JP2014089431A - 光学フィルム、偏光板および画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性に優れた光学フィルム、ならびにそれを利用した偏光板、および画像表示装置の提供
【解決手段】反射防止層と、支持体と、液晶性化合物を含む光学異方性層とを、少なくともこの順で有し、反射防止層が少なくとも防眩層を有し、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上である光学フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、ならびにそれを用いた偏光板、および画像表示装置に関する。
立体画像を表示する3D画像表示装置には、顔の回転に対して表示特性の悪化を防止するため、もしくは右目用画像と左目用画像を分離するために、直線偏光を円偏光に変換する光学部材が用いられることがある。
このような光学部材としては、例えば、液晶性化合物を利用して形成されるいわゆるλ/4板や、遅相軸やレターデーション等が互いに異なる領域が規則的に面内に配置されたパターン位相差フィルムが利用されている(例えば特許文献1及び2参照)。
これらの光学部材は3D画像表示装置に用いられるため、必然的に視認側の偏光子よりさらに外側に配置される。そのため、これらの光学部材の最表面には、太陽や蛍光灯などからの外光が、表示装置の表示画面に入射して反射することから生じる画面の映り込みを低減させるため、または、表面の正反射率を抑えることで画像のコントラストを良くし、画像の視認性を向上させるために、アンチグレア層や反射防止層が配置されることがある。
特開2012−18395号公報 特開2012−73515号公報
ここで、3D画像表示装置に用いられる光学部材は、視認側偏光子のさらに外側に配置されるため、従来の視認側偏光子やバックライト側偏光子の内側に用いる場合よりも、外光に晒されやすくなり、光学部材中の液晶性化合物の耐光性が問題になる場合がある。
このような問題に対応するため、特許文献1では支持体、光学異方性層、ハードコート層、及び光学干渉層の少なくともいずれかの一層に紫外線吸収剤を含有させることで対策を取っているが([請求項14])、層構成(特に反射防止層の構成)や各種条件によっては、より耐光性が求められる場合があることが分かった。
そこで、本発明は、耐光性に優れた光学フィルム、ならびにそれを利用した偏光板、および画像表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 反射防止層と、支持体と、液晶性化合物を含む光学異方性層とを、少なくともこの順で有し、反射防止層が少なくとも防眩層を有し、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上である光学フィルム。
[2] 反射防止層が防眩層のみからなる[1]に記載の光学フィルム。
[3] 反射防止層および支持体の層全体の酸素透過度が450cc/[m2・day・atom]以上である[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 支持体の酸素透過度が750cc/[m2・day・atom]以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5] 光学異方性層と支持体との間に、さらに配向膜を有する[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6] 支持体がセルロースアシレートを含む[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム。
[7] 光学異方性層が、550nmにおける面内レターデーションRe(550)が110nm≦Re(550)≦165nmである位相差領域を含む[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
[8] 光学異方性層が、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、且つ第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターン光学異方性層である[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルム。
[9] 反射防止層と、支持体と、光学異方性層と、偏光子とをこの順で有する偏光板であって、
反射防止層、支持体および光学異方性層が[1]〜[8]のいずれかに記載の光学フィルムで構成される偏光板。
[10] 反射防止層と、支持体と、光学異方性層と、偏光子とをこの順で有する偏光板を具備する画像表示装置であって、
偏光板が、[9]に記載の偏光板であり、反射防止層を最表面として配置されている画像表示装置。
本発明によれば、耐光性に優れた光学フィルム、ならびにそれを利用した偏光板、および画像表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の光学フィルムの一例を示す断面模式図である。 図2は、本発明の偏光板の一例を示す断面模式図である。 図3は、本発明の偏光板(パターン円偏光板)の一例を示す模式図である。 図4は、本発明の画像表示装置の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
[酸素透過度]
本発明における酸素透過度とは、MOCON社製酸素透過率測定装置(OX−TRAN 2/21 ML/SL型)にて、下記条件で測定した値をいう。
ここで、酸素透過度は、基本的には光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度を測定するが、測定する層が増えれば酸素透過度は小さくなるので、本来測定する必要のない光学異方性層等を含んだ状態で測定した酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上である場合は、本発明の範囲内とみなすことができる。同様に、特定の層(例えば支持体)の酸素透過度が所定の値以上との規定の属否についても、他の層(例えば反射防止層や本来測定する必要のない光学異方性層など)を含んだ状態で測定した酸素透過度がその所定の値以上である場合は、その規定の範囲内とみなすことができる。
<測定条件>
透過ガス:純酸素(湿度:60%RH,流量:10ml/min)
キャリヤーガス:窒素(98%)/水素(2%)混合ガス(湿度:60%RH,流量:10ml/min)
試料面積:5cm2(純正アルミマスク使用)
試料温度:25℃
[面内レターデーション]
Re(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、またはWR(王子計測機器社製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルタをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
なお、本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」、「同一方向」、及び「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。この時、許容される誤差としては、例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、具体的に厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
また、本明細書において、偏光板とは、偏光子の少なくとも一方の面の側に、偏光板保護フィルムや、本発明における支持体等が積層された形態を表す。
1.光学フィルム
本発明は、反射防止層と、支持体と、液晶性化合物を含む光学異方性層とを少なくともこの順で有し、上記反射防止層が少なくとも防眩層を有し、上記光学異方性層よりも上記反射防止層側に存在する層全体での酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上である光学フィルムに関する。
本願発明者らは、3D画像表示装置に用いる光学フィルムのように、液晶性化合物を含む光学異方性層を含む光学フィルムを、視認側偏光子のさらに外側に配置した場合において、上述した構成にすることにより、光学フィルムの耐光性を向上できることを知見している。
上記知見は、従来、液晶セルの劣化を防止するためにガスバリアフィルムを用いるように、光学部材の劣化を防ぐために酸素透過度の小さい部材を用いることがある現状を鑑みれば、酸素透過度を大きくするという従来とは全く逆の思想に基づくものである。
そのため、上記構成に基づく耐光性の向上効果は、極めて意外な効果であると言える。
光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体での酸素透過度を100cc/[m2・day・atom]以上とすることで、光学フィルムの耐光性を向上できる詳細なメカニズムについては不明ではあるが、本願発明者らは次のように推測している。
すなわち、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体での酸素透過度が小さい、つまり光学異方性層に届く酸素の量が少ない時には光学異方性層の光励起および三重項への項間交差を経る自己分解反応の作用により光学異方性層の劣化が起こるが、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体での酸素透過度が大きい、つまり光学異方性層に届く酸素の量が多い時には、酸素が三重項クエンチャーとして働くことで自己分解反応を抑制するという作用により、光学異方性層の劣化が抑えられると推測している。
本発明における光学フィルムの一例の断面模式図を図1に示す。
なお、本発明における図は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致しない。以下の図も同様である。
図1に示す光学フィルム10は、反射防止層12と、支持体14と、光学異方性層16とをこの順で有する。
ここで、反射防止層12は、図1に示すように少なくとも防眩層18を有する。また、図1(A)に示すように反射防止層12が防眩層18のみからなる態様であってもよく、図1(B)に示すように高屈折率層、中屈折率層および低屈折率層などの他の層19を有する態様であってもよい。なお、後述するように、本発明においては、前者の態様であるのが好ましい。
また、図1では図示していないが、必要に応じて、光学異方性層16の作成に利用可能な配向膜を、光学異方性層16と支持体14の間に設けることができる。
この時、特開2009−258720号公報の請求項1や特開2005−105926号公報の請求項1に記載されるような、防眩機能を持ったフィルムについては、本発明において、反射防止層12と支持体14とを兼ねてもよい。
本発明において、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体、すなわち、支持体および反射防止層ならびに配向膜を有する場合は配向膜を含めた層全体での酸素透過度は100cc/[m2・day・atom]以上であり、130cc/[m2・day・atom]以上が好ましく、140cc/[m2・day・atom]以上が更に好ましい。
酸素透過度を上記の値とすることにより、光学フィルムの耐光性を向上させることができる。
本発明の光学フィルムは、3D画像表示装置において、直線偏光を円偏光に変換するために用いられる場合がある。その場合、より正確な円偏光に近づけられるという理由から、光学異方性層の位相差としてはλ/4程度であることが好ましく、具体的にはRe(550)が110〜165nmであることが好ましい。
また、本発明の光学フィルムは、3D画像表示装置の中でもいわゆるFPR方式(Film Patterned Retarder方式)に用いられる場合がある。その場合、右回りの円偏光と左回りの円偏光とをそれぞれ作りだせるという理由から、光学異方性層が、面内遅相軸方向および面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域および第2位相差領域を含み、且つ第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターン光学異方性層であることが好ましい。
2.偏光板
本発明は、本発明の光学フィルムを用いた偏光板にも関する。
本発明の偏光板は、反射防止層と、支持体と、光学異方性層と、偏光子とをこの順で有する。ここで反射防止層、支持体、および光学異方性層は本発明の光学フィルムにより構成されている。
本発明の偏光板の一例の断面模式図を図2に示す。
図2に記載の偏光板20は、反射防止層12と、支持体14と、光学異方性層16と、偏光子22とをこの順で有する。反射防止層12、支持体14、光学異方性層16は本発明の光学フィルム10によって構成されている。
ここで、光学異方性層16と偏光子22とは、図示しない粘着剤や接着剤を介して貼り合わされていてもよい。また、偏光子22の光学フィルム10が配置されている面とは他方の面には、必要に応じて図示しない偏光板保護フィルムを配置してもよい。同様に、偏光子22の光学フィルム10が配置されている面には、必要に応じて図示しない偏光板保護フィルムを配置してもよい。
本発明において、本発明の偏光板は、円偏光板として用いることができる。
円偏光板としての使用態様としては、例えば、本発明の光学フィルムの光学異方性層の位相差をλ/4程度とし、光学異方性層の遅相軸と偏光子の吸収軸が45°で交差するように配置する態様等が挙げられる。
また、本発明の偏光板は、パターン光学異方性層を用いたパターン円偏光板としても用いることができる。
本発明におけるパターン円偏光板の一例の模式図を図3に示す。
図3に示すパターン円偏光板30は、光学異方性層16における第1位相差領域16aおよび第2位相差領域16bの位相差がそれぞれλ/4程度であり、遅相軸17aおよび17bの方向が90°異なっている光学フィルム10に対し、第1位相差領域16aおよび第2位相差領域16bの遅相軸17aおよび17bと偏光子22の吸収軸23がそれぞれ45°で交差(第1位相差領域16aおよび第2位相差領域16bの遅相軸17aおよび17bをそれぞれ45°としたとき、偏光子22の吸収軸23が0°)するように配置されている。
3.画像表示装置
本発明は、本発明の光学フィルムまたは偏光板を用いた画像表示装置にも関する。
本発明の画像表示装置は、本発明の光学フィルムまたは偏光板が、反射防止層を視認側として配置されており、画像表示パネルを有する。
本発明において、画像表示装置における画像表示パネルは特に限定されず、例えば、液晶層を含む液晶パネルであっても、有機EL層を含む有機EL表示パネルであっても、プラズマディスプレイパネルであってもよい。いずれの態様についても、種々の可能な構成を採用することができる。
また、透過モードの液晶パネル等、画像表示パネルの視認側に画像表示のための偏光子を有する態様では、その偏光子を本発明の偏光板における偏光子として利用し、本発明の偏光板が、画像表示装置における視認側の偏光板を兼ねる態様も好ましい。勿論、本発明の偏光板が、画像表示装置の視認側の偏光板を兼ねず、別の偏光子を有していてもよいが、その場合は、本発明の偏光板における偏光子の吸収軸の方向と、画像表示装置の視認側の偏光子の吸収軸の方向を同一方向として配置することが好ましい。
同様に、画像表示装置における液晶セルの構成については特に限定されず、一般的な構成の液晶セルを採用することができる。
液晶セルとしては、例えば対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、必要に応じて、カラーフィルタ層などを含んでいてもよい。液晶セルの駆動モードについても特に限定されず、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置の断面模式図を図4に示す。
図4に示す液晶表示装置40は、反射防止層12が視認側となるように、本発明の光学フィルム10または偏光板20が配置されている。
また、視認側偏光子22fおよびバックライト側偏光子22bの液晶セル42側、ならびにバックライト側偏光子22bの液晶セル42とは反対側には、偏光板保護フィルム44、46および48がそれぞれ配置されている。
ここで、それぞれの層については、図示しない粘着剤や接着剤を介して貼り合わされていてもよい。また、偏光板保護フィルム44および46については液晶セルの駆動モードに応じた光学補償フィルムとしてもよい。
以下、本発明の光学フィルムに用いられる種々の部材について詳細に説明する。
光学異方性層:
本発明の光学フィルムにおける光学異方性層は、液晶性化合物を含む光学異方性層である。
本発明の光学フィルムを円偏光板、またはパターン円偏光板として用いる場合、上述したように、より正確な円偏光に近づけられるという理由から、光学異方性層は位相差がλ/4程度である位相差領域を有することが好ましく、具体的には、Re(550)が、110〜165nmであることが好ましく、115〜150nmであることがより好ましく、120〜145nmであることが特に好ましい。
上記光学異方性層は、上述したように、右回りの円偏光と左回りの円偏光とをそれぞれ作り出せるという理由から、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、且つ第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターン光学異方性層であることも好ましい。
このような光学異方性層の形成方法としては、例えば、液晶性化合物を配向状態で固定化する方法が挙げられる。このとき、液晶性化合物を固定化する方法としては、上記液晶性化合物として重合性基を有する液晶性化合物を用い、重合させる固定化する方法等が好適に例示される。なお、光学異方性層は単層構造であっても、積層構造であってもよい。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物(円盤状液晶性化合物)を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶性化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成することがより好ましく、液晶性化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。液晶性化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶性化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
上述した光学異方性層における位相差をλ/4程度とするために、液晶性化合物の配向状態を制御することがある。このとき、棒状液晶性化合物を用いる場合には、棒状液晶性化合物を水平配向した状態で固定化するのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いる場合には、ディスコティック液晶性化合物を垂直配向した状態で固定化するのが好ましい。なお、本発明において、「棒状液晶性化合物が水平配向」とは、棒状液晶性化合物のダイレクタと層面が平行であることを言い、「ディスコティック液晶性化合物が垂直配向」とは、ディスコティック液晶性化合物の円盤面と層面が垂直であることを言う。厳密に水平、垂直であることを要求するものではなく、それぞれ正確な角度から±20°の範囲であることを意味するものとする。±5°以内であることが好ましく、±3°以内であることがより好ましく、±2°以内であることがさらに好ましく、±1°以内であることが最も好ましい。
また、液晶性化合物を水平配向、垂直配向状態とするために、水平配向、垂直配向を促進する添加剤(配向制御剤)を使用してもよい。添加剤としては各種公知のものを使用できる。
本発明においては、上記光学異方性層の厚みについては特に限定されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
[パターン光学異方性層]
上述のパターン光学異方性層の形成方法としては、以下の好適な態様が例示されるが、これらに限定されることなく、各種公知の方法を用いて形成できる。
第1の好適態様は、液晶性化合物の配向を制御する複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。上記の方法としては、例えば、配向膜による配向制御能と、液晶性化合物中に添加される配向制御剤の配向制御能との複合作用により、液晶性化合物を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(配向膜による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。この方法の詳細については、特開2012−008170号公報の段落[0017]〜[0029]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第2の好適態様は、パターン配向膜を利用する態様である。この態様では、互いに異なる配向制御能を有するパターン配向膜を形成し、その上に、液晶性化合物を配置し、液晶性化合物を配向させる。液晶性化合物は、パターン配向膜のそれぞれの配向制御能によって、互いに異なる配向状態を達成する。それぞれの配向状態を固定することで、配向膜のパターンに応じて第1および第2の位相差領域のパターンが形成される。パターン配向膜は、印刷法、ラビング配向膜に対するマスクラビング、光配向膜に対するマスク露光等を利用して形成することができる。大掛かりな設備が不要である点や製造容易な点で、印刷法を利用する方法が好ましい。この方法の詳細については、特開2012−032661号公報の段落[0166]〜[0181]に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
第3の好適態様としては、例えば、配向膜中に光酸発生剤を添加する態様である。この例では、配向膜中に光酸発生剤を添加し、パターン露光により、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成する。光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、配向膜材料、液晶性化合物、および必要に応じて添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、液晶性化合物を、その遅相軸がラビング方向と直交する方向に配向させる。配向膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング配向膜のラビング方向が配向状態を支配し、液晶性化合物は、その遅相軸をラビング方向と平行にして平行配向する。配向膜に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)に記載の化合物が含まれる。光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。この方法の詳細については、特願2010−289360号明細書に記載があり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
支持体:
本発明の光学フィルムにおける支持体は、液晶性化合物を支持する目的で設けられる。
上記支持体は、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上であるという条件を満たすものであれば特に限定されないが、製造上の観点から、ポリマーフィルムを用いるのが好ましい。
また、上記支持体は、光学フィルムの耐光性がより向上する理由から、支持体単独の酸素透過度が750cc/[m2・day・atom]以上であることが好ましく、1000cc/[m2・day・atom]以上であることがより好ましく、1300cc/[m2・day・atom]以上であることが更に好ましい。
本発明においては、上記支持体の厚みについては特に限定されないが、支持体の厚みを薄くすることで酸素透過度を大きくできるため、必要に応じて支持体の厚みを調整することが好ましい。具体的には20〜60μmであることが好ましい。
上記支持体を形成する材料としては、例えば、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体等のアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
また上記支持体は、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系またはシリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
この中でも、比較的、酸素透過度が高いという理由から、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることができる。
また、加工性および光学性能の観点から、アクリル系ポリマーを用いるのも好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレートや、特開2009−98605号公報の段落[0017]〜[0107]に記載されるラクトン環含有重合体等が挙げられる。
本発明においては、上記支持体は、上述した形成材料(特に、セルロースアシレート)とともに、少なくとも1種の可塑剤を含有していてもよい。但し、可塑剤は、一般的に、フィルムの弾性率を低下させるものであるので、用いる可塑剤の種類及び添加量の調整は重要である。糖エステル及び重縮合オリゴマー系可塑剤を低添加量で添加すると、引張り弾性率の上昇に寄与するので好ましい。中でも、芳香族基を有する糖エステル及び重縮合オリゴマー系可塑剤が好ましく、糖エステルがより好ましい。例えば、糖エステルを含むセルロースアシレートフィルムを、延伸処理(好ましくは二軸延伸処理)することにより、MD及びTDの引張り弾性率を上記範囲まで上昇させることができる。また、糖エステルは、セルロースアシレートフィルムのハードコート層との密着性の改善にも寄与する。
上記糖エステルとしては、特開2012−215812号公報の段落[0022]〜[0050]に記載される糖エステル等が挙げられる。
また、本発明においては、上記支持体の作製方法は特に限定されないが、例えば、ポリマーフィルム(特に、セルロースアシレートフィルム)は、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等の種々の方法で作製することができる。
これらの作製方法のうち、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法が好ましく、溶液キャスト法が特に好ましい。また、溶液キャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造することができる。上記添加剤を使用する場合は、添加剤はドープ調製のいずれのタイミングで添加してもよい。
具体的には、特開2006−184640号公報の段落[0219]〜[0224]に記載されたセルロースアシレートフィルムの製造方法や、特開2006−116936号公報の段落[0022]〜[0046]および[0062]〜[0088]ならびに図面に記載されたポリマーフィルムの溶液成膜方法等を参照することができる。
配向膜:
本発明の光学フィルムは、光学異方性層と支持体との間に光学異方性層を形成するための配向膜を形成してもよい。
配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。本発明に使用可能な配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。
配向膜の厚さは、酸素透過度の観点からは薄い方が好ましいが、光学異方性層形成のための配向能の付与、および、支持体の表面凹凸を緩和して均一な膜厚の光学異方性層を形成するという観点からはある程度の厚みが必要となる。具体的には、配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
また、本発明では光配向膜を利用することも好ましい。光配向膜としては特に限定はされないが、WO2005/096041号公報の段落[0024]〜[0043]に記載のものやRolic echnologies社製の商品名LPP−JP265CPなどを用いることができる。
反射防止層:
本発明の光学フィルムにおける反射防止層は、少なくとも防眩層を有する。
上記反射防止層は、光学フィルムの耐光性がより向上する理由から、支持体および反射防止層の層全体(積層体)の酸素透過度が450cc/[m2・day・atom]以上となるものが好ましく、500cc/[m2・day・atom]以上となるものがより好ましく、600cc/[m2・day・atom]以上となるものことが特に好ましい。
反射防止層を有する本発明の光学フィルムの具体的な層構成の例を下記に示すが、本発明の光学フィルムの層構成としては下記の例に限定されない。
なお、下記の例において、本発明における反射防止層としては、防眩層以外に、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層が含まれるが、本発明はこれらに限定されない。
光学異方性層/支持体/支持体/防眩層
光学異方性層/支持体/支持体/防眩層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/支持体/ハードコート層/防眩層
光学異方性層/支持体/支持体/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/支持体/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/防眩層
光学異方性層/支持体/防眩層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層
光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
上記の各構成において、光学異方性層と反射防止層を別々の支持体に形成した後に、支持体同士を積層する態様も好ましいが、支持体の両面に光学異方性層と反射防止層を形成する態様の方がより好ましい。なお、各層は粘着剤や接着剤を介して配置されてもよく、各層の上に直接別の層を形成してもよい。
光学異方性層と反射防止層を別々の支持体に形成する場合の好ましい支持体については、それぞれ本発明における好ましい支持体と同様である。
本発明においては、上記層構成のうち、多数の層を配置すると、反射防止層の酸素透過度は小さくなっていくので、反射防止層として防眩層のみを有する態様が好ましい。
[防眩層]
上記反射防止層における防眩層は、表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに付与する目的で形成される。
また、上記防眩層は、後述する本発明の画像表示装置のように、視認側の偏光子のさらに外側に液晶性化合物を含む光学異方性層が配置される場合には、光学異方性層が形成された表面フィルムの空気界面での反射を抑制するという観点から有用である。
本発明で用いることができる防眩層はバインダーおよび防眩性を付与するための透光性粒子を含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものであることが好ましい。
また、ハードコート性を有する防眩層を使用することで、別にハードコート層を形成する必要がなくなり、反射防止層の酸素透過度を下げることができるので好ましい。
透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子;が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。
透光性粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
バインダーの屈折率は、内部ヘイズ、表面ヘイズを調節するという観点から、上述した粒子の中から選ばれた各透光性粒子の屈折率にあわせてバインダーの屈折率を調整することが好ましい。透光性粒子にあわせたバインダーとしては、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としてなるバインダー(硬化後の屈折率が1.55〜1.70)と、スチレン含率50〜100質量%である架橋ポリ(メタ)アクリレート重合体からなる透光性粒子およびベンゾグアナミン粒子のいずれか一方または両方との組み合わせが挙げられ、これらのうち、上記バインダーとスチレン含率50〜100質量%である架橋ポリ(スチレン−アクリレート)共重合体からなる透光性粒子(屈折率が1.54〜1.59)との組合せが好適に例示される。
また、上述した観点より、バインダーの屈折率と透光性粒子の屈折率の差の絶対値が0.04以下が好ましい。バインダーの屈折率と透光性粒子の屈折率の差の絶対値は好ましくは0.001〜0.030であり、より好ましくは0.001〜0.020、更に好ましくは0.001〜0.015である。
ここで、バインダーの屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
透光性粒子の含有量は、防眩性等の観点から、形成された防眩層中の全固形分に対して3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
また、粒子径の異なる2種以上の透光性粒子を併用して用いてもよい。より大きな粒子径の透光性粒子で防眩性を付与し、より小さな粒子径の透光性粒子で別の光学特性を付与することが可能である。
また、本発明において、透光性粒子の凝集性を制御するために、スメクタイト型粘土に、4級アンモニウム塩をインターカレーションさせることにより得られるスメクタイト型粘土有機複合体を利用する態様も好適に例示される。スメクタイト型粘土有機複合体の含有量は、形成された防眩層の全固形分に対して、0.2〜8.0質量%が好ましく、0.3〜4.0質量%がより好ましく、0.4〜3.0質量%がさらに好ましく、0.5〜2.0質量%が特に好ましい。
4級アンモニウム塩としては下記一般式(1)で表わされる4級アンモニウム塩が好ましい。
[(R13(R2)N]+・X- (1)
(式中、R1及びR2は同一ではなく、R1は炭素数4〜24の、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R2は炭素数1〜10の、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、X-は陰イオンを表す。)
一般式(1)のアンモニウムイオンとしては、例えば、トリオクチル・メチル・アンモニウムイオン、トリステアリル・エチル・アンモニウムイオン、トリオクチル・エチル・アンモニウムイオン、トリステアリル・メチル・アンモニウムイオン、トリデシル・ヘキシル・アンモニウムイオン、トリテトラデシル・プロピル・アンモニウムイオン等が挙げられ、これらのうち、トリオクチル・メチル・アンモニウムイオンおよびトリステアリル・エチル・アンモニウムイオンが好適に例示される。
一般式(1)中、X-は、陰イオンを表す。このような陰イオンとしては、例えば、Cl-、Br-、OH-、NO3 -等が挙げられ、これらのうち、Cl-が好適に例示される。
スメクタイト型粘土有機複合体の市販品としては、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSTN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSPN(以上コープケミカル社製)などが挙げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明における防眩層の膜厚は、0.5μm〜50μmであることが好ましく、1〜35μmであることがより好ましく、1μm〜25μmであることが更に好ましい。
本発明における防眩層の中心線平均粗さ(Ra75)は、0.10〜0.40μmの範囲が好ましい。
また、上記防眩層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
防眩層を形成する方法としては、例えば、特開平6−16851号公報の請求項22に記載のような表面に微細な凹凸を有するマット状の賦型フィルムをラミネートして形成する方法、特開2000−206317号公報の請求項10に記載のように電離放射線照射量の差による電離放射線硬化型樹脂の硬化収縮により形成する方法、特開2000−338310号公報の請求項6に記載のように乾燥にて透光性樹脂に対する良溶媒の重量比が減少することにより透光性微粒子および透光性樹脂とをゲル化させつつ固化させて塗膜表面に凹凸を形成する方法、特開2000−275404号公報の請求項8に記載のように外部からの圧力により表面凹凸を付与する方法などが知られており、これら公知の方法を利用することができる。
また、支持体中に透光性粒子を含有させ、支持体に防眩機能を付与した態様についても好ましく用いることができる。このような態様としては、特開2009−258720号公報の請求項1や特開2005−105926号公報の請求項1に記載される防眩機能を持ったフィルムが好適に例示される。
[高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層]
高屈折率層の屈折率は、1.70〜1.74であることが好ましく、1.71〜1.73であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.60〜1.64であることが好ましく、1.61〜1.63であることが更に好ましい。低屈折率層は、屈折率が1.30〜1.47であることが好ましい。多層薄膜干渉型の反射防止フィルム(中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層)の場合の低屈折率層の屈折率は1.33〜1.38であることが好ましく、1.35〜1.37であることがさらに好ましい。
高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層の形成方法は化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法やスパッタ法により、無機物酸化物の透明薄膜を用いることもできるが、オールウェット塗布による方法が好ましい。
高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層としては特開2009−98658号公報の段落[0197]〜[0211]に記載のものを使用することができる。
これらの層は防眩層の上に形成することができるが、層が増えると酸素透過度は小さくなる傾向があるため、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上であるという条件を満たすように、適宜材料や厚みを調整することが好ましい。
その他の層:
[ハードコート層]
本発明の光学フィルムにおいては、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けてもよい。ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面がさらに強くなり、好ましい。
ハードコート層としては特開2009−98658号公報の段落[0190]〜[0196]に記載のものを使用することができる。
紫外線吸収剤:
本願における光学フィルムは、視認側に配置されるため、外光(特に紫外線)の影響を考慮して、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する少なくともいずれかの層に紫外線(UV)吸収剤を含むことが好ましく、支持体(特に、ポリマーフィルム)に紫外線吸収剤を含むことがより好ましい。
紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できるもので、公知のものがいずれも使用できる。そのような紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収性が高く、電子画像表示装置で用いられる紫外線吸収能(紫外線カット能)を得るためにベンゾトリアゾール系又はヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤が好ましい。また、紫外線の吸収幅を広くするために、最大吸収波長の異なる紫外線吸収剤を2種以上併用することができる。
また、支持体(特に、ポリマーフィルム)に含ませることができるUV吸収剤としては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|及び|Rth(400)−Rth(700)|の双方を低下させる化合物が好ましく、例えば、セルロースアシレート固形分に対して0.01〜30質量%使用するのがよい。
また、近年テレビやノートパソコン、モバイル型携帯端末などの液晶表示装置ではより少ない電力で輝度を高めるために、液晶表示装置に用いられる光学部材の透過率が優れたものが要求されている。その点においては、200〜400nmの紫外領域に吸収を持ち、フィルムの|Re(400)−Re(700)|及び|Rth(400)−Rth(700)|を低下させる化合物をセルロースアシレートフィルムに添加する場合、分光透過率が優れていることが要求される。このようなセルロースアシレートフィルムにおいては、波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることがのぞましい。
また、UV吸収剤は、揮散性の観点から分子量が250〜1000であることが好ましい。より好ましくは260〜800であり、更に好ましくは270〜800であり、特に好ましくは300〜800である。これらの分子量の範囲であれば、特定のモノマー構造であってもよいし、そのモノマーユニットが複数結合したオリゴマー構造、ポリマー構造でもよい。
また、UV吸収剤は、セルロースアシレートフィルム作製のドープ流延、乾燥の過程で揮散しないことが好ましい。
このようなセルロースアシレートフィルムのUV吸収剤の具体例としては、例えば、特開2006−199855号公報の[0059]〜[0135]に記載の化合物が挙げられる。
以下、本発明の偏光板に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
偏光子:
偏光子は、一般的な偏光子を用いることができる。本発明に用いることができる偏光子としては、例えば、ヨウ素や二色性色素によって染色されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子を用いることができる。
以下、本発明の画像表示装置に用いられる種々の部材について詳細に説明する。
粘着剤層:
光学異方性層と偏光子との間には、粘着剤層が配置されていてもよい。光学異方性層と偏光子との積層のために用いられる粘着剤層としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。本発明に用いることのできる粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤が挙げられるが、これに限定されない。
液晶セル:
本発明の画像表示装置に利用される液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、又はTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<支持体1の作製>
(1)コア層用ドープ1の調製
下記組成のコア層用ドープ1を調製した。
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ドープ1の組成
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・セルロースアセテート(アセチル化度2.86、数平均分子量72000)
100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 320質量部
・メタノール(第2溶媒) 83質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・トリフェニルフォスフェート 8.3質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 4.2質量部
・化合物1 0.98質量部
・化合物2 0.24質量部
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具体的には、以下の方法で調製した。
撹拌羽根を有する4000Lのステンレス製溶解タンクに、第1溶媒、第2溶媒および第3溶媒を添加して十分に撹拌した後に、セルロースアセテート粉体(フレーク)、トリフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、化合物1および化合物2を徐々に添加し、全体が2000kgになるように調製した。なお、溶媒は、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。
溶解タンク内を撹拌剪断速度が最初は5m/sec(剪断応力:5×104kgf/m/sec2)の周速で撹拌するディゾルバータイプの偏芯撹拌軸および、中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力:1×104kgf/m/sec2)で撹拌する条件下で30分間分散した。分散の開始温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。分散終了後、高速撹拌は停止し、アンカー翼の周速を0.5m/secとしてさらに100分間撹拌し、セルロースアセテート粉末を膨潤させた。膨潤終了までは窒素ガスでタンク内を0.12MPaになるように加圧した。この際のタンク内の酸素濃度は2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保った。またドープ中の水分量は0.5質量%以下であることを確認し、具体的には0.3質量%であった。
セルロースアセテート粉体が膨潤した溶液を溶解タンクからポンプでジャケット付配管に送液した。次いで、ジャケット付配管で50℃まで加熱し、更に2MPaの加圧化で90℃まで加熱し、完全溶解した。加熱時間は15分であった。
次に、36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を通過させドープを得た。この際、濾過1次圧は1.5MPa、2次圧は1.2MPaとした。なお、高温にさらされるフィルター、ハウジング、及び配管はハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有する物を使用した。
このようにして得られた濃縮前ドープを80℃で常圧に調整されているフラッシュ装置内でフラッシュさせて、蒸発した溶剤を凝縮器で回収分離した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、21.8質量%となった。なお、凝縮された溶剤は調製工程の溶剤として再利用すべく回収工程に回された。フラッシュ装置のフラッシュタンクには中心軸にアンカー翼を有するものを用いて、周速0.5m/secで撹拌して脱泡を行った。タンク内のドープの温度は25℃であり、タンク内の平均滞留時間は50分であった。このドープを採集して25℃で測定した剪断粘度は剪断速度10(sec-1)で450(Pa・s)であった。
次に、このドープに弱い超音波照射することで泡抜きを行った。その後、1.5MPaに加圧した状態で、最初に公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルターを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルターを通過させた。それぞれの一次圧は、1.5、1.2MPaであり、二次圧は1.0、0.8MPaであった。濾過後のドープ温度は、36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有するものを用いて、周速0.3m/secで常時撹拌することで、コア層用ドープ1を得た。
(2)支持体層用ドープ1−aの調製
マット剤(二酸化ケイ素(粒径20nm))と剥離促進剤(クエン酸エチルエステル(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物))とコア層用ドープ1を、静止型混合器を介して混合させて支持体層用ドープ1−aを調製した。添加量は、全固形分濃度が20.5質量%、マット剤濃度が0.05質量%、剥離促進剤濃度が0.03質量%となるように行った。
(3)エア層用ドープ1−bの調製
マット剤(二酸化ケイ素(粒径20nm))を静止型混合器を介して前記コア層用ドープ1に混合させて、エア層用ドープ1−bを調製した。添加量は、全固形分濃度が20.5質量%、マット剤濃度が0.1質量%となるように行った。
(4)共流延による製膜
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、主流のほかに両面にそれぞれ積層して3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。以下の説明において、主流から形成される層をコア層と称し、支持体面側の層を支持体層と称し、反対側の面をエア層と称する。なお、ドープの送液流路は、コア層用、支持体層用、エア層用の3流路を用いた。
上記コア層用ドープ、支持体層用ドープ1−a、及びエア層用ドープ1−bを流延口から−5℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、厚みの比がエア層/コア層/支持体層=3/54/3となるように各ドープの流量を調整した。流延したドープ膜をドラム上で34℃の乾燥風を230m3/分で当てることにより乾燥させ、残留溶剤が150%の状態でドラムより剥離した。剥離の際、搬送方向(長手方向)に17%の延伸を行った。その後、フィルムの幅方向(流延方向に対して直交する方向)の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で把持しながら搬送を行なった。さらに、熱処理装置のロール間を搬送することによりさらに乾燥し、支持体1を製造した。作製したセルロースアシレートフィルムの残留溶剤量は0.2%であり、厚みは60μmであった。
作製した支持体1の酸素透過度は、882cc/[m2・day・atom]であった。
<支持体2の作製>
支持体1の作製におけるドープ1の組成を下記組成のドープ2に代え、共流延成膜時の厚みの比をエア層/コア層/支持体層=3/35/3となるように各ドープの流量を調整する以外は支持体1と同様の方法で、厚み40μmの支持体2を作製した。
作製した支持体2の酸素透過度は、1391cc/[m2・day・atom]であった。
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ドープ2の組成
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・セルロースアセテート(アセチル化度2.86、数平均分子量72000)
100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 320質量部
・メタノール(第2溶媒) 83質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・トリフェニルフォスフェート 7.2質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.6質量部
・化合物1 0.98質量部
・化合物2 0.24質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<支持体3の作製>
(エア層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、各成分を溶解し、エア層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エア層用セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・式(I)の糖エステル化合物 3質量部
・式(II)の糖エステル化合物 1質量部
・紫外線吸収剤 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm)
“AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.026質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(ドラム層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ドラム層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドラム層用セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・上記式(I)の糖エステル化合物 3質量部
・上記式(II)の糖エステル化合物 1質量部
・上記紫外線吸収剤 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm)
“AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.091質量部
・メチレンクロライド 339質量部
・メタノール 74質量部
・ブタノール 3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(コア層用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、コア層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コア層用セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・上記式(I)の糖エステル化合物 8.3質量部
・上記式(II)の糖エステル化合物 2.8質量部
・上記紫外線吸収剤 2.4質量部
・メチレンクロライド 266質量部
・メタノール 58質量部
・ブタノール 2.6質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(共流延による製膜)
流延ダイとして、共流延用に調整したフィードブロックを装備して、3層構造のフィルムを成形できるようにした装置を用いた。上記エア層用セルロースエステル溶液、コア層用セルロースエステル溶液、及びドラム層用セルロースエステル溶液を流延口から−7℃に冷却したドラム上に共流延した。このとき、厚みの比がエアー層/コア層/支持体層=7/90/3となるように各ドープの流量を調整した。
直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。ドラム上で34℃の乾燥風を200m3/分で当てた。
そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたセルロースエステルフィルムをドラムから剥ぎ取った後、両端をピンテンターでクリップした。
ピンテンターで保持されたセルロースエステルウェブを乾燥ゾーンに搬送した。初めの乾燥では45℃の乾燥風を送風し、次に110℃で5分乾燥した。搬送中に把持しているピンテンター間の距離を広げ、ピンテンター把持時の幅手方向の延伸倍率を10%となるようにした。
ピンテンターからウェブを離脱させたあと、ピンテンターで保持されていた部分を連続的に切り取り、ウェブの幅方向両端部に15mmの幅で30μmの高さの凹凸をつけた。搬送方向に130Nのテンションをかけながら140℃で10分乾燥した。ウェブが所望の幅になるように乾燥後に幅方向端部を連続的に切り取り、膜厚60μmの支持体3を作製した。
作製した支持体3の酸素透過度は、1051cc/[m2・day・atom]であった。
<支持体4の作製>
支持体3の製膜時において、140℃乾燥時のウェブ搬送時のテンションを210Nとし、さらにエア層用ドープとして以下の代替セルロースエステル溶液を使用した以外は、支持体3と同様に製膜を行って、膜厚60μmの支持体4を作製した。
作製した支持体4の酸素透過度は、990cc/[m2・day・atom]であった。
(代替用セルロースエステル溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、エア層用セルロースエステル溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エア層用セルロースエステル溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースエステル(アセチル置換度2.86) 100質量部
・上記式(I)の糖エステル化合物 3質量部
・上記式(II)の糖エステル化合物 1質量部
・上記紫外線吸収剤 2.4質量部
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm)
“AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製 0.026質量部
・メチレンクロライド 377質量部
・メタノール 61質量部
・ブタノール 2.6質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<支持体5の作製>
支持体1の作製におけるドープ1の組成を下記組成のドープ5に代え、共流延成膜時の厚みの比をエア層/コア層/支持体層=4/73/3となるように各ドープの流量を調整する以外は支持体1と同様の方法で、厚み80μmの支持体5を作製した。
作製した支持体5の酸素透過度は、664cc/[m2・day・atom]であった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ドープ5の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(アセチル化度2.86 数平均分子量72000)
100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 320質量部
・メタノール(第2溶媒) 83質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・トリフェニルフォスフェート 7.6質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.8質量部
・化合物1 0.98質量部
・化合物2 0.24質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<実施例1>
(防眩層用塗布液の調製)
下記の組成となるように各成分をMIBK(メチルイソブチルケトン)とMEK(メチルエチルケトン)との混合溶媒(89対11(質量比))と混合した。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布液1を調製した。各塗布液の固形分濃度は40質量%である。なお、塗布液の調製に際して、樹脂粒子及びスメクタイトは後述する分散液の状態で添加した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
防眩層塗布液1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
スメクタイト(ルーセンタイトSTN、コープケミカル社製) 1.00質量%
樹脂粒子(テクポリマーSSX、積水化成品工業社製) 8.00質量%
アクリレートモノマー(NKエステルA9550、新中村化学工業社製)
87.79質量%
重合開始剤(イルガキュア907、BASF社製) 3.00質量%
レベリング剤(P−4) 0.15質量%
分散剤(DISPERBYK−2164、ビックケミー・ジャパン社製)
0.06質量%
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(樹脂粒子分散液の調製)
透光性樹脂粒子の分散液は、撹拌しているMIBK溶液中に透光性樹脂粒子(テクポリマーSSX、積水化成社製)を分散液の固形分濃度が30質量%になるまで徐々に加え、30分間撹拌して調製した。
(スメクタイト分散液の調製)
スメクタイトの分散液は、最終的に防眩層用塗布液に使用される全てのMEKを用い、MEK中に撹拌しながらスメクタイト(ルーセンタイトSTN、コープケミカル社製)を徐々に加え、30分間撹拌して調製した。
(防眩層の塗設)
作製した支持体1(厚さ:60μm、酸素透過度:882cc/[m2・day・atom])をロール形態で巻き出して、防眩層用塗布液1を使用し、膜厚4μmとなるように防眩層を塗設した。
具体的には、特開2006−122889号公報実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で各塗布液を塗布し、80℃で150秒乾燥の後、更に窒素パージ下酸素濃度約0.1%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量180mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて防眩層を形成した後、巻き取り、反射防止層付支持体1を作製した。
作製した反射防止層付支持体1の酸素透過度は、479cc/[m2・day・atom]であった。
(アルカリ鹸化処理した支持体1の作製)
上記作製した反射防止層付支持体1を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの防眩層が形成している面とは反対側の面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、#6のワイヤーバーで連続的に塗布し、110℃に加熱し、ノリタケカンパニーリミテド社製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理した支持体1を作製した。
─────────────────────────────────────
アルカリ溶液の組成
─────────────────────────────────────
水酸化カリウム 2.0質量部
水 6.5質量部
イソプロパノール 85.0質量部
界面活性剤SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 0.035質量部
プロピレングリコール 6.5質量部
─────────────────────────────────────
(露光前配向膜付支持体1の作製)
上記作製したアルカリ鹸化処理した支持体1の、鹸化処理を施した面に、下記の組成の配向膜塗布液1を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、露光前配向膜付支持体1を形成した。露光前配向膜の膜厚は、0.45μmであり、酸素透過度は132cc/[m2・day・atom]であった。
────────────────────────────────────
配向膜形成用塗布液1の組成
────────────────────────────────────
配向膜用ポリマー材料(P−1) 2.4質量部
光酸発生剤(S−1) 0.17質量部
ラジカル重合開始剤
(イルガキュア2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.18質量部
ラジカル開始剤(R−1) 0.18質量部
メタノール 16.5質量部
IPA(イソプロパノール) 7.2質量部
水 73.55質量部
────────────────────────────────────
(紫外線露光)
次に、透過部の横ストライプ幅363μm、遮蔽部の横ストライプ幅363μmのストライプマスクを上記作製した露光前配向膜付支持体1上に配置し、室温空気下にて、200nm〜400nmの波長領域における照度500mW/cm2の紫外線照射装置(Light Hammer 10、240W/cm、Fusion UV Systems社製)を光源ユニットとして用いて紫外線を0.06秒間(30mJ/cm2)照射しパターン配向膜を形成した。
(パターン光学異方性層の形成)
上記紫外線露光後のパターン配向膜に、ストライプマスクのストライプに対して45°の角度を保持して500rpmで一方向に1往復、ラビング処理を行った。次いで、下記の光学異方性層用塗布液を、#3.2のワイヤーバーで塗布した。さらに、膜面温度110℃で2分間加熱熟成した後、80℃まで冷却し空気下にて20mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて紫外線を20秒間照射して、その配向状態を固定化することによりパターン光学異方性層を形成した。マスク露光部分(第1位相差領域)は、ラビング方向に対し遅相軸方向が平行にディスコティック液晶化合物が垂直配向しており、未露光部分(第2位相差領域)は直交に垂直配向していた。なお、光学異方性層の膜厚は、1.15μmであった。
────────────────────────────────────
光学異方性層塗布液の組成
────────────────────────────────────
ディスコティック液晶E−2 80質量部
ディスコティック液晶E−3 20質量部
配向膜界面配向剤(II−1) 0.9質量部
配向膜界面配向剤(III−1) 0.08質量部
空気界面配向剤(P−2) 0.2質量部
空気界面配向剤(P−3) 0.6質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、BASF社製) 3.0質量部
他官能モノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパン
トリアクリレート(ビスコート360、大阪有機化学社製)) 10質量部
メチルエチルケトン 268質量部
────────────────────────────────────
(光学フィルム1の作製)
以上のようにして、支持体の両面にそれぞれ防眩層とパターン光学異方性層が形成された、光学フィルム1を作製した。
<実施例2>
(光学フィルム2の作製)
支持体1に代えて、支持体2(厚さ:40μm、酸素透過度:1391cc/[m2・day・atom])を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止層付支持体2(酸素透過度:600cc/[m2・day・atom])、アルカリ鹸化処理した支持体2、露光前配向膜付支持体2(酸素透過度:140cc/[m2・day・atom])、光学フィルム2を作製した。
<実施例3>
(光学フィルム3の作製)
支持体1に代えて、支持体3(厚さ:60μm、酸素透過度:1051cc/[m2・day・atom])を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止層付支持体3(酸素透過度:525cc/[m2・day・atom])、アルカリ鹸化処理した支持体3、露光前配向膜付支持体3(酸素透過度:130cc/[m2・day・atom])、光学フィルム3を作製した。
<実施例4>
(光学フィルム4の作製)
支持体1に代えて、支持体4(厚さ:60μm、酸素透過度:990cc/[m2・day・atom])を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止層付支持体4(酸素透過度:500cc/[m2・day・atom])、アルカリ鹸化処理した支持体4、露光前配向膜付支持体4(酸素透過度:125cc/[m2・day・atom])、光学フィルム4を作製した。
<比較例1>
(光学フィルム5の作製)
支持体1に代えて、支持体5(厚さ:80μm、酸素透過度:664cc/[m2・day・atom])を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射防止層付支持体5(酸素透過度:410cc/[m2・day・atom])、アルカリ鹸化処理した支持体5、露光前配向膜付支持体5(酸素透過度:53cc/[m2・day・atom])、光学フィルム5を作製した。
<比較例2>
(中空シリカ粒子分散液の調製)
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業社製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51質量部を加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2質量%の中空シリカ粒子分散液を得た。
(低屈折率層用塗布液1の調製)
各成分を下記のように混合し、MEKに溶解して固形分5質量%の低屈折率層塗布液1を作製した。
────────────────────────────────────
低屈折率層塗布液1の組成
────────────────────────────────────
下記のパーフルオロオレフィン共重合体 15質量部
DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、日本化薬社製)
7質量部
ディフェンサMCF−323(フッ素系界面活性剤、大日本インキ化学工業社製)
5質量部
下記の含フッ素重合性化合物 20質量部
中空シリカ粒子分散液(固形分濃度18.2質量%) 50質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、BASF社製) 3質量部
────────────────────────────────────
(光学フィルム6の作製)
実施例1にて作製した反射防止層付支持体1の反射防止層の上に、上記の低屈折率層用塗布液1をグラビアコーターを用いて塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とし、反射防止層付支持体4を作製した。低屈折率層の屈折率は1.36、膜厚は90nmであった。また、反射防止層付支持体4の酸素透過度は256cc/[m2・day・atom]であった。
その後、実施例1と同様にしてアルカリ鹸化処理した支持体6、露光前配向膜付支持体6(酸素透過度:53cc/[m2・day・atom])、光学フィルム6を作製した。
<比較例3>
(光学フィルム7の作製)
比較例2で作製した光学フィルム6について、厚さ60μmの紫外線吸収剤入りトリアセチルセルロースフィルムに変えて、厚さ80μmの紫外線吸収剤入りトリアセチルセルロースフィルム(酸素透過度:664cc/[m2・day・atom])とした以外は比較例2と同様にして、反射防止層付支持体7(酸素透過度235cc/[m2・day・atom])、アルカリ鹸化処理した支持体7、露光前配向膜付支持体7(酸素透過度49cc/[m2・day・atom])、光学フィルム7を作製した。
<比較例4>
(光学フィルム8の作製)
実施例1において、配向膜形成用塗布液1を下記配向膜形成用塗布液2に変えた以外は実施例1と同様にして、露光前配向膜付支持体8(酸素透過度:80cc/[m2・day・atom])、光学フィルム8を作製した。
────────────────────────────────────
配向膜形成用塗布液2の組成
────────────────────────────────────
配向膜用ポリマー材料(P−1) 3.6質量部
光酸発生剤(S−1) 0.17質量部
ラジカル重合開始剤
(イルガキュア2959、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.18質量部
メタノール 16.5質量部
IPA(イソプロパノール) 7.2質量部
水 72.35質量部
────────────────────────────────────
(光学フィルムの酸素透過度測定)
上記作製した光学フィルムにおいて、光学異方性層よりも反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度として、支持体のみ、反射防止層付支持体、露光前配向膜付支持体における酸素透過度を、MOCON社製酸素透過率測定装置(OX−TRAN 2/21 ML/SL型)にて、下記条件で測定した。なお、目的の層を測定する際には、作製した光学フィルムから目的の層を剥がして測定するか、光学フィルムを作製途中の部材にて測定するかを適宜選択して測定した。測定結果を下記表1に示す。
<測定条件>
透過ガス:純酸素(湿度:60%RH,流量:10ml/min)
キャリヤーガス:窒素(98%)/水素(2%)混合ガス(湿度:60%RH,流量:10ml/min)
試料面積:5cm2(純正アルミマスク使用)
試料温度:25℃
(耐光性評価)
上記作製した光学フィルムの光学異方性層側に、粘着剤を介してガラス板を貼り付け、反射防止層側から、スーパーキセノンウェザーメーター“SX−75”(スガ試験機社製、60℃、50%RH条件)にて、キセノン光を25万Lxで200時間照射した。所定時間の経過後、光学フィルム付きガラス板を取出し、Re(550)の変化を測定した。評価結果を下記表1に示す。
A:Re(550)の変化が5nm未満
B:Re(550)の変化が5nm以上10nm未満
C:Re(550)の変化が10nm以上
<参考例1>
比較例1にて作製した光学フィルム3の耐光性を評価する際に、光学フィルム3をガラス板に貼り付けず、光学異方性層が空気に接している状態で、反射防止層側から、スーパーキセノンウェザーメーター“SX−75”(スガ試験機社製、60℃、50%RH条件)にて、キセノン光を25万Lxで200時間照射した。所定時間の経過後、光学フィルム付きガラス板を取出し、Re(550)の変化を測定した。評価結果を下記表1に示す。
<参考例2>
キセノン光の照射を窒素雰囲気下、すなわち、光学異方性層がチッソに失している状態で行った以外は、参考例1と同様の方法により、Re(550)の変化を測定した。評価結果を下記表1に示す。
上記表1において、比較例1と参考例1および2との比較により、雰囲気中の酸素の量が、光学フィルムの耐光性に影響を与えることが確認でき、また、より酸素が多いほど、光学フィルムの耐光性がよいことが確認できる。
そして、実施例1〜4と比較例1〜4の比較により、光学異方性層より反射防止層側に存在する全ての層の酸素透過度が大きいほど、光学フィルムの耐光性がよいことが確認できる。
また、実施例1と実施例2の比較により、支持体の厚みを薄くすると、支持体の酸素透過度および光学異方性層より反射防止層側に存在する全ての層の酸素透過度を大きくすることができ、光学フィルムの耐光性をさらに向上させられることが確認できる。
10 光学フィルム
12 反射防止層
14 支持体
16 光学異方性層
16a 第1位相差領域
16b 第2位相差領域
17a 第1位相差領域の遅相軸
17b 第2位相差領域の遅相軸
18 防眩層
19 他の層
20 偏光板
22 偏光子
22f 視認側偏光子
22b バックライト側偏光子
23 偏光子の吸収軸
30 パターン円偏光板
40 液晶表示装置
42 液晶セル
44、46、48 偏光板保護フィルム

Claims (10)

  1. 反射防止層と、支持体と、液晶性化合物を含む光学異方性層とを、少なくともこの順で有し、前記反射防止層が少なくとも防眩層を有し、前記光学異方性層よりも前記反射防止層側に存在する層全体の酸素透過度が100cc/[m2・day・atom]以上である光学フィルム。
  2. 前記反射防止層が前記防眩層のみからなる請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記反射防止層および前記支持体の層全体の酸素透過度が450cc/[m2・day・atom]以上である請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記支持体の酸素透過度が750cc/[m2・day・atom]以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記光学異方性層と前記支持体との間に、さらに配向膜を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記支持体がセルロースアシレートを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記光学異方性層が、550nmにおける面内レターデーションRe(550)が110nm≦Re(550)≦165nmである位相差領域を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記光学異方性層が、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を含み、且つ前記第1及び第2位相差領域が、面内において交互に配置されているパターン光学異方性層である請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 反射防止層と、支持体と、光学異方性層と、偏光子とをこの順で有する偏光板であって、
    前記反射防止層、前記支持体および前記光学異方性層が請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルムで構成される偏光板。
  10. 反射防止層と、支持体と、光学異方性層と、偏光子とをこの順で有する偏光板を具備する画像表示装置であって、
    前記偏光板が、請求項9に記載の偏光板であり、前記反射防止層を最表面として配置されている画像表示装置。
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