JP2000136300A - 可塑化された乳酸系ポリマー組成物及びその成型品 - Google Patents

可塑化された乳酸系ポリマー組成物及びその成型品

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JP2000136300A
JP2000136300A JP10313353A JP31335398A JP2000136300A JP 2000136300 A JP2000136300 A JP 2000136300A JP 10313353 A JP10313353 A JP 10313353A JP 31335398 A JP31335398 A JP 31335398A JP 2000136300 A JP2000136300 A JP 2000136300A
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lactic acid
based polymer
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glycol dibenzoate
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Hidekazu Koseki
英一 小関
Kenji Kanamori
健志 金森
Koji Tajima
興司 田島
Akihiro Yamaki
章浩 八巻
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用条件下で十分な熱安定性をもち、かつ柔
軟で透明な、乳酸系ポリマーを主成分とする乳酸系ポリ
マー組成物を提供することを提供すること。 【解決手段】 乳酸系ポリマーを主成分とし、ポリプロ
ピレングリコールジベンゾエート可塑剤を含む。ポリプ
ロピレングリコールジベンゾエート可塑剤としては、ジ
プロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレン
グリコールジベンゾエート等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳酸系ポリマーを
主成分とし、ジプロピレングリコールジベンゾエート、
トリプロピレングリコールジベンゾエート等のポリプロ
ピレングリコールジベンゾエート可塑剤成分を含む生分
解性の乳酸系ポリマー組成物、詳しくは、耐衝撃性に優
れ、構成成分の配合比率により所望の強度あるいは柔軟
性を制御でき、さらに透明性が有り、包装材料や各種成
型品などの軟質材料に利用できる乳酸系ポリマー組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、自然保護の観点から、自然環境中で分解する生分解
性樹脂、及びその成型品が求められ、脂肪族ポリエステ
ルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。
特に乳酸ポリマーは、その剛直な分子構造の為に、耐衝
撃性に劣り脆いという欠点があり、これらの乳酸ポリマ
ーの改良が望まれている。一般的に、柔軟性と透明性を
有する樹脂成形物を製造するには、可塑剤やエラストマ
ー等を樹脂に添加する方法が用いられている。乳酸ポリ
マーの柔軟性は、動的貯蔵弾性率で評価できるが、動的
貯蔵弾性率が25℃で109 Pa超では実用上満足でき
る柔軟性は得られない。したがって、実用上は乳酸ポリ
マーに可塑剤が使用されることで、動的貯蔵弾性率が2
5℃で109 Pa以下になることが要求される。
【0003】米国特許第3736646号明細書及び米
国特許第3982543号明細書に、可塑剤として揮発
性溶剤を用いることが開示されている。しかし、揮発性
の為、製品が経時変化してしまい物性が変化し、効果が
なくなる恐れがある。また、医療、食品用途においては
安全性も危惧される。
【0004】米国特許第5076983号明細書には、
可塑剤としてヒドロキシカルボン酸の環状2量体、直鎖
2量体及び直鎖状オリゴマーを含むポリヒドロキシカル
ボン酸フィルムが開示されており、米国特許第5180
765号明細書には、可塑剤として乳酸モノマー、ラク
チド及び直鎖状乳酸オリゴマーを含むポリ乳酸が開示さ
れている。この系は添加物の成分が主成分と同一の為、
相溶性は非常に良い。しかし、これらの添加物は、その
性状から容易に加水分解が起き、その分解物がポリマー
の劣化を促進するため、経時安定性が悪い。
【0005】特開平6−306264号公報には、可塑
剤としての環状乳酸オリゴマーを含むポリ乳酸が開示さ
れている。この系も、添加物の成分が主成分と同一の
為、相溶性が非常に良く、さらに加水分解も起きにく
い。しかし、特開平7 −173266号公報から、環状
2量体(ラクチド)の分解温度が185℃と加工温度近
辺であることが分かるように、添加する環状体は分解が
起き、よって耐熱性が不安定であり、さらに製品に加工
する際、添加物が昇華飛散する為、製造工程での装置へ
の付着汚染が起き、かつポリマー中から添加物が消失す
ることによって物性が変化する為、製品安定性が良くな
い。
【0006】また、特開平8−199052号公報、特
開平8−199053号公報、特開平8−283557
号公報等に記載されたポリエチレングリコール等のエー
テル結合含有グリコールを用いた(ポリ)エステル系可
塑剤を用いた場合には、成形直後の透明性は比較的良好
であるが、経時的に物性が低下してしまうため、満足で
きるものではなかった。また、特開平10−36651
号公報には、可塑剤としてジエチレングリコールジベン
ゾートが開示されているが、透明性に問題があり、満足
できるものではなかった。
【0007】以上からも分かるように、生分解性樹脂と
しての乳酸系ポリマーに、安定して添加される可塑剤は
見つかっていない。
【0008】従って、本発明の目的は、使用条件下で十
分な熱安定性をもち、かつ柔軟で透明な、乳酸系ポリマ
ーを主成分とする乳酸系ポリマー組成物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、特定のグリコールベンゾエート系可塑剤を含む
乳酸系ポリマー組成物が、上記目的を達成し得ることを
知見した。
【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、ポリプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤を
含む乳酸系ポリマー組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可塑化された乳酸
系ポリマー組成物をその好ましい実施形態について詳述
する。
【0012】本発明の乳酸系ポリマー組成物において、
乳酸系ポリマーとは、ポリ乳酸ホモポリマーの他、乳酸
コポリマー、ブレンドポリマーを含むものである。
【0013】上記乳酸系ポリマーの重量平均分子量は、
一般に5万以上、好ましくは5万〜50万、更に好まし
くは10万〜50万である。また、乳酸系ポリマーにお
けるL−乳酸単位、D−乳酸単位の構成モル比L/D
は、100/0〜0/100のいずれであってもよい
が、高い融点を得るにはL−乳酸あるいはD−乳酸いず
れかの単位を75モル%以上、更に高い融点を得るに
は、L−乳酸あるいはD−乳酸のいずれかの単位を90
モル%以上含む事が好ましい。
【0014】乳酸コポリマーは、乳酸モノマーまたはラ
クチドと共重合可能な他の成分とが共重合されたもので
ある。このような他の成分としては、2個以上のエステ
ル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコ
ール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれら
の種々の構成成分より成る各種ポリエステル、各種ポリ
エーテル、各種ポリカーボネート等があげられる。
【0015】上記ジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等があげられる。
【0016】上記多価アルコールとしては、ビスフェノ
ールにエチレンオキサイドを付加反応させたものなどの
芳香族多価アルコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オ
クタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロ
ールプロパン、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族多
価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のエーテルグリコール等が挙げられる。
【0017】上記ヒドロキシカルボン酸としては、グリ
コール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、その他特平6
−184417号公報に記載されているもの等が挙げら
れる。
【0018】上記ラクトンとしては、グリコリド、ε−
カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−
プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ
−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクト
ン等挙げられる。
【0019】本発明に用いられる上記乳酸系ポリマー
は、従来公知の方法で合成することができる。即ち、特
開平7−33861号公報、特開昭59−96123号
公報、高分子討論会予稿集44巻3198−3199頁
に記載のような乳酸モノマーからの直接脱水縮合、また
は乳酸環状2量体ラクチドの開環重合によって合成する
ことができる。
【0020】直接脱水縮合を行う場合、L−乳酸、D−
乳酸、又はこれらの混合物のいずれの乳酸を用いても良
い。又、開環重合を行う場合においても、L−ラクチ
ド、D−ラクチド、MESO−ラクチド、又はこれらの
混合物のいずれのラクチドを用いても良い。
【0021】ラクチドの合成、精製及び重合操作は、例
えば、米国特許第4057537号明細書、公開欧州特
許出願第261572号明細書、Polymer Bu
lletin、14、491−495(1985)及び
Makromol Chem,187、1611−16
28(1986)等の文献に様々に記載されている。
【0022】重合反応に用いる触媒は、特に限定される
ものではないが、公知の乳酸重合触媒を用いることがで
きる。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸ス
ズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステア
リン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸スズ、
β−ナフトエ酸スズ、オクチル酸スズ等のスズ系化合
物、粉末スズ、酸化スズ;亜鉛末、ハロゲン化亜鉛、酸
化亜鉛、有機亜鉛系化合物;テトラプロピルチタネート
等のチタン系化合物;ジルコニウムイソプロピキシド等
のジルコニウム系化合物;三酸化アンチモン等のアンチ
モン系化合物;酸化ビスマス等のビスマス系化合物;酸
化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のア
ルミニウム系化合物等をあげることができる。
【0023】これらの中でも、スズ又はスズ化合物から
なる触媒が活性の点から特に好ましい。これらの触媒の
使用量は、例えば開環重合を行う場合、ラクチドに対し
て0.001〜5重量%程度である。
【0024】重合反応は、上記触媒の存在下、触媒種に
よって異なるが、通常100〜220℃の温度で行うこ
とができる。また、特開平7−247345号公報に記
載のような2段階重合を行うことも好ましい。
【0025】乳酸系ポリマーとして乳酸/ヒドロキシカ
ルボン酸共重合体を用いる場合の該共重合体の製造方法
としては、例えば特開平6−306264号公報に記載
されているように、乳酸とヒドロキシカルボン酸を直接
脱水重縮合するか、乳酸環状2量体(ラクチド)とヒド
ロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えばグリコ
ール酸の2量体であるグリコライド等の共重合可能なモ
ノマーを適宜用いて開環重合する方法が挙げられる。
【0026】乳酸系ポリマーとして乳酸/ジオールカル
ボン酸共重合体を用いる場合の該共重合体の製造方法と
しては、例えば特開平7−173266号公報に記載さ
れているように、開環重合触媒の存在下で乳酸環状2量
体と種々の構成割合からなる脂肪族ジカルボン酸成分及
びジオール成分からなるポリエステルポリマーと反応さ
せる方法が挙げられる。
【0027】本発明の乳酸系ポリマー組成物に用いられ
るポリプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤は、
グリコール成分の両末端(OH基)が安息香酸でエステ
ル化された構造を有することを特徴とするものである。
【0028】上記ポリプロピレングリコールジベンゾエ
ート可塑剤の分子量は特に制限はないが、あまりにも高
分子量のものは相溶性に劣ったり、熱安定性が不十分と
なるので、一般には平均分子量5000以下、更に好ま
しくは1000以下である。
【0029】従って、本発明で用いられる上記ポリプロ
ピレングリコールジベンゾエート可塑剤の具体例として
は、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロ
ピレングリコールジベンゾエート、テトラプロピレング
リコールジベンゾエート、ペンタプロピレングリコール
ジベンゾエート、ヘキサプロピレングリコールジベンゾ
エート、ヘプタプロピレングリコールジベンゾエート等
があげられる。特に、ジプロピレングリコールジベンゾ
エート、トリプロピレングリコールジベンゾエートが好
ましい。
【0030】本発明の乳酸系ポリマー組成物の柔軟性
は、ポリプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤の
添加量で制御でき、その添加量は乳酸ポリマー100重
量部に対して、1〜300重量部が好ましい。1重量部
未満の場合は、添加の効果が不十分となる場合があり、
また300重量部を超えると乳酸系ポリマー組成物にブ
リードが生じ、経時劣化の原因となる場合がある為好ま
しくない。上記ポリプロピレングリコールジベンゾエー
ト可塑剤の添加量は、更に好ましくは5〜150重量
部、一層好ましくは10〜100重量部であり、この範
囲であれば、乳酸系ポリマー組成物が、一般的な使用条
件下で、熱安定性、柔軟性及び透明性において十分な性
質を示す。特に柔軟性を求める用途には、30〜100
重量部が好ましく、耐衝撃性を求める用途には10〜3
0重量部が好ましい。また、乳酸系ポリマーに対して配
合される上記ポリプロピレングリコールジベンゾエート
可塑剤は、通常単独で使用されるが、必要に応じて2種
以上併用して使用してもよい。
【0031】乳酸系ポリマーにポリプロピレングリコー
ルジベンゾエート可塑剤を配合する方法は、特に制限さ
れるものでなく、従来公知の方法が採用でき、例えば1
軸または複数軸の攪拌機が設定された縦形反応容器また
は横形反応容器、1軸または複数軸の掻き取り羽が配設
された横形反応機、又、1軸または複数軸のニーダー
や、1軸または複数軸の押し出し機等の反応装置を単独
で用いて混練すればよく、または複数基を直列または並
列に接続して用いても良い。この混合混練は通常120
〜220℃程度の温度で行われる。
【0032】また、ラクチド、乳酸モノマー、乳酸オリ
ゴマー及びその共重合成分から始まる種々の重合反応工
程の段階から可塑剤を添加してもよい。
【0033】上述のようにして得られる本発明の乳酸系
ポリマー組成物は、生分解性も良好で、使用後や製造工
程上からの廃棄物減量に役立つ。特に、コンポスト中で
の分解性に優れており、3〜6ケ月で外形が保たないま
で分解できる。本発明の乳酸系ポリマー組成物は、一般
のプラスチックと同様の押し出し成形、射出成形、真空
成形、圧空成形等の成形に応用できるため、フィルム、
シート、繊維、編物、織物、不織布、紙、フェルト、
板、棒、チューブ、多孔質成型品、各種容器、各種部
品、及びその他の成型品を容易に得ることができる。
【0034】本発明の乳酸系ポリマー組成物の用途とし
ては、シート・フィルム等に成形してごみ袋などの包装
材料、または軟質チューブ等の軟質塩ビ材料利用分野の
代替品、制振材、農業用・園芸用資材、食品包装用材
料、衛生用材料、日用品雑貨品、産業用資材、自動車用
内装材として用いることが出来るが、これらに制限され
ない。
【0035】更に、本発明の乳酸系ポリマー組成物に
は、必要に応じ副次的にポリプロピレングリコールジベ
ンゾエート以外の可塑剤や添加物を加えて色々な改質を
行うことが出来る。添加剤の例としては、熱安定性、光
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、各
種フィラー、帯電防止剤、離型剤、香料、滑剤、難燃
剤、発泡剤、充填剤、抗菌剤、核形成剤等、その他の類
似のものがあげられる。
【0036】本発明の乳酸系ポリマー組成物の柔軟性
は、(株)島津製作所製『動的粘弾性分析装置(DVA
−300)』を用いて、動的粘弾性の温度依存性に関す
る試験(JIS K 7198A法)で測定した動的貯
蔵弾性率(E' )を昇温速度5℃/min、周波数10
H zで測定し、その25℃における値で確認した。
【0037】JIS K 7198A法での測定した動
的貯蔵弾性率(E' )とは、物理的にその組成物や成形
品の剛性(硬さ、柔らかさ)を表しており、25℃での
温度における動的貯蔵弾性率(E' )の値を比較して、
ポリ乳酸よりその値が小さければ、柔軟性がよくなった
(可塑化された)と判断できる。本発明の乳酸系ポリマ
ー組成物は、JIS K 7198A法で測定した動的
貯蔵弾性率が25℃の温度において、通常、109 Pa
以下である。
【0038】本発明の乳酸系ポリマー組成物及びその成
型品の製造方法は、一般のプラスチックと同様の射出成
形、真空成形、圧空成形等の成形を応用できるため、
棒、ビン、容器等の各種成型品を容易に得ることができ
る。
【0039】本明細書において、重合体の重量平均分子
量(Mw)は(株)島津製作所製HPLCを用い、GP
C分析によるポリスチレン換算値、L−乳酸、D−乳酸
構成比の分析は(株)島津製作所製HPLCを用いて分
析した。動的貯蔵弾性率の測定は動的粘弾性の温度依存
性に関する試験(JIS K 7198A法)に準じて
行った。透明性については、目視にて判断した。また評
価の段階において(株)島津製作所製DSC(示差走査
熱量計、DSC−50)を用いて其々のガラス転移点、
結晶化点、融点を参考にした。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例によ
り何ら制限されない。
【0041】(実施例1〜5及び比較例1〜3)ポリ乳
酸(重量平均分子量18万、D−乳酸/L乳酸=3/9
7、以下「PLA」と称する)100重量部に対し、表
1に示す可塑剤を所定量混合し、195℃の二軸混練押
出機で5分間溶融混合し、口金からストランド状に押出
し、水冷後切断して可塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物
からなるチップを得た。
【0042】得られたチップを80℃で真空乾燥し、絶
乾状態とした後、金型温度を25℃に保って射出成形に
よって厚さ1mmの名刺大プレートを製作した。
【0043】この名刺大のプレートから、10mm×5
0mmの短冊状の試験片を切り出し、成形直後及び5日
間室温放置後の試験片について動的粘弾性の温度依存性
に関する試験(JIS K 7198A法)で測定した
動的貯蔵弾性率(Pa)を測定した。また、試験片の透
明性は目視により、次の4段階で評価した。 ◎:透明性が良好なもの、○:透明性が僅かに劣るも
の、△:半透明のもの、×:不透明のものそれらの結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から明らかなように、本発明に
係るポリプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤を
配合した実施例1〜5の場合は、成形直後の透明性が良
好で、弾性率も109Pa以下で小さく、良好な物性で
あり、5日間放置後においても透明性および弾性率は良
好な物性を維持出来ることが確認できた。これに対し、
プロピレングリコールジベンゾエートやジエチレングリ
コールジベンゾエートを用いた比較例2及び3の場合
は、成形直後の透明性は比較的良好で、弾性率も比較的
小さいが、5日間放置後においては結晶化が促進されて
白濁し、また弾性率も上昇してしまうため、実用上は全
く不満足なものしかえられない。
【0046】
【発明の効果】本発明の乳酸系ポリマー組成物は、乳酸
系ポリマーにポリプロピレンジベンゾエート可塑剤を添
加してなるもので、経時安定性に優れた、柔軟で透明な
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 6/92 301 D01F 6/92 301C 4L048 D03D 15/00 D03D 15/00 A 4L055 D04H 1/42 D04H 1/42 T D21H 13/24 D21H 13/24 (72)発明者 金森 健志 滋賀県大津市月輪1丁目8番1号 株式会 社島津製作所内 (72)発明者 田島 興司 埼玉県浦和市白幡5丁目2番13号 旭電化 工業株式会社内 (72)発明者 八巻 章浩 埼玉県浦和市白幡5丁目2番13号 旭電化 工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA43X AA76 AA80 AA81 AC10 AE04 AF20Y AF52 AH01 AH03 AH04 BA01 BB05 BB06 BC01 BC04 BC05 BC06 4J002 CF181 CF191 EH126 FD026 GA00 GC00 GG00 GK01 GK03 4J029 AA02 AB01 AC01 AC02 AD01 AE01 AE02 AE03 EA05 EH03 JB183 KH08 4L035 EE20 HH01 JJ15 4L047 AA21 AB02 CB01 CB10 4L048 AA20 AA51 AA56 AC00 CA00 4L055 AF33 AG34 AH50 EA07 EA30 EA32 FA16 FA19 GA37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレングリコールジベンゾエー
    ト可塑剤を含む乳酸系ポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレングリコールジベンゾエー
    ト可塑剤が、ジプロピレングリコールジベンゾエートで
    ある請求項1記載の乳酸系ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレングリコールジベンゾエー
    ト可塑剤が、トリプロピレングリコールジベンゾエート
    である請求項1記載の乳酸系ポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量が5万以上の乳酸系ポリ
    マーを用いた請求項1〜3の何れかに記載の乳酸系ポリ
    マー組成物。
  5. 【請求項5】 乳酸系ポリマー100重量部に対して、
    ポリプロピレングリコールジベンゾエート可塑剤を1〜
    300重量部含む請求項1〜4の何れかに記載の乳酸系
    ポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 JIS K−7198A法で測定した動
    的貯蔵弾性率が、25℃の温度において109 Pa以下
    である請求項1〜5の何れかに記載の乳酸系ポリマー組
    成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載の乳酸系ポ
    リマー組成物からなる、フィルム、シート、繊維、編
    物、織物、不織布、紙、フェルト、板、棒、チューブ、
    多孔質成型品、各種容器、各種部品、及びその他の成型
    品。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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