JP2019026728A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物の提供。【解決手段】(A)セルロースアセテートと、(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、を含む樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。樹脂組成物は、特に、家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されている。また、事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
例えば、特許文献1には、(A)セルロースエステル樹脂と、前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が5質量部以上10質量部以下である(B)エポキシ基含有可塑剤と、前記(A)セルロースエステル樹脂100質量部に対する量が10質量部以上30質量部以下であり、前記(A)セルロースエステル樹脂と反応し得る官能基を有しない(C)非反応性可塑剤と、を含む樹脂組成物が開示されている。
従来から、樹脂組成物として、セルロースにおける水酸基の一部又は全部がアセチル基で置換されたセルロースアセテートが用いられている。なお、高い寸法精度で樹脂成形体を成形する観点で、樹脂組成物には優れた流動性が求められるが、セルロースアセテートを含む樹脂組成物では熱可塑性を高めることが容易でない。また、成形性を高める観点から、高い離型性も求められている。
本発明の課題は、(A)セルロースアセテート及び可塑剤のみを含み(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物を含まない場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
請求項1に係る発明は、
(A)セルロースアセテートと、
(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、
を含む樹脂組成物。
請求項1に係る発明は、
(A)セルロースアセテートと、
(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、
を含む樹脂組成物。
請求項2に係る発明は、
前記(A)セルロースアセテートは、重量平均分子量3万以上9万以下且つアセチル置換度2.1以上2.6以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
前記(A)セルロースアセテートは、重量平均分子量3万以上9万以下且つアセチル置換度2.1以上2.6以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ炭素数4以上80以下の脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ炭素数4以上80以下の脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項5に係る発明は、
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ下記式E−1で表されるエステル基の炭素数が2以上9以下である脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−1:−C(=O)−O−RE1
式E−1中、RE1はアルキル基を表す。
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ下記式E−1で表されるエステル基の炭素数が2以上9以下である脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−1:−C(=O)−O−RE1
式E−1中、RE1はアルキル基を表す。
請求項6に係る発明は、
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、下記式E−2で表される脂肪酸エステルを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−2:RE12−C(=O)−O−RE11
式E−2中、RE11はアルキル基を表し、RE12は前記不飽和基を有するアルキル基を表す。
前記(B)脂肪酸エステル組成物は、下記式E−2で表される脂肪酸エステルを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−2:RE12−C(=O)−O−RE11
式E−2中、RE11はアルキル基を表し、RE12は前記不飽和基を有するアルキル基を表す。
請求項7に係る発明は、
前記(B)脂肪酸エステル組成物における前記不飽和基の濃度が1質量%以上20質量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
前記(B)脂肪酸エステル組成物における前記不飽和基の濃度が1質量%以上20質量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項8に係る発明は、
前記(A)セルロースアセテートと前記(B)脂肪酸エステル組成物との質量比(A)/(B)が10以上100以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
前記(A)セルロースアセテートと前記(B)脂肪酸エステル組成物との質量比(A)/(B)が10以上100以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項9に係る発明は、
(C)可塑剤を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(C)可塑剤を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項10に係る発明は、
前記(C)可塑剤が、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項9に記載の樹脂組成物。
前記(C)可塑剤が、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項9に記載の樹脂組成物。
請求項11に係る発明は、
前記(A)セルロースアセテートと前記(C)可塑剤との質量比(A)/(C)が6以上20以下である請求項9又は請求項10に記載の樹脂組成物。
前記(A)セルロースアセテートと前記(C)可塑剤との質量比(A)/(C)が6以上20以下である請求項9又は請求項10に記載の樹脂組成物。
請求項12に係る発明は、
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂組成物が成形された樹脂成形体。
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂組成物が成形された樹脂成形体。
請求項13に係る発明は、
前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項12に記載の樹脂成形体。
前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項12に記載の樹脂成形体。
請求項1、3、4、5、又は6に係る発明によれば、(A)セルロースアセテート及び可塑剤のみを含み(B)脂肪酸エステル組成物を含まない場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物を提供することにある。
請求項2に係る発明によれば、(A)セルロースアセテートの重量平均分子量が3万未満又は9万超えである場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物を提供することにある。
請求項7に係る発明によれば、(B)脂肪酸エステル組成物における前記不飽和基の濃度が1質量%未満である場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物が提供される。
請求項8に係る発明によれば、(A)セルロースアセテートと(B)脂肪酸エステル組成物との質量比(A)/(B)が10未満又は100超えである場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物が提供される。
請求項9、又は10に係る発明によれば、(A)セルロースアセテート及び(B)脂肪酸エステル組成物のみを含み可塑剤を含まない場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物が提供される。
請求項11に係る発明によれば、(A)セルロースアセテートと(C)可塑剤との質量比(A)/(C)が6未満又は20超えである場合に比べ、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る樹脂組成物が提供される。
請求項12、又は13に係る発明によれば、(A)セルロースアセテート及び可塑剤のみを含み(B)脂肪酸エステル組成物を含まない樹脂組成物が成形された樹脂成形体に比べ、優れた寸法精度及び成形時間の短縮化を両立し得る樹脂成形体が提供される。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂成形体の実施形態について説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)セルロースアセテートと、(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、を含む。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)セルロースアセテートと、(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、を含む。
ここで、本明細書における「不飽和基」とは、分子鎖中に含まれる隣接する2つの炭素原子とその間に形成される不飽和結合(つまり二重結合又は三重結合)とからなる部分を指す。なお、「芳香族基」とは、芳香族化合物において芳香環中に含まれる不飽和基(隣接する2つの炭素原子とその間に形成される不飽和結合とからなる部分)を意味し、つまり(B)脂肪酸エステル組成物が有する不飽和基には、芳香環中に存在する不飽和基は含まれない。
以下においては、「不飽和基」と称する場合、芳香族基を除くことを意味する。
以下においては、「不飽和基」と称する場合、芳香族基を除くことを意味する。
(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、下記式(E−0)で表される構造を有する脂肪酸エステルを含み、且つその一部又は全部の脂肪酸エステルが分子鎖中に不飽和基を持つ。
(式E−0):RA−C(=O)−O−RB
(式E−0中、RA及びRBは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
よって、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルと上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有さない脂肪酸エステルとの混合物であってもよく、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルのみを含む組成物であってもよい。
(式E−0):RA−C(=O)−O−RB
(式E−0中、RA及びRBは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
よって、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルと上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有さない脂肪酸エステルとの混合物であってもよく、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルのみを含む組成物であってもよい。
従来から、環境性に優れた樹脂材料として、非可食資源から生成し得るセルロース誘導体が用いられている。なお、セルロース誘導体は、その分子内及び分子間での水素結合性から樹脂材料として高い弾性率が期待でき、例えば金属代替など様々な用途に展開し得る可能性がある。
しかし、その高い水素結合性ゆえに熱可塑性が低く、成形性(特に射出成形性)に劣っていた。また、成形性(特に射出成形性)を高める観点から、高い離型性も求められていた。
しかし、その高い水素結合性ゆえに熱可塑性が低く、成形性(特に射出成形性)に劣っていた。また、成形性(特に射出成形性)を高める観点から、高い離型性も求められていた。
これに対し本実施形態では、(A)セルロースアセテートに(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を混合することで、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性を両立し得る。
その理由は、以下のように推察される。
その理由は、以下のように推察される。
(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物(以下「成分(B)」とも称す)における脂肪族部(前記(式E−0)において「RA−C(=O)−」で表される部分)は、(A)セルロースアセテート(以下「成分(A)」とも称す)との親和性が相対的に低く、成分(A)に対して反発力が働くため成分(A)から離れる方向に移動する。一方、成分(B)のエステル部(前記(式E−0)において「−O−RB」で表される部分)は、成分(A)との親和性が相対的に高く、成分(A)との間に引力が働くため成分(A)に近づく方向に移動する。その結果、エステル部が成分(A)の近傍に存在し、かつ脂肪族部が成分(A)の分子間に入り込んだ状態となり、高い熱可塑性が発現される。
また、樹脂成形体を成形するにあたって加熱により溶融された樹脂組成物では、成分(A)が自身の水素結合力により互いに近づき合おうとする。一方で、成分(A)に結合した成分(B)のエステル基(前記(式E−0)において「−C(=O)−O−RB」で表される部分)は、近づき合う成分(A)に押されて複雑に絡み合う。これにより、架橋したかのような構造、つまり擬似的な架橋構造が形成され、樹脂成形体とした際の寸法変化が抑制されるものと推察される。
さらに、成分(B)は不飽和基を含み、この不飽和基が脂肪族部の立体配置を直線状に伸ばす働きをし、この脂肪族部がランダムコイル構造化されることが抑制される。そのため、脂肪族部が樹脂組成物内部に埋没せずに表面に露出する割合が増加し、離型性が高められる。
また、樹脂成形体を成形するにあたって加熱により溶融された樹脂組成物では、成分(A)が自身の水素結合力により互いに近づき合おうとする。一方で、成分(A)に結合した成分(B)のエステル基(前記(式E−0)において「−C(=O)−O−RB」で表される部分)は、近づき合う成分(A)に押されて複雑に絡み合う。これにより、架橋したかのような構造、つまり擬似的な架橋構造が形成され、樹脂成形体とした際の寸法変化が抑制されるものと推察される。
さらに、成分(B)は不飽和基を含み、この不飽和基が脂肪族部の立体配置を直線状に伸ばす働きをし、この脂肪族部がランダムコイル構造化されることが抑制される。そのため、脂肪族部が樹脂組成物内部に埋没せずに表面に露出する割合が増加し、離型性が高められる。
以上により、本実施形態では、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性が両立されるものと考えられる。その結果、成形時(特に射出成形時)における成形時間(サイクルタイム)を短縮し得る。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の成分を詳細に説明する。
[(A)セルロースアセテート]
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテートを含む。
ここで、セルロースアセテートは、水酸基の少なくとも一部又は全部がアセチル基で置換されたセルロース誘導体であり、具体的には、下記一般式(1)で表されるセルロース誘導体である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテートを含む。
ここで、セルロースアセテートは、水酸基の少なくとも一部又は全部がアセチル基で置換されたセルロース誘導体であり、具体的には、下記一般式(1)で表されるセルロース誘導体である。
一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、又はアセチル基を表す。nは2以上の整数を表す。ただし、n個のR1、n個のR2、及びn個R3のうちの一部又は全部はアセチル基を表す。
一般式(1)中、nの範囲は特に制限されない。目的とする重量平均分子量の範囲に応じて決定されればよい。例えば、120以上330以下が挙げられる。
−重量平均分子量−
セルロースアセテートの重量平均分子量は、3万以上9万以下であることが好ましい。
重量平均分子量が3万以上であることで、樹脂成形体を形成する際の離型性をより高め易くなる。また、重量平均分子量が9万以下であることで、熱可塑性をより高め易くなる。
なお、高い熱可塑性を得つつ且つ樹脂成形体を形成する際の離型性を高める観点から、重量平均分子量は、4万以上9万以下が好ましく、6万以上8万以下がより好ましい。
セルロースアセテートの重量平均分子量は、3万以上9万以下であることが好ましい。
重量平均分子量が3万以上であることで、樹脂成形体を形成する際の離型性をより高め易くなる。また、重量平均分子量が9万以下であることで、熱可塑性をより高め易くなる。
なお、高い熱可塑性を得つつ且つ樹脂成形体を形成する際の離型性を高める観点から、重量平均分子量は、4万以上9万以下が好ましく、6万以上8万以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10(質量比)溶液を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ装置(GPC装置:東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
−置換度−
セルロースアセテートのアセチル置換度は、2.1以上2.6以下であることが好ましい。
アセチル置換度が2.1以上2.6以下であることで、熱可塑性をより高め易く且つ樹脂成形体を形成する際の離型性をより高め易くなる。
なお、高い熱可塑性を得つつ且つ樹脂成形体を形成する際の離型性を高める観点から、アセチル置換度は2.15以上2.6以下であることが好ましく、2.2以上2.5以下であることがより好ましく、2.2以上2.45以下であることがさらに好ましい。
セルロースアセテートのアセチル置換度は、2.1以上2.6以下であることが好ましい。
アセチル置換度が2.1以上2.6以下であることで、熱可塑性をより高め易く且つ樹脂成形体を形成する際の離型性をより高め易くなる。
なお、高い熱可塑性を得つつ且つ樹脂成形体を形成する際の離型性を高める観点から、アセチル置換度は2.15以上2.6以下であることが好ましく、2.2以上2.5以下であることがより好ましく、2.2以上2.45以下であることがさらに好ましい。
ここで、置換度とは、セルロースが有する水酸基がアセチル基により置換されている程度を示す指標である。つまり、置換度は、セルロースアセテートのアセチル化の程度を示す指標となる。具体的には、置換度はセルロースアセテートのD−グルコピラノース単位に3個ある水酸基がアセチル基で置換された置換個数の分子内平均を意味する。
置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来ピークの積分比から求める。なお、例えば、セルロースアセテートの構成単位分子量は、アセチル基の置換度が2.4のとき263、アセチル基の置換度が2.9のとき284となる。
置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来ピークの積分比から求める。なお、例えば、セルロースアセテートの構成単位分子量は、アセチル基の置換度が2.4のとき263、アセチル基の置換度が2.9のとき284となる。
セルロースアセテートの重合度の好適な範囲としては、例えば、120以上330以下、200以上300以下、250以上300以下が挙げられる。セルロースアセテートの重合度が上記範囲であると、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。
なお、セルロースアセテートの重合度は、以下の手順で重量平均分子量から求める。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を前記方法により測定する。
次いで、セルロースアセテートの構成単位分子量で割ることで、セルロースアセテートの重合度を求める。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を前記方法により測定する。
次いで、セルロースアセテートの構成単位分子量で割ることで、セルロースアセテートの重合度を求める。
セルロースアセテートの製造方法は、特に制限はなく、例えば、セルロースに対し、アセチル化、及び、低分子量化(解重合)、並びに、必要に応じて、脱アセチル化を行う方法により好適に製造される。また、市販品のセルロースアセテートを、予め定められた重量平均分子量となるように、低分子量化(解重合)等を行って製造してもよい。
[(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を含む。
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物とは、下記式(E−0)で表される構造を有する脂肪酸エステルを含み、且つその一部又は全部の脂肪酸エステルが分子鎖中に不飽和基を持つ。
(式E−0):RA−C(=O)−O−RB
(式E−0中、RA及びRBは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
本実施形態に係る樹脂組成物は、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を含む。
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物とは、下記式(E−0)で表される構造を有する脂肪酸エステルを含み、且つその一部又は全部の脂肪酸エステルが分子鎖中に不飽和基を持つ。
(式E−0):RA−C(=O)−O−RB
(式E−0中、RA及びRBは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルと上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有さない脂肪酸エステルとの混合物であってもよく、上記(式E−0)で表され且つ不飽和基を有する脂肪酸エステルのみを含む組成物であってもよい。
・不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の合成
ここで、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の合成について説明する。
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物としては、特に限定されず、従来公知の方法によって合成された不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を用い得る。例えば、油脂にアルコールを反応させることで、グリセリンと共に不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物が得られる。
ここで、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の合成について説明する。
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物としては、特に限定されず、従来公知の方法によって合成された不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を用い得る。例えば、油脂にアルコールを反応させることで、グリセリンと共に不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物が得られる。
ここで、油脂について説明する。
油脂は、一般的に、グリセリンが有する3つの−OH基にそれぞれ脂肪酸が結合したトリグリセリドの構造を有し、例えば下記(式F)で表される構造を有する。そして、油脂は通常、グリセリンの−OH基部分に結合する3つの脂肪酸(下記(式F)におけるRf1、Rf2及びRf3)として複数種の脂肪酸が結合しており、且つその3つの脂肪酸の組合せが異なる複数種の化合物の混合物である。
油脂は、一般的に、グリセリンが有する3つの−OH基にそれぞれ脂肪酸が結合したトリグリセリドの構造を有し、例えば下記(式F)で表される構造を有する。そして、油脂は通常、グリセリンの−OH基部分に結合する3つの脂肪酸(下記(式F)におけるRf1、Rf2及びRf3)として複数種の脂肪酸が結合しており、且つその3つの脂肪酸の組合せが異なる複数種の化合物の混合物である。
(式F)
(式F)中、Rf1、Rf2及びRf3は、それぞれ独立に、脂肪酸の残基を表す。
なお、脂肪酸の残基とは、脂肪酸つまり鎖式構造を有する一価のカルボン酸(構造式:Rf4−C(=O)−OH(Rf4はアルキル基))におけるカルボキシ基の「−OH」部分が除かれた基を表す。
なお、脂肪酸の残基とは、脂肪酸つまり鎖式構造を有する一価のカルボン酸(構造式:Rf4−C(=O)−OH(Rf4はアルキル基))におけるカルボキシ基の「−OH」部分が除かれた基を表す。
油脂においてグリセリンの−OH基部分に結合する脂肪酸(上記(式F)におけるRf1、Rf2及びRf3)としては、炭素数4以上80以下(より好ましくは10以上60以下)の脂肪酸が好ましい。
具体的には、カブリル酸(炭素数:二重結合数(以下同じ)=8:0)、カブリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、ベヘン酸(ベヘニン酸)(22:0)、エルカ酸(エルシン酸)(22:1)、リグノセリン酸(24:0)等が挙げられる。
代表的なものの構造例を、以下に示す。
具体的には、カブリル酸(炭素数:二重結合数(以下同じ)=8:0)、カブリン酸(10:0)、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、ベヘン酸(ベヘニン酸)(22:0)、エルカ酸(エルシン酸)(22:1)、リグノセリン酸(24:0)等が挙げられる。
代表的なものの構造例を、以下に示す。
一例として、グリセリンの3つの−OH基部分に脂肪酸としてパルミチン酸(16:0)、オレイン酸(18:1)、及びステアリン酸(18:0)が結合した化合物が油脂に含まれる場合、その構造は例えば下記(式F−1)に示す構造となる。
(式F−1)
(式F−1)
なお、例えば植物油である亜麻仁油は、一般的に、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、アラキジン酸(20:0)、及びエイコセン酸(20:1)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。また、植物油である大豆油は、一般的に、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、ベヘン酸(ベヘニン酸)(22:0)、及びリグノセリン酸(24:0)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。
さらに、例えば動物油である牛脂は、一般的に、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン酸(18:3)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。また、動物油である豚脂は、一般的に、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン酸(18:3)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。
さらに、例えば動物油である牛脂は、一般的に、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン酸(18:3)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。また、動物油である豚脂は、一般的に、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、及びリノレン酸(18:3)等が、グリセリンの3つの−OH基部分に結合した化合物の混合物である。
次いで、油脂にアルコールを反応させることで、グリセリンと共に脂肪酸エステル組成物を得る方法について説明する。
グリセリンが有する3つの−OH基にそれぞれ脂肪酸が結合したトリグリセリドの構造を有する化合物の混合物である油脂を用い、この油脂:1molに対してアルコール:3molを反応(エステル交換反応)させることで、1molのグリセリンと3molの脂肪酸エステルとが合成される。なお、上記のエステル交換反応には、従来公知の方法を採用し得る。
グリセリンが有する3つの−OH基にそれぞれ脂肪酸が結合したトリグリセリドの構造を有する化合物の混合物である油脂を用い、この油脂:1molに対してアルコール:3molを反応(エステル交換反応)させることで、1molのグリセリンと3molの脂肪酸エステルとが合成される。なお、上記のエステル交換反応には、従来公知の方法を採用し得る。
このエステル交換反応に用いられるアルコールとしては、炭素数1以上8以下(より好ましくは2以上6以下)のアルコールが好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等が挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
中でも、メタノール、n−ブタノール、及び2−エチルヘキサノールが好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール等が挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
中でも、メタノール、n−ブタノール、及び2−エチルヘキサノールが好ましい。
例えば、前記(式F−1)に示す、グリセリンの3つの−OH基部分に脂肪酸としてパルミチン酸(16:0)、オレイン酸(18:1)、及びステアリン酸(18:0)が結合した構造の化合物:1molに、アルコールである2−エチルヘキサノール:3molを用いてエステル交換反応させた場合、下記(式F−2)に示すように、グリセリン:1molと脂肪酸エステル:3molとが合成される。
(式F−2)
(式F−2)
こうして、不飽和基を有する脂肪酸エステルを含有する脂肪酸エステル組成物が得られる。
・主成分の炭素数
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、不飽和基を有する同じ構造の脂肪酸エステルのみからなる単体の組成物であっても、異なる構造の脂肪酸エステルの混合物であってもよい。ただし、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物においては、不飽和基を有し且つ炭素数4以上80以下の脂肪酸エステルが主成分であることが好ましい。なお、本明細書において「主成分」とは含有率が質量比で50質量%以上であることを意味する。上記含有率はより好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
また、不飽和基を有し且つ炭素数6以上70以下の脂肪酸エステルが主成分(より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上)であることがより好ましく、不飽和基を有し且つ炭素数8以上60以下の脂肪酸エステルが主成分(より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上)であることがさらに好ましい。
炭素数が上記範囲である不飽和基を有する脂肪酸エステルを主成分とすることで、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、不飽和基を有する同じ構造の脂肪酸エステルのみからなる単体の組成物であっても、異なる構造の脂肪酸エステルの混合物であってもよい。ただし、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物においては、不飽和基を有し且つ炭素数4以上80以下の脂肪酸エステルが主成分であることが好ましい。なお、本明細書において「主成分」とは含有率が質量比で50質量%以上であることを意味する。上記含有率はより好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
また、不飽和基を有し且つ炭素数6以上70以下の脂肪酸エステルが主成分(より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上)であることがより好ましく、不飽和基を有し且つ炭素数8以上60以下の脂肪酸エステルが主成分(より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上)であることがさらに好ましい。
炭素数が上記範囲である不飽和基を有する脂肪酸エステルを主成分とすることで、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物に含まれる脂肪酸エステルの炭素数の構成比は、以下の方法により測定し得る。
テトラヒドロフランを溶剤として高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置にて各成分を分離、各々の成分のマススペクトルを測定することにより測定できる。
テトラヒドロフランを溶剤として高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置にて各成分を分離、各々の成分のマススペクトルを測定することにより測定できる。
・不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の種類
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、動物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であっても、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であってもよく、またこれ以外の油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であってもよい。
中でも、植物性油脂を少なくとも含む油脂(つまり植物性油脂と他の油脂との混合油脂又は植物性油脂のみを含む油脂)に由来する脂肪酸エステル組成物であることが好ましく、植物性油脂(つまり植物性油脂のみを含む油脂)に由来する脂肪酸エステル組成物であることがより好ましい。例えば、植物性油脂にアルコールを反応(エステル交換反応)させて得た脂肪酸エステルであることが好ましい。
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、動物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であっても、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であってもよく、またこれ以外の油脂に由来する脂肪酸エステル組成物であってもよい。
中でも、植物性油脂を少なくとも含む油脂(つまり植物性油脂と他の油脂との混合油脂又は植物性油脂のみを含む油脂)に由来する脂肪酸エステル組成物であることが好ましく、植物性油脂(つまり植物性油脂のみを含む油脂)に由来する脂肪酸エステル組成物であることがより好ましい。例えば、植物性油脂にアルコールを反応(エステル交換反応)させて得た脂肪酸エステルであることが好ましい。
植物性油脂としては、亜麻仁油、大豆油、ひまし油、オリーブ油等が挙げられる。
動物性油脂としては、牛脂、豚脂等が挙げられる。
混合油脂としては、上記に列挙した植物性油脂の少なくとも一種と上記に列挙した動物性油脂の少なくとも一種とが混合された油脂が挙げられる。
動物性油脂としては、牛脂、豚脂等が挙げられる。
混合油脂としては、上記に列挙した植物性油脂の少なくとも一種と上記に列挙した動物性油脂の少なくとも一種とが混合された油脂が挙げられる。
中でも、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易いとの観点から、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物、混合油脂に由来する脂肪酸エステル組成物が好ましい。
なお本実施形態では、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物として市販品を用いてもよい。不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の市販品としては、三和合成化学(株)製の「OED」(植物性油脂に由来する不飽和基を有する脂肪酸2−エチルヘキシルエステル)、同「KE−02」(混合油脂に由来する不飽和基を有する脂肪酸メチルエステル)、同「DBE」(不飽和基を有する脂肪酸ブチルエステル)等が挙げられる。
・エステル基の炭素数
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、下記(式E−1)で表されるエステル基を有する。
(式E−1):−C(=O)−O−RE1
((式E−1)中、RE1はアルキル基を表す。なお、該アルキル基は置換基を有していてもよい。)
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、下記(式E−1)で表されるエステル基を有する。
(式E−1):−C(=O)−O−RE1
((式E−1)中、RE1はアルキル基を表す。なお、該アルキル基は置換基を有していてもよい。)
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、不飽和基を有し且つ上記(式E−1)で表されるエステル基の炭素数が2以上9以下である脂肪酸エステルが主成分(質量比で50質量%以上)であることが好ましい。なお、その含有率はより好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
不飽和基を有し且つ炭素数が上記範囲であるエステル基を有する脂肪酸エステルを主成分とすることで、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
不飽和基を有し且つ炭素数が上記範囲であるエステル基を有する脂肪酸エステルを主成分とすることで、高い熱可塑性及び樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物における、上記(式E−1)で表される構造を有するエステル基の炭素数の構成比は、下記方法により測定し得る。
テトラヒドロフランを溶剤として高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置にて各成分を分離、各々の成分のマススペクトルを測定することにより測定できる。
テトラヒドロフランを溶剤として高速液体クロマトグラフ(HPLC)装置にて各成分を分離、各々の成分のマススペクトルを測定することにより測定できる。
・不飽和基及び不飽和基の濃度
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、下記(式E−2)で表される脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
(式E−2):RE12−C(=O)−O−RE11
((式E−2)中、RE11はアルキル基を表し、RE12は不飽和基を有するアルキル基を表す。なお、RE11で表されるアルキル基は置換基を有していてもよい。また、RE11で表される不飽和基を有するアルキル基は置換基を有していてもよい。)
本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物は、下記(式E−2)で表される脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
(式E−2):RE12−C(=O)−O−RE11
((式E−2)中、RE11はアルキル基を表し、RE12は不飽和基を有するアルキル基を表す。なお、RE11で表されるアルキル基は置換基を有していてもよい。また、RE11で表される不飽和基を有するアルキル基は置換基を有していてもよい。)
つまり、脂肪酸基(前記(式E−2)における「RE12−C(=O)−O−」の部分)に不飽和基を有する脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
また、本実施形態における不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物中における不飽和基の濃度は1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上16質量%以下であることがさらに好ましい。
不飽和基の濃度が上記の下限値以上であることで、樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
一方、不飽和基の濃度が上記の上限値以下であることで、金型との接着性が強くなり、サイクルタイム向上の効果が奏され易くなる。
不飽和基の濃度が上記の下限値以上であることで、樹脂成形体を形成する際の高い離型性の効果がより奏され易くなる。
一方、不飽和基の濃度が上記の上限値以下であることで、金型との接着性が強くなり、サイクルタイム向上の効果が奏され易くなる。
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物における、不飽和基の濃度は、下記方法により測定し得る。
H1−NMRスペクトルを測定して、不飽和炭素に結合した水素のスペクトルと飽和炭素に結合した水素のスペクトルの積分比から計算する。
H1−NMRスペクトルを測定して、不飽和炭素に結合した水素のスペクトルと飽和炭素に結合した水素のスペクトルの積分比から計算する。
・不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の含有率
本実施形態における樹脂組成物では、(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の(A)セルロースアセテートに対する質量比(A)/(B)が、10以上100以下であることが好ましい。なお、質量比(A)/(B)は、より好ましくは15以上90以下であり、さらに好ましくは20以上80以下である。
質量比(A)/(B)が100以下であることで、樹脂成形体を形成する際の高い離型性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(B)が10以上であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。
本実施形態における樹脂組成物では、(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の(A)セルロースアセテートに対する質量比(A)/(B)が、10以上100以下であることが好ましい。なお、質量比(A)/(B)は、より好ましくは15以上90以下であり、さらに好ましくは20以上80以下である。
質量比(A)/(B)が100以下であることで、樹脂成形体を形成する際の高い離型性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(B)が10以上であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。
[(C)可塑剤]
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに、可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、縮合りん酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル化合物、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル化合物、ステアリン酸エステル化合物、金属石鹸、ポリオール化合物(例えばポリエステルポリオール)、ポリアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、高い熱可塑性を得易くする観点から、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種の可塑剤を含むことが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに、可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、縮合りん酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル化合物、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル化合物、ステアリン酸エステル化合物、金属石鹸、ポリオール化合物(例えばポリエステルポリオール)、ポリアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、高い熱可塑性を得易くする観点から、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種の可塑剤を含むことが好ましい。
−アジピン酸エステル含有化合物−
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジエステル、アジピン酸ポリエステルが挙げられる。具体的には、下記一般式(AE−1)で示されるアジピン酸ジエステル、及び下記一般式(AE−2)で示されるアジピン酸ポリエステル等が挙げられる。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2は、それぞれ独立に、アルキル基、又はポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1](但し、RA1はアルキル基を表す。xは1以上6以下の整数を表す。yは1以上6以下の整数を表す。)を表す。
RAE3は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上5以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
RAE3は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上5以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2が表すポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。xは、1以上6以下の整数を表す。yは、1以上6以下の整数を表す。
一般式(AE−2)中、RAE3が表すアルキレン基は、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキレン基がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、各符号が表す基は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
アジピン酸エステルの分子量(または重量平均分子量)は、100以上10000以下が好ましく、200以上3000以下がより好ましい。なお、重量平均分子量は、前述のポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量と同様の測定方法により測定された値である。
以下、アジピン酸エステル含有化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
−ポリエーテルエステル化合物−
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(EE)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(EE)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
一般式(EE)中、REE1及びREE2はそれぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。AEE1及びAEE2はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、又は、炭素数7以上18以下のアラルキル基を表す。mは、1以上の整数を表す。
一般式(EE)中、REE1が表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。REE1が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
REE1が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE1が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE1が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE1が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE1が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE1としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが好ましい。
REE1が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE1が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE1が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE1が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE1が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE1としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(EE)中、REE2が表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。REE2が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
REE2が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE2が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE2が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE2が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE2が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE2としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが好ましい。
REE2が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE2が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE2が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE2が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE2が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE2としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(EE)中、AEE1、及びAEE2が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基であり、炭素数2以上4以下のアルキル基がより好ましい。AEE1、及びAEE2が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、分岐状が好ましい。
AEE1、及びAEE2が表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2の少なくとも一方は、アリール基又はアラルキル基を表すことが好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、AEE1、及びAEE2の少なくとも一方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましく、AEE1、及びAEE2の双方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましい。
次に、ポリエーテルエステル化合物の特性について説明する。
ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、450以上650以下が好ましく、500以上600以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエーテルエステル化合物の25℃における粘度は、35mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以上45mPa・s以下がより好ましい。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
ポリエーテルエステル化合物の溶解度パラメータ(SP値)が、9.5以上9.9以下が好ましく、9.6以上9.8以下がより好ましい。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
以下、ポリエーテルエステル化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
−ポリエステルポリオール−
ポリエステルポリオールの種類は、特に限定されず、従来公知のものを用いてよい。ポリエステルポリオールとしては、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば多価カルボン酸が挙げられ、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ピロメリット酸、及びこれらの酸無水物が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリコール及び3価以上の多価アルコールが挙げられる。グリコールとしては具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては具体的には、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
多塩基酸及び多価アルコールはそれぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールの種類は、特に限定されず、従来公知のものを用いてよい。ポリエステルポリオールとしては、多塩基酸と多価アルコールとの縮合物が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば多価カルボン酸が挙げられ、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ピロメリット酸、及びこれらの酸無水物が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリコール及び3価以上の多価アルコールが挙げられる。グリコールとしては具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。3価以上の多価アルコールとしては具体的には、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
多塩基酸及び多価アルコールはそれぞれ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上4000以下のものが好ましい。重量平均分子量が1000以上であると、ポリエステルポリオールが樹脂成形体表面に染み出すブリードという現象が起こりにくい。一方、重量平均分子量が4000以下であると、セルロースアセテートに対する可塑効果がより高い。上記の観点で、重量平均分子量は、より好ましくは1000以上3500以下である。
ポリエステルポリオールは、水酸基価(mgKOH/g)が10以上150以下のものが好ましい。水酸基価が10以上であると、セルロースアセテートとの親和性が高くポリエステルポリオールのブリードが起こりにくい。一方、水酸基価が150以下であると、樹脂組成物の流動性により優れる。
本実施形態に係る樹脂組成物が前述の(C)可塑剤を含む場合、(A)セルロースアセテートと(C)可塑剤との質量比「(A)/(C)」は6以上20以下であることが好ましく、より好ましくは8以上18以下であり、さらに好ましくは10以上16以下である。
質量比(A)/(C)が20以下であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(C)が6以上であることで、ある程度の剛性を維持できることから、金型離型しやすくなり、サイクルタイム向上効果が奏され易くなる。
質量比(A)/(C)が20以下であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(C)が6以上であることで、ある程度の剛性を維持できることから、金型離型しやすくなり、サイクルタイム向上効果が奏され易くなる。
なお、可塑剤としてアジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種の可塑剤(C1)を含むことがより好ましく、その場合、(A)セルロースアセテートと前記可塑剤(C1)との質量比(A)/(C1)は6以上20以下であることが好ましく、より好ましくは8以上18以下であり、さらに好ましくは10以上16以下である。
質量比(A)/(C1)が20以下であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(C1)が6以上であることで、ある程度の剛性を維持できることから、金型離型しやすくなり、サイクルタイム向上の効果が奏され易くなる。
質量比(A)/(C1)が20以下であることで、高い熱可塑性が得られ易くなる。一方、質量比(A)/(C1)が6以上であることで、ある程度の剛性を維持できることから、金型離型しやすくなり、サイクルタイム向上の効果が奏され易くなる。
[その他の成分]
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記樹脂((A)セルロースアセテート)以外の他の樹脂を含有していてもよい。但し、他の樹脂を含む場合、樹脂組成物の全量に対する他の樹脂の含有量は、5質量%以下がよく、1質量%未満であることが好ましい。他の樹脂は、含有しないこと(つまり0質量%)がより好ましい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。また、コアシェル型のブタジエン−メチルメタクリレート共重合体も挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。また、コアシェル型のブタジエン−メチルメタクリレート共重合体も挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、(A)セルロースアセテート、及び(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を含む樹脂組成物を調製する工程を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)セルロースアセテート、及び(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物と、必要に応じて、(C)可塑剤、その他の成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、(A)セルロースアセテート、及び(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物を含む樹脂組成物を調製する工程を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、(A)セルロースアセテート、及び(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物と、必要に応じて、(C)可塑剤、その他の成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂成形体>
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。この点で、樹脂成形体は、射出成形によって得られた射出成形体であることが好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば200℃以上300℃以下であり、好ましくは240℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、60℃以上80℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。この点で、樹脂成形体は、射出成形によって得られた射出成形体であることが好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば200℃以上300℃以下であり、好ましくは240℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、60℃以上80℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体を得るための成形方法は、前述の射出成形に限定されず、例えば、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
<(A)セルロースアシレートの準備>
−セルロースアセテート(CA1)の合成−
アセチル化:セルロース粉末(日本製紙ケミカル(株)製、KCフロックW50)3部、硫酸0.05部、酢酸30部、及び、無水酢酸6部を反応容器に入れ、20℃で4時間撹拌し、セルロースのアセチル化を行った。
−セルロースアセテート(CA1)の合成−
アセチル化:セルロース粉末(日本製紙ケミカル(株)製、KCフロックW50)3部、硫酸0.05部、酢酸30部、及び、無水酢酸6部を反応容器に入れ、20℃で4時間撹拌し、セルロースのアセチル化を行った。
脱アセチル及び低分子量化:撹拌終了後、アセチル化を行った溶液に、ただちに3部の酢酸と1.2部の純水とを加え、20℃で30分間撹拌した。撹拌終了後、0.2M塩酸水溶液4.5部を加え、75℃に加熱して、5時間撹拌した。この溶液を、200部の純水に2時間かけて滴下し、20時間静置した後、孔径6μmのフィルターを通してろ過し、4部の白色粉末を得た。
洗浄:得られた白色粉末を、フィルタープレス(栗田機械製作所社製、SF(PP))を用い、純水にて電導度が50μS以下になるまで洗浄を行った。洗浄後、乾燥した。
後処理:乾燥後の白色粉末3部に、0.2部の酢酸カルシウムと30部の純水とを加え、25℃で2時間撹拌した後、ろ過した。ろ過して得られた粉末を60℃で72時間乾燥し、セルロースアセテート(CA1)を2.5部得た。
−セルロースアセテート(CA2)の合成−
アセチル化に用いる硫酸量0.05部を0.10部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA2)を得た。
アセチル化に用いる硫酸量0.05部を0.10部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA2)を得た。
−セルロースアセテート(CA3)の合成−
アセチル化に用いる硫酸量0.05部を0.01部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA3)を得た。
アセチル化に用いる硫酸量0.05部を0.01部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA3)を得た。
−セルロースアセテート(CA4)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA4)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA4)を得た。
−セルロースアセテート(CA5)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを、4時間30分に変更した以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA5)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを、4時間30分に変更した以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA5)を得た。
−セルロースアセテート(CA6)の合成−
アセチル化を行って得られた溶液を室温(25℃)で16時間放置した後、脱アセチル化及び低分子量化を行った以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA6)を得た。
アセチル化を行って得られた溶液を室温(25℃)で16時間放置した後、脱アセチル化及び低分子量化を行った以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA6)を得た。
−セルロースアセテート(CA7)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、65℃で7時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA7)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、65℃で7時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA7)を得た。
−セルロースアセテート(CA8)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、80℃で4時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA8)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、80℃で4時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA8)を得た。
−セルロースアセテート(CA9)の準備−
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L50)を(CA9)として準備した。
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L50)を(CA9)として準備した。
−セルロースアセテート(CA10)の準備−
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L20)を(CA10)として準備した。
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L20)を(CA10)として準備した。
−セルロースアセテート(CA11)の準備−
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、LT−35)を(CA11)として準備した。
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、LT−35)を(CA11)として準備した。
<重量平均分子量、置換度の測定>
セルロースアセテートの重量平均分子量は、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10(質量比)溶液を用い、GPC装置(東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定した。
セルロースアセテートの置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来水素ピークの積分比から求めた。
この方法で、準備した各セルロースの重量平均分子量と置換度を測定した結果を下記表に示す。
セルロースアセテートの重量平均分子量は、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10(質量比)溶液を用い、GPC装置(東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定した。
セルロースアセテートの置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来水素ピークの積分比から求めた。
この方法で、準備した各セルロースの重量平均分子量と置換度を測定した結果を下記表に示す。
<(B)不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物の準備>
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物(AE1)〜(AE3)として、以下の市販品を準備した。
(AE1):不飽和基を有する脂肪酸2−エチルヘキシルエステル
・三和合成化学社製「OED」
・植物性油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数10以上30以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:9
・不飽和基の濃度:7質量%
不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物(AE1)〜(AE3)として、以下の市販品を準備した。
(AE1):不飽和基を有する脂肪酸2−エチルヘキシルエステル
・三和合成化学社製「OED」
・植物性油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数10以上30以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:9
・不飽和基の濃度:7質量%
(AE2):不飽和基を有する脂肪酸メチルエステル
・三和合成化学社製「KE−02」
・混合油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数5以上25以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:2
・不飽和基の濃度:5質量%
・三和合成化学社製「KE−02」
・混合油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数5以上25以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:2
・不飽和基の濃度:5質量%
(AE3):不飽和基を有する脂肪酸ブチルエステル
・三和合成化学社製「DBE」
・動物性油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数8以上30以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:5
・不飽和基の濃度:6質量%
・三和合成化学社製「DBE」
・動物性油脂由来
・不飽和基を有し且つ炭素数8以上30以下の脂肪酸エステルを主成分として(具体的には60質量%以上)含有
・式E−1(−O−C(=O)−RE1:RE1はアルキル基を表す)で表される構造を有するエステル基の炭素数:5
・不飽和基の濃度:6質量%
<(C)可塑剤の準備>
可塑剤(PR1)〜(PR4)として、表2に示す市販の可塑剤を準備した。
また、可塑剤(PR5)〜(PR10)として、特許第5798640号公報の〔表1〕に記載される(B−1)〜(B−6)の可塑剤を準備した。
可塑剤(PR1)〜(PR4)として、表2に示す市販の可塑剤を準備した。
また、可塑剤(PR5)〜(PR10)として、特許第5798640号公報の〔表1〕に記載される(B−1)〜(B−6)の可塑剤を準備した。
<実施例及び比較例>
−ペレットの作製−
表3に示すセルロースアセテート(A)、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物(B)、及び可塑剤(C)の仕込み組成比(質量部)で、シリンダ温度を表3にしたがって調製し、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
−ペレットの作製−
表3に示すセルロースアセテート(A)、不飽和基を有する脂肪酸エステル組成物(B)、及び可塑剤(C)の仕込み組成比(質量部)で、シリンダ温度を表3にしたがって調製し、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
[評価]
−溶融粘度の評価−
各実施例及び比較例のペレットを用いて、キャピラリーレオメーター(東洋精機製作所社製、キャピログラフ1D)にて、シリンダ温度230℃、せん断速度1216sec−1における溶融粘度を測定した。結果を下記表に示す。
−溶融粘度の評価−
各実施例及び比較例のペレットを用いて、キャピラリーレオメーター(東洋精機製作所社製、キャピログラフ1D)にて、シリンダ温度230℃、せん断速度1216sec−1における溶融粘度を測定した。結果を下記表に示す。
−射出成形サイクルタイムの評価−
各実施例及び比較例のペレットについて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX140III)を用い、シリンダ温度を射出ピーク圧力が180MPaを越えないよう表3にしたがって調整し、計量/充填速度、射出/中間/冷却温度、保圧を最適に調整し、ISO多目的ダンベル(測定部幅10mm×厚み4mm)を、連続して成形した。このダンベルを連続的に成形できる最低サイクルタイム(ダンベル1つの成形に要する最低時間)を評価した。結果を下記表に示す。
各実施例及び比較例のペレットについて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX140III)を用い、シリンダ温度を射出ピーク圧力が180MPaを越えないよう表3にしたがって調整し、計量/充填速度、射出/中間/冷却温度、保圧を最適に調整し、ISO多目的ダンベル(測定部幅10mm×厚み4mm)を、連続して成形した。このダンベルを連続的に成形できる最低サイクルタイム(ダンベル1つの成形に要する最低時間)を評価した。結果を下記表に示す。
上記表に示す結果から、本実施例では比較例に比べ、高い熱可塑性が得られ且つ樹脂成形体を形成する際の高い離型性が得られることがわかる。
Claims (13)
- (A)セルロースアセテートと、
(B)不飽和基(但し芳香族基を除く)を有する脂肪酸エステル組成物と、
を含む樹脂組成物。 - 前記(A)セルロースアセテートは、重量平均分子量3万以上9万以下且つアセチル置換度2.1以上2.6以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ炭素数4以上80以下の脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)脂肪酸エステル組成物は、植物性油脂に由来する脂肪酸エステル組成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)脂肪酸エステル組成物は、前記不飽和基を有し且つ下記式E−1で表されるエステル基の炭素数が2以上9以下である脂肪酸エステルを主成分として含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−1:−C(=O)−O−RE1
式E−1中、RE1はアルキル基を表す。 - 前記(B)脂肪酸エステル組成物は、下記式E−2で表される脂肪酸エステルを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
式E−2:RE12−C(=O)−O−RE11
式E−2中、RE11はアルキル基を表し、RE12は前記不飽和基を有するアルキル基を表す。 - 前記(B)脂肪酸エステル組成物における前記不飽和基の濃度が1質量%以上20質量%以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)セルロースアセテートと前記(B)脂肪酸エステル組成物との質量比(A)/(B)が10以上100以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (C)可塑剤を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記(C)可塑剤が、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物及びポリエステルポリオールからなる群より選択される少なくとも一種である請求項9に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)セルロースアセテートと前記(C)可塑剤との質量比(A)/(C)が6以上20以下である請求項9又は請求項10に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の樹脂組成物が成形された樹脂成形体。
- 前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項12に記載の樹脂成形体。
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- 2017-07-28 JP JP2017147173A patent/JP2019026728A/ja active Pending
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