JPH1135808A - 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品 - Google Patents

乳酸系ポリマー組成物及びその成型品

Info

Publication number
JPH1135808A
JPH1135808A JP19211097A JP19211097A JPH1135808A JP H1135808 A JPH1135808 A JP H1135808A JP 19211097 A JP19211097 A JP 19211097A JP 19211097 A JP19211097 A JP 19211097A JP H1135808 A JPH1135808 A JP H1135808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
based polymer
polymer composition
plasticizer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19211097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasumasa Horibe
泰正 堀部
Jiro Ishihara
二郎 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP19211097A priority Critical patent/JPH1135808A/ja
Publication of JPH1135808A publication Critical patent/JPH1135808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、十分な熱安定性をもち、かつ柔軟
で透明な乳酸系ポリマー組成物を提供する。 【解決手段】 本発明は、エーテルエステル系可塑剤を
可塑剤として含む乳酸系ポリマーを主成分とする組成物
と、その成形品に関するもので、エーテルエステル系可
塑剤は分子量(Mw)が150 〜30000 のものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸を主成分
としエーテルエステル系可塑剤成分を含む生分解性樹脂
組成物に関する。本発明の組成物は耐衝撃性に優れ、そ
の配合比率により所望の強度あるいは柔軟性を制御で
き、さらに透明性が有り、包装材料や各種成形品などの
軟質材料に利用できる。
【0002】
【従来技術】近年、自然保護の観点から、自然環境中で
分解する生分解性樹脂、及びその成形品が求められ、脂
肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に
行われている。特に乳酸系ポリマーは、その剛直な分子
構造の為に耐衝撃性に劣り脆いという欠点があり、これ
ら乳酸系ポリマーの改良が望まれている。
【0003】一般的に、柔軟性と透明性を有する樹脂成
形物を製造するには、可塑剤やエラストマー等を樹脂に
添加する方法が用いられている。
【0004】米国特許3736646 号と米国特許3982543 号
に可塑剤として揮発性溶剤を用いることが開示されてい
る。しかし揮発性の為、製品が経時変化してしまい物性
が変化し、効果がなくなる恐れがある。また医療・ 食品
用途においては安全性も危惧される。
【0005】米国特許5076983 号には、可塑剤としてヒ
ドロキシカルボン酸の環状2量体、直鎖2量体、直鎖状
オリゴマーを含むポリヒドロキシカルボン酸フィルムが
開示されており、米国特許5180765 号には可塑剤として
乳酸モノマー、ラクチド、直鎖状乳酸オリゴマーを含む
ポリ乳酸が開示されている。この系は添加物の成分が主
成分と同一の為、相溶性は非常に良い。しかし、これら
の添加物は、その性状から容易に加水分解が起き、その
分解物がポリマーの劣化を促進する。従って経時安定性
が悪い。
【0006】特開平06-306264 号には、可塑剤として環
状乳酸オリゴマーを含むポリ乳酸が開示されている。こ
の系も、添加物の成分が主成分と同一の為、相溶性が非
常に良く、さらに加水分解も起きにくい。しかも、特開
平07-173266 号から、環状2量体( ラクチド) の分解温
度が185 ℃と加工温度近辺であることが分かるように、
添加する環状体は分解が起き、よって耐熱性が不安定
で、さらに製品に加工する際、添加物が昇華飛散する為
製造工程での装置への付着汚染が起き、かつポリマー中
から添加物が消失することによって物性が変化する為、
製品安定性が良くない。
【0007】以上からも分かるように、生分解樹脂とし
てのポリ乳酸に、安定して添加される可塑剤は見つかっ
ていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳酸
を主成分とし可塑剤としてエーテルエステル系可塑剤を
導入することで使用条件下で十分な熱安定性をもち、か
つ柔軟で透明な乳酸系ポリマー組成物を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決する為
に、本発明者らは鋭意検討の結果、エーテルエステル系
可塑剤を含んだ乳酸系ポリマーが柔軟性を持ち、かつ透
明で、十分な熱安定性を持つことを見出し、本発明を完
成した。
【0010】即ち、本発明は、エーテルエステル系可塑
剤を可塑剤として含む乳酸系ポリマーを主成分とする組
成物と、その成形品に関するものである。
【0011】本発明において乳酸系ポリマーとは、ポリ
乳酸ホモポリマーの他、乳酸コポリマー、ブレンドポリ
マーをも含むものである。
【0012】乳酸系ポリマーの重量平均分子量は、一般
に5 〜50万である。また、乳酸系ポリマーにおけるL−
乳酸単位、D−乳酸単位の構成モル比L/Dは、100 /
0 〜0 /100 のいずれであっても良いが、高い融点を得
るにはL乳酸あるいはD乳酸いずれかの単位を75モル%
以上、更に高い融点を得るにはL乳酸あるいはD乳酸の
いずれかの単位を90モル%以上含む事が好ましい。
【0013】乳酸コポリマーは、乳酸モノマー又はラク
チドと共重合可能な他の成分とが共重合されたものであ
る。このような他の成分としては、2個以上のエステル
結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコー
ル、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれら種
々の構成成分より成る各種ポリエステル、各種ポリエー
テル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
【0014】ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸等が挙げられる。
【0015】多価アルコールの例としては、ビスフェノ
ールにエチレンオキサイドを付加反応させたものなどの
芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オ
クタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロ
ールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多
価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。ヒド
ロキシカルボン酸の例としては、グリコール酸、ヒドロ
キシブチルカルボン酸、その他特開平06-184417 号公報
に記載されているもの等が挙げられる。
【0016】ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプ
ロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロ
ピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブ
チロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等
が挙げられる。
【0017】乳酸系ポリマーは、従来公知の方法で合成
させたものである。即ち、特開平07-33861号公報、特開
昭59-96123号公報、高分子討論会予稿集44巻3198-3199
頁に記載のような乳酸モノマーからの直接脱水縮合、ま
たは乳酸環状2 量体ラクチドの開環重合によって合成す
ることが出来る。
【0018】直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−
乳酸、DL−乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸
を用いても良い。又、開環重合を行う場合においても、
L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、又はこ
れらの混合物のいずれのラクチドを用いても良い。
【0019】ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例
えば米国特許4057537 号明細書、公開欧州特許出願第26
1572号明細書、Polymer Bulletin, 14, 491-495(1985)
及びMakromol Chem., 187, 1611-1628(1986) 等の文献
に様々に記載されている。
【0020】この重合反応に用いる触媒は、特に限定さ
れるものではないが、公知の乳酸重合用触媒を用いる事
が出来る。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル
酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジス
テアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸ス
ズ、β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等のスズ系化
合物、粉末スズ、酸化スズ;亜鉛末、ハロゲン化亜鉛、
酸化亜鉛、有機亜鉛系化合物;テトラプロピルチタネー
ト等のチタン系化合物;ジルコニウムイソプロポキシド
等のジルコニウム系化合物;三酸化アンチモン等のアン
チモン系化合物;酸化ビスマス等のビスマス系化合物;
酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等の
アルミニウム系化合物等を挙げることができる。
【0021】これらの中でも、スズ又はスズ化合物から
なる触媒が活性の点から特に好ましい。これらの触媒の
使用量は、例えば開環重合を行う場合、ラクチドに対し
て0.001 〜5 重量%程度である。
【0022】重合反応は、上記触媒の存在下、触媒種に
よって異なるが、通常100 〜220 ℃の温度で行う事がで
きる。また、特開平07-247345 号公報に記載のような2
段階重合を行う事も好ましい。
【0023】乳酸/ ヒドロキシカルボン酸共重合体の製
造方法としては、例えば特開平06-306264 号公報に記載
されており、その公報には、乳酸とヒドロキシカルボン
酸を直接脱水重縮合するか、乳酸環状2量体( ラクチ
ド) とヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例
えばグリコール酸の2量体であるグリコライド等の共重
合可能なモノマーを適宜用いて開環重合する方法で開示
されている。
【0024】乳酸/ ジオールジカルボン酸共重合体の製
造方法としては、例えば特開平07-173266 号公報に記載
されており、その公報には、開環重合触媒の存在下で乳
酸環状2 量体と種々の構成割合からなる脂肪族ジカルボ
ン酸成分及びジオール成分からなるポリエステルポリマ
ーとを反応させるという方法で開示されている。
【0025】本発明におけるエーテルエステル系可塑剤
は、分子量(Mw)が150 〜30000 のものが好ましく、更に
好ましくは200 〜10000 、更に好ましくは400 〜5000の
ものが良い。分子量(Mw)が150 以下だと、沸点が低く、
揮発性が高くなり、またブリードを起こすので、安定し
た配合が困難であり、30000 を越えると、ポリエーテル
の為、熱安定性に劣る。
【0026】本発明に用いられるエーテルエステル系可
塑剤としては、特に限定されなく、アセチル化モノグリ
セライドのようにアセチル基を含むものでもよい。例え
ば、食品添加物として認められたリケマールPL-004( 理
研ビタミン( 株) 製) などがある。
【0027】好ましくは、式1に示された構造式 R(OR´)nOOC−R”−COO(OR´)mR (式1) を持ち、かつそのR”の構造は、分子量30〜20000 の有
機組成物、詳しくは2個以上のエステル結合形成性の官
能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシ
カルボン酸、ラクトン等、及びこれら種々の構成成分よ
り成る各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリ
カーボネート等で、ポリ乳酸の組成に近いものが良い。
【0028】ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸等が挙げられる。
【0029】多価アルコールの例としては、ビスフェノ
ールにエチレンオキサイドを付加反応させたものなどの
芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オ
クタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロ
ールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多
価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。
【0030】ヒドロキシカルボン酸の例としては、グリ
コール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特開平
06-184417 号公報に記載されているもの等が挙げられ
る。
【0031】ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプ
ロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロ
ピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブ
チロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等
が挙げられる。
【0032】また、構成成分が3個以上の官能基を持つ
場合、そこから分岐構造をとる場合もある。
【0033】例えば、RS-1000(( 株) アデカ製) などが
あり、それぞれの使用目的に応じて種類、グレードを任
意に選択する事ができる。
【0034】また、R,R´はアルキル基で、例えば炭
素数1〜10のアルキル鎖、より詳しくはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘクチル
基、ヘプチル基、オクチル基等がある。n,mは、n=
1〜500 、m=1〜500 で、好ましくは、n=1〜200
,m=1〜200 、更に好ましくはn=20〜100 、m=2
0〜100 である。R,R´は同一でも、異なるものでも
良い。
【0035】さらに、式2に示された構造式のものを用
いることができる。
【0036】 R(OR´)nOOC−(CH2 )r−COO(OR´)mR (式2) 式2中R,R´はアルキル基で、式1と同様のものが好
ましく、r=1〜1000で、好ましくは、r=1〜50であ
る。
【0037】本発明における乳酸系ポリマー組成物の柔
軟性は、エーテルエステル系可塑剤の添加量で制御で
き、その添加量は、乳酸系ポリマー100 重量部に対し
て、1 〜300 重量部が好ましい。1 重量部未満の場合
は、添加の効果が不十分となる場合があり、また300 重
量部を越えると乳酸系ポリマー組成物にブリードが生
じ、経時変化の原因となる為好ましくない。更に好まし
くは5 重量部以上〜150 重量部未満、更に好ましくは10
重量部以上〜100 重量部以下含むポリ乳酸が、一般的な
使用条件下で、熱安定性、柔軟性及び透明性において十
分な性質を示す。特に柔軟性を求める用途には、30〜10
0 重量部が好ましく、耐衝撃性を求める用途には10〜30
重量部が好ましい。
【0038】乳酸系ポリマーにエーテルエステル系可塑
剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従
来公知の方法で作成でき、例えば、1軸または複数軸の
攪拌機が設置された縦形反応容器または横形反応容器、
1軸または複数軸の掻き取り羽が配設された横形反応
機、又、1軸または複数軸のニーダーや、1軸または複
数軸の押出機等の反応装置を単独で用いて混練すればよ
く、または複数基を直列または並列に接続して用いても
よい。この混合混練は、通常120 〜220 ℃程度の温度で
行われる。
【0039】またラクチド、乳酸モノマー、乳酸オリゴ
マー及びその他の共重合成分から始まる種々の重合反応
工程の段階から可塑剤を添加してもよい。
【0040】本発明で作成される可塑剤を含む乳酸系ポ
リマー組成物は、生分解性も良好で、使用後や製造工程
上からの廃棄物減量に役立つ。特に、コンポスト中での
分解性に優れており、3 〜6 ヶ月で外形が保たないまで
分解できる。本発明の乳酸系ポリマー組成物は、一般の
プラスチックと同様の押出成形、射出成形、真空成形、
圧空成形等の成形に応用できるため、各種成形品を容易
に得ることが出来る。
【0041】用途としては、シート・フィルム等に成形
してごみ袋などの包装材料、または軟質チューブ等の軟
質塩ビ材料利用分野の代替え品として用いることが出来
るが、これらに限定されない。
【0042】更に、本発明の乳酸系ポリマー組成物に
は、副次的にそれ以外の可塑剤や添加物を加えて色々な
改質を行う事が出来る。添加剤の例としては、熱安定
剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色
剤、各種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、
難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、核形成剤等、その他
の類似のものが挙げられる。
【0043】本発明において、柔軟性は、島津製作所製
『動的粘弾性分析装置(DVA-300) 』を用いて、動的粘弾
性の温度依存性に関する試験(JIS K 7198A法) での動
的貯蔵弾性率(E')を昇温速度5℃/min 、ひずみ10Hzで
測定し、その25℃における値で確認した。
【0044】JIS K 7198A 法での動的貯蔵弾性率(E')
とは、物理的にその組成物や成型品の剛性( 硬さ、柔ら
かさ) を表しており、25℃での温度における動的貯蔵
弾性率(E')の値を比較して、ポリ乳酸よりその値が小さ
ければ、柔軟性が良くなった(可塑化された)と判断で
きる。本発明の乳酸系ポリマー組成物は、JIS K 7198A
法での動的貯蔵弾性率が、25℃の温度において109
a以下である。
【0045】本発明の乳酸系ポリマー組成物及び成型品
の製造方法は、一般のプラスチックと同様の射出成形、
真空成形、圧空成形等の成形に応用できるため、棒、ビ
ン、容器等の各種成形品を容易に得ることが出来る。
【0046】本発明及び以下の実施例において、重合体
の重量平均分子量(Mw)は島津製作所製HPLCを用いて、GP
C 分析によるポリスチレン換算値、L-乳酸、D-乳酸構成
比の分析は、島津製作所製HPLCを用いて分析した。動的
貯蔵弾性率の測定は、動的粘弾性の温度依存性に関する
試験(JIS K 7198A法) に準じて行った。透明性につい
ては、目視にて判断した。また評価の段階において島津
製作所製DSC(示差走査熱量計,DSC-50)を用いて其々のガ
ラス転移点、結晶化点、融点を参考にした。
【0047】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。
【0048】(実施例1)ポリ乳酸((株) 島津製作所製
「ラクティ」、Mw=180000 、D-乳酸/L- 乳酸=3/97 、以
下PLA)100重量部に対し、RS-1000(( 株) アデカ製)
を30重量部を180℃の二軸混練押出機にて平均5 分間溶
融混合し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、切
断しエーテルエステル系可塑剤を含む乳酸系ポリマー組
成物のチップC1を得た。
【0049】チップC1 を80℃で真空乾燥し、絶乾状態
にした後、金型温度を25℃に保ち、射出成形により名刺
大プレート(1mmt)を得た。
【0050】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。ブレンド直後、及び5 日間室温放置ともに十分な
弾性率の安定性と透明性を維持した。以上の結果を表1
に示す。
【0051】(実施例2)実施例1で用いたPLA100
重量部に対し、RS-1000(( 株) アデカ製) を60重量部を
180 ℃の二軸混練押出機にて平均5 分間溶融混合し、口
金よりストランド状に押出し、水冷後、切断しエーテル
エステル系可塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物のチップ
C2を得た。
【0052】チップC2 を80℃で真空乾燥し、絶乾状態
にした後、金型温度を25℃に保ち、射出成形により名刺
大プレート(1mmt)を得た。
【0053】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。ブレンド直後、及び5 日間室温放置ともに十分な
弾性率の安定性と透明性を維持した。以上の結果を表1
に示す。
【0054】(実施例3)実施例1で用いたPLA100
重量部に対し、RS-1000(( 株) アデカ製) を100重量部
を180 ℃の二軸混練押出機にて平均5 分間溶融混合し、
口金よりストランド状に押出し、水冷後、切断しエーテ
ルエステル系可塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物のチッ
プC3を得た。
【0055】チップC3 を80℃で真空乾燥し、絶乾状態
にした後、金型温度を25℃に保ち、射出成形により名刺
大プレート(1mmt)を得た。
【0056】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。ブレンド直後、及び5 日間室温放置ともに十分な
弾性率の安定性と透明性を維持した。以上の結果を表1
に示す。
【0057】(比較例1)実施例1で用いたPLAを80
℃で真空乾燥し、絶乾状態にした後、金型温度を25℃に
保ち、射出成形により名刺大プレート(1mmt)を得た。
【0058】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。光学純度が高いことからも分かるように成形直
後、及び5 日間室温放置ともに透明性は高いが、剛直な
性質が観察された。以上の結果を表1に示す。
【0059】(比較例2)塩化ビニルで汎用可塑剤とし
て用いられるエステル系可塑剤の中でも相溶性の高いフ
タル酸ジエチル( 以下DEP)を可塑剤として使用した場合
実施例1で用いたPLA100 重量部に対し、DEP を30重
量部を180 ℃の二軸混練押出機にて平均5 分間溶融混合
し、口金よりストランド状に押出し、水冷後、切断し可
塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物のチップC5 を得た。
【0060】チップC5 を80℃で真空乾燥し、絶乾状態
にした後、金型温度を25℃に保ち、射出成形により名刺
大プレート(1mmt)を得た。
【0061】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。ブレンド直後、及び5 日間室温放置ともに十分な
弾性率の安定性は得られるが、結晶化が促進され5 日間
放置後は白濁不透明となった。以上の結果を表1に示
す。
【0062】(比較例3)実施例1で用いたPLA100
重量部に対し、DEP を60重量部を180 ℃の二軸混練押出
機にて平均5 分間溶融混合し、口金よりストランド状に
押出し、水冷後、切断し可塑剤を含む乳酸系ポリマー組
成物のチップC6を得た。
【0063】チップC6 を80℃で真空乾燥し、絶乾状態
にした後、金型温度を25℃に保ち、射出成形により名刺
大プレート(1mmt)を得た。
【0064】得られた1mm 厚の名刺大プレートを10mmX
50mmの短冊状に切り出し、動的粘弾性の温度依存性に関
する試験(JIS K 7198A法) での動的貯蔵弾性率を測定
した。ブレンド直後は十分な弾性率の安定性と透明性は
得られるが、結晶化が促進され、5 日間放置後は、弾性
率は上昇し、白濁不透明となった。以上の結果を表1に
示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】乳酸系ポリマーは、結晶性が高く、その
剛直な分子構造の為に耐衝撃性に劣り脆いという欠点が
あり、これら乳酸系ポリマーの改良が望まれている。本
発明ではエーテルエステル系可塑剤を添加することで柔
軟で透明な乳酸系ポリマーを作成でき、使用条件下で安
定でかつ使用目的に合わせ、柔軟性をその添加量によっ
て制御できる事を見出した。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量150 〜30000 のエーテル
    エステル系可塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 下式で示されるエーテルエステル系可塑
    剤を含む請求項1記載の乳酸系ポリマー組成物。 R(OR´)nOOC−R”−COO(OR´)mR 但し、R、R´はアルキル基、R”はエーテル結合、及
    びまたはエステル結合、及びまたはカーボネート結合を
    含み、分子量30〜20000の有機組成物、nは1〜
    500,mは1〜500を示す。
  3. 【請求項3】 下式で示されるエーテルエステル系可塑
    剤を含む請求項1記載の乳酸系ポリマー組成物。 R(OR´)nOOC−(CH2 )r−COO(OR
    ´)mR 但し、R、R´はアルキル基、nは1〜500,mは1
    〜500、rは1〜1000を示す。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量が10万以上の乳酸系ポリ
    マーからなる請求項1〜3記載の乳酸系ポリマー組成
    物。
  5. 【請求項5】 乳酸系ポリマーの乳酸成分が30〜10モル
    %以上からなる請求項1〜4記載の乳酸系ポリマー組成
    物。
  6. 【請求項6】 乳酸系ポリマー100 重量部に対してエー
    テルエステル系可塑剤を1 〜1000重量部含む請求項1〜
    5からなる乳酸系ポリマー組成物。
  7. 【請求項7】 JIS K 7198A法での動的貯蔵弾性率
    が、25℃の温度において109 Pa以下である乳酸系ポ
    リマー組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7記載の乳酸系ポリマー組成
    物からなる成型品。
JP19211097A 1997-07-17 1997-07-17 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品 Pending JPH1135808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19211097A JPH1135808A (ja) 1997-07-17 1997-07-17 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19211097A JPH1135808A (ja) 1997-07-17 1997-07-17 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1135808A true JPH1135808A (ja) 1999-02-09

Family

ID=16285836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19211097A Pending JPH1135808A (ja) 1997-07-17 1997-07-17 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1135808A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294736A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Riken Vinyl Industry Co Ltd 生分解性・制電性脂肪族ポリエステル樹脂組成物
JP2003316291A (ja) * 2002-02-25 2003-11-07 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置
JP2007154147A (ja) * 2005-07-05 2007-06-21 Kao Corp 生分解性樹脂組成物
JP2007314751A (ja) * 2006-04-28 2007-12-06 Kawasaki Kasei Chem Ltd 樹脂用の柔軟性付与剤及び当該柔軟性付与剤を含有する生分解性樹脂組成物
WO2008075775A1 (ja) * 2006-12-19 2008-06-26 Kao Corporation ポリ乳酸樹脂組成物およびポリ乳酸樹脂成形体の製造方法
JP2009132814A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Kao Corp ポリ乳酸樹脂組成物
JP2009197153A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc ポリアクリロニトリル系重合体組成物および炭素繊維の製造方法
US7585910B2 (en) 2005-03-25 2009-09-08 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Polylactic acid composition
KR101401258B1 (ko) * 2012-12-31 2014-05-29 한국화학연구원 생분해성 수지 조성물용 다이에스터 가소제
WO2014104861A1 (ko) * 2012-12-31 2014-07-03 한국화학연구원 친환경 가소제 및 이를 이용한 수지 조성물

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001294736A (ja) * 2000-04-12 2001-10-23 Riken Vinyl Industry Co Ltd 生分解性・制電性脂肪族ポリエステル樹脂組成物
JP2003316291A (ja) * 2002-02-25 2003-11-07 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置
US7585910B2 (en) 2005-03-25 2009-09-08 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Polylactic acid composition
JP2007154147A (ja) * 2005-07-05 2007-06-21 Kao Corp 生分解性樹脂組成物
JP4611214B2 (ja) * 2005-07-05 2011-01-12 花王株式会社 生分解性樹脂組成物
JP2007314751A (ja) * 2006-04-28 2007-12-06 Kawasaki Kasei Chem Ltd 樹脂用の柔軟性付与剤及び当該柔軟性付与剤を含有する生分解性樹脂組成物
WO2008075775A1 (ja) * 2006-12-19 2008-06-26 Kao Corporation ポリ乳酸樹脂組成物およびポリ乳酸樹脂成形体の製造方法
JP2009132814A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Kao Corp ポリ乳酸樹脂組成物
JP2009197153A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc ポリアクリロニトリル系重合体組成物および炭素繊維の製造方法
KR101401258B1 (ko) * 2012-12-31 2014-05-29 한국화학연구원 생분해성 수지 조성물용 다이에스터 가소제
WO2014104861A1 (ko) * 2012-12-31 2014-07-03 한국화학연구원 친환경 가소제 및 이를 이용한 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5049281B2 (ja) 植物由来成分を有するポリカーボネート樹脂組成物
JP4042206B2 (ja) ポリ乳酸組成物よりなるフィルム及びシート
JP2013544911A (ja) ポリラクチド用核生成剤としてのポリカーボネート
JP2008174691A (ja) 芳香族ポリエステル系樹脂組成物およびその製造方法
KR101532435B1 (ko) 락트산 공중합체 및 그 제조방법
JPH11140292A (ja) ポリカーボネート化合物を含有するポリ乳酸系樹脂組成物
JP4476808B2 (ja) 高分子量脂肪族ポリエステル及びその製造方法
JP2003192883A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、成形品及びその製造方法
JPH11181262A (ja) 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品
JPH1135808A (ja) 乳酸系ポリマー組成物及びその成型品
JP4180606B2 (ja) 生分解性シート及びこのシートを用いた成形体とその成形方法
JP4205404B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、成形品及びポリエステル樹脂用可塑剤
JP2000136300A (ja) 可塑化された乳酸系ポリマー組成物及びその成型品
JP3622561B2 (ja) 乳酸系組成物、及びその成形品
JP2003105182A (ja) 乳酸系ポリマー用可塑剤、該可塑剤及び乳酸系ポリマーを含有する樹脂組成物及び成形体
JP2004168811A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、成形品及び樹脂用可塑剤
JP4820493B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物
JP3622560B2 (ja) グラフト鎖を有する乳酸系組成物、及びその成形品
JP3339601B2 (ja) ポリ乳酸系ポリエステルブロック共重合体
JP2004323742A (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、成形品及びその製造方法
JP3747592B2 (ja) 乳酸系ポリマー成形品及びその製造方法
JP4205403B2 (ja) ポリ乳酸系樹脂組成物、成形品及びポリエステル樹脂用可塑剤
JP3783948B2 (ja) 乳酸系ポリマー組成物
JP4534806B2 (ja) 脂肪族ポリエステル組成物及びその製造方法
JP3680233B2 (ja) 生分解性乳酸系コポリマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040726

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02