JP2009155253A - フルオレン骨格を有するアルコール - Google Patents

フルオレン骨格を有するアルコール Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性などに優れ、9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有していても、優れたハンドリング性を有する新規なフルオレン骨格含有アルコールの提供。
【解決手段】前記アルコールを、下記式で表される化合物とする。
Figure 2009155253

(環Zはナフタレン環などの縮合多環式芳香族炭化水素環、Rはアルキル基等を示し、Rはアルキレン基を示し、Rは炭化水素基等の置換基を示し、kは0〜4の整数、mは1以上の整数、nは0又は1以上の整数、pは1以上の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン骨格(詳細には、9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格)を有する新規なアルコールに関する。
9,9−ビスフェニルフルオレン骨格などのフルオレン骨格を有する化合物は、屈折率、耐熱性などにおいて優れた機能を有しており、樹脂原料や添加剤として用いることが知られている。そして、このようなフルオレン骨格の優れた機能を樹脂に発現し、成形可能とする方法としては、反応性基(ヒドロキシル基など)を有するフルオレン化合物、例えば、ビスフェノールフルオレン(BPF)、ビスクレゾールフルオレン(BCF)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF)などを、樹脂の構成成分として利用し、樹脂の骨格構造の一部にフルオレン骨格を導入する方法が知られている。
例えば、フルオレン骨格を有する化合物をエポキシ樹脂原料として用いた例として、特許第3659533号公報(特許文献1)には、下記式(1)で表されるエポキシ樹脂が開示されている。
Figure 2009155253
(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Gはグリシジル基を表す。)
この文献には、基Rに関し、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましい基として挙げられ、水素原子またはメチル基が特に好ましいと記載されている。そして、この文献の実施例では、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレンを得たことが記載されている。
この文献に記載のエポキシ樹脂では、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有しているため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの従来のエポキシ樹脂に比べて、ある程度耐熱性などの特性を向上できる。しかし、近年の急速な技術革新に伴い、前記特性のさらなる向上が要求されている。例えば、半導体封止剤などの電子材料用途として用いられるエポキシ樹脂などには、高屈折率、高耐熱化、低粘度化などの様々な高機能な特性の向上がより一層急速に求められつつある。また、前記文献に記載のエポキシ樹脂は、高い溶融粘度を有している場合が多く、ハンドリング性の点で十分でない場合も多かった。
また、光学用オーバーコート剤、ハードコート剤、反射防止膜、眼鏡レンズ、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどの光学材料用途などとして、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)又はそのエチレンオキシド付加体のジアクリレートなどの多官能性アクリレートが使用されている。このような多官能性アクリレートには、耐湿性、耐熱性、高屈折率などの特性の向上が求められており、前記エポキシ樹脂などと同様に、フルオレン骨格を有する化合物を多官能性アクリレート原料として用いることも知られている。
例えば、特開平4−325508号公報(特許文献2)には、下記式(1)で示される化合物を主成分とするラジカル重合可能な組成物の共重合体であって、屈折率が1.60以上であるプラスチックレンズ材料が開示されている。
Figure 2009155253
(式中、R、Rは水素又はメチル基を、m、nは0〜5の整数を示す)
この文献には、前記式(1)で示される化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに(メタ)アクリル酸クロリドを反応させた化合物、又は9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたのち、(メタ)アクリル酸を反応させた化合物が記載されている。
しかし、この文献に記載の(メタ)アクリレートでも、ある程度、耐熱性などの特性を向上できるものの、高屈折率、高耐熱化などの様々な特性の向上がより一層急速に求められつつある。また、これらの文献に記載の(メタ)アクリレートでは、粘度が高すぎるなど、ハンドリング性の点で十分でないものがあり、より一層、実用性に優れた(メタ)アクリレートの開発も期待されている。
そこで、耐熱性などの点で、このようなフルオレン骨格を有する化合物をさらに改良した化合物も検討されている。特開2007−99741号公報(特許文献3)には、下記式で表されるフルオレン骨格を有する化合物が開示されている。
Figure 2009155253
(式中、環ZおよびZは縮合多環式炭化水素環、R1a、R1bおよびRは同一又は異なって置換基を示す。k1およびk2は同一又は異なって0〜4の整数を示し、mは0又は1以上の整数、nは1以上の整数を示す。)
この文献の化合物では、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する化合物に比べ、耐熱性などの特性を向上できる。しかし、この文献の化合物を樹脂原料として用いると、粘度が大きくなりすぎる、合成後単独で固化しやすいなど、ハンドリング性の点で十分でないものがあった。
なお、この文献には、前記式(1)で表される化合物は、ヒドロキシル基に対する反応性基を有する化合物を反応させた誘導体として利用してもよく、このような誘導体としては、例えば、前記式(1)で表される化合物と、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのC2−4アルキレンオキシド、特にC2−3アルキレンオキシドなど)などとの反応(又は付加)生成物などが挙げられると記載されているが、ヒドロキシル基1モルあたりにどの程度のアルキレンオキシドなどを付加させるかなど、具体的な検討は一切なされていない。
特許第3659533号公報(請求項1、段落番号[0013]、実施例) 特開平4−325508号公報(請求項1、段落番号[0011]) 特開2007−99741号公報(請求項1、段落番号[0063])
従って、本発明の目的は、9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格(9,9−ビス(ナフチル)フルオレン骨格など)を有していても、優れたハンドリング性を付与できる新規なフルオレン骨格含有アルコールを提供することにある。
本発明の他の目的は、高温での曲げ弾性率を低減できる新規なフルオレン骨格含有アルコールを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐熱性の向上と溶融粘度の低減とを両立できる新規なフルオレン骨格含有アルコールを提供することにある。
本発明の別の目的は、硬化後においても光透過性を維持できる新規なフルオレン骨格含有アルコールを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格(9,9−ビス(ナフチル)フルオレン骨格など)とオキシアルキレン基(オキシエチレン基、オキシプロピレン基など)とを組み合わせた新規なフルオレン骨格含有アルコールが、高耐熱性や低線膨張性などの優れた特性を有していること、さらには、このようなアルコールは、樹脂原料(エポキシ樹脂原料、アクリレート原料など)などとして用いると、従来のフルオレン骨格含有化合物[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレンなど]などに比べ、9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格を有しているにもかかわらず、優れたハンドリング性を付与できること、さらには高い耐熱性を付与でき、光透過性などの特性を効率よく維持できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2009155253
(式中、環Zは縮合多環式芳香族炭化水素環、Rはシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、Rは炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、kは0〜4の整数、mは1以上の整数、nは0又は1以上の整数、pは1以上の整数である。)
前記式(1)において、Zはナフタレン環などであってもよく、RはC2−4アルキレン基(エチレン基、プロピレン基など)であってもよく、mは1〜4程度であってもよい。
また、前記式(1)において、pは1〜3程度であってもよい。
特に、粘度低減効果を高めるという観点からは、前記式(1)において、Rは分岐C3−4アルキレン基(例えば、プロピレン基)であってもよい。
代表的な前記式(1)で表される化合物には、下記式(1A)で表される化合物が含まれる。
Figure 2009155253
(式中、n1およびn2はそれぞれ0〜3の整数を示し、n1+n2=nであり、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
特に、前記式(1)で表される化合物は、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンであってもよい。
また、前記式(1)で表される化合物は、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシ分岐C3−4アルコキシナフチル)フルオレンであってもよい。このような前記式(1)において、Rが分岐アルキレン基である化合物は、粘度低減効果が大きく、好ましい。
なお、本明細書において、化合物名などの「類」とは、「置換基を有さない」場合と「置換基を有する」場合とを含み、「置換基を有していてもよい」ことを意味する場合がある。
本発明の新規なフルオレン骨格含有アルコールは、樹脂原料(例えば、エポキシ樹脂原料、など)などとして用いても高粘度化などを生じることがなく、9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格(9,9−ビス(ナフチル)フルオレン骨格など)を有していても、優れたハンドリング性を付与できる。例えば、本発明のフルオレン骨格含有アルコールを、樹脂原料(エポキシ樹脂原料など)として用いると、溶融粘度を低減できる。具体的には、本発明のフルオレン骨格含有アルコールを原料とするエポキシ樹脂は、単純な9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格含有アルコールを原料とするエポキシ樹脂[9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレンなど]に比べて、溶融粘度を大きく低減でき、ハンドリング性に優れている。さらに、本発明のアルコールは、例えば、エポキシ樹脂原料などとして用いたとき、高温での曲げ弾性率を低減できる。
さらにまた、本発明のアルコールは、樹脂原料(エポキシ樹脂原料など)として用いたとき、従来の9,9−ビスフェニルフルオレン骨格(9,9−ビス(フェニル)フルオレン骨格、9,9−ビス(メチルフェニル)フルオレン骨格など)を有する化合物(9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなど)などを用いた場合に比べて耐熱性が高く、しかも、意外にも溶融粘度が低いため、耐熱性の向上と溶融粘度の低減とを両立できる。そのため、本発明のアルコールは、高耐熱性、高屈折率などの優れた特性を樹脂などに付与できるとともに、実用的価値が高い。
また、本発明のアルコールは、硬化性樹脂原料(アクリレート材料など)として用いたとき、耐熱性に優れるためか、硬化後においても、光透過性の低下を抑制できる。そのため、本発明のアルコールは、硬化後においても、高い光透過性を維持でき、有用である。
本発明の化合物は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2009155253
(式中、環Zは縮合多環式芳香族炭化水素環、Rは置換基を示し、Rはアルキレン基を示し、Rは置換基を示し、kは0〜4の整数、mは1以上の整数、nは0又は1以上の整数、pは1以上の整数である。)
上記式(1)において、環Zで表される縮合多環式芳香族炭化水素環としては、縮合二環式炭化水素環(例えば、インデン環、ナフタレン環などのC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環など)などの縮合二乃至四環式炭化水素環などが挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられ、特にナフタレン環が好ましい。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
なお、フルオレンの9位に置換する環Zの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9位に置換するナフチル基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基などであってもよく、特に2−ナフチル基であるのが好ましい。
また、前記式(1)において、基Rで表される置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などの非反応性置換基が挙げられ、特に、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)などが例示できる。なお、kが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換する基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対する基Rの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数kは、0〜1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(1)において、基Rで表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(又は1,2−プロパンジイル基)、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などのC2−6アルキレン基、好ましくはC2−4アルキレン基、さらに好ましくはC2−3アルキレン基が挙げられる。特に、これらのアルキレン基のなかでも、プロピレン基などの分岐アルキレン基(分岐C3−4アルキレン基など)は、意外にも、エチレン基などに比べて、式(1)で表される化合物の粘度を低減する効果が高い。なお、mが2以上であるとき、アルキレン基は異なるアルキレン基で構成されていてもよく、通常、同一のアルキレン基で構成されていてもよい。また、2つの縮合多環式炭化水素環において、基Rは同一であっても、異なっていてもよく、通常同一であってもよい。
オキシアルキレン基(OR)の数(付加モル数)mは、1〜15(例えば、1〜12)程度の範囲から選択でき、例えば、1〜8、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4(例えば、1〜3)、特に1〜2であってもよい。なお、置換数mは、異なる環Zにおいて、同一であっても、異なっていてもよい。また、2つの環Zにおいて、オキシアルキレン基の合計(m×2)は、2〜30(例えば、2〜24)程度の範囲から選択でき、例えば、2〜16(例えば、2〜14)、好ましくは2〜12(例えば、2〜10)、さらに好ましくは2〜8(例えば、2〜6)、特に2〜4(例えば、2〜3)であってもよい。
環Zに置換する置換基Rとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5−6シクロアルキル基など)、アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(又はトリル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基など)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ナフチル基などのC6−10アリール基、好ましくはC6−8アリール基、特にフェニル基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−20アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、さらに好ましくはC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)などのエーテル基(置換ヒドロキシル基);アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−20アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、さらに好ましくはC1−6アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)などのチオエーテル基(置換メルカプト基);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など);ヒドロキシル基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)などが挙げられる。
これらのうち、基Rは、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基であるのが好ましく、特に、好ましい基Rは、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)などである。
なお、同一の環Zにおいて、nが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、2つの環Zにおいて、基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、好ましい置換数nは、0〜8、好ましくは0〜6(例えば、1〜5)、さらに好ましくは0〜4、特に0〜2(例えば、0〜1)であってもよい。なお、2つの環Zにおいて、置換数nは、互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(1)において、基Rを含む基(ヒドロキシ基含有基などということがある)の置換数pは、1以上であればよく、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1であってもよい。なお、置換数pは、それぞれの環Zにおいて、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。なお、ヒドロキシ基含有基の置換位置は、特に限定されず、環Zの適当な置換位置に置換していればよい。特に、ヒドロキシ基含有基は、縮合多環式炭化水素環において、フルオレンの9位に結合した炭化水素環とは別の炭化水素環(例えば、ナフタレン環の5位、6位など)に少なくとも置換している場合が多い。
前記式(1)で表される代表的な化合物には、下記式(1A)で表される化合物(すなわち、環Zがナフタレン環である化合物)などが含まれる。
Figure 2009155253
(式中、n1およびn2はそれぞれ0〜3の整数を示し、n1+n2=nであり、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
なお、上記式(1A)において、n1およびn2は、それぞれ、前記nに対応しており、n1は、0〜3であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、特に0である。また、n2は、0〜3(例えば、1〜3)であればよく、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1、特に0である。なお、n1およびn2は、それぞれのナフタレン環において、同一又は異なる数であってもよく、また、異なるナフタレン環において同一又は異なる数であってもよい。また、置換基Rは、前記と同じであり、同一のナフタレン環及び異なるナフタレン環においてそれぞれ、同一又は異なる置換基であってもよい。
また、前記式(1A)において、ヒドロキシ基含有基の置換数pは、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1であってもよい。さらに、前記式(1A)において、ヒドロキシ基含有基の置換位置は、特に制限されないが、フルオレンに置換するナフチル基(1又は2−ナフチル基)の置換位置などに応じて、5〜8位のいずれか(例えば、5位)であればよく、特に、2−ナフチル基(β−ナフチル基)が置換している場合には、ナフチル基の6位に少なくともヒドロキシ基含有基が置換している場合が多く、1−ナフチル基(α−ナフチル基)が置換している場合には、ナフチル基の5位又は8位(特に5位)に少なくともヒドロキシ基含有基が置換している場合が多い。
前記式(1)で表される具体的な化合物としては、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(1)においてpが1である化合物;9,9−ビス(ポリヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(1)においてpが2以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−ヒドロキシプロポキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などが挙げられる。
9,9−ビス(ヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{6−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{6−[2−(2−ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−1−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−ヒドロキシプロポキシ)プロポキシ]−1−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ヒドロキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(1)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス(ポリヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、前記9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類に対応し、pが2以上の化合物、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ポリヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレンが挙げられる。
9,9−ビス(ポリヒドロキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、前記9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシナフチル)フルオレン類に対応し、mが2以上およびpが2以上の化合物、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{ジ[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(1)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
これらのうち、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなどが好ましい。また、特に、粘度の低減の点からは、前記式(1)において基Rが分岐アルキレン基(例えば、プロピレン基)である化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシ分岐C3−4アルコキシナフチル)フルオレン{例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなど}などが好ましい。
(式(1)で表される化合物の製造方法)
前記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、例えば、(1)下記式(2A)で表される化合物と、基Rに対応するアルキレンオキシド又は基Rに対応するアルキレンカーボネートとを反応させる方法、(2)下記式(2B)で表される化合物と、下記式(2C)で表される化合物とを反応させる方法などにより得ることができる。
Figure 2009155253
(式中、Z、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
(方法(1))
方法(1)において、前記式(2A)で表される化合物としては、前記式(2)で表される化合物に対応する化合物、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン]、9,9−ビス(ポリヒドロキシナフチル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシナフチル)フルオレン]などが含まれる。
なお、前記式(2A)で表される化合物は、市販品を用いてもよく、慣用の方法、例えば、酸(例えば、塩酸、硫酸などの無機酸、固体酸など)及びチオール類(メルカプトカルボン酸など)の存在下で、前記式(2B)で表される化合物(フルオレノン類)と、対応するヒドロキシナフタレン類[ナフトール類(1−ナフトール、2−ナフトールなどのナフトール;メチルナフトールなどのアルキルナフトール(例えば、C1−4アルキルナフトールなど)など)、ポリヒドロキシナフタレン類(例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,2,4−トリヒドロキシナフタレンなどのジ又はトリヒドロキシナフタレン類)など]とを反応させる方法などにより製造したものを用いてもよい。
原料として使用する前記式(2A)で表される化合物の純度は特に限定されないが、通常、95重量%以上であり、好ましくは99重量%以上であってもよい。
また、方法(1)において、基Rに対応するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのC2−6アルキレンオキシド、好ましくはC2−4アルキレンオキシドなどが挙げられる。基Rに対応するアルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのC2−6アルキレンカーボネート、好ましくはC2−4アルキレンカーボネートなどが挙げられる。なお、アルキレンオキシド又はアルキレンカーボネートを反応させると、前記式(2A)で表される化合物のヒドロキシル基を介して(ポリ)オキシアルキレン単位を導入できる。アルキレンカーボネートを使用する場合、アルキレンカーボネートが付加したのち、脱炭酸反応が生じることにより、オキシアルキレン単位(分岐アルコキシ単位)が導入される。
方法(1)において、基Rに対応するアルキレンオキシド又は基Rに対応するアルキレンカーボネートの使用量は、付加させるアルキレンオキシド単位の数に応じて調整でき、前記式(2A)で表される化合物のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、2〜50モル(例えば、2〜40モル)、好ましくは2〜30モル(例えば、2〜25モル)、さらに好ましくは2〜20モル(例えば、2〜15モル)程度であってもよい。
反応は、触媒の非存在下で行ってもよいが、通常、触媒の存在下で行うことができる。触媒としては、塩基触媒、酸触媒が例示でき、通常、塩基触媒を使用できる。塩基触媒としては、金属水酸化物(水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物など)、金属炭酸塩(炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸水素塩など)などの無機塩基;アミン類[例えば、第3級アミン類(トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン、1−メチルイミダゾールなどの複素環式第3級アミン)など]、カルボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの酢酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)などの有機塩基などが例示できる。触媒(塩基触媒)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
触媒の使用量は、触媒の種類に応じて調整でき、前記式(2A)で表される化合物1重量部に対して、例えば、0.001〜1重量部(例えば、0.003〜0.5重量部)、好ましくは0.005〜0.3重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部程度であってもよい。
反応は、溶媒中で行ってもよい。溶媒としては、特に限定されず、使用する原料に応じて選択でき、例えば、アルキレンオキシドを使用する場合には、エーテル系溶媒(ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類、アニソールなど)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類)、炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)などが挙げられる。また、アルキレンカーボネートを使用する場合には、前記例示の溶媒の他、アルコール類(メタノール、エタノールなどのC1−4アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの(ポリ)C2−3アルキレングリコールなど)などを使用してもよい。溶媒は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。溶媒の使用量は、前記式(2A)で表される化合物1重量部に対して、例えば、1〜30重量部、好ましくは1.5〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部程度であってもよい。
反応は、付加させる化合物(アルキレンオキシド、アルキレンカーボネート)などの種類に応じて、例えば、0〜170℃、好ましくは10〜150℃、さらに好ましくは20〜130℃程度で行う場合が多い。特に、アルキレンカーボネートを使用する場合、脱炭酸反応を効率よく行うため、例えば、70〜150℃、好ましくは80〜120℃程度で反応させる場合が多い。また、反応時間は、例えば、30分〜48時間、通常、1〜24時間、好ましくは2〜10時間程度である。
反応は、攪拌しながら行ってもよく、空気中又は不活性雰囲気(窒素、希ガスなど)中で行ってもよく、常圧又は加圧下で行ってもよい。また、必要に応じて、発生するガス(二酸化炭素など)を除去しながら反応を行ってもよい。
目的生成物(式(1)で表される化合物)は、反応終了後の反応混合物から、慣用の精製方法(抽出、晶析など)を利用して精製してもよい。
(方法(2))
方法(2)において、前記式(2B)で表される化合物としては、9−フルオレノンなどのフルオレノン類が挙げられる。なお、反応に使用する式(2B)で表される化合物(フルオレノン類)の純度は、特に限定されないが、通常、95重量%以上、好ましくは99重量%以上であってもよい。
また、方法(2)において、前記式(2C)で表される化合物としては、例えば、アルキレングリコールモノ(ナフチル)エーテル類{例えば、C2−4アルキレングリコールモノナフチルエーテル[エチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテル、プロピレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテルなど]など}などの前記式(2C)においてmが1であるアルコール類;ジアルキレングリコールモノ(ナフチル)エーテル類[例えば、ジC2−4アルキレングリコールモノ(ナフチル)エーテル(ジエチレングリコールモノ(2−ナフチル)エーテルなど)など]などの前記式(2C)においてmが2以上であるアルコール類などが挙げられる。
なお、前記式(2C)で表される化合物(アルコール類)の純度は、特に限定されないが、通常、95重量%以上、好ましくは97重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上であってもよい。
反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、通常、酸触媒が使用できる。酸触媒としては、無機酸[硫酸、塩化水素、塩酸(5〜36重量%、好ましくは20〜36重量%程度の塩化水素の水溶液など)、リン酸など]、有機酸[スルホン酸(メタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸など)など]などが挙げられる。前記硫酸には、希硫酸(例えば、30〜90重量%程度の硫酸)、濃硫酸(例えば、濃度90重量%以上の硫酸)、発煙硫酸などが含まれ、反応系において硫酸に転化可能であれば、硫酸前駆体として、三酸化硫黄を使用してもよい。また、固体酸(陽イオン交換樹脂など)を使用してもよい。酸触媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
また、酸触媒に加えて、助触媒としてのチオール類を併用してもよい。チオール類としては、助触媒として機能する慣用のチオール類、例えば、メルカプトカルボン酸(メルカプト酢酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸など)、チオカルボン酸(チオ酢酸、チオシュウ酸など)、アルキルメルカプタン(メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのC1−16アルキルメルカプタン(特にC1−4アルキルメルカプタン)など)、アラルキルメルカプタン(ベンジルメルカプタンなど)又はこれらの塩などが挙げられる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩など)が例示できる。これらのチオール類のうち、メルカプトC2−6カルボン酸(例えば、β−メルカプトプロピオン酸)が好ましい。チオール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、反応(液相反応)は、反応溶媒、例えば、芳香族系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アニソールなど)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類など)、ハロゲン系溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類など)などの反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。
反応温度は、特に限定されないが、例えば、20〜200℃、好ましくは40〜180℃、さらに好ましくは50〜150℃程度であってもよい。また、反応時間は、原料の種類、反応温度や溶媒中の濃度などに応じて調整でき、例えば、30分〜48時間、通常、1〜24時間、好ましくは1〜10時間程度であってもよい。
また、反応は、攪拌しながら行ってもよく、空気中又は不活性雰囲気(窒素、希ガスなど)中で行ってもよく、常圧又は加圧下で行ってもよい。また、反応は、脱水しながら行ってもよい。
目的生成物(式(1)で表される化合物)は、反応終了後の反応混合物から、慣用の精製方法(抽出、晶析など)を利用して精製してもよい。
以上のようにして、前記式(1)で表される化合物が得られる。なお、反応により得られる前記式(1)で表される化合物は、単一の化合物であってもよいが、前記式(1)で表される化合物を複数含む混合物であってもよい。例えば、前記式(1)で表される化合物は、前記式(1)においてmが1である化合物と、前記式(1)においてmが2以上(例えば、2)である化合物との混合物であってもよい。このような混合物において、単一化合物の割合は、例えば、70重量%以上(例えば、75〜99.9重量%)、好ましくは80重量%以上(例えば、85〜99.7重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜99.5重量%)程度であってもよい。
[式(1)で表される化合物の用途]
本発明の化合物は、特定のフルオレン骨格を有しているため、種々の特性(光学特性、耐熱性、耐水性、耐湿性、耐薬品性、電気特性、機械特性、寸法安定性、低線膨張性など)に優れており、種々の用途においてこれらの特性を向上又は改善するのに有用である。また、前記骨格により、高い屈折率も有している。特に、本発明の化合物は、樹脂原料として用いると、樹脂のハンドリング性を改善又は向上できる。
このため、このような本発明の化合物は、機能性材料[例えば、添加剤(レジスト用添加剤など)、試薬(医薬、農薬など)の原料又は中間体など](又はその原料又は中間体)、樹脂原料(モノマーなど)などとして好適に用いることができ、前記のような優れた特性を効率よく付与するための化合物として用いることができる。
(添加剤用途および樹脂組成物)
添加剤としては、樹脂用添加剤(又は樹脂添加剤)、硬化剤(樹脂用硬化剤など)などが挙げられる。添加剤として用いる場合、樹脂および前記化合物を含む樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物、熱又は光硬化性樹脂組成物)を構成できる。このような樹脂組成物において、樹脂としては、特に限定されず、幅広い範囲の樹脂(熱可塑性樹脂、熱又は光硬化性樹脂など)を使用できる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ハロゲン含有ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、フッ化樹脂など)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂[例えば、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなど)、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレート系樹脂(例えば、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸など)と芳香族ジオール(ビフェノール、ビスフェノールA、キシリレングリコール、これらのアルキレンオキシド付加体など)を重合成分として用いたポリアリレート系樹脂など)など]、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらの熱可塑性樹脂のうち、芳香環(ベンゼン環など)を含有する熱可塑性樹脂、例えば、芳香族ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(前記ポリアルキレンアリレート系樹脂など)、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂などが好ましい。前記フルオレン化合物は、これらの芳香環含有樹脂との相溶性が高く、そのため、樹脂に対する分散性が高い。
また、熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂など)、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂(シリコーン樹脂、ポリシランなど)、光重合性モノマー又はオリゴマー(例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系化合物)などが例示できる。熱硬化性樹脂は初期縮合物であってもよい。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、熱硬化性樹脂と前記化合物とを組み合わせる場合、前記化合物は硬化剤(又は硬化促進剤)として作用してもよい。前記樹脂のうち、前記化合物を硬化剤として用いることができる代表的な樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ系樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、4,4−ビフェノール、2,2−ビフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールAなどのビスフェノール類とエピクロロヒドリンとの反応物(縮合物)、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂[フェノールノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型グリシジルエーテルなど)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型グリシジルエーテルなど)など]、アミン系エポキシ樹脂などが含まれる。エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
前記化合物の割合は、樹脂(特に、芳香環を有する熱可塑性樹脂などの熱可塑性樹脂)100重量部に対して、例えば、1〜700重量部、好ましくは50〜600重量部、さらに好ましくは100〜500重量部(例えば、200〜300重量部)程度であってもよい。また、前記化合物を硬化剤として使用する場合、樹脂(エポキシ樹脂など)の官能基(又は硬化性官能基、例えば、エポキシ基)1当量に対して、前記化合物の官能基(例えば、フェノール性水酸基などのヒドロキシル基、アミノ基など)が、0.1〜4.0当量、好ましくは、0.3〜2.0当量、さらに好ましくは、0.5〜1.5当量となるように、両成分の割合を調整してもよい。
前記樹脂組成物は、用途に応じて種々の添加剤、例えば、充填剤、難燃剤、強化剤、可塑剤、重合開始剤、触媒、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、着色剤(染顔料)、消泡剤、レベリング剤、分散剤、流動調整剤、カーボン材料(カーボンブラック、黒鉛、カーボン繊維、活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブなど)などを含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。また、前記樹脂組成物は、樹脂の種類などに応じて溶媒を含む組成物(コーティング組成物など)であってもよい。
(樹脂原料用途および樹脂)
本発明の化合物は、樹脂原料として用いることができる。例えば、本発明の化合物は、複数のヒドロキシル基を有しているため、熱可塑性樹脂のモノマー成分や熱硬化性樹脂(又はその前駆体)として用いることができる。すなわち、このような樹脂は、前記化合物を重合成分とする樹脂である。
詳細には、前記樹脂は、ポリオール成分を単量体成分(又は重合成分)とする樹脂において、前記ポリオール成分の一部又は全部が、前記化合物(又はその誘導体)で構成された樹脂であってもよい。
ポリオール成分(例えば、ジオール成分)を単量体成分(又は重合成分)とする樹脂としては、熱可塑性樹脂[ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトンなど)など]、熱硬化性樹脂[例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂(前記化合物のポリグリシジルエーテルなど)、ビニルエステル系樹脂、フェノール樹脂、ポリオールポリ(メタ)アクリレート(前記化合物のポリ(メタ)アクリレート、又は前記化合物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体((メタ)アクリル酸ハライドなど)との反応物など)、ウレタン(メタ)アクリレート]など]などが挙げられる。
このようなポリオール成分を単量体成分(又は重合成分)とする樹脂では、ポリオール成分を、前記式(1)で表される化合物で構成することができる。このような樹脂において、前記式(1)で表される化合物は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
以下、代表的な樹脂として、エポキシ樹脂(エポキシ化合物)、およびポリ(メタ)アクリレートを詳述する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂(エポキシ化合物)としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009155253
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Z、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
代表的なエポキシ樹脂(又は前記式(3)で表される化合物)には、9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(グリシジルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(3)においてpが1である化合物;9,9−ビス(ポリグリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリグリシジルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(3)においてpが2以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−グリシジルオキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−グリシジルオキシプロポキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などが挙げられる。
9,9−ビス(グリシジルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{6−[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{6−[2−(2−グリシジルオキシプロポキシ)プロポキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]−1−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−グリシジルオキシプロポキシ)プロポキシ]−1−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(グリシジルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(3)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス(ポリグリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[ジ(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[ジ(2−グリシジルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[ジ(2−グリシジルオキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[トリ(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などが挙げられる。
9,9−ビス(ポリグリシジルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{ジ[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{ジ[2−(2−グリシジルオキシプロポキシ)プロポキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{トリ[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]−1−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(3)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
なお、前記エポキシ樹脂は、例えば、前記式(1)で表される化合物と、エピハロヒドリン[又はハロメチルオキシラン、例えば、エピクロロヒドリン(クロロメチルオキシラン)、エピブロモヒドリン(ブロモメチルオキシラン)など]又は1−ハロメチル−2−メチルオキシラン(1−クロロメチル−2−メチルオキシランなど)とを反応させることにより製造できる。
前記エポキシ樹脂(前記式(3)で表される化合物又は前記方法により得られる化合物)は、フルオレン骨格(詳細には9,9−ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格)を有しており、高耐熱性、高屈折率、低線膨張性などの前記フルオレン骨格特有の特性を有している。しかも、このようなフルオレン骨格を有しているにもかかわらず、溶融粘度が小さい。そのため、本発明の化合物は、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)としてのハンドリング性に優れている。例えば、本発明の化合物の150℃における溶融粘度(回転数900rpm)は、10〜1500mPa・s(例えば、20〜1000mPa・s)、好ましくは30〜800mPa・s(例えば、40〜700mPa・s)、さらに好ましくは50〜600mPa・s(例えば、60〜50mPa・s)程度であってもよい。
特に、本発明の化合物のなかでも、前記式(1)において基Rがプロピレン基などの分岐アルキレン基である化合物の150℃における溶融粘度(回転数900rpm)は、例えば、10〜500mPa・s(例えば、15〜400mPa・s)、好ましくは20〜300mPa・s(例えば、25〜250mPa・s)、さらに好ましくは30〜200mPa・s(例えば、40〜150mPa・s)程度であってもよく、通常40〜300mPa・s程度であってもよい。
なお、上記溶融粘度は、コーン・プレート(コーン&プレート)型の溶融粘度計(コーン3など)により測定された値である。
なお、本発明の化合物のエポキシ当量は、例えば、400〜1500g/eq、好ましくは410〜1200g/eq、さらに好ましくは420〜1000g/eq程度であってもよい。
なお、前記エポキシ樹脂は、希釈剤、硬化剤、硬化促進剤などを含むエポキシ樹脂組成物を構成してもよい。
(ポリ(メタ)アクリレート)
ポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009155253
(式中、Z、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
代表的なポリ(メタ)アクリレート(又は前記式(4)で表される化合物)には、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(4)においてpが1である化合物;9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類、9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類などの前記式(4)においてpが2以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−1−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−1−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などが挙げられる。
9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、例えば、例えば、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{6−[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{6−[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ]−2−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]−1−ナフチル}フルオレン、9,9−ビス{5−[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ]−1−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(3)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類としては、前記9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類に対応し、pが2以上の化合物、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−2−ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレンが挙げられる。
9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシポリアルコキシナフチル)フルオレン類としては、前記9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン類に対応し、mが2以上およびpが2以上の化合物、例えば、9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{ジ[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]−2−ナフチル}フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシジC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシジアルコキシナフチル)フルオレン類;これらの化合物に対応し、前記式(3)においてmが3以上である化合物などが挙げられる。
なお、前記ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、前記式(1)で表される化合物と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体[例えば、(メタ)アクリル酸低級アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどのC1−4アルキル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸ハライド(例えば、(メタ)アクリル酸クロライドなど)、(メタ)アクリル酸無水物など]とを反応させることにより製造できる。
なお、前記ポリ(メタ)アクリレートは、重合開始剤、希釈剤(溶媒、重合性希釈剤など)などを含む樹脂組成物を構成してもよい。
本発明の化合物は、高耐熱性、高屈折率などの優れた特性を有しつつ、優れたハンドリング性を付与できる。具体的には、本発明の化合物は、樹脂原料[例えば、熱可塑性樹脂(ポリエステルなど)原料、熱又は光硬化性樹脂(エポキシ樹脂、ポリオールポリ(メタ)アクリレートなど)原料]、添加剤などとして利用できる。
例えば、本発明の化合物を用いた熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)の硬化物は、高温における曲げ弾性が低いという特性を有しており、有用性が高い。例えば、本発明の化合物(又はその硬化物)を、高温において水蒸気などのガスが発生する用途(半導体封止剤用途など)において使用しても、前記ガスを排出しやすくできるなどの利点がある。
このような本発明の化合物を用いて得られる硬化物は、具体的には、電子部品の層間の絶縁材、プリント基板用のソルダーレジスト、カバーレイなどのレジスト材料、半導体封止材料として有用である他、カラーフィルター、印刷インキ、封止剤(半導体封止剤など)、塗料、コーティング剤、接着剤などのあらゆる電気・電子材料として有用である。また、成型材料、接着剤、複合材料、塗料などの分野にも用いることができる。
また、ノボラック樹脂などの熱硬化性樹脂は、例えば、硬化剤[例えば、エポキシ樹脂用硬化剤(半導体封止用エポキシ樹脂用硬化剤など)など]、接着剤、塗料(下塗塗料など)、ゴム配合剤、結合剤(砥石用、研磨紙用、摩擦材用などの結合剤)、積層材料(又は積層品、例えば、銅張積層板、積層管、積層棒など)、感熱材料(感熱紙用材料など)、カーボン材料、絶縁材料、発泡体、感圧材料(感圧紙用材料など)、シェルモールド、各種樹脂材料(ノボラック型エポキシ樹脂の原料、樹脂バインダーなど)、成形体(電気・電子部品用成形体、薄膜など)、基板又は回路形成材料(半導体製造用レジスト、プリント配線板、透明基板など)、画像形成材料(印刷版材,レリーフ像など)、レジスト(半導体製造用レジストなど)の下層膜(ハードマスク)などの種々の用途に適用可能である。
さらに、エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂などの光硬化性樹脂は、インク材料、発光材料(例えば、有機EL用発光材料など)、有機半導体、黒鉛化前駆体、ガス分離膜(例えば、COガス分離膜など)、コート剤(例えば、LED(発光ダイオード)用素子のコート剤などの光学用オーバーコート剤又はハードコート剤など)、レンズ[ピックアップレンズ(例えば、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)用ピックアップレンズなど)、マイクロレンズ(例えば、液晶プロジェクター用マイクロレンズなど)、眼鏡レンズなど]、偏光膜(例えば、液晶ディスプレイ用偏光膜など)、反射防止フィルム(又は反射防止膜、例えば、表示デバイス用反射防止フィルムなど)、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム[例えば、PDP(プラズマディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、VFD(真空蛍光ディスプレイ)、SED(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(電界放出ディスプレイ)、NED(ナノ・エミッシブ・ディスプレイ)、ブラウン管、電子ペーパーなどのディスプレイ(特に薄型ディスプレイ)用フィルム(フィルタ、保護フィルムなど)など]、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどに好適に使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例において、各種測定は以下のようにして行った。
(HPLC純度)
東ソー(株)製、逆相カラム(ODS−80TM)を使用し、254nmにて、水/アセトニトリル(重量比)=30/70で30分、その後、水/アセトニトリル(重量比)=0/100で30分で純度を測定した。
(NMR)
H−NMRスペクトルは、内標準としてテトラメチルシランを用い、溶媒としてCDClを用いて、JEOL GTX−400分光計によって記録した。
(溶融粘度)
ICI粘度計(コーン&プレート型、ブルックフィールド社製粘度計 CAP2000+H)を用い、コーン3にて900rpmで150℃まで加温して測定した。
(エポキシ当量)
自動滴定装置(三菱化学(株)製 GT−100)を用いて、過塩素酸溶液(酢酸性)にて滴定した。
(FD−MS)
電界脱離式マススペクトル(日本電子製JMS−700)にて、加速電圧8kV、対抗電圧2kV、エミッタ電流0−40mAにて測定した。
(屈折率)
多波長アッベ屈折計 (アタゴ製、DR−M2<循環式恒温水槽 60−C3使用>)を用い、25度を保持し、589nmでの屈折率を測定した。
(粘度)
TV−22形粘度計(コーンプレートタイプ、東機産業製、TVE−22L)を用い、低粘度用の標準ロータ(01:1゜34’×R24)にて、1.0〜20rpm(粘度によって変える)にて、25℃での粘度を測定した。
(HAZE)
色差濁度測定器(日本電色工業製、COH−300A)を用い、試験管(マルエム製、A−24(24×200)、直口)又は10×10mm石英セルにアクリレートを入れて測定した。
(実施例1)
10Lのセパラブルフラスコに、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン(BNF、大阪ガスケミカル(株)製)450g(1.0mol)、エチレンカーボネート881g(10mol)および溶媒としてのジエチレングリコール1500g(17mol)を入れ、触媒として1−メチルイミダゾール(和光純薬工業(株)製)10gを添加した後に、100℃に加熱して5時間反応させた。反応終了後、イソプロピルアルコール5000mlを加えて10℃まで冷却することにより、白色粉末61gを得た。得られた白色粉末を分析した結果、HPLCによる純度95.7%で原料として用いたBNF1モルに対して2モルのオキシエチレン基(エトキシ基)が付加した目的化合物(下記式で表される化合物、FD−MSにより測定された分子量=530(ピーク)、BNF−EOという)が得られた。
Figure 2009155253
H−NMR(CDCl,δ):3.8ppm(t,4H),4.0−4.2ppm(t,6H),7.0−7.7ppm(m,18H)、7.9ppm(d、2H)。
(実施例2)
実施例1において、エチレンカーボネート881gに代えて、プロピレンカーボネート1029gを用いた以外は実施例1と同様に合成した結果、白色粉末420gを得た。得られた白色粉末を分析した結果、HPLCによる純度86.3%で原料として用いたBNF1モルに対して2モルのオキシプロピレン基(プロポキシ基)が付加した目的化合物(下記式で表される化合物、BNF−POという)が得られた(BNF1モルに対して3モルのオキシプロピレン基が付加した化合物が8.7%、BNF1モルに対して1モルのオキシプロピレン基が付加した化合物が4.3%)。
Figure 2009155253
H−NMR(CDCl,δ):1.2ppm(d、6H)、3.8−4.2ppm(t,7H),7.1−7.7ppm(m,18H)、7.9ppm(d、2H)。
(実施例3)
ディーンスタークおよび還流管を取り付けた300mlのセパラブルフラスコに、実施例1で得られた化合物62.4g(0.12mol)、クロロメチルオキシラン(特級、キシダ化学(株)製)89.2g(0.9mol)、塩化テトラメチルアンモニウム(特級、関東化学(株)製)2.0gを添加し、60℃で1時間、加熱溶解させた。その後、フレーク状の水酸化ナトリウム(特級、双葉化学(株)製)5gを、温度が60℃以下(45〜55℃)を保つように少量ずつ100分以内に投入した。
反応中、生成した水はクロロメチルオキシランとともに、共沸により系外に排出し、クロロメチルオキシランは系内に戻した。水酸化ナトリウム投入後5時間、温度を60℃以下(45〜55℃)に保持しつつ加熱攪拌した結果、HPLCにて原料であるBNF−EOの消失を確認した。その後、200mlの水を添加し、反応を終了させた。さらに反応時に生成した塩化ナトリウムとともに水層を廃棄し、有機層を1Lのナス型フラスコに移し、エバポレーターにて130℃加熱条件でクロロメチルオキシランを濃縮除去し、淡黄色の粘稠物を得た。
引き続き、メチルイソブチルケトン(関東化学(株)製)を投入し70℃に加熱して溶解させた後に1Lのセパラブルフラスコに移して85℃まで昇温し、30%水酸化ナトリウム水溶液を12g投入し、85℃以下(80〜85℃)を保ちながら1時間攪拌させた。その後、水を200ml添加して反応を終了させるとともに、生成した塩化ナトリウムを取り除くために水洗を行った。さらに、イオン交換水200gを投入し、水層を廃棄した。この操作をpHが中性(pH7)になるまで、5回繰り返した。得られたものをナス型フラスコに移し、エバポレーターにて80℃以下(60〜80℃)でメチルイソブチルケトンを除去した。その後、乾燥機内にて90℃で5時間乾燥し、黄色透明な粘稠物を79.0g得た。この粘稠物の収率は57%であった。
得られた粘稠物のHPLC純度は、BNF−EOにクロロメチルオキシランが1つ付加した化合物が4.9%、2個付加した目的物が85.2%(下記式)、2量体(下記式で表される化合物の2量体)が4.9%であった。そして、得られた粘稠物の150℃における溶融粘度は431mPa・s、エポキシ当量は420g/eqであった。
Figure 2009155253
H−NMR(CDCl,δ):2.5−2.8ppm(d、4H)、3.1ppm(t,2H),3.3−3.4ppm(d、2H)、3.7−4.0ppm(m、6H),4.1ppm(t、4H)、7.1−7.7ppm(m,18H)、7.9ppm(d、2H)
FD−MSにより測定された分子量=649。
(実施例4)
実施例3において、実施例1で得られた化合物62.4gに代えて、実施例2で得られた化合物65.5g(0.12モル)を用いたこと以外は、実施例3と同様に反応させた結果、反応開始後14時間で原料の消失を確認し、淡黄色粘稠物を42.4g得た。この粘稠物の収率は54.0%であった。
得られた粘稠物のHPLC純度は、BNF−POにクロロメチルオキシランが1つ付加した化合物が9.5%、2個付加した目的物(下記式)が73.1%、2量体(下記式で表される化合物の2量体)が14.8%であった。そして、得られた粘稠物の150℃における溶融粘度は101mPa・s、エポキシ当量は439.1g/eqであった。
Figure 2009155253
(比較例1)
9,9−ビス[2−(6−ヒドロキシナフチル)]フルオレン(BNF、大阪ガスケミカル(株)製)54g(0.12モル)をクロロメチルオキシラン(特級、キシダ化学(株)製)88g(0.96モル)に溶解し、さらにベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(特級、関東化学(株)製)2.0gを加え、60℃にて1時間攪拌した。次に、減圧下(650mmHg)、45℃にて40%水酸化ナトリウム水溶液30gを1.5時間かけて滴下した。その間、生成する水をクロロメチルオキシランとの共沸により系外に除き、留出したクロロメチルオキシランは系内に戻した。滴下終了後、さらに3時間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を取り除き、さらに水洗した後、クロロメチルオキシランを固形分が50%になるまで留去し、メタノールを300g添加した。析出した結晶を濾別、乾燥し、白色粉末が得られた。
得られた白色粉末のHPLC純度は、BNFにクロロメチルオキシランが2個付加した目的物(下記式)が90.1%であった。
得られた白色粉末の180℃における溶融粘度は2890mPa・sと非常に粘度が高く、ハンドリング性に劣ることがわかった。なお、150℃では溶融しなかったため、粘度は測定できなかった。また、エポキシ当量は299g/eqであった。
Figure 2009155253
(実施例5)
実施例1で得られた化合物74.4g(0.138mol)、アクリル酸(東京化成工業(株)製)25.9g(0.359mol)、p−トルエンスルホン酸(キシダ化学(株)製)3.28g(0.017mol)、トルエン135g(1.463mol)、及びメトキノン(キシダ化学(株)製)0.3g(0.002mol)を仕込み、100℃〜115℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、20%食塩水で洗浄を行った。洗浄後、トルエンを除去し、粘稠物を得た。さらに、得られた粘稠物のH−NMR分析を行った結果、目的とするジアクリレート(下記式)であることを確認した。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
4.3ppm(t,4H)、4.5ppm(t,4H)、5.8ppm(d,2H)、6.2ppm(t,2H)、6.4ppm(d,2H)、7.1−7.7ppm(m,18H)、7.9ppm(d,2H)。
得られた粘稠物のHPLC純度は、BNF−EOにアクリル酸が1つ付加した化合物(モノアクリレート体)が5.3%、2個付加した目的物(下記式)が85.6%、複数の分子にアクリル酸が1つ又は2つ付加した不純物の多量体が2.7%であった。そして、得られた粘稠物の屈折率は1.6483、粘度は230.2mPa・sであり、加熱残分は65.0%であり、ヘーズ(HAZE)が50.9であった。
Figure 2009155253
(実施例6)
実施例2で得られた化合物78.2g(0.138mol)、アクリル酸(東京化成工業(株)製)25.9g(0.359mol)、p−トルエンスルホン酸(キシダ化学(株)製)3.28g(0.017mol)、トルエン135g(1.463mol)、及びメトキノン(キシダ化学(株)製)0.3g(0.002mol)を仕込み、100℃〜115℃で還流しながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、20%食塩水で洗浄を行った。洗浄後、トルエンを除去し、粘稠物を得た。さらに、得られた粘稠物のH−NMR分析を行った結果、目的とするジアクリレート(下記式)であることを確認した。
得られた粘稠物のHPLC純度は、BNF−POにアクリル酸が1つ付加した化合物(モノアクリレート体)が15.5%、2個付加した目的物(下記式)が57.9%であった。そして、得られた粘稠物の屈折率は1.6427、粘度は60.2mPa・sであり、加熱残分は55.34%であり、ヘーズ(HAZE)が55.38であった。
Figure 2009155253

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2009155253
    (式中、環Zは縮合多環式芳香族炭化水素環、Rはシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、Rはアルキレン基を示し、Rは炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示し、kは0〜4の整数、mは1以上の整数、nは0又は1以上の整数、pは1以上の整数である。)
  2. 式(1)において、Zがナフタレン環であり、RがC2−4アルキレン基であり、mが1〜4である請求項1記載の化合物。
  3. 式(1)において、pが1〜3である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 式(1)において、Rが分岐C3−4アルキレン基である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 下記式(1A)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2009155253
    (式中、n1およびn2はそれぞれ0〜3の整数を示し、n1+n2=nであり、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
  6. 9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンである請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 9,9−ビス(ヒドロキシ分岐C3−4アルコキシナフチル)フルオレンである請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
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