JP2007307826A - セルロースアシレートペレットおよびその製造方法、セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートペレットおよびその製造方法、セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融製膜の際にゲル状ブツおよび黄色の異物の発生を解消できるセルロースアシレートフィルムペレットを提供する。
【解決手段】セルロースアシレートペレットを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、テトラヒドロフランに溶解して固形分濃度0.5質量%の溶液を調製した時に、当該溶液中に存在する微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の個数がペレット1gあたり0〜20個であることを特徴とするセルロースアシレートペレット。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースアシレートペレットおよびフィルム並びにそれらの製造方法に関する。また、本発明は光学特性に優れたセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置に関する。
従来から、液晶画像表示装置に使用されるセルロースアシレートフィルムを製造する際に、ジクロロメタンのような塩素系有機溶媒にセルロースアシレートを溶解し、これを基材上に流延、乾燥して製膜する溶液流延法が主に実施されている。塩素系有機溶媒の中でもジクロロメタンは、セルロースアシレートの良溶媒であるとともに、沸点が低くて(約40℃)製膜工程や乾燥工程において乾燥させ易いという利点を有することから好ましく使用されている。
一方、近年では環境保全の観点から、塩素系有機溶媒を始めとする有機溶媒の排出を抑えることが強く求められるようになっている。このため、より厳密なクローズドシステムを採用して系から有機溶媒が漏れ出さないように努めたり、有機溶媒が製膜工程から漏れても外気に出る前にガス吸収塔を通して有機溶媒を吸着させたり、火力により燃焼させたり、電子線ビームにより分解させたりするなどの処理を行って、殆ど有機溶媒を外気に排出することがないように種々の対策が講じられている。しかしながら、これらの対策を行っても完全な有機溶媒は非排出は未だ困難であり、さらなる改良が必要とされている。
そこで、有機溶媒を用いない製膜法として、セルロースアシレートを溶融製膜する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この文献には、セルロースアシレートのエステル基の炭素鎖を長くすることにより融点を下げ、溶融製膜しやすくすることが記載されている。具体的には、セルロースアセテートを、セルロースプロピオネート等に変えることが記載されており、これにより溶融製膜しやすくしている。
特開2000−352620号公報 特開2006−63169号公報
また、溶融製膜により得られるフィルムとしては、輝点異物を低減した光学フィルムを得るために、セルロースエステルに含まれる添加剤の最大粒径を1μm以下に限定し、該セルロースエステルを加熱溶融してセルロースエステルフィルムを得る技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。当該技術は、加熱溶融されるセルロースエステル中の添加剤の最大粒径を規定することで、加熱溶融後のフィルム中の輝点異物の数を低減するものである。
しかし、光学フィルム中の輝点異物は、フィルム材料中の添加剤のみならず、加熱溶融時の加熱反応において副次的に生成される不溶物等も原因となることから、フィルム材料中の添加剤の粒径を規定したのみでは、十分に溶融製膜後のフィルム中に存在する輝点異物を低減できなかった。
さらに、上述の特許文献1〜2に記載の方法で溶融製膜したフィルムの面状は、ゲル状ブツおよび黄色の異物が発生することがわかった。また、このようにゲル状ブツや黄色の異物が発生したフィルムを偏光板の保護フィルムとして液晶表示装置に組み込むと、表示ボケや画像の歪みが生じるという問題があることが判明した。このことから、上述のようなゲル状ブツおよび黄色の異物の発生を抑えることができるセルロースアシレートフィルムの開発が切望されている。
上述の従来技術の課題を解決すべく、本発明の目的は、溶融製膜した後のゲル状ブツおよび黄色の異物の発生を抑制したセルロースアシレートフィルムを製造することが可能なセルロースアシレートペレットおよびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明においては、ゲル状ブツおよび黄色の異物の少ないセルロースアシレートフィルムの製造方法および該製造方法により得られたセルロースアシレートフィルム、並びに、液晶表示装置に組み込んだ時の表示ボケや画像の歪みの発生を解消した、当該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、および、これらを用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、前記課題を解決するために一連の研究を重ね、溶融製膜した際にフィルム面状に発生するゲル状ブツおよび黄色異物の原因を鋭意解析した結果、フィルムの溶融製膜時に発生したラジカルゲル化が透明ゲル状ブツに起因するものであることを見出すに至った。更に、本発明者は、滞留による熱分解物が黄色の異物を引起すことをも見出すに至った。
このような知見に基づいて、本発明では、酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後の不溶物の数を一定量以下としたセルロースアシレートペレットを溶融製膜で使用することにより、フィルム中のゲル状ブツおよび黄色の異物を解消することを成功した。即ち、高温におけるペレットの不溶物が少ないことによって、溶融製膜工程中に発生する透明ゲル状ブツと黄色の異物とを抑制することができた。
(態様1)
セルロースアシレートペレットを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、テトラヒドロフランに溶解して固形分濃度0.5質量%の溶液を調製した時に、当該溶液中に存在する微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の個数がペレット1gあたり0〜20個であることを特徴とするセルロースアシレートペレット。
(態様2)
酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱する前と加熱した後との数平均分子量変化が0〜30%であることを特徴とする態様1に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様3)
ペレット中の気泡数が0〜20個/100gであることを特徴とする態様1または2に記載のセルロースアシレートペレット。
(態様4)
1族アルカリ金属含有量が0〜50ppmであり、硫酸根含有量が0〜150ppmであり、且つ(1族アルカリ金属モル量と2族金属モル量との和)/(硫酸根モル量)の比が0.3〜3.0であることを特徴とする態様1〜3のいずれか一つに記載のセルロースアシレートペレット。
(態様5)
分子量500以上の安定剤の少なくとも一種をセルロースアシレートに対して0.01〜3質量%含有することを特徴とする態様1〜4のいずれか1つに記載のセルロースアシレートペレット。
(態様6)
240℃における溶融粘度が100〜3000Pa・sであることを特徴とする態様1〜5のいずれか一つに記載のセルロースアシレートペレット。
(態様7)
重量平均重合度が250〜600であり、下記式(S−1)〜(S−3)を満足することを特徴とする態様1〜6のいずれか一つに記載のセルロースアシレートペレット。
式(S−1) 2.6≦X+Y≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す)
(態様8)
態様1〜7のいずれか一つに記載のセルロースアシレートペレットの製造方法であって、混練したセルロースアシレート樹脂組成物を多孔ダイからヌードル状に押出した後、65℃〜98℃の水浴中で固化したことを特徴とするセルロースアシレートペレットの製造方法。
(態様9)
2軸混練押出機を用い、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする態様8に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
式(1) t×|Tsv−Tm|≦15
式(2) |Tsv−Tm|≦25
[式中、tは、混練機滞留時間(min)を示し、Tsvは混練機設定最高温度(℃)を示し、Tmはペレット化前のセルロースアシレートの融点(℃)を示す]
(態様10)
前記セルロースアシレート樹脂組成物が安定剤を含むことを特徴とする態様8または9に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
(態様11)
態様1〜7のいずれか一つに記載のセルロースアシレートペレットを220℃〜240℃でダイから押し出し、3kg/cm〜100kg/cmの線圧でタッチロールを用いて製膜したことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(態様12)
製膜したセルロースアシレートフィルムを、少なくとも1方向に1%〜300%延伸する工程をさらに含むことを特徴とする態様11に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(態様13)
態様11または12に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(態様14)
製膜したセルロースアシレートフィルムの分子量とセルロースアシレートペレット分子量との差が10%以内であることを特徴とする態様13に記載のセルロースアシレートフィルム。
(態様15)
偏光子に、態様13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする偏光板。
(態様16)
態様13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
(態様17)
態様13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする反射防止フィルム。
(態様18)
態様15に記載の偏光板、態様16に記載の光学補償フィルム、および態様17に記載の反射防止フィルムの少なくとも一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、溶融製膜した後のゲル状ブツおよび黄色の異物の発生を抑制したセルロースアシレートフィルムを製造することが可能なセルロースアシレートペレットおよびその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、ゲル状ブツおよび黄色の異物の少ないセルロースアシレートフィルムの製造方法および該製造方法により得られたセルロースアシレートフィルム、並びに、液晶表示装置に組み込んだ時の表示ボケや画像の歪みの発生を解消した、当該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、および、これらを用いた液晶表示装置を提供することができる。
以下において、本発明のセルロースアシレートペレット、セルロースアシレートフィルム、およびそれらの製造方法と応用について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
《ゲル状ブツおよび黄色異物の抑制》
本発明では、溶融製膜したセルロースアシレートフィルムのゲル状ブツおよび黄色異物の発生を抑制するため、並びに、フィルムを液晶表示装置に組み込んだ際に発生する表示ボケおよび画像の歪みを解消するために、セルロースアシレートフィルムの製造に用いるセルロースアシレートペレットに下記のような特徴を持たせた。また、セルロースアシレートペレットの製造方法や、セルロースアシレートフィルムの製造方法にも下記のような特徴を持たせた。これらについて、順に説明する。
(1)本発明のセルロースアシレートペレット
前記のように、本発明では、溶融製膜したセルロースアシレートフィルムのゲル状ブツおよび黄色異物の発生を抑制するために、酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、テトラヒドロフランに溶解して固形分濃度0.5質量%のTHF溶液を調製した時に、当該溶液中に存在する微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の数が0〜20個/gである本発明のセルロースアシレートペレットを用いる。
本発明のセルロースエステルアシレートペレットは、微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の数が、0〜15個/gであることが好ましく、0〜10個/gであることがさらに好ましい。
不溶異物が発生し易いペレットを用いると、連続長時間製膜する際に、セルロースアシレートの滞留によって発生するラジカルゲル化反応および熱分解を促進され、製膜したセルロースアシレートフィルムにゲル状ブツおよび黄色異物が多く発生してしまう。これに対し、本発明のように高温加熱後においても不溶異物の発生が少ないセルロースアシレートペレットを用いれば、セルロースアシレートフィルムのゲル状ブツおよび黄色異物をより効果的に抑制することができる。
本発明において、微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物は、以下のような方法によりカウントすることができる。
まず、サンプルをテトラヒドロフランに固形分濃度が0.5質量%となるように溶解してTHF溶液を調製し、その溶液中に存在する直径2μm以上の微粒子添加物の数(a1)を計数する。このとき、一定量の溶液を採取してスペーサを設けた2枚のガラス板の間に挟み、顕微鏡で観察し、直径2μm以上の不溶物の数を数える。また、サンプルを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後に、同様にして調製したTHF溶液中に存在する直径2μm以上の粒子の総数(a2)を計数し、総数(a2)から微粒質添加物の数(a1)を引くことによって、微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の数を算出することができる。
尚、本願でいう直径2μm以上とは、最大径が2μm以上であることを意味する。また、直径2μm以上の粒子は、対物標準ミクロメーターと接眼ミクロメーターを併用することによって判別することができる。
本発明のセルロースアシレートペレットは、酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱する前後の分子量変化が0〜30%であることが好ましく、より好ましくは0〜20%であり、さらに好ましくは0〜10%である。このようにして、高温加熱における分子量変化の少ないペレットを用いると、加熱中のラジカルゲル化反応および熱分解を抑制することができる。
上述の分子量変化は、酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱する前のサンプルと加熱後のサンプルとを、それぞれ0.5質量%の固定分濃度のTHF溶液に溶解し、GPCを用いて測定したそれぞれの数平均分子量(Mn)の変化を求めた。
分子量変化=100%×|加熱前のMn−加熱後のMn|/加熱前のMn
また、本発明のセルロースアシレートペレット中の気泡数は、0〜20個/100gであることが好ましく、より好ましくは0〜15個/100gであり、さらに好ましくは0〜10個/100gである。このように気泡数が少ないペレットを用いると、高温溶融製膜する際に混練不良を起こしにくく、ペレットが装置内に滞留する時間を短縮することができ、結果としてセルロースアシレートのラジカルゲル化反応および熱分解を抑制する効果が得られる。
高温加熱した後に不溶物の発生の少ない本発明のセルロースアシレートペレットや、分子量変化の少ないセルロースアシレートペレットの特性は下記の金属イオン、硫酸根含有量、および金属モル量/硫酸根モル量との比、使用する安定剤、ペレットの熔融粘度やセルロースアシレートの組成を適宜組み合わせることにより達成することができる。但し、本発明は後述する態様に限定されるものではない。
本発明のセルロースアシレートペレットは、強アルカリ性の1族アルカリ金属含有量が少ないことが好ましい。前記1族アルカリ金属種類としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。本発明のセルロースアシレートペレット中における、1族アルカリ金属含有量は0〜50ppmであることが好ましく、より好ましくは0〜40ppm、さらに好ましくは0〜30ppmである。これらの強アルカリ性1族アルカリ金属イオンはセルロースアシレート合成工程において使用される水から持ち込まれるか、または後述のセルロースアシレートの安定化工程中に、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等化合物として添加されることが多い。このように、ペレット中の強アルカリ性の1族金属塩基を上述の範囲内に抑えることにより、溶融製膜の高温熱履歴における1族金属塩基の活性化を抑制し、プロトンの引き抜き反応やラジカル連鎖反応や熱劣化等による発生するゲル状ブツおよび黄色異物を抑制することができる。
本発明のセルロースアシレートペレットは、硫酸根含有量が0〜150ppmであることが好ましく、より好ましくは0ppm〜130ppm、さらに好ましくは10ppm〜120ppmである。ここでいう硫酸根とは、結合硫酸、非結合の硫酸、塩、エステル、錯体などの形でセルロースアシレート中に存在している硫酸根であり、「硫酸根含有量」とはそれらの硫酸根の含有量の合計をいう。セルロースアシレートの硫酸根は、アシル化の触媒としての硫酸がセルロースの水酸基に硫酸エステルなどの形で結合したもの、または、遊離の硫酸、塩、エステル、錯体などの形でセルロースアシレート中に取り込まれ、洗浄工程で除去しきれないものが残留しているものと考えられる。セルロースアシレートペレットの硫酸根含有量が0〜150ppmとするには、セルロースアシレート合成の際に適度な洗浄工程を実施することにより調整することができる。硫酸根含有量が上述の範囲内であれば、セルロースアシレートの熱安定性が良好となる。また、前記残存硫酸根量が0〜150ppmであれば、後述の金属量との関係によって熱安定性が低下する問題が生じにくく、高温下に置かれた場合であってもゲル状ブツおよび黄色異物を生じにくい。
本発明のセルロースアシレートペレットは、(1族アルカリ金属モル量と2族金属モル量との和)/(硫酸根モル量)の比が0.3〜3.0であることが好ましく、より好ましくは0.4〜2.5、さらに好ましくは0.5〜2.0である。2族金属含有量が1族アルカリ金属含有量により多いことが好ましい。これらは、2族金属を単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。これらの化合物はセルロースアシレート合成工程の中で添加するのが好ましく、より好ましくはセルロースアシレート合成後の洗浄工程の後に添加するのが好ましい。好ましい2族金属元素は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムであり、さらに好ましくはマグネシウム、カルシウム、特に好ましくはカルシウムである。2族金属は、弱アルカリ性化合物として添加することが好ましく、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属水酸化物、金属酸化物などを挙げることができる。2族金属としてより好ましくは水酸化化合物や弱酸塩化合物、さらに好ましくは水酸化化合物であり、中でもマグネシウム、カルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物が好ましく、中でも水酸化カルシウムを添加するのが好ましい。
アルカリ金属および/または2族金属を含有することにより、上述の硫酸を中和する効果が得られる。この結果、セルロースアシレートペレットの熱安定性が低下する問題が生じにくく、高温下に置かれた場合であってもゲル状ブツおよび黄色異物の生成を一段と抑制する効果がある。
これらの条件は、各々を組み合わせることが好ましく、例えば、1族アルカリ金属含有量が0〜50ppmであり、硫酸根含有量が0〜150ppmであり、且つ(1族アルカリ金属モル量と2族金属モル量との和)/(硫酸根モル量)の比が0.3〜3.0であることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートペレットは後述の分子量500以上の安定剤の少なくとも一種をセルロースアシレートに対して0.01〜3質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05〜1.5質量%、0.1〜1質量%を含有することさらに好ましい。このような熱安定剤を併用することにより、より効果的に高温発生したラジカルを捕捉し、ラジカルの連鎖反応および熱劣化を抑制する相乗効果が得られる。
本発明のセルロースアシレートペレットの240℃における溶融粘度は、100〜3000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは100〜2500Pa・sであり、さらに好ましくは100〜2000Pa・sである。このように、溶融粘度の低いペレットを用いることにより溶融製膜装置内でセルロースアシレートが滞留する時間を低減させることができ、ラジカルゲル化反応および熱分解を抑制することができる。
本発明では好ましくは下記式(S−1)〜(S−3)、より好ましくは後述の式(S−4)〜(S−6)、さらに好ましくは後述の式(S−7)〜(S−9)の置換度を満足するセルロースアシレートペレットを用いることが好ましい。
式(S−1) 2.6≦X+Y≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
式(S−4) 2.65≦X+Y≦3.0
式(S−5) 0≦X≦1.2
式(S−6) 1.5≦Y≦3
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
式(S−7) 2.7≦X+Y≦3.0
式(S−8) 0≦X≦0.8
式(S−9) 2.0≦Y≦3
(式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
また、本発明のセルロースアシレートペレットの重量平均重合度は250〜600であることが好ましく、より好ましくは300〜500、さらに好ましくは350〜450である。前記重量平均重合度は、アシル化温度を高くし、反応時間を長くするほど低下する傾向にあるため、アシル化温度と反応時間とを調整することによりセルロースアシレートペレットの重合度を所望の重合度に調整することができる。このような低重合度のセルロースアシレートを使用すれば、溶融製膜での溶融粘度およびメルトフローレートを小さくすることができ、より溶融し易くすることができる。また、上述のような置換度および重合度を有する本発明のセルロースアシレートペレットを用いることで、溶融製膜したフィルムのゲル状ブツおよび黄色異物の発生をより低減させることができる。
(2)セルロースアシレートペレットの製造
本発明のセルロースアシレートペレットは下記の製造方法により製造することができる。まず、混練したセルロースアシレート樹脂組成物を多孔ダイからヌードル状に押出した後、65℃〜98℃の水浴中で固化することで本発明のセルロースアシレートペレットを製造することができる。前記水浴の温度としては、好ましくは70℃〜95℃であり、さらに好ましくは75℃〜95℃である。水浴温度が65℃以下になると、ヌードル状ペレットが急冷収縮により得られるペレット中に含有する気泡数が多くなる場合があり、また水浴温度が98℃を超えると、水の蒸発が激しく、作業性が悪くなる。
このように、多孔ダイから吐出したヌードル状ペレットを上述の水浴温度で固化することにより、得られるペレットの気泡数を低減させることができる。このため、セルロースアシレートペレットを用いて高温溶融製膜する際に、混練不良が解消され、ペレットの装置内の滞留時間を短縮することができるため、ラジカルゲル化反応および熱分解を抑制する効果が得られる。
本発明のセルロースアシレートペレットを製造する際に、その混練機における滞留時間と設定温度とは下記式(1)および(2)の関係を満たすことが好ましい。
式(1) t×|Tsv−Tm|≦15
式(2) |Tsv−Tm|≦25
[式中、tは、混練機滞留時間(min)を示し、Tsvは混練機設定最高温度(℃)を示し、Tmはペレット化前のセルロースアシレートの融点(℃)を示す]
前記混練機滞留時間は、混練機における樹脂滞留部の容積と、ポリマーの吐出容量とから算出することができる。
特に、本発明のセルロースアシレートペレットの製造に用いられる混練機の前記混練機滞留時間と設定温度とが、式(1)および(2)の関係を満たすと、混練時における剪断発熱による熱分解や、シリンダー内面での熱伝導によるポリマー劣化およびゲル化を十分に抑制して、優れた品質のセルロースアシレートペレットが得られるのである。
さらに、式(1)における混練機滞留時間が0.2分間〜1.5分間の間であると、セルロースアシレートの熱劣化およびゲル化の防止に効果的であり、それによる黄色異物やゲル状ブツや着色の防止、さらには添加物を十分に分散させることができる。熱劣化およびゲル化防止の観点から、前記混練機滞留時間は0.2〜1.2分間であるとより好ましく、0.2〜1分間であれば最も好ましい。
また、セルロースアシレートの混練温度とペレット化前のセルロースアシレートの融点との関係が式(2)の関係を満たすと、ポリマーの熱劣化を防止できるとともに、添加物のブリードを抑制し、安定した混練や、ゲル化の抑制が可能となる。また、混練可能な溶融粘度および工程安定化の観点から、混練機設定最高温度は(Tm−25℃)〜(Tm+25℃)の範囲であることが好ましく、(Tm−20℃)〜(Tm+15℃)であることがさらに好ましく、(Tm−20℃〜Tm+10℃)であれば最も好ましい。セルロースその混練機における滞留時間と設定温度とはアシレートの融点以上の25℃を超える高い温度設定にすると、混練機内部の高温により熱劣化およびゲル化が発生し易くなる。またはTm−25℃未満の温度設定にすると、溶融粘度が高いため、分散部均一および余計な剪断熱が発生し、熱劣化およびゲル化を引き起こし易くなる。
ペレット押出機は、入口温度(T1)よりも押出機出口温度(T2)を高くするのが好ましい。即ち、溶融が進むにつれ温度を上昇して行くように構成することが好ましい。これは入口から急激に昇温すると、セルロースアシレート中の添加剤が先に溶解し液化してしまうためである。この場合、セルロースアシレートは液体中に浮遊したような状態になり、十分な剪断力をスクリューから受けることができず、不溶解物が発生してしまう。このように十分混合の進んでいないものは、前記のような添加剤の均一な分散効果が得られないことが多い。さらに、このような溶解不良物を有するペレットは溶融製膜した後にフィッシュアイ状の異物となる。このような異物は偏光板で観察しても輝点とならないが、フィルム背面から光を投射しスクリーン状で観察すると視認することができる。さらにフィッシュアイはダイ出口で尾引きを引き起こし、ダイラインも増加させる。
本発明において混練機は特に限定されるものではないが、特定のベント口を持った2軸スクリュー型押出機であると、混練効果、搬送効果に十分な性能が得られ、かつベント口により発生した劣化低分子量物を除去することができる。この観点から、前記混練機として、2軸混練押出機を用いることが好ましく、特に2軸スクリュー型押出機を用いることが、最終製品ペレットが前述の特性を満たすことができるため好ましい。
本発明の製造方法においては、スクリュー回転数50〜300rpm、混練樹脂圧力10MPa以下で混練することが好ましく、より好ましくはスクリュー回転数80〜250rpmで、混練樹脂圧力が1MPa〜9MPa、さらに好ましくはスクリュー回転数100〜230rpmで、混練樹脂圧力が2MPa〜8MPaである。
さらに本発明では、2軸混練押出機内を好ましくは1気圧未満、より好ましくは0〜0.8気圧、さらに好ましくは0.1〜0.6気圧でペレット化する。このような減圧は、2軸混練押出機の混練部に設けたベントあるいはホッパーから真空ポンプを用いて排気することができる。
あるいは2軸混練押出機内に不活性ガスを流入しながら酸素濃度を好ましくは0〜18%、より好ましくは0.5〜16%、さらに好ましくは1〜14%でペレット化する。この場合、不活性ガスとして希ガス類あるいは窒素等の気体を使用でき、2軸混練押出機の混練部に設けたベントあるいはホッパーから注入することができる。
これらの減圧、不活性ガスの注入は独立で実施してもよく、組み合わせて実施するのも好ましい。
(3)タッチロールを使用したセルロースアシレートフィルムの製造
さらに本発明ではセルロースアシレートフィルム調製時にタッチロールを用いるのが好ましい。タッチロールとは、溶融押出機からダイを通過して出てきたメルト(溶融状態の樹脂)がキャストされるロールに、メルトを挟み込むように設置されたロールである。
このようなタッチロールは、金属シャフトの上に弾性体層を設け、その上に外筒を被せ、弾性体層と外筒の間に液状媒体層を満たしたものである。外筒の肉厚は、0.05mm〜7.0mmが好ましく、より好ましくは0.2mm〜5.0mmである。キャスティングロールとタッチロールとは、表面が鏡面であることが好ましく、算術平均高さRaが100nm以下、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは25nm以下である。具体的には、例えば、特開平11−314263号公報、特開2002−36332号公報、特開平11−235747号公報、特開2004−216717号公報、特開2003−145609号公報、国際公開WO97/28950号パンフレット記載のものを利用できる。
このようにタッチロールは薄い外筒の内側を流体が満たされているため、キャスティングロールと接触させるとその押圧で凹状に弾性変形する。従って、タッチロールとキャスティングロールとは面接触するため押圧が分散され、低い面圧を達成できる。このため、この間に挟まれたフィルムに残留歪を残すことなく、表面の凹凸のみを矯正できる。好ましいタッチロールの線圧は3kg/cm〜100kg/cm、より好ましくは5kg/cm〜80kg/cm、さらに好ましくは7kg/cm〜60kg/cmである。ここでいう線圧とはタッチロールに加える力をダイの吐出口の幅で割った値である。
タッチロールおよびキャスティングロールの温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜140℃に設定する。このような温度制御はこれらのロール内部に温調した液体、気体を通すことで達成できる。
以下において、本発明の実施方法を手順(セルロースアシレート組成、添加剤、製膜方法など)にそって詳細に説明する。但し、本発明は、下記の方法に限定されるものではない。
《セルロースアシレート》
まず、本発明に使用するセルロースアシレートは、上述のように下記(S−1)〜(S−3)の置換度を満足することが好ましい。
式(S−1) 2.6≦X+Y≦3.0
式(S−2) 0≦X≦1.8
式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
より好ましくは、下記の式(S−4)〜(S−6)を満足することがより好ましい。
式(S−4) 2.65≦X+Y≦3.0
式(S−5) 0≦X≦1.2
式(S−6) 1.5≦Y≦3
さらに好ましくは、下記の式(S−7)〜(S−9)を満足することがさらに好ましい。
式(S−7) 2.7≦X+Y≦3.0
式(S−8) 0≦X≦0.8
式(S−9) 2.0≦Y≦3
式(S−1)〜(S−9)中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。セルロースアシレートの置換度を前記範囲にすることで融解温度を低下し、融解性が良好となり、より均一に製膜することができるためである。
本発明の炭素数3〜22のアシル基は、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基のいずれであってもよい。これらのアシル基は複数同時に存在していてもよい。しかし、アシル基を前記のものより長くすると、分子疎水性が強すぎ、フィルムのケン化特性および偏光子との貼合適性が低下させすぎるため好ましくない。このためアセチル基より大きなプロピオネート基、ブチレート基、ペンタノイル基が好ましく、より好ましくはプロピオネート基、ブチレート基であり、さらに好ましくはプロピオネート基である。
本発明のセルロースアシレートを合成する際のセルロース原料としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、綿花リンター由来のものが好ましく用いられる。
本発明のセルロースアシレートの合成方法については特開2006−45500号公報の段落番号[0018]〜[0033]、特開2006−45501号公報の段落[0014]〜[0030]、特開2006−45502号公報の段落番号[0018]〜[0023]に詳細に記載している。また、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7頁〜12頁にも詳細に記載されている。これらの合成方法は好ましく用いることができる。また、本発明において好ましく使用されるセルロースアシレートの具体的手順については、後述する合成例1および合成例2を参照することができる。これらのセルロースアシレートは1種類のみを用いてもよく、2種以上混合しても良い。また、セルロースアシレート以外の高分子成分を適宜混合したものでもよい。
《添加剤》
(1)安定剤
本発明においては、高温溶融製膜時のセルロースアシレートの熱劣化やゲル化や着色を防止するために、安定剤を添加することが好ましい。本発明では、いかなる安定剤を用いてもよいが、フェノール構造、亜リン酸エステル構造、またはチオエーテル構造を有する化合物を用いることが好ましい。これら安定剤は1種類のみを用いてもよく、2種以上混合しても良い。
本発明において、安定剤は高温で揮発性が十分に低いことが好ましく、分子量500以上の安定剤の少なくとも一種が好ましい。更に、前記安定剤の分子量は500〜4000が好ましく、より好ましくは530〜3500であり、特に特に好ましくは550〜3000である。分子量が500以上であれば熱揮散性をより低く抑えやすく、また分子量が4000以下であればセルロースアシレートとの相溶性がより良好になる。
また、揮発性の指標として加熱時の質量減少量を用いることができ、例えば、窒素雰囲気下、240℃で1時間保持したときの質量減少量が15質量%以下であることが好ましい。より好ましい質量減少量は10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。これにより、本発明の溶融製膜工程中の過酷な条件(局部の樹脂滞留およびセン断熱による高温)においても、安定剤の熱揮散を大幅に低減できる。
本発明における安定剤の好ましい添加量は、セルロースアシレートに対して0.01〜3質量%であり、より好ましくは0.05〜1.5質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%である。
次に、好ましい安定剤の種類について記述する。
(フェノール構造を有する安定剤)
フェノール構造を有する安定剤としては、公知の任意のフェノール系安定剤を使用することができる。好ましい例としては、ヒンダードフェノール系安定剤が挙げられる。特に、ヒドロキシフェニル基に隣接する部位に置換基を有することが好ましく、その場合の置換基としては炭素数1〜22の置換または無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。
フェノール系安定剤の具体例として、例えば下記の素材を挙げることができるが、本発明で用いることができるフェノール系安定剤はこれらに限定されるものではない。
(F−1)
n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル) プロピオネート(分子量531)
(F−2)
テトラキス−〔メチレン−3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(分子量1178)
(F−3)
トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(分子量784)
(F−4)
トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕(分子量588)
(F−5)
3,9−ビス−{2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン(分子量741)
(F−6)
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775)
(F−7)
1,1,3−トリス(5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン(分子量545)
(F−8)
1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}(分子量639)
(F−9)
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(分子量589)
(F−10)
2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート〕(分子量643)
(F−11)
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)(分子量637)
(F−12)
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム(分子量695)
これらは、市販品として容易に入手可能であり、下記のメーカーから販売されている。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 3113、Irganox 245、Irganox 1135、Irganox 1330、Irganox 259、Irganox 565、Irganox 1035、Irganox 1098、Irganox 1425WL、として入手することができる。また、旭電化工業株式会社から、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80として入手できる。さらに、住友化学株式会社から、スミライザーBP−76、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、として入手できる。更に、シプロ化成株式会社からシーノックス326M、シーノックス336B、としても入手することが可能である。
(亜リン酸エステル構造を有する安定剤)
亜リン酸エステル構造を有する安定剤の具体例は、特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報等に記載されている。さらに、その他の安定剤としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)17頁〜22頁に詳細に記載されている。本発明では、これらを始めとする素材の中から適宜選択して使用することができる。
本発明では高温での揮発が少ないことから、分子量500以上の酸化防止効果を有する亜リン酸エステル系安定剤を含有することが好ましい。これらの安定剤は特開2004−182979号公報の段落番号[0023]〜[0039]に記載の化合物などから選ぶことができる。
前記の分子量500以上である亜リン酸エステル系安定剤としては、従来公知の任意の亜リン酸エステル系安定剤を用いることができる。また、本発明で用いる亜リン酸エステルは、トリエステルであることが好ましく、リン酸、モノエステルやジエステルの不純物の混入がないことが望ましい。これらの不純物が存在する場合は、その含有量が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。
好ましい亜リン酸エステル系安定剤の具体例を以下に挙げるが、本発明で用いることができる亜リン酸エステル系安定剤はこれらに限定されるものではない。
(P−1)
トリスノニルフェニルフォスファイト(分子量689)
(P−2)
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト(分子量647)
(P−3)
ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト(分子量733)
(P−4)
ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールフォスファイト(分子量605)
(P−5)
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールフォスファイト(分子量633)
(P−6)
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト(分子量529)
(P−7)
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン−ジ−フォスファイト(分子量517)
これらは、旭電化工業株式会社からアデカタブ1178、同2112、同PEP−8、同PEP−24G、PEP−36G、同HP−10として、またクラリアント社からSandostab P−EPQとして市販されており、入手可能である。
(チオエーテル構造を有する安定剤)
次にチオエーテル構造を有する安定剤としては、公知の任意のチオエーテル系安定剤を用いることができる。好ましいチオエーテル系安定剤の具体例を以下に挙げるが、本発明で用いることができるチオエーテル構造を有する安定剤はこれらに限定されるものではない。
(S1)
ジラウリル−3,3−チオジプロピオネート(分子量515)
(S2)
ジミリスチル−3,3−チオジプロピオネート(分子量571)
(S3)
ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート(分子量683)
(S4)
ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(分子量1162)
これらは、住友化学株式会社からスミライザーTPL、同TPM、同TPS、同TDPとして市販されている。旭電化工業株式会社から、アデカスタブAO−412Sとしても入手可能である。
フェノール系安定剤と、亜リン酸エステル系安定剤またはチオエーテル系安定剤とを混合して用いる場合、その含有比率は特に限定されないが、好ましくは1/10〜10/1(質量部)であり、より好ましくは1/5〜5/1(質量部)であり、さらに好ましくは1/3〜3/1(質量部)であり、特に好ましくは1/3〜2/1(質量部)が好ましい。
(同一分子内にヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基とを有する安定剤)
さらに、本発明においては同一分子内にヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基とを有する安定剤を使用することも好ましい。該安定剤は、ヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基とを同一分子内に含有していれば、その構造は特に限定されない。また、該安定剤は、低分子化合物でもよく、また高分子化合物(単分子を重合、あるいは縮合した素材)でもよい。また、ヒドロキシフェニル基あるいは亜リン酸エステル基は同一分子内であればその官能基の数は特に規定されず、それぞれ1〜20個が好ましく、1〜10個がさらに好ましく、1〜6個が特に好ましい。それらの素材は特開平10−273494号公報に記載されている。市販品として、スミライザーGP(住友化学工業株式会社)が挙げられる。
本発明の同一分子内にヒドロキシフェニル基と亜リン酸エステル基とを有する安定剤の好ましい具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる安定剤はこれらに限定されるものではない。
(PF−1)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量632)
(PF−2)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量702)
(PF−3)
2,4,8,10−テトラ−tert−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量787)
(PF−4)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量646)
(PF−5)
2,4,8,10−テトラ−tert−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量801)
(PF−6)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量716)
(PF−7)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量618)
(PF−8)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量717)
(PF−9)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量660)
(PF−10)
2,10−ジメチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量590)
(PF−11)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量717)
(PF−12)
2,10−ジエチル−4,8−ジ−tert−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン(分子量661)
(PF−13)
2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量688)
(PF−14)
6−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(分子量660)
さらに、特開昭61−63686号公報に記載の長鎖脂肪族アミン、特開平6−329830号公報に記載の立体障害アミン基を含む化合物、特開平7−90270号公報に記載のヒンダードピペリジニル系光安定剤、特開平7−278164号公報に記載の有機アミン等も使用することができる。
好ましいアミン系安定剤は、旭電化からアデカスタブLA−57、同LA−52、同LA−67、同LA−62、同LA−77として、またチバ・スペシャリティーケミカルズ社からTINUVIN 765、同144として市販されている。アミン類の亜リン酸エステル類(I)に対する使用比率は、通常0.01〜3質量%程度である。
(紫外線吸収剤)
セルロースアシレートには、紫外線防止剤を添加してもよい。紫外線防止剤については、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。その添加量は、調製する溶融物(メルト)の0.01〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
これらの紫外線吸収剤は、市販品として下記のものを利用できる。ベンゾトリアゾール系としてはTINUBIN P(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、TINUBIN 234(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、TINUBIN 320(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、TINUBIN 326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、TINUBIN 327(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、TINUBIN 328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、スミソーブ340(住友化学社製)、アデカスタブLA−31(旭電化工業社製)などがある。また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、シーソーブ100(シプロ化成社製)、シーソーブ101(シプロ化成社製)、シーソーブ101S(シプロ化成社製)、シーソーブ102(シプロ化成社製)、シーソーブ103(シプロ化成社製)、アデカスタブLA−51(旭電化工業社製)、ケミソープ111(ケミプロ化成社製)、UVINUL D−49(BASF社製)などを挙げられる。また、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤としては、TINUBIN 312(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)やTINUBIN 315(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)がある。さらにサリチル酸系紫外線吸収剤としては、シーソーブ201(シプロ化成社製)やシーソーブ202(シプロ化成社製)が上市されており、シアノアクリレート系紫外線吸収剤としてはシーソーブ501(シプロ化成社製)、UVINUL N−539(BASF社製)がある。
(微粒子)
本発明では、セルロースアシレートに微粒子を添加することもできる。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられ、いずれを用いてもよい。本発明におけるセルロースアシレートに含まれる好ましい微粒子の平均一次粒子サイズは5nm〜3μmであり、好ましくは5nm〜2.5μmであり、特に好ましくは20nm〜2.0μmである。微粒子の添加量は、セルロースアシレートに対して0.005〜1.0質量%であり、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.4質量%である。
前記無機化合物としては、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、ZrO2、In23、MgO、BaO、MoO2、V25、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウム等が挙げられる。好ましく、SiO2、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、ZrO2、In23、MgO、BaO、MoO2、およびV25の少なくとも1種が好ましく、さらに好ましくはSiO2、TiO2、SnO2、Al23、ZrO2である。
前記SiO2の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。また、前記ZrO2の微粒子としては、例えば、アエロジルR976およびR811(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。またシーホスターKE−E10、同E30、同E40、同E50、同E70、同E150、同W10、同W30、同W50、同P10、同P30、同P50、同P100、同P150、同P250((株)日本触媒製)なども使用される。また、シリカマイクロビーズP−400、700(触媒化成工業(株)製)も利用できる。SO−G1、SO−G2、SO−G3、SO−G4、SO−G5、SO−G6、SO−E1、SO−E2、SO−E3、SO−E4、SO−E5、SO−E6、SO−C1、SO−C2、SO−C3、SO−C4、SO−C5、SO−C6、((株)アドマテックス 製)として利用する事もできる。さらに、モリテックス(株)製シリカ粒子(水分散物を粉体化)8050、同8070、同8100、同8150も利用できる。
次に、本発明で使用されうる有機化合物の微粒子としては、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。前記シリコーン樹脂としては、三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えばトスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120および同240(以上、東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品を使用できる。
さらに、無機化合物からなる微粒子は、セルロースアシレートフィルム中で安定に存在させるために表面処理されているものを用いることが好ましい。無機微粒子は、表面処理を施してから用いることも好ましい。表面処理法としては、カップリング剤を使用する化学的表面処理と、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理とがあるが、本発明においてはカップリング剤を使用することが好ましい。前記カップリング剤としては、オルガノアルコキシ金属化合物(例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等)が好ましく用いられる。微粒子として無機微粒子を用いた場合(特にSiO2を用いた場合)ではシランカップリング剤による処理が特に有効である。前記カップリング剤の使用量は特に限定されないが、好ましくは無機微粒子に対して、0.005〜5質量%使用することが推奨され、さらには0.01〜3質量%が好ましい。
(可塑剤)
セルロースアシレートに可塑剤を添加すれば、セルロースアシレートの結晶融解温度(Tm)を下げることができる。本発明に用いる可塑剤の分子量は特に限定されないが、好ましくは高分子量の可塑剤が挙げられ、例えば分子量500以上が好ましく、より好ましくは550以上であり、さらには600以上が好ましい。可塑剤の種類としては、リン酸エステル類、アルキルフタリルアルキルグリコレート類、カルボン酸エステル類、多価アルコールの脂肪酸エステル類などが挙げられる。それらの可塑剤の形状としては固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。溶融製膜を行なう場合は、不揮発性を有するものを特に好ましく使用することができる。
(離型剤)
本発明におけるセルロースアシレートには、離型剤を添加することができる。離型剤としては、フッ素原子を有する化合物が好ましい。フッ素原子を有する化合物は、離型剤としての作用を発現でき、低分子量化合物であっても重合体であってもよい。前記重合体としては、特開2001−269564号公報に記載の重合体を挙げることができる。フッ素原子を有する重合体として好ましいものは、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体を必須成分として含有してなる単量体を重合せしめた重合体である。前記重合体に係わるフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体としては、分子中にエチレン性不飽和基とフッ素化アルキル基とを有する化合物であれば特に制限はない。またフッ素原子を有する界面活性剤も利用でき、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
《セルロースアシレートフィルムの製造》
以下において、セルロースアシレートを用いてセルロースアシレートフィルムを製造する方法について説明する。本発明では、セルロースアシレートと添加物との混合物を溶融して製膜する溶融製膜法によりフィルムを製造することが好ましい。残存溶媒が存在すると製膜乾燥中に結晶化が進みやすく、フィルムインパクト強度が低下してしまうことから、本発明では製膜後の残存溶媒量を0.01質量%以下にすることが好ましく、0質量%にすることが特に好ましい。溶媒を用いない溶融製膜法によれば、残存溶媒量を0%にすることができる。
(ペレット化)
上述の方法でセルロースアシレートをペレット化する。
セルロースアシレートのペレット化を行うにあたりセルロースアシレートおよび添加物は事前に乾燥を行うことが好ましいが、残存水分率は0.2質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
ペレット化はセルロースアシレート、添加剤を、混合・乾燥した後2軸混練押出機を用い溶融し、その後、ストランド状に押出したものを水中で冷却固化し、裁断することで得ることができる。またペレット化を行う時に、前記添加物は押出機の途中にある原料投入口やベント口から投入することもできる。
得られるペレットの大きさは断面積が1〜300mm2、長さが1〜30mmが好ましく、より好ましくは断面積が2〜100mm2、長さが1.5〜10mmである。
(乾燥)
溶融製膜に先立ちペレット中の水分を乾燥して含水率を0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下にすることが好ましい。
このための乾燥温度は40〜180℃が好ましく、乾燥風量は好ましくは20〜400m3/時間で有り、特に好ましくは100〜250m3/時間である。乾燥風の露点は好ましくは−60℃〜0℃で有り、より好ましくは−40℃〜−20℃である。
(溶融押出し)
乾燥したセルロースアシレート樹脂を混練押出機の供給口からシリンダー内に供給する。
混練押出機のスクリュー圧縮比は2.5〜4.5が好ましく、より好ましくは3.0〜4.0である。L(スクリュー長)/D(スクリュー径)は20〜70が好ましく、より好ましくは24〜50である。押出温度は190℃〜240℃が好ましい。押出機のバレルは3〜20に分割したヒーターで加熱し溶融することが好ましい。
好ましい溶融温度は160℃〜240℃、より好ましくは170℃〜235℃、さらに好ましくは180℃〜230℃である。この際、入口側(ホッパー側)の温度を低くし、出口側の温度を10℃〜60℃高くすることが好ましい。
スクリューは、フルフライト、マドック、ダルメージ等を用いることができる。
樹脂の酸化防止のために、混練押出機内を不活性(窒素等)気流中、あるいはベント付き押出機を用い真空排気しながら実施するのがより好ましい。
(濾過)
混練押出機出口にブレーカープレート式の濾過を行うことが好ましい。
高精度濾過のために、ギアポンプ通過後にリーフ型ディスクフィルター型の濾過装置を設けることが好ましい。濾過は、単段で行っても、多段で行っても良い。濾材の濾過精度は3μm〜15μmが好ましく、さらに好ましくは3μm〜10μmである。濾材はステンレス鋼,スチールを用いることが好ましく、中でもステンレス鋼が望ましい。濾材は線材を編んだもの、金属焼結濾材が使用でき、特に後者が好ましい。
(ギアポンプ)
厚み精度向上(吐出量の変動減少)のために、混練押出機とダイスとの間にギアポンプを設置するのが好ましい。これにより、ダイ部分の樹脂圧変動巾を±1%以内にできる。
ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリューの回転数を変化させて、ギアポンプ前の圧力を一定に制御する方法も好ましい。3枚以上のギアを用いた高精度ギアポンプも有効である。ギアポンプ内の滞留部分が樹脂劣化の原因となるため、滞留の少ない構造が好ましい。
混練押出機とギアポンプ、ギアポンプとダイ等をつなぐアダプタの温度変動を小さくすることが押出圧力安定のために好ましい。このためにアルミ鋳込みヒーターを用いることがより好ましい。
(ダイ)
ダイ内の溶融樹脂の滞留が少ない設計であれば、一般的に用いられるTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプでも構わない。また、Tダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためのスタティックミキサーを入れることも問題ない。Tダイ出口部分のクリアランスは一般的にフィルム厚みの1.0〜5.0倍が良く、さらに好ましくは1.3〜2倍である。
ダイのクリアランスは40〜50mm間隔で調整可能であることが好ましく、より好ましくは25mm間隔以下である。また、下流のフィルム厚みを計測してダイの厚み調整にフィードバックさせる方法も厚み変動の低減に有効である。
機能層を外層に設けるため、多層製膜装置を用いて2種以上の構造を有するフィルムの製造も可能である。
樹脂が供給口から混練押出機に入ってからダイスから出るまでの樹脂の好ましい滞留時間は2分間〜60分間であり、好ましくは4分間〜30分間である。
(キャスト)
ダイよりシート上に押し出された溶融樹脂をキャスティングドラム上で冷却固化し、フィルムフィルムを得る。この時、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法、タッチロール法等の方法を用い密着度を上げることが好ましい。またエッジピニング(フィルムフィルムの両端部のみを密着させる方法)も好ましい。中でも好ましいのは上述のタッチロールを用いたタッチロール法である。
キャスティングドラムは好ましくは1〜8本、より好ましくは2〜5本用いて、徐冷する方法が好ましい。ロール直径は50mm〜5000mmが好ましく、さらに好ましくは150mm〜1000mmである。複数本あるロールの間隔は、面間で0.3mm〜300mmが好ましく、さらに好ましくは3mm〜30mmである。キャスティングドラムの温度は60℃〜160℃が好ましく、さらに好ましくは80℃〜140℃である。
この後、キャスティングドラムから剥ぎ取り、ニップロールを経た後、巻き取る。このようにして得られた未延伸フィルムの厚みは30μm〜300μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。
(巻き取り)
巻き取り前に両端をトリミングすることが好ましい。トリミングされた部分はフィルム用原料として再利用してもよい。トリミングカッターはロータリーカッター、シャー刃、ナイフ等何れを用いても構わない。材質についても、炭素鋼、ステンレス鋼、セラミックを用いることができる。
好ましい巻き取り張力は1kg/m幅〜50kg/幅、より好ましくは3kg/m幅〜20kg/m幅である。巻き取り張力は、一定の巻き取り張力で巻き取っても良いが、巻取り径に応じてテーパーをつけ巻取ることがより好ましい。
またニップロール間のドロー比率を調整し、ライン途中でフィルムに規定以上の張力がかからない様にすることが必要である。
巻き取り前に、少なくとも片面にラミフィルムを付けても良い。
本発明において好ましく採用することができる溶融製膜を実施するための装置概略図を図1に示す。図1は、本発明におけるセルロースアシレートペレットを用いて溶融製膜を実施するための装置の例を示した概略図である。図1中、101は混練押出機、102はギアポンプ、103は濾過部、104はダイ、105はタッチロール、106はキャスティング冷却ドラム、107はセルロースアシレート、108は縦延伸工程部、109は横延伸工程部、110は巻取工程部を示す。延伸については後述する。未延伸フィルムを製膜する場合は、キャスティング冷却ドラム106を通過した後、縦延伸工程部108および横延伸工程部109を通過させず巻取ることができる。
《未延伸セルロースアシレートフィルムの物性》
本発明の未延伸セルロースアシレートフィルムは、面内のレターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)が以下の範囲にあることが好ましい。例えば、本発明の未延伸のセルロースアシレートフィルムは、Re=0〜10nm,Rth=−30〜25nmが好ましく、より好ましくはRe=0〜5nm,Rth=−20〜20nm、さらに好ましくはRe=0〜4nm,Rth=−15〜15nmである。Re、Rthは25℃・相対湿度60%における測定波長590nmの測定値である。ReおよびRthのムラは長手方向、幅方向いずれも0%〜1.5%が好ましく、より好ましくは0%〜1%である。
25℃・相対湿度10%のReと25℃・相対湿度80%のReとの差の絶対値は10nm以下が好ましく、より好ましくは8nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。
25℃・相対湿度10%のRthと25℃・相対湿度80%のRthとの差の絶対値は25nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下である。
25℃、相対湿度80%での平衡含水率は1質量%〜2.5質量%が好ましく、より好ましくは1.1質量%〜2.4質量%、さらに好ましくは1.2質量%〜2.3質量%である。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、波長に対する光学特性の挙動をコントロールすることも可能である。すなわち、波長400nmおよび700nmにおけるそれぞれのRe(400)、Re(700)の差の絶対値が0〜15nmであることが好ましく、Rth(400)、Rth(700)の差の絶対値が0〜35nmであることが好ましい。
即ち、式で表わすと、下記式(A−1)および(A−2)を満たすことが好ましい。
式(A−1) 0≦|Re(700)−Re(400)|≦15nm
式(A−2) 0≦|Rth(700)−Rth(400)|≦35nm
(式中、Re(400)およびRe(700)は、波長400nmおよび700nmにおける面内レターデーションを表し、Rth(400)およびRth(700)は、波長400nmおよび700nmにおける厚さ方向のレターデーションを表す。)
本発明のセルロースアシレートフィルムの40℃、相対湿度90%における透水率は250g/m2・日〜1200g/m2・日が好ましく、より好ましくは300g/m2・日〜1000g/m2・日である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの全光透過率は90%〜100%が好ましく、より好ましくは91〜100%である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの引張り弾性率は1.0kN/mm2〜3.5kN/mm2が好ましく、より好ましくは1.4kN/mm2〜2.6kN/mm2である。
本発明のセルロースアシレートフィルムの破断伸度は好ましくは8%〜400%、より好ましくは10%〜300%、さらに好ましくは15%〜200%である。
本発明のセルロースアシレートフィルムのTgは95℃〜145℃が好ましく、100〜145℃がより好ましい。また、本発明のセルロースアシレートフィルムの80℃1日での熱寸法変化は縦、横両方向とも0%〜±1%が好ましく、さらに好ましくは0%〜±0.3%である。
未延伸セルロースアシレートフィルムの厚みは30μm〜300μmが好ましく、より好ましくは40μm〜250μm、さらに好ましくは40μm〜200μmである。厚みむらは長手方向、幅方向いずれも0%〜2%が好ましく、より好ましくは0%〜1%、より好ましくは0%〜0.5%である。
《延伸と延伸セルロースアシレートフィルムとの物性》
(延伸)
未延伸フィルムを延伸し、Re,Rthを制御することもできる。
延伸温度は(Tg〜Tg+50℃)が好ましく、さらに好ましくは(Tg+5℃)〜(Tg+20℃)である。好ましい延伸倍率は少なくとも一方に1%〜300%、より好ましくは3%〜200%である。一方の延伸倍率を他方より大きくして延伸するほうがより好ましく、小さい方の延伸倍率は1%〜30%が好ましく、より好ましくは3%〜20%であり、大きいほうの延伸倍率は30%〜300%が好ましく、より好ましくは40%〜150%である。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施してもよい。ここでいう延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/(延伸前の長さ)
このような延伸はニップロール、テンター等を用いて実施することができる。また、特開2000−37772号公報、特開2001−113591号公報、特開2002−103445号公報に記載の同時2軸延伸法を用いてもよい。
延伸後のセルロースアシレートフィルムのRe、Rthは下式を満足することが好ましい。
Rth≧Re
200≧Re≧0
500≧Rth≧30
また、延伸後のセルロースアシレートフィルムのRe、Rthは下式を満足することがより好ましい。
Rth≧Re×1.2
100≧Re≧20
350≧Rth≧80
また製膜方向(長手方向)と遅相軸とのなす角度θは、縦延伸の場合は、0±3°が好ましく、より好ましくは0±1°である。横延伸の場合は、90±3°あるいは−90±3°が好ましく、より好ましくは90±1°あるいは−90±1°である。
延伸後のセルロースアシレートフィルムの厚みは15μm〜200μmが好ましく、より好ましくは40μm〜140μmである。厚みむらは長手方向、幅方向いずれも0%〜3%が好ましく、さらに好ましくは0%〜1%である。
(物性)
延伸セルロースアシレートフィルムの物性は以下の範囲が好ましい。
引張り弾性率は1.5kN/mm2以上3.0kN/mm2未満が好ましく、より好ましくは1.8kN/mm2〜2.6kN/mm2である。
破断伸度は3%〜100%が好ましく、より好ましくは8%〜50%である。
Tgは95℃〜145℃が好ましく、より好ましくは105℃〜135℃である。
80℃に1日静置した後の熱寸法変化は縦、横両方向とも0%〜±1%が好ましく、さらに好ましくは0%〜±0.3%である。
40℃、相対湿度90%での透水率は300g/m2・日〜1000g/m2・日が好ましく、さらに好ましくは500g/m2・日〜800g/m2・日である。
25℃、相対湿度80%での平衡含水率は1質量%〜4質量%が好ましく、さらに好ましくは1.5質量%〜2.5質量%である。
ヘーズは0%〜3%が好ましく、より好ましくは0%〜1%以下である。全光透過率は90%〜100%が好ましい。
《セルロースアシレートフィルムに対する処理》
次に、本発明のセルロースアシレートフィルムに対して行うことができる処理について、好ましい態様を参照しながら説明する。
(表面処理)
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいう「グロー放電処理」とは、プラズマ励起性気体存在下でフィルム表面にプラズマ処理を施す処理である。
前記グロー放電処理とは、10-3〜20Torr(0.13〜2700Pa)の低圧ガス下でおこる低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も好ましいグロー放電処理である。
前記プラズマ励起性気体とは、前記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類およびそれらの混合物などが挙げられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に詳細に記載されている。
アルカリ鹸化処理は、フィルムを鹸化液に浸漬してもよく(浸漬法)、鹸化液を塗布してもよい(塗布方法)。前記浸漬法の場合は、NaOHやKOH等のpH10〜14の水溶液を20℃〜80℃に加温した槽を0.1分間〜10分間通過させたあと、中和、水洗、乾燥することで達成できる。
塗布方法の場合、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を用いることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性がよく、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、アルコール系溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、界面活性剤の水溶液を溶媒として使用することもできる。アルカリ鹸化塗布液のアルカリは、前記溶媒に溶解するアルカリが好ましく、KOH、NaOHがさらに好ましい。鹸化塗布液のpHは10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリ鹸化時の反応条件は、室温で1秒間〜5分間が好ましく、5秒間〜5分間がさらに好ましく、20秒間〜3分間が特に好ましい。アルカリ鹸化反応後、鹸化液塗布面を水洗あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。これらの鹸化方法は、具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに記載されている。
機能層との接着のため下塗り層を設けることも好ましい。この層は前記表面処理をした後、塗設してもよく、表面処理なしで塗設してもよい。下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁に記載されている。
これらの表面処理、下塗り工程は、製膜工程の最後に組み込んでもよいし、単独で実施してもよいし、後述の機能層付与工程の中で実施することもできる。
《本発明のセルロースアシレートフィルムの利用》
本発明のセルロースアシレートフィルムには、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されている機能性層を組み合わせることが好ましい。中でも好ましいのが、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムである。以下に順に説明する。
(1)偏光板の作製
本発明の偏光板は、偏光子に、本発明のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1層積層して構成される。
(偏光子)
本発明における偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)と二色性分子とから構成することが好ましい。また、特開平11−248937号公報に記載されているようにPVAやポリ塩化ビニルを脱水、脱塩素することによりポリエン構造を生成し、これを配向させたポリビニレン系偏光子も使用することができる。また、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光子も利用できる。
前記PVAは、ポリ酢酸ビニルをケン化したポリマー素材であるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
前記PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性等の観点から80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。またPVAの重合度は特に限定されないが、1000〜10000が好ましく、1500〜5000が特に好ましい。 PVAのシンジオタクティシティーは特許2978219号公報に記載されているように耐久性を改良するため55%以上が好ましいが、特許第3317494号公報に記載されている45〜52.5%も好ましく用いることができる。
前記PVAをフィルム化した後、二色性分子を導入して染色、延伸することによって偏光子を得ることができる。詳細な偏光子作製方法は特開2005−138375号公報の段落番号[0075]〜[0082]、特開2006−2026号公報の段落番号[0138]〜[0141]、特開2006−45500号公報の段落番号[0099]〜[0108]に記載するものが好ましく用いることができる。
(偏光板)
本発明の偏光板においては、偏光子とセルロースアシレートフィルム(保護フィルム)との接着処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤などを介して行うことができる。特に、ポリビニルアルコール系フィルムとの接着性が最も良好である点で、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。かかる接着層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成しうるが、その水溶液の調製に際しては必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合することができる。詳細な偏光板の作製方法および偏光板特性は特開2005−128520号公報の段落番号〔0008〕〜〔0020〕、特開2005−266222号公報の段落番号〔0007〕〜〔0013〕、特開2005−138375号公報の段落番号[0083]〜[0113]、特開2006−2026の段落番号[0142]〜[0145]、特開2006−45500の段落番号[0109]〜[0111]に記載するものが好ましく用いることができる。
一般に液晶表示装置は、二枚の偏光板の間に液晶セルが設けられ、また、一般に液晶セルは、2枚の基板の間に液晶注入される。従って、通常の液晶表示装置では、4枚の偏光板保護フィルムを有する。本発明のセルロースアシレートフィルムは、4枚の偏光板保護フィルムのいずれに用いてもよい。偏光板の保護フィルムは第1保護フィルム、偏光子、第2保護フィルムから積層してなる偏光板において、二枚偏光板を直交する際に第2保護フィルムが内側(液晶セル側)に配置する。ただし、液晶表示装置の視野角依存性、経時変化、黒表示時の光漏れおよび色味変化をより改善するために、本発明のセルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置における偏光子と液晶層(液晶セル)との間に配置される第2保護フィルムとして、特に有利に用いることができる。
また、液晶セルの上面(視認側)に配置する上偏光板の第1保護フィルムが本発明の溶融製膜されたセルロースアシレートフィルム、または溶液流延製膜したトリアセチルセルロースフィルムから選ばれ、表面にハードコート層、防眩層、反射防止層の少なくとも一層を設け、偏光板の第1保護フィルムとして視認側配置することが好ましく用いられる。液晶セルの下面(奥側)に配置する下偏光板の第1保護フィルムが本発明の溶融製膜されたセルロースアシレートフィルム、または溶液流延製膜したトリアセチルセルロースフィルムから選ばれ、偏光板の第1保護フィルムとしてバックライトユニット側に配置することが好ましく用いられる。
(2)光学補償フィルムの作製
本発明の光学補償フィルムは、本発明のセルロースアシレートフィルムを基材に用い、前記基材上に光学異方性層を有する。
前記光学異方性層は、液晶表示装置の黒表示における液晶セル中の液晶化合物を補償するためのものであり、セルロースアシレートフィルムの上に配向膜を形成し、さらに光学異方性層を付与することで形成される。
(配向膜)
前記表面処理したセルロースアシレートフィルム上に配向膜を設ける。この膜は、液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、本発明の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の光学異方性層のみを偏光子上に転写して本発明の偏光板を作製することも可能である。詳細な配向膜の作製方法および材料は特開2006−2026号公報の段落番号[0148]〜[0159]、特開2006−45500号公報の段落番号[0114]〜[0127]、特開2006−45501号公報の段落番号[0080]〜[0085]に記載されるものを好ましく用いることができる。このようにして得た配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
次に、配向膜の上に光学異方性層の液晶性分子を配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと光学異方性層に含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させる。
光学異方性層に用いる液晶性分子には、棒状液晶性分子および円盤状液晶性分子が含まれる。棒状液晶性分子および円盤状液晶性分子は、高分子液晶でも低分子液晶でもよく、さらに、低分子液晶が架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
(棒状液晶性分子)
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性分子を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性分子として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性分子は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、ラジカル重合性不飽基あるいはカチオン重合性基が好ましく、具体的には、例えば特開2002−62427号公報明細書中の段落番号[0064]〜[0086]記載の重合性基、重合性液晶化合物が挙げられる。
(円盤状液晶性分子)
円盤状(ディスコティック)液晶性分子には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶性分子としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性分子から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物が円盤状液晶性分子である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。円盤状液晶性分子の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284号公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基とは、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜[0168]記載の化合物等が挙げられる。
ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)と偏光板の面との角度が、光学異方性層の深さ方向でかつ偏光板の面からの距離の増加と共に増加または減少している。円盤状液晶性分子の長軸と偏光板の面との角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、円盤状液晶性分子の長軸と偏光板の面との角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加および減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んでいる。円盤状液晶性分子の長軸と偏光板の面との角度は、角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少していればよい。さらに、円盤状液晶性分子の長軸と偏光板の面との角度は連続的に変化することが好ましい。
偏光板側の円盤状液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の選択することにより、調整することができる。また、表面側(空気側)の円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)方向は、一般に円盤状液晶性分子あるいは円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の種類を選択することにより調整することができる。円盤状液晶性分子と共に使用する添加剤の例としては、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマーおよびポリマーなどを挙げることができる。長軸の配向方向の変化の程度も、前記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
(光学異方性層の他の組成物)
前記の液晶性分子と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することができる。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
前記界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
前記重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、前記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。前記化合物の添加量は、円盤状液晶性分子に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
円盤状液晶性分子とともに使用するポリマーは、円盤状液晶性分子に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。
前記ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、前記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
円盤状液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
(光学異方性層の形成)
光学異方性層は、液晶性分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成することができる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることが最も好ましい。
(液晶性分子の配向状態の固定)
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。固定化は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤とを用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
前記光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2 の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2 の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。保護子を光学異方性層の上に設けてもよい。
この光学補償フィルムと偏光板とを組み合わせることも好ましい。具体的には、前記のような光学異方性層用塗布液を偏光板の表面に塗布することにより光学異方性層を形成する。その結果、偏光板と光学異方性層との間にポリマーフィルムを使用することなく、偏光板の寸度変化にともなう応力(歪み×断面積×弾性率)が小さい薄い偏光板が作製される。本発明に従う偏光板を大型の液晶表示装置に取り付けると、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い画像を表示することができる。
偏光板と光学補償層との傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルとの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。通常の傾斜角度は45°である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45°でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
(3)反射防止フィルム
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハードコート層、防眩層、反射防止層へ好ましく適用することができる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このようなハードコート層、防眩層、反射防止層としての望ましい実施態様は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)の54頁〜57頁、特開2005−178194号公報の段落番号[0137]〜[0167]、特開2005−325258号公報の段落番号[0136]〜[0154]、特開2006−45500号公報の段落番号[0153]〜[0175]、特開2006−45501号公報の段落番号[0095]〜[0103]に詳細に記載されている。これらの作製方法は好ましく用いることができる。
《液晶表示装置》
本発明のセルロースアシレートフィルム、並びに、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた本発明の偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムは、様々な表示モードの液晶表示装置に用いることができる。以下にこれらのフィルムが用いられる各液晶モードについて説明する。これらのモードのうち、本発明のセルロースアシレートフィルム、偏光板および光学補償フィルムは特にTN、STN、VA、IPSモードの液晶表示装置に好ましく用いられる。これらの液晶表示装置は、透過型、反射型および半透過型のいずれでもよい。
(TNモード液晶表示装置)
カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の位相差板の支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号および特開平9−26572号の各公報の他、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
(STN型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示 装置の位相差板の支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360°の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
(OCBモード液晶表示装置)
棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。
(VAモード液晶表示装置)
電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向しているのが特徴であり、VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償板や光学補償板の支持体として用いてもよい。または偏光板の保護フィルムとして特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
(IPSモード液晶表示装置)
電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に面内に水平に配向しているのが特徴であり、これが電圧印加の有無で液晶の配向方向を変えることでスイッチングするのが特徴である。具体的には特開2004−365941号公報、特開2004−12731号、特開2004−215620号公報、特開2002−221726号公報、特開2002−55341号公報、特開2003−195333号公報に記載のものなどを使用できる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償板や光学補償板の支持体として用いてもよい。または偏光板の保護フィルムとして特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。
(反射型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の位相差板としても有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00/65384号パンフレットに記載がある。
(その他の液晶表示装置)
本発明の透明ポリマーフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置とについては、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
《測定方法および評価方法》
以下において、セルロースアシレートペレットおよびセルロースアシレートフィルムの測定方法と評価方法ついて記載する。本出願に記載される測定値は、以下に記載される方法により測定されたものである。
(1)ペレット加熱後の不溶物の数
任意採集したペレットサンプルを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、これをTHFに溶解して0.5質量%のTHF溶液を調製し、一定量の液を計量して採取した。採取した液をスペーサーを設けた2枚のガラス板の間に挟み、顕微鏡で観察することによって、微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物(ゲン状ブツ、黄色熱劣化物)の数を数えた。1つのサンプルについて測定を3回行い、測定値の平均値をとって単位重量グラムあたりの個数を換算した。5つのサンプルについて単位重量グラムあたりの個数を得て、その平均値a2を記録した。
また、ペレットサンプルを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱せずに同様にTHF溶液を調製して単位重量グラムあたりの不溶物個数の平均値a1を得た。
2−a1を計算して、ペレット加熱後の不溶物の数とした。
なお、酸素濃度は用いた窒素フローの流量を調整することにより5%に調整した。
(2)ペレット加熱後の分子量変化
任意採集したペレットを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、加熱前後のサンプルをTHFに溶解し、0.5質量%の固定分濃度の溶液を調製し、GPCを用いて測定した数平均分子量(Mn)の変化を求めた。
分子量変化=100%×|加熱前のMn−加熱後のMn|/加熱前のMn
(3)1族アルカリ金属量および2族金属量
セルロースアシレートペレットに硝酸を加えてマルチウエーブ灰化した後に水に溶解し、ICP−OES法によりアルカリ金属量および2族金属量を測定した。
(4)硫酸根含有量
セルロースアシレートペレットの硫酸根含有量をASTM D−817−96により測定した。
(5)重量平均重合度(DPw)
セルロースアシレートをTHFに溶解し0.5質量%のサンプル溶液を調製し、下記条件でGPCを用いて重量平均分子量(Mw)を求めた。なお、検量線はポリスチレン(TSK標準ポリスレン:分子量1050、5970、18100、37900、190000、706000)を用いて作製した。得られたMwを、下記方法で決定した置換度から求めた1セグメントあたりの分子量で割った値をDPwとした。
カラム:TSK GEL Super HZ4000、TSK GEL Super HZ2000、
TSK GEL Super HZM−M、TSK Guard Column Super HZ−L、
カラム温度:40℃
溶離液:THF
流量:1ml/分
検出器:RI
(6)セルロースアシレートのアシル基の置換度
アシル基の置換度は、ASTM D−817−91に準じた方法、セルロースアシレートを完全に加水分解し、遊離したカルボン酸またはその塩をガスクロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィーで定量する方法、1H−NMRあるいは13C−NMRによる方法などを単独または組み合わせることにより決定した。
(7)ReおよびRth
本明細書において、Re、Rth(単位;nm)は次の方法にしたがって求めた。まず、フィルムを25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、プリズムカップラー(MODEL2010 Prism Coupler:Metricon製)を用い、25℃、相対湿度60%において、532nmの固体レーザーを用いて下記式(a)で表される平均屈折率(n)を求める。
式(a): n=(nTE×2+nTM)/3
[式中、nTEはフィルム平面方向の偏光で測定した屈折率であり、nTMはフィルム面法線方向の偏光で測定した屈折率である。]
Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが一軸または二軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
前記において、λに関する記載が特になく、Re、Rthとのみ記載されている場合は、波長590nmの光を用いて測定した値のことを表す。また、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率および入力された膜厚値を基に、以下の式(b)および式(c)よりRthを算出することもできる。
Figure 2007307826
[式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタ−デーション値をあらわす。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。]
式(c): Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
測定されるフィルムが一軸や二軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
これら平均屈折率と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
(7)Tm
セルロースアシレート原料粉を10〜20mgを秤量しサンプルパンに入れた。DSC(走査型示差熱量計)を用いて、窒素雰囲気中に室温から260℃まで10℃/分で昇温し、170℃〜250℃の間に現れる吸熱ピークの温度をTmとして求めた。
(8)Tg
セルロースアシレートペレット10〜20mgを秤量しサンプルパンに入れた。DSC(走査型示差熱量計)を用いて、窒素気流中で、10℃/分で30℃から250℃まで昇温した後、30℃まで−10℃/分で冷却した。この後、再度30℃から250℃まで昇温してベースラインが低温側から偏奇し始める温度をTgとする。
(9)溶融粘度η
プレート型レオメーター(例えばPhysica社製 MCR301型)を用い、窒素雰囲気下、下記条件でセルロースアシレートペレットの溶融粘度を測定する。
測定温度:240℃
プレート:25mmφ平行板
ギャップ:1mm
剪断速度:0.1sec-1
(10)ペレットと製膜したフィルムの分子量の差
ペレットおよび溶融製膜したフィルムをそれぞれTHFに溶解し0.5質量%の固定分濃度の溶液を調製し、GPCを用いて測定した数平均分子量(Mn)の変化を求めた。
分子量の差=100%×|ペレットのMn−フィルムのMn|/(ペレットのMn)
(11)フィルムのゲル状ブツおよび黄色異物の数
製膜したフィルムの中央部をTD20cm×MD14cmに3箇所サンプリングする。サンプルフィルムを白色スクリーンの前に10mmの間隔を空け平行に設置する。このフィルムを,中央部から1m離して設置したスライド投影機(例えばキャビン工業(株)製Color CabinIII)から投光する。スクリーンに投影された直径10μm以上の微小な黒点および白点の数を,全幅に亘って数え、1×1cmあたりの数を求める。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
1.セルロースアシレートの合成
(1)セルロースアセテートプロピオネート(P−1〜P−12)原料の合成
A)活性化
攪拌装置および冷却装置を付けた反応容器に、セルロース(パルプ)80質量部、酢酸33質量部を取り、60℃で4時間処理してセルロースを活性化した。
B)アシル化
無水酢酸32質量部、プロピオン酸540質量部、プロオピオン酸無水物558質量部、硫酸4質量部を混合し、−20℃に冷却してから反応容器に添加した。反応の最高温度が35℃になるようにエステル化を実施し、反応液の粘度が910cp(0.91Pa・s)となった時点を反応の終点とした。終点での反応混合物の温度は15℃になるように調節した。水133質量部、酢酸133質量部の混合物を−5℃に冷却した反応停止剤を、反応混合物の温度が23℃を超えないように添加した。
C)部分加水分解
反応混合物の温度を60℃とし、2時間攪拌して部分加水分解を行い、その後、濾紙を用いて濾過をした。以上のB)およびC)では、P−1〜P−5の製造条件に基づいて説明しているが、前記仕込み比および攪拌時間を変えることで、下記表1に示すようP−6〜P−12のセルロースアシレートの原料を得た。
D)硫酸量の調整
次いで反応容器に、酢酸マグネシウム4水和物77g(硫酸に対して2当量)、酢酸77g、水77gの混合溶液を添加し(中和)、60℃で2時間攪拌した(後加熱)。濾紙を用いて濾過した後、酢酸水溶液と混合することにより得られた高分子化合物の再沈殿を実施し、70〜80℃の温水での洗浄を繰り返した。この洗浄時間を変えることによって、下記表1に示すように残留硫酸量の異なるセルロースアシレート原料を得た。
E)1族アルカリ金属、2族金属の添加
脱液の後、1族アルカリ金属化合物(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)の水溶液または2族金属化合物(水酸化カルシウム、酢酸マグネシウム等)の水溶液に浸漬し、30分攪拌を行った。この後に再度脱液を行った。60℃の真空中で12時間乾燥を行った。この1族アルカリ金属、2族金属化合物の種類、水溶液濃度を変えることによって、下記表1記載のM/S、すなわち(1族アルカリ金属と2族金属とのモル量の和)/(硫酸根モル量)を得た。得られたセルロースアセテートプロピオネートを少量採集し、ジクロロメタンに20質量%濃度となるように溶解し、これをキャストして厚み80μmのフィルムを作製し、偏光顕微鏡のクロスニコル下で50倍で針状異物または輝点異物を観察した。10μm以上の針状異物または輝点異物は認められなかった。
(2)セルロースアセテートブチレート(P−13〜P−16)原料の合成
A)活性化
攪拌装置および冷却装置を付けた反応容器に、セルロース(リンター)200質量部、酢酸100質量部を取り、60℃で4時間処理することによりセルロースを活性化した。
B)アシル化
酢酸161質量部、無水酢酸449質量部、酪酸742質量部、酪酸無水物1349質量部、硫酸14質量部を混合し、−20℃に冷却してから反応容器に添加した。
C)部分加水分解
反応の最高温度が30℃になるようにエステル化を実施し、反応液の粘度が1050cPとなった時点を反応の終点とした。終点での反応混合物の温度は10℃になるように調節した。水297質量部、酢酸558質量部の混合物を−5℃に冷却した反応停止剤を、反応混合物の温度が23℃を超えないように添加した。
D)硫酸量の調整
反応混合物の温度を60℃とし、2時間30分攪拌して部分加水分解を行った。濾紙を用い濾過をした後、酢酸水溶液と混合することにより得られた高分子化合物の再沈殿を実施し、70〜80℃の温水での洗浄を繰り返した。
E)1族アルカリ金属、2族金属の添加
脱液の後、1族アルカリ金属化合物(例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)の水溶液または2族金属化合物(水酸化カルシウム、酢酸マグネシウム等)の水溶液に浸漬し、30分攪拌を行った。この時、その水溶液濃度を調整することで下記表1記載のM/S比を達成した。この後に再度脱液を行った。70℃で乾燥を行い、セルロースアセテートブチレートを得た。得られたセルロースアセテートブチレートを少量採集し、ジクロロメタンに20質量%濃度となるように溶解し、これをキャストして厚み80μmのフィルムを作製し、偏光顕微鏡のクロスニコル下で50倍で針状異物または輝点異物を観察した。10μm以上の針状異物または輝点異物は認められなかった。
前記セルロースアシレート合成法の、「B)アシル化」と「C)部分加水分解」の条件の調整により置換度と分子量とを調整し、「D)硫酸量の調整」の後加熱の時間の調整により硫酸量を調整し、「E)1族アルカリ金属、2族金属の添加」の1族アルカリ金属、または2族金属化合物の水溶液の条件(種類、濃度)の調整により1族アルカリ金属量と2族金属量とを調整した。このようにしてセルロースアシレート(P−13〜P−16)の原料を合成した。
2.セルロースアシレートの添加剤
前記セルロースアシレートの原料を100℃で含水率を0.1質量%以下に乾燥した後、下記表1に記載した添加剤組成を添加した。各添加剤の添加量はセルロースアシレート100質量部に対し、使用する添加剤の質量部である。
[組成1]
安定剤:スミライザーGP(住友化学工業社製) 0.3質量部
[組成2]
安定剤:スミライザーGP(住友化学工業社製) 0.35質量部
可塑剤:アデカスタブFP−700(旭電化工業社製) 2質量部
紫外線吸収剤:アデカスタブLA−31(旭電化工業社製) 1質量部
微粒子:平均一次粒子サイズが1.2μmのシリカ粒子
(0.9〜1.5μmの質量存在比率が95%以上、
1.5μm以上は1.0%以下である) 0.05質量部
[組成3]
安定剤:スミライザーGP(住友化学工業社製) 0.10質量部
安定剤:アデカスタブAO−80(旭電化工業社製) 0.15質量部
安定剤:アデカスタブ2112(旭電化工業社製) 0.25質量部
紫外線吸収剤:アデカスタブLA−31(旭電化工業社製) 1.1質量部
微粒子:平均一次粒子サイズが1.2μmのシリカ粒子
(0.9〜1.5μmの質量存在比率が95%以上、
1.5μm以上は1.0%以下である) 0.05質量部
[組成4]
安定剤:アデカスタブAO−60(旭電化工業社製) 0.2質量部
安定剤:アデカスタブPEP−36G(旭電化工業社製) 0.2質量部
微粒子:平均一次粒子サイズが1.2μmのシリカ粒子
(0.9〜1.5μmの質量存在比率が95%以上、
1.5μm以上は1.0%以下である) 0.05質量部
[組成5]
安定剤:スミライザーGP(住友化学工業社製) 0.30質量部
安定剤:アデカスタブ2112(旭電化工業社製) 0.15質量部
可塑剤:セルビオースオクタアセテート 5質量部
紫外線吸収剤:アデカスタブLA−31(旭電化工業社製) 1.0質量部
微粒子:平均一次粒子サイズが1.2μmのシリカ粒子
(0.9〜1.5μmの質量存在比率が95%以上、
1.5μm以上は1.0%以下である) 0.05質量部
(3)セルロースアシレートのペレット化
これらの添加物をヘンシェルミキサー((株)三井三池製作所製)で撹拌・混合し、下記表1に記載のセルロースアシレートに均一に混合した。この混合物を2軸混練押出機のホッパーに入れ、窒素雰囲気下で、入口の温度が150℃、出口の温度が表1に記載のペレット化条件で混練した。なお2軸混練機は圧縮率3のスクリューを用い、バレル直径40mm、L/D=40、吐出量=50〜250kg/時間で混練押出しを行った。さらに、二軸混練押出機スクリューのケーシングに排気口をつけ、これを真空ポンプに配管し、0.5気圧〜0.1気圧で真空排気しながら混練を行った。このようにして融解した後のセルロースアシレートを直径3mmのストランド状に押出した後、下記表1の水浴温度で固化した後、直径3mm長さ5mmに裁断した。
また、特開2000−352620号公報の実施例3〜5に記載されるイストマンケミカル(株)製「CAP482−0.5」、特開2006−63169号公報の実施例3に記載されるイストマンケミカル(株)製「CAP482−20」を用いて、下記表1に示す条件でペレットを作製した。
このようにして得たペレットの加熱後の不溶物、240℃・1時間加熱前後の分子量変化、気泡数、1族アルカリ金属含有量、硫酸根含有量、(1族アルカリ金属モル量と2族金属とのモル量の和)/(硫酸根モル量)(表1中にはM/S比と記載)を前記の方法により測定し、下記表1に記載した。表1の測定結果に示すように、比較例と比べ、本発明のペレットは高温におけるゲル状ブツおよび黄色の異物が極小に押させることができ、優れる特性を有するものであった。
Figure 2007307826
3.溶融製膜
前記セルロースアシレートペレットを110℃の真空乾燥機で残留水分を0.01質量%以下乾燥した。これをTg−10℃になるように調整したホッパーに投入し、窒素気流下、供給部170℃、圧縮部210℃、表2記載の溶融温度(下流側)、T−ダイ温度で、圧縮比4のフルフライトスクリューを用い、L(スクリュー長)/D(スクリュー径)=30で混練溶融した。溶融押出機から押出された樹脂はギアポンプで一定量計量され送り出されるが、この時ギアポンプ前の樹脂圧力が10MPaの一定圧力で制御できる様に、押出機の回転数を変更させた。さらに、押出機出口にブレーカープレート式の濾過を行った後、ギアポンプ通過後に4μmのステンレス製リーフ型ディスクフィルター型濾過装置を通した。Tダイを通して押出し、ガラス転移温度のTg−5℃、Tg、Tg−10℃の設定した3連のキャストロール上に押し出し、最上流側の第1キャストロールにTg−6℃のタッチロールを接触させ、表2記載の条件でキャスティング固化し、未延伸フィルムを製膜した。なお、タッチロールは特開平11−235747の実施例1に記載のもの(二重抑えロールと記載のあるもの)を用い、Tg−6℃に調温した(但し薄肉金属外筒厚みは3mmとした)。なお、このTgはDSCを用いて前述の測定方法で測定した。
固化したメルトをキャスティングドラムから剥ぎ取り、巻き取り直前に両端(全幅の各5%)をトリミングした後、両端に幅10mm、高さ50μmの厚みだし加工(ナーリング)をつけた後、30m/分で幅1.5m、長さ3000mの未延伸フィルムを得た。
得られた各セルロースアシレートフィルムのRe、Rth、分子量、ゲル状ブツ及び黄色異物の数を前述の測定方法で測定・評価し、その結果を表2に記載した。本発明のペレットを用いて製膜したセルロースアシレートフィルムはゲル状ブツ及び黄色異物の発生数が少なく、分子量変化が少なく、優れたものであった。また、本発明のペレットを用いて製膜したセルロースアシレートフィルムの面状を評価したところ、ダイスジ、段ムラは良好であった。
これに対して、本発明範囲外であるペレットを用いて製膜したセルロースアシレートフィルムはゲル状ブツ及び黄色異物の発生数、分子量変化のすべてを満足することは困難であった。
Figure 2007307826
4.延伸セルロースアシレートの作製
前記未延伸フィルムを図1に示す装置を用い縦、横延伸工程を経て、Tg+15℃にて300%/分で表3記載の倍率に延伸した。なおTgとは各フィルムのガラス転移温度であり、DSCを用いて10℃/分で測定し、低温側からベースラインが偏寄し始める温度を指す。
延伸後のフィルムを自動複屈折計(KOBRA−21ADH:王子計測機器(株)製)を用いて、25℃、相対湿度60%において測定した。結果を表3に示す。ここには未延伸フィルムFilm−7の結果を示すが、他の実施例でも同様の結果が得られた。
Figure 2007307826
5.偏光板の作製
(1)セルロースアシレートフィルムの鹸化
前記長期経時した未延伸セルロースアシレートフィルム、延伸セルロースアシレートフィルムに対して下記の手順で浸漬鹸化を行った。下記の手順で塗布鹸化を行った場合も同様の結果が得られた。
(1−1)浸漬鹸化
鹸化液として60℃に調温した2.0mol/LのNaOH水溶液を用いて、その中にセルロースアシレートフィルムを2分間浸漬した。その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、水洗浴を通した。
(1−2)塗布鹸化
イソプロパノール20質量部に水80質量部を加え、これにKOHを2.0mol/Lとなるように溶解し、60℃に調温したものを鹸化液として用いた。この鹸化液を60℃のセルロースアシレートフィルム上に10g/m2で塗布し、1分間鹸化した。この後、50℃の温水を10L/m2・分で1分間スプレーして洗浄した。
(2)偏光子の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し厚み20μmの偏光子を調製した。
(3)貼り合わせ
このようにして得た偏光膜と、前記鹸化処理した未延伸および延伸セルロースアシレートフィルムならびに鹸化処理したフジタック(未延伸トリアセテートフィルム)を、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3質量%水溶液を接着剤として、偏光膜の延伸方向とセルロースアシレートの製膜流れ方向(長手方法)に下記組み合わせで張り合わせた。
偏光板A:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/フジタック
偏光板B:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/未延伸セルロースアシレートフィルム
偏光板C:未延伸セルロースアシレートフィルム/偏光膜/延伸セルロースアシレートフィルム
また、得られた偏光板Bを特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置に取り付け、測定機(ELDIM社製、EZ−Contrast 160D)を用いて、黒表示および白表示の輝度測定から視野角(コントラスト比が10以上の範囲)を算出した。いずれの偏光板を使用した場合も、全方位で極角80°以上の良好な視野角特性が得られた。さらに、最も投影表示ムラが見え易い斜め35°から目視評価しムラの発生度合いを,1(良)〜5(悪)の5段階で表2に記載した。実用上問題のないレベルは,1〜3である。上述した微小ゲルの数が20を超えるサンプルは極端に表示ムラが悪化した。LCD表示視認性を下記の基準に従い評価した。結果を下記表2に記載する。
○:上述したゲル状ブツおよび黄色異物の数が20を超えるサンプルは極輝点故障や画像ボケや歪みなどが全く観測されず、高画質なパネルであった。
△:スジ表示ムラや異物輝点故障や画像ボケや歪みなどが僅か観測され、高画質が要求されない用途のパネルとしては、十分な特性を有するものであった。
×:スジ表示ムラや異物輝点故障や画像ボケや歪みなどが十分に確認でき、性能の劣るパネルであった。
表2に示す結果から、本発明ペレットを用いて溶融製膜したものは良好な性能が得られた。一方、本発明の範囲外のものはLCDでの視認性は劣った。
7.光学補償フィルムの作製
(1)未延伸フィルム
特開平11−316378号公報の実施例1の第1透明支持体に、本発明の未延伸セルロースアシレートフィルムを使用したところ、良好な光学補償フィルムを作製できた。
(2)延伸セルロースアシレートフィルム
特開平11−316378号公報の実施例1の液晶層を塗布したセルロースアセテートフィルムの代わりに、本発明の延伸セルロースアシレートフィルムを使用したところ、良好な光学補償フィルムを作製できた。また、特開平7−333433号公報の実施例1の液晶層を塗布したセルロースアセテートフィルムの代わりに、本発明の延伸セルロースアシレートフィルムを用いて光学補償フィルターフィルムを作製したところ、良好な光学補償フィルムを作製できた。
8.低反射フィルムの作製
本発明のセルロースアシレートフィルムを発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の実施例47に従い、本発明の延伸セルロースアシレートフィルム、未延伸セルロースアシレートフィルムを用いて低反射フィルムを作製したところ、良好な光学性能が得られた。
9.液晶表示素子の作製
前記本発明の偏光板を、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載の20インチOCB型液晶表示装置に用いた。さらに、本発明の低反射フィルムをこれらの液晶表示装置の最表層に貼り目視評価を行ったところ、良好な視認性能が得られた。
本発明のセルロースアシレートペレットを用いることで、溶融製膜したフィルムのゲル状ブツおよび黄色の異物の発生を大幅に抑制できる。これを液晶表示装置に組み込んだ時に表示ボケおよび画像の歪みの発生を解消でき、優れた液晶表示装置を提供するものである。このため、本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムとして極めて有用である。したがって、本発明は産業上の利用可能性が高い。
本発明におけるセルロースアシレートペレットを用いて溶融製膜を実施するための装置の例を示した概略図である。
符号の説明
101 混練押出機
102 ギアポンプ
103 濾過部
104 ダイ
105 タッチロール
106 キャスティング冷却ドラム
107 セルロースアシレート
108 縦延伸工程部
109 横延伸工程部
110 巻取工程部

Claims (18)

  1. セルロースアシレートペレットを酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱した後、テトラヒドロフランに溶解して固形分濃度0.5質量%の溶液を調製した時に、当該溶液中に存在する微粒子添加物以外の直径2μm以上の不溶物の個数がペレット1gあたり0〜20個であることを特徴とするセルロースアシレートペレット。
  2. 酸素濃度10%以下の雰囲気中において240℃で1時間加熱する前と加熱した後との数平均分子量変化が0〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートペレット。
  3. ペレット中の気泡数が0〜20個/100gであることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートペレット。
  4. 1族アルカリ金属含有量が0〜50ppmであり、硫酸根含有量が0〜150ppmであり、且つ(1族アルカリ金属モル量と2族金属モル量との和)/(硫酸根モル量)の比が0.3〜3.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
  5. 分子量500以上の安定剤の少なくとも一種をセルロースアシレートに対して0.01〜3質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートペレット。
  6. 240℃における溶融粘度が100〜3000Pa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
  7. 重量平均重合度が250〜600であり、下記式(S−1)〜(S−3)を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレット。
    式(S−1) 2.6≦X+Y≦3.0
    式(S−2) 0≦X≦1.8
    式(S−3) 1.0≦Y≦3.0
    (式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対する炭素数3〜22のアシル基の置換度の総和を表す。)
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法であって、混練したセルロースアシレート樹脂組成物を多孔ダイからヌードル状に押出した後、65℃〜98℃の水浴中で固化したことを特徴とするセルロースアシレートペレットの製造方法。
  9. 2軸混練押出機を用い、下式(1)および(2)を満足することを特徴とする請求項8に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
    式(1) t×|Tsv−Tm|≦15
    式(2) |Tsv−Tm|≦25
    [式中、tは、混練機滞留時間(min)を示し、Tsvは混練機設定最高温度(℃)を示し、Tmはペレット化前のセルロースアシレートの融点(℃)を示す]
  10. 前記セルロースアシレート樹脂組成物が安定剤を含むことを特徴とする請求項8または9に記載のセルロースアシレートペレットの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセルロースアシレートペレットを220℃〜240℃でダイから押し出し、3kg/cm〜100kg/cmの線圧でタッチロールを用いて製膜したことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  12. 製膜したセルロースアシレートフィルムを、少なくとも1方向に1%〜300%延伸する工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  13. 請求項11または12に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  14. 製膜したセルロースアシレートフィルムの分子量とセルロースアシレートペレット分子量との差が10%以内であることを特徴とする請求項13に記載のセルロースアシレートフィルム。
  15. 偏光子に、請求項13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする偏光板。
  16. 請求項13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする光学補償フィルム。
  17. 請求項13または14に記載のセルロースアシレートフィルムを基材に用いたことを特徴とする反射防止フィルム。
  18. 請求項15に記載の偏光板、請求項16に記載の光学補償フィルム、および請求項17に記載の反射防止フィルムの少なくとも一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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