JP6524633B2 - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents
樹脂組成物および樹脂成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6524633B2 JP6524633B2 JP2014205187A JP2014205187A JP6524633B2 JP 6524633 B2 JP6524633 B2 JP 6524633B2 JP 2014205187 A JP2014205187 A JP 2014205187A JP 2014205187 A JP2014205187 A JP 2014205187A JP 6524633 B2 JP6524633 B2 JP 6524633B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin
- resin composition
- cellulose ester
- plasticizer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
近年では植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
<1>に係る発明は、
(A)セルロースエステル樹脂と、
前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が5質量部以上10質量部以下である(B)エポキシ基含有可塑剤と、
前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が10質量部以上30質量部以下であり、前記(A)セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しない(C)非反応性可塑剤と、を含む樹脂組成物である。
前記(A)セルロースエステル樹脂が、下記一般式(1)で表されるセルロースエステル樹脂である<1>に記載の樹脂組成物である。
前記(B)エポキシ基含有可塑剤のエポキシ当量が170以上300以下である<1>または<2>に記載の樹脂組成物である。
前記(B)エポキシ基含有可塑剤として、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、およびエポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリルからなる群より選択される少なくとも一種を含む<1>〜<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
前記(C)非反応性可塑剤として、アジピン酸エステル含有化合物、およびポリエーテルエステル化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む<1>〜<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
<1>〜<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)セルロースエステル樹脂と、(B)エポキシ基含有可塑剤と、前記(A)セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しない(C)非反応性可塑剤と、を含む。
(B)エポキシ基含有可塑剤は前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が5質量部以上10質量部以下であり、(C)非反応性可塑剤は前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が10質量部以上30質量部以下である。
これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物では、(A)セルロースエステル樹脂、(B)エポキシ基含有可塑剤、および(C)非反応性可塑剤とを含み、且つ(B)エポキシ基含有可塑剤、(C)非反応性可塑剤の量を前記範囲とすることで、高温高湿環境(65℃×85%RH)下での寸法変化が抑制される。
つまり(B)エポキシ基含有可塑剤を含むことで、(B)エポキシ基含有可塑剤に含まれるエポキシ基が、セルロースエステル樹脂の末端にある水酸基およびカルボキシル基と反応し、架橋構造が形成される。この架橋構造によって樹脂成形体の変形が抑制され、高温高湿環境下においても寸法変化が抑制されるものと考えられる。
但し、可塑剤として含まれるのが(B)エポキシ基含有可塑剤のみでは、(A)セルロースエステル樹脂との相溶性が得られず、良好な分散状態が得られないものと考えられる。そのため、併せて(C)非反応性可塑剤を用いることで、(C)非反応性可塑剤の存在によりセルロースエステル樹脂の分子における水素結合が阻害され、パッキングが抑制されて、樹脂の分子間に(B)エポキシ基含有可塑剤が分散しやすくなると考えられる。その結果、前述の架橋構造が良好に形成され、寸法変化が抑制されるものと推察される。
一方、10質量部を超えると、(B)エポキシ基含有可塑剤の過多により、未反応のエポキシ基が多く発生し、その極性のため吸湿しているものと考えられ、その結果高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。また、(B)エポキシ基含有可塑剤が表面に析出する現象であるブリードが生じる。
一方、30質量部を超えると、(C)非反応性可塑剤の過多により、セルロースエステル樹脂の水酸基およびカルボキシル基と、エポキシ基含有可塑剤のエポキシ基による架橋構造形成が阻害されるものと考えられ、その結果高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。また、(C)非反応性可塑剤が表面に析出する現象であるブリードが生じる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースエステル樹脂を含有する。セルロースエステル樹脂として具体的には、例えば、一般式(1)で表されるセルロースエステル樹脂が挙げられる。
nを250以上にすると、樹脂成形体の強度が高まりやすくなる。nを750以下にすると、樹脂成形体の柔軟性の低下が抑制されやすくなる。このため、nを上記範囲にすると、樹脂成形体の引張破断エネルギー特性が更に向上する。
つまり、セルロースエステル樹脂分子中にn個あるR1は、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。同様に、n個あるR2、およびn個あるA3も、各々、全て同一でも一部同一でも互いに異なっていてもよい。
置換度を2.1以上にすると、ポリエーテルエステル化合物との親和性が高まりやすくなる。置換度を2.6以下にすると、セルロースエステル樹脂の結晶化が抑えられ、熱可塑性が発現しやすくなる。このため、置換度を上記範囲にすると、樹脂成形体の透明性および引張破断エネルギー特性が向上する。また、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、置換度とは、セルロースエステル樹脂のアシル化の程度を示す指標である。具体的には、置換度は、セルロースエステル樹脂のD−グルコピラノース単位に3個ある水酸基がアシル基で置換された置換個数の分子内平均を意味する。
重量平均分子量は、後述のポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量の測定方法と同様の方法により測定された値である。
エポキシ基含有可塑剤は、特に限定されるものではないが、エポキシ当量が170以上300以下であるものが好ましく、250以上300以下が更に好ましい。
エポキシ当量が250以上であることにより、高温高湿環境下での寸法変化をより抑制し得る。一方、エポキシ当量が300以下であることにより、可塑剤の成形体からのブリードアウトをより抑制し得るとの効果が得られる。
脂肪族系のエポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化植物油、トリエポキシグルコール、アルキレン−1,6−ジエポキシ、エポキシアジピン酸エステル、エポキシステアリン酸アルキル等が挙げられる。
エポキシ化植物油は、天然に産する植物油をエポキシ化剤で酸化させることによって得られるものであり、具体的には、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化オリーブ油等が挙げられる。
また、芳香族系のエポキシ化合物としては、例えば、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ等が挙げられる。
本実施形態における非反応性可塑剤における「非反応性」とは、前記(A)セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しないことを意味する。
セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しない可塑剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエーテルエステル化合物、アジピン酸エステル含有化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエーテルエステル化合物、アジピン酸エステル含有化合物が、高温高湿環境下での寸法変化をより抑制し得る観点でより望ましい。
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(2)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
R4が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。R4が表すアルキレン基の炭素数を10以下またはR4が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースエステル樹脂との親和性が高まりやすくなる。このため、R4が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂成形体の透明性および引張破断エネルギー特性(特に透明性)が向上する。また、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、R4が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が望ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、R4としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが望ましい。
R5が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。R5が表すアルキレン基の炭素数を10以下またはR5が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースエステル樹脂との親和性が高まりやすくなる。このため、R5が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂成形体の透明性および引張破断エネルギー特性(特に透明性)が向上する。また、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、R5が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が望ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、R5としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが望ましい。
A1、およびA2が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基;t−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
A1、およびA2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状または分岐状の炭素数1以上6以下(望ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基:直鎖状または分岐状の炭素数1以上6以下(望ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基;メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースエステル樹脂との親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂成形体の透明性および引張破断エネルギー特性が向上する。また、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HPLC1100を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースエステル樹脂への分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂成形体の透明性および引張破断エネルギー特性が向上する。また、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースエステル樹脂への分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:各々の原子または原子団の蒸発エネルギー、Δvi:各々の原子または原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、または、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
R6は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上20以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
一般式(2−1)および(2−2)中、R4およびR5が表すポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が望ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより望ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が望ましい。
xは、1以上10以下の整数を表すことが望ましい。yは、1以上10以下の整数を表すことが望ましい。
(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対して、(B)エポキシ基含有可塑剤は、5質量部以上10質量部以下で含有し、7質量部以上10質量部以下で含有することがより望ましい。 (B)エポキシ基含有可塑剤の含有量が5質量部未満であると、高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。一方、10質量部を超えると、(B)エポキシ基含有可塑剤の過多により高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。また、(B)エポキシ基含有可塑剤が表面に析出する現象であるブリードが生じる。
(C)非反応性可塑剤の含有量が10質量部未満であると、高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。一方、含有量が30質量部を超えると、(C)非反応性可塑剤の過多により高温高湿環境下での寸法変化を抑制し得ない。また、(C)非反応性可塑剤が表面に析出する現象であるブリードが生じる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。これらの成分の含有量は、樹脂組成物全体に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが望ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルフォン樹脂;ポリエーテルスルフォン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、およびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分の混合物を溶融混練することにより製造される。ほかに、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することにより製造される。溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
[混練]
表1〜表2に示す組成の材料を二軸混練装置(東芝機械製TEX41SS)に投入し、シリンダ温度を220℃以上250℃以下の範囲で混練し、樹脂組成物のペレット(以下「樹脂ペレット」と称する)を得た。なお、表1〜表2で示す組成の単位は「質量部」である。
得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX500)に投入し、バレル温度260℃に設定し、金型にISO249−3で規定される小型角板のタイプD2を用いて、成形体であるD2試験片を得た。
得られた各試験片について、次の評価を行った。結果を表1〜表2に示す。
−加工性−
前記混練の際の状態について、以下の基準により評価した。尚、B評価のものについては、後述の寸法安定性の評価は行わなかった。
A:安定して混練ができた
B:混練中に可塑剤がベント口にたまり、安定して混練できなかった
得られたD2試験片に対し、湿熱試験器「THN042PA(アドバンテック製)」にて、65℃×85%RH×72時間の条件にて湿熱試験を行った。
寸法安定性の評価は、D2試験片のTD方向(幅方向)の寸法変化(湿熱試験後/湿熱試験前)を調べ、その割合を算出した。
前記湿熱試験後の試験片について、可塑剤の表面への析出(ブリード)の発生の有無について、目視により観察した。
[(A)セルロースエステル樹脂]
・ジアセチルセルロース(1):L−50、ダイセル社製(アセチル基置換度2.5)
・ジアセチルセルロース(2):L−50(ダイセル社製)を改質してアセチル基置換度2.0としたもの
・セルロースアセテートプロピオネート:CAP482−20:イーストマンケミカル社製
・エポキシ化大豆油:O−130P、アデカ社製(エポキシ当量238)
・エポキシ化亜麻仁油:O−180A、アデカ社製(エポキシ当量175)
・エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル:E−PO、新日本理化社製(エポキシ当量290)
・フェノールノボラック型エポキシ:N−775、DIC社製(エポキシ当量190)
・ビスフェノール型(A型)エポキシ:1050、DIC社製(エポキシ当量470)
・アジピン酸エステル:Difaty101、大八化学工業社製
・ポリエーテルエステル化合物:RS−1000、アデカ社製
・酢酸エステル:トリアセチレン、大八化学工業社製
Claims (10)
- (A)セルロースエステル樹脂と、
前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が5質量部以上10質量部以下である(B)エポキシ基含有可塑剤と、
前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が10質量部以上30質量部以下であり、前記(A)セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しない、ポリエーテルエステル化合物である(C)非反応性可塑剤と、を含む樹脂組成物。 - 前記(A)セルロースエステル樹脂が、下記一般式(1)で表されるセルロースエステル樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
(一般式(1)中、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1以上3以下のアシル基を表す。nは1以上の整数を表す。) - 前記(B)エポキシ基含有可塑剤のエポキシ当量が170以上300以下である請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)エポキシ基含有可塑剤として、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、およびエポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリルからなる群より選択される少なくとも一種を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリエーテルエステル化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(一般式(2)中、R 4 、およびR 5 は、それぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。A 1 、およびA 2 はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、または炭素数7以上18以下のアラルキル基を表す。mは、1以上の整数を表す。) - 前記一般式(2)における前記R 4 は、炭素数3以上10以下のアルキレン基である請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記一般式(2)における前記R 4 は、n−ヘキシレン基である請求項5または請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記一般式(2)における前記R 5 は、炭素数3以上10以下のアルキレン基である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記一般式(2)における前記R 5 は、n−ブチレン基である請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014205187A JP6524633B2 (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014205187A JP6524633B2 (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016074795A JP2016074795A (ja) | 2016-05-12 |
JP2016074795A5 JP2016074795A5 (ja) | 2017-11-02 |
JP6524633B2 true JP6524633B2 (ja) | 2019-06-05 |
Family
ID=55950883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014205187A Expired - Fee Related JP6524633B2 (ja) | 2014-10-03 | 2014-10-03 | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6524633B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018003246A1 (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 富士フイルム株式会社 | 青果物用包装材 |
JP2019026727A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 樹脂組成物及び樹脂成形体 |
JP2019026728A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 樹脂組成物及び樹脂成形体 |
WO2021252251A1 (en) * | 2020-06-08 | 2021-12-16 | Eastman Chemical Company | Plasticized cellulose ester compositions |
JP7162366B1 (ja) | 2021-07-26 | 2022-10-28 | 株式会社 ネクアス | 酢酸セルロース組成物、及びその製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5643336A (en) * | 1979-09-14 | 1981-04-22 | Takemoto Oil & Fat Co Ltd | Flame-retarding additive for cellulose acetate |
JPS60235852A (ja) * | 1984-05-09 | 1985-11-22 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロ−スエステルフイルム |
JP3620265B2 (ja) * | 1998-02-26 | 2005-02-16 | トヨタ自動車株式会社 | 乳酸系共重合体の製造方法 |
JP2000007829A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Oji Paper Co Ltd | アセチルセルロース樹脂組成物 |
JP2003082160A (ja) * | 2001-09-10 | 2003-03-19 | Toray Ind Inc | 熱可塑化セルロースエステル組成物およびそれからなる繊維 |
US20110200809A1 (en) * | 2010-02-12 | 2011-08-18 | Eastman Chemical Company | Sulfite softwood based cellulose triacetate for lcd films |
JP5796393B2 (ja) * | 2011-07-29 | 2015-10-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
-
2014
- 2014-10-03 JP JP2014205187A patent/JP6524633B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016074795A (ja) | 2016-05-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106032413B (zh) | 树脂组合物和树脂成型制品 | |
JP6524633B2 (ja) | 樹脂組成物および樹脂成形体 | |
JP6511755B2 (ja) | 樹脂組成物および樹脂成形体 | |
JP6439356B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP2018127579A (ja) | 樹脂組成物および樹脂成形体 | |
JP2019026700A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂成形体 | |
JP6657922B2 (ja) | 樹脂組成物および樹脂成形体 | |
US9605086B2 (en) | Resin composition and resin molded article | |
US20160280885A1 (en) | Resin composition and resin molded article | |
JP2017114938A (ja) | 樹脂組成物および樹脂成形体 | |
US9725584B2 (en) | Resin composition and resin molded article | |
JP6202029B2 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂成形体 | |
US9771433B1 (en) | Resin composition, resin molded article, and method of preparing resin composition | |
CN106009049B (zh) | 树脂组合物和树脂成型体 | |
JP6524630B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP6511754B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP6524629B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP6439355B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP6569200B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP6630998B2 (ja) | 樹脂組成物、及び樹脂成形体 | |
JP2016183278A (ja) | 樹脂組成物、樹脂成形体の製造方法、及び樹脂成形体 | |
US20160280803A1 (en) | Resin composition and resin molded article | |
JP2016183282A (ja) | 樹脂組成物及び樹脂成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170921 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180822 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180911 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190409 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190422 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6524633 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |