JP2018131484A - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物の提供。【解決手段】重量平均分子量3万以上9万以下、及び置換度2.1以上2.6以下であるセルロースアセテートと、ポリヒドロキシアルカノエートと、を有する樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物および樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。樹脂組成物は、特に、家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されている。また、事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
近年では、植物由来の樹脂が利用されており、従来から知られている植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
例えば、特許文献1には、「セルロースエステル樹脂と、アジピン酸エステルを含む化合物と、ポリヒドロキシアルカノエートと、を含有する樹脂組成物」が開示されている。
従来、セルロースの水酸基の一部または全部がアセチル基で置換されたセルロースアセテートに、アジピン酸エステルを含む化合物とポリヒドロキシアルカノエートとを配合した樹脂組成物を用いて得られた樹脂成形体が知られている。しかし、この樹脂成形体は、曲げ弾性率が低下し、耐衝撃強さが低い場合があった。
本発明の課題は、セルロースアセテートとポリヒドロキシアルカノエートとを含む樹脂組成物において、セルロースアセテートの重量平均分子量が、3万未満である場合、若しくは9万超である場合、又は、セルロースアセテートの置換度が、2.1未満である場合、若しくは2.6超である場合に比べ、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
請求項1に係る発明は、
重量平均分子量3万以上9万以下、及び置換度2.1以上2.6以下であるセルロースアセテートと、
ポリヒドロキシアルカノエートと、
を有する樹脂組成物。
重量平均分子量3万以上9万以下、及び置換度2.1以上2.6以下であるセルロースアセテートと、
ポリヒドロキシアルカノエートと、
を有する樹脂組成物。
請求項2に係る発明は、
樹脂組成物全量に対する前記セルロースアセテートの含有量を(A)、樹脂組成物全量に対する前記ポリヒドロキシアルカノエートの含有量を(B)としたとき、前記(A)と前記(B)との含有比率((B)/(A))が、質量比で、0.005以上0.1以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
樹脂組成物全量に対する前記セルロースアセテートの含有量を(A)、樹脂組成物全量に対する前記ポリヒドロキシアルカノエートの含有量を(B)としたとき、前記(A)と前記(B)との含有比率((B)/(A))が、質量比で、0.005以上0.1以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体に対する、前記3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比が、3モル%以上20モル%以下である請求項3に記載の樹脂組成物。
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体に対する、前記3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比が、3モル%以上20モル%以下である請求項3に記載の樹脂組成物。
請求項5に係る発明は、
さらに、可塑剤を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
前記可塑剤が、アジピン酸エステルを含有する化合物である請求項5に記載の樹脂組成物。
さらに、可塑剤を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
前記可塑剤が、アジピン酸エステルを含有する化合物である請求項5に記載の樹脂組成物。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形した樹脂成形体。
請求項8に係る発明は、
前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項7に記載の樹脂成形体。
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形した樹脂成形体。
請求項8に係る発明は、
前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項7に記載の樹脂成形体。
請求項1に係る発明によれば、セルロースアセテートとポリヒドロキシアルカノエートとを含む樹脂組成物において、セルロースアセテートの重量平均分子量が、3万未満である場合、若しくは9万超である場合、又は、セルロースアセテートの置換度が、2.1未満である場合、若しくは2.6超である場合に比べ、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、樹脂組成物全量に対するセルロースアセテートの含有量(A)と、樹脂組成物全量に対するポリヒドロキシアルカノエートの含有量(B)との含有比率((B)/(A))が、質量比で、0.005未満である場合、又は0.1超の場合に比べ、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項3、4に係る発明によれば、ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレートの単独重合体である場合に比べ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項5、6に係る発明によれば、セルロースアセテートの重量平均分子量が、3万未満である場合、若しくは9万超である場合、又は、セルロースアセテートの置換度が、2.1未満である場合、若しくは2.6超である場合に比べ、樹脂組成物が、さらに可塑剤を含んでいるときであっても、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項7、8に係る発明によれば、セルロースアセテートとポリヒドロキシアルカノエートとを含む樹脂組成物において、セルロースアセテートの重量平均分子量が、3万未満である場合、若しくは9万超である場合、又は、セルロースアセテートの置換度が、2.1未満である場合、若しくは2.6超である場合の樹脂組成物を適用したときに比べ、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が提供される。
以下、本発明の樹脂組成物および樹脂成形体の一例である実施形態について説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテートと、ポリヒドロキシアルカノエートとを有する。そして、セルロースアセテートは、重量平均分子量が3万以上9万以下であり、置換度が2.1以上2.6以下である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテートと、ポリヒドロキシアルカノエートとを有する。そして、セルロースアセテートは、重量平均分子量が3万以上9万以下であり、置換度が2.1以上2.6以下である。
従来、セルロースは、その強固な分子内、分子間水素結合力から高い曲げ弾性率を示しており、金属代替など、従来の樹脂材料では適用し難かった分野へ応用できる可能性がある。
しかしながら、セルロースは、剛直な化学構造のため、未変性のセルロースの状態では熱可塑性、有機溶剤への溶解性がほとんどないため、射出成形、キャスト成形などの成形加工の用途としては、あまり用いられていない。
そこで、セルロース水酸基の少なくとも一部をアシル基で置換したセルロースアシレート(アシル化セルロース誘導体)とした上で、可塑剤を加えて成形性を持たせる技術が知られている。
しかしながら、セルロースは、剛直な化学構造のため、未変性のセルロースの状態では熱可塑性、有機溶剤への溶解性がほとんどないため、射出成形、キャスト成形などの成形加工の用途としては、あまり用いられていない。
そこで、セルロース水酸基の少なくとも一部をアシル基で置換したセルロースアシレート(アシル化セルロース誘導体)とした上で、可塑剤を加えて成形性を持たせる技術が知られている。
しかし、成形可能な状態になるほどの可塑性が得られるまで可塑剤を含ませると、得られた樹脂成形体は、曲げ弾性率が低下してしまう場合があった。
一方、曲げ弾性率(例えば、3000MPa以上)を従来の樹脂材料と差別化できるように、可塑剤の含有量を抑制すると、可塑性が不足しやすくなる。特に、射出成形では、成形温度を高温で行うため、成形体が着色してしまう場合があった。
一方、曲げ弾性率(例えば、3000MPa以上)を従来の樹脂材料と差別化できるように、可塑剤の含有量を抑制すると、可塑性が不足しやすくなる。特に、射出成形では、成形温度を高温で行うため、成形体が着色してしまう場合があった。
特開2016−069423号公報(特許文献1)には、セルロースエステルに、アジピン酸エステルとポリヒドロキシアルカノエートを配合することで、曲げ弾性率の低下を抑制しながら、成形温度を低温化し、成形体の着色を改善した技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される樹脂組成物を成形した樹脂成形体は、耐衝撃強さが低い場合があることがわかってきた。
しかしながら、特許文献1に開示される樹脂組成物を成形した樹脂成形体は、耐衝撃強さが低い場合があることがわかってきた。
これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物は、上記構成により、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られる。この理由は定かではないが、以下のように推測される。
セルロースアセテートの重量平均分子量が9万超の場合、剛直なセルロースアセテートの長さが長いこと、及びセルロースアセテートどうしの分子間力が強いことによって、ポリヒドロキシアルカノエートが、セルロースアセテートの分子間に入り込みにくくなる。そのため、セルロースアセテートおよびポリヒドロキシアルカノエートのそれぞれが、樹脂組成物中で、凝集した状態で存在することで、樹脂組成物は不均一な構造になるものと考えられる。一方で、重量平均分子量が3万未満の場合は、セルロースアセテート自体の機械的強度が低下しやすくなる。
これに対し、本実施形態の係る樹脂組成物において、セルロースアセテートの重量平均分子量が9万以下であることで、剛直なセルロースアセテートの分子の長さが小さくなる。また、セルロースアセテートどうしの分子間力が弱められる。これらによって、ポリヒドロキシアルカノエートが、セルロースアセテートの分子間に入り込みやすくなる。このため、ポリヒドロキシアルカノエートと、セルロースアセテートとが、樹脂組成物中で、不均一な連続相を形成し難くなり、これらの成分が均一に近い状態の構造を形成し易くなるものと考えられる。
また、置換度が2.1以上2.6以下であると、ポリヒドロキシアルカノエートとの親和性が高まることにより、ポリヒドロキシアルカノエートが、セルロースアセテートの分子間に入り込みやすくなると考えられる。
その結果、本実施形態の係る樹脂組成物を成形した樹脂成形体では、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃性が向上すると考えられる。
また、置換度が2.1以上2.6以下であると、ポリヒドロキシアルカノエートとの親和性が高まることにより、ポリヒドロキシアルカノエートが、セルロースアセテートの分子間に入り込みやすくなると考えられる。
その結果、本実施形態の係る樹脂組成物を成形した樹脂成形体では、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃性が向上すると考えられる。
以上から、本実施形態に係る樹脂組成物は、上記構成を有することにより、樹脂成形体が得られると推測される。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の成分を詳細に説明する。
[セルロースアセテート]
本実施形態に係る樹脂組成物は、重量平均分子量3万以上9万以下であり、置換度2.1以上2.6以下のセルロースアセテートを含む。
ここで、セルロースアセテートは、水酸基の少なくとも一部がアセチル基で置換されたセルロース誘導体であり、具体的には、下記一般式(1)で表されるセルロース誘導体である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、重量平均分子量3万以上9万以下であり、置換度2.1以上2.6以下のセルロースアセテートを含む。
ここで、セルロースアセテートは、水酸基の少なくとも一部がアセチル基で置換されたセルロース誘導体であり、具体的には、下記一般式(1)で表されるセルロース誘導体である。
一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、又はアセチル基を表す。nは2以上の整数を表す。ただし、n個のR1、n個のR2、及びn個R3のうちの少なくとも一部はアセチル基を表す。
一般式(1)中、nの範囲は特に制限されない。目的とする重量平均分子量の範囲に応じて決定されればよい。例えば、120以上330以下が挙げられる。
−重量平均分子量−
セルロースアセテートの重量平均分子量は、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点で、4万以上9万以下が好ましく、6万以上8万以下がより好ましい。
セルロースアセテートの重量平均分子量は、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点で、4万以上9万以下が好ましく、6万以上8万以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ装置(GPC装置:東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
−置換度−
セルロースアセテートの置換度は、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点で、2.15以上2.6以下であることが好ましく、2.2以上2.5以下であることがより好ましく、2.2以上2.45以下であることがさらに好ましい。
セルロースアセテートの置換度は、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点で、2.15以上2.6以下であることが好ましく、2.2以上2.5以下であることがより好ましく、2.2以上2.45以下であることがさらに好ましい。
ここで、置換度とは、セルロースが有する水酸基がアセチル基により置換されている程度を示す指標である。つまり、置換度は、セルロースアセテートのアセチル化の程度を示す指標となる。具体的には、置換度はセルロースアセテートのD−グルコピラノース単位に3個ある水酸基がアセチル基で置換された置換個数の分子内平均を意味する。
置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来ピークの積分比から置換度を求める。なお、例えば、セルロースアセテートの構成単位分子量は、アセチル基の置換度が2.4のとき263、アセチル基の置換度が2.9のとき284となる。
置換度は、H1−NMR(JMN−ECA/JEOL RESONANCE社製)にて、セルロース由来水素とアセチル基由来ピークの積分比から置換度を求める。なお、例えば、セルロースアセテートの構成単位分子量は、アセチル基の置換度が2.4のとき263、アセチル基の置換度が2.9のとき284となる。
セルロースアセテートの重合度の好適な範囲としては、例えば、120以上330以下、200以上300以下、250以上300以下が挙げられる。セルロースアセテートの重合度が上記範囲であると、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。
なお、セルロースアセテートの重合度は、以下の手順で重量平均分子量から求める。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を前記方法により測定する。
次いで、セルロースアセテートの構成単位分子量で割ることで、セルロースアセテートの重合度を求める。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を前記方法により測定する。
次いで、セルロースアセテートの構成単位分子量で割ることで、セルロースアセテートの重合度を求める。
セルロースアセテートとしては、具体的には、例えば、モノアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、及びトリアセチルセルロースが挙げられる。セルロースアセテートは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
セルロースアセテートの製造方法は、特に制限はなく、例えば、セルロースに対し、アセチル化、及び、低分子量化(解重合)、並びに、必要に応じて、脱アセチル化を行う方法により好適に製造される。また、市販品のセルロースアセテートを、予め定められた重量平均分子量となるように、低分子量化(解重合)等を行って製造してもよい。
[ポリヒドロキシアルカノエート]
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含有する。ポリヒドロキシアルカノエートは、具体的に、例えば、一般式(2)で表される化学構造を有する樹脂が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリヒドロキシアルカノエートを含有する。ポリヒドロキシアルカノエートは、具体的に、例えば、一般式(2)で表される化学構造を有する樹脂が挙げられる。
(一般式(2)中、R11は、炭素数1以上10以下のアルキレン基を表す。pは、2以上の整数を表す。)
一般式(2)中、R11が表すアルキレン基としては、炭素数3以上6以下のアルキレン基が望ましい。R11が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、樹脂成形体の曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点から、分岐状が好ましい。
ここで、一般式(2)中、R11がアルキレン基を表すとは、1)R11が同じアルキレン基を表す[O−R11−C(=O)−]構造を有すること、2)R11が異なるアルキレン基(R11が炭素数又は分岐が異なるアルキレン基)を表す複数の[O−R11−C(=O)−]構造(即ち、[O−R11A−C(=O)−][O−R11B−C(=O)−]構造)を有することを示している。
つまり、ポリヒドロキシアルカノエートは、1種のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の単独重合体であってもよいし、2種以上のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の共重合体であってもよい。
つまり、ポリヒドロキシアルカノエートは、1種のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の単独重合体であってもよいし、2種以上のヒドロキシアルカノエート(ヒドロキシアルカン酸)の共重合体であってもよい。
一般式(2)中、pの上限は特に限定されないが、例えば、20000以下が挙げられる。pの範囲は、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点から、500以上10000以下が好ましく、1000以上8000以下がより好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートを形成するヒドロキシアルカン酸としては、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシ−n−オクタン酸等が挙げられる。
これらの中でも、ポリヒドロキシアルカノエートは、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さがより向上している樹脂成形体が得られる点で、炭素数2以上4以下の分岐状のヒドロキシアルカン酸と炭素数5以上7以上の分岐状のヒドロキシアルカン酸との共重合体(但し、炭素数はカルボキシ基の炭素も含む数である。)が好ましい。特に、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシカプロン酸との共重合体(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体)がより好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体である場合、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体に対する3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比は、3モル%以上20モル%以下であることがよく、4モル%以上15モル%以下であることが好ましく、5モル%以上12モル%以下であることがより好ましい。3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比が3モル%以上20モル%以下の範囲であることで、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。
なお、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体に対する3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比の測定方法は、以下のようにして測定する。
H1−NMRを用い、ヘキサノエート末端とブチレート末端由来のピークの積分値からヘキサノエート比率を算出する。
H1−NMRを用い、ヘキサノエート末端とブチレート末端由来のピークの積分値からヘキサノエート比率を算出する。
ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量(Mw)は、10,000以上1,000,000以下(好ましくは50,000以上800,000以下、より好ましくは100,000以上600,000以下)であることがよい。
ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。
ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量(Mw)が上記範囲であると、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。
ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
以下、ポリヒドロキシアルカノエートの具体例を示すが、これに限られるわけではない。
[セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートの含有量]
セルロースアセテートは、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる点で、樹脂組成物全量に対し、70質量%以上99.8質量%以下であることが好ましく、75質量%以上99.6質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましい。
セルロースアセテートは、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる点で、樹脂組成物全量に対し、70質量%以上99.8質量%以下であることが好ましく、75質量%以上99.6質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートは、同様の点で、樹脂組成物全量に対し、0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂組成物中のセルロースアセテートの含有量を(A)、ポリヒドロキシアルカノエートの含有量を(B)としたときの(A)と(B)との含有比率(B)/(A)は、質量比で、0.005以上0.1以下であることがよい。この範囲であると、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる。(B)/(A)は、0.01以上0.08以下であることが好ましく、0.02以上0.07以下であることがさらに好ましい。
なお、セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートの合計含有量は、樹脂組成物全量に対して、85質量%以上であることがよく、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。100質量%であってもよい。
[可塑剤]
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに、可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、縮合りん酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル化合物、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル化合物、ステアリン酸エステル化合物、金属石鹸、ポリオール化合物、ポリアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物が好ましく、アジピン酸エステル含有化合物がより好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに、可塑剤を含んでいてもよい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、縮合りん酸エステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル化合物、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル化合物、ステアリン酸エステル化合物、金属石鹸、ポリオール化合物、ポリアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物が好ましく、アジピン酸エステル含有化合物がより好ましい。
−アジピン酸エステル含有化合物−
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジエステル、アジピン酸ポリエステルが挙げられる。具体的には、下記一般式(AE−1)で示されるアジピン酸ジエステル、及び下記一般式(AE−2)で示されるアジピン酸ポリエステル等が挙げられる。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2は、それぞれ独立に、アルキル基、又はポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1](但し、RA1はアルキル基を表す。xは1以上6以下の整数を表す。yは1以上6以下の整数を表す。)を表す。
RAE3は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上5以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
RAE3は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上5以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RAE1及びRAE2が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、RAE1及びRAE2が表すポリオキシアルキル基[−(CxH2X−O)y−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。xは、1以上6以下の整数を表す。yは、1以上6以下の整数を表す。
一般式(AE−2)中、RAE3が表すアルキレン基は、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキレン基がより好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(AE−1)及び(AE−2)中、各符号が表す基は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
アジピン酸エステルの分子量(または重量平均分子量)は、100以上10000以下が好ましく、200以上3000以下がより好ましい。なお、重量平均分子量は、前述のポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量と同様の測定方法により測定された値である。
以下、アジピン酸エステル含有化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
−ポリエーテルエステル化合物−
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(EE)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(EE)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
一般式(EE)中、REE1及びREE2はそれぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。AEE1及びAEE2はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、又は、炭素数7以上18以下のアラルキル基を表す。mは、1以上の整数を表す。
一般式(EE)中、REE1が表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。REE1が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
REE1が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE1が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE1が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE1が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE1が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE1としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが好ましい。
REE1が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE1が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE1が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE1が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE1が表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH2)6−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE1としてn−ヘキシレン基(−(CH2)6−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(EE)中、REE2が表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。REE2が表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
REE2が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE2が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE2が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE2が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE2が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE2としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが好ましい。
REE2が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現しやすくなる。REE2が表すアルキレン基の炭素数を10以下又はREE2が表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、REE2が表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、REE2が表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH2)4−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、REE2としてn−ブチレン基(−(CH2)4−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(EE)中、AEE1、及びAEE2が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基であり、炭素数2以上4以下のアルキル基がより好ましい。AEE1、及びAEE2が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、分岐状が好ましい。
AEE1、及びAEE2が表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2が表すアラルキル基としては、−RA−Phで示される基である。RAは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
AEE1、及びAEE2の少なくとも一方は、アリール基又はアラルキル基を表すことが好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、AEE1、及びAEE2の少なくとも一方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましく、AEE1、及びAEE2の双方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましい。
次に、ポリエーテルエステル化合物の特性について説明する。
ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、450以上650以下が好ましく、500以上600以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロースアセテートとの親和性が高まりやすくなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー(株)製、HPLC1100を用い、東ソー(株)製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエーテルエステル化合物の25℃における粘度は、35mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以上45mPa・s以下がより好ましい。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
ポリエーテルエステル化合物の溶解度パラメータ(SP値)が、9.5以上9.9以下が好ましく、9.6以上9.8以下がより好ましい。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロースアセテートへの分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm3/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm3)1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
以下、ポリエーテルエステル化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
本実施形態に係る樹脂組成物が可塑剤を含む場合、樹脂組成物の全量に対する含有量は特に制限されるものではない。可塑剤を含有していても、曲げ弾性率の低下を抑制しつつ、耐衝撃強さが向上している樹脂成形体が得られやすくなる点で、樹脂組成物の全量に対する含有量は、15質量%以下(好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下)であることがよい。なお、可塑剤の含有量が上記範囲であると、可塑剤のブリードも抑制されやすくなる。
[その他の成分]
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。
また、必要に応じて、酢酸放出を防ぐための受酸剤、反応性トラップ剤などの成分(添加剤)を添加してもよい。受酸剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの金属水酸化物;炭酸カルシウム;タルク;などが挙げられる。
反応性トラップ剤としては、例えば、エポキシ化合物、酸無水物化合物、カルボジイミドなどが挙げられる。
これらの成分の含有量は、樹脂組成物全量に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記樹脂(セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエート)以外の他の樹脂を含有していてもよい。但し、他の樹脂を含む場合、樹脂組成物の全量に対する他の樹脂の含有量は、5質量%以下がよく、1質量%未満であることが好ましい。他の樹脂は、含有しないこと(つまり0質量%)がより好ましい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、およびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。また、コアシェル型のブタジエン−メチルメタクリレート共重合体も挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、およびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。また、コアシェル型のブタジエン−メチルメタクリレート共重合体も挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートを含む樹脂組成物を調製する工程を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートと、必要に応じて、可塑剤、その他の成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートを含む樹脂組成物を調製する工程を有する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースアセテート、及びポリヒドロキシアルカノエートと、必要に応じて、可塑剤、その他の成分等と、を含む混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することによっても製造される。
溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には、例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
<樹脂成形体>
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含む。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。この点で、樹脂成形体は、射出成形によって得られた射出成形体であることが好ましい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば200℃以上300℃以下であり、好ましくは240℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、60℃以上80℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば200℃以上300℃以下であり、好ましくは240℃以上280℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば40℃以上90℃以下であり、60℃以上80℃以下がより好ましい。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業社製NEX500、日精樹脂工業社製NEX150、日精樹脂工業社製NEX70000、日精樹脂工業社製PNX40、住友機械社製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体を得るための成形方法は、前述の射出成形に限定されず、例えば、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
<セルロースアシレートの準備>
(セルロースアセテートの準備)
−セルロースアセテート(CA1)の合成−
アセチル化:セルロース粉末(日本製紙ケミカル(株)製、KCフロックW50)3部、硫酸0.15部、酢酸30部、及び、無水酢酸6部を反応容器に入れ、20℃で4時間撹拌し、セルロースのアセチル化を行った。
(セルロースアセテートの準備)
−セルロースアセテート(CA1)の合成−
アセチル化:セルロース粉末(日本製紙ケミカル(株)製、KCフロックW50)3部、硫酸0.15部、酢酸30部、及び、無水酢酸6部を反応容器に入れ、20℃で4時間撹拌し、セルロースのアセチル化を行った。
脱アセチル及び低分子量化:撹拌終了後、アセチル化を行った溶液に、ただちに3部の酢酸と1.2部の純水とを加え、20℃で30分間撹拌した。撹拌終了後、0.2M塩酸水溶液4.5部を加え、75℃に加熱して、5時間撹拌した。この溶液を、200部の純水に2時間かけて滴下し、20時間静置した後、孔径6μmのフィルターを通してろ過し、4部の白色粉末を得た。
洗浄:得られた白色粉末を、フィルタープレス(栗田機械製作所社製、SF(PP))を用い、純水にて電導度が50μS以下になるまで洗浄を行った。洗浄後、乾燥した。
後処理:乾燥後の白色粉末3部に、0.2部の酢酸カルシウムと30部の純水とを加え、25℃で2時間撹拌した後、ろ過した。ろ過して得られた粉末を60℃で72時間乾燥し、セルロースアセテート(CA1)を約2.5部得た。
−セルロースアセテート(CA2)の合成−
アセチル化に用いる硫酸量0.15部を0.10部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA2)を得た。
アセチル化に用いる硫酸量0.15部を0.10部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA2)を得た。
−セルロースアセテート(CA3)の合成−
アセチル化に用いる硫酸量0.15部を0.01部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA3)を得た。
アセチル化に用いる硫酸量0.15部を0.01部とした以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA3)を得た。
−セルロースアセテート(CA4)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを7時間に変えた以外は、CA1と同様の方法でセルロースアセテート(CA4)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを7時間に変えた以外は、CA1と同様の方法でセルロースアセテート(CA4)を得た。
−セルロースアセテート(CA5)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを、4時間30分に変更した以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA5)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、5時間撹拌したところを、4時間30分に変更した以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA5)を得た。
−セルロースアセテート(CA6)の合成−
アセチル化を行って得られた溶液を室温(25℃)で16時間放置した後、脱アセチル化及び低分子量化を行った以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA6)を得た
アセチル化を行って得られた溶液を室温(25℃)で16時間放置した後、脱アセチル化及び低分子量化を行った以外は、CA1と同様にしてセルロースアセテート(CA6)を得た
−セルロースアセテート(CA7)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、65℃で7時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA7)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、65℃で7時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA7)を得た。
−セルロースアセテート(CA8)の合成−
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、80℃で4時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA8)を得た。
脱アセチル化及び低分子量化において、75℃で5時間撹拌するところを、80℃で4時間撹拌した以外はCA1と同様にしてセルロースアセテート(CA8)を得た。
−セルロースアセテート(CA9)の準備−
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L50)を(CA9)として準備した。
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L50)を(CA9)として準備した。
−セルロースアセテート(CA10)の準備−
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L20)を(CA10)として準備した。
市販のセルロースアセテート(ダイセル社製、L20)を(CA10)として準備した。
(セルロースプロピオネートの準備)
−セルロースプロピオネート(CP1)の合成−
アセチル化において、無水酢酸2部を用いたところを、無水プロピオン酸2.5部用い、脱アシル及び低分子量化において、撹拌時間5時間を7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースプロピオネート(CP1)を得た。
−セルロースプロピオネート(CP1)の合成−
アセチル化において、無水酢酸2部を用いたところを、無水プロピオン酸2.5部用い、脱アシル及び低分子量化において、撹拌時間5時間を7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースプロピオネート(CP1)を得た。
(セルロースブチレートの準備)
−セルロースブチレート(CB1)の合成−
アセチル化において、無水酢酸2部を用いたところを、無水酪酸2.5部用い、脱アシル及び低分子量化において、撹拌時間5時間を7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースブチレート(CB1)を得た。
−セルロースブチレート(CB1)の合成−
アセチル化において、無水酢酸2部を用いたところを、無水酪酸2.5部用い、脱アシル及び低分子量化において、撹拌時間5時間を7時間に変えた以外は、CA1と同様にしてセルロースブチレート(CB1)を得た。
<重量平均分子量、重合度、置換度の測定>
セルロースアセテートの重合度は、以下の手順で重量平均分子量から求められる。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
この方法で合成したセルロースアセテートの重量平均分子量(Mw)と置換度とを評価した結果を表1にまとめる。また、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレートの重量平均分子量(Mw)と置換度とを評価した結果を表2にまとめる。
セルロースアセテートの重合度は、以下の手順で重量平均分子量から求められる。
まず、セルロースアセテートの重量平均分子量を、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、GPC装置(東ソー(株)製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にてポリスチレン換算で測定する。
この方法で合成したセルロースアセテートの重量平均分子量(Mw)と置換度とを評価した結果を表1にまとめる。また、セルロースプロピオネートおよびセルロースブチレートの重量平均分子量(Mw)と置換度とを評価した結果を表2にまとめる。
<ポリヒドロキシアルカノエートの準備>
(ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)〜(HA4)の準備)
ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)〜(HA4)として、下記市販品を準備した。
アオニレックスX131Aを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)、アオニレックスX151Aを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA2)、及びアオニレックスX331Nを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA3)とした(いずれも、カネカ社製)。
また、バイオポール(ゼネカ社製)を、ポリヒドロキシアルカノエート(HA4)とした。
準備した各ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量と、ポリヒドロキシアルカノエート中のヒドロキシヘキサノエートの共重合比(モル%)を表3にまとめる。
(ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)〜(HA4)の準備)
ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)〜(HA4)として、下記市販品を準備した。
アオニレックスX131Aを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA1)、アオニレックスX151Aを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA2)、及びアオニレックスX331Nを、ポリヒドロキシアルカノエート(HA3)とした(いずれも、カネカ社製)。
また、バイオポール(ゼネカ社製)を、ポリヒドロキシアルカノエート(HA4)とした。
準備した各ポリヒドロキシアルカノエートの重量平均分子量と、ポリヒドロキシアルカノエート中のヒドロキシヘキサノエートの共重合比(モル%)を表3にまとめる。
<可塑剤の準備>
(可塑剤P1〜P3の準備)
市販のアジピン酸エステル含有化合物可塑剤(大八化学工業社製、Daifatty101)を可塑剤(P1)、ポリエーテルエステル可塑剤(ADEKA社製、RS−1000)を可塑剤(P2)、縮合りん酸エステル系可塑剤(大八化学工業社製、PX200)を可塑剤(P3)として準備した。
(可塑剤P1〜P3の準備)
市販のアジピン酸エステル含有化合物可塑剤(大八化学工業社製、Daifatty101)を可塑剤(P1)、ポリエーテルエステル可塑剤(ADEKA社製、RS−1000)を可塑剤(P2)、縮合りん酸エステル系可塑剤(大八化学工業社製、PX200)を可塑剤(P3)として準備した。
<実施例1〜23、比較例1〜10>
−混練および射出成形−
表4に示す仕込み組成比で、シリンダ温度を表4にしたがって調製し、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られたペレットについて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX140III)を用い、射出ピーク圧力が180MPaを越えないシリンダ温度で、ISO多目的ダンベル(測定部幅10mm×厚み4mm)を成形した。
−混練および射出成形−
表4に示す仕込み組成比で、シリンダ温度を表4にしたがって調製し、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られたペレットについて、射出成形機(日精樹脂工業社製、NEX140III)を用い、射出ピーク圧力が180MPaを越えないシリンダ温度で、ISO多目的ダンベル(測定部幅10mm×厚み4mm)を成形した。
[評価]
−シャルピー衝撃強さ−
得られたISO多目的ダンベルをノッチングツール(東洋精機社製、ノッチング装置)を用いてノッチ加工し、デジタル耐衝撃測定装置(東洋精機社製、DG−UB型)にて、ISO−179−1に準拠する方法で測定した。結果を表4にまとめる。
−シャルピー衝撃強さ−
得られたISO多目的ダンベルをノッチングツール(東洋精機社製、ノッチング装置)を用いてノッチ加工し、デジタル耐衝撃測定装置(東洋精機社製、DG−UB型)にて、ISO−179−1に準拠する方法で測定した。結果を表4にまとめる。
−曲げ弾性率−
得られたISO多目的ダンベル試験片を用いて、万能試験装置(島津製作所社製、オートグラフAG−Xplus)を用いて、ISO−178に準拠する方法で測定を行った。結果を表4にまとめる。
得られたISO多目的ダンベル試験片を用いて、万能試験装置(島津製作所社製、オートグラフAG−Xplus)を用いて、ISO−178に準拠する方法で測定を行った。結果を表4にまとめる。
なお、表4中、「AC」は、セルロースアシレートを、「PHA」は、ポリヒドロキシアルカノエートを、それぞれ表す。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、曲げ弾性率および耐衝撃強さの評価結果が良好であることがわかる。
Claims (8)
- 重量平均分子量3万以上9万以下、及び置換度2.1以上2.6以下であるセルロースアセテートと、
ポリヒドロキシアルカノエートと、
を有する樹脂組成物。 - 樹脂組成物全量に対する前記セルロースアセテートの含有量を(A)、樹脂組成物全量に対する前記ポリヒドロキシアルカノエートの含有量を(B)としたとき、前記(A)と前記(B)との含有比率((B)/(A))が、質量比で、0.005以上0.1以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリヒドロキシアルカノエートが、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体に対する、前記3−ヒドロキシヘキサノエートの共重合比が、3モル%以上20モル%以下である請求項3に記載の樹脂組成物。
- さらに、可塑剤を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記可塑剤が、アジピン酸エステルを含有する化合物である請求項5に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形した樹脂成形体。
- 前記樹脂成形体が、射出成形体である請求項7に記載の樹脂成形体。
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JP2017024389A JP2018131484A (ja) | 2017-02-13 | 2017-02-13 | 樹脂組成物および樹脂成形体 |
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JP (1) | JP2018131484A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022059592A1 (ja) * | 2020-09-17 | 2022-03-24 | 株式会社カネカ | 積層体及び成形体 |
WO2022190373A1 (ja) * | 2021-03-12 | 2022-09-15 | 株式会社ダイセル | 熱可塑性樹脂組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005074711A (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Japan Polypropylene Corp | 高密度ポリエチレン系樹脂製成形体 |
-
2017
- 2017-02-13 JP JP2017024389A patent/JP2018131484A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005074711A (ja) * | 2003-08-29 | 2005-03-24 | Japan Polypropylene Corp | 高密度ポリエチレン系樹脂製成形体 |
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