JP6604796B2 - 自動分注装置、自動分注装置の制御方法およびプログラム - Google Patents
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Description
図1は本実施形態に係る自動分注システムの構成を示す図である。自動分注システム10は、自動分注装置20、パソコン30、プリンタ40を含んで構成されている。自動分注装置20は、パソコン30と通信可能に接続されている。プリンタ40は、パソコン30に接続されている。なお、図1を含む各図では、必要に応じて自動分注装置20の前側をF、後側をB、右側をR、左側をLで示している。
プリンタ40は、ジャーナルプリンタまたはラベルプリンタを用いることができる。プリンタ40は、自動分注装置20が分注した薬液の容量および本数等を紙媒体に印刷する。
図2は、上面から見た自動分注装置20の概略構成を示す図である。自動分注装置20は、テーブル状の移送部110が鉛直軸を回転中心にして回転可能に配置されている。また、自動分注装置20は、移送部110における角度90度の間隔で容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170が配置されている。また、薬液充填部140と同様の位置に洗浄部180が配置されている。
移送部110は、フレーム101によって支持され、薬液を充填する前の容器または充填した後の容器を移送する。図4に示すように、移送部110は、第1ターンテーブル109a、第2ターンテーブル109b、テーブル回転モータ115、支持板116、テーブル昇降モータ117を備えている。
第1ターンテーブル109aは円板状であって、周縁に近接した位置に上下方向に貫通する挿通孔111が90度間隔で形成される。また、第1ターンテーブル109a上には、挿通孔111に連通する連通孔112が形成されたガイド部113がそれぞれ90度間隔で固定される。挿通孔111および連通孔112に容器が挿通される。
容器200は、略透明であって、軟質な合成樹脂、例えば軟質ポリエチレンで一体的に形成され、容器本体201、摘み部206および被充填部209等を有している。容器本体201は、略筒状に形成され、内部に薬液を収容する収容空間202が形成される。容器本体201は、指で押圧することで変形し、押圧を解除することで元の形状に戻る程度の柔軟性を有している。また、容器本体201は、その下側に収容空間202と連通する注出部203が形成されている。注出部203は円錐部213と、咥え部214とを有する。円錐部213は、容器本体201の径よりも小径であって、下方に向かうにしたがって徐々に縮径する。咥え部214は、摘み部206を容器本体201から破断して離脱させることで、その下端に、容器本体201内に収容された薬液を外部に注出できる注出口204が形成される。咥え部214は、略球状であり、患者が口に咥えるのに適した球径である。なお、容器本体201、円錐部213、咥え部214をそれぞれ水平方向に切断した場合、各円の直径は容器本体201、咥え部214、円錐部213の順に小さくなる。
なお、容器200は、複数のサイズを有している。本実施形態の容器200は、小、中、大の3つのサイズがある。容器200は、小から大になるにしたがって容器本体201の全長が長く形成され、その他の部分は何れのサイズも同一形状である。なお、各図に示す容器200は、小サイズの容器を示している。
<容器供給部>
容器供給部120では、容器ホッパ121に収容されている空の容器200を一つずつ移送部110に供給する。具体的には、容器200をターンテーブル109の挿通孔111に挿通させて、支持板116で容器200の下端を支持する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止しているときに行われる。
図6は、容器供給部120の概略構成を示す図であり、容器供給部120の一部の構成を切断して右側から見た図である。
容器ホッパ121は薬液を充填する前の空の容器200を複数収容し、容器200を一つずつ供給ホルダ126に供給する。容器ホッパ121は、自動分注装置20の上側に位置し、着脱可能である。また、容器ホッパ121は、内部に同一サイズの容器200が同じ向きで収容されている。したがって、本実施形態では、容器200の小、中、大のサイズごとに同様の容器ホッパ121が用意されている。ユーザは1回の服用分の容量を充填するのに適切なサイズの容器200が収容された容器ホッパ121を設置する。
容器ホッパ121には収容された容器200のサイズを後述するコントローラ191が判定するための図示しない識別部が取り付けられている。識別部は、例えば磁石等であって容器200のサイズごとに異なる種類または異なる位置に取り付けられている。
このように、容器ホルダ回転モータ128が供給ホルダ126を回転させると共に、容器ホッパ121の揺動円板123bを回転させることで、アクチュエータを共通化でき、製造コストを削減することができる。
図6に示すように、搬送路134は4つの側板135F、側板135B、側板135L、側板135Rによって囲まれた空間である(図4も参照)。側板135Fは搬送路134の前側に配置され、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜している。側板135Bは搬送路134の後側に配置され、略上下方向に延出している。すなわち、一対の側板135F、側板135Bは、互いに延出する角度が異なっている。また、側板135L、側板135Rは上下方向に延出し、搬送路134の左右に配置される。搬送路134の上側には供給ホルダ126に近接して上側開口136aが形成され、搬送路134の下側には第1のターンテーブル109aに近接させて下側開口136bが形成される。なお、搬送路134を上側開口136aから下側開口136bまで水平方向に切断した場合、通路断面積が徐々に小さくなる。
このように、容器供給部120では、容器200を所定の姿勢に変位させた状態で一つずつ移送部110に供給することができる。
薬液充填部140は、移送部110によって移送された容器200内に薬液を充填する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図7は、薬液充填部140の周辺の構成を示す斜視図である。図8は、薬液充填部140の周辺の概略構成を示す図である。図9は、図8に示すI−I線を切断して矢印方向から見た断面図である。
このように、薬液充填部140では、1回の服用分の薬液を容器200に充填することができる。
容器封止部160は、薬液が充填された容器200を封止する。この処理は、ターンテーブル109の回転が停止し、支持板116の上昇に応じて容器200が上昇しているときに行われる。
図10A、図10Bは、容器封止部160の周辺の構成を示す斜視図である。なお、図10Aは容器200を封止する前の状態を示し、図10Bは容器200を封止している状態を示している。図11は、容器200を封止している状態を前側から見た図である。
封止機161は、ホーン161bが容器封止部160に位置する容器200の充填口211に指向する状態で、ターンテーブル109の上方に配置されている。
容器排出部170は、薬液が充填された容器200を収容部104に排出する。この処理は、ターンテーブル109が回転することで行われる。
上述したように、支持板116は容器排出部170に相当する位置ではターンテーブル109に重なり合わず切り欠かれている。したがって、ターンテーブル109により移送された容器200が容器排出部170に到達することで、容器200を支持する支持板116が存在しないために、容器200が落下する。落下した容器200は収容部104内に排出される。
<洗浄部>
洗浄部180では、充填が終了し薬液充填部140内に残留した薬液を洗浄水で洗浄する。この処理は、支持板116を上昇させている状態で行われる。
図8は、洗浄部180の概略構成を示している。
洗浄部180は、洗浄水ポンプ181、洗浄ノズル182、排水ソレノイド183、排水受184、排水ポンプ185を備えている。
洗浄ノズル182は、薬液容器141の蓋142の下面に取り付けられている。洗浄ノズル182は、洗浄水ポンプ181により揚水された洗浄水を薬液容器141内に噴射する。洗浄ノズル182は、洗浄水を拡散して噴射できるノズルが用いられる。洗浄水を拡散して噴射することで、薬液容器141の内面に洗浄水が満遍なく行きわたり、内面に付着した薬液を洗浄することができる。
以上が、自動分注装置20の容器供給部120、薬液充填部140、容器封止部160、容器排出部170、洗浄部180の構成である。
図12は、自動分注装置20のメインボード190の構成を示す図である。
メインボード190は、コントローラ191、入力インタフェース192、出力インタフェース193を有している。コントローラ191は、自動分注装置20全体を制御する制御部として機能する。コントローラ191は、入力インタフェース192を介してパソコン30、各種センサ194から入力される信号を受信する。各種センサ194には、容器サイズ識別センサ、容器センサ139aおよび容器向きセンサ139b等が含まれる。また、コントローラ191は、受信した信号に基づいて出力インタフェース193を介して信号を送信し、上述した各種モータ、第1電磁弁150a、第2電磁弁150b、封止機161、洗浄水ポンプ181、排水ソレノイド183、ブザー195等の駆動を制御する。
ブザー195は、ユーザに対して洗浄部180による洗浄が終了したことを報知する。
ステップS13では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させる。
ステップS14では、コントローラ191は第1電磁弁150aにより薬液容器141とシリンジ143との間の第1流路部145aを開放させる一方、第2電磁弁150bによりシリンジ143と吐出部149との間の第2流路部145bを閉塞させて、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。したがって、薬液容器141とシリンジ143との間の空気または残留している洗浄水をシリンジ143の外筒143a内に吸引することができる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させて、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、空気あるいは残留した洗浄水は吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水される。このような処理により、薬液容器141内の薬液をシリンジ143に至る位置まで到達させることができ、後述するステップS19において、シリンジ143の内筒143bを上昇させた直後から薬液をシリンジ143内に吸引させることができる。その後、コントローラ191は、排水受184を待機位置に戻す。
ステップS16では、コントローラ191は容器供給部120において供給ホルダ126を容器ホッパ121から容器200が落下するのを受け止めることができる位置に回転し、供給ホルダ126に容器200を保持する。このとき、コントローラ191は容器センサ139aおよび容器向きセンサ139bからの信号に基づいて供給ホルダ126内に正しい向きで保持されているかを判定する。
なお、コントローラ191はパソコン30から受信した容器200のサイズの情報に基づいて、予め支持板116を昇降させて、第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間の距離を、容器200のサイズに合わせた距離に設定する。したがって、容器200は第1ターンテーブル109aと第2ターンテーブル109bとの間から抜け出てしまうことなく、挿通孔111内で起立した状態が維持される。なお、このときの支持板116および第2ターンテーブル109bの上下方向の位置を、以下では設定位置という。
以降、コントローラ191は、ターンテーブル109を所定の角度(ここでは90度)回転させ、支持板116および第2ターンテーブル109bを上昇させ、所定時間(t2)が経過した後に、設定位置まで下降させる処理を繰り返す。
ステップS21では、コントローラ191は封止機161と加圧受台162とを近づけて、容器200の充填口211をホーン161bと加圧受台162とによって挟圧させながら、溶融させることで充填口211が封止される。その後、コントローラ191は支持板116を設定位置まで下降させる。
ステップS24では、コントローラ191は排水受184を待機位置から吐出部149の直下に移動させた後、排水受184を上昇させる。
ステップS25では、コントローラ191はシリンジ143の内筒143bをある程度上昇させると共に、第1流路部145aおよび第2流路部145bを開放させる。次に、コントローラ191は排水ポンプ185を駆動する。したがって、薬液容器141に残留している薬液が排水受184を介して迅速に排水される。
ステップS27では、コントローラ191は薬液容器141内が一通り洗浄される一定時間が経過した後、第1流路部145aを開放させたまま、第2流路部145bを閉塞させた状態で、シリンジ143の内筒143bを上昇させる。続いて、コントローラ191は第1流路部145aを閉塞させる一方、第2流路部145bを開放させた後、シリンジ143の内筒143bを下降させる。したがって、シリンジ143内を洗浄した洗浄水は吐出部149から吐出され、排水受184を介して排水される。このように、一定時間が経過した後に、シリンジ143を洗浄することで、薬液が混ざっていない洗浄水で洗浄することができるので、迅速にシリンジ143を洗浄することができる。
このような処理により、薬液容器141、シリンジ143、第1流路部145a、第2流路部145b、吐出部149が洗浄水によって洗浄されるので、次に薬液容器141に投入される薬液との混合を防止することができる。なお、コントローラ191は設定に応じてステップS27の処理を2回以上行うようにしてもよい。続いて、コントローラ191は排水受184を待機位置に戻す。
また、本実施形態では、パソコン30に1回の服用分の薬液の容量の情報および本数の情報等を入力する場合について説明したが、この場合に限られず、患者名や薬液の服用方法を入力できるように構成してもよい。この場合、プリンタ40は、入力された患者名や薬液の服用方法等を、1枚ずつ容器に貼り付け可能な紙媒体に印刷してもよい。
また、本実施形態では、容器200が挿通孔111に挿通されることでターンテーブル109に保持される場合について説明したが、この場合に限られず、クリップ状の保持部が容器200を挟み込むようにすることで、ターンテーブル109に保持されてもよい。
また、本実施形態では、ステップS13〜S15までの準備処理を実行する場合について説明したが、この場合に限られず、必要に応じて省略してもよい。
Claims (10)
- 容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、を有する容器に、薬液を分注する自動分注装置であって、
1回の服用分の薬液の容量の情報および充填する容器の本数の情報に基づいて、薬液が貯留された薬液容器から前記容器の充填口を通して薬液を充填する薬液充填部と、
前記薬液充填部により薬液が充填された前記容器の被充填部を封止する容器封止部と、
前記薬液容器を洗浄する洗浄部と、を有することを特徴とする自動分注装置。 - 前記洗浄部は、前記薬液充填部により充填する容器の本数分が分注された後に、前記薬液容器を含む前記薬液充填部を洗浄することを特徴とする請求項1に記載の自動分注装置。
- 前記薬液充填部は、前記薬液容器、シリンジおよび吐出部が接続して構成され、
前記シリンジは、前記薬液容器から1回の服用分の薬液を吸引し、吸引した薬液を前記吐出部に送り、
前記吐出部は、前記シリンジから送られた薬液を吐出ノズルから前記容器の充填口を通して吐出することで、薬液を前記容器に充填することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分注装置。 - 前記洗浄部は、前記薬液容器の内面に洗浄水を噴射する洗浄ノズルと、前記吐出部から吐出される前記薬液容器に残留する薬液および洗浄水を受水する排水受と、を有し、
前記排水受は、前記薬液充填部により充填する容器の本数分が分注された後に、前記吐出部が吐出する残留薬液および洗浄水を受水する位置に移動することを特徴とする請求項3に記載の自動分注装置。 - 前記容器は、1回の服用分の薬液の容量に応じて前記容器本体の全長が異なる複数のサイズを有し、
前記自動分注装置は、前記容器を前記薬液充填部および前記容器封止部に移送すると共に、前記容器を前記薬液充填部により薬液が充填される位置および前記容器封止部により被充填部を封止させる位置に上昇させて配置する移送部を有し、
前記移送部は、前記容器のサイズの情報に基づいて、前記容器の充填口の高さが常に同じ高さになるように上昇することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の自動分注装置。 - 前記移送部に前記容器を供給する容器供給部を有し、
前記容器供給部は、薬液を充填する前の前記容器を倒伏した状態で収容すると共に、前記収容した前記容器を前記注出部が下側であり前記被充填部が上側である起立状態になるように前記移送部に供給することを特徴とする請求項5に記載の自動分注装置。 - 前記容器供給部は、薬液を充填する前の前記容器を前記移送部に供給するために上下方向に延出する搬送路を有し、
前記搬送路は、互いに延出する角度が異なる一対の側板を有することを特徴とする請求項6に記載の自動分注装置。 - 前記容器封止部は、前記容器の被充填部を加圧しながら溶着する封止機と、
前記封止機の加圧を前記容器の被充填部を介して受け止める加圧受台と、を有し、
前記加圧受台は、前記容器の溶着位置よりも下側に前記容器との干渉を回避するための逃部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の自動分注装置。 - 容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、を有する容器に、薬液を分注する自動分注装置の制御方法であって、
薬液充填部が、1回の服用分の薬液の容量の情報および充填する容器の本数の情報に基づいて、薬液が貯留された薬液容器から前記容器の充填口を通して薬液を充填する薬液充填ステップと、
容器封止部が、前記薬液充填部により薬液が充填された前記容器の被充填部を封止する容器封止ステップと、
洗浄部が、前記薬液容器を洗浄する洗浄ステップと、を有することを特徴とする自動分注装置の制御方法。 - 容器本体に薬液を充填するための充填口が形成された被充填部と、前記容器本体に充填された薬液を注出させるための注出部と、を有する容器に、薬液を分注する自動分注装置を制御するためのプログラムであって、
1回の服用分の薬液の容量の情報および充填する容器の本数の情報に基づいて、薬液が貯留された薬液容器から前記容器の充填口を通して薬液を充填する薬液充填ステップと、
前記薬液充填ステップにより薬液が充填された前記容器の被充填部を封止する容器封止ステップと、
前記薬液容器を洗浄する洗浄ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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