JP2013237765A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性、耐衝撃性等を保持したまま、耐薬品性を著しく改善し、更には熱安定性を改善したポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)80〜30重量%およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)20〜70重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、特定のリン系酸化防止剤(C)0.01〜0.035重量部およびエポキシ化合物(D)0.01〜0.035重量部からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、ポリカーボネート樹脂の特徴である透明性、耐衝撃性等を保持したまま、耐薬品性を著しく改善し、更には熱安定性を改善したポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂から得られた成形品にフタル酸エステル類等の可塑剤やブレーキフルード等の機械油が付着する事で割れ等の不具合が発生する場合があり、耐可塑剤性や耐機械油性に優れたポリカーボネート樹脂が要望されている。又、ポリカーボネート樹脂から得られた成形品が高温雰囲気下において黄変する事で意匠面での不具合が発生する場合があり、かかる不具合が発生しないように熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂が要望されている。
上記欠点を改良する目的でポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂を配合した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ポリエステル樹脂を配合する事で、
(1)耐薬品性および耐溶剤性は若干改良されるものの、アタック性の強いアルカリ洗剤や機械油等が付着した場合に割れ等の不具合が発生するなど改良効果は十分とはいえず、
(2)ポリカーボネート樹脂の長所である透明性を大きく低下させると共に、
(3)ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性が損なわれる、
という問題があった。
また、耐衝撃強性を改良する為にポリカーボネート樹脂およびポリエステル樹脂からなる樹脂組成物にMBS等の耐衝撃改良材を配合する方法が提案されている。(特許文献1)しかしながら、MBSに起因する着色やポリエステル樹脂がエステル交換を起こして分解するという問題があり、更なる改良が求められていた。
更に透明性と耐薬品性を改良する為に、ポリカーボネート樹脂とポリブチレンアジペート系樹脂にカルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物から選ばれる一種以上の化合物を含むポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体が提案されている。(特許文献2)しかしながら、ポリカーボネート樹脂とポリブチレンアジペート系樹脂からなる樹脂組成物の透明性を低下させない為に、高価なカルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物を多量に配合する必要があり、コスト的に問題を有していた。
特公昭55−9435号公報 特開2009−19170号公報
本発明は、ポリカーボネート樹脂が本来有する透明性、衝撃性、熱安定性等を保持したまま、耐可塑剤性および耐機械油溶剤性を著しく改善し、更には熱安定性を改善したポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂と特定のポリブチレンアジペート系樹脂からなる樹脂組成物に極少量のエポキシ化合物と特定のリン系酸化防止剤を併用して配合する事により、驚くべきことに透明性の低下がなく熱安定性が良好であり、耐可塑剤性や耐機械油性が著しく改良できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)80〜30重量%およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)20〜70重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、下記一般式1に示す化合物(C−1)、下記一般式2に示す化合物(C−2)および下記一般式3に示す化合物(C−3)から選択される1種もしくは2種以上の化合物(C)0.01〜0.035重量部およびエポキシ化合物(D)0.01〜0.035重量部からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
一般式1:(C−1)
Figure 2013237765

(一般式1において、R1〜4は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

一般式2:(C−2)
Figure 2013237765

(一般式2において、R5およびR6は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

一般式3:(C−3)
Figure 2013237765

(一般式3において、R7は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、aは0〜3の整数を示す。)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来有する優れた透明性、耐衝撃性等の性能を保持したまま、耐可塑剤性や耐機械油性を著しく改善し、更には熱安定性を改善したものである。かかる樹脂組成物から得られた成形品にフタル酸エステル類の可塑剤やブレーキフルード等の機械油が付着しても割れ等の不具合の発生が抑えられ、高温の環境下に置かれても黄変による外観不良の発生が抑えられることから、工業的に有用な発明である。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは14000〜30000、さらに好ましくは16000〜26000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
ポリカーボネート樹脂(A)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)からなる樹脂成分を基準として、30〜80重量%である。配合量が30重量%未満では造粒加工性が困難になり、80重量%を越えると耐可塑剤性および耐機械油性に劣ることから好ましくない。好ましい配合量は40〜70重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
本発明にて使用されるポリブチレンアジペート系樹脂(B)とは、ポリブチレンアジペート樹脂、またはこれと共重合可能なモノマーとの共重合体からなるポリエステル樹脂であり、とりわけアジピン酸、テレフタル酸および1、4−ブタジオールからなるポリブチレンアジペート−ブチレンテレフタレート共重合体が好適に使用される。
ポリブチレンアジペート系樹脂(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)からなる樹脂成分を基準として、20〜70重量%である。配合量が20重量%未満では耐可塑剤性および耐機械油性に劣り、70重量%を越えると造粒加工が困難になり樹脂組成物のペレットを得ることができなくなることから好ましくない。好ましい配合量は30〜60重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
本発明にて使用される化合物(C)は、下記一般式1〜3に示される化合物(C−1〜C−3)から選択される1種もしくは2種以上の化合物である。
一般式1:(C−1)
Figure 2013237765

(一般式1において、R1〜4は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

一般式2:(C−2)
Figure 2013237765

(一般式2において、R5およびR6は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

一般式3:(C−3)
Figure 2013237765

(一般式3において、R7は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、aは0〜3の整数を示す。)
C−3の化合物としては、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトが好適に使用でき、チバスペシャリティケミカルズ社製イルガホスP168として商業的に入手可能である。また、C−1〜C−3の化合物の混合品としてはテトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4、4‘-ビフェニレンフォスフォナイトを主成分とするクラリアントジャパン社製サンドスタブP−EPQが商業的に入手可能であり、好適に使用できる。
化合物(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)からなる樹脂成分100重量部あたり、0.01〜0.035重量部である。配合量が0.01重量部未満では透明性と熱安定性に劣り、0.035重量部を越えると耐加水分解性に劣ることから好ましくない。好ましい配合量は0.015〜0.035重量部、更に好ましくは0.02〜0.03重量部である。
エポキシ化合物(D)としては、分子内に少なくとも一つ以上のエポキシ基を有する化合物であり、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油等が挙げられる。とりわけ、エポキシ化大豆油が好適に使用できる。
エポキシ化合物(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)からなる樹脂成分100重量部あたり、0.01〜0.035重量部である。配合量が0.01重量部未満では透明性に劣り、0.035重量部を越えるとコスト的に不利になることから好ましくない。好ましい配合量は0.015〜0.03重量部、更に好ましくは0.02〜0.03重量部である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)および(D)の配合方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の単軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染顔料や強化材(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ等)等、又、他の樹脂を配合することができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例中の部や%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
使用した配合成分は、以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20
粘度平均分子量:19000、以下、PCと略記)
ポリブチレンアジペート系樹脂(B):
ポリブチレンアジペート−ブチレンテレフタレート共重合体
(BASFジャパン社製 エコフレックス、以下、PBATと略記)
化合物(C):
トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト
(チバスペシャリティケミカルズ社製 イルガホスP168、
以下、P168と略記)
テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4、4’-ビフェニレンフォスフォ
ナイトを主成分とするリン系酸化防止剤
(クラリアントジャパン社製サンドスタブP−EPQ、以下、P−EPQと略記)
化合物(C)以外のリン系酸化防止剤:
ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト
(ADEKA社製アデカスタブPEP36、以下、PEP36と略記)
6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]
−2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−ジベンゾ[d,f][1,3,2]
ジオキサホスフェピン
(住友化学社製スミライザーGP、以下、GPと略記)
エポキシ化合物(D)
エポキシ化大豆油
(ADEKA社製アデカサイザー O−130P、以下、ESOと略記)
前述の各種配合成分を表1〜3に示す配合比率にて一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度240℃にて混練し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
(成形品の耐可塑剤性および耐機械油性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ50℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度240℃、射出圧力1600kg/cmにて試験片(127x13x3.2mm)を作成した。
得られた試験片を片持ち梁の耐可塑剤性・耐機械油性試験治具(図1参照)を用いて任意の歪みをかけて、試験片の中央部に下記薬剤をそれぞれ塗布した。
評価用薬剤
・DOP 和光純薬工業社製 (以下、薬剤1と略記)
・自動車用非鉱油系ブレーキ液 トヨタ純正ブレーキフルード2500H
トヨタ自動車社製(以下、薬剤2と略記)

上記の薬剤塗布後の試験片を23℃および85℃の雰囲気下で48時間放置し、試験片上の割れやヒビの位置から臨界歪み(%)を次式により求めた。
Figure 2013237765
上記式にて求めた臨界歪みから、耐可塑剤性・耐機械油性を下記基準にて判定し、臨界歪みが0.7%以上(○〜◎)を合格とした。
耐可塑剤性・耐機械油性の判定:
◎:臨界歪みが1.0%以上
○:臨界歪みが0.7%以上〜1.0%未満
△:臨界歪みが0.5%以上〜0.7%未満
×:臨界歪みが0.3%以上〜0.5%未満
××:臨界歪みが0.3%未満
(成形品の透明性、熱安定性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ50℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度240℃、射出圧力1600kg/cmにて透明性評価用試験片(150x90x2.0mm)を作成した。
得られた試験片を用いてJIS K 7361に準じ、試験片厚み2mmの光線透過率を測定し、透明性に関して光線透過率が80%以上を合格とした。又、得られた試験片を熱風乾燥機(タバイ社製 ギアオーブンGPHH−200)を用いて設定温度80℃中に20時間静置後、カラーアナライザー(村上色彩技術研究所社製 CMS−35SP 透過 D65光源)を用いて黄色度(YI)を測定した。熱安定性を熱風乾燥機静置前後の黄色度差(ΔYI)で評価を行い、黄色度差が15以下を合格とした。
(成形品の耐加水分解性の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ50℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度240℃、射出圧力1600kg/cmにて透明性評価用試験片(150x90x2.0mm)を作成した。
得られた試験片を60℃水への浸漬1Hrの条件にて加水分解試験を行い、試験片の透明性について目視にて評価した。
透明性を維持しているものを合格とし、スリガラス状、白濁または失透した外観を示すものを不合格とした。
Figure 2013237765
Figure 2013237765
Figure 2013237765
ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1〜7)にあっては、耐可塑剤性および耐機械油性、透明性、熱安定性および耐加水分解性のそれぞれに亘って良好な結果を示した。
一方、ポリカーボネート樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、ポリブチレンアジペート系樹脂(B)が添加されていない例であり、耐可塑剤性および耐機械油性に劣っていた。
比較例2は、化合物(C)およびエポキシ化合物(D)が添加されていない例であり、耐可塑剤性や耐機械油性は良好な結果を示しているものの、光線透過率、黄変度および熱対加水分解性に劣っていた。
比較例3は、化合物(C)の配合量が本発明の定める範囲よりも少ない例であり、黄変度に劣っていた。
比較例4は、化合物(C)の配合量が本発明の定める範囲よりも多い例であり、耐加水分解性に劣っていた。
比較例5は、エポキシ化合物(D)の配合量が本発明の定める範囲よりも少ない例であり、光線透過率に劣っていた。
比較例6および比較例7は、化合物(C)以外のリン系酸化防止剤を添加した例であり、何れも耐加水分解性に劣っていた。
比較例8は、ポリブチレンアジペート系樹脂(B)の配合量が本発明の定める範囲より少ない例であり、耐可塑剤性および耐機械油性に劣っていた。
比較例9は、ポリブチレンアジペート系樹脂(B)の配合量が本発明の定める範囲より多い例であり、造粒加工が困難となりペレットが作成出来なかった。
片持ち梁の耐可塑剤性・耐機械油性試験評価用治具の説明図である。
1 耐可塑剤性・耐機械油性試験評価用治具本体
2 試験片
3 試験片の固定用ネジ
4 試験片に歪を与えるネジ

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)80〜30重量%およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)20〜70重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、下記一般式1に示す化合物(C−1)、下記一般式2に示す化合物(C−2)および下記一般式3に示す化合物(C−3)から選択される1種もしくは2種以上の化合物(C)0.01〜0.035重量部およびエポキシ化合物(D)0.01〜0.035重量部からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
    一般式1:(C−1)
    Figure 2013237765

    (一般式1において、R1〜4は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

    一般式2:(C−2)
    Figure 2013237765

    (一般式2において、R5およびR6は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を示す。)

    一般式3:(C−3)
    Figure 2013237765

    (一般式3において、R7は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、aは0〜3の整数を示す。)
  2. 前記樹脂成分中のポリカーボネート樹脂(A)の含有量が60〜40重量%およびポリブチレンアジペート系樹脂(B)の含有量が40〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリブチレンアジペート系樹脂(B)が、ポリブチレンアジペート−ブチレンテレフタレート共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. エポキシ化合物(D)が、エポキシ化大豆油であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を押出成形してなる成形体。
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