JP2008545581A - 能動式クッション - Google Patents

Abstract

車両のための能動式クッションが提供され、このクッションは、可膨張性でかつ膨張状態および非膨張状態の双方において自立性の中空本体を備えている。

Description

関連出願

本願は、「能動式クッション」と題して２００５年６月３日付けで提出された米国特許仮出願第６０／６８７,０３５号および「能動式クッション」と題して２００６年１月２６日付けで提出された米国仮特許出願第６０／７６２,４６３号の優先権を主張した出願であり、それらの内容の全ては引例として本明細書に組み入れられる。

本発明は、概して乗用車のような動力付き車両に取り付けられることが多い防護装置に関し、特に本発明は車室内部で用いるための可膨張性クッションに関するものである。

衝突事故時において車両乗員を防護するためにいくつかの形式の装置が提案されて来た。このような装置は、受動式装置または能動式装置として分類することができる。

受動式安全装置は、衝突事故時に変形してエネルギーを吸収する。しかしながら受動式装置は、衝突事故時に、固定された位置に留まっているままである。したがって、衝突事故時に車両乗員が受動式装置に当たる以前に加速する距離が比較的長い。

能動式安全装置は、車両乗員に比較的近接するように、衝突事故に先立って速やかに展張するものである。乗員と安全装置との間の距離を短縮することにより、乗員が安全装置に当たる以前に加速する時間が短縮され、したがって乗員が負傷する可能性が低くなる。一般的な能動式安全装置は、衝突事故に先立って膨張するエアバッグを組み込んでいる。このエアバッグは一般に展張されるまで筺体内に収納されている布製バッグである。しかしながら、エアバッグ装置は、それが取り付けられる車両のサブアセンブリを複雑にし、かつコストを上昇させることになる。

比較的安価に車両に組み込むことができる能動式安全装置を提供できれば好都合であろう。

第１の様相において、本発明は車両のための能動式クッションに関し、このクッションは、可膨張性でかつ膨張状態および非膨張状態の双方において自立性の中空本体を備えている。

上記本体は、直接的に、またはカバーをかけた状態で、車両の外観内装の一部を形成する第１の面として作用する。

上記本体は、車両のシートに取り付けられたヘッドレスト、または車両のドアに取り付けられたアームレストのような車両の構造部材と置換してもよい。

上記本体は、随意的に、その内部に充填された加圧ガスを抜くためのガス抜き手段を備えていてもよい。このガス抜き手段は、上記本体の壁に開けられた、選択されたサイズの１個または複数の孔を備えたものでもよい。あるいは、上記ガス抜き手段がリリーフ弁のような構造体を備えていてもよい。

別の様相において、本発明は、車室内の後部座席の前方に配置されたシートの背面に取り付けられた可膨張性装置に関する。この可膨張性装置は、車両の衝突事故時に後部座席の乗員を防護するために膨張可能である。

さらに別の様相において、本発明は、シートベルトを装着した乗員の身体が衝突事故時に車両のシートに潜り込むのを阻止するための可膨張性腰椎クッションに関する。

さらに別の様相において、本発明は、シートベルトを装着した乗員の身体が衝突事故時に車両のシートに潜り込むのを阻止するための可膨張性前方骨盤クッションに関する。

さらに別の様相において、本発明は、シートベルトを装着した乗員の身体が衝突事故時に車両のシートに潜り込むのを阻止するための可膨張性腰椎クッションおよび可膨張性前方骨盤クッションの組合せに関する。

さらに別の様相において、本発明は、車両のドアのための可膨張性アームレストに関する。

さらに別の様相において、本発明は、車両のドアに取り付けるための装置に関し、この装置は、可膨張性クッションおよびアームレストを含む。上記可膨張性クッションは、可膨張性中空本体を備えている。この可膨張性中空本体は、膨張状態および非膨張状態の双方において自立性を有する。上記アームレストは上記本体部と一体に連結されている。

さらに別の様相において、本発明は、単一のインフレータに連通された複数の可膨張性部分を備えた可膨張性装置に関する。例えば、上記複数の可膨張性部分は、ドアのアームレストの上方および下方で膨張するように配置される。

本発明の実施の形態の第１の様相によれば、車両の側部に取り付けるための可膨張性サイドクッションが提供される。この可膨張性サイドクッションは、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、３）上記可伸張性中空部の膨張に際して、上記車両の室内に向かってかつ上記車両の側部から離れる方向に突出する内壁、および４）上記可伸張性中空部と上記側部との間に配置された外壁を備え、この外壁は、この外壁を上記車両の側部の一部分に取り付けるための少なくとも１個の取付け具を備えた取付け部、およびこの取付け部と境を接する周辺部を備えている。上記外壁は、膨張時に上記少なくとも１個の取付け具によって上記外壁が上記側部の一部分に取り付けられた状態を維持しかつこの外壁の周辺部が膨張時に上記車両の側部の一部分に対して自由に移動して上記可伸張性中空部の伸張を促進するように、少なくとも１個の取付け具によって上記側部の一部分に取付け可能である。

本発明の実施の形態の第２の様相によれば、ウインドウ、このウインドウの一部分に隣接したドア本体、このドア本体に取り付けられたアームレスト、および可膨張性クッションを備えた車両のドアが提供される。上記可膨張性クッションは、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、３）上記可伸張性中空部の膨張に際して車内に向かって内方へ、かつ上記ドアから離れる方向へ突出するための内壁、４）上記可伸張性中空部と上記ドアとの間に配置された外壁を備え、この外壁が、この外壁を上記ドアの一部に取り付けるための少なくとも1個の取付け具を備えた取付け部、およびこの取付け部に境を接する周辺部を有する。上記外壁は、膨張時にこの外壁が上記少なくとも１個の取付け具によって上記ドア本体に取り付けられた状態を維持しかつ膨張時に上記外壁の周辺部が上記ドア本体に対して自由に移動して上記可伸張性中空部の伸張を促進するように、上記少なくとも１個の取付け具によって上記ドア本体に取付け可能である。

本発明の実施の形態の第３の様相によれば、車両の側部のための可膨張性サイドクッションが提供され、この可膨張性サイドクッションは、１）可伸張性中空部、２）
該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、３）上記可伸張性中空部の膨張に際して、上記車両の室内に向かってかつ上記車両の側部から離れる方向に突出する内壁、および４）上記可伸張性中空部と上記側部との間に配置された外壁を備え、この外壁は、この外壁を上記車両の側部の一部分に取り付けるための少なくとも１個の取付け具を備えた取付け部を有する。

本発明の実施の形態の第４の様相によれば、身体支持面、この身体支持面の反対側の背面、および可膨張性クッションを備えた車両のシートが提供される。上記可膨張性クッションは、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、３）上記可伸張性中空部の膨張に際して上記シートから突出して、上記身体支持面および上記背面の少なくとも一方を変位させるための乗員側の壁を有する。

本発明の実施の形態の第５の様相によれば、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および３）膨張に先立って両足を支持し、かつ上記可伸張性中空部の膨張に際して上方へ突出して上記両足を持ち上げるための足支持面を備えた車両のフロアクッションが提供される。

本発明の実施の形態の第６の様相によれば、車両のロールバー上に取り付けるための、車両のロールバークッションが提供される。このロールバークッションは、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、３）上記可伸張性中空部の膨張に際して上記車両のロールバーから外方へ突出するための半径方向外方の壁、および４）上記車両のロールバーに取り付けるための半径方向内方の壁を備えており、この半径方向内方の壁は、上記可伸張性中空部と上記車両のロールバーとの間に配置されている。

本発明の実施の形態の第７の様相によれば、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および３）上記可伸張性中空部の膨張に際して上記車室内に突出するためのルーフ面を備えた車両のルーフクッションが提供される。

本発明の実施の形態の第８の様相によれば、１）可伸張性中空部、２）この可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および３）上記可伸張性中空部の膨張に際して上記車室内に突出するためのピラー面を備えた車両のピラークッションが提供される。

可膨張性クッションの具体例は、米国特許第６,０３２,９７８号、同第６,２０３,０５７号および同第６,５７８,８６７号の各明細書に示された構造を含んでおり、これらの内容の全ては引例として本明細書に組み入れられる。

図１ａ，１ｂ，１ｃおよび１ｄを参照すると、本発明の第１の実施の形態による能動式クッション１０が示されている。この能動式クッション１０は、車両１５のドア１７に取り付けられており（図１ａ参照）、衝突事故時、特に車両１５による側方からの衝撃を受けたときに展開して車両乗員１３（図１ｃ参照）を防護する。この車両１５は、乗用車、ＳＵＶ（スポーツ汎用車）またはピックアップ・トラックのような全ての適用可能な車両を含む。能動式クッション１０は、衝突事故時におけるエネルギーを吸収して乗員１３（図１ｃ参照）の上部胴体、胸部、下部胴体、頭部またはこれらの部位の組合せを保護するように構成することができる。

図１ｃを参照すると、このクッション１０は、中空本体１１および取付け手段２１を備えている。中空本体１１は可膨張性であり、かつ膨張状態（図１ｄ）および非膨張状態（図１ｃ）の双方において自立性を有する。本体１１は、外壁１２、内壁１４および内外壁１４，１２を連結する側壁１６を有する。クッション１０の外壁１２は、車両１５の外側に面した壁である。図１ａ〜１ｄに示された実施の形態においては、外壁１２が取付け手段２１によって保持されている。

内壁１４は車両１５の内側に面した壁である。図１ａおよび１ｃに示されたクッションが折り畳まれた状態においては、内壁１４が車両１５の内側ドアパネル１９の一部を形成している。そのような場合、内壁１４には、例えば車両の内装デザインのテーマに従った適切な仕上げが施されていてもよい。この場合は、内壁１４が第１の面として、すなわち車両乗員１３の目に直接曝される面として機能し得る。

あるいは、布製パネルのような適当な内装ドアパネル・セグメントを内壁１４に取り付けてもよい。この場合は、内壁１４がドアパネル・セグメントを支持する支持体として機能し、これにより、クッション１０が無いときには支持体の交換が必要になっている。

中空本体１１は、図１ｃおよび１ｄに示されているように、側壁１６の周囲に配置された一つ以上の襞（ひだ）１８を備えている。これらの襞１８は、加圧ガスが内部に導入されたときに中空本体１１の伸張を可能にする。襞１８の数、硬さおよび位置は、クッション１０の選ばれた伸張方向に応じて選択することができる。内壁１４および本体１１全体は、車両乗員１３に対して選ばれた位置に位置決めされるので、襞１８は、乗員の選ばれた部位に関する選ばれたエネルギー吸収のために本体１１の伸張度合いおよび方向をコントロールするように構成される。

襞１８は必ずしも側壁１６に位置していなくともよい。例えば図２ａおよび２ｂを参照すると、襞１８が内壁１４に設けられている。襞１８が内壁１４に設けられている場合には、審美的な理由から、内壁１４が適当な内装ドアパネル・セグメントによって覆われて、襞１８を車両乗員の目から隠すのが望ましいであろう。

襞１８は本体１１の稜線間に延びるＵ字状部分として形成され得る。

別の実施の形態として、本体１１が選ばれた形状を有し、折り畳まれ、さもなければ非膨張状態にされる。本体１１はそれ自体上に折り畳まれ、これにより、折り目の少なくとも一部は襞を構成しない。

あるいは、本体１１に生じる伸張方向および伸張度合いをコントロールするために他の手段を組み込むことも可能である。例えば、１本または複数本の繋ぎ綱（不図示）を設けてもよく、各繋ぎ綱は、本体１１上の１点と車両１５上の構造部材との間を連結する。このような繋ぎ綱は本体１１上の襞と組み合わされて任意に働くことができる。

別の実施の形態として、本体１１の壁の厚さがその表面に亘って変化するものであってもよい。本体１１は、伸張に必要な比較的薄い壁を備えることができ、かつ伸張が抑制される比較的厚い壁を備えることができる。より厚い壁およびより薄い壁の領域の位置をコントロールすることにより、伸張度合いおよび伸張方向をコントロールすることができる。このような実施の形態においては、壁の、特に壁が比較的薄い部位の塑性変形の結果、本体１１の伸張が生じることを理解すべきである。しかしながら、或る種の塑性変形は、襞１８を備えた実施の形態の伸張時に発生する。

本体１１の伸張度合いおよび伸張方向をコントロールするための別の手段は、個別にまたは上述の手段と互いに組み合わせて用いることができる。例えば、車体構造に係合するタブ（不図示）を本体１１上の選択された位置に設けることができる。このような係合は、本体１１の他の部分の伸張を許容しながら、本体１１の一部分を固定するのに用いることができ、これにより、本体１１に、例えば一つの角を回る伸張を生じさせることができる。このようなタブは、選択された力レベルにおいて千切れる。あるいは、特定の用途に応じて、タブの代わりにヒンジを用いてもよい。

中空本体１１は、ポリプロピレンを主とする材料のようなポリマー材料から作成されるのが好ましい。中空本体１１は、ブロー成形されたポリプロピレンを主とする材料またはポリオレフィンから形成される。構成材料はリサイクル可能な材料であってもよい。本体１１の種々の部位が種々の材料で形成されることも任意に可能である。このように種々の材料を用いることは、本体１１の展開パターンのコントロールをアシストするのに用いられルことが多い。クッション１０のために熱可塑性樹脂を用いることは、車両の内装デザインにマッチする融通性を提供する。

本体１１を膨張させるために膨張手段（不図示）が備えられている。一般的に、膨張手段は、車両のエアバッグに一般に用いられるような膨張ガス源を備えている。この膨張ガス源は駆動源に連結されている。クッション１０はプラスチックのブロー成形で作成されるのが有利である。ブロー成形は、閉鎖された中空物品を作成するのに特に便利である。中空本体１１は、閉鎖された室である内室を画成する。もしこの室が閉鎖された室であれば、室は、起動されたときに、内部嚢体を必要とせずに中空本体１１を伸張させるのに十分な膨張ガスを閉じ込める。可膨張性クッション１０は内部嚢体を随意的に備えることができ、その場合には、室が十分に気密性である必要はない。内部嚢体が備えられている場合には、適当な嚢体を室内に位置決めしかつ起動されたときに嚢体に加圧ガスを供給する手段を位置決めするアクセス手段を外壁１２が備えているのが好ましい。

図１ｃおよび１ｄを参照すると、中空本体１１は膨張ガスを受け入れるための注入口２０を備えている。膨張ガスは、エアバッグ・システムに用いられるガス・ジェネレータのようないかなる適当な膨張装置によって供給されてもよい。もしクッション１０が複数の室を内部に備えている場合には、注入口２０は、それぞれが注入口２０を内部の室に接続するいくつかの内部導管に分岐していればよい。

中空本体１１は、ガス抜き手段２２を随意的に備えることができる。このガス抜き手段２２は、クッション１０の展開時に本体１１内に発生する圧力を制限し、かつ展開時のクッション１０およびクッション１０による乗員の衝撃に関して選択された力／圧力作用を提供する。ガス抜き手段２２は、乗員１３とクッション１０との間の衝突後に乗員１３をよりゆっくりと（すなわち、より急激でなく）減速させるのに用いられ、これにより、乗員１３が負傷する可能性を低減する。これに加えて、クッション１０の展開後、ガス抜き手段２２は本体１１がしぼむのを許容して、乗員１３があちこち移動したり、車両１５から外へ出たりするスペースを提供する。

ガス抜き手段２２は、例えば図示のような１個または複数個のガス抜き孔２４、あるいはリリーフ弁（不図示）のような他の適当なガス抜き手段である。ガス抜き孔２４が利用される実施の形態においては、ガス抜き孔２４が、本体１１内の圧力上昇を許容すべく適当に小さく形成されて、クッション１０の展開時にクッション１０を伸張させる。

取付け手段２１は、クッション１０を車体構造に取り付けるのに用いられる。取付け手段２１は、取付け用タブ２５を備えた支持部材２３からなる。支持部材２３は外壁１２および側壁１６の一部を捕捉する。取付け用タブ２５は、クッション１０を取外し可能に車体構造に取り付けるのに用いられる留め具（不図示）のための留め具孔（不図示）を備えている。これによって、クッション１０は容易に取外したり交換したりすることができる。外壁１２を捕捉することによって、支持部材２３は中空本体１１が車両１５の外方へ向かって膨張するのを防止し、その結果、本体１１の膨張時に、本体１１が車両１５の内方へ向かって伸張することになる。支持部材２３およびタブ２５は、受ける力および利用できる空間に応じて、金属またはポリマー材料から形成される。

あるいは取付け用タブ２５が本体１１に直接形成されていることも可能である。例えば、強度ならびに膨張時における外方への伸張に対する抵抗のために、本体１１の外壁全体を適当な厚い壁にすることもできる。タブ２５は成形工程において直接外壁に形成することができる。

クッション１０を車体構造に取り付けるために用いられる留め具は、用途に応じて、トリムクリップ、リベット、ねじまたはその他の機械的留め具、あるいは接着剤を含む。

クッション１０は、ドア１７のアームレスト２６の下方に取り付けられたものとして示されている。衝突事故時には、圧縮空気（または適当な圧縮ガス）がインフレータから注入口２０を通じて中空本体１１内に導入される。圧縮ガスは本体１１を伸張させる。図１ａ〜１ｄに示された実施の形態においては、本体１１が車両１５の室内で、ドア１７に隣接するシート２８に座った車両乗員１３の腿および尻部分に向かって直接伸張するように構成されている。このようにして、もし衝突事故によって車両乗員１３がドア１７に向かって加速されたとしても、クッション１０が存在しなかった場合に彼／彼女がドア１７に当たるよりも以前にクッション１０に当たるであろう。その結果、乗員１３がクッション１０に当たったときの速度は、彼／彼女がドア１７までの全行程を自由に加速されるときの速度よりも低くなる。これに加えて、クッション１０は、より長い減速距離を乗員１３に提供することになる。このより低い速度およびより長い減速距離の結果、乗員１３が衝突事故により負傷する可能性が少なくなる。もしクッション１０がガス抜き手段２２を備えていれば、減速がさらに良くコントロールされ、乗員１３が衝突事故により負傷する可能性がさらに少なくなる。

図３ａおよび３ｂを参照すると、クッション１０がドア１７のアームレスト２６の上方に取り付けられたものとして示されている。本実施の形態においては、クッション１０が車両１５の室内で内方に乗員１３に向かって拡がるように、かつ乗員１３の上半身、すなわち肩部分に係合する膨張形態が存在するように構成され、１７ｂで示されたドア本体およびドアウインドウの下部の双方に乗員１３が衝突するのを防止する。ドアウインドウは１７ａで示されている。

シートベルトにより乗員１３の肩部分が所定位置に安全に支持される度合いは尻部分よりも低いので、衝突事故時には、乗員１３の肩部分が尻部分よりも大きく車両のドア１７に向かって動く。したがって、乗員１３の尻部分の防護は価値があるとしても、乗員１３の肩部分がドア１７に衝突するのを防護することも価値がある。図３ａおよび３ｂに示されたクッション１０はこれを達成するものである。これに加えて、乗員１３の肩部分を防護する展開によって、図３ａおよび３ｂにおけるクッション１０は、乗員１３の頭がドア１７に衝突する可能性を低くすることによって、乗員１３の頭をも防護するものである。

図４ａおよび４ｂを参照すると、クッション１０がアームレスト２６の後方に配置されたものとして示されている。この位置においては、クッション１０がアームレスト２６と干渉することなく、ドア本体１７ｂに沿う比較的大きな垂直方向の距離をカバーすることができる。クッション１０は、ドア本体１７ｂの上端と、２８ａで示されたシートの座部との間のほぼ全体の距離をカバーするように構成されている。クッション１０は、乗員１３に向かって内方へ直ちに拡がるように構成され、これにより、乗員の上半身の比較的大きい部分を防護する。

図１６ａ，１６ｂ，１６ｃおよび１６ｄを参照すると、第１クッション部５０および第２クッション部５２を備えたクッション１０が示されている。第１クッション部５０および第２クッション部５２は、５４で示されたインフレータに流体導管５５ａおよび５５ｂを通じて連結されている。したがって、本実施の形態においては、クッション１０は、双方が単一のガス・インフレータによって膨張可能な２個の独立した可膨張性クッション部５０および５２を備えている。このことは、このアセンブリが、２個の独立したクッション・アセンブリおよび２個の独立したインフレータよりも安価である利点を有する。クッション部５０および５２は、図１６ａおよび１６ｂにそれらの非膨張状態が、図１６ｃおよび１６ｄにそれらの膨張状態が示されている。

さらに、共通のインフレータ５４によって膨らまされる第１および第２のクッション部５０および５２にクッション１０が分れていることは、アームレスト２６自体を車室内に押し出すことを回避しながら、ドア本体（図１６ａ，１６ｂ，１６ｃおよび１６ｄには示されていない）のアームレスト２６（図１６ｂおよび１６ｃに示されている）の上下の高さのほぼ全体をクッション１０がカバーすることを可能にする。このことを促進するために、クッション１０は、アームレスト２６の近傍のクッション部５６が比較的硬くかつ膨張不能に形成されている。部分５６を硬くすると、クッション１０の膨張時にクッション１０がアームレスト２６を車室内側に押し出すのを禁止する。したがって、クッション１０を車体構造に取り付けるのに用いられる、取付け孔６２，６４，６６および６８を備えた取付け板５８および６０を硬くされた部分に設けることができる。アームレスト２６の近傍の部分５６においてクッション１０を取り付けることは、クッション１０の膨張時にクッション１０がアームレスト２６を車室内側に押し出すのを禁止することをさらにアシストする。取付け板５８および６０は、クッション１０の残り部分と適当に一体構造となり得るポリマー材料のような、何れの適当な材料で形成されていてもよい。

図１６ｅを参照すると、本発明のさらなる実施の形態による、第１クッション部５０および第２クッション部５２を備えたサイドクッション１０を示す、露出された室内側ドアパネル１９の正面図が描かれている。クッション部５０および５２は、アームレスト２６および露出された室内側ドアパネル１９の離脱可能な室内側パネル部５１との相対位置関係で示されている。離脱可能な室内側パネル部５１は、第２クッション部５２の膨張によってドアパネル１９から外れるようになっている。分かり易いように、図６ａ〜６ｄのサイドクッション１０と図６ｅ〜６ｉのサイドクッション１０との間の類似の構成要素には同一符号が付されている。図１６ｅおよび１６ｆにおいては、クッション部５０および５２が非膨張状態で示されている。

図１６ｆを参照すると、車室内側ドアパネルの露出されていない側が示されており、サイドクッションは、アームレスト２６の上下にそれぞれ配置された第１クッション部５０および第２クッション部５２とともに示されている。インフレータ５４はアームレスト２６の近傍に配置されており、流体導管５５ａと第１クッション部５０との間の接続部７１が示されている。取付け板５８および６０、ならびに取付け孔６２，６４，６６および６８を備えた比較的非伸張性の取付け部６１も示されている。クッション部５０および５２を膨張させる原因となる中空部内の空気圧の上昇による変形に耐えるために取付け部６１の中空部を取り囲む壁の厚さを適当に増大させることによって、取付け部６１に必要な強度および硬さが得られる。取付け部６１の中空部はまた、第１クッション部５０および第２クッション部５２の双方を膨張させるインフレータ・モジュール５４を収容している。取付け部６１は周辺部７２に隣接している。

第１クッション部５０および第２クッション部５２は、それぞれ流体導管５５ａおよび５５ｂによってインフレータ・モジュール５４に連通している。流体導管５５ａと５５ｂとの間の分岐部５５ｃはＶ字状の中空部を形成している。Ｖ字状の分岐部５５ｃの相対比率および向きは、第１クッション部５０および第２クッション部５２に膨張ガスの適当な量を導入して適切に膨張させるように設計されている。各クッション部５０，５２の外壁１２は、膨張時にクッション部５０，５２の外壁１２の周辺部がドアに対して拡がるのを可能にするための襞１８を備えている。

第１クッション部５０および第２クッション部５２はガス抜き孔２４を備えている。ガス抜き孔２４は、展開時のクッション１０内の圧力上昇を制限し、かつ展開時のクッション１０のために選択された力／圧力作用を提供する。ガス抜き孔２４は、車両乗員とクッション１０との間の接触後、車両乗員をゆっくりと減速させるのに用いられ、これにより、乗員が負傷する可能性を低減する。これに加えて、ガス抜き孔２４は、展開後の第１クッション部５０および第２クッション部５２を萎ませて、乗員が車外に出るためのスペースを提供する。ガス抜き孔２４はクッション１０内の圧力上昇を許容すべく適度に小さく形成されて、車両衝突時にクッション１０が正常に伸張するようにする。

図１６ｇを参照すると、車室内側ドアパネル１９ａおよび第２クッション部５２が前景の金属製ドアパネル支持構造７０とともに示されている。金属製支持構造７０は、インフレータ５４および第２クッション部５２の襞１８の位置と、金属製支持構造７０に対する取付け板６０ならびに取付け孔６６および６８の相対位置とを示す切抜き部を有する。

図１６ｈを参照すると、第１クッション部５０および第２クッション部５２が、車両のドア本体１７ｂ、車室内側ドアパネル１９、アームレスト２６、および離脱可能な室内側パネル部５１に関連する側面図で示されている。第１クッション部５０および第２クッション部５２は非膨張状態で示されている。この状態においては、各クッション部５０，５２の可伸張性中空部５７が膨らんでいない。

図１６ｉを参照すると、図１６ｈの側面図がサイドクッション１０の膨張状態で再び示されている。図示のように、第１クッション部５０および第２クッション部５２の双方がアームレスト２６の周囲において車室内に展開することができ、車両乗員１３の肩部分および骨盤部分をそれぞれ防護する。ドアの離脱可能な車室内パネル５１は、第２クッション部５２の可伸張性中空部５７が膨らむことによって、図１６ｉに示すように変位せしめられる。クッション部５０，５２の伸張は、内壁１４の車室内側への移動および外壁１２の周辺部の車両ドア本体１７ｂおよびウインドウ１７ａから離れる移動を含む。外壁１２の周辺部はまた、例えばクッション部５０がウインドウを部分的に覆うように、ドア本体に沿って拡大してもよい。この変位の方向および度合いは、クッションの外壁１２が備えている襞１８の構造および数によって影響を受ける。

第１クッション部５０および第２クッション部５２の双方の露出面は、図１６ｅ，１６ｆ，１６ｇ，１６ｈおよび１６ｉに示された実施の形態のように、ドアに取り付けられた実施の形態における標準的な露出面または第１の面として機能するのに適した仕上げがなされ、またはカバーがかけられる。

上述のように、サイドクッション１０は、可伸張性中空部５７と、この可伸張性中空部５７を膨らませるためのインフレータと、可伸張性中空部５７の膨張に際して車両の両側面から離れて車室内へ突出して車両乗員１３を防護する内壁１４すなわち第１の壁とを備えている。

図１７ａを参照すると、本図は、本発明の一実施の形態における流体導管５５ａとクッション部５０の外壁１２との間に用いられる嵌め込み結合部７１ａの断面側面図を示す。組付け時には、流体導管５５ａの開口部が第１クッション部５０の外壁１２の適合するサイズを有する開口部に位置合わせされる。次に流体導管５５ａに外力が加えられて流体導管５５ａをクッション部５０内に押し込む。流体導管５５ａの傾斜した爪６９は、流体導管５５ａが比較的容易にクッション部５０の外壁１２内に挿入されるのを許容するが、その後は、流体導管５５ａがクッション部５０の外壁１２から外れるのを防止する大きな抵抗が発生する。一旦組み付けられると、流体導管５５ａは、インフレータ５４（図１７ａおよび１７ｂには示されていない）と可伸張性中空部５７との間を連通させる。流体導管５５ａとクッション部５０の外壁１２との間の接合部７１ａは、クッション部５０の移動および膨張を促進する伸張襞１８によって囲まれる。図１７ｂを参照すると、流体導管５５ａとクッション部５０の外壁１２との間の嵌め込み結合部７１ａに関する実施の形態が断面斜視図で示されている。

図１８ａおよび１８ｂは、流体導管５５ａをクッション部５０の外壁１２に取り付けてインフレータ５４（図１８ａおよび１８ｂには示されていない）と可伸張性中空部５７との間を連通させるための別の手段を示す。図１８ａを参照すると、本図は、本発明の一実施の形態における流体導管５５ａと第１クッション部５０との間に用いられる嵌め口・ねじクランプ結合部７１ｂの側面断面図を示す。この嵌め口・ねじクランプ結合部７１ｂは、図１７ａおよび１７ｂに示された手段の代わりに、流体導管５５ａをクッション部５０に固定する手段である。図１８ｂを参照すると、嵌め口・ねじクランプ結合部７１ｂの実施の形態が斜視図で示されている。本図は、流体導管５５ａ、第１クッション部５０の外壁１２および伸張襞１８の相対位置を示している。

図１９ａを参照すると、本図は、本発明の一実施の形態によるクッション１０の特定の実施の形態を金属製ドアパネル支持構造体７０に固定する手段を示す。本実施の形態においては、クッション１０の外壁１２がクッション取付け用爪７４を一体に備えており、これらの爪７４は、適当な厚さおよび高さを有して、膨張の前後の双方におけるクッション１０を支持構造体７０に固定するために必要な引っ張り強度およびその他の所望の機械的特性を備えている。上記一体のクッション取付け用爪７４は、クッション１０の外壁１２上の襞１８と、クッション１０と流体導管５５ａとの間の結合部７１との間の取付け部６１内に位置決めされている。クッションの外壁１２の取付け部６１内におけるクッション１０と金属製ドアパネル支持構造体７０との間の結合は、可伸張性中空部５７の膨張時にも同じ状態に留まる。クッションが非膨張状態にあるときに、付加的な壊れ易い固定具を用いて、クッションの外壁１２の伸張襞１８を含む周辺部７２を金属製ドアパネル支持構造体７０に離脱可能に取り付けてもよい。クッションの外壁１２の周辺部７２内の固定具は、膨張時に外壁１２が車両の側面に対して動くのを妨げないように、可伸張性中空部５７の伸張によって外される。

図１９ａに示された特定の取付け手段は、一体のクッション取付け用爪７４上に跨って配置される固定用クリップ７５を備えている。これら固定用クリップ７５は、リベット７６によって一体のクッション取付け用爪７４に固着される。この構成は、一体のクッション取付け用爪７４がクッション１０の当初の成形時に形成され、かつ固定用クリップ７５は別個に製造可能であり、次いでクッション１０が車内に取り付けられるのに先立ってリベット７６によってクッション１０に容易に固着することができる利点がある。所望の固定用クリップ７５が一体のクッション取付け用爪７４に固着されると、クッションは金属製ドアパネル支持構造体７０に対して位置決めされ、かつ上記構造体７０内の所定の固定場所６３に整合される。固定用クリップ７５が正常に固定場所６３に整合されると、クッション部５０に圧力が加えられて固定用クリップ７５を固定場所６３に向かって押圧して、クッション１０の外壁１２と金属製ドアパネル支持構造体７０との間の嵌め込み結合を形成させる。この結合手段は、クッション１０と金属製ドアパネル支持構造体７０との間に所望の強度の機械的結合を形成するのに必要な適当な数の固定場所６３に設けられる。

図１９ｂを参照すると、本図は可伸張性中空部５７の外壁１２を金属製ドアパネル支持構造体７０に固定する手段の別の実施の形態を示す。この実施の形態においては、能動式クッション１０の外壁１２が複数のインサート式の取付け用埋込みボルト７７を収容する大きさの開口部５９を有し、これら埋込みボルト７７は、必要とされる引っ張り強度その他の所望の機械的特性を備えた適当な太さおよび長さのものからなる。上記開口部５９は、クッション１０の外壁１２上の伸張襞１８と、可伸張性部５７と流体導管５５ａとの間の結合部との間において取付け部６１内に位置決めされている。クッション１０が非膨張状態にあるときにクッション１０の外壁１２の伸張襞１８を含む周辺部７２の何処かをドアパネル支持構造体７０に取外し可能に取り付けるために、付加的な脆弱な固定具（不図示）が用いられてもよい。外壁１２がクッション１０の外壁１２の周辺部７２内に存在する固定具は、可伸張性部５７が膨張時に車両の側部に対して移動するのを妨げないように、可伸張性部５７の膨張によって離れることが可能である。

図１９ｂに示された特定の取付け手段は、クッション１０内に固定されて固定場所６３を通って金属製ドアパネル支持構造体７０に挿入される複数のインサート式取付け用埋込みボルト７７を備えている。次に、固定場所６３の開口部よりも適当に大径の固定用ナット７８が埋込みボルト７７に螺装され、所定のレベルの機械的圧力が得られるまで締め付けられる。この結合手段は、クッション１０と金属製ドアパネル支持構造体７０との間に所望の機械的強度が生じるのに必要な数の固定場所６３において実行される。

図１９ｃを参照すると、本図は可伸張性部５７の外壁１２を金属製ドアパネル支持構造体７０に固定する手段のさらに別の実施の形態を示す。この実施の形態においては、可伸張性部５７の外壁１２が複数のインサート式の爪７９を収容する大きさの開口部５９を有し、これら埋込みボルト７７は、必要とされる引っ張り強度その他の所望の機械的特性を備えた適当な太さおよび長さのものからなる。上記開口部５９は、クッション１０の外壁１２上の伸張襞１８と、可伸張性部５７と流体導管５５ａとの間の結合部との間において取付け部６１内に位置決めされている。クッション１０が非膨張状態にあるときにクッション１０の外壁１２の伸張襞１８を含む周辺部７２の何処かをドアパネル支持構造体７０に取外し可能に取り付けるために、付加的な壊れ易い固定具（不図示）が用いられてもよい。外壁１２がクッション１０の外壁１２の周辺部７２内に存在する固定具は、可伸張性部５７が膨張時に車両の側部に対して移動するのを妨げないように、可伸張性部５７の膨張によって離れることが可能である。

図１９ｃに示された特定の取付け手段は、インサート式のクッション爪７９の上に配置される複数の固定用クリップ８０を備えている。これら固定用クリップ８０は別個に製造され、次に、クッション部５０が車両に装備されるのに先立って上記インサート式のクッション爪７９に容易に固着される。必要な固定用クリップ８０をインサート式クッション爪７９へ固着すると、クッションは金属製ドアパネル支持構造体７０に対して位置決めされ、かつこの構造体７０内の所定の固定場所６３に整合される。固定用クリップ８０が正しく固定場所６３に整合されることにより、圧力が構造体７０に加えられ、固定用クリップ８０を固定場所６３に押し付け、かつクッション１０と金属製ドアパネル支持構造体７０との間のスナップ式結合が生じる。この結合手段は、クッション１０と金属製ドアパネル支持構造体７０との間に所望の機械的強度が生じるのに必要な数の固定場所６３において実行される。

上述の説明の大部分はクッション部５０に関するものであるが、クッション部５０および５２をドアの金属製ドアパネル支持構造体７０に固定するのに利用可能であることを理解すべきである。あるいは、クッション部５０および５２がパネル１９のようなドアの別の部分に固定されてもよい。

乗員１３がそれに向かって加速されるドア本体１７ｂによって部位に関係なく防護されるように、クッション１０がドア本体１７ｂの室内側表面のほぼ全面を覆うことも任意に可能である。このような実施の形態においては、第１および第２クッション部５０および５２は必要ない。例えば、クッション１０は、上方、および下方およびアームレスト２６の後方へ延びるほぼＣ字状の連続的な部材とすることができる。これに加えてクッション１０は、ドアウインドウ１７ａの一部または全部を覆って衝突事故時に乗員がドアウインドウに衝突するのを防護するように構成されることも可能である。ドアウインドウ１７ａからの防護を達成するには、クッション１０が、外方へ伸張し、そしてその上縁に沿って上方へ伸張するように構成される。

アームレスト２６自体がクッション１０の一部として形成されていてもよい。クッション１０をアームレスト２６と一体に形成することによって（例えば、アームレストとクッションとを組み合わせたブロー成形によって）、２種類の品目の代わりに１種類の品目（すなわち、アームレストとクッションを組み合せたもの）のみをドアに装着すればよいので、ドア１７の組立てが簡単になる。この実施の形態におけるアームレストは、クッション１０が伸張するときに伸張する必要はない。

図５ａおよび５ｂを参照すると、アームレスト２６がクッション１０を含んでいる。この実施の形態においては、クッション１０の本体１１がアームレスト２６の構成要素である。本体１１は、如何なる適当な方法で仕上げられていてもよいが、アームレスト２６に適した第1の面を備えている。例えば、この本体１１は布であっても、着色されたポリマーであってもよい。あるいは、本体１１が、発泡ポリマーまたはビニールカバーのような表皮で覆われていてもよい。

クッション１０をアームレスト２６に組み込むことによって、それぞれがコストを伴い、かつそれぞれをドア１７に装着しなければならない二つの別個の品目を備える場合よりも、車両製造者はコスト削減を享受することができる。

あるいは、アームレスト２６をクッション１０のための容器として機能させることも可能である。アームレスト２６は、旋回してクッション１０が上方へ膨張することができる開口部を提供するが乗員１３の防護には寄与しないヒンジ留めされたカバーを有するように構成することが可能である。

図６ａおよび６ｂを参照すると、クッション１０を備えたヘッドレスト２８ｂが示されている。この実施の形態においては、クッション１０の本体１１がヘッドレスト２８ｂの構成要素でもある。図５ａおよび５ｂに示された実施の形態におけるアームレスト２６と同様に、本体１１は、如何なる適当な方法で仕上げられていてもよいが、ヘッドレスト２８ｂに適した第１の面を備えている。例えば、この本体１１は発泡ポリマーまたはビニールカバーのような表皮で覆われていてもよい。ヘッドレスト２８ｂの構成要素を置換したクッション１０によって提供される利点は、図５ａおよび５ｂに示された実施の形態においてアームレスト２６の構成要素であるクッション１０によって提供される利点と同様である。

膨らまされた場合、図６ａおよび６ｂに示されたクッション１０は、或る種の衝突事故時に標準的な受動式ヘッドレストに比較して、乗員１３の頭部が減速される距離がより長くなる。これに加えて、クッション１０が膨らまされた場合に皿状の前面を提供することによって、乗員１３の頭部の横方向の動きを抑制するように構成してもよい。

図７ａおよび７ｂを参照すると、２個のクッション１０の組合せが示されている。ヘッドレスト・クッション１０ａはネック・クッション１０ｂを伴って、乗員の頭部および頸部を位置決めして、それらからの衝突エネルギーを吸収する。ヘッドレスト・クッション１０ａは、図６ａおよび６ｂに示されたヘッドレスト・クッション１０と同様でよい。ネック・クッション１０ｂは、その膨らまされた形状において、膨らまされたヘッドレスト・クッション１０ａに乗員の頭部が当たったときに、乗員の頸部の後部において窪んだ空間を占める。ヘッドレスト・クッション１０ａとネック・クッション１０ｂとが協働することによって、乗員１３の頭部および頸部が減速される距離を長くし、これにより、乗員が負傷する可能性を低減し、特に鞭打ち症になる可能性を低減する。

図８ａおよび８ｂを参照すると、２個のクッション１０が示されている。車両が或る種の衝突事故に遭遇した場合に、乗員１３は前方へ追い立てられ、３０ａで示されているショルダーベルトおよび３０ｂで示されているヒップベルトをすり抜ける態様で足元の空間（不図示）に向かって追い立てられる。この現象は俗に「潜り込み」と言われている。本実施の形態においては、２個のクッション１０が協働して乗員１３をシート２８に保持するのを援助し、乗員１３の潜り込みを防止する。

クッション１０は、腰椎クッション１０ｃおよび前方骨盤クッション１０ｄからなる。腰椎クッション１０ｃは、２８ｃで示されているシートの背凭れ上に配置され、膨らまされた場合には、シート２８の身体保持面および乗員の上半身を前方へ押し出すように構成されている。

前方骨盤クッション１０ｄは、シートの座部２８ａの前縁に配置され、その膨らまされた状態においてシートの身体保持面および乗員１３の膝を持ち上げ、かつ座部２８ａと背凭れ２８ｃとの連結部において乗員１３の骨盤部分をカップ形状にする。

このようにして、乗員１３がシートベルトをしていれば、腰椎クッション１０ｃおよび前方骨盤クッション１０ｄが協働して乗員を骨盤部分の周りで折り曲げる。この乗員１３の折曲げにより、衝突事故時に、乗員１３がショルダーベルト３０ａおよびヒップベルト３０ｂをすり抜けて足元の空間に向かって前下方へ移動するのが防止される。

２個のクッション１０ｃおよび１０ｄの双方を設ける代わりに、腰椎クッション１０ｃまたは前方骨盤クッション１０ｄの何れか一方のみを設けることも可能である。しかしながら、２個のクッション１０ｃおよび１０ｄの双方を設ける方が好ましい。

連続したシート表面を膨張時に破断する代わりに、腰椎クッション１０ｃおよび前方骨盤クッション１０ｄの本体１１が、シート２８の表面の一部を形成するように仕上げられてもよい。例えば、それぞれの本体１１は、適当な発泡ポリマー層で、ならびに皮革または布のような適当な材料からなる表皮で覆われる。本体１１上の表皮は、シートの座部２８ａおよび背凭れ２８ｃの身体に当たる表面の残りの部分から分離したパネルである。したがって、腰椎クッション１０ｃおよび前方骨盤クッション１０ｄの一方または双方が展開した場合、身体に当たる表面の残りの部分を形成するシートカバーを破断しない。あるいは、クッション１０ｃおよび１０ｄが、連続的な発泡層および連続的な表皮の下側でシートの座部２８ａおよび背凭れ２８ｃ内に埋め込まれていてもよい。

図９ａおよび９ｂを参照すると、或る種の衝突事故時に乗員１３の骨盤部分の減速をアシストする外側骨盤クッション１０が示されている。図８ａおよび８ｂに示されたクッション１０ｃおよび１０ｄと同様に、図９ａおよび９ｂのクッション１０の本体１１は、適当な発泡ポリマー層および背凭れ２８ｃの身体に当たる表面の残りの部分の表皮から分離した適当な表皮で覆われていてもよい。骨盤部分の減速をコントロールすることに加えて、またはその代わりに、乗員の上半身部分の減速をコントロールするために、クッション１０が背凭れ２８ｃに沿ってさらに上方へ延びていても、あるいは背凭れ２８ｃに沿った上方の位置に配置されていても、任意に可能である。

図１０ａおよび１０ｂを参照すると、背凭れ２８ｃの背面上に配置されたクッション１０が示されている。このクッション１０は、シート２８の背後に配置されたシート（不図示）に座った乗員の脚部を防護するために展開される。

図１１ａおよび１１ｂを参照すると、車両１５の床板上に取り付けられたクッション１０が示されている。このクッション１０は、或る種の衝突事故時に展開して、乗員１３の足の位置をコントロールする。クッション１０は、クッション１０が膨らむことによって変位される足部支持面を介して下方から乗員１３の足部を支持する。

クッション１０の本体１１はカーペットのカバー層として仕上げられて、車室内のフロアカーペットの一部を形成してもよい。それに加えて、またはその代わりに、本体１１がそれの上に一連の排水溝３１を形成して、もし乗員１３の靴が濡れていたり雪が付着していたりする場合に、水および雪を乗員１３の足部から除去するようにしてもよい。

図１２ａおよび１２ｂを参照すると、クッション１０が、一部が車両の床板の一部におよび一部が爪先支持板の一部に配置されている。このクッション１０は、カーペットカバーおよび／または図１１ａおよび１１ｂに示されたクッション１０上に随意的に設けられた排水溝３１を備えていてもよい。

図１３ａ，１３ｂおよび１３ｃを参照すると、車両上に設けられる１本または複数本のロールバー３２の周りに１個または複数のクッション体系３４が配置されている。各クッションシ体系３４はロールバー３２を取り囲み、或る種の衝突事故時に車両の乗員１３がロールバー３２に当たる以前に乗員１３をゆっくりと減速させる。図１３ｃを参照すると、各クッション体系３４は、共にロールバー３２の周囲を覆う第１および第２のクッション１０を備えている。各クッション１０は、ロールバー３２に接しかつ係合する半径方向内側の面３６と、複数の襞１８がある半径方向外側の面３８とを有するように成形されている。襞１８は、膨らまされたときにクッション１０が半径方向に伸張されるのを可能にする。

あるいは、本体１１から襞１８を取り除いて、加圧ガスを本体１１内に導入した結果生じる塑性変形によって本体１１の伸張が生じるようにしてもよい。

クッション１０がカバー層４０内に収容されていてもよい。カバー層４０は、クッション１０をロールバー３２の周りに保持する。さらにカバー層４０は、もし襞１８が存在するときには、クッション１０上の襞１８を隠す。カバー層４０は、両端が開口したチューブ状体であって、長手方向に延びる開口部４２を有する。クッション１０は、開口している両端を通じてまたは長手方向の開口部４２を押し開くことによってカバー層４０内に導入される。カバー層４０は開口部４２を押し開くことによってロールバー３２に嵌められる。カバー層４０は、閉じた状態に保持されるのを可能にする１個または複数個のコネクタ４４を備えていてもよい。

あるいは、カバー層４０内に保持される単一クッション１０を有することも可能である。この単一クッション１０は、長手方向に延びる開口部を備え、ロールバー３２の周りで開くのに十分な可撓性を有するように作成されるべきである。

クッション１０の展開時に加圧ガスがクッション１０内に導入されると、クッション１０は半径方向外方へ伸張してカバー層４０を半径方向外方へ伸ばすか、あるいは開口部４２が開くようにカバー層４０に力を加える。

図１４ａおよび１４ｂを参照すると、４６で示されているルーフに配置されたクッション１０が示されている。クッション１０が展開して下方へ延び、ドアウインドウ１７ａに向かう、特にドア１７とルーフ４６との接合部に向かう乗員１３の減速をコントロールするのに役立つ。クッション１０の本体１１は上記第１の面として仕上げられていても、あるいは上記第１の面として作用する適当な材料によってカバーされていてもよい。あるいは本体１１が見えないようにルーフパネルによって隠されていてもよい。

ドアウインドウ１７ａの比較的低い領域に乗員の頭がぶつからないように、クッション１０が図１４に示されたものよりも下方へ伸張するのも任意に可能である。

図１５ａおよび１５ｂを参照すると、４８で示されている車両のＢピラー上に配置されたクッション１０が示されている。このクッション１０は、前方、後方および内方へ伸張するように構成されていればよい。

クッション１０が車両におけるＡ，Ｂ，ＣまたはＤ（もしあれば）ピラーの何れかに配置されて、車室内で上記部分に衝突する危険性がある場合に車両の乗員を防護することは任意に可能である。

本体１１は、図１５ａおよび１５ｂに示された実施の形態のように、ピラーに取り付けられた実施の形態における第１の面として機能するのに適した仕上げまたはカバーが施されていればよい。

図２０ａを参照すると、本発明のさらなる実施の形態によるヘッドレスト２８ｂが斜視図で示されている。このヘッドレスト２８ｂは、ヘッドレスト取付け用ブラケット８７上に取り付けられたクッション１０を備えている。このクッション１０は、後壁８６、両側壁１６、ならびに比較的非伸張性の前壁８５および可伸張性中空部５７を収容した両前内壁８５ａを備えている。クッション１０は、ヘッドレスト取付け用ブラケット８７に固定されたインフレータ５４、およびクッション１０の前壁８５に一体化された膨張開口部９０をさらに備えている。インフレータ５４は、クッション１０の可伸張性中空部５７の内部に配置されている。ヘッドレスト取付け用ブラケット８７は、車両の背凭れ２８ｄ（図２１ａ参照）に対して適当な位置にクッション１０を位置決めする。ヘッドレスト取付け用ブラケット８７は、適当な固定手段（不図示）によって車両の背凭れ２８ｄにしっかりと固定される。クッション１０の前壁８５は比較的非伸張性で、かつ適当な固定手段（不図示）を用いてヘッドレスト取付け用ブラケット８７に強固に取り付けられる取付け部６１を備えている。比較的非伸張性の前壁８５とヘッドレスト取付け用ブラケット８７とを連結する剛性を有する取付け部６１は、車両の通常の走行時にはクッション１０を所定位置に保持し、かつ膨張時にもクッション１０をその位置に留め置くことが要求される。

クッション１０の両側壁１６は複数の伸張襞１８を備えている。これら襞１８の数および構造は、クッション１０の可伸張性中空部５７の伸張方向および伸張度合いをコントロールするのに用いられる。膨張時には、前壁８５および両前内壁８５ａは所定位置に留まるが、後壁８６および両側壁１６はヘッドレスト取付け用ブラケット８７を離れて車両の後部に向かって伸張する。両前内壁８５ａは、クッション１０が前方へ伸張するのを許容するが、クッション１０による車両の乗員の頭部へ向かう内方への伸張を阻止して負傷を防止する。

図２０ｂを参照すると、図２０ａに示されたヘッドレスト２８ｂが分解図で示されている。この図も、車両乗員１３の頭部の静的保持を行なうように構成された非伸張性パッド材料８８の一部分を示している。この非伸張性パッド材料８８は、適当な取付け手段（不図示）によってヘッドレスト取付け用ブラケット８７に強固に取りつけられ、かつクッション１０の前壁８５および両前内壁８５ａによって囲まれた空洞を満たすように構成されている。この図にはまた、外側のヘッドレストカバー８９も示されている。このヘッドレストカバー８９は、組み立てられたヘッドレスト２８ｂに装着され、かつ第１の面として機能するように適当に仕上げられていればよい。図２０ｃを参照すると、ヘッドレストカバー８９を装着した図２０ａおよび２０ｂに示されたヘッドレスト２８およびヘッドレスト取付け用ブラケット８７が見える。

図２０ｄを参照すると、図２０ａ，２０ｂおよび２０ｃに示されたヘッドレスト２８ｂが膨らまされた状態で示されている。この図は、襞１８（図２０ａに示されている）および可伸張性中空部５７の伸張によるクッション１０の後壁８６および両側壁１６の相対的変位を示している。この図はまた、膨張後もヘッドレスト取付け用ブラケット８７に対する所定位置に留まっている非伸張性のパッド材料８８、前壁８５および両前内壁８５ａを示している。

図２１ａを参照すると、本発明のさらなる実施の形態による背凭れ２８ｄのクッション１０が示されている。図示のシート２８はシート座部２８ａ、ヘッドレスト部２８ｂおよび背凭れ部２８ｄを備えている。シートの背凭れ部２８ｄは、さらに取付け部６１および周辺部７２を備えている。取付け部６１および周辺部７２は、車両の後部座席に坐った乗客を防護するために展開されるクッション１０を適当に取り付けるように構成されている。この図はまた、背凭れ２８ｄに固定されるクッション１０を示している。このクッション１０はさらに、可伸張性中空部５７の境界の一部を形成する乗客側の壁８６と、クッション１０の可伸張性中空部５７を膨張させるインフレータ・モジュール５４とを備えている。

図２１ｂを参照すると、図２１ａに示されたクッション１０は、乗客側の壁８６、側壁１６、および可伸張性中空部５７の境界として作用するシート側の壁８５を備えていることが示されている。クッション１０のシート側の壁８５は、取付け部６１および周辺部７２をさらに備えている。クッション１０の取付け部６１は、適当な固定手段（不図示）によって強固に背凭れ２８ｄ（図２１ａに示されているように）に固定される。この取付け手段は、クッション１０の取付け部６１内のクッション１０のシート側の壁８５の一部が、通常走行時およびクッション１０の膨張時に所定位置に保持されるようにする。クッション１０の取付け部６１内に含まれるクッションのシート側の壁８５の部分は、背凭れの取付け部（図２１ａに符号６１で示されている）に対して移動不能である。クッションのシート側の壁８５の周辺部７２は、車両の通常走行時には所定位置に保持されているがクッション１０の可伸張性中空部５７の膨張によって取付け手段が外れてシート側の壁８５が背凭れ２８ｄから離れて車両の後部に向かって移動するのは許容する態様で、適当な壊れ易い固定手段（不図示）によって背凭れ２８ｄ（不図示）に取付けられていればよい。クッションのシート側の壁８５は、クッション１０の可伸張性中空部５７の膨張を許容しかつ伸張の方向および程度をコントロールするのに適した構成を有することが可能な伸張襞１８をさらに備えている。クッション１０は非膨張状態で示されている。

図２１ｂに示されたクッション１０はさらに、適当な結合手段（不図示）を介してインフレータ・モジュール５４を収容する開口部９０を一体に備えている。

図２１ｃを参照すると、クッション１０のシート側の壁８５の伸張襞１８および周辺部７２を示す、図２１ｂに示されたクッション１０の断面図が示されている。この図はまた、非伸張状態におけるクッション１０の乗客側の壁８６および可伸張性中空部５７を示している。

図２１ｄを参照すると、シート２８および背凭れ２８ｄの斜視図が、背凭れ２８ｄに取り付けられた非膨張状態における図２１ａおよび図２１ｂに示されたクッション１０の相対位置を示している。クッション１０の可伸張性中空部５７の乗客側の壁８６は、上記第１の面として作用するように適当なカバーで覆われまたは表面が仕上げられている。可伸張性中空部５７の膨張時には、クッション１０の乗客側の壁８６が背凭がれ２８ｄから離れて車両の後部に向かって移動する。

図２１ｅを参照すると、シート２８および背凭れ２８ｄの斜視図が、背凭れ２８ｄに取り付けられた膨張状態における図２１ａ、図２１ｂおよび２１ｄに示されたクッション１０の相対位置を示している。この図は、可伸張性中空部５７の膨張時における背凭れ２８ｄから離れたクッション１０の乗員側の壁８６およびクッション１０のシート側の壁８５の周辺部７２の相対変位を示している。伸張襞１８はそれらの伸張された位置で示されている。取付け部６１内に含まれるシート側の壁８５と背凭れ２８ｄとの間の取付けは膨張時にも完全な状態に留まり、シート側の壁８５のこの部分は、背凭れ２８ｄから離れて伸張することはない。

図に示されたクッションのいくつかの実施の形態は、車両乗員の比較的広い大きさの範囲を防護し、かつ車室内のシートの調整位置の比較的広い範囲に亘って防護するようにオーバーサイズに作成されている。換言すれば、クッション１０は、彼／彼女のシートがその調整可能範囲の最も後の位置または最も前の位置にあっても、乗員を防護し得る大きさを有する。

本発明から離れることなしに上述した装置の種々の変形、変更が可能であり、それらの範囲は添付の請求項において規定されることは、当業者には明らかであろう。

車両のドアのアームレストの下方に取付けられかつ非膨張状態にある、本発明の第１の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図１ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 図１ａに示された非膨張状態にある能動式クッションの断面側面図 図１ｂに示された膨張状態にある能動式クッションの断面側面図 本発明の別の実施の形態による能動式クッションが非膨張状態にある断面側面図 図２ａに示された能動式クッションが膨張状態にある断面側面図 車両のドアのアームレストの上方に取付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図３ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 アームレストと一体に結合されかつ非膨張状態にある、本発明の別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図４ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 アームレストに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図５ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 ヘッドレストに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図６ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 ネックレストと組み合わされてヘッドレストに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図７ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 前部下肢クッションと組み合わされた腰椎クッションの非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図８ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 シートに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図９ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 シートの背面に取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの側面図 図１０ａに示された能動式クッションが膨張状態にある側面図 フロアマットに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図１１ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 フロアマットおよびトーマットの双方に取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図１２ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 車両のロールバーに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図１３ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 図１３ａに示されたクッションおよびロールバーの断面図 ルーフに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの斜視図 図１４ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 ピラーに取り付けられかつ非膨張状態にある、本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションの正面図 図１５ａに示された能動式クッションが膨張状態にある正面図 本発明のさらに別の実施の形態による能動式クッションが非膨張状態にある正面図 図１６ａに示された能動式クッションが非膨張状態にあるアームレスト近傍の側面図 図１６ａに示された能動式クッションが膨張状態にあるアームレスト近傍の側面図 図１６ａに示された能動式クッションが膨張状態にある斜視図 本発明のさらに別の実施の形態による、室内側ドアパネルに配置された能動式クッションが非膨張状態にある正面図 室内側ドアパネルに配置された非膨張状態にある図１６ｅに示されたクッションの外側の正面図 室内側ドアパネルに配置された非膨張状態にある図１６ｅに示されたクッションの外側を前景のドア金属板とともに示す正面図 室内側ドアパネルに配置された非膨張状態にある図１６ｅに示されたクッションの側面図 室内側ドアパネルに配置された膨張状態にある図１６ｅに示されたクッションの側面図 本発明のさらに別の実施の形態による図１６ｅに示されたクッションとこのクッション内に備えられたガス通路との間の接続部の側面図 図１７ａに示された接続部の斜視図 本発明のさらに別の実施の形態による図１６ｅに示されたクッションとこのクッション内に備えられたガス通路との間の別の接続部の側面図 図１８ａ示された接続部の斜視図 能動式サイドクッションの実施の形態を車両の支持構造に固定する手段の断面図および分解斜視図 能動式サイドクッションの実施の形態を車両の支持構造に固定する手段の断面図および分解斜視図 能動式サイドクッションの実施の形態を車両の支持構造に固定する手段の断面図および分解斜視図 本発明のさらに別の実施の形態によるヘッドレストクッションが非膨張状態にある斜視図 図２０ａに示されたクッションの分解斜視図 非膨張状態でヘッドレストカバーに覆われた図２０ａに示されたクッションの組立斜視図 図２０ｃに示されたクッションの膨張状態を示す組立斜視図 本発明のさらに別の実施の形態によるシートバックに取り付けられた非膨張状態にあるクッションの分解斜視図 図２１ａに示されたクッションの非膨張状態を示す斜視図 図２１ａに示されたクッションの非膨張状態を示す断面図 図２１ａに示されたクッションの非膨張状態を示す組立斜視図 図２１ａに示されたクッションの膨張状態を示す組立斜視図

符号の説明

１０ 能動式クッション
１１ クッション本体
１２ 外壁
１３ 車両乗員
１４ 内壁
１５ 車両
１８ 襞
２６ アームレスト
５０ 第１クッション部
５２ 第２クッション部
５４ インフレータ
５７ 可伸張性中空部

Claims (36)

1. 車両の側部に取り付けるための可膨張性サイドクッションであって、
   可伸張性中空部、
   該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、
   前記可伸張性中空部の膨張に際して、前記車両の室内に向かってかつ前記車両の側部から離れる方向に突出する内壁、および
   前記可伸張性中空部と前記側部との間に配置された外壁であって、１）該外壁を前記車両の側部の一部分に取り付けるための少なくとも１個の取付け具を備えた取付け部、および２）該取付け部と境を接する周辺部を備えた外壁
   を有してなる可膨張性サイドクッションにおいて、
   前記外壁は、膨張時に前記少なくとも１個の取付け具によって前記外壁が前記側部の一部分に取り付けられた状態を維持しかつ該外壁の周辺部が膨張時に前記車両の側部の一部分に対して自由に移動して前記可伸張性中空部の伸張を促進するように、少なくとも１個の取付け具によって前記側部の一部分に取付け可能であることを特徴とする可膨張性サイドクッション。
2. 前記周辺部は、第１周辺部および第２周辺部により構成され、前記取付け部が前記第１周辺部と前記第２周辺部との間に配置されていることを特徴とする、請求項１記載の可膨張性サイドクッション。
3. 前記周辺部は、前記可伸張性中空部の膨張時に、前記車室内に向かってかつ該車両の側部から離れる方向に移動するように動作可能であることを特徴とする、請求項２記載の可膨張性サイドクッション。
4. 前記周辺部は、該周辺部を前記車両の側部に取り付けるための複数の壊れ易い固定具を備え、
   前記複数の壊れ易い固定具は前記可伸張性中空部の膨張によって外されることを特徴とする、請求項３記載の可膨張性サイドクッション。
5. 前記周辺部の前記車両の側部に対する移動および前記可伸張性中空部の膨張を促進するために、前記周辺部に襞が付されていることを特徴とする、請求項３記載の可膨張性サイドクッション。
6. 前記中空部は、前記第１周辺部に隣接する第１可伸張性中空部および前記第２周辺部に隣接する第２可伸張性中空部を備えていることを特徴とする、請求項２記載の可膨張性サイドクッション。
7. 前記可伸張性中空部は、１）前記インフレータ・モジュールを前記第１可伸張性中空部に連結する第１供給管、および２）前記インフレータ・モジュールを前記第２可伸張性中空部に連結する第２供給管をさらに備え、
   前記インフレータ・モジュールは、前記第１可伸張性中空部および前記第２可伸張性中空部の双方を膨張させるための共用インフレータを備え、該共用インフレータは前記第１および第２可伸張性中空部の外側に配置されていることを特徴とする、請求項６記載の可膨張性サイドクッション。
8. 前記中空部は、前記共用インフレータから膨張用ガスを受け取るための、かつ前記第１供給管に対する前記膨張用ガスの第１の選択された比率および前記第２供給管に対する前記膨張用ガスの第２の選択された比率を決めるためのＶ字状連結部をさらに備えていることを特徴とする、請求項７記載の可膨張性サイドクッション。
9. 前記第１可伸張性中空部と前記第２可伸張性中空部との間に比較的非伸張性の構成要素をさらに備えていることを特徴とする、請求項７記載の可膨張性サイドクッション。
10. 前記比較的非伸張性の構成要素は、前記可伸張性中空部の一部分であり、
    前記内壁は、前記比較的非伸張性の構成要素において、前記内壁が前記第１可伸張性中空部および前記第２可伸張性中空部において伸張に抵抗するよりも余計に伸張に抵抗することを特徴とする、請求項９記載の可膨張性サイドクッション。
11. 前記内壁は、前記比較的非伸張性の構成要素において、前記第１可伸張性中空部および前記第２可伸張性中空部におけるよりも厚いことを特徴とする、請求項１０記載の可膨張性サイドクッション。
12. 前記比較的非伸張性の構成要素に隣接する前記外壁が取付け部を備えていることを特徴とする、請求項１０記載の可膨張性サイドクッション。
13. ウインドウ、
    該ウインドウの一部分に隣接したドア本体、
    該ドア本体に取り付けられたアームレスト、および
    １）可伸張性中空部と、２）該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュールと、３）前記可伸張性中空部の膨張に際して車内に向かって内方へ、かつ前記ドアから離れる方向へ突出するための内壁と、４）前記可伸張性中空部と前記ドアとの間に配置された外壁であって、該外壁を前記ドアの一部分に取り付けるための少なくとも1個の取付け具を備えた取付け部、および該取付け部に境を接する周辺部を有する外壁とを有する可膨張性サイドクッション
    を備えた車両のドアにおいて、
    前記外壁は、膨張時に前記外壁が前記少なくとも１個の取付け具によって前記ドア本体に取り付けられた状態を維持しかつ膨張時に前記外壁の周辺部が前記ドア本体に対して自由に移動して前記可伸張性中空部の伸張を促進するように、前記少なくとも１個の取付け具によって前記ドア本体に取付け可能であることを特徴とする車両のドア。
14. 前記周辺部が第１周辺部および第２周辺部を備え、前記取付け部が前記第１周辺部と前記第２周辺部との間に配置されていることを特徴とする、請求項１３記載の車両のドア。
15. 前記第１周辺部は、前記アームレストと前記ウインドウとの間の第１の距離の大部分に跨り、かつ前記第２周辺部は、前記アームレストと前記ドア本体の下縁との間の第２の距離の大部分に跨っていることを特徴とする、請求項１４記載の車両のドア。
16. 前記中空部は、前記１周辺部に隣接する第１可伸張性中空部および前記２周辺部に隣接する第２可伸張性中空部を備えていることを特徴とする、請求項１５記載の車両のドア。
17. 前記中空部は、１）前記インフレータ・モジュールを前記第１可伸張性中空部に連結する第１供給管、および２）前記インフレータ・モジュールを前記第２可伸張性中空部に連結する第２供給管をさらに備え、
    前記インフレータ・モジュールは、前記第１可伸張性中空部および前記第２可伸張性中空部の双方を膨張させる共用インフレータを備えていることを特徴とする、請求項１６記載の車両のドア。
18. 前記可膨張性クッションが、前記第１可伸張性中空部と前記第２可伸張性中空部との間に比較的非伸張性の構成要素をさらに備えていることを特徴とする、請求項１７記載の車両のドア。
19. 前記比較的非伸張性の構成要素は前記可伸張性中空部の一部分であり、
    前記内壁は、前記比較的非伸張性の構成要素において、前記第１可伸張性中空部および前記第２可伸張性中空部において伸張に抵抗するよりも余計に伸張に抵抗することを特徴とする、請求項１８記載の車両のドア。
20. 前記比較的非伸張性の構成要素に隣接する前記外壁は取付け部を備えており、
    前記比較的非伸張性の構成要素が前記アームレストの背後に配置されていることを特徴とする、請求項１９記載の車両のドア。
21. 車両の側部のための可膨張性サイドクッションであって、
    可伸張性中空部、
    該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、
    前記可伸張性中空部の膨張に際して、前記車両の室内に向かってかつ前記車両の側部から離れる方向に突出する内壁、および
    前記可伸張性中空部と前記側部との間に配置された外壁であって、該外壁を前記車両の側部の一部分に取り付けるための少なくとも１個の取付け具を備えた取付け部を有する外壁、
    を備えたことを特徴とする可膨張性サイドクッション。
22. 身体支持面、
    該身体支持面の反対側の背面、および
    １）可伸張性中空部と、２）該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュールと、３）前記可伸張性中空部の膨張に際して前記シートから突出して、前記身体支持面および前記背面の少なくとも一方を変位させるための乗員側の壁とを有する可膨張性クッション
    を備えていることを特徴とする車両のシート。
23. 前記身体支持面は、膨張に先立って前記乗員側の壁の第１側が乗員を支持するように動作可能な態様で、前記乗員側の壁の第１側によって支持されていることを特徴とする請求項２２記載の車両のシート。
24. 前記身体支持面は、膨張に先立って前記乗員側の壁の第１側が乗員を支持するように動作可能な乗員側の壁の第１側であることを特徴とする請求項２２記載の車両のシート。
25. 前記身体支持面は、１）乗員の背中を支持するための上方部、および２）前記乗員の一対の大腿部を支持するための下方部を備え、
    前記可膨張性クッションは、前記可伸張性中空部の膨張に際して、前記身体支持面の上方部および下方部の少なくとも一方を変位させるように動作可能であることを特徴とする請求項２２記載の車両のシート。
26. 前記可膨張性クッションは、前記身体支持面の上方部および下方部の双方を変位させて、前記乗員をシートベルトの周りで折り曲げるように動作可能であることを特徴とする請求項２５記載の車両のシート。
27. さらにヘッドレストを備え、前記可膨張性クッションが前記ヘッドレスト内に配置されていることを特徴とする請求項２２記載の車両のシート。
28. 前記可膨張性クッションは、前記ヘッドレストの非伸張性中央部の両側に周辺部をさらに備え、これら両周辺部は、前記可伸張性中空部の膨張に際して前方へ突出して前記乗員の頭部に対する側方支持を行なうように作動可能であることを特徴とする請求項２７記載の車両のシート。
29. 前記身体支持面は頸部支持部を備え、前記可膨張性クッションは、前記可伸張性中空部の膨張に際して前記頸部支持部を移動させるように作動可能であることを特徴とする請求項２７記載の車両のシート。
30. 前記ヘッドレストは後側を備え、
    前記可膨張性クッションは、前記可伸張性中空部の膨張に際して前記後側を後方へ移動させるように作動可能であることを特徴とする請求項２７記載の車両のシート。
31. 前記可膨張性クッションは、前記可伸張性中空部の膨張に際して前記後面を後方へ移動させるように作動可能であることを特徴とする請求項２７記載の車両のシート。
32. 可伸張性中空部、
    該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および
    膨張に先立って両足を支持し、かつ前記可伸張性中空部の膨張に際して上方へ突出して前記両足を持ち上げるための足支持面
    を備えていることを特徴とする車両のフロアクッション。
33. 車両のロールバー上に取り付けるための、車両のロールバークッションであって、
    可伸張性中空部、
    該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、
    前記可伸張性中空部の膨張に際して前記車両のロールバーから外方へ突出するための半径方向外方の壁、および
    前記車両のロールバーに取り付けるための半径方向内方の壁であって、前記可伸張性中空部と前記車両のロールバーとの間に配置されている半径方向内方の壁
    を備えていることを特徴とする車両のロールバークッション。
34. 前記半径方向外方の壁が、前記可伸張性中空部の伸張および前記半径方向外方の壁の外方への突出を促進する襞を備えていることを特徴とする請求項３３記載の車両のロールバークッション。
35. 車両のルーフクッションであって、
    可伸張性中空部、
    該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および
    前記可伸張性中空部の膨張に際して前記車室内に突出するためのルーフ面
    を備えていることを特徴とする車両のルーフクッション。
36. 車両のピラークッションであって、
    可伸張性中空部、
    該可伸張性中空部を膨張させるためのインフレータ・モジュール、および
    前記可伸張性中空部の膨張に際して前記車室内に突出するためのピラー面
    を備えていることを特徴とする車両のピラークッション。

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