JP4582163B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
エアバッグモジュールのケースには、エアバッグドアに設けられる穴に係合するフック部が設けられており、エアバッグが膨張するときにエアバッグ反力がケースを介してエアバッグドアにかかる構造になっている。
エアバッグドアのドア部の外側に位置する一般部(フランジ部)は、アウタ部材のティア部の外側に位置するティア外側部のみに溶着されている。
エアバッグドアの一般部がアウタ部材のティア外側部のみに溶着されているため、エアバッグが膨張してアウタ部材のティア部を破断するまで、エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定強度(溶着強度)のみでエアバッグ反力を保持することになる。そのため、エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定強度が低い場合、エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定が外れてしまうおそれがある。エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定が外れてしまうと、アウタ部材のティア部の内側に位置するティア内側部が正しく開かなくなるおそれがある。
(1) 車室内側面(20a)が車室内の意匠面を構成するアウタ部材(20,61)と、
前記アウタ部材(20,61)より車室内側と反対側の反車室内側に配置され前記アウタ部材(20,61)と固定されるインナ部材(30,34)と、
前記アウタ部材(20,61)の反車室内側に配置されるエアバッグドア(40)と、
エアバッグ(51)と該エアバッグ(51)を反車室内側から覆うケース(53)とを備えるエアバッグモジュール(50)と、
を有し、
前記アウタ部材(20,61)は、前記エアバッグ(51)が膨張したときに破断するティア部(21)と、該ティア部(21)の内側に位置し該ティア部(21)が破断したときに開くティア内側部(22)と、前記ティア部(21)の外側に位置するティア外側部(23)と、を備えており、
前記エアバッグドア(40)は、車室内側面(41a)で前記アウタ部材(20,61)のティア内側部(22)に固定され前記エアバッグ(51)が膨張したときに開くドア部(41)と、車室内側面(42a)で前記アウタ部材(20,61)のティア外側部(23)に固定されるとともに反車室内側面(42b)で前記インナ部材(30)に固定される一般部(42)と、を備えており、
前記ケース(53)は、前記エアバッグドア(40)に取付けられており、
前記インナ部材(30,34)は、該インナ部材(30,34)から前記エアバッグドア(40)の一般部(42)に向かって延びる延長部(31)を備えており、
前記エアバッグドア(40)は、前記一般部(42)から反車室側に枠状に立ち上がる立ち上がり壁(43)を備えており、
前記エアバッグドア(40)の一般部(42)は、枠状の前記立ち上がり壁(43)より外側に位置する部分で、前記インナ部材(30,34)の延長部(31)の延び方向先端部に固定されている、
車両用エアバッグ装置(10)。
前記アウタ部材(20,61)は、前記グラブドアのグラブドアアウタ(20)であり、前記インナ部材(30,34)は、前記グラブドアのグラブドアインナ(30)である、(1)記載の車両用エアバッグ装置(10)。
前記アウタ部材(20,61)は、前記インストルメントパネル(61)であり、前記インナ部材(30,34)は、前記インストルメントパネル(61)に対して固定されるダクトまたは前記インストルメントパネル(61)を補強する補強部材(34)である、(1)記載の車両用エアバッグ装置(10)。
エアバッグモジュールのケースがエアバッグドアに取付けられているため、エアバッグが膨張するときにエアバッグ反力がケースを介してエアバッグドアにかかる。ここで、エアバッグドアの一般部が、車室側面でアウタ部材のティア外側部に固定されるとともに反車室側面でインナ部材に固定されている。そのため、エアバッグが膨張してアウタ部材のティア部を破断するまで、エアバッグドアにかかるエアバッグ反力を、エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定強度で保持することができるとともにインナ部材に伝達することができる。そのため、エアバッグドアの一般部がアウタ部材のティア外側部のみに固定されておりエアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定強度のみでエアバッグ反力を保持する場合(従来)に比べて、エアバッグドアの一般部とアウタ部材のティア外側部との固定が外れてしまうことを抑制できる。
まず、発明実施例1の車両用エアバッグ装置としてのグラブドア付けニーエアバッグ装置を説明する。
グラブドア付けニーエアバッグ装置(以下、単にエアバッグ装置ともいう)10は、車両のグラブドア60内にニーエアバッグモジュール50を配置したものである。具体的には、図1に示すように、アウタ部材としてのグラブドアアウタ20と、インナ部材としてのグラブドアインナ30と、エアバッグドア40と、エアバッグモジュール50と、を有する。
ティア内側部22は、平板状または略平板状である。
グラブドアインナ30は、グラブドアインナ30から車室70側にエアバッグドア40の後述の一般部42に向かって延びる延長部(リブ)31を備える。延長部31は、上下に2本設けられており、エアバッグドア40の後述の立ち上がり壁43の上側と下側で車両左右方向に延びて設けられている。
スリット44は、ドア部41と一般部42の間に設けられる。スリット44は、エアバッグドア40を貫通している。スリット44は、エアバッグ装置10の正面視で、第4のライン21dを無くしたティア部21の形状と略同じであり、略H状である。
以上の構成は、本発明の何れの実施例にも適用される。
グラブドア60は、閉状態で、上方にいくに従って車室70側(車両後方側)に傾いており、インストルメントパネル61の外形に合わせてある。
収納用空間部33の周囲には図2に示すボルト孔32が設けられており、該ボルト孔32部位でボルト締結、かしめ等されることで、エアバッグモジュール50のケース53がグラブドアインナ30に組付けられる(固定される)。
(a)エアバッグモジュール50のケース53がエアバッグドア40に取付けられているため、エアバッグ51が膨張するときにエアバッグ反力(反車室側の力)がケース53を介してエアバッグドア40にかかる。ここで、エアバッグドア40の一般部42が、車室側面42aでグラブドアアウタ20のティア外側部23の反車室側面に固定されるとともに反車室側面42bでグラブドアインナ30の延長部31に固定されている。そのため、エアバッグ51が膨張してグラブドアアウタ20のティア部21を破断するまで、エアバッグドア40にかかるエアバッグ反力を、エアバッグドア40の一般部42とグラブドアアウタ20のティア外側部23との固定強度で保持することができるとともにグラブドアインナ30に伝達することができる。その結果、エアバッグ51が膨張してグラブドアアウタ20のティア部21を破断するまで、エアバッグドア40にかかるエアバッグ反力を、エアバッグ装置10のうちエアバッグモジュール50を除いた部分全体に伝達できる。したがって、エアバッグドアの一般部がグラブドアアウタのティア外側部のみに固定されておりエアバッグドアの一般部とグラブドアアウタのティア外側部との固定強度のみでエアバッグ反力を保持する場合(従来)に比べて、エアバッグドア40の一般部42とグラブドアアウタ20のティア外側部23との固定が外れてしまうことを抑制できる。
以上の作用、効果は、本発明の何れの実施例にも適用される。
エアバッグ装置10がグラブドア付けニーエアバッグ装置であっても、上記(a)〜(d)の作用、効果を得ることができる。
つぎに、本発明実施例2の車両用エアバッグ装置としての助手席(用)エアバッグ装置を、図6を参照して、説明する。
助手席エアバッグ装置10は、インストルメントパネル61部位にエアバッグモジュール50を配置したものである。エアバッグモジュール50は、インストルメントパネル61部位のうち、図示略のフロントウインドウの下端部から車両後方側に略水平に延びる部分(車両後方側かつ下方に緩やかに傾斜する傾斜部)61aの車両後方側端部またはその近傍に配置されている。
ダクトまたは補強部材34がダクトであり断面形状が車室70側に開放するコ字状またはコ字以外の多角形状である場合、開放端は、アウタ部材としてのインストルメントパネル61とエアバッグドア40の一般部42とに反車室側から溶着(振動溶着)等で固定されている。ダクトまたは補強部材34がダクトであり断面形状が何れの方向にも開放しない多角形状である場合、ダクトは、インストルメントパネル61とエアバッグドア40の一般部42とに反車室側から溶着(振動溶着)等で固定されている。
ダクトまたは補強部材34がダクトである場合、延長部31は、ダクトを構成する壁の一部からなり、エアバッグドア40の一般部42に固定される部位から反車室側に延びる壁からなる。
助手席エアバッグ装置10は、前面衝突が検出されてインフレータ52が作動すると、エアバッグ51が膨張してインストルメントパネル61のティア部21を破断する。その結果、エアバッグドア40のドア部41が車室70側に向けて展開し、形成された開口からエアバッグ51が車室70側に向けて膨張展開して乗員の上半身を拘束する。
エアバッグ51が膨張するときにエアバッグ反力(反車室側に作用する力)がケース53を介してエアバッグドア40にかかる。ここで、エアバッグドア40の一般部42が、車室側面42aでインストルメントパネル61のティア外側部23の反車室側面に固定されるとともに反車室側面42bでダクトまたは補強部材34に固定されている。そのため、エアバッグ51が膨張してインストルメントパネル61のティア部21を破断するまで、エアバッグドア40にかかる反力を、エアバッグドア40の一般部42とインストルメントパネル61のティア外側部23との固定強度で保持することができるとともにダクトまたは補強部材34に伝達することができる。
したがって、エアバッグドアの一般部がインストルメントパネルのティア外側部のみに固定されており、エアバッグドアの一般部とインストルメントパネルのティア外側部との固定強度のみでエアバッグ反力を保持する場合(従来)に比べて、エアバッグドア40の一般部42とインストルメントパネル61のティア外側部23との固定が外れてしまうことを抑制できる。また、エアバッグ装置10が助手席エアバッグ装置であっても、上記(b)〜(d)の作用、効果も期待できる。
20 グラブドアアウタ(アウタ部材)
20a グラブドアアウタの車室側面
20b グラブドアアウタの反車室側面
21 ティア部
21a 第1のライン
21b 第2のライン
21c 第3のライン
21d 第4のライン
22 ティア内側部
23 ティア外側部
30 グラブドアインナ(インナ部材)
31 延長部
33 エアバッグモジュール収納用空間部
33a エアバッグモジュール収納用空間部の開口部
34 ダクトまたは補強部材(インナ部材)
40 エアバッグドア
41 ドア部
41a ドア部の車室側面
42 一般部
42a 一般部の車室側面
42b 一般部の反車室側面
43 立ち上がり壁
43a フック係合用孔
44 スリット
45 インテグラルヒンジ
50 エアバッグモジュール
51 エアバッグ
52 インフレータ
53 ケース
53a フック部
60 グラブドア
61 インストルメントパネル(アウタ部材)
62 グラブボックス
63 カバー
64 インストルメントパネルリインホースメント
65 ブラケット
70 車室
Claims (3)
- 車室内側面(20a)が車室内の意匠面を構成するアウタ部材(20,61)と、
前記アウタ部材(20,61)より車室内側と反対側の反車室内側に配置され前記アウタ部材(20,61)と固定されるインナ部材(30,34)と、
前記アウタ部材(20,61)の反車室内側に配置されるエアバッグドア(40)と、
エアバッグ(51)と該エアバッグ(51)を反車室内側から覆うケース(53)とを備えるエアバッグモジュール(50)と、
を有し、
前記アウタ部材(20,61)は、前記エアバッグ(51)が膨張したときに破断するティア部(21)と、該ティア部(21)の内側に位置し該ティア部(21)が破断したときに開くティア内側部(22)と、前記ティア部(21)の外側に位置するティア外側部(23)と、を備えており、
前記エアバッグドア(40)は、車室内側面(41a)で前記アウタ部材(20,61)のティア内側部(22)に固定され前記エアバッグ(51)が膨張したときに開くドア部(41)と、車室内側面(42a)で前記アウタ部材(20,61)のティア外側部(23)に固定されるとともに反車室内側面(42b)で前記インナ部材(30)に固定される一般部(42)と、を備えており、
前記ケース(53)は、前記エアバッグドア(40)に取付けられており、
前記インナ部材(30,34)は、該インナ部材(30,34)から前記エアバッグドア(40)の一般部(42)に向かって延びる延長部(31)を備えており、
前記エアバッグドア(40)は、前記一般部(42)から反車室側に枠状に立ち上がる立ち上がり壁(43)を備えており、
前記エアバッグドア(40)の一般部(42)は、枠状の前記立ち上がり壁(43)より外側に位置する部分で、前記インナ部材(30,34)の延長部(31)の延び方向先端部に固定されている、
車両用エアバッグ装置(10)。 - 車両用エアバッグ装置(10)は、車両のグラブドアに配置されており、
前記アウタ部材(20,61)は、前記グラブドアのグラブドアアウタ(20)であり、前記インナ部材(30,34)は、前記グラブドアのグラブドアインナ(30)である、請求項1記載の車両用エアバッグ装置(10)。 - 車両用エアバッグ装置(10)は、車両の内装部材であるインストルメントパネル(61)部位に配置されており、
前記アウタ部材(20,61)は、前記インストルメントパネル(61)であり、前記インナ部材(30,34)は、前記インストルメントパネル(61)に対して固定されるダクトまたは前記インストルメントパネル(61)を補強する補強部材(34)である、請求項1記載の車両用エアバッグ装置(10)。
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