JP2010054782A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視野角特性が改善された液晶表示装置の提供。
【解決手段】互いの吸収軸を直交して配置される一対の偏光層(18,20);該一対の偏光層の間に、互いに対向して配置され且つ少なくとも一方が透明電極を有する第1の基板及び第2の基板(14,16)と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された液晶層(12)とを有する液晶セル;前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第1の位相差層(22,24);及び前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第2の位相差層(26,28);を有する液晶表示装置であって、前記第1の位相差層が、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持ち、及び前記第2の位相差層が、配向状態に固定された液晶化合物の分子を含有する層であることを特徴とする液晶表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置の視野角特性の改善に関する。
従来、液晶表示装置には、そのモードに応じて、様々な光学特性を示す光学フィルムが光学補償に利用されている。例えば、TNモード液晶表示装置の光学補償フィルムとして、ポリマーフィルムからなる透明支持体上に、液晶組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、液晶組成物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムの代わりに、厚み方向において光軸が傾斜したポリマーフィルムを、TNモード液晶表示装置の光学補償に利用することが提案されている(例えば、特許文献2)。
一方、液晶表示装置は、基本的に一人が使用するパーソナルコンピューター等のディスプレイとしてのみならず、複数人が様々な方向から観察するTV用のディスプレイとしての用途にも利用されている。そのため、さらなる視野角特性の改善が望まれる。
特許第2587398号報 特開平7−333437号公報
本発明は、視野角特性が改善された液晶表示装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1] 互いの吸収軸を直交して配置される一対の偏光層;
該一対の偏光層の間に、互いに対向して配置され且つ少なくとも一方が透明電極を有する第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された液晶層とを有する液晶セル;
前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第1の位相差層;及び
前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第2の位相差層;を有する液晶表示装置であって、
前記第1の位相差層が、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持ち、及び前記第2の位相差層が、配向状態に固定された液晶化合物の分子を含有する層であることを特徴とする液晶表示装置。
[2] 前記第1の位相差層が、屈折率楕円体の主軸が厚み方向において傾斜しているフィルムからなることを特徴とする[1に記載の液晶表示装置。
[3] 前記第1の位相差層が、フィルム面法線方向に対する屈折率楕円体の主軸の傾斜角度θtが、0<θt≦35°を満足するフィルムからなることを特徴とする[1に記載の液晶表示装置。
[4] 前記第1の位相差層の、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、0nm<Re(550)≦110nmであり、及び同波長における厚み方向のレターデーションRth(550)が、0nm<Rth(550)≦200nmであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの液晶表示装置。
[5] 前記第1の位相差層が、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリエステル類、及びポリカーボネート類から選択される少なくとも1種を含むフィルムからなることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの液晶表示装置。
[6] 前記第1の位相差層が、熱可塑性樹脂を含有する組成物のフィルム状の溶融物を、周速が互いに異なる2つのロール間を通過させることにより製造されたフィルムであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの液晶表示装置。
[7] 前記第1の位相差層が、延伸処理されたフィルムからなることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかの液晶表示装置。
[8] 前記第2の位相差層が、膜厚方向にハイブリッド配向した状態に固定されたディスコティック液晶及び棒状液晶のいずれかを少なくとも含有することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの液晶表示装置。
[9] 前記第2の位相差層が、液晶性モノマーを含有する組成物を重合して形成される層であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかの液晶表示装置。
[10] 前記第1の位相差層上に、前記第2の位相差層が配置されていることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかの液晶表示装置。
[11] 前記第1の位相差層の面内遅相軸と、前記第1の位相差層により近くに位置する偏光層の吸収軸とが、平行又は直交であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかの液晶表示装置。
[12] 前記液晶層の厚さdと複屈折率Δnの積であるΔn・dが、下記関係式(I)を満足することを特徴とする[1]〜[11]のいずれかの液晶表示装置:
(I) 200nm≦Δn・d≦500nm。
[13] 駆動電圧非印加状態において、前記液晶層中、液晶分子が基板面に平行配向して、前記第1及び第2の基板間のツイスト角が0]〜[135°であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれかの液晶表示装置。
本発明によれば、視野角特性が改善された液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション(nm)、及び厚さ方向のレターデーション(nm)である。Re(λ)は、KOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、又は測定値をプログラム等で変換して測定するができる。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と、平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値とを基にKOBRA 21ADH又はWRが算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値は、その符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRが算出される。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(I)及び式(II)よりRthを算出することもできる。
Figure 2010054782
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。
また、nxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と、平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学補償フィルムのカタログの値を使用することができる。
また、平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学補償フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:
セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRは、nx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
Re、Rth及び屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域のλ=550nmでの値である。
また、本明細書において、「主軸」とは、KOBRA 21ADH又はWRが算出した屈折率楕円体の主屈折率軸、nx、ny、nzにおいて、特に記載がない場合、フィルム厚さ方向の主屈折率nzを意味する。
図1に本発明の液晶表示装置の一例の構成を概念的に示す模式図を示す。
図1の液晶表示装置は、互いの吸収軸を直交して配置される一対の偏光層18及び20、一対の偏光層18及び20の間に、対向して配置される第1の基板14及び第2の基板16と、第1の基板14と前記第2の基板16との間に配置された液晶層12とを有する液晶セルLC、偏光層18及び20のそれぞれと液晶セルLCとの間に配置される第1の位相差層22及び24、ならびに偏光層18及び20のそれぞれと液晶セルLCとの間に第2の位相差層26及び28を有する。
液晶セルLCはTNモードの液晶セルであり、第1及び第2の基板14、16の対向面には、電極層が形成されている。一例は、複数の画素電極にそれぞれ対応する複数のTFTと、各行のTFTにゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列のTFTにデータ信号を供給する複数のデータ配線とが設けられ、複数の画素電極が、それぞれ、その画素電極に対応するTFTに接続されている。また、一対の対向基板14及び16の対向面にはそれぞれ、電極層を覆って、実質的に互いに直交する方向14a及び16aに配向処理された水平配向膜が形成されている。液晶層12は、正の誘電異方性を有するネマティック液晶材料を充填してなる層であり、その液晶分子は、水平配向膜により、第1及び第2の基板14及び16の近傍における配向方向が規定され、電極層間に電界が印加されていないとき、図1中に示したように、基板14及び16間において90°程度の捩れ角で捩れ(ツイスト)配向する。一方、電極間に黒表示させる電圧が印加されると、液晶分子は、基板14及び16の面に対して垂直に立ち上がる。この状態では、液晶層中に法線方向から光が入射した場合と、斜め方向から入射した場合とでは、液晶分子の配向の違いにより、液晶層中を伝搬する光の偏光状態が異なり、その結果、視野角に依存してコントラストが低下したり、階調反転やカラーシフトが生じる。図1の液晶表示装置10では、第1の位相差層22、24と、第2の位相差層26、28との組合せにより、コントラスト等の表示特性の視野角依存性を軽減し、視野角特性を改善している。
液晶層12の厚さdと複屈折率Δnの積であるΔn・dは、一般的には、TNモードの場合、300〜500nm、ECBモードの場合250〜350nm程度になる。本発明では、液晶層のΔn・dが、下記式を満足していると、TN、ECB各モードにおいて視野角拡大効果が得られるので好ましい。
(I) 200nm≦Δn・d≦500nm。
Δn・dは、TNモードの場合、380〜450nm、ECBモードの場合280〜320nmであるのがより好ましい。
液晶層12は、RGBのサブピクセル領域間で、厚みが互いに異なるマルチギャップの液晶層であるのが好ましい。例えば、カラーフィルタの厚みを一様ではなく、Rサブピクセル、Gサブピクセル、及びBサブピクセルの厚みを変えて、マルチギャップの液晶層とすることができる。一例は、Rサブピクセルに対応する液晶層のΔnd(R)、Gサブピクセルに対応する液晶層のΔnd(G)、及びBサブピクセルに対応する液晶層のΔnd(B)が、Δnd(B)<Δnd(G)<Δnd(R)の関係を満足する構成である。この例によれば、広い視野角にわたって、コントラスト及び色再現性の高いカラー画像を表示することができる。
一方、液晶材料として、Δnに波長依存性があり、R光に対するΔn(R)、G光に対するΔn(G)、及びB光に対するΔn(B)がΔn(B)<Δn(G)<Δn(R)の関係を満足する液晶材料を利用することにより、カラーフィルタの厚みが一様であっても、同様の効果が得られる。
図1に示す液晶表示装置は、ノーマリホワイトモードであり、一対の偏光層18及び20(以下、上側偏光層18を第1の偏光層18、及び下側の偏光層20を第2の偏光層20という)は、図1に示す通り、それぞれの吸収軸18a及び20aを実質的に互いに直交させて配置されている。
液晶セルLCと一対の偏光層18及び20との間には、それぞれ、第1の位相差層22、24と、第2の位相差層26、28が配置されている。第1の位相差層22、24は、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持つフィルムからなり、一方、第2の位相差層は、配向状態に固定された液晶化合物の分子を含有する。第1の位相差層を、第2の位相差層の支持体として、その上に、液晶組成物からなる第2の位相差層を形成し、光学補償フィルムF1及びF2として作製し、それを液晶表示装置に組み込むことができる。さらに、第1の位相差層22、24が、ポリマーフィルムである態様では、偏光層18及び20にそれぞれ接触させて貼り合せ、その保護フィルムとしても利用することもできる。当該態様では、図1中の偏光板PL1及びPL2を製造して、それを液晶セルLCに貼合して、液晶表示装置を製造することができる。
第1の位相差層22、24は、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持つ。具体的には、波長550nmにおいて、第1の位相差層の面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]と前記法線から逆に40°傾斜した方向から測定したレターデーションR[−40°]の比が、1<R[+40°]/R[−40°]を満足する。より好ましくは、1<R[+40°]/R[−40°]≦100である。但し、+40°及びそれに逆の−40°の方向は、R[+40°]>R[−40°]となるように決定する。図3は、R[+40°]及びR[−40°]を測定する際の、位相差層の面内遅相軸、入射面、及び入射方向の関係の一例を示す模式図である。R[+40°]及びR[−40°]の測定は、入射方向1及び2のいずれであってもよく、R[+40°]>R[−40°]の関係を満足するように決定する。以下、第2の位相差層及び光学補償フィルムにおいても同様である。この様な特性を満足する第1の位相差層の一例は、その主軸が層面の法線方向に対して傾斜角θt(但し0°<θt<90°を満足する)の方向にあり、即ち、主軸が層の厚み方向で傾斜しているフィルムである。傾斜角度θtは、第2の位相差層の光学特性等を考慮して、全体として光学補償に要求される光学特性を満足するように決定される。傾斜角度θtは、0°<θt≦35°を満足するのが好ましく、0<θt≦20°を満足するのがより好ましい。
第1の位相差層に利用可能な上記特性を満足するポリマーフィルムは、正の固有複屈折性の非晶性熱可塑性樹脂を、フィルム状に溶融押出しし、その後、周速が互いに異なるロール間を通過させることで製造することができる。第1の位相差層に利用可能なポリマーフィルムの製造方法については、後述する。
第2の位相差層26、28は、硬化性液晶組成物を所望の配向状態にした後、硬化させて形成される層である。例えば、重合性液晶を配向膜の配向処理面に塗布し、その配向処理の方向(一般的にはラビング軸)に沿って配向させて、その配向状態に固定することで作製できる。一例として、ディスコティック液晶分子を、いわゆるハイブリッド配向状態、で固定して形成される位相差層が挙げられる。ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)と層面との角度が、層の深さ方向で、且つ配向膜面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で当該角度が変化しない領域を含んでいる。本明細書では、「ハイブリッド配向」には、当該角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少している配向状態も含むものとする。当該角度が連続的に変化しているハイブリッド配向が好ましい。位相差層の作製に利用可能な材料等については、後述する。
円盤状液晶組成物を、ハイブリッド配向させてその配向状態を固定した位相差層も、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持つ。具体的には、波長550nmにおいて、当該位相差層の面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]と前記法線から逆に40°傾斜した方向から測定したレターデーションR[−40°]の比が、1<R[+40°]/R[−40°]を満足する。より好ましくは3≦R[+40°]/R[−40°]≦15である(但し、+40°及びそれに逆の−40°の方向は、R[+40°]>R[−40°]となるように決定する)。
光学補償フィルムF1及びF2は、全体として、
(1)波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、0nm<Re(550)≦230nm(より好ましくは0nm<Re(550)≦100nm)であり;
(2)波長550nmにおいて、光学補償フィルム全体としての面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]又は前記法線からフィルム面方向に−40°傾いた方向から測定したレターデーションR[−40°]が、0nm〜300nm(より好ましくは0〜150nm)であり;及び
(3)波長550nmにおいて、光学補償フィルム全体としての面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]と前記法線から逆に40°傾斜した方向から測定したレターデーションR[−40°]の比が、1<R[+40°]/R[−40°](より好ましくは1<R[+40°]/R[−40°]≦100)を満足する。
第1及び第2の位相差層の組合せからなる光学補償フィルムが、上記(1)〜(3)の条件を満足すると、TNモード液晶セルを、より正確に光学補償することができ、視野角特性がより改善される。
次に、図1に示す液晶表示装置の光学的軸関係について説明する。
図1に示す液晶表示装置では、第1の基板14の対向面に形成された配向膜の配向処理方向(通常はラビング軸)14aは、液晶表示装置の画面の左右方向に対し、表示面側(図面上側)から見て左回りに45°回転した方向にあり、第2の基板16の対向面に形成された配向膜の配向処理方向16aは、液晶表示装置の画面の左右方向に対し、観察者側(図面上側)から見て右回りに45°回転した方向にある。電圧無印加時には、配向膜界面近傍の液晶分子は、その配向処理方向に長軸方向を一致させて配向するので、表示面側から見て右回りに実質的に90°の捩れ角でツイスト配向している。
また、第1の偏光層18は、その吸収軸18aを、配向膜の配向処理方向14aと平行にして配置され、及び第2の偏光層20は、その吸収軸20aを第1の偏光子層18の吸収軸18aに対し、実質的に直交にして配置されている。即ち、吸収軸18aは、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあり、吸収軸20aは、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にあり、互いに直交している。なお、吸収軸18aが、表示面側から見て右回りに45°回転した方向にあり、吸収軸20aが、表示面側から見て左回りに45°回転した方向にあり、互いに直交していても、同様の表示特性になる。
図1中、表示面側の光学補償フィルムF1の第1の位相差層22の面内遅相軸22a及び第2の位相差層26の面内遅相軸26aと、第1の基板14の配向膜の配向処理方向14aとが実質的に直交であり、及びバックライト側の光学補償フィルムF2の第1の位相差層24の面内遅相軸24a及び第2の位相差層28の面内遅相軸28aと、第2の基板16の配向膜の配向処理方向16aとが実質的に直交である。図1中、光学補償フィルムF1において、第1の位相差層22の遅相軸22a及び第2の位相差層26の遅相軸26aが互いに平行であり、光学補償フィルムF2において、第1の位相差層24の遅相軸24aと第2の位相差層28の遅相軸28aが互いに平行である。この構成例では、TNモード液晶表示装置を広視野角化するためには、光学補償フィルムF1及びF2の全体としてのRe(550)が0nm<Re(550)≦230nmであり、波長550nmにおいて、光学補償フィルム全体としての面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]又は前記法線からフィルム面方向に−40°傾いた方向から測定したレターデーションR[−40°]が、0nm〜300nmであるのが好ましい。また、第1の位相差層22及び24の主軸の傾斜角度θtが0<θt≦35°であるのが好ましい。
また、第1の位相差層22(又は24)の主軸の傾斜方位におけるレターデーションが法線方向から傾斜した場合のレターデーションが減少する方位と、基板14(又は基板16)の配向処理方向(通常はラビング方向)14a(又は16a)とが、おおむね平行にして配置されているのが好ましい。この関係で配置すると、視野角が拡大するので好ましい。
図2に、本発明の液晶表示装置の他の構成例を模式的に示す概念図を示す。図2中、図1と同一の部材については、同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
図2に示す液晶表示装置では、光学補償フィルムF1’中の第1の位相差層22’及び光学補償フィルムF2’中の第2の位相差層24’のそれぞれの面内遅相軸22a’及び24a’が、図1の液晶表示装置と、90°ずれている。即ち、光学補償フィルムF1’中、第1の位相差層22’の面内遅相軸22a’と第2の位相差層26の面内遅相軸26aは直交し、及び光学補償フィルムF2’中、第1の位相差層24’の面内遅相軸24a’と第2の位相差層28の面内遅相軸28aは直交している。この構成例でも、図1と同様に、TNモード液晶表示装置を広視野角化することができる。その好ましい態様は、光学補償フィルムF1’及びF2’の全体としてのRe(550)が0nm<Re(550)≦100nmであり、波長550nmにおいて、光学補償フィルム全体としての面内遅相軸に直交した法線を含む面内(入射面)において、前記法線からフィルム面方向に40°傾いた方向から測定したレターデーションR[+40°]又は前記法線からフィルム面方向に−40°傾いた方向から測定したレターデーションR[−40°]が、0nm〜300nmであるのが好ましい。また、第1の位相差層22及び24の主軸の傾斜角度θtが0<θt≦35°であるのが好ましい。
第1の位相差層に要求される光学特性を満足するフィルムは、フィルム状の溶融物を周速が互いに異なる2つのロール間を通過させて作製することができる。その場合に、フィルムの主軸は、フィルムの搬送方向(以下「MD方向」という)に傾斜する。連続的な生産では、フィルム状の溶融物を周速が異なる2つのロール間を通過させて、所望により延伸処理などを施し、その後、液晶組成物を塗布して第2の位相差層を形成する。この方法により製造されたポリマーフィルムの主軸を、層面に投影した投影軸は、MD方向と平行になり、且つ面内遅相軸と直交する。一方、第2の位相差層が、ラビング処理面上で液晶分子をハイブリッド配向状態に固定して形成した層であると、その面内遅相軸は、ラビング処理方向と直交するのが一般的である。連続的にフィルム上にかかる層を形成する方法では、長尺状のフィルムを搬送しつつ、MD方向に平行にラビング処理を施して、その処理面に液晶組成物を塗布して、前記層を形成するのが一般的である。従って、前記層の面内遅相軸は、MD方向に対して直交する方向になる。図1中の光学補償フィルムF1(又はF2)では、第1の位相差層22(又は24)の面内遅相軸22a(又は24a)と、第2の位相差層26(又は28)の面内遅相軸26a(又は28a)が平行方向にあり、上記連続的製造方法によって製造可能な構成例である。一方、図2の光学補償フィルムF1’(又はF2’)では、第1の位相差層22’(又は24’)の面内遅相軸22’a(又は24’a)と、第2の位相差層26’(又は28’)の面内遅相軸26’a(又は28’a)が直交方向にあり、上記連続的製造方法では製造できず、例えば、第2の位相差層を形成する際に、搬送方向と直交した方向にラビング処理をする必要が生じる。従って、第2の位相差層を、円盤状液晶のハイブリッド配向を利用して作製する態様では、図1の例のほうが図2の例よりも、安定的に連続生産可能であり、製造適性の点で優れている。
上記では、TN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置の態様について説明したが、TNモードに限定されず、OCB(Optically Compensatory Bend)、及びECB(Electrically Controlled Birefringence)モードの液晶表示装置についても同様に効果がある。
ECBモード液晶表示装置の一態様では、液晶セル中の液晶層のΔn・dは250〜350nm程度とし、また一対のセル基板の内面に施される配向処理の方向は互いに平行として交差させない。即ち、電界無印加時に液晶セル中の液晶は捩れ配向させない。また、一対の偏光層は、その吸収軸を互いに直交にして配置されるとともに、それぞれの吸収軸をより近い位置に配置されるセル基板の内面に施された配向処理方向に対して45°にして配置される。第1の位相差層の面内遅相軸と、より近い位置に配置される偏光層の吸収軸との関係は、TNモードの態様と同様とである。
以下、本発明の液晶表示装置に利用する各部材について説明する。
第1の位相差層:
本発明では、前記第1の位相差層が、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持つ第1の位相差層を利用する。第1の位相差層の一例は、屈折率楕円体の主軸が厚み方向において傾斜しているフィルムである。「厚み方向において傾斜している」とは、フィルム面の法線方向に対して、フィルム面内の任意の方向を傾斜方位として、フィルム面方向に角度θt(但し0°<θt<90°を満足する。以下、θtを「傾斜角」という)だけ傾斜していることを意味する。前記第1の位相差層は、フィルム面法線方向に対して、0<θt≦35°を満足する傾斜角度θt(より好ましくは0<θt≦20°)の方向に主軸を有するフィルムからなるのが好ましい。
なお、フィルムの主軸のフィルム面に対する傾斜角度は、以下の方法により測定することができる。なお、以下の測定方法において許容される誤差は、本発明に用いられるフィルムの主軸の傾斜角度θtについても許容されるであろう。
フィルムの主軸の傾斜角度θtは、KOBRA 21ADH又はWR(王子計測機器(株)製)を用い、フィルムの幅方向(TD方向)を傾斜軸とした測定を行い、傾斜角度40度での位相差及び傾斜角度−40度での位相差から、主軸の傾斜角度を測定する。なお、測定波長は550nmとする。
また、主軸の傾斜角のバラツキは、以下の方法により測定することができる。
フィルムの幅方向に10点及び、搬送方向10点に等間隔でサンプリングを行い、上記方法で主軸の傾斜角を測定し、その最大値と最小値の差を、主軸の傾斜角のバラツキとすることができる。
なお、遅相軸角度は、前記したReの測定によって決定することができ、そのバラツキも、フィルムの幅方向に10点及び、搬送方向10点に等間隔に測定を行った際の最大値と最小値の差で決定することができる。
第1の位相差層のRe及びRthの好ましい範囲は、第2の位相差層の光学特性に応じて変動するが、Re(550)が0nm<Re(550)≦110nmであり、及びRth(550)が0〜200nmであるのが好ましい。
前記態様の第1の位相差層は、例えば、以下の方法で製造することができる。
熱可塑性樹脂を含有する組成物のフィルム状の溶融物を、周速が互いに異なる2つのロール間を通過させること、及び所望によりさらに延伸すること、を含む方法により製造することができる。この方法により、第1の位相差層としての光学特性を満足するポリマーフィルムを安定的に及び簡易に製造することができる。
以下、この製造方法について詳細に説明する。
前記方法では、熱可塑性樹脂を含有する組成物(「熱可塑性樹脂組成物」という場合がある)を溶融押出しする。溶融押出しをする前に、熱可塑性樹脂組成物をペレット化するのが好ましい。ペレット化は前記熱可塑性樹脂組成物を乾燥した後、2軸混練押出機を用い150℃〜300℃で溶融後、ヌードル状に押出したものを空気中あるいは水中で固化し裁断することにより作製できる。また、押出機による溶融後、水中に口金より直接押出しながらカットするアンダーウオーターカット法等によりペレット化することもできる。ペレット化に利用される押出機としては、単軸スクリュー押出機、非かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型異方向回転二軸スクリュー押出機、かみ合い型同方向回転二軸スクリュー押出機などを用いることができる。押出機の回転数は10rpm〜1000rpmが好ましく、より好ましくは20rpm〜700rpmである。押出滞留時間は10秒〜10分、より好ましくは20秒〜5分である。
ペレットの大きさについては特に制限はないが、一般的には10mm3〜1000mm3程度であり、より好ましくは30mm3〜500mm3程度である。
溶融押出し前に、ペレット中の水分を減少させることが好ましい。好ましい乾燥温度は40〜200℃、さらに好ましくは60〜150℃である。これにより含水率を1.0質量%以下にすることが好ましく、0.1質量%以下にすることがさらに好ましい。乾燥は空気中で行ってもよく、窒素中で行ってもよく、真空中で行ってもよい。
次に、乾燥したペレットを、押出機の供給口を介してシリンダー内に供給し、混練及び溶融させる。シリンダー内は、例えば、供給口側から順に、供給部、圧縮部、計量部とで構成される。押出機のスクリュー圧縮比は1.5〜4.5が好ましく、シリンダー内径に対するシリンダー長さの比(L/D)は20〜70が好ましく、シリンダー内径は30mm〜150mmが好ましい。押出温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度に応じて決定されるが、一般的には、190〜300℃程度が好ましい。さらに残存酸素による溶融樹脂の酸化を防止するため、押出機内を不活性(窒素等)気流中、あるいはベント付き押出機を用い真空排気しながら実施するのも好ましい。
熱可塑性樹脂組成物中の異物濾過のためブレーカープレート式の濾過やリーフ型ディスクフィルターを組み込んだ濾過装置を設けることが好ましい。濾過は1段で行ってもよく、多段濾過で行ってもよい。濾過精度は15μm〜3μmが好ましく、さらに好ましくは10μm〜3μmである。濾材としてはステンレス鋼を用いることが望ましい。濾材の構成は、線材を編んだもの、金属繊維もしくは金属粉末を焼結したもの(焼結濾材)が使用でき、中でも焼結濾材が好ましい。
吐出量の変動を減少させ厚み精度を向上させるために、押出機とダイの間にギアポンプを設けることが好ましい。これによりダイ内の樹脂圧力変動巾を±1%以内にすることができる。ギアポンプによる定量供給性能を向上させるために、スクリューの回転数を変化させて、ギアポンプ前の圧力を一定に制御する方法も用いることができる。
前記の如く構成された押出機によって溶融され、必要に応じ濾過機、ギアポンプを経由して溶融樹脂がダイに連続的に送られる。ダイはTダイ、フィッシュテールダイ、ハンガーコートダイの何れのタイプでも構わない。またダイの直前に樹脂温度の均一性アップのためスタティックミキサーを入れることも好ましい。Tダイ出口部分のクリアランスは一般的にフィルム厚みの1.0〜10倍がよく、好ましくは1.2〜5倍である。
ダイは5〜50mm間隔で厚み調整可能であることが好ましい。また下流のフィルム厚み、厚み偏差を計算し、その結果をダイの厚み調整にフィードバックさせる自動厚み調整ダイも有効である。
単層製膜装置以外にも、多層製膜装置を用いて製造も可能である。
このようにして、樹脂が供給口から押出機に入ってからダイから出るまでの滞留時間は3分〜40分が好ましく、さらに好ましくは4分〜30分である。
次に、熱可塑性樹脂の溶融物をダイからフィルム状に押出し、2つのロール(例えば、タッチロール及びキャスティングロール)間を通過させ、冷却固化して(タッチロール法)、フィルムを得る。前記方法では、互いに異なる周速で回転している2つのロール間にフィルム状の溶融物を通過させることで、フィルムにせん断を与えて、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持つポリマーフィルムを作製している。直径の大きなロールを用いるとフィルムにかかるせん断が大きくなり、主軸の傾斜角度が大きくなる傾向がある。直径が、350〜600nm(より好ましくは350〜500nm)の2つのロール(例えば、タッチングロールとキャスティングロール)を使用するのが好ましい。直径の大きなロールを用いると、フィルム状の溶融物とロールの接触面積が広くなり、せん断がかかる時間がより長くなるため、主軸がより大きな傾斜角度で傾斜したフィルムを、しかもそのバラツキを抑制しつつ製造することができる。なお、本発明の方法では、2つのロールの直径は等しくても、異なっていてもよい。また、フィルムの噛み込み性も向上するので、より安定的に製造することができる。一方、フィルム状の溶融物の幅方向の温度分布が顕著であると、均一性を維持するのが困難になるので、前記方法では、ダイから溶融押出しされ2つのロールの少なくとも一方に接触する直前まで、溶融物の幅方向の温度分布を軽減するのが好ましく、具体的には、幅方向の温度分布を5℃以内にするのが好ましい。温度分布を軽減するためには、溶融物のダイと2つのロールとの間の通路の少なくとも一部に、断熱機能又は熱反射機能のある部材を配置し、該溶融物を外気から遮蔽するのが好ましい。この様に、断熱部材を通路に配置して、外気から遮蔽することで、外部環境、例えば風、の影響を抑えることができ、フィルムの幅方向の温度分布を抑制することができる。フィルム状の溶融物の幅方向の温度分布は、±3℃以内がより好ましく、±1℃以内がよりさらに好ましい。この様に、ロール間を通過させる直前まで、フィルム状溶融物の幅方向の温度を均一にするバラツキを抑制することができる。
なお、フィルム状の溶融物の温度分布は、接触式温度計や非接触式温度計によって測定することができるが、特に非接触式の赤外温度計を用いて測定することができる。
よりバラツキをなくす方法として、フィルム状の溶融物がキャスティングロールに接触する際の密着性を上げる方法がある。具体的には、静電印加法、エアナイフ法、エアーチャンバー法、バキュームノズル法などの方法を組み合わせて、密着性を向上させることができる。このような密着向上法は、フィルム状の溶融物の全面に実施してもよく、一部に実施してもよい。
本発明では、2つのロールの材質は金属であることが好ましく、より好ましくはステンレスであり、表面をメッキ処理されたロールも好ましい。一方、ゴムロールやゴムでライニングした金属ロールは、表面の凹凸が大きく、フィルムの表面に傷が付き易いので、使用しないほうが好ましい。
タッチロールについては、例えば特開平11−314263号公報、特開2002−36332号公報、特開平11−235747号公報、国際公開第97/28950号パンフレット、特開2004−216717号公報、特開2003−145609号公報記載のものを利用できる。
フィルム状の溶融物を通過させる2つのロール(例えばキャスティングロールとタッチロール)以外に、キャスティングロールを1本以上使用して、フィルムを冷却するのが好ましい。タッチロールは、通常は最上流側(ダイに近い方)の最初のキャスティングロールにタッチさせるように配置する。一般的には3本の冷却ロールを用いることが比較的よく行われているが、この限りではない。複数本あるキャスティングロールの間隔は、面間で0.3mm〜300mmが好ましく、より好ましくは、1mm〜100mm、さらに好ましくは3mm〜30mmである。
また、タッチロールやキャスティングロールの表面は、算術平均高さRaが通常100nm以下、好ましくは50nm以下、さらに好ましくは25nm以下である。
ここで、2つのロールの周速比とは、2つのロールの周速度の比率(第1のロールの周速度/第2のロールの周速度)を意味する。但し、第1のロールの周速度<第2のロールの周速度とする。2つのロールの周速差が大きいほど、即ち、上記周速比が小さいほど、得られるフィルムの主軸の傾斜角度は大きくなる傾向があるが、一方、周速差が大きすぎると、得られるフィルムの表面に傷が付きやすくなる。具体的には、主軸の傾斜角度θtが大きい、例えば、20°以上のポリマーフィルムを製造する際は、2つのロールの周速比は、0.55〜0.80とすることが好ましく、0.55〜0.74とすることがより好ましい。但し、傷が付かないよう、下記条件(i)〜(iii)を満足することが好ましい。
(i) 2つのロールの少なくとも一方に接触する直前の熱可塑性樹脂組成物の溶融物の粘弾性が、損失弾性率>貯蔵弾性率を示す温度領域(具体的にはTg+50℃〜Tg+70℃以上(Tgは熱可塑性樹脂のガラス転移点))にする、
(ii) ダイから溶融押出しされたフィルム状の溶融物が、2つのロールの少なくとも一方に接触する直前まで、溶融物の幅方向の温度分布を±5℃以内にする、
(iii) 2つのロールとして、少なくとも表面が金属製のロールを使用する。
2つのロールは、連れ周り駆動でも独立駆動でもよいが、光軸のバラツキを制御するためには、独立駆動であることが好ましい。本発明では、2つのロールが、互いに異なる周速で駆動されることは上記した通りであるが、さらに、2つのロールの表面温度に差をつけてもよい。好ましい温度差は5℃〜80℃であり、より好ましくは20℃〜80℃、さらに好ましくは20℃〜60℃である。その際、2つのロールの温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜140℃に設定する。このような温度制御は、タッチロール内部に温調した液体、気体を通すことで達成することができる。
溶融物を延製膜した後、両端をトリミングすることが好ましい。トリミングで切り落とした部分は破砕し、再度原料として使用してもよい。
また片端あるいは両端に厚みだし加工(ナーリング処理)を行うことも好ましい。厚みだし加工による凹凸の高さは1μm〜50μmが好ましく、より好ましくは3μm〜20μmである。厚みだし加工は両面に凸になるようにしても、片面に凸になるようにしても構わない。厚みだし加工の幅は1mm〜50mmが好ましく、より好ましくは3mm〜30mmである。押出し加工は室温〜300℃で実施できる。巻き取る前に、片面もしくは両面に、ラミフィルムを付けることも好ましい。ラミフィルムの厚みは5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。材質はポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン等、特に限定されない。
巻き取り張力は、好ましくは2kg/m幅〜50kg/幅であり、より好ましくは5kg/m幅〜30kg/幅である。
第1の位相差層に要求される特性を満足するポリマーフィルムを製造するために、製膜した後、延伸及び/又は緩和処理を行ってもよい。例えば、以下の(a)〜(i)の組合せで各工程を実施することができる。
(a) 横延伸
(b) 横延伸→緩和処理
(c) 縦延伸→横延伸
(d) 縦延伸→横延伸→緩和処理
(e) 縦延伸→緩和処理→横延伸→緩和処理
(f) 横延伸→縦延伸→緩和処理
(g) 横延伸→緩和処理→縦延伸→緩和処理
(h) 縦延伸→横延伸→縦延伸
(i) 縦延伸→横延伸→縦延伸→緩和処理
これらの中で特に必要となるのが、(a)の横延伸工程である。
横延伸はテンターを用い実施することができる。即ちフィルムの幅方向の両端部をクリップで把持し、横方向に拡幅することで延伸する。この時、テンター内に所望の温度の風を送ることで延伸温度を制御できる。延伸温度は、Tg−10℃〜Tg+60℃が好ましく、Tg−5℃〜Tg+45℃がより好ましく、Tg〜Tg+30℃以下がさらに好ましい。また、好ましい横延伸倍率は1.01〜4倍、より好ましく1.03〜3.5倍、さらに好ましくは1.05〜3.0倍である。横延伸倍率は1.5〜3.0倍であるのが特に好ましい。
このような延伸の前に予熱、延伸の後に熱固定を行うことで延伸後のRe、Rth分布を小さくし、ボーイングに伴う配向角のばらつきを小さくできる。予熱、熱固定はどちらか一方であってもよいが、両方行うのがより好ましい。これらの予熱、熱固定はクリップで把持して行うのが好ましく、即ち延伸と連続して行うのが好ましい。
予熱は延伸温度より1℃〜50℃程度高い温度で行うことができ、好ましく2℃〜40℃以下、さらに好ましくは3℃以上30℃以下高くすることが好ましい。好ましい予熱時間は1秒以上10分以下であり、より好ましくは5秒以上4分以下、さらに好ましくは10秒以上2分以下である。予熱の際、テンターの幅はほぼ一定に保つことが好ましい。ここで「ほぼ」とは未延伸フィルムの幅の±10%を指す。
熱固定は延伸温度より1℃以上50℃以下低い温度で行うことができ、より好ましく2℃以上40℃以下、さらに好ましくは3℃以上30℃以上低くすることが好ましい。さらに好ましくは延伸温度以下でかつTg以下にするのが好ましい。好ましい予熱時間は1秒以上10分以下であり、より好ましくは5秒以上4分以下、さらに好ましくは10秒以上2分以下である。熱固定の際、テンターの幅はほぼ一定に保つことが好ましい。ここで「ほぼ」とは延伸終了後のテンター幅の0%(延伸後のテンター幅と同じ幅)〜−10%(延伸後のテンター幅より10%縮める=縮幅)を指す。延伸幅以上に拡幅すると、フィルム中に残留歪が発生しやすくRe、Rthの経時変動を増大し易く好ましくない。
このような予熱、熱固定により配向角やRe、Rthのバラツキを小さくできるのは次の理由による。(i)フィルムは幅方向に延伸され、直交方向(長手方向)に細くなろうとする(ネッキング現象)。このため横延伸前後のフィルムが引っ張られ応力が発生する。しかし幅方向両端はチャックで固定されており応力により変形を受け難く、幅方向の中央部は変形を受け易い。この結果、ネッキングによる応力は弓(bow)状に変形しボーイングが発生する。これにより面内のRe、Rthむらや配向軸の分布が発生する。(ii)これを抑制するために、予熱側(延伸前)の温度を高くし、熱処理(延伸後)の温度を低くすると、ネックインはより弾性率の低い高温側(予熱)で発生し、熱処理(延伸後)では発生し難くなる。この結果、延伸後のボーイングを抑制できる。
このような延伸によりさらに、Re、Rthの幅方向、長手方向のばらつきを、いずれも5%以下、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下にできる。さらに配向角を90°±5°以下または0°±5°以下とすることができ、より好ましくは90°±3°以下または0°±3°以下、さらに好ましくは90°±1°以下または0°±1°以下とすることができる。
高速延伸処理を行ってもよく、好ましくは20m/分以上、より好ましくは25m/分以上、さらに好ましくは30m/分以上で延伸処理することができる。
第1の位相差層として利用可能なフィルムは、正の固有複屈折性を示す熱可塑性樹脂を含有する。熱可塑性樹脂は非晶性であるのが好ましい。種々の樹脂の固有複屈折については、MSDS、樹脂スペック表、高分子データベース等に記載があるので、それを参照することができる。また、いずれの書籍等にも記載されていない場合は、プリズムカップリング法に従って、測定することができる。また、本発明では、「非晶性樹脂」とは、該樹脂を製膜したフィルムについての熱分析測定を行った場合に、結晶融解ピークがないものをいう。上記性質を満足する限り、樹脂の種類については特に制限はない。熱可塑性樹脂の例には、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリエステル類、及びポリカーボネート類が含まれる。溶融押出し法を利用して作製する場合は、溶融押出し成形性が良好な材料を利用するのが好ましく、その観点では、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類を選択するのが好ましい。1種の当該樹脂を含有していてもよいし、互いに異なる2種以上の当該樹脂を含有していてもよい。中でも、セルロースアシレート類、及び付加重合によって得られた環状オレフィン樹脂が好ましい。
前記環状オレフィン共重合体類の例には、ノルボルネン系化合物の重合により得られた樹脂が含まれる。開環重合及び付加重合のいずれの重合方法によって得られる樹脂であってもよい。
付加重合及びそれにより得られる樹脂としては、例えば、特許3517471号公報、特許3559360号公報、特許3867178号公報、特許3871721号公報、特許3907908号公報、特許3945598号公報、特表2005−527696号公報、特開2006−28993号公報、特開2006−11361公報、国際公開WO第2006−/004376号公報、国際公開WO第2006−/030797号公報パンフレットに記載されているものが挙げられる。中でも、特許3517471号公報に記載のものが特に好ましい。
開環重合及びそれにより得られる樹脂としては、国際公開WO98第98/−14499号公報パンフレット、特許3060532号公報、特許3220478号公報、特許3273046号公報、特許3404027号公報、特許3428176号公報、特許3687231号公報、特許3873934号公報、特許3912159号公報に記載のものが挙げられる。中でも、国際公開WO第98−/14499号公報パンフレット、特許3060532号公報に記載のものが特に好ましい。
これらの環状オレフィンの中でも付加重合のもののほうがより好ましい。市販品を用いてもよく、特に押し出し成形時に発生するゲルを抑制しやすい、「TOPAS #6013」(Polyplastics社製)を用いることができる。
前記セルロースアシレート類の例には、セルロース単位中の3個の水酸基の少なくとも一部がアシル基で置換されたいずれのセルロースアシレートも含まれる。当該アシル基(好ましくは炭素数3〜22のアシル基)は、脂肪族アシル基及び芳香族アシル基のいずれであってもよい。中でも、脂肪族アシル基を有するセルロースアシレートが好ましく、炭素数3〜7の脂肪族アシル基を有するものがより好ましく、炭素数3〜6の脂肪族アシル基を有するものがさらに好ましく、炭素数は3〜5の脂肪族アシル基を有するものがよりさらに好ましい。これらのアシル基は複数種が1分子中に存在していてもよい。好ましいアシル基の例には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基などが含まれる。これらの中でも、さらに好ましいものは、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基から選択される1種又は2種以上を有するセルロースアシレートであり、よりさらに好ましいものは、アセチル基及びプロピオニル基の双方を有するセルロースアシレート(CAP)である。CAPは、樹脂の合成が容易であること、押し出し成形の安定性が高いこと、の点で好ましい。
溶融押出し法によりフィルムを作製する場合は、用いるセルロースアシレートは、以下の式(S−1)及び(S−2)を満足することが好ましい。以下の式を満足するセルロースアシレートは、融解温度が低く、融解性が改善されているので、溶融押出し製膜性に優れる。
式(S−1) 2.5≦X+Y≦3.0
式(S−2) 1.25≦Y≦3.0
式中、Xはセルロースの水酸基に対するアセチル基の置換度を表し、Yはセルロースの水酸基に対するアシル基の置換度の総和を表す。本明細書でいう「置換度」とは、セルロースの2位、3位および6位のぞれぞれの水酸基の水素原子が置換されている割合の合計を意味する。2位、3位および6位の全ての水酸基の水素原子がアシル基で置換された場合は置換度が3となる。
さらに、下記式を満足するセルロースアシレートを用いるのがより好ましく、
2.6≦X+Y≦2.95
2.0≦Y≦2.95
下記式を満足するセルロースアシレートを用いるのがさらに好ましい。
2.7≦X+Y≦2.95
2.3≦Y≦2.9
セルロースアシレート類の質量平均重合度及び数平均分子量については特に制限はない。一般的には、質量平均重合度が350〜800程度、及び数平均分子量が70000〜230000程度である。前記セルロースアシレート類は、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。工業的に最も一般的な合成方法では、綿花リンタや木材パルプなどから得たセルロースをアセチル基及び他のアシル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)又はそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。前記式(S−1)及び(S−2)を満足するセルロースアシレートの合成方法としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)7〜12頁の記載や、特開2006−45500号公報、特開2006−241433号公報、特開2007−138141号公報、特開2001−188128号公報、特開2006−142800号公報、特開2007−98917号公報記載の方法を参照することができる。
前記ポリエステル類の例には、環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂が挙げられ、特にジカルボン酸単位とジオール単位とを含みジオール単位中の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂が、複屈折が小さく本発明で好ましく使用される。
第1の位相差層に利用されるポリマーフィルムは、上記熱可塑性樹脂以外の材料を含有していてもよいが、上記熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を主成分(組成物中の全材料中、最も含有割合の高い材料を意味し、当該樹脂を2種以上含有する態様では、それらの合計の含有割合が、他の材料のそれぞれの含有割合より高いことを意味する)として含有しているのが好ましい。上記熱可塑性樹脂以外の材料としては、種々の添加剤が挙げられ、その例には、安定化剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、可塑剤、微粒子、及び光学調整剤が含まれる。
安定化剤:
本発明の光学フィルムは、安定化剤の少なくとも一種を含有していてもよい。安定化剤は、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融する前に又は加熱溶融時に添加することが好ましい。安定化剤は、フィルム構成材料の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジカル種基因の分解反応を抑制または禁止する等の作用がある。安定化剤は、解明されていない分解反応などを含む種々の分解反応によって、着色や分子量低下等の変質及び揮発成分の生成等が引き起こされるのを抑制するのに有用である。樹脂を製膜するための溶融温度においても安定化剤自身が分解せずに機能することが求められる。安定化剤の代表的な例には、フェノール系安定化剤、亜リン酸系安定化剤(フォスファイト系)、チオエーテル系安定化剤、アミン系安定化剤、エポキシ系安定化剤、ラクトン系安定化剤、アミン系安定化剤、金属不活性化剤(スズ系安定化剤)などが含まれる。これらは、特開平3−199201号公報、特開平5−1907073号公報、特開平5−194789号公報、特開平5−271471号公報、特開平6−107854号公報などに記載があり、本発明ではフェノール系や亜リン酸系安定化剤の少なくとも一方以上を用いることが好ましい。フェノール系安定化剤の中でも、特に分子量500以上のフェノール系安定化剤を添加することが好ましい。好ましいフェノール系安定化剤としては、ヒンダードフェノール系安定化剤が挙げられる。
これらの素材は、市販品として容易に入手可能であり、下記のメーカーから販売されている。チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社から、Irganox 1076、Irganox 1010、Irganox 3113、Irganox 245、Irganox 1135、Irganox 1330、Irganox 259、Irganox 565、Irganox 1035、Irganox 1098、Irganox 1425WL、として入手することができる。また、旭電化工業株式会社から、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80として入手できる。さらに、住友化学株式会社から、スミライザーBP−76、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、として入手できる。また、シプロ化成株式会社からシーノックス326M、シーノックス336B、としても入手することが可能である。
また、上記の亜リン酸系安定化剤としては、特開2004−182979号公報の[0023]〜[0039]に記載の化合物をより好ましく用いることができる。亜リン酸エステル系安定化剤の具体例としては、特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報に記載の化合物を挙げることができる。さらに、その他の安定化剤としては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)17頁〜22頁に詳細に記載されている素材を好ましく用いることができる。
上記亜リン酸エステル系安定化剤は、高温での安定性を保つために高分子量であることが有用であり、分子量500以上であり、より好ましくは分子量550以上であり、特には分子量600以上が好ましい。さらに、少なくとも一置換基は芳香族性エステル基であることが好ましい。また、亜リン酸エステル系安定化剤は、トリエステルであることが好ましく、リン酸、モノエステルやジエステルの不純物の混入がないことが望ましい。これらの不純物が存在する場合は、その含有量が5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であり、特には2質量%以下である。これらは、特開2004−182979号公報の[0023]〜[0039]に記載の化合物などを挙げることが、さらに特開昭51−70316号公報、特開平10−306175号公報、特開昭57−78431号公報、特開昭54−157159号公報、特開昭55−13765号公報に記載の化合物も挙げることができる。亜リン酸エステル系安定化剤の好ましい具体例として下記の化合物を挙げることができるが、本発明で用いることができる亜リン酸エステル系安定化剤はこれらに限定されるものではない。
これらは、旭電化工業株式会社からアデカスタブ1178、同2112、同PEP−8、同PEP−24G、PEP−36G、同HP−10として、またクラリアント社からSandostab P−EPQとして市販されており、入手可能である。更に、フェノールと亜リン酸エステルを同一分子内に有する安定化剤も好ましく用いられる。これらの化合物については、さらに特開平10−273494号公報に詳細に記載されており、その化合物例は、前記安定化剤の例に含まれるが、これらに限定されるものではない。代表的な市販品として、住友化学株式会社から、スミライザーGPがある。これらは、住友化学株式会社から、スミライザーTPL、同TPM、同TPS、同TDPとして市販されている。旭電化工業株式会社から、アデカスタブAO-412Sとしても入手可能である。
前記安定化剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択される。好ましくは、熱可塑性樹脂の質量に対して、安定化剤の添加量は0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜3質量%であり、さらに好ましくは0.01〜0.8質量%である。
紫外線吸収剤:
本発明の光学フィルムは、1種または2種以上の紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤は、劣化防止の観点から、波長380nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、透明性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロース混合エステルに対する不要な着色が少ないことから好ましい。これらは、特開昭60−235852号、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号、同6−118233号、同6−148430号、同7−11056号、同7−11055号、同7−11056号、同8−29619号、同8−239509号、特開2000−204173号の各公報に記載がある。
紫外線吸収剤の添加量は、熱可塑性樹脂の0.01〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
光安定化剤:
本発明の光学フィルムは、1種または2種以上の光安定化剤を含有していてもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)化合物が挙げられ、より具体的には、米国特許第4,619,956号明細書の第5〜11欄及び米国特許第4,839,405号明細書の第3〜5欄に記載されているように、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、またはそれらの酸付加塩もしくはそれらと金属化合物との錯体が含まれる。これらは、旭電化からアデカスタブLA−57、同LA−52、同LA−67、同LA−62、同LA−77として、またチバ・スペシャリティーケミカルズ社からTINUVIN 765、同144として市販されている。
これらのヒンダードアミン系光安定化剤は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらヒンダードアミン系光安定化剤は、勿論、可塑剤、安定化剤、紫外線吸収剤等の添加剤と併用してもよいし、これらの添加剤の分子構造の一部に導入されていてもよい。その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で決定され、一般的には、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部程度であり、好ましくは0.02〜15質量部程度、特に好ましくは0.05〜10質量部程度である。光安定か剤は、熱可塑性樹脂組成物の溶融物を調製するいずれの段階で添加してもよく、例えば、溶融物調製工程の最後に添加してもよい。
可塑剤:
本発明の光学フィルムは、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤の添加は、機械的性質向上、柔軟性を付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点において好ましい。また、本発明の光学フィルムを溶融製膜法で製造する場合は、用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも、可塑剤の添加によりフィルム構成材料の溶融温度を低下させることを目的として、または無添加の熱可塑性樹脂よりも同じ加熱温度において粘度を低下させることを目的として、添加されるであろう。本発明の光学フィルムには、例えばリン酸エステル誘導体、カルボン酸エステル誘導体から選択される可塑剤が好ましく用いられる。また、特開2003−12859号に記載の重量平均分子量が500以上10000以下であるエチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマー、アクリル系ポリマー、芳香環を側鎖に有するアクリル系ポリマーまたはシクロヘキシル基を側鎖に有するアクリル系ポリマーなども好ましく用いられる。
微粒子:
本発明の光学フィルムは、微粒子を含有していてもよい。微粒子としては、無機化合物の微粒子や有機化合物の微粒子が挙げられ、いずれでもよい。本発明における熱可塑性樹脂に含まれる微粒子の平均一次粒子サイズは、ヘイズを低く抑えるという観点から5nm〜3μmであることが好ましく、5nm〜2.5μmであることがより好ましく、10nm〜2.0μmであることが更に好ましい。ここで、微粒子の平均一次粒子サイズは、熱可塑性樹脂を透過型電子顕微鏡(倍率50万〜100万倍)で観察し、粒子100個の一次粒子サイズの平均値を求めることにより決定する。微粒子の添加量は、熱可塑性樹脂に対して0.005〜1.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.02〜0.4質量%である。
光学調整剤:
本発明の光学フィルムは、光学調整剤を含有していてもよい。光学調整剤としてはレターデーション調整剤を挙げることができ、例えば、特開2001−166144号、特開2003−344655号、特開2003−248117号、特開2003−66230号各公報記載のものを使用することができる。光学調整剤を添加することによって、面内のレターデーション(Re)、厚み方向のレターデーション(Rth)を制御することができる。好ましい添加量は0〜10質量%であり、より好ましくは0〜8質量%、さらに好ましくは0〜6質量%である。
第2の位相差層:
図1、図2の態様ともに第2の位相差層は、配向状態に固定された液晶化合物の分子を含有する層である。第2の位相差層のRe(550)は、26〜50nmであり、及びRth(550)は、60〜120nmであるのが好ましい。
第2の位相差層の作製に利用可能な液晶化合物の例には、棒状液晶化合物及び円盤状液晶化合物の双方が含まれる。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。これらの棒状液晶性化合物の固定は、棒状液晶性化合物の末端構造に重合性基を導入(後述の円盤状液晶と同様)し、この重合・硬化反応を利用して行われている。具体例としては、重合性ネマチック棒状液晶化合物を紫外線硬化した例が特開2006−209073号公報に記載されている。また、上述の低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。高分子液晶性化合物は、以上のような低分子液晶性化合物に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性化合物を用いた光学補償シートについては、特開平5−53016号公報等に記載がある。
第2の位相差層の作製に使用可能な円盤状(ディスコティック)液晶化合物の例には、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
円盤状液晶化合物の分子としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子または分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶化合物を含有する組成物から形成する位相差層は、最終的に位相差層に含まれる状態で液晶性を示す必要はない。例えば、熱や光で反応する基を有する低分子の円盤状液晶性分子を、加熱又は光照射により重合反応等させて、高分子量化すると、液晶性を失うが、かかる高分子量化された化合物を含む位相差層も、もちろん本発明に利用することができる。円盤状液晶化合物の好ましい例には、特開平8−50206号公報に記載されている化合物が含まれる。また、円盤状液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
円盤状液晶性分子を重合により固定するためには、円盤状液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことができる。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜「0168」記載の化合物等が挙げられる。
前記位相差層の形成には、液晶化合物と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー等の添加剤を併用してもよい。これらの添加剤は、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上すること等、種々の目的で添加されるであろう。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、液晶性化合物に対して一般に1〜50質量%の範囲にあり、5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
使用可能なポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましい。
円盤状液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
位相差層は、液晶性分子および必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、表面、好ましくは配向膜の表面、に塗布することで形成できる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、従来公知の方法により実施でき、前記の配向膜で記載の内容のものが挙げられる。
位相差層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがさらに好ましく、1〜10μmであることがよりさらに好ましい。
配向させた液晶性分子を、配向状態を維持して固定することができる。配向状態の固定は、重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2の範囲にあることが好ましく、20〜5000mJ/cm2の範囲にあることがより好ましく、100〜800mJ/cm2の範囲にあることがさらに好ましい。また、光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
第2の位相差層は、硬化性液晶組成物を所望の配向状態にした後、硬化させて形成される層である。例えば、重合性液晶を配向膜の配向処理面に塗布し、その配向処理の方向(一般的にはラビング軸)に沿って配向させて、その配向状態に固定することで作製できる。一例として、ディスコティック液晶分子を、いわゆるハイブリッド配向状態、で固定して形成される位相差層が挙げられる。ハイブリッド配向では、円盤状液晶性分子の長軸(円盤面)と層面との角度が、層の深さ方向で、且つ配向膜面からの距離の増加と共に増加または減少している。角度は、距離の増加と共に減少することが好ましい。さらに、角度の変化としては、連続的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的増加と連続的減少を含む変化、あるいは、増加及び減少を含む間欠的変化が可能である。間欠的変化は、厚さ方向の途中で当該角度が変化しない領域を含んでいる。本明細書では、「ハイブリッド配向」には、当該角度が変化しない領域を含んでいても、全体として増加または減少している配向状態も含むものとする。当該角度が連続的に変化しているハイブリッド配向が好ましい。
位相差層中の液晶性分子の長軸の平均方向は、一般に、位相差層の形成に利用する液晶又は配向膜の材料を選択することにより、またはラビング処理方法の条件を選択することにより、調整することができる。また、位相差層中の表面側(空気側)の液晶性分子の長軸(円盤面)方向は、一般に、位相差層の形成に用いる液晶性分子と共に使用する添加剤(例えば、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー及びポリマーなど)の種類を選択することにより調整することができる。長軸の配向方向の変化の程度も、上記と同様に、液晶性分子と添加剤との選択により調整できる。
光学補償フィルム:
上記した通り、第1位相差層を支持体として、その上に第2の位相差層を塗布により形成し、光学補償フィルムを作製することができる。本発明の液晶表示装置には、この光学補償フィルムを使用することができる。
偏光板:
上記光学補償フィルムを、偏光膜と貼合して、偏光板を作製することができる。本発明の液晶表示装置には、この偏光板を使用することができる。例えば、偏光膜の一方の表面の保護フィルムとして、前記光学補償フィルムを貼合してもよい。光学補償フィルム中、第1の位相差層であるポリマーフィルムの表面と、偏光膜の表面とを貼合するのが好ましい。偏光膜には、例えば、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素にて染色し、延伸を行うことによって得られる偏光膜などが用いられる。偏光膜の他方の表面にも保護フィルムが貼り付けられているのが好ましく、かかる保護フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム、環状ポリオレフィン系ポリマーフィルム等、従来偏光板の保護フィルムとして用いられている種々のフィルムを利用することができる。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
1. 第1の位相差層用ポリマーフィルムの作製
・ 環状オレフィン共重合体
環状オレフィン共重合体として、Polyplastics社製の「TOPAS#6013」のペレットを用いた。なお、「TOPAS#6013」は、正の固有複屈折性であり、非晶性熱可塑性樹脂であることは、上記方法により確認した。また、当該樹脂のガラス転移点は136℃であった。
・ セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)
セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)を特開2006−348123の実施例1に記載の方法に従って製造し、これを常法に従ってペレット化した。なお使用したCAPの組成は、アセチル化度0.15、プロピオニル化度2.60、全アシル置換度2.75、数平均重合度DPn=118で、正の固有複屈折性を示し、非晶性熱可塑性樹脂であることは、上記方法により確認した。また、当該樹脂のガラス転移点は137℃であった。
・ 第1の位相差層用ポリマーフィルムの作製
上記2種のペレットを、下記表1中に示す成形温度で溶融押出し、下記表1に示す直径及び周速比で駆動されている2つのロール(タッチロールとチルロール)間を通過させて、フィルムを作製した。さらに、下記表に示す延伸倍率で、横延伸を行った。なお2つのロールの表面温度をコントロールして、それぞれ下記表に示す温度に設定した。
また、得られたフィルム1〜5の、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持っていたが、フィルム6はレターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に対称であった。また、各フィルムの屈折率楕円体の主軸のフィルム面法線方向に対する傾斜角度、Re(550)、及びRth(550)についても、上述の方法で測定した。それらの値を下記表2に示す。
Figure 2010054782
Figure 2010054782
2. 第2の位相差層の形成(光学補償フィルムの作製)
上記で作製した各フィルムの上に、以下の方法により円盤状液晶組成物からなる位相差層(D層)を形成し、光学補償フィルム1〜8をそれぞれ作製した。
・ 円盤状液晶組成物からなる位相差層(D層)の形成方法
204.0質量部のメチルエチルケトンに、下記のディスコティック化合物91質量部、エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)9質量部、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.5質量部、光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)3質量部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1質量部を溶解して塗布液を調製した。
配向膜上に塗布液を、#3.2のワイヤーバーで5.52ml/m2塗布した。これを金属の枠に貼り付けて、130℃の恒温槽中で2分間加熱し、ディスコティック化合物を配向させた。
次に、90℃で120W/cm高圧水銀灯を用いて、4分間紫外線照射しディスコティック化合物を重合させた。その後、室温まで放冷した。このようにして、D層を形成し、光学補償フィルムを得た。
D層形成時の塗布液の塗布量をかえることによって、又は塗布液中の組成をかえることによって、下記表に示す、種々の光学特性のD層を形成した。なお、形成したいずれのD層においても、円盤状液晶の分子はハイブリッド配向状態に固定されていた。このことは、下記表中に示す通り、D層の層面に対して法線方向から+40°傾斜させた方向から光を入射して測定した値R[+40°]と−40°傾斜させた方向から光を入射して測定した値R[−40°]とが等しくないことにより確認した。
Figure 2010054782
3. 偏光板の作製
上記で作製した各光学補償フィルムを用いて偏光板を作製した。具体的には、以下の通りである。
まず、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの一方の表面に、表3中に記載の各光学補償フィルムを貼合し(但し、第1の位相差層であるフィルムの裏面(第2の位相差層を形成していない側の表面)と偏光フィルムの表面とを貼り合せた)、他方の表面に、80μmのフジタック(富士フィルム社製)を貼合した。この様にして、光学補償フィルム1〜8を保護フィルムとしてそれぞれ有する偏光板PL1〜PL8をそれぞれ2枚ずつ作製した。
なお、偏光板PL1〜PL4、及びPL6〜PL8のいずれについても、フィルムの面内遅相軸と偏光フィルムの吸収軸を直交とした。
一方、偏光板PL5では、フィルムの面内遅相軸を偏光フィルムの吸収軸と略45°で交差させた。
4. 液晶表示装置の作製
4.−1 TNモード液晶表示装置の作製
TNモード液晶セルとして、正の誘電率異方層を持つ液晶材料を基板間に真空注入で封入し、液晶層のΔn・dが400nmである液晶セルを準備した。液晶材料は誘電異方性が正で、屈折率異方性、Δn=0.0854(589nm、20°C)、Δε=+8.5程度の液晶を使用した。また、液晶セルのツイスト角は90°であり、後で上下偏光板と貼り合わせる際に、液晶セルの上下基板ラビング方向が、偏光板吸収軸と略平行又は略直交とした。また、上下偏光板吸収軸の交差角は概略90°の直交ニコルとした。
このTNモード液晶セルの上下に、作製した偏光板PL1〜PL4、及びPL6〜PL8のそれぞれを1枚ずつ、表3中の各光学補償フィルムを液晶セル側にして貼合し、液晶表示装置LCD1〜LCD4、及びLCD6〜PLC8をそれぞれ作製した。なお、各液晶表示装置において、液晶セル基板のラビング方向と偏光フィルム(当該セル基板により近い側に配置される偏光膜)の吸収軸とを平行とした。
なお、LCD1〜LCD4では、第1の位相差層用のフィルム1〜4の傾斜方位におけるレターデーションが法線方向から傾斜した場合のレターデーションが減少する方位と、その光学補償フィルムを配置した側のセル基板のラビング方向とを略平行にして配置した。
4.−2 ECBモード液晶表示装置の作製
ECBモード液晶セルとして、正の誘電率異方層を持つ液晶材料を基板間(セルギャップは3.5μm)に滴下注入で封入し、液晶層のΔn・dを300nmである液晶セルを準備した。液晶材料は誘電異方性が正で、屈折率異方性、Δn=0.0854(589nm、20°C)、Δε=+8.5程度の液晶(例えばメルク社製のMLC−9100)を使用した。また、液晶セルの交差角(上下基板内面に施されたラビング処理の方向の交差角)を0°とし、偏光板の吸収軸は、液晶セルの配向方向(ラビング方向)と概略45°交差し、かつ上下偏光板吸収軸の交差角は概略90°の直交ニコルとした。
このECBモード液晶セルの上下に、作製した偏光板PL5を1枚ずつ、表3中の各光学補償フィルムを液晶セル側にして貼合し、液晶表示装置LCD5を作製した。
なお、LCD5では、第1の位相差層用のフィルム5の傾斜方位におけるレターデーションが法線方向から傾斜した場合のレターデーションが減少する方位とその光学補償フィルムを配置した側のセル基板のラビング方向とを、略平行にして配置した。
下記表に、LCD1〜8について、用いた液晶セルの種類及びΔn・dの値、光学補償フィルムの種類、ならびに白黒コントラスト比が10を超える視野角特性(コントラスト視野角特性)の評価結果を示す。なお、コントラスト視野角特性は、比較例用の光学補償フィルム8を利用したLCD8のコントラスト比10を超える視野角を基準として、LCD1〜7の同視野角をそれぞれ規格化して評価した。
「◎」は、上下左右の視野角(CR>10)が全て60°以上、
「○」は、上下左右の視野角(CR>10)が全て40°以上、
「×」は、上下左右の視野角(CR>10)に40°未満が存在すること
を意味する。
Figure 2010054782
上記表に示す結果から、本発明の実施例のTNモード液晶表示装置LCD1〜4、及びECBモード液晶表示装置LCD5は、いずれも、第1の位相差層として利用したフィルムが所定の要件を満足していない比較例のLCD7、及び円盤状液晶組成物からなる第2の位相差層を有しない比較例のLCD6と比較して、いずれも視野角特性に優れていることが理解できる。
本発明の液晶表示装置の一例の構成を示す模式図である。 本発明の液晶表示装置の他の例の構成を示す模式図である。 位相差層の光学特性の定義を説明するために用いた模式図である。
符号の説明
10、10’ 液晶表示装置
12 液晶層
14、16 セル基板
14a、16a 基板内面に施された配向処理方向
18、20 偏光層
18a、20a 偏光層の吸収軸
22、22’、24、24’ 第1の位相差層
22a、22’a、24a、24’a 第1の位相差層の面内遅相軸
22b、22’b、24b、24’b 第1位相差層の搬送(MD)方向
26、28 第2の位相差層
26a、28a 第2の位相差層の面内遅相軸
LC 液晶セル
F1、F1’、F2、F2’ 光学補償フィルム
PL1、PL1’、Pl2、PL2’ 偏光板

Claims (13)

  1. 互いの吸収軸を直交して配置される一対の偏光層;
    該一対の偏光層の間に、互いに対向して配置され且つ少なくとも一方が透明電極を有する第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された液晶層とを有する液晶セル;
    前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第1の位相差層;及び
    前記一対の偏光層の少なくとも一方と前記液晶セルとの間に第2の位相差層;を有する液晶表示装置であって、
    前記第1の位相差層が、層面の法線を含む少なくとも一の入射面の入射光に対して、レターデーションの極角依存性が法線方向(極角0°)を中心に非対称性を持ち、及び前記第2の位相差層が、配向状態に固定された液晶化合物の分子を含有する層であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1の位相差層が、屈折率楕円体の主軸が厚み方向において傾斜しているフィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1の位相差層が、フィルム面法線方向に対する屈折率楕円体の主軸の傾斜角度θtが、0<θt≦35°を満足するフィルムからなることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1の位相差層の、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、0nm<Re(550)≦110nmであり、及び同波長における主軸厚み方向のレターデーションRth(550)が、0nm<Rth(550)≦200nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1の位相差層が、環状オレフィン共重合体類、セルロースアシレート類、ポリエステル類、及びポリカーボネート類から選択される少なくとも1種を含むフィルムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第1の位相差層が、熱可塑性樹脂を含有する組成物のフィルム状の溶融物を、周速が互いに異なる2つのロール間を通過させることにより製造されたフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1の位相差層が、延伸処理されたフィルムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. 前記第2の位相差層が、膜厚方向にハイブリッド配向した状態に固定されたディスコティック液晶及び棒状液晶のいずれかを少なくとも含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  9. 前記第2の位相差層が、液晶性モノマーを含有する組成物を重合して形成される層であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 前記第1の位相差層上に、前記第2の位相差層が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1の位相差層の面内遅相軸と、前記第1の位相差層により近くに位置する偏光層の吸収軸とが、平行又は直交であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  12. 前記液晶層の厚さdと複屈折率Δnの積であるΔn・dが、下記関係式(I)を満足す
    ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置:
    (I) 200nm≦Δn・d≦500nm。
  13. 駆動電圧非印加状態において、前記液晶層中、液晶分子が基板面に平行配向して、前記第1及び第2の基板間のツイスト角が0〜135°であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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