JP2009229058A - 換気ユニット - Google Patents

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【課題】より改善された結露防止構造を有する換気ユニットを得ることを目的とする。
【解決手段】換気ユニット100は、風路Fが形成された本体90と、風路Fに空気を流通させるモータ10と、本体90の前面を覆う内側パネル70と、内側パネル70に重ねて設けられた化粧パネル80とを備え、内側パネル70と化粧パネル80との間に断熱層が設けられている。断熱層は、内側パネル70と化粧パネル80との間に設けられた空気層である。
【選択図】 図19

Description

本発明は、屋外と屋内との間に形成された風路に設置される換気ユニットに関し、特に屋外から屋内へ外気を導入する給気型の換気ユニットに関するものである。
このような換気ユニットにおいて、従来の換気ユニットのシャッタ構造ついては、例えば、前面パネルを押圧するとラッチが外れ、縮設されていたバネの復元力により、シャッタが開くという構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の換気ユニットの結露防止構造については、前面パネルの裏面に結露防止用のパッキンを全面にわたって貼着するという構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来の換気ユニットのフィルタの支持構造に関しては、例えば、フィルタを直接風路に装着する構造が提案されている。
特開2004−278848号公報 特開2004−293864号公報
しかしながら、上記従来のバネによるシャッタの開閉構造においては、バネの復元力によりシャッタの密閉性が損なわれ断熱性能が落ちる場合があるという問題があった。また、従来のパッキンを貼着することによる結露防止構造においては、例えば、前面パネル裏面から風路内に突設されたリブ部(パッキンが逃げている円柱状突起やコーナー部嵌合ツメ部)が、風路内を通過する冷気によって冷やされ、この温度がリブ部根元から前面パネルに伝達され、パネルに結露が発生することがあるという問題があった。さらには、従来のフィルタを風路に直接装着するという構造は、保持が不安定で、着脱が容易でなく、また、着脱の際、手が汚れるといった問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より改善された結露防止構造を有する換気ユニットを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の換気ユニットは、風路が形成された本体と、前記風路に空気を流通させるモータと、前記本体の前面を覆う第1の前面パネルと、前記第1の前面パネルに重ねて設けられた第2の前面パネルとを備え、前記第1の前面パネルと前記第2の前面パネルとの間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
また、前記断熱層は、前記第1の前面パネルと前記第2の前面パネルとの間に設けられた空気層である。
本発明の換気ユニットによれば、より改善された結露防止構造を有する換気ユニットを得ることができるという効果を奏する。
図1は、本発明にかかる換気ユニットの実施の形態の外観斜視図である。 図2は、換気ユニットの分解斜視図である。 図3は、グリル枠から前の部分を裏面側から見た分解斜視図である。 図4は、グリル枠を開いてフィルタ体を下方に引き出した様子を示す図である。 図5は、フィルタ体の正面図である。 図6は、シャッタ板及び前面パネルの支持構造を説明するための縦断面図である。 図7は、シャッタ板及び前面パネルの支持構造を説明するための横断面図である。 図8は、シャッタ板が開いた様子を示す図6の断面方向から見た図である。 図9は、図8のH部分を拡大して示す拡大断面図である。 図10は、図8のJ部分を拡大して示す拡大断面図である。 図11は、シャッタ板が閉じた様子を示す図6の断面方向から見た図である。 図12は、図11のH部分を拡大して示す拡大断面図である。 図13は、図11のJ部分を拡大して示す拡大断面図である。 図14は、グリル枠斜視図である。 図15は、風路を通った給気流が吹出口から吹き出る様子を示す横断面図である。 図16は、給気流が上方向及び右左方向に吹き出る様子を示す斜視図である。 図17は、給気流が上方向と右方向に吹き出る様子を示す斜視図である。 図18は、給気流が上方向のみに吹き出る様子を示す斜視図である。 図19は、断熱層が形成される様子を示す一部を断面とする側面図である。 図20は、フィルタ体が本体枠に装着されている様子をグリル枠を外した状態で示す斜視図である。 図21は、フィルタ体を本体枠から取り外す様子をグリル枠を外した状態で示す斜視図である。 図22は、フィルタ体が本体枠に装着されている様子を示す縦断面図である。 図23は、図22のK部分を拡大して示す拡大断面図である。 図24は、グリル枠が開状態の位置で保持される様子を示す斜視図である。 図25は、図24のL部分を拡大して示す拡大斜視図である。 図26は、中間位置保持構造の他の例を示す拡大斜視図である。 図27は、図26の中間位置保持構造を正面から見た図である。
以下に、本発明にかかる換気ユニットの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、本発明にかかる換気ユニットの実施の形態の外観斜視図である。図2は、換気ユニットの分解斜視図である。図3は、図2の換気ユニットのグリル枠から前の部分を裏面側から見た分解斜視図である。図4は、グリル枠を開いてフィルタ体を下方に引き出した様子を示す図である。図5は、フィルタ体の正面図である。
[全体概要]
図1から図5において、換気ユニット100は、例えば、建築物の屋外と屋内とを隔てる壁に形成された図示しない穴の室内側の開口部に取り付けられて屋外から屋内へと外気を導入する。換気ユニット100は、内部に風路Fが形成された本体90と、風路Fの屋外側に設けられ風路F内に空気を流通させるモータ10と、風路Fの中間部に配置され屋外から導入した空気を濾過するフィルタ体40と、風路Fの開口部31に対して進退動することにより風路を開閉するシャッタ板60と、シャッタ板60の前方において本体90の前面を全体にわたって覆う前面パネル95とを有している。
さらに、本体90は、建築物の壁に固定される本体枠20と、この本体枠20に着脱自在に嵌め合わされるグリル枠30とから構成されている。本体枠20は概略枠状を成し、風路Fを形成する穴の中央部にモータ10が配設されている。モータ10の駆動軸にファン11が取り付けられている。ファン11の周囲を囲むように、本体枠20から後方に延びる筒状のファンケーシング12が設けられている。本体枠20は角部に設けられた取付穴21に挿入される図示しない固定ネジにより上記建築物の壁に固定される。本体枠20の中央穴の周囲には、風路Fを形成するとともにフィルタ48を装着するための隔壁22が立設している。また、本体枠20の上面には、グリル枠30を回動自在に支持するための一対の係合爪24が設けられている。
グリル枠30は、矩形枠状を成し本体枠20の前面側に嵌め合わされる。空気は、図2中破線で示す矢印のように屋外から屋内へと移動する。グリル枠30の両側面にそれぞれ風向調整板(手動式風向シャッタ)50が配置されている(図2および図3において、図中奥側の風向調整板50は省略している)。
グリル枠30の上端面に、本体枠20の係合爪24と係合する係合穴34が形成されている。係合穴34の後部側の一辺を構成する軸部が、係合爪24の溝部に嵌って係合する。図4に矢印Cにて示されるように、グリル枠30は、この係合部を回転中心として本体枠20に対して蝶番のように回動可能とされている。そして、図示しない下部係合部を外された状態で下部側を手前側に押し出されるようにして下部を開口する。さらに、グリル枠30と本体枠20との間には、グリル枠30を所定の角度の位置で一時的に保持する中間位置保持構造26(図2)が設けられており、グリル枠30は、本体枠20に対して所定の角度となる位置で一時的に保持される。この状態にて、矢印Dにて示すようにフィルタ体40が下方から脱着される。フィルタ体40は、枠部43の上面に形成された係合突起43aを隔壁22に形成された係合穴に係合させるようにして、隔壁22内に装着される。
[フィルタ体の構造]
図5において、フィルタ体40は、不織布、ウレタンなどの軟質の濾過材で作製された平面形高性能外気清浄フィルタであるフィルタ48と、この軟質のフィルタ48の取り扱いを容易とするためにフィルタ48の周囲を全周にわたって保持するフィルタ枠41とを有している。フィルタ枠41は、フィルタ48より硬質の樹脂材料にて作製されている。
[円柱状突起、かぎ状突起]
前面パネル95は、グリル枠30の前面を覆う内側パネル(第1の前面パネル)70と、化粧パネル(第2の前面パネル)80とから構成されている。図3に示されるように、内側パネル70の裏面の両側部には、それぞれ3本、合計で6本のリブ72が後方に向かって立設されている。そして、上下左右に設けられた4本のリブ72の内面には、相互に対向するように内側に向かって円柱状突起(第2の突起)74が突設されている。一方、中央部に設けられた2本のリブ72の内面には、相互に対向するようにかぎ状突起(第1の突起)75が内側に向かって突設されている。前面パネル95は、後述するU字状案内部材36に円柱状突起74を案内されて、図2に矢印Aで示すように、上下方向にスライドする。なお、本実施の形態のように、内側パネル70の裏面両側部に設けた6本のリブ72にて機械的構造体を構成することで、パネル成形時に発生するヒケが意匠を損ねることがなく、また十分な強度とすることができる。
シャッタ板60は、風路Fの開口部31に対して進退動可能に支持されている。そして、シャッタ板60が後退したとき風路Fの開口部31を閉塞し、シャッタ板60が前進したとき風路Fの開口部31を開放する。シャッタ板60が開口部31を閉塞する際、開口部31の周囲に設けられたシャッタ当たり面33に密着して気密機密性高く閉状態として断熱性能を向上させる。
図6は、シャッタ板60及び前面パネル95の支持構造を説明するための縦断面図である。図7は、同じくシャッタ板60及び前面パネル95の支持構造を説明するための横断面図である。図8は、シャッタ板60が開いた様子を示す図6の断面方向から見た図である。図9は、図8のH部分を拡大して示す拡大断面図である。図10は、図8のJ部分を拡大して示す拡大断面図である。図11は、シャッタ板60が閉じた様子を示す図6の断面方向から見た図である。図12は、図11のH部分を拡大して示す拡大断面図である。図13は、図11のJ部分を拡大して示す拡大断面図である。
[前面パネルの支持構造]
グリル枠30の前面側の四隅には、開口を上方に向けた概略U字状のU字状案内部材36が設けられている。一方、内側パネル70の裏面の両側部上下には円柱状突起74が配置されている。4個の円柱状突起74は、グリル枠30に設けられたU字状案内部材36にそれぞれ挿入されて係合する。そして、U字状案内部材36は前面パネル95を、図6に矢印Aで示すように、上下方向にスライド可能に支持する。
風路Fの開口部31の前側にシャッタ板60が設けられている(図2)。シャッタ板60は、概略平板状のシャッタ本体62を有している。図6に示されるように、シャッタ本体62の左右方向両端部には、主面と直交する方向(進退動方向)の後方に向かって突出する矩形平板状の突出部64が設けられている。一方、グリル枠30の側部には、矩形平板状の突出部64が嵌め込まれる収納部37が設けられている。収納部37は、突出部64を囲む隔壁を有しており、収納部37の上下の対向する壁面は、平板状の突出部64をスライド可能に案内する。このようにして、シャッタ板60は、風路Fの開口部31に対して進退動可能に支持されている。シャッタ板60の突出部64の主面に斜め溝(傾斜溝)65が形成されている。
[斜め溝(傾斜溝)]
内側パネル70の裏面中央部に設けられた2個のかぎ状突起75は、シャッタ板60の突出部64に形刻された斜め溝65にそれぞれ係合する。この構造により、前面パネル95を図7に矢印Aで示すように上下方向にスライドさせると、シャッタ板60が矢印Bで示すように進退動する。前面パネル95を上方にスライドさせるとシャッタ板60を閉め、前面パネル95を下方にスライドさせるとシャッタ板60を開けることができる。この構造により、前面パネル95を上下にスライドさせるという簡単な動作によりシャッタ板60を開閉することができる。
なお、内側パネル70の中央部に設けられた2本のリブ72に突設されたかぎ状突起75、及びシャッタ板60の突出部64に形刻された斜め溝65は、前面パネル95のスライド方向の動作力をシャッタ板60に伝達して風路Fを開閉する伝達機構を構成している。なお、この伝達機構に関しては、本実施の形態のものとは逆に、かぎ状突起がシャッタ板60に設けられ、斜め溝が前面パネル95に設けられてもよい。また、本実施の形態の前面パネル95のスライド方向は上下方向であるが、これに限らず、例えば左右方向としてもよい。
斜め溝65の後端部にかぎ状部65aが形成されている。前面パネル95に設けられた断面かぎ型のかぎ状突起75は、シャッタ板60が最も前方に移動した開状態の位置にあるとき、斜め溝65のかぎ状部65aに係合する(図8、図9)。このように、かぎ状突起75が、斜め溝65のかぎ状部65aに係合させることで、シャッタ板60の開状態でのガタツキが無くなり、これにより、シャッタ板60は開状態に安定して保持される。
シャッタ板60の突出部64に形成された斜め溝65の開口部に、押圧平坦部65bが形成されている。前面パネル95のかぎ状突起75は、シャッタ板60を閉状態とするとき、押圧平坦部65bを押圧して、シャッタ板60を風路Fの開口部31に密着させる(図11、図12)。
[U字状案内部材]
図10及び図13に示すように、U字状案内部材36は、弾性部材で作製されており、U字の片側は、薄板が先端で折り返された形状を成しており、バネ機能を持つバネ機能部36Aとなっている。一方、U字状案内部材36のU字の他側は、バネ機能部36Aに対向する対向部36Bとなっている。U字状案内部材36は、このようにバネ機能を有するU字状の案内部で円柱状突起74を挟み込み、上記のように円柱状突起74を案内して前面パネル95をシャッタ板60の進退動方向と略直交する方向、すなわち、上下方向に移動可能に支持する。
[付勢手段]
4つのU字状案内部材36のうち下側に設けられた2つのU字状案内部材36においては、バネ機能部36Aの中間部に山なり部36aを有している。円柱状突起74は、上方から移動して山なり部36aを超えたとき、山なり部36aの斜面に付勢されてU字状案内部材36の下端部に押され、移動終端位置に押し止められる。そして、この円柱状突起74が山なり部36aを超えた位置に押し止められているとき、前面パネル95は、所定の高さに保持される。すなわち、前面パネル95は、かぎ状突起75が斜め溝65のかぎ状部65aに係合する位置に保持される。すなわち、U字状案内部材36のバネ機能部36Aに設けられた山なり部36aは、かぎ状突起75が斜め溝65のかぎ状部65aに係合するように前面パネル95を付勢する付勢手段を構成している。この付勢手段によって、例えばシャッタ板60がスライド移動動作の途中で止まり、シャッタの閉止性が損なわれるといった不具合を防止できる。
[位置決め手段]
下側の2つのU字状案内部材36においては、バネ機能部36Aに対向する対向部36Bには、山なり部36aに対向した位置に係止突起36bが形成されている。円柱状突起74は、所定の高さにて山なり部36aと係止突起36bに挟まれて保持される(図11、図13)。これにより、前面パネル95は、所定の高さに維持され、このとき、かぎ状突起75は、押圧平坦部65bを押圧して、シャッタ板60を風路Fの開口部31に密着させる。すなわち、U字状案内部材36のバネ機能部36Aに設けられた山なり部36aと、対向部36Bに設けられた係止突起36bとは、かぎ状突起75が斜め溝65の開口部の押圧平坦部65bに位置するように前面パネル95を位置決めする位置決め手段を構成している。
以上のように付勢手段と位置決め手段を構成することにより、シャッタ板60の開状態でのガタツキが抑制され、またシャッタ板60の閉状態での密着性が向上し、さらにシャッタ板60のスライド移動時の停止が防止されるので、動作信頼性が高く閉止性に優れたシャッタ構造とすることができる。また、装置前面の意匠を本来の役割とする前面パネル95にシャッタ板60の開閉機構を構成し、前面パネル95自体をシャッタ板操作部品とすることで、従来必要であったシャッタ板60を開閉のためのレバーやスイッチなどが不要となり、部品点数と組立工数を削減したシャッタ開閉機構を構成することができる。
[グリル枠]
図14は、グリル枠30の斜視図である。グリル枠30の中央部に、風路Fの開口部31が形成されている。開口部31を囲むようにして、堤状のシャッタ当たり面33が形成されている。図示しないシャッタ板60は、閉状態のとき、開口部に形成された堤状のシャッタ当たり面33に密着して風路Fを密閉する。このように、シャッタ板60が開口部31を閉塞する際、開口部31の周囲に設けられたシャッタ当たり面33に密着して機密性高く閉状態として閉止性能を向上させる。なお、図示しない前面パネル95のスライド動作は平行であり、グリル枠30に対して平行で一定距離を保つ。そのため、前面パネル95とグリル枠30との間に形成される開口部に風向調整板50を設けやすい。
[風向調整板]
図15は、風路Fを通った給気流が吹出口から吹き出る様子を示す横断面図である。図16は、給気流が上方向(ア)、右方向(イ)及び左方向(ウ)に吹き出る様子を示す斜視図である。図17は、給気流が上方向(ア)と右方向(イ)に吹き出る様子を示す斜視図である。図18は、給気流が上方向(ア)のみに吹き出る様子を示す斜視図である。
図15において、グリル枠30の両側面吹出口にそれぞれ風向調整板50が配置されている(図15においては、左右の風向調整板50がそれぞれ開いた状態を示している)。また、グリル枠30の両側面上下には前後方向に延びるスライド溝32が設けられており(図2、図3、図7)、風向調整板50は、上下端に設けられた係合突起52をスライド溝32に係合させて、このスライド溝32に案内されて前後方向に移動可能とされている。この風向調整板50を前後方向に移動させて吹出口の開口量を変化させることができ、側方に吹き出す風の量を調整したり、また、図16乃至図18に示すように、吹き出す風の方向を所定の方向のみとしたりすることができる。このように、風向調整板50を設けたことにより、左右方向への給気風向や風量の調節を可能として、袖壁への設置による風向制限などに柔軟に対応することができ、給気風による壁汚れも抑えることができる。
さらに、図15に示すように、前面パネル95の裏面を構成する内側パネル70の外周縁部は、風路Fの吹出口を構成している。この吹出口を構成する内側パネル70の外周縁部は、前方に向かって30度傾く傾斜面71となっている。この傾斜面71のさらに外周端には、3mmのR面取りが形成されている。この傾斜面71とR面取りにより、吹出口から吹き出す給気流は、換気ユニット100の斜め前方に向かって吹き出す。そのため、給気流を効率よく室内に循環させることができるとともに、壁汚れも抑えることができる。また、傾斜面71が設けられているために、ファンケーシング12から吸い込まれた空気は、図15に点線矢印で示すように従来のように直角に曲がることなく、直角より大きな角度(鈍角)に曲がって吹出口から吹き出す。そのため、吹出し風の剥離による渦を小さく抑えることができ、室内の暖かい空気の巻き込みが少なく、前面パネル95への結露を減少させることができる。
なお、本実施の形態の傾斜面71は、前方に向かって30度傾く傾斜面で端部に3mmのR面取りが形成されているが、傾斜角度は10度から30度程度とすることが最もよい効果が得られ、またR面取りにおいては、0.5mmから3mmとすることが最適であることが発明者等の実験により確認されている。
[断熱層]
図19は、断熱層が形成される様子を示す一部を断面とする側面図である。前面パネル95は、グリル枠30の前面を覆う内側パネル70と、化粧パネル80とから構成されている。図19に示されるように、化粧パネル80は、内側パネル70と対向する側が凹形とされ、外周縁に設けられた爪81を内側パネル70に係合させて重ね合わされる(図3)。そのため、内側パネル70と化粧パネル80との間の空間は概略密閉状態とされ、これにより、両パネル70,80間に空気層が形成される。内側パネル70は、風路Fに対向して設けられている。そのため、この空気層も風路Fに対向している。化粧パネル80と内側パネル70とは、換気ユニット100の前面全体を覆って設けられている。そのため、空気層も、換気ユニット100の前面全体を覆うように形成される。この空気層は、断熱層として働き、両パネル70,80や風路Fに発生する結露を効果的に抑制する。この構造により、特に冬場の換気扇停止時におけるパネル面の結露耐力が向上する。このような空気層による断熱構造は、一般に断熱材として貼り付けるパッキン等の使用量を削減することができ、また部品点数と組立工数の削減を図れ、またリサイクル性に優れた化粧パネルとすることができる。
[フィルタ体の詳細な構造]
図20は、フィルタ体40が本体枠20に装着されている様子をグリル枠30を外した状態で示す斜視図である。図21は、フィルタ体40を本体枠20から取り外す様子をグリル枠30を外した状態で示す斜視図である。図22は、フィルタ体40が本体枠20に装着されている様子を示す縦断面図である。図23は、図22のK部分を拡大して示す拡大断面図である。フィルタ体40は、上記のように、不織布、ウレタンなどの軟質の濾過材で作製されたフィルタ48と、このフィルタ48の周囲を全周にわたって保持するフィルタ枠41とを有している。フィルタ枠41は、フィルタ48の周縁部の全周を囲う額縁状の枠部43と、この枠部43からフィルタ48を支持するようにフィルタ48の主面に沿って延びる弾性支持部44とを有している。枠部43は、下部にドレン受け部43bを一体に成型しており、霧発生時の外気を給気した場合にフィルタ48に付着した水や、給気流によって風路内に吸込まれた雨滴を捕獲し、室内への滴下を防止する。
[フィルタ体の本体枠からの取り外し]
本体枠20には、コの字型の隔壁22が開放部分を下方に向けて形成されている。フィルタ体40は、この隔壁22内に下方から着脱される。枠部43の上面に係合突起43aが形成されている。枠部43の下部に取手46が設けられている。取手46の内側に取り外しレバー47が設けられている。フィルタ体40は、枠部43の上面に形成された係合突起43aを隔壁22に形成された係合穴に係合させるようにして、隔壁22内に挿入され、取り外しレバー47のレバー突起47aを本体枠20に形成された係合凹部20aに係合させる(図23)ことにより本体枠20に装着される。係合突起43aとレバー突起47aは、本体枠20に係合してフィルタ体40を確実に固定する。取り外す際には、取手46をつかみ取り外しレバー47の係合をとき、上記と逆の手順によりフィルタ体40を取り外す。このようなフィルタ体40の保持構造においては、取手46を握ったまま取り外しレバー47を操作することができ、片手でフィルタ体40の着脱作業ができるので利便性がよく、また踏み台等を使用する場合でも、片手を安全な場所に添えながら作業できるため安全性が向上する。なお、フィルタ体40は、上記のようにグリル枠30を開状態にして行われるが、グリル枠30を開状態に保つ中間位置保持構造26に関しては後述する。
[フィルタのフィルタ枠からの取り外し]
このように本体枠20から取り外されたフィルタ体40は、フィルタ48の清掃のため、あるいはフィルタ48の交換のため、フィルタ48がフィルタ枠41から取り外される。ここで、フィルタ48のフィルタ枠41からの取り外しを容易とするために、上記のように、枠部43からフィルタ48を支持するようにフィルタ48の主面に沿って延びる弾性支持部44を有している。弾性支持部44は、枠部43と一体に成形され、所定の方向に撓みやすいように中央部が円弧状とされ、厚さを薄く成形することにより、さらに可撓性を持つようにされている。そして、円弧状部の中央部に指で押すために面積を拡大した手掛かり部44aが形成されている。
フィルタ48をフィルタ枠41から取り外す作業においては、フィルタ枠41の手掛かり部44aを指先で押して撓ませることで、手掛かり部44aを含む円弧状部の全体でフィルタ48を押すことができる。これにより、指先で押圧するのみで、フィルタ48をフィルタ枠41から容易に取り外すことができ、フィルタ48を直接手でつかまなくともよいので、手を汚すことがない。
[中間位置保持構造]
図24は、グリル枠30が開状態の位置で保持される様子を示す斜視図である。図25は、図24のL部分を拡大して示す拡大斜視図である。本体90は、上記のように本体枠20とグリル枠30とに分割され、グリル枠30は、上部係合部を回転中心として矢印Cにて示すように本体枠20に対して回動可能とされ、下部を開口する。そして、グリル枠30が本体枠20に対して所定の角度となる位置で一時的に保持された状態にて、フィルタ体40を下方から脱着する。このとき、グリル枠30を重力に抗して開状態に保つ中間位置保持構造26が設けられている。
中間位置保持構造26は、グリル枠30の裏面に立設されたグリル枠保持板26B(枠保持板)と、本体枠20の前面に設けられたグリル枠保持台26A(枠保持台)とから構成されている。グリル枠保持板26Bとグリル枠保持台26Aは、相互に突き合う位置に設けられている。グリル枠保持板26Bとグリル枠保持台26Aとは、先端を突き合わせた状態で重力に抗してグリル枠30を開状態に保持する。そして、この状態から、矢印Mにて示すように、所定以上の力が加わるとグリル枠保持板26Bが側面方向ににげる。これにより、両者間の先端の突き合わせがなくなり、グリル枠30は保持を解除され閉状態に戻る。グリル枠30を外すことなく、開いた状態でフィルタ体40の着脱作業ができ利便性がよく、また踏み台等を使用する場合でも、片手を安全な場所に添えながら作業できるため、安全性が向上する。このような構成の中間位置保持構造26においては、簡素な構造で安価に作製することができる。なお、グリル枠保持板26Bとグリル枠保持台26Aとは、反対の構造を成すものであってもよく、また少なくとも一方が弾性を有するものであればよい。
[中間位置保持構造の他の例]
図26は、中間位置保持構造の他の例を示す拡大斜視図である。図27は、図26の中間位置保持構造を正面から見た図である。図26及び図27に示す中間位置保持構造126は、グリル枠30の裏面に立設されたグリル枠保持板126B(枠保持板)と、本体枠20の前面に設けられたグリル枠保持台126A(枠保持台)とから構成されている。グリル枠保持板126Bは、先端に向けて薄くなる楔型形状を成している。一方、グリル枠保持台126Aは、狭い間隔で向き合う2枚の板で構成されている。グリル枠保持板126Bとグリル枠保持台126Aとは、先端を突き合わせた状態で重力に抗してグリル枠30を開状態に保持する。そして、この状態から、矢印Mにて示す方向に所定以上の力が加わるとグリル枠保持台126Aが、矢印Pにて示すように広がり、この間にグリル枠保持板126Bが嵌り込む。これにより、両者間の先端の突き合わせがなくなり、グリル枠30の保持が解除されグリル枠30は閉状態に戻る。このような構成の中間位置保持構造126においては、図24及び図25に示す中間位置保持構造26と同様の効果を得られる他、経年変化に対して耐性が大きく動作信頼性が向上する。
以上のように、換気ユニット100は、平面形高性能外気清浄フィルタ48と、シャッタ板60による高密閉構造により給気時の花粉漏れ侵入を30%低減する。すなわち、換気ユニット100は、密着性の高い「平面形」のフィルタ48と、本体90とフィルタ外周部の密閉性を高めた新構造により、フィルタ48を通過しない「給気漏れ」を大幅に抑制し、給気時の室内への花粉漏れ侵入を従来比約30%低減する。そのため、花粉対応住宅等での24時間換気システム用強制給気ユニットとして最適である。
以上のように、本発明にかかる換気ユニットは、花粉対応住宅等での24時間換気システム用強制給気ユニットとして最適である。
10 モータ
11 ファン
12 ファンケーシング
20 本体枠(第1の枠体)
20a 係合凹部
21 取付穴
22 隔壁
24 係合爪
26 中間位置保持構造
26A グリル枠保持台(枠保持台)
26B グリル枠保持板(枠保持板)
30 グリル枠(第2の枠体)
31 風路の開口部
32 スライド溝
33 シャッタ当たり面
34 係合穴
36 U字状案内部材
36A バネ機能部
36B 対向部
36a 山なり部(付勢手段)
36b 係止突起(位置決め手段)
40 フィルタ体
41 フィルタ枠
43 枠部
43a 係合突起
43b ドレン受け部
44 弾性支持部
44a 手掛かり部
46 取手
47 取り外しレバー
47a レバー突起
48 フィルタ
50 風向調整板
52 係合突起
60 シャッタ板
62 シャッタ本体
64 突出部
65 斜め溝(傾斜溝、伝達機構)
65a かぎ状部
65b 押圧平坦部
70 内側パネル(第1の前面パネル)
72 リブ
74 円柱状突起(第2の突起)
75 かぎ状突起(第1の突起)
80 化粧パネル(第2の前面パネル)
81 爪
90 本体
95 前面パネル
100 換気ユニット
126 中間位置保持構造
126A グリル枠保持台(枠保持台)
126B グリル枠保持板(枠保持板)

Claims (6)

  1. 風路が形成された本体と、
    前記風路に空気を流通させるモータと、
    前記本体の前面を覆う第1の前面パネルと、
    前記第1の前面パネルに重ねて設けられた第2の前面パネルとを備え、
    前記第1の前面パネルと前記第2の前面パネルとの間に断熱層が設けられている
    ことを特徴とする換気ユニット。
  2. 前記断熱層は、前記第1の前面パネルと前記第2の前面パネルとの間に設けられた空気層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の換気ユニット。
  3. 前記断熱層は、前記風路に対向して設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の換気ユニット。
  4. 前記断熱層は、前記本体の前面全体を覆って設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の換気ユニット。
  5. 前記第1の前面パネルの縁部は、前記風路の吹出口を構成し、前記吹出口は空気を斜め前方に吹き出す
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の換気ユニット。
  6. 前記風路は流通する空気は、直角より大きな角度で曲がって前記吹出口から吹き出す
    ことを特徴とする請求項5に記載の換気ユニット。
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