JP2013544911A - ポリラクチド用核生成剤としてのポリカーボネート - Google Patents

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Abstract

本発明は、機械的特性を維持したまま、ポリラクチドの結晶化速度を上げるためのポリカーボネートの使用を開示する。

Description

本発明は、他の核生成剤の添加を必要としない、核生成をポリカーボネートブロックによって行うポリラクチドの製造に関するものである。
ポリ(L−ラクチド)(PLLA)は最もよく研究されているポリマーであり、トウモロコシ、穀物、ビート等から得られる100%再生可能な資源である。PLLAは完全に生分解性かつ生体適合性であり、ポリスチレンに近い機械特性を示す。
純粋なPLLAは結晶化が遅いため、工業的な加工方法を使用するためには核生成剤が必要である。そのために、結晶数密度(crystallite number density)を上げて全体の結晶化速度を上げるのに有効な添加剤の発見に大きな関心が寄せられている。一般的なPLLA核生成剤、例えばタルクやクレーは結晶化速度を上げるが、系によっては強靭性が低下する。
このPLLA固有の脆弱性が大規模な商業的応用の障害となっている。脆いポリラクチドバイオプラスチックの強靭性を改良するために多くの方法、例えば可塑化ブロック共重合、靭性ポリマーとのブレンド、ゴム強化方法等が採用されているが、これらの方法の主たる欠点は強化したポリラクチドの強度およびモジュラスの両方が大幅に低下することである。従って、バイオベースのポリラクチド含有量が高いことに加えて、剛性−靭性が良好にバランスしたポリラクチドベースの材料が望ましい。これては非特許文献1〜4で説明がされている。
PLLAに核生成剤を添加することはその熱的および機械的特性を改質し、特にその結晶化度を高めるために必要である。これは限られた加工時間内で高い熱的安定性および機械的挙動を有するPLLA材料を製造する上で重要である。このことは非特許文献5に説明されている。従って、PLLA結晶化の核生成を促進する添加剤、特に環境保護の用途で用いる生分解性核生成剤の添加時に使用する核生成剤が求められている。
PLLA用核生成剤として報告されている大部分のものは無機材料、例えばタルク、モンモリロナイトまたはフラーレンであった。これらは例えば非特許文献6、7に開示されている。これらは有機ポリマー、特にPDLAをPLLAを添加した時に形成されるステレオコンプレックスとは対照的に、非生分解性である。
一般的なPLLA核生成剤、例えばUrayama et al.の非特許文献8に開示されたタルクや、kang et al.の非特許文献9に開示されたデンプンや、クレー(非特許文献10および非特許文献11)によって、結晶化速度を上げることはできるが、系によっては靭性の低下が見られる。PLLA結晶化全体の促進における添加剤の効果は溶融物から冷却中に次の順で減少する:PDLA>タルク>C60>モンモリロナイト>多糖類。
ゴム/エラストマー相の導入によってPLLAの延性を改良する試みは多数行われた。このゴム/エラストマー相はガラス遷移温度が低くなり、モジュラスが低くなることが特徴で、可塑剤、ブレンド物およびブロックコポリマーから選択できる。最少量の核生成剤で、機械的性能に悪影響を与えずに、PLLAを最も効率的に強化できなければならない。非特許文献8〜11に記載の機械的挙動を改質するためのPLAを含むブロックコポリマーは一般に約50重量%以下のPLAを含む直鎖構造を特徴とする。PLAを主成分として含むPLAブロックコポリマーの報告がなされたケースは少なく90重量%以上のPLAを含む組成物はほとんど研究されていない。
PLLA用核生成剤としてPLA、特にPDLA/PLLAステレオコンプレックスの使用は多くの文献、例えば非特許文献12、13に記載されている。ステレオ錯体の形成によってPLLAベースの材料の機械的特性および耐熱性が高くなる。これは非特許文献14に記載されている。
例えば、Tollman and Hillmyerの非特許文献15では有効な核生成剤としてのPDLAブロックコポリマーの低含有量での使用の実現可能性が証明されている。実際には、PDLA−PM−PDLAトリブロックコポリマー(ここで、PMはポリ(メンチド)である)がPDLA−PM−PDLA/PLLA溶融ブレンド物中の0.5〜15重量%のトリブロックコポリマーの含有量でPLLAを結晶化するのに効率的な核生成剤の役目をする。PLLAとPDLA−PM−PDLAトリブロックコポリマーはトリブロックコポリマーミセルを形成し、PDLAコロナはPLLAと一緒にステレオコンプレックスを形成する。PDLA−PM−PDLA(15-31-15)を含むブレンド物は最高の核生成効率を有し且つ最低の結晶化半値時間を有する点で際立っている。
Brochu et al(非特許文献16)は1995年にPLLA/PDLAステレオコンプレックス微結晶は、PDLAの含有量が10重量%と低いときに核生成部位として作用することができ、PLLAの結晶化をより容易にするということを見出しいる。同様に、SchmidtおよびHillmyer(非特許文献17)もわずか0.25重量%のPDLAを添加した後にPLLAの結晶化速度が大幅な向上し、核生成部位の数が150倍も増加することを確認している。これらの著者はさらに、ステレオコンプレックスの核生成能力は、それがPLLAの結晶化よりかなり前に形成されたときに最も効率的であることを強調している。PLLAの結晶化速度を向上させるその能力においてステレオコンプレックスはタルクのそれよりはるかに優れていた。PDLAの添加ではPLLA結晶化度全体が低下した。関連研究では、Anderson and Hillmyer(非特許文献18)によって報告されているように、100%近い核生成効率は、PLLA/PDLAステレオコンプレックス中にわずか3重量%のPDLAによって得られることがわかっている。
PDLAを核生成部位として使用すること、すなわち、ステレオコンプレックス中のPDLA含有量を増加することで、PLLAの結晶化度を改良することはYamane and Sasaiによる非特許文献19またはTsuji et al.による非特許文献20にも報告されている。
PLLAの核生成促進で使用される他の(コ)ポリマーとしては、Liua et al.(非特許文献21)が報告しているように、ポリ(テトラメチレン アジペート−コ−テレフタレート)ブレンド膜、または、Lin et al.(非特許文献22)が報告しているように、超分岐ポリ(エステルアミド)またはYokohara et al.(非特許文献23)が報告しているようにポリ(コハク酸ブチレン)ポリマーブレンド物が挙げられる。
M≡ochller et al.(非特許文献24)から、ジブロックコポリマーであるポリラクチド/ポリエチレン(PLLA−b−PE)中では、共有結合したPE鎖(PLLA結晶化温度では溶融している)はPLLAブロックの等温結晶化速度全体をホモPLLAと比べて減速することがわかる。この著者は結晶化挙動のこの変化を核生成効果によるものとしている。
Hi. Tsuji, M. Sawada,とL. Bouapao(非特許文献25)は、3つの生分解性ポリエステル、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)およびポリ[R-3-ヒドロキシブチレート] (PHB)はPLLAの結晶化を加速することを報告している。これらのポリエステルの存在下でのPLLAの結晶化の促進はPCLおよびPGAの核生成補助効果およびPHBのスフェルライト成長加速効果によるものとしている。しかし、PHBの導入によって単位面積当たりのPLLAのスフェルライト数は少なくなる。
Tsuji et al.(非特許文献26)に記載のように、ポリ(グリコール酸)(PGA)、生分解性脂肪族ポリエステルは、PGA含有量が0.1重量%と低くても、加熱および冷却中にPLLAの結晶化全体を促進する核生成剤の役目をすることがわかっている。また、0.2重量%の量で外科縫合に使用される低分子量の有機分子(DおよびC Violet No.2, 1-ヒドロキシ-4-[(4メチルフェニル)-アミノ]-9,10-アントラセンジオン)で染色したPGA-コ-PLAコポリマーは、結晶化速度が未染色コポリマーより速いことも確認されている。
非特許文献27には、TMC, LLA,および1,5-ジオキセパン-2-オンをベースにした弾性生体吸収性コポリマーが、機械的特性の引張試験および繰り返し荷重評価に基づいて報告されている。非特許文献28では、PTMC/PDLAコポリマーのインビトロ分解を20mol%以上のPTMC含有量の場合のその機械的特性の評価している。同じ著者は、このような高分子量のTMC/D,LLAコポリマーによって水分吸収後に得られる機械的および熱的特性の変化を非特許文献29で報告している。80mol%のDLAを用いてガラス状からゴム状に変化している。関連研究では、Z. Zhang, D. W. GrijpmaおよびJ. Feijenによって、PLLA およびPDLAおよびPTMCから形成されたステレオコンプレックスをベースにしたいくつかの耐クリープ性多孔質構造物が記載されている。非特許文献30に報告されているように、PLLAおよびLAステレオコンプレックスの有効なゴム強化はブロック共重合または20重量%のPTMCまたはPCL/PCLとのブレンドによって達成される。また、非特許文献31では、PTMC/PLLAブロックコポリマーに関する熱的および機械的データが報告されているが、特定の核生成挙動が全く同定されていない。TMCおよびLLAまたはDLAをベースにしたトリブロックコポリマーは、PLAブロックが十分に長い場合に、熱可塑性エラストマーとして働くことが非特許文献32に示されている。
ポリ(LLA−TMC−LLA)とポリ(DLA−TMC−DLA)トリブロックコポリマーとのブレンド物では、示差走査熱量測定および光学顕微鏡検査によって示されるように、エナンチオマーPLAセグメント間にステレオコンプレックスが形成される。これらのブレンド物は静的および動的荷重条件下で良好な引張特性および優れた耐クリープ性を示した。先行研究では、非特許文献33に報告のように、Grijpma, D. W.; Joziasse, C. A. P.; Pennings, Aが6重量%のPTMCを含むPTMCとPLAとの星型ブロックコポリマーを合成している。しかし、得られる材料は、PLAと比較して引張降伏強度が15%減少し、且つ、延性は全く上がらないことを示した。PTMC/PLAコポリマーの熱的および機械的特性は非特許文献34にも報告されている。しかし、上記の全ての文献には核生成の影響に関する記載はない。
他の文献、例えば非特許文献35〜39には、種々のポリエステル/PLAの機械的特性が報告されているが、非PLAブロックの核生成効果は明確にされていない。
従って、10重量%以下のゴム状添加剤を含むPLAブロックコポリマーがPLAのホモポリマーと比較して延性が向上することを示す報告はほとんどない。
種々の核生成剤の存在下でのラクチドの開環重合によって乳酸ベースのポリマーを製造することは特許文献1、2にも開示されている。
従って、最終製品のポリラクチドの複数の機械特性の良好なバランスを維持したまま、最少量で良好な核生成能力を示す環境に優しい化合物によって上記の核生成剤を置換する、というニーズがある。
日本国特許第JP-3350605号公報 欧州特許第EP-A-1460107公報
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本発明の目的は、半結晶ポリラクチド(PLLA)セグメントと非晶質ポリカーボネートブロックとを含むブロックコポリマーを製造することにある。
本発明の他の目的は、バイオ資源(bioresourced)から作られたブロックコポリマーを製造することにある。
本発明のさらに他の目的は、最適化された熱的および機械的特性を有するラクチドベースプラスチックの製造に必要な核生成剤をポリラクチドおよび/またはポリカーボネートのブロックコポリマーで置換することにある。
本発明のさらに他の目的は、熱的および機械的特性の良好なバランスを有するポリラクチド/ポリカーボネートジまたはマルチブロックコポリマーを製造することにある。
上記目的は独立クレームに記載の本発明によって達成される。好ましい実施例は従属クレームに記載されている。
本発明は、ラクチドと環状カーボネートとの共重合の共開始剤および移動剤として、または、ポリカーボネート/ポリラクチドのブレンドで、ポリカーボネート(PC)ブロックを添加して、ポリラクチド(PLLA)の結晶化を促進する方法であって、ポリカーボネートブロックによってPLLAの核生成を良くする方法を開示する。
開環共重合で調製した、サンプルの全重量に対して5重量%のPTMCを含むPTMC-b-PLLAサンプルの示差走査熱量測定(DSC)分析図。実線は第1加熱曲線、点線は第2加熱曲線を表す。 開環共重合で調製した、サンプルの全重量に対して20重量%のPTMCを含むPTMC-b-PLLAサンプルの示差走査熱量測定(DSC)分析図。実線は第1加熱曲線、点線は第2加熱曲線を表す。 開環共重合で調製した、サンプルの全重量に対して20重量%のPTMCを含むPLLA-b-PTMC-b-PLLAサンプルの示差走査熱量測定(DSC)分析図。実線は第1加熱曲線、点線は第2加熱曲線を表す。 ブレンド物の全重量に対して20重量%のPTMCを含むホモ-PLLAとホモ-PTMCとのブレンド物の示差走査熱量測定(DSC)分析図。実線は第1加熱曲線、点線は第2加熱曲線を表す。 数平均分子量が95 000g/molのホモ-PLLAと、数平均分子量が2 360g/molの5重量%のPTMCおよび数平均分子量が40 700g/molの95 重量%のPLLAから成るPTMC-b-PLLAコポリマーとの50:50重量%のブレンド物の示差走査熱量測定(DSC)分析図。実線は第1加熱曲線、点線は第2加熱曲線を表す。
好ましいラクチドはL−ラクチドである。
ジまたはトリブロックコポリマー中のポリカーボネートの割合はポリマーの全重量に対して1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%である。
本発明の第1実施例では、ポリラクチドを公知の任意の方法で調製し、そのポリカーボネートをポリラクチド/ポリカーボネートブロックポリマーの形で導入し、ポリラクチドとブロックコポリマーをブレンドする。ブロックコポリマーの量はブレンド物の全重量に対して1〜50重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1〜7重量%である。
ポリカーボネートのホモポリマーをポリラクチドホモポリマーに添加しても核生成効果を全く生じないように思われる。
本発明の好ましい実施例では、ポリカーボネートはラクチドと環状カーボネートとの開環共重合プロセスで添加される。この開環共重合ではジ、トリまたはマルチブロックポリラクチド/ポリカーボネートポリマーは下記(a)〜(e)の段階で調製される:
(a)ルイス酸金属塩または金属錯体または金属を含まない有機塩基から選択される化合物をベースにした触媒系を用意し、
(b)直鎖モノヒドロキシHO−PC−OR、または、直鎖ジヒドロキシテレキーレックHO−PC−OH、または、ヒドロキシ基を介して共開始剤と移動剤の両方の役目をする星型ポリヒドロキシR−(PC−OH)n末端キャッピングポリカーボネート(ここで、PCは環状カーボネートモノマーのイモータル開環重合で得られるポリカーボネート鎖を表す)を用意し、
(c)ラクチドモノマーを用意し、
(d)室温〜150℃の温度で塊状(溶融モノマー)または溶剤状の重合条件下を維持し、
(e)ジ−、トリ−またはマルチ−ブロックコポリマーを回収する。
有機金属触媒錯体およびアルコールの存在下で実施される環状カーボネートのイモータル開環重合は例えば下記文献に開示されている。
国際特許第WO2009/106460号公報
この特許文献3に記載されているように、有機金属錯体または金属塩または有機化合物を含む触媒系およびアルコールまたはポリオールの存在下での環状カーボネートの開環重合ではHO−PC−ORホモポリマーを高収率で製造できるということが知られている。これらのホモポリマーは制御された分子量と、狭い多分散性とを有する。多分散性は数平均分子量Mnに対する重量平均分子量MwのMw/Mn比である多分散性指数によって表される。
また、下記特許文献4に開示されているように、ジブロックコポリマーのポリラクチド/ポリカーボネートの製造方法も知られている。この文献では、環状カーボネートのホモ重合の終了後にラクチドを反応混合物に添加し、スキーム1に例示されているように所望のジブロックコポリマーを得るのに必要な時間だけ、撹拌する。
国際特許第WO2010/066597号公報
Figure 2013544911
この環状カーボネートはポリカーボネートの調製で使用できるバイオマスから得られる環状モノマーで、5員環−、6員環−または7員環カーボネート、好ましくは下記リストから選択できる。このリストは単に説明のためであり、これに限定されるものではない:
Figure 2013544911
TMCOH、DMCOHはグリセロールから直接得られる。TMCCおよびBTMCはTMCOHから得られ、従って、グリセロールから間接的に得られる。
これはトリメチレンカーボネート(TMC)であるのがより好ましい。
ポリカーボネートブロックの調製に使用可能な触媒成分は係属中の出願である上記特許文献4(第WO2010/066597号)に詳細に説明されており、その内容は本明細書の一部を成す。
触媒系の役目をする金属錯体は下記非特許文献41に記載されているように、シングルサイト触媒成分、例えばバルクβ−ジイミネートリガンド(BDI)をベースにしたシングルサイト触媒成分から選択できる。Znの場合、〔化3〕の一般式で表される。
Coates et al. (B.M. Chamberlain, M. Cheng, D.R. Moore, T.M. Ovitt, E.B. Lobkovsky, and G.W. Coates, in J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 3229)
Figure 2013544911
(ここで、R1, R2, R3, R4, R5, R6およびR7は水素、未置換または置換ヒドロカルビルまたは不活性官能基から独立して選択され、これらの基の2つ以上が互いに結合して一つ以上の環を形成することもでき、Xは1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、アルコキシド基OR*、アミド基NR** 2またはホウ化水素基(BH4)である)
このカテゴリの好ましい触媒成分としてはさらに、[BDI]Zn(N(SiMe3)2), {[BDI]Zn(OiPr)}2, Zn(N(SiMe3)2), ZnEt2, Ln(N(SiMe3)2)3 (Ln =第3族金属、例えばランタニド系列), "Ln(OiPr)3", Al(OiPr)3, Mg[N(SiMe3)2]2, Ca[N(SiMe3)2]2(THF)2, (BDI)Fe[N(SiMe3)2], Fe[N(SiMe3)2]2およびFe[N(SiMe3)2]3が挙げられる。これらは配位/挿入の機構で作用する。
金属塩は下記式の金属錯体から選択できる:式M(OSO2CF3)n(以下、トリフレートまたはOTf)または式M(N(OSO2CF3)2)n(以下、トリフルイミデートまたはNTf2)または式M(RC(O)CR2C(O)R)n(以下、アセチルアセトネートまたはacac)または式(R能ochCO2)nM(以下、カルボキシレート)〔ここで、Mは周期律表の第2族、第3族(ランタニド系列(以下、Ln)含む)、第4族、第12族、第13族、第14族または第15族金属であり、各Rは1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル基から独立して選択され、ハロゲンまたはヘテロ原子によって置換されていてもいなくてもよく、各R''は1〜12個の炭素原子を有するパーフッ素化されたアルキルまたはアリール基から独立して選択され、nはMの結合価である〕。
MはMg(II), Ca(II), Sc(III), Ln(III) ,Y(III), Sm(III), Yb(III), Ti(IV), Zr(IV), Fe(II), Fe(III), Zn(II), Al(III) Sn(IV)またはBi(III) であるのが好ましい。MはAl, Bi, ZnまたはScであるのがより好ましい。Mは最も効率的な金属であるAlであるのが最も好ましい。
各Rはアルキル基、例えばCH3または置換されたアルキル基、例えばCF3から独立して選択される。これらは全て同じで、CH3またはCF3であるのがより好ましい。R’’は(C6F5)または(CF3) またはCF3(CF2)m(ここで、mは1〜6の整数である)であるのが好ましい。
このカテゴリの中の好ましい触媒化合物としては例えば下記の例が挙げられるが、これらに限定されるものではない:Al(OTf)3、Al(NTf2)3、Mg(OTf)2、Ca(OTf)2、Zn(OTf)2、Sc(OTf)3、Bi(OTf)3、Al(hfacac)3 (hfacac=1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトネート)、Fe(acac)3、Al(OCOCF3)3、Zn(OCOCF3)2, Zn(BF4)2, Zn(acac)2, Zn(hfacac)2
これらの触媒はアルコール化合物である外部求核試薬と一緒になって活性化モノマー経路によって作用する。
金属を含まない有機化合物は下記の例の中から選択できるが、これらに限定されるものではない:例えばZhang et al.の非特許文献42に開示されたダイマーホスファゼン塩基、または、例えばZhang et al.の非特許文献43に開示されたホスファゼン塩基、または、例えばNederberg et al.の非特許文献44またはMindemark et al.の非特許文献45に開示された有機化合物、例えばアミンまたはグアニジン。
Zhang et al. (Zhang L., Nederberg F., Messman J. M., Pratt R. C., Hedrick J. L., and Wade C. G., in J. Am. Chem. Soc., 2007, 129, 12610-12611) Zhang et al. (Zhang L., Nederberg F., Pratt R. C., Waymouth R. M., Hedrick J. L., and Wade C. G., in Macromolecules 2007, 40, 4154-4158) Nederberg et al. (Nederberg F., Lohmeijer G. B., Leibfarth F., Pratt R. C., Choi J., Dove A. P., Waymouth R. M., Heidrich J. L., in Biomacromolecules, 2007, 8, 153) Mindemark et al. (Mindemark J., Hilborn J., Bowden T., in Macromolecules, 2007, 40, 3515)
有機触媒先駆体はアミン、グアニジン(例えば、TBD、MTBD)、アミジン(例えば、DBU)、第3アミン(例えば、DMAE, DMAEB)、特定NHC、二官能性チオ尿素−第3アミン触媒またはホスファゼンから選択するのが好ましい(スキーム2)。
Figure 2013544911
本発明の好ましい有機触媒は、4-ジメチルアミノピリジン (DMAP)または1,5,7-トリアゾビシクロ-[4,4,0]デカ-5-エン (TBD)またはtert-ブチルイミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスフィン (BEMP)から選択される。BEMPがより好ましい。
有機触媒をベースにした触媒系はいわゆる「活性化モノマー経路」を介して作用する。
全ての触媒成分は過剰アルコールの存在下で用いる。ここで、アルコールは2つの役目をする:
(1)活性化モノマーの開環を介して重合を開始する外部求核試薬の役目、このプロセスでは有機触媒一つ当たり1当量のアルコールを用いる、
(2)マルチプルポリマー鎖を生成することによる移動剤の役目、全ての過剰アルコール分子をこの第2プロセスで用い、ポリマーの最終分子量はアルコール対モノマー比の関数である。
アルコールは式R'OH(ここでR'は1〜20の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル基である)で表すことができる。R'は第2アルキル残基か、ベンジル基であるのが好ましく、イソプロピル(iPr)またはベンジル(Bn)であるのがより好ましい。また、ポリオール(ジオール、トリオール、さらに高次の官能性ポリハイドリックアルコール)でもよく、一般に1,3- プロパンジオールまたはトリメチロールプロパンにすることができ、バイオマス、例えばグリセロール、その他任意の糖ベースのアルコール(例えばエリトリトール、シクロデキストリン)に由来するものでもよい。変形例では、アルコールを他のプロトン源、例えばC6H5CH2NH2またはC3H7NH2から選択できるアミンによって置換できる。
全ての触媒成分およびアルコールは単独または組み合わせて使用できる。
アルコールはアルコールと触媒のモル比が少なくとも5になるように過剰に用いる。
本発明方法で得られるポリエステルは優れた機械的特性を特徴とする。弾性率は減少せず、逆にわずかに増大し、破断点伸びは変わらない。
示差走査熱量測定(DSC)によってテストしたポリマーの熱的特性から、コポリマー中に存在する小さなポリカーボネートセグメントによって結晶化速度が上がり、それによって核生成剤として作用することが明らかになった。この核生成効果は、ポリマーの全重量に対して1〜7重量%のポリカーボネートの量で最大となる。
PTMC-b-PLLAコポリマーの合成
半結晶性PLLAセグメントと、非晶質のガラス遷移温度の低いPTMCブロックとを含むジブロックコポリマーをスキーム1に従って調製した。
5mgの (BDI)Zn(N(SiMe3)2) (7.77 オmol, 1当量)を0.1mlのトルエンに入れた4 オLのBnOH (0.039 mmol, 5当量)に添加し、15分間かけて撹拌した直後に0.793gのTMC(7.77 mmol, 1000当量)を添加した。この混合物を直ちに所望の温度でTMC変換を完了させるのに適した時間、一般に10分間、撹拌した。次いで、1.12 gのL-LA (7.77 mmol, 1 000当量)をフラスコに添加した。重合を100%になるまで行った後、1mlの、トルエンで調製した16.5 x 10-3 mol.L-1酢酸溶液を添加して止める。得られた混合物を乾燥させた後、1H NMR 分析でモノマー変換率を測定した。CH2Cl2中に溶解し、低温メタノール中で沈殿させ、濾過および乾燥させた後、コポリマーPTMC-b-PLLAを得た。
精製ポリマーの熱的特性を示差走査熱量測定(特に記載のない限り、DSC 131, Setaram 機器)によって評価した。実験はガスパージとしてヘリウムを用いたアルミニウム鍋で行った。DSC分析には6〜12mgのコポリマーサンプルを用いた。サンプルを−40℃から200℃まで10℃/分の加熱率で加熱し、−40℃まで10℃/分の冷却率で冷却し(特に記載のない限り)、次いで、200℃まで同じ加熱率で再加熱した。
各サンプルの溶融温度(Tm)、結晶化温度(Tc)およびガラス遷移温度(Tg)を第2加熱曲線から得た。PTMC-b-PLLAジブロック中のPTMCの重量%(wt-%)を種々変えた。PLLAの再結晶に与えるその影響は[表1]からわかる。
Figure 2013544911
コポリマーの機械的特性を、圧縮成形シートを用いて評価した。コポリマーをそれぞれ、PLAの場合は180℃の温度で、PTMCの場合は220℃の温度で、custom scientific instruments Inc.のミニマックス成形機で成形した。
ZWICK (MEC125/2)によるASTMD 882標準試験の方法に従って、室温で同じコポリマーの6つのサンプルに引張試験を、10 mm/分のクロスヘッド速度、ロードセル200 Nで実施した。破断点強度および伸びの値を、動的引張線図に基づいて計算した。
サンプル試験片の変形は初期に10mmであるグリップトゥグリップ(grip-to-grip)分離で生じた。結果を[表2]に示す。
Figure 2013544911
[表2]から、分子量が3 000 g/mol以下である5重量%または6重量%のPTMCを、分子量が約40 000 g/molであるPLLA中に導入すると、破断点伸びは変わらずに弾性率がわずかに上がることがわかる。同時に、DSCで得られる実施例1の熱的特性を[図1]に示す。実線で示される第1加熱曲線は56℃のPLLAのガラス遷移温度、発熱結晶化ピークおよび175℃の溶融温度を示す。冷却サイクル中に、新規のピークが104℃の温度で出現し、これはポリマーの再結晶に対応する。点線で示される第2加熱曲線では、溶融温度に先行する結晶化ピークが消滅した。これはコポリマー中に存在する小さなPTMCセグメントがPLLAの結晶化を加速させ、それによって核生成剤として作用したことを示す。
ポリマーの全重量に対して1〜7重量%であるポリカーボネートの量が、PLLAの機械的特性を維持しながら、最高の核生成能力を提供するということが結論づけられる。
トリブロックおよび星型コポリマーでも同様の結果が得られた。
トリブロックコポリマーPLLA−PTMC−PLLAはスキーム2に従って調製できる。
Figure 2013544911
結果を[表3]に示す。
Figure 2013544911
ジブロックPLLA-b-PTMCで得られた結果と一致するが、数平均分子量が9 500 g/molである20重量%のPTMCを含むトリブロックPLLA-b-PTMC-b-PLLAに対して実施したDSC分析から、PLLAの再結晶化は[図3]に示すようにほぼ完了していることがわかった。
結果を[表4]に示す。
Figure 2013544911
PTMC/PLLA ブレンド物の調製
一般的な実験では、数平均分子量Mnが6650g.mol-1である10mgのPTMC (1.5 オmol)、および、数平均分子量Mnが95000g.mol-1である90mgのPLLA (0.95 オmol)を10mlのジクロロメタン中で、完全に溶けるまで室温で撹拌した。次いで、溶剤を減圧除去した。最終ブレンド物をDSCで分析した(10-15 mg)。
ホモポリカーボネートとホモポリラクチドとのブレンド物を、ポリカーボネート含有量をブレンド物の全重量に対して5〜15重量%にして、上記の手順に従って調製した。DSC分析の結果を[表5]に示す。
Figure 2013544911
[表5]からわかるように、数平均分子量Mnが6650g.mol-1である20重量%以下のPTMCを分子量Mnが95000g/molであるPLLAブロックに添加してもPLLAの結晶化速度は上がらなかった。さらに、[図4]に示すDSC分析は、試験したサンプルに与えられる核生成効果を全く示さなかった。
PTMC-b-PLLA/PLLAブレンド物の調製
PTMC-b-PLLAコポリマーとホモPLLAとの複数のブレンド物は、ブレンド物中のPTMC-b-PLLAの種々の量およびPTMC-b-PLLAコポリマーの種々の組成(様々なwt-%)で調製した。複数のブレンド物の結果を[表6]に示す。
Figure 2013544911
[表5]に示す結果は、ジブロックPTMC-b-PLLAとホモPLLAとをブレンドすることによって、後者のホモポリマーの結晶化を促進できることを示す。このプロセスの効率は、ジブロックコポリマーの50重量%荷重でより顕著である(実施例3)。より少ない30重量%および10重量%荷重では核生成効果が部分的であるか、さらには全くない。さらに、核生成プロセスの効率は、比較例3および6からわかるように、使用するジブロックコポリマーPTMC-b-PLLAのタイプにも依存する。

Claims (9)

  1. ラクチドおよび環状カーボネートの共重合の共開始剤および移動剤として、または、カーボネート/ラクチドブロックコポリマー/ポリラクチドのブレンドでのポリカーボネートブロックとして、ポリカーボネートブロックを添加し、このポリカーボネートの量を最終コポリマーの重量に対して30重量%以下とする、ポリ(L−またはD−ラクチド)の結晶化促進方法であって、核生成がポリカーボネートブロックによって行われることを特徴とする方法。
  2. ラクチドがL−ラクチドである請求項1に記載の方法。
  3. ラクチドモノマーの共重合を、一種以上の触媒系および直鎖モノヒドロキシHO−PC−ORまたは直鎖ジヒドロキシテレキーレックHO−PC−OHまたはヒドロキシ基を介して共開始剤と移動剤の両方の役目をする星型ポリヒドロキシR−(PC−OH)n末端キャッピングポリカーボネートの存在下で行い(ここで、PCは環状カーボネートモノマーのイモータル開環重合で得られるポリカーボネート鎖である)、ポリカーボネートブロック(鎖)が核生成剤の役目をする請求項1または2に記載の方法。
  4. イモータル開環重合で作られたホモポリラクチドとポリカーボネートとをブレンドし、ポリラクチドとブレンドしたポリカーボネートがラクチド/カーボネートブロックコポリマーの形をしている請求項1または2に記載の方法。
  5. 上記のマルチブロックラクチド/カーボネート(コ)ポリマーを下記(a)〜(e)の段階を含むイモータル開環重合で製造する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法:
    (a)ルイス酸の金属塩または金属錯体または金属を含まない有機塩基の中から選択される化合物をベースにした触媒系を用意し、
    (b)直鎖モノヒドロキシHO−PC−ORまたは直鎖ジヒドロキシテレキーレックHO−PC−OHまたはヒドロキシ基を介した共開始剤と移動剤の両方の役目をする星型ポリヒドロキシR−(PC−OH)n末端キャッピングポリカーボネート(ここで、PCは環状カーボネートモノマーのイモータル開環重合で得られるポリカーボネート鎖)を用意し、
    (c)ラクチドモノマーを用意し、
    (d)室温〜150℃の温度で塊状(溶融モノマー)または溶剤状の重合条件下を維持し、
    (e)ジ−、トリ−またはマルチ−ブロックコポリマーを回収する。
  6. ポリカーボネートがポリトリメチレンカーボネート(PTMC)である請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 最終コポリマー中のポリカーボネートの量が最終ポリマーの全重量に対して1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 核生成剤の役目をするポリカーボネートブロックが、バイオ再生可能資源の環状カーボネートの開環重合によって得られる1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ラクチドおよび環状カーボネートの重合の共開始剤および移動剤として、または、カーボネート/ラクチドブロックコポリマー/ポリラクチドのブレンドに添加される請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリカーボネートブロックの、熱的および機械的特性を変えずに、ポリ(L−またはD−ラクチド)の結晶化速度を上げるための使用。
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