JP4718265B2 - 換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、換気動作中は通気孔を開放し、換気動作の停止中は通気孔を閉成するパネルを備えた換気装置に関する。
本出願人が出願した[特許文献1]には、ファンあるいはそのファンに対向し、取付け面に対し垂直方向に進退して通気開口を開閉する開閉板を備えた換気扇が開示されている。上記開閉板を駆動する開閉機構は、ファンおよびモータの少なくとも一方を囲うように配置されたケーシングと開閉板の周辺部に設けられることを主な特徴としている。
また、[特許文献2]には、室壁に設けられたパイプ内部に、電動機と羽根を設けた筒部を装着し、この筒部の羽根側端部の外周にパイプ外形より外側へ延設したフランジ部を設ける。このフランジ部を覆い、室壁と接離自在な化粧カバーを備え、湿度センサからの信号で化粧カバーを自動的に開閉するパイプ用ファンが開示されている。
特開2004−278848号公報 特開平 5−340583号公報
しかしながら、上記[特許文献1]によると、通気開口を開閉する開閉板と本体とを連結する開閉機構の全長は、開閉板を開閉する量以上の長さが必要となっている。そして、本体側に開閉機構を収納するためのスペースも必要となるところから、製品が大型化してしまう不具合があった。
上記[特許文献2]によると、化粧パネルを開くときはソレノイドに通電し、化粧パネルを閉じるときはソレノイドを断電する。すなわち、化粧パネルを開閉駆動するためにソレノイドが必要であり、部品費がかかり高価となるとともに、化粧パネルの開放中はソレノイドに継続して通電しなければならないので、ランニングコストが嵩んでしまう。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、通気孔開閉用のパネルを駆動するパネル開閉機構のコンパクト化を図り、装置の小型化と、価格およびランニングコストの低減化を得られる換気装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため本発明は、本体の通気孔に軸方向に沿って連結する駆動源とファンを配置し、この通気孔を挟んだ両側に一対のパネル開閉機構の一端側を設け、これらパネル開閉機構の他端側相互間に亘って、パネル開閉機構の作用にともなって本体の全周縁に完全密着もしくは離間して通気孔を開閉するパネルを取付けた換気装置において、
上記パネル開閉機構は、第1のリンク部材および第2のリンク部材を互いに回動可能に交差して設け、第1のリンク部材と第2のリンク部材との端部相互間に亘って弾性部材を張設し、各リンク部材を介してパネルを通気孔から開放する方向に弾性的に付勢し、
上記本体に第1のリンク部材の一端部を回動可能に支持する第1の回動部を設け、上記パネルに第1のリンク部材の他端部を本体の軸方向とは直交する方向に移動可能に支持する第1の支持部を設け、上記本体に第2のリンク部材の一端部を本体の軸方向とは直交する方向に移動可能に支持する第2の支持部を設け、上記パネルに第2のリンク部材の他端部を回動可能に支持する第2の回動部を設けて、パネルを本体の取付け面とは垂直方向に移動させる。
本発明によれば、パネル開閉機構のコンパクト化を図り、装置の小型化と、価格およびランニングコストの低減化を得られる等の効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は換気装置の斜視図であり、図2は換気装置の一部を切欠して示す斜視図である。換気装置は、軸流のファン1と、このファン1と軸方向に沿って連結される駆動源であるモータ2と、これらファン1とモータ2とが配置される通気孔3を備えた本体4と、この本体4に一対のパネル開閉機構5を介して取付けられるパネル6とから構成される。
上記本体4は、前面に上記通気孔3を備えた矩形状の前面カバー部4A1と、この前面カバー部4A1の周縁に沿って、前面カバー部4A1面とは直角方向に一体に折曲形成される枠状の側片部4A2とからなるカバー4Aで覆われている。換気装置を設置した状態では、このカバー4Aが室内側に露出する。上記前面カバー部4A1は、周縁に沿い上記パネル6の板厚相当分の幅を残して全体的に前面側へ突出していて、カバー4Aの周縁に沿って凹陥状の段部7が形成される。
このようなカバー4Aのほとんど大部分の面積を占めて、上記通気孔3が設けられている。この通気孔3は前面カバー部4A1面から後端側へ突出し、かつ後端側に漸次縮径されたテーパー状をなす片部8で囲まれる空間部である。通気孔3の内側に上記ファン1が位置し、上記モータ2は本体4に一体に設けられる支持部材9を介して、側片部4Bの後端縁から後方へ突出するよう支持固定される。
なお、上記モータ2のファン1連結側の端面は、特に図示していないが基部から先端に向かって縮径する略凹状の整流ガイドが設けられていて、ファン1の回転にともなう風の流れを整流して送風騒音の低下を図るとともに、モータ2に空気流を当ててモータを効果的に冷却できるようになっている。
つぎに、パネル開閉機構5について詳述する。図1ではパネル開閉機構5の一部が露出しており、図2ではパネル開閉機構5を説明するために換気装置を断面にしている。いずれもパネル開閉機構5が作用して、パネル6が本体4のカバー4Aから離間し通気孔3が開放される状態を示している。そして、パネル開閉機構5の作用を規制すれば、パネル6がカバー4Aに密着して通気孔3を閉成することになる。
図3はパネル開閉機構5を分解して示す斜視図である。
上記パネル開閉機構5は、互いに回動可能に交差して設けられる第1のリンク部材11および第2のリンク部材12と、上記本体4に設けられる第1の回動部13および第2の支持部14と、上記パネル6に設けられる第1の支持部15および第2の回動部16と、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12との端部相互間に亘って張設される弾性部材である引張りばね17とから構成される。
なお説明すれば、上記第1のリンク部材11と第2のリンク部材12は、互いの略中心部が回動自在な枢支部aとなっていて、略X字状に交差している。各リンク部材11,12は、枢支部a周辺に対して両端部の角度が相違して形成されていて、パネル6を閉じた状態では、全長に亘って直状としたものに比べて各リンク部材11,12の上端部相互と下端部相互を近接させることができるので、パネル開閉機構5の上記ファン1とモータ2が連結される軸方向を短くすることができる。
上記第1のリンク部材11の一端部(下端側)には掛止用孔部20が設けられ、他端部(上端側)には掛止用ピン21が突設される。第2のリンク部材12は一端部(上端側)および他端部(下端側)ともに掛止用ピン22,23が突設される。
第1のリンク部材11および第2のリンク部材12のそれぞれ一端部側縁に、小孔を備えた小片部bが一体に設けられる。これら小片部bの孔部相互に上記引張りばね17の端部が掛止され、第1、第2のリンク部材11,12の一端部相互を互いに接近する方向に引張るよう弾性力を付勢している。第1、第2のリンク部材11,12はX字状に交差しているので、これらの他端部相互もまた、互いに接近する方向に引張り付勢される。
一方、上記本体4を構成するカバー4Aの左右両側端部には、上下方向に長く、左右方向に極く狭い幅寸法の切欠開口部24が設けられている。なお説明すると、それぞれの切欠開口部24はカバー4Aの側端縁に沿うとともに、上記側片部4A2の内面側に沿って開口する。
上記切欠開口部24の上端縁と下端縁に対向する側片部4A2の内面に一体にガイド片25(図3では一方のみ図示、図2では両方図示)が設けられる。それぞれのガイド片25は側片部4A2の前端から後端側へ水平に延出され、互いに平行である。
上記切欠開口部24とガイド片25に対して支持ケース26が挿脱自在に装着される。すなわち、支持ケース26は切欠開口部24の幅寸法と上下寸法および、ガイド片25の奥行き(水平方向)寸法と同一に形成され、よって切欠開口部24とガイド片25に嵌り込んでいる。
そして、支持ケース26は挿入先側の側端部が図示しないヒンジ構造となっていて、一対の板部26a,26bを二つ折れ状態に組合せることができ、挿入手前側が開閉自在となっている。支持ケース26を構成する一方の板部26aの内面には、下部側に掛止ピンである上記第1の回動部13が設けられ、上部側に縦長孔状の枠部をなす上記第2の支持部14が一体に設けられる。上記第2の支持部14を形成する縦長孔は、上記ファン1とモータ2が連結される軸方向とは直交する方向に長く形成される。
これら第1の回動部13と第2の支持部14を備えた板部26aに対して、ヒンジ構造を介して連結される板部26bを重ね合わせると、第1の回動部13先端に板部26bの内面が当接するが、第2の支持部14の突出端面とは板部26b内面と所定の間隙を存している。この状態で支持ケース26の開閉側端縁に沿って所定の間隙が形成される。
一方、上記パネル6は、上記本体4のカバー4Aと同一形状面積に形成されていて、周縁に沿って後方へ一体に折曲形成される掛合片部6aを備えている。すなわち、パネル6が後述するパネル開閉機構5によって通気孔3を閉成するとき、パネル6の掛合片部6aはカバー部4Aの周縁に沿って形成される段部7に密に嵌り込むようになっている。
パネル6内面の両側部に、縦長孔状の枠部をなす上記第1の支持部15と、掛止孔を備えた上記第2の回動部16が上下に離間した位置に設けられる。上記第1の支持部15を形成する縦長孔は、先に説明した第2の支持部14の縦長孔と同様、上記ファン1とモータ2が軸方向に沿って連結されるのに対して、この軸方向とは直交する方向に長く形成される。
第1の支持部15と第2の回動部16相互の間隔は、上記本体4に設けられる第2の支持部14と第1の回動部13相互の間隔と同一に設定されている。しかも、支持ケース26を本体4の切欠開口部24に嵌め込み、本体4にパネル開閉機構5を介してパネル6を取付けた状態で、本体4側の第2の支持部14とパネル6側の第1の支持部15が互いに同一高さ位置にあって互いに対向し、本体4側の第1の回動部13とパネル6側の第2の回動部16とが互いに同一高さ位置にあって互いに対向する。
このような本体4とパネル6に、上記第1のリンク部材11および第2のリンク部材12が取付けられる。すなわち、本体4から支持ケース26を取出し、この支持ケース26を構成する二つ折れの板部26a,26bを開放して、図3に示すように第1の回動部13と第2の支持部14を露出する。
上記第1の回動部13に第1のリンク部材11の掛止用孔部20を掛合し、第2の支持部14に第2のリンク部材12の掛止用ピン22を掛合する。このときは既に、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12に設けられる小片部bの孔部に、引張りばね17の端部が掛止されている。
支持ケース26に対する第1のリンク部材11と第2のリンク部材12の掛合を確認したら、支持ケース26の板部26a,26b相互を合わせる。第1のリンク部材11および第2のリンク部材12が、第1の回動部13と第2の支持部14から抜け出ることはなく、引張りばね17とともに支持ケース26内に収容される。
上述したように、支持ケース26を構成する一対の板部26a,26b相互は、ヒンジ構造側の端縁と、この端縁の上下端部に連設される端縁を除いて間隙を存しているので、支持ケース26に収容される引張りばね17の伸縮作用は何らの支障もない。支持ケース26のヒンジ構造側と対向する側縁開口から、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12が突出する。
支持ケース26を本体4の切欠開口部24に嵌め込み、支持ケース26から突出する第1、第2のリンク部材11,12の端部にパネル6の内面を対向する。パネル6の内面は前面カバー部4Aに対向することとなり、第1、第2のリンク部材11,12先端にパネル6内面に設けられる第1の支持部15と第2の回動部16が対向する。
第1のリンク部材11の掛止用ピン21をパネル6の第1の支持部15に掛合し、第2のリンク部材12の掛止用ピン23を第2の回動部16に掛合する。このときも引張りばね17の弾性力が第1、第2のリンク部材11,12に作用して、支持ケース26から突出する各リンク部材11,12端部相互は互いに接近する方向に付勢され、端部相互距離が最大限短くなっている。各リンク部材11,12の掛止用ピン21,23を第1の支持部15と第2の回動部16に掛合する。
このように、本体4の左右両側部にパネル開閉機構5の一端側を取付け、これらパネル開閉機構5の他端側にパネル6を取付けることにより、本体4に設けられる通気孔3をパネル6が開閉自在となる。通常は、引張りばね17の弾性力が作用して、図1および図2に示すようにパネル6は本体4の前面カバー部4A1から離間し、通気孔3が開放される。
さらに、本体4とパネル6には、後述する第1の係止部である係止爪部31と、第2の係止部である引掛け爪32が設けられている。これら係止爪部31と引掛け爪32が係合している状態で引張りばね17の弾性力を規制でき、離間位置にあるとき引張りばね17の弾性力が作用する。
図4は換気装置一部を切欠して示す斜視図であり、図5は係止爪部31と引掛け爪32およびその近傍部位を拡大して示す斜視図である。
上記第1の係止部である係止爪部31は本体4に設けられている。すなわち、本体4の両側片部4A2下端のコーナー部分近傍で、かつ前面カバー部4A1に近接した位置に切欠部33が設けられていて、ここから操作用押し釦34が突出している。この操作用押し釦34は、上記支持ケース26が嵌め込まれる切欠開口部24の直下位置に突出する上記係止爪部31と一体に連設される。
左右の係止爪部31は前面カバー部4A1に一体に設けられる爪部カバー35に囲まれる。すなわち、上記爪部カバー35は前面カバー部4A1から前面側へ突出形成されていて、側端である側片部4A2と並行な面のみが開口し、他の周面と前面が閉塞される矩形箱状のカバー体である。上記係止爪部31は爪部カバー35の開口面から進退自在に突出する。
係止爪部31と操作用押し釦34の連結体は、湾曲片部36の一端に設けられ、この湾曲片部36の他端は、爪部カバー35の基端部dに支持される。なお説明すると、上記湾曲片部36は爪部カバー35の基端部dから後端側へ突出してから断面U字状に折り返し形成され、側片部4A2の内面に密接する。
上記湾曲片部36が側片部4A2内面に密接することと、操作用押し釦34が側片部4A2の切欠部33から突出すること、および係止爪部31が爪部カバー35の開口面から突出することの全ては、湾曲片部36の他端部が爪部カバー35の基端部dに支持され、かつ断面U字状に曲成されて、湾曲片部36に弾性力が作用するためである。
このことにより、操作用押し釦34もしくは係止爪部31を湾曲片部36の弾性力に抗して内側へ押付け付勢すれば、湾曲片部36は弾性変形して、操作用押し釦34と係止爪部31は一体になって内側へ移動する。
特に図3のみに示すように、上記押し釦34はたとえば円形状に設けられたうえに、薄膜ゴム材からなる押し釦カバー37によって覆われていても良く、押付け操作し易いように形成されるとともに、美観の向上化が図られている。
上記引掛け爪32は、上記パネル6の掛合片部6aで、かつ両側下端に一体に突設される。これら引掛け爪32が設けられる位置は、上記本体4側の係止爪部31と正しく対向する。したがって、パネル6を後述するようにカバー4Aに密接することで、パネル6の引掛け爪32は本体4の係止爪部31と互いに係合する。
図1および図2に示すように、パネル6が本体4の前面カバー部4A1から離間した状態で、換気装置のスイッチ(図示しない)をオンにする。モータ2に通電されてファン1が回転駆動される。本体4に設けられる通気孔3は開口されていて、パネル6と本体4との間から室内空気が吸込まれ、ファン1とモータ2を介して室外へ排出される。
パネル開閉機構5を構成する係止爪部(第1の係止部)31に対して引掛け爪(第2の係止部)32が離間しているところから、引張りばね17の弾性力が第1のリンク部材11と第2のリンク部材12に作用する。
すなわち、引張りばね17の一端部と第1の回動部13が同位置にあって、この端部が引張りばね17の固定端となる。引張りばね17の他端部と第2の支持部14が同位置にあって、この端部が引張りばね17の自由端となる。引張りばね17は第2のリンク部材12の掛止用ピン22を第2の支持部14の長孔下端に当接する位置まで弾性的に引張り付勢する。
第1のリンク部材11と第2のリンク部材12の一端部相互は最大限近接し、第1の支持部15の長孔下端に第1のリンク部材11の掛止用ピン21が当接する。第1のリンク部材11と第2のリンク部材12は、上端部相互と下端部相互が最も離間した状態にあって、横長のX字状に形成される。
したがって、これらリンク部材11,12を介して取付けられるパネル6は、本体4の前面カバー部4A1から最も離間した位置にある。モータ2がファン1を回転駆動し、パネル6と本体4の前面カバー部4A1との間隙から充分な量の室内空気が吸込まれて外部へ排出する換気作用が行われる。
換気の必要がないときや悪天候で室外の風雨が侵入するようなときは、換気装置のスイッチをオフにしてモータ2への通電を遮断し、ファン1の回転を停止する。そして、通気孔3をパネル6で閉成する操作を行う。この通気孔3閉成の具体的な操作は、パネル6を前面カバー部4A1に密着するように押し込めばよい。パネル6は本体4の取付け面とは垂直方向に移動付勢される。
パネル6への押圧操作により、引張りばね17は弾性力に抗して伸張するよう付勢され、その結果、本体4とパネル6に設けられる第1のリンク部材11と第2のリンク部材12の端部相互が互いに離間する方向に移動変位する。同時に、第1の支持部15に掛合する第1のリンク部材11の掛止用ピン21と、第2の支持部14に掛合する第2のリンク部材12の掛止用ピン22が、それぞれの長孔下端位置から上昇して、上端に接近する。
パネル6に対する押圧操作を継続していくと、パネル6が前面カバー部4A1に近接する。パネル6が前面カバー部4A1に接触する直前位置で、パネル6の両側部に設けられる引掛け用爪部32が爪部カバー35から突出する係止爪部31に当接する。さらにパネル6への押圧操作を継続すると、係止爪部31と一体の湾曲片部36は弾性変形し、係止爪部31は引掛け用爪部32に押されて爪部カバー35内に引っ込む。
パネル6が前面カバー部4A1に完全に密着した状態で、パネル6の引掛け用爪部32が本体4の係止爪部31を乗り越える。湾曲片部36に弾性力が復帰して係止爪部31は元の位置に戻り、この係止爪部31と前面カバー部4A1との間に引掛け用爪部32を挟持する。パネル6の周縁に沿って設けられる掛合片部6aは前面カバー部4A1の周縁に沿って設けられる段部7に掛合して密に嵌り込む。
この状態でパネル6への押圧操作を停止し、パネル6から手を離しても、パネル6は本体4に密着して元の位置に戻ることはない。すなわち、係止爪部31と引掛け爪32との係合により、引張りばね17の弾性力に抗してパネル6の通気孔3閉成位置を保持できる。第1のリンク部材11と第2のリンク部材12は、上端部相互と下端部相互が最も接近して縦長のX字状に形成される。
必要に応じて換気操作を再開する場合は、パネル6を前面カバー部4A1から離間して通気孔3を開放する。そのためには、本体カバー4Aの左右の側片部4A2に取付けられる押し釦カバー37を同時に押圧操作すればよい。
上記押し釦カバー37に覆われる操作用押し釦34は押圧付勢され、この操作用押し釦34に連設される湾曲片部36が弾性変形して押し込まれる。そのため、操作用押し釦34と一体の係止爪部31が爪部カバー35内に押し込まれてパネル6の引掛け爪32から離間する。引掛け爪32は自由状態となるので、上記引張りばね17の弾性力が再び第1のリンク部材11と第2のリンク部材12を介してパネル6に作用する。
第1のリンク部材11の掛止用ピン21が第1の支持部15を形成する縦長孔に沿って移動して下端に当接し、第2のリンク部材12の掛止用ピン22が第2の支持部14を形成する縦長孔に沿って移動して下端に当接するまで、引張りばね17は弾性的に第1、第2のリンク部材11,12を引張り付勢する。
第1のリンク部材11と第2のリンク部材12は、上端部相互と下端部相互が最も離間して横長のX字状に形成されてゆき、上記パネル6は本体4の取付け面とは垂直方向に移動して、再び本体4の前面カバー部4A1から最も離間した位置に変位する。このように通気孔3を開放してから、換気装置のスイッチをオンすることで、これらの間隙から充分な量の空気が吸込まれて排出される。
以上説明した換気装置によれば、本体4の取付け面とは垂直方向にパネル6が開閉するようパネル開閉機構5を備えていて、このパネル開閉機構5は第1のリンク部材11と第2のリンク部材12を互いに回動可能に交差して備えている。各リンク部材11,12は、一端部が本体4とパネル6に回動自在に支持され、他端部が本体4とパネル6に軸方向とは直交する方向に移動自在に支持される。
したがって、本体4に対してパネル6が常に安定して平行に移動し傾くことがないので、パネル6は本体4の通気孔3を正確に、かつ確実に開閉できる。各リンク部材11,12を備えたパネル開閉機構5をコンパクトに構築でき、このパネル開閉機構5を備えた換気装置の小型化を図れる。
さらに、第1のリンク部材11と第2のリンク部材12とに亘って張設される引張りばね17は、これらリンク部材11,12を介してパネル6を通気孔3から開放する方向に弾性力を付勢するよう構成される。
パネル開閉機構5は常に通気孔3を開放する方向にパネル6を作用しているので、パネル6が何らかの外的影響を受けても、通気孔3の開放位置を確保する。換気作用中に通気孔3が自然的に閉成することはなく、信頼性の向上化を得られる。
本体4に第1の係止部(係止爪部)31を設け、パネル6に上記第1の係止部31に係脱自在な第2の係止部(引掛け爪)32を設けている。第1の係止部31に第2の係止部32を係合することにより、弾性部材(引張りばね)17の弾性力に抗してパネル6の通気孔3閉成状態を保持できる。また、第1の係止部31と第2の係止部32との係合を解くことにより、弾性部材17の弾性力が第1、第2のリンク部材11,12に作用してパネル6の通気孔3開放をなすようにした。
したがって、第1の係止部31に対する操作でパネル6の通気孔3開放が自動的に可能となり、操作性の向上化を得られる。
第1の係止部31と第2の係止部32を、本体4とパネル6のコーナー部近傍に設けている。これら本体4およびパネル6のコーナー部は反り等の変形が最も発生し難い部位であり、パネル6は確実に通気孔3を閉成できて気密性のバラツキを抑制する。
換気装置の風量は、本体前面カバー部4A1とパネル6との間隙量に応じて設定されていて、この量は第1、第2の支持部15,14である縦長孔の長さから設定できる。したがって、各支持部15,14の縦長孔の一部を埋める部材を追加すれば、縦長孔の長さを変えることができ、前面カバー部4A1に対するパネル6の隙間量が変わって通風量を制限できる。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
本発明の実施の形態に係る、換気装置の外観斜視図。 同実施の形態に係る、換気装置の本体とパネルの一部を切欠した斜視図。 同実施の形態に係る、パネル開閉機構を分解した斜視図。 同実施の形態に係る、換気装置の一部を切欠した斜視図。 同実施の形態に係る、第1の係止部と第2の係止部を説明するための斜視図。
符号の説明
2…モータ(駆動源)、1…ファン、3…通気孔、4…本体、5…パネル開閉機構、6…パネル、11…第1のリンク部材、12…第2のリンク部材、13…第1の回動部、15…第1の支持部、14…第2の支持部、16…第2の回動部、17…引張りばね(弾性部材)、31…係止爪部(第1の係止部)、32…引掛け爪(第2の係止部)。

Claims (2)

  1. 軸方向に沿って連結される駆動源およびファンと、
    これら駆動源とファンが配置される通気孔を有する本体と、
    この本体、上記通気孔を挟んだ両側に一端側が設けられる一対のパネル開閉機構と、
    これらパネル開閉機構の他端側相互間に亘って取付けられ、パネル開閉機構の作用にともなって上記本体の全周縁に完全密着もしくは離間して、上記通気孔を開閉するパネルとを備えた換気装置において、
    上記パネル開閉機構は、
    互いに回動可能に交差して設けられる第1のリンク部材および第2のリンク部材と、
    上記第1のリンク部材と上記第2のリンク部材との端部相互間に亘って張設され、各リンク部材を介してパネルを通気孔から開放する方向に弾性的に付勢する弾性部材と
    上記本体に設けられ、上記第1のリンク部材の一端部を回動可能に支持する第1の回動部と、
    上記パネルに設けられ、第1のリンク部材の他端部を本体の軸方向とは直交する方向に移動可能に支持する第1の支持部と、
    上記本体に設けられ、上記第2のリンク部材の一端部を本体の軸方向とは直交する方向に移動可能に支持する第2の支持部と、
    上記パネルに設けられ、上記第2のリンク部材の他端部を回動可能に支持する第2の回動部とを具備することで、パネルを本体の取付け面とは垂直方向に移動させる
    ことを特徴とする換気装置。
  2. さらに、上記パネル開閉機構は、
    上記本体の両側部下端に設けられる操作用押し釦および、この操作用押し釦と一体に連設され、操作用押し釦とともに本体下端面から突出するよう弾性的に付勢される第1の係止部と、
    上記パネルに設けられ、上記第1の係止部と係脱自在であって、第1の係止部と係合することにより弾性部材の弾性力に抗してパネルの通気孔閉成状態を保持し、上記操作用押し釦を押圧操作することにより第1の係止部との係合が解かれ、弾性部材の弾性力を第1のリンク部材と第2のリンク部材に作用させてパネルの通気孔開放をなす第2の係止部とを有することを特徴とする請求項1記載の換気装置。
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