JP5633566B2 - ハードコートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

ハードコートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、新規のハードコートフィルム、前記ハードコートフィルムを用いた偏光板および前記偏光板を用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力で小型化・薄膜化が可能など様々な利点からパーソナルコンピューターや携帯機器のモニター、テレビ用途に広く利用されている。テレビ用途の液晶表示装置では、様々な角度から見ることが想定されているため、視野角依存性に対する要求が強く、光学異方性層を有した光学補償フィルム(位相差フィルム)が使用されている。また、液晶表示装置の最表面には物理的な損傷防止から、ハードコート層を有したフィルム(ハードコートフィルム)が用いられている。
一般に液晶表示装置のパネルは、2枚の偏光板で液晶セルを挟んだ構造から構成されている。表面側に使用される偏光板は、ハードコートフィルムと位相差フィルムの間に、ヨウ素または二色性染料を吸着させ染着させたポリビニルアルコール(以下PVAと略す)系フィルムを一定方向に延伸配向させた偏光素子(偏光膜)を挟んだ3層構造で構成される。位相差フィルムは、光学的異方性(複屈折)の高さ、位相差の均一性、低透湿性による光学特性変化が小さいことなどからノルボルネン系重合体を含むフィルムが用いられる(例えば、特許文献1)。
一方、偏光板はハードコートフィルムと位相差フィルムをアルカリ水溶液での鹸化処理後、水洗、乾燥後に貼合されて作製される。しかしながら、ノルボルネン系重合体を含むフィルムは低透湿性でありハードコート層も低透性湿のため、乾燥だけでは水分が十分に除去しきれず、残った水分の影響で接着性が不足し、張り合わせでのムラや貼り合せ後にそりが生じるなどの問題があった。
このため、水分除去の効率性を高めるため、ハードコートフィルムの基材フィルムを一般的に用いられる酢化度59.5%以上のセルローストリアセテートフィルムから、より透湿性が高い酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルムを用いたところ、セルロースアセテートフィルムとハードコート層間での密着が取りにくくなる問題があった。特に、デジタルサイネージ等の屋外使用を想定した耐候性試験後に、上記課題が顕著であった。
基材フィルムとハードコート層との層間密着を向上する技術については、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2は、多官能(メタ)アクリルモノマーと、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、重合性基を有する含フッ素化合物とを含む成分で硬化したハードコート層の表面自由エネルギーを20mN/m以下とし、更にハードコート層の膜厚を5〜25μmに制御したハードコートフィルムである。特許文献2の技術では、耐候性試験前の層間密着はある程度改善するものの、耐候性試験後の層間密着については改善効果が無く、また基材フィルムとして透湿性の高い酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルムを用いた場合のハードコート層との層間密着性などについては、何ら記載及び言及もされていない。
特開2008−31304号公報 特開2009−263600号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、透湿性が高い酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルムを用いた場合でも、ハードコート層とセルロースアセテートフィルムとの層間密着が良好なハードコートフィルム、その製造方法、並びにそれを用いた優れた偏光板および液晶表示装置の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有するハードコートフィルムによって、前記課題が解決することを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
本発明の一態様に係るハードコートフィルムは、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルム上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該セルロースアセテートフィルムが糖エステル化合物を含有しハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上、7H以下(JIS K5400に基づく測定値)であることを特徴とする。
このような構成により、まず、ハードコート層の硬さを制御することで、ハードコートフィルムの内部応力(残留応力)が最適化され、これによってセルロースアセテートフィルムとハードコート層との密着性が向上すると考えられる。さらに、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルムに糖エステル化合物を含有させることで、セルロースアセテートフィルムとハードコート層との相溶性が向上し(親和性が高くなり)、より密着性が向上する。
本実施形態に係るハードコートフィルムは、前記鉛筆硬度が4H以上、7H以下であればさらに密着性および耐候性が向上するためにより好ましい。
また、本実施形態に係るハードコートフィルムにおいて、前記糖エステル化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とすることが好ましい。
(式中、R〜Rは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアルキルカルボニル基、或いは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアリールカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。)これにより、優れた密着性を有するハードコートフィルムを得ることができる。
さらに、前記一般式(1)で表される糖エステル化合物の総平均置換度が5.0〜6.9であることがより好ましい。
また、好ましくは、前記ハードコート層は、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ微粒子(Xa)を含有する。
また、前記ハードコート層の算術平均粗さRaが4〜20nmであり、かつ該ハードコート層の算術平均粗さRaと前記セルロースアセテートフィルムのハードコート層塗設面の凹凸平均間隔Smとの比率(Ra/Sm)が、2×10−4〜6×10−3であることが好ましい。
また、前記ハードコート層が防眩層であって、該防眩層の積分反射率に占める散乱反射率の割合が2〜60%であることも好ましい。
その場合には前記散乱反射率の割合が20〜50%であることがより好ましい。
さらに、前記ハードコート層が2層以上で構成され、かつ基材フィルムと接するハードコート層が紫外線吸収剤を含有することも好ましい。
また、本発明の他の一態様に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備える偏光板であって、前記透明保護フィルムが、前記ハードコートフィルムであることを特徴とするものである。このような構成によれば、偏光素子の透明保護フィルムとして、高温・高湿環境下でもムラがなく密着性が高いので、例えば、液晶表示装置に適用した際に、液晶表示装置の高画質化・高耐久化を実現できる偏光板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備える液晶表示装置であって、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板であることを特徴とするものである。このような構成によれば、高温・高湿環境下でもムラがなく密着性が高い偏光板を用いるので、液晶表示装置の高画質化・高耐久化を実現できる。
本発明によれば、ハードコート層の硬さを制御することで、ハードコートフィルムの内部応力(残留応力)が最適化され、透湿性が高い酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートとハードコート層との層間密着の改良を図ったハードコートフィルム、その製造方法、及びそれを用い偏光板、液晶表示装置を提供することができる。よって、本発明により、耐候性試験後(ヒートショック試験とUV暴露試験)でも密着性に優れたハードコートフィルムを得ることができる。さらに、前記ハードコートフィルムを用いることにより、ムラ及び視認性に優れた偏光板および液晶表示装置を提供することができる。
図1は、実施例1のコントラスト試験に用いた装置の概略図である。 図2は、実施例1のコントラスト試験における実際の観察結果写真を示す。 図3は、実施例4において作製した偏光板201の断面概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態に係るハードコートフィルムは、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルム上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該セルロースアセテートフィルムが糖エステル化合物を含有し、ハードコートフィルムの鉛筆硬度がJIS K5400に基づく測定値で2H以上、7H以下であることを特徴とする。
<セルロースアセテートフィルム>
(糖エステル化合物)
本実施形態に係るハードコートフィルムにおいては、糖エステル化合物を含有する、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルムを用いる。
本実施形態において、糖エステル化合物とは、下記単糖、二糖、三糖またはオリゴ糖などの糖のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物である。糖としては例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースおよびケストースを挙げることができる。このほか、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。これらの化合物の中で、特にフラノース構造及び/又はピラノース構造を有する化合物が好ましい。これらの中でも、スクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、さらに好ましくは、スクロースである。また、オリゴ糖として、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖も好ましく使用することができる。
糖をエステル化するのに用いられるモノカルボン酸は、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。使用するカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、べヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができ、より具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−、m、p−アニス酸、クレオソート酸、o−、m、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。エステル化したエステル化合物の中では、エステル化によりアセチル基が導入されたアセチル化合物が好ましい。
以下に本実施形態において用いられ得る糖エステル化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
化合物1:
化合物2:
化合物3:
化合物4:
化合物5:
化合物6:
化合物7:
化合物8:
化合物9:
化合物10:
化合物11:
化合物12:
化合物13:
さらに、糖エステル化合部物としては、本発明の作用効果を良好に発揮する点から一般式(1)で示される化合物が好ましい。以下に、一般式(1)で示される化合物について説明する。
(式中、R〜Rは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアルキルカルボニル基、或いは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアリールカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。)
以下に一般式(1)で示される化合物をより具体的(化合物1−1〜化合物1−23)に示すが、これらに限定はされない。
一般式(1)で示される化合物は、例えば、以下に示すような方法によって得られる。
撹拌装置、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた四頭コルベンに、ショ糖34.2g(0.1モル)、無水安息香酸180.8g(0.8モル)、ピリジン379.7g(4.8モル)を仕込み、撹拌下に窒素ガス導入管から窒素ガスをバブリングさせながら昇温し、70℃で5時間エステル化反応を行なう。次に、コルベン内を4×10Pa以下に減圧し、60℃で過剰のピリジンを留去した後に、コルベン内を1.3×10Pa以下に減圧し、120℃まで昇温させ、無水安息香酸、生成した安息香酸の大部分を留去する。そして、次にトルエン1L、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液300gを添加し、50℃で30分間撹拌後、静置して、トルエン層を分取する。最後に、分取したトルエン層に水100gを添加し、常温で30分間水洗後、トルエン層を分取し、減圧下(4×10Pa以下)、60℃でトルエンを留去させると、下記のような例示化合物A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5の混合物が得られる。
実際に得られた混合物をHPLC及びLC−MASSで解析すると、A−1が7質量%、A−2が58質量%、A−3が23質量%、A−4が9質量%、A−5が3質量%であった。また、得られた混合物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製することで、それぞれ純度100%の例示化合物A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5を得ることができる。
一般式(1)で表される化合物の中でも総平均置換度が6.1〜6.9の化合物が、より過酷な条件においても、本発明の作用効果をより良く発揮する点から好ましい。置換度分布は、上記に示した合成例において、エステル化反応時間の調節、または置換度違いの化合物を混合することにより目的の置換度に調整できる。
後述する酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルム(以下、単にセルロースアセテートフィルムとも言う)に、単糖またはオリゴ糖からなるエステル化合物を含有させる場合には、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテート(以下、単にセルロースアセテートとも言う)に対し、1〜30質量%含有させることが好ましく、5〜25質量%含有させることがより好ましく、5〜20質量%含有させることが特に好ましい。
(セルロースアセテートフィルム基材)
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムとしては、透過性の観点から、酢化度X(%)が、下記式(III)の範囲を満たすセルロースアセテートからなるフィルムが用いられる。
式(III) 51.0≦X≦56.0
酢化度Xのより好ましい範囲は、54.0≦X≦56.0である。
セルロースアセテートフィルムの面内方向におけるレターデーションRは下記式(I)に定義され、30nm以上であることが好ましく、30〜200nmの範囲であることがより好ましく、30〜90nmの範囲であることが更に好ましい。厚み方向のレターデーションRthは下記式(II)に定義され、70nm以上であることが好ましく、70〜300nmの範囲であることがより好ましい。
式(I) R=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。)位相差の調整方法は、特に制限はないが、延伸処理によって調整する方法が一般的である。
本実施形態におけるセルロースアセテートは公知の方法で合成することができる。セルロースアセテートの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることが出来る。またそれらから得られたセルロースアセテートはそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
また本実施形態におけるセルロースアセテートは、市販品を用いることもでき、具体的には、ダイセル社L20、L30、L40、L50、イーストマンケミカル社のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60Sなどを使用することができる。
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムには、その他の樹脂を併用して用いても良い。具体的には、トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、シクロオレフィン、ポリメチルメタクリレートまたはアクリル等の樹脂を挙げることができるが、これらには限定されない。併用し得る樹脂としては、相溶性の点からセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。具体的には炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基の置換度をYとした時、下記式(I)および(II)を同時に満たすものが好ましい。
式(I) 1.9≦X≦2.5
式(II) 0.1≦Y≦0.9
また、併用する場合の樹脂比率は、本発明の目的効果が得られる範囲であれば、特に限定されないが、好ましくは本発明に係るセルロースアセテート100質量%に対して、100質量%以下である。
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムは、環境変化での寸法安定性から、下記一般式(2)で表されるエステル化合物を含有しても良い。
一般式(2) B−(G−A)n−G−B
(式中、Bはヒドロキシ基またはカルボン酸残基、Gは炭素数2〜12のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは1以上の整数を表す。)
一般式(2)において、炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。
特に炭素数2〜12のアルキレングリコールがセルロースアセテートとの相溶性に優れているため、特に好ましい。
炭素数6〜12のアリールグリコール成分としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
また、炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用される。炭素数6〜12のアリーレンジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸等がある。
以下に、一般式(2)で表されるエステル化合物の具体例(化合物2−1〜化合物2−23)を示すが、これに限定されない。
なお、本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムに、一般式(2)で表されるエステル化合物を含有させる場合には、セルロースアセテートに対し、1〜50質量%含有させることが好ましく、5〜35質量%含有させることがより好ましく、5〜25質量%含有させることが特に好ましい。
(その他の添加剤)
〔可塑剤〕
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムは、必要に応じて可塑剤を含有しても良い。
使用し得る可塑剤としては、特に限定されないが、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤および多価アルコールエステル系可塑剤、エステル系可塑剤、アクリル系可塑剤等が挙げられる。
多価アルコールエステル系可塑剤は、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなる可塑剤であり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。以下に、多価アルコールエステル系可塑剤の具体的例1〜35を示すが、これらに限定されるものではない。
グリコレート系可塑剤としては、特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられる。
フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
脂肪酸エステル系可塑剤としては、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなる化合物である。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の具体例としては、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)、ベンゾイルトリブチルシトレート、アセチルトリフェニルシトレート、アセチルトリベンジルシトレート、酒石酸ジブチル、酒石酸ジアセチルジブチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラブチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムに、上述したような可塑剤を含有させる場合、その使用量は、可塑剤の種類、使用条件等により一様ではないが、セルロースアセテートに対し、1〜50質量%含有させることが好ましく、5〜35質量%含有させることがより好ましく、5〜25質量%含有させることが特に好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムは、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することため、耐久性を向上させるができる。紫外線吸収剤は、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。紫外線吸収剤の具体例としては特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
より具体的には、例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等を用いることができる。これらは、市販品を用いてもよく、例えば、BASFジャパン社製のチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328等のチヌビン類を好ましく使用できる。
好ましく用いられる紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、特に好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などである。
この他、1,3,5トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特にポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
なお、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、市販品であるBASFジャパン(株)製のTINUVIN 109(オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートの混合物)、TINUVIN 928(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)などを用いることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、市販品であるBASFジャパン(株)製のTINUVIN 400(2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物)、TINUVIN 460(2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン)、TINUVIN 405(2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物)などを用いることができる。
紫外線吸収剤の添加方法は、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してから、フィルム基材となる樹脂溶液(ドープ)に添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。
無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースアセテート中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、セルロースアセテートフィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、セルロースアセテートフィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%が更に好ましい。
〔酸化防止剤〕
本実施形態におけるセルロースアセテートフィルムはさらに酸化防止剤(劣化防止剤)を含有していてもよい。
高湿高温の状態に液晶画像表示装置などがおかれた場合には、セルロースアセテートフィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えば、セルロースアセテートフィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等によりセルロースアセテートフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有する。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。
特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また、例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これら化合物の添加量は、セルロースアセテートフィルムに対して、質量割合で1ppm〜10000ppmが好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。
〔微粒子〕
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムには、取扱性を向上させる為、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がセルロースアセテートフィルムのヘイズを小さくできるので好ましく用いられる。
微粒子の1次平均粒子径としては、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
これらの微粒子は0.1〜5μmの粒径の2次粒子を形成してセルロースアセテートフィルムに含まれることが好ましく、更に好ましい平均粒径は0.1〜2μmであり、特に好ましくは0.2〜0.6μmである。これにより、フィルム表面に高さ0.1〜1.0μm程度の凹凸を形成し、これによってフィルム表面に適切な滑り性を与えることができる。微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、粒子径を測定しその平均値をもって、1次平均粒子径とした。
微粒子の見掛比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好ましくは、100〜200g/リットルである。見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
好ましく用いられる微粒子である二酸化ケイ素としては、例えばアエロジル200V、アエロジルR972V(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それらを使用することができる。
上記記載の見掛比重は、二酸化ケイ素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、下記式で算出したものである。
見掛比重(g/リットル)=二酸化ケイ素質量(g)/二酸化ケイ素の容積(リットル)
《分散方法》
次に、微粒子の分散方法について二酸化ケイ素を例にとって説明する。二酸化ケイ素微粒子を溶剤などと混合して分散する時の二酸化ケイ素の濃度は5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度は高い方が、添加量に対する液濁度は低くなる傾向があり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
使用される溶剤としては低級アルコール類などが挙げられ、好ましい具体例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアセテートの製膜時に用いられる溶剤と同種の溶剤を用いることが好ましい。
セルロースアセテートフィルムに対する微粒子の添加量は、微粒子の種類などによって異なるが、例えば、二酸化ケイ素を例にとると、セルロースアセテートに対して、二酸化ケイ素微粒子は0.01〜5.0質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%が更に好ましく、0.1〜0.5質量%が最も好ましい。添加量は多いと動摩擦係数に優れ、添加量が少ないと凝集物が少なくなる。
また微粒子の分散は、ボールミル、サンドミルなどの通常の分散機を使用できる。
また、微粒子を含むドープを流延支持体に直接接するように流延することが、滑り性が高く、ヘイズが低いフィルムが得られるので好ましい。
セルロースアセテートフィルムは、カルシウム及びマグネシウムの総量と酢酸量が下記関係式(a)を満たすことが好ましい。
関係式(a):1≦(酢酸量)/(カルシウム及びマグネシウムの総量)≦30
カルシウム及びマグネシウムは、セルロースアセテートフィルムの原料となるセルロースに含まれるが、セルロースの製造過程に添加される酸触媒(特に硫酸)を中和・安定化するため、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(無機酸塩、有機酸塩)として添加されてもよい。またセルロースアセテートフィルムの製膜時に金属酸化物、金属水酸化物、金属塩(無機酸塩、有機酸塩)として添加してもよい。カルシウム及びマグネシウムの総量は、それらの合計量を指す。また酢酸量は、残留酢酸や、遊離酢酸の総量を指す。
流延後に剥離して乾燥されロール状に巻き取られた後、ハードコート層等の機能性薄膜が設けられる。加工若しくは出荷されるまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品を保護するために通常、包装加工がなされる。
この包装材料については、上記目的が果たせれば特に限定されないが、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、紙、各種不織布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス状になったものは、より好ましく用いられる。
(セルロースアセテートフィルムの製造方法)
次に、本発明に係るセルロースアセテートフィルムの製造方法について説明する。
本発明に係るセルロースアセテートフィルムは、溶液流延法で製造されたフィルムであっても溶融流延法で製造されたフィルムであっても、好ましく用いることができる。
溶液流延法での製造は、セルロースアセテートおよび添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、更に乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースアセテートの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースアセテートの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、更に好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよいが、セルロースアセテートの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤が多い方がセルロースアセテートの溶解性の点で好ましい。
良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%である。良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースアセテートを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義している。
そのため、セルロースアセテートの平均酢化度(アセチル基置換度)によって良溶剤、貧溶剤が変わる。
良溶剤としては特に限定されないが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等が挙げられる。特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられる。
貧溶剤としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。
また、セルロースアセテートの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
回収溶剤中に、セルロースアセテートに添加されている添加剤、例えば可塑剤、紫外線吸収剤、ポリマー、モノマー成分などが微量含有されていることもあるが、これらが含まれていても好ましく再利用することができるし、必要であれば精製して再利用することもできる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースアセテートの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
溶剤の常圧での沸点以上でかつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため好ましい。
また、セルロースアセテートを貧溶剤と混合して湿潤あるいは膨潤させた後、更に良溶剤を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
加圧は窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱によって溶剤の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、高い方がセルロースアセテートの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度が高過ぎると必要とされる圧力が大きくなり生産性が悪くなる。
好ましい加熱温度は45〜120℃であり、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃が更に好ましい。また、圧力は設定温度で溶剤が沸騰しないように調整される。
もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチルなどの溶媒にセルロースアセテートを溶解させることができる。
次に、このセルロースアセテート溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生し易いという問題がある。
このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材が更に好ましい。
濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。濾過により、原料のセルロースアセテートに含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。
輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に光学フィルム等を置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm以下であることが好ましい。
より好ましくは100個/cm以下であり、更に好ましくは50個/cm以下であり、更に好ましくは0〜10個/cm以下である。また、0.01mm以下の輝点も少ない方が好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることが更に好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
ここで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。
キャストの幅は1〜4mとすることができる。流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、余り高過ぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
好ましい支持体温度は0〜55℃であり、25〜50℃が更に好ましい。あるいは、冷却することによってウェブをゲル化させて残留溶媒を多く含んだ状態でドラムから剥離することも好ましい方法である。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
セルロースアセテートフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、更に好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、セルロースアセテートフィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、更に乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
また流延では、共流延を用いることができ、共流延などの製造方法で、本発明に係るセルロースアセテートフィルムは、2層以上に積層されたフィルムで有っても良い。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールにウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明に係るセルロースアセテートフィルムを作製するためには、ウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅方向(横方向)に延伸を行うことが特に好ましい。剥離張力は300N/m以下で剥離することが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は40〜200℃で段階的に高くしていくことが好ましい。
セルロースアセテートフィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。更に好ましくは20〜60μmである。
本発明に係るセルロースアセテートフィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。特に幅1.4〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.6〜3mである。4mを超えると搬送が困難となる。
また、本発明に係るセルロースアセテートフィルムは長手方向(製膜方向)および、フィルム面内で直交する方向、即ち幅手方向に対して、逐次または同時に2軸延伸もしくは1軸延伸することができる。2軸方向の延伸倍率は、長手方向に0.8〜1.5倍、幅方向に1.1〜2.5倍の範囲とすることが好ましく、長手方向に0.8〜1.0倍、幅方向に1.2〜2.0倍に範囲で行うことが更に好ましい。延伸温度は120℃〜200℃が好ましく、さらに好ましくは150℃〜200℃であり、さらに好ましくは150℃を超えて190℃以下で延伸するのが好ましい。フィルム中の残留溶媒は20〜0%が好ましく、さらに好ましくは15〜0%で延伸するのが好ましい。
具体的には155℃で残留溶媒が11%で延伸する、あるいは155℃で残留溶媒が2%で延伸するのが好ましい。もしくは160℃で残留溶媒が11%で延伸するのが好ましく、あるいは160℃で残留溶媒が1%未満で延伸するのが好ましい。
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。
また、所謂テンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
セルロースアセテートフィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制または防止することに寄与でき、液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
(セルロースアセテートフィルムの物性)
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムの透湿度は、40℃、90%RHで300〜1800g/m・24hが好ましく、更に400〜1500g/m・24hが好ましく、40〜1300g/m・24hが特に好ましい。透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定することができる。本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムは破断伸度10〜80%であることが好ましく、20〜50%であることが更に好ましい。
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムの可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることが更に好ましい。
本実施形態に係るセルロースアセテートフィルムのヘイズはフィルム1枚での値が1%未満であることが好ましく0〜0.1%であることが特に好ましい。
また、セルロースアセテートフィルムにさらに液晶層を塗布することにより、さらに広い範囲にわたるレターデーション値を得てもよい。
<ハードコートフィルム>
本実施形態に係るハードコートフィルムは、少なくともハードコート層と前述したセルロースアセテートフィルムから構成され、ハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上、7H以下であることを特徴としている。好ましくは、前記鉛筆硬度は4H以上、7H以下である。ハードコートフィルムの鉛筆硬度が前記のような特定範囲に調整されるように、ハードコート層の構成(基材樹脂、添加物、それらの配合割合など)や膜厚などを適宜調整することにより、前記セルロースアセテートフィルムとハードコート層との密着性が非常に良好になる。なお、本実施形態において、鉛筆硬度は温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、加重500g条件でJIS K 5400が規定する鉛筆硬度試験方法に従い測定した値である。
(ハードコート層)
次に、ハードコート層を形成するハードコート層組成物について説明する。本実施形態において、ハードコート層を形成するハードコート層組成物は、ハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上、7H以下となるようなものであれば特に限定はされない。
ハードコートフィルムの前記硬度は、ハードコート層を形成するハードコート組成物の構成(基材樹脂、添加物、それらの配合割合など)、ハードコート層の製造方法、ハードコート層の膜厚などを適宜調整することにより調節することができる。
以下、本実施形態に係るハードコート層の構成および製造方法などについて、好ましい具体例を挙げてより詳細に説明する。
〔活性エネルギー線硬化型樹脂〕
本実施形態に係るハードコートフィルムのハードコート層は、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂で構成されることが好ましいため、本実施形態におけるハードコート層組成物には活性エネルギー線硬化型樹脂が含まれることが好ましい。活性エネルギー線硬化型とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいい、具体的にはエチレン性不飽和基を有する樹脂である。さらに具体的には、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化型アクリレート系樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、およびジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレートのモノマーとしては、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、活性エネルギー線硬化型のイソシアヌレート誘導体等が好ましく挙げられる。これら多官能アクリレートとしては市販品を用いてもよく、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A−TMM−3Lなど)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学製、PE−3A)等を入手できる。なお、これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
活性エネルギー線硬化型樹脂のイソシアヌレート誘導体としては、イソシアヌル酸骨格に1個以上のエチレン性不飽和基が結合した構造を有する化合物であればよく、特に制限はないが、同一分子内に3個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上のイソシアヌレート環を有する化合物が好ましい。
このようなイソシアヌル酸トリアクリレート化合物としては市販品を用いることもでき、例えば新中村化学工業株式会社製A−9300などが挙がられる。イソシアヌル酸ジアクリレート化合物の市販品としては、例えば東亞合成株式会社製アロニックスM−215などが挙がられる。イソシアヌル酸トリアクリレート化合物及びイソシアヌル酸ジアクリレート化合物の混合物としては、例えば東亞合成株式会社製アロニックスM−315、アロニックスM−313などが挙がられる。ε−カプロラクトン変性の活性エネルギー線硬化型のイソシアヌレート誘導体としては、ε−カプロラクトン変性トリス−(アクリロキシエチル)イソシアヌレートである新中村化学工業株式会社製A−9300−1CL、東亞合成株式会社製アロニックスM−327などを挙げることが出来るが、これらに限定されない。
また、活性エネルギー線硬化型樹脂としては単官能アクリレートを用いても良い。単官能アクリレートとしては、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどが挙げられる。単官能アクリレートとしては、新中村化学工業株式会社や大阪有機化学工業株式会社等から入手できる。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
さらに、活性エネルギー線硬化型樹脂としてはウレタンアクリレートを用いてもよい。ウレタンアクリレートとしては、例えば、荒川化学工業(株)製のビームセット575CB、共栄社化学製のUA−306Hなどの市販品を用いることができる。
上述したような多官能アクリレートの粘度は、25℃における粘度が3000mPa・s以下であることが好ましく、1500mPa・s以下がさらに好ましい。特に好ましくは、1000mPa・s以下である。このような低粘度樹脂としては、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを挙げることが出来る。なお、前記粘度はE型粘度計を用いて25℃の条件にて測定した値である。
ハードコート層組成物中における、前記活性エネルギー線硬化型樹脂の配合量は、組成物全体を100質量部とすると、通常、10〜99質量部、好ましくは35〜99質量部である。活性エネルギー線硬化型樹脂の配合量が少ないと、ハードコート層の膜強度が十分に得られにくい。また、配合量が多いと、後述する公知の塗布方法で塗布した際の膜厚均一性や塗布筋などの故障が発生するため好ましくない。
〔カチオン重合性化合物〕
ハードコート層はさらにカチオン重合性化合物を含有しても良く、カチオン重合性化合物とはエネルギー活性線照射や熱によってカチオン重合を起こして樹脂化するものであればいずれも使用できる。具体的には、エポキシ基、環状エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル化合物、ビニルオキソ基等が挙げられる。中でもエポキシ基やビニルエーテル基などの官能基を有する化合物が本発明においては、好適に用いられる。エポキシ基またはビニルエーテル基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ化合物としては、ポリマー化合物も使用することができる。
ハードコート層組成物に前記カチオン重合性化合物が含まれる場合、ハードコート層組成物中における、カチオン重合性化合物の配合量は、組成物全体を100質量部とすると、通常、1〜90質量部、好ましくは1〜50質量部である。
〔微粒子〕
ハードコート層は微粒子を含有しても良い。微粒子としては無機微粒子と有機微粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、またはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げることができる。これら微粒子の平均粒径は、ハードコート層塗布組成物の安定性やクリア性から、30nm〜200nmが好ましい。また、ハードコート層には粒径が異なる2種以上の微粒子を含有させてもよい。前記鉛筆硬度を達成しやすい点から、ハードコート層にはシリカ微粒子を含有させることが好ましい。
また、本発明の作用効果をより良く発揮する点から、ハードコート層には重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ微粒子(Xa)を含有させることが好ましい。以下、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ微粒子(Xa)について説明する。
《反応性シリカ微粒子(Xa)》
シリカ微粒子としては、公知のものを使用することができる。また、その形状は、球状でも不定形のものでもよく、通常のコロイダルシリカに限らず中空粒子、多孔質粒子、コア/シェル型粒子等であっても構わないが、pHが2.0〜6.5のコロイダルシリカが好ましい。
シリカ微粒子の分散媒は、水あるいは有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエ−テル類等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中で、アルコール類及びケトン類が好ましい。これら有機溶剤は、単独又は2種以上混合して分散媒として使用することもできる。市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、MEK−ST−MS,IPA−ST−L、IPA−ST−ZL等を挙げることができる。
反応性シリカ微粒子(Xa)は、上述したようなコロイダルシリカを、重合性不飽和基を有する有機化合物(以下、「有機化合物(X)」という)で表面処理することによって得られる。有機化合物(X)は、重合性不飽和基、好ましくはエチレン性不飽和基を有し、更に下記一般式(a)に示す基及び分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基または[−S−C(=O)−NH−]基の少なくともいずれか1つとを併用することが好ましい。
有機化合物(X)に含まれるエチレン性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基を好適例として挙げることができる。このエチレン性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
シラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。具体例としては、例えば、下記一般式(b)に示す化合物を挙げることができる。
一般式(b)中、R21、R22は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、jは、1〜3の整数である。
[(R21O)22 3−jSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
23は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
24は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
25は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
有機化合物(X)は、例えば、加水分解性シランと、ポリイソシアネート化合物、ポリチオイソシアネート化合物およびイソシアネート基とチオイソシアネート基を共に有する化合物から選ばれた1つ以上の化合物と、イソシアネート基もしくはチオイソシアネート基と付加反応を起こす活性水素原子を有する活性水素含有重合性不飽和化合物とを直接付加反応せしめることにより行うことができる。
好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシランとイソホロンジイソシアネートをジブチルスズジラウレート存在下で混合し、60〜70℃で数時間程度反応させた後に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加して、さらに60〜70℃で数時間程度反応させる。
次いで、得られた有機化合物(X)をシリカ微粒子と混合し、加水分解させ、両者を結合させることで反応性シリカ微粒子(Xa)を製造できる。
シリカ微粒子への有機化合物(X)の結合量は、シリカ微粒子を100質量%として、好ましくは0.01質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。
前記範囲であれば、組成物中における反応性シリカ微粒子(Xa)の分散性が良好である。また、反応性シリカ微粒子(Xa)製造時の原料中のシリカ微粒子の配合割合は、好ましくは5〜99質量%であり、さらに好ましくは10〜98質量%である。ハードコート層用塗布組成物中の、反応性シリカ微粒子(Xa)の含有量は、組成物中の固形分全量を100質量%としたときに、5〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。このような範囲で用いることで、ハードコート塗布組成物中で安定に存在する。
また、ハードコート層は前述した活性エネルギー線硬化型樹脂と微粒子とを含有し、含有質量比で、活性エネルギー線硬化型樹脂:微粒子=90:10〜20:80であることが好ましい。
〔その他の添加剤、ハードコート層の製造方法〕
ハードコート層には、前記活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化促進のため、さらに光重合開始剤を含有させることが好ましい。光重合開始剤の配合量としては、質量比で、光重合開始剤:活性エネルギー線硬化型樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アルキルフェノン系、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは市販のものを使用してもよく、例えば、BASFジャパン(株)製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア651などが好ましい例示として挙げられる。
またハードコート層は、上述したようなセルロースアセテートフィルムに含まれる紫外線吸収剤と同様の紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。
さらには、ハードコート層が2層以上で構成され、かつ基材フィルムと接するハードコート層に紫外線吸収剤を含有することが、本発明の目的効果が良好に発揮され、かつハードコート層の膜強度(耐擦傷性)や鉛筆硬度が良好に得られる点から好ましい。含有量としては質量比で、紫外線吸収剤:ハードコート層組成物=0.01:100〜10:100で含有することが好ましい。
ハードコート層を2層以上設ける場合、基材フィルムと接するハードコート層の膜厚は、0.05〜2μmの範囲であることが好ましい。2層以上の積層は同時重層で形成しても良い。同時重層とは、乾燥工程を経ずに基材上に2層以上のハードコート層をwet on wetで塗布して、ハードコート層を形成することである。第1ハードコート層の上に乾燥工程を経ずに、第2ハードコート層をwet on wetで積層するには、押し出しコーターにより逐次重層するか、若しくは複数のスリットを有するスロットダイにて同時重層を行えばよい。
またハードコート層の作成方法としては、セルロースアセテートフィルムを膨潤または一部溶解をする溶剤で希釈したハードコート層塗布組成物を、以下の方法でセルロースアセテートフィルム上に塗布、乾燥、硬化して設ける方法が、ハードコート層とセルロースアセテートフィルムとの層間密着が得られやすい点から好ましい。
セルロースアセテートフィルムを膨潤または一部溶解する溶剤としては、ケトンおよび/または酢酸エステルを含む溶剤が好ましい。具体的にはケトンとしてはメチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどを挙げることが出来る。また、酢酸エステルとしては酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどを挙げることができる。ハードコート層塗布組成物にはその他の溶剤として、アルコール系溶剤を含んでも良い。
塗布量はウェット膜厚として0.1〜40μmが好適で、さらに好ましくは、0.5〜30μmである。また、ドライ膜厚としては平均膜厚5〜20μm程度、好ましくは7〜12μmが好ましい。
ハードコート層は、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイ(押し出し)コーター、インクジェット法等公知の塗布方法を用いて、ハードコート層を形成するハードコート塗布組成物を塗布し、塗布後、乾燥し、活性線を照射(UV硬化処理とも言う)し、更に必要に応じて、UV硬化後に加熱処理することで形成できる。UV硬化後の加熱処理温度としては80℃以上が好ましく、更に好ましくは100℃以上であり、特に好ましくは120℃以上である。このような高温でUV硬化後の加熱処理を行うことで、ハードコート層の機械的強度(耐擦性、鉛筆硬度)がより良好となる。
乾燥は、減率乾燥区間の温度を80℃以上の高温処理で行うことが好ましい。更に好ましくは減率乾燥区間の温度は95℃以上、130℃以下である。減率乾燥区間の温度を高温処理とすることで、ハードコート層の形成時に塗膜樹脂中で対流が生じるため、その結果ハードコート層表面に微細な表面粗れが発現しやすく、後述する算術平均粗さRaも得られやすい点から好ましい。
一般に乾燥プロセスは、乾燥が始まると、乾燥速度が一定の状態から徐々に減少する状態へと変化していくことが知られており、乾燥速度が一定の区間を恒率乾燥区間、乾燥速度が減少していく区間を減率乾燥区間と呼ぶ。恒率乾燥区間においては流入する熱量はすべて塗膜表面の溶媒蒸発に費やされており、塗膜表面の溶媒が少なくなると蒸発面が表面から内部に移動して減率乾燥区間に入る。これ以降は塗膜表面の温度が上昇し熱風温度に近づいていくため、紫外線硬化型樹脂組成物の温度が上昇し、樹脂粘度が低下して流動性が増すと考えられる。
UV硬化処理の光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常50〜1000mJ/cm、好ましくは50〜300mJ/cmである。
また、活性線を照射する際には、フィルムの搬送方向に張力を付与しながら行うことが好ましく、更に好ましくは幅方向にも張力を付与しながら行うことである。付与する張力は、通常30〜500N/m、好ましくは30〜300N/mである。張力を付与する方法は特に限定されず、バックロール上で搬送方向に張力を付与してもよく、テンターにて幅方向、または2軸方向に張力を付与してもよい。これによって更に平面性の優れたフィルムを得ることができる。
ハードコート層には、帯電防止性を付与するために導電剤を含有させても良く、好ましい導電剤としては、金属酸化物粒子またはπ共役系導電性ポリマーが挙げられる。また、イオン液体も導電性化合物として好ましく用いられる。
フッ素−シロキサングラフトポリマーとは、少なくともフッ素系樹脂に、シロキサン及び/またはオルガノシロキサン単体を含むポリシロキサン及び/またはオルガノポリシロキサンをグラフト化させて得られる共重合体のポリマーをいう。市販品としては、富士化成工業株式会社製のZX−022H、ZX−007C、ZX−049、ZX−047−D等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤は、シリコーンオイルのメチル基の一部を親水性基に置換した界面活性剤である。親水性基としては、ポリエーテル、ポリグリセリン、ピロリドン、ベタイン、硫酸塩、リン酸塩、4級塩等がある。シリコーン界面活性剤の具体的商品として、例えば、SH200、BY16−873、PRX413(ジメチルシリコーンオイル;東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製)、SH203、SH230、SF8416(アルキル変性シリコーンオイル;東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製)、SF8417、BY16−208、BY16−209、BY16−849、BY16−872、FZ−2222、FZ−2207(ジメチルポリシロキサン・ポリエチレンオキサイド直鎖状ブロックコポリマー;日本ユニカー(株)製のFZシリーズ)、KF−101、KF−102,KF−105(エポキシ変性シリコーンオイル;信越化学工業社製)、BYK−UV3500,BYK−UV3510、BYK−333、BYK−331、BYK−337(ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビックケミ−ジャパン社製)等が挙げられるがこれらに限定されない。
またこれら成分は、塗布液中の固形分成分に対し、0.01〜5質量%の範囲で添加することが好ましい。
(ハードコート層の表面形状)
本発明に係るハードコート層面は、長尺フィルムで巻き取った際のブロッキング防止効果やセルロースアセテートフィルムとの密着性に優れる点から算術平均粗さRaが4〜20nmであることが好ましい。
算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994の規定に基づいて、光学干渉式表面粗さ計(RST/PLUS、WYKO社製)で測定した値である。
また、凹凸平均間隔Smは3〜40μmが好ましい。また該ハードコート層の算術平均粗さRaと前記セルロースアセテートフィルムのハードコート層塗設面の凹凸平均間隔Smとの比率(Ra/Sm)が、2×10−4〜6×10−3であることが好ましい。
Smは算術平均粗さRaと同様に、JIS B0601:1994の規定に基づいて、光学干渉式表面粗さ計(RST/PLUS、WYKO社製)で測定できる。
算術平均粗さRaを前記範囲とするために、鋳型を押し当てて表面に突起を形成させる方法や、SP値(溶解度パラメーター)が異なる樹脂を混ぜて、表面凹凸を形成させる方法、スピノーダル分解や核生成などで突起形成させる方法を用いることができる。
なお、突起形成に用いられる鋳型ロールとしては、凹凸が細かいもの、粗いものまで、適宜選択して適用でき、模様、マット状、レンチキュラーレンズ状、球状の凹凸が規則正しく、もしくはランダムに配列されたものが使用できる。
また、本発明のハードコートフィルムのヘイズ値は、クリア性から1枚値の値が、1%以下が、十分な輝度や高いコントラストが得られる点で好ましい。
<機能性層>
本発明のハードコートフィルムには、前記ハードコート層以外に、バックコート層、反射防止層、防眩層等の機能性層を設けることができる。
(バックコート層)
本発明に係るハードコートフィルムは、セルロースアセテートフィルムのハードコート層を設けた側と反対側の面に、カールやブロッキング防止の為にバックコート層を設けてもよい。
カールやブロッキング防止の点から、バックコート層には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITO、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウム等の粒子を添加することができる。
バックコート層に含まれる粒子は、バインダーに対して0.1〜50質量%が好ましい。バックコート層を設けた場合のヘイズの増加は0.5%以下であることが好ましく、特に0.1%以下であることが好ましい。バインダーとしては、セルロースエステル樹脂が好ましい。また、バックコート層を形成するための塗布組成物には、アルコール類、ケトン類および/または酢酸エステル類糖の溶媒を含有することが好ましい。
(反射防止層)
本発明に係るハードコートフィルムは、ハードコート層の上層に反射防止層を塗設して、外光反射防止機能を有する反射防止フィルムとして用いることもできる。
反射防止層は、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。反射防止層は、支持体である保護フィルムよりも屈折率の低い低屈折率層、もしくは支持体である保護フィルムよりも屈折率の高い高屈折率層と低屈折率層を組み合わせて構成されていることが好ましい。特に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
反射防止フィルムの層構成としては下記のような構成が考えられるが、これに限定されるものではない。
セルロースアセテートフィルム/ハードコート層/低屈折率層
セルロースアセテートフィルム/ハードコート層/中屈折率層/低屈折率層
セルロースアセテートフィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
セルロースアセテートフィルム/ハードコート層/高屈折率層(導電性層)/低屈折率層
セルロースアセテートフィルム/ハードコート層/防眩性層/低屈折率層
(低屈折率層)
低屈折率層は、シリカ系微粒子を含有することが好ましく、その屈折率は、23℃、波長550nm測定で、1.30〜1.45の範囲であることが好ましい。
低屈折率層の膜厚は、5nm〜0.5μmであることが好ましく、10nm〜0.3μmであることが更に好ましく、30nm〜0.2μmであることが最も好ましい。
低屈折率層形成用組成物については、シリカ系微粒子として、特に外殻層を有し内部が多孔質または空洞の粒子を少なくとも1種類以上含むことが好ましい。特に該外殻層を有し内部が多孔質または空洞である粒子が、中空シリカ系微粒子であることが好ましい。
なお、低屈折率層形成用組成物には、下記一般式(OSi−1)で表される有機ケイ素化合物もしくはその加水分解物、或いは、その重縮合物を併せて含有させても良い。
一般式(OSi−1):Si(OR)
前記一般式で表される有機ケイ素化合物は、式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が好ましく用いられる。
他に溶剤、必要に応じて、シランカップリング剤、硬化剤、界面活性剤等を添加してもよい。またフッ素原子を35〜80質量%の範囲で含み、且つ架橋性若しくは重合性の官能基を含む含フッ素化合物を主としてなる熱硬化性および/または光硬化性を有する化合物を含有しても良い。具体的には含フッ素ポリマー、あるいは含フッ素ゾルゲル化合物などである。含フッ素ポリマーとしては、例えばパーフルオロアルキル基含有シラン化合物〔例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン〕の加水分解物や脱水縮合物の他、含フッ素モノマー単位と架橋反応性単位とを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。その他、溶剤、必要に応じて、シランカップリング剤、硬化剤、界面活性剤等を添加してもよい。
(高屈折率層)
高屈折率層の屈折率は、23℃、波長550nm測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。また、高屈折率層の厚さは5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.2μmであることが更に好ましく、30nm〜0.1μmであることが最も好ましい。屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子等を添加することで達成できる。金属酸化また、用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものが更に好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は特に限定されるものではなく、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P及びSから選択される少なくとも一種の元素を有する金属酸化物を用いることができ、これらの金属酸化物微粒子はAl、In、Sn、Sb、Nb、ハロゲン元素、Taなどの微量の原子をドープしてあっても良い。また、これらの混合物でもよい。本発明においては、中でも酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒子径は10nm〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等によって計測してもよい。粒径が小さ過ぎると凝集しやすくなり、分散性が劣化する。粒径が大き過ぎるとヘーズが著しく上昇し好ましくない。金属酸化物微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、針状或いは不定形状であることが好ましい。
金属酸化物微粒子は有機化合物により表面処理してもよい。金属酸化物微粒子の表面を有機化合物で表面修飾することによって、有機溶媒中での分散安定性が向上し、分散粒径の制御が容易になるとともに、経時での凝集、沈降を抑えることもできる。このため、好ましい有機化合物での表面修飾量は金属酸化物粒子に対して0.1質量%〜5質量%、より好ましくは0.5質量%〜3質量%である。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。この中でもシランカップリング剤が好ましい。二種以上の表面処理を組み合わせてもよい。また高屈折率層は、π共役系導電性ポリマーを含有しても良い。π共役系導電性ポリマーとは、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用することができる。例えば、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリアニリン類、ポリフェニレン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体が挙げられる。重合の容易さ、安定性点からは、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類が好ましい。
π共役系導電性ポリマーは、無置換のままでも十分な導電性やバインダー樹脂への溶解性が得られるが、導電性や溶解性をより高めるために、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基を導入してもよい。
また、イオン性化合物を含有しても良い。イオン性化合物としては、イミダゾリウム系、ピリジウム系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、脂肪族ホスホニウム系の陽イオンとBF−、PF−等の無機イオン系、CFSO−、(CFSON−、CFCO−等のフッ素系の陰イオンとからなる化合物等が挙げられる。該ポリマーとバインダーの比率はポリマー100質量部に対して、バインダーが10〜400質量部が好ましく、特に好ましくは、ポリマー100質量部に対して、バインダーが100〜200質量部である。
(防眩性層)
防眩性層は、フィルム表面に反射した像の輪郭をぼかすことによって反射像の視認性を低下させて、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイといった画像表示装置等の使用時に、反射像の映り込みが気にならないようにする層のことであり、具体的には前記したハードコート層に微粒子等の添加や前記鋳型を押し当てて表面に突起を形成させる方法などによって、層表面の算術平均粗さRaを0.1〜1μmに調整した層であることが好ましい。
また、前記防眩層の積分反射率に占める散乱反射率の割合(散乱反射比率)は2〜60%であることが好ましい。前記範囲に散乱反射比率を微粒子等を用いて制御することで、上述したような透湿性の高い酢化度を有するセルロースアセテートフィルムと防眩層との層間密着性を向上させることができる。さらに好ましくは、前記散乱反射比率の割合が20〜50%の範囲であればより密着性を良好にすることができる。
なお、散乱反射比率は、コニカミノルタ(株)製、分光測色計CM−2500dを用いて、測定径φ8mm、観察視野2°の条件で、SCI(積分反射率)及びSCE(散乱反射率)を測定することによって求めることができる。
<偏光板>
本発明のハードコートフィルムを用いた偏光板について述べる。偏光板は一般的な方法で作製することができる。
例えば、本発明のハードコートフィルムの裏面側をアルカリ鹸化処理し、処理したハードコートフィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面は、該ハードコートフィルムを用いても、前記したセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。また市販フィルムである、KC8UX2MW、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC4UEW、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC4FR−2、KC8UE、KC4UE(コニカミノルタオプト(株)製)等を用いても良い。その他市販品では、アートンフィルム(JSR(株)製)、ゼオノアフィルム(日本ゼオン(株)製)を用いることが好ましい。
偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがあるが、これのみに限定されるものではない。
偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜30μm、好ましくは8〜15μmの偏光膜が好ましく用いられる。
該偏光膜の面上に、本発明に係るハードコートフィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
(粘着層)
液晶セルの基板と貼り合わせるためにフィルム片面に用いられる粘着剤層は、光学的に透明であることはもとより、適度な粘弾性や粘着特性を示すものが好ましい。
具体的な粘着層としては、例えばアクリル系共重合体やエポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーン系ポリマー、ポリエーテル、ブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、合成ゴムなどの接着剤もしくは粘着剤等のポリマーを用いて、乾燥法、化学硬化法、熱硬化法、熱熔融法、光硬化法等により膜形成させ、硬化させることができる。なかでも、アクリル系共重合体は、最も粘着物性を制御しやすく、かつ透明性や耐候性、耐久性などに優れていて好ましく用いることができる。
<液晶表示装置>
本発明のハードコートフィルムを用いて作製した本発明の偏光板を表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れ、かつ耐久性の高い画像表示装置を作製することができる。
本発明のハードコートフィルムは偏光板に組み込まれ、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置またはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型、OCB型等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
<セルロースアセテートフィルム101の作製>
〈微粒子分散液1〉
・ シリカ微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製)
11質量部
・エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液1〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
・メチレンクロライド 99質量部
・微粒子分散液1 5質量部
〈主ドープ液〉
下記組成の主ドープ液を調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。次に溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースアセテートを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解した。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
・メチレンクロライド 340質量部
・エタノール 64質量部
・酢化度55%セルロースアセテート(イーストマンコダック社製)
100質量部
・エステル系化合物2−16 6.0質量部
・添加剤(表1記載) 6.0質量部
・微粒子添加液1 1質量部
以上を密閉容器に投入し、攪拌しながら溶解してドープ液を調製した。次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープ液を温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離したセルロースアセテートフィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に36%延伸した。延伸開始時の残留溶媒は15%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。乾燥後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、ロール状に巻き取り、乾燥膜厚40μmのセルロースアセテートフィルム101を得た。巻長は5200mであった。
<セルロースアセテートフィルム102〜104の作製>
添加剤を表1に示すように変更した以外は、セルロースアセテートフィルム101と同様にしてセルロースアセテートフィルム102〜104を作製した。
<セルロースアセテートフィルム105の作製>
セルロースアセテートフィルム101の作製において、酢化度55%のセルロースアセテートを、酢化度51%のセルロースアセテートに変更した以外は、同様にしてセルロースアセテートフィルム105を作製した。
<セルロースアセテートフィルム106の作製>
セルロースアセテートフィルム105の作製において、添加剤をビフェニルジフェニルホスフェートに変更した以外は、同様にしてセルロースアセテートフィルム106を作製した。
[ハードコートフィルム1の作製]
上記作製したセルロースアセテートフィルム101上に、下記のハードコート層組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過したものを、押し出しコーターを用いて塗布し、温度80℃で乾燥の後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cmで、照射量を0.25J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚3μmのハードコート層1を形成して巻き取り、ロール状のハードコートフィルム1を作製した。
《ハードコート層組成物1》
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物1とした。
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 50質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレート(ビームセット575CB、荒川化学工業(株)製) 50質量部
・イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 2質量部
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−UV3510、ビックケミー・ジャパン(株)製) 1質量部
・シクロヘキサノン 10質量部
・メチルエチルケトン 93質量部
[ハードコートフィルム2の作製]
ハードコートフィルム1の作製において、ハードコート層のドライ膜厚を5μmに変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム2を作製した。
[ハードコートフィルム3の作製]
ハードコートフィルム1の作製において、ハードコート層のドライ膜厚を10μmに変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム3を作製した。
[ハードコートフィルム4の作製]
ハードコートフィルム1の作製において、ハードコート層塗布組成物1を下記のハードコート層塗布組成物2に変更し、ハードコート層のドライ膜厚を10μmに変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム4を作製した。
《ハードコート層塗布組成物2》
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物2とした。
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 25質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレート(ビームセット575CB、荒川化学工業(株)製) 25質量部
・イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 2質量部
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−UV3510、ビックケミー・ジャパン(株)製) 1質量部
・シリカ微粒子分散液(シリカ濃度35%、平均粒子径20nm、日産化学製MEK−ST−MSゾル) 143質量部
・シクロヘキサノン 10質量部
[ハードコートフィルム5の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、ハードコート層のドライ膜厚を20μmに変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム5を作製した。
[ハードコートフィルム6の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、ハードコート層のドライ膜厚を24μmに変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム6を作製した。
[ハードコートフィルム7の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から102に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム7を作製した。
[ハードコートフィルム8の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から103に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム8を作製した。
[ハードコートフィルム9の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から104に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム9を作製した。
[ハードコートフィルム10の作製]
ハードコートフィルム1の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から105に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム10を作製した。
[ハードコートフィルム11の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から105に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム11を作製した。
[ハードコートフィルム12の作製]
ハードコートフィルム6の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から105に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム12を作製した。
[ハードコートフィルム13の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルムを101から106に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム13を作製した。
[ハードコートフィルム14の作製]
ハードコートフィルム2の作製において、ハードコート層塗布組成物1を特開2009−263600号公報の実施例1を参考にして作製した、下記ハードコート層塗布組成物3に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム14を作製した。
《ハードコート層組成物3》
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物3とした。
・ウレタンアクリレート:UA−306H(共栄社化学) 80質量部
・アクリルモノマー:PE−3A(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学) 10質量部
・開始剤:イルガキュア184(BASFジャパン社製) 1.5質量部
・フッ素系添加剤:オプツールDAC(ダイキン工業) 0.5質量部
・溶剤:酢酸エチル 100質量部
《評価》
上記作製したハードコートフィルム1〜14について、以下の試験で評価した。得られた結果を表1に示した。
なお、ハードコートフィルム2〜5、9及び11は本発明に係るハードコートフィルムであり、ハードコートフィルム1、6〜8、10及び12〜14は、比較のためのハードコートフィルムである。
<耐候性試験>
上記作製したロール状ハードコートフィルム1〜14から、各10cm×10cmサイズのサンプルを切り出し、屋外での使用を想定してヒートショック試験(−40℃・30分放置、次いで85℃・30分放置を交互)に550サイクル投入後、耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、168時間光照射した。
a.鉛筆硬度試験
耐候性試験後のハードコートフィルム1〜14について、鉛筆硬度試験で硬度を確認した。JIS−S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K5400が規定する鉛筆硬度評価法に従い、500gのおもりを用いて各硬度の鉛筆でハードコートフィルム1〜14のハードコート層表面を5回繰り返し引っ掻き、傷が1本までの硬度を測定した。
b.密着評価
耐候性試験後の各ハードコートフィルム1〜14を23℃55%RHの雰囲気下で12時間調湿後、JISK5400に準拠する方法で、1mmの間隔で縦横に11本の切れ目を入れ、1mm角、100個の碁盤目を作製し、セロハンテープを貼り付けて90度の角度ですばやくはがし、剥れずに残っている碁盤目の数を数えた。以下の基準で評価した。
◎:全く剥離されなかった
○:剥離された面積割合が5%未満であった
△:剥離された面積割合が10%未満であった
×:剥離された面積割合が10%以上であった
得られた結果を表1に示した。
表1の結果から明らかなように、酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルム上にハードコート層を有するハードコートフィルムでは、セルロースアセテートフィルムが糖エステル化合物を含有し、かつハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上、7H以下(JIS K5400に基づく測定値)であれば、耐候性試験後の密着性に優れていることがわかる。中でも前記鉛筆硬度が4H以上、7H以下である本発明のハードコートフィルムは、特に耐候性試験後の密着性に優れていることがわかる。
実施例2
<セルロースアセテートフィルム107〜113の作製>
添加剤を表2に示すように変更した以外は、セルロースアセテートフィルム101と同様にしてセルロースアセテートフィルム107〜113を作製した。
[ハードコートフィルム15〜21の作製]
ハードコートフィルム4の作製において、セルロースアセテートフィルム101をセルロースアセテートフィルム107〜113にそれぞれ変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム15〜21を作製した。
《評価》
上記作製したハードコートフィルム15〜21及びハードコートフィルム4について、耐候性試験の条件を以下に変更した以外は実施例1と同様にして鉛筆硬度と密着性について評価した。得られた結果を表2に示した。
<耐候性試験>
上記作製したハードコートフィルム15〜21及びハードコートフィルム4から、各10cm×10cmサイズのサンプルを切り出し、サイクルサーモ(−40℃・30分放置、次いで85℃・30分放置を交互)に750サイクル投入後、耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、240時間光照射した。
表2の結果から判るように、セルロースアセテートフィルムが、一般式(1)で表される、総平均置換度が5.0〜6.9である化合物を含有することで、より過酷な耐光試験機試験においても優れた密着性を示すことが明らかとなった。
実施例3
[ハードコートフィルム22の作製]
前記ハードコートフィルム4の作製において、ハードコート層塗布組成物2を下記のハードコート層塗布組成物4に変更した以外は、同様にしてハードコートフィルム22を作製した。
《ハードコート層組成物4》
〈反応性シリカ粒子(Xa)の作製〉
(重合性不飽和基を有する有機化合物(X)の作製)
メルカプトプロピルトリメトキシシラン23質量部、ジブチルスズジラウレート0.5質量部からなる溶液にイソホロンジイソシアネート60質量部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間攪拌した。これに新中村化学製NKエステルA−TMM−3L、202質量部を30℃で1時間かけて添加後、60℃で3時間加熱攪拌することで特定有機化合物(S1)を得た。生成物の赤外吸収スペクトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550cm−1の吸収ピーク及びイソシアネート基に特徴的な2260cm−1の吸収ピークが消失し、新たに、[−O−C(=O)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基中のカルボニルに特徴的な1660cm−1のピーク及びアクリロイル基に特徴的な1720cm−1のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロイル基と[−S−C(=O)−NH−]基、[−O−C(=O)−NH−]基を共に有する特定有機化合物が生成していることを示した。
上記調整した組成物9.36質量部(重合性不飽和基を有する有機化合物(X)を7.28質量部含む)、シリカ粒子分散液(シリカ濃度31%、日産化学製MEKゾル)98.07質量部、イオン交換水0.13質量部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01質量部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.45質量部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性シリカ粒子(Xa)の分散液を得た。この分散液をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、35.7%であった。またこのシリカ粒子の平均粒子径は40nmであった。ここで、平均粒子径は透過型電子顕微鏡により測定した。
そして、下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物4とした。
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 25質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレート(ビームセット575CB、荒川化学工業(株)製) 25質量部
・イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 2質量部
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−UV53510、
ビックケミー・ジャパン(株)製) 1質量部
・反応性シリカ粒子分散液(反応性シリカ粒子(Xa)35.7%)
140質量部
・シクロヘキサノン 10質量部
[ハードコートフィルム23の作製]
セルロースアセテートフィルム101上に、下記のハードコート層塗布組成物5を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層塗布液に調製し、押し出しコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、紫外線ランプを用いて、照射部の照度が80mW/cm、照射量を50mJ/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚1μmのハードコート層1を形成した。連続して、ハードコート層1上に、前記ハードコート層塗布組成物4を押し出しコーターで塗布し、80℃にて乾燥し、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が100mW/cm、照射量を0.25J/cmとして塗布層を硬化させ、ドライ膜厚9μmのハードコート層2を形成して巻き取り、ロール状のハードコートフィルム23を作製した。
《ハードコート層塗布組成物5》
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物5とした。
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 50質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレート(ビームセット575CB、荒川化学工業(株)製) 50質量部
・紫外線吸収剤(TINUVIN 109) 3質量部
・イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 2質量部
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−UV3510、ビックケミー・ジャパン(株)製) 1質量部
・シクロヘキサノン 10質量部
・メチルエチルケトン 93質量部
[ハードコートフィルム24の作製]
前記ハードコートフィルム21の作製の作製において、前記ハードコート層塗布組成物5をハードコート層塗布組成物6に変更した以外は同様にしてハードコートフィルム24を作製した。
《ハードコート層塗布組成物6》
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物6とした。
・ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート 50質量部
(NKエステルA−TMM−3L、新中村化学工業(株)製)
・ウレタンアクリレート(ビームセット575CB、荒川化学工業(株)製) 50質量部
・紫外線吸収剤(TINUVIN 405) 3質量部
・イルガキュア184(BASFジャパン(株)製) 2質量部
・ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−UV3510、ビックケミー・ジャパン(株)製) 1質量部
・シクロヘキサノン 10質量部
・メチルエチルケトン 93質量部
《評価》
上記作製したハードコートフィルム22〜24及びハードコートフィルム4について、耐候性試験の条件を以下に変更した以外は実施例1と同様にして鉛筆硬度と密着性について評価した。得られた結果を表3に示した。
<耐候性試験>
上記作製したロール状ハードコートフィルム22〜24及びハードコートフィルム4から、各10cm×10cmサイズのサンプルを切り出し、ヒートショック試験(−40℃・30分放置、次いで85℃・30分放置を交互)に1000サイクル投入後、耐光試験機(アイスーパーUVテスター、岩崎電気株式会社製)にて、500時間光照射した。
表3の結果から判るように、ハードコート層に反応性シリカ微粒子を含有させる、或いはハードコート層が2層以上で構成され、かつ基材フィルムと接するハードコート層に紫外線吸収剤を含有する本発明のハードコートフィルムは、更に過酷な耐光試験機試験おいても優れた密着性を有するため、好ましい。
実施例4
偏光板作製:
<ノルボルネン系重合体フィルムの作製>
まず、以下の方法でノルボルネン系重合体を合成し、ノルボルネン系重合体フィルムを作製した。
(ノルボルネン系重合体1の合成)
NBOAc:5−ノルボルネン−2−イルアセテート(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルアセテート)
ノルボルネン(NB):ノルボルニレン又はビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン)は、アルドリッチ社から購入したものを使用した。
トルエン150質量部とNBOAc 152質量部とを反応容器に入れた。次いでトルエン10質量部中に溶解したアリルパラジウムクロライドダイマー(東京化成社製)0.018質量部とトリシクロヘキシルホスフィン(ストレム社製)0.028質量部、塩化メチレン5質量部中に溶解したジメチルアニリニウム・テトラキスペンタフルオロフェニルボレート(ストレム社製)0.12質量部、さらにトルエン10質量部に溶解したアリルトリブチルスズ(アルドリッチ社製)0.33質量部を反応容器に投入した。加熱を開始し90℃に到達した時、トルエン20質量部に溶解したNB130質量部を1時間かけて滴下した。この混合物を90〜100℃で6時間反応させた。なお、この間反応溶液の粘度の上昇とともに、トルエンを適宜追加した。1−ヘキセン(和光純薬社製)10質量部を滴下し、さらに1時間反応させた。得られた反応溶液を、過剰のメタノール中に投入し、重合体を沈殿させた。この沈殿を採取し、メタノールで洗浄し、110℃で6時間真空乾燥した。得られた重合体(ノルボルネン系重合体1)をテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフによる分子量を測定した。質量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は100200、質量平均分子量(Mw)は256300、分子量分布(Mw/Mn)は2.56であった。
(ドープ液NBの調製)
下記の材料を、順次密閉容器中に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保ったままで3時間攪拌を行って、ノルボルネン系重合体1を完全に溶解した。酸化ケイ素微粒子は予め添加する溶媒と少量のセルロースエステルの溶液中に分散して添加した。このドープを濾紙(安積濾紙株式会社製、安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープ液Dを得た。
(ドープ液NB)
・ノルボルネン系重合体1 100質量部
・酸化ケイ素微粒子 0.1質量部
(アエロジルR972V、日本アエロジル株式会社製)
・メチレンクロライド 400質量部
・エタノール 40質量部
・ブタノール 5質量部
上記の材料を混合してドープ液Dを調製し、得られたドープ液Dを温度35℃に保温した流延ダイより、ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる温度35℃の支持体上に流延して、ウェブを形成した。ついで、ウェブを支持体上で乾燥させ、ウェブの残留溶媒量が100質量%になった段階で、剥離ロールによりウェブを支持体から剥離した。
ついで、ウェブを上下に複数配置したロールによる搬送の乾燥工程で110℃の乾燥風にて乾燥させながら搬送し、続いてテンターでウェブ両端部を把持した後、150℃で幅方向(TD)に延伸前の1.4倍となるように延伸した。テンターでの延伸の後、ウェブを上下に複数配置したロールによる搬送乾燥工程で155℃の乾燥風にて乾燥させた。乾燥後、両端部に幅10mm、平均高さ10μmのナーリング加工を施して巻き取り、幅1.5m、膜厚80μm、長さ3900mのノルボルネン系重合体フィルム(NB)を作製した。ノルボルネン系重合体フィルムのリターデーションは、Ro=73nm、Rt=224nmであった。リターデーションは、23℃55%RHに調湿後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて、波長590nmの測定した値である。
<偏光板201の作製>
(アルカリ鹸化処理)
次に、ハードコートフィルム1と上記で得られたノルボルネン系重合体フィルムを用いて、偏光板201を作製した。
(a)偏光膜の作製
けん化度99.95モル%、重合度2400のポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)100質量部に、グリセリン10質量部、及び水170質量部を含浸させたものを溶融混練し、脱泡後、Tダイから金属ロール上に溶融押出し、製膜した。その後、乾燥して得られたPVAフィルムは、平均厚みが25μm、水分率が4.4%、フィルム幅が3mであった。
次に、得られたPVAフィルムを、予備膨潤、染色、湿式法による一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順番で、連続的に処理して、偏光膜を作製した。すなわち、PVAフィルムを温度30℃の水中に30秒間浸して予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの温度35℃の水溶液中に3分間浸した。続いて、ホウ酸濃度4%の50℃の水溶液中でフィルムにかかる張力が700N/mの条件下で、6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの温度30℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処理を行った。その後、PVAフィルムを取り出し、温度40℃で熱風乾燥し、更に温度100℃で5分間熱処理を行った。得られた偏光膜は、平均厚みが13μm、偏光性能については透過率が43.0%、偏光度が99.5%、2色性比が40.1であった。
(b)偏光板の作製
下記工程1〜4に従って、偏光膜と、ハードコートフィルム1とノルボルネン系重合体フィルムを貼り合わせて偏光板101を作製した。
工程1:前述の偏光膜を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤溶液の貯留槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程2:ノルボルネン系重合体フィルムとハードコート層に剥離性の保護フィルム(PET製)を張り付けたハードコートフィルム1を下記条件でアルカリ鹸化処理を実施した。次いで、工程1でポリビニルアルコール接着剤溶液に浸漬した偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、この偏光膜にノルボルネン系重合体フィルムとハードコートフィルム1とを図3に示すように挟み込んで、積層配置した。
(アルカリ鹸化処理)
ケン化工程 2.5M−KOH 60℃ 120秒
水洗工程 水 30℃ 60秒
中和工程 10質量部HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 60秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで100℃で乾燥。
工程3:積層物を、2つの回転するローラにて20〜30N/cmの圧力で約2m/minの速度で貼り合わせた。このとき、気泡が入らないように注意して実施した。
工程4:工程3で作製した試料を、温度100℃の乾燥機中にて5分間乾燥処理し、偏光板を作製した。
工程5:工程4で作製した偏光板のノルボルネン系重合体フィルムに市販のアクリル系粘着剤を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、110℃のオーブンで5分間乾燥して粘着層を形成し、粘着層に剥離性の保護フィルムを張り付け、偏光板201を作製した。
<偏光板202〜214の作製>
偏光板201の作製において、ハードコートフィルム1をハードコートフィルム2〜14に、それぞれ変更した以外は同様にして偏光板202〜214を作製した。
<液晶表示装置301の作製>
VA型液晶セルを使用した40インチの液晶表示装置(シャープ(株)製)に液晶層を挟んで設置されている2対の偏光板のうち、観察者側の片面の偏光板を剥がし、上記作製した偏光板201をハードコート層が視認側となるようにして、粘着剤層と液晶セルガラスとを貼合した。観察者側の偏光板の透過軸とバックライト側の偏光板の透過軸とが直交するように配置して、液晶表示装置301を作製した。
<液晶表示装置302〜314の作製>
液晶表示装置301の作製において、偏光板201を偏光板202〜214に、それぞれ変更した以外は同様にして液晶表示装置302〜314を作製した。次に、上記作製した液晶表示装置301〜314について下記の評価を行った。
《評価》
a.ムラ評価
上記作製した各液晶表示装置について、60℃、90%RHの条件で100時間放置した後、23℃、55%RHに戻した。次に以下の基準で視認性を評価した。
◎:ムラが全く認められない
○:わずかにムラが認められる
△:細かなムラが認められる
×:ムラが認められる。
b.視認性評価
上記作製した各液晶表示装置を、床から80cmの高さの机上に配置し、床から3mの高さの天井部に、昼色光直管蛍光灯(FLR40S・D/M−X 松下電器産業株式会社製)40W×2本を1セットとして、1.5m間隔で10セット配置した。この場合、評価者が液晶表示パネルの表示面の正面にいるときに、評価者の頭上より後方に向けて天井部に蛍光灯がくるように配置し、平面性を以下の基準で評価した。
◎:蛍光灯が真っ直ぐに見える
○:蛍光灯が若干曲がったように見えるところがある
△:蛍光灯が曲がって見える
×:蛍光灯が大きく畝って見える。
以上の評価結果を表4に示す。
表4の結果から判るように、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は、ムラ及び視認性に優れ、長時間見ていると目の疲れなどがなく、非常に優れたものであった。

Claims (11)

  1. 酢化度51.0%〜56.0%のセルロースアセテートフィルム上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該セルロースアセテートフィルムが糖エステル化合物を含有し、ハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上、7H以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記鉛筆硬度が4H以上、7H以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記糖エステル化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする、請求項1または2に記載のハードコートフィルム。

    (式中、R〜Rは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアルキルカルボニル基、或いは、置換又は無置換の炭素数2〜22のアリールカルボニル基を表し、R〜Rは、同じであっても、異なっていてもよい。)
  4. 前記一般式(1)で表される化合物の総平均置換度が5.0〜6.9であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層が、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ微粒子(Xa)を含有することを特徴とする、請求1〜4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 前記ハードコート層の算術平均粗さRaが4〜20nmであり、かつ該ハードコート層の算術平均粗さRaと前記セルロースアセテートフィルムのハードコート層塗設面の凹凸平均間隔Smとの比率(Ra/Sm)が、2×10−4〜6×10−3であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 前記ハードコート層が防眩層であって、該防眩層の積分反射率に占める散乱反射率の割合が2〜60%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  8. 前記散乱反射率の割合が20〜50%であることを特徴とする、請求項7に記載のハードコートフィルム。
  9. 前記ハードコート層が2層以上で構成され、かつ基材フィルムと接するハードコート層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを一方の面に用いたことを特徴とする偏光板。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のハードコートフィルム、または請求項10に記載の偏光板を用いることを特徴とする液晶表示装置。
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