JP3620265B2 - 乳酸系共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性および色相が良好で、多様な成形方法に対応可能な高分子量の乳酸系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自然環境保護の見地から、自然環境中で分解する生分解性ポリマーおよびその成型品が求められ、脂肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、乳酸系ポリマーはガラス転移点が60℃、融点が170〜180℃と、熱安定性が高く、しかも透明性に優れているため、現行の汎用樹脂に置き換わるものとして、用途に応じた改良・普及が待ち望まれている。一方、天然高分子由来の自然分解性樹脂として、古くからセルロースおよびセルロースエステルやセルロースエーテルなどのセルロース誘導体がフィルターや成形品などに利用されてきたが、さらに成形性を向上させた汎用樹脂として利用するための研究も活発に行われている。
【0003】
特開昭59−86621号公報、特開昭60−212422号公報には、セルロース誘導体の加工性を向上する目的で、アセチルセルロースとラクトンとを均一に溶融混合した後、重合触媒を用いて反応させる共重合体の製造方法が記載されている。例えばラクトンにポリカプロラクトンを用いた場合、ポリカプロラクトンのガラス転移点は−60℃であり、剛直なセルロース分子に用いるソフトセグメントとしては有功な手段である。しかし、ポリカプロラクトンの融点は60℃であり、汎用樹脂として十分な熱安定性と加工特性を両立させることは困難である。
【0004】
特開平4−275301号公報には、特開昭59−86621号公報、特開昭60−212422号公報と同様の製造方法で、約20%のカプロラクトンとアセチルセルロースとの共重合体を製造し、その共重合体の物性について記載されている。このものは、塗料用樹脂を主目的として開発されたものであり、溶液粘度のほか、溶媒への溶解性と他樹脂との相溶性が調べられているが、得られた共重合体そのものの機械特性等は不明である。ただし、比較例に記載されている最も溶液粘度が高い例でも、20%アセトン溶液での溶液粘度が1500cp/25℃しかなく、押出し成形や射出成形等、汎用樹脂としての利用は困難と推測される。
【0005】
さらに、この製造方法を用いた場合、均一な溶融混合を得るために長時間を要し、淡黄色〜褐色に着色して樹脂としての見栄えが悪化している。また、重合後の樹脂は、未反応物を除去するために溶媒分別法を用いて単離精製しており、安価に大量生産を行うことは困難である。
【0006】
特開平6−287279号公報には、透明性のほか、分解性、熱可塑的性質を目的として、ラクチドとセルロースエステルまたはセルロースエーテルとをエステル化触媒の存在下で開環共重合させる製造方法が記載されている。ポリ乳酸の熱安定性が高く、単独での成形性もかなり良好なことから、セルロース鎖にラクチドを付加反応させることは、非常に有功な方法である。しかし、得られた共重合体の構成成分であるポリ乳酸鎖もかなり剛直な分子鎖であり、また、ポリ乳酸単独品で強度がある反面、脆いことが特徴であり、得られた共重合体に十分な可塑効果は得られない。実際、特開平6−287279号公報には、さらに熱可塑性を付与する方法として、重合後の後加工で、または成形時に可塑剤を添加することが開示されている。
【0007】
また、特開平6−287279号公報の製造方法で得られた共重合体は着色がひどく、いずれも渇色のものであった。この着色の原因としては、ラクチドを用いた場合には、上述の特開昭59−86621号公報、特開昭60−212422号公報、特開平6−287279号公報で用いられたラクトンと異なり、ラクチドの融点が120℃と高いことが起因していると考えられる。つまり、共重合反応において、セルロース誘導体との均一な溶融状態を得るのに、ラクトンを用いた場合よりさらに高温、長時間を必要とする。この結果、反応生成物の着色は避けられないものであると考えられる。また、この製造方法では、例示されているように、未反応のラクチドモノマーも2〜3%含まれ、後加工や使用時、あるいは保管時に、成形品の劣化原因となることが容易に想像される。
【0008】
さらに、特開平9−143253号公報には、セルロースエステルなどの多糖類と乳酸などのヒドロキシ酸および脂肪族ポリエステルとの共重合体を得るための製造方法が記載されている。得られた樹脂は、柔軟性などの機械特性に優れたものであるが、実質的には、乳酸を出発物質に用いた、溶媒中での、直接重合による製造方法である。前述のラクチドを用いた共重合体の製造方法と異なり、脱水反応で反応が進行するため、反応工程中、水分を除去するための高度な技術と大掛かりな設備が必要になる。さらに、溶媒中での反応であり、工業生産を行なう時には、用いた溶媒処理のために、共重合反応そのものにおいて大掛かりな処理装置が必要となるばかりでなく、使用溶媒の再利用のためにも大掛かりな設備を必要とする。
【0009】
このように、セルロース分子の水酸基末端にラクチドを共重合するための方法が検討されているが、いまだ汎用樹脂として満足な共重合体を簡便に製造する方法は開発されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ラクチドとセルロースエステルまたはセルロースエーテルとの共重合体を短時間で、均一に反応させることで、透明で着色がなく、色相が良好で、簡便に可塑性の制御可能な乳酸系共重合体の製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、ラクチドと、セルロースエステルまたはセルロースエーテルと、可塑剤とを重合触媒の存在下で共重合させることで、透明で着色がなく色相に優れ、さらに可塑性が容易に制御可能な共重合体の製造方法を見いだした。
【0012】
即ち、本発明は、ラクチド(A)とセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)とを重合触媒(C)および可塑剤(D)の存在下で開環共重合させることを特徴とする乳酸系共重合体の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)があらかじめ可塑剤(D)で可塑化されたものを用いることを特徴とする、乳酸系共重合体の製造方法である。
【0014】
本発明で用いる、ラクチド(A)とセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)の重量比が99/1〜70/30である。
【0015】
セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)を可塑化する可塑剤(D)の配合量が、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対して10〜100重量部である。
【0016】
本発明に用いる可塑剤(D)は、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、グリコール酸誘導体、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導体から選ばれた単一または複数の混合物である。
【0017】
その可塑剤(D)がフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、エチルフタリルエチルグリコレート、トリエチレングリコールジアセテート、エーテルエステル、アセチルクエン酸トリブチル、トリアセチンから選ばれた単一または複数の混合物である。
【0018】
可塑剤(D)の配合量は、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対してフタル酸ジメチル10〜100重量部、および/またはフタル酸ジエチル10〜100重量部である。
【0019】
あるいは、可塑剤(D)がセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対してエーテルエステル10〜100重量部である。
【0020】
本発明に用いる重合触媒(C)の添加量が、ラクチド100重量部に対して0.001〜0.5重量部である。
【0021】
本発明は、ラクチド(A)と、可塑剤(D)で可塑化したセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)を100〜180℃で溶融混合した後、重合触媒(C)を添加して開環共重合させる乳酸系共重合体の製造方法に関する。
【0022】
さらに、本発明の製造方法で得られた分解性共重合体、およびその成形品に関するものである。
【0023】
以下に、本発明で使用するラクチド(A)、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)、触媒(C)、可塑剤(D)について順を追って説明する。
【0024】
本発明で使用するラクチド(A)は乳酸を環状2量化した化合物であり、ラクチドには2つのL−乳酸からなるL−ラクタチド、D−乳酸からなるD−ラクチド、L−乳酸とD−乳酸からなるメソ−ラクチドという3種類のラクチドが存在する。
【0025】
L−ラクチド、またはD−ラクチドのみを含む共重合体は、結晶化し高融点の共重合体を得ることができる。本発明の共重合体ではこれら3種のラクチドを組み合わせることにより、更に良好な諸特性が得られる。
【0026】
本発明で使用するセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)のうち、セルロースエステルとしては、アセチルセルロース、アセチル・ブチルセルロース、アセチル・プロピオニルセルロース、プロピオニルセルロース、アセチル・フタルセルロース、硝酸セルロースなどがある。これらのうち、生分解性が良好で、工業的に入手容易なものとして、アセチルセルロース、アセチル・プロピオニルセルロース、またはプロピオニルセルロースが好ましい。さらに、工業的に安価に入手可能なセルロースエステルとしては、アセチルセルロースが好ましい。
【0027】
アセチルセルロースは、その製造方法がトリアセチルセルロースを熟成させてジアセチルセルロースを得ることから、アセチル基の置換度はいずれのものも工業的に入手可能である。本発明で使用するアセチルセルロースの置換度はそのいずれのものでもよい。本発明ではあらかじめ可塑剤で可塑化したものを用いるため、溶媒への溶解性等を考慮する必要がなく、置換度が3.0のトリアセチルセルロースにおいても、セルロースの全ての水酸基が完全に置換されているわけではなく、また、ラクチドとの反応中にアセチル基が置換反応を起こしていることも考えられ、高分子量の共重合体を得ることができる。
【0028】
アセチルセルロースの分子量は特に問わないが、分子量の高い共重合体を得る目的では、平均重合度が50以上のものを用いることが望ましい。特に、平均重合度が100以上のものを用いると、熱安定性に優れた共重合体が得られ、ポリ乳酸のホモポリマーよりも高いガラス転移点を有する共重合体を得ることも可能である。
【0029】
セルロースエーテルとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、メチル・エチルセルロース、シアノエチルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等を用いることができる。
【0030】
これらのセルロースエステル、およびセルロースエーテルは、単独で用いても、複数のセルロースを混合して用いてもよい。
【0031】
また、ラクチドとセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルの重量比は99/1〜70/30が好ましい。99/1より多いと、得られた乳酸系共重合体には、ポリ乳酸鎖にセルロース誘導体を導入した特性を発揮することができない。70/30より少ないと、セルロース鎖の剛直性が強調されすぎて成形性が劣ることになるためである。更に好ましい重量比は、97/3〜70/30である。
【0032】
本発明で使用する重合触媒(C)としては、一般に環状エステル類の開環重合触媒として知られる錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属及びその誘導体が挙げられ、これらの誘導体については、特に金属化合物、カルボン酸塩、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が好ましい。具体的には、塩化錫、オクチル酸錫、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等が挙げられるが、特に高分子量の共重合体を得るには、オクチル酸錫が好ましい。
【0033】
重合触媒(C)の添加量は、ラクチド(A)の重量に対して0.0001〜0.5重量%が好ましい。添加量は、反応温度との関係にもよるが、ラクチド(A)に対して0.0001重量%より少ないと反応時間が大幅に長くなり、生産性が低下する。0.5重量%より多いと、共重合反応は早く進行するが、着色の原因となるので好ましくない。
【0034】
本発明で使用する可塑剤(D)としては、一般にセルロースまたはセルロース誘導体の可塑化、あるいはポリ乳酸やポリ乳酸変性品の可塑化に使用される可塑剤を用いることができる。それら可塑剤の例としては、広くは塩ビポリマー用に開発される多くの可塑剤を利用できるが、好ましくは、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、グリコール酸誘導体、エーテルエステル誘導体、グリセリン誘導体から選ばれた単一または複数の混合物を用いることができる。
【0035】
さらに詳細には、可塑剤(D)がフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、エチルフタリルエチルグリコレート、トリエチレングリコールジアセテート、エーテルエステル、アセチルクエン酸トリブチル、トリアセチンから選ばれた単一または複数の混合物が好ましい。
【0036】
可塑剤(D)の配合量は、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部である。可塑剤が10重量部より少ないと、セルロース誘導体の軟化温度を十分に低下させることができず、結果としてラクチド(A)との均一な共重合反応を行なうことができないためであり、100重量部より多いと、共重合反応の効率が低下するためである。具体的には、例えば、アセチルセルロースの可塑化に有効な配合例として、アセチルセルロース100重量部に対してフタル酸ジメチル10〜100重量部、および/またはフタル酸ジエチル10〜100重量部を用いることができる。あるいは、同様にトリアセチンおよび/またはトリエチレングリコールジアセテートを用いても良い。これらの可塑剤(D)を用いることで、アセチルセルロースの透明性、色相を維持したまま、その軟化温度を下げることができる。結果として、ラクチドとの共重合物の色相を良好に保ち、また、成形品に十分な可塑効果が付与できる。
【0037】
さらに、可塑剤(D)がセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対し、エーテルエステルとして旭電化工業社製RS1000 10〜100重量部を用いることにより、アセチルセルロースの軟化温度を低下させ、同時にラクチドとの共重合物の色相を良好に保ち、また、成形品に十分な可塑効果が付与できる。
【0038】
次に製造方法を順に説明する。
ラクチド(A)と、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)をあらかじめ可塑剤(D)で可塑化したものを溶融混合し、重合触媒(C)を加えて共重合反応を行う。
【0039】
セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)を可塑剤(D)で可塑化する方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)100重量部にフタル酸ジメチル10〜50重量部とフタル酸ジエチル10〜50重量部を加え、90℃で6時間、窒素雰囲気下で攪拌・混合した後、200℃の押出しで溶融混合することで得られる。この可塑化したセルロースエステルまたはセルロースエーテルを可塑剤が蒸散しない温度範囲、例えば70℃で減圧乾燥して絶乾状態にして重合反応に用いる。
【0040】
ラクチド(A)とセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)をあらかじめ可塑剤(D)で可塑化したものを溶融混合するときには、水分の混入を防ぐため乾燥窒素気流中で行い、例えば90℃で行うとよい。溶融混合する温度は、可塑化したセルロースエステルまたはセルロースエーテルの軟化温度、またはラクチド(A)の融解温度以上が好ましく、溶融温度が高すぎるとラクチド(A)の分解等、共重合反応が不活性化されるため、得られた共重合体の着色原因になるので、具体的には80〜180℃の範囲で行うことが好ましい。
【0041】
また、ラクチド(A)とセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)をあらかじめ可塑剤(D)で可塑化したものを溶融混合するときに、同時に重合触媒(C)を添加することが可能である。例えば、重合反応に2軸の横型反応装置を用いる場合は、ラクチド(A)と、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)をあらかじめ可塑剤(D)で可塑化したものと、重合触媒(C)を同時に投入してもよく、重合触媒(C)だけを反応装置の途中から投入してもよい。いずれの場合でも、あらかじめセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)が可塑化され、ラクチド(A)に分散しやすい状態になっており、均一な重合反応を得ることができる。
【0042】
重合反応は、120〜220℃の範囲で行う。反応温度が120℃より低いと、十分に反応が進まず、220℃より高い温度での反応はラクチド(A)の分解を促進して着色の原因となり、未反応物も多く残り、共重合体の色相が悪化し、物性も低下する。2軸の横型反応装置を用いる場合には、反応温度との関係にもよるが、例えば180〜220℃で反応を行なった場合、滞留時間が5〜20分で十分に反応が進行し、高分子量の共重合体を得ることができる。
【0043】
得られた共重合体には、セルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)を可塑化するのに用いた可塑剤(D)が含まれており、柔軟な性質を有する熱可塑樹脂である。この共重合体は、ポリ乳酸単独の場合よりもむしろ成形温度を低く設定することができ、成形時の分子劣化が少なく、着色しにくく、透明な成形品を得ることができる。また、成形温度を低く設定できるため、成形後の冷却時間を短縮でき、含まれている可塑剤によって離形性が向上し、良好な成形性が発揮される。
【0044】
この共重合体の柔軟性は、用いる可塑剤(D)の組成、および使用量を適宜変えることで、制御可能である。
【0045】
さらに、反応後期、または反応終了後、溶融状態で減圧下にさらすことで、1〜3%程度残留している未反応のラクチドモノマーが除去でき、可塑剤(D)の種類を選ぶことによって、ラクチドモノマーと同時に可塑剤(D)を除去することができる。あるいは、共重合体に柔軟性を付与するために一定量の可塑剤を残留させることも可能である。
【0046】
具体的な減圧処理の方法としては、2軸の横型反応装置の後半部分を200〜220℃、1〜50Torrに維持し、3〜15分間滞留・脱揮させることで可能である。このようにしてラクチドモノマーと可塑剤(D)を除去した共重合体は、柔軟性が大幅に低下し、脆さが出現するが、粉砕性に優れたものを得ることができる。
【0047】
ポリ乳酸単独では、粉砕処理過程で発する熱によって融着しやすく、粉砕性が劣る。しかし、剛直なセルロース分子が導入されていることで、粉砕性が向上し、簡単に微粉砕品が得られる。例えば、市販の通常のプラスチック粉砕機を用いて、容易に直径100μm以下の粉砕品を得ることができる。さらに、直径1μm以下の超微粉砕を行なうことも、特別な冷却処理を必要とせずに、十分に可能である。
【0048】
このものは熱安定性にも優れており、電子写真用トナーなどへの利用が可能となる。電子写真用原料として利用する場合には、既存のプラスチック原料と溶融ブレンドして利用することも可能である。この場合、使用済みの電子写真原料をアルカリ処理することで、共重合体は速やかにアルカリ溶液に溶解し、簡便に既存のプラスチック原料と分離・精製することができる。
【0049】
さらに、紙粉や木粉、あるいは他のセルロース系粉砕品との溶融ブレンドを容易に行なうことができる。この原因には、本発明で得られる共重合体を用いることで、ポリ乳酸単独との場合と異なり、紙粉や木粉、あるいは他のセルロース系粉砕品との相容性が大幅に向上することや、あらかじめ粉体同士を均一な状態に設定できることが寄与していると考えられる。結果として得られるブレンド体は、そのブレンド原料の性質から、食品と接触するトレーなどの成形品、包装・梱包材料のほか、道路の法面保護など回収困難な屋外での使用用途への応用に有功である。
【0050】
本発明の共重合体は、上述の2軸横型反応装置のほかに、公知の反応容器で作成でき、例えば、1軸又は複数軸の撹拌機が配設された竪型反応容器又は横型反応容器、1軸又は複数軸の掻き取り羽根が配設された横型反応容器、又、1軸又は複数軸のニーダーや、1軸又は複数軸の押出機等の反応装置を単独で用いても良く、又は複数基を直列又は並列に接続して用いても良い。
【0051】
本発明で作成される共重合体は、ポリ乳酸と比べても生分解性が良好である。これは、セルロース成分が水との親和性に優れており、ポリ乳酸よりも加水分解が進行しやすいためと考えられる。このことは、共重合体の使用後や製造工程上からの廃棄物減量に役立つ。特に、コンポスト中での分解性に優れており、数カ月間で外形が保たないまで分解できる。
【0052】
更に、本発明の共重合物には、副次的添加物を加えて色々な改質を行う事ができる。副次的添加剤の例としては、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各種フィラー、静電剤、離型剤、香料、抗菌剤、核形成剤、酸化防止剤や調整剤などの安定剤等、その他の類似のものが挙げられる。さらに、適宜2次可塑剤としてさらに可塑剤を追加して添加して利用することも可能である。
【0053】
本発明及び以下の実施例および比較例において、重合体の重量平均分子量はGPC分析によるポリスチレン換算値、融点は走査型示差熱量計(DSC)による測定値である。
【0054】
【実施例】
(可塑化アセチルセルロースA−1〜H−1の作製)
ジアセチルセルロース(帝人社製「フレーク」)、またはトリアセチルセルロース(アルドリッチ社製「トリアセチルセルロース」)を120℃で3時間予備乾燥し、その100重量部に、表1に示す可塑剤を加え、2軸ニーダーを用いて窒素雰囲気下で90〜110℃で6〜8時間混合した後、180〜200℃に温度設定した2軸押し出し機に投入して5分間滞留させ、水冷、ペレタイズして可塑化アセチルセルロースA−1〜H−1のペレットを得た。これらのペレットは、70℃、減圧下で5時間予備乾燥して、以下の実験に用いた。
【0055】
【表1】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 1.9kgに可塑化アセチルセルロースA−1 0.1kg、重合触媒としてオクチル酸すず 1.9gを2軸押出し機に連続的に投入し、190℃で10分間滞留、反応させた後、ストランドとして取り出し、水冷、ペレタイズして均一な共重合体A−2 1.9kgを得た。共重合体A−2のペレットは透明で、まったく着色は見られなかった。
【0056】
共重合体A−2をクロロホルムに溶解後、メタノール中に沈殿させて回収し、GPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤のフタル酸ジメチルおよびフタル酸ジエチルは検出されず、重量平均分子量は701,800で、共重合反応が行われたことが判明した。DSC測定の結果、ガラス転移点は61.2℃、融点は173℃だった。
【0057】
(実施例2)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 1.7kgに可塑化アセチルセルロースA−1 0.3kg、重合触媒としてオクチル酸すず1.8gを実施例1と同様に反応させて共重合体A−3 1.9kgを得た。共重合体A−3のペレットは透明で、ほとんど着色も見られなかった。
【0058】
共重合体A−3を実施例1と同様にして、再沈殿させてGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤のフタル酸ジメチルおよびフタル酸ジエチルは検出されず、重量平均分子量は434,800だった。DSC測定の結果、ガラス転移点は58.2℃、融点は163℃だった。
【0059】
(実施例3)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 1.6kgに可塑化アセチルセルロースC−1 0.4kg、重合触媒としてオクチル酸すず1.6gを用いた他は、実施例1と同様に反応させて、共重合体C−2 1.9kgを得て、その分析を行った。共重合体C−2のペレットは透明で、まったく着色は見られなかった。
【0060】
共重合体C−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤のフタル酸ジメチルおよびフタル酸ジエチルは検出されず、重量平均分子量は366,900だった。DSC測定の結果、ガラス転移点は55.9℃、融点は168℃だった。
【0061】
(実施例4)
可塑化アセチルセルロースD−1を用いた他は、反応機の温度設定を187℃にし、実施例3と同様に反応させて、共重合体D−2 1.9kgを得て、その分析を行った。
【0062】
共重合体D−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は483,200だった。DSC測定の結果、融点は168℃だった。
【0063】
(実施例5)
可塑化アセチルセルロースE−1を用いた他は、実施例4と同様に反応させて、共重合体E−2を得て、その分析を行った。
【0064】
共重合体E−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は471,900だった。DSC測定の結果、融点は167℃だった。
【0065】
(実施例6)
可塑化アセチルセルロースF−1を用いた他は、実施例4と同様に反応させて、共重合体F−2を得て、その分析を行った。
【0066】
共重合体F−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は454,200だった。DSC測定の結果、融点は163℃だった。
【0067】
(実施例7)
可塑化アセチルセルロースG−1を用いた他は、実施例4と同様に反応させて、共重合体G−2を得て、その分析を行った。
【0068】
共重合体G−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は284,400だった。DSC測定の結果、融点は158℃だった。
【0069】
(実施例8)
可塑化アセチルセルロースH−1を用いた他は、反応機の温度設定を185℃にし、実施例3と同様に反応させて、共重合体H−2 1.9kgを得て、その分析を行った。
【0070】
共重合体H−2を同様に再沈殿してGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は327,100だった。DSC測定の結果、融点は164℃だった。
【0071】
(実施例9)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 90gに可塑化アセチルセルロースB−1 10g、重合触媒としてオクチル酸すず0.2gを2軸ニーダーに加え、190℃で12分間反応させた後、さらに、減圧可能な2軸ニーダーを直列に接続し、200℃、3Torrに減圧して、滞留時間約8分間の後、ストランドとして回収し、水冷、ペレタイズしてほとんど無色で、透明な共重合体B−2を得た。
【0072】
共重合体B−2をGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤のフタル酸ジメチルおよびフタル酸ジエチルは検出されず、重量平均分子量は675,400だった。このものの融点は172℃だった。
【0073】
共重合体B−2の粉砕性は良好で、ニッパーで軽く摘まむだけで粉々につぶれた。この共重合体B−2 約30gを用いて、市販の小型プラスチック粉砕機にかけ、約2分間の粉砕を行なった。その結果、平均粒度が約33μmの粉砕品が得られた。
【0074】
(実施例10)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 70gに可塑化アセチルセルロースB−1 30g、重合触媒としてオクチル酸すず0.15gを用いて、実施例9と同様に共重合反応・減圧脱気処理を行ない、ほとんど無色で、透明な共重合体B−3を得た。
【0075】
この共重合体B−3をGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤のフタル酸ジメチルおよびフタル酸ジエチルは検出されず、重量平均分子量は228,600だった。DSC測定の結果、融点は166℃だった。
【0076】
共重合体B−3の粉砕性は良好で、ニッパーで軽く摘まむだけで粉々につぶれた。この共重合体B−3を用いて、実施例9と同様に粉砕機にかけ、平均粒度が約18μmの微細な粉砕品が得られた。
【0077】
(実施例11)
可塑化アセチルセルロースG−1を用いたほかは、実施例9と同様に 共重合反応・減圧脱気処理を行ない、全く無色・透明な共重合体G−3を得た。
【0078】
この共重合体G−3を同様にGPC分析した結果、残存ラクチドモノマー、および可塑剤は検出されず、重量平均分子量は215,400だった。DSC測定の結果、ガラス転移点は54.8℃、融点は154℃だった。
【0079】
共重合体F−3の粉砕性も良好で、ニッパーで軽く摘まむだけで粉々につぶれた。この共重合体F−3を用いて、実施例9と同様に粉砕機にかけ、平均粒度が約12μmの微細な粉砕品が得られた。
【0080】
(比較例1)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 85gにトリアセチルセルロース(アルドリッチ社製「トリアセチルセルロース」)15g、重合触媒としてオクチル酸すず0.2gを2軸ニーダーに加え、190℃で10分間反応させた後、ストランドを水冷して回収した。その結果、ストランドは無色透明だったが、明らかにトリアセチルセルロースが残存していると思われる残留物の塊が含まれたストランドが回収された。
【0081】
(比較例2)
ラクチド(島津製作所製L−ラクチド) 85gにジアセチルセルロース(帝人社製「フレーク」)15g、重合触媒としてオクチル酸すず0.2gを2軸ニーダーに加え、230℃で12分間反応させた後、ストランドを水冷して回収した。その結果、明らかにジアセチルセルロースが残存していると思われる細かな残留物が残ったストランドが回収された。またこのストランドは着色が激しく、褐色を帯びていた。
【0082】
上記実施例及び比較例より、本発明が、成形性が良好で柔軟な乳酸系共重合体の成形品を、均一な反応として得るための製造方法であり、使用目的によっては可塑剤を除去することで粉砕性に優れた共重合体を得られることが明らかとなった。
【0083】
【発明の効果】
本発明により、セルロース誘導体が着色しない、マイルドな温度条件で、短時間に均一な乳酸系共重合体の製造が可能となる。
Claims (6)
- ラクチド(A)と、予め可塑剤(D)で可塑化されたセルロースエステルまたはセルロースエーテル(B)とを重合触媒(C)および可塑剤(D)の存在下で開環共重合させることを特徴とする乳酸系共重合体の製造方法。
- ラクチド(A)とセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)の重量比が99/1〜70/30である請求項1記載の乳酸系共重合体の製造方法。
- セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)を可塑化する可塑剤(D)の配合量が、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)100重量部に対して10〜100重量部である請求項1記載の乳酸系共重合体の製造方法。
- ラクチド(A)と、可塑剤(D)で可塑化したセルロースエステルおよび/またはセルロースエーテル(B)を100〜180℃で溶融混合した後、重合触媒(C)を添加して開環共重合させる請求項1記載の乳酸系共重合体の製造方法。
- 請求項1〜4いずれか一項記載の製造方法で得られた生分解性共重合体。
- 請求項1〜4いずれか一項記載の製造方法で得られた生分解性共重合体を含む成形品。
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