JP2007169592A - セルロースアシレートペレットおよびその製造方法、セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 - Google Patents
セルロースアシレートペレットおよびその製造方法、セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】特定の置換度を有するセルロースアシレートと、下記(1)の化合物と、下記(2)の化合物とを含有する混合物を150〜240℃で溶融してペレット化したペレットを用いて溶融製膜する。(1)リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物および多価アルコールの脂肪酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物(2)フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する少なくとも一種類の化合物
【選択図】なし
Description
一方、近年では環境保全の観点から、塩素系有機溶媒を始めとする有機溶媒の排出を抑えることが強く求められるようになっている。このため、より厳密なクローズドシステムを採用して系から有機溶媒が漏れ出さないように努めたり、製膜工程から漏れても外気に出す前にガス吸収塔を通して有機溶媒を吸着させたり、火力により燃焼させたり、電子線ビームにより分解させたりするなどの処理を行って、殆ど有機溶媒を排出することがないように対策が講じられた。しかしながら、これらの対策を行っても完全な非排出には至っていないため、さらなる改良が必要とされている。
(態様1)
下記式(S−1)〜(S−3)を満たすセルロースアシレートと、下記(1)の化合物と、下記(2)の化合物とを含有するセルロースアシレート混合物を150〜240℃で溶融してペレット化する工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートペレットの製造方法。
(1)リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物および多価アルコールの脂肪酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物(2)フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する少なくとも一種類の化合物
式(S−1) 2.5≦X+Y ≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
ペレット化前後のセルロースアシレートの分子量低下率が20%以下であることを特徴とする態様1に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
(態様3)
前記セルロースアシレート混合物を含水率2%以下に乾燥した後、酸素濃度が5%容量以下の環境下において150〜240℃で溶融してペレット化することを特徴とする態様1または2に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
(態様4)
前記ペレット化工程における前記セルロースアシレート混合物の滞留時間が10秒〜5分であることを特徴とする態様1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
(態様5)
前記ペレット化工程を、排気口を設けたケーシングを備えた混練押出機スクリューを用いて、該排気口から0.8気圧〜0.1気圧で真空排気しながら実施すること特徴とする態様1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
態様1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により製造されるセルロースアシレートペレット。
(態様7)
下記式(S−1)〜(S−3)を満たすセルロースアシレートと、下記(1)の化合物と、下記(2)の化合物とを含有し、色調b値が0〜10であり、またはイエローネスインデックス(YI)が0〜10であることを特徴とするセルロースアシレートペレット。(1)リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物および多価アルコールの脂肪酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物(2)フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する少なくとも一種類の化合物
式(S−1) 2.5≦X+Y ≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
(態様8)
前記(1)の化合物の分子量が500以上であることを特徴とする態様6または7に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様9)
前記(2)の化合物の分子量が500以上であることを特徴とする態様6〜8のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様10)
前記(1)の化合物を240℃において1時間加熱した後の質量減少量が15質量%以下であることを特徴とする態様6〜9のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様11)
前記(2)の化合物を240℃において1時間加熱した後の質量減少量が15質量%以下であることを特徴とする態様6〜10のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様12)
前記(1)の化合物が、前記セルロースアシレートに対して0.5〜30質量%含まれていることを特徴とする態様6〜11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様13)
前記(2)の化合物が、前記セルロースアシレートに対して0.01〜3質量%含まれていることを特徴とする態様6〜12のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様14)
ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、フォルムアミジン系およびトリアジン環系からなる群より選択される少なくとも一種類の融点100℃以上の紫外線吸収剤が、セルロースアシレートに対して0.3〜3質量%含まれていることを特徴とする態様6〜13のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様15)
SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、ZrO2、In2O3、MgO、BaO、MoO2、V2O5からなる群より選択される少なくとも一種類の平均一次粒子サイズ0.005〜3μmの微粒子が、セルロースアシレートに対して0.005〜1.0 質量%含まれていることを特徴とする態様6〜14のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
ペレットの色調b値が0〜10であり、またはイエローネスインデックス(YI)が0〜10であることを特徴とする態様6〜15のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様17)
前記セルロースアシレートペレットの2質量%メチレンクロライド溶液を調製して測定した400nmにおける吸光度に対して、前記セルロースアシレートペレットを240℃にて1時間空気中で加熱した後に2質量%メチレンクロライド溶液を調製して測定した400nmにおける吸光度の増加分が0.3以下であることを特徴とする請求項6〜16のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
態様6〜17のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットを180〜240℃で溶融して製膜する工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(態様19)
態様6〜17のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットを、単軸または2軸混練押出機を用いて酸素濃度が5%容量以下の環境下で180〜240℃でダイから押し出し、タッチロールを用いたキャスティングドラム上で冷却固化する溶融製膜工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(態様20)
前記溶融製膜工程により製膜されたフィルムを、100℃〜250℃で少なくとも1方向に1%〜300%延伸する工程をさらに含むことを特徴とする態様18または19に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
態様18〜20のいずれか一項の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルム。
(態様22)
フィルムの色調b値が0〜10であり、またはイエローネスインデックス(YI)が0〜10であることを特徴とする態様21にセルロースアシレートフィルム。
(態様23)
高さ0.01μm〜30μmで長さ1mm以上の凸部、および深さ0.01μm〜30μmで長さ1mm以上の凹部の合計本数が幅10cmあたり0本〜5本であることを特徴とする態様21または22に記載のセルロースアシレートフィルム。
(態様24)
2μm以上の異物欠陥が30個未満/m2であり、2μm未満の微細異物欠陥が30個未満/cm2であることを特徴とする態様21〜23のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
(態様25)
フィルムの膜厚が20μm〜300μmであり、且つ膜厚ムラが5μm以下であることを特徴とする態様21〜24のいずれかに一項に記載のセルロースアシレートフィルム。(態様26)
波長590nmにおける、25℃・相対湿度10%の面内のレターデーション(Re)と25℃・相対湿度80%の面内のレターデーション(Re)との差の絶対値が15nm以下であり、且つ、25℃・相対湿度10%の厚み方向のレターデーション(Rth)と25℃・相対湿度80%の厚み方向のレターデーション(Rth)との差の絶対値が25nm以下であることを特徴とする態様21〜25のいずれかに一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
偏光膜に、態様21〜26のいずれかに一項に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする偏光板。
(態様28)
態様21〜26のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
(態様29)
態様21〜26のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする反射防止フィルム。
(態様30)
態様27に記載の偏光板、態様28の光学補償フィルム、および、態様29に記載の反射防止フィルムの少なくとも一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
(置換度)
まず、本発明で用いられるセルロースアシレートについて説明する。本発明で用いるセルロースアシレートは下記式(S−1)〜(S−3)を満足する。
式(S−1) 2.5≦X+Y ≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
2.6≦X+Y≦3.0
0≦X≦1.5
1.4≦Y≦3.0
本発明で用いるセルロースアシレートは、以下の式を満足することがさらに好ましい。
2.7≦X+Y≦3.0
0≦X≦1.2
1.8≦Y≦3.0
セルロースアシレートを合成する際のセルロース原料としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、綿花リンター由来のものが好ましく用いられる。
セルロース原料はアシル化に先立って、活性化剤と接触させる処理(活性化)を行っておくことが好ましい。活性化剤として好ましくは、酢酸、プロピオン酸、または酪酸であり、特に好ましくは酢酸である。活性化剤の添加量は好ましくは5%〜10000%であり、より好ましくは10%〜2000%、さらに好ましくは30%〜1000%である。添加方法は噴霧、滴下、浸漬などの方法から選択できる。活性化時間は20分〜72時間以下が好ましく、特に好ましくは20分〜12時間である。活性化温度は0℃〜90℃が好ましく、20℃〜60℃が特に好ましい。さらに活性化剤に硫酸などのアシル化の触媒を0.1質量%〜10質量%加えることもできる。
セルロースとカルボン酸の酸無水物とをブレンステッド酸またはルイス酸(「理化学辞典」第五版(2000年)参照)を触媒として反応させることで、セルロースの水酸基をアシル化することが好ましい。
カルボン酸の酸無水物として、好ましくはカルボン酸としての炭素数が2〜22のものを用いることができる。特に好ましくは、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物である。酸無水物はセルロースの水酸基に対して1.1〜50当量添加することが好ましく、1.2〜30当量添加することがより好ましく、1.5〜10当量添加することが特に好ましい。
アシル化触媒には、ブレンステッド酸またはルイス酸を使用することが好ましく、硫酸または過塩素酸がより好ましく、好ましい添加量は0.1〜30質量%であり、より好ましくは1〜15質量%であり、特に好ましくは3〜12質量%である。
アシル化溶媒としてカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは、炭素数2〜7のカルボン酸であり、特に好ましくは、酢酸、プロピオン酸、酪酸である。これらの溶媒は混合して用いてもよい。
アシル化の反応熱による温度上昇を制御するために、アシル化剤は予め冷却しておくことが好ましい。アシル化温度は−50℃〜50℃が好ましく、より好ましくは−30℃〜40℃、特に好ましく−20℃〜35℃である。反応の最低温度は−50℃以上が好ましく、−30℃以上がより好ましく、−20℃以上が特に好ましい。アシル化時間は0.5時間〜24時間が好ましく、1時間〜12時間がより好ましく、1.5時間〜10時間が特に好ましい。
アシル化反応の後に、反応停止剤を加えることが好ましい。反応停止剤は酸無水物を分解するものであればよく、水、アルコール(炭素数1〜3のもの)、カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸等)が挙げられ、中でも水とカルボン酸(酢酸)との混合物がさらに好ましい。水とカルボン酸との組成は、水が好ましくは5質量%〜80質量%、さらに好ましくは10質量%〜60質量%、特に好ましくは15質量%〜50質量%である。
アシル化反応停止後に中和剤を添加してもよい。中和剤の好ましい例としては、アンモニウム、有機4級アンモニウム、アルカリ金属、2族の金属、3〜12族金属、または13〜15族元素の、炭酸塩、炭酸水素塩、有機酸塩、水酸化物または酸化物などを挙げることができる。特に好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩または水酸化物である。
このようにして得られたセルロースアシレートは、全置換度がほぼ3に近いものであるが、所望の置換度のものを得る目的で、少量の触媒(一般には、残存する硫酸などのアシル化触媒)と水との存在下で、20〜90℃に数分〜数日間保つことによりエステル結合を部分的に加水分解し、セルロースアシレートのアシル置換度を所望の程度まで減少させる。この後、残存触媒を前記の中和剤を用いて、部分加水分解を停止させる。
ろ過は、アシル化の完了から再沈殿までの間のいかなる工程において行ってもよい。ろ過に先立って適切な溶媒で希釈することも好ましい。
セルロースアシレート溶液を、水もしくはカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸など)水溶液と混合し再沈殿させる。再沈殿は連続式、バッチ式のいずれでもよい。
再沈殿後、洗浄処理することが好ましい。洗浄は水または温水を用い、pH、イオン濃度、電気伝導度、元素分析等で洗浄終了を確認することができる。
洗浄後のセルロースアシレートは、安定化のために、弱アルカリ(Na、K、Ca、Mg等の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物)を添加するのが好ましい。
50〜160℃でセルロースアシレートの含水率を2質量%以下にまで乾燥することが好ましい。
(1)可塑剤
本発明では、セルロースアシレートに可塑剤を添加することが好ましい。可塑剤としては既知のいかなるものを用いてもよいが、リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、炭水化物系可塑剤という)、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物、多価アルコールの脂肪酸エステル化合物などを用いることが好ましい。
また、揮発性の指標として加熱時の質量減少量を用いることができ、例えば、窒素雰囲気下、240℃で1時間保持したときの質量減少量が15質量%以下であることが好ましい。より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。これにより、本発明の溶融製膜工程中の過酷な条件(局部の樹脂滞留およびセン断熱による高温)においても、可塑剤の熱揮散を大幅に低減することができる。
本発明で用いることができるリン酸エステル系可塑剤としては、特開2002−363423号公報の[0027]〜[0034]、特開2002−265800号公報の[0027]〜[0034]、特開2003−155292号公報の[0014]〜[0040]等に記載の揮発性し難いリン酸エステル化合物を好ましい例として挙げることができる。
本発明で用いることができる炭水化合物系可塑剤は、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体であるが、これらの単糖または多糖は、分子中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基など)が置換されていることを特徴とする。置換基の例としては、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド基などを挙げることができる。
単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
これらの中で、さらに好ましいものはエーテル基またはエステル基であり、特に好ましくはエステル基である。
その他の可塑剤としてはアルキルフタリルアルキルグリコレート類、カルボン酸エステル類、多価アルコールの脂肪酸エステル類などが挙げられる。240℃で1時間加熱した後、質量減少が15%以内であるものが好ましい。これらの可塑剤としては、特開2000−265800号公報の[0010]〜[0021]に記載の化合物を用いるのが好ましい。また、具体的に用いることができる多価アルコール系可塑剤としては、セルロース脂肪酸エステルとの相溶性がよく、また熱可塑化効果が顕著に現れるグリセリンエステル、ジグリセリンエステルなどグリセリン系のエステル化合物やポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールの水酸基にアシル基が結合した化合物などを挙げることができる。
本発明においては、高温溶融製膜時のセルロースアシレートの着色および樹脂の熱劣化を防止するために、安定剤を添加することが特に有効である。本発明では、いかなる安定剤を用いてもよいが、フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する化合物を用いることが好ましい。
また、揮発性の指標として加熱時の質量減少量を用いることができ、例えば、窒素雰囲気下、240℃で1時間保持したときの質量減少量が15質量%以下であることが好ましい。より好ましい質量減少量は10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。これにより、本発明の溶融製膜工程中の過酷な条件(局部の樹脂滞留およびセン断熱による高温)においても、安定剤の熱揮散を大幅に低減できる。
フェノール構造を有する安定剤としては、公知の任意のフェノール系安定剤を使用することができる。好ましい例としては、ヒンダードフェノール系安定剤が挙げられる。特に、ヒドロキシフェニル基に隣接する部位に置換基を有することが好ましく、その場合の置換基としては炭素数1〜22の置換または無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。
n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル) プロピオネート(分子量531)
(F−2)
テトラキス−〔メチレン−3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(分子量1178)
(F−3)
トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(分子量784)
(F−4)
トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(分子量588)
(F−5)
3,9−ビス−{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(分子量741)
(F−6)
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775)
(F−7)
1,1,3−トリス(5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン(分子量545)
(F−8)
1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}(分子量639)
(F−9)
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(分子量589)
(F−10)
2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕(分子量643)
(F−11)
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)(分子量637)
(F−12)
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム(分子量695)
亜リン酸エステル構造を有する安定剤の具体例は、特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報等に記載されている。さらに、その他の安定剤としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)17頁〜22頁に詳細に記載されている。本発明では、これらを始めとする素材の中から適宜選択して使用することができる。
本発明では高温での揮発が少ないことから、分子量500以上の酸化防止効果を有する亜リン酸エステル系安定剤を含有することが好ましい。これらの安定剤は特開2004−182979号公報の[0023]〜[0039]に記載の化合物などから選ぶことができる。
トリスノニルフェニルフォスファイト(分子量689)
(P−2)
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト(分子量647)
(P−3)
ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト(分子量733)
(P−4)
ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールフォスファイト(分子量605)
(P−5)
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールフォスファイト(分子量633)
(P−6)
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト(分子量529)
(P−7)
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジ−フォスファイト(分子量517)
ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート(分子量515)
(S−2)
ジミリスチル−3,3−チオジプロピオネート(分子量571)
(S−3)
ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート(分子量683)
(S−4)
ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(分子量1162)
さらに、本発明においては同一分子内にヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基を有する安定剤を使用することも推奨される。ヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基を同一分子内に含有していれば、その構造は特に限定されない。低分子化合物でもよく、また高分子化合物(単分子を重合、あるいは縮合した素材)でもよい。また、ヒドロキシフェニル基あるいは亜リン酸エステル基は同一分子内であればその官能基の数は特に規定されず、それぞれ1〜20個が好ましく、1〜10個がさらに好ましく、1〜6個が特
に好ましい。それらの素材は特開平10−273494号公報に記載されている。市販品として、スミライザーGP(住友化学工業株式会社)が挙げられる。
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量632)
(PF−2)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量702)
(PF−3)
2,4,8,10−テトラ−tert−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量787)
(PF−4)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量646)
(PF−5)
2,4,8,10−テトラ−tert−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量801)
(PF−6)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量716)
(PF−7)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量618)
(PF−8)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量717)
(PF−9)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量660)
(PF−10)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量590)
(PF−11)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量717)
(PF−12)
2,10−ジエチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量661)
(PF−13)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量688)
(PF−14)
6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量660)
好ましいアミン系安定剤は、旭電化からアデカスタブLA−57、同LA−52、同LA−67、同LA−62、同LA−77として、またチバ・スペシャリティーケミカルズ社からTINUVIN 765、同144として市販されている。アミン類の亜リン酸エステル類(I)に対する使用比率は、通常0.01〜3質量%程度である。
セルロースアシレートには、紫外線防止剤を添加してもよい。紫外線防止剤については、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。その添加量は、調製する溶融物(メルト)の0.01〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
本発明では、セルロースアシレートに微粒子を添加することもできる。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられ、いずれでもよい。本発明におけるセルロースアシレートに含まれる好ましい微粒子の平均一次粒子サイズは5nm〜3μmであり、好ましくは5nm〜2.5μmであり、特に好ましくは20nm〜2.0μmである。微粒子の添加量は、セルロースアシレートに対して0.005〜1.0質量%であり、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.4質量%である。
本発明におけるセルロースアシレートには、離型剤を添加することができる。離型剤としては、フッ素原子を有する化合物が好ましい。フッ素原子を有する化合物は、離型剤としての作用を発現でき、低分子量化合物であっても重合体であってもよい。重合体としては、特開2001−269564号公報に記載の重合体を挙げることができる。フッ素原子を有する重合体として好ましいものは、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体を必須成分として含有してなる単量体を重合せしめた重合体である。前記重合体に係わるフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体としては、分子中にエチレン性不飽和基とフッ素化アルキル基とを有する化合物であれば特に制限はない。またフッ素原子を有する界面活性剤も利用でき、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
本発明におけるセルロースアシレートには、光学調整剤を添加することができる。光学調整剤としてはレターデーション調整剤を挙げることができ、例えば特開2001−166144号、特開2003−344655号、特開2003−248117号、特開2003−66230号各公報記載のものを使用することができる。光学調整剤を添加することによって、面内のレターデーション(Re),厚み方向のレターデーション(Rth)を制御することができる。好ましい添加量は0〜10質量%であり、より好ましくは0〜8質量%、さらに好ましくは0〜6質量%である。
本発明で用いることができる各種添加剤をセルロースアシレートに添加混合するタイミングは、添加剤が溶融製膜される時点で添加されていれば特に限定されない。例えば、セルロースアシレートの合成時点で添加してもよいし、溶融前に予めセルロースアシレート中に混合させてもよく、溶融製膜時にセルロースアシレートと混合しつつ製膜することも好ましい。セルロースアシレートの合成時に添加する場合は、セルロースアシレートの沈殿生成前後に添加してもよく、あるいはセルロースアシレートが溶液状態で分散されている時に添加してもよい。これにより、セルロースアシレートと添加剤を均一に混合することができる。
セルロースアシレートを粉体として作製した後に、液状添加剤または固体状添加剤を混合する場合は、均一に混合することが重要である。すなわち添加剤が粉体の場合は、セルロースアシレート粉末に均一に混合するために、混合機器を利用することが有効である。また、添加剤が液状の場合は、攪拌付きのミキサーやニーダなど混合装置を利用することが有効である。混合装置としては、例えば容器回転型、容器固定型あるいはその複合型などがあり、具体的には回転水平型(水平円筒、傾斜円筒、V型、二十円錘、正方形体、S字型、連続V型など)、回転軸水平(例えば、リボン、スクリュー、ロッド、ピン、複軸パドルなど)、回転垂直(リボン、スクリュー、円錘型スクリュー、高速流動、回転円板、マラーなど)、振動型(振動ミル、フルイなど)、回転型に内設羽根型(水平円筒、V型、二重円錘など)を利用できる。具体的には、サニタリーミキサー、リボンミキサー、フロージェットミキサー、ユニバーサルミキサー、リボンパドルミキサー、リボンブレンダー、コニカルミキサー、バンバリーミキサー、加圧型ニーダー、双腕型ニーダーなどが挙げられる。
また、酸素濃度は低いことが好ましく、気体中の酸素濃度は10容量%以下であることが好ましく、より好ましくは5容量%以下であり、さらに好ましくは2容量%以下であり、特に好ましくは1容量%以下である。酸素濃度を低下させる方法は特に限定されないが、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムなど)や真空機器による脱気操作で達成できる。このようにして混合された添加剤を含有するセルロースアシレート混合物は、低酸素濃度を保持したまま溶融ペレット化あるいは溶融製膜することが推奨される。なお、ペレット化工程で低い酸素濃度雰囲気下で溶融して作製した場合は、溶融製膜時の酸素濃度コントロールが不要な場合があり、工程への負荷が軽減される。
以下に、セルロースアシレートペレットとセルロースアシレートフィルムの製造方法について、詳細に記述する。なお、本発明のペレットとフィルムは、これらの方法により製造されたものに限定されるものではない。
上記セルロースアシレートと添加物は溶融製膜に先立ち混合しペレット化する。ペレット化前にセルロースアシレートおよび添加物は事前に乾燥しておくことが好ましい。ベント式押出機を用いることで、これを代用することもできる。乾燥は、除湿風乾燥機を用いて行うことが多いが、目的とする含水率が得られるのであれば特に限定されない。例えば、加熱、送風、減圧、攪拌などの手段を単独または組み合わせで用いることで効率的に行うことが好ましい。さらに好ましくは、乾燥ホッパ−を断熱構造にする場合である。
セルロースアシレートの含水率は2.0質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましく、0.1%以下であることが最も好ましい。
ペレット化は上記セルロースアシレートと添加物を2軸或いは1軸混練押出機を用いて150℃〜240℃で溶融後、ヌードル状に押出したものを水中で固化し裁断することで行うことができる。水中に直接押出ながらカットするアンダーウオーターカット法でペレット化を行ってもよい。本発明におけるペレット化温度は150℃〜240℃が好ましく、160℃〜240℃がより好ましく、170℃〜230℃がさらに好ましい。
ペレット押出機の入口温度(T1)より押出機出口温度(T2)を高くするのが好ましい。即ち、溶融が進むにつれ温度を上昇して行くようにすることが好ましい。これは入口から急激に昇温すると、添加剤が先に溶解し液化してしまうためである。この中でセルロースアシレートは浮遊したようになり、十分な剪断力をスクリューから受けることができず、不溶解物が発生してしまう。このような十分混合の進んでいないものは、上記のような添加剤の均一な分散効果が得られない。さらに、このような溶解不良物を有するペレットは溶融製膜した後にフィッシュアイ状の異物となる。このような異物は偏光板で観察しても輝点とならず、むしろフィルム背面から光を投射しスクリーン状で観察することで視認できる。さらにフィッシュアイはダイ出口で尾引きを引き起こし、ダイラインも増加させる。
ペレット化における押出滞留時間は10秒〜5分が好ましく、20秒〜3分がより好ましく、20秒〜2分がさらに好ましい。
混練押出機スクリューのケーシングに排気口を設け、これを真空ポンプに配管し、真空排気しながらペレット化することが好ましい。0.8気圧〜0.1気圧で真空排気すること好ましく、0.6気圧〜0.1気圧がより好ましく、0.5気圧〜0.1気圧がさらに好ましい。これにより、揮散性低分子成分を除去することができる。
またペレット化を行う時に、前述の添加剤は押出機の途中にある原料投入口やベント口から投入することもできる。
ペレット化工程前後の分子量低下率は通常20%以下であり、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
(2−1)乾燥
溶融製膜に先立ちペレット中の水分を乾燥して含水率を0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下にしておくことが好ましい。
このための乾燥温度は40〜180℃が好ましく、乾燥風量は好ましくは20〜400m3/時間であり、特に好ましくは100〜250m3/時間である。乾燥風の露点は好ましくは0〜−60℃であり、より好ましくは−20〜−40℃である。
乾燥したセルロースアシレート樹脂を押出機の供給口からシリンダー内に供給する。
押出機のスクリュー圧縮比は2.5〜4.5が好ましく、より好ましくは3.0〜4.0である。L(スクリュー長)/D(スクリュー径)は20〜70が好ましく、より好ましくは24〜50である。押出温度は190〜240℃が好ましい。押出し機のバレルは3〜20に分割したヒーターで加熱し溶融することが好ましい。
スクリューは、フルフライト、マドック、ダルメージ等を用いることができる。
樹脂の酸化防止のために、押出機内を不活性(窒素等)気流中、あるいはベント付き押出し機を用い真空排気しながら実施するのがより好ましい。
樹脂中の異物濾過のためや異物によるギアポンプ損傷を避けるため押出機出口にフィルター濾材を設けるいわゆるブレーカープレート式の濾過を行うことが好ましい。またさらに精度高く異物濾過をするために、ギアポンプ通過後にいわゆるリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けることが好ましい。濾過は、濾過部を1カ所設けて行ってもよいし、また複数カ所設けて多段濾過で行ってもよい。フィルター濾材の濾過精度は高い方が好ましいが、濾材の耐圧や濾材の目詰まりによる濾圧上昇から、濾過精度は15μm〜3μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜3μmである。特に最終的に異物濾過を行うリーフ型ディスクフィルター装置を使用する場合では品質の上で濾過精度の高い濾材を使用することが好ましく、耐圧、フィルターライフの適性を確保するために装填枚数にて調整することが可能である。濾材の種類は、高温高圧下で使用される点から鉄鋼材料を用いることが好ましく、鉄鋼材料の中でも特にステンレス鋼,スチールなどを用いることが好ましく、腐食の点から特にステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成としては、線材を編んだものの他に、例えば金属長繊維あるいは金属粉末を焼結し形成する焼結濾材が使用できる。濾過精度,フィルターライフの点から焼結濾材を用いることが好ましい。
濾過圧は、0.5MPa〜15MPaが好ましく、2MPa〜15MPaがさらに好ましく、10MPa〜15MPaがもっとも好ましい。濾過圧は、高いほうが濾過時間を短くすることができるので好ましいが、フィルターの破損が起こらない範囲の高圧を用いることが好ましい。
厚み精度向上(吐出量の変動減少)のために、押出機とダイスの間にギアポンプを設置するのが好ましい。これにより、ダイ部分の樹脂圧変動巾を±1%以内にできる。
ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリューの回転数を変化させて、ギアポンプ前の圧力を一定に制御する方法も好ましい。3枚以上のギアを用いた高精度ギアポンプも有効である。ギアポンプ内の滞留部分が樹脂劣化の原因となるため、滞留の少ない構造が好ましい。
ダイス内の溶融樹脂の滞留が少ない設計であれば、一般的に用いられるTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプを用いても構わない。また、Tダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためのスタティックミキサーを入れることも問題ない。Tダイ出口部分のクリアランスは一般的にフィルム厚みの1.0〜5.0倍がよく、さらに好ましくは1.3〜2倍である。
ダイのクリアランスは40〜50mm間隔で調整可能であることが好ましく、より好ましくは25mm間隔以下である。また、下流のフィルム厚みを計測してダイの厚み調整にフィードバックさせる方法も厚み変動の低減に有効である。
機能層を外層に設けるため、多層製膜装置を用いて2種以上の構造を有するフィルムの製造も可能である。
樹脂が供給口から押出機に入ってからダイスから出るまでの樹脂の好ましい滞留時間は2分〜60分であり、好ましくは4分〜30分である。
ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、フィルムを得る。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い密着を上げることが好ましい。またエッジピニング(フィルムの両端部のみを密着させる方法)も好ましい。
巻き取り前に両端をトリミングすることが好ましい。トリミングされた部分はフィルム用原料として再利用してもよい。トリミングカッターはロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等何れを用いても構わない。材質についても、炭素鋼、ステンレス鋼、セラミックを用いることができる。
巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルムを付けてもよい。
溶融製膜前後の分子量低下率は通常20%以下であり、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
上記のセルロースアシレート混合物(セルロースアシレート、上記(1)の化合物、上記(2)の化合物を含み、さらに可塑剤、安定剤、その他の添加剤を含んでいてもよい混合物)は、以下の物性を満たすことが好ましい。
本発明で用いるセルロースアシレート混合物は、以下の溶融粘度の条件を満たすものが好ましい。すなわち、可塑剤を含むセルロースアシレート混合物の溶融粘度と、可塑剤を含まないセルロースアシレート混合物の溶融粘度との比(下式の溶融粘度低下比)が、0.05〜0.95であるものを使用することが好ましく、より好ましくは0.05〜0.9、さらに好ましくは0.05〜0.8である。
溶融粘度低下比=可塑剤添加後の溶融粘度/可塑剤無添加の溶融粘度
可塑剤を含有するセルロースアシレート混合物の溶融粘度は、220℃、せん断速度1秒―1において200〜3000Pa・sが好ましく、より好ましくは250〜2000Pa・s、さらに好ましくは250〜1500Pa・sである。このような条件のセルロースアシレート混合物を使用すれば、ダイラインおよび厚みムラをより効果的に抑制することができる。また、セルロースアシレートの濾過特性をより効果的に向上させることもできる。
本発明で用いるセルロースアシレート混合物は、窒素中にて240℃で1時間加熱した後の質量減量率が3質量%以下であることが好ましい。ここで、加熱減量率とは、窒素ガス雰囲気下において室温から10℃/分の昇温度速度で試料を昇温し、240℃で1時間保持した後の質量減少率をいう。上記の条件を満たすセルロースアシレート混合物であれば、加熱後の質量減量率を3質量%以下にすることができる。質量減量率は、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。このような条件を満たすセルロースアシレート混合物を用いることことによって、製膜中に発生する故障(気泡の発生)および異物故障をより効果的に抑制することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの残存溶媒量は0.1質量%以下であり、好ましいのは0.05%以下、さらに好ましくは0.01%以下である。
Re=(nx−ny)×d
Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d
(nx:遅相軸方向屈折率、ny:進相軸方向屈折率、nz:厚み方向屈折率、d:厚み(nm))
また、波長590nmにおける25℃・相対湿度10%におけるRthと25℃・相対湿度80%におけるRthとの差の絶対値は25nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下である。
式(A−1) 0≦|Re(700)−Re(400)|≦15nm
式(A−2) 0≦|Rth(700)−Rth(400)|≦35nm
(式中、Re(400)およびRe(700)は、波長400nmおよび700nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(400)およびRth(700)は、波長400nmおよび700nmにおける厚さ方向のレターデーションを表す。)
(延伸)
未延伸フィルムを延伸し、Re,Rthを制御することもできる。
延伸温度は(Tg〜Tg+50℃)が好ましく、さらに好ましくは(Tg+5℃)〜(Tg+20℃)である。好ましい延伸倍率は少なくとも一方に1%〜300%、より好ましくは3%〜200%である。一方の延伸倍率を他方より大きくして延伸するほうがより好ましく、小さい方の延伸倍率は1%〜30%が好ましく、より好ましくは3%〜20%であり、大きいほうの延伸倍率は30%〜300%が好ましく、より好ましくは40%〜150%である。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。ここでいう延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/(延伸前の長さ)
Rth≧Re
200≧Re≧0
500≧Rth≧30
Rth≧Re×1.2
150≧Re≧20
350≧Rth≧80
延伸セルロースアシレートフィルムの物性は以下の範囲が好ましい。
引張り弾性率は1.0kN/mm2以上3.0kN/mm2未満が好ましく、より好ましくは1.3kN/mm2〜2.6kN/mm2である。
次に、本発明のセルロースアシレートフィルムに対して行うことができる処理について、好ましい態様を参照しながら説明する。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよいし、さらにまた大気圧下でのプラズマ処理でもよい。プラズマ励起性気体とは、上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などが挙げられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000keV下で20〜500kGyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500keV下で20〜300kGyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
本発明のセルロースアシレートフィルムに、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されている機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光膜の付与(偏光板)、光学補償層の付与(光学補償シート)、反射防止層の付与(反射防止フィルム)である。以下に順に説明する。
(使用素材)
現在、市販の偏光膜は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素を浸透させることによって作製するのが一般的である。偏光膜としては、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜も利用できる。偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。二色性色素としては、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素あるいはアントラキノン系色素が用いられる。二色性色素は、水溶性であることが好ましい。二色性色素は、親水性置換基(例えば、スルホ、アミノ、ヒドロキシル)を有することが好ましい。例えば、発明協会公開技法(公技番号2001−1745号、発行日2001年3月15日、発明協会)58頁に記載の化合物が挙げられる。
偏光膜は、偏光膜を延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。
上記鹸化後のセルロースアシレートフィルムと、延伸して調製した偏光膜を貼り合わせ偏光板を調製する。張り合わせる方向は、セルロースアシレートフィルムの流延軸方向と偏光板の延伸軸方向が45度になるように行うのが好ましい。
光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するためのものであり、セルロースアシレートフィルムの上に配向膜を形成し、さらに光学異方性層を付与することで形成される。
上記表面処理したセルロースアシレートフィルム上に配向膜を設ける。この膜は、液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光子上に転写して本発明の偏光板を作製することも可能である。
このようにして得た配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
円盤状(ディスコティック)液晶性分子には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
上記の液晶性分子と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
光学異方性層は、液晶性分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
保護層を、光学異方性層の上に設けてもよい。
反射防止膜は、一般に、防汚性層でもある低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)とを透明基体上に設けた構造を有する。
基体上に少なくとも中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成からなる反射防止膜は、以下の関係を満足する屈折率を有する様に設計される。
また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層としたもの(例えば、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
反射防止膜の高い屈折率を有する層は、平均粒子サイズ100nm以下の高屈折率の無機化合物超微粒子およびマトリックスバインダーを少なくとも含有する硬化性膜からなる。
低屈折率層は、高屈折率層の上に順次積層してなる。低屈折率層の屈折率は通常1.20〜1.55である。好ましくは1.30〜1.50である。
ハードコート層は、反射防止フィルムに物理強度を付与するために、透明支持体の表面に設ける。特に、透明支持体と前記高屈折率層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものが挙げられる。
前方散乱層は、液晶表示装置に適用した場合の、上下左右方向に視角を傾斜させたときの視野角改良効果を付与するために設ける。上記ハードコート層中に屈折率の異なる微粒子を分散することで、ハードコート機能と兼ねることもできる。
上記の層以外に、プライマー層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けてもよい。
反射防止フィルムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号明細書)により、塗布により形成することができる。
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置に好適に使用することができる。特に、本発明のセルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると有効である。なお、フィルムそのものを光学補償シートとして用いる場合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償シートの遅相軸とを実質的に平行または垂直になるように配置することが好ましい。このような偏光素子と光学補償シートとの配置については、特開平10−48420号公報に記載がある。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成を有している。
以下に、本発明のセルロースアシレートフィルムを適用しうる液晶表示装置の種類について説明する。
カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。
棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。
電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向しているのが特徴であり、VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することができる。
以下において、セルロースアシレート、セルロースアシレートフィルム、それらを用いた製造物の測定方法と評価方法ついて記載する。本出願に記載される測定値は、以下に記載される方法により測定されたものである。
セルロースアシレートやセルロースアシレート混合物の含水率は、試料乾燥装置(CA−03、VA−05、共に三菱化学(株))を用いてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
アシル基の置換度は、ASTM D−817−91に準じた方法、セルロースアシレートを完全に加水分解し、遊離したカルボン酸またはその塩をガスクロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィーで定量する方法、1H−NMRあるいは13C−NMRによる方法などを単独または組み合わせることにより決定した。
カラム:TSK GEL Super HZ4000、TSK GEL Super HZ2000、
TSK GEL Super HZM−M、TSK Guard Column Super HZ−L、
カラム温度:40℃
溶離液:THF
流量:1ml/分
検出器:RI
ペレット化前後分子量低下率および溶融製膜前後分子量低下率は下記のように定義する。ペレット化前後分子量低下率=[(ペレット化前樹脂のMw − ペレット化後のMw)/ペレット化前樹脂のMw]×100
溶融製膜前後分子量低下率=[(ペレット化前樹脂のMw − 溶融製膜後のMw)/ペレット化前樹脂のMw]×100
セルロースアシレートフィルムの全幅に亘り35mm幅でサンプリングした(TDサンプル)。幅方向中央部を35mm幅で2m長サンプリングした(MDサンプル)。TDサンプル、MDサンプルを連続厚み計(FILM THICKNESS TESTER KG601A、ANRITSU(アンリツ電気(株))製)で測定し、(最大値−平均値)、(平均値−最小値)の平均を厚みムラとした。
3次元表面構造解析顕微鏡(Zygo社製New View5022)を用いて下記条件でセルロースアシレートフィルムを測定した。
対物レンズ:2.5倍
イメージズーム:1倍
測定視野:幅方向(TD)2.8mm、長手方向(MD)2.1mm
この中で0.01μm〜30μmの高さの山(凸部)、0.01μm〜30μmの深さの谷(凹部)の本数を数えた。ただし、凸部、凹部はいずれもMD方向に連続して1mm以上連続しているものを指す。この凸部、凹部の本数を測定幅(2.8mm)で割った後100倍し、10cm当りの凸部、凹部の数とした。
上記測定を、製膜したサンプルフィルム全幅にわたって等間隔で30点測定して平均化することにより、幅10cm当りの凸部と凹部の数を求めた。
プレート型レオメーター(例えばPhysica社製 MCR301型)を用い、下記条件でセルロースアシレートの溶融粘度を測定した。
測定温度:220℃、
プレート:25mmφ平行板
ギャップ:1mm
剪断速度:1sec-1
なお、測定に先立ちセルロースアシレート樹脂に熱安定剤(住友化学製 スミライザーGP)を0.3質量%添加しよく撹拌したものをサンプルとして用い、サンプルセット後に10分以内に測定した。
可塑剤を添加したセルロースアシレートと可塑剤を添加しないセルロースアシレートを用い、220℃、剪断速度1sec-1における溶融粘度値の比(可塑剤添加/可塑剤無添加)を溶融粘度低下比とした。
溶融粘度低下比=可塑剤添加後溶融粘度/可塑剤無添加溶融粘度
添加剤(可塑剤、安定剤など)の熱揮散性は、TG−TDA(差動系示差熱天秤)(理学電械(株)製、TG8120)を用いて、100ml/min窒素雰囲気中で240℃1時間保持した前後の添加剤の熱質量減少を測定して評価した。
セルロースアシレートフィルムの着色程度を示すb値、YI値を以下の方法で測定した。
(8−1)YI値
セルロースアシレートフィルムから任意に20回サンプリングし、下記方法に従いYIを測定し、この中の最大値をYIとした。数値が大きいほど、着色(黄変)が悪いフィルムであることを示す。
色差計(日本電飾工業(株)製 色差計Z−II OPTICAL SENSOR)を用い、JIS K7105 6.3に従い黄色味(YI;イエローネスインデックス)を測定した。ペレットは反射法で測定し、フィルムは透過法にて三刺激値(X、Y、Z)を測定した。さらにX、Y、Zを用い下記式によりYI値を算出した。
YI={(1.28X−1.06Z)/Y}×100
さらにフィルムのYI値は上記式にて算出したYI値を、そのフィルムの厚み(μm)で割り、80μm当たりに換算して規格YI値とした。
規格YI値=YI(測定値)×80/膜厚
(8−2)b値
セルロースアシレートフィルムから任意に20回サンプリングし、下記方法に従いb値を測定し、この中の最大値をb値とした。数値が大きいほど、着色(黄変)が悪いフィルムであることを示す。 東京電色(株)製カラーアナライザーTC−1800MKII型を用いてJIS Z−8722の方法に準じてL、a、b値を測定した。黄色味を表すb値を色調とした。
試料70mmφを25℃・相対湿度60%および40℃・相対湿度95%でそれぞれ24時間調湿し、透湿試験装置(KK−709007、東洋精機(株))にて、JIS Z−0208に従って、単位面積あたりの水分量を算出(g/m2・24時間)した。透湿度を、調湿後質量−調湿前質量により求めた。
25℃・相対湿度60%の環境下、純水を用い、接触角計(協和界面科学(株)製、CA−X型接触角計)により測定した。測定した20点の平均値を接触角とした。
セルロースアシレートフィルムの長さ方向10m、250mおよび450mにおいて、全幅×1mのフィルムをサンプルリングし、これを反射光、透過光にて角度を変えて検査し、またはベース面状投影機を用いて膜中異物を目視にて検出した後、偏光顕微鏡で異物大きさを確認して評価した。サイズ2μm以上の異物数をカウントし、1m2あたりの異物合計平均数とした。
直交状態(クロスニコル)に二枚の偏光板を配置して透過光を遮断し、二枚の偏光板の間に各試料を置いた。偏光板はガラス製保護板のものを使用した。片側から光を照射し、反対側から光学顕微鏡(100倍)で1cm2当たりの直径2μm以下の輝点異物数をカウントした。
DSCの測定パンにサンプルを10mg入れた。これを窒素気流中で、10℃/分で20℃から250℃まで昇温した後、30℃まで−10℃/分で冷却した。この後、再度10℃/分で30℃から250℃まで昇温してベースラインが低温側から偏奇し始める温度をTgとした。
セルロースアシレートフィルムを25℃・相対湿度60%にて24時間調湿後、自動複屈折計(KOBRA−21ADH:王子計測機器(株)製)を用いて、25℃・相対湿度60%において、フィルム表面に対し垂直方向および遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム面法線から+50°から−50°まで10°刻みで傾斜させた方向から波長590nmにおける位相差値を測定することにより、面内レターデーション値(Re)と膜厚方向のレターデーション値(Rth)とを算出させた。特に断らない場合ReおよびRthは、この値をさす。
セルロースアシレートフィルムを、25℃・相対湿度10%で24時間以上調湿した後、25℃・相対湿度10%中で前記と同様にしてReおよびRthを測定する(Re(10)、Rth(10)とする)。
これと同じサンプルフィルムを用い、25℃・相対湿度80%で24時間以上調湿した後、25℃・相対湿度80%中で前記と同様にしてRe、Rthを測定する(Re(80)、Rth(80)とする)。各試料サンプルのRe、Rthの湿度変動値は下式に表れ、それぞれ25℃・相対湿度10%と25℃・相対湿度80%の測定平均値の絶対差である。
Re湿度変動値(nm)=|Re(10)−Re(80)|
Rth湿度変動値(nm)=|Rth(10)−Rth(80)|
Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+50°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−50°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値等の計3つ以上の方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。波長分散性は、|Re(700)−Re(400)|と|Rth(700)−Rth(400)|で評価した。
セルロースアシレートフィルムの長さ方向10m、250mおよび450mにおいてサンプルリングし、幅方向として端部から20cmごとに7個所、合計21サンプルを25℃、相対湿度60%に3時間調湿し、同一環境下で、各Re、Rthを測定し、得られた数値の最大値と最小値の差を、それぞれReムラ,Rthムラとして評価した。数値が小さいほど優れた光学特性バラツキを有するフィルムであることを示す。
自動複屈折計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)を用いて、セルロースアシレートフィルム(70mm×100mm)の軸ズレ角度を測定した。幅方向に全幅にわたって等間隔で20点測定し、絶対値の平均値を求めた。また、遅相軸角度(軸ズレ)のレンジは、幅方向全域にわたって等間隔に20点測定し、軸ズレの絶対値の大きいほうから4点の平均と小さいほうから4点の平均の差をとって求めた。
東洋ボールドウィン製の万能引っ張り試験機STM T50BPを用いて、23℃、相対湿度70%雰囲気中、引っ張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求めた。
溶融樹脂を溶融濾過装置(5μmのステンレス製リーフ型ディスクフィルター型、濾過面積4cm2)に入れ、225℃の温度と10MPaの圧力で加圧濾過した。濾過開始1分から5分の間に得られる濾過量(g)を計り、濾過時間で割った。1cm2フィルターあたり1秒間の濾過量を求め、表1に記載する。
透過率は、分光光度計(村上色彩技術研究所製,DOT−3)を用いて測定し、JIS Z8701の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
セルロースアシレートフィルム(15mm×250mm)を、23℃、相対湿度65%にて2時間調湿しテンシロン引張試験機(RTA−100、オリエンテック(株))を用いてISO1184−1983に従って、初期試料長100mm、引張速度200±5mm/分で弾性率を引張初期の応力と伸びより算出し、抗張力、伸張力、破断伸度を評価した。
攪拌装置および冷却装置を付けた反応容器に、セルロース(リンター)80質量部、酢酸33質量部を取り、60℃で4時間処理してセルロースを活性化した。無水酢酸33質量部、プロピオン酸518質量部、プロピオン酸無水物536質量部、硫酸4質量部を混合し、−20℃に冷却してから反応容器に添加した。
攪拌装置および冷却装置を付けた反応容器に、セルロース(木材パルプ)200質量部、酢酸100質量部を取り、60℃で4時間処理することによりセルロースを活性化した。酢酸161質量部、無水酢酸449質量部、酪酸742質量部、酪酸無水物1349質量部、硫酸14質量部を混合し、−20℃に冷却してから反応容器に添加した。
セルロース(広葉樹パルプ)10質量部に、酢酸0.1質量部、プロピオン酸2.7質量部を噴霧した後、1時間室温で保存した。別途、無水酢酸1.2質量部、プロピオン酸無水物61質量部、硫酸0.7質量部の混合物を調製し、−10℃に冷却後に、前記前処理を行ったセルロースと反応容器内で混合した。30分経過後、外設温度を30℃まで上昇させ、4時間反応させた。反応容器に25%含水酢酸46質量部を添加し、内温を60℃に上昇させて、2時間攪拌した。酢酸マグネシウム4水和物と酢酸と水とを等重量ずつ混合した溶液を6.2質量部添加し、30分間攪拌した。反応液を、保留粒子径40μm、10μm、3μmの各金属焼結フィルターにて順に加圧ろ過して異物を除去した。75%含水酢酸に濾過後の反応液を混合してセルロースアセテートプロピオネートを沈殿させた後、70℃の温水にて、洗浄液のpHが6〜7になるまで洗浄を行った。更に、0.001%水酸化カルシウム水溶液中で0.5時間攪拌する処理を行った後に濾過した。得られたセルロースアセテートプロピオネートを70℃で乾燥した。1H−NMRの測定から、得られたセルロースアセテートプロピオネートはアセチル置換度0.15、プロピオニル置換度2.62、全アシル置換度2.77、数平均分子量54500(数平均重合度DPn=173)、質量平均分子量132000(質量平均重合度DPw=419)、残存硫酸量45ppm、マグネシウム含有量8ppm、カルシウム含有量46ppm、ナトリウム含有量1ppm、カリウム含有量1ppm、鉄含有量2ppmであった。本試料のジクロロメタン溶液からキャストしたフィルムを偏光顕微鏡で観察した結果、偏光子を直交させた場合も平行にした場合も、異物は認められなかった。
さらに、上記無水酢酸、プロピオン酸無水物の仕込み量を変えることで、アセチル置換度0.43、プロピオニル置換度2.40、重量平均分子量131000(質量平均重合度DPw=414)、数平均分子量48300(数平均重合度DPw=152)のセルロースアセテートプロピオネートを得た。残存硫酸量40ppm、マグネシウム含有量10ppm、カルシウム含有量50ppm、ナトリウム含有量2ppm、カリウム含有量1ppm、鉄含有量1ppmであった。本試料のジクロロメタン溶液からキャストしたフィルムを偏光顕微鏡で観察した結果、偏光子を直交させた場合も平行にした場合も、異物は認められなかった。
1.未延伸セルロースアシレートフィルムの製膜
(1)セルロースアシレートの調製
前述のセルロースアシレートの合成例1〜3の方法に準じて、アシル化剤の組成、アシル化の反応温度および時間、部分加水分解の温度および時間を変化させることにより、表1の記載のセルロースアシレートを合成した。目的とするアシル置換度に応じて、セルロースにアシル化剤(酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、プロピオン酸無水物、酪酸、酪酸無水物から単独または複数を組み合わせて選択される)、ならびに触媒としての硫酸を混合し、反応温度を40℃以下に保ちながらアシル化を実施した。原料となるセルロースが消失してアシル化が完了した後、さらに40℃以下で加熱を続けて、所望の重合度に調整した。酢酸水溶液を添加して残存する酸無水物を加水分解した後、60℃以下で加熱を行うことで部分加水分解を行い、所望の全置換度に調整した。残存する硫酸を過剰量の酢酸マグネシウムにより中和した。反応液を、保留粒子径40μm、10μm、3μmの各金属焼結フィルターにて順に加圧ろ過して異物を除去した。酢酸水溶液から再沈殿を行い、さらに、水での洗浄を繰り返すことにより、表1に記載のアシル基の種類、置換度、重合度の異なるセルロースアシレートを得た。
上記セルロースアシレートを100℃で3時間乾燥し含水率を0.1質量%以下にした後、可塑剤を表1に記載される対セルロースアシレートの質量比で添加した。表中の可塑1〜6、TTPの内容と分子量は下記のとおりである。
可塑1:前記A−1(分子量692.2)
可塑2:前記A−4(分子量686.7)
可塑3:スクロースオクタベンゾエート(分子量862.5)
可塑4:セルビオースオクタアセテート(分子量678.6)とスクロースオクタ
プロピオネート(分子量790.8)の1:1混合物(質量比)
可塑5:グロコースペンタアセテート (分子量390.1)
可塑6:セルロースアセテートプロピオネート (アセチル置換度0.5、
プロピオニル置換度2.40、重量平均分子量2310)
安定1:スミライザーGP(住友化学工業社製)0.3質量%
安定2:アデカスタイプAO−60:アデカスタイプPEP−36
=0.2質量%:0.2質量%
安定3:アデカスタイプAO−60:アデカスタイプPEP−36
=0.15質量%:0.25質量%
これらの添加物をヘンシェルミキサー((株)三井三池製作所製)で撹拌・混合し、表1に記載のセルロースアシレートに均一に混合とした。各セルロースアシレート混合物を下記の押し出し機(工程はすべて、窒素気流で満たされている)を用いてペレット化した。
つぎに上記で作製した添加剤などを含有したセルロースアシレートペレットを107℃になるように調整したホッパーに投入し、窒素気流下、フィード部(上流側)の温度180℃、表1記載の溶融温度(下流側)、T−ダイ温度で、圧縮比4のフルフライトスクリューを用い、L(スクリュー長)/D(スクリュー径)=30で混練溶融した。さらに、押し出し機出口において表1に記載される濾過量でブレーカープレート式の濾過を行った後、ギアポンプ通過後に4μmのステンレス製リーフ型ディスクフィルター型濾過装置を通した。
このようにして得た未延伸セルロースアシレートフィルムの物性を、前記の方法で測定し、以下の表2に記載した。
上記未延伸シートを図1に示す縦、横延伸工程を経て、(Tg+15℃)にて300%/分で下記の倍率に延伸した。なおTgとは各フィルムのガラス転移温度であり、DSCを用い10℃/分で測定し、低温側からベースラインが偏寄し始める温度を指す。
(1)セルロースアシレートフィルムの鹸化
上記の未延伸セルロースアシレートフィルムと延伸セルロースアシレートフィルムに対して、下記の浸漬鹸化を行った。本発明の試料No.1〜No.21のアルカリ加水分解性には問題がなく、ケン化後フィルムの25℃、相対湿度60%における水の接触角は全て45°以下で良好であった。塗布鹸化を行った場合も同様の結果が得られた。
鹸化液として60℃に調温した2.5mol/LのNaOH水溶液を用いて、その中にセルロースアシレートフィルムを2分間浸漬した。その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、水洗浴を通した。
イソプロパノール20質量部に水80質量部を加え、これにKOHを2.0mol/Lとなるように溶解し、60℃に調温したものを鹸化液として用いた。この鹸化液を60℃のセルロースアシレートフィルム上に10g/m2で塗布し、1分間鹸化した。この後、50℃の温水を10L/m2・分で1分間スプレーして洗浄した。
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸して厚み20μmの偏光膜を調製した。
このようにして得た偏光膜と、上記鹸化処理した未延伸および延伸セルロースアシレートフィルムならびに鹸化処理したフジタック(未延伸トリアセテートフィルム)を、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3質量%水溶液を接着剤として、偏光膜の延伸方向とセルロースアシレートの製膜流れ方向(長手方法)に下記組み合わせで張り合わせた。
偏光板A:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/フジタック
偏光板B:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/未延伸セルロースアシレートフィルム
偏光板C:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/延伸セルロースアシレートフィルム
このようにして得た偏光板の色調変化の大小を10段階(大きいものほど色調変化が大きい)で評価した。本発明を実施して作成した偏光板はいずれも色調変化が3以下ものであり、良い評価結果となった。
○:黒表示時した時に発生するスジ表示ムラや異物輝点故障や画像ボケや光漏れ
などが全く観測されず、高画質なパネルであった。
△:スジ表示ムラや異物輝点故障や画像ボケや光漏れなどが僅か観測され、高画
質が要求されない用途のパネルとしては、十分な特性を有するものであった。
×:スジ表示ムラや異物輝点故障や画像ボケや光漏れなどが十分に確認でき、性
能の劣るパネルであった。
表2に示す結果から、本発明を実施したものは良好な性能が得られた。一方、本発明の範囲外のものはLCDでの視認性は劣った。
(1) 未延伸フィルム
特開平11−316378号公報の実施例1の第1透明支持体に、本発明の未延伸セルロースアシレートフィルムを使用したところ、良好な光学補償フィルムが得られた。
特開平11−316378号公報の実施例1の液晶層を塗布したセルロースアセテートフィルムの代わりに、本発明の延伸セルロースアシレートフィルムを使用したところ、良好な光学補償フィルムが得られた。
本発明のセルロースアシレートフィルムを発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の実施例47に従い本発明の延伸、未延伸セルロースアシレートフィルムを用いて低反射フィルムを作成したところ、良好な光学性能が得られた。
上記本発明の偏光板を、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載の20インチOCB型液晶表示装置に用いた。さらに、本発明の低反射フィルムをこれらの液晶表示装置の最表層に貼り目視評価を行ったところ、良好な視認性能が得られた。
Claims (27)
- 下記式(S−1)〜(S−3)を満たすセルロースアシレートと、下記(1)の化合物と、下記(2)の化合物とを含有するセルロースアシレート混合物を150〜240℃で溶融してペレット化する工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートペレットの製造方法。
(1)リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物および多価アルコールの脂肪酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物(2)フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する少なくとも一種類の化合物
式(S−1) 2.5≦X+Y ≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。) - ペレット化前後のセルロースアシレートの分子量低下率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
- 前記セルロースアシレート混合物を含水率2%以下に乾燥した後、酸素濃度が5%容量以下の環境下において150〜240℃で溶融してペレット化することを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
- 前記ペレット化工程における前記セルロースアシレート混合物の滞留時間が10秒〜5分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
- 前記ペレット化工程を、排気口を設けたケーシングを備えた混練押出機スクリューを用いて、該排気口から0.8気圧〜0.1気圧で真空排気しながら実施すること特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により製造されるセルロースアシレートペレット。
- 下記式(S−1)〜(S−3)を満たすセルロースアシレートと、下記(1)の化合物と、下記(2)の化合物とを含有し、色調b値が0〜10であり、またはイエローネスインデックス(YI)が0〜10であることを特徴とするセルロースアシレートペレット。(1)リン酸エステル化合物、単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体、カルボン酸エステル化合物、アルキルフタリルアルキルグリコレート化合物および多価アルコールの脂肪酸エステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種類の化合物(2)フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する少なくとも一種類の化合物
式(S−1) 2.5≦X+Y ≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。) - 前記(1)の化合物の分子量が500以上であることを特徴とする請求項6または7に記載のセルロースアシレートペレット。
- 前記(2)の化合物の分子量が500以上であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- 前記(1)の化合物を240℃において1時間加熱した後の質量減少量が15質量%以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- 前記(2)の化合物を240℃において1時間加熱した後の質量減少量が15質量%以下であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- 前記(1)の化合物が、前記セルロースアシレートに対して0.5〜30質量%含まれていることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- 前記(2)の化合物が、前記セルロースアシレートに対して0.01〜3質量%含まれていることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、フォルムアミジン系およびトリアジン環系からなる群より選択される少なくとも一種類の融点100℃以上の紫外線吸収剤が、セルロースアシレートに対して0.3〜3質量%含まれていることを特徴とする請求項6〜13のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、ZrO2、In2O3、MgO、BaO、MoO2、V2O5からなる群より選択される少なくとも一種類の平均一次粒子サイズ0.005〜3μmの微粒子が、セルロースアシレートに対して0.005〜1.0 質量%含まれていることを特徴とする請求項6〜14のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
- 請求項6〜15のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットを180〜240℃で溶融して製膜する工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 請求項6〜15のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットを、単軸または2軸混練押出機を用いて酸素濃度が5%容量以下の環境下で180〜240℃でダイから押し出し、タッチロールを用いたキャスティングドラム上で冷却固化する溶融製膜工程を含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記溶融製膜工程により製膜されたフィルムを、100℃〜250℃で少なくとも1方向に1%〜300%延伸する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16または17に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 請求項16〜18のいずれか一項の製造方法により製造されるセルロースアシレートフィルム。
- フィルムの色調b値が0〜10であり、またはイエローネスインデックス(YI)が0〜10であることを特徴とする請求項19にセルロースアシレートフィルム。
- 高さ0.01μm〜30μmで長さ1mm以上の凸部、および深さ0.01μm〜30μmで長さ1mm以上の凹部の合計本数が幅10cmあたり0本〜5本であることを特徴とする請求項19または20に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 2μm以上の異物欠陥が30個未満/m2であり、2μm未満の微細異物欠陥が30個
未満/cm2であることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一項に記載のセルロー
スアシレートフィルム。 - フィルムの膜厚が20μm〜300μmであり、且つ膜厚ムラが5μm以下であることを特徴とする請求項19〜22のいずれかに一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 偏光膜に、請求項19〜23のいずれかに一項に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする偏光板。
- 請求項19〜23のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
- 請求項19〜23のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする反射防止フィルム。
- 請求項24に記載の偏光板、請求項25の光学補償フィルム、および、請求項26に記載の反射防止フィルムの少なくとも一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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