JP2021156516A - 化粧グリルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄くかつフラットな化粧グリルを製造できる化粧グリルの製造方法を得ること。【解決手段】平坦な意匠面12aと意匠面12aの裏側の面である反意匠面12bとを備え、送風装置のファンケーシングに反意匠面12bを対向させて、ファンケーシングに取り付けられる樹脂製でパネル状の化粧グリル12を製造する化粧グリルの製造方法であって、意匠面12aを成形する意匠面成形部51、及び反意匠面12bを成形する反意匠面成形部52を備え、意匠面成形部51及び反意匠面成形部52が意匠面成形部51側に凸となるように湾曲した金型50に樹脂を充填する充填工程と、金型50内の樹脂充填体60を冷却により固化させる固化工程とを有し、金型50の湾曲の凸形状は、固化工程における樹脂充填体60の収縮により生じる反りを打ち消す形状である。【選択図】図5
Description
本開示は、天井据付型の送風装置に取り付ける化粧グリルの製造方法に関する。
天井据付型の送風装置には、異物混入防止、安全性の向上及び意匠性の向上といった目的のために、化粧グリルが取り付けられる。化粧グリルは、樹脂材料を金型内で固化させることによって作成される。
樹脂成形部品は、金型内で樹脂が固化する際に収縮して変形するため、金型と同一形状とはならない。化粧グリルは、天井面と平行になっていないと見栄えが悪くなってしまうため、樹脂が固化する際の変形を抑制する必要がある。特許文献1に開示される換気扇は、化粧グリルに補強用のリブを設けることにより化粧グリルの剛性を高め、樹脂の収縮に伴う変形を抑制している。
近年では、意匠性の高さから、天井面からの突出が少なく、薄くてフラットな化粧グリルの要望が高まっている。しかし、薄い化粧グリルには、成型後の樹脂収縮に耐えうる高さのリブを設けることができない。このため、薄くかつフラットな化粧グリルを製造することは困難であった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、薄くかつフラットな化粧グリルを製造できる化粧グリルの製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る化粧グリルの製造方法は、平坦な意匠面と意匠面の裏側の面である反意匠面とを備え、送風装置のファンケーシングに反意匠面を対向させて、ファンケーシングに取り付けられる樹脂製でパネル状の化粧グリルを製造する化粧グリルの製造方法である。本開示に係る化粧グリルの製造方法は、意匠面を成形する意匠面成形部、及び反意匠面を成形する反意匠面成形部を備え、意匠面成形部及び反意匠面成形部が意匠面成形部側に凸となるように湾曲した金型に樹脂を充填する充填工程と、金型内の樹脂充填体を冷却により固化させる固化工程とを有する。金型の湾曲の凸形状は、固化工程における樹脂充填体の収縮により生じる反りを打ち消す形状である。
本開示によれば、薄くかつフラットな化粧グリルを製造できるという効果を奏する。
以下に、実施の形態に係る化粧グリルの製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る換気扇の取り付け状態での断面図である。図2は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルを外した状態での下面図である。図3は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルを外し、端子カバーを開いた状態での下面図である。図4は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルの取り付け状態を示す図である。
図1は、実施の形態1に係る換気扇の取り付け状態での断面図である。図2は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルを外した状態での下面図である。図3は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルを外し、端子カバーを開いた状態での下面図である。図4は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルの取り付け状態を示す図である。
実施の形態1に係る換気扇100は、天井据付型の送風装置である。換気扇100は、ダクト14が設けられた天井裏に設置される。ダクト14は、屋外まで延びており、建物の屋外外壁に設置されたフードなどに繋がっている。ダクト14は、空気を換気する換気風路を建物内に形成している。換気扇100は、換気する空気を流通させる換気駆動体である多翼式送風機1と、多翼式送風機1を収容するファンケーシング5とを有する。多翼式送風機1は、モータ3と、モータ3の駆動軸に結合されたファン4とを備える。また、換気扇100は、ファンケーシング5を収容する筐体であるボディ2と、ファン4が形成する気流の出口を、ボディ2の側部に設けられた排気口2bから延長するダクト接続枠8とを有する。ダクト接続枠8は、ボディ2の側面から垂直方向に延びる。換気扇100は、天井面31に形成された開口を通じて室内から天井裏に挿入され、屋外に通じるダクト14にダクト接続枠8の吐出口10が挿入される。
また、換気扇100は、ファンケーシング5などの内部部品が室内から見えて見栄えが悪くなることを防止するための意匠部品である化粧グリル12を備える。化粧グリル12は、平坦な意匠面12aと、意匠面12aの裏側の面である反意匠面12bとを備え、ファンケーシング5に反意匠面12bを対向させて、ファンケーシング5に取り付けられる。化粧グリル12は、樹脂製で矩形パネル状である。化粧グリル12の反意匠面12bの周縁には、立ち上がり部12cが設けられている。化粧グリル12は、反意匠面12bに本体取付用のスプリング13が取り付けられるスプリング取付部34を備えている。ファンケーシング5には、スプリング13を係合可能なスプリング固定部7が設けられている。化粧グリル12は、スプリング13をスプリング固定部7に係合させることにより、ボディ2に固定される。
ダクト接続枠8の外形は、段差を有する筒状であり、ボディ2から遠い側の端部の外径が小さくなっている。ダクト接続枠8は、段差を有する筒状であるため、内径が異なる複数のダクト14を選択的に接続可能であるとともに、固定用のテープの巻き付け作業が容易である。
ダクト接続枠8の内部には、風圧にて開閉するシャッタ9が設置されている。シャッタ9は、多翼式送風機1の運転時には風圧で開き、多翼式送風機1の停止時は自重でダクト接続枠8を閉塞する。ダクト接続枠8の内部にシャッタ9を設置することにより、換気扇100の停止時に外気がダクト14を通じて屋外から室内へ侵入することを防止できる。
ファンケーシング5には、開閉可能な端子カバー11が備え付けられている。端子カバー11で覆われた空間には、外部電源電線を接続可能な電線接続装置15が配置されている。
ボディ2は、下面が開放された箱型であり、開放面である下面に対向する天面には、モータ3が設置されている。ファンケーシング5は、下面が開放されて吸込口6が形成されている。
電線接続装置15とモータ3とは、器内電線により電気的に接続されており、外部電源電線から供給される電力が端子台及び器内電線を通じてモータ3に伝わる。電気エネルギーがモータ3のシャフトの回転運動に変換されることにより、ファン4が回転して空気の流れが形成される。吸込口6からファンケーシング5に吸い込まれた空気は、多翼式送風機1によってファンケーシング5の内壁に沿って排気口2bに至る。
図5は、実施の形態1に係る化粧グリルの製造方法を示す図である。金型50は、意匠面12aを形成する意匠面成形部51、及び反意匠面12bを形成する反意匠面成形部52を備える。意匠面成形部51及び反意匠面成形部52は、意匠面成形部51側に凸となるように湾曲している。まず、充填工程において、金型50内に樹脂を充填し、意匠面61及び反意匠面62を持つ樹脂充填体60を形成する。図6は、実施の形態1に係る換気扇の樹脂充填体の概略図である。樹脂充填体60は、四辺が円弧状に反っており、各辺の二等分線は直線状となっている。固化工程において、金型50内の樹脂充填体60を冷却して固化させる。固化工程における樹脂充填体60の収縮により、樹脂充填体60の意匠面61及び反意匠面62の湾曲が打ち消される。
図1に示すように、化粧グリル12の反意匠面12bに設けられている立ち上がり部12c及びスプリング取付部34は、局所的な肉厚部である。局所的な肉厚部を有する板状の樹脂充填体60を冷却する際には、局所的な肉厚部が設けられていない面側への反りが発生することが知られている。樹脂充填体60は、反意匠面62よりも意匠面61の方が先に固化することとなり、先に固化する意匠面61の方が反意匠面62よりも大きく収縮することによって反意匠面62が引っ張られ、意匠面61側に反るように変形する。実施の形態1に係る換気扇100の化粧グリル12は、樹脂充填体60が収縮する際に意匠面61側に反るように変形することを考慮し、反意匠面成形部52側への反りを有する金型50を用いて樹脂充填体60を成型する。このため、樹脂充填体60が収縮することによって発生する意匠面61側への反りは、意匠面成形部51によって付与された反意匠面62側の反りと打ち消し合う。したがって、樹脂充填体60を固化させることによって形成される化粧グリル12は、意匠面12a及び反意匠面12bの平面度が高いフラットな形状となる。
固化工程における樹脂の収縮に伴う樹脂充填体60の変形量は、固化工程における冷却条件によって変化する。一般的には、冷却速度が速いと、樹脂充填体60の変形量は大きくなり、冷却速度が遅いと、樹脂充填体60の変形量は小さくなる。また、樹脂の収縮に伴う樹脂充填体60の変形量は、化粧グリル12の大きさ、形状、材料によっても変化する。したがって、化粧グリル12の製造ピッチ、大きさ、形状及び材料に合わせて意匠面成形部51及び反意匠面成形部52の湾曲の大きさを定めるとともに、樹脂の収縮に伴う変形により樹脂充填体60の意匠面61及び反意匠面62の反りがなくなるように固化工程における冷却速度を設定することで、化粧グリル12の意匠面12a及び反意匠面12bの平面度を高めることができる。
図7は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルの意匠面を示す斜視図である。図8は、実施の形態1に係る換気扇の化粧グリルの反意匠面を示す斜視図である。化粧グリル12は、室内から空気を吸い込む開口面積の維持と、スプリング13での引張による変形の抑制とのために、反意匠面12b側に補強用リブ33が設けられている。化粧グリル12の反意匠面12b側の四隅の角部には、角に繋がる補強用リブ33aが設けられている。化粧グリル12は、自重により経年的に化粧グリル12の四隅の角が垂れて、反りが発生しやすいが、補強用リブ33aを設けることにより四隅の垂れが抑制されている。さらに、化粧グリル12の四隅が垂れて反りが発生した場合には、スプリング13が設置されていない辺の中央部はボディ2側へ反り上がって、ボディ2との距離が小さくなる。実施の形態1に係る換気扇100は、化粧グリル12の反意匠面12b側には、スプリング13が設置されていない辺の中央部に隙間保持リブ33bが設けられているため、化粧グリル12の四隅が垂れたとしても、隙間保持リブ33bがボディ2に当接するため、スプリング13が設置されていない辺の中央部が反り上がることがない。
実施の形態1に係る換気扇100の化粧グリル12は、樹脂充填体60の収縮時に発生する意匠面61側への反り量を事前に見込み、意匠面成形部51側に凸の湾曲を意匠面成形部51に設けているため、収縮後には反りの少ないフラットな形状として容易に製造することできる。また、実施の形態1に係る換気扇100の化粧グリル12は、反意匠面12bに補強用リブ33aを設けて強度を高めているため、化粧グリル12の全面の板厚を厚くして強度を高める場合と比較して、樹脂使用量を低減できる。また、実施の形態1に係る換気扇100の化粧グリル12は、全面の板厚を厚くして強度を高める場合と比較して軽量化できるため、化粧グリル12をボディ2に固定するスプリング13の弾性力を小さくでき、化粧グリル12をボディ2に取り付ける作業の作業性を向上させることができる。
上記の説明において、天井据付型の送風装置の例に換気扇100を挙げたが、天井据付型の送風装置は、空気調和機又は送風機であってもよい。すなわち、化粧グリル12が取り付けられる天井据付型の送風装置は、換気扇100に限定されない。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 多翼式送風機、2 ボディ、2b 排気口、3 モータ、4 ファン、5 ファンケーシング、6 吸込口、7 スプリング固定部、8 ダクト接続枠、9 シャッタ、10 吐出口、11 端子カバー、12 化粧グリル、12a,61 意匠面、12b,62 反意匠面、12c 立ち上がり部、13 スプリング、14 ダクト、15 電線接続装置、31 天井面、33,33a 補強用リブ、33b 隙間保持リブ、34 スプリング取付部、50 金型、51 意匠面成形部、52 反意匠面成形部、60 樹脂充填体、100 換気扇。
Claims (4)
- 平坦な意匠面と前記意匠面の裏側の面である反意匠面とを備え、送風装置のファンケーシングに前記反意匠面を対向させて、前記ファンケーシングに取り付けられる樹脂製でパネル状の化粧グリルを製造する化粧グリルの製造方法であって、
前記意匠面を成形する意匠面成形部、及び前記反意匠面を成形する反意匠面成形部を備え、前記意匠面成形部及び前記反意匠面成形部が前記意匠面成形部側に凸となるように湾曲した金型に樹脂を充填する充填工程と、
前記金型内の樹脂充填体を冷却により固化させる固化工程とを有し、
前記金型の湾曲の凸形状は、前記固化工程における前記樹脂充填体の収縮により生じる反りを打ち消す形状であることを特徴とする化粧グリルの製造方法。 - 前記充填工程において、前記樹脂充填体の前記反意匠面に複数の補強用リブを形成することを特徴とする請求項1に記載の化粧グリルの製造方法。
- 前記充填工程において、前記複数の補強用リブを前記反意匠面の四隅の各々の角部に形成することを特徴とする請求項2に記載の化粧グリルの製造方法。
- 前記充填工程において、前記樹脂充填体の前記反意匠面の対向する2辺の各々の中央部に、前記ファンケーシングへの取り付け用のスプリングが取り付けられるスプリング取付部を形成し、かつ、前記樹脂充填体の前記反意匠面の前記スプリング取付部が形成された2辺とは異なる2辺の各々の中央部に、前記ファンケーシングを収容する筐体との間の隙間を保持する隙間保持リブを形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧グリルの製造方法。
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