以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態の水剤供給装置1の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す水剤供給装置1の正面図である。図3は、図2に示すIII-III線に沿う水剤供給装置1の断面図である。図4は、図2に示すIV-IV線に沿う水剤供給装置1の断面図である。図5は、図2に示すV-V線に沿う水剤供給装置1の断面図である。本実施の形態の水剤供給装置1は、患者に対する処方箋に従って、液状の薬剤である水剤5を、水剤5を収容した水剤ボトル23から投薬ボトル2に供給し、調剤するために用いられる。
水剤供給装置1は、水剤ボトル23から水剤5を投薬ボトル2に供給する水剤供給部3と、投薬ボトル2に収容される水剤5の重量を検出する重量検出部4とを備える。重量検出部4により検出される水剤5の重量、および、水剤5の比重から、投薬ボトル2に供給された水剤5の体積が算出される。水剤供給部3は、処方箋に従った所定の体積の水剤5が投薬ボトル2に供給されるように制御される。水剤供給部3と重量検出部4とは、筐体6に設けられる。筐体6は、直方体形状に形成され、起立した状態で水平な設置面に設置される。
筐体6の内部には、支持フレーム8が設けられる。支持フレーム8は、筐体6の底板9と筐体6の天板10との間に配置され、詳しくは筐体6の天板10寄りに配置される。筐体6の内部空間は、支持フレーム8によって、支持フレーム8よりも上方の上部空間11と支持フレーム8よりも下方の下部空間12とに仕切られる。筐体6の前面部13には、タッチパネル14と、プリンタ17a,17bとが配置される。また前面部13には、下部空間12と筐体6の外部とを連通する下部開口15が形成される。
下部開口15は、筐体6の前面部13における左右両側部16a,16bの間に形成される。左右両側部16a,16bの間の、下部開口15の上側には、下部空間12と筐体6の外部とを仕切る、湾曲した板状の前方カバー部18が配置されている。前方カバー部18は、下部空間12を筐体6の前方側の外部から視認可能なように、透明な材料により形成される。前方カバー部18は、左右両側部16a,16bの一方にヒンジを介して取り付けられ、当該ヒンジの軸周りに回動可能に設けられており、これにより、前方カバー部18は開閉可能とされている。
水剤供給部3は、下部空間12に配置され、支持フレーム8に対して垂直な軸線(以下、「ドラム軸線」という)まわりに回転自在に設けられる回転体である回転ドラム21と、支持フレーム8の上面に載置され、支持フレーム8に対してドラム軸線回りに回転ドラム21を回転させるドラム回転用モータ22と、を有する。水剤供給部3はまた、回転ドラム21に設けられ、水剤5が収納された複数の水剤ボトル23から投薬ボトル2に水剤を移送する複数のポンプ24と、各ポンプ24を駆動するポンプ駆動ユニット25と、を有する。各ポンプ24は、チューブポンプであってもよい。
回転ドラム21は、各ポンプ24を保持するポンプ保持体31と、各水剤ボトル23を開口部が上方向に開口するように起立した状態に保持する水剤ボトル保持体32と、を有する。水剤ボトル保持体32は、ポンプ保持体31の下方に設けられており、平面視環状の平板形状に形成されている。ポンプ保持体31には、各ポンプ24が、ドラム軸線を中心とする仮想円の周方向(以下、「ドラム周方向」という)に間隔をあけて配置される。水剤ボトル保持体32には、各水剤ボトル23が、ドラム周方向に間隔をあけて配置される。
本実施の形態で回転ドラム21に搭載される水剤ボトル23およびポンプ24の個数は、目的に応じて任意に変更できる。複数の水剤ボトル23の各々に複数の異なる種類の水剤5が収容されてもよい。複数の水剤ボトル23に処方頻度の高い同種の水剤5が収容されてもよい。または、一つまたは複数の水剤ボトル23に常水や単シロップなどの賦形剤が収容されてもよい。
ポンプ駆動ユニット25は、各ポンプ24の各々を選択的に駆動して、複数の水剤ボトル23から選択的に水剤5を投薬ボトル2に供給する。ポンプ駆動ユニット25によって回転駆動される駆動軸41の先端には、連結部材42が固定される。各ポンプ24のロータの回転軸43には、連結部材42と連結される被連結部材44が固定される。連結部材42と被連結部材44とが連結されることで、回転力がポンプ24に伝達される。ポンプ24は、回転ドラム21の回転に連動して、各々のポンプ24毎に駆動されるよう構成されている。
ポンプ駆動ユニット25は、ポンプ24を駆動させるポンプ駆動用モータ40と、ポンプ駆動用モータ40を移動させる移動用モータ39と、を有する。移動用モータ39を駆動することによって、ポンプ駆動用モータ40は前後方向に移動する。このポンプ駆動用モータ40の移動により、ポンプ駆動用モータ40の連結部材42をポンプ24の被連結部材44に連結させる連結状態と、連結部材42が被連結部材44に連結していない連結解除状態と、を切り替えることができるようになっている。回転ドラム21は、連結解除状態において、支持フレーム8に対して円滑に回転することができる。
連結解除状態で回転ドラム21を回転することによって、水剤供給装置1に入力された処方箋情報に基づいて選択された特定のポンプ24の被連結部材44が連結部材42に対面する位置まで、回転ドラム21を移動させる。回転ドラム21の回転後に、連結部材42を被連結部材44に連結される連結状態に切り替える。これにより、選択された特定のポンプ24を駆動して、所望の水剤ボトル23から供給される水剤5を投薬ボトル2に分注することができる。なお、連結部材42と被連結部材44とは、共にギヤで構成されているが、動力を伝達可能なものであれば、どのような構成であってもよい。
回転ドラム21の水剤ボトル保持体32には、複数の水剤ボトル23が搭載されている。水剤ボトル保持体32の上側に、水剤ボトル23を保持するための複数のカップ58が取り付けられる。カップ58は、有底の中空円筒形状に形成される。カップ58は、水剤ボトル23を保持するホルダとして機能する。水剤ボトル23はカップ58の内部に収容され、水剤ボトル23の底部がカップ58により保持される。
水剤ボトル保持体32の下側には、回転力を発生させる回転駆動部51が配置される。回転駆動部51は、水剤ボトル23を水剤ボトル23の中心線に沿って回転させる。この水剤ボトル23の回転に伴って、水剤ボトル23内に収容された水剤5は、水剤ボトル23の回転方向に沿って、水剤ボトル23の内部を、水剤ボトル23の円筒状の側部の周方向に流れる。水剤ボトル23内に収容された水剤5の流れを発生されることにより、水剤ボトル23の内部で水剤5が撹拌される。
回転ドラム21のポンプ保持体31には、複数の水剤ボトル23毎に対応するポンプ24が設けられている。ポンプ保持体31の下端には、環状の平板であるノズル取付板53が設けられている。ノズル取付板53は、水剤ボトル保持体32の上方に配置されている。ノズル取付板53と水剤ボトル保持体32とは互いに並行であり、回転ドラム21と共に水平面上でドラム軸線回りに回動可能に構成されている。回転ドラム21の回転によって、複数の水剤ボトル23、ポンプ24および供給ノズル36もまた、水平方向に一体に回動する。回転ドラム21は、供給ノズル36を含む後述する供給管60を移動させる、供給管移動部としての機能を有する。
供給ノズル36は、ノズル取付板53の外周部同一円周上に取り付けられている。各供給ノズル36は、ノズル取付板53上に、ドラム軸線を中心とする仮想円上でドラム周方向に等間隔をあけて配置される。投薬ボトル2には上部開口2Aが形成されており、複数の供給ノズル36は、投薬ボトル2の上部開口2Aに対して供給口36Aが相対的に移動可能に構成される。供給ノズル36の供給口36Aが投薬ボトル2の上部開口2Aに対して相対移動することにより、複数の供給口36Aのうちの一つが順に上部開口2Aに対向配置される。
供給ノズル36は、ドラム軸線に対して所定の角度で傾斜して配置されている。供給ノズル36の供給口36Aから流出する水剤5は、投薬ボトル2の上部開口2Aを経由して投薬ボトル2内へ供給される。供給ノズル36がドラム軸線に対して傾斜配置されるので、投薬ボトル2内へ注入される水剤5は投薬ボトル2の内周側壁に沿うように流れる。これにより、投薬ボトル2の内部での水剤5の泡立ちを防止できる。ノズル取付板53の上側には、取付部55が固定されている。供給ノズル36は、取付部55に対して任意に着脱可能に設けられ、取付部55を介在させてノズル取付板53に取り付けられている。
重量検出部4は、下部開口15に配置される。重量検出部4は、電子天秤45と、電子天秤45を収容するケーシング46と、電子天秤45に載置されて固定され、投薬ボトル2を上部開口2Aが上方向に開口するように起立した状態に保持する投薬ボトル保持体47とを有する。電子天秤45は、投薬ボトル2に供給された水剤5の重量を検出する。水剤5の重量が所定値に到達することにより、水剤供給部3はポンプ24の駆動を停止し、投薬ボトル2への水剤5の供給を停止する。電子天秤45は、音叉式、ロードセル式または電磁式などの任意の形式であってもよい。ケーシング46は、筐体6の前面部13における左右両側部16a,16b間の下部に設けられる。投薬ボトル保持体47は、投薬ボトル2が載置される載置台48と、載置台48の上側に設けられ投薬ボトル2を保持する保持具49と、を有する。
重量検出部4は、図5に示す駆動部としての昇降装置50により昇降されるようになっている。昇降装置50は、着脱位置と調剤位置との2位置に位置することができるように、重量検出部4を上下方向に移動させ、これに伴い、重量検出部4の載置台48上に載置された投薬ボトル2を移動させる。着脱位置は、投薬ボトル2を水剤供給装置1の載置台48上に取り付ける、または投薬ボトル2を載置台48から取り外すための位置である。調剤位置は、上記着脱位置よりも投薬ボトル2と供給ノズル36とが接近して、投薬ボトル2に水剤5を供給して調剤するための位置である。昇降装置50によって、投薬ボトル2は、着脱位置と調剤位置とを往復するように、水剤供給装置1の筐体6の外部と内部とを往復移動する。
下部空間12内の、筐体6の前面側には、供給ノズル36の供給口36Aに対向する吹付けノズル71が配置されている。吹付けノズル71は、供給口36Aに対し空気を吹き付け、供給口36Aに付着した水剤5を供給口36Aから除去する。吹付けノズル71は、金属製の支持部材を介して筐体6を構成する部材のいずれかに取り付けられている。たとえば吹付けノズル71は、前方カバー部18の内面側に取り付けられてもよい。吹付けノズル71を所定の位置に配置するための支持構造としては、任意の公知の構造を用いることができる。
図6は、供給管60の全体構成を示す概略図である。供給管60は、水剤ボトル23から投薬ボトル2へ向かう水剤5が流れる経路を形成する。水剤供給装置1は、複数の水剤ボトル23の各々から投薬ボトル2へ異なる水剤5を供給できるように、複数の供給管60を備える。
供給管60は、上述した供給ノズル36と、チューブ34と、エルボ部材65とを含む。チューブ34は、一方の端部である吸込端34aと、他方の端部である吐出端34bと、を有する。チューブ34の開口した吸込端34aは、水剤ボトル23の内部に配置され、水剤ボトル23内の水剤5に浸漬している。吸込端34aは、水剤ボトル23から水剤5を投薬ボトル2に供給するとき、水剤5がチューブ34内に吸い込まれる側の端部である。吐出端34bは、水剤ボトル23から水剤5を投薬ボトル2に供給するとき、水剤5をチューブ34から吐出する側の端部である。チューブ34の吐出端34bは、エルボ部材65に取り付けられている。エルボ部材65は、チューブ34と供給ノズル36とを連結する。
供給ノズル36の端部が開口した供給口36Aは、投薬ボトル2側の供給管60の一端を形成する。供給管60の一端は、投薬ボトル2の上部開口2Aに対向して配置されている。水剤ボトル23内の水剤5が投薬ボトル2へ供給されるとき、供給ノズル36の供給口36Aは、投薬ボトル2の上部開口2Aに対向して配置されている。水剤5は、供給管60の一端を経由して、投薬ボトル2へ向けて供給管60から流出する。チューブ34の吸込端34aは、水剤ボトル23側の供給管60の他端を形成する。供給管60の他端は、水剤ボトル23内に挿通され、水剤ボトル23に収容された水剤5中に沈潜している。
ポンプ24は、水剤ボトル23内の水剤5を供給ノズル36に向けて吸引する動力源として用いられる。ポンプ24がチューブポンプである場合、吸込端34aと吐出端34bとの間のチューブ34の途中部分は、ポンプ24に挿通され、ポンプ24に着脱自在に把持される。
ポンプ24の駆動により、水剤ボトル23内の水剤5は、吸込端34aから供給管60へ吸い込まれ、供給管60の内部を通過して流れ、供給ノズル36の供給口36Aを経由して供給管60から流出する。供給管60から流出した水剤5は、投薬ボトル2の上部開口2Aを経由して、投薬ボトル2内に流入する。このようにして、供給管60を経由して、複数の水剤ボトル23の各々から投薬ボトル2に水剤5が移送され、投薬ボトル2へ水剤5が供給される。水剤ボトル23と供給管60との組み合わせを選択することにより、異なる種類の水剤5または賦形剤が、選択的に投薬ボトル2に供給される。
以下、供給管60の構成および配置の詳細について説明する。図7は、チューブ34と供給ノズル36との連結部分を示す斜視図である。図8は、チューブ34と供給ノズル36との連結部分を示す正面図である。図9は、チューブ34と供給ノズル36との連結部分を示す側面図である。図10は、図9に示すX-X線に沿う断面図である。図11は、チューブ34と供給ノズル36との連結部分を示す内部透視図である。なお図7~図11では、チューブ34はその吐出端34bの近傍の一部のみが図示されており、チューブ34の大部分は図示を省略されている。
曲がり部材の一例としてのエルボ部材65は、図10および図11に特に明確に示すように、90°エルボの形状を有する。エルボ部材65は、直管状の第一腕部66と、第一腕部66の延在方向に対し垂直に延在する直管状の第二腕部67と、第一腕部66および第二腕部67を連結する曲がり部68と、を有する。曲がり部68は、第一腕部66と第二腕部67とを連結する連結部としての機能を有する。曲がり部68において管路が曲げられ、第一腕部66および第二腕部67が曲がり部68の両端に設けられることにより、90°エルボの形状を有するエルボ部材65が形成されている。
なお、エルボ部材65の第一腕部66、第二腕部67および曲がり部68は、エルボ部材65の各部分を指し示す構成であって、これらが別個の部材であることを意図するものではない。つまり、エルボ部材65は、たとえば直管状の部材を曲げ加工することにより形成されてもよく、また樹脂成型品として形成されてもよく、このような場合、第一腕部66、第二腕部67および曲がり部68は一体に形成される。
またエルボ部材65の形状は、図示された90°エルボ形状であれば市販品が使用できコストを低減できるので望ましいものの、90°エルボ形状に限られるものではない。第一腕部66と第二腕部67との各々の延在方向は、たとえば45°などの、任意の角度を形成してもよい。曲がり部68は屈曲した形状でなく、緩やかに湾曲するように曲がる形状を有してもよい。第一腕部66と第二腕部67とは直管状でなく、曲げ管の形状を有してもよく、この場合第一腕部66と第二腕部67とを連結する連結部の一部または全部が直管状であってもよい。エルボ部材65を通過する水剤5の流れの向きを変化させることが可能な形状であれば、エルボ部材65はどのような形状を有してもよい。
第一腕部66の曲がり部68側の端部に対し第一腕部66の供給ノズル36に係合する側の端部の方が鉛直方向下側に配置され、かつ、第二腕部67の曲がり部68側の端部に対し第二腕部67の開放端部の方が鉛直方向下側に配置される。たとえば、第二腕部67は、その延在方向が水平方向に対して0°よりも大きい角度を有するように配置されてもよい。また、第一腕部66の延在方向が水平方向に対して成す角度は、供給ノズル36の供給口36Aから流出する水剤5が投薬ボトル2へ注入されるとき、水剤5が投薬ボトル2の中から飛散しない程度に大きい角度に、設定されてもよい。
エルボ部材65の第一腕部66の外周側には、供給ノズル36が取り付けられている。供給ノズル36の内部に第一腕部66を挿通することにより、供給ノズル36とエルボ部材65とは互いに係合している。エルボ部材65の第二腕部67の外周側には、チューブ34が取り付けられている。チューブ34の内部に第二腕部67を挿通することにより、チューブ34とエルボ部材65とは互いに係合している。
エルボ部材65は、ホルダ部材180によって保持されている。ホルダ部材180は樹脂成型品である。ホルダ部材180の内部には、エルボ部材65を固定するための、エルボ固定穴181が形成されている。エルボ固定穴181は、ホルダ部材180の一部の表面が窪むことにより、形成されている。エルボ固定穴181は、エルボ部材65に対応する形状、すなわち、エルボ部材65を内部に収容可能な形状に、形成されている。
ホルダ部材180の表面が窪んでエルボ固定穴181が形成されているので、エルボ部材65の延在方向に交差(典型的には直交)する方向にエルボ部材65を移動させることによって、エルボ部材65をエルボ固定穴181へ取り付けることができ、またはエルボ部材65をエルボ固定穴181から取り外すことができる。これにより、エルボ部材65をエルボ固定穴181へ容易に着脱できる構成とされている。
エルボ部材65をホルダ部材180に取り付けた状態で、第一腕部66の少なくとも一部はホルダ部材180の外部に配置され、第二腕部67の少なくとも一部はホルダ部材180の外部に配置される。ホルダ部材180には、エルボ固定穴181よりも大径のノズル挿通穴183が形成されている。エルボ固定穴181とノズル挿通穴183とは、同心に形成されている。供給ノズル36は、第一腕部66に取り付けられるとき、その一部がノズル挿通穴183の内部に配置される。
チューブ34は、第二腕部67の外周側に取り付けられた状態で、その全体がホルダ部材180の外部に配置される。第二腕部67に取り付けられたチューブ34の吐出端34bがホルダ部材180の外面に当接するように、ホルダ部材180は形成されている。つまり、エルボ固定穴181は、チューブ34の吐出端34bの外径よりも小さい径を有するように形成されている。
ホルダ部材180には、エルボ固定穴181の内部へエルボ部材65を固定するためのスライド部182が設けられている。ホルダ部材180の外表面の一部には、スライド部182を収容するとともに、スライド部182をホルダ部材180に対して相対的にスライド移動可能とする、溝形状が形成されている。この溝形状の延びる方向に沿って、スライド部182は、図7中に示す両矢印の方向に移動可能とされている。スライド部182は、たとえばホルダ部材180の形成材料よりも剛性の大きい金属材料により形成されている。
スライド部182は、たとえばボール式のラッチにより、エルボ固定穴181を覆う位置に位置決め可能に形成されている。スライド部182が位置決めされることにより、スライド部182によってエルボ固定穴181内に収容されたエルボ部材65が覆われる。これにより、エルボ部材65がホルダ部材180に対し位置決めされ、加えて、エルボ固定穴181からエルボ部材65が自然に外れることを防止する。
エルボ部材65をホルダ部材180に取り付けるとき、まず、エルボ固定穴181の内部にエルボ部材65を配置する。このとき、チューブ34はエルボ部材65に取り付けられていてもいなくてもよいが、供給ノズル36はエルボ部材65に取り付けられていない。エルボ部材65をエルボ固定穴181に収容した後に、スライド部182をスライド移動して、スライド部182によるエルボ部材65の位置決めが行なわれる。
その後、エルボ部材65の第一腕部66の延在方向に沿ってエルボ部材65に供給ノズル36を接近させ、供給ノズル36に第一腕部66を挿通し、さらに供給ノズル36をホルダ部材180のノズル挿通穴183の内部に嵌入する。ノズル挿通穴183の内径は、供給ノズル36の外径よりも僅かに小さい。供給ノズル36は、たとえばゴムや合成樹脂などの、柔軟性に富み容易に弾性変形可能な材料により形成される。そのため、供給ノズル36をノズル挿通穴183に挿通するとき、供給ノズル36はその外径を僅かに小さくするように弾性変形して、供給ノズル36はノズル挿通穴183の内壁に密着する。
これにより、供給ノズル36がホルダ部材180に強固に取り付けられるので、供給ノズル36の位置ずれやエルボ部材65からの抜けが抑制される。加えて、エルボ部材65の第一腕部66が供給ノズル36内に挿通されているので、供給ノズル36がホルダ部材180に対し確実に位置決めされると同時に、エルボ部材65もまたホルダ部材180に対し確実に位置決めが行なわれる。
ホルダ部材180は、金属材料製の介在部材186に固定されている。ホルダ部材180には、ホルダ部材180を厚み方向に貫通するボルト挿通孔184が形成されている。ボルト挿通孔184側へ固定ボルト189を挿入し、固定ボルト189にナットを螺合させることにより、ホルダ部材180と介在部材186とは一体に固定される。ホルダ部材180に複数のボルト挿通孔184が形成され、複数箇所においてホルダ部材180と介在部材186とを固定することにより、より確実にホルダ部材180と介在部材186との固定が行なわれ、かつ、ホルダ部材180の介在部材186に対する位置ずれを抑制できる。
介在部材186は、平板形状の脚部187を有する。脚部187は、図9に示すように、ホルダ部材180に固定される介在部材186の本体部に対して離れるように設けられる。脚部187は、一方向に延在し当該方向に長手方向を有する、長板形状に形成されている。
ノズル取付板53に固定された取付部55に脚部187が係合することにより、介在部材186は取付部55に取り付けられる。取付部55に形成された受け穴に脚部187が嵌入することにより、介在部材186は取付部55に取り付けられ、受け穴から脚部187を抜き取ることにより、介在部材186は取付部55から取り外される。介在部材186が取付部55に取り付けられることにより、供給ノズル36が回転ドラム21に取り付けられ、供給ノズル36は回転ドラム21と一体に回転可能となる。
介在部材186が取付部55に取り付けられると、介在部材186は、脚部187の長手方向がドラム軸線の方向と平行になるように配置される。取付部55に形成された受け穴の延びる方向はドラム軸線の方向と平行であり、受け穴の延びる方向に沿って脚部187を受け穴の内部へ挿入することで、脚部187の延在方向がドラム軸線の方向と平行になるように、介在部材186は配置される。
図11に示すように、エルボ部材65の第一腕部66および第二腕部67の延在方向は、脚部187の延在方向に対して傾斜している。水剤供給装置1は通常平坦な床面上に置かれるため、ドラム軸線の方向は典型的には鉛直方向である。そのため、脚部187が取付部55に取付けられると、エルボ部材65の第一腕部66および第二腕部67の延在方向は、鉛直方向に対して傾斜した方向になる。そのため、水剤ボトル23からチューブ34、エルボ部材65を経由して供給ノズル36へ流れ投薬ボトル2へ向かって移動する水剤5の流れは、エルボ部材65の内部において、上方へ向かう上昇流および下方へ向かう下降流を形成する。
図10に示すように、供給管60は、第一部分61と、第二部分62とを有する。第一部分61は、供給ノズル36の供給口36Aを含み、供給口36Aからエルボ部材65の第一腕部66を経由して曲がり部68に至る、供給管60のうち最も投薬ボトル2に近接する部分である。第二部分62は、曲がり部68から第二腕部67を経由してチューブ34の吐出端34bを含む端部の近傍部分に至る、第一部分61に連結された供給管60の一部分である。
脚部187を取付部55の受け穴に挿通して、介在部材186およびホルダ部材180を介在させて供給管60を回転ドラム21に取り付けたとき、エルボ部材65の第一腕部66と第二腕部67とは鉛直方向に対して傾斜している。そのため、水剤ボトル23から投薬ボトル2へ移送される水剤5は、第二部分62を通過するとき上昇する流れを形成し、第一部分61を通過するとき下降する流れを形成する。第一部分61は、供給ノズル36の供給口36Aへ至る水剤5の下降流を形成する。第二部分62は、第一部分61へ向かう水剤5の上昇流を形成する。
エルボ部材65のうち、曲がり部68が鉛直方向に最も高い位置に配置されており、曲がり部68は第一腕部66および第二腕部67よりも上方に配置されている。エルボ部材65の第一腕部66は、第一部分61に含まれる。エルボ部材65の第二腕部67は、第二部分62に含まれる。そのため、チューブ34からエルボ部材65へ流入し第二腕部67を経由して曲がり部68へ向かう水剤5の流れは、鉛直方向に対し上向きに流れる上昇流となり、曲がり部68から第一腕部66を経由して供給ノズル36の供給口36Aへ向かう水剤5の流れは、鉛直方向に対し下向きに流れる下降流となる。
第一部分61および第二部分62の内部において、水平方向に対する水剤5の流れ方向が設定される。これにより、供給管60のうち、供給管60の一端を形成する供給ノズル36の供給口36Aへ向かって水剤5が下降し得る経路は、第一部分61のみに限られる。供給管60の内部に存在する水剤5のうち、ポンプ24の停止時に重力の作用によって供給口36Aから流出する水剤5は、第一部分61の内部の水剤5のみに限られる。
そのため、投薬ボトル2への水剤5の供給が完了しポンプ24を停止した際に、供給管60内の水剤5が供給口36Aから滴下することを、抑制することができる。従来の供給管60の構成では、供給口36Aへ向かって流れる水剤5が上昇流となる第二部分62が第一部分61に連結して設けられておらず、ポンプ24の停止後に時間の経過とともに供給口36Aへ向かって自然に落下する水剤5の量がある程度大きかった。そのため、供給口36Aからの水剤5の滴下を回避するのは困難であった。
これに対し、本実施の形態の供給管60は、最も供給口36Aに近接する側の一部分である第一部分61と、第一部分61に連結された一部分である第二部分62とを有する。供給管60内を供給口36Aへ向かって流れる水剤5の、鉛直方向における流れ方向は、第一部分61の内部と第二部分62の内部とにおいて、変化している。これにより、供給管60の内部に存在する水剤5のうち、ポンプ24の停止時に重力の作用によって供給口36Aへ向かって流れ得る水剤5を、エルボ部材65または供給ノズル36の内壁に付着するなどして第一部分61の内部に存在する水剤5のみに、限定することができる。重力に従って供給口36Aへ向かう水剤5の量を低減することにより、供給口36Aからの水剤5の液垂れをより確実に抑制することができる。
第一部分61の延在長さを短くすることにより、第一部分61の内部に残存する水剤5の量をさらに低減することができるので望ましい。たとえば、第一部分61の延在長さを第二部分62の延在長さよりも短くするように、供給管60の各構成要素の寸法を決定してもよい。
図12は、投薬ボトル2の上部開口2Aに対向する供給ノズル36を示す部分断面模式図である。供給ノズル36がドラム軸線に対して所定の角度で傾斜して配置されていることにより、供給ノズル36は、投薬ボトル2の上下方向に対して傾斜して配置される。
水剤5は、供給ノズル36の供給口36Aから、投薬ボトル2の内周側壁に向かって流れ、投薬ボトル2へ供給される。投薬ボトル2への水剤5の供給が終了した後、たとえば供給管60を構成するエルボ部材65および供給ノズル36の内壁に付着するなどして供給管60の内部に残存する水剤5は、重力の作用により下方へ流れ、供給ノズル36の供給口36Aに付着する。
供給口36Aは、投薬ボトル2へ向かう水剤5が供給管60から流出する側の供給管60の一端を構成する。供給口36Aに付着した水剤5を放置すると、供給口36Aに集まった水剤5が滴下し、投薬ボトル2内の水剤5のコンタミネーションが発生する可能性がある。または、供給口36Aに水剤5が固着して、投薬ボトル2への正確な量の水剤5の供給が困難になる場合がある。そのため、供給口36Aから水剤5を除去可能であることが、水剤供給装置1に求められている。
供給ノズル36の供給口36Aに水剤5が付着したことは、センサ85によって検出される。センサ85は、非接触式のセンサであり、電磁波、光または音響信号などの信号を発信する発信部86と、発信部86から発信した信号を受信する受信部87とを有する。発信部86と受信部87とは、投薬ボトル2の上部開口2Aおよび供給ノズル36の供給口36Aを介在させて、互いに対向して配置されている。
供給口36Aから水剤5が供給ノズル36の外部にまで垂れて出てくると、その水剤5によって、発信部86からの信号が遮断される。これによりセンサ85は、供給口36Aへの水剤5の付着を検出することができる。センサ85は、投薬ボトル2の位置を検出するためのセンサである。投薬ボトル2は上述した通り着脱位置と調剤位置との間を上下に移動するので、水剤供給装置1は、投薬ボトル2へ水剤5を供給するとき投薬ボトル2が所定の調剤位置にあることを検出するためのセンサを必要とする。このセンサが供給口36Aへの水剤5の付着を検出する役割をも果たすことにより、必要なセンサの個数を低減でき、水剤供給装置1のコストを低減できる。
以下、供給ノズル36の供給口36Aに付着した水剤5を供給口36Aから除去するための構成および制御方法について、詳細に説明する。図13は、クリーニング部70の構成を示す模式図である。
クリーニング部70は、供給口36Aに付着した水剤5を供給口36Aから除去するための構成であって、吹付けノズル71と、送風機73と、送風機73から吹付けノズル71へ空気を送るための通気管74とを有する。吹付けノズル71には噴気口72が形成されており、送風機73から通気管74を経由して吹付けノズル71へ供給された空気は噴気口72から噴出し、空気噴流76を形成する。クリーニング部70は、供給ノズル36の供給口36Aに対して外部から空気を噴き付ける空気噴射部としての機能を有する。供給口36Aに水剤5が残存する場合、吹付けノズル71の噴気口72から噴出した空気噴流76によって、供給口36Aから水剤5の液滴が除去される。
上述した第一部分61と第二部分62とによって供給管60内の水剤5の流れ方向を規定しても、投薬ボトル2への水剤5の供給が終了した後、供給管60の第一部分61の内壁面に残存する水剤5は重力の作用により供給口36A側へ落下し、供給口36Aに溜まろうとする。供給口36Aに溜まる水剤5が増加し所定の量を上回ると、水剤5の液滴が供給口36Aから落下する。そこで、クリーニング部70を設け、空気噴流76によって供給口36Aに溜まる水剤5を供給口36Aから取り除くことにより、供給口36Aからの意図しない水剤5の液滴の落下を、より確実に抑制することができる。
送風機73は、水剤供給装置1の筐体6の内部の任意の場所に配置される。たとえば送風機73は、筐体6内の下部空間12底部の奥側の左右両隅に配置されてもよい。噴気口72は、通気管74の断面積および吹付けノズル71の内部の通気路の断面積よりも小さい開口面積に形成されている。噴気口72を絞り形状に形成することにより、噴気口72から噴出する空気噴流76の圧力が十分高められており、供給ノズル36から水剤5を除去する能力が向上されている。
図14は、クリーニング部70により供給ノズル36から水剤5が除去される状況を示す模式図である。吹付けノズル71に対して供給ノズル36を間に介在する位置に、板状の受け部材81が設けられている。受け部材81は、空気噴流76の流れに沿う、供給口36Aよりも下流側に、配置される。受け部材81の下端部には、有底の容器状の受け部材82が取り付けられている。受け部材82は、空気噴流76によって供給口36Aから除去された水剤5を受け、また受け部材81から下方に垂れる水剤5を受ける。供給口36Aから飛散した液滴78を受け部材81,82で受けることにより、空気噴流76が供給口36Aから吹き飛ばした液滴78が水剤供給装置1の他の構成要素に付着することを、確実に回避することができる。
吹付けノズル71の下方側には、有底の容器状の受け部材83が設けられている。受け部材83もまた、空気噴流76によって供給口36Aから除去された水剤5を受ける。受け部材81,82に加え、受け部材83をさらに設けることにより、液滴78が水剤供給装置1の他の構成要素に付着することを、より確実に回避することができる。
詳細を後述するが、供給ノズル36から投薬ボトル2へ水剤5を供給するために供給ノズル36が配置されるべき供給位置とは異なる位置に、クリーニング位置が設定される。吹付けノズル71は、クリーニング位置に配置された供給ノズル36に、空気噴流76を吹き付ける。そのため、吹付けノズル71および受け部材81,82,83が投薬ボトル2への水剤5の供給を妨げることはない。図14に示す吹付けノズル71および受け部材81,82,83は、水剤供給装置1の筐体6によって支持され、回転ドラム21の回転と共に回転移動しない。そのため、供給ノズル36を含む供給管60は、吹付けノズル71および受け部材81,82,83に対して相対移動可能に設けられている。
供給ノズル36の供給口36Aから水剤5を除去するためのクリーニング部70は、上述した空気を噴射する構成に限られるものではない。クリーニング部70は供給ノズル36に付着した水剤5を除去できる機能を有していれば、任意の構成を有してもよい。たとえば、クリーニング部70は、供給口36Aを掃拭して供給口36Aから水剤5を除去するブラシなどの清掃部材を有してもよく、供給口36Aを洗浄および乾燥できる構成を有してもよい。またはクリーニング部70は、供給口36Aに接触させて水剤5をしみ込ませ吸収するための吸収部材や、供給口36Aから水剤5を吸引除去する構成を有しても良い。
図15および図16は、供給位置SPとクリーニング位置CPとの位置関係を示すための模式図である。図15および図16では、図5に示すノズル取付板53の一部が模式的にドラム軸線を中心とする円弧形状で示され、ノズル取付板53に取り付けられた複数の供給ノズル36のうち一部の供給ノズル36が模式的に示されている。複数の供給ノズル36は、ドラム軸線を中心とする円弧の周方向に、等間隔に並べられて配置されている。隣接する二つの供給ノズル36の供給口36Aの間のドラム周方向に沿う距離は、図15および図16において、間隔Pとして示されている。
図15および図16において、符号SPを付された点線枠は、供給ノズル36を経由して下方の投薬ボトル2へ水剤5が供給される供給位置SPを示す。供給ノズル36が供給位置SPにあるとき、供給口36Aは投薬ボトル2の上部開口2Aの上方に配置されており、供給口36Aは上部開口2Aに対向している。符号APを付された点線枠は、或る供給ノズル36が供給位置SPに配置されるとき、当該供給ノズル36に隣接する供給ノズル36が配置される隣接位置APを示す。
符号CPを付された点線枠は、供給ノズル36の供給口36Aから供給口36Aに付着した水剤5を除去するクリーニング位置CPを示す。供給ノズル36がクリーニング位置CPにあるとき、供給口36Aは、クリーニング部70の吹付けノズル71の噴気口72に対向している。供給ノズル36がクリーニング位置CPに配置されたとき、噴気口72から噴出する空気噴流76によって、供給口36Aに付着した水剤5が吹き飛ばされ、供給口36Aから水剤5が除去される。
隣接する二つの供給ノズル36の供給口36Aの間の距離が間隔Pであるので、図15に示す通り、ドラム軸線を中心とする円弧に沿う供給位置SPと隣接位置APとの間の距離は間隔Pである。一方、ドラム軸線を中心とする円弧に沿う供給位置SPとクリーニング位置CPとの間の距離は、図16において、間隔Pよりも小さい距離P1として示されている。吹付けノズル71は、供給位置SPと隣接位置APとの間に配置された供給ノズル36から水剤5を除去できるように、配置されている。クリーニング位置CPは、距離P1だけ供給位置SPから離れる位置に設けられている。
典型的には、距離P1は、間隔Pの半分の距離として設定される。この場合、クリーニング位置CPは、間隔Pの1/2の距離だけ供給位置SPから離れる位置に設けられる。間隔Pと距離P1との間には、P1=P/2の関係が成立する。
供給ノズル36は、ノズル取付板53に取り付けられており、回転ドラム21の回転に伴って、ドラム軸線を中心に回転移動する。供給ノズル36は、ドラム軸線を中心とする仮想円の周方向であるドラム周方向に沿って移動する。供給ノズル36を含む供給管60は、回転ドラム21の回転によってドラム周方向に移動し、投薬ボトル2に対し相対移動する。
図15,16に示すノズル取付板53が時計回り方向に回転する場合、供給ノズル36は、隣接位置AP、クリーニング位置CP、供給位置SPおよび隣接位置APの順に通過する。このとき供給ノズル36は、クリーニング位置CPを通過した後に供給位置SPへ移動する。複数の供給口36Aは、クリーニング位置CPを経由して、供給位置SPに順次移動する。供給ノズル36は、クリーニング位置CPにおいて供給口36Aから水剤5が除去された後に供給位置SPへ移動し、クリーニング後の供給ノズル36から水剤5が投薬ボトル2に供給される。投薬ボトル2への水剤5の供給直前に供給口36Aをクリーニングすることで、投薬ボトル2へ水剤5を安定して供給でき、水剤5の投薬ボトル2への供給量の精度を向上できる。
供給ノズル36は、クリーニング位置CPでクリーニングされた後に、投薬ボトル2の上部開口2Aに対向する上部開口2Aの上方を通過する。このようにすれば、上部開口2Aの上方を通過する供給ノズル36からの液垂れを抑制できる。そのため、投薬ボトル2への供給が予定されていない種類の水剤5が投薬ボトル2へ混入するコンタミネーションの発生を、抑制することができる。
ノズル取付板53が反時計回り方向に回転する場合、供給ノズル36は、隣接位置AP、供給位置SP、クリーニング位置CPおよび隣接位置APの順に通過する。このとき供給ノズル36は、供給位置SPを通過した後にクリーニング位置CPへ移動する。複数の供給口36Aは、供給位置SPからクリーニング位置CPへ順次移動する。供給位置SPにおいて投薬ボトル2へ水剤5を供給した供給ノズル36は、その後直ちにクリーニング位置CPへ移動する。投薬ボトル2への水剤5の供給直後に供給口36Aをクリーニングすることで、水剤供給装置1内への水剤5の液垂れによる水剤供給装置1内の汚染を抑制でき、かつコンタミネーションの発生をより確実に抑制できる。
クリーニング位置CPは、供給位置SPと隣接位置APとの間に設けられる。ドラム周方向に沿って供給位置SPから間隔Pだけ離れるまでの位置に、クリーニング位置CPは設けられている。クリーニング位置CPで供給口36Aをクリーニングするとき、クリーニングされる供給口36Aは投薬ボトル2の上部開口2Aに対向しない位置にあるので、クリーニング時に供給口36Aから除去される水剤5が投薬ボトル2内へ混入することを抑制できる。クリーニング位置CPで供給口36Aをクリーニングするとき、クリーニングされる供給ノズル36に隣接する他の供給ノズル36が投薬ボトル2の上部開口2Aに対向しない位置にあるので、クリーニング中に他の供給ノズル36から液垂れして水剤5が投薬ボトル2内へ混入することを抑制できる。
クリーニング位置CPは、供給位置SPと隣接位置APとの間の中央に設定される。供給位置SPとクリーニング位置CPとの間の距離P1は、隣接する二つの供給ノズル36の供給口36Aの間の間隔Pの二分の一に設定される。クリーニング中の供給ノズル36は、供給位置SPと隣接位置APとの両方に対し、ドラム周方向に最も離れる位置に配置される。これにより、クリーニングされる供給ノズル36、またはクリーニングされる供給ノズル36に隣接する他の供給ノズル36からの、投薬ボトル2への水剤5の混入を抑制できる効果を、より顕著に得ることができる。
図16中に示す一点鎖線は、ドラム軸線および供給位置SPを通り、ドラム軸線を中心とする仮想円の径方向に延び、ドラム周方向に直交する直線である。クリーニング部70は、吹付けノズル71から吹出される空気噴流76の流れ方向が、図16中に示す一点鎖線から離れるように、配置される。吹付けノズル71から吹き出される空気は、供給位置SPへ向かう方向とは異なる、供給位置SPから離れる方向に流れる。このようなクリーニング部70の配置によって、クリーニング時に供給口36Aから除去される水剤5が投薬ボトル2内へ飛散することを、より確実に抑制することができる。
吹付けノズル71は、水剤供給装置1の筐体6内部の前面側に配置されている。吹付けノズル71から吹出される空気噴流76の流れ方向は、水剤供給装置1の前面側から後方側へ向かう方向である。吹付けノズル71から吹き出される空気は、水剤供給装置1の外側から内側へ向かう方向に流れて、供給ノズル36に吹き付けられる。このようなクリーニング部70の配置によって、クリーニング時に供給口36Aから除去される水剤5が水剤供給装置1の外部へ飛散することを、抑制することができる。
図17は、水剤供給装置1の構成を示すブロック図である。図17に示すように、水剤供給装置1は、水剤供給装置1全体の動作を制御する制御部90を備える。タッチパネル14は、処方箋データなどの水剤供給装置1の動作に係る種々のパラメータ、ならびに、患者名および薬剤師名などの各種情報を入力するための、入力部として機能する。タッチパネル14はまた、水剤供給装置1の運転状態を表示する表示部として機能する。水剤供給装置1は、表示部として、タッチパネル14の他に、たとえば水剤供給装置1の動作不良の発生時に点灯するランプを備えてもよい。
電子天秤45は、投薬ボトル2に供給された水剤5の重量を検出し、検出された重量の値を制御部90に入力する。制御部90は、電子天秤45から投薬ボトル2内の水剤5の重量データを受け取りながら、所定量の水剤5を投薬ボトル2に供給する。センサ85は、投薬ボトル2が調剤位置にあることと、供給口36Aへの水剤5の付着とを検出し、検出結果を制御部90に入力する。
水剤供給装置1は、筐体6の内部の下部空間12における各々の水剤ボトル23の位置を検出する、ボトル位置検出手段91を備える。ボトル位置検出手段91は、たとえば各種のセンサであってもよく、当該センサは水剤ボトル保持体32のドラム軸線まわりの回転角を検出してもよい。回転ドラム21の回転に伴って水剤ボトル23はドラム軸線まわりに回転移動するので、水剤ボトル23の現在位置は頻繁に変化する。ボトル位置検出手段91を用いて水剤ボトル23の現在位置が正確に検出され、検出された水剤ボトル23の現在位置に係るデータは制御部90に入力される。
水剤供給装置1はまた、外部機器との通信を行ないデータを外部機器から受信するための通信部92を備える。水剤供給装置1の動作に係る種々のパラメータは、上述したタッチパネル14の操作によって制御部90に入力されてもよく、または代替的には、通信部92を介して外部のコンピュータから制御部90に入力されてもよい。
水剤供給装置1はまた、制御部90が演算を行なうためのメモリ93を備える。メモリ93には、水剤供給装置1に搭載されている水剤ボトル23に収容された水剤5のデータ、水剤ボトル23の現在位置に係るデータ、および、前回ノズルクリーニングを実施した時刻のデータが格納される。水剤供給装置1はまた、取り外し可能な記録媒体を装着するための記録媒体アクセス部94を備える。上述した水剤5のデータは、記録媒体アクセス部94に装着された各種記録媒体に格納され、制御部90により記録媒体から適宜読み込まれてもよい。
制御部90は、以上説明した各種の機器から入力された情報に基づき、水剤供給装置1を制御する。具体的には、制御部90から、ドラム回転用モータ22、移動用モータ39、ポンプ駆動用モータ40、水剤5の撹拌用の撹拌用モータ52、および昇降装置50に制御信号が送信され、各モータが適宜運転および停止することにより、水剤ボトル23から投薬ボトル2への水剤5の供給が行なわれる。水剤5の供給終了後、出力部17を構成するプリンタ17a,17bから、注出結果の印字された紙片が出力される。また、制御部90から送風機73に制御信号が送信され、送風機が適宜運転することにより、供給ノズル36の供給口36Aから水剤5が除去される。
図18は、ノズルクリーニングの実施の設定を示すテーブルの一例である。本実施の形態の水剤供給装置1は、装置の起動時、処方箋に従った調剤の開始時、および調剤の完了時に、供給ノズル36をクリーニングするか否かを任意に設定可能である。たとえば図18に示すように、装置の起動時、調剤の開始時および調剤の完了時の全ての機会において、供給ノズル36をクリーニングするように設定することができる。水剤供給装置1を操作する薬剤師などの作業者は、供給ノズル36のクリーニングのための所要時間、調剤の頻度などを考慮して、ノズルクリーニングの実施の設定を任意に変更可能である。たとえばタッチパネル14の操作によって、ノズルクリーニングの実施の設定を作業者が制御部90に入力できるようにしてもよい。
図19は、ノズルクリーニングに係る時間の設定を示すテーブルの一例である。詳細を後述するように、本実施の形態の水剤供給装置1は、処方箋に従った調剤が行なわれない調剤休止時間中に、所定時間毎のノズルクリーニングが可能とされている。図19に示す「ノズルクリーニング問合せ間隔」とは、調剤休止時間中のノズルクリーニングの際に、前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過した後にノズルクリーニングを実施するか否かの判断において、作業者がノズルクリーニングの不実施を選択した場合に、ノズルクリーニングを実施するか否かを問い合わせるまでの設定時間T1である。「ノズルクリーニング問合せ間隔」は、たとえば10分間に設定される。図19に示す「ノズルクリーニング間隔」とは、調剤休止時間中のノズルクリーニングの頻度の設定であり、どの程度の時間毎にノズルクリーニングを実施するか、という時間の設定である。「ノズルクリーニング間隔」は、たとえば30分間、60分間、90分間などの複数の選択可能な値から選択される設定時間T2である。
図20は、水剤供給装置1の起動時のフローチャートである。水剤供給装置1の起動時には、まずステップ(S11)で作業者が水剤供給装置1の電源をオフからオンに切り替えると、ステップ(S12)において、制御部90は、各モータなどの水剤供給装置1に含まれる機器類の起動時の確認を行ない、全ての機器が正常に動作可能であることを確認する。続いてステップ(S13)において、起動時のノズルクリーニングを実施するか否かが判断される。このとき制御部90は、図18に示すテーブルを参照して、起動時のノズルクリーニングを実施する設定であるか否かを認識する。
ステップ(S13)の判断において、起動時のノズルクリーニングを実施する設定であると判断されれば、次にステップ(S14)において、ノズルクリーニングが行なわれる。具体的には、制御部90から送風機73およびドラム回転用モータ22に対し制御信号が伝送され、吹付けノズル71へ空気を供給するための送風機73が起動され、回転ドラム21が回転する。このとき、回転ドラム21は回転し、水剤供給装置1に含まれる複数の供給ノズル36の全てに対し、吹付けノズル71から空気噴流76が吹き付けられる。これにより、全ての供給ノズル36の供給口36Aから、供給口36Aに付着した水剤5が除去される。
全ての供給ノズル36のクリーニングが完了すると、続いてステップ(S15)において、制御部90は、クリーニング部70を稼働させノズルクリーニングを実施した時刻を、メモリ93に記録する。この時刻は、詳細を後述するように、ノズルクリーニングが実施されていない時間の起点として用いられる。その後ステップ(S16)において、制御部90はドラム回転用モータ22へ更なる指令をし、回転ドラム21を初期位置へ移動させる。この初期位置は、たとえば、回転ドラム21が初期位置に移動した状態で、いずれの供給ノズル36も供給位置SPに配置されておらず、隣接する二つの供給ノズル36の間に供給位置SPがあるように、設定される。または、いずれかの供給ノズル36が供給位置SPに配置される位置を、初期位置として設定してもよい。
初期位置への移動が終わると、続いてステップ(S17)へ進み、水剤供給装置1は待機状態になる。ステップ(S13)の判断において、図18に示すテーブルを参照した制御部90が起動時のノズルクリーニングを実施しない設定であることを認識した場合には、そのままステップ(S17)へ進み、水剤供給装置1は待機状態になる。このようにして、水剤供給装置1の起動時の一連の動作が行なわれる。
図21~23は、投薬ボトル2への水剤供給処理を示すフローチャートである。本実施の形態の水剤供給装置1を使用した水剤ボトル23から投薬ボトル2への水剤供給処理によって処方箋に従った調剤を行なう場合、まずステップ(S21)で調剤開始が指示され、投薬ボトル2への水剤5の供給を開始する指令が出される。たとえば、水剤供給装置1が処方箋データを受信した後、作業者がタッチパネル14を操作し、処方箋を選択しスタートボタンに触れることにより、調剤が開始されてもよい。またたとえば、通信部92を介して制御部90が処方箋を受信すると、直ちに調剤が開始されてもよい。調剤開始が指示されると、制御部90は、患者名、薬局名、服薬時刻および服薬量などを印字した投薬ボトル2貼付用のラベルの印字を、プリンタ17a,17bに対し指令する。
次にステップ(S22)において、調剤開始時のノズルクリーニングを実施するか否かが判断される。制御部90は、図18に示すテーブルを参照して、調剤開始時のノズルクリーニングを実施する設定であるか否かを認識する。
ステップ(S22)の判断において、調剤開始時のノズルクリーニングを実施する設定であると判断されれば、次にステップ(S23)において、現時点において前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過しているか否かが判断される。制御部90は、メモリ93に記録された前回のノズルクリーニングの時刻と、現在の時刻とに基づいて、前回のノズルクリーニングから現在までの時間を算出する。制御部90はさらに、算出された時間と、閾値であるノズルクリーニング間隔として設定された所定の時間とを比較して、前回のノズルクリーニングから所定の時間が既に経過しているか、または未だ経過していないかを判断する。
ノズルクリーニングの完了後、供給ノズル36の供給口36Aから滴下し得る量の水剤5が供給口36Aに溜まるまでには、ある程度の時間がかかる。前回のノズルクリーニング完了後遅滞無く調剤が開始されたのであれば、供給ノズル36の供給口36Aに溜まる水剤5の量は、供給口36Aからの液垂れを起こさない程度に十分少ない量であると考えられる。
この場合、調剤開始時にノズルクリーニングを実施しなくても、供給ノズル36からの液垂れの発生の可能性は低く、また供給口36Aに付着した水剤5が投薬ボトル2への水剤5の供給量の誤差となる影響も十分小さい。そのため、前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過していない場合、調剤開始時のノズルクリーニングを省略できる。これにより、調剤開始時のノズルクリーニングに要する時間を短縮できるので、調剤に必要な時間をより短縮することができる。
ステップ(S23)で、現時点において、前回のノズルクリーニングから所定の時間が既に経過していると判断された場合、次にステップ(S24)においてノズルクリーニングが行なわれ、全ての供給ノズル36の供給口36Aから、供給口36Aに付着した水剤5が除去される。調剤の開始時にクリーニング部70を稼働させることにより、供給口36Aで長時間放置され固まった水剤5を供給口36Aから除去することができるので、投薬ボトル2への水剤の安定供給が可能になり、かつ調剤の精度を向上できる。また、投薬ボトル2の上部開口2Aの上方を通過する供給ノズル36から投薬ボトル2内への液垂れを防止できる。
全ての供給ノズル36のクリーニングが完了すると、続いてステップ(S25)において、ノズルクリーニングを実施した時刻がメモリ93に記録される。その後ステップ(S26)において、回転ドラム21が初期位置へ移動する。続いてステップ(S27)において、投薬ボトル2がセット済であるかどうかが判断される。なお、ステップ(S22)においてノズルクリーニングを実施しないと判断された場合、およびステップ(S23)において所定の時間が経過していないと判断された場合には、直ちにステップ(S27)の判断が行なわれる。
ステップ(S27)では、図1~5を参照して説明した投薬ボトル保持体47により投薬ボトル2が保持されている状態か否かが判断される。タッチパネル14には、作業者に対して投薬ボトル2をセットするよう促す旨の表示がなされる。作業者は、投薬ボトル2を載置台48上に設置するための着脱位置にある載置台48に投薬ボトル2をセットし、投薬ボトル2を投薬ボトル保持体47に保持させると、タッチパネル14の投薬ボトル2のセット完了を指示するボタンを操作する。投薬ボトル2のセット完了ボタンが操作されると、投薬ボトル保持体47により投薬ボトルが保持されていると判断され、結合子Aを介してステップ(S31)へ進む。
なお、ステップ(S24)のノズルクリーニング時に供給ノズル36から除去される水剤5の投薬ボトル2への混入を確実に防止するためには、予め投薬ボトル2を載置台48上にセットしてから調剤を開始するよりも、ステップ(S24)のノズルクリーニング完了後に投薬ボトル2をセットする方がより好ましい。
ステップ(S31)では、制御部90が昇降装置50に制御信号を送信し、昇降装置50が重量検出部4を上方へ移動させることにより、着脱位置から調剤位置へ投薬ボトル2が上昇する。重量検出部4は、供給ノズル36から投薬ボトル2への水剤5の供給が可能な調剤位置に到達するまで、上方へ移動する。投薬ボトル2が調剤位置に到達すると、次にステップ(S32)において、投薬ボトル2の上下方向の位置が確認される。投薬ボトル2の上部開口2Aが規定の位置にまで到達すると、図12に示すセンサ85によって投薬ボトル2の位置が検出される。制御部90は、センサ85から投薬ボトル2の位置を示す信号を受け取り、投薬ボトル2の位置を確認する。
次にステップ(S33)において、投薬ボトル2を、回転ドラム21の回転の妨げとならない位置にまで移動する。具体的には、制御部90から昇降装置50へ制御信号が送られ、昇降装置50がある程度下方へ移動することにより、投薬ボトル2もまた下方へ移動する。なお投薬ボトル2の移動方向は上下方向に限られるものではなく、たとえば回転ドラム21から離れる方向であってもよい。
投薬ボトル2の移動後、次にステップ(S34)において、ドラム回転用モータ22が制御され、回転ドラム21が回転する。制御部90は、ドラム回転用モータ22へ制御信号を伝送し、ドラム回転用モータ22の駆動力を回転ドラム21へ伝達する。回転ドラム21に取り付けられた水剤ボトル保持体32上に水剤ボトル23が載置され、ドラム回転用モータ22が駆動されることにより、回転ドラム21が回転し、水剤ボトル23を水平方向に移動する。
回転ドラム21の回転により、次に投薬ボトル2へ供給される水剤5または賦形剤を内部に収容した水剤ボトル23と、供給ノズル36の供給口36Aと、が水剤供給装置1の最前面側に配置される。回転ドラム21の回転により、投薬ボトル2へ供給されるべき水剤5に対応する供給管60は、その供給ノズル36の供給口36Aが投薬ボトル2の上部開口2Aに臨む位置に到達するまで、ドラム周方向に沿って水平方向に移動する。水剤ボトル23を装置最前面側に配置することで、水剤5の調剤を行なう作業者は、調剤される水剤5の種類を、水剤供給装置1の前方から視覚的に確認することができる。
回転ドラム21の回転が完了すると、次にステップ(S35)において、投薬ボトル2の上部開口2Aに対向する供給位置SPにある供給ノズル36の先端の供給口36Aに、水剤5が付着しているか否かを判断する。上述したセンサ85を使用して、供給口36Aへの水剤5の付着が検出される。ステップ(S35)の判断において、センサ85が供給ノズル36への水剤5の付着を検出し、供給口36Aに水剤5が付着していると判断されれば、次にステップ(S36)において、ノズルクリーニングが行なわれる。具体的には、制御部90から送風機73およびドラム回転用モータ22に対し制御信号が伝送されることにより、吹付けノズル71へ空気を供給するための送風機73が起動され、回転ドラム21が回転して供給ノズル36がクリーニング位置CPへ移動する。
この場合は、供給口36Aに水剤5が付着していると判断された一つの供給ノズル36に対し、吹付けノズル71から空気噴流76が吹き付けられる。回転ドラム21の回転により、供給口36Aに水剤5が付着していると判断された一つの供給ノズル36がクリーニング位置CPに移動する。これにより、当該一つの供給ノズル36の供給口36Aから、供給口36Aに付着した水剤5が除去される。供給口36Aからの水剤5の除去が所定時間行なわれた後、送風機73が停止される。その後回転ドラム21は逆方向に回転し、クリーニングされた供給ノズル36は供給位置SPに再度移動する。
ステップ(S35)の判断において、供給口36Aに水剤5が付着していないと判断されれば、ステップ(S36)のノズルクリーニングは行なわれず、そのままステップ(S37)へ進む。なお、ステップ(S35)(S36)は、適宜省略されてもよい。また、ステップ(S35)の判断において、供給口36Aに水剤5が付着していると判断されると、タッチパネル14に、水剤5が付着している供給口36Aを作業者が手作業でクリーニングするよう促す旨の表示をしてもよい。
次にステップ(S37)において、ポンプ駆動用モータ40を前方に移動し、ポンプ駆動用モータ40の連結部材42をポンプ24の被連結部材44に連結する。これにより、ポンプ駆動用モータ40の回転がポンプ24に伝達可能な状態、すなわち、ポンプ24が駆動可能な状態にする。
次にステップ(S38)において、ステップ(S33)で移動した投薬ボトル2を、再度調剤位置へ移動する。制御部90から昇降装置50へ制御信号が送られ、昇降装置50が再度上方へ移動することにより、投薬ボトル2もまた上方へ移動する。これにより、投薬ボトル2は、供給ノズル36から投薬ボトル2への水剤5の供給が可能な調剤位置に配置される。
続いてステップ(S39)において、制御部90は、ポンプ駆動用モータ40へ制御信号を伝送し、ポンプ駆動ユニット25により、選択された水剤ボトル23に対応するポンプ24を選択的に駆動する。ポンプ24の駆動により、処方箋により定められた所定量の水剤ボトル23内の水剤5を、水剤ボトル23から供給管60を経由して、投薬ボトル2へ供給する。制御部90は、電子天秤45から投薬ボトル2内の水剤5の重量データを受け取り、投薬ボトル2に供給された水剤5の量を確認する。所定量の水剤5が投薬ボトル2に供給されると、第一番目の水剤5の投薬ボトル2への注出が終了する。
投薬ボトル2への水剤5の供給終了後に、ポンプ24を逆回転することにより、供給管60の第一部分61から第二部分62へ水剤5を逆流させ、第一部分61に残存している水剤5を第二部分62へ移動させる。これにより、第一部分61内に存在する水剤5の量を低減させ、第一部分61内の水剤5が供給口36Aへ重力により移動することをさらに抑制できる。このとき、供給ノズル36の供給口36Aが密閉され、供給ノズル36の内部空間を減圧できるようにすれば、より効率的に第一部分61内の水剤5の残量を低減することができる。
続いてステップ(S40)において、処方箋に従った投薬ボトル2への水剤5(および、必要な場合には賦形剤)の供給が全て完了し、調剤が完了したか否かが判断される。水剤5の供給が完了していない場合、工程(S33)に戻り、次に供給される水剤5が収容された水剤ボトル23と、供給ノズル36の供給口36Aと、が装置最前側に配置されるように、回転ドラム21が回転され、次の水剤5または賦形剤の投薬ボトル2への供給が行なわれる。全ての水剤5の供給が完了し調剤が完了したと判断された場合、結合子Bを介してステップ(S41)へ進み、昇降装置50が載置台48を下方へ移動させることにより、投薬ボトル2が下降する。制御部90から昇降装置50に制御信号が送信され、昇降装置50が載置台48を下方へ移動させることにより、投薬ボトル2は下降する。載置台48は、調剤位置から着脱位置に戻るまで、下方へ移動する。
次にステップ(S42)において、調剤完了時のノズルクリーニングを実施するか否かが判断される。制御部90は、図18に示すテーブルを参照して、調剤完了時のノズルクリーニングを実施する設定であるか否かを認識する。
ステップ(S42)の判断において、調剤完了時のノズルクリーニングを実施する設定であると判断されれば、次にステップ(S43)において、ノズルクリーニングが行なわれ、全ての供給ノズル36の供給口36Aから、供給口36Aに付着した水剤5が除去される。調剤の完了時にクリーニング部70を稼働させて供給口36Aから水剤5を除去することにより、調剤に伴い水剤5が通過して流れた供給ノズル36からの液垂れを抑制でき、水剤供給装置1内への液垂れの発生を抑制することができる。
全ての供給ノズル36のクリーニングが完了すると、続いてステップ(S44)において、ノズルクリーニングを実施した時刻がメモリ93に記録される。その後ステップ(S45)において、回転ドラム21が初期位置へ移動する。ステップ(S42)の判断において、調剤完了時のノズルクリーニングを実施しない設定であると判断されれば、直ちにステップ(S45)の回転ドラム21の移動が行なわれる。その後ステップ(S46)へ進み、水剤供給装置1は待機状態になる。このようにして、本実施の形態の水剤供給装置1を使用した調剤が完了する。
図24は、調剤休止時間中のノズルクリーニングのフローチャートである。図24には、処方箋に従った調剤が行なわれない調剤休止時間中において、時間の経過とともに供給口36Aに溜まる水剤5を供給口36Aから除去して液垂れを防止するために、所定時間毎にクリーニング部70を稼働させノズルクリーニングを行なう際のフローが図示されている。図24に示すように、まずステップ(S51)において、上述したステップ(S23)と同様の、現時点において前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過しているか否かの判断が行なわれる。
この所定の時間は、複数の水剤ボトル23に収容された水剤5の種類に対応して設定されてもよい。水剤5は、その種類に応じて、供給ノズル36から液垂れするまでの時間が異なる。たとえば、粘性の低い水剤5または比重値の高い水剤5はより短時間で液垂れする。そのため、水剤ボトル23に収容された複数種類の水剤5に対応して、所定時間を設定することができる。たとえば最も液垂れ発生までの時間が短い水剤5に合わせ、最も液垂れ発生までの時間が短い水剤5が液垂れしない程度の時間を設定してもよい。また、温度、湿度および温度変化などの周辺の環境条件によっても供給ノズル36から液垂れするまでの時間が異なるので、周辺の環境条件が変化する場合にはその変化に対応して所定時間を変更してもよい。
ステップ(S51)の判断において、前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過していると判断されれば、続いてステップ(S52)において、水剤供給装置1がノズルクリーニングを許可し得る状態であるか否かが判断される。水剤供給装置1の現在の状態によっては、回転ドラム21の回転を伴うノズルクリーニングを実施できない場合が考えられる。ノズルクリーニングを実施できない場合としては、たとえば、水剤供給装置1を操作する作業者が筐体6の内部の清掃などの水剤供給装置1のメンテナンス中である場合や、水剤ボトル23の交換中である場合、前方カバー部18が開状態である場合、などが挙げられる。
水剤供給装置1がノズルクリーニングを許可し得ない設定状態であれば、再度ステップ(S52)の判断が繰り返し行なわれる。
ステップ(S52)の判断において、水剤供給装置1がノズルクリーニングを許可し得る状態であると判断されれば、次にステップ(S54)において、調剤中であるか否かの判断が行なわれる。調剤中にはノズルクリーニングを実施できないので、ノズルクリーニングを実施するには調剤中でないことが必要である。ステップ(S54)の判断において調剤中でないと判断されれば、次にステップ(S55)において、ノズルクリーニングを実施するか否かの判断が行なわれる。
ステップ(S55)では、水剤供給装置1を操作する作業者が、ノズルクリーニングを実施するか否かを選択する。たとえば、ノズルクリーニングの実施の有無を作業者に選択させる画面をタッチパネル14に表示し、画面上の所定の領域に作業者が触れることにより、ノズルクリーニングの実施または不実施が選択されてもよい。
ステップ(S55)でノズルクリーニングの実施が選択されれば、次にステップ(S56)において、ノズルクリーニングが行なわれる。このとき、全ての供給ノズル36に対してノズルクリーニングが行なわれてもよい。または、供給ノズル36を順に供給位置SPへ移動させ、供給位置SPにおいてセンサ85を用いて供給口36Aへの水剤5の付着を検出し、水剤5が供給口36Aに付着している供給ノズル36のみを対象としてノズルクリーニングが行なわれてもよい。または、センサ85とは異なる他のセンサをクリーニング位置CPに配置して、供給ノズル36を順にクリーニング位置CPへ移動させ、クリーニング位置CPにおいて当該他のセンサを用いて供給口36Aへの水剤5の付着を検出し、水剤5が供給口36Aに付着している供給ノズル36のみを対象としてノズルクリーニングが行なわれてもよい。
供給ノズル36のクリーニングが完了すると、続いてステップ(S57)において、ノズルクリーニングを実施した時刻が、メモリ93に記録される。その後ステップ(S58)において、回転ドラム21が初期位置へ移動し、その後ステップ(S59)へ進み、水剤供給装置1は待機状態になる。
ステップ(S55)でノズルクリーニングの不実施が選択されれば、制御部90は、図19に示すテーブルを参照してノズルクリーニング問合せ間隔を認識する。その後ステップ(S60)に進み、ノズルクリーニング問合せ間隔として設定された時間が経過した後に、制御フローはリターンされる。ステップ(S51)の判断において前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過していないと判断された場合、および、ステップ(S54)の判断において調剤中であると判断された場合にも、制御フローはリターンされる。図24に示す制御フローがリターンされると、再度ステップ(S51)に戻り、調剤休止時間中の所定時間毎のノズルクリーニングを行なうためのフローが続行される。
ノズルクリーニングを実施した時刻は、前回のノズルクリーニングからの所定の時間経過の起点となる。上述したステップ(S15)(S25)(S44)(S57)において、ノズルクリーニングを実施した時刻がメモリ93にその都度記録される。ステップ(S51)の判断において、所定の時間が経過していればノズルクリーニングが実施され得るが、所定の時間が経過していなければノズルクリーニングは実施しなくてもよい。
ノズルクリーニングを実施したときの時刻を都度記録することにより、制御部90は、メモリ93に記憶された前回のノズルクリーニング時刻と、現在時刻とに基づいて、前回のノズルクリーニングから現在までの時間を算出する。制御部90はさらに、算出された時間と、閾値であるノズルクリーニング間隔として設定された所定の時間とを比較して、前回のノズルクリーニングから所定の時間が既に経過しているか、または未だ経過していないかを判断する。そのため、長時間ノズルクリーニングが行なわれず水剤5が供給口36Aから滴下する不具合の発生を、より確実に抑制することができる。
前回のノズルクリーニングから所定の時間が経過したことを示す所定時間の終点となる時刻の設定が、ノズルクリーニングの度に更新され、次にクリーニング部70が稼働されノズルクリーニングが行なわれるべき時刻の設定が更新されるようにしてもよい。また制御部90は、ノズルクリーニングが実施されると、閾値であるノズルクリーニング間隔として設定された所定の時間をタイマー登録して、前回のノズルクリーニングの時刻からタイマー登録された所定の時間が経過したか、未だ経過していないかを判断するようにしてもよい。
なお、これまでの説明においては、供給管60は、チューブ34、エルボ部材65および供給ノズル36によって構成されたが、この例に限られるものではない。エルボ部材65に換えて、湾曲した形状のベンド継手によってチューブ34と供給ノズル36とを連結してもよい。また、投薬ボトル2側の供給管60の一端の近傍において、当該一端へ向かう水剤5の流れを上昇させた後に下降させて、水剤5を一端から投薬ボトル2へ流出するように供給管60を配置できれば、エルボ部材65は必須ではない。つまり、チューブ34を湾曲または屈曲させて配置することによって、水剤5の流れ方向を規定することも可能である。さらに、供給ノズル36をも省略して、一本のチューブ34によって供給管60を形成しても構わない。
また、複数の供給管60が回転ドラム21の回転に伴ってドラム周方向に回転移動する例について説明したが、たとえば複数の供給管60を往復移動させる構成を追加的に設け、往復移動する供給ノズル36を供給位置SPに順に配置してもよい。複数の供給ノズル36の供給口36Aが順に、投薬ボトル2の上部開口2Aの上方において上部開口2Aに対向する位置に移動できる構成であれば、供給管60は投薬ボトル2に対しどのように相対移動してもよい。
また、詳細を後述するように、調剤が行われる間中、送風機73の運転が継続されるように構成して、ノズル取付板53を時計回りおよび反時計回り方向に回転するようにしてもよい。この場合、供給ノズル36は、時計回りに隣接位置AP、クリーニング位置CP、供給位置SPに順に移動して、供給位置SPで投薬ボトル2への水剤5の供給を行うと、ノズル取付板53の回転方向を切り替える。その後供給ノズル36は、反時計回りにクリーニング位置CPに移動して、クリーニング位置CPにおいて供給口36Aから水剤5が除去された後、再びノズル取付板53の回転方向を切り替える。次に供給する水剤5に対応する供給ノズル36も、上記供給ノズル36と同様に移動する。
このようにすれば、上部開口2Aの上方を通過する供給ノズル36からの液垂れを抑制でき、投薬ボトル2への供給が予定されていない種類の水剤5が投薬ボトル2へ混入するコンタミネーションの発生を、抑制することができる。さらには、投薬ボトル2への水剤5の供給直後に供給口36Aをクリーニングすることで、水剤供給装置1内への水剤5の液垂れによる水剤供給装置1内の汚染を抑制でき、かつコンタミネーションの発生をより確実に抑制できる。
(実施の形態2)
図25は、実施の形態2の水剤供給装置1における供給位置SPとクリーニング位置CPとの位置関係を示す模式図である。実施の形態2の水剤供給装置1は、複数のクリーニング部70を備える点において、実施の形態1と異なっている。実施の形態2のクリーニング部70は、複数のクリーニング位置CPにおいて供給ノズル36の供給口36Aから水剤5を除去可能に設けられている。複数のクリーニング位置CPは、供給ノズル36の供給口36A同士の間隔Pよりも小さい距離P1だけ供給位置SPから両側に離れる位置に設けられている。
図25に示すように、供給ノズル36が移動するドラム周方向に沿って供給位置SPから両側に離れる位置に、クリーニング部70の吹付けノズル71が配置されている。供給位置SPと、両側の隣接位置AP(図15参照)と、の間に、一対のクリーニング位置CPが設けられている。クリーニング位置CPにおいて、吹付けノズル71から空気噴流76が供給ノズル36の供給口36Aに吹き付けられることにより、供給口36Aに付着した水剤5が供給口36Aから除去される。
供給位置SPに対し供給ノズル36の移動方向の両側にクリーニング位置CPが設けられており、供給位置SPと供給ノズル36との間隔Pよりも供給位置SPとクリーニング位置CPとの間の距離P1は小さい。
そのため、回転ドラム21の回転に伴い供給ノズル36が時計回り方向および反時計回り方向のいずれの方向に移動する場合でも、いずれか一方のクリーニング位置CPにおいて供給口36Aから水剤5を除去した後に供給ノズル36を供給位置SPへ移動させ、投薬ボトル2への水剤5の供給直前に供給口36Aをクリーニングすることができる。かつ、供給ノズル36が時計回り方向および反時計回り方向のいずれの方向に移動する場合でも、供給位置SPにおいて投薬ボトル2へ水剤5を供給した後の供給ノズル36を、供給位置SPから、いずれか一方のクリーニング位置CPへ移動させ、投薬ボトル2への水剤5の供給直後に供給口36Aをクリーニングすることができる。
初期位置にある二つの供給ノズル36が左右両側のクリーニング位置CPに同時に配置され、二つの供給ノズル36から同時に水剤5が除去できるように、クリーニング部70の吹付けノズル71が配置される。クリーニング部70は、投薬ボトル2へ水剤5を供給した後の供給位置SPから離れる供給ノズル36と、供給位置SPへ近づく供給ノズル36と、を同時にクリーニングできるように配置される。一対の吹付けノズル71は、図25中に一点鎖線で示すドラム軸線と供給位置SPとを通る直線に対し線対称となる位置に設けられ、当該直線に対し同一の角度を形成する方向に空気を噴出する。図25中の空気噴流76を示す二つの矢印は、図25中の一点鎖線に対し、同一の角度を形成する。
実施の形態2のクリーニング部70は、図13を参照して説明した構成のクリーニング部70を二組有してもよい。または、実施の形態2のクリーニング部70は、図13に示す通気管74が途中で分岐した分岐管を有し、一台の送風機73から一対の吹付けノズル71の両方に空気を供給するように構成されてもよい。
実施の形態2の水剤供給装置1は、図20~24を参照して説明した実施の形態1の水剤供給装置1と同様に動作してもよい。
図26は、実施の形態1または2の投薬ボトル2への水剤供給処理の変形例の一部を示すフローチャートである。図26に示すフローは、図21~23を参照して説明した水剤供給処理のうち、図22に示す結合子Aから結合子Bまでのフローに相当する。
図26に示す変形例のフローでは、投薬ボトル2への水剤5の供給が開始される前に、ステップ(S36A)において、制御部90は送風機73に制御信号を送信し、送風機73が起動される。ステップ(S33)~(S40)において調剤が行なわれる間中、送風機73の運転が継続される。調剤の完了後、ステップ(S36B)において、制御部90は送風機73に制御信号を送信し、送風機73が停止される。
このようにすれば、調剤中に回転ドラム21が回転するとき、供給位置SPに移動する全ての供給ノズル36をクリーニングできるので、供給位置SPの上方を通過する供給ノズル36の供給口36Aから確実に水剤5を除去できる。したがって、調剤中のコンタミネーションを一層確実に抑制することができる。かつ、供給位置SPから移動する全ての供給ノズル36をクリーニングできるので、投薬ボトル2へ水剤5を供給した直後の供給ノズル36から確実に水剤5を除去できる。したがって、水剤供給装置1内への水剤5の液垂れを一層確実に抑制することができる。
複数種類の水剤を含む処方箋に従って調剤する場合、回転ドラム21の回転に伴い供給位置SPを通過する全ての供給ノズル36をクリーニング可能な構成であれば、コンタミネーションの発生をさらに確実に抑制できるので望ましい。つまり、第1番目の水剤を投薬ボトル2に供給した後に第2番目の水剤に対応する供給ノズル36を供給位置SPへ移動するとき、第1番目の水剤に対応する供給ノズル36をクリーニングできる。第2番目の水剤を投薬ボトル2に供給した後に第3番目の水剤に対応する供給ノズル36を供給位置SPへ移動するとき、第2番目の水剤に対応する供給ノズル36を、または第1番目の水剤5に対応する供給ノズル36と第2番目の水剤5に対応する供給ノズル36との両方を、クリーニングできる。したがって、水剤5がその内部を経由して流れた直後の、最もコンタミネーションの発生し易い供給ノズル36を確実にクリーニングできるので、コンタミネーションの発生をさらに確実に抑制することができる。
なお、図26に示す変形例のフローチャートでは、ステップ(S33)~(S40)において送風機73の運転が継続されたが、単にステップ(S34)の回転ドラムが回転するときのみに送風機73が起動されて運転されるようにしてもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。