、カルーセル内に保持される。
この例では、ラック1212の下端は、ラック1212の上端と同様の凸縁および溝整合特徴を使用する。図12Dはラックが係合するカルーセル1200上のカルーセル下部プレート1238に対する形状を示す。カルーセル下部プレート1238はラック整合凸縁1234およびラック保持ローラ1236を含む。図12Cはカルーセル1200と係合するためのラック1212の下端に対する形状を示す。ラック1212の下端は、保持面1228およびラック整合凸縁1234に係合させるのを助ける横位置合わせ溝1230などの特徴を提供する、ラックハウジング1226上のラック下端プレート1224を有する。カルーセル下部プレート1238上のラック保持ローラ1236を使用して、ラック1212の下端をカルーセル1200中に誘導するのを助ける。ラック1212の下端は、ラック下端1224上の横位置合わせ溝1230をカルーセル下部プレート1238上のラック整合凸縁1234に係合させることにより、カルーセル1200内に係合される。これによりラックには横方向の整合および位置合わせが提供される。
図13A〜13Cは、ラック1212をカルーセル1200にロードする組立順序を示す。図13Aはラック1212が、カルーセル上部プレート1206の上部で最初に係合される組立順序の第1工程1300を示す。次にラック1212は、カルーセル下部プレート1238上のラック保持ローラー1236上を移動することによりカルーセル1200内に滑り込むことができる。図13Bは、ラック1212が完全にカルーセル1200内に挿入される、組立順序の第2工程1302を示す。ラック1212はカルーセル下部プレート1238上のラック保持ローラ1236上を移動し、図12に示される、横位置合わせ溝1230内のラック整合凸縁1234に係合する。ラックが完全に挿入されたので、図13Cは、ラック1212が押し込まれ、カルーセル下部プレート1238上のラック保持ローラ1236の後ろで係合し、カルーセル上部プレート1206上のラック整合凸縁1202が上部で係合される、組立順序の最終工程1304を示す。ラック1212は、カルーセル1200中に入れることができ、そのため、図12に示されるように、ラック下端プレート1224上の保持面1228は、カルーセル下部プレート1238上のラック保持ローラ1236の後ろに落ち、カルーセル内で拘束保持が形成される。
カルーセルからのラックの除去は実質的には挿入の逆動作である。ラック1212を最初にカルーセル上部プレート1206に向かって持ち上げ、その後、ラック1212の下端を外に向かって回転させる。これにより保持凸縁1218がカルーセル上部プレート1206中の整合凸縁1202から外れ、その後、ラックはカルーセルから自由になる。
いくつかの態様では、カルーセル上部プレート1206およびカルーセル下部プレート1238はラックチャネル中で1度または複数回複製されてもよく、単一の全長ラックの代わりに複数の部分長ラックが提供される。部分長ラックは、カルーセル上の1つまたは複数の位置で提供されてもよい。単一部分長ラックは、他のラックと関係なく交換してもよく、このように、ラック上に保存された在庫のほんの一部を交換するためにラック全体を交換しなくてすむ。部分長ラックは、例えば、オペレータが持ち上げて、カルーセルにロードするのに物理的に重い在庫を含むラックに対して好都合である可能性がある。部分長ラックはまた、例えば、それほど頻繁に使用されないある在庫に対して好都合である可能性がある。いくつかの設定では、部分長および全長ラックの混合が、在庫管理を最適化するのに好都合である可能性がある。
別の態様では、ラック1212は、2つまたはそれ以上の挿入可能なミニラックを支持するように配列されたシェルとして改良してもよい。ミニラックは、図12A〜12Dおよび13A〜13Cを参照して上記で記述したのと実質的に同様の様式で、シェルに挿入し、シェルから除去してもよい。シェルラックは容易に交換可能であり、必要に応じて、全長ラックの使用が可能となり、フレキシブルな在庫管理が提供される。
図14は、配合過程でAPASセル100により使用される、図2に示されるような在庫(例えば、薬物容器)212を保持するのに使用してもよい、在庫ラック設計1400の例示的な組を示す。ラック設計の組1400は3つの型を含むが、それらに限定されない:IVバッグをロードするように設計されたラック1402、バイアルをロードするように設計されたラック1404、またはシリンジをロードするように設計されたラック1406。この例では、1つの型の薬物容器のみが各ラックで支持される。しかしながら、別の例では、単一ラックは様々なサイズおよび型のシリンジ、バイアル、および/またはIVバッグを含んでもよい。
各在庫ラックの型は、複数の設計を含んでもよく、ラックにロードされる薬物容器の型の各々の異なるサイズに対応する。在庫ラック設計は、特定の薬物容器の1つのサイズに対応してもよく、または特定の薬物容器の選択した数のサイズに対応してもよい。IVバッグラック設計の例としては、4つまでの1000ミリリットル(ml)のBaxter IVバッグをロードさせることができるラック、8つまでの500mlまたは250mlのBaxter IVバッグを任意の組み合わせでロードさせることができるラック、12までの100mlおよび50mlのBaxter IVバッグを任意の組み合わせでロードさせることができるラックが挙げられるが、それらに限定されない。バイアルラック設計の例としては、8つまでの100mlバイアル、18までの50mlバイアル、ならびに22までの20mlバイアルをロードさせることができるラックが挙げられるが、それらに限定されない。バイアルのための別のラック設計例は、58の5ml〜2mlバイアルを、30までの5ml〜4mlバイアルおよび28までの2mlバイアルの組み合わせでロードさせることができる。シリンジラック設計の例としては、8までの140立方センチメートル(cc)のMonojectシリンジ、12までの60cc BDまたはMonojectシリンジ、14までの30cc BDまたは35cc Monojectシリンジ、18までの20cc BDまたはMonojectシリンジ、33までの12cc〜1cc BDまたはMonojectシリンジ、またはこれらの組み合わせのいずれかをロードさせることができるラックが挙げられるが、それらに限定されない。Monojectシリンジはマサチューセッツ州のTyco medicalから市販されている。BDシリンジはニュージャージー州のBecton Dicksonから市販されている。
各在庫ラックは、識別目的で付着された電子的に読み取り可能なラベル1408を有する。例として、電子的に読み取り可能なラベル1408は、例えば、在庫チャンバ302内のカルーセル310、312に隣接して配置されたバーコードスキャナを用いて走査することができるバーコードを含んでもよい。バーコードは、情報収納場所中に保存された情報、例えばAPASセルにより使用することができるラックの内容についての情報を含んでもよく、またはそれらに関連していてもよく、在庫データは更新され、ラックおよび在庫はカルーセル位置と相関する。
別の態様では、薬物容器は、電子的に読み取り可能なラベル、例えば、バーコードラベルを付着させてもよく、これらは、容器中の薬物の量および型についての情報を含む。薬物容器はシリンジ、IVバッグ、またはバイアルであってもよく、APASセルによる再構成過程のために必要とされる薬物または希釈剤を含む。各在庫ラックはまた、ラック内の各ポケットに、例えばバーコードラベルを有してもよく、ならびに、上記したように、ラック自体上にラベルを有してもよい。オペレータは、携帯バーコードスキャナを使用して、各薬物容器をラックポケットに入れる前にそれを走査してもよく、その後、ポケットラベルを走査してもよい。ラックのローディングに併せて、オペレータはラック上のバーコードを走査してもよい。この走査から得られるデータを再構成過程で使用するために、APASセル100に移動させてもよい。データはカルーセル上のラック内の薬物または希釈剤の正確な位置を示してもよい。
図15A〜15CはIVバックから空気および希釈剤を抽出するための装置および方法を示す。IVバッグからガスを抽出する方法により、IVバッグを自動化流体移行オペレーション、および特別な態様の針下降配向のシリンジを用いるオペレーションのために使用することができる。
この例では、IVバッグは注入ポート1502が針下降シリンジマニピュレータ1504により穿刺されるように位置決めされ、その例は、図3を参照して記述したマニピュレータ334である。図15A〜15Cの各々では、2つのIVバッグが、IVバッグ注入ポートを保持する対応する保持クリップにより保持されたものとして記述されている。保持クリップは、図6〜8を参照して記述したものと同様であってもよい。
病院在庫に入れられるIVバッグには希釈剤、例えば、0.9%生理食塩水、滅菌水またはブドウ糖混合物を充填してもよい。APASセル内で処理されるIVバッグがいくらかのガスを含み、これがIVバッグ中のヘッドスペースとして現れることがある程度まで、IVバッグに注入された薬物を受け入れる能力がある。例えば、薬物充填シリンジを用いる薬剤技師は、IVバッグポート上の膜にシリンジ針を用いて穿刺させることにより、その内容量をIVバッグ中に注入してもよい。その後、IVバッグは必要とされる用量を含む。しかしながら、APASセルはまた、IVバッグを、薬物再構成過程において希釈剤源として使用してもよく、この場合、薬物はバイアル中に含まれる(例えば、液体または乾燥形態で、例えば粉末として)。例えば、APASセル100は、IVバッグから所定量の希釈剤を抽出し、それをバイアルに注入することにより、バイアル中で薬物を再構成させてもよい。
図15Aは、針下降シリンジマニピュレータステーション1504で起こる可能性のある再構成過程の例示的な段階を示す。針下降シリンジマニピュレータステーションは、保持クリップ1506、クリップ1506により位置合わせされる注入ポート1502を有するIVバッグ1508、注入ポート1502を穿刺するために針1514が下降位置にあるように配向された流体移行シリンジ1510を含む。保持クリップ1506は、針1514に対し横方向および/または垂直に注入ポート1502を配置することができるインデクサー1512に載置される。
ステーション1504では、注入ポート1502は、針1514に対する穿刺動作が可能となるように、保持クリップ1506により位置合わせされる。いくつかの態様では、迅速穿刺動作を使用して、針によりIVバッグ1508中に混入される可能性のある空気量を減少させてもよい。IVバッグ1508の重量は、保持クリップ1506により支持されてもよいが、IVバッグの重量の一部または実質的に大部分を、IVバッグを載せることができる水平シェルフにより支持させてもよい。
注入ポート1502が上になるようにIVバッグを配向させると、空気(または他のガス)は注入ポート1502に向かって上昇する可能性がある。流体移行オペレーション中に、IVバッグ1508からシリンジ1510中にガスを実質的に引き入れないようにするために、IVバッグから実質的に全ての空気を抽出するための過程を実行してもよい。全ての空気がIVバッグ1508から引き出され、シリンジ1510が流体を引き出すと、過程を中止してもよい。針下降シリンジマニピュレータステーション1504のシリンジ1510は、シリンジプランジャマニピュレータ(図示せず)をモニタすることにより確実に空気を抽出することができる。
シリンジプランジャの相対的な動作および/またはプランジャを動かすために必要とされる力に基づき、制御装置を、いつ、実質的に全てのガスがIVバッグ1508から引き出されたかを決定するように構成してもよい。制御装置はセンサから入力を受理してもよく、これは、例えば、空気の移行を流体の移行と比較した時に得られる異なる力または速度をを示すと解釈される可能性がある。例えば、一定速度でプランジャが引き出される場合、シリンジプランジャ(図示せず)への引張力は、実質的に全ての空気が抽出され、流体がIVバッグ1508からシリンジ1510内へ引き出され始めると、計れる程度に増加する可能性がある。別の例として、プランジャが一定の引張力または実質的に一定の励起(例えば、DCモータ用の端子電圧)で引き出される場合、シリンジプランジャの速度は、最後の空気が抽出され、流体がIVバッグ1508からシリンジ1510中に引き出され始めた時に、計れる程度に減少する可能性がある。シリンジプランジャへの力は、例えば、ひずみセンサ、モータ軸に結合されたトルクセンサ、および/またはモータ電流によりモニタしてもよい。例えば、モータへの電流が突然増加することで、空気抽出から流体抽出への移行が示される可能性がある。様々な速度感知技術、例えば、エンコーダ、レゾルバ、マルチターン電位差計、線形電位差計、ホールセンサ、コメンテイタノイズ、端部停止限界検出、リミットスイッチなど、またはそのような要素の組み合わせを用いて速度を測定または決定してもよい。速度変化は、時間間隔に対し得られた位置測定から決定してもよい。
別の態様では、空気がシリンジからIVバッグ1508に移行した時の力の変化を検出してもよい。例えば、選択した体積の空気および/または流体をIVバッグ1508からシリンジ中に移行させてもよい。IVバッグ1508から移行させた体積はその後、IVバッグ1508に移行して戻してもよい。シリンジプランジャへの力の変化を検出して、記録することができる。検出した力の変化は、空気/流体の移行間の変化に対応する可能性がある。シリンジプランジャをその後、空気および流体の変化点まで引っ張り戻してもよく、準備のできたIVバッグが得られる。
別の態様では、流体の引き出しは、光学的に、例えば、注入ポート1502および/またはシリンジ1510を通過する光をモニタする光学センサにより検出してもよい。シリンジを通過する光強度は、シリンジ中に抽出される材料がガスから液体に変化すると、変化する可能性がある。光学検出を単独で、またはシリンジプランジャ力および/または速度モニタリングと組み合わせて使用してもよい。
いくつかの態様では、既知の体積の空気をIVバッグからシリンジ中に移行させてもよい。この空気の体積は、空気の予測される体積よりも大きな量であってもよい。その後、シリンジの重さを量り、円筒部にいくらかの流体が存在することを確認してもよく、IVバッグの準備ができたことが示される。その後、シリンジを廃棄してもよい。
1つの実装によれば、再構成過程は、例えば、APASセル100において、ステーション1504のクリップ1506にIVバッグ1508を設置するロボットアーム318により、実施してもよい。IVバッグ1508は針下降シリンジマニピュレータステーション1504のインデクサー1512上の注入ポート1502にぶらさがってもよい。インデクサ1512はIVバッグ1508をシリンジ針1514の下の位置まで移動させてもよい。IVバッグポート1502はその後、シリンジ針1514に係合してもよい。シリンジプランジャは、空気がIVバッグから、シリンジ1510内に引き込まれるように、引き出されてもよい。シリンジプランジャは、例えば、トルクの変化が検出されるまで、いくつかの態様では、いくらかの追加の時間、引き出されてもよく、引き出すのに余裕が与えられ、大気圧に対し負に加圧されたIVバッグ内へ少量の流体が引き込まれる。インデクサ1512はその後、IVバッグ1508を降下させる。
図15Bは、針下降シリンジマニピュレータステーション1504で起きる可能性のある再構成過程の別の例示的な段階を示す。インデクサ1512は空気を除去したIVバッグ1508を、廃棄バイアル1516をシリンジ針1514の下に配置させる位置まで移動させる。廃棄バイアル1516はその後、インデクサ1512により、シリンジ針先端がバイアルネックのちょうど内側にある位置まで上昇させられる。その後、シリンジプランジャーが駆動され、空気および任意の流体がシリンジ1510から廃棄バイアル1516中に押し出される。
図15Cでは、インデクサ1512は下降し、IVバッグ1508がシリンジ針1514下にくるように再配置され、すぐに希釈剤を引き出すことができる。針が下降し、希釈剤が引き出される間、いくらかの少量の空気が液体または流体と共にシリンジ中に引き込まれることがある(例えば、微泡)。
針下降シリンジマニピュレータステーション1504は、例えば、APASセル100内のプログラムされた制御装置により動作させてもよく、図16A〜16Bのフローチャートに従い、IVバッグからガスを抽出するための例示的な方法1600が実施される。この方法1600は、例えば、IVバッグから希釈剤を引き出し、薬物を再構成するための調製に適用してもよい。
この例の方法1600を実行する場合、インデクサ1512は工程1602でIVバッグ1508を、シリンジ針1514下の位置に移動させ、IVバッグ注入ポート1502は希釈剤引き出しのための調製において、シリンジ針1514上で係合される。工程1604では、APASセル100制御装置は、IVバッグが新しいと考えられるかどうかについて決定する。
制御装置が、IVバッグが新しいと決定すると、その後、工程1606で、制御装置はシリンジプランジャを作動させ、図15A〜15Cを参照して記述したように、IVバッグ1508から空気を引き出す。シリンジプランジャマニピュレータ1504は、工程1608で例えば、トルクをモニタしながらシリンジプランジャを引いてもよく、いくつかの態様では、工程変化は、空気全てがシリンジ中に引き込まれ、今や流体が引き込まれていることを示す。工程1610で、シリンジプランジャをモニタしてもよく、全ての空気がIVバッグから引き出される前には、シリンジプランジャがその移動端に到達していないことが確認される。プランジャがその移動端に到達していない場合、工程1608が繰り返される。
工程1610で、プランジャがその移動端に到達した場合、廃棄バイアルが工程1620でシリンジ近くまで移動され、空気が工程1622でシリンジから排出される。この例では、制御装置は次に工程1624で、IVバッグが、工程1620〜1622を含む、ガス抽出過程を、限界を超えて繰り返すかどうかを決定する。限界は、IVバッグについての情報、例えば、体積、使用歴(例えば、APASセル100において)、または重力測定などに基づいてもよい。限界を超える場合、その後、制御装置はメッセージを作成し、オペレータに工程1626で通知し、過程は中止される可能性がある。
工程1608で検出されたトルク変化が、シリンジプランジャ移動端に到達する前に生じた場合、これは、実質的に全ての空気がIVバッグから除去されたことを示す。工程1612では、その後、インデクサ1512は廃棄バイアル1516をシリンジ針1514下の位置に工程1612で移動させ、それを、シリンジ針1514の先端がバイアル1516の首の内側に入る位置まで上昇させる。シリンジプランジャマニピュレータ1504はシリンジプランジャを、停止するまで動作させ、工程1614で、全ての空気および全ての液体をシリンジから、廃棄バイアル1516中に排出させる。インデクサ1512は次に、工程1616で、全ての空気が除去されたIVバッグ1508を、シリンジ針1514下の位置まで移動させ、IVバッグポート1508をシリンジ針1514上で係合させる。
工程1604では、制御装置が、IVバッグが新しくないと決定すると、または、工程1616の完了後、工程1650で、制御装置は、シリンジプランジャを作動させ、IVバッグから所定量の希釈剤を引き出し始めるようにしてもよい。希釈剤が引き出されている間、制御装置は、いくつかの態様では、工程1655でモーター上の正確なトルクをモニタしてもよい。トルクが正確でない、または予想外である場合、問題が示されている可能性があり、APASセル100は工程1660でオペレータに通知してもよい。しかしながら、トルクが正しいと考えられる場合、制御装置は、所定の量の希釈剤が工程1665で引き出されたかどうかをチェックしてもよい。これは、制御装置がセンサ、例えばスライド電位差計などから信号を受信することを含んでもよい。引き出しが完了すると、その後、方法1600は終了する。そうでなければ、制御装置は、工程1670で、シリンジプランジャ移動端に到達したかどうかをチェックする。これは、モータ電流、速度、プランジャ位置、またはこれらのまたは同様の測定値の組み合わせに基づき検出されてもよい。プランジャ移動端に到達していなければ、工程1655が繰り返される。プランジャ端に到達していれば、制御装置は、工程1675でオペレータに状況通知を送ってもよく、方法1600が終了する。
APASセルは、シリンジのサイズおよび引き出す必要のある希釈剤量を知ることにより、必要な流体量を引き出すために、どれくらい長く、シリンジプランジャマニピュレータをシリンジプランジャ上で引くべきかを決定する。引き出し中に、シリンジプランジャマニピュレータは、シリンジプランジャを制御するのに必要とされるトルク量をモニタする。引き出しが完了する1622前のトルクの段階変化1620は問題を示している可能性があり、オペレータに報告される1624べきであり、過程は中止される。引き出しが完了する前に、シリンジプランジャ端1628に到達すると、エラーもまた示される。これもまた、オペレータに報告される1624べきであり、過程が中止される。引き出しの完了が成功すると直ちに、過程は終了する。
いくつかの態様では、制御装置は、特定のIVバッグ中に残った体積を示す情報を測定、モニタ、記録、および/または保存してもよい。この情報は、例えば、品質制御目的で、およびバッグからの希釈剤の引き出しをいつ中止するか(例えば、有効体積が実施可能なレベルを下回った時)を決定するために使用してもよい。
図17A〜17Cは、再構成過程のために希釈剤を供給するために使用されるIVバッグ1700を操作するための例示的な装置1700を示す。
図17Aでは、例示的な希釈剤バッグマニピュレータステーション1702が、例えば、APASセル100において、再構成過程で必要とされる希釈剤を含むIVバッグを操作する目的で、提供される。図3で記述したように、ロボットアーム318が、IVバッグをステーション1702まで運搬または輸送してもよい。アームはAPASセル100内の制御装置により作動させてもよく、図6〜7を参照して記述した様に、プラテン1708上で、輸送されたIVバッグの注入ポート1704がクリップ1706と位置合わせされる。IVバッグ1712の底を、グリッパ顎1716が開口位にあるグリッパ1714内に入れる。次に、図17Bでは、グリッパ顎1716を閉じ、バッグの底を把握させる。IVバッグ1712はこのように、バッグの底の閉じられたグリッパ顎により拘束され、IVバッグの上部はIVバッグクリップ1706で固定される。図17Cはプラテン1708がどのように、例えば、回転軸1710に沿って180度回転し、IVバッグを反転させて、IVバッグの注入ポート1704を下方に配向させるかを示し、これにより、IVバッグ1712中の空気が上部まで上昇する可能性がある。この態様では、シリンジが引き出す前に、IVバッグ1712から空気を抽出する予備工程無しで、希釈剤が供給されてもよい(例えば、重力送りまたは蠕動ポンプによる)。
この態様では、希釈剤バッグマニピュレータステーション1702は、針上昇シリンジマニピュレータステーション322上での流体移行のためにIVバッグを配向させてもよく、その例については、図3を参照して記述している。
いくつかの態様では、APASセル100は、IVバッグにおいて有効な近似流体体積についての情報(例えば、外観検査、重量測定、履歴情報、ユーザ入力などに由来)を保存していてもよい。APASセル中の制御装置は、IVバッグ内の有効体積が、そのレベルより低くなるとIVバッグが廃棄される、または別の目的のために使用される可能性のあるレベルまで使い果たされた時を決定してもよい。
いくつかの態様では、IVバッグの希釈剤バッグマニピュレータステーション1702からの除去は、プラテンを再び180度回転させて、図17Bに示すように、IVバッグを再配向させることを含んでもよい。その後、グリッパ顎を開かせ、IVバッグの底を開放してもよい。ロボットアーム318はその後、記述したように、IVバッグをポートで把握してもよく、引っ張ってバッグをクリップから外してもよい。ロボットアーム318はその後、例えば、空のバッグを図3に示すように廃棄シュート333に入れてもよい。
別の態様では、グリッパ1714は、顎1716とクリップ1706との間の空間距離を増加または減少させるように一方向に移動し、異なるサイズのバッグが可能となるようにしてもよい。
図18はAPASセルに提供されるオーダーを満たすように使用されてもよい例示的なバッチモードオペレーションのフローチャートである。バッチモード1800は、APASセルに1バッチの入力薬物および希釈剤ならびに出力容量用のシリンジおよびIVバッグをロードすることを含み、予め規定された薬物オーダーが生成される。例えば、オペレータは、マスター毎日準備リスト1802を作成し、これは、その日のためにAPASセルにより満たす必要のある薬物オーダー全てのリストである。これは、例えば、1つの型または様々な異なる処方の多くの処方箋を含んでもよい。リストは次に、全体または一部(例えば、リストのサイズ次第)がAPASセルに、薬物オーダーを調製するためにAPASセルにより使用される「ラン」リスト1804としてロードされる。APASセル内のソフトウエアは薬物オーダーを走査し、確実に、APASセルはそれらを満たすように訓練される。その後、APASセルは薬物オーダーを満たすのに必要とされる在庫および有効なものからのラック構成を識別する。ロードリストを準備し1806、在庫のラックへのローディングを誘導する。必要とされる在庫はオーダーを調製するのに必要な薬物および希釈剤を含み、これらは、例えば、バイアル、シリンジ、またはIVバッグ中に含まれていてもよい。オーダーを処理するために必要とされる(針が取り付けられた)シリンジおよび薬物用量のための出力容器を含んでもよく、例えば、シリンジまたはIVバッグが挙げられる。このロードリストから、オペレータは、例えば、クリーンルーム在庫からストックを取得し1806、オフラインでストックを在庫ラックに、ロードリストにより示されるようにラック上の位置にロードする1810。
次に、オペレータはラックをAPASセルに送達させる。その後、オペレータは図4で記述したように在庫ローディング過程に従い、最初に、前のランから、カルーセル上に含まれる可能性のある空の在庫1812および未使用在庫をアンロードする。その後、オペレータは廃棄容器をアンロードし1814、ランの準備のために空にする。廃棄容器は、図3で記述されるように、廃棄シュート333下にあり、APASセルで使用された空の容器(例えば、使用された、または空のシリンジ、バッグ、バイアル)が保持されてもよい。次に、図4で記述した在庫ローディング過程では、オペレータは在庫ラックをカルーセル上にロードする1816。オペレータはAPASセルをランに設定する1818ことにより、例えば、一例はモニタ202であるタッチスクリーンフラットパネルモニタ上のランボタンを選択することにより、バッチ過程を開始する。その後、APASセルは自律的に運転し1820、出力オーダーが発生するが、これは、薬物容器によって、シリンジ放出シュート332またはIVバッグ放出シュート344中に落とされてもよく、それらの例は図3を参照して記述している。各シュートの真下に配置されたレセプタクルは容器を収集してもよい。薬局人員メンバーは、在庫、例えば病棟に配置すべき出力を取り出すことができる1822。
APASセルはランが完了する1822まで運転し、薬物オーダーを調製し続ける。システムは、オペレータに情報を提供する信号を生成させてもよい。例えば、システムは、一例が図3を参照して記述してある入力/出力装置306として機能するフラットパネルモニタ上にメッセージを表示することによりオペレータに情報を提供してもよい。未解決のオーダーが全て完了した場合、または、全ての未解決のオーダーを完了するのに必要とされる入力がラック在庫で入手できない場合、配合オペレーションは終了してもよい。いくつかの実装では、APASセルは自律的に「完全自動」モードで、実質的にオペレータの介入なしで、動作し、入手可能な在庫を用いてオーダーを処理してもよい。
図19は、APASセルに提供されたオーダーを満たすために使用してもよいオンデマンドモードのオペレーションのフローチャートである。オンデマンドモード1900は、APASセルに、入力薬物および希釈剤の補足ならびに出力用量のためのシリンジおよびIVバッグをロードし、所定の日に使用される最も一般的な薬物を構成してもよい薬物オーダーを生成させることを含む。APASセルは、在庫のラック中へのローディングを誘導するロードリストを準備する1902。満たすべき薬物オーダーの全体集合は、オーダーエントリシステムから獲得することができ、または手動によりオペレータが入力してもよい。満たすべき薬物オーダーの全体集合を分析することにより、APASセルは、薬物オーダーの全体集合を満たすのに必要とされる薬物、シリンジ、バイアル、およびIVバッグの総数を決定することができる。その後、総リストをオペレータに提供することができる。オペレータは、薬物オーダーの全体集合に対するAPASセルロード要求に見合うように現在の在庫から必要とされる薬物、シリンジ、バイアルおよびIVバッグを選択することができる。必要とされる在庫は、必要とされる薬物および希釈剤の補充を含んでもよく、これらは、例えば、バイアル、シリンジ、またはIVバッグに含まれていてもよい。在庫はまた、薬物用量のための出力容器を含み、これらは、例えば、シリンジまたはIVバッグであってもよい。オペレータは、例えば、図2で記述したようなフラットパネルモニタ202を用いて、APASセルにロードリストを入力する1904。このロードリストから、オペレータは、例えば、クリーンルーム在庫からストックを入手し1906、在庫ラックに、ロードリストにより示されるようにラック上の定位置に存在するストックを、オフラインでロードする1908。
次に、オペレータはラックをAPASセルに送達させる。その後、オペレータは図4で記述したように在庫ローディング過程に従い、最初に、前の日のオペレーションから、カルーセル上に含まれる可能性のある空の在庫および未使用在庫をアンロードする1910。その後、オペレータは廃棄容器をアンロードし1912、その日のオーダーの準備で空にする。廃棄容器は、図3で記述されるように、廃棄シュート333下にあり、APASセルで使用された空の容器が保持される。次に、図4で記述した在庫ローディング過程では、オペレータは在庫ラックをカルーセル上にロードする1914。
その後、APASセルは、図2で記述した様に、例えば、病院ネットワークにより病院薬局から薬物オーダーを受理するまで待つ1916。病院薬局によりオーダーが受理されると、APASセルに入力される。APASセルは、供給品がオーダーを満たすように確実に定位置にあることをチェックする1918。そうであれば、オーダーは、APASセルのためのキューに入力され1920、ここで、APASセルはその後運転し、オーダーを完了させてもよい1922。出力オーダーは、薬物容器によって、図3を参照して記述されているように、シリンジ放出シュート332またはIVバッグ放出シュート344中に落とされてもよく、ここで、各シュートの真下に配置されたレセプタクルは容器を保持してもよい。薬局人員メンバーは、その日、例えば、病棟で使用すべき出力を取り出してもよい1924。
オーダーを受理した時に、APASセルが、オーダーを満たすのに必要な供給が定位置にないと決定した場合1918、オペレータに通知され1926、オペレータは在庫を機械にリロードする責任がある1906。
APASセルは、使用者の要求により、バッチモードまたはオンデマンドモードのいずれかで運転してもよい。例えば、病院からのデマンドが発生した時にそれに応じる日勤中は、オンデマンドモードで使用することができる。夕方および夜勤中には、在庫を維持するために病院薬剤部で、バルクで運搬される薬物バッチを製造することができる。
注入ポートを固定されたIVバッグと位置合わせすることができる例示的なシステム2000を図20A〜20Dで示す。態様は、針下降または針上昇の向きで流体移行を実施してもよい。位置合わせは、例えば、携帯用流体移行ポートおよび/または固定バッグが関係してもよい。
態様は制御装置により動作させてもよく、IVバッグが、ロボットマニピュレータ2015によりキャリヤからセル内の設置固定具2010まで運搬され、そこで設置される過程が実施される。図20Aの例では、システム2000は例示的な設置固定具2010を含み、これは、いくつかの態様では、図17AのIVバッグマニピュレータ1708であってもよい。別の態様では、設置固定具2010はまた、オペレータにより手動でロードされる可能性のある1つまたは複数のIVバッグを保持するラックであってもよい。
ロボットマニピュレータ2015は、IVバッグ2005を解放し、その後に流体移行ポート2020を把握し、ポートをIVバッグ上の針ポートに位置合わせしてもよい。流体移行ポート2020は、流体移行装置2025に接続され、これは流体をIVバッグ中に、またはバッグから移行させることができる(例えば、重力送り、ポンプ、または他の移行機構を使用して)。バッグをポートがバッグの頂点にあるように配向させている間、バッグの頂点の空気(例えば、ヘッドスペース内)が、本明細書の他の場所で記述されるように、最初に抽出されてもよい。バッグは、IVバッグマニピュレータ上に保持されてもよく、バッグから流体を移行させるために反転されてもよい。
例示的な態様として、図20Aは、設置されたバッグおよび流体移行ポートを把握し、バッグ上の針ポートに位置合わせするロボットマニピュレータ2015を示す。図20Bは、IVバッグをIVバッグマニピュレータ内に配置するロボットマニピュレータ2015を示す。図20Cは流体移行ポートを把握しているロボットマニピュレータ2015を示す。図20Dは流体移行ポートをIVバッグ針ポートに位置合わせするロボットマニピュレータ2015を示す。
別の態様では、1つまたは複数のIVバッグを例えば、保持クリップに載置してもよく、例えば、そのようなものは回転貯蔵カルーセルまたは平面キャリヤ上に載置されてもよい。ロボットマニピュレータは流体移行ポートを固定バッグのいずれかと位置合わせしてもよい。さらに別の態様では、2、3、4またはそれ以上のIVバッグは、図15を参照して記述したインデクサ1512などの、インデクサに結合された注入ポート保持クリップにより保持されてもよい。
上記例の他に、IVバッグおよびシリンジは、上記例以外のシステム、装置、方法またはコンピュータプログラム製品を用いて取り扱ってもよい。
例えば、APASセル100は主制御装置および分散型ネットワークアーキテクチャの1つまたは複数の追加の制御装置を含んでもよい。主制御装置は、セルオペレーションの監督および管理を提供してもよく、他の制御装置によるサブオペレーションの性能を調整してもよい。各制御装置は、1つまたは複数の言語を用いて開発し、コンパイルさせてもよいソフトウエアに従いオペレーションを実施する1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御装置は埋め込みシステムの形態であってもよく、専用制御装置、PLC(programmable logic controller)、適当なネットワーキングならびにI/Oハードウエアおよびソフトウエアを備えたPC系制御装置、ASIC、または他の実装を有する。
いくつかの適用では、1つの制御装置は、処理チャンバ内でのマニピュレータに対する位置および動作経路の決定を含む、ロボットマニピュレータを制御するために設定されてもよい。動作計画は、運搬時間を最適化し、エネルギー消費を減少させるために静的および/または動的運動学的式を解くことを含んでもよく、そのような計算は、APASセルに対し局部であってもよく、または例えば、ネットワーク接続によりAPASセルに結合された遠隔配置ワークステーション上で利用できるものであってもよい、マスコプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサにより実時間で達成されてもよい。別の態様では、ロボットマニピュレータの予測される動作(例えば、カルーセルからはかりまで)は学ばせても、または教えてもよい。
様々な型およびサイズのIVバッグ、シリンジ、およびバイアル、ならびに貯蔵カルーセル、ラック、および処理チャンバ全体の様々なステーション上の様々な在庫アイテムに対する予測される位置および配向を取り扱う目的でデータベースを提供してもよい。動作、位置、力、直径、および同様のパラメータをいくつかの場合において上限および下限に対し比較して、マニピュレータが、例えば、責任のある薬剤師、オペレータ、またはシステム維持者への、誤り信号、警告、電子メール通知、インスタントメッセージ、ページング信号、または他の信号を発すべきである状況に直面しているかどうかを決定してもよい。
様々なサイズ、型、および製造のIVバッグに対応するために、適当なサイズのホルダーをセル内の定位置に配置してもよく、その位置に、IVバッグがマニピュレータにより設置されてもよい。IVバッグを適したホルダーに結合させるのに十分な、ユーザ入力または自動検出(例えば、バーコードによる)のいずれかから決定される情報に基づき、マニピュレータは、取り扱い、運搬しているIVバッグと最も適合するホルダーに選択的にIVバッグを設置してもよい。例えば、図15Aを参照して、複数の形式および設計のIVバッグ保持クリップ1506をインデクサ1512に載置してもよく、そのため、マニピュレータは、IVバッグに最も適した、選択されたホルダ上にIVバッグを設置してもよい。このアプローチはまた、処理チャンバ内に配置された貯蔵ラックおよび様々なステーションに適用してもよい。
いくつかの態様では、インデクサ1512は廃棄バイアル1516、IVバッグ1508、および再構成される薬物を含むバイアル(図15A〜15Cを参照されたい)を横方向および/または垂直方向に移動させ、適当なアイテムをシリンジ1510の針1514と整合させて位置合わせしてもよい。別の態様では、針下降シリンジマニピュレータは、廃棄バイアル1516、IVバッグ1508、および再構成される薬物を含むバイアルに対し、シリンジおよび針を垂直および/または水平に移動させてもよい。
いくつかの態様では、ロボットマニピュレータは、把握および保持しているアイテム、例えばIVバッグ注入ポートまたはシリンジを直接位置合わせして、流体移行オペレーションを遂行してもよい。流体移行またはガス抽出処理は、流体移行オペレーションに関連する少なくとも1つの容器を把握および支持しているロボットアームを用いて実施してもよい。
いくつかの態様では、各APASセルは情報を用いてプログラミングしてもよく、不揮発性メモリに保存されている実質的に同一の情報を用いて初期化してもよい。別の態様では、1つまたは複数のAPAS装置は、特定の機能を実施するために注文設定されていてもよい。例えば、1つのAPASセルは、様々な処方を履行するのに必要とされる配合についての情報および様々な別の在庫溶液についての情報に応答することにより、注文およびバッチ処理機能の両方を実施するように構成されてもよい。
様々な態様では、APASセル100は、在庫アイテム、例えば、様々な製造者からのIVバッグ、バイアル、およびシリンジを扱って稼働してもよい。いくつかの実装では、処理チャンバ内の様々な隣接ステーションに配置されたIVバッグ注入ポート保持クリップ、および/またはロボットアーム上のグリッパフィンガーは、様々な設計および型の在庫アイテムに対応するために必要に応じて変更または交換してもよい。好都合なことに、例えば、グリッパフィンガーのいくつかの態様は、上述したように、広範囲にわたるサイズおよび設計の市販の在庫アイテムに対応することができる。
1つの態様では、配合オペレーションは、非経口用途のために適合された市販の容器を用いて実施してもよい。APASセルはまた、非経口流体容器、例えば、完全非経口栄養の調製のために使用されるものに対応することができる。1つの例では、そのような容器はAPASセル100からの入力および/または出力として処理してもよい。別の態様では、配合オペレーションは、ある別の医療または薬学用途のための市販のフレキシブル流体容器を用いて実施してもよい。例として、そのような容器はAPASセル100からの入力および/または出力として処理してもよい。
いくつかの適用では、配合オペレーションは、清浄環境で、本明細書で記述した態様の局面に従い実施してもよい。例えば、態様は、クリーンルーム環境、例えば、ISOクラス5環境などで実施してもよい。別の態様では、配合オペレーションは、換気(例えば、フローフード)作業領域で遂行してもよい。別の態様では、配合オペレーションは、一例が配合チャンバ304であるチャンバ内で実施してもよい。様々な実装では、一連の配合過程は、一部チャンバ、フローフード、および/またはクリーンルームにおいて実施されてもよい。様々な態様では、配合オペレーション、在庫貯蔵、および/またはアイテムの作動および運搬は、実質的に無菌の環境で実施してもよい。様々な態様では、配合チャンバ304は周囲大気圧に対し陰圧であってもよく、在庫チャンバ302は周囲大気圧に対し陽圧であってもよい。
いくつかの態様では、APASセルのチャンバ内の圧力は周囲と異なっていてもよく、例えば、周囲大気圧より上または下の、少なくとも約10インチまでの水、または約0.1と1.0インチの間の水としてもよい。陰圧は、ある化学薬品が、例えば、チャンバの外側に放出される可能性を減少させる可能性がある。
配合領域と併せて、在庫アイテムは、例えば、マニピュレータの近傍内で1つまたは複数のアイテムを提供してもよいキャリヤを用いた在庫アイテムの取り扱いに合わせてもよい。1つの態様では、1つまたは複数の在庫アイテムが、一例がロボットアーム318である、マニピュレータに提供または送達されてもよい。
マニピュレータシステムは、在庫アイテムを把握、運搬、および/または配向させる動作の1つまたは複数の協調軸を含んでもよい。在庫アイテムは、例えば、貯蔵ラック上の保持クリップ上で位置合わせされ、または流体移行ポートと位置合わせされ、またはそうでなければ、配合と関連する、流体移行ステーションでの流体移行を含むオペレーションなどのオペレーションを支持して操作される可能性がある。態様では、マニピュレータシステムは、一部には重力送りシステム、または、単独でまたは組み合わせて動作する1つもしくは複数のモータ(例えば、電気モータ)により付与された動作によりアイテムを運搬してもよい。
いくつかの態様では、例えば、APASセル100においてロボットアーム318に送達される在庫は、シリンジ円筒部を、円筒部に機能的に結合された針と共に含むシリンジであってもよい。いくつかの態様では、針にはキャップがつけられ、針キャップは様々な配合処理工程においてシリンジを動作させるための予備工程として除去される。
次に、薬局などの環境で、活性汚染微生物を実質的に減少させ、物体を殺菌、滅菌、および/または消毒する、パルス紫外(PUV)光を使用するのに適したシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品について記述する。1つの態様では、PUV光はAPASセル内で適用される。APASセルは配合し、薬物用量をIVバッグおよびシリンジ、例えば、院内薬局でルーチン的に製造されるものに分配することを自動化するロボットセルを含む。APASセルはシリンジに基づく流体移行過程を使用し、医用薬物が処理されるにつれ、セルを通して薬物バイアル、シリンジ、およびIVバッグを移動させるためのロボットを使用する。PUV光を適用し、APASセルの外部の物体を殺菌および/または消毒する別の態様も記述する。例示的な態様では、PUV光は薬局員が薬剤パッケージングおよび/または他の機器を消毒することができる卓上システムとして実装されてもよい。
システム、方法、および関連装置は、自動化、半自動化、または手動混合配合過程中に、薬物バイアル上の「重要領域」、およびIVバッグポートの自動クリーニング/消毒を含む。
図21は図1のAPASセル100における例示的なクリーニング過程2100を示す。1つの態様では、過程2100は、例えば、APASセル100のオペレーションを制御する制御装置により制御されてもよく、制御された(例えば、定期および/または定量体積)、加圧された、および誘導されたクリーニング剤の噴霧2105が提供される。クリーニング剤は、例えば、主として、約70%イソプロピルアルコールであるが、それに限定されない。加圧噴霧2105は、粒子を除去し、かつ表面2110を殺菌するように作用してもよい。分配されるクリーニング流体の量は制御可能なバルブ(例えば、電磁弁)を使用して計量してもよい。クリーニング流体は、適した方法を用いてリザーバから噴霧ノズル2115までポンピングされる。適した方法としては、クリーニング流体の直接ポンピング、および/またはクリーニング流体の加圧空気(または他のガス)ストリームへの送り込みが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの態様では、クリーニング流体リザーバは流体レベルを検出するためのセンサを提供してもよい。圧力、流体流を検出し、流体噴霧を確認するシステムもまた存在してもよい。廃液2120は、適した容器内に集められてもよく、その後、蒸発、排出、回収、および/または廃棄される。
図22は、例示的なクリーニングチャンバ2200を示す。APASセル100内で適用されると、強制空気流2220を使用して、噴霧ノズル2225からのミストおよびオーバースプレイがクリーニングチャンバ2200から漏れないように実質的に制御してもよい。チャンバ2200は、空気流を維持するために1つまたは複数のファンまたは加圧流体源を含んでもよい。クリーニングチャンバ2200から出て行く排出空気流2230は、APASセル100から濾過され、および/または廃棄され、ヒュームが蓄積しないようにされる。センサを使用して空気流をモニタすることができ、検出された空気流が不十分であれば、APASセル内での薬物処理が中断される。この場合、例えば、聞き取れるビープ音またはAPASに接続されたディスプレイ端末上のメッセージによりオペレータに警告してもよい。空気流を使用して、クリーニングされた領域からクリーニング流体を乾燥させることもできる。いくつかの態様では、流れは添加剤または空気に代わるもの、例えば不活性ガスなどを含んでもよい。
クリーニングされる表面および/または物体2205を、ロボットアーム2210によりチャンバ内に提供してもよい。クリーニングされる物体2205をクリーニング過程中に除去してもよく、より大きな領域がクリーニングされる。例えば、ロボットアーム2210上のグリッパ2215は、1つまたは複数の軸の周りに回転する、および/またはその軸に沿って平行移動することにより、多自由度の動作を与えてもよい。クリーニングすべき主なクリーニング表面としては、例えば、バイアルポート、希釈剤ポート、およびIVバッグポートが挙げられるが、それらに限定されない。
クリーニングチャンバ2200はまた、手動薬物配合中のクリーニングを容易にするために、独立型装置として、手動により、または自動的に使用される内蔵型ユニット中にパッケージさせることができる。
例えば、シリンジから針キャップおよび針を除去し、薬容器/バイアルからキャップを除去するために、APASセル100において装置を使用してもよい。シリンジおよびバイアルは、いくつかの様式のうちの1つで装置に提供することができる。APASセル100では、一例を上記で記述したロボットマニピュレータがシリンジおよびバイアルを装置に提供してもよい。
装置の顎を作動させる例示的な方法は、サーボ電気マニピュレータを使用することを含む。薬学環境では、サーボ電気マニピュレータは、薬剤に必要とされる清浄環境に適している可能性のあるアクチュエータ型の一例である。様々な他の作動機構が可能である。
1つまたは複数のセンサ(例えば、光学、力、電流など)を使用して、キャップおよび/または針の除去をモニタしてもよい。1つの態様では、センサは、ロボットグリッパ内に存在するキャップおよび針を検出するように動作してもよい。いくつかの態様では、センサは、顎に配置され、または配向され、装置のすぐ外側からアイテムを感知することができる。装置を開いて一部分を重力および/または突き出しピンにより下のシュートに廃棄させた時に、センサを使用して一部分の有無を感知してもよい。
図23は、針キャップを除去するための例示的な過程2300を示す。APASセル100では、ロボットグリッパ2305は、針キャップを除去するための装置に、針/シリンジの組み合わせ2310を提供してもよい。装置は、アクチュエータ2315および顎2320を含んでもよい。
針/シリンジの組み合わせ2310を使用する前に、針キャップ2325を針2330から除去してもよい。アクチュエータ2315の顎2320を開け、針キャップ2325を顎2320内のV字特徴中に入れ、閉じてキャップ2325を把握させると、針キャップを除去することができる。針/シリンジの組み合わせ2310をその後、キャップ2325から引き抜くことができる。その後、顎2320を開かせ、キャップ2325を顎2320の下に配置させた廃棄レセプタクル2335中に廃棄することができる。
顎2320からのフィードバックを使用して、針キャップ2325が針/シリンジの組み合わせ2310上に存在したかどうかを検出してもよい。顎2320からのフィードバックは直径フィードバック情報の形態であってもよい。針キャップ2325が予測されたが、顎2320により検出されなかった場合、針2330は汚染されている可能性があると考えてもよい。そのようなものとして、APASセルは針/シリンジの組み合わせ2310を処分することができ、または本明細書の他の場所で記述したようにアイテムを送って消毒させてもよい。
図24は針除去のための例示的な過程2400を示す。APASセル100では、ロボットグリッパ2405は、針除去のために装置にルアーロックシリンジ2410を提供してもよい。装置はアクチュエータ2415および顎2420を含んでもよい。装置は、図23を参照して記述したような、針キャップ除去のために使用される同じ装置であってもよい。
ルアーロックシリンジ2410からの針2425は、ねじって外す動作により除去してもよい。針キャップ除去のために使用した同じ顎2420のV字特徴を使用して、除去のためのルアーハブにより針2425を把握してもよい。巧妙なロボットを使用してシリンジ2410を保持する場合、装置は動かないように載置され、その間、ロボットは針軸の周りにシリンジ2410を回転させ、針2425を回して外すことができる。
別の態様では、装置は回転ベースを有する装置上に載置してもよく、そのため、回転装置は、ロボットマニピュレータがシリンジを徐々に引き抜くのにつれて、シリンジから針を回して外すことができる。
様々な態様では、シリンジは、針が取り付けられて、または取り付けられずに、配合チャンバ内で受理されてもよい。1つの例では、取り付けられた針を有するシリンジは、針上の先端キャップが除去されるステーションまで運搬されてもよく、ある量の医用薬剤がシリンジから分配され、またはシリンジ中に引き込まれ、除去された先端キャップが、ロボットアームを使用する操作によりシリンジ上の元の位置に戻される。いくつかの実装では、1つまたは複数のシリンジ、先端キャップ、針、キャップされた針、またはシリンジキャップは、PUVステーションで消毒されてもよい。いくつかのシステムでは、針ディスペンサを備えさせて、ロボットマニピュレータにより把握するための、またはそうでなければシリンジに結合させるための針を提供してもよい。いくつかの場合では、針ディスペンサは、少なくとも1つのシリンジを有するキット中にパッケージさせるための針を提供する(これらは被覆されていてもよい)。
図25A〜25Eは、バイアルキャップ除去のための例示的な装置2500を示す。APASセル100において、ロボットグリッパ(図示せず)は、バイアルキャップ除去のための装置2500にバイアル2505を提供してもよい。装置2500はアクチュエータ2510および顎2515を含んでもよい。顎2515はバイアルキャップを把握する顎縁2545を含んでもよい。顎2515はまた、針および針キャップを把握するためのV顎2550を含んでもよい。顎2515はまた、キャップ保持特徴2555を含んでもよい。装置は、図23を参照して記述したように、針キャップ除去のための特徴を含んでもよい。
バイアル2505は、バイアルキャップ2520により装置の顎2515に挿入させることができる。バイアルキャップ2520は、把握顎機構を用いて、顎縁2520により把握させることができる。顎2515をその後、バイアルキャップ2520上で閉じると、顎2515の縁がバイアルキャップ2520のすぐ下のバイアル2505に係合する。その後バイアル2505を顎2515から引き出すと、顎縁はバイアルキャップ2520を保持する。
いくつかの態様では、顎縁対は、例えば、図25Dで示されるように、互いに対し、異なる長さおよびオフセット2525を有してもよい。オフセットおよび長さの違いにより、1つの顎縁のみが1度にバイアルキャップに係合することができ、手動除去と同様のてこの動きによりバイアルキャップ除去が容易になる。オフセット2525により、第1の顎が第1の試みでバイアルキャップを除去することに失敗すると、第2の顎がバイアルキャップに係合することができる。これは、第1の顎がバイアルキャップを通過し、アクチュエータ2510がさらに閉じて、第2の縁がバイアルと接触できるようになると起こる可能性がある。縁の長さの差は、顎が互いに調和して動く場合にアクチュエータと共に働くように設計することができる。1つの態様では、バイアルはグリッパの中心軸上で提供してもよく、これは、シリンジ提示と一致し、ロボットの設定が容易になる。顎の設計は除去されたアイテムを含んでもよく、図25Eに示されるように、顎が開き、廃棄シュート中に落とされるまで、バイアルキャップが制御されていない様式で顎から出て行かないように阻止してもよい。
複数の組の、バイアルデキャッピング縁を提供してもよく、装置を使用することができる様々なサイズのバイアルキャップに対応し、アクチュエータのストローク範囲に対応することができる。例えば、図25Eで示した顎2535および2540は2つの組のデキャッピング縁を有する。
様々な態様では、バイアルまたはシリンジは、オペレーション、例えば配合または容器間の流体移行などを支援するために必要に応じて、キャップをしてもよく、またはキャップを除去してもよい。そのようなオペレーションは、前もって、例えば、リザーバを構築するための中断時間中、または計画されている、もしくはすでの進行中の特定のオペレーションのために必要に応じて(例えば、ぎりぎりの時間に)実施してもよい。いくつかの例では、オペレーションは、薬剤容器のキャッピングおよび/または密閉により手を加えたことを示す特徴を提供することを含んでもよい。図26A〜26Cは例示的なパルス紫外線(PUV)消毒システム2600の断面図である。例示的な態様では、パルス紫外線(PUV)システム2600を使用して、自動薬局配合装置、例えば、一例を図1を参照して記述したAPASセル100内のアイテムを消毒してもよい。この例では、PUVシステム2600を使用して、薬物バイアルポート、IVバッグポート、およびシリンジを含むが、それらに限定されないアイテムを消毒することができる。PUVシステム2600により実施される消毒過程は、単独で、例えば1つまたは複数の、本明細書の別のところで記述した他のクリーニング過程と組み合わせて使用してもよい。
PUVシステム2600を使用して、PUVチャンバ内に配置した物体を消毒するオペレーションを実施してもよい。この例では、システム2600は紫外線(UV)ランプ2605、ランプハウジング2610、バッフル2615、およびチャンバ壁2620を含む。チャンバ壁2620は、実質的に放射線を反射および/または吸収し、PUVチャンバ内にUVランプ2605からのUV放射線2625が実質的に含まれる。UVランプ2605からのUV放射線2625は、PUVチャンバ内に配置された物体2630を照射してもよい。この例では、物体2630は、マニピュレータ2635によりUV放射線2625に曝露されるように配置された薬物バイアルである。マニピュレータ2635は、例えば、上記したものなどのロボットグリッパとしてもよい。
図26A〜26Cは、ランプハウジング2610およびUVランプ2605が物体2630上方に載置され、UV照射2625が下に向かって誘導される単一のチャンバ態様を示す。別の態様では、1つまたは複数のUV照射源は上に向かって、および/または側面から、単独で、または下方に誘導されるUVランプ2605と組み合わせて誘導されてもよい。ランプ2605に対する例示的なUV照射源はキセノンランプである。バッフル2615内の光アパーチャサイズは消毒される物体に適したものとしてもよい。物体2630は、機械的またはロボット機構によりUV照射源に提示されてもよい。
物体を消毒するオペレーションは、一般に、消毒すべき物体上の汚染微生物数を減少させるオペレーションを示してもよい。いくつかの適用では、消毒オペレーションは、活性(例えば、生存)汚染微生物数をある程度減少させることを目的とするものであってもよい。例えば、消毒オペレーションにより、物体上の枯草菌(bacillus subtillis)の6対数の減少が達成されてもよい。別の例では、消毒オペレーションは、処理表面上の全てのまたは実質的に全ての胞子および/または菌類を殺してもよい。
汚染微生物数は、ウイルス、細菌、胞子、および/または菌類を含んでもよい(が、それらに限定されない)。ある範囲の例では、パルス紫外線を使用して、シリンジまたはバイアルの部分、例えばそのようなシリンジまたはバイアルのポートなどの上、周囲、または内部の、1つまたは複数の型の汚染生物を殺してもよい。いくつかの場合では、そのような汚染微生物数は、診療所、院内薬局を含む病院、または研究室、または薬剤をパッケージ、調製、保存、輸送、またはそうでなければ取り扱ってもよい、他の施設などの環境で見出される可能性がある。いくつかの態様を都合よく適用して、バイアル、シリンジ、パッケージング(例えば、IVバッグ)、チューブ、アクセスポート、および/または関連装置(ロボットマニピュレーターを含む取り扱い装置)、流体(例えば、水)または殺菌および/または消毒が関係することがある物体の付近にくる、および/または物体と接触する他の材料の消毒を提供する、または強化してもよい。いくつかの用途は、薬剤および/または医療装置、例えば、患者に非経口栄養またはインスリンを提供するための送達システムの調製に関連してもよい。消毒法は、定期および/または定量パルスのUV照射2625、直接および/または反射された、主にUV-C波長であるが、それに限定されないものによってもよい。1つの例では、消毒される物体2630は、物体に提示されるフラッシュの強度および期間、ならびにフラッシュ数に関連する汚染微生物数の減少を有してもよい。いくつかのシステムは、例えば、2秒以内に、少なくとも約6対数の枯草菌の減少を達成してもよい。
様々な態様では、紫外線曝露は、様々な波長にわたる曝露を含んでもよい。様々な実装では、曝露は、約200〜3000nmの間、例えば約160〜380nmの間、または約230〜300nmの間、または約250〜約270nmの間などを含むがそれらに限定されない波長のUV-A、UV-B、および/またはUV-Cを含んでもよい。
いくつかの態様では、パルス紫外線への曝露は、様々な長さの時間の間起きてもよい。例えば、曝露は、例えば、10msec未満、約1、5、20、30、40秒まで、または少なくとも約60秒までで完了させてもよい。パルス化させる場合、パルスは約0.01Hz〜約1kHzの間、例えば約0.1Hz〜100Hzの間、または約2Hz〜約10Hzの間の固定または変動周波数で、送達させてもよい。個々のパルス幅は1秒未満、例えば約1ns〜100msの間、または約10ns〜10msの間、または約100ns〜1msの間、または約1000ns〜約0.1msの間、例えば約300〜400ミリ秒の間であってもよい。複数の電源および/またはフラッシュランプを組み合わせて使用して、標的表面の周りの1つまたは複数の位置からの放射線曝露のピーク強度をインターリーブおよび/または増加させてもよい。様々な保存プロファイルを様々なレベルのパルス強度、数、間隔、およびタイミングで実行してもよい。制御はプロセッサ、例えばプログラマブル論理制御装置(PLC)または埋め込み制御装置などにより実装してもよい。
換気および/または冷却は、空気処理装置を単独でまたはパージングシステム(例えば、窒素)と組み合わせて組み入れてもよい。消毒される物体に送達されるエネルギーは、パルス数および各パルスと関連するエネルギーの関数としてもよい。いくつかの例では、送達される総エネルギーは、1ジュール未満、約1ジュール〜約20ジュールの間、約30、40、70、100、250、500、600、750ジュールまで、または少なくとも約1000ジュールとしてもよい。より長い時間にわたり、任意の実行可能なエネルギー量を送達させて、効果的および/または所望の活性汚染微生物数、例えば、胞子、細菌、および/またはウイルスなどの減少を達成してもよい。
いくつかの態様では、PUVシステムは、物体の一部がPUVチャンバ内に入るまで光源が機能しないようにするインターロックを含み、そのため、実質的に完全な光の密閉が形成され、実質的に光が漏れないように阻止される。
PUVシステム2600の別の態様が可能である。例えば、図26BのPUVシステム2600は、実質的に円筒形または環状の、垂直に配向され、これを通して物体2645が照射されるルーメンを提供するように配列されたバッフル2640を含む。バッフル2640は反射面を有してもよい。図26Cで示される別の例では、バッフル2650は、実質的に全ての光を、アパーチャ付近に配置した物体2655に誘導するアパーチャを有する部分円錐表面を形成するように配列される。他のバッフル構造の同様の配列を使用して、PUVチャンバに入る光の実質的な一部を、図26A〜26Cのもののような1つまたは複数のアパーチャ付近に配置した物体に誘導してもよい。
PUVシステム2600は、APASセル100中に統合されるように適合されてもよく、または院内薬局または同様の環境で使用するために独立型(例えば、卓上、自立)オペレーションのために構成されてもよい。院内薬局型の環境では、薬局人員は、殺菌すべき物体を把握し、殺菌のためにPUVチャンバに入れるために、拡張ツール(例えば、トング)を使用することにより、処方薬を調製してもよい。位置決め特徴(図示せず)を含有させて、薬局人員による物体の、PUVチャンバ内での正確な位置への配置を支援してもよい。
態様では、剛性、半剛性、またはフレキシブルブート(例えば、ゴム、発泡体、プラスチック、またはフレキシブルUV遮断または反射材料)をアパーチャの周囲に形成させてもよい。バイアルまたはIVバッグの流体ポートを消毒する場合、薬局のオペレータまたはAPASセル内のロボットアームは殺菌すべき流体ポートをアパーチャ付近に配置してもよく、そのため、ブートはバイアルまたはIVバッグ本体と共に実質的に遮光インタフェースを形成する。アパーチャは実質的にUV透過ウインドウを提供してもよく、これを通して、流体ポート上の1つまたは複数の表面が、ウインドウを通過した紫外線に曝露されてもよい。開始信号に応答して、ある線量のパルス紫外線が送達されてもよい。線量は、特定の強度、デューティサイクル、繰り返し数(例えば、固定または変動)、およびパルス数、または総エネルギーの、予めプログラムされたパルス組に従ってもよい。開始信号は、物体本体がブートに押し込まれる、または近接センサ(例えば、光学センサ、ロボットアームを検出するためのホール効果センサなど)が定位置の流体ポートを検出すると、押されるスイッチにより生成させてもよく、信号は、制御装置もしくは別のスイッチ(手動により押してもよい)、またはそのようなこれらのもしくは他の検出技術の組み合わせにより生成させてもよい。
手動作業のためには、いくつかの態様は、オペレータにUVパルスプロファイルが完了したこと、またはアイテムが選択された線量のパルスUVに曝露されたこを示すフィードバック信号を含んでもよい。いくつかの態様では、ディスプレイは、例えば、時間、送達させたパルス数、または送達させた総エネルギーに基づく曝露レベルを示してもよい。いくつかのモードでは、オペレータは、アイテムをブートに押し込む時間に基づき、曝露レベルを制御してもよい。
フレキシブルブートの代わりに、またはフレキシブルブートと共に、いくつかの態様は、UV曝露ポートに近接して流体ポートを受理するレセプタクルを提供してもよい。レセプタクルは、1つまたは複数のサイズおよび型のIVバッグ用流体ポート、および1つまたは複数のサイズおよび型のバイアル用流体ポートを受理するようなサイズとしてもよい。凹状開口レセプタクルを、ある範囲のサイズを受理するように適合させてもよい。1つまたは複数の異なるサイズおよび/または形状のレセプタクルを提供してもよい。いくつかの態様では、レセプタクルは、広範囲の殺菌すべきアイテムを収容するために交換してもよい。異なるレセプタクルは、使用されるレセプタクルを保持するための位置決めピン、回転および/またはスライド特徴を有してもよい。
インターロック特徴を各レセプタクルに統合させてもよい。例えば、近接または圧力センサを使用して、レセプタクルが正しく設置された時を決定してもよく、正しいサイズのバイアルまたはIVバッグ流体ポートが、紫外線に曝露されるレセプタクルに挿入され、または押し込まれる。
いくつかの態様では、センサは送達させたおおよその総エネルギーを測定し、フィードバック情報を制御装置に送ってもよい。制御装置は、所定のエネルギーしきい値が送達されるまでパルスを送達してもよい。
図27は、図26A〜26Cの例示的なPUVシステム2600のための制御モジュール2700のブロック図である。例示的な態様では、本明細書で論じたPUVシステム2600は、PUVチャンバ、PUVランプアセンブリ、および制御モジュール2700を含んでもよい。制御モジュール2700は処理ユニット2705、COMポート2710、1つまたは複数のセンサ2715、空気処理システム2720を動作させるための装置、入力/出力(I/O)ポート2725、および電源2730を含んでもよい。処理ユニット2705を使用して、プログラム命令および/またはハードウエア構成(例えば、アナログ、デジタル、PAL、および/またはASIC回路)に従い、オペレーションを監督、モニタ、および制御することができる。センサ2715は、温度、煙、汚染物質、振動、位置、および光強度センサを含んでもよいが、それらに限定されない。I/Oポート2725を使用して、PUVシステム2600においてセンサ2715および/またはアクチュエータ(例えば、モータ、PUVランプなど)から信号を受信し、それらに信号を送ることができる。いくつかの態様では、制御モジュール2700は状態および制御情報をホストコンピュータまたは制御装置へ、またはそれらからCOMポート2710を介して送ってもよく、および/または受理してもよい。COMポート2710は直列または並列であってもよく、パケットまたは非パケット系通信プロトコル(例えば、RS-232、USB、ファイヤーワイヤー)を使用して、信号を主制御装置から受理してもよく、および/または主制御装置に送ってもよい。空気処理システム2720を動作させるための装置の例を図22を参照して記述した。制御モジュール2700内の要素は協力してPUVシステム2600を動作させ、薬学用途の物体を消毒することができる。
制御モジュール2700中の空気処理システム2720に関しては、空気流を使用してUVランプ2605および/またはPUVチャンバを冷却してもよい。いくつかの適用では、空気処理システムはまた、PUVチャンバ内で発生する可能性のあるオゾンを排出してもよい。入力空気を濾過し、粒子が物体2630に到達しないようにしてもよい。濾過された空気はまた、粒子が、UVランプ2605自体に接触しないようにしてもよく、これにより、電球寿命および効率が増加する。センサを使用して空気流をモニタし、不十分な空気流が検出されると、システムを停止させてもよい。いくつかの態様では、PUVシステム2600は、APASセル100 ISOクラス5清浄空気環境内で適用するために設計されてもよい。
システムはPUVチャンバを換気させるための、空気処理システムをさらに含んでもよい。換気を使用してUVランプ2605上の空気を冷却し、電球が過熱しないようにすることができる。
電源2730はパルス中にUVランプ2605を駆動させる電圧および/または電流を提供しうる。例えば、電源2730は、例えば、コンデンサ、インダクタ(昇圧器およびフライバック変圧器を含む)、または共鳴(L-C)回路にエネルギーを保存してもよい。トリガー信号に応じて保存されたエネルギーがフラッシュランプ、例えば、キセノンフラッシュランプなどに放出されてもよい。いくつかの態様では、パルス光出力は、紫外線波長のエネルギーを含む。放射スペクトルを含んでもよい。例えば、パルスUV光はUV-A、UV-B、およびUV-Cの範囲のエネルギー量を含んでもよく、UV波長よりも短い、および/または長い波長のいくらかのエネルギー量を含んでもよい。
特定のパルス中に照射させたパルスUV光を、少なくとも部分的に、UV光曝露量、または線量を決定する、または物体が受理する可能性のある1つまたは複数の波形により特徴づけてもよい。各波形は、ある範囲の強度、幅、立ち上がりおよび立ち下がり時間、およびパルス間の反復間隔を有してもよい。したがって、フラッシュ要素を駆動する制御エレクトロニクスは、誘導(トリガー)パルス特徴、フラッシュ要素変換効率および動的インピーダンス、印加電圧/電流、および電源インピーダンス、ならびに寄生漂遊容量、抵抗、およびインダクタンスに基づいて特性波形を決定してもよい。いくつかの例では、PUV波形は、例えば、パルス中に印加された電圧の振幅を調節することにより制御可能である場合がある。振幅(例えば、強度)およびまたはパルス繰り返し率および繰り返し数をデフォルトにプログラムしてもよく、またはAPASのためのユーザインタフェース(図示せず)を介してユーザー設定可能としてもよい。
いくつかの実装では、光パルスの十分性をモニタするためのPUV光強度を測定するためにUV光センサを提供してもよい。センサを使用して、電球の状態およびフラッシュ強度をモニタしてもよい。適当な光線量が送達されていることを確認するためにセンサをモニタしてもよい。例えば、PUV波形が複数のパルスにわたり平均最小しきい値を満たすことができないと処理ユニットが決定すると、処理ユニットは、COMポート2710にフォールト信号を発生させてもよい。
センサ(例えば、光ビーム、近接、または接触)を、PUVチャンバ内に含有させ、物体の位置または近接をモニタしてもよい。センサは、電球に対する物体(例えば、スイッチ)の存在により置き換えられるアイテムの位置または近接をモニタするのに使用してもよい。このセンサはインターロックを提供してもよく、そのため、物体が正確な位置に存在しないと電球をフラッシュさせることができない。
図28は、図26A〜26Cおよび図27のシステムのためのPUVチャンバハウジング2800に対する例示的な態様の斜視図である。ハウジング2800の側面2805は空気処理アセンブリを含み、これはフィルタおよび/またはファンを含んでもよい。ハウジング2800の前面2810は段階的な幅の広いおよび狭い開口2815を有する。幅の広い開口により、ロボットマニピュレータは幅の広い物体、例えばIVバッグをそのベース付近に挿入することができる。幅の広い開口の上方の幅の狭い開口は、物体をPUVチャンバ中に配置するのに使用されるマニピュレータの幅に対応してもよい。例えば、図26A〜26Cを参照すると、マニピュレータ2635は、物体2635(例えば、バイアル、シリンジ、またはIVバッグ)をハウジング2800のベース付近の幅の広い開口部分を介して挿入してもよい。マニピュレータ2635はその後、垂直にバッフル2615内のアパーチャおよび/またはUVランプ2505に向かって上に移動することができる。物体2630がPUVチャンバ内に配置され、消毒曝露を受ける場合、マニピュレータのいくつかの態様はさらに、ハウジング2800中の幅の狭いおよび/または広い開口の少なくとも一部の周りに部分的または実質的に完全な光の密閉を提供してもよい。
様々な態様では、マニピュレータは薄い(例えば、鉛筆様)拡張装置(図示せず)を提供し、PUVチャンバハウジング内の開口の狭い部分中の幅の減少した(例えば、より狭い)スロットを介してマニピュレータの到達範囲を拡張するように適合されてもよい。そのような拡張装置、またはマニピュレータ自体の外部部分にはバフリング(baffling)を提供してもよく、PUVチャンバハウジング中の開口のいくつかまたは全ての周囲に内部または外部遮光のいずれかが提供される。例えば、フレキシブルな長方形バフリング(例えば、反射または吸収コーティングを有するプラスチック、ゴム、または発泡体)を使用して、物体がパルスUV照射を受けるように配置されると、PUVチャンバハウジング内の狭いおよび/または広い開口のいくつかまたは全てにわたり、実質的にUV遮光を提供してもよい。
いくつかの態様では、殺菌すべき物体は有効遮光を提供してもよい。図26B〜26Cで示したバッフルの設計は、物体をバッフルと実質的に接触するようにすると、物体が効果的にバッフル内の開口を密閉するようなものとしてもよい。バッフル設計は、バッフルに対して物体を配置した際にいくらかの公差が認められるように弾性であってもよい(例えば、フレキシブルバッフル材料、スプリング載置バッフルアセンブリ、またはふいご)。バッフル中の開口は、殺菌すべき標的領域へのPUV照射量を最大にするようなサイズとしてもよい。
図29A〜29Cは、殺菌すべき様々なサイズの物体を受理する例示的なPUV消毒システム2900の断面図である。図29Aでは、物体2905は大きなバイアルであり、図29Bでは、物体2910は小さなバイアルであり、図29Cでは、物体2915はIVバッグである。各例では、マニピュレータ2920は物体を、PUVチャンバ内で消毒するのに適した位置に配置するのに適した軌道に沿って移動してもよい。図29Cでは、例えば、図29CのIVバッグ2915は、PUVチャンバ内に配置されるように曲げてもよく (例えば、空の場合)、そのためIVバッグポート2925はシリンジと物理的に接触する前に殺菌することができる。
したがって、消毒されるべき物体は、一次遮光を提供する必要はない。チャンバ壁2930は、マニピュレータ2920と一緒に、有効な光閉じこめを提供してもよい。チャンバ壁2930はバッフル、反射表面、および/または吸収表面などの特徴を含んでもよく、PUVチャンバからのUV照射の漏れがさらに最小に抑えられる。
PUVチャンバの態様は、物体の光源へのアクセス要求、物体サイズ、光閉じこめ、および光源からの物体の距離を考慮して、特定の範囲の消毒すべき物体のためにカスタマイズしてもよい。
いくつかの態様では、バフリングは自動的に、または手動により再構成可能であってもよく、物体の適した照射が提供される。例えば、バッフルは(例えばモータにより)再配置させることができる回転カルーセル上にあってもよく、物体のサイズ、型、および/または形状を照射するのに最も効果的なバッフルが配置される。
PUVシステムはPUV消毒過程を最適化するために、例えば、APAS制御装置が利用できるシステム情報を使用してもよい。例えば、APASセル100は、COMポート2710を介してPUVシステム2600に制御情報(例えば、消毒されるべき次の物体を示す)を移動させてもよいオペレーションを制御するため、図27を参照して示したような制御モジュール2700を含んでもよい。そのような制御情報は最適波形、振幅、パルス繰り返し数および率、物体サイズ、型、および/または形状関連情報を含んでもよい。PUVシステム2600中の制御装置は、電源2730を構成することにより応答し、次の物体を消毒するように調整された消毒プロファイルを発生させる制御をトリガーしてもよい。そのような最適化は、不必要な熱を発生させ、不必要なエネルギーを消費し、フラッシュ要素を時期尚早に老朽化させ、またはPUV消毒過程を不必要に遅らせることなく、効果的な消毒を促進する。いくつかの態様では、ロボットアーム318はPUV消毒過程中に別のタスクを実施することができない可能性がある。別の態様では、ロボットアーム318は物体を放出し、1つまたは複数の他のアクションを実施し、消毒が完了した後、物体を把握および運搬するために戻ってもよい。
図30A〜30Fは、図1のAPASセル100における例示的なPUV消毒システム3000の断面図である。システム3000は、図30Aで示されるように、垂直壁3010を有する回転プラテン3005を使用して、消毒すべき物体3015を配置することができる。記述した違いを除き、または適用されない場合、PUVシステム2600の態様に関する上記議論は一般に、PUVシステム3000の態様に適用することができる。例えばPUVシステム2600は、一例が図27を参照して上述されている制御モジュールを使用して動作してもよい。
図30Aでは、消毒される物体3015は、PUVチャンバの外部のプラテン3005上にロードされる。プラテン3005は適当な駆動機構(例えば、ステッパモータ、サーボモータ、ソレノイドに結合された機械的結合部)を使用して、回転し、物体3015をPUVチャンバの内側に配置し、そこで、物体をUV照射3020に曝露させることができる。垂直壁3010は、バッフルとして機能し、実質的にチャンバのための遮光を提供し、UV照射3020のほとんどが漏れないように維持される。いくつかの態様では、センサ(例えば、プラテン軸上のエンコーダー、ホール効果センサを使用したインデックスマーク、光断続機など)を使用して、プラテン3005がローディングまたはパルシングのための定位置に配置された時、または壁3010が密閉位置に来た時を検出してもよい。チャンバ内に配置されている間、物体3015は、記述されているように、ある線量のPUV放射を受けてもよい。プラテン3005はその後回転し、物体3015(その一部は実質的に消毒されていてもよい)をPUVチャンバの外側に配置し、そこで、更に処理するために回収されてもよい。
PUVシステム3000は、APASセル100に統合させるように適合されてもよく、または院内薬局もしくは同様の環境において使用するために独立型(例えば、卓上)オペレーションのために構成されてもよい。院内薬局型の環境では、薬局人員は、消毒すべき1つまたは複数の物体をプラテン3005上にロードすることにより処方を調製し、消毒を実施し、プラテン3005が回転して物体をチャンバから出した後、さらに処理するために消毒した物体を回収してもよい。
いくつかの態様では、壁3010はさらに、プラテン3005上で、複数のコンパートメント(例えば、3、4、5、6、7、8またはそれ以上)を含んでもよい。壁は、均一に分布されてもよく、そのため、コンパートメントのいずれかがUV照射3020に曝露される場合、壁3010の一部は遮光部を形成するように配置される。
別の態様では、プラテン3005は円形または非円形トラックとしてもよい。チャンバに従い、実質的に連続的に、またはセグメントで前進してもよい。いくつかの態様では、プラテン3005は例えばキーパッドまたは「スタート」ボタンからの、ユーザーコマンドに応答して前進してもよい。別の態様では、プラテン3005は処理すべき1つまたは複数の物体の重量を検出すると前進してもよい。
図26A〜26Cを参照して議論したのと同様に、PUVシステム3000は、バッフル3025の他の配列を含むように構成されてもよい。この例は、図30Cのバッフル3030、図30Dのバッフル3035、および図30Eのバッフル3040により示すことができる。
他の改良をPUVシステム3000に行ってもよい。例えば、より大きな(または分布させた)ランプシステム3050を、バッフル3045の別の例示的な態様と組み合わせて含むPUVシステム3000の例示的な態様を、図30Fに示す。この例では、UV照射3055はより広い領域にわたって分布させることができる。バッフル3045およびプラテン3005上の反射面は、物体3060の上面および側面上に広く分布させたUV照射パターンを提供することができる。さらに、プラテン3005は2つの物体3060および3065を運んでいる。物体3060はPUVチャンバに入ることができ、物体3065はPUVチャンバの外側に配置することができる。このPUVシステム3000の複数の物体を運ぶ能力により、例えば、PUV消毒処理時間が生産性およびスループットに影響する可能性がある院内薬局環境で、効率的な取り扱いを促進することができる。
別の態様では、プラテン3005は、消毒されるべき物体のトレイを受理するように適合させてもよい。例えば、消毒されるべき2つまたはそれ以上のバイアルのトレイを、PUVチャンバの外側にあるプラテン3005の一部の上に配置してもよい。トレイは、バイアルを都合よく配置し、および/または積み重ねるための運搬ハンドルを含んでもよい。そのようなトレイは、前もって準備してもよく、後に、効率よくバッチ処理することができ、これにより、薬剤混合物を処理するための時間および労力が節約できる。
無菌処理を支援するために、PUVシステム3000全体を、ISOクラス5清浄空気環境内で使用するように設計してもよい。そのような環境は、例えば、APASセル内の格納キャビネット内に存在してもよく、または院内薬局層流フード内に存在してもよい。必要であれば、空気冷却システムを使用して、ランプハウジング3070またはチャンバ3075内の熱を消散させてもよい。
上記例の他に、消毒システムは、上記例以外のシステム、方法、またはコンピュータプログラム製品を用いて実装してもよい。
様々な態様では、PUVシステムは、適した通信方法、装置、および技術を用いて通信してもよい。例えば、PUV制御モジュールは、APAS制御ユニットおよび/または院内薬局ネットワークと、二地点間通信を用いて通信してもよく、この場合、メッセージは専用の物理的結合(例えば、光ファイバ結合、二地点間ワイヤリング、デイジーチェーン)によりソースからレシーバまで直接送られる。他の態様は、例えば、通信ネットワークにより共に結合された全ての、または実質的に全ての装置に送信することによりメッセージを送ってもよい。
いくつかの態様では、各PUVシステムは、同じ情報でプログラムし、不揮発メモリに保存された実質的に同一の情報により開始させてもよい。別の態様では、1つまたは複数のPUVシステムは特定の機能を実施するように注文設定されてもよい。例えば、1つのPUVシステムは、消毒されるべき物体についての情報に応答することにより、カスタムおよびバッチ処理機能の両方を実行するように設定されてもよい。
1つの局面では、汚染生物を殺し、または活動不能にするための、薬局環境のための自動消毒システムは、消毒すべき1つまたは複数の物体を提供してもよい。システムは、パルス紫外線源を有するチャンバを含むことができる。システムはさらに、消毒すべき物体を、パルス紫外線源からのパルス紫外線に曝露するためにチャンバ内に入れるための自動輸送機構を含むことができる。
様々な態様では、自動輸送機構はさらに、パルス紫外線への曝露後にチャンバから物体を取り出すようにしてもよい。自動輸送機構は、ロボットマニピュレータおよび/または回転プラテンを含んでもよい。自動輸送機構は、命令プログラムを実行するプロセッサにより自動的に生成される一連のコマンドに応じて、物体を操作または移動してもよい。
壁は実質的にチャンバを取り囲んでもよく、少なくとも1つの壁が物体および輸送機構の一部を受理するための開口を有する。いくつかの態様では、自動輸送機構は、開口の少なくとも一部の周りに、少なくとも一部の遮光を提供してもよい。
パルス紫外線源は、トリガー信号に応じて紫外線パルスを提供してもよい。制御装置は制御された波形の1つまたは複数のパルスを発生させてもよい。波形は、所望の振幅、形状、および/または強度を提供するように制御されてもよい。制御装置は、選択した消毒ルーチンに従い複数の制御されたパルスを発生させてもよい。選択された消毒ルーチンは、消毒すべき物体の型、サイズ、または製造者などの特性に対応してもよい。制御装置は通信リンク上でメッセージを受け取り、メッセージは消毒すべき物体の特性についての情報を含んでもよい。
消毒すべき物体は、バイアル、IVバッグ、またはシリンジの一部を含んでもよい。殺すまたは活動不能にすべき汚染生物は、1つまたは複数のウイルス、細菌および/または菌類を含んでもよい。紫外線はUV-A、UV-B、および/またはUV-C波長を含んでもよい。
いくつかのシステムは独立型または卓上型システムであってもよく;他のシステムはAPASに統合されるように適合されてもよい。
別の局面では、少なくとも1つの物体表面を消毒する方法は、輸送機構に、物体をチャンバ内に入れさせる動作軌道コマンドを生成させる工程を含んでもよい。方法はまた、物体の少なくとも一部を、ある線量のパルス紫外線に曝露する工程を含んでもよい。
いくつかの態様では、パルス紫外線の線量は1つまたは複数のパルスを含んでもよい。方法は、1つまたは複数の型の汚染生物を選択した程度まで殺しまたは活動不能にするのに十分な紫外線のパルス数を識別する工程をさらに含んでもよい。選択した程度は、実質的に全ての生物汚染物質、例えば、少なくとも99.99%、99%、95%、90%、80%、75%、70%、60%、または少なくとも約50%としてもよい。いくつかの態様では、1〜100%の間の特定の汚染生物が、パルス紫外線の線量により殺され、または実質的に活動不能にされてもよい。
薬剤配合領域のための空気処理システムは薬物処理のための無菌環境を提供してもよい。薬剤配合領域のための空気処理システムはまた、システムオペレータに対し曝露保護を提供してもよい。薬剤配合領域に供給される空気は、高性能フィルタ(HEPA)または超低透過空気(ULPA)フィルタを用いて濾過することができ、確実に、粒子レベルが連邦および国の規制と適合する。薬剤配合領域から引き出された排空気を濾過して、汚染物質レベルを減少させてもよい。薬剤配合領域から引き出された排空気は、ビルディングから廃棄されてもよく、または部分的に、もしくは完全に薬剤配合領域に再循環させてもよい。良性の曝露効果を有する薬物、例えば、抗生物質をAPASセル内の陽圧領域で処理することができ、この場合、陽圧はAPASセルの外側の大気圧に対するものである。陽圧領域は薬剤配合領域からの空気のいくらか、または全てを再混合し、薬剤配合領域が位置する一般薬局領域に戻すことができる。細胞毒性薬は、APASセル内の陰圧ゾーンで動作する無菌領域で配合されてもよく、この場合、陰圧はAPASセルの外側の大気圧に対するものである。陰圧ゾーンは、排空気の全ての外部換気を可能とする。
図31A〜31Bは、APASセルにおける空気処理システムの一部の例示的な詳細を示す斜視切断図である。APASセル3100は、その設定またはオペレーションをほとんど変更させずに、抗生物質(例えば、陽圧)および細胞毒性(例えば、陰圧)薬の両方を配合するように設計することができる。APASセル3100は、配合領域セクション3105と在庫供給領域3110を含む配合領域セクションに分割させることができる。APASセル3100はまた、排出領域セクション3115を含むことができる。在庫供給領域3110はカルーセルローディングドア3120を有するカルーセル領域を含むことができる。在庫供給領域3110中のチャンバは、大気環境に対し陽圧で維持してもよい。領域3110中のチャンバはまた、大気圧に対して陰圧であるが、配合領域内のチャンバ内の圧力とは同じ、またはそれより陽圧で維持してもよい。
様々なモードでは、1つまたは複数の制御装置が、配合領域チャンバおよび/または貯蔵領域チャンバ内の圧力を、独立して、または互いに関して、および/または周囲大気圧に対してのいずれかで調節してもよい。そのような調節は、在庫供給領域3110のローディング中に配合領域の空気に周囲環境が実質的に曝露されないように、都合よく妨害してもよい。在庫供給領域3110の陽圧はまた、セルの清浄さを維持するのを助けることができる。図3および4を参照して記述した、在庫供給領域3110内の在庫カルーセルは、ある型の回転ドア開口部として動作することができ、在庫供給領域3110と周囲環境との間の制御されいない空気の移行を阻止する。これは、APASセル3100のローディング中に起きることがある。在庫供給領域3110中の在庫カルーセルはまた、在庫アクセス中の、在庫供給領域3110と配合領域3105との間の制御されていない空気の移行を阻止することができる。
いくつかの態様では、空気処理システムは、温度、湿度、および/または組成をモニタし、記録し、および/または調節してもよい。温度制御は、配合チャンバおよび貯蔵チャンバのいずれかまたは両方内の1つまたは複数のゾーンで実施してもよい。例えば、温度制御は強制空気加熱または冷却、放射熱(例えば、電熱)、液体で満たされた熱交換器などにより実装してもよい。いくつかの態様では、チャンバ内のガス組成は、例えば、反応を触媒する、毒性副産物を中和する、および/またはチャンバ内の環境を清浄にするもしくはそうでなければ消毒するために、選択的に1つまたは複数のガス(例えば、窒素)を導入することにより制御してもよい。いくつかの態様では、可視(例えば、着色)ガスを導入して、個々のチャンバ内の層流を評価し、密閉完全性を検出するなどしてもよい。いくつかの態様では、乾燥剤および/または吸着剤を使用して、チャンバ内の環境を制御してもよい。
配合領域3105は、周囲環境に対して陰圧とすることができる。有害エアロゾル化薬物またはフュームが配合領域3105内に含まれる可能性がある。これらは、本明細書の他の場所で記述された例のように、配合領域3105から排出させることができる。配合領域3105は配合中、周りの周囲環境に対し密閉されてもよい。APASセルの清浄度レベルを、配合中に連続してモニタすることができる。APASセルからの完了した生成物は、開口部出力ドアにより周囲環境に出力させることができる。開口部出力ドアを使用して、周囲環境への空気の移行を最小に抑えることができる。配合領域3105は、配合領域ドア3125、3130、および3135により周囲環境に開かれている。これは、補充、維持、およびルーチン洗浄のために、必要に応じて、または所定のスケジュールに基づき行うことができる。これは、配合領域3105の内側のルーチンのふき取りおよびクリーニング、ドリップマット(drip mat)の除去および置換、シリンジキャップ補充、ならびに鋭利な針の容器の除去および置換を含んでもよい。
APASセル3100は、APASセル3100からの排空気を濾過するHEPAフィルタユニット3140に収容されたHEPAフィルタを含むことができる。HEPAフィルタは、排空気中に含まれる汚染物質粒子を保持し、それらが周囲環境に放出されないようにする。APASセル排出システムは、複数のオペレーションモードを含むことができる。1つのオペレーションモードは、APASセルの排空気の完全な外部換気を含むことができる。このオペレーションモードをいくつかの過程、例えば、特定の細胞毒性薬物過程のために使用してもよく、いくつかの他の医用薬剤処理に対しては任意とすることができる。第2のオペレーションモードは、濾過した排空気の周囲環境への部分的または完全な再循環を含むことができる。このオペレーションモードは、細胞毒性薬物が関係しない医用薬剤処理、例えば、抗生物質処理において使用することができる。
配合領域3105は、配合領域3105上方のある位置にあるAPASセル3100の上面に載置されたファンフィルタユニット(FFU)3145からの清浄ULPA-濾過空気が供給される密閉筐体(例えば、チャンバ)を含むことができる。配合領域3105の体積を通過する空気流は、APASセル3100の配合領域3105の上面からAPASセル3100の配合領域3105の底面までの実質的に垂直な層流とすることができる。排空気は、配合領域3105の下方周囲を取り囲むダクト3150に引き込まれてよい。第2の独立FFU3155は、在庫供給領域3110のために清浄な空気を供給することができ、これはまた底に排気取り込みを有する。単一のファンユニット3160が、配合領域3105および在庫供給領域3110の両方からの排空気を引き出すことができる。ファンユニット3160中へのダクトおよび空気流のレイアウトを図31Aおよび図31Bに示す。ダクト3150および3165への空気流は制御して制限することができ(例えば、調節可能な風向計、フラッパ、スラット、または他の流れ制限要素を用いて)、ダクトを配合領域3105または在庫供給領域3110のいずれかより低い圧力とすることができる。制限を、配合領域3105の周囲ダクト3150の入口スロット3175のサイズを、換気扇3160により生じた圧力差によりダクト中に押し込むことができる空気の総量を制限するのに十分小さいものとすることにより実装してもよい。在庫供給領域3110中での圧力管理は、入口スロット3180を使用して同様の様式で管理してもよい。
1つまたは複数の技術を使用して、APASセル3100から離れる時に排空気を処理してもよい。細胞毒性薬などのいくつかの薬物を処理するために使用される態様では、抗生物質セルのためにユーザにより望まれる場合、換気扇放出パイプ3185をビルディングの外へと続くダクト(図示せず)に接続させることにより、実質的に全ての空気をビルディングから放出させてもよく、空気再循環グリル3190および関連する配管は必要ない可能性がある。
例えば、いくつかの抗生物質処理のためなどのいくつかの態様では、セルから廃棄される空気の実質的に全てを、セルの周りの周囲の局所領域に再導入させることができる。空気は、換気扇3160近くのAPASセル3100の両側にある再循環グリル3190から廃棄させてもよく、外部放出パイプ3185コネクションは必要ない場合がある。
例えば、抗生物質処理セルでは、いくらかの排空気が、ビルディングの外に排出されてもよいが、空気の残りは周囲局部領域に再循環させてもよい。この例では、空気再循環グリル3190および外部放出パイプ3185を使用してもよい。流れのいくらかは再循環ダクトに入り、グリル3190へと行く可能性があり、残りは、外部放出パイプ3185により外部に廃棄される可能性がある。空気流制御要素(図示せず)を外部放出パイプ3185中に配置し、下流ダクトの状態が外部因子により変動するのに伴い、流れの平衡を調節することができる。
いくつかの態様は配合領域3105中に、またはそれに結合された多くの領域を含んでもよく、そこでは、追加の空気の引き込みが含まれてもよく、セル環境の管理が支援される。本明細書の他の場所で記述されているように、そのような領域としては、消耗廃棄物がロボットにより堆積される、配合領域3105の下方の廃棄物置き場領域が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの態様はまた、1つまたは複数のプリンターを収納することができるプリンタハウジングからの空気流を提供してもよい。いくつかの別の態様は、1つまたは複数のマルチプルシリンジマニピュレータに対し局所性の空気流を含む。いくつかの別の態様は、一例が図26A〜30Fを参照して記述されているポート消毒システムにおける紫外線(UV)ランプを冷却するように作用する空気抽出システムを、配合領域3105内に提供する。
上記領域の各々における空気流は、例えば、周囲ダクト3150と流体連絡しているダクトを介して提供してもよい。そのようなものとして、配合流域3105内、およびその周囲の1つまたは複数の上記領域に低圧力ゾーンを提供してもよい。
いくつかの態様では、廃棄物置き場領域は、配合領域3105内の低圧力周囲ダクト3150に接続してもよく、配合領域3105から廃棄物置き場領域への局所空気流が発生する。廃棄材料(例えば、空のバイアル、使用済みシリンジ、および/または空のバッグ)からの任意の空中薬物残留物は、直接廃棄物置き場領域から引き出すことができ、実質的に、配合領域に移動して戻らないように阻止される。
プリンタハウジングおよびシリンジマニピュレータ筐体は、機構の集中およびこれらの領域全てで起きる活動の型のために、粒子源となる可能性がある。直接これらの領域から引き出された空気は、粒子を、配合領域3105に移動させておくのではなく、廃棄される周囲ダクト3150内に引き込むことができる。
いくつかの態様では、ポート消毒システムにおけるUVランプは、清浄空気流により冷却および/またはクリーニングされてもよい。そのような空気流は、冷却し、および/または粒子もしくは有機溶媒を、ランプ表面上に堆積することを実質的に減少させてもよい。低圧周囲ダクト3150に接続させると、空気をFFU出力(ここでは最も清浄である)の直下からUVランプハウジング内に引き込むこと、および冷却するためにUVランプ上方に流すことができる。いくつかの態様では、そのような冷却は、配合領域内で層流を中断させる可能性のある気流を発生させる場合がある追加の空気移動要素無しで実行してもよい。
図32は、APASセル内のAPASセル空気処理制御システム3200の例示的なブロック図である。APASセル空気処理制御システム3200は、配合領域3205、カルーセル領域3210、ファンフィルタユニット(FFU)#1 3215、FFU#2 3220、HEPAフィルタハウジング3225、結合変速駆動(VSD)換気扇3230および空気弁3235を含む。セル制御装置(図示せず)は、周囲圧力に対し、配合領域3205および、以前に在庫供給領域と呼ばれていた、カルーセル領域3110の空気圧レベルの制御を管理することができる。空気圧レベルは、APASセル空気処理制御システム3200により制御することができ、予め設定された圧力レベルが維持される。
配合領域3205内の空気圧レベルは、差圧センサ3245からの入力に基づき制御することができる。配合領域3205内の空気圧はまた、差圧センサ3260からの入力に基づきFFU#2 3220の速度を変動させることにより制御してもよい。
カルーセル領域3210の空気圧レベルは、差圧センサ3240からの入力に基づき制御することができる。カルーセル領域3210中の空気圧はまた、差圧センサ3265からの入力に基づきFFU#1 3215の速度を変化させることにより制御してもよい。
配合領域3205およびカルーセル領域3210中の空気圧レベルはまた、差圧3250および、HEPAフィルタハウジング3225内の空気圧レベルをモニタする、差圧センサ3255からの入力に基づき換気扇/VSD3230の速度を変動させることにより制御することができる。
カルーセル領域3210および配合領域3205内の空気圧レベルの圧力に基づく制御について議論してきたが、別の方法を使用してもよい。方法は、空気流量、速度測定、または空気粒子計数器測定を含んでもよいが、それらに限定されない。圧力を制御するために、方法を、単独で、または様々な組み合わせで使用してもよい。
差圧測定を診断として使用して、確実にファンFFU#1 3215およびFFU#2 3220が適当に動作するようにしてもよい。差圧はまた、差圧センサ3255により、HEPAフィルタハウジング3225中のHEPAフィルタ上で測定することができる。HEPAフィルタ上での差圧測定を実施して、HEPAフィルタローディングをモニタしてもよい。いくつかの態様では、1つまたは複数の生物フィルタを含む様々なフィルタを、配合チャンバ、貯蔵チャンバ、および/または、一例が図40を参照して記述されているクリーンテントのための空気処理システム中に含ませてもよい。
オペレータが配合領域ドア3125、3130および3135を開く時はいつでも、いくつかまたは全ての配合オペレーションを一時中断させてもよい。いくつかの場合、処理中の曝露臨界表面を有するアイテムはいずれも、廃棄または再消毒されてもよい(例えば、パルス紫外光により)。APASセルがISOクラス5の空気清浄度レベルを測定した後、配合領域3105中での処理を再開してもよい。例えば、圧力レベルが制御限界内にある、および/または粒子数が所定のしきい値未満であることが決定された後、オペレーションを再開してもよい。配合領域3125、3130および3135は一般に、各バッチ処理前後、サービス/クリーニングを除き、閉じられたままとしてもよい。いくつかの態様では、APASセルアクセスドアは磁気により制御されるロック(または、他のインターロックもしくはアクセス制御装置)を有してもよく、いくつかのモードでは、認定ユーザ以外へのアクセスが阻止される。
いくつかの態様では、粒子計数器を使用して、配合セル中の汚染物質粒子のレベルをモニタしてもよい。粒子計数器は、粒子が通過した時に感知するセンサ(例えば、レーザビーム)を含んでもよい。粒子が通過すると、粒子数を増加させることができる。例えば、粒子計数器はカリフォルニア州のClimet Instruments Companyから市販されているモデルCI-3000としてもよい。いくつかの態様では、粒子が、粒子サイズしきい値を満たす、または超えると、計数されてもよい。1つの例では、粒子計数器は2つのチャネルを含んでもよく、1つは約0.5ミクロン(μm)までの粒子を測定するものであり、もう一方は約0.5μmと約5μmとの間の粒子サイズを測定するものである。クラス100クリーンルーム基準を満たすために、粒子数は、1立方フィートの空気中、100またはそれ未満の0.5μm(またはそれ以上)の粒子で維持されてもよい。他のチャネル、計数器、または検出器は他の型またはサイズの汚染物質(例えば、煙)に対してモニタしてもよい。粒子数は、各薬物オーダーのために、例えば、APASのデータベース中に保存してもよい。
図33はAPASセル中のカルーセル領域の詳細を示す例示的な切断図である。カルーセル3300は、上面プレート3305を除去して示す。APASセル在庫アクセスは、在庫供給領域3110から配合領域3105中への、ロボットアーム3302とアクセス可能なロボットアクセスポート3310を有する開口部ドアを含むことができる。カルーセル3300をロボットアクセス位置に配置することができ、そこで、湾曲した壁パネル3315によりカルーセルラック3320の一部が、ロボットアクセスポート3310に提示される。これは、ドアパネルが常に実質的にドアアパーチャを遮断しているので、最小空気交換で管理することができる。これは、カルーセルの外側の周りにコンパートメントを生成させることによりAPASセル100内に実装してもよい。カルーセル1つあたり、12の在庫ラック、例はカルーセルラック3325および3320、の各々に対し1つのコンパートメントを生成させることができる。他の態様は、異なる数のラック、例えば2、3、4、5、6、8、10、14、16またはそれ以上などを含むことができる。
図34はAPASセル内のカルーセルトリムパネルの詳細を示す説明図である。コンパートメントは、カルーセル軸に取り付けられた下部円板から上部円板までの距離におよぶ三面シートメタルトリムパネル3405から形成させてもよい。トリムパネル3405は、各ラックにより占められた体積を、カルーセルの内側および隣接ラックから分離することができる。トリムパネルの2つの垂直縁は、調節可能なシール3410を用いて柔軟縁リップと適合させることができる。柔軟縁は、オペレータの安全のために、トリムパネル3405と隣接する壁パネルとの間の硬いピンチ点を実質的に避けることができ、一方、調節により、調節可能なシール3410をカルーセル円板の外径と一致するように配置させることができる。
APASセル在庫供給領域3110は、外部環境および配合領域3105のいずれかまたは両方に対し陽圧で維持してもよい。これはULPAまたはHEPA-濾過空気で加圧することができ、この空気は、床レベルに出口通気穴を有する在庫供給領域3110のFFU3155から送り込むことができ、体積を通って下降する空気により受入生成物の層流スクラビングが可能となる。
カルーセル3300を配合領域3105から分離する湾曲壁パネル3315は、上部プレートから底部プレート3330までのカルーセルの外径にぴったり合う、各カルーセルに対する湾曲セグメントを含んでもよい。好ましい態様では、湾曲壁パネル3315は、摩擦接触によりいくつかの材料と望ましくない粒子を発生させる可能性があるので、カルーセル外側特徴を妨害しない場合がある。そのため、約1mmのオーダーのギャップを湾曲壁パネル3315とカルーセルの行程容積との間で維持させ、摩擦接触を実質的に避けることができる。ロボットアクセスポート3310が湾曲壁パネル3315中に配置されてもよく、カルーセルが回転するにつれ、ドアアパーチャの両側で湾曲壁パネル3315に係合する、少なくとも1つの垂直トリムパネル縁シール3410が常に存在することができる。上面および底面カルーセルプレートは、ドアアパーチャの上面または底面へのすべての空気の経路を制限するように機能してもよい。これらの対策により、カルーセル回転中、またはロボットアクセスに対して配置されている間、制限されていない空気流がカルーセル体積から配合領域3105内に入ることを実質的に防止することができる。しかしながら、在庫供給領域3110から配合領域3105まで、ドア開口の周りでカルーセルを通って出て行く空気の量を最小にすることができる。在庫供給領域3110は清浄なHEPA濾過空気で加圧することができるので、汚染物質が配合領域3105中へ導入される機会は実質的にほとんどない可能性がある。配合領域3105を在庫供給領域3110体積よりも低い圧力とすると、潜在的に有害な材料が配合領域3105から在庫供給領域3110および/または周囲外部環境に移動しないように実質的に制限することができる。
カルーセルローディングドアアクセス3330は、これを通してラックが設置および除去されるが、ローディングドアが開かれている任意のある時間に充填されるラックコンパートメント3340を曝露させてもよい壁パネル3335で覆われてもよい。これはラックローディングアクセス3345により実施することができる。ラックローディングアクセス3345は壁パネル3335とカルーセル上部および下部プレートの外径とトリムパネル縁との間に同じ最小ギャップを有してもよい。この構造により、加圧在庫供給領域3310体積から清浄空気の制限された流れが、ローディングドアが開いている間、カルーセルを過ぎて出て行くことができるが、加圧により実質的に、全ての外部からの汚染物質が、外部環境から在庫供給領域3110に入らないように阻止される。例えば、サーボモータ駆動カルーセルのための制御装置は、オペレータ安全手段として、外部ローディングドアが開いている間、カルーセルの回転を阻止することができる。カルーセルおよび壁パネルは、カルーセルがローディング位置にある間、実質的に密閉されてもよい。
図35A〜35Cは、APASセル中の生成物出力シュート3500を示す図である。APASセル100から出て行く生成物は、生成物出力シュート3500に入れることができる。生成物出力シュート3500は、シュート3505および3510と呼ぶこともできる2つの生成物経路、内側ドア3515、外側ドア3520、内側面3525、外側面3530および生成物仕切板3535を含む。生成物出力シュート3505および3510および生成物仕切板3535により、セルを出て行く生成物(例えば、シリンジ、IVバッグ)の分離が可能となる。シュート3505および3510は、電磁作動ドアを有する端で封鎖される垂直生成物経路を含んでもよい。両方の生成物経路を覆う内側ドア3515、および両方の生成物経路を封鎖する外部ドア3520を存在させることができる。
図36A〜36Bは、図1のAPASセル100からの生成物の放出過程での生成物出力シュート3500を示す図である。生成物出力シュート上の内側ドア3515は、外部ドア3520が普通開いている3610間、普通閉じている3605。生成物がAPASセルから送り出される準備がされると、外部ドアを閉じることができ3615、その後、内側ドアを開くことができ3620、生成物を内側ドアの開口を通して、垂直生成物経路またはシュートの1つに入れることができる。その後、生成物はロボットにより放出させることができる。そこから生成物は降下することができる。降下するとすぐに、生成物は閉じた外部ドア3615上に存在することができる。その後、内側ドアを閉じることができ3605、数秒後、外部ドアを開くことができ3610、重力は、生成物が通路から出て行くのを支援することができる。外部ドアは、次の生成物が送り出される準備ができるまで開いたままとすることができる3610。内側ドアの開閉はソレノイド3625により制御することができる。外部ドアの開閉は、ソレノイド3630により制御することができる。別の態様では、各垂直生成物経路は別個に制御可能な内側ドア、外側ドア、または両方を有してもよい。
図37A〜37CはAPASセルのための例示的なプリンタシステム3700を示す図である。プリンタシステム3700はプリンタ3705および3710を含み、これらは筐体3715内に載置され、筐体は自動ラベルシャトル3735を含み、このシャトルは配合領域3105への経路を提供することができる。プリンタシステム3700はプリンタ載置プレート3775を含み、これは着脱が容易なピン3770を含み、これにより、プリンタ載置プレート3775アセンブリの除去が容易になる。筐体3715はオペレータが、例えば、媒体のロードおよびサービスのためにプリンタ3705および3710にアクセスするための外部ドア3730を含む。プリンタ筐体3715は、外部ドア3730の内側に配置され、ドアフレームに載置されたパネル3765に対し密閉させることができる。例えば、プリンタのメンテナンスのために、オペレータが外部ドア3730を開いた時に、パネル3765を使用して、APASセルの内側を周囲環境から密閉することができる。前に記述したように、プリンタ筐体3715は、プリンタハウジングの内側から、図31A〜31Bを参照して記述した空気処理システム中の低圧力点への流体連絡を提供するダクト、および/または活動ファンにより、配合領域3105よりも陰圧で動作させてもよい。この負の相対圧力は実質的に、プリンタオペレーションにより生成する粒子が、プリンタ筐体3715から配合領域3105に移動するのを減少させてもよい。
システム3700は1組のバネ仕掛けのハウジングドア3720および3725を含み、これらは筐体3715に通じ、配合領域3105から自動ラベルシャトル3735上のラベルトレイを受理する。シャトル3735は、スライドモータ3740、スライドカバー3745、スライドモーターハウジング3760、バッグラベルトレイ3750およびシリンジラベルトレイ3755を含む。シャトル3735は開口部ドア3720および3725を押し開き、入って、ラベルが適用されるシリンジまたはIVバッグに提示するための印刷されたラベルを獲得することができる。
図38は、図37A〜37Bのプリンタシステム3700のための例示的なトレイ3800を示す。トレイ3800はバッグラベルトレイ3750またはシリンジラベルトレイ3755であってもよい。トレイ3800はファン3805(例えば、DCまたはステッパモータを有する)およびプリンタハウジングに接触するための車輪3825を含む。ファン3805をトレイ3800の内側に載置し、ラベルは、プリンタから離れるとトレイ3800上に吸着させることができる。近接センサを上面プレート3810内に配置し、ラベルの存在および正確な位置を検出させることができる。流入空気3820の補助により、トレイ3800上にラベルが吸着されると、ラベルは全ての自然のラベルのカールおよび静電気の影響を克服することができる。これにより、ラベルはトレイ3800上に正確に配置され、除去され、その後、バッグまたはシリンジへ提示される。ファン3805は空気をトレイ3815からプリンタ筐体3715の内部に向かって送る。これにより、確実に、粒子が、プリンタ筐体3715中に吹き込まれ、配合セル3105内には入らず、その時にラベルが裏あてから除去される。
いくつかの態様は、1つまたは複数のプリンタおよび関連する適用装置を含んでもよく、ラベルが印刷され、それらのラベルがバイアル、シリンジ、および/またはIVバッグに貼り付けられる。いくつかの実装は、ラベルが分配されると、バイアルを回転しながらバイアル用のラベルを受理してもよい。様々な他の態様は、バーコード読み取り装置を用いてバーコード照合の識別に応じて、ラベルを印刷してもよい。いくつかのラベルは、健康管理提供者または患者の要求によって、全体または一部を1つまたは複数の言語で印刷してもよい。いくつかのラベルは、医療容器の正確な内容物の属性または画像情報の記述を含んでもよい。いくつかの態様は、IVバッグの露出表面に、1または2次元バーコード、テキスト、または他のしるしなどの情報を印刷してもよい。いくつかの例では、表面は特別にコートされてもよく、または前に適用したラベルを含んでもよく、マーキング材料がIVバッグの内側に漏れて入らないように実質的に阻止される。いくつかの態様では、機械で読み取り可能なしるし(例えば、バーコード、パターン)は、ピル、錠剤、または他の固体医用薬剤の少なくとも1つの表面上に刻印してもよい。いくつかの医療アイテムは、任意の他のラベルの代わりに、またはそれに加えて、RFIDタグを受理してもよい。
図39A〜39BはAPASセルの例示的な廃棄物置き場領域3900を示す図である。廃棄物置き場領域は廃棄物置き場3905および3910、内側ドア3915、外側ドア3920および廃棄物置き場領域筐体ライナー3925を含む。廃棄物置き場領域3900は、通過部を介して配合領域3105に結合させることができ、そのため、廃棄物置き場3905および3910はセル処理を中断させずに空にすることができる。廃棄物置き場領域3900はステンレス筐体、筐体ライナー3925とすることができ、これは、周囲環境から密閉することができる。閉じると、廃棄物置き場領域3900を配合領域3105から分離することができる内側ドア3915を取り付けることができる。廃棄物置き場3905および3910の除去のために外部から廃棄物置き場領域3900にアクセスするための外側ドア3920を取り付けることもできる。内側ドア3915および外側ドア3920は連動させることができ、そのため、外側ドア3920が数度開かれると、内側ドア3915は完全に閉じる。図31Aおよび31Bを参照して記述したように、APASセルのベースの周りの周囲ダクト3150に接続すると、内側ドア3915が開いている限り、空気はAPASセルから引き出され、外側ドア3920が開くと外部から空気が引き込まれる。これにより、エアロゾル化薬が廃棄物置き場領域3900から、APASセル領域に戻り、またはAPASセルから漏れないように実質的に阻止される可能性がある。連動は機械的結合により実装することができるが、内側ドア3915上の電気-機械アクチュエータ、外側ドア3920上の開始させる感知またはオペレータスイッチにより実装してもよい。
いくつかの場合では、シリンジプランジャの後ろのシリンジ円筒部の内側は臨界面と考えてもよい。シリンジプランジャの後ろのシリンジ円筒部の内側の例を、図46を参照してより詳細に記述する。APASセル100は、臨界面が非殺菌環境(例えば、ISOクラス5未満)への曝露を避けるように構成されてもよい。
シリンジをクラス5アセンブリ領域から、非クラス5環境を通って入手し、クラス5セル、例えばAPASセルに戻すためのオペレーション手順は、多くの様式で取り扱うことができ、例えば、シリンジ無菌が維持される。2つの例示的な実装を以下で記述する。
第1の例示的な実装はクラス5環境の清浄ラックにシリンジをロードするものであってもよく、ロードされるとすぐに、ラックおよびシリンジの上に清浄なカバーが置かれる。その後、ラックをアセンブリ環境からAPASセル3100まで、汚染の危険を最小に抑えて、輸送させることができる。カバーは、ラックがカルーセル領域3110中に設置されるまで定位置に留まることができる。カバーが除去されると直ちに、カルーセル領域3110内にロードされた曝露ラックの前面でのクラス5空気流パターンにより、汚染の機会が最小に抑えられる。APASセルにおける空気処理の議論で記述したように、カルーセル領域3110は外部環境に対し陽圧で維持することができる。外壁クロージャパネルとカルーセル上面および底面プレートと垂直トリムパネルシールとの間には約1〜2mmのギャップを存在させることができ、これにより、カルーセル領域3110中に入れられるとすぐに、清浄な空気をラックの前面の領域に流れ込ませることができる。外部ドアが開いている限り、上面、底面および両側から、清浄な空気をラックの面上に吹き付けることができ、外部環境汚染物質が実際にシリンジに到達する機会が最小に抑えられる。
図40は図1のAPASセル100の側面に取り付けられた軟壁の下降気流クリーンルーム4000および4005を示す。第2の例示的な実装は、本質的に、図40に示されるように、APASセルローディングのために、オペレータが入力することができる、軟壁の下降気流クリーンルームをセル構造の側面に追加することにより、カルーセルローディングドアの各々の外側で局所クラス5クリーン環境を作成するものであってもよい。この型のクリーンルームはAPASセルローディングパラダイムにフレキシビリティを付与することができる。これは、カルーセルドア3120を開かせるのに十分大きくすることができる。これにより、クリーン領域の内側のオペレータインタフェースパネルにアクセスすることができ、任意で、任意のルーチンオペレータタスクを容易にする小さな作業表面を含んでもよい。作業表面はAPASセルに載置させてもよく、または独立していてもよい。作業表面はまた、適当に装備した可動式カートとすることができ、これはまた、APASセルに補給品を輸送し、および/またはパッケージング材料を運搬する機構を提供してもよい。シリンジ、バイアル、および/またはIVバッグをクラス5クリーンベンチ中のラックにロードし、その後に、カバーされたラック内に入れて、APASセルに取り付けられたクリーン領域まで輸送し、その後、クリーン領域の内側にロードし、カバーを外すことができ、無菌過程が得られる。いくつかの態様では、シリンジおよび他の補給品は、すでにカルーセル中に設置されているラックに直接ロードするために、またはラックを取り付けたクリーン領域にロードし、その後、ラックをカルーセルに入れるために、カルーセルドア3120の外側のクリーン領域に直接持ってくることができる。
クリーンルーム4000、4005は独立型クリーンテントを形成してもよく、これは、任意の形状に形成してもよく、任意の適した寸法を使用してもよい。クリーンルーム4000、4005はそれぞれ、FFU4105、4020を含み、APASセルの天井から吹き落とす。別の態様では、クリーンルームは、APASセル上の存在するFFU3145、3155の1つに結合させるように構成可能な配管を含んでもよい。壁4025は、例えば、重複プラスチックストリップおよび/またはフレキシブルプラスチックシートカーテンの組み合わせであってもよい。そのような構成は、例えば、APASセルの側面からスイングさせ、または後退させることができ、必要に応じて、クリーニングおよびメンテナンスのためにAPASセルドアを開かせることができる。空気品質は、全てのドアが再び閉じられた後に迅速に回復させることができる。
図41は、例示的な病院環境のための例示的なAPAS4100を示す。APAS4100は、APASローカルネットワーク4110により1つまたは複数の遠隔ユーザステーション4105および4145に接続された、1つのAPASセル4130および2つの任意のAPASセル4135および4140を含む。他の態様では、4つまたはそれ以上のAPASセルをAPAS4100に含ませてもよい。ネットワーク通信(例えば、パケットに基づく通信)を用いて、任意の実際の数のAPAS4100セルは、様々な地理的な場所(例えば、1つのビルディング内の異なる場所、複数の施設間、または1つもしくは複数の地理的に離れた場所)から協調様式で動作してもよい。通信ネットワークの例としては、例えば、LAN、WAN、無線および/または光ネットワーク、ならびにインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークが挙げられる。
APAS4100は病院通信ネットワーク4115により薬物処理要求を受理してもよい。APAS4100は、現行の病院薬物オーダー/処方オーダー入力システム4120から薬物処理要求を受理してもよい。
いくつかの実装では、APAS4100は、薬物オーダーが調製され、確認され、手動処理のために薬局に渡される現行のプロセスフローモデルに統合されてもよい。プロセスフローモデルは病院ITシステム4150により管理されてもよい。いくつかの現行のオーダー入力システム4120は、薬物オーダー情報(例えば、薬物名、用量レベル、濃度、患者データ)を含む、病院プリンタ4125により印刷されたラベルを生成させてもよい。そのようなラベルは、薬局で手動により実行される動作に対する処理デマンドを作成することができる。APAS4100はそのようなラベル上の情報を、自動処理のための薬物オーダー元として使用することができる。
APAS過程が開始する1つの例示的な様式は、図41を参照して記述されているように、病院インタフェース上で薬物オーダーが入手された時に起きることができる。薬物オーダーはトリガー事象とすることができる。薬物オーダーは、時間を基本に開始され、ファイルが存在すると開始され、プリンタポートデータが獲得されると開始され、または病院オーダー入力システムのメッセージのいくつかの他の型が生じると開始される可能性がある。
APAS過程が開始する別の例示的な様式には、薬物処理のための患者に特異的ではないリクエストをオペレータが手動により入力することが含まれる。APAS4100を現行の薬局プロセスフローに組み入れてもよく、ここでは、医用薬剤を患者に投与するために医療スタッフによりリクエストが作成される。その後、リクエストが、典型的にはオーダー入力ソフトウエアと組み合わせて、薬局人員により調べられる。薬剤師は、用量レベル、患者が使っている他の医用薬剤、および他の関連因子を再検討することによりオーダー入力を調べてもよい。APAS4100は、すでに認証されおよび/または調べられた薬物オーダーを受理することができる。患者の特異的なオーダーをAPAS4100に直接入力するとこれらの安全性チェックを回避することができる。いくつかの態様では、APASは病院インタフェースを介して患者に特異的なリクエストを受理することのみが可能である。このオペレーションモードは、薬局でのバッチオペレーションを支持することができる。バッチオペレーションは、ある量の生成物がデマンドを見込んで調製されるオペレーションとすることができる。バッチ生成物はその後、冷蔵、または冷凍することができる。例えば、薬局オペレータは、100個の1g Cefazolinシリンジ、またはラインフラッシュのための200個の生理食塩水シリンジを調製することを望んでもよい。
データはすでにいくつかの電子フォーマット中に存在するので、設置場所(例えば、病院)はAPAS4100に要求された情報を含む電子ファイルを移動させてもよい。いくつかの実装が、周知の電子データ交換技術を使用してもよい。薬物オーダーは、例えば、APAS4100の外側で予め規定されてもよい。薬物オーダー、任意の禁忌、配合禁忌、または処方用量の正確さの妥当性の、任意の再検討を、APAS4100の外側の現行の病院システムにより実施させることができる。得られた薬物オーダーが処理のためのAPASセルへの入力となる可能性がある。
いくつかの態様では、APASは薬物リクエストについてのある重要情報を獲得するための病院システムへのインタフェースを含んでもよく、薬物リクエストはその後、APASにより処理されて、APASセルへの一連の処理命令とされ、APASセルは自動様式で、薬物オーダーの調製を制御することができる。
異なるインタフェース法の他に、薬物オーダーの実際の内容は病院間で変動することがある。APAS4100はオーダー入力のための様々な装置に対応することができるフレキシブルな薬物オーダーインタフェースを有してもよく、一方、固定され、認証されたバックエンド自動化システムが維持される。
薬物オーダーは様々な様式でAPAS4100から受理することができる。図42はAPAS4100に対する、APAS過程のための例示的な方法4200のフローチャートである。方法4200は、病院システムが、APAS4100によりFTPを介して取り出されるASCII区切りファイルを作成してもよい。
方法4200は工程4205での薬物オーダー取り込みで始まる。APAS4100に対する薬物オーダーを入手するための様々な方法。これらのオプションは、例えば、印刷ストリームデータの獲得、APASが病院のメッセージサーバへの接続を生成させ、薬物オーダーリクエストメッセージパケットを記録するHL-7インタフェースへの接続、データ記憶装置(例えば、メモリスティック、ディスク、CD、または他のリムーバブル記憶装置)からのデータの取り込み、直接の情報入力(例えば、手動再キーイング)、光学式文字認識の読み込み、および/またはバーコード情報の走査を含んでもよい。いくつかの実装は、電子データ交換法を含んでもよく、その一例は、XML、HTMLをコードする、またはそうでなければ、スタイルシートにより規定されるように、例えば、データフィールドと関連する可能性のあるタグ情報をコードするタグバーコードを有するバーコードを含む。
オーダー取り込み工程4205を実行する2つの例示的なアプローチを図43A〜43Bに示す。図43Aは、ASCII区切りファイルの作成が関係する例示的なオーダー取り込み法4300のフローチャートである。図43Bは印刷ストリームデータの獲得が関係する例示的なオーダー取り込み法4310のフローチャートである。オーダー取り込み工程4205を実行する別の方法は、HL-7インタフェースを含み、ここで、APAS4100は病院メッセージサーバへの接続を作成し、薬物オーダーリクエストメッセージパケットを記録する。
病院ITシステム4345は方法4300で薬物オーダー入力ソフトウエアを実行してもよい。病院ITシステム4345は、病院ITシステム4345内のデータベースに対しSQLクエリーを発生させることにより薬物オーダーラベルを作成することができる。薬物オーダーラベルはその後、プリンタ4350により印刷させることができる。
病院ITシステム4345はまた、ASCII区切り薬物オーダーラベルデータファイル4355を作成することができ、これはラベルデータファイルと呼ぶことができ、これはAPASによりファイル転送プロトコル(FTP)4360を介して取り出すことができる。ラベルデータファイル4355は、APASによりアクセスすることができる病院ITシステム上に含まれるフォルダに入れることができる。APASによりアクセスされると直ちに、ラベルデータパーサー4315はラベルデータファイルを解析し、APASが、薬物オーダーを処理できるかどうかを決定することができる。解析されたラベルデータファイルはその後、APAS内の薬物オーダーレビューシステム4320により再検討される。薬物オーダーがAPASにより処理できない場合、APASは薬物オーダーラベルを現行のネットワークプリンタ4350に送ることができる。
APASにより処理できる薬物オーダーでは、薬物オーダーレビューシステム4320がAPASデータベース4340に保存させることができる薬物オーダー記録を作成することができる。APASは計画ソフトウエア4325を実行することができ、これにより、APASデータベース4340に保存させることができる生産キューおよび在庫ロードデータが作成される可能性がある。データベース4340は、再び、在庫貯蔵工程4330で決定される情報により更新させてもよく、この工程では、在庫マッピングをAPASに対して作成させることができる。その後、生産工程4335で、APASは処理情報を作成し、これもまたAPASデータベース4340に保存される。
病院ITシステム4345は、方法4310において薬物オーダー入力ソフトウエアを実行してもよい。病院ITシステム4345は、病院ITシステム4345内の現行のプリンタドライバを選択することにより、薬物オーダーラベルを作成することができる。薬物オーダーラベルはその後、プリンタ4350により印刷させることができる。方法は、例えば、HL-7インタフェースを含んでもよく、この場合、APASは病院のメッセージサーバに接続し、薬物オーダーリクエストメッセージパケットを記録してもよい。
病院ITシステム4345はまた、APASに印刷するように選択することができる。APASプリンタドライバ4365を、病院ITシステム4345がAPASセル上のポートに印刷するように提供することができる。ポートは、様々な態様で、例えば、ネットワークコマンド、USB、ファイヤワイヤ、wLAN、または他の直列もしくは並列実装であってもよい。APASプリンタドライバ4365はAPAS上で印刷ファイルを作成することができる。印刷ファイルはラベルデータファイル4370の形態であってもよい。いくつかの態様では、ラベルデータファイル4370はラベルデータ解析ソフトウエアをトリガーしてもよい。ラベルデータ解析ソフトウエアはラベルデータファイルを解析し、APASが薬物オーダーを処理できるかどうかを決定することができる。ラベルデータプリンタ4375は解析されたラベルデータファイル情報を取り、薬物オーダーラベルを作成することができる。解析されたラベルデータファイルはその後、APAS内の薬物オーダーレビューシステム4320により再検討される。薬物オーダーがAPASにより処理できない場合、その後、APASは薬物オーダーラベルを現行のネットワークプリンタ4350に送ることができる。
APASにより処理できる薬物オーダーでは、薬物オーダーレビューシステム4320は、APASデータベース4340に保存することができる薬物オーダー記録を作成することができる。APASは計画ソフトウエア4325を実行することができ、これにより、生産キューおよび在庫ロードデータが作成されてもよく、これもまた、APASデータベース4340に保存させることができる。データベース4340は、再び、在庫貯蔵工程4330で決定される情報により更新させてもよく、この工程では、在庫マッピングをAPASに対して作成させることができる。その後、生産工程4335で、APASは処理情報を作成し、これもまたAPASデータベース4340に保存される。
異なる病院は異なるラベルフォーマットを有してもよい。様々なインタフェースに対応するために、図43Aおよび図43Bは、オーダー取り込み過程における入力法4300および入力法4310は変動する可能性があるが、入力法に関係なく、処理工程4320、4325、4330、および4335は同じままであることを示す。これにより、一貫した自動化方法を維持したまま、病院システムへのフレキシブルインタフェースが可能となる。APAS4100が最初に病院の場所に設置される場合、構成情報をAPASセル100中に予めロードさせることができ、これは、受理した薬物オーダーデータをどのように解釈するかを規定する。これは、薬物ラベルデータのどのセクションが処理のための重要なフィールドに関連するかを規定することを含むことができる。ラベルは、処理を自動化するのに必要ない情報、例えば、患者のベッド位置などを含むことができる。そのような情報は、調製したシリンジおよびバッグのラベルに出現することができる自由形式フィールドに保存させることができる。
例示的な態様では、APASにより処理される各薬物オーダーに対する薬物オーダー記録が、APASデータベース4340に保存されてもよい。各薬物オーダー記録は、薬物オーダーの処理中のAPASセルの状態に関連するパラメータ情報と関連させてもよい。この情報は、独特な用量IDを含んでもよいが、それに限定されない。データベース4340中の1つまたは複数のデータテーブルでは、パラメータ情報は独特の用量IDと関連させてもよい。例えば、オペレータ、ローダー、責任のある薬剤師、処方する医者または健康管理提供者、在庫ローダー、および患者関連情報は、各独特の用量IDと関連させてもよい。日付およびタイムスタンプ情報(例えば、開始時間、終了時間)は、各独特の用量IDと関連させた1つまたは複数のデータアイテムと関連させてもよい。情報はまた、使用した中間および出力医療容器を含む薬物オーダーを処理するために使用した医療容器の型(例えば、製造者、モデル)およびサイズについての情報を含んでもよい。医療容器情報としては、例えば、ある位置での内径および/または外径の測定値、長さ、画像情報(例えば、プロトタイプビットマップ)、および/または容器重量が挙げられる。各用量IDは、過程測定値、例えば、異なる処理段階での重量測定値、取り込み画像(例えば、ビットマップ、.gif、.jpegまたは.mpegビデオクリップ)、予測されるおよび実際の画像データ、画像比較信頼度レベルおよびしきい値レベル、バーコードデータ、パルス紫外線曝露の数および強度(例えば、または選択したプロファイル)および曝露したアイテムのアイデンティティと関連させてもよい。各用量IDは環境パラメータ測定値、例えば、粒子計数器読み取り値、空気処理システムにおける質量流速、内部(例えば、配合チャンバ内、在庫チャンバ内、クリーンテント内)および外部(周囲大気)湿度、温度、および圧力(例えば、ゲージ、チャンバ間および/または内外の差)と関連させてもよい。
APASデータベース4340中の薬物オーダー記録は、薬物オーダーを処理するために使用される薬物および/または希釈剤の画像、ならびに送達される容器内での最終オーダーの画像と関連させてもよい。APASの状態についての情報はまた、APASデータベース4340中の薬物オーダー記録に保存されてもよい。例えば、空気処理システムのための制御設定(ファン回転速度、流量制御要素)、様々なモータの動作、ロボットパラメータ(例えば、動作プロファイル、締め出し領域)、メンテナンスレベル、ソフトウエアおよびハードウエアバーション、訓練プロファイル、エラーまたは確認メッセージ、異常終了した薬物過程、病院インタフェースとの関連する通信、ユーザ入力情報、および同様の情報は各用量IDと関連させてもよい。APASデータベース4340中の薬物オーダー記録中に保存されてもよい他のデータとしては、薬物オーダーのための様々な他のパラメータ、例えば、有効期限、および、各薬物用量の調製と同時の、またはそれに関連する様々な他のAPAS設定および/または変数が挙げられる。
関連データベース中のそのような情報のいくつかまたは全てを収集し、および関連させることは様々な利点を提供する可能性がある。例えば、薬物用量記録は、個人用量に対しリコールしてもよく、または薬物処理のクラスのためにリコールしてもよい(例えば、先月に調製された10mLシリンジ用量全て)。リコールした記録は、過程制御改善、統計解析、監査、繰り返し、プロファイル編集、訓練、メンテナンス、および/または他の目的のために再検討してもよい。
オーダー取り込み工程4205が完了した後、APASは工程4210で受理した薬物オーダーを解析、確認する。様々な態様では、APAS4100は、広範囲にわたる入力薬物オーダーフォーマットに対応してもよい。入力マスキングスキームを実施してもよく、ここで、例えば、APASデータベース4340に保存された構成表は、ラベルに関する解析情報を含む。1つの実装では、1つまたは複数のSQL文がラベル内に埋め込まれてもよく、構成表を使用して、入力ファイルからデータを抽出し、APASデータベース4340中の薬物オーダー記録内で適当なフィールドを作成することができる。解析情報は、フィールドのデリミタに関する情報およびフォーマット情報を含むことができ、これらは取り込まれた印刷ストリームデータの場合に存在する可能性がある。解析情報はまた、要求されたキャラクタに対するトランケーションまたはストリングサブセットを含んでもよい。オペレーションを実行して、取り込んだプリンタデータ上などのプリンタ制御キャラクタを除去してもよい。様々な態様では、パケットヘッダー、ECC、XMLタグ、および/または他の型のメタデータを除去し、解釈し、またはパケット系もしくは他の直列あるいは並列通信からデコードし、薬物オーダーを処理するための情報を解釈してもよい。
入力マスキングスキームの実装により、APAS4100は、ソフトウエアをほとんどまたは全く変化させずに、様々なフォーマットおよび受理した薬物ラベル中のデータのオーダーに対応することができる。マッピング情報は、容易に改良することができる表中に含ませることができる。方法4200の典型的な適用では、病院は入力データの内容を予め規定し、構成データを予めロードすることができる。いくつかの場合では、この利点は、ソフトウエアの改良が必要とされずに、フィールドへの変更が可能となることであってもよい。これによって、様々なフォーマットが可能となり、APAS4100と統合する現行の病院情報システムにより要求される適応ワークを減少させることができる。いくつかの態様では、システムは、
1.CPOE(care provider order entry)インタフェース上で受理される薬物オーダーを再検討してもよく;
2.APASによりオーダーにタグをつける(例えば、ピックリストで)ことにより、受理した薬物オーダーのどれを取り扱うべきかを識別してもよく;および
3.薬物オーダーで要求された薬物量が、手動許容/制限のオーバーライドが受理されなければ、訓練範囲、許容範囲内にあるという確認を実施してもよい。
1つの例では、非標準量の薬物が、大きな患者のために要求されることがある。APASは公認ユーザーによるレビューに対しこの場合を警告してもよい。ユーザーは予め規定した制限を調節せずに、出来事を受け入れることができる。出来事が、正常と考えられる範囲内に含まれるべきと決定された場合、訓練した制限を変化させることができる。
薬物オーダーは、予め決められたフォーマット、例えば区切りASCIIファイルで受理することができる。いくつかの態様では、APAS4100は、薬物オーダーを解析し、正しいフォーマットであることを確認することができる。薬物オーダーはインタフェース上で受理された有効なオーダーの各々に対し、APASデータベース4340中で作成される。APASセル100は、確認を通過しないオーダーを識別してもよい。例えば、薬物オーダーは、薬物オーダーからキーフィールドを抽出することにより解析してもよい(例えば、薬物名、薬物量、単位、濃度、濃度単位)。確認はまた、薬物オーダーが、IVバッグおよびシリンジ訓練在庫の制約内で生産可能なオーダーであることを確認することを含んでもよい。確認は、工程4215で実施することができる。
個々の薬物オーダーが確認されると、それらは工程4220で生産キューに付加されてもよい。付加は自動であっても手動であってもよい。オペレータは、どのキューに薬物リクエストが割り当てられるかを制御し、キュー間でオーダーを移動させることができる。キューは生産のためにセルに放出されるオーダーの集合体を示す。キューを予め処理し、キューを満たすのに必要とされる薬物および消耗品の総集合体を決定してもよく、これは後に、ロードされるべき在庫アイテムのリストとなる可能性がある。
アイテムが生産セルに放出されるかどうかは、工程4225で決定される。アイテムが放出される場合、生産工程4230が実施される。アイテムが放出されない場合、システムはアイドル状態4235に移行し、その後、工程4205が繰り返される。
前処理の目的は、キュー中に収集され、生産のために放出される薬物オーダーの組を分析することでありうる。各オーダーは、オーダーを完了するために必要な処理工程を決定するアルゴリズムに従い処理されてもよい。データベース表には処理工程を読み込むことができる。工程は詳細、例えば引き出すべき薬物の量、必要とされるシリンジまたはバッグサイズ、および/または任意の追加の希釈要求などを規定することができる。これらの工程の完了した収集をコンパイルして、分配された用量に対する、薬物、希釈剤、ならびにバッグおよびシリンジ要求の総集合を決定することができる。APASソフトウエアは、その後各集合を処理することができ、例えば、どんなバイアルサイズを使用するかなどの在庫詳細を提供するオペレータによる繰り返しを介して、生産キューを満たす薬物を提供するのに必要とされるバイアルサイズと再構成処理入力の混合(例えば、シリンジ、希釈剤)が決定される。この情報を使用して、オペレータに対するディスプレイに送ることができる在庫貯蔵リストを作成してもよい。
自動配合装置は、特定の薬物オーダーのための予めロードされた情報を有してもよい。例えば、単一の自動装置は、1gセファゾリン充填シリンジ、または2gセファゾリンシリンジを取り扱うためのデータのプリセット表を有してもよい。中間用量、例えば、1.5g用量の取り扱いには、システムの再訓練を含んでもよい。APASの態様では、薬物オーダーおよび充填量は、アルゴリズム法により決定してもよい。このアプローチでは、ソフトウエアは、入手可能な医療容器(例えば、在庫にロードされるシリンジおよびバッグ)の制限内で生産させることができる任意の有効範囲の用量に対し処理工程を計算することができる。一例として、APASは1gセファゾリン100mg/mlオーダー、または2g、または1.5gオーダーを、さらに訓練する必要なく、正しく処理することができる。システムはまた、確認のために異常用量を警告するための範囲制限チェックを組み入れてもよい。
例示的な態様では、ソフトウエアを使用して流体体積要求、分配するシリンジまたはバッグサイズ、および追加の希釈工程を決定してもよい。例示的な過程は、APASにおいて、下記で記述した、薬物、再構成プロファイル、薬物濃度、および分配情報を規定する、一連のキーテーブルを使用してもよい。
図44は、APASソフトウエアが薬物オーダーを分析し、流体移行処理要求を決定する例示的な方法4400を示す。いくつかの態様では、APASは最初に、要求された薬物名、およびその濃度を工程4405で受理してもよい。例えば、薬物オーダーは、薬物名、薬物量、量単位、濃度、および濃度単位を含んでもよい。
次に、工程4410では、APASは変換係数を獲得する。変換係数を決定するために、方法4400はオーダーの薬物名を使用して、訓練した薬物情報にアクセスし、基本単位を見出すことができ、その後、オーダー単位を使用して、変換係数を見出すことができる。方法4400の最初のパスでは、薬物オーダー量を訓練した薬物表内の共通単位に調整することができる。例えば、訓練した表の薬物が基本単位としてミリグラムを使用し、薬物オーダーがグラムで表されている場合、薬物オーダーはミリグラムに変換することができる。オーダー上の薬物名を使用して訓練したデータにアクセスし、どの単位変換を使用して薬物オーダーをオーダーされた基本単位に変換するのかを決定することができる。訓練した薬物データベース中の訓練した薬物を、基本単位を示すフィールドと関連させることができる。典型的な単位はミリグラムまたはユニットとすることができる。薬物オーダー量を解析することができ、その後、変換を決定するための指標として使用することができる。例えば、セファゾリン1G 100mg/mlバイアル濃度はユニット/mlで表してもよい。
APASは分配表から分配情報を決定する。分配情報は、薬局で、どの媒体で、薬物用量および体積を分配させるかを含んでもよい。例えば、シリンジ、バッグおよびバッグサイズを分配表中のしきい値に基づき決定してもよい。工程4415では、システムは、媒体が、APASセルで必要とされる量を入手可能かどうかを決定する。必要とされる量が入手できなければ、薬物リクエストエラーが工程4420で示され、方法4400は終了する。エラーは薬物オーダーが未知の単位を有することを示してもよい。
しかしながら、必要とされる量が入手可能であれば、薬物オーダーは工程4425で医療容器(例えば、バイアル)と同じ単位に調整される。APASはリクエストをその薬物のバイアル中に存在する薬物濃度と比較してもよい。例えば、バイアルは、APASセルにより再構成してもよく、すでに流体を入手可能であってもよい。その後、工程4430で、流体引き出しを計算する。システムは、薬物オーダーの量をバイアルの濃度により割ることによりバイアルから移行させることができる流体量を決定することができる。
工程4435では、APASは、濃度が許容できるかどうかをチェックする。用量濃度を調節するさらに別の処理工程が必要かどうかは、バイアル濃度が用量濃度に等しいかどうかに依存する。
しかしながら、濃度が許容できなければ、その後、工程4445で、システムは希釈比を、例えば、バイアル濃度を用量濃度で割ることにより計算する。これは、ある量を引き出すこと、さらに追加の流体を引き出すことにより溶液を希釈すること、または引き出した量をバッグ内にデカントすることを含んでもよい。ステップ4450では、追加の希釈剤引き出しを、例えば、工程4445で計算した希釈比に流体引き出しをかけることにより計算する。流体引き出しをその後、この積から減算する。
工程4445後、または濃度が工程4435で許容されると、その後、シリンジサイズが工程4440で決定される。決定されたシリンジサイズは流体引き出しおよび追加の希釈剤に基づく。その後、工程4455で、APASは薬物オーダーがIVバッグに分配されるべきか決定する。IVバッグに分配される場合、その後、APASは、分配のために使用するIVバッグについての情報を含むバッグ情報を処理データに付加する。
工程4460後、または工程4455でIVバッグに分配されない場合、その後、処理データは処理データ表に付加され、方法4400は終了する。
様々な態様では、1つまたは複数の薬物表を使用して薬物濃度を決定することができる。そのような薬物濃度を使用して、例えば、オーダーを完了するにはさらに希釈が必要かどうかを決定することができる。
例示的なAPASは、パラメータを有する規定された工程の抜粋シリーズを含む方法を実施することができる。いくつかの場合、APASのような自動配合システムにより実行される薬物調製の型は、1つまたは複数のこれらの別個の工程に分解することができる。このアプローチを使用すると、APASは、広範囲にわたる処理要求に対応することができ、複数の型の出力生成物(例えば、シリンジ、バッグ)を支援することができる。
図44の例示的な方法では、方法の工程は引き出し、希釈、デカント、分配のオペレーションを含んでもよい。そのようなオペレーションの様々な組み合わせを使用して、本明細書で記述されているものなどのアルゴリズムを使用して薬物オーダーを調製してもよい。このアルゴリズム方法下の薬物調製物は、これらの4つの基本オペレーションの組み合わせに分類される。
いくつかの態様では、上記アルゴリズム法は、APASのための薬物オーダーを実装するためのデフォルトアプローチであってもよい。この方法はいくつかの典型的な適用に対処し、広範囲にわたる用量に対し、量の良好な解決策を取り扱うフレキシビリティを提供する。APASが支援する2つの追加の例示的な処理法を下記で記述する。これらの方法は、現行の病院オーダー入力システムからの薬物オーダーを介して、またはオペレータの操作により、起動させることができる。
薬物オーダー処理のための3つの例示的な方法は下記の通りである。第1の例示的な方法は、図44を参照して記述したアルゴリズム法の態様を含む。好ましい態様では、装置のオペレーションのデフォルト法を含んでもよく、一般に薬物の標準調製をカバーする。第2の例示的な方法はルックアップ法と呼ばれてもよい。ルックアップ法は、特定の用量レベルおよびAPASが訓練した、共通して繰り返される別の調製指示を規定してもよい。第3の例示的な方法はレシピ法を呼ばれてもよい。レシピ法は、薬物オーダーまたはリクエスト内に、調製指示を直接封入する。この方法は典型的には、どのように薬物オーダーを調製し、分配すべきかに変動がある場合、および/または共通に繰り返される指示がほとんどない場合(薬物処理が、患者の体重、表面積などの因子に基づき調整されうる、小児、化学療法、または他の用途)に、使用される可能性がある。ルックアップおよび/またはレシピ法は、例えば、薬剤師が、アルゴリズム法では正常な処理範囲の外側に存在する、薬物オーダー処理情報(例えば、引き出し、希釈、分配情報)を特定する状況では好都合である可能性がある。これらのおよび/または他の方法は単独で、または組み合わせて実装させてもよい。
いくつかの適用では、特定の用量レベルでの特定の薬物に対して経常的に何か異なることをするようにシステムを訓練する必要がある場合がある。例えば、システムが、特別な用量のためにアルゴリズム法ではなく所定のデータを使用するように訓練される可能性がある。APASは1つまたは複数の予め規定された調製表を使用して、特定の用量サイズの薬物に対する特定の調製要求を規定する方法を実装してもよい。この場合、APASが薬物オーダーを受理すると、予め規定された表に対しオーダーにおける用量をチェックすることができる。もし存在すれば、その後に、予め規定されたデータを代わりに使用することができる。病院がアルゴリズム法を使用することを望む時もあり、病院が規定済み法を使用することを望む時もある可能性がある。例えば、病院は、アルゴリズムにおけるデフォルトとしてシリンジに分配された1gのセファゾリンを要求するプロトコルを有する場合があるが、時として、病院は50ml IVバッグとして分配された1gのセファゾリンを必要とする場合もある。これを支援するために、APASのいくつかの態様は、薬物オーダーについての希望を特定する方法を提供し、またはオペレータが、バッチまたはバッチ中の1つもしくは複数のオーダーのいずれかに対し、この別の調製法が適用されることを特定することができる。デフォルト法は薬物名、量および濃度についての情報を必要とするが、この方法は別の調製法(例えば、ルックアップ表)を使用すべきかどうかを示す他のパラメータについての情報を受理してもよい。
レシピ法は、用量および分配媒体(例えば、シリンジ、バイアル、IVバッグなど)および濃度がかなり変動する場合に特に好都合である可能性がある。小児薬および化学療法薬調製などの用途では、用量サイズは、患者(例えば、体重、表面積、重さなど)によって変動する可能性がある。薬物オーダーまたはオペレータが薬物オーダーの特定の臨時の調製情報を含むことを望む時があってもよい。この場合、ラベル中の追加のパラメータがその1つの薬物オーダーに対する特定の調製要求を規定することができる。APASは調製のためにスクリプトレシピを支援することができる。例として、オーダーは10mlのセファゾリン100mg/mlの引き出し、20mlの滅菌水の引き出しおよびシリンジへの分配などの詳細を特定することができる。別の例は、10mlのセファゾリンを引き出し、これを50mlの滅菌水バッグに分配するものであってもよい。記述したように、方法は、薬物オーダー自体に、特定の処理命令を含ませることができる。そのため、APASは、アルゴリズムまたはルックアップ法のいずれも使用する必要はない可能性がある。薬物オーダー内の特定のコード化コマンドは、レシピ法に従うべきであることを規定することができる。
薬物過程を制御するために、APASソフトウエアは、プロセッサにより実行される場合、図44を参照して示したように、薬物オーダーに対して、前処理を実施するようにすることができる。流体移行量は、薬物オーダーの要求用量から、装置が取り扱うように訓練された薬物生成物の表に列挙された公知の薬物バイアル濃度を用いて計算することができる。この情報はその後、どの用量をシリンジに提供することができるのか、およびどの用量をバッグに提供することができるのかを規定する、薬局分配情報と組み合わせることができる。この情報はまた、使用するシリンジの物理的寸法特性と組み合わせてもよい。いくつかの態様では、特別な生産工程のために使用される薬物在庫アイテムを識別することができる、APASオペレータとの相互作用層が存在してもよい。それらはデフォルトを使用して識別することができ、またはオペレータは特定的に、どのアイテムを使用すべきかについての情報を入力してもよい。この相互作用では、処理は在庫アイテムを識別することができ、これによりAPASは薬物生成物、バイアル、シリンジ、バッグ、および希釈剤の総計を計算することができ、オーダー収集が処理される。この総計情報は、ロード命令、またはメッセージとしてオペレータに通信することができ、オペレータはアイテムリストを取り出し、装置在庫中に入れることができる。
前処理工程中、APASは各薬物オーダーに対し処理順序を選択することができる。例示的な例では、方法4400の実施は、シリンジ引き出しのみを含む。例は、例えば、1G 100mg/mlであるセファゾリンオーダーに対するものであってもよく、ここで、バイアル単位はmgである。バイアル濃度は100mg/mlである。これは、工程4405、4410および4415の結果でありうる。方法は工程4425へと続き、ここで、薬物オーダー量は、バイアルと同じ単位に調整される。これにより、1000mgの薬物リクエストとなる。工程4430では、流体引き出しは10mlであると決定される。これは、1000mgの薬物リクエストを100mg/mlのバイアル濃度で割ることにより決定される。工程4435では、バイアル濃度は用量濃度に等しいと決定される。APASは、工程4440で、流体引き出しおよび追加の希釈剤に基づき、10mlシリンジが必要であることを決定する。工程4455では、IVバッグは分配に必要ないことが決定される。そのようなものとして、データは10mlシリンジを獲得し、バイアルから10ml引き出すコマンドを含む。薬物オーダーに対するデータは、工程4465で過程表に追加され、方法4400は終了する。
方法4400の別の例は、さらに希釈およびIVバッグへの分配を含む。この例では、薬物オーダーは、1Gナトリウム6mu、500,000u/mlであるペニシリンオーダーを要求する。バイアル濃度は500,000mg/mlである。これは、工程4405、4410および4415の結果でありうる。方法は工程4425へと続き、ここで、薬物オーダー量は、バイアルと同じ単位に調整される。これにより、6,000,000uの薬物リクエストとなる。工程4435では、流体引き出しは12mlであると決定される。これは、6,000,000uの薬物リクエストを500,000mg/mlのバイアル濃度で割ることにより決定される。工程4435では、バイアル濃度は用量濃度に等しいと決定される。方法4400は、工程4440で、流体引き出しおよび追加の希釈剤に基づき、20mlシリンジが必要であることを決定し、これにより、必要とされる総量が12mlとなる。方法4400は工程4455に進み、そこで、分配にはIVバッグが必要であることが決定される。工程4460は、過程データにバッグ情報を追加する。この例では、生理食塩水の50mlバッグが必要である。工程4465では、薬物オーダーに対するデータが、過程表に追加される。データは、20mlシリンジを獲得し、バイアルから12ml引き出し、50mlの生理食塩水バッグを追加するコマンドを含む。その後、方法4400は終了する。
方法4400の別の例は、さらに希釈を含む。方法4400の例は、例えば、150mg/ml濃度を用いた、600mg、15mg/mlであるクリンダマイシンオーダーに対するものとすることができる。これは工程4405、4410および4415の結果でありうる。方法は工程4425へと続き、ここで、薬物オーダー量は、バイアルと同じ単位に調整される。これにより、600mgの薬物リクエストとなる。工程4435では、流体引き出しは4mlであると決定される。これは、600mgの薬物リクエストを500mg/mlの濃度で割ることにより決定される。工程4435では、バイアル濃度は用量濃度に等しくないと決定される。その後、方法4400は工程4455に進み、ここで、希釈剤比が計算される。この例では、希釈剤比は、10:1であると決定される。これは、150mg/mlの濃度の15mg/mlの薬物オーダーに対する比率に基づく。工程4450では、追加の36mlの希釈剤が薬物オーダーに必要であることが決定される。これは4mlの流体引き出しに希釈比10をかけることにより決定される。その後、4mlの流体引き出しを、結果40から減算し、36mlの追加の希釈剤引き出しが決定される。工程4440では、40mlの総体積に対し60mlのシリンジを使用してもよいことが決定される。工程4455では、IVバッグは必要ないことが決定される。工程4465では、薬物オーダーに対するデータが過程表に追加される。データは、60mlシリンジを獲得し、バイアルから4ml引き出し、36mlの滅菌水を引き出すコマンドを含む。
システムは、ミリリットルで表された、引き出される流体の量、およびミリリットルで表される標的シリンジの要求されるサイズ、および、もしあれば、分配されるバッグの型およびサイズを、独立に計算してもよい。この処理の最終結果は、薬物オーダーおよび流体移行パラメータおよびシリンジサイズを満たす工程を示すコマンド順とすることができる。これらの処理コマンドは、一時的に、および/またはデータベースに保存してもよく、生産オペレーション中のその後の処理に対する単一の薬物オーダー記録と関連させてもよい。
一例が図42を参照して記述されている、生産計画段階では、薬物オーダーに対する薬物および消耗品の総計が決定され、そのため在庫アイテムを選択することができる。様々な適用では、オペレータは、保存された規定および/またはユーザ入力を介して、またはどの在庫アイテムを使用すべきかについてのデフォルト定義を介して選択される在庫アイテムを提供してもよい。
例えば、生産キューに対するセファゾリンの総計は、90用量にわたって100gであってもよい。そのため、最小の100gのセファゾリンを在庫で提供してもよい。上記したように、複数のサイズのバイアルが存在してもよい。オペレータはどのサイズおよび製造者の内容物をランのために使用することができるかを示すことができる。いくつかの態様では、これはサイズに対する省略時解釈(default assumption)を用いて、または任意で、病院在庫システムへのインタフェースを介して自動化することができる。在庫の前識別により、システムは生産オペレーション中に適当な検証チェックを実施することができる。一例として、前識別は、後に、生産確認チェック中に使用されてもよい情報を識別してもよい。生産確認チェックは、例えば、機械視覚パターン照合、光学式文字認識(OCR)、バーコード走査、またはこれらのもしくは本明細書で記述された他の技術の任意の組み合わせを用いてバイアルラベル情報をチェックすることを含んでもよい。
いくつかの態様では、過程は、どの薬物在庫を使用すべきかを識別することを含んでもよく、使用する薬物サイズを含んでもよい。この過程は少なくとも部分的に自動化されてもよい。自動化識別は、いくつかの態様でオペレータにより覆されてもよい。1を超えるAPASセルが存在する場合、生産キューは特別なAPASセルに割り当てることができる。要求されたAPASカルーセルラックもまた識別されてもよい。
在庫を識別した後、APASセルは再構成処理要求を分析し、再構成過程を制御するために、表(例えば、データベース)に保存された一連のコマンドを作成することができる。再構成制御は薬物および標的濃度を規定するパラメータを有する高レベル過程コマンドを含むことができる。訓練した薬物および再構成データを有する予めロードした表を使用して、要求された希釈剤および希釈剤体積を決定することができる。
いくつかの態様では、この段階は、再構成および薬物処理の両方のための処理コマンドの完全な組と共に、生産過程に必要な在庫アイテム全てのリストを作成してもよい。APASセルはまた、各在庫アイテムに対するラックおよび位置を決定することができる。この情報はオペレータが再検討するために、ディスプレイに送られてもよく、または印刷されてもよく、オペレータはアイテムを取り出し、APASセルにロードすることができる。
この段階の間、APASセルは入手可能なラックコンパートメントに対する在庫ロード要求を確認してもよく、在庫ロードに対応するのに有効なラック空間が不十分な場合、いずれの問題も警告することができる。この時に、在庫ストックに対しさらに繰り返しを実行してもよい。例えば、オペレータはセルに100の小さなセファゾリンバイアルを使用するように指示する場合があり、これは、有効な在庫ラックの能力を超える可能性がある。そのような場合、生産プランは有効なラック空間が対応できるレベルまで減少させてもよい。
生産キューが前処理されると、システムはオペレータにアイテムのロードマップを提示してもよい。ロードマップはオペレータに、どの薬物、バイアルサイズ、シリンジ、またはバッグを在庫に入れるべきか、およびどのラックが要求される可能性があるかを示してもよい。
オペレータは、遠隔ユーザステーション206、または直接、例えば、APASセル付近に配置された端末(例えば、フラットパネルモニタ202)のいずれかで、APASソフトウエアと交信してもよく、手動により在庫アイテムをラックにロードしてもよい。いくつかの態様では、各ラックは図14に示されるようにバーコードがつけれてもよい。バーコード読み取り機を使用して、ロードされた時にバーコードがつけられたアイテム(例えば、医療アイテム、医療容器)を確認してもよい。オペレータは、セル中のどこに各在庫アイテムが配置されるかについての情報のデータベースを構築するために、いくつかのまたは全ての位置の内容を示してもよい。このデータベースを、生産中を含むその後の段階で使用してもよい。
バーコードを介する薬物バイアルの確認を、例えば、バイアルが在庫ラックにロードされた時に実施してもよい。これは、例えば、遠隔ユーザステーション206またはAPASセル100でのインサイチューローディング226のいずれかで、ハンドヘルドスキャナを用いて行ってもよい。APASセルの外でのラックのローディング中(例えば、在庫ステーションでの)、バーコードスキャナは、ラックに固定されたバーコードラベルを用いてラック型および独特な識別子を確認してもよい。
いくつかの態様では、ラックがAPASセルにロードされると、ドアを閉じることができ、カルーセルを回転させることができ、ラックバーコードおよびAPASセル内に配置した固定バーコード読み取り機を使用して、それぞれ設置したラックを型、通し番号および位置により確認することができる。この過程を使用して、どのラックが各カルーセルの位置にロードされているかを確認することができ、この過程により、APASセルは自動的に、各アイテムに到達する座標および動作プロファイルを決定することができる。
様々な態様は、使用したデータを交換し、医療アイテムに対するデマンド予測を提供してもよい。オペレーションから収集した情報を、適当なソフトウエアを用いて在庫購入決定に適用してもよい。同様に、収集したデータを送り状および請求書作成機能のために使用してもよい。
様々な態様では、APASは、ソフトウエアが、バイアル、訓練した生成物、および対象とする出力アイテム(例えば、バッグ、シリンジ、バイアル、キット)に関する情報に従い改善したアルゴリズムおよび規則を使用し自動的に流体引き出し、シリンジ、および生成物分配を決定する、薬物オーダー処理を実施してもよい。
一例では、薬物オーダーは病院インタフェースで受理することができ、処理のためにAPASに転送される。薬物オーダーは薬物名、用量サイズおよび/または要求される薬物濃度フィールドを規定することができ、ソフトウエアはこれら使用して処理要求を決定することができる。薬物オーダーはまた、他の情報(例えば、患者名、ベッドの位置、患者ID、注記)を含んでもよく、これらは調製した薬物生成物上のラベル上に現れてもよい。この情報は薬物オーダー上で現れてもよいが、APASによって使用されない。例えば、看護士は病棟で、または請求書作成の目的で患者IDをチェックし、APASから分離してもよい。自動的にオーダーを満たすために、APASソフトウエアはオーダーを分析し、リクエストを一連の処理工程に変換し、これらの処理工程は要求された薬物、流体移行、ならびにシリンジおよび/またはバッグ生成物を識別する。APASセルは既製のIV製品および標準シリンジに対応し、セル内で流体移行を実施することができる。予め設置された針を有するシリンジを在庫に入れ、その後、必要に応じて、2つのシリンジマニピュレータ322、334のうちの1つに移動させることができる。シリンジマニピュレータ322、334はグリッパーおよびモータ制御スライダーを含み、これらは、ソフトウエア制御の下、シリンジを保持し、シリンジプランジャを連接させ、要求された流体移行を実施することができる。シリンジマニピュレータ322、334はシリンジ円筒部を保持し、シリンジの針上にバイアルまたはバッグを突っ込み、シリンジのプランジャステムを把握、保持し、プランジャステムを上下に移動させることができ、針を介して流体移行が引き起こされる。
生産ラン中、APASセルはある薬物オーダーのために処理工程のこの集合を取り出してもよい。いくつかの態様では、システムは、薬物が要求されていること、どの流体量(例えば、mlで)が要求されているか、どの型またはサイズのシリンジが要求されているか(例えば、mlで)を示すデータから読み出すことができる。ソフトウエアは装置が入手可能な在庫をチェックし、適当なシリンジサイズを見出すことができ、適当な表からシリンジ物理特性を引き出すことができる。物理データを使用して、シリンジグリッパに対する寸法(例えば、プランジャボタン直径、円筒部外径、全長、針の伸張、最大充填量、および内径)を決定することができる。APASソフトウエアはここで、トップレベルの流体移行デマンドおよび使用されるシリンジ寸法についての情報を有する。その後、アルゴリズムを使用して、要求された流体引き出しミリリットルを、選択したシリンジの特別な型に対するプランジャステム移動のミリメートル数に変換することができる。いくつかの態様では、この計算は、シリンジの内径を使用して、流体の内側カラムの長さを決定することにより達成してもよく、これは要求されるプランジャステムの引き伸ばしに等しい。ソフトウエアは、例えば、製造者平均内径情報を使用して、製造公差の内径への影響を最小に抑えてもよい。いくつかの態様では、ソフトウエアは内径公差の2分の1に等しいデフォルトオフセットを追加し、平均の下側にあるシリンジを補償してもよい。いくつかの態様では、動的に調節可能なオフセットを使用してシリンジのために使用される補償を微調整してもよい。動的に調節可能なオフセットは、記録されたシリンジ測定値の統計解析に基づいてもよい。例えば、シリンジの重量を流体充填前後で量ってもよい。時間に対しこのデータを使用すると、調製した用量の履歴に基づく補償量の調節が可能となる。APASソフトウエアはシリンジマニピュレータスライダーの移動を制御し、所望の直線引き伸ばしを達成してもよく、これは所望の流体体積に等しい。充填シリンジの重さをその後量り、実際の重さが予測した重さと一致することを確認することができる。これは、内径変動の範囲を反映する公差を用いて実施することができる。重さが予測範囲内にある場合、システムはシリンジにキャップをし、ラベルを付し、その後、オペレータが取り出し、分配するように出力大箱中に入れる。様々な態様では、上記工程は、異なる順序で実行してもよく、追加の工程を含んでもよく、または変更して同様の目的を達成してもよい。
例示的な例では、処方は様々な順、例えば先入れ、先出しで割り当ててもよく、または送達スケジュールに従い優先順位をつけてもよい。システムは、処理前を含む様々な点で、処方を処理するための1つまたは複数のバイアル、シリンジ、および/またはIVバッグに対する要求されるサイズを決定してもよい。いくつかの処方を、別個の充填、流体移行、および/または配合過程で処理されるように指定してもよく、および/または例えば、完了すると収集レセプタクルを割り当ててもよい。出力は、ピル、錠剤、カプセル、もしくは他の固体、半固体、または液体形態で薬物オーダーを含むバイアル(例えば、再びキャップしてもよい)、IVバッグ、またはシリンジで提供されてもよい。いくつかの態様では、APASはピル計数器および/またはディスペンサを含んでもよい。出力は、医療アイテムのキットとして、他のアイテムとの組み合わせで分配されてもよい。例えば、シリンジは別のシリンジとパッケージしてもよく、この別のシリンジは同じ患者に同時に投与される。別の例として、1つまたは複数のIVバッグ調製物は、将来実行される可能性のある特別な外科的処置のためのシリンジを有するキットとしてパッケージされてもよい。さらに別の例では、シリンジは、保護シース中に入れられた針と共に、キット中で提供されてもよい。さらに別の例では、補助材料(例えば、スワビング材料、殺菌剤など)をキット中に、例えば、特別な患者または手順のための適当なものとして含ませてもよい。キットは、例えば、滅菌プラスチックバッグ中にパッケージされ、収縮包装され、パルス紫外光により消毒され、またはそうでなければ、貯蔵または将来の使用のために調製されてもよい。適当なパッケージングおよびラベリング装置を配合チャンバにおいて、貯蔵チャンバにおいて、クリーンテントにおいて、またはAPASの外部で提供してもよい。APASに結合させたコンピュータは薬剤化合物の調製と組み合わせてキットに対するリクエストを受理し、処理してもよい。
いくつかのシステムは1つまたは複数のウエブサーバを含んでもよく、APASに対する情報入力、制御および報告機能を含むウエブブラウザインタフェースを支援してもよい。ウエブサーバは例えば、インターネットまたは他の広域ネットワークへのゲートウェイを提供してもよい。1つの態様では、ウエブサーバを使用して遠隔操作により配合オペレーションの許可を与えてもよい。様々なプロトコル(例えば、HTTP、FTP)を使用して、遠隔ノードはAPASに許可信号を伝送してもよい。それに応じて、APASセルは、許可信号を検証すると、要求された配合オペレーションを実行してもよい。いくつかのウエブブラウザ態様としては、例えば、HTML、XML、JAVA、アプレット、サーブレット、または組み合わせを使用して開発されたモジュールが挙げられる。ウエブポータルなどのアプリケーションを様々なプログラミング言語と組み合わせて使用して、本明細書で記述した機能を支援してもよい。
APASの特徴としては、様々なサイズの様々な薬物を取り扱うフレキシビリティ、IVバッグおよびシリンジサイズの範囲の用量を調製する能力、およびこれらのアイテムを任意の順序で調製し、または用量調製物を混合する能力が挙げられる。
このフレキシビリティの達成は、ロバストオープンシステムを含んでもよく、システムをオープンにする特徴および方法を組み入れてもよい。様々な態様は、下記能力などの1つまたは複数の利点を提供してもよい:
・異なるサイズのバイアル中の薬物を取り扱う;
・異なる流体および異なるレベルを用いた薬物再構成を実施する;
・再構成のために様々な混合プロファイルを支援する;
・様々な混合期間を支援する;
・複数の製造供給元からの薬物、例えば、2つまたは3つの製造供給元からのセファゾリンを使用する;
・IVバッグに対しある範囲のサイズを取り扱う;
・一連のサイズのシリンジを取り扱い、複数の製造供給元を支持する。
薬物オーダー処理を支援するために、APASの例示的な態様は、関連データベース中にいくつかのデータ表を実装する。例示的なデータ表を下記する。データモデルは、APAS設計の独特な特徴を示し、これによりAPASソフトウエアは高いフレキシビリティを示すことができ、このようにAPASは複数の製造業者からの、サイズが異なるバイアルを取り扱うことができ、このサイズはそれぞれ、可能な複数の濃度および再構成プロファイルを有する。分配する生成物の最終形態のサイト特異的カスタマイズもまた可能となる。例えば、薬物オーダーのための出力容器は、患者が子供か大人により変動する可能性がある。そのため、小児病院は、特定の薬物オーダーのためのデフォルト容器をIVバッグと設定してもよく、非小児病院は同じ薬物オーダーのためのデフォルト容器をシリンジと設定してもよい。
シリンジ処理の全体的な流れを説明するために、データ表の概観を下記する。システムの例示的なデータベースでは、各薬物は、薬物製造者と1..N関係を有してもよい。例えば、セファゾリンは2つの製造者(例えば、Parmaceutical Partners of Canada Inc.およびNovopharm Ltd.)と関連してもよい。各製造者はバイアルに対し1〜多の関係を有する。例えば、Pharmaceutical Partners of Canada Inc.は、DIN 2237140および10Gバイアル;およびDIN 2236926および50mgバイアルなどのバイアル情報と関連させてもよい。Novopharm Ltd.はDIN 2108135および10Gバイアル;およびDIN 2108127および1Gバイアルなどのバイアル情報と関連させてもよい。各バイアル記録は、例えば、医療容器の寸法、公差、および重量などの物理特性についての情報を保存してもよい。別の例では、各バイアル記録は、再構成プロファイルへの1〜多の関係についての情報と関連させてもよい。例えば、DIN 2237140および10Gバイアルは、100MG/ML、滅菌水96ml追加;および200MG/ML、滅菌水45mlの追加などの再構成プロファイル情報と関連させてもよい。
APASで使用される薬物は、APASセルにおいて訓練されてもよい。例えば、バイアル取り扱いにおいて、APASにより物理特性および寸法を使用させることができる。オフセットを計算するために、ロボットアームにより物理特性および寸法を使用させてもよい。物理特性および寸法はまた、ロボットマニピュレータおよびシリンジマニピュレータ上のグリッパーにより使用させてもよく、APASにおいて訓練される様々なバイアルおよびシリンジに対する予測直径が決定される。また、ミリリットルで表された予測重量を、充填前にバイアル、シリンジおよびIVバッグに対して使用してもよい。公差レベルを、各物理特性および寸法、ならびに予測重量と共に含ませてもよい。いくつかの態様では、寸法はバイアルおよびシリンジに対するAPASセルでのグリッパフィードバックから入手してもよい。
オペレータは、自由に、APAS中の訓練されたアイテムのいずれかを選択して、APASセル在庫にロードしてもよい。訓練された在庫アイテムに対して保存された情報を使用して選択を決定してもよい。例えば、APASは1gおよび10gセファゾリンに対し訓練される。そのため、オペレータは1gと10gのセファゾリンバイアルから選択することができる。
いくつかの場合、システムは、ストック中の複数のサイズの薬物から引き出すことにより配合オペレーションを実施してもよい。例えば、貯蔵ラックはセファゾリン10gバルクバイアル(Novopharm DIN 02108135)およびセファゾリン1G(Novopharm DIN 02108127)を同時に貯蔵してもよい。いくつかの態様では、選択は、調製および/またはローディング中にオペレータにより決定または確認されてもよい。例示的な例では、50の1グラムバイアルが有効期限に近づいている場合、薬局人員は有効期限に基づき優先レベルを上昇させ、システムは、例えば、50の1gバイアルを、例えばオペレータに送られるロードマップに組み入れることにより応答してもよい。
いくつかの場合、システムは複数の製造供給元のいずれか1つにより供給されてもよい単一の薬物を用いて配合オペレーションを実施してもよい。例えば、在庫はNovopharm (DIN 02108135)により、またはPharmaceutical Partners of Canada Inc.(DIN 02237140)により供給されるセファゾリン10gバルクバイアルを含んでもよい。システムデータベースでは、配合プロファイルは、各供給源に対し、正しい薬物を識別し、いずれかの供給源を使用して配合オペレーションを完了するように適合されてもよい。いくつかの場合、両方の製造供給元からの薬物を同時に在庫にストックさせてもよい。
いくつかの例では、1つの薬物は複数の再構成プロファイルと関連させてもよい。特別なプロファイルを、要求された薬物オーダー用量に基づき複数のプロファイルから選択してもよい。例えば、セファゾリン10gバルクバイアル(例えば、Pharmaceutical Partners of Canada Inc., DIN 02237140)を注入のために2つの薬物プロファイルと関連させてもよい。200MG/ML用量を生産するための第1のプロファイルは、45mlの滅菌水を用いた希釈を含んでもよい。100MG/ML用量を生産するための第2のプロファイルは、96mlの滅菌水を用いた希釈を含んでもよい。
例示的な訓練薬物表はAPASで訓練された薬物を列挙する。薬物表は、ジェネリック薬物名を列挙し、薬物製造者の表に対し1対多の関係を有しうる。例えば、薬物セファゾリンは、複数の製造供給元を有することができる。この表は、APASソフトウエアに、どの薬物が装置による取り扱いのために訓練されているかを示す。APASが薬物を取り扱うように訓練されていることを確認するために、この表を参考にすることができる。
薬物表は、APASが取り扱うように訓練された薬物の全てのリストを含んでもよい。表は、ジェネリック薬物名を列挙することができ、これは複数のサイズで入手可能であり、および/または複数の製造者から供給させることができる。
例示的な薬物製造者の表は特定の薬物製造者に関連する情報を保存することができる。これは、薬物名、および薬物識別番号を含むことができる。薬物識別番号はサイズを示す。いくつかの態様では、この表は、複数の製造供給元からの複数の薬物および/または複数のサイズの薬物バイアルを保存することができる。例えば、製造供給元(例えば、Novopharm Inc.)は10gおよび1gのセファゾリンバイアルを提供することができる。
図45はAPASセルにおいて使用されるバイアルに対する例示的なバイアル特性4500を示す。薬物再構成表は、特別なバイアルをどのように再構成するかについての情報を保存する。例えば、Novopharm 10gセファゾリンに対する再構成流体体積は、Sebex Inc. 10gセファゾリンとは異なるものとすることができる。再構成を必要とする特定の薬物バイアルは少なくとも1つの再構成表入力を有してもよく、複数の再構成入力が濃度に基づいて各バイアルに対して可能である。例えば、Novopharm 10gセファゾリンバイアルは、45mlの滅菌水を用いて再構成させることができ、50mg/ml濃度が達成され、または、そのバイアルは96mlの滅菌水を用いて再構成させることができ、100mg/ml濃度が達成される。
例示的な薬物バイアル表4505は、特定のバイアルに対する寸法情報を保存する。特定のバイアルに対する寸法情報はバイアル直径4510、4515、4520、および4525、ならびにバイアル直径公差4530を含んでもよい。バイアルキャップ直径4535もまた含んでもよい。バイアルに対する寸法情報はまた、バイアルキャップ高さ4540、およびバイアル高さ4545などの高さを含んでもよい。バイアルはバイアル栓4550を含むことができ、これは栓クリンプ(crimp)キャップ4555を含むことができる。バイアル栓4550はキャップ開口4560を含むことができ、これはバイアル栓の上面に位置する。栓の凹深さ4565は、栓クリンプキャップ4555から栓4550の上面までの距離として規定することができる。栓の深さ4570は、バイアル栓4550の上面から底面までの距離として規定することができる。バイアル4575はグリッパ4580で保持することができ、ここで、グリッパフィンガー高さ4585は、バイアルの底面からグリッパフィンガー4580の底面までの距離として規定することができる。バイアル4575はバイアルラベル4590、バイアルネック4593、およびバイアルキャップ4595を含むことができる。
薬物バイアル表4505は、直径、高さ、乾燥重量、再構成重量、栓の穴の限界、訓練したバイアルラベル画像ならびにパターン照合およびバーコードのためのマスクを解析するための対象となるラベル領域へのポインタを取り込むことができる。これは、例えば、薬物製造者表入力との1対1表として実装してもよい。
バイアルラベルは、バイアルラベルの画像を撮るソフトウエアインタフェースおよびカメラを用いて訓練してもよく、バイアルラベルの独特な(例えば、情報に富んだ)属性が識別される。これらの独特な属性はパターン照合のための検索領域を形成してもよい。検索領域は、任意の特徴(例えば、薬物名、記号、数、またはバーコード)を含むことができる。これらの検索領域はまた、保存されるパターンを含むことができ、これに対して、その後のバイアルが比較されてもよい。バイアルを訓練したパターンに対して評価する場合、アルゴリズムは各領域にあるスコアを割り当て、どのくらいうまく、所定のバイアルが予め規定された、訓練されたパターンと一致するかを示す。しきい値を使用して、許容される一致が何であるかを規定してもよい。検証されるために、バイアルは予め規定されたパターンに対し非常に高い一致を有しうる。しきい値により、日々の薬局オペレーションで起きる可能性のある、バイアルラベル上の小さな引っかき傷のようなものに対し、いくらかの量の公差をシステムに組み込ませることができる。
1つのバイアルラベルにつき複数の検索領域を使用して、方法のロバスト性を増加させてもよく、誤判定の確率を減少させることができる。例えば、同じ製造者からの2つの薬物は、同様の外観(例えば、フォント、レイアウト、サイズ)、バイアルサイズ、およびいくつかの共通の文字を含む薬物名を有するラベルを有する可能性がある。例えば、薬物セファゾリンおよびセフォキシチンはどちらも、同様の物理的寸法を有する10gのバイアルの形で提供され、それらは同じ製造者に由来するので、同様のラベルを有する可能性がある。この例では、パターン照合ソフトウエアはセファゾリンバイアルを予測していたが、セフォキシチンバイアルが提供された場合、パターン照合は、2つの異なるバイアル間で約40%の一致を報告する可能性がある。これは、しきいスコア値を満たさないとして、方法から拒絶される可能性がある。追加の領域、例えば、薬物コード、およびバイアルに独特のいくつかの他のキーワードを組み合わせることにより、任意の単一領域に頼らずに、パターン照合の信頼性が改善される可能性がある。
薬物を扱うようにセルを訓練する過程中、バイアルラベル領域が規定されると、セルソフトウエアは他の訓練させたバイアルパターン全てを通り、不明瞭なバイアルがないことを確認することができる。不明瞭さが存在する場合、追加の領域を、全ての不明瞭さが除去されるまで、そのバイアルための訓練されたパターン組に追加することができる。
薬物分配表は、処理要求を決定することができる。この実装によりソフトウエアを、どのように各病院が医用薬剤を分配することを望んでいるかにカスタマイズすることができる。例えば、いくつかの病院はある医療アイテムのためにシリンジを選択してもよく、他の病院は同様の用途のためにIVバッグを選択してもよい。いくつかの生成物の型およびフォーマットに対する選択基準は、サイト特異的であってもよい設定プロトコルにしたがい変動することができる。プロトコルの差は、薬物生成物を受ける患者に関連してもよい。例えば、小児病院の子供は、IVバッグに入った薬物生成物を受けてもよく、一方、非小児病院の大人の患者はシリンジに入った同じ薬物生成物を受けてもよい。
別の例では、1つの病院は、シリンジで分配される200ミリグラムのゲンタマイシンを要求するプロトコルを有してもよく、一方、250ミリグラムまたはそれ以上が100ミリリットルバッグ中に分配される。
例示的な分配表は薬物、その分配情報(例えば、シリンジ、バッグ、バイアル)、および任意の適当な用量しきい値または容器間で選択するための他の基準、および容器の型もしくはサイズを識別する。そのような選択基準を、入力、出力、および/または中間生成物に適用してもよい。いくつかの態様は、出力に適用するキャップのフォーマット型(例えば、シリンジキャップ)を特定してもよい。ある種のキャップは色分けされ、タグ(例えば、RFID)が付けられてもよく、および/またはある種の使用特徴(例えば、不正開放防止機能、フック、簡単な除去)を提供してもよく、これらはオペレータまたはシステムデフォルトパラメータにより特定されてもよい。
図46は、APASセル100において使用してもよいシリンジに対する例示的なシリンジ特性4600を示す。シリンジ4610は、プランジャフランジ4615を含み、これはまたプランジャステムボタンと呼ばれてもよい。プランジャフランジはプランジャフランジ直径4680を含む。シリンジ4610はまた、プランジャステム4620、およびプランジャ4625を含む。シリンジはまた、円筒部フランジ4630、円筒部4635、ルアーロック4640およびシリンジキャップ4645を含む。シリンジはまた、針4650および針キャップ4648を含む。シリンジ4610は、図示されるように、針キャップ4648、針4650、円筒部4635およびプランジャ4620と共に組み立てることができる。
一般に、APASは、在庫があってすぐ入手可能な消耗品または入力を使用してもよい。APASセルは異なる製造者からの異なるサイズのシリンジに対応してもよい。APASセルは取り扱うシリンジの特性に関連する予め規定された情報を含んでもよい。再構成、シリンジ充填、およびデカントのための流体移行を正しく実施するために、シリンジの物理的特性についての情報を関連させることができる。物理的特性としては、内径4655および外径4660などの寸法が挙げられる。内径4655を使用して、流体移行を完了するための移動を計算することができる。他の特性としては、シリンジプランジャ4610での最大引き伸ばし4685を制限する最大充填が挙げられる。シリンジ情報はまた、APASセル内でのシリンジ操作のために使用することができる。これは、様々なシリンジ長、およびAPASセルにおける様々なグリッパを用いて取り扱うための外径を含んでもよい。シリンジ長はシリンジの閉じた長さ4665、全体のシリンジ長4670、およびプランジャ長4675を含むことができる。
図46は、シリングを把握するために使用することができるフィンガー4695を有するグリッパ4690を示す。グリップ距離4697は、グリッパフィンガー4695の上面からルアーロック4640の上面までの距離と考えることができる。
製造公差は、いくつかのシリンジ寸法に不確かな範囲を付与することができる。これは、APASセルにより考慮させてもよい。流体移動のために使用される内径は、製造者のデータ最小値および最大値を使用して、平均値を決定することができる。
例示的なシリンジ表4605は、APASセルが取り扱うように訓練された各シリンジに対し、寸法データを含むシリンジ情報を保存することができる。製造者、品番、およびシリンジサイズによりシリンジを識別することができる。APASセルが取り扱うように訓練された各シリンジの特性は、シリンジ表4605で規定することができる。寸法特性は、測定により、または外部入力から収集することができ、それにより、APASセルは、流体引き出しを、その結果、要求される流体移行を達成するための移動ミリメートルを正確に計算することができる。所定の流体移行を達成するプランジャステムの移動量は、シリンジの円筒部内径の関数とすることができる。
シリンジ表4605はシリンジについての予めロードされた製造者データを含んでもよい。構成ファイルは病院でどのシリンジが使用されるかを識別することができる。病院がシリンジ供給元を換えた場合、メンテナンススタッフは構成ファイルを変更してもよい。いくつかの態様では、APASはハードコードされている可能性があり、そうでなければ、ユーザ入力シリンジ情報を受理することができない。例えば、シリンジは、ロボットマニピュレータ上のグリッパーからのフィードバックを用いるシリンジ円筒部およびシリンジプランジャの外径の測定により、独特に識別されてもよい。いくつかの態様では、使用されるシリンジサイズはソフトウエアによりアルゴリズムにより決定されるので、APASのオペレータは、システムにシリンジ情報を提供しなくてもよい。いくつかの態様では、選択したシリンジは、円筒部径、プランジャ径、パターン照合を有する機械視覚、バーコード、重量、OCR、またはこれらの任意の組み合わせ、および/または本明細書で記述した他の記述などの、1つまたは複数の自動測定値により確認されてもよい。
異なる病院からの様々なラベリング要求を支援するために、いくつかの態様は、容易にラベルの内容の変更を支持するフレキシブル法を提供してもよい。APASは、出力ラベル定義のための方法を実装してもよく、これにより任意のサイトが完全にラベルをカスタマイズし、ラベルの内容およびレイアウトを容易に変更させることができる。ラベル中のデータ内容は、出力ラベルに含まれるAPASデータベース中の任意の表中の任意のフィールドからの内容を含むことができる。これは、一連のアクセス可能なラインとして出力ラベルを規定することを含んでもよい。各アクセス可能なラインは、ラベルの左下からのXおよびYオフセットの規定を有することができる。これにより、ラベルの印刷可能空間上のラインの位置のカスタマイズが可能となり、ラベルの物理的フットプリント(physical footprint)により許される最大までの様々な数のラインも可能となる。各報告ラインは、ラインのフォーマットおよび内容を規定する報告テキスト領域を提示し、または参照することができる。報告テキスト領域は、様々なパラメータを規定することができ、これには下記が含まれてもよい:ライン上で表される様々なパラメータ;これらのパラメータのデータベース表フィールド名;SQL選択文(表名を含む);およびフォーマット情報(例えばフォント、フォントサイズ、高さなど)。
SQL文の埋め込みおよびパラメータからのクエリー列の構築により、出力生成物ラベル上に載せることに興味がある場合、任意の表の任意のフィールドにアクセスすることができる。これにより、施設の要求を満たす出力ラベルの迅速改良が可能となり、試験および/またはトラブルシューティングのために使用してもよい。
訓練したアイテムに関するセクションからわかるように、訓練した在庫の各寸法は、寸法公差を含むことができる。さらに、在庫があってすぐに入手可能な、製造されたアイテムについて、APASセル上には公差が存在する。これらの公差は、例えば、ロボットマニピュレータに対する容器の位置および/またはシステム内での位置についての情報における累積不確実性の原因となる可能性がある。寸法変動性のため、1つまたは複数の独立したチェックが、ローディング、取り出し、用量確認、ならびに/または確認を実施するための入力、出力、および/もしくは中間生成物が関係する他のオペレーションに組み込まれてもよい。
医療容器における公差は、寸法、重量、および体積の様々な測定において反映される可能性がある。1つの例では、5つの異なるロット番号からのバイアルを有する1つの製造者からの薬物の10のバイアルの測定に対する公差は、測定直径において約2.5%の変動、バイアル直径において約1mmの変動を示す場合がある。別の態様では、10のバイアルの重量は、約1gの変動を示す可能性がある。さらに別の例では、同じロット番号からの6つの空の60mlシリンジの重量は1.2gの変動を示す可能性がある。さらに別の例では、10mlの勾配線まで充填した後の6つのシリンジの重量は約0.24gの変動を示す可能性があり、これは内容量の約2.4%の変動である。
図47は様々なサイズの薬物の3つの異なるバイアルを示す。多くの異なるバイアルが同様の直径を有する場合、バイアルサイズの不明瞭さが存在する可能性がある。そのため、バイアル高さの確認のいくつかの形態(例えば、視覚システムまたはエッジ検出)を、バイアル製造者の変更がある場合には含ませてもよい。
1つの実装では、1組の薬物オーダーまたはリクエストが、分析のためにAPASセルに伝えられてもよく、要求された薬物のリストが調製される。オペレータはリストを受け取り、正確な在庫を取り出すことができる。オペレータのチェックは、バイアルが、通し番号が付されたラック上の定位置に保存されいるという最初の確認とすることができる。その後、図5を参照して示したように、ラックをカルーセル上の、APASセルがロボットアーム506を介して選び出す既知の位置に置くことができる。別の態様では、在庫取り出し、ラックローディング、および/またはチェックは、自動貯蔵施設におけるように、部分的に、または完全に自動化してもよい。
図48はどのようにグリッパ情報を、APASセルのバイアル確認で使用することができるかを示す。ロボットアーム506には、図10を参照して示すように、可動フィンガー4810および4815を有する、グリッパ1000が取り付けてある。APASセル制御ソフトウエアは予め規定され、保存されたバイアル寸法(例えば、外径および公差)、カルーセルに対する座標情報、および番号付けされたラックにアクセスすることができる。1つまたは複数の動作制御装置を介して、APASセルは一連のロボットおよびグリッパ移動を命令し、在庫システムからバイアルを抽出させることができる。予め規定したバイアルデータは、例えば、バイアルのサンプルセットの測定から誘導した最小および最大直径に基づく公差と共に、バイアルの平均外径を含むことができる。フィンガー4810、4815を有するグリッパをグリッパ距離4805まで開かせることができ、これはバイアルの最大直径よりも大きく、要求されたバイアルサイズを収容する。最大移動4830はグリッパフィンガー4810、4815の各々に対し規定することができる。その後、グリッパに命令し、例えば、電流モードモーター制御を用いて、グリッパフィンガーがバイアル本体に対し一定量のトルクで閉じるようにして、制御された(例えば、一定)のトルクでフィンガー4810、4815を一緒に閉じるようにさせることができる。グリッパは、いくつかの態様では、シリアルインタフェース上で位置情報を通信するように結合されたセンサ(例えば、エンコーダー、レゾルバ、線形電位差計、線形エンコーダー、パルス計数器など)を有してもよく、シリアルインタフェースは制御装置(図示せず)にグリッパ位置情報を戻すことができる。制御装置中のソフトウエアは、グリッパをモニタして、いつ両方のフィンガーが動きを止めるかを決定してもよい。これは、グリッパが停止した時、または電流限界を超えた時に、または位置情報が進行を止めた時に決定することができる。ソフトウエアはその後、シリアルインタフェースにより提供された位置情報を読み取ることができる。
グリッパフィンガー4815の属性はグリッパフィンガーオフセット4820、グリッパフィンガーVノッチの深さ4825、およびVノッチの角度を含む。Vノッチの角度は、ノッチの1つの側からもう一方側へのVノッチの角度4830として、ならびに中心線4840に対するVノッチの角度4845として特徴づけることができる。例示的な例では、グリッパフィンガー4815に対する寸法は2.93mmに等しいグリッパフィンガーVノッチの深さを含むことができる。Vノッチ角度は、中心線4840に対するVノッチ角4845では72°とすることができ、ノッチの1つの側から他の側までのVノッチ角度4830では144°とすることができる。グリッパフィンガー4815の別の属性は頂点に対するバイアルエッジ4845を含むことができる。例えば、この大きさは18°とすることができる。
完全に閉じたグリッパを4850に示す。例えば、グリッパに対する最小移動は-1/2mm(例えば、オフセットによる)でありえ、グリッパに対する最大移動は68mmでありうる。
図49は、グリッパフィンガー位置フィードバックを使用する、バイアルの例示的な直径確認を示す。例示的なシステムでは、ソフトウエア中のアルゴリズムはグリッパフィンガー距離をバイアル直径に関連させることができる。各フィンガーはバイアルに係合するvノッチを有することができ、ここで、バイアルが小さいほど、ノッチにより深く入り、そのため、グリッパフィンガー位置フィードバックはバイアル直径に変換されなくてはならない。グリッパ1000からの位置情報およびグリッパ内のバイアルの計算した直径はその後、予め規定された公差を有する予測直径と比較させることができる。この組み合わせにより、バイアル直径が、公差内で予測直径と一致するかどうかについての確認が提供される可能性がある。
グリッパフィンガーが予測よりも多く閉じている、または十分閉じていない場合、間違ったバイアルが在庫位置に存在する可能性があり、またはバイアルが全く存在していない可能性がある。この工程を使用して、バイアルが、予測された内容量とサイズが一致していることを確認することができ、そのため、セルは、過程の次の工程に進むことができる。バイアル直径が予測される直径と一致しない場合、システムはエラー状態を識別する可能性がある。
例示的な態様では、バイアルはグリッパのフィンガー中に対称的に適合する。フィンガーは、移動深さを制限することがある4つの接点でバイアルに係合することができる。バイアルはVノッチに入り込むことがあり、バイアルの縁からVノッチの頂点へのギャップ4920を形成することがある。ギャップの長さはバイアル半径に対するものである。Vノッチを形成する角度は、フィンガー形状に基づき予め設定される。異なる角度を有する異なるフィンガー型が存在してもよい。フィンガーはグリッパ移動に対しオフセットを有するように載置させることができる。図48はバイアル輪郭4925、グリッパフィンガー輪郭4930およびVノッチ深さ4935を示す。
例示的な態様では、グリッパ移動は、下記式により大体特徴づけられてもよく、関連する局面を図48においてグリッパ移動距離4940として示す。
グリッパ移動=2r-(2(dV-x)-Fo)
式中:
Fo=予め規定したフィンガー形状(4905)
φ=Vノッチの角度(4910)
r=バイアル半径(4915)
c=r/cos(φ)
x=r-c(4920)
dV=Vノッチの深さ(4935)
いくつかの場合では、グリッパフィンガーはバイアルまたはシリンジ円筒部の円周に接触することができる。グリッパフィードバック距離は、アルゴリズムによりバイアルまたはシリンジの実際の直径に関連することができ、そのため、APASセルは保持した物体の直径が予測される範囲内にあることを確認することができる。図49および48は、上記のように、直径の確認におけるフィンガーの使用を示す。
バイアルおよびシリンジの直径は、製造のばらつきにより変動することがある。グリッパフィンガーは製造公差、ならびにグリッパ載置および整合公差を有することができ、これらは全て、直径の測定したグリッパ距離に影響する可能性がある。そのような公差に対応するために、許容される分散しきい値設定をシリンジデータにおいて規定してもよい。
変換に影響するグリッパフィンガーの寸法は全て(例えば、Vノッチの角度、図48を参照して示したような頂点までの深さ)は、データ表に保存されるパラメータとすることができる。フィンガーがAPASセルにおいて変更されると、これらのパラメータは更新される必要がある可能性があり、較正させたシリンダを使用して、製造のばらつきに対応する様にパラメータを調節することができる。
グリッパフィンガーによる測定に基づき、バイアル直径が、バイアルに対し予測される直径と一致することをシステムが確認すると、APASセル制御ソフトウエアはロボットに、バイアルを、図50で示されるような例示的なバイアルIDステーション5000まで運搬するように命令してもよい。
バイアルIDステーション5000は、回転プラットフォーム5005、カメラシステム5010、光(図示せず)、およびパターン照合ソフトウエアを実行するプロセッサ(図示せず)を含む。例示的な方法では、ロボットはバイアル5015をプラットフォーム5005の中心に配置することができ、APASセルソフトウエアは動作制御ハードウエア5020に、プラットフォーム5005の回転を始めるように命令することができる。バイアル5015が回転するにつれ、カメラ5010はバイアルラベル5025の画像をとることができる。画像はパターン照合ソフトウエアに渡され、ソフトウエアはバイアルラベルの領域を、その薬物に対する予め規定され、訓練された画像の組と比較する。領域はそのバイアルラベルの任意の独特な特徴を含むことができるが、通常、薬物名、薬物製造者、および/または薬物コード(例えば、NDCまたはDIN)を含んでもよい。バイアル5015は1または複数の回転数で回転させてもよく、それに伴い、パターン照合ソフトウエアは重要なラベルフィールドの照合について各画像をチェックする。ソフトウエアにおける1つまたは複数のしきい値設定により、バイアル画像と1つまたは複数の訓練した、予め規定された画像との間の照合を格付けすることができる。格付けはしきい値に基づく合格または不合格スコアに対応することができる。パターン認識に合格するためには、1つまたは複数の規定されたフィールドに対し十分良好な一致を存在させることができる。好ましい態様では、1つのラベルにつき少なくとも2つの独特なパターンを使用して医療容器(例えば、バイアル、シリンジ、IVバッグ)を識別してもよい。APASセルはバイアル画像を保存してもよく、これにより、確実に、重要なフィールドが、バイアルのロット番号および有効期限と共に取り込まれる。ソフトウエアはその後、論理リンクを作成することができ、画像およびバイアルを使用する薬物オーダーを関連づけることができる。これにより、任意の薬物オーダーを処理するために使用されるバイアルの記録を監査するための情報を保存する能力が提供される。
パターン照合ソフトウエアの追加の特徴は、画像中のバーコードの認識を提供することであってもよい。例示的な方法は、バイアルの1つまたは複数の画像の1つまたは複数の特徴についてのパターン照合を実行することを含んでもよい。パターン照合は、1つが入手可能であれば、バイアル画像の1つまたは複数からのバーコードを読み取ることと組み合わせてもよい。組み合わせにより、バイアル照合に対し追加のロバスト性測定を提供することができる。。
バイアル5015がパターン照合を通過しない場合、バイアル5015は拒絶される可能性があり、オペレータに通知してもよい。APASセルはその後、在庫システムから別のバイアルを取り出そうとしてもよい。システムは再試行数を制限することができる。複数回続けて検証に失敗すると、例えば、ラックロードエラーを示してもよい。
バイアルラベル5025が確認されるとすぐに、ロボットはバイアルをはかりまで輸送することができ、そこで、重量を量り、バイアルの重量を、バイアルの量および内容物を含む予め規定されたバイアル情報に基づきそのバイアルに対して予測される重量と比較することができる。
バイアルが重量確認を通過すると、シリンジマニピュレータグリッパにより選び出される。シリンジマニピュレータにはロボットと同様のグリッパを取り付けることができ、そのため、シリンジマニピュレータグリッパを使用してバイアル外径をチェックすることができる。
シリンジマニピュレータはバイアル栓高さセンサを含み、これはシリンジマニピュレータに対する栓の高さを決定することができる。バイアル栓高さセンサの例示的な態様としては、レーザ、音響測定システム、および/または関連する画像処理能力を有する視覚システムが挙げられるが、それらに限定されない。距離を使用してシリンジ針がバイアルの隔壁に入る移動深さを確認することができる。
未知の高さのバイアルを取り上げると、これは、貯蔵ラックに不適切に配置されたためである可能性があり、グリッパ1000はバイアルIDステーション5000でフィンガー内にバイアルをスライドさせるように徐々に開いてもよい。バイアルの確認はその後、高さに対して較正された、バイアルの取り上げ高さを使用して行うことができる。
製造公差またはバイアルの潜在的な変化によるバイアル高さの変動を説明するために、バイアル栓高さセンサを組み入れることができる。バイアル栓高さセンサはシリンジマニピュレータに統合することができ、これを使用して栓の高さを決定することができる。これはまた、バイアルのクリンプキャップに対する栓の凹深さの変動を取り扱うことができる。
典型的なバイアルは非対照であってもよい。バイアルのガラス表面の製造のばらつきは、バイアル直径についてのばらつきとなることがある。一例では、同じ製造者からの、同じサイズおよび同じ薬物の10バイアルの試料は、バイアルの周りの様々な位置でカリパーを用いて測定する単一のバイアルの直径において2%の変動、バイアル間の直径では2.5%の変動、および空のバイアルの重量では2.7%の変動が示される可能性がある。いくつかの態様では、各バイアルは再構成および使用前に重量を測定されてもよい。
いくつかの態様では、自動配合は、粉末形態の薬物に適当な量の流体を添加し、完全に混合されるまで撹拌することにより薬物を再構成する能力を含んでもよい。手動履行では、薬局人員は流体を添加し、バイアルを振盪させ、それを静置し、さらに、バイアル中で視認可能な粒子がもはや存在しなくなるまで振盪させてもよい。このアプローチに対する懸念は、薬局実務中または薬物モノグラフ内のいずれかで規定される定量化可能な混合時間が存在しないことである可能性がある。命令は、例えば、透明になるまで混合することを示してもよい。全てのバイアルサイズにおいて小さな粒子を検出することが困難で、粒子が存在しないと安全に結論することは困難でありうる。バイアルのサイズおよび型は大きく変動する可能性がある。いくつかのバイアルはバイアルのシリンダ全体の周りを包むラベルを有してもよい。いくつかのバイアルは、バイアルの下部に型押し仕上げを有してもよい。いくつかのバイアルはバイアルの底を被覆するプラスチックハンガーループを有してもよい。いくつかの態様では、APASは薬物訓練中に実行される例示的な方法を実装する。その方法では、手動混合のためにかかる時間を入力し、乗数(例えば、1.01、1.05、1.10、1.15、1.25、1.50、1.75、2.0、3.0、4.0、少なくとも約10.0まで)を適用し、混合時間の最小量を拡張することができる。薬剤師により2分の混合が必要であると決定された薬物に、例えば、2.0の乗数を割り当ててもよく、これにより、自動混合時間が4分となる。
APASセル内のミキサは、ソフトウエア制御下のサーボモーター駆動アセンブリを含んでもよい。アセンブリは、様々な速度およびプロファイルで様々な混合動作を実装することができる。いくつかの例では、各ミキサは、複数の面と適合させることができ、各面は、クリップおよびシェルフを用いて1つまたは複数のバイアルおよび/またはシリンジを保持するように構成させることができる。面および面上のクリップの混合は、各設置に対しカスタマイズすることができる。例えば、薬局はミキサ面のカスタム構成を有してもよい。別の例では、メンテナンススタッフはミキサ面を変更させ、ミキサに混合のための異なるクリップ能力を提供することができる。データ表はセル内での各ミキサの構成を規定することができる。複数のミキサを設置することができる。典型的な設置は、2つの独立して制御可能な混合ステーションを含んでもよい。バイアルの底に向かう方向でより激しく撹拌する混合プロファイルを実装して、確実に、バイアルが、例えば、2または3サイクル毎に激しく振り落とし、バイアルをシェルフの底に向かって移動させクリップ内での移動または上昇を阻止することにより、クリップ内で「移動」しないようにすることができる。
2または3の混合プロファイルは、装置が取り扱う薬物全てに対する要求を満たすことができる。これらは、積極的プロファイル、正常プロファイル、および弱振盪プロファイルから構成されてもよい。弱振盪プロファイルは、泡立ちしやすく、モノグラフが穏やかな混合を推奨する薬物に対するものであってもよい。手動過程では、混合は、粉末の浸漬が起きる間である待ち時間および撹拌時間の組み合わせにより達成することができる。APASセルでは、ミキサは、薬物バイアルがステーションに追加され、ステーションから除去されると、一時的に中止してもよい。
図51A〜51Bは、APASセルのための例示的なバイアルミキサ5100を示す。図51Aはカバーが除去されたバイアルミキサを示す。図51Bはカバーが取り付けられたバイアルミキサを示す。バイアルミキサ5100は、回転ドラム5105、バイアルクリップ5110、バイアル維持装置5115、バイアル載置パネル5120、フレームアセンブリ5125、サーボモータドライブ5130、およびギア減速ユニット5135を含む。
バイアルミキサ5100は、薬局技術者が、再構成過程中に、薬物を手作業により混合する際に使用する混合プロファイルをシミュレートしてもよい。バイアルミキサ5100はバイアルを保持し、それを振盪させる人と同様の速度および強度でバイアルに回転運動を付与することができる。
バイアルミキサ5100は、バイアルクリップ5110およびバイアル維持装置5115が載置され、ロボットによるバイアルの挿入が促進される、4つの面を有する回転ドラム5105を含む。維持装置5115は確実に、バイアルがクリップ5110中、激しく振盪している下では、シフトすることができず、ミキサから放出されるものとすることができる。ドラム5105の面上のバイアル載置パネル5120はそれぞれ、狭い範囲のバイアルサイズに構成することができるが、4つ全ての面の組み合わせでは、バイアルミキサ5100は共通して使用されるバイアルサイズを取ることができる。ミキサドラム5105上のパネル5120は、特別なAPASセルがより制限された、またはより広い範囲のバイアルサイズのいずれかを使用する場合、バイアルの補充は最小の再構成努力で調節することができる。
1つの態様では、ドラム5105はベアリング上のフレームアセンブリ5125中に載置させることができ、インラインギア減速ユニット5135を有するサーボモータドライブ5130により駆動させることができる。別の態様では、トルクおよび位置制御システム(例えば、電流および位置評価および/またはフィードバックを用いる)により駆動されるモータ(例えば、ステッパ、ブラシレスDC、誘導、同期、磁気抵抗など)はモーターシャフトからドラム5105への直接結合を有してもよく、または任意でシャフトカプラを介してもよい。位置制御モータは、例えば、4面の各々でドラム5105の反復可能停止位置を提供し、ロボットによるドラム5105上でのバイアルの取り出しおよび配置を促進してもよい。位置フィードバックはインデックス(例えば、家庭)、レゾルバ、エンコーダー、ホール効果センサ、パルス計数器、または他の周知の位置フィードバック技術を含んでもよい。混合動作プロファイルのフレキシビリティは、同じユニットおよび、薬物再構成のための時間を最小に抑えるために激しい振盪を必要とする薬物に穏やかな混合操作を提供することができる。サーボモーター技術は、遅い連続回転運動から、少なくとも約4Hzの周波数および少なくとも30°までの振幅を有する積極的な前後運動までの任意の型のプロファイルを提供することができる。
1度にミキサ上に多くのバイアルが存在する可能性があるので、最も穏やかなプロファイルを必要とする薬物は、所与の時間で振盪プロファイルを命令することができ、確実に完全に再構成させるため、より激しい撹拌を必要とする任意の薬物に対する曝露時間は、より長い時間により補償されうる。APASセルのいくつかの態様では2つのミキサを存在させることができるので、1つのミキサは穏やかな撹拌プロファイルに設定し、もう一方のミキサをより激しい撹拌に設定することができ、薬物はそれに応じてターゲティングすることもできる。動作プロファイルは各薬物型に特異的なパラメータとすることができ、プロファイルは、混合される薬物に適合するよう、要求に応じセル制御装置により自動的にリセットさせることができる。
モータおよびギアヘッド5135は通常カバー5140がつけてあり、保護され、容易なクリーニングおよび拭き取りが促進される。空気処理システムに結合された局所通気構造は、局所的な低圧を提供し、混合システムに対し局所的に生じる可能性のある全ての放出ガスまたは汚染物質を除去する可能性がある。
図52A〜52Bは、例示的なシリンジマニピュレータステーション5200でのシリンジデキャッピングの例を示す。シリンジマニピュレータステーション5200はシリンジプランジャグリッパ5210、シリンジ円筒部グリッパ5210、バイアルおよびバッグインデクサ5220、ならびにモーターおよび関連動作制御ハードウエア5225を含む。シリンジプランジャグリッパは、垂直範囲5230でスライドすることができ、シリンジ円筒部内でシリンジプランジャを押したり引いたりすることができる。シリンジ円筒部グリッパ5215は静止していることができる。グリップ距離5235は、図46を参照して記述したように、シリンジ円筒部グリッパ5215の底からシリンジルアーロック4640の上面までの距離とすることができる。バイアルおよびバッグインデクサ5220はスライド運動5245において垂直および水平に移動してもよい。
APASセル中のシリンジは、針および針キャップを取り付けて、在庫中にロードしてもよい。正常なオペレーション中、装置は針キャップを除去するオペレーションを実施することができ、その後、シリンジはマニピュレータで使用することができる。これをするために、シリンジは、針キャップを保持する針グリッパ5205を含むマニピュレータステーション5200で提示されてもよく、ロボットは、針キャップを除去する引き離し動作を実施する。針グリッパ5205は開いてキャップを解放することができ、センサは降下する物体を検出することができる。これにより、キャップが除去されたことが確認できる。針が過程中で除去されなかったこと、またはシリンジに針が取り付けられていなかったことを確認するために、APASセルは針グリッパ5205上でのグリッパフィードバックにより針の有無を検出することができる。針グリッパ5205上のフィンガーはノッチ内で針に係合することができ、これにより針はしっかりと保持され、IVバッグまたはバイアルのポート内に係合されるように針が真っ直ぐにされ、および/または整合される。針グリッパ5205はまた、グリッパフィンガー間の距離に関する位置フィードバックを提供することもできる。この位置情報によりグリッパフィンガー間に物体(例えば、針)が存在するかどうかを検出することができる。位置情報を使用して、フィンガー形状によっては、存在する針のゲージを決定することもできる。位置情報を使用して、シリンジキャップが存在するかどうかを決定することもできる。
シリンジ確認手順を使用して、1つまたは複数の測定直径に基づきシリンジ型を決定してもよい。いくつかの場合、1回の測定により、ロードしてもよいシリンジの全ての可能な型から一意的にシリンジ型を識別してもよい。いくつかの他の場合では、一意的にシリンジ特性を識別するために2つまたはそれ以上の測定が必要となる場合がある。
任意の所与の病院では、複数の製造供給元からのシリンジ型が存在する可能性がある。シリンジサイズが重なることがあり、この場合、あるサイズが1を超える製造供給元に由来して存在する場合がある。例えば、病院は2つまたはさらにそれ以上の製造供給元からの20mlシリンジを使用する可能性がある。供給契約を病院内で交渉、再交渉することも可能であり、共通のまたはデフォルトシリンジ製造者を変更することができる。APASは、1または複数の製造供給元からの1つまたは複数のシリンジを用いて機能するように訓練されてもよい。
様々な態様では、APASは、送達されたAPASそれぞれに予めインストールされている、公開された製造者情報から得られた、予めロードされ、予め規定されたシリンジデータを使用してもよい。処理中、APASは、キューまたはオーダーを満たすにはどのシリンジサイズが必要であるか、およびバイアルを再構成して薬物オーダーを満たすのに必要なものを決定することができる。この場合、オペレータは、薬物オーダー要求および予め規定されたシリンジデータに基づき、特別なオーダーを満たすにはシリンジのどの型およびサイズが必要であるかについての情報を受理することができる。
APASセルはシリンジを使用して流体移行を実施することができる。特定のシリンジの物理特性についてのデータを使用して流体移行のためのプランジャ操作を制御することができる。安全に、かつ正確に薬物リクエストを満たすために、シリンジデータは、送達されたAPASの一部である、確認、較正され、予め規定されたデータセットとすることができる。いくつかの態様では、APASはユーザがシリンジデータを変更することを認めないようにすることができる。そのため、APASにおいてシリンジデータを変更することは、適当な変更制御手順に従い訓練されたメンテナンス技術者により実行されるメンテナンスオペレーションなりうるが、デバイスユーザにより実施されるものではない。
図53A〜53Dは、シリンジプランジャが操作される様々な段階を示す。図53Aは、調節可能なシリンジプランジャグリッパ5330、調節可能なシリンジ円筒部グリッパ5315、針グリッパ5335および可動キャリヤ5325を含むシリンジマニピュレータ5330を示す。シリンジはプランジャステム5305、プランジャステムボタン5310、および円筒部5320を含む。
様々な態様では、APASセルは、プランジャステム5305に係合するように調節可能な幅を有するシリンジプランジャグリッパ5300を含む。シリンジプランジャグリッパ5300は、シリンジプランジャに係合するフィンガーを含む。作動システム(例えば、1つまたはモーター、および関連連結、伝導装置)を動作させて、シリンジプランジャグリッパ5300上でフィンガーの分離を制御し、様々なサイズのプランジャサイズおよびプランジャフランジ5310直径に対応させてもよい。調節可能なシリンジ円筒部グリッパ5315は、様々な異なるシリンジ円筒部5320直径に対応することができる。シリンジプランジャフランジ5310(またはステムボタン)は、この調節可能なシリンジプランジャグリッパ5300を介して直接押し引きするように係合させることができる。グリッパ5300は可動キャリヤ5325に結合され、または載置される。キャリヤ5325は垂直スライド位置決めシステムに結合され、これは電気的に、空気圧により、または油圧により動作させてもよい。キャリヤ5325の移動はグリッパ5300の動作によるプランジャの制御可能な押し引きに変換される。
プランジャステム5305位置およびシリンジマニピュレータ5330のシリンジ円筒部グリッパ5315内のシリンジの位置について情報を正確な流体移行オペレーションのために使用することができる。シリンジ5320、針およびプランジャ5305は、例えば、正確に制御して、針下降シリンジマニピュレータによるオペレーションを実施させることができ、この場合、シリンジを使用して、IVバッグから希釈剤を引き出すことでき、および/または流体を再構成のためにバイアルに追加することができる。
図53Bはシリンジプランジャグリッパ5300が閉じてシリンジプランジャフランジ5310に係合していることを示す。プランジャの抵抗力は、例えば、力の段階的増加として検出することができ、プランジャフランジの位置は、グリッパ5300の位置に基づきモニタしてもよい。
図53Cは、下方に移動し、シリンジプランジャステム5305をシリンジ円筒部5320内に押し入れる可動キャリヤ5325を示し、プランジャは完全に円筒部内に入っている。図53Dは、グリッパ5300が開いて、下方に進み、閉じてシリンジフランジ5310に係合した後の、グリッパ5300により捕えられたシリンジプランジャフランジ5310を示す。この位置から、シリンジプランジャを、キャリヤ5325の上方運動により、円筒部から、制御可能なように引き抜いてもよい。
APASセルは、例えば、どのようにシリンジが在庫中に存在するかについての潜在的な多様性のため、未知のグリップ高さを取り扱う可能性がある。この不確かさは、バッグまたはバイアル隔壁(栓)に対する位置に影響する可能性があり、深く穿刺しすぎる(バイアルから予測した流体体積を引き出すことができない)、または十分深く穿刺しない(隔壁を貫通しない、または部分的に貫通して空気経路を形成し、例えば、漏れ、エアロゾル化、または間違った流体移行が生じる)ことになる可能性がある。1つの態様では、シリンジマニピュレータを使用して、下記のように、高さに対しシリンジを正しく配置することができる。プランジャグリッパを閉じて、シリンジに向かって下げることができる。グリッパが垂直に下方に移動すると、閉じたフィンガーはプランジャステムを円筒部内に押し入れることができる。システムはスライダーからトルクフィードバックをモニタすることができ、トルクの段階状変化が検出される場合、プランジャは円筒部内に完全に存在している。その後、システムはプランジャステムグリッパを開き、プランジャステムボタンに係合することができる。この時点で、システムはシリンジ円筒部および針上でシリンジ円筒部をゆるめることができる。プランジャグリッパをスライドさせることにより、システムはシリンジの高さを適した垂直高さに調節することができる。
別の態様では、シリンジ円筒部グリッパはわずかに開き、円筒部がグリップ内にいくらか滑る。プランジャグリッパが閉じた位置にあると、プランジャスライダをそのサイズのシリンジに対し予測される高さまで下げることができる。この戦略により、実質的にプランジャを配置してもよく、そのため、プランジャステムが完全に配置されないと、プランジャはシリンジの円筒部内に移動する。プランジャを完全に配置させると、円筒部はグリッパ内で移動する。
図54Aは、シリンジマニピュレータ上のIVバッグを示す。図54Bは空隙を有するIVバッグを示す。例示的な方法では、流体はポート5405および5420を上に向けて、IVバッグから引き出されてもよい。ロボットは在庫ラックからIVバッグ5400を取り、注入ポート5405を針下降シリンジマニピュレータステーション1504上のクリップ5410内に配置することができ、この一例を、図15Aを参照して記述する。この向きのIVバッグ5400を用いると、空隙5415はIVバッグ5400から引き出すことができる。針は、栓貫通深さ5420に等しい量で、ポートを穿刺することにより充填ポート5405内に配置することができる。方法は、IVバッグは柔らかい側面を有する密閉容器とすることができ、そのため、空気および流体がIVバッグから引き出されるとバッグは潰れるという特徴を利用することができる。シリンジマニピュレータ1504は空気をIVバッグ5400から引き出すことができ、動作制御システムは、本明細書の他の場所で記述したように、シリンジプランジャステム上でトルク/力フィードバックをモニタすることができる。流体移行が空気移行と流体移行との間で移行すると力および/またはトルクが実質的に(例えば、段階状)変化することができる。例示的な例では、尖っていない充填針は、針を外し、その後、注入ポート栓中に再係合させた時に、空気流がバッグ中に戻るのを最小に抑える可能性がある。
いくつかの態様では、シリンジプランジャを引いた時のトルクの段階変化はまた、IVバッグ中への流体の移行により検出することができる。シリンジプランジャグリッパを設置したシリンジプランジャステムを移動させ、シリンジ円筒部内の真空を引くことは、空気と比較して流体を引いた時にトルクの検出可能な変化を含む可能性がある。別の態様では、シリンジプランジャステムは、IVバッグ内の予測される平均空隙よりも大きな既知のレベルまで引くことができる。シリンジプランジャステムは、引き出された位置で保持することができ、流体がシリンジ円筒部内で平衡に到達するまで停止することができる。流体が、シリンジ円筒部内で形成された真空を満たすと、トルク値は減少する可能性がある。次の工程は、シリンジプランジャステムを押し、流体がIVバッグ中に移行して戻るものとすることができるが、その間、トルク値がモニタされる。トルクの段階変化は、流体が全て、IVバッグ内に移行して戻されると検出することができ、そのため、実質的に空気のみがバッグ中に移行して戻される。シリンジプランジャステム位置データをモニタすることにより、どのシリンジプランジャ位置で、トルクの段階変化が起こるかを決定することができる。その後、プランジャをその位置に引いて戻すことができ、空気体積が除去されたIVバッグが得られる。
APASセルにロードされる必要があるシリンジを識別することは、いくつかの情報を識別することを含んでもよい。第1の情報は、薬物名、薬物量/体積、およびいずれのシリンジデータとも関係しない薬物濃度を含んでもよい薬物オーダーとすることができる。第2の情報は、サイト特異的薬物分配表とすることができ、これは、その薬物およびサイズのために、どのサイズおよび型の容器が使用されるかを規定する。
例えば、1つの薬局では2gの用量の薬物「X」が患者にシリンジ中で送られてもよい。異なる薬局では、その同じ薬物および用量がIVバッグ中で送られてもよい。分配表は患者にオーダーを送るのにサイト特異的優先を規定することができる。サイト特異的優先は、いずれのシリンジデータとも独立させることができる。第3の情報は薬物バイアル再構成データであり、これは流体移行体積要求を規定し、要求されるシリンジサイズの決定の一部である。
APASセルはこれらのアイテムおよびアルゴリズムを使用して、特別な医療容器(例えば、シリンジ)とは独立している流体体積移行要求を計算することができる。APASセルはその後予めロードされたシリンジデータを検索し、その流体移行を取り扱うのに適当なサイズの予め規定したシリンジを見出すことができる。一致が見出されると、APASセルはその後、予めロードされたデータからシリンジの物理的寸法を選択することができる。ローディングが要求されると、APASセルはシリンジデータをオペレータに出力し、ロードするのに選択されたシリンジ型およびサイズを識別することができる。
APAS制御装置は、予めロードされたシリンジデータを2つの例示的な過程、再構成および薬物オーダー処理で使用することができる。
再構成過程では、APASセルは、バイアル内で粉末薬物を再構成するのに必要とされる希釈剤の型および体積を規定する、薬物製造者からの公表されたデータを使用することができる。APASはこの情報を使用してバイアルのための流体移行体積を決定することができ、その後、自動的に、要求された体積を使用し、データベースを検索して、要求される移行体積を超える規定された体積を有する最も小さなシリンジを見出すことにより、再構成シリンジを選択することができる。APASはその後、要求される体積およびシリンジの内径についての情報を使用することによりシリンジプランジャ移動を計算することができる。
薬物オーダー遂行過程では、流体がバイアルからシリンジの円筒部中に引き出され、シリンジ全体を、患者が使用するように分配させることができる。この場合、APASは薬物名、量、濃度、および/または任意で患者の情報を含む入力された薬物オーダーデータを使用することができる。APASセルは、薬物体積および分配表データを使用して、どの型の容器に薬物および体積が分配されるべきかを決定することができる。例えば、1つの薬局では、2gの薬物オーダーが1つのバッグに分配される可能性があり、別の薬局では、1つのシリンジに分配される可能性があり、これは薬局間で異なるようにすることができる。APASセルはその後、自動的に、流体移行要求を超える、最も小さなサイズのシリンジを選択することができる。その後、APASセルはそのシリンジのパラメータ(例えば、内径)を使用して、総プランジャ変位を計算し、その後に、適当な動作サイクリング(例えば、プランジャの押し引き)を決定し、引き出し容器(例えば、バイアル)中で中身がエアロゾル化するのを阻止する適当な圧力を維持することができる。
いくつかの態様では、APASセルはユーザの入力シリンジ情報を受理しなくてもよく、設計により、安全性および流体移動の精度に関し、シリンジデータのユーザ入力を全て却下する。APASセルでは、シリンジデータは予め規定され、および公開された製造者データから予めロードされてもよい。
いくつかの態様は、APASセルにロードすることができる在庫の型を制限する。例えば、いくつかのAPASセルでは、オペレータは異なる、予め規定されたシリンジ型の間で選択し、オペレータが選択した型のシリンジのみをロードすることを確認することができる。いくつかの態様では、APASセルは、使用される時にどのシリンジが在庫中に存在するかを検出してもよい。
APASセルはどのシリンジ型がセルにロードされているかを確認するための方法を実装してもよい。たとえ好ましい実装戦略が、装置動作を、例えば、A型シリンジに制限するものであっても、ルーチン動作中に、オペレータが間違いを犯すこと、間違ったシリンジ型をロードする可能性がある。例えば、システムが、A型シリンジを予測しても、異なる内径および/または長さを有するB型シリンジがロードされる。検出されずに、B型シリンジを使用すると、不正確な流体移行となり、薬物オーダーエラーとなる可能性がある。照合のための装置を実装して、そのようなオペレータによるシリンジローディングエラーに関連するリスクを軽減してもよい。
APASセルは、システム中のグリッパからの直径フィードバックの、はかり情報(例えば、空の時のシリンジ重量)と、別の技術との組み合わせを使用して、どのシリンジがシステムに提示されるかについての不確かさを軽減させてもよい。独立した検出法の組み合わせを使用して、医療容器、例えば、シリンジ、バイアル、またはIVバッグを確認してもよい。例えば、1つまたは複数のグリッパフィードバックおよび長さフィードバック(例えば、光学光遮断器検出システムを使用)、ならびに/またはシリンジマニピュレータからのトルクフィードバック(例えば、位置の関数として)の組み合わせを容器確認のために使用してもよい。これらのおよび他の方法の組み合わせ、例えば、保存(訓練)した画像情報を視覚システムから獲得した画像と比較して容器を識別するものを使用してもよい。
いくつかの態様では、別個の薬物オーダー処理工程は薬物オーダーデータおよび予めロードしたシリンジデータを取得し、プランジャが移動する必要のある直線移動を計算してもよい。コマンドを、例えば、APASセル中の制御装置に対しバッファ内に配置することができる。1つの実装では、これはデータベース表としてもよい。
1つの態様では、ユーザ(例えば、薬局人員)は、手動によりシリンジデータを入力することによりAPASセル内に予めロードされたシリンジデータを無効にすることはできない。この態様では、制御装置は、いずれの入力シリンジ情報も受理しなくてもよく、制御装置は入力シリンジデータを使用してプランジャ移動距離を計算しなくてもよい。プランジャを移動させる制御装置は、いずれの入力シリンジデータを受理しなくてもよく、むしろ、プランジャ移動距離を規定する予め処理されたデータを受理してもよい。動作制御ハードウエアはこれを、例えば、ステッパ型モーターのためのモーターパルスカウントに変換する。制御装置はまた、アルゴリズムを実装し、流体レセプタクル(例えば、バイアルまたはバッグ)中の圧力を管理(例えば、保存しきい値未満で維持することによる)してもよく、シリンジプランジャを延ばすおよび縮める(例えば、押すおよび引く)が交互に起こることとなる。
APASセルは、例えば、シリンジ円筒部の内径についての情報を使用して、シリンジプランジャに対する移動距離を計算してもよい。
例示的なセル内では、APASセルは一連の線形グリッパを組み入れて、シリンジ、バイアルおよび/または針を保持することができる。グリッパの例を、図10および図53を参照して記述する。グリッパには様々なフィンガーを取り付けることができ、これには独特な特徴が組み入れられ、シリンジおよびバイアルのシリンダ上でのグリッパの保持が改善される。特に、フィンガーにはVノッチを組み入れることができ、シリンジ円筒部およびバイアル本体上での接触面積が増加する。グリッパフィンガーはシリアルインタフェースを介してAPASセル中の制御装置にフィードバックを提供することができる。フィードバックはグリッパフィンガー間の空間の位置情報を含むことができる。APASセルはバイアルおよびシリンジの多段階確認の一部としてこのグリッパフィードバックを使用することができる。
APASセルにおいて、IVバッグを、薬物を再構成する希釈剤のための源として、シリンジ内で薬物を希釈するための源として、および薬物を注入することができるレセプタクルとして使用してもよい。いくつかの態様は、IVバッグの自動処理に関連する入力および出力の内容を確認するための機構を提供してもよい。
図55A〜55BはAPASセルにおいて使用してもよいIVバッグの例示的な画像を示す。視覚サブシステムを用いたパターン照合を使用して、いくつかの態様では、バッグを識別することができる。
各IVバッグは、バッグを識別するために解決されうる様々な折り目およびゆがみを有してもよい。APASセルはバッグ画像のゆがみをとる方法を組み入れることができる。排出された平らなバッグを使用してベースライン画像を取り込むことができ、その後、APASはサンプリングしたバッグ画像をマッピングして訓練した画像に合わせることができるかどうかを決定することができる。ソフトウエアは変形格子を決定しようと試みることができ、これを獲得した画像に適用すると、訓練された画像と良好な一致が得られることになる。APASセルはいかにゆがみをとった画像が訓練されたパターンに一致するかのスコアを戻すことができる。別の方法は、訓練された画像に対する源として充填バッグの使用を含んでもよい。多くの場合、対象となる領域はバッグの縁の周りで湾曲している可能性があり、平らな画像の使用はより低い一致スコアを戻す可能性がある。
例示的な態様では、APASは複数の独立した方法を組み入れて、医療アイテム、例えば、IVバッグ、バイアル、および/またはシリンジの内容を確認してもよい。バーコードをIVバッグのラベリングに組み入れてもよい。APASは、バーコードがIVバッグ上に存在すれば、バーコードを使用して、バッグの内容についての別の独立したチェックを提供することができる。視覚ソフトウエアを使用して、取り込んだバーコードの画像を処理およびデコードしてもよい。光学文字認識ソフトウエアはテキストを有する画像を処理して内容を識別してもよい。いくつかの態様は外部バーコード読み取り装置を使用してもよく、バッグID検証は単一の光学システム(例えば、視覚システムおよび視覚ソフトウエア)のみに依存しない。
いくつかの態様では、バーコードは薬物識別番号を含むことができるが、複数のバーコードまたはバーコード内でコードされた追加の情報(例えば、ロット番号および有効期限)を含むこともできる。APASはバーコードを解析する、および/または薬物内容を識別するバーコードの独特なサブ要素を識別するプロセッサ(例えば、デジタル回路、ASIC、および/またはマイクロプロセッサ)を含むことができる。バーコードは一次元または二次元としてもよい。
いくつかの場合では、バーコードはバッグラベル情報と同じ面上に存在してもよく、バグの反対側に存在してもよい。APASセルはバーコード上の場所および位置情報を獲得する方法を含んでもよく、そのため、ロボットは正確にバーコードを配合チャンバの外側のバーコード読み取り機に提示することができる。例えば、バーコードがバッグの面上に存在する場合、ロボットによる回転操縦を実行して、バーコードを外部読み取り機に提示してもよい。
いくつかの態様では、APASは複数の方法を組み入れてバイアルの内容をチェックしてもよい。バーコードをバイアルのラベリングに組み入れてもよい。APASはバーコードがバイアル上に存在する場合、それを使用して、バイアルの内容についての別の独立したチェックを提供することができる。視覚ソフトウエアを使用して取り込んだバーコードの画像を処理およびデコードしてもよい。いくつかの態様は別個の外部バーコード読み取り機を使用してもよく、そのため、バイアル識別および/または確認は検証のための1つの視覚システムのみに依存しない。
バッグ流体内容物は、例えば、製造公差のために、バッグおよびバッチ間で変動する可能性がある。例示的なAPASセルは重量および重量差によりバッグを確認する方法を組み入れることができる。分配のために使用されるバッグの重量は薬物を注入する前後で量ることができる。重量差を使用して、適当な流体体積が追加され、または除去されたことを確認してもよい。流体引き出しのために使用するバッグはまた、使用前に重量を量ることができ、この重量を使用して、バッグサイズおよび予測される流体内容を確かめることができる。例えば、バッグの平均空重量および1mlの流体の重量をデータベース表に予めロードすることができる。使用前にバッグの重量を量り、バッグ材料の重さを減算し、重量を1mlの流体の重さで割ると、バッグ内の流体の概算体積が得られる。この数を、バッグから引くことができる引き出し数で使用することができる。データ表は、そのサイズのバッグに対する公差を有する予測される重量を含むことができるが、この方法は使用前のバッグの流体量を確かめることができる。
図56A〜56BはAPASセルにおけるIVバッグ識別および確認のための例示的なシステムを示す。システム5600は側面図、図56A、および上面図、図56Bで示す。システムを使用すると、上記のように認識のための視覚ソフトウエアを使用して、IVバッグ5605を識別することができる。カメラ5610を使用して、ホルダ5615内のIVバッグ5605の画像を取り込むことができる。IVバッグの取り込んだ画像をその後、画像認識ソフトウエアを使用して識別することができる。用量確認は、前に記述したように、再構成過程の前、中および/または後に、はかり5620上でIVバッグの重量を量ることにより実施することができる。用量確認目的で、APASソフトウエアは重量を使用することができる。
いくつかの態様では、APASセルは複数の対象領域を使用して、機械視覚パターン照合の精度を改善する方法を実装することができる。対象領域は流体名、および流体濃度を含んでもよい。いくつかの適用では、バッグは生理食塩水、ブドウ糖、または滅菌水を含んでもよい。生理食塩水およびブドウ糖の場合、濃度は、例えば、0.9%、0.45%および0.225%濃度の標準濃度で、区別されてもよいフィールドとすることができる。様々な態様では、視覚システムは薬物名および/または濃度を解像してもよい。
いくつかの態様では、様々な手順を使用してシステムの品質および/または性能を確認してもよい。例えば、患者および/またはパッケージ情報を、ロボットアームが貯蔵システムから医療アイテムを取り出す時に、ディプレイ装置に表示させるために送ってもよい。いくつかの例では、1を超えるコード、例えば、医療アイテム上のバーコードおよび印刷されてもよい関連ラベルを読み取ってもよい。複数のコードを比較し、そのコードが一致することを確認してもよい。例えば、いくつかの病院システムは、患者のデータが入力され、APASに伝送される可能性のあるデータ入力端末を含んでもよい。いくつかの態様では、総処理時間を前もって計算してもよく、その後、実際の処理時間と比較してもよい。そのような情報を使用してシステムの性能をモニタしてもよく、そのような情報を使用して、あるオペレーション(例えば、バッチオペレーション)が完了する可能性がある、および/または追加の在庫がロードされる時について評価することにより目的を予定し、計画してもよい。そのような予測情報を在庫制御装置に伝送してもよく、制御装置は、貯蔵システムにロードするラックに優先順位をつけ、調製し、休止時間を最小に抑えてもよい。
調製したシリンジは、ルアーロック先端にシリンジキャップが取り付けられていてもよく、実質的に、流体内容物の漏れまたは流出が阻止され、内容物が汚染から保護される。シリンジキャップを、制御された環境内の滅菌パッケージングトレイ内で保存してもよい。
図57はAPASセルで使用される例示的なシリンジキャップトレイ5700を示す。図58はAPASセルで使用してもよいシリンジキャップ貯蔵筐体5800を示す。図59は、APASセルで使用してもよい例示的なシリンジキャッパーステーション5900を示す。シリンジキャッパーステーションはカメラ5905、光源5910および5915、ならびに基準マーク5920を含むことができる。
APASセルはロボットマニピュレータを組み込んで、APASセル内のシリンジキャップトレイ貯蔵筐体5800からシリンジキャップトレイ5700を取り出し、トレイ5700をシリンジキャッパステーション5900内に配置してもよい。
図60A〜60Bは、APASセルにおけるシリンジキャッピングの例示的な局面を示す。シリンジ貯蔵トレイ6025中のシリンジキャップ6015の上面図およびシリンジ貯蔵トレイ6025中のシリンジキャップ6020の側面図が図60Aに含まれる。いくつかの態様では、シリンジのキャッピングには、キャップをシリンジルアーロックハブ6005に係合させることが含まれてもよい。いくつかの別の態様では、キャップは他の機構、例えば、スナップなどを使用して適用してもよい。プランジャ深さ6035を、シリンジにしっかりと取り付けられるようにシリンジキャップが被覆する必要がある深さとして示す。位置公差は、例えば、約+/-0.5mm 6010としてもよい。キャップはルアーロックハブ6005よりも約1mm大きく、ルアーロックハブ6005と大体同じ幅まで狭まるベベル6030を含むことができる。この設計により、シリンジ端で締まりバネが得られるが、キャップの中心を決定する、およびその決定された情報をロボットに中継し正しい配置を得ることについて、精度要件を課す可能性がある。ロボットはオフセットを使用して、シリンジ6045をシリンジキャップトレイ中のシリンジキャップ上に配置することができる。ロボットの訓練した位置は、1つまたは複数のマーカー、例えばIDステーション基準点マーカー6040を用いて規定することができる。
図61A〜61Bはシリンジキャップトレイ5700中のシリンジキャップの例示的な構成を示す。いくつかの態様では、APASは、キャップトレイのそれぞれの側で浅い照明を使用して、シリンジキャップの縁に良好な照明を提供する方法を組み入れても良い。カメラ5905はキャップトレイの高解像度画像を取ることができ、パターン照合ソフトウエアは画像を処理して、キャップ中の各穴の中心を配置してもよい。図61A〜61Bはパターン照合の結果およびバイアル中心の検出を示す。図61Bで示されるように、キャップが適所をはずれることも起きる可能性がある(例えば、キャップトレイの衝突のため)。画像処理ソフトウエアはキャップ中心間の距離を確認し、全ての重なり状態を検出することができる。例えば、図61Bの基準点1 6100は、キャップの中心が見出されているが、1つのキャップが別のキャップ位置に対し予測される距離から外れている例を示す。この場合、システムは少なくとも2つのキャップがエラーである(例えば、位置から外れている)と識別してもよいが、ソフトウエアはまた、近くのキャップを見て、それらが互いに予測される離れた距離にあるかどうかを考える。システムはまた、離れた距離が予測より小さい場合エラーと識別してもよい。
図62は図57のシリンジキャップトレイ中のシリンジキャップの例示的な構成を示し、ここで、1つのキャップ6200が置き間違えられている。この例では、1つの位置が外れたキャップ6200は、シリンジが7つのキャップのいずれかにアクセスする明確なラインを有していない可能性があるので、6つの周囲のキャップが、無効であると考えさせる。この試験を使用して、シリンジが、1つまたは複数の軸(例えば、x、y、およびz方向)のキャップへの明確な経路を有することを示してもよい。処理の終わりに、ソフトウエアは、正しく配置されたキャップの集合を識別してもよく、また、使用することができない全てのキャップを識別してもよい(例えば、紛失、他のキャップに重なっている、予測した隔離距離より短い)。
いくつかの態様では、固定基準点マークを、ロボットに対する固定位置参照点にあるキャッピングステーションで組み入れることができる。画像処理ソフトウエアは、図60Bを参照して示されるように、この固定基準点マークに対しXおよびYオフセット6000を提供することができる。固定基準点マークは訓練させたロボットの位置としてもよく、これにより、例えば、マークの中心は、ロボットのx、y、z、回転、および関節角度で知られている。トレイ内のキャップの高さはデータベース表に保存させることができ、トレイ中の全てのキャップに対し一貫している。いくつかの態様では、x、yオフセットのみがロボットに提供されてもよい。
シリンジは流体を含む可能性があるので、シリンジの円筒部上でグリッパを締め付けるために、ルアーロックハブ端で小さな滴が生じる可能性がある。システムは、クロス汚染の機会を最小に抑えるためにキャップをつけたシリンジを運搬する際の動作軌道を識別し、および/またはそれに従うようにプログラムされてもよい。デニードラー(deneedler)からキャッピングステーションまでのロボット経路は、任意の他の装置を見過ごさないように配列されてもよく、実質的に、全ての液滴が他の表面上(例えば、未使用キャップ、他の医療容器、医療容器と接触する表面)に落ちる機会が最小に抑えられる。そのようなプロトコルは、シリンジからの滴が、クリーニング可能な滴受け上に滴下されることを提供してもよい。例えば、キャップされていないシリンジをキャッピングステーションに至らせると、APASソフトウエアは、キャップされていないシリンジが、クロス汚染の機会を阻止するために、全てのキャップを通過しないことを確認してもよい。その後、いくつかの態様では、APASセルはトレイの外縁から、または、途中の任意の他のキャップを通過するシリンジキャップへのアプローチを実質的に避けるいくつかの経路を介して、入手可能なシリンジキャップを選択してもよい。
シリンジのためのキャッピング操作が完了するとすぐに、APASセルは、シリンジキャップが正しくシリンジに取り付けられているか確かめてもよい。APASセルは、カメラおよびパターン照合ソフトウエアを使用する方法を組み入れて、シリンジキャップがシリンジの端にあることを確かめることができる。ロボットに命令して、キャップおよびシリンジの側面図の縁がカメラの視野内に入るように、シリンジを配置する操作を実施させることができる。画像を取り、パターン照合ソフトウエアを使用して、シリンジ上のキャップパターンの存在を検出することができる。
いくつかの態様は、1つまたは複数のシリンジキャップが保存される可能性のあるステーションを含んでもよい。様々な態様では、シリンジキャップの供給が、1つまたは複数の型のシリンジに対し提供されてもよい。
いくつかの態様では、APASセルは、バイアルキャップが、在庫ラックに入れられる前に除去されることを期待してもよい。いくつかの態様はさらに、バイアルキャップが、バイアルを使用しようという試みの前には存在しないことを確認する(例えば、バイアルの隔壁に針で穿刺する試みにより)装置を含んでもよい。例示的な態様では、バイアルデキャッピングを確認する方法はカメラおよびパターン照合ソフトウエアを含んでもよい。ロボットに命令して、バイアルのプロファイルまたは上面図をカメラの視野内に送達させることができる。カメラはその後、バイアルの写真を撮り、画像を保存してもよい。画像を訓練した画像と比較することができる。訓練した画像はバイアルの上面上の隔壁の円形領域またはバイアルキャップのプロファイルのハードエッジから構成されてもよい。訓練した画像をバイアル画像と比較して、バイアルキャップが存在しないことを確認してもよい。確認は、カメラが円形隔壁を見て、バイアルに穿刺しても安全であることを確認する実証によるものであってもよい。
上記態様の他に、いくつかのAPAS実装は、医療容器、例えばボトルおよび/またはバイアルなどからキャップを除去するためのデキャッピング装置を含んでもよい。1つの態様では、ロボットグリッパは、しっかりとバイアルを把握し、デキャッピングステーションまで運搬する。デキャッピングステーションは、キャップを回転させ、および/またはてこで動かし、キャップを容器から除去する1つまたは複数の特徴を含む。制御装置中のソフトウエアは選択的に、どの特徴を使用してキャップを除去するかを決定してもよく、その選択は医療容器の設計または特徴に基づく。システムは特定の容器からキャップを除去する動作およびオペレーションプロファイルで訓練してもよい。いくつかの場合では、そのようなデキャッピングオペレーションは、例えば、混合オペレーションにおいて医療容器を使用する直前に実施してもよい。別の場合では、デキャッピングは、キャップされた医療容器が貯蔵システムにロードされた後、キャップされた医療容器に対し、例えば、必要に応じて実施してもよい。システムローダーは、ローディング前にキャップを除去するように指示されてもよく、デキャッピングステーションは、ローディング前にキャップが除去されていない容器を識別すると使用されてもよい。
様々な機構を使用して、安全キャップを含むキャップを除去してもよい。1つの態様では、回転可能な部材は複数の保持セクションを含み、各セクションは、制御装置に応じて開閉しキャップを把握することができるデキャッピング要素を有する。キャップを回転させてキャップをゆるめると、ロボットは回転軸に沿って容器を前進させ、除去してもよい。別の態様では、互いに対しバイアスされたフィンガーはキャップに係合してもよく、その間、容器は引っ張られ、キャップが除去される。さらに別の態様では、旋回可能な部材がバイアスされ、ロボットにより送達されたキャップに係合してもよく、容器が移動されキャップが除去される。
用量確認は、例えば、機械視覚、バーコード、プランジャ移動モニタリング、および/または計量を含む1つまたは複数の技術の組み合わせを用いて、薬物および流体が正確であることを確認することにより、実行することができる。引き出しおよび更なる希釈を含む1つの例では、各工程変化を計量することができる。例えば、1mlの薬物を引き出し、これを、4mlの滅菌水を引き出すことにより希釈して、標的濃度を達成するのは、1mlの移行後の第1の重量および4ml移行後の第2の重量となる。薬物をIVバッグに分配する工程を含む別の例では、バッグは流体移行前後で計量することができ、重量は例えば、差の比較のために記録することができる。
いくつかの態様のソフトウエアは、薬物オーダーを処理するのに使用する薬剤の識別の前後で医用薬剤の適合性を確認するよう動作してもよい。
バイアルについては、在庫ラック中の在庫を保持するための様々なサイズのクリップを存在させることができる。バイアルは広範囲の直径を有することができる。APASセルはバイアルの直径をクリップに関連させて在庫ラックのための後ろからの隔離距離を決定し、これを取り出すためのロボットの位置情報に変換することができる。バイアルが在庫クリップに入れられると、クリップのフィンガーは広がり、バイアルの直径に対し広がった量でバイアルを収容するように広がることができる。これにより、バイアルの中心は、在庫ラックの面に対し異なる位置で配置できるようになる。例えば、1つのバイアルの中心が、別のバイアルの中心よりも、ラックの背面から遠くに離れて配置されてもよい。これは、ラックの背面から遠くに離れて配置されたバイアルが他のバイアルよりも大きいことを示す可能性がある。ロボットマニピュレータは、移動する距離を調節してバイアルを取り出し、グリッパをバイアル上の中心に配置する必要がある可能性がある。そのため、ラック上の各位置に対し少なくとも1つのアプローチ位置が存在する可能性がある。APASはバイアル直径を使用して、ロボットマニピュレータがバイアルに係合する距離を微調整することができる。ロボットはグリッパフィンガー(例えば、Vノッチ)を、把握するバイアルの中心と整合させることができる。別の態様では、いくつかの貯蔵ラック位置はポケットであってもよい。
シリンジを用いた流体移行では、プランジャステムの速度は針の穴に関連しうる。針の内径および流体粘度は、流体がどのくらい速く流れるかを制限する可能性があり、これにより、シリンジプランジャのアーティキュレーション速度が決定できる。シリンジプランジャの引きが速すぎると、圧力均衡として、流体が追いつくのを待たなければならなくなる。押すのが速すぎると、シリンジ円筒部内の空気カラムを圧縮する可能性があり、プランジャアーティキュレーションが停止した後に流体が流れ続けるので、遅れが生じることになる可能性がある。APASはプランジャ速度を制限することができ、または待ち時間を計算することができる。各々の場合、流体をバイアルへ、またはバイアルから移行させる時に、APASはバイアル内でわずかに陰圧を発生させ、それを維持し、針が引き出された時にエアロゾル化しないように阻止してもよい。これは、針下降構造では、バイアルからの空気の移行とバイアル中への流体の移行を交互に行うプランジャのサイクリングにより達成することができる。これはまた、針上昇構造では、バイアルからの流体の移行とバイアルへの空気の移行を交互に行うプランジャのサイクリングにより達成することができる。アルゴリズムは移行される総流体を一連の押し引きサイクルに変換することができ、そのため陰圧がバイアル中で維持される。バイアル内のヘッドスペースおよび内圧は分かっていない可能性がある。例えば、再構成では、ヘッドスペースは移行される流体量に等しくてもよく、バイアル内の圧力は大気圧であると推定することができる。アルゴリズムは、確実に、圧力が最初に負の数値にされ、その後、その数値あたりで維持されるようにすることができる。例えば、再構成のためのバイアルへの30mlの水の移行は、最初、流体の総体積の予め規定された割合(%)の引きの第1の工程とすることができる。例えば、体積の10%、または3mlはバイアル中で-3mlの真空を生成することができる。その後、流体移行は、流体が完全に移行されるまで、押し引き体積の一連の繰り返し、パーセント段階値にすることができる。この例では、シリンジプランジャは押し3mlと引き3mlの間でサイクルすることができ、シリンジ内の空気柱の増加および対応するシリンジ内での流体体積の減少が得られる。バイアル内では流体体積の増加が生じる可能性があり、その間、圧力は大気圧と-3mlの間で交互に変化する。最終工程として、プランジャは1段階値、引っ張られ、確実に陰圧がバイアル中に残る。
例示的な例では、バイアルからの引き出しは、下記のように実行してもよい。第1に、シリンジプランジャを、予め決められた量の空気がシリンジ円筒部に引き込まれるように配置してもよい。この量は、処方の要求される流体体積に基づいて決定されてもよい(第1の引き)。予め決められた量の空気は、引き出された流体体積を大体等しい体積の空気と置換させることができる。そのため、10mlの流体を引き出す場合、10mlの空気を押し入れて、それと交換させる。この過程中、システムはバイアル中の「ヘッドスペース」を評価またはモニタしてもよい。好ましい態様では、方法はバイアル中でわずかに陰圧を維持してもよい。
第2に、シリンジプランジャを、予め決められた量の流体をバイアルから引き出すように作動させることができる。この場合、陰圧を発生させることができる。これは、引きが力の限界を超えないように制限させることができる(例えば、モータ電流をしきい値レベルに制限することにより)。第3に、シリンジプランジャを、ある体積の空気をバイアル中に押し入れ、除去された流体体積に取って代わるように作動させることができる。第4に、バイアル中にポンピングされた空気量と大体等しい量まで、シリンジプランジャを再び引っ込めることができる。第5に、要求された流体量がバイアルからシリンジ内に引き込まれるまでサイクルを続けることができる。第6に、サイクル終了時に、シリンジ中の体積は実質的に要求された引き出し量と一致することができ、バイアル中にはわずかに陰圧が存在することができる。
例示的な態様では、パスされるパラメータは下記を含んでもよい:
バイアル.最大圧力-(Pmax)気圧で表されたバイアル中で許される最大圧力
バイアル.最小圧力-(Pmin)気圧で表されたバイアル中で許される最小圧力(例えば、真空)
バイアル.ヘッド体積-(Vh)ミリリットルで表したバイアル中の空気の体積(ヘッドスペース)
バイアル.流体体積-(Vfv)ミリリットルで表したバイアル中の流体(例えば、薬物)の総体積
薬物.引き出し体積-(Vdrug)引き出すように要求された薬物の体積
シリンジ.最大体積-(SLmax)シリンジ中で許される最大体積
シリンジ.MMあたりのミリリットル-VQsyr
局所および全体
過程.サイクル制御-過程および論理制御のために使用した(サイクル)
過程.完了制御-論理制御のために使用した(完了)
体積.総-(Vtot)シリンジおよびバイアル全体の空気の総体積
シリンジ.空気の体積(Vas)
薬物.置換体積(Vdl)
シリンジ.現在レベル-(SL)プランジャの現在のシリンジレベル
初期化
シリンジ上限=30(ミリリットル)//SLMax
MMあたりの置換された体積=シリンジ特性を用いて計算した値//VQsyr
完了制御=0//完了
サイクル制御=0//完了
シリンジ中の空気体積=0.0//初期体積の推定
総体積=体積
APASセルシリンジマニピュレータ322または334は、プランジャを伸張させる、および/または縮める様に動作することができる。シリンジを使用して流体を移行させることができ、そのため、各シリンジには針が取り付けられ、ここで、針はバッグのまたはバイアルの隔壁に係合され、そのため、プランジャアーティキュレーションは流体移行を達成する。方法は、プランジャの移動の変動する長さおよび方向を計算するアルゴリズムを使用して交互にプランジャを伸張、収縮させ、流体をシリンジ中に移行させる一方、標的レセプタクル内で適当な圧力を維持し、内容物のエアロゾル化を阻止してもよい。APASのいくつかの態様では、シリンジマニピュレータは、流体移行機構としてシリンジを使用して抽出および収縮オペレーションを実施してもよい。いくつかの態様では、そのようなオペレーションは、追加の流体移行ステーションなしで、都合よく実施してもよい。
様々な態様では、適合は他の特徴および能力を含んでもよい。例えば、いくつかのシステムは、本発明の実装と共に使用することができるコンピュータシステムとして実装されてもよい。例えば、様々な実装は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア、またはそれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。装置は、プログラマブルプロセッサによる実行のために、情報媒体、例えば機械で読み取り可能な記憶装置または伝搬信号中に明白に埋め込まれたコンピュータプログラム製品に実装することができ、方法は、入力データを操作し、出力を発生させることにより、本発明の機能を実施するように命令プログラムを実行するプログラマブルプロセッサにより実施させることができる。ソフトウエアは、マルチスレッドまたは並列オペレーションを組み入れ、APASセルのスループットを改善することができる。発明は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受け取り、それらにデータおよび命令を伝送するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムに、都合よく実装することができる。コンピュータプログラムは、直接または間接的に、コンピュータ内で使用して、あるアクティビティを実行し、またはある結果を生じさせることができる命令の組である。コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書かれており、独立プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境で使用するのに適した他のユニットとして含む、任意の形態で配備させることができる。
命令プログラムを実行するための適したプロセッサは、例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、ならびに単独プロセッサまたは任意の種類のコンピュータの複数のプロセッサのうちの1つを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から、命令およびデータを受け取る。コンピュータの本質的要素は命令を実行するためのプロセッサならびに命令およびデータを保存するための1つまたは複数のメモリである。一般に、コンピューターはまた、データファイルを保存するための1つまたは複数の大容量記憶装置を含み、またはそれらと通信するように機能的に結合され;そのような装置は磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスク;光磁気ディスク;および光ディスクを含む。明白にコンピュータプログラム命令およびデータを埋め込むのに適した記憶装置としては、例として、半導体記憶装置、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置;内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスクおよびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、全ての形態の不揮発メモリが挙げられる。プロセッサおよびメモリは、ASIC(application-specific integrated circuit)により補足させることができ、またはこれらに組み入れることができる。
ユーザとの相互作用を提供するために、本発明はCRT(cathode ray tube)またはLCD(liquid crystal display)モニタなどの、情報をユーザに表示するためのディスプレイ装置ならびに、ユーザーがコンピュータに入力を提供することができる、キーボードおよびマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上で実装させることができる。
コンピュータシステムは分散コンピューターシステムとして実装してもよく、クライアントおよびサーバーを含むことができる。クライアントおよびサーバーは一般に互いに遠く離れており、典型的にはネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバーの関係は、個々のコンピュータ上で運転し、互いに対しクライアント−サーバー関係を有するコンピュータプログラムのおかげで生じる。
いくつかの態様は、バックエンドコンポーネント、例えばデータサーバーを含む、またはミドルウェアコンポーネント、例えばアプリケーションサーバーもしくはインターネットサーバーを含む、またはフロントエンドコンポーネント、例えば、グラフィカルユーザインタフェースもしくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータを含む、または任意のこれらの組み合わせを含むコンピュータシステム内に実装させることができる。システムコンポーネントは、通信ネットワーク上で、パケットベースメッセージを含む、アナログまたはデジタルデータ通信の任意の形態もしくは媒体により接続させることができる。通信ネットワークの例としては、例えば、LAN、WAN、無線および/または光ネットワーク、ならびにインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークが挙げられる。
様々な態様では、他のアイテムの中でIVバッグおよび/またはシリンジを取り扱うための本明細書で記述したものなどのシステムは、適した通信法、装置、および技術を用いて情報を通信してもよい。例えば、APAS制御装置は、病院LANおよび/または地点間通信を使用する病院薬局ネットワークを用いて通信してもよく、地点間通信では、メッセージが専用物理リンク(例えば、光ファイバリンク、地点間ワイヤリング、デイジーチェーン)により源からレシーバへ直接輸送される。別の態様は、通信ネットワークにより、例えば、全方向式高周波(RF)信号を使用することにより、共に結合されている全てのまたは実質的に全ての装置に送信することにより、メッセージを輸送してもよく、一方、さらに別の態様は、高い指向性により特徴づけられるメッセージ、例えば、指向性(例えば、狭ビーム)アンテナを使用して伝送されるRF信号または集束光学部品と共に任意で使用される可能性のある赤外信号を輸送してもよい。さらに別の態様は、適当なインタフェースおよびプロトコルを使用することができ、例えば、例として、RS-232、RS-422、RS-485、802.11 a/b/g、ワイファイ、イーサネット、IrDA、FDDI(ファイバ分散データインタフェース)、トークンリングネットワーク、または周波数、時間、もしくは符号分割に基づく多重化技術が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実装は任意で、データ完全性のための誤りチェックと訂正(ECC)などの特徴、または安全性対策、例えば暗号化(例えば、WEP)およびパスワード保護を組み入れてもよい。
本発明の多くの実装について記述してきた。それにも関わらず、本発明の精神および範囲から逸脱しなければ、様々な改変が可能であることは理解されると思われる。例えば、開示した技術の工程を異なる順序で実施すると、開示したシステム内のコンポーネントを異なる様式で結合させると、またはコンポーネントを他のコンポーネントと置き換える、もしくは他のコンポーネントを補充すると、好都合な結果が達成される可能性がある。機能および過程(アルゴリズムを含む)はハードウエア、ソフトウエア、またはそれらの組み合わせで実施してもよく、いくつかの実装は、記述したものと同一ではないモジュールまたはハードウエアで実施してもよい。したがって、他の実装は主張されている可能性のある範囲内にある。