JP2015218329A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面への含有成分の移行及び析出を抑制した樹脂成形体が得られる樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】セルロースエステル樹脂と、可塑剤を1phr以上50phr以下と、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤を5phr以上40phr以下と、を含み、前記可塑剤、及び前記難燃剤の合計量が、6phrを超える樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。特に家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されたり、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
近年地球規模での環境問題に対して、植物由来の樹脂の利用は、温室効果ガス排出量を低減し得る材料として大きな期待が寄せられている。従来から知られている植物由来の樹脂の一つに、セルロース誘導体がある。セルロース誘導体は、従来、塗料としての用途や、繊維としての用途では、広く利用されているが、セルロース誘導体の樹脂成形体への利用に際しては、まだ用いられている例は少ない。
例えば、セルロースエステル、可塑剤(リン酸エステル(特に、芳香族リン酸エステル)等)、及び、縮合リン酸エステル(レゾルシノールビス(ジアルキルフェニルホスフェート)等)を含むセルロースエステル系樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、セルロースエステルと、可塑剤(リン酸エステル、フタル酸エステル等)と、炭化水素基を有するケテンダイマー類(C8−30アルキル−ケテンダイマー類等)、及び炭化水素基を有する無水コハク酸類(β−C8−30アルケニル−無水コハク酸類等)から選択された少なくとも1種のブリードアウト抑制剤とでセルロースエステル系樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2006−176596号公報 特開2006−299012号公報
本発明の課題は、表面への含有成分の移行及び析出(以下「ブリード」とも称する)を抑制した樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
請求項1に係る発明は、
セルロースエステル樹脂と、
可塑剤を1phr以上50phr以下と、
4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤を5phr以上40phr以下と、
を含み、
前記可塑剤、及び前記難燃剤の合計量が、6phrを超える樹脂組成物。
請求項2に係る発明は、
前記可塑剤と前記難燃剤との質量比(前記可塑剤/前記難燃剤)が、1/50以上70/30以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
セルロースエステル樹脂と、
可塑剤を1phr以上50phr以下と、
4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤を5phr以上40phr以下と、
を含み、
前記可塑剤、及び前記難燃剤の合計量が、6phrを超える樹脂成形体。
請求項4に係る発明は、
前記可塑剤と前記難燃剤との質量比(前記可塑剤/前記難燃剤)が、1/50以上70/30以下である請求項3に記載の樹脂成形体。
請求項1に係る発明によれば、難燃剤として、後述する構造式(P)で示される芳香族縮合リン酸エステルを含む場合に比べ、ブリードを抑制した樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、可塑剤と難燃剤との質量比が上記範囲外の場合に比べ、ブリードを抑制した樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、難燃剤として、後述する構造式(P)で示される芳香族縮合リン酸エステルを含む場合に比べ、ブリードを抑制した樹脂成形体を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、可塑剤と難燃剤との質量比が上記範囲外の場合に比べ、ブリードを抑制した樹脂成形体を提供できる。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の一例である実施形態について説明する。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースエステル樹脂と、可塑剤と、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤(以下「特定の難燃剤」とも称する)と、を含む組成物である。
そして、セルロースエステル樹脂に対し、可塑剤の含有量を1phr以上50phr以下とし、特定の難燃剤の含有量を5phr以上40phr以下とする。但し、可塑剤及び難燃剤の合計の含有量は、6phr超え(好ましくは8phr以上40phr以上)とする。
なお、「phr」とは、「per hundred resin」の略であり、ベース樹脂(本実施形態ではセルロースエステル樹脂)100質量部に対する「質量部」である。
まず、可塑剤、及び難燃剤等の成分(以下「添加剤」とも称する)を含む樹脂成形体では、ブリードが生じることがある。このブリードが生じると、製品外観損傷のみならず、周辺機器の劣化の誘因となる。ブリードとは、ベース樹脂中で過飽和状態となった添加剤が熱等の環境変化、又は経時変化で表面に移行及び析出することである。
特に、セルロースエステル樹脂をベース樹脂とする樹脂成形体では、セルロースエステル樹脂に対して添加剤(特に難燃剤)の分散性が低く、添加剤のブリードが生じやすいのが現状である。その理由は、セルロースエステル樹脂の置換基として有する酢酸、及びプロピオン酸の極性が高いためである。
これに対して、本実施形態に係る樹脂組成物では、セルロースエステル樹脂に、可塑剤、及び特定の難燃剤を上記範囲の含有量で含めると、セルロースエステル樹脂に対する添加剤(特に難燃剤)の分散性が高まることを見出した。これにより、セルロースエステル樹脂をベース樹脂とする樹脂成形体において、ブリードが抑制される。これに加え、樹脂組成物の可塑性も高まることも見出した。
また、従来、樹脂成形体のUL−94規格の難燃性は、HB〜5VBまでの等級分けと厚みによる規定がある。ここでの対象は、難燃性のV−2以上である。特に、OA(Office Automation)機器に関しては、ISO60950による部品の難燃性規定があり、V−2以上の難燃性を求める部品がほとんどである。その難燃性は、一般的に樹脂に難燃剤を混合することで得られるが、樹脂に対する難燃剤の分散性によって難燃性が異なる。
この点、本実施形態に係る樹脂組成物は、得られる樹脂成形体の難燃性が高まりやすい。その理由としては、特定の難燃剤自身の難燃効果が高いことが挙げられる。これに加え、樹脂成形体中での特定の難燃剤の分散状態が良く、特定の難燃剤による難燃効果を発揮すると考えられるためである。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物は、更に樹脂組成物は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂からなる樹脂成形体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂とポリカーボネート樹脂とからなる樹脂成形体等と同等の耐衝撃性、自立形状保持性(これを実現するための弾性率)、荷重たわみ温度等の機械的特性、及び湿熱特性を持つ樹脂成形体が得られる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、透明性も高いことから、着色剤による着色性に優れた樹脂成形体も得られる。
本実施形態に係る樹脂組成物において、可塑剤と難燃剤との質量比(可塑剤/難燃剤)は、1/50以上70/30以下が好ましく、1/40以上65/35以下がより好ましく、1/40以上60/40以下が更に好ましい。
可塑剤と難燃剤との質量比を上記範囲にすると、よりブリードが抑制された樹脂成形体が得られやすくなる。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の各成分の詳細について説明する。
(セルロースエステル樹脂)
セルロースエステル樹脂は、樹脂組成物のベース樹脂である。
セルロースエステル樹脂としては、例えば、セルロースアセテート類が好適に挙げられ、具体的には、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートメチレート、セルロースアセテートヒドロキシエチレート、セルロースアセテートヒドロキシプロピレート、セルロースブチレートヒドロキシプロピレート、セルロースジアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、加工性の観点から、特にセルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースジアセテート(DAC)がよい。
セルロースエステル樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、10000以上1000000以下が好ましく、150000以上200000以下がより好ましい。
この重量平均分子量を上記範囲にすると、樹脂組成物の流動性が適切となり、成形性が高まりやすくなる。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー装置(島津製作所製Prominence GPC型)を用い、測定カラムにはShim−pack GPC−80Mを使用して測定された値である。以下、同様である。
セルロースエステル樹脂の含有量は、100phrである。ベース樹脂としてセルロースエステル樹脂を含むことにより、樹脂組成物(その樹脂成形体)が日本バイオプラスチック協会による「グリーンプラ」又は「バイオマスプラ」識別表示制度の認証が得られる。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、アジベート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
アジベート系可塑剤としては、例えば、ベンジル−2−(2−メトキシエトキシ)エチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ベンジオクチルアジペート、ジブチルアジペート、ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ(オクチル、デシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソオクチルアジペート、高級アルコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジノルマルアルキルアジペート、アルキルエーテルジエステルアジペート、ジブトキシエチルアジペート、ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート、ジ(ヘキシルオクイルデシル)アジペート等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ポリ(1,3−ブタンジオールアジペート)、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエステルセバケート、ポリエステルフタレート等が挙げられる。
可塑剤としては、その他、フタル酸、テトラヒドロフタル、アゼライン、ドデカン、フマル酸、ピロメリット酸、イタコン酸、リシノール酸、その他脂肪酸、リン酸、モノエステル、グリセリン、エポキシ、イソフタル酸、セバシン酸、マレイン酸、トリメリット酸、クエン酸、オレイン酸、ステアリン酸、スルホン酸、グルタールサン、グリコール、パラフィンなどの誘導体等の周知の可塑剤も挙げられる。
これら可塑剤の中でも、得られる樹脂成形体の可塑性の点から、アジベート系可塑剤(特に、ベンジル−2−(2−メトキシエトキシ)エチルアジペート等のアジピン酸のジエステル化合物)がよい。
可塑剤の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、300以上3000以下が好ましく、500以上2500以下がより好ましい。
可塑剤の重量平均分子量を上記範囲にすると、樹脂組成物の流動性が適切となり、また、成形加工時に可塑剤のガス化が抑制され、成形性が高まりやすくなる。
可塑剤の含有量は、1phr以上50phr以下であり、好ましくは1phr以上45phr以下、より好ましくは1phr以上40phr以下である。
可塑剤の含有量を上記範囲にすると、得られる樹脂成形体のブリードが抑制される。また、得られる成形体の難燃性、機械的特性、及び湿熱特性も高まりやすくなる。
(難燃剤)
難燃剤としては、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルが適用される。具体的には、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルは、単量体、二量体、及び三量体があり、難燃剤としては、これら単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも一種が適用される。つまり、難燃剤としては、これら単量体、二量体、及び三量体のいずれかの単独物、又は2種以上の混合物が適用される。
特定の難燃剤の残留触媒量は、10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましい。ただし、残留触媒量の下限値は、残留触媒量の低減コストの点から、10ppm以上がよい。
特定の難燃剤の残留触媒量を上記範囲にすると、得られる樹脂成形体のブリードが抑制されやすくなる。また、得られる成形体の難燃性、機械的特性、及び湿熱特性も高まりやすくなる。
特定の難燃剤の残留触媒とは、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルを合成するときに使用する触媒が残留したものである。残留する触媒としては、例えば、HCL,アルコール、ハロゲン化アルキル(塩化メタン、塩化エタン等)、ハロゲン化金属塩(塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等)、金属酸化物、水酸化金属、過酸化レニウム等である。
この残留触媒量を上記範囲にするには、例えば、1)物理吸着法(活性炭などの多孔質材料を使用した方法)、2)抽出法(溶媒により抽出する方法)、3)沈降法(酸には塩基で沈降させる方法)を行うことがよい。
特定の難燃剤の残留触媒量は、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)により測定される値である。ICP−MSは、ICP(Inductively Coupled Plasma)によってイオン化された原子を質量分析計に導入することで、元素の同定及び定量を行う方法である。具体的には、ICP−MSは、ICPM−8500(島津製作所社製)を用いて行う。
難燃剤の含有量は、5phr以上40phr以下であり、好ましくは5phr以上35phr以下、より好ましくは5phr以上30phr以下である。
難燃剤の含有量を上記範囲にすると、得られる樹脂成形体のブリードが抑制される。また、得られる成形体の難燃性、機械的特性、及び湿熱特性も高まりやすくなる。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の他、その他の成分を含んでもよい。
その他の成分としては、例えば、難燃助剤、加熱された際の垂れ(ドリップ)防止剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等の周知の添加剤が挙げられる。
その他の成分は、例えば、0phr以上10phr以下がよく、0phr以上5phr以下がより好ましい。ここで、「0phr」とはその他の成分を含まない形態を意味する。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物からなる。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が望ましい。本実施形態に係る樹脂組成物は、熱流動性が高く射出成形を適用し得る。射出成形のシリンダ温度は、例えば180℃以上260℃以下であり、望ましくは200℃以上250℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば30℃以上100℃以下であり、30℃以上60℃以下がより望ましい。射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[比較例101、実施例1〜8、比較例1〜8]
表1〜表2に従った成分(数量の単位は「phr」)を
2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にて、シリンダ温度190℃で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを、射出成型機(東芝機械(株)製、製品名「NEX500」)を用いて表1〜表2に記載の射出温度(シリンダ温度)、金型温度50℃で射出成型し、長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応、試験部厚さ4mm、幅10mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:0.8mm、1.6mm)を成形した。
[評価]
(透明性)
得られた樹脂組成物のペレットをプレス成型機(東洋精機(株)製 ファインラボプレス M−1)により成形し、厚み100μmの試験用シートを作製した。
その試験用シートの光透過率を、紫外・可視光分光光度計(島津製作所製UV−1800)により測定し、透明性を評価した。
なお、測定波長は550nmとした。また、表中、「−」は測定不可を示している。
(難燃性)
−UL−V試験−
Vテスト用UL試験片を用い、UL−94HB試験に規定の方法に準拠して、ULチャンバ(東洋精機(株)製)にて、UL−Vテストを実施した。結果の表示は、難燃性が高い方から順にV−0、V−1、V−2、HBであり、HBより劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合を「failure」と示した。
なお、射出成形できず、試験片を作製できなかったものは、実質上生産不可能という理由から、検討を中止した。
(機械的特性)
−引張り強さ、伸び−
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片を用い、ISO527に準拠して、評価装置(島津製作所製、精密万能試験機オートグラフAG−IS 5kN)にて、引張り強さ、及び伸びについて測定した。
−耐衝撃性−
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片にノッチ加工を施し、これを用い、JIS−K7111(2006年)に準拠して、評価装置(東洋精機(株)製DG−UB2)にて、シャルピー衝撃試験より耐衝撃性を測定した。
−荷重たわみ温度(HDT)−
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片を用い、ISO178曲げ試験に準拠して、HDT測定装置(東洋精機(株)製、HDT−3)を用にて、1.8MPaの荷重における荷重たわみ温度(℃)を測定した。
(耐湿熱性)
−湿熱試験後の耐衝撃性−
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片に対して、次のようにして湿熱試験を行った後、上記同様にして耐衝撃性を測定した。
湿熱試験は、湿熱試験機(THN042PA;ADVANTEC製)にて65℃×85%×400時間の条件で行った。
(ブリード)
ブリードについて、次の評価を行った。
剥離強度試験(JIS K5600)に用いるテープを基材に張り、その基材と水平方向にテープを引っ張る引張試験を実施した。その際の引張強さと表面状態の目視にてブリード状況を判断した。なお、試験状態の調整は、65℃×85%×500時間、サンプル放置後、実施した。
評価基準は、以下の通りである。
G1(○):ブリード状態調整前以上の引張強さ、かつ目視でのブリードなし
G2(△):ブリード状態調整前以下の引張強さ、かつ目視でのブリードなし
G3(×):目視でのブリードあり
上記結果から、本実施例1〜8では、比較例3〜4、6〜8に比べ、ブリードが抑えられていることがわかる。また、本実施例1〜8では、比較例7〜8に比べ、難燃性が高いことがわかる。
特に、本実施例3〜4、6〜8と比較例7〜8とを比較から、難燃剤としてFP800を含む本実施例では、ブリードが抑えられると共に、透明性、難燃性、機械的特性、湿熱特性が向上することがわかる。
なお、表1〜表2の材料種の詳細は、以下の通りである。
−セルロースエステル樹脂−
・CAP482: 商品名CAP482(イーストマンケミカル(株)製)、セルロースアセテートプロピオネート
・L−50: 商品名L−50(ダイセル(株)製)、セルロースジアセテートプロピオネート
−可塑剤−
・DAIFATTY−101: 商品名DAIFATTY−101(大八化学(株)製)、ベンジル−2−(2−メトキシエトキシ)エチルアジペート
−難燃剤−
・FP800(未処理品): 商品名FP800((株)ADEKA製)、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体の混合物の未処理品(残留触媒量=50ppm)
・FP800(処理品): 商品名FP800((株)ADEKA製)、4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体の混合物に触媒除去処理を施した処理品(残留触媒量=10ppm)
・PX−200: 商品名PX−200(大八化学(株)製)、下記構造式(P)で示される芳香族縮合リン酸エステル化合物

Claims (4)

  1. セルロースエステル樹脂と、
    可塑剤を1phr以上50phr以下と、
    4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤を5phr以上40phr以下と、
    を含み、
    前記可塑剤、及び前記難燃剤の合計量が、6phrを超える樹脂組成物。
  2. 前記可塑剤と前記難燃剤との質量比(前記可塑剤/前記難燃剤)が、1/50以上70/30以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. セルロースエステル樹脂と、
    可塑剤を1phr以上50phr以下と、
    4,4’−ビス(ジフェニルホスホリル)−1,1−ビフェニルの単量体、二量体、及び三量体よりなる群から選択される少なくとも1種の難燃剤を5phr以上40phr以下と、
    を含み、
    前記可塑剤、及び前記難燃剤の合計量が、6phrを超える樹脂成形体。
  4. 前記可塑剤と前記難燃剤との質量比(前記可塑剤/前記難燃剤)が1/50以上70/30以下である請求項3に記載の樹脂成形体。
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