JP2021116249A - フルオレン骨格を有するビスナフトールの結晶及びその製造方法 - Google Patents

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優樹 山澤
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哲 福田
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崇史 佐伯
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Abstract

【課題】溶媒を包接していない下記式(1)で表される化合物の結晶の製造方法であって、塩素化脂肪族炭化水素類を使用しない製造方法を提供すること。【解決手段】特定の製造方法により、下記式(1)で表される化合物の新規な結晶(B)が得られること、該結晶(B)を特定の方法で処理することにより、溶媒を包接していない下記式(1)で表される化合物の新規な結晶(A)が得られること、及び該結晶(A)を用いることにより、塩素化脂肪族炭化水素類を用いずとも、反応等で使用した溶媒を包接していない、下記式(1)で表される化合物の結晶(A)を簡便に製造可能であることを見出した。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、光学レンズや光学シートに代表される光学部材を構成する樹脂(光学樹脂)の原材料として好適なフルオレン骨格を有するビスナフトールの結晶及びその製造方法に関する。
フルオレン骨格を有するビスナフトールを原材料とするポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂材料は、光学特性、耐熱性等に優れることから、近年、光学レンズや光学シートなどの新たな光学材料として注目されており、該フルオレン骨格を有するビスナフトールとして、例えば、下記式(1):
Figure 2021116249
で表される化合物が知られている。
ところで、上記式(1)で表される化合物は、製造時に該化合物を結晶として取り出す際、反応や晶析時に使用した種々の溶媒を包接した結晶が得られ易く、例えば、特許文献1には、晶析溶媒であるトルエンを包接した結晶が記載され、また、特許文献2には、晶析溶媒であるアセトニトリルを包接した結晶や酢酸エチルを包接した結晶が記載されている。
しかしながら、例えば、溶融重合法により樹脂を製造するに際し、これら種々の溶媒を包接した結晶を原料として使用すると、該結晶の溶融中に、包接されている溶媒が放出されるため、放出された溶媒を安全に系外へと除去する必要が生じたり、包接されている溶媒の影響で得られる樹脂の品質が一定とならない等の問題を引き起こすことがある。そこで、特許文献1では、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶及びその製造方法が提案されている。
中国特許公開公報108586205号 中国特許公開公報104230671号
特許文献1では、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶の製造法として、上記式(1)で表される化合物を結晶として取り出す際に晶析溶媒として1−クロロプロパン、1,2−ジクロロエタン及びクロロホルム等の塩素化脂肪族炭化水素類を使用し、得られた結晶を100℃/1.33kPaの条件で5〜10時間乾燥する方法が記載されている。しかしながら、前記塩素化脂肪族炭化水素類は、環境への負荷が大きく、中にはヒトへの発癌性が疑われるものもあり、極力使用しないことが望まれる。
本発明は、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶の製造方法であって、塩素化脂肪族炭化水素類を使用しない製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記する製法により、上記式(1)で表される化合物の新規な結晶(B)が得られること、該結晶(B)を特定の方法で処理することにより、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の新規な結晶(A)が得られること、及び該結晶(A)を用いることにより、塩素化脂肪族炭化水素類を用いずとも、反応等で使用した溶媒を包接していない、上記式(1)で表される化合物の結晶(A)を簡便に製造可能であることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
〔1〕
Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、2θ=9.6°±0.2°、14.2°±0.2°、17.6°±0.2°及び20.7°±0.2°に回折ピークを有する、下記式(1)で表される化合物の結晶(A)。
Figure 2021116249
〔2〕
25℃で液状である有機化合物の残存量が1重量%以下である、〔1〕に記載の結晶(A)。
〔3〕
Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、2θ=17.8°±0.2°、20.6°±0.2°、22.0°±0.2°及び26.9°±0.2°にピークを有する、下記式(1)で表される化合物の結晶(B)。
Figure 2021116249
〔4〕
下記式(1)で表される化合物の結晶(B)と芳香族炭化水素類とを、90℃以上で接触させる工程を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の結晶(A)の製造方法。
Figure 2021116249
〔5〕
9−フルオレノン1重量部に対し0.5〜5重量部の芳香族炭化水素類、及び0.005〜0.5重量部のヘテロポリ酸存在下、9−フルオレノンと2−ナフトールとを反応させる際、該反応中に、下記式(1)で表される化合物の結晶(A)を添加することにより、該反応により生成する下記式(1)で表される化合物の一部又は全部を析出させる工程を含む、請求項〔1〕又は〔2〕に記載の結晶(A)の製造方法。
Figure 2021116249
〔6〕
9−フルオレノン1重量部に対し0.5〜5重量部の芳香族ハロゲン化物、及び0.005〜0.5重量部のヘテロポリ酸存在下、9−フルオレノンと2−ナフトールとを反応させる際、該反応中に、該反応により生成する下記式(1)で表される化合物の一部又は全部を析出させる工程を含む、〔3〕に記載の結晶(B)の製造方法。
Figure 2021116249
本発明の製造方法によれば、環境への負荷が大きい塩素化脂肪族炭化水素類を使用せずとも、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶が得られる。特に本発明の製造方法によれば、本来包接されるはずの芳香族炭化水素類を反応や晶析の溶媒として用いても芳香族炭化水素類が包接されず、溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶が製造可能となることから、特殊な溶媒を使用せずとも、より安価に、かつ容易に溶媒を包接していない上記式(1)で表される化合物の結晶が提供可能となる。
また、本発明の製造方法で得られる上記式(1)で表される化合物の新規な結晶は、溶媒を包接していないことから、例えば、樹脂を溶融重合法により製造するに際し、その原料として好適に用いることができる。
実施例1で得られた結晶(B)の粉末X線回折(XRD)パターンを示す図である。 実施例2で得られた結晶(A)の粉末X線回折(XRD)パターンを示す図である。
まず、本発明の上記式(1)で表される化合物の結晶(A)、及びその製造中間体となる結晶(B)について、以下詳述する。
<結晶(A)>
結晶(A)は、後述する実施例の項に記載の条件にて測定される、Cu−Kα線による粉末X線回折パターン(XRD)において、回折角2θ=9.6°±0.2°、14.2°±0.2°、17.6°±0.2°及び20.7°±0.2°、より詳細には、回折角2θ=9.6°±0.2、13.4°±0.2°、14.2°±0.2°、17.6°±0.2°、20.7°±0.2°、21.3°±0.2°及び24.7°±0.2°に特徴的なピークを有する。特に、2θ=14.2°±0.2°において、最大のピーク強度(Iαmax)を示し得る。また、典型的には、図2に示すX線回折パターンを有する。
また、結晶(A)は、反応等で使用した溶媒(室温(25℃)で液状である有機化合物)を包接していないとの特徴を有する。なお、本発明において溶媒(25℃で液状である有機化合物)を包接していないとは、後述する実施例の項にて記載される方法で求めた、25℃で液状である有機化合物の残存量が1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下であることをいう。
<結晶(B)>
結晶(B)は、後述する実施例の項に記載の条件にて測定される、Cu−Kα線による粉末X線回折パターン(XRD)において、回折角2θ=17.8°±0.2°、20.6°±0.2°、22.0°±0.2°及び26.9°±0.2°、より詳細には、回折角2θ=16.3°±0.2°、17.8°±0.2°、19.3°±0.2°、20.6°±0.2°、22.0°±0.2°、23.2°±0.2°、26.9°±0.2°及び27.5°±0.2°に特徴的な回折ピークを有する。特に20.6°±0.2°において、最大のピーク強度(Iαmax)を示し得る。また、典型的には、図1に示すX線回折パターンを有する。
結晶(A)は、後述する結晶(A)製法(I)又は結晶(A)製法(II)により製造することができる。また、上記結晶(B)は、後述する結晶(B)製法により製造することができる。以下、これら製法について詳述する。
<結晶(B)製法>
上記結晶(B)製法は、後述する特定量の芳香族ハロゲン化物及びヘテロポリ酸存在下に9−フルオレノンと2−ナフトールとの反応を行う際、該反応中に、該反応により生成する上記式(1)で表される化合物の一部または全部を析出させる工程を含む。なお、該工程において、生成した上記式(1)で表される化合物は、反応中のいずれかの時点においてその一部または全部が析出していればよい。また、一度析出した上記式(1)で表される化合物は、通常、その一部が再溶解する場合はあるが、全部が再溶解することはない。以下、結晶(B)製法について詳述する。
上記結晶(B)製法における2−ナフトールの使用量は、例えば、9−フルオレノン1モルに対し2.0〜3.0モル、好ましくは2.1〜2.5モルである。
上記結晶(B)製法において用いられる芳香族ハロゲン化物としては、例えば、ベンゼン、トルエン又はキシレンの水素原子の少なくとも一つが塩素原子に置換した化合物、ベンゼン、トルエン又はキシレンの水素原子の少なくとも一つが臭素原子に置換した化合物等が挙げられ、ベンゼン、トルエン又はキシレンの水素原子の少なくとも一つが塩素原子に置換した化合物としては、例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、モノクロロトルエン、ジクロロトルエン、トリクロロトルエン、モノクロロキシレン、ジクロロキシレン等が挙げられ、ベンゼン、トルエン又はキシレンの水素原子の少なくとも一つが臭素原子に置換した化合物としては、例えば、モノブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、モノブロモトルエン、ジブロモトルエン、トリブロモトルエン、モノブロモキシレン、ジブロモキシレン等が挙げられる。これら芳香族ハロゲン化物の中でも、入手性がよいことからベンゼン、トルエン又はキシレンの水素原子の少なくとも一つが塩素原子に置換した化合物が好ましく、モノクロロベンゼンまたはジクロロベンゼンがより好ましい。これら芳香族ハロゲン化物は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、芳香族ハロゲン化物の使用量としては、例えば、9−フルオレノン1重量部に対し0.5〜5重量部、好ましくは1〜5重量部、より好ましくは1〜4重量部である。使用量を、9−フルオレノン1重量部に対し0.5重量部以上とすることにより、充分な反応速度得ることが可能となり、5重量部以下とすることにより、反応中に生成した上記式(1)で表される化合物の一部または全部を析出させることが可能となる。
上記結晶(B)製法において用いられるヘテロポリ酸とは、リン、ヒ素、スズ、ケイ素、チタン、ジルコニウムなどの元素の酸素酸イオン(例えば、リン酸、ケイ酸)とモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの元素の酸素酸イオン(例えば、バナジン酸、モリブデン酸、タングステン酸)とで構成された酸であり、その組み合わせにより種々のヘテロポリ酸が選択可能である。
上記結晶(B)製法において用いられるヘテロポリ酸を構成する酸素酸の元素として例えば、銅、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、セリウム、トリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ウラン、セレン、テルル、マンガン、ヨウ素、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げられる。これら酸素酸の原子の中でも、入手性の観点からケイ素、バナジウム、モリブデン、タングステンから選ばれた少なくとも1種の元素を含有したヘテロポリ酸が好ましく、特に、リン又はケイ素と、バナジウム、モリブデンおよびタングステンから選ばれた少なくとも1種の元素とを含有したヘテロポリ酸が好ましい。具体的に例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸などが挙げられる。
上記結晶(B)製法において用いられるヘテロポリ酸は、プロトンの一部もしくは全てが他のカチオンで置き換えられたヘテロポリ酸の塩であってもよい。プロトンと置換可能なカチオンとして例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。また、ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよい。更に、これらヘテリポリ酸は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、ヘテロポリ酸の使用量としては、例えば、9−フルオレノン1重量部に対し0.005〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
上記結晶(B)製法を実施する際、チオール類を併用してもよい。チオール類を併用することにより反応速度を向上させることが可能となる場合があり好ましい。本発明において併用してもよいチオール類としては、例えば、メルカプトカルボン酸、アルキルメルカプタン、アラルキルメルカプタン及びこれらの塩が挙げられる。メルカプトカルボン酸の具体例としては、チオ酢酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオシュウ酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸等が挙げられる。アルキルメルカプタンの具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。アラルキルメルカプタンの具体例としては、ベンジルメルカプタン等が挙げられる。また、これらの塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、メチルメルカプタンナトリウム、エチルメルカプタンナトリウムなどのナトリウム塩など)が挙げられる。これらチオール類の中でも安価に入手可能なことからβ-メルカプトプロピオン酸及びドデシルメルカプタンが好ましい。これらチオール類は1種、あるいは必要に応じ2種以上併用してもよい。
また、チオール類を併用する場合、その使用量としては、例えば、9−フルオレノン1重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
上記結晶(B)製法を実施する際の反応温度は、例えば、60〜130℃、好ましくは80〜100℃である。
上記結晶(B)製法を実施する際、常圧あるいは減圧下、副生する水を除去しながら反応を実施してもよい。減圧下に反応を行う場合、例えば、内圧7〜80kPaとする。
上記結晶(B)製法において、反応後、得られた反応混合物から上記結晶(B)を取り出す操作を行う。具体的には、例えば、反応混合物を10〜70℃まで冷却した後、無機塩基及び水を反応混合物に添加し、5分以上、好ましくは10分〜5時間混合し、必要に応じ、更に反応混合物を冷却した後、結晶を分離する。
上記無機塩基としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩等が例示される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物として具体的に例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。これら無機塩基の中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましい。これら無機塩基は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
無機塩基の使用量としては、例えば、上記結晶(B)製法において用いたヘテロポリ酸1モルに対し12〜26モル、好ましくは20〜25モルである。また、水の使用量としては、例えば、前記無機塩基1重量部に対し、1〜19重量部である。これら無機塩基および水は、反応混合物に添加する際、別々に添加してもよく、無機塩基の水溶液として添加してもよい。
分離した結晶(B)は、上述した芳香族ハロゲン化物及び/又は水で洗浄してもよい。また、分離した結晶(B)を、常圧あるいは減圧下、必要に応じ加熱しながら該結晶に付着している芳香族ハロゲン化物等を除去してもよい。加熱を行う場合、その温度は、例えば、120℃以下、好ましくは100℃以下とする。
<結晶(A)製法(I)>
上記結晶(A)製法(I)は、結晶(B)と芳香族炭化水素類とを、90℃以上で接触させる工程を含む。以下、結晶(A)製法(I)について詳述する。
結晶(B)と芳香族炭化水素類とを接触させる際、該結晶の一部が該芳香族炭化水素類に溶解してもよいが、該結晶が完全に溶解すると、結晶(A)が得られなくなる場合がある。また、接触させる方法の具体例としては、結晶(B)と後述する芳香族炭化水素類とを同じ容器に入れ、混合する操作が挙げられる。
上記結晶(A)製法(I)において用いられる芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。これら芳香族炭化水素類の中でも、トルエンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、芳香族炭化水素類の使用量としては、例えば、上記結晶(A)製法(I)において使用される結晶(B)1重量部に対し3〜5重量部、好ましくは3.5〜4.5重量部である。
上記結晶(A)製法(I)において、結晶(B)と上記芳香族炭化水素類とを接触させる温度は、例えば、90℃以上、使用する芳香族炭化水素類の沸点以下、好ましくは100〜120℃である。また、接触させる時間は、例えば、3時間以上である。
上記結晶(A)製法(I)において、反応終了後、得られた混合物から上記結晶(A)を取り出す操作を行う。具体的には、例えば、前記工程実施後に得られた混合物を30℃以下に冷却した後、結晶を分離する。分離した結晶(A)は、必要に応じ、上記結晶(A)製法(I)で使用した芳香族炭化水素類で洗浄してもよい。また、分離した結晶(A)は、常圧あるいは減圧下、必要に応じ加熱しながら結晶に付着している芳香族炭化水素類を除去してもよい。加熱を行う場合、その温度は、例えば、120℃以下、好ましくは100℃以下とする。
このようにして得られた上記結晶(A)は、上記した特徴を有する。また、上記結晶(A)製法(I)にて一度上記結晶(A)を製造すれば、該結晶を用いて、以下に述べる結晶(A)製法(II)により、より簡便に上記結晶(A)を製造することが可能となる。
<結晶(A)製法(II)>
上記結晶(A)製法(II)は、特定量の芳香族炭化水素類及びヘテロポリ酸存在下、9−フルオレノンと2−ナフトールとの反応を行う際、該反応中に上記結晶(A)を所謂種晶として添加することにより、該反応により生成する下記式(1)で表される化合物の一部または全部を析出させる工程を含む。なお、該工程において、生成した上記式(1)で表される化合物は、反応中のいずれかの時点においてその一部または全部が析出していればよい。また、一度析出した上記式(1)で表される化合物は、通常、その一部が再溶解する場合はあるが、全部が再溶解することはない。以下、結晶(A)製法(II)について詳述する。
上記結晶(A)製法(II)における2−ナフトールの使用量は、例えば、該製法において用いられる9−フルオレノン1モルに対し2.0〜3.0モル、好ましくは2.1〜2.5モルである。
上記結晶(A)製法(II)において用いられる芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。これら芳香族炭化水素類の中でも、トルエン及びキシレンが好ましく、トルエンがより好ましい。また、これら芳香族炭化水素類は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族炭化水素類の使用量としては、例えば、上記結晶(A)製法(II)において用いられる9−フルオレノン1重量部に対し、0.5〜5重量部、好ましくは4〜5重量部である。
上記結晶(A)製法(II)において用いられるヘテロポリ酸とは、リン、ヒ素、スズ、ケイ素、チタン、ジルコニウムなどの元素の酸素酸イオン(例えば、リン酸、ケイ酸)とモリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの元素の酸素酸イオン(例えば、バナジン酸、モリブデン酸、タングステン酸)とで構成された酸であり、その組み合わせにより種々のヘテロポリ酸が選択可能である。
上記結晶(A)製法(II)において用いられるヘテロポリ酸を構成する酸素酸の元素として例えば、銅、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、セリウム、トリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ウラン、セレン、テルル、マンガン、ヨウ素、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金などが挙げられる。これら酸素酸の原子の中でも、入手性の観点からケイ素、バナジウム、モリブデン、タングステンから選ばれた少なくとも1種の元素を含有したヘテロポリ酸が好ましく、特に、リン又はケイ素と、バナジウム、モリブデンおよびタングステンから選ばれた少なくとも1種の元素とを含有したヘテロポリ酸が好ましい。具体的には、例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸などが挙げられる。
上記結晶(A)製法(II)において用いられるヘテロポリ酸は、プロトンの一部もしくは全てが他のカチオンで置き換えられたヘテロポリ酸の塩であってもよい。プロトンと置換可能なカチオンとして例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。また、ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよい。更に、これらヘテリポリ酸は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、ヘテロポリ酸の使用量としては、例えば、上記結晶(A)製法(II)において用いられる9−フルオレノン1重量部に対し0.005〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
上記結晶(A)製法(II)を実施する際、チオール類を併用してもよい。チオール類を併用することにより反応速度を向上させることが可能となる場合があり好ましい。本発明において併用してもよいチオール類としては、例えば、メルカプトカルボン酸、アルキルメルカプタン、アラルキルメルカプタン及びこれらの塩が挙げられる。メルカプトカルボン酸の具体例としては、チオ酢酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオシュウ酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸等が挙げられる。アルキルメルカプタンの具体例としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。アラルキルメルカプタンの具体例としては、ベンジルメルカプタン等が挙げられる。また、これらの塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、メチルメルカプタンナトリウム、エチルメルカプタンナトリウムなどのナトリウム塩など)が挙げられる。これらチオール類の中でも安価に入手可能なことからβ-メルカプトプロピオン酸及びドデシルメルカプタンが好ましい。これらチオール類は、単独でもちいてもよく、2種以上併用してもよい。
また、チオール類を併用する場合、その使用量は、例えば、上記結晶(A)製法(II)において用いられる9−フルオレノン1重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
上記結晶(A)製法(II)を実施する際の反応温度は、例えば、60〜130℃、好ましくは100〜120℃である。
上記結晶(A)製法(II)を実施する際、常圧あるいは減圧下、副生する水を除去しながら反応を実施してもよい。減圧下に反応を行う場合、内圧は、例えば、7〜80kPaである。
上記結晶(A)製法(II)において、反応中に上記結晶(A)を添加することにより、反応で生成する下記式(1)で表される化合物の一部又は全部を析出させる方法としては、例えば、上記反応温度で反応開始後一定時間(例えば、1時間)経過してから、上記結晶(A)の添加を開始し、該結晶が完溶しなくなるまで適宜添加を繰り返す方法が挙げられる。
上記結晶(A)製法(II)において、反応終了後、得られた反応混合物から上記結晶(A)を取り出す操作を行う。具体的には、例えば、反応混合物を10〜70℃まで冷却した後、同温度で無機塩基及び水を反応混合物に添加し、5分以上、好ましくは15分〜5時間混合し、必要に応じ、更に反応混合物を冷却した後、結晶を分離する。
上記無機塩基としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩等が例示される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物として具体的に例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。これら無機塩基の中でも、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましい。これら無機塩基は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、無機塩基の使用量としては、例えば、上記反応晶析工程で用いたヘテロポリ酸1モルに対し12〜26モル、好ましくは20〜25モルである。また、水の使用量としては、例えば、前記無機塩基1重量部に対し、1〜19重量部である。これら無機塩基および水は、反応混合物に添加する際、別々に添加してもよく、無機塩基の水溶液として添加してもよい。
分離した上記結晶(A)は、上記結晶(A)製法(II)において使用される芳香族炭化水素類及び/又は水で洗浄してもよい。また、分離した上記結晶(A)を、常圧あるいは減圧下、必要に応じ加熱しながら該結晶に付着している芳香族炭化水素類等を除去してもよい。加熱を行う場合、その温度は、例えば、120℃以下、好ましくは100℃以下とする。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。例中、各種測定は下記の方法で実施した。また、例中、9−フルオレノンの残存率および上記式(1)で表される化合物の純度は、それぞれ下記条件で測定したHPLCの面積百分率値である。
(1)HPLC測定
装置 :島津製作所製 LC−2030
カラム:XBridge RP18(3.5μm、4.6mmφ×250mm)
移動相:純水/アセトニトリル
(アセトニトリル:65%(10min hold)→65%(10min)→100%(10min hold)
流量 :1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出波長:UV 254nm
<9−フルオレノンの残存率>
反応混合物1滴を5mLのアセトニトリルに溶解させ測定用サンプルを調製した。得られたサンプルを上記条件にてHPLCで測定し、9−フルオレノンの面積百分率値を算出した。なお、面積百分率値を算出する際、モノクロロベンゼン、トルエン及び2−ナフトールのピークは除外した。
<上記式(1)で表される化合物の純度>
上記式(1)で表される化合物の結晶30mgを20mLのアセトニトリルに溶解させて測定用サンプルを調製した。得られたサンプルを上記条件にてHPLCで測定し、上記式(1)で表される化合物の面積百分率値を算出した。
(2)粉末X線回折(XRD)測定
上記式(1)で表される化合物の結晶150mgをガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回折装置(スペクトリス社製:X’PertPRO)を用いて下記の条件で測定した。
X線源 :Cu−Kα
出力 :1.8kW(45kV−40mA)
測定範囲 :2θ=5°〜70°
スキャン速度:2θ=2°/min
スリット :DS=1°、マスク=15mm、RS=可変(0.1mm〜)
(3)25℃で液状である有機化合物の残存量の測定
25℃で液状である有機化合物の残存量については、下記条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
装置 :島津製作所製 GC−2010Plus
カラム:DB−1(0.25μm、0.25mmID×30m)
昇温 :40℃(5分保持)→20℃/min→300℃(7分保持)
Inj温度:280℃、Det温度:300℃、スプリット比 1:50
キャリアー:窒素87.6kPa(一定)
サンプル調製方法:十分に乾燥させた上記式(1)で表される化合物の結晶50mgを20mlメスフラスコに量り取り、テトラヒドロフランでメスアップさせ溶解したものを試料溶液とした。
一方、残存量を確認したい化合物50mgを20mlメスフラスコに量り取り、テトラヒドロフランでメスアップさせ溶解したものを標準溶液とした。
試料溶液及び標準溶液を上述の条件にて分析し、得られた各成分のピーク面積をデータ処理装置で求め、各成分の残存量(重量%)を算出した(外部標準法)。
<実施例1>
ガラス製反応器に、9−フルオレノン25.1g、2−ナフトール48.2g、1−ドデカンチオール1.4g、リンタングステン酸1.2g及びモノクロロベンゼン99.9gを仕込み、内圧20kPaまで減圧後、撹拌しながら86℃まで昇温し、同温度で7時間、還流脱水しながら反応を行い、反応混合物を得た。なお、86℃まで昇温後、3時間後に結晶の析出が確認され、その後反応が終了するまで結晶が析出していた。また、反応後に得られた反応混合物について、9−フルオレノンの残存率を確認したところ、残存率は0.02%であった。
次いで、撹拌しながら前記反応混合物を63℃まで冷却し、24%水酸化ナトリウム水溶液0.76gを加え、60〜65℃で5分間撹拌し、撹拌後25℃まで冷却し、結晶を濾別した。
濾別した結晶をモノクロロベンゼン50.0gで2回、イオン交換水50.0gで2回洗浄した後、該結晶を内圧1.1kPaの減圧下、結晶温度85〜90℃で5時間乾燥することで、上記式(1)で表される化合物の結晶(B)56g(純度:98.5%)を得た。得られた結晶(B)のX線回折パターンを図1に示すと共に、粉末X線回折によって得られたピークの内、主要ピーク(相対強度20%以上のピーク)を以下表1に示す。
Figure 2021116249
<実施例2>
ガラス製反応器に、結晶(B)150.0gとトルエン574.2gを仕込み、撹拌しながら110℃まで昇温し、同温度で懸濁状態のまま3時間保温した。次いで、撹拌しながら25℃まで冷却した後、結晶を濾別した。濾別した結晶をトルエン50.0gで2回洗浄した後、エバポレーターを用いて、洗浄後の結晶を40〜45℃、1.4kPaの減圧下で6時間乾燥し、上記式(1)で表される化合物の結晶(A)127.2g(純度:99.8%)を得た。得られた結晶(A)の25℃で液状である有機化合物の残存量は0.2重量%であった。また、得られた結晶(A)の粉末X線回折パターンを図2に示すと共に、粉末X線回折によって得られたピークの内、主要ピーク(相対強度20%以上のピーク)を以下表2に示す。
Figure 2021116249
<実施例3>
ガラス製反応器に、9−フルオレノン25.0g、2−ナフトール48.0g、1−ドデカンチオール1.4g、リンタングステン酸0.63g及びトルエン113gを仕込み、撹拌しながら117℃まで昇温した後、同温度で13時間還流脱水しながら反応を行い、反応混合物を得た。なお、昇温後1時間経過時点から5時間経過時点まで、上記結晶(A)を1時間毎に1.0gずつ、計5回添加したが、結晶の析出はみられず、昇温後5.5時間経過した時点で、更に上記結晶(A)を0.5g添加したところ、結晶の析出を確認し、その後、結晶は完溶することなく析出したままであった。また、得られた反応混合物中の9−フルオレノンの残存率は0.1%であった。
反応後、撹拌しながら前記反応混合物を64℃まで冷却し、24%水酸化ナトリウム水溶液0.77g、水25.0gを加え、61〜62℃で15分間撹拌した後、26℃まで冷却し、10時間撹拌を行った。その後、26℃で結晶を濾別し、濾別した結晶をトルエン50.0gで2回、イオン交換水50.0gで1回洗浄した後、エバポレーターを用いて、洗浄後の結晶を40℃、1.3kPaの減圧下で6時間乾燥し、上記式(1)で表される化合物の結晶(A)37g(純度:97.7%)を得た。得られた結晶(A)の25℃で液状である有機化合物の残存量は0.2重量%であった。また、得られた結晶(A)について、上記測定条件にて粉末X線回折(XRD)測定を行ったところ、粉末X線回折パターンにおいて、回折角2θ=9.61°、13.45°、14.17°、17.55°、20.66°、21.31°及び24.72°にピークを有することを確認した。

Claims (6)

  1. Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、2θ=9.6°±0.2°、14.2°±0.2°、17.6°±0.2°及び20.7°±0.2°に回折ピークを有する、下記式(1)で表される化合物の結晶(A)。
    Figure 2021116249
  2. 25℃で液状である有機化合物の残存量が1重量%以下である、請求項1に記載の結晶(A)。
  3. Cu−Kα線による粉末X線回折パターンにおいて、2θ=17.8°±0.2°、20.6°±0.2°、22.0°±0.2°及び26.9°±0.2°にピークを有する、下記式(1)で表される化合物の結晶(B)。
    Figure 2021116249
  4. 下記式(1)で表される化合物の結晶(B)と芳香族炭化水素類とを、90℃以上で接触させる工程を含む、請求項1又は2に記載の結晶(A)の製造方法。
    Figure 2021116249
  5. 9−フルオレノン1重量部に対し0.5〜5重量部の芳香族炭化水素類、及び0.005〜0.5重量部のヘテロポリ酸存在下、9−フルオレノンと2−ナフトールとを反応させる際、該反応中に、下記式(1)で表される化合物の結晶(A)を添加することにより、該反応により生成する下記式(1)で表される化合物の一部又は全部を析出させる工程を含む、請求項1又は2に記載の結晶(A)の製造方法。
    Figure 2021116249
  6. 9−フルオレノン1重量部に対し0.5〜5重量部の芳香族ハロゲン化物、及び0.005〜0.5重量部のヘテロポリ酸存在下、9−フルオレノンと2−ナフトールとを反応させる際、該反応中に、該反応により生成する下記式(1)で表される化合物の一部又は全部を析出させる工程を含む、請求項3に記載の結晶(B)の製造方法。
    Figure 2021116249
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