JPWO2011045906A1 - 薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法 - Google Patents

薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法 Download PDF

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Abstract

薬液を調製する際の薬液の吸引量などの監査を支援できる薬液調製支援システムを提供する。本発明に係る薬液調製支援システム(10)は、薬瓶載置部に載置された全薬瓶(20)の合計重量を計測する第1の重量計測部を有する薬瓶重量計測部(14)と、輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグ(21)の重量を計測する第2の重量計測部を有する輸液バッグ重量計測部(15)と、記憶部(19)と、前記薬瓶重量計測部(14)および前記輸液バッグ重量計測部(15)によりそれぞれ計測された重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部(19)に記憶させる制御部(18)と、前記記憶部(19)に予め記憶されている輸液バッグに注入させる薬液に関する情報または前記制御部(18)により前記記憶部(19)に記憶された監査情報のうちの少なくとも一方を表示する情報提示部(17)と、を備える。

Description

本発明は、医療などの分野において注射薬などの薬液を輸液バッグへ注入する際の監査に用いられる薬液調製支援システムおよび薬液調整支援方法に関する。
病院などで薬液を入院患者などに施用する際には、数種類の薬液容器から取り出した薬液を混合して、その混合した薬液を施用する場合が多い。数種類の薬液を混合する場合には、混合する薬液を取り揃える際に、薬液の種類を確認する必要がある。特に病院などで薬液を入院患者などに施用する場合には、薬液の種類の確認を十二分に行って、薬液の取り揃えの過誤を防止する必要がある。病院などで入院患者などに施用される薬液の中には、安全性に十分配慮して取り扱うべき薬液があるためである。
また、薬液を混合する際には、薬液容器(薬瓶)から薬液をシリンジに吸引して、該シリンジから薬液を輸液バッグに注入するが、この作業の際には、薬液の吸引量を確認する必要がある。特に、施用量を誤ると人体に危険が及ぶ薬品については、薬液の量を十二分に確認する必要がある。
また薬液を混合する際にも、薬液の種類を確認する必要がある。薬液容器を取り間違えて薬液の混合調製順序を誤ると、所望の薬効を得られなかったり、混合された薬液が白濁するなどの問題が生ずるためである。
しかしながら、薬液の種類や薬液の量の確認は、一般的には看護師や薬剤師などの目視によって行われている。そのため、取り揃える薬液を間違えたり、薬液の量を間違えたり、薬液容器を取り間違えるなどの過誤の防止は、看護師や薬剤師などにとって大きな負担となっている。
また、薬液を混合する作業は一般的には看護師や薬剤師などの人手で行われており、薬液容器から薬液を取り出す際には、看護師や薬剤師などが、当該薬液容器に注射針を挿入して薬液を吸引している。しかしながら、ブドウ糖などの粘度の高い薬液を吸引する場合には、シリンジ操作に大きな力が必要となる。また、内圧調整の必要なバイアル容器から薬液を吸引する場合には、複雑な手技が要求される。そのため、薬液容器から薬液を取り出す作業は、看護師や薬剤師などにとって大きな負担となっている。
以上の理由から、看護師や薬剤師などの作業負担を軽減するための支援システムの開発が望まれている。
図23は、薬品を取り揃える際に用いられる従来の薬品監査装置を示す(例えば、特許文献1参照。)。この薬品監査装置1は、薬品を取り揃える際の薬品の照合監査を支援するために用いられる。以下、この薬品監査装置1を用いた監査の方法を説明する。
看護師や薬剤師などの作業者は、まず、調剤情報をデータ入力および表示装置2に入力する。そのデータ入力および表示装置2に入力された調剤情報に基き、記憶および解析装置3が、当該調剤に必要な薬品の画像データおよび重量データを比較判定装置4へ送信する。記憶および解析装置3は、病院や調剤薬局などで使用されている薬品の画像データおよび重量データを予め保存している。この記憶および解析装置3に保存されている薬品の画像データおよび重量データは、当該薬品監査装置1の画像データ認識装置5および重量計測装置6により予め作成しておく。
以降、作業者は、調剤情報に従い、当該調剤に必要な薬品を一個ずつ交代で薬品セットステージ7上に置く。当該薬品監査装置1は、薬品セットステージ7上に置かれた個々の薬品ごとに、次の処理を実行する。すなわち、まず、画像データ認識装置5が、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の画像データを作成し、その作成した画像データを比較判定装置4へ送信する。比較判定装置4は、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の画像データと記憶および解析装置3から送信された画像データとを比較し、判定する。その判定結果(OK・NG)はデータ入力および表示装置2へ送信される。さらに、判定結果がOKの場合、重量計測装置6が、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の重量データを作成し、その作成した重量データを比較判定装置4へ送信する。比較判定装置4は、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の重量データと記憶および解析装置3から送信された重量データとを比較し、判定する。その判定結果(OK・NG)もデータ入力および表示装置2へ送信される。
以上のように、従来の薬品監査装置は、取り揃えられた個々の薬品の外観と重量を自動的に評価することにより、取り揃えられた薬品が正しい薬品であるか否かの照合監査を支援する。この監査により、薬品の取り揃えミスの防止を図ることができる。
特開2005−279228号公報
上述したように、従来の薬品監査装置は、薬品容器を取り揃える際の監査に用いることができる。しかしながら、この従来の薬品監査装置は、薬液を混合するなどして薬液を調製する際の監査には用いることができなかった。
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。詳しくは、本発明の目的は、薬液を調製する際の薬液の注入量などの監査を支援することができる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る薬液調製支援システムは、薬瓶が載置される薬瓶載置部と、前記薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する第1の重量計測部とを有する薬瓶重量計測部と、輸液バッグが載置される輸液バッグ載置部と、前記輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する第2の重量計測部とを有する輸液バッグ重量計測部と、記憶部と、前記薬瓶重量計測部および前記輸液バッグ重量計測部によりそれぞれ計測された重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、前記記憶部に予め記憶されている輸液バッグに注入させる薬液に関する情報または前記制御部により前記記憶部に記憶された監査情報のうちの少なくとも一方を表示する情報提示部と、を備える。
また、本発明に係る薬液調製支援方法は、記憶部に記憶された輸液バッグに注入させる薬液に関する情報を表示する表示ステップと、薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する薬瓶重量計測ステップと、輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する輸液バッグ重量計測ステップと、前記薬瓶重量計測ステップにより計測される重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成した監査情報を前記記憶部に記憶させる第1の監査情報生成ステップと、前記輸液バッグ重量計測ステップにより計測される重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成した監査情報を前記記憶部に記憶させる第2の監査情報生成ステップと、を具備する。
本発明によれば、薬液を調製する際の薬液の吸引量や、薬液の混合調製順序、薬液の注入量などの監査を支援することができる。したがって本発明によれば、薬瓶の取り間違いや薬液の量の過誤などの防止を図ることができる。よって、本発明によれば、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る薬液調製支援システムの構成の概略を示す斜視図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部および輸液バッグ重量計測部の主要部を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法のフローチャート 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの前半部分を示す図 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの後半部分を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 従来の薬品監査装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
図1は本発明の実施の形態に係る薬液調製支援システムの構成の概略を示す斜視図である。図1に示すように、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10は、薬液調製支援機器11と、薬液調製支援機器11にネットワークを介して接続する医療情報データベース12とからなる。
薬液調製支援機器11は、基台部13を備える。基台部13は、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15、クレードル部16および情報提示部17を備える。また、基台部13の筐体は、破線で示すように制御部18と記憶部19を内蔵している。
図2は本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部および輸液バッグ重量計測部の主要部を示す図である。
図2に示すように、薬瓶重量計測部14は、複数個の薬瓶20が載置可能な薬瓶載置部14aと、薬瓶載置部14aに載置された全薬瓶20の合計重量を計測する重量計測部14bとを有する。重量計測部14bは、薬瓶載置部14aの鉛直下部に配置されている。
図2には、薬瓶載置部14a上に、形状が互いに異なる2個のバイアル容器20aと、形状が互いに異なる4個のアンプル容器20bとが載置されている様子を例示している。なお、図1には、薬瓶重量計測部14の薬瓶載置部が最大6個の薬瓶20を載置できる構成を示しているが、無論、薬瓶重量計測部14の薬瓶載置部に載置可能な薬瓶の個数は6個に限定されるものではない。
また、図2に示すように、輸液バッグ重量計測部15は、薬液が注入される輸液バッグ21が載置される輸液バッグ載置部15aと、輸液バッグ載置部15a上に載置された輸液バッグ21の重量を計測する重量計測部15bとを有する。重量計測部15bは、輸液バッグ載置部15aの鉛直下部に配置されている。輸液バッグ載置部15aに載置する輸液バッグ21には、予め生理食塩水を入れている。
図1に示すように、輸液バッグ重量計測部15の輸液バッグ載置部は、輸液バッグ21の注出口栓21a近傍を支持する支持部15cを備えている。この支持部15cにより、輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向くように輸液バッグ21が支持される。
このように輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向くことにより、シリンジに吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する際に、シリンジの注射針を輸液バッグ21の注出口栓21aに刺しやすくなる。
また、輸液バッグ21の注出口栓21aに注入用注射針を刺しておき、その注出口栓21aに刺された注入用注射針にシリンジを嵌めて、薬液を輸液バッグ21に注入する場合がある。このようにすれば、輸液バッグ21の注出口栓21aに注射針を繰り返し抜き差しする必要がなくなるため、注射針の抜き差しによるコアリングを防止することができる。コアリングは、注射針によってゴム栓が削り取られる現象のことである。このように輸液バッグ21の注出口栓21aに注入用注射針を刺した状態で、シリンジから輸液バッグへ薬液を注入する場合において、輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向いていれば、注入用注射針がシリンジ以外の物と触れて汚染されることを防止できる。
また、図2に示すように、制御部18は信号線22aを介して薬瓶重量計測部14と輸液バッグ重量計測部15に接続しており、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量のデータは、信号線22aを介して制御部18へ送信される。制御部18は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量の変化に基づいて、薬液の調製作業の監査結果を表す監査情報を生成する。記憶部19は、信号線22bを介して制御部18に接続しており、制御部18は、監査情報を記憶部19に記憶させる。このように自動的に監査情報を生成して記憶部19に格納することにより、従来は人手によって行われていた監査結果の記録および監査結果の蓄積を自動化することができる。したがって、この自動化により、薬液調製業務の効率化を図ることができる。
なお、この実施の形態では、薬瓶載置部14aに載置された全薬瓶20の合計重量を計測する場合について説明するが、複数の計測器を用いて、薬瓶載置部14aに載置された各薬瓶20の重量を個別に計測してもよい。但し、全薬瓶20の合計重量を計測することにより、各薬瓶20の重量を個別に計測する場合よりもセンサの数を減らすことができる。
以上説明した構成により、薬液調製支援システム10は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量の変化を基に、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。各種監査処理を実行するに際しての薬液調製支援システム10の動作については後述する。
続いて、クレードル部16について説明する。図1に示すように、クレードル部16は、シリンジ駆動装置23を保持する。シリンジ駆動装置23は、シリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aのピストンを駆動する。このシリンジ駆動装置23により、シリンジ23aのシリンダー内への薬液の吸引およびシリンジ23aのシリンダーから輸液バッグ21への薬液の注入を支援することができる。
詳しくは、クレードル部16は、シリンジ駆動装置23を保持する保持部16aと、保持部16aに保持されているシリンジ駆動装置23の重量を計測する重量計測部(図示せず)を有する。この薬液調製支援システム10においては、クレードル部16がシリンジ重量計測部に該当する。
このクレードル部16の重量計測部も、図2に示す薬瓶重量計測部14の重量計測部14aや輸液バッグ重量計測部15の重量計測部15bと同様に、シリンジ駆動装置23を保持する保持部16aの鉛直下部に配置されている。
また、このクレードル部16の重量計測部も、図2に示す薬瓶重量計測部14の重量計測部14aや輸液バッグ重量計測部15の重量計測部15bと同様に、信号線を介して制御部18に接続しており、クレードル部16の重量計測部により計測された重量のデータは、制御部18へ送信される。したがって、制御部18は、クレードル部16により計測された重量に基づいて、薬液の調製作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶させることができる。
また、クレードル部16の保持部16aは、シリンジ駆動装置23を充電する充電部(図示せず)を有する。したがって、クレードル部16によってシリンジ駆動装置23が保持されている間に、シリンジ駆動装置23の電源(図示せず)が充電される。
このクレードル部16を備えることにより、薬液調製支援システム10は、シリンジ23a内に薬液が残存しているか否かの監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の量の監査などを支援することができ、これらの監査により、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。クレードル部16によって計測される重量に基づいて各種監査処理を実行する際の薬液調製支援システム10の動作については後述する。
なお、クレードル部16に、シリンジ23aから使用済み針を抜き取るための針除去部(図示せず)を設けてもよい。針除去部は、例えばV溝を設けた平板などで構成することができる。そのV溝にシリンジ23aのフランジ部を引っかけて、針を抜き取ることができる。このような針除去部を設けることにより、看護師や薬剤師などの作業者が使用済み針に触れずに針を除去できる。よって、使用済みの針を除去するときの針刺し事故を防止できる。
続いて、情報提示部17について説明する。図1に示すように、情報提示部17は画面17aを備える。この画面17aに表示される画像は、制御部18が記憶部19に記憶されている各種の情報に基づいて制御する。この実施の形態では、輸液バッグ21に注入させる薬液に関する情報や、監査情報、調製された薬液が施用される患者の情報などが情報提示部17の画面17aに表示される場合について説明する。薬液に関する情報は、薬液の種類や、薬液の用量、薬液の調製手順などの薬液の調製に必要な情報を含む。なお、薬液に関する情報と監査情報の何れか一方のみを情報提示部17に表示させてもよい。
この情報提示部17を備えることにより、薬液調製支援システム10は、例えば輸液バッグ21に注入すべき薬液の種類や、薬液の混合調製順序などの情報を作業者へ視覚的に提示することが可能となる。したがって、作業者が、薬液の調製作業に必要な情報を簡単かつ正確に確認できるようになる。また、作業者が、効率的に薬液を調製できるようになる。
続いて、基台部13について説明する。図1に示すように、基台部13は、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15およびクレードル部16と一体化している。また基台部13は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15に隣接して配置された作業台(混合調製エリア)13aを備える。この作業台13a上で、看護師や薬剤師などの作業者は、薬液の調製作業を実施できる。また既に述べたように、基台部13に情報提示部17が設置されており、基台部13の筐体には制御部18と記憶部19が内蔵されている。したがって、この構成により、薬液調製支援機器11のコンパクト化を図ることができる。よって、作業者は、薬液調製支援機器11を持ち運んで任意の場所で薬液を調製することができる。なお、薬液調製支援システムは、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15、クレードル部16および情報提示部17を基台部13から分離させた構成としてもよい。
続いて、医療情報データベース12について説明する。この薬液調製支援システム10においては、薬液調製支援機器11と医療情報データベース12との間で、薬液に関する情報や、監査情報、患者の情報等の医療情報が送受信される。この構成により、各種の情報を必要に応じて医療情報データベース12から取り込んで記憶部19に記憶(格納)させることができる。さらに、記憶部19に記憶した監査情報を、医療情報として医療情報データベース12に蓄積させることができる。このように各種の情報を薬液調製支援機器11と医療情報データベース12との間で送受信することにより、基台部13に内蔵される記憶部19の容量を削減することができる。したがって、薬液調製支援機器11のコンパクト化をより一層図ることができる。
続いて、情報提示部17の画面17aに表示する情報について説明する。制御部18は、記憶部19に記憶されている薬液に関する情報を基に、輸液バッグ21に注入させる薬液の入った各薬瓶20の実物大の写真画像(実写画像)を、情報提示部17の画面17aに混合調製順に並べて表示させる。したがって、薬液に関する情報は実写画像のデータを含む。
このように実写画像を混合調製順に並べて表示させることで、看護師や薬剤師などの作業者は、実写画像と見比べながら、薬瓶20を混合調製順に整列配置させることができる。よって、作業者は、視覚的に薬液の種類(薬瓶の種類)を照合することができる。したがって、例えば、似通った名前の薬液が入っている薬瓶を取り揃える必要がある場合でも、薬瓶の取り揃えミスや、薬瓶の配置順序の過誤の防止を図ることができる。さらに、薬瓶を混合調製順に整列させることができるので、薬液を吸引する順序(薬液の混合順序)の過誤の防止を図ることができる。
この薬液調製支援システム10は、薬液に関する情報を医療情報データベース12から取り込むために、処方箋識別情報(処方箋ID)を読み取る読取部24を備える。読取部24で読み取られた処方箋IDは制御部18によって記憶部19に記憶される。記憶部19に記憶された処方箋IDは、制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに対応する薬液に関する情報や患者情報などを送信する。制御部18は、医療情報データベース12から送信された薬液に関する情報や患者情報などを記憶部19に記憶させる。処方箋IDには、例えば1次元または2次元のバーコードを用いることができる。
この薬液調製支援システム10においては、処方箋IDを読み取る読取部24は情報提示部17の背部に設けられている。この読取部24は、処方箋が印字された用紙(以下、「処方箋」と云う)25を保持するためのフォルダの形状をしている。したがって、読取部24は、フォルダに挿入された処方箋25に印字されている処方箋IDを読み取る。
このように処方箋識別情報を読み取る読取部24を設けることで、医療情報データベース12からの医療情報の取り込みが容易となる。また、情報提示部17の背部に処方箋25のフォルダを設けることで、薬液を調製する際に処方箋25が薬液等で汚れて文字が読み取れなくなるなどのリスクを低減することができる。
なお、処方箋IDを読み取る読取部24に代えて、処方箋25の紙面に印刷された薬液に関する情報および患者の情報を読み取る読取部を設けて、その読取部によって読み取られた情報を記憶部19に記憶させる構成としてもよいし、処方箋IDや薬液に関する情報などを読み取る読取部に代えて、処方箋IDや薬液に関する情報などを入力できる入力部を設けて、その入力部によって入力された情報を記憶部19に記憶させる構成としてもよい。
また、この薬液調製支援システム10はカメラ26を備える。このカメラ26は、作業者の認証に用いられる。すなわち、制御部18は、カメラ26により撮影された作業者の画像と、記憶部19に記憶されている作業者の画像とを比較して認証を行う。このようにすれば、予め登録された人のみに作業を許可することができる。また、このカメラ26は、使用する薬液が入っている薬瓶20の認証に用いることもできる。すなわち、制御部18は、カメラ26により撮影された薬瓶20の画像と、薬液に関する情報に含まれる実写画像とを比較して認証を行う。このようにすれば、薬瓶の取り揃えミスなどの防止を図ることができる。また、このカメラ26は、薬液調製作業の映像を記録するためにも用いることができる。
また図示しないが、薬瓶重量計測部14の薬瓶を載置する各位置に反射型フォトセンサを埋設し、その反射型フォトセンサが発生する信号を制御部18へ伝送させてもよい。このようにすれば、重量が同じ複数の薬瓶20が薬瓶載置部14aに載置された場合でも、薬瓶20が混合調製順序の通りに薬瓶載置部14aから取り上げられているか否かや、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20が薬瓶載置部14a上の元の位置に戻されたか否かについて、反射型フォトセンサが発生する信号を基に制御部18が判定できるようになる。したがって、薬瓶の取り間違えなどの過誤を確実に防止することが可能となる。
また図示しないが、薬液調製支援機器11には、薬瓶重量計測部14の近傍に、薬瓶重量計測部14の薬瓶を載置する各位置に対応させて、LED(Light Emitting Diode)表示部が設けられている。このLED表示部の発光は、制御部18によって制御される。つまり制御部18は、吸引対象の薬瓶20に対応するLED表示部を発光させる。このLED表示部の発光により、吸引対象の薬瓶20を作業者へ明示的に指示することができる。
続いて、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10の基本的な動作について説明する。
まず、看護師や薬剤師などの作業者が、情報提示部17の背部に設けられた読取部24に処方箋25を挿入する。処方箋25には、患者の情報や、当該患者に施用する薬液に関する情報や、処方箋ID等が印字されている。読取部24に処方箋25が挿入されると、読取部24は、処方箋25に印字された処方箋IDを読み取る。この読み取られた処方箋IDは、制御部18によって記憶部19に記憶される。記憶部19に記憶された処方箋IDは、制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに対応する患者の情報や薬液に関する情報などを送信する。この送信された患者の情報や薬液に関する情報などは、制御部18によって記憶部19に記憶される。
以降、制御部18が、記憶部19に記憶されている患者の情報や薬液に関する情報などを基に、薬液調製作業の各ステップに応じた指示を、情報提示部17の画面17aに表示させる。したがって、作業者は、情報提示部17の画面17aに表示された指示に沿って、薬液の調製作業を行ことができる。
図3は、情報提示部17の画面17aに表示される指示の一例を示す図である。図3には、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置するように作業者に指示する画像の一例が示されている。
具体的には、画面17aの最上部には、薬液調製作業の現在のステータスを示すステータス表示17bが表示される。このステータス表示17bにより、作業者は、現在、薬液調製作業のどのステップにいるのかを容易に確認できる。したがって、作業割込があった場合でも、作業者は容易に作業を再開することができる。
また、ステータス表示17bの下には、作業指示表示17cと完了ボタン17dが表示される。作業指示表示17cに表示される内容は、薬液調製作業の各ステップに応じて変化する。作業指示表示17cと完了ボタン17dの下には、患者の氏名や病室等を示す患者情報表示17eが表示される。
また、患者情報表示17eの下には、輸液バッグ21に注入すべき薬液に関する情報を示す薬液情報表示17fが表示される。薬液情報表示17fには、例えば図3に示すように、取り揃えるべき薬瓶の実写画像20cと共に薬液の名称や薬液の用量が混合調製順に左から並べて表示される。
このように、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った各薬瓶20の実写画像20cを情報提示部17の画面17aに混合調製順に並べて表示することにより、作業者は、その表示された実写画像20cにほぼオーバーラップさせる仕方で、薬瓶20を薬瓶載置部14a上に並べることができる。したがって、作業者は、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った薬瓶20を薬瓶載置部14a上に混合調製順に整列して載置することができる。
図3には、輸液バッグ21に注入する必要のある薬液が薬液A、B、Cである場合について例示している。以降、薬液A、B、Cをこの順序で混合調製する場合を例に説明する。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際には、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化を基に、取り揃えられた薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶の配置順序の監査や、取り揃えた薬瓶の計数監査を支援することができる。
図4は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
まず作業者により、薬液Aが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Aと称す)が薬瓶載置部14a上に載置される。この初期状態では、図4に示すように、薬瓶Aの重量W1が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、重量ゼロからの増加量ΔW1(=W1−0)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW1を薬瓶Aの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Aの重量ΔW1と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Aの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Aの重量ΔW1と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の初期重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている。ここで、薬瓶の初期重量は、薬液が使い切りの場合は、未開封の状態の薬瓶の重量を意味する。これに対して、薬瓶に入っている薬液を複数回に分けて使用する場合は、薬瓶の初期重量は、前回使用後の薬瓶の重量を意味する。この前回使用後の薬瓶の重量は、医療情報データベース12に、薬瓶毎に付与された識別情報に関連付けて登録しておけばよい。
次に、薬液Bが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Bと称す)が作業者により薬瓶載置部14a上に載置されると、図4に示すように、薬瓶Aと薬瓶Bの合計重量W2が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、前回計測された重量W1からの増加量ΔW2(=W2−W1)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW2を薬瓶Bの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Bの重量ΔW2と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Bの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Bの重量ΔW2と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に、薬液Cが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Cと称す)が作業者により薬瓶載置部14a上に載置されると、図4に示すように、薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、前回計測された重量W2からの増加量ΔW3(=W3−W2)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW3を薬瓶Cの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに、制御部18は、認識した薬瓶Cの重量ΔW3と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Cの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Cの重量ΔW3と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量に基づいて、薬瓶載置部14a上に載置された薬瓶20の重量を測定することにより、取り揃えられた薬瓶(薬液)の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の重量が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の初期重量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、取り揃えエラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。取り揃えエラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた取り揃えエラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬瓶の配置順序が薬液の混合調製順序に一致しているか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14a上に載置された薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶20の個数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬瓶の数のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬瓶の数を解析して、その解析した薬瓶の数のデータを記憶部19に記憶させてもよい。例えば制御部18は、薬液に関する情報に含まれる実写画像の数から薬瓶の数を解析することができる。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、取り揃えられた薬瓶の計数監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の個数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の個数のデータ(所定値)と一致しないことを認識した場合に、取り揃えた薬瓶20の個数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬瓶(薬液)の取り揃えに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、薬瓶20の重量を測定する場合について説明したが、薬液に関する情報から薬瓶単体の重量のデータを確認できる場合には、薬液の重量を測定してもよい。具体的には、制御部18は、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量を基に薬瓶20の重量を認識し、その認識した重量から当該薬瓶単体の重量を相殺して薬液の重量を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の初期重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このようにしても、薬瓶(薬液)の取り揃えに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
薬液の初期重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いていもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬液の初期重量を解析して、その解析した薬液の初期重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。具体的には、制御部18が、薬瓶の初期重量と薬瓶単体の重量との差分をとって薬液の初期重量を求めてもよい。薬液の初期重量は、薬液が使い切りの場合は、未開封の状態の薬瓶に入っている薬液の重量を意味する。これに対して、薬瓶に入っている薬液を複数回に分けて使用する場合は、前回使用後の薬瓶に入っている薬液の重量を意味する。
輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った各薬瓶20を薬瓶載置部14a上に取り揃えた後、作業者は、まず薬液Aが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Aを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。次に、作業者は、薬液Bが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Bを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。最後に、作業者は、薬液Cが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Cを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Cが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。なお、シリンジ23aから輸液バッグ21への薬液の注入は、1つの薬瓶20からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に行ってもよいし、複数個の薬瓶20からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に行ってもよい。
このように薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられる際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量を基に、取り上げられた薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶の取り上げ順序の監査や、薬瓶が取り上げられた回数の監査を支援することができる。また、薬瓶載置部14a上に薬瓶20が戻される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査や、薬液の混合調製順序の監査や、薬瓶が戻された回数の監査を支援することができる。
まず、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられる際の監査について説明する。図5は、薬瓶載置部14aから薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り上げられる際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り揃えられた初期状態では、図5に示すように薬瓶重量計測部14により薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が計測されている。作業者は、まず最初に、薬液Aを吸引するために、薬瓶Aを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により薬瓶Bと薬瓶Cの重量W4が計測される。このとき、制御部18は、初期状態の重量W3からの減少量ΔW4(=W3−W4)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW4を薬瓶Aの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Aの重量ΔW4と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Aの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Aの重量ΔW4と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の初期重量のデータには、薬液に関する情報に含まれている初期重量のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に測定された初期重量のデータを用いてもよい。
次に作業者は、薬液Aを吸引した後、その薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。次に作業者は、薬液Bを吸引するために、薬瓶Bを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W6が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Aが戻されたときに計測された重量W5からの減少量ΔW5(=W5−W6)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW5を薬瓶Bの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Bの重量ΔW5と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Bの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Bの重量ΔW5と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に作業者は、薬液Bを吸引した後、その薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W7が計測される。次に作業者は、薬液Cを吸引するために、薬瓶Cを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W8が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Bが戻されたときに計測された重量W7からの減少量ΔW6(=W7−W8)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW6を薬瓶Cの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Cの重量ΔW6と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Cの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Cの重量ΔW6と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量に基づいて、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20の重量を測定することにより、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶(薬液)の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の重量が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の初期重量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、取り上げエラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。取り上げエラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた取り上げエラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬瓶の取り上げ順序が薬液の混合調製順序に一致しているか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20から薬液が吸引される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20が取り上げられたか否かを判定する。
薬瓶の数のデータには、薬液に関する情報に含まれている薬瓶の数のデータを用いてもよいし、制御部18が薬液に関する情報から解析した薬瓶の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に測定された薬瓶の数のデータを用いてもよい。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かの監査を支援することができる。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬瓶(薬液)の取り上げに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、薬瓶の重量を測定する場合について説明したが、薬液に関する情報から薬瓶単体の重量のデータを確認できる場合には、薬液の重量を測定してもよい。具体的には、制御部18は、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量を基に薬瓶20の重量を認識し、その認識した重量から当該薬瓶単体の重量を相殺して薬液の重量を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の初期重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このようにしても、薬瓶(薬液)の取り上げに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
続いて、薬瓶載置部14aに薬瓶20が戻される際の監査について説明する。図6は、薬液A、B、Cが吸引された各薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻される際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り揃えられた初期状態では、図6に示すように薬瓶重量計測部14により薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が計測されている。作業者は、まず最初に、薬液Aを吸引するために、薬瓶Aを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Aを吸引した後、その薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。このとき、制御部18は、初期状態の重量W3からの減少量ΔW7(=W3−W5)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW7を薬液Aの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Aの吸引重量ΔW7と、先に記憶部19に記憶されている薬液Aの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Aの吸引重量ΔW7と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の吸引重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから薬液の吸引重量を演算して、その演算した薬液の吸引重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の吸引重量から薬液の吸引量を演算し、その演算した吸引量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。
次に作業者は、薬液Bを吸引するために、薬瓶Bを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Bを吸引した後、その薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W7が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Aが戻されたときに計測された重量W5からの減少量ΔW8(=W5−W7)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW8を薬液Bの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Bの吸引重量ΔW8と、先に記憶部19に記憶されている薬液Bの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Bの吸引重量ΔW8と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に作業者は、薬液Cを吸引するために、薬瓶Cを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Cを吸引した後、その薬液Cが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W9が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Bが戻されたときに計測された重量W7からの減少量ΔW9(=W7−W9)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW9を薬液Cの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Cの吸引重量ΔW9と、先に記憶部19に記憶されている薬液Cの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Cの吸引重量ΔW9と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の吸引重量または薬液の吸引量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量または薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
続いて、吸引された薬液の種類の照合監査を支援する他の方法について、薬液Aを例に、図5を用いて説明する。薬液B、Cの照合監査も、以下で説明する薬液Aの照合監査と同様に行うことができるので、その説明は省略する。
上述したように、薬液Aが入っている薬瓶20が薬瓶載置部14aから取り上げられたとき、薬瓶重量計測部14により重量W4が計測され、薬液Aが吸引された薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻されたとき、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。このとき、制御部18は、重量W4からの増加量ΔW10(=W5−W4)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW10を、薬液Aが吸引された薬瓶20の重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した吸引後の薬瓶Aの重量ΔW10と、先に記憶部19に記憶されている、薬液Aが所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された吸引後の薬瓶Aの重量ΔW10と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から、薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量を解析して、その解析したデータを記憶部19に記憶してもよい。薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量は、例えば、薬瓶の初期重量と薬液の吸引重量との差分をとって求めることができる。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量に基づいて、薬液が吸引された薬瓶20の重量を測定することにより、吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液吸引後の薬瓶20の重量が、先に憶部19に記憶されている、薬液吸引後の薬瓶の重量のデータと合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の混合調製順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20から薬液が吸引される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14a上に戻された薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20が返却されたか否かを判定する。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かの監査を支援することができる。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の吸引量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
続いて、輸液バッグ重量計測部15によって計測された重量の変化に基づく各種の監査について、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する場合を例に説明する。
輸液バッグ載置部15aに載置された輸液バッグ21にシリンジ23aから薬液が注入されると、その注入量に応じて、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量が増加する。制御部18は、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の増加量を基に、輸液バッグ21に注入された薬液の注入重量を測定する。この測定された薬液の注入重量は、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の注入重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入重量と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の注入重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから、薬液の注入重量を演算して、その演算した薬液の注入重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の注入重量から薬液の注入量を演算し、その演算した注入量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。または、薬液の注入量のデータまたは薬液の注入重量のデータとして、薬瓶20から薬液をシリンジ23aに吸引する際に計測された薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータを用いてもよい。
以上のように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の増加量に基づいて薬液の注入重量または薬液の注入量を測定することにより、輸液バッグ21に注入された薬液の計量監査や、輸液バッグ21に注入された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入重量または薬液の注入量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の注入重量または薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、注入エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。注入エラー情報は、注入量に過誤があること、注入した薬液の種類に過誤があること、シリンジ23a内に薬液が残存すること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。注入エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた注入エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した輸液バッグに注入された薬液の計量監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の混合調製順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、輸液バッグ21に薬液が注入された回数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入回数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入回数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬瓶の数のデータには、薬液に関する情報に含まれている薬液の数のデータを用いてもよいし、制御部18が薬液に関する情報から解析した薬液の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に計測された薬液の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に取り揃えられた薬瓶20から薬液を吸引する際に測定された薬液の数のデータを用いてもよい。
以上のように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査(薬液の計数監査)を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入回数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータと一致しないことを認識した場合に、薬液の注入回数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の注入量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21に注入する場合について説明したが、複数個の薬瓶からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に、その複数回にわたって吸引された薬液をシリンジ23aから輸液バッグ21へ一度に注入する場合も同様に、注入された薬液の計量監査や、注入された薬液の種類の照合監査、薬液の混合調製順序の監査を支援することができる。これらの監査処理では、シリンジ23a内に複数回にわたって吸引された全ての薬液の合計用量または合計重量を用いる。また、この場合、薬液の注入回数と薬瓶の数が一致しないことから、薬液の注入回数の監査を支援するには、記憶部19に薬液の注入回数のデータが記憶されている必要がある。薬液の注入回数のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬液の注入回数を解析して、その解析した薬液の注入回数のデータを記憶部19に記憶させてもよい。例えば制御部18は、薬液に関する情報に含まれる薬液の混合調製手順のデータから薬液の注入回数を解析することができる。
続いて、クレードル部16によって計測された重量に基づく各種の監査について、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する場合を例に説明する。
シリンジ駆動装置23は、薬瓶20から薬液を吸引するときや、輸液バッグ21へ薬液を注入するときには、作業者の手に持たれており、クレードル部16には保持されていない。
作業者が、シリンジ23a内に薬液を吸引した後、輸液バッグ21へ薬液を注入する前にクレードル部16にシリンジ駆動装置23を保持させると、シリンジ23a内に吸引された薬液の量に応じて、シリンジ駆動装置23の重量が初期重量から増加する。シリンジ駆動装置23の初期重量は、シリンジ23a内が空の状態での重量である。制御部18は、クレードル部16により計測される重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液の吸引重量を測定する。この測定された吸引重量は、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の吸引重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の吸引重量と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の吸引重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから、薬液の吸引重量を演算して、その演算した薬液の吸引重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の吸引重量から薬液の吸引量を演算し、その演算した吸引量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。または、薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータとして、薬瓶重量計測部14によって計測された重量の変化に基づいて測定された薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータを用いてもよい。
以上のように、クレードル部16により計測された重量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の吸引重量または薬液の吸引量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量のデータまたは薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、許容誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明したシリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の吸引順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、クレードル部16による重量の計測回数を計数し、その計数結果に基づいて、シリンジ23aから輸液バッグに薬液が注入される回数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入回数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入回数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、クレードル部16による重量の計測回数を計数することにより、薬液の注入回数(薬液の計数監査)を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入回数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータと一致しないことを認識した場合に、薬液の注入回数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の吸引量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21に注入する場合について説明したが、複数個の薬瓶からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に、シリンジ駆動装置23の重量を計測する場合も同様に、吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査、薬液の混合調製順序の監査を支援することができる。これらの監査処理では、シリンジ23a内に複数回にわたって吸引された全ての薬液の合計用量または合計重量を用いる。また、薬液の注入回数を監査する場合には、記憶部に記憶されている薬液の注入回数のデータを用いる。
続いて、輸液バッグ21に薬液を注入した後にシリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの監査について説明する。作業者が、輸液バッグ21へ薬液を注入した後に、クレードル部16にシリンジ駆動装置23を保持させたとき、制御部18は、クレードル部16により計測される重量がシリンジ駆動装置23の初期重量と一致するか否かを判定する。そして、制御部18は、その判定結果を監査情報として生成する。
このように、クレードル部16により計測された重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液が全て輸液バッグ21に注入されたか否かの監査を支援することができる。
また、制御部18は、シリンジ23a内に薬液が残存することを認識した場合に、残存エラー情報を発生させる。残存エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた残存エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この実施の形態にかかる薬液調製支援システム10によれば、薬瓶の取り間違いや、薬液の吸引量の過誤などを確実に防止することができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液の混合調製順序ミスや薬液の計量ミスなどの作業ミス(調剤過誤)を有効に防止し、安全かつ正確な薬液の調製を実現できる。
また、この薬液調製支援システム10は、自動かつ確実に監査情報を生成する。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液調製作業の効率化を図ることができる。
また、この薬液調製支援システム10によれば、薬瓶の取り間違いや薬液の計量ミスなどの作業ミスが発生した場合に直ちに作業者に知らせることができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液(薬瓶)や輸液バッグを無駄に廃棄せずに済み、薬液の調製にかかるコストを低減できる。たとえば、最初にシリンジに吸引した薬液の計量ミスを、その薬液を輸液バッグに注入する前に検出した場合には、その後に薬液の吸引を予定していた薬瓶や、輸液バッグを廃棄せずに済む。
また、この薬液調製支援システム10は、薬瓶重量計測部14によって計測される重量だけではなく、輸液バッグ重量計測部15やクレードル部16によって計測される重量をも用いて監査を行うので、薬瓶の取り間違いや薬液の量の過誤などの作業ミスを2重、3重に防ぐことができる。よって、この薬液調製支援システム10によれば、より一層安全で且つ正確な薬液の調製を図ることができる。
また、この薬液調製支援システム10は、薬瓶載置部14aから薬瓶20を取り上げた際の重量の減少量に加えて、薬液が吸引された薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻された際の重量の増加量も測定するので、現在、どの薬瓶から薬液の吸引が行われているのかについて定量的に把握できる。つまり、この薬液調製支援システム10は、現在、薬液の調製作業のどのステップにいるのかについて自動判別できる。したがって、制御部18は、現在のステップの情報を情報提示部17の画面17aに表示することができる。よって、作業者は、作業割り込みが発生した場合でも、画面17aを確認することで容易に薬液の調製作業を再開することができる。すなわち、作業割り込みによる調剤過誤を有効に防止することができる。
続いて、以上説明した薬液調製支援システム10を用いた薬液調製支援方法について説明する。図7は、この実施の形態に係る薬液調製支援方法のフローチャートを示す。
図7に示すように、この実施の形態に係る薬液調製支援方法は、処方箋IDを読み取るステップS1と、第1の表示ステップS2と、薬瓶を取り揃えるステップS3と、薬液を吸引するステップS4と、薬液を注入するステップS5と、第2の表示ステップS6とを具備する。
ステップS1では、処方箋25に印字された処方箋IDを読取部24が読み取り、制御部18が処方箋IDを医療情報データベース12へ送信し、医療情報データベース12が、受信した処方箋IDに応じた患者の情報や薬液に関する情報などを送信し、制御部18が、受信した患者の情報や薬液に関する情報などを記憶部19に記憶させる。
ステップS2では、制御部18が、記憶部19から、薬液に関する情報に含まれる薬液の種類や薬液の用量、薬瓶の実写画像などのデータを読み出して、情報提示部17の画面17aに表示させる。
ステップS3では、看護師や薬剤師などの作業者が、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った薬瓶20を薬瓶載置部14a上に取り揃える。このとき、薬瓶重量計測部14が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶の合計重量を計測する(薬瓶重量計測ステップ)。そして、制御部18が、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化に基づいて、薬瓶の取り揃え作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第1の監査情報生成ステップ)。
ステップS4では、作業者が、薬瓶載置部14aから薬瓶20を取り上げる。そして、作業者が、シリンジ駆動装置23を操作することにより、取り上げた薬瓶20から薬液をシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23a内に吸引し、その薬液吸引後の薬瓶20を薬瓶載置部14a上に戻す。このとき、薬瓶重量計測部14が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶の合計重量を計測する(薬瓶重量計測ステップ)。そして、制御部18が、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化に基づいて、薬瓶の取り上げ作業や薬液の吸引作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第1の監査情報生成ステップ)。
詳しくは、ステップS4では、薬液載置部14aから薬瓶20が取り上げられたことによる、薬瓶重量計測部14が計測している重量の変化に基づいて、薬瓶が所定の混合調製順序で間違いなく取り上げられているか否かが監査される。また、薬液吸引後の薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻されたことによる、薬瓶重量計測部14が計測している重量の変化に基づいて、取り上げられた薬瓶20から所定用量の薬液が間違いなく吸引されているか否かが監査される。
ステップS5では、作業者が、シリンジ駆動装置23を操作することにより、シリンジ23aから輸液バッグ21へ薬液を注入する。このとき、輸液バッグ重量計測部15が、輸液バッグ載置部15aに載置された輸液バッグ21の重量を計測する(輸液バッグ重量計測ステップ)。そして、制御部18が、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の変化に基づいて、薬液の注入作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第2の監査情報生成ステップ)。
ステップS6では、制御部18が、記憶部19から監査情報を読み出して情報提示部17の画面17aに表示させる。
なお、薬液調製支援機器11に、読取部24に代えて処方箋IDを入力できる入力部を設けることにより、ステップS1において、入力された処方箋IDを医療情報データベース12へ送信するようにしてもよい。
以上説明した方法により、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によってそれぞれ計測された重量の変化を基に、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
続いて、この実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例について説明する。図8は、この実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの前半部分を、図9は、そのフローチャートの後半部分をそれぞれ示す。図10ないし図22は、図8および図9に示すフローチャートに沿って情報提示部17の画面17aに映し出される画像の一例を示す。既に述べたように、情報提示部17の画面17aに映し出される画像は制御部18によって制御される。図8および図9に示す例では、輸液バッグ21に注入すべき全薬液を輸液バッグ21に一度に注入する場合について説明する。また、図8および図9に示す例でも、輸液バッグ21に注入する必要のある薬液が薬液A、B、Cであって、薬液A、B、Cをこの順序で混合調製する場合について説明する。
まず、ステップS10では、図10に示すように、情報提示部17の画面17aに、処方箋25を読取部24へ挿入するように作業者に指示する画像が表示される。
看護師や薬剤師などの作業者が、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24に挿入すると、読取部24が処方箋25に印字された処方箋IDを読み取り(ステップS11)、次のステップS12へ移動する。
ステップS12では、制御部18が、読取部24によって読み取られた処方箋IDを医療情報データベース12へ送信する。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに応じた薬液に関する情報や患者の情報などを送信する。制御部18は、医療情報データベース12から送信された情報を記憶部19に記憶させる。この間、図11に示すように、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12から薬液に関する情報や患者の情報などを取得中であることを示す画像が表示される。記憶部19に薬液に関する情報や患者の情報などが記憶されると、ステップS13へ移動する。
ステップS13では、記憶部19に記憶された薬液に関する情報や患者の情報などに基づき、図12に示すように、情報提示部17の画面17aに、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置するように作業者に指示する画像が表示される。
この実施の形態では、薬液Aを1V(1バイアル)、薬液Bを1A(1アンプル)、薬液Cを1V(1バイアル)混合調製する場合について説明する。薬液情報表示17fには、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の実写画像20cと共に薬液A、B、Cの各名称や各用量が混合調製順に左から並べて表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置する。
このとき、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、取り揃えられた薬瓶(薬液)の種類や、薬瓶の配置順序に過誤があるか否かが判別される。なお、前述したように、薬瓶(薬液)の種類の照合監査等からエラー状態が認識される場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像を表示させてもよい(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などを鳴らしてもよい。
また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、取り揃えられた薬瓶20の個数を測定してもよい。
さらに、制御部18は、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21が載置されたときに輸液バッグ重量計測部15によって計測された重量を、輸液バッグ21の初期重量として認識して、記憶部19に記憶する。
作業者は、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20を取り揃え、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21を載置した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS14)。これにより、ステップS15へ移動する。
なお、制御部18が、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20が載置され、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21が載置されたことを自動的に認識することにより、ステップS15へ移動してもよい。薬瓶20の取り揃えの完了は、例えば、取り揃えられた薬瓶20の種類(薬液の種類)の照合監査の結果などから判別することができる。また例えば、薬瓶20の取り揃えの完了は、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が、先に記憶部19に記憶されている全薬瓶の初期重量の合計値のデータと合致するかどうかによって判別することができる。ここで、合致するとは、誤差範囲内で一致することを意味する。全薬瓶の初期重量の合計値のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれる全薬瓶の初期重量のデータを用いて、全薬瓶の初期重量の合計値を演算して、その演算結果を記憶部19に記憶させてもよい。
また、ステップS15へ移動する前に、制御部18は、前述したように、取り揃えられた薬瓶の計数監査を行ってもよい。また、前述したように、薬瓶(薬液)の計数監査からエラー状態が認識される場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像を表示させてもよい(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などを鳴らしてもよい。
ステップS15では、図13に示すように、情報提示部17の画面17aに、シリンジ駆動装置23をクレードル部16から取り出し、その取り出したシリンジ駆動装置23にシリンジ23aを装着し、そのシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aに注射針23bを取り付けるように作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、シリンジ駆動装置23をクレードル部16から取り出し、その取り出したシリンジ駆動装置23にシリンジ23aを装着し、そのシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aに注射針23bを取り付けた後、シリンジ駆動装置23をクレードル部16に戻す。
このとき、制御部18は、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたときにクレードル部16によって計測された重量を、シリンジ駆動装置23の初期重量として認識して、記憶部19に記憶する。
作業者は、シリンジ駆動装置23をクレードル部16に戻した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS16へ移動する。なお、制御部18が、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたことを自動的に認識することにより、ステップS16へ移動してもよい。シリンジ駆動装置23が戻されたか否かは、例えば、クレードル部16によって計測される重量が重量ゼロから変化したか否かによって判別することができる。
ステップS16では、図14に示すように、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、情報提示部17の画面17aに、吸引対象の薬瓶を作業者に指示する画像が表示される。図14には、吸引対象の薬瓶が薬瓶Aの場合を例示している。この実施の形態では、薬瓶の実写画像20cが表示されている薬液情報表示17fにおいて、吸引対象の薬瓶の実写画像20cと、その吸引対象の薬瓶に入っている薬液の名称および用量を拡大表示する。こうすることで、取り上げるべき薬瓶を作業者が視覚的に確認できるようになるので、薬瓶の取り間違えの発生を防止することができる。
さらに、シリンジ駆動装置23の駆動スピード等の薬液を吸引する際の注意事項の情報が薬液に関する情報に含まれている場合、ステップS16において、薬液に関する情報に含まれる注意事項17gが画面17aに表示される。このように作業者に注意事項を提示することにより、より安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。図14には、一例として、薬液Aは泡立ち易いため、シリンジ駆動装置23を低速モードで動作させる必要がある旨を表示する注意事項17gを示している。この注意事項17gに従って作業者がシリンジ駆動装置23を動作させることで、発泡を防止して効率的に薬液を吸引することができる。
また、この実施の形態では、ステップS16において、吸引対象の薬瓶20に対応するLED表示部の発光が開始する。作業指示表示17cには、LED表示部が発光している位置(LED表示位置)に対応する薬瓶20から薬液を吸引する指示が表示される。このLED表示部の発光は、取り上げられた薬瓶20が薬瓶載置部14a上に返却されるまで続く。
作業者は、画面17aに表示された指示に従って薬瓶20を取り上げる。このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、取り上げられた薬瓶20の重量を測定する。これにより、取り上げられた薬瓶20の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶20の取り上げ順序の監査が行われる(ステップS16A)。また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられた回数(取り上げられた薬瓶20の個数)を測定してもよい。
作業者は、薬瓶20を取り上げた後、薬液調製支援システム10からエラー状態の発生の警告を受けなかった場合、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS17へ移動する。なお、ステップS16Aにおける監査の結果から、正しい状態が認識される場合に、自動的にステップS17へ移動してもよい。または、制御部18が、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられたことを自動的に認識することにより、ステップS17へ移動してもよい。薬瓶20が取り上げられたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が減少したか否かによって判別することができる。
作業者が間違った薬瓶20を取り上げた場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。
エラー状態から復帰すると、すなわち作業者が取り間違えた薬瓶20を薬瓶載置部14a上に返却すると、ステップS16へ戻る。エラー状態から復帰したか否かについては、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が増加したか否かによって自動判別することができる。
ステップS17では、取り上げられた薬瓶20がバイアル容器であるか否かが判定される。この判定は、記憶部19に記憶されている薬液に関する情報に基づいて、制御部18が判定する。薬瓶20がバイアル容器である場合、ステップS18へ移動する。一方、薬瓶20がバイアル容器ではない場合、ステップS19へ移動する。
ステップS18では、情報提示部17の画面17aに、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、シリンジの空引量と薬液のポンピング吸引を作業者に指示する画像が表示される。図15には、シリンジ23aに空気を10ml吸引した後、薬液をポンピング吸引する指示を表示する作業指示表示17cを例示している。このシリンジ駆動装置23の動作手順の情報は、薬液に関する情報に含まれている。
薬瓶20がバイアル容器の場合、薬液の吸引時にバイアル容器の内圧をできる限り一定に保つために、吸引する薬液量(薬液の用量)に応じた量の交換空気を予めシリンジ23aに吸い込んでおく必要がある。また、ポンピング吸引を行う必要がある。したがって、薬瓶20がバイアル容器である場合に、シリンジ駆動装置23の動作手順を作業者に提示することにより、作業者は画面17aに表示された指示の通りにシリンジ駆動装置23を動作させて、効率的に薬液を吸引することができる。
このように、シリンジ駆動装置23の動作手順の情報を作業者に提示することにより、より効率的に薬液を吸引することができる。なお、無論、シリンジ駆動装置23の動作手順の情報は、図15において作業指示表示17cに表示された指示に限定されるものではない。
作業者は、取り上げた薬瓶20から薬液を吸引した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS19へ移動する。
なお、シリンジの空引量には、薬液の用量よりも若干少なめの量を設定する。これにより、バイアル容器内の薬液を所定量だけ吸引した際、バイアル容器内を常に陰圧にすることができる。したがって、バイアル容器から注射針23bを抜き取る際にバイアル容器内から残液などが噴き出す、いわゆるエアロゾル現象を防止することができる。
ステップS19では、図16に示すように、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、情報提示部17の画面17aに、薬瓶の返却を作業者に指示する画像が表示される。図16には、返却対象の薬瓶が薬瓶Aの場合を例示している。この実施の形態では、返却対象の薬瓶の実写画像20c等を拡大表示する。また、この実施の形態では、返却対象の薬瓶に対応するLED表示部が発光しており、作業指示表示17cには、LED表示部が発光している位置(LED表示位置)に薬瓶を返却する指示が表示される。こうすることで、作業者は、薬瓶20をより確実に元の位置へ返却することができる。
作業者は、取り上げた薬瓶20から薬液を吸引した後、画面17aに表示された指示に従って薬瓶20を返却する。このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、吸引された薬液の重量または吸引された薬液の量を測定する。これにより、吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査や、薬液の混合調製順序の監査が行われる(ステップS19A)。
また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aに薬瓶20が返却された回数(返却された薬瓶20の個数)を測定してもよい。
作業者は、薬瓶20を薬瓶載置部14aに返却した後、薬液調製支援システム10からエラー状態の発生の警告を受けなかった場合、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS20)。これにより、ステップS21へ移動する。なお、ステップS19Aにおける監査の結果から、正しい状態が認識される場合に、自動的にステップS21へ移動してもよい。または、制御部18が、薬瓶20が返却されたことを自動的に認識することにより、ステップS21へ移動してもよい。薬瓶20が返却されたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS21では、ステップS16AまたはステップS19Aにおいて測定された薬瓶の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とが比較されて、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かが判定される。薬液が吸引された薬瓶の個数が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20の個数と一致する場合は、ステップS22へ移動する。一致しない場合には、ステップS16へ戻る。薬液が吸引された薬瓶の個数が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20の個数と一致するまで、ステップS16からステップS21までの処理が繰り返される。
ステップS19Aの監査において薬液の吸引量などの過誤が判明した場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。このとき、処方箋IDと薬液の吸引量などの過誤を示す監査情報とが制御部18によって記憶部19から読み出されて医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した監査情報を処方箋IDと関連付けて記録する。また制御部18は、処方箋25を読取部24から抜き取るように作業者に指示する画像を画面17aに表示させる。
このように、ステップS19Aの監査において薬液の吸引量などの過誤が判明した場合には、現在の薬液の調製作業を中止させる。作業者は、この中止を受けて、薬液の調製作業を最初(図8のスタート)からやり直す。
ステップS22では、図17に示すように、情報提示部17の画面17aに、輸液バッグ21の注出口栓21aに注射針23bを挿入して、シリンジ23a内の薬液を輸液バッグ21へ注入するように作業者に指示する画像が表示される。なお、図17には、予め生理食塩水が500ml入れられた輸液バッグ21を例示している。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、輸液バッグ21に薬液を注入する。なお、ステップS22においても、シリンジ駆動装置23の動作手順や駆動スピードの情報を、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づいて、画面17aに表示してもよい。
このとき、前述したように、輸液バッグ重量計測部15によって計測される重量の変化に基づいて、注入された薬液の計量監査が行われる。また、前述したように、薬液の注入量または注入重量に過誤がある場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。これにより、作業者は、シリンジ23aに薬液が残存していることを確認することができる。この場合、作業者は、シリンジ23a内に残存する薬液を輸液バッグ21へ注入する。この監査により、作業者は、シリンジ23a内に吸引された薬液が全て輸液バッグ21に注入されたか否かを容易に確認することができる。
作業者は、輸液バッグ21に薬液を注入した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS23へ移動する。なお、制御部18が、輸液バッグ21に薬液が注入されたことを自動的に認識することにより、ステップS23へ移動してもよい。薬液が注入されたか否かは、例えば、輸液バッグ重量計測部15によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS23では、図18に示すように、情報提示部17の画面17aに、シリンジ駆動装置23に装着されているシリンジ23aから注射針23bを取り外してから、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻すように作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻す。このとき、前述したように、クレードル部16がシリンジ駆動装置23の重量を計測し(シリンジ重量計測ステップ)、制御部18が、クレードル部16によって計測される重量に基づいて、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの判定を行って、その判定の結果を監査情報として記憶部19に記憶させる(第3の監査情報生成ステップ)。この監査を行うのは、輸液バッグ21に注入された薬液の計量監査だけでは、輸液バッグ21に薬液を注入する際に、薬液がこぼれるミスがあったかどうかについてまでは判定できないためである。クレードル部16によって計測される重量に基づいて、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの監査を行うことで、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかを確実に判定することができる。シリンジ23a内に薬液が残存していることが認識される場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。この場合、作業者は、シリンジ23a内に残存する薬液を輸液バッグ21へ注入する。
作業者は、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS24へ移動する。なお、制御部18が、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたことを自動的に認識することにより、ステップS24へ移動してもよい。シリンジ駆動装置23が戻されたか否かは、例えば、クレードル部16によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS24では、記憶部19に記憶された患者の情報や監査情報に基づき、図19に示すように、情報提示部17の画面17aに、患者の情報や監査情報が表示される。
作業者は、画面17aに表示された患者の情報や監査情報を確認した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。この完了ボタン17dの操作により、情報提示部17の画面17a上に、図20に示すようなコントラスト比の高い幾何学模様が写し出される。したがって、作業者は、画面17aを輸液バッグ21の背景として用いることにより、輸液バッグ21内の薬液の中の異物や輸液バッグ21内の薬液の白濁などを目視で容易に確認することができる。
監査人である看護師や薬剤師は、画面17aに表示される監査情報や患者の情報を確認し、さらに、輸液バッグ21内の薬液の混合状態を目視によって確認した後、画面17a上の完了ボタンを操作する。これにより、ステップS25へ移動する。
ステップS25では、図示しないが、情報提示部17の画面17aに、監査結果が正常であるか否かを作業者に問い合わせる画像が表示される。作業者は、画面17a上に表示された指示に従い、監査結果がOKであるかNGであるかを指定する。この指定は、例えば、作業者が画面17a上のOKボタンまたはNGボタンを操作することで実現してもよい。
監査結果がOKの場合、ステップS26へ移動する。ステップS26では、記憶部19に記憶されている処方箋IDと監査情報が制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した監査情報を処方箋IDと関連付けて記録する。この間、図21に示すように、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12に監査情報を登録中であることを示す画像が表示される。
監査情報の医療情報データベース12への送信が完了すると、ステップS27へ移動する。ステップS27では、図22に示すように、情報提示部17の画面17a上に、処方箋25への押印を作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24から抜き取り、その抜き取った処方箋25に押印する。作業者は、処方箋25を読取部24から抜き取った後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS28)。これにより、ステップS29へ移動する。なお、読取部24に処方箋25が挿入されているいか否かに応じて異なるレベルの信号を発生させるセンサを読取部24に設けることにより、作業者が処方箋25を読取部24から抜き取ったか否かを制御部18が自動判別するようにしてもよい。
ステップS29では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、シリンジ23aと薬瓶20を廃棄するように作業者に指示する画像が表示される。作業者は、画面17aに表示された指示に従い、薬瓶載置部14a上の使用済み薬瓶20を廃棄する。また、作業者は、クレードル部16に保持されているシリンジ駆動装置23からシリンジ23aを取り外して廃棄する。
作業者は、シリンジ23aと薬瓶20を廃棄した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS30)。これにより、一連の薬液調製作業を終了する。なお、制御部18が、薬瓶20が薬瓶載置部14aから取り上げられたこと、および、シリンジ駆動装置23がクレードル部16から取り上げられたことを自動的に認識することにより、処理を終了してもよい。薬瓶20が取り上げられたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって重量ゼロが計測されたかどうかによって判別することができる。また、シリンジ駆動装置23がクレードル部16から取り上げられたか否かは、例えば、クレードル部16によって重量ゼロが計測されたかどうかによって判別することができる。
一方、監査結果がNGの場合、ステップS31へ移動する。ステップS31では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、エラーの内容を入力するための画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、エラーの内容を入力する。このエラーの情報は制御部18によって記憶部19に記憶される。作業者は、エラー内容を入力した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS32)。これにより、ステップS33へ移動する。
ステップS33では、記憶部19に記憶された処方箋IDとエラー情報が制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信したエラー情報を処方箋IDと関連付けて記録する。なお、図示しないが、この間、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12にエラー情報を登録中であることを示す画像を表示する。
エラー情報の医療情報データベース12への送信が完了すると、ステップS34へ移動する。ステップS34では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、処方箋25の抜き取りを作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24から抜き取る。作業者は、処方箋25を読取部24から抜き取った後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS35)。これにより、ステップS29へ移動する。なお、読取部24に処方箋25が挿入されているいか否かに応じて異なるレベルの信号を発生させるセンサを読取部24に設けることにより、作業者が処方箋25を読取部24から抜き取ったか否かを制御部18が自動判別するようにしてもよい。
以降、前述したステップS29とステップS30の処理を経て、一連の薬液調製作業を終了する。そして、作業者は、監査結果がNGの場合、再度、薬液の調製作業を最初(図8のスタート)からやり直す。
以上説明した方法により、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15およびクレードル部16によってそれぞれ計測された重量に基づいて、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
なお、前述したように、クレードル部16がシリンジ駆動装置23の重量を計測し(シリンジ重量計測ステップ)、制御部18が、クレードル部16により計測された重量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の種類の照合監査を行ってもよい(第3の監査情報生成ステップ)。
また、図8および図9に示す例では、混合調製する全薬液を輸液バッグ21に一度に注入する場合について説明したが、輸液バッグ21への薬液の注入を複数回に分けて行う場合も、図8および図9に示す具体例と同様の方法でもって薬液調製支援方法を実現することができる。この場合、前述したように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査を行ってもよい。また、前述したように、クレードル部16による重量の計測回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査を行ってもよい。
また、混合させる薬液の種類の数が、薬瓶載置部14に載置可能な薬瓶の数を超える場合には、混合させる薬液を混合調製順に複数のグループに分割させることで、上記説明した実施の形態と同様に、種々の監査を支援することができる。
また、複数種類の薬液を混合調製する場合について説明したが、1種類の薬液を輸液バッグに注入する場合にも、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10および薬液調製支援方法を適用することができる。
本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができる。よって、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止して、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。また、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、看護師や薬剤師などが安全かつ正確に薬液を扱うことができるようになる。したがって、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法は、看護師や薬剤師などの作業負担を大幅に軽減させることができ、医療などの分野における薬液の調製に有用である。
本発明は、医療などの分野において注射薬などの薬液を輸液バッグへ注入する際の監査に用いられる薬液調製支援システムおよび薬液調整支援方法に関する。
病院などで薬液を入院患者などに施用する際には、数種類の薬液容器から取り出した薬液を混合して、その混合した薬液を施用する場合が多い。数種類の薬液を混合する場合には、混合する薬液を取り揃える際に、薬液の種類を確認する必要がある。特に病院などで薬液を入院患者などに施用する場合には、薬液の種類の確認を十二分に行って、薬液の取り揃えの過誤を防止する必要がある。病院などで入院患者などに施用される薬液の中には、安全性に十分配慮して取り扱うべき薬液があるためである。
また、薬液を混合する際には、薬液容器(薬瓶)から薬液をシリンジに吸引して、該シリンジから薬液を輸液バッグに注入するが、この作業の際には、薬液の吸引量を確認する必要がある。特に、施用量を誤ると人体に危険が及ぶ薬品については、薬液の量を十二分に確認する必要がある。
また薬液を混合する際にも、薬液の種類を確認する必要がある。薬液容器を取り間違えて薬液の混合調製順序を誤ると、所望の薬効を得られなかったり、混合された薬液が白濁するなどの問題が生ずるためである。
しかしながら、薬液の種類や薬液の量の確認は、一般的には看護師や薬剤師などの目視によって行われている。そのため、取り揃える薬液を間違えたり、薬液の量を間違えたり、薬液容器を取り間違えるなどの過誤の防止は、看護師や薬剤師などにとって大きな負担となっている。
また、薬液を混合する作業は一般的には看護師や薬剤師などの人手で行われており、薬液容器から薬液を取り出す際には、看護師や薬剤師などが、当該薬液容器に注射針を挿入して薬液を吸引している。しかしながら、ブドウ糖などの粘度の高い薬液を吸引する場合には、シリンジ操作に大きな力が必要となる。また、内圧調整の必要なバイアル容器から薬液を吸引する場合には、複雑な手技が要求される。そのため、薬液容器から薬液を取り出す作業は、看護師や薬剤師などにとって大きな負担となっている。
以上の理由から、看護師や薬剤師などの作業負担を軽減するための支援システムの開発が望まれている。
図23は、薬品を取り揃える際に用いられる従来の薬品監査装置を示す(例えば、特許文献1参照。)。この薬品監査装置1は、薬品を取り揃える際の薬品の照合監査を支援するために用いられる。以下、この薬品監査装置1を用いた監査の方法を説明する。
看護師や薬剤師などの作業者は、まず、調剤情報をデータ入力および表示装置2に入力する。そのデータ入力および表示装置2に入力された調剤情報に基き、記憶および解析装置3が、当該調剤に必要な薬品の画像データおよび重量データを比較判定装置4へ送信する。記憶および解析装置3は、病院や調剤薬局などで使用されている薬品の画像データおよび重量データを予め保存している。この記憶および解析装置3に保存されている薬品の画像データおよび重量データは、当該薬品監査装置1の画像データ認識装置5および重量計測装置6により予め作成しておく。
以降、作業者は、調剤情報に従い、当該調剤に必要な薬品を一個ずつ交代で薬品セットステージ7上に置く。当該薬品監査装置1は、薬品セットステージ7上に置かれた個々の薬品ごとに、次の処理を実行する。すなわち、まず、画像データ認識装置5が、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の画像データを作成し、その作成した画像データを比較判定装置4へ送信する。比較判定装置4は、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の画像データと記憶および解析装置3から送信された画像データとを比較し、判定する。その判定結果(OK・NG)はデータ入力および表示装置2へ送信される。さらに、判定結果がOKの場合、重量計測装置6が、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の重量データを作成し、その作成した重量データを比較判定装置4へ送信する。比較判定装置4は、薬品セットステージ7上に置かれた薬品の重量データと記憶および解析装置3から送信された重量データとを比較し、判定する。その判定結果(OK・NG)もデータ入力および表示装置2へ送信される。
以上のように、従来の薬品監査装置は、取り揃えられた個々の薬品の外観と重量を自動的に評価することにより、取り揃えられた薬品が正しい薬品であるか否かの照合監査を支援する。この監査により、薬品の取り揃えミスの防止を図ることができる。
特開2005−279228号公報
上述したように、従来の薬品監査装置は、薬品容器を取り揃える際の監査に用いることができる。しかしながら、この従来の薬品監査装置は、薬液を混合するなどして薬液を調製する際の監査には用いることができなかった。
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。詳しくは、本発明の目的は、薬液を調製する際の薬液の注入量などの監査を支援することができる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る薬液調製支援システムは、薬瓶が載置される薬瓶載置部と、前記薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する第1の重量計測部とを有する薬瓶重量計測部と、輸液バッグが載置される輸液バッグ載置部と、前記輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する第2の重量計測部とを有する輸液バッグ重量計測部と、記憶部と、前記薬瓶重量計測部により計測された重量の変化と前記輸液バッグ重量計測部により計測された重量の変化とを比較し、その比較の結果に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、前記記憶部に予め記憶されている輸液バッグに注入させる薬液に関する情報または前記制御部により前記記憶部に記憶された監査情報のうちの少なくとも一方を表示する情報提示部と、を備える。
また、本発明に係る薬液調製支援方法は、薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する薬瓶重量計測ステップと、輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する輸液バッグ重量計測ステップと、前記薬瓶重量計測ステップにより計測された重量の変化と前記輸液バッグ重量計測ステップにより計測された重量の変化とを比較し、その比較の結果に基づいて監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部に記憶させる監査情報生成ステップと、を具備する。
本発明によれば、薬液を調製する際の薬液の吸引量や、薬液の混合調製順序、薬液の注入量などの監査を支援することができる。したがって本発明によれば、薬瓶の取り間違いや薬液の量の過誤などの防止を図ることができる。よって、本発明によれば、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る薬液調製支援システムの構成の概略を示す斜視図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部および輸液バッグ重量計測部の主要部を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部により計測される重量の変化の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法のフローチャート 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの前半部分を示す図 本発明の実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの後半部分を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 本発明の実施の形態に係る情報提示部の画面に映し出される画像の一例を示す図 従来の薬品監査装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。
図1は本発明の実施の形態に係る薬液調製支援システムの構成の概略を示す斜視図である。図1に示すように、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10は、薬液調製支援機器11と、薬液調製支援機器11にネットワークを介して接続する医療情報データベース12とからなる。
薬液調製支援機器11は、基台部13を備える。基台部13は、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15、クレードル部16および情報提示部17を備える。また、基台部13の筐体は、破線で示すように制御部18と記憶部19を内蔵している。
図2は本発明の実施の形態に係る薬瓶重量計測部および輸液バッグ重量計測部の主要部を示す図である。
図2に示すように、薬瓶重量計測部14は、複数個の薬瓶20が載置可能な薬瓶載置部14aと、薬瓶載置部14aに載置された全薬瓶20の合計重量を計測する重量計測部14bとを有する。重量計測部14bは、薬瓶載置部14aの鉛直下部に配置されている。
図2には、薬瓶載置部14a上に、形状が互いに異なる2個のバイアル容器20aと、形状が互いに異なる4個のアンプル容器20bとが載置されている様子を例示している。なお、図1には、薬瓶重量計測部14の薬瓶載置部が最大6個の薬瓶20を載置できる構成を示しているが、無論、薬瓶重量計測部14の薬瓶載置部に載置可能な薬瓶の個数は6個に限定されるものではない。
また、図2に示すように、輸液バッグ重量計測部15は、薬液が注入される輸液バッグ21が載置される輸液バッグ載置部15aと、輸液バッグ載置部15a上に載置された輸液バッグ21の重量を計測する重量計測部15bとを有する。重量計測部15bは、輸液バッグ載置部15aの鉛直下部に配置されている。輸液バッグ載置部15aに載置する輸液バッグ21には、予め生理食塩水を入れている。
図1に示すように、輸液バッグ重量計測部15の輸液バッグ載置部は、輸液バッグ21の注出口栓21a近傍を支持する支持部15cを備えている。この支持部15cにより、輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向くように輸液バッグ21が支持される。
このように輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向くことにより、シリンジに吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する際に、シリンジの注射針を輸液バッグ21の注出口栓21aに刺しやすくなる。
また、輸液バッグ21の注出口栓21aに注入用注射針を刺しておき、その注出口栓21aに刺された注入用注射針にシリンジを嵌めて、薬液を輸液バッグ21に注入する場合がある。このようにすれば、輸液バッグ21の注出口栓21aに注射針を繰り返し抜き差しする必要がなくなるため、注射針の抜き差しによるコアリングを防止することができる。コアリングは、注射針によってゴム栓が削り取られる現象のことである。このように輸液バッグ21の注出口栓21aに注入用注射針を刺した状態で、シリンジから輸液バッグへ薬液を注入する場合において、輸液バッグ21の注出口面21bが斜め上方を向いていれば、注入用注射針がシリンジ以外の物と触れて汚染されることを防止できる。
また、図2に示すように、制御部18は信号線22aを介して薬瓶重量計測部14と輸液バッグ重量計測部15に接続しており、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量のデータは、信号線22aを介して制御部18へ送信される。制御部18は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量の変化に基づいて、薬液の調製作業の監査結果を表す監査情報を生成する。記憶部19は、信号線22bを介して制御部18に接続しており、制御部18は、監査情報を記憶部19に記憶させる。このように自動的に監査情報を生成して記憶部19に格納することにより、従来は人手によって行われていた監査結果の記録および監査結果の蓄積を自動化することができる。したがって、この自動化により、薬液調製業務の効率化を図ることができる。
なお、この実施の形態では、薬瓶載置部14aに載置された全薬瓶20の合計重量を計測する場合について説明するが、複数の計測器を用いて、薬瓶載置部14aに載置された各薬瓶20の重量を個別に計測してもよい。但し、全薬瓶20の合計重量を計測することにより、各薬瓶20の重量を個別に計測する場合よりもセンサの数を減らすことができる。
以上説明した構成により、薬液調製支援システム10は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によりそれぞれ計測された重量の変化を基に、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。各種監査処理を実行するに際しての薬液調製支援システム10の動作については後述する。
続いて、クレードル部16について説明する。図1に示すように、クレードル部16は、シリンジ駆動装置23を保持する。シリンジ駆動装置23は、シリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aのピストンを駆動する。このシリンジ駆動装置23により、シリンジ23aのシリンダー内への薬液の吸引およびシリンジ23aのシリンダーから輸液バッグ21への薬液の注入を支援することができる。
詳しくは、クレードル部16は、シリンジ駆動装置23を保持する保持部16aと、保持部16aに保持されているシリンジ駆動装置23の重量を計測する重量計測部(図示せず)を有する。この薬液調製支援システム10においては、クレードル部16がシリンジ重量計測部に該当する。
このクレードル部16の重量計測部も、図2に示す薬瓶重量計測部14の重量計測部14や輸液バッグ重量計測部15の重量計測部15bと同様に、シリンジ駆動装置23を保持する保持部16aの鉛直下部に配置されている。
また、このクレードル部16の重量計測部も、図2に示す薬瓶重量計測部14の重量計測部14や輸液バッグ重量計測部15の重量計測部15bと同様に、信号線を介して制御部18に接続しており、クレードル部16の重量計測部により計測された重量のデータは、制御部18へ送信される。したがって、制御部18は、クレードル部16により計測された重量に基づいて、薬液の調製作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶させることができる。
また、クレードル部16の保持部16aは、シリンジ駆動装置23を充電する充電部(図示せず)を有する。したがって、クレードル部16によってシリンジ駆動装置23が保持されている間に、シリンジ駆動装置23の電源(図示せず)が充電される。
このクレードル部16を備えることにより、薬液調製支援システム10は、シリンジ23a内に薬液が残存しているか否かの監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の量の監査などを支援することができ、これらの監査により、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。クレードル部16によって計測される重量に基づいて各種監査処理を実行する際の薬液調製支援システム10の動作については後述する。
なお、クレードル部16に、シリンジ23aから使用済み針を抜き取るための針除去部(図示せず)を設けてもよい。針除去部は、例えばV溝を設けた平板などで構成することができる。そのV溝にシリンジ23aのフランジ部を引っかけて、針を抜き取ることができる。このような針除去部を設けることにより、看護師や薬剤師などの作業者が使用済み針に触れずに針を除去できる。よって、使用済みの針を除去するときの針刺し事故を防止できる。
続いて、情報提示部17について説明する。図1に示すように、情報提示部17は画面17aを備える。この画面17aに表示される画像は、制御部18が記憶部19に記憶されている各種の情報に基づいて制御する。この実施の形態では、輸液バッグ21に注入させる薬液に関する情報や、監査情報、調製された薬液が施用される患者の情報などが情報提示部17の画面17aに表示される場合について説明する。薬液に関する情報は、薬液の種類や、薬液の用量、薬液の調製手順などの薬液の調製に必要な情報を含む。なお、薬液に関する情報と監査情報の何れか一方のみを情報提示部17に表示させてもよい。
この情報提示部17を備えることにより、薬液調製支援システム10は、例えば輸液バッグ21に注入すべき薬液の種類や、薬液の混合調製順序などの情報を作業者へ視覚的に提示することが可能となる。したがって、作業者が、薬液の調製作業に必要な情報を簡単かつ正確に確認できるようになる。また、作業者が、効率的に薬液を調製できるようになる。
続いて、基台部13について説明する。図1に示すように、基台部13は、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15およびクレードル部16と一体化している。また基台部13は、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15に隣接して配置された作業台(混合調製エリア)13aを備える。この作業台13a上で、看護師や薬剤師などの作業者は、薬液の調製作業を実施できる。また既に述べたように、基台部13に情報提示部17が設置されており、基台部13の筐体には制御部18と記憶部19が内蔵されている。したがって、この構成により、薬液調製支援機器11のコンパクト化を図ることができる。よって、作業者は、薬液調製支援機器11を持ち運んで任意の場所で薬液を調製することができる。なお、薬液調製支援システムは、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15、クレードル部16および情報提示部17を基台部13から分離させた構成としてもよい。
続いて、医療情報データベース12について説明する。この薬液調製支援システム10においては、薬液調製支援機器11と医療情報データベース12との間で、薬液に関する情報や、監査情報、患者の情報等の医療情報が送受信される。この構成により、各種の情報を必要に応じて医療情報データベース12から取り込んで記憶部19に記憶(格納)させることができる。さらに、記憶部19に記憶した監査情報を、医療情報として医療情報データベース12に蓄積させることができる。このように各種の情報を薬液調製支援機器11と医療情報データベース12との間で送受信することにより、基台部13に内蔵される記憶部19の容量を削減することができる。したがって、薬液調製支援機器11のコンパクト化をより一層図ることができる。
続いて、情報提示部17の画面17aに表示する情報について説明する。制御部18は、記憶部19に記憶されている薬液に関する情報を基に、輸液バッグ21に注入させる薬液の入った各薬瓶20の実物大の写真画像(実写画像)を、情報提示部17の画面17aに混合調製順に並べて表示させる。したがって、薬液に関する情報は実写画像のデータを含む。
このように実写画像を混合調製順に並べて表示させることで、看護師や薬剤師などの作業者は、実写画像と見比べながら、薬瓶20を混合調製順に整列配置させることができる。よって、作業者は、視覚的に薬液の種類(薬瓶の種類)を照合することができる。したがって、例えば、似通った名前の薬液が入っている薬瓶を取り揃える必要がある場合でも、薬瓶の取り揃えミスや、薬瓶の配置順序の過誤の防止を図ることができる。さらに、薬瓶を混合調製順に整列させることができるので、薬液を吸引する順序(薬液の混合順序)の過誤の防止を図ることができる。
この薬液調製支援システム10は、薬液に関する情報を医療情報データベース12から取り込むために、処方箋識別情報(処方箋ID)を読み取る読取部24を備える。読取部24で読み取られた処方箋IDは制御部18によって記憶部19に記憶される。記憶部19に記憶された処方箋IDは、制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに対応する薬液に関する情報や患者情報などを送信する。制御部18は、医療情報データベース12から送信された薬液に関する情報や患者情報などを記憶部19に記憶させる。処方箋IDには、例えば1次元または2次元のバーコードを用いることができる。
この薬液調製支援システム10においては、処方箋IDを読み取る読取部24は情報提示部17の背部に設けられている。この読取部24は、処方箋が印字された用紙(以下、「処方箋」と云う)25を保持するためのフォルダの形状をしている。したがって、読取部24は、フォルダに挿入された処方箋25に印字されている処方箋IDを読み取る。
このように処方箋識別情報を読み取る読取部24を設けることで、医療情報データベース12からの医療情報の取り込みが容易となる。また、情報提示部17の背部に処方箋25のフォルダを設けることで、薬液を調製する際に処方箋25が薬液等で汚れて文字が読み取れなくなるなどのリスクを低減することができる。
なお、処方箋IDを読み取る読取部24に代えて、処方箋25の紙面に印刷された薬液に関する情報および患者の情報を読み取る読取部を設けて、その読取部によって読み取られた情報を記憶部19に記憶させる構成としてもよいし、処方箋IDや薬液に関する情報などを読み取る読取部に代えて、処方箋IDや薬液に関する情報などを入力できる入力部を設けて、その入力部によって入力された情報を記憶部19に記憶させる構成としてもよい。
また、この薬液調製支援システム10はカメラ26を備える。このカメラ26は、作業者の認証に用いられる。すなわち、制御部18は、カメラ26により撮影された作業者の画像と、記憶部19に記憶されている作業者の画像とを比較して認証を行う。このようにすれば、予め登録された人のみに作業を許可することができる。また、このカメラ26は、使用する薬液が入っている薬瓶20の認証に用いることもできる。すなわち、制御部18は、カメラ26により撮影された薬瓶20の画像と、薬液に関する情報に含まれる実写画像とを比較して認証を行う。このようにすれば、薬瓶の取り揃えミスなどの防止を図ることができる。また、このカメラ26は、薬液調製作業の映像を記録するためにも用いることができる。
また図示しないが、薬瓶重量計測部14の薬瓶を載置する各位置に反射型フォトセンサを埋設し、その反射型フォトセンサが発生する信号を制御部18へ伝送させてもよい。このようにすれば、重量が同じ複数の薬瓶20が薬瓶載置部14aに載置された場合でも、薬瓶20が混合調製順序の通りに薬瓶載置部14aから取り上げられているか否かや、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20が薬瓶載置部14a上の元の位置に戻されたか否かについて、反射型フォトセンサが発生する信号を基に制御部18が判定できるようになる。したがって、薬瓶の取り間違えなどの過誤を確実に防止することが可能となる。
また図示しないが、薬液調製支援機器11には、薬瓶重量計測部14の近傍に、薬瓶重量計測部14の薬瓶を載置する各位置に対応させて、LED(Light Emitting Diode)表示部が設けられている。このLED表示部の発光は、制御部18によって制御される。つまり制御部18は、吸引対象の薬瓶20に対応するLED表示部を発光させる。このLED表示部の発光により、吸引対象の薬瓶20を作業者へ明示的に指示することができる。
続いて、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10の基本的な動作について説明する。
まず、看護師や薬剤師などの作業者が、情報提示部17の背部に設けられた読取部24に処方箋25を挿入する。処方箋25には、患者の情報や、当該患者に施用する薬液に関する情報や、処方箋ID等が印字されている。読取部24に処方箋25が挿入されると、読取部24は、処方箋25に印字された処方箋IDを読み取る。この読み取られた処方箋IDは、制御部18によって記憶部19に記憶される。記憶部19に記憶された処方箋IDは、制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに対応する患者の情報や薬液に関する情報などを送信する。この送信された患者の情報や薬液に関する情報などは、制御部18によって記憶部19に記憶される。
以降、制御部18が、記憶部19に記憶されている患者の情報や薬液に関する情報などを基に、薬液調製作業の各ステップに応じた指示を、情報提示部17の画面17aに表示させる。したがって、作業者は、情報提示部17の画面17aに表示された指示に沿って、薬液の調製作業を行ことができる。
図3は、情報提示部17の画面17aに表示される指示の一例を示す図である。図3には、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置するように作業者に指示する画像の一例が示されている。
具体的には、画面17aの最上部には、薬液調製作業の現在のステータスを示すステータス表示17bが表示される。このステータス表示17bにより、作業者は、現在、薬液調製作業のどのステップにいるのかを容易に確認できる。したがって、作業割込があった場合でも、作業者は容易に作業を再開することができる。
また、ステータス表示17bの下には、作業指示表示17cと完了ボタン17dが表示される。作業指示表示17cに表示される内容は、薬液調製作業の各ステップに応じて変化する。作業指示表示17cと完了ボタン17dの下には、患者の氏名や病室等を示す患者情報表示17eが表示される。
また、患者情報表示17eの下には、輸液バッグ21に注入すべき薬液に関する情報を示す薬液情報表示17fが表示される。薬液情報表示17fには、例えば図3に示すように、取り揃えるべき薬瓶の実写画像20cと共に薬液の名称や薬液の用量が混合調製順に左から並べて表示される。
このように、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った各薬瓶20の実写画像20cを情報提示部17の画面17aに混合調製順に並べて表示することにより、作業者は、その表示された実写画像20cにほぼオーバーラップさせる仕方で、薬瓶20を薬瓶載置部14a上に並べることができる。したがって、作業者は、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った薬瓶20を薬瓶載置部14a上に混合調製順に整列して載置することができる。
図3には、輸液バッグ21に注入する必要のある薬液が薬液A、B、Cである場合について例示している。以降、薬液A、B、Cをこの順序で混合調製する場合を例に説明する。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際には、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化を基に、取り揃えられた薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶の配置順序の監査や、取り揃えた薬瓶の計数監査を支援することができる。
図4は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
まず作業者により、薬液Aが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Aと称す)が薬瓶載置部14a上に載置される。この初期状態では、図4に示すように、薬瓶Aの重量W1が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、重量ゼロからの増加量ΔW1(=W1−0)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW1を薬瓶Aの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Aの重量ΔW1と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Aの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Aの重量ΔW1と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の初期重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている。ここで、薬瓶の初期重量は、薬液が使い切りの場合は、未開封の状態の薬瓶の重量を意味する。これに対して、薬瓶に入っている薬液を複数回に分けて使用する場合は、薬瓶の初期重量は、前回使用後の薬瓶の重量を意味する。この前回使用後の薬瓶の重量は、医療情報データベース12に、薬瓶毎に付与された識別情報に関連付けて登録しておけばよい。
次に、薬液Bが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Bと称す)が作業者により薬瓶載置部14a上に載置されると、図4に示すように、薬瓶Aと薬瓶Bの合計重量W2が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、前回計測された重量W1からの増加量ΔW2(=W2−W1)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW2を薬瓶Bの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Bの重量ΔW2と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Bの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Bの重量ΔW2と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に、薬液Cが入っている薬瓶20(以下、薬瓶Cと称す)が作業者により薬瓶載置部14a上に載置されると、図4に示すように、薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が薬瓶重量計測部14により計測される。このとき、制御部18は、前回計測された重量W2からの増加量ΔW3(=W3−W2)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW3を薬瓶Cの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに、制御部18は、認識した薬瓶Cの重量ΔW3と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Cの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Cの重量ΔW3と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量に基づいて、薬瓶載置部14a上に載置された薬瓶20の重量を測定することにより、取り揃えられた薬瓶(薬液)の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の重量が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の初期重量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、取り揃えエラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。取り揃えエラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた取り揃えエラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬瓶の配置順序が薬液の混合調製順序に一致しているか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬瓶20が薬瓶載置部14a上に取り揃えられる際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14a上に載置された薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶20の個数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬瓶の数のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬瓶の数を解析して、その解析した薬瓶の数のデータを記憶部19に記憶させてもよい。例えば制御部18は、薬液に関する情報に含まれる実写画像の数から薬瓶の数を解析することができる。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、取り揃えられた薬瓶の計数監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の個数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の個数のデータ(所定値)と一致しないことを認識した場合に、取り揃えた薬瓶20の個数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬瓶(薬液)の取り揃えに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、薬瓶20の重量を測定する場合について説明したが、薬液に関する情報から薬瓶単体の重量のデータを確認できる場合には、薬液の重量を測定してもよい。具体的には、制御部18は、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量を基に薬瓶20の重量を認識し、その認識した重量から当該薬瓶単体の重量を相殺して薬液の重量を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の初期重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このようにしても、薬瓶(薬液)の取り揃えに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
薬液の初期重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬液の初期重量を解析して、その解析した薬液の初期重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。具体的には、制御部18が、薬瓶の初期重量と薬瓶単体の重量との差分をとって薬液の初期重量を求めてもよい。薬液の初期重量は、薬液が使い切りの場合は、未開封の状態の薬瓶に入っている薬液の重量を意味する。これに対して、薬瓶に入っている薬液を複数回に分けて使用する場合は、前回使用後の薬瓶に入っている薬液の重量を意味する。
輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った各薬瓶20を薬瓶載置部14a上に取り揃えた後、作業者は、まず薬液Aが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Aを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。次に、作業者は、薬液Bが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Bを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。最後に、作業者は、薬液Cが入っている薬瓶20を手に取り、その手に取った薬瓶20から薬液Cを所定の用量だけシリンジ23a内に吸引する。そして、作業者は、薬液Cが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。なお、シリンジ23aから輸液バッグ21への薬液の注入は、1つの薬瓶20からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に行ってもよいし、複数個の薬瓶20からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に行ってもよい。
このように薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられる際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量を基に、取り上げられた薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶の取り上げ順序の監査や、薬瓶が取り上げられた回数の監査を支援することができる。また、薬瓶載置部14a上に薬瓶20が戻される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査や、薬液の混合調製順序の監査や、薬瓶が戻された回数の監査を支援することができる。
まず、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられる際の監査について説明する。図5は、薬瓶載置部14aから薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り上げられる際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り揃えられた初期状態では、図5に示すように薬瓶重量計測部14により薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が計測されている。作業者は、まず最初に、薬液Aを吸引するために、薬瓶Aを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により薬瓶Bと薬瓶Cの重量W4が計測される。このとき、制御部18は、初期状態の重量W3からの減少量ΔW4(=W3−W4)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW4を薬瓶Aの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Aの重量ΔW4と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Aの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Aの重量ΔW4と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の初期重量のデータには、薬液に関する情報に含まれている初期重量のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に測定された初期重量のデータを用いてもよい。
次に作業者は、薬液Aを吸引した後、その薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。次に作業者は、薬液Bを吸引するために、薬瓶Bを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W6が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Aが戻されたときに計測された重量W5からの減少量ΔW5(=W5−W6)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW5を薬瓶Bの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Bの重量ΔW5と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Bの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Bの重量ΔW5と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に作業者は、薬液Bを吸引した後、その薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W7が計測される。次に作業者は、薬液Cを吸引するために、薬瓶Cを薬瓶載置部14aから取り上げる。その結果、図5に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W8が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Bが戻されたときに計測された重量W7からの減少量ΔW6(=W7−W8)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW6を薬瓶Cの重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬瓶Cの重量ΔW6と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶Cの初期重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬瓶Cの重量ΔW6と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量に基づいて、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20の重量を測定することにより、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶(薬液)の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬瓶20の重量が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の初期重量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、取り上げエラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。取り上げエラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた取り上げエラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬瓶の取り上げ順序が薬液の混合調製順序に一致しているか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20から薬液が吸引される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aから取り上げられた薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20が取り上げられたか否かを判定する。
薬瓶の数のデータには、薬液に関する情報に含まれている薬瓶の数のデータを用いてもよいし、制御部18が薬液に関する情報から解析した薬瓶の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に測定された薬瓶の数のデータを用いてもよい。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かの監査を支援することができる。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬瓶(薬液)の取り上げに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、薬瓶の重量を測定する場合について説明したが、薬液に関する情報から薬瓶単体の重量のデータを確認できる場合には、薬液の重量を測定してもよい。具体的には、制御部18は、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量を基に薬瓶20の重量を認識し、その認識した重量から当該薬瓶単体の重量を相殺して薬液の重量を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の初期重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このようにしても、薬瓶(薬液)の取り上げに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
続いて、薬瓶載置部14aに薬瓶20が戻される際の監査について説明する。図6は、薬液A、B、Cが吸引された各薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻される際に薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の一例を示す図である。
薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20が取り揃えられた初期状態では、図6に示すように薬瓶重量計測部14により薬瓶Aないし薬瓶Cの合計重量W3が計測されている。作業者は、まず最初に、薬液Aを吸引するために、薬瓶Aを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Aを吸引した後、その薬液Aが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。このとき、制御部18は、初期状態の重量W3からの減少量ΔW7(=W3−W5)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW7を薬液Aの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Aの吸引重量ΔW7と、先に記憶部19に記憶されている薬液Aの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Aの吸引重量ΔW7と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の吸引重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから薬液の吸引重量を演算して、その演算した薬液の吸引重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の吸引重量から薬液の吸引量を演算し、その演算した吸引量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。
次に作業者は、薬液Bを吸引するために、薬瓶Bを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Bを吸引した後、その薬液Bが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W7が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Aが戻されたときに計測された重量W5からの減少量ΔW8(=W5−W7)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW8を薬液Bの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Bの吸引重量ΔW8と、先に記憶部19に記憶されている薬液Bの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Bの吸引重量ΔW8と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
次に作業者は、薬液Cを吸引するために、薬瓶Cを薬瓶載置部14aから取り上げる。そして作業者は、薬液Cを吸引した後、その薬液Cが吸引された薬瓶20を薬瓶載置部14a上の元の位置に戻す。その結果、図6に示すように、薬瓶重量計測部14により重量W9が計測される。このとき、制御部18は、薬瓶Bが戻されたときに計測された重量W7からの減少量ΔW9(=W7−W9)を測定する。そして制御部18は、測定した減少量ΔW9を薬液Cの吸引重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した薬液Cの吸引重量ΔW9と、先に記憶部19に記憶されている薬液Cの吸引重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液Cの吸引重量ΔW9と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の減少量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の吸引重量または薬液の吸引量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量または薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
続いて、吸引された薬液の種類の照合監査を支援する他の方法について、薬液Aを例に、図5を用いて説明する。薬液B、Cの照合監査も、以下で説明する薬液Aの照合監査と同様に行うことができるので、その説明は省略する。
上述したように、薬液Aが入っている薬瓶20が薬瓶載置部14aから取り上げられたとき、薬瓶重量計測部14により重量W4が計測され、薬液Aが吸引された薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻されたとき、薬瓶重量計測部14により重量W5が計測される。このとき、制御部18は、重量W4からの増加量ΔW10(=W5−W4)を測定する。そして制御部18は、測定した増加量ΔW10を、薬液Aが吸引された薬瓶20の重量として認識して記憶部19に記憶する。さらに制御部18は、認識した吸引後の薬瓶Aの重量ΔW10と、先に記憶部19に記憶されている、薬液Aが所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された吸引後の薬瓶Aの重量ΔW10と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から、薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量を解析して、その解析したデータを記憶部19に記憶してもよい。薬液が所定の用量だけ吸引された薬瓶の重量は、例えば、薬瓶の初期重量と薬液の吸引重量との差分をとって求めることができる。
以上のように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の増加量に基づいて、薬液が吸引された薬瓶20の重量を測定することにより、吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液吸引後の薬瓶20の重量が、先に憶部19に記憶されている、薬液吸引後の薬瓶の重量のデータと合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した薬瓶(薬液)の種類の照合監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の混合調製順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶20から薬液が吸引される際に、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14a上に戻された薬瓶20の個数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬瓶20の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20が返却されたか否かを判定する。
このように、薬瓶重量計測部14により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かの監査を支援することができる。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の吸引量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
続いて、輸液バッグ重量計測部15によって計測された重量の変化に基づく各種の監査について、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する場合を例に説明する。
輸液バッグ載置部15aに載置された輸液バッグ21にシリンジ23aから薬液が注入されると、その注入量に応じて、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量が増加する。制御部18は、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の増加量を基に、輸液バッグ21に注入された薬液の注入重量を測定する。この測定された薬液の注入重量は、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の注入重量のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入重量と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の注入重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから、薬液の注入重量を演算して、その演算した薬液の注入重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の注入重量から薬液の注入量を演算し、その演算した注入量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。または、薬液の注入量のデータまたは薬液の注入重量のデータとして、薬瓶20から薬液をシリンジ23aに吸引する際に測定された薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータを用いてもよい。
以上のように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の増加量に基づいて薬液の注入重量または薬液の注入量を測定することにより、輸液バッグ21に注入された薬液の計量監査や、輸液バッグ21に注入された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入重量または薬液の注入量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の注入重量または薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、注入エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、誤差範囲内で一致しないことを意味する。注入エラー情報は、注入量に過誤があること、注入した薬液の種類に過誤があること、シリンジ23a内に薬液が残存すること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。注入エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた注入エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明した輸液バッグに注入された薬液の計量監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の混合調製順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、輸液バッグ21に薬液が注入された回数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入回数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入回数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬瓶の数のデータには、薬液に関する情報に含まれている薬液の数のデータを用いてもよいし、制御部18が薬液に関する情報から解析した薬液の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に薬瓶20を取り揃える際に測定された薬液の数のデータを用いてもよいし、薬瓶載置部14a上に取り揃えられた薬瓶20から薬液を吸引する際に測定された薬液の数のデータを用いてもよい。
以上のように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査(薬液の計数監査)を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入回数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータと一致しないことを認識した場合に、薬液の注入回数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の注入量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21に注入する場合について説明したが、複数個の薬瓶からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に、その複数回にわたって吸引された薬液をシリンジ23aから輸液バッグ21へ一度に注入する場合も同様に、注入された薬液の計量監査や、注入された薬液の種類の照合監査、薬液の混合調製順序の監査を支援することができる。これらの監査処理では、シリンジ23a内に複数回にわたって吸引された全ての薬液の合計用量または合計重量を用いる。また、この場合、薬液の注入回数と薬瓶の数が一致しないことから、薬液の注入回数の監査を支援するには、記憶部19に薬液の注入回数のデータが記憶されている必要がある。薬液の注入回数のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報から薬液の注入回数を解析して、その解析した薬液の注入回数のデータを記憶部19に記憶させてもよい。例えば制御部18は、薬液に関する情報に含まれる薬液の混合調製手順のデータから薬液の注入回数を解析することができる。
続いて、クレードル部16によって計測された重量に基づく各種の監査について、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21へ注入する場合を例に説明する。
シリンジ駆動装置23は、薬瓶20から薬液を吸引するときや、輸液バッグ21へ薬液を注入するときには、作業者の手に持たれており、クレードル部16には保持されていない。
作業者が、シリンジ23a内に薬液を吸引した後、輸液バッグ21へ薬液を注入する前にクレードル部16にシリンジ駆動装置23を保持させると、シリンジ23a内に吸引された薬液の量に応じて、シリンジ駆動装置23の重量が初期重量から増加する。シリンジ駆動装置23の初期重量は、シリンジ23a内が空の状態での重量である。制御部18は、クレードル部16により計測される重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液の吸引重量を測定する。この測定された吸引重量は、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の吸引重量と、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量のデータとを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の吸引重量と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
薬液の吸引重量のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータから、薬液の吸引重量を演算して、その演算した薬液の吸引重量のデータを記憶部19に記憶させてもよい。なお、制御部18が、測定した薬液の吸引重量から薬液の吸引量を演算し、その演算した吸引量と、薬液に関する情報に含まれている薬液の用量のデータとを比較してもよい。または、薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータとして、薬瓶重量計測部14によって計測された重量の変化に基づいて測定された薬液の吸引量のデータまたは薬液の吸引重量のデータを用いてもよい。
以上のように、クレードル部16により計測された重量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の種類の照合監査を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の吸引重量または薬液の吸引量が、先に記憶部19に記憶されている薬液の吸引重量のデータまたは薬液の用量のデータ(所定値)と合致しないことを認識した場合に、吸引エラー情報を発生させる。ここで、合致しないとは、許容誤差範囲内で一致しないことを意味する。吸引エラー情報は、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを示す。吸引エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた吸引エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上説明したシリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査は薬液の混合調製順に行われるので、薬液の吸引順序が正しいか否かの監査も併せて支援することができる。
また、制御部18は、クレードル部16による重量の計測回数を計数し、その計数結果に基づいて、シリンジ23aから輸液バッグに薬液が注入される回数を測定する。この測定されたデータは、制御部18によって記憶部19に記憶される。そして制御部18は、測定した薬液の注入回数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とを比較して、その比較結果を記憶部19に記憶する。このように、測定された薬液の注入回数と、比較結果とが、監査情報として記憶部19に記憶される。
以上のように、クレードル部16による重量の計測回数を計数することにより、薬液の注入回数(薬液の計数監査)を支援することができる。
また、制御部18は、測定した薬液の注入回数が、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータと一致しないことを認識した場合に、薬液の注入回数が不足していることを示す計数エラー情報を発生させる。計数エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた計数エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この薬液調製支援システム10は、薬液の吸引量などに過誤があるか否かの監査を支援することができる。
なお、ここでは、1つの薬瓶20から薬液を吸引する度に、その吸引した薬液を輸液バッグ21に注入する場合について説明したが、複数個の薬瓶からシリンジ23a内に薬液を吸引した後に、シリンジ駆動装置23の重量を計測する場合も同様に、吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査、薬液の混合調製順序の監査を支援することができる。これらの監査処理では、シリンジ23a内に複数回にわたって吸引された全ての薬液の合計用量または合計重量を用いる。また、薬液の注入回数を監査する場合には、記憶部に記憶されている薬液の注入回数のデータを用いる。
続いて、輸液バッグ21に薬液を注入した後にシリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの監査について説明する。作業者が、輸液バッグ21へ薬液を注入した後に、クレードル部16にシリンジ駆動装置23を保持させたとき、制御部18は、クレードル部16により計測される重量がシリンジ駆動装置23の初期重量と一致するか否かを判定する。そして、制御部18は、その判定結果を監査情報として生成する。
このように、クレードル部16により計測された重量を基に、シリンジ23a内に吸引された薬液が全て輸液バッグ21に注入されたか否かの監査を支援することができる。
また、制御部18は、シリンジ23a内に薬液が残存することを認識した場合に、残存エラー情報を発生させる。残存エラー情報は、情報提示部17の画面17a上に表示させてもよい。または、薬液調製支援システム10に、制御部18が発生させた残存エラー情報に対応する警報音を鳴らす機器(図示せず)を設けてもよい。
以上のように、この実施の形態にかかる薬液調製支援システム10によれば、薬瓶の取り間違いや、薬液の吸引量の過誤などを確実に防止することができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液の混合調製順序ミスや薬液の計量ミスなどの作業ミス(調剤過誤)を有効に防止し、安全かつ正確な薬液の調製を実現できる。
また、この薬液調製支援システム10は、自動かつ確実に監査情報を生成する。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液調製作業の効率化を図ることができる。
また、この薬液調製支援システム10によれば、薬瓶の取り間違いや薬液の計量ミスなどの作業ミスが発生した場合に直ちに作業者に知らせることができる。したがって、この薬液調製支援システム10によれば、薬液(薬瓶)や輸液バッグを無駄に廃棄せずに済み、薬液の調製にかかるコストを低減できる。たとえば、最初にシリンジに吸引した薬液の計量ミスを、その薬液を輸液バッグに注入する前に検出した場合には、その後に薬液の吸引を予定していた薬瓶や、輸液バッグを廃棄せずに済む。
また、この薬液調製支援システム10は、薬瓶重量計測部14によって計測される重量だけではなく、輸液バッグ重量計測部15やクレードル部16によって計測される重量をも用いて監査を行うので、薬瓶の取り間違いや薬液の量の過誤などの作業ミスを2重、3重に防ぐことができる。よって、この薬液調製支援システム10によれば、より一層安全で且つ正確な薬液の調製を図ることができる。
また、この薬液調製支援システム10は、薬瓶載置部14aから薬瓶20を取り上げた際の重量の減少量に加えて、薬液が吸引された薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻された際の重量の増加量も測定するので、現在、どの薬瓶から薬液の吸引が行われているのかについて定量的に把握できる。つまり、この薬液調製支援システム10は、現在、薬液の調製作業のどのステップにいるのかについて自動判別できる。したがって、制御部18は、現在のステップの情報を情報提示部17の画面17aに表示することができる。よって、作業者は、作業割り込みが発生した場合でも、画面17aを確認することで容易に薬液の調製作業を再開することができる。すなわち、作業割り込みによる調剤過誤を有効に防止することができる。
続いて、以上説明した薬液調製支援システム10を用いた薬液調製支援方法について説明する。図7は、この実施の形態に係る薬液調製支援方法のフローチャートを示す。
図7に示すように、この実施の形態に係る薬液調製支援方法は、処方箋IDを読み取るステップS1と、第1の表示ステップS2と、薬瓶を取り揃えるステップS3と、薬液を吸引するステップS4と、薬液を注入するステップS5と、第2の表示ステップS6とを具備する。
ステップS1では、処方箋25に印字された処方箋IDを読取部24が読み取り、制御部18が処方箋IDを医療情報データベース12へ送信し、医療情報データベース12が、受信した処方箋IDに応じた患者の情報や薬液に関する情報などを送信し、制御部18が、受信した患者の情報や薬液に関する情報などを記憶部19に記憶させる。
ステップS2では、制御部18が、記憶部19から、薬液に関する情報に含まれる薬液の種類や薬液の用量、薬瓶の実写画像などのデータを読み出して、情報提示部17の画面17aに表示させる。
ステップS3では、看護師や薬剤師などの作業者が、輸液バッグ21に注入すべき薬液の入った薬瓶20を薬瓶載置部14a上に取り揃える。このとき、薬瓶重量計測部14が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶の合計重量を計測する(薬瓶重量計測ステップ)。そして、制御部18が、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化に基づいて、薬瓶の取り揃え作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第1の監査情報生成ステップ)。
ステップS4では、作業者が、薬瓶載置部14aから薬瓶20を取り上げる。そして、作業者が、シリンジ駆動装置23を操作することにより、取り上げた薬瓶20から薬液をシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23a内に吸引し、その薬液吸引後の薬瓶20を薬瓶載置部14a上に戻す。このとき、薬瓶重量計測部14が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶の合計重量を計測する(薬瓶重量計測ステップ)。そして、制御部18が、薬瓶重量計測部14により計測される重量の変化に基づいて、薬瓶の取り上げ作業や薬液の吸引作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第1の監査情報生成ステップ)。
詳しくは、ステップS4では、薬液載置部14aから薬瓶20が取り上げられたことによる、薬瓶重量計測部14が計測している重量の変化に基づいて、薬瓶が所定の混合調製順序で間違いなく取り上げられているか否かが監査される。また、薬液吸引後の薬瓶20が薬瓶載置部14aに戻されたことによる、薬瓶重量計測部14が計測している重量の変化に基づいて、取り上げられた薬瓶20から所定用量の薬液が間違いなく吸引されているか否かが監査される。
ステップS5では、作業者が、シリンジ駆動装置23を操作することにより、シリンジ23aから輸液バッグ21へ薬液を注入する。このとき、輸液バッグ重量計測部15が、輸液バッグ載置部15aに載置された輸液バッグ21の重量を計測する(輸液バッグ重量計測ステップ)。そして、制御部18が、輸液バッグ重量計測部15により計測される重量の変化に基づいて、薬液の注入作業の監査結果を表す監査情報を生成し、その生成した監査情報を記憶部19に記憶する(第2の監査情報生成ステップ)。
ステップS6では、制御部18が、記憶部19から監査情報を読み出して情報提示部17の画面17aに表示させる。
なお、薬液調製支援機器11に、読取部24に代えて処方箋IDを入力できる入力部を設けることにより、ステップS1において、入力された処方箋IDを医療情報データベース12へ送信するようにしてもよい。
以上説明した方法により、薬瓶重量計測部14および輸液バッグ重量計測部15によってそれぞれ計測された重量の変化を基に、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
続いて、この実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例について説明する。図8は、この実施の形態に係る薬液調製支援方法の具体例のフローチャートの前半部分を、図9は、そのフローチャートの後半部分をそれぞれ示す。図10ないし図22は、図8および図9に示すフローチャートに沿って情報提示部17の画面17aに映し出される画像の一例を示す。既に述べたように、情報提示部17の画面17aに映し出される画像は制御部18によって制御される。図8および図9に示す例では、輸液バッグ21に注入すべき全薬液を輸液バッグ21に一度に注入する場合について説明する。また、図8および図9に示す例でも、輸液バッグ21に注入する必要のある薬液が薬液A、B、Cであって、薬液A、B、Cをこの順序で混合調製する場合について説明する。
まず、ステップS10では、図10に示すように、情報提示部17の画面17aに、処方箋25を読取部24へ挿入するように作業者に指示する画像が表示される。
看護師や薬剤師などの作業者が、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24に挿入すると、読取部24が処方箋25に印字された処方箋IDを読み取り(ステップS11)、次のステップS12へ移動する。
ステップS12では、制御部18が、読取部24によって読み取られた処方箋IDを医療情報データベース12へ送信する。医療情報データベース12は、受信した処方箋IDに応じた薬液に関する情報や患者の情報などを送信する。制御部18は、医療情報データベース12から送信された情報を記憶部19に記憶させる。この間、図11に示すように、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12から薬液に関する情報や患者の情報などを取得中であることを示す画像が表示される。記憶部19に薬液に関する情報や患者の情報などが記憶されると、ステップS13へ移動する。
ステップS13では、記憶部19に記憶された薬液に関する情報や患者の情報などに基づき、図12に示すように、情報提示部17の画面17aに、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置するように作業者に指示する画像が表示される。
この実施の形態では、薬液Aを1V(1バイアル)、薬液Bを1A(1アンプル)、薬液Cを1V(1バイアル)混合調製する場合について説明する。薬液情報表示17fには、薬液A、B、Cが入っている各薬瓶の実写画像20cと共に薬液A、B、Cの各名称や各用量が混合調製順に左から並べて表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、薬瓶20を薬瓶載置部14aに載置し、輸液バッグ21を輸液バッグ載置部15aに載置する。
このとき、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、取り揃えられた薬瓶(薬液)の種類や、薬瓶の配置順序に過誤があるか否かが判別される。なお、前述したように、薬瓶(薬液)の種類の照合監査等からエラー状態が認識される場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像を表示させてもよい(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などを鳴らしてもよい。
また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、取り揃えられた薬瓶20の個数を測定してもよい。
さらに、制御部18は、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21が載置されたときに輸液バッグ重量計測部15によって計測された重量を、輸液バッグ21の初期重量として認識して、記憶部19に記憶する。
作業者は、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20を取り揃え、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21を載置した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS14)。これにより、ステップS15へ移動する。
なお、制御部18が、薬瓶載置部14a上に全薬瓶20が載置され、輸液バッグ載置部15aに輸液バッグ21が載置されたことを自動的に認識することにより、ステップS15へ移動してもよい。薬瓶20の取り揃えの完了は、例えば、取り揃えられた薬瓶20の種類(薬液の種類)の照合監査の結果などから判別することができる。また例えば、薬瓶20の取り揃えの完了は、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が、先に記憶部19に記憶されている全薬瓶の初期重量の合計値のデータと合致するかどうかによって判別することができる。ここで、合致するとは、誤差範囲内で一致することを意味する。全薬瓶の初期重量の合計値のデータは、薬液に関する情報に含まれている場合には、その含まれているデータを用いてもよい。または、制御部18が、薬液に関する情報に含まれる全薬瓶の初期重量のデータを用いて、全薬瓶の初期重量の合計値を演算して、その演算結果を記憶部19に記憶させてもよい。
また、ステップS15へ移動する前に、制御部18は、前述したように、取り揃えられた薬瓶の計数監査を行ってもよい。また、前述したように、薬瓶(薬液)の計数監査からエラー状態が認識される場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像を表示させてもよい(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などを鳴らしてもよい。
ステップS15では、図13に示すように、情報提示部17の画面17aに、シリンジ駆動装置23をクレードル部16から取り出し、その取り出したシリンジ駆動装置23にシリンジ23aを装着し、そのシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aに注射針23bを取り付けるように作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、シリンジ駆動装置23をクレードル部16から取り出し、その取り出したシリンジ駆動装置23にシリンジ23aを装着し、そのシリンジ駆動装置23に装着されたシリンジ23aに注射針23bを取り付けた後、シリンジ駆動装置23をクレードル部16に戻す。
このとき、制御部18は、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたときにクレードル部16によって計測された重量を、シリンジ駆動装置23の初期重量として認識して、記憶部19に記憶する。
作業者は、シリンジ駆動装置23をクレードル部16に戻した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS16へ移動する。なお、制御部18が、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたことを自動的に認識することにより、ステップS16へ移動してもよい。シリンジ駆動装置23が戻されたか否かは、例えば、クレードル部16によって計測される重量が重量ゼロから変化したか否かによって判別することができる。
ステップS16では、図14に示すように、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、情報提示部17の画面17aに、吸引対象の薬瓶を作業者に指示する画像が表示される。図14には、吸引対象の薬瓶が薬瓶Aの場合を例示している。この実施の形態では、薬瓶の実写画像20cが表示されている薬液情報表示17fにおいて、吸引対象の薬瓶の実写画像20cと、その吸引対象の薬瓶に入っている薬液の名称および用量を拡大表示する。こうすることで、取り上げるべき薬瓶を作業者が視覚的に確認できるようになるので、薬瓶の取り間違えの発生を防止することができる。
さらに、シリンジ駆動装置23の駆動スピード等の薬液を吸引する際の注意事項の情報が薬液に関する情報に含まれている場合、ステップS16において、薬液に関する情報に含まれる注意事項17gが画面17aに表示される。このように作業者に注意事項を提示することにより、より安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。図14には、一例として、薬液Aは泡立ち易いため、シリンジ駆動装置23を低速モードで動作させる必要がある旨を表示する注意事項17gを示している。この注意事項17gに従って作業者がシリンジ駆動装置23を動作させることで、発泡を防止して効率的に薬液を吸引することができる。
また、この実施の形態では、ステップS16において、吸引対象の薬瓶20に対応するLED表示部の発光が開始する。作業指示表示17cには、LED表示部が発光している位置(LED表示位置)に対応する薬瓶20から薬液を吸引する指示が表示される。このLED表示部の発光は、取り上げられた薬瓶20が薬瓶載置部14a上に返却されるまで続く。
作業者は、画面17aに表示された指示に従って薬瓶20を取り上げる。このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、取り上げられた薬瓶20の重量を測定する。これにより、取り上げられた薬瓶20の種類(薬液の種類)の照合監査や、薬瓶20の取り上げ順序の監査が行われる(ステップS16A)。また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられた回数(取り上げられた薬瓶20の個数)を測定してもよい。
作業者は、薬瓶20を取り上げた後、薬液調製支援システム10からエラー状態の発生の警告を受けなかった場合、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS17へ移動する。なお、ステップS16Aにおける監査の結果から、正しい状態が認識される場合に、自動的にステップS17へ移動してもよい。または、制御部18が、薬瓶載置部14aから薬瓶20が取り上げられたことを自動的に認識することにより、ステップS17へ移動してもよい。薬瓶20が取り上げられたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が減少したか否かによって判別することができる。
作業者が間違った薬瓶20を取り上げた場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。
エラー状態から復帰すると、すなわち作業者が取り間違えた薬瓶20を薬瓶載置部14a上に返却すると、ステップS16へ戻る。エラー状態から復帰したか否かについては、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が増加したか否かによって自動判別することができる。
ステップS17では、取り上げられた薬瓶20がバイアル容器であるか否かが判定される。この判定は、記憶部19に記憶されている薬液に関する情報に基づいて、制御部18が判定する。薬瓶20がバイアル容器である場合、ステップS18へ移動する。一方、薬瓶20がバイアル容器ではない場合、ステップS19へ移動する。
ステップS18では、情報提示部17の画面17aに、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、シリンジの空引量と薬液のポンピング吸引を作業者に指示する画像が表示される。図15には、シリンジ23aに空気を10ml吸引した後、薬液をポンピング吸引する指示を表示する作業指示表示17cを例示している。このシリンジ駆動装置23の動作手順の情報は、薬液に関する情報に含まれている。
薬瓶20がバイアル容器の場合、薬液の吸引時にバイアル容器の内圧をできる限り一定に保つために、吸引する薬液量(薬液の用量)に応じた量の交換空気を予めシリンジ23aに吸い込んでおく必要がある。また、ポンピング吸引を行う必要がある。したがって、薬瓶20がバイアル容器である場合に、シリンジ駆動装置23の動作手順を作業者に提示することにより、作業者は画面17aに表示された指示の通りにシリンジ駆動装置23を動作させて、効率的に薬液を吸引することができる。
このように、シリンジ駆動装置23の動作手順の情報を作業者に提示することにより、より効率的に薬液を吸引することができる。なお、無論、シリンジ駆動装置23の動作手順の情報は、図15において作業指示表示17cに表示された指示に限定されるものではない。
作業者は、取り上げた薬瓶20から薬液を吸引した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS19へ移動する。
なお、シリンジの空引量には、薬液の用量よりも若干少なめの量を設定する。これにより、バイアル容器内の薬液を所定量だけ吸引した際、バイアル容器内を常に陰圧にすることができる。したがって、バイアル容器から注射針23bを抜き取る際にバイアル容器内から残液などが噴き出す、いわゆるエアロゾル現象を防止することができる。
ステップS19では、図16に示すように、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づき、情報提示部17の画面17aに、薬瓶の返却を作業者に指示する画像が表示される。図16には、返却対象の薬瓶が薬瓶Aの場合を例示している。この実施の形態では、返却対象の薬瓶の実写画像20c等を拡大表示する。また、この実施の形態では、返却対象の薬瓶に対応するLED表示部が発光しており、作業指示表示17cには、LED表示部が発光している位置(LED表示位置)に薬瓶を返却する指示が表示される。こうすることで、作業者は、薬瓶20をより確実に元の位置へ返却することができる。
作業者は、取り上げた薬瓶20から薬液を吸引した後、画面17aに表示された指示に従って薬瓶20を返却する。このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化に基づいて、吸引された薬液の重量または吸引された薬液の量を測定する。これにより、吸引された薬液の計量監査や、吸引された薬液の種類の照合監査や、薬液の混合調製順序の監査が行われる(ステップS19A)。
また、このとき、制御部18は、前述したように、薬瓶重量計測部14によって計測される重量の変化の回数を計数し、その計数結果に基づいて、薬瓶載置部14aに薬瓶20が返却された回数(返却された薬瓶20の個数)を測定してもよい。
作業者は、薬瓶20を薬瓶載置部14aに返却した後、薬液調製支援システム10からエラー状態の発生の警告を受けなかった場合、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS20)。これにより、ステップS21へ移動する。なお、ステップS19Aにおける監査の結果から、正しい状態が認識される場合に、自動的にステップS21へ移動してもよい。または、制御部18が、薬瓶20が返却されたことを自動的に認識することにより、ステップS21へ移動してもよい。薬瓶20が返却されたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS21では、ステップS16AまたはステップS19Aにおいて測定された薬瓶の個数と、先に記憶部19に記憶されている薬瓶の数のデータ(所定値)とが比較されて、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20から薬液が吸引されたか否かが判定される。薬液が吸引された薬瓶の個数が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20の個数と一致する場合は、ステップS22へ移動する。一致しない場合には、ステップS16へ戻る。薬液が吸引された薬瓶の個数が、薬瓶載置部14a上に載置された全薬瓶20の個数と一致するまで、ステップS16からステップS21までの処理が繰り返される。
ステップS19Aの監査において薬液の吸引量などの過誤が判明した場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。このとき、処方箋IDと薬液の吸引量などの過誤を示す監査情報とが制御部18によって記憶部19から読み出されて医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した監査情報を処方箋IDと関連付けて記録する。また制御部18は、処方箋25を読取部24から抜き取るように作業者に指示する画像を画面17aに表示させる。
このように、ステップS19Aの監査において薬液の吸引量などの過誤が判明した場合には、現在の薬液の調製作業を中止させる。作業者は、この中止を受けて、薬液の調製作業を最初(図8のスタート)からやり直す。
ステップS22では、図17に示すように、情報提示部17の画面17aに、輸液バッグ21の注出口栓21aに注射針23bを挿入して、シリンジ23a内の薬液を輸液バッグ21へ注入するように作業者に指示する画像が表示される。なお、図17には、予め生理食塩水が500ml入れられた輸液バッグ21を例示している。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、輸液バッグ21に薬液を注入する。なお、ステップS22においても、シリンジ駆動装置23の動作手順や駆動スピードの情報を、記憶部19に記憶された薬液に関する情報に基づいて、画面17aに表示してもよい。
このとき、前述したように、輸液バッグ重量計測部15によって計測される重量の変化に基づいて、注入された薬液の計量監査が行われる。また、前述したように、薬液の注入量または注入重量に過誤がある場合には、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。これにより、作業者は、シリンジ23aに薬液が残存していることを確認することができる。この場合、作業者は、シリンジ23a内に残存する薬液を輸液バッグ21へ注入する。この監査により、作業者は、シリンジ23a内に吸引された薬液が全て輸液バッグ21に注入されたか否かを容易に確認することができる。
作業者は、輸液バッグ21に薬液を注入した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS23へ移動する。なお、制御部18が、輸液バッグ21に薬液が注入されたことを自動的に認識することにより、ステップS23へ移動してもよい。薬液が注入されたか否かは、例えば、輸液バッグ重量計測部15によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS23では、図18に示すように、情報提示部17の画面17aに、シリンジ駆動装置23に装着されているシリンジ23aから注射針23bを取り外してから、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻すように作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻す。このとき、前述したように、クレードル部16がシリンジ駆動装置23の重量を計測し(シリンジ重量計測ステップ)、制御部18が、クレードル部16によって計測される重量に基づいて、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの判定を行って、その判定の結果を監査情報として記憶部19に記憶させる(第3の監査情報生成ステップ)。この監査を行うのは、輸液バッグ21に注入された薬液の計量監査だけでは、輸液バッグ21に薬液を注入する際に薬液がこぼれるミスがあったかどうかについてまでは判定できないためである。クレードル部16によって計測される重量に基づいて、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかの監査を行うことで、シリンジ23a内に薬液が残存しているかどうかを確実に判定することができる。シリンジ23a内に薬液が残存していることが認識される場合には、前述したように、画面17aにエラー状態の発生を示す画像が表示される(エラー情報発生ステップ)。あるいは、エラー状態の発生を知らせるブザー音(警報音)などが鳴らされる。この場合、作業者は、シリンジ23a内に残存する薬液を輸液バッグ21へ注入する。
作業者は、シリンジ駆動装置23をクレードル部16へ戻した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。これにより、ステップS24へ移動する。なお、制御部18が、クレードル部16にシリンジ駆動装置23が戻されたことを自動的に認識することにより、ステップS24へ移動してもよい。シリンジ駆動装置23が戻されたか否かは、例えば、クレードル部16によって計測される重量が増加したか否かによって判別することができる。
ステップS24では、記憶部19に記憶された患者の情報や監査情報に基づき、図19に示すように、情報提示部17の画面17aに、患者の情報や監査情報が表示される。
作業者は、画面17aに表示された患者の情報や監査情報を確認した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する。この完了ボタン17dの操作により、情報提示部17の画面17a上に、図20に示すようなコントラスト比の高い幾何学模様が写し出される。したがって、作業者は、画面17aを輸液バッグ21の背景として用いることにより、輸液バッグ21内の薬液の中の異物や輸液バッグ21内の薬液の白濁などを目視で容易に確認することができる。
監査人である看護師や薬剤師は、画面17aに表示される監査情報や患者の情報を確認し、さらに、輸液バッグ21内の薬液の混合状態を目視によって確認した後、画面17a上の完了ボタンを操作する。これにより、ステップS25へ移動する。
ステップS25では、図示しないが、情報提示部17の画面17aに、監査結果が正常であるか否かを作業者に問い合わせる画像が表示される。作業者は、画面17a上に表示された指示に従い、監査結果がOKであるかNGであるかを指定する。この指定は、例えば、作業者が画面17a上のOKボタンまたはNGボタンを操作することで実現してもよい。
監査結果がOKの場合、ステップS26へ移動する。ステップS26では、記憶部19に記憶されている処方箋IDと監査情報が制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信した監査情報を処方箋IDと関連付けて記録する。この間、図21に示すように、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12に監査情報を登録中であることを示す画像が表示される。
監査情報の医療情報データベース12への送信が完了すると、ステップS27へ移動する。ステップS27では、図22に示すように、情報提示部17の画面17a上に、処方箋25への押印を作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24から抜き取り、その抜き取った処方箋25に押印する。作業者は、処方箋25を読取部24から抜き取った後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS28)。これにより、ステップS29へ移動する。なお、読取部24に処方箋25が挿入されているか否かに応じて異なるレベルの信号を発生させるセンサを読取部24に設けることにより、作業者が処方箋25を読取部24から抜き取ったか否かを制御部18が自動判別するようにしてもよい。
ステップS29では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、シリンジ23aと薬瓶20を廃棄するように作業者に指示する画像が表示される。作業者は、画面17aに表示された指示に従い、薬瓶載置部14a上の使用済み薬瓶20を廃棄する。また、作業者は、クレードル部16に保持されているシリンジ駆動装置23からシリンジ23aを取り外して廃棄する。
作業者は、シリンジ23aと薬瓶20を廃棄した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS30)。これにより、一連の薬液調製作業を終了する。なお、制御部18が、薬瓶20が薬瓶載置部14aから取り上げられたこと、および、シリンジ駆動装置23がクレードル部16から取り上げられたことを自動的に認識することにより、処理を終了してもよい。薬瓶20が取り上げられたか否かは、例えば、薬瓶重量計測部14によって重量ゼロが計測されたかどうかによって判別することができる。また、シリンジ駆動装置23がクレードル部16から取り上げられたか否かは、例えば、クレードル部16によって重量ゼロが計測されたかどうかによって判別することができる。
一方、監査結果がNGの場合、ステップS31へ移動する。ステップS31では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、エラーの内容を入力するための画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、エラーの内容を入力する。このエラーの情報は制御部18によって記憶部19に記憶される。作業者は、エラー内容を入力した後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS32)。これにより、ステップS33へ移動する。
ステップS33では、記憶部19に記憶された処方箋IDとエラー情報が制御部18によって医療情報データベース12へ送信される。医療情報データベース12は、受信したエラー情報を処方箋IDと関連付けて記録する。なお、図示しないが、この間、情報提示部17の画面17aに、現在、医療情報データベース12にエラー情報を登録中であることを示す画像を表示する。
エラー情報の医療情報データベース12への送信が完了すると、ステップS34へ移動する。ステップS34では、図示しないが、情報提示部17の画面17a上に、処方箋25の抜き取りを作業者に指示する画像が表示される。
作業者は、画面17aに表示された指示に従い、処方箋25を読取部24から抜き取る。作業者は、処方箋25を読取部24から抜き取った後、画面17a上の完了ボタン17dを操作する(ステップS35)。これにより、ステップS29へ移動する。なお、読取部24に処方箋25が挿入されているか否かに応じて異なるレベルの信号を発生させるセンサを読取部24に設けることにより、作業者が処方箋25を読取部24から抜き取ったか否かを制御部18が自動判別するようにしてもよい。
以降、前述したステップS29とステップS30の処理を経て、一連の薬液調製作業を終了する。そして、作業者は、監査結果がNGの場合、再度、薬液の調製作業を最初(図8のスタート)からやり直す。
以上説明した方法により、薬瓶重量計測部14、輸液バッグ重量計測部15およびクレードル部16によってそれぞれ計測された重量に基づいて、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができ、これらの監査により、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止することができる。したがって、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。
なお、前述したように、クレードル部16がシリンジ駆動装置23の重量を計測し(シリンジ重量計測ステップ)、制御部18が、クレードル部16により計測された重量に基づいて薬液の吸引重量または薬液の吸引量を測定することにより、シリンジ23a内に吸引された薬液の計量監査や、シリンジ23a内に吸引された薬液の種類の照合監査を行ってもよい(第3の監査情報生成ステップ)。
また、図8および図9に示す例では、混合調製する全薬液を輸液バッグ21に一度に注入する場合について説明したが、輸液バッグ21への薬液の注入を複数回に分けて行う場合も、図8および図9に示す具体例と同様の方法でもって薬液調製支援方法を実現することができる。この場合、前述したように、輸液バッグ重量計測部15により計測された重量の変化の回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査を行ってもよい。また、前述したように、クレードル部16による重量の計測回数を計数することにより、薬液の注入回数の監査を行ってもよい。
また、混合させる薬液の種類の数が、薬瓶載置部14に載置可能な薬瓶の数を超える場合には、混合させる薬液を混合調製順に複数のグループに分割させることで、上記説明した実施の形態と同様に、種々の監査を支援することができる。
また、複数種類の薬液を混合調製する場合について説明したが、1種類の薬液を輸液バッグに注入する場合にも、この実施の形態に係る薬液調製支援システム10および薬液調製支援方法を適用することができる。
本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、薬瓶の計数監査や、薬瓶の種類(薬液の種類)の照合監査、薬液の混合調製順序の監査、薬液の計量監査などを支援することができる。よって、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、薬瓶の取り揃えの過誤や、薬液を調製するに際しての薬瓶の取り間違えや、薬液の量の過誤などを防止して、安全かつ正確な薬液の調製を図ることができる。また、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法によれば、看護師や薬剤師などが安全かつ正確に薬液を扱うことができるようになる。したがって、本発明にかかる薬液調製支援システムおよび薬液調製支援方法は、看護師や薬剤師などの作業負担を大幅に軽減させることができ、医療などの分野における薬液の調製に有用である。
1 薬品監査装置
2 データ入力および表示装置
3 記憶および解析装置
4 比較判定装置
5 画像データ認識装置
6 重量計測装置
7 薬品セットステージ
10 薬液調製支援システム
11 薬液調製支援機器
12 医療情報データベース
13 基台部
13a 作業台
14 薬瓶重量計測部
14a 薬瓶載置部
14b 重量計測部
15 輸液バッグ重量計測部
15a 輸液バッグ載置部
15b 重量計測部
15c 支持部
16 クレードル部
16a 保持部
17 情報提示部
17a 画面
17b ステータス表示
17c 作業指示表示
17d 完了ボタン
17e 患者情報表示
17f 薬液情報表示
17g 注意事項表示
18 制御部
19 記憶部
20 薬瓶
20a バイアル容器
20b アンプル容器
20c 実写画像
21 輸液バッグ
21a 注出口栓
21b 注出口面
22a 信号線
22b 信号線
23 シリンジ駆動装置
23a シリンジ
23b 注射針
24 読取部
25 処方箋
26 カメラ

Claims (20)

  1. 薬瓶が載置される薬瓶載置部と、前記薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する第1の重量計測部とを有する薬瓶重量計測部と、
    輸液バッグが載置される輸液バッグ載置部と、前記輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する第2の重量計測部とを有する輸液バッグ重量計測部と、
    記憶部と、
    前記薬瓶重量計測部および前記輸液バッグ重量計測部によりそれぞれ計測された重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
    前記記憶部に予め記憶されている輸液バッグに注入させる薬液に関する情報または前記制御部により前記記憶部に記憶された監査情報のうちの少なくとも一方を表示する情報提示部と、
    を備えることを特徴とする薬液調製支援システム。
  2. 前記輸液バッグ載置部は、輸液バッグをその注出口面が斜め上方を向くように支持する支持部を備えることを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  3. 前記薬瓶重量計測部および前記輸液バッグ重量計測部と一体化し、前記薬瓶重量計測部および前記輸液バッグ重量計測部に隣接して作業台が配置された基台部を備え、前記基台部は前記記憶部と前記制御部を内蔵することを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  4. 処方箋識別情報を読み取る読取部または処方箋識別情報が入力される入力部と、
    前記薬液に関する情報を記憶する医療情報データベースと、
    をさらに備え、
    前記制御部は前記処方箋識別情報を前記医療情報データベースへ送信し、前記医療情報データベースは、受信した前記処方箋識別情報に応じた前記薬液に関する情報を送信し、前記制御部は、前記医療情報データベースから送信された前記薬液に関する情報を前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  5. シリンジが装着されたシリンジ駆動装置を保持する保持部と、前記保持部に保持されたシリンジ駆動装置の重量を計測する第3の重量計測部とを有するシリンジ重量計測部をさらに備え、
    前記制御部は、前記シリンジ重量計測部により計測された重量に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  6. 前記制御部は、前記情報提示部に、前記薬液に関する情報として、輸液バッグに注入させる薬液の入った各薬瓶の実写画像を混合調製順に並べて表示させることを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  7. 前記制御部は、輸液バッグに注入させる薬液の入った薬瓶が前記薬瓶載置部に取り揃えられるときに、前記薬瓶重量計測部によって計測される重量を基に、取り揃えられた薬瓶の重量もしくは取り揃えられた薬瓶の重量から薬瓶単体の重量を相殺して得られる薬液の重量を測定し、その測定した薬瓶の重量もしくは薬液の重量と所定値とを比較することにより、監査情報を生成することを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  8. 前記制御部は、前記薬瓶載置部に取り揃えられた薬瓶から薬液が吸引されるときに、前記薬瓶重量計測部によって計測される重量を基に、吸引された薬液の重量もしくは吸引された薬液の量を測定し、その測定した薬液の重量もしくは薬液の量と所定値とを比較することにより、監査情報を生成することを特徴とする請求項1記載の薬液調製支援システム。
  9. 前記制御部は、測定した薬液の重量もしくは薬液の量が所定値と合致しない場合に、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを表す情報である吸引エラー情報を発生させることを特徴とする請求項8記載の薬液調製支援システム。
  10. 記憶部に記憶された輸液バッグに注入させる薬液に関する情報を表示する表示ステップと、
    薬瓶載置部に載置された全薬瓶の合計重量を計測する薬瓶重量計測ステップと、
    輸液バッグ載置部に載置された輸液バッグの重量を計測する輸液バッグ重量計測ステップと、
    前記薬瓶重量計測ステップにより計測される重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成した監査情報を前記記憶部に記憶させる第1の監査情報生成ステップと、
    前記輸液バッグ重量計測ステップにより計測される重量の変化に基づいて監査情報を生成し、その生成した監査情報を前記記憶部に記憶させる第2の監査情報生成ステップと、
    を具備することを特徴とする薬液調製支援方法。
  11. シリンジが装着されたシリンジ駆動装置の重量を計測するシリンジ重量計測ステップと、
    前記シリンジ重量計測ステップにより計測された重量に基づいて監査情報を生成し、その生成された監査情報を前記記憶部に記憶させる第3の監査情報生成ステップと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  12. 処方箋識別情報を読み取るステップと、
    前記読み取られた処方箋識別情報を医療情報データベースへ送信するステップと、
    前記医療情報データベースから前記処方箋識別情報に応じた前記薬液に関する情報を受信し、その受信した前記薬液に関する情報を前記記憶部に記憶させるステップと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  13. 前記表示ステップにおいて、前記薬瓶載置部に薬瓶が取り揃えられる前に、前記薬液に関する情報として、輸液バッグに注入させる薬液の入った各薬瓶の実写画像を混合調製順に並べて表示することを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  14. シリンジに薬液が吸引される前に、前記薬液に関する情報として、シリンジ駆動装置の動作または駆動スピードの情報を表示するステップをさらに具備することを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  15. 前記薬瓶重量計測ステップにより計測される重量の変化の回数、もしくは前記輸液バッグ重量計測ステップにより計測される重量の変化の回数を計数するステップをさらに具備し、前記第1もしくは第2の監査情報生成ステップにおいて、前記計数された回数に基づいて前記薬瓶載置部に載置されている薬瓶の数もしくは輸液バッグに薬液が注入された回数を測定し、その測定した薬瓶の数もしくは薬液が注入された回数と所定値とを比較することにより、監査情報を生成することを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  16. 吸引エラー情報を発生させるエラー情報発生ステップをさらに備え、
    前記薬瓶載置部に取り揃えられた薬瓶から薬液が吸引される際に、
    前記第1の監査情報生成ステップにおいて、前記薬瓶重量計測ステップにより計測される重量を基に、吸引された薬液の重量もしくは吸引された薬液の量を測定し、その測定した薬液の重量もしくは薬液の量と所定値とを比較することにより、監査情報を生成し、
    前記第1の監査情報生成ステップにおける比較の結果から、測定された薬液の重量もしくは薬液の量が所定値と合致しないことが認識される場合に、前記エラー情報発生ステップにおいて、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを表す情報である吸引エラー情報を発生させる
    ことを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  17. 注入エラー情報を発生させるエラー情報発生ステップをさらに備え、
    前記第2の監査情報生成ステップにおいて、前記輸液バッグ重量計測ステップにより計測される重量を基に、輸液バッグに注入された薬液の重量もしくは輸液バッグに注入された薬液の量を測定し、その測定した薬液の重量もしくは薬液の量と所定値とを比較することにより、監査情報を生成し、
    前記第2の監査情報生成ステップにおける比較の結果から、測定された薬液の重量もしくは薬液の量が所定値と合致しないことが認識される場合に、前記エラー情報発生ステップにおいて、注入量に過誤があること、注入した薬液の種類に過誤があること、シリンジ内に薬液が残存すること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを表す情報である注入エラー情報を発生させる
    ことを特徴とする請求項10記載の薬液調製支援方法。
  18. 残存エラー情報を発生させるエラー情報発生ステップをさらに備え、
    前記第3の監査情報生成ステップにおいて、前記シリンジ重量計測ステップにより計測される重量を基に、シリンジ内に吸引された薬液が全て輸液バッグに注入されたか否かを判定することにより、監査情報を生成し、
    前記第3の監査情報生成ステップにおける判定の結果から、シリンジ内に薬液が残存することが認識される場合に、前記エラー情報発生ステップにおいて残存エラー情報を発生させる
    ことを特徴とする請求項11記載の薬液調製支援方法。
  19. 前記第3の監査情報生成ステップにおいて、前記シリンジ重量計測ステップにより計測される重量を基に、シリンジ内に吸引された薬液の重量もしくはシリンジ内に吸引された薬液の量を測定し、その測定した薬液の重量もしくは薬液の量と所定値とを比較することにより、監査情報を生成することを特徴とする請求項11記載の薬液調製支援方法。
  20. 前記第3の監査情報生成ステップにおける比較の結果から、測定された薬液の重量もしくは薬液の量が所定値と合致しないことが認識される場合に、吸引量に過誤があること、吸引した薬液の種類に過誤があること、薬液がこぼれたことのうちの少なくとも一つを表す情報である吸引エラー情報を発生させるステップをさらに具備することを特徴とする請求項19記載の薬液調製支援方法。
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