JP2004129393A - Dc/dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型且つ低コストで高効率な補助共振型のDC/DCコンバータを提供する。
【解決手段】入力端子11,12間に接続された2つの主スイッチ1,2と、主スイッチ1,2同士の接続点Mと出力端子14との間に接続された平滑リアクトルLoとを備えた降圧型DC/DCコンバータ15では、接続点Mと出力端子14との間に、共振リアクトルLrと補助スイッチ3とを直列接続した補助共振回路10が設けられ、更に各主スイッチ1,2と並列に共振用コンデンサC1,C2が設けられている。そして、主スイッチ2をオフさせて主スイッチ1をオンさせる際に補助スイッチ3がオンされて、出力端子14から共振リアクトルLrへ電気エネルギーが供給され、そのLrとC1,C2との共振により主スイッチ1の両端電圧Vdsが零になったところで、該主スイッチ1がオンされる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DC/DCコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
入力される直流電圧からそれとは異なる値の直流電圧を生成して出力するDC/DCコンバータを小型化/高効率化するためには、ソフトスイッチング技術によりスイッチング素子でのスイッチング損失を減少させ、それに伴い駆動周波数を高周波化して、平滑リアクトルなどの部品を小型化することが有効である。
【0003】
また、こうしたソフトスイッチング技術を利用したインバータであって、例えばスイッチング素子に印加される電圧をゼロにした状態で該スイッチング素子をスイッチングさせるといったゼロ電圧スイッチングを、補助共振回路による部分共振を利用して実施するようにした補助共振型のインバータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、上記文献1の技術をDC/DCコンバータに適用した場合の構成例を、図14に示す。尚、図14のDC/DCコンバータ101は、出力電圧Voutが入力電圧Vinよりも小さい降圧型のDC/DCコンバータである。
図14に示すDC/DCコンバータ101は、入力電圧Vinの出力源である直流電源が接続される2つの入力端子11,12と、その入力端子11,12間に直列に接続された2つの主スイッチ1,2と、主スイッチ1,2の各々に並列に接続されたコンデンサC1,C2と、主スイッチ1,2同士の接続点Mに一端が接続された平滑リアクトルLoと、その平滑リアクトルLoの他端に接続された出力端子14と、入力端子12と共通接続されている出力端子13と、出力端子13,14間に接続されて該出力端子13,14間に生じる出力電圧Voutの変動を抑える出力フィルタコンデンサCoutとからなる周知公用の構成に加えて、更に、入力端子11,12間に直列に接続された中点電位生成用の2つのコンデンサ(中性点電圧クランプコンデンサ)Ca,Cbと、そのコンデンサCa,Cb同士の接続点Nと主スイッチ1,2同士の接続点Mとの間に順次直列に接続された共振リアクトルLr、ダイオードDr及びスイッチSrとを備えている。
【0005】
尚、この例において、主スイッチ1,2の各々は、トランジスタ(ここではNチャネルMOSFET)S1,S2と、それのドレイン−ソース間に存在する寄生ダイオードD1,D2とから構成されており、各トランジスタS1,S2のオン/オフが、主スイッチ1,2のオン/オフに相当している。一方、入力端子11,12のうち、入力端子11が入力側のプラス端子となり、入力端子12が入力側のマイナス端子となっている。また、出力端子13,14のうち、出力端子13が出力側のマイナス端子となり、出力端子14が出力側のプラス端子となっている。
【0006】
このDC/DCコンバータ101では、基本的には、2つのトランジスタS1,S2が、両方共にオフされる期間(デッドタイム)を設けつつ、交互にオン/オフされると共に、トランジスタS1がオンされたときに、入力側の直流電源からの電気エネルギーが平滑リアクトルLoに蓄えられ、トランジスタS2がオンされたときに、平滑リアクトルLoに蓄えられた電気エネルギーが出力端子13,14に接続された負荷へと放出される。
【0007】
そして、このDC/DCコンバータ101では、例えば、トランジスタS2をオフさせてトランジスタS1をオンさせる際(S2からS1への転流時)に、スイッチSrを所定時間オンして、上記接続点Nから共振リアクトルLrへ電気エネルギーを供給し、そこで蓄えた電気エネルギーを、コンデンサC1及びC2と共振リアクトルLrとの共振動作に使用する。そして、コンデンサC1及びC2が共振リアクトルLrとの共振動作により放電及び充電されてトランジスタS1のドレイン−ソース間電圧がゼロになると見なされるタイミングで、該トランジスタS1をオンさせ、これにより、トランジスタS1のゼロ電圧ターンオンが実現されることとなる。
【0008】
尚、このような補助共振型(補助共振回路を用いた部分共振型)のソフトスイッチングによれば、その共振電圧が入出力電圧を超えないので、各素子の耐圧を上げなくても良い。また、各トランジスタS1,S2の駆動周期を一定にしたPWM制御を行うことができると共に、ノイズフィルタの設計が容易であるという利点もある。つまり、部分共振でない全共振だと、トランジスタS1,S2のオフ時間を一定値にしなければならず、デューティ比を変えるためには駆動周期自体を変える必要があり、最適なノイズフィルタの設計も難しくなってしまうが、部分共振であればそのような問題はない。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−340676号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図14の構成では、共振電圧の基準と共振電流源との役割を果たす中点電位(中性点電圧)を新たに作らなければならず、そのため、入力側に中点電位生成用の2つのコンデンサCa,Cbが必要となり、回路の大型化とコスト増加とを招いてしまう。
【0011】
しかも、そのような中点電位を確実に安定させるためには、図14に示すように、コンデンサCa,Cbの各々と並列に2つのバランサー用抵抗Ra,Rbを追加しなければならず、その抵抗Ra,Rbでの損失により、電力効率が低下してしまう。
【0012】
そこで、本発明は、小型且つ低コストで高効率な補助共振型のDC/DCコンバータを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のDC/DCコンバータでは、通常のDC/DCコンバータと同様に、直列に接続された2つの主スイッチを交互にオン/オフさせると共に、その2つの主スイッチのうちの一方である第1の主スイッチがオンしたときに、入力側の端子に接続された直流電源からの電気エネルギーを平滑リアクトルに蓄え、前記2つの主スイッチのうちの他方である第2の主スイッチがオンしたときに、平滑リアクトルに蓄えられた電気エネルギーを出力側の端子に接続された負荷へと放出する。
【0014】
そして、請求項1のDC/DCコンバータでは、共振リアクトルと補助スイッチとを直列接続した補助共振回路を備えると共に、2つの主スイッチの両方あるいは何れか一方に並列に容量成分を備えており、特に、上記補助スイッチがオンのときに出力側の端子から共振リアクトルへ電気エネルギーを供給し、そこで蓄えた電気エネルギーを前記容量成分と共振リアクトルとの共振動作に使用することを特徴としている。
【0015】
このような請求項1のDC/DCコンバータによれば、共振リアクトルへの共振電流を、従来技術の様な入力側ではなく、出力側から供給するようにしているため、中点電位生成用のコンデンサや抵抗といった部品が不要となり、回路の小型化と低コスト化とを実現することができる。つまり、出力側の電位(当該DC/DCコンバータの出力電圧)は、DC/DCコンバータの本来の機能により一定に制御されているため、特別な部品を追加しなくても、共振電圧の基準電位を一定にすることができるからである。
【0016】
そして更に、中点電位安定用の抵抗(バランサー用抵抗)が不要となり、その抵抗での電力損失が無くなるため、高効率となる。
次に、請求項2に記載のDC/DCコンバータでは、請求項1のDC/DCコンバータにおいて、出力側の端子には、出力電圧の変動を抑えるための出力フィルタコンデンサが接続されており、補助スイッチがオンのときに出力側の端子から共振リアクトルへ供給される電気エネルギーは、その出力フィルタコンデンサから供給されるようになっている。
【0017】
そして、このような請求項2のDC/DCコンバータによれば、出力側の端子に接続される負荷が容量性の負荷(静電容量を有した負荷)でなくても、共振リアクトルへ電気エネルギーを確実に供給することができる。逆に言えば、負荷が十分な大きさの静電容量を有しているものであるならば、出力フィルタコンデンサは省略することも可能である。
【0018】
ところで、請求項1又は請求項2のDC/DCコンバータにおいて、第1の主スイッチをゼロ電圧スイッチングするためには、請求項3に記載のように、第1の主スイッチと第2の主スイッチとが両方共にオフするデッドタイムを設けると共に、少なくとも、第2の主スイッチがオフしてから次に第1の主スイッチがオンするまでの期間は、補助スイッチがオンされるようにすれば良い。
【0019】
そして特に、請求項4に記載の如く、第2の主スイッチがオンしている期間に補助スイッチをターンオンさせると共に、第1の主スイッチがオンしている期間に補助スイッチをターンオフさせ、更に、前記各スイッチのうちで第2の主スイッチのみがオンしているときに該第2の主スイッチに流れる電流の方向を正とすると、第2の主スイッチと補助スイッチとが同時にオンしている期間において、第2の主スイッチに流れる電流がゼロ又は負になったときに、該第2の主スイッチをターンオフさせるようにすれば、共振リアクトルと容量成分との共振電圧をブーストアップすることができ、請求項8に記載の如く出力電圧Voutが入力電圧Vinの1/2以下である降圧型のDC/DCコンバータや、請求項9に記載の如く出力電圧Voutが入力電圧Vinの2倍以下である昇圧型のDC/DCコンバータや、請求項10に記載の如く出力電圧Voutの絶対値が入力電圧Vinの絶対値以下である反転型のDC/DCコンバータであっても、第1の主スイッチを確実にゼロ電圧スイッチングすることができるようになる。
【0020】
尚、請求項4のDC/DCコンバータにおいて、第1の主スイッチをゼロ電圧ターンオンスイッチングするには、請求項5に記載のようにすれば良い。即ち、各スイッチのうちで第1の主スイッチのみがオンしているときに該第1の主スイッチに流れる電流の方向を正とすると、第1の主スイッチのターンオンは、その第1の主スイッチに流れる電流が負又はゼロになったときに実施すれば良い。
【0021】
次に、請求項6に記載のDC/DCコンバータでは、請求項4又は請求項5のDC/DCコンバータにおいて、平滑リアクトルに流れる電流iLを測定する平滑リアクトル電流測定手段を備え、第2の主スイッチと補助スイッチとを同時にオンしている期間T1が、請求項6に記載の式1の条件を満たしたら、第2の主スイッチをターンオフさせることを特徴としている。
【0022】
そして、このようなDC/DCコンバータによれば、第2の主スイッチと補助スイッチとが同時にオンされる期間を実際の平滑リアクトル電流(換言すれば負荷電流)iLに応じてアクティブに最適化することができ、延いては補助共振回路での無駄な電力損失の発生を防止することができる。
【0023】
次に、請求項7に記載のDC/DCコンバータでは、請求項4又は請求項5のDC/DCコンバータにおいて、平滑リアクトルに流れる電流iLを測定する平滑リアクトル電流測定手段と、共振リアクトルに流れる電流irを測定する共振リアクトル電流測定手段とを備え、第2の主スイッチと補助スイッチとを同時にオンしている期間において、共振リアクトル電流irが請求項7に記載の式2の条件を満たしたら、第2の主スイッチをターンオフさせることを特徴としている。
【0024】
そして、このようなDC/DCコンバータによれば、第2の主スイッチと補助スイッチとが同時にオンされる期間を、実際の平滑リアクトル電流iLと共振リアクトル電流irとに応じて、請求項6のDC/DCコンバータよりも更に高精度に最適化することができる。
【0025】
一方、請求項1〜8の何れかのDC/DCコンバータにおいて、それが降圧型(出力電圧が入力電圧よりも小さいDC/DCコンバータ)であるならば、請求項11に記載の如く、入力フィルタコンデンサを、当該DC/DCコンバータの入力側のプラス端子(入力側の端子のうちで電位が高い方の端子)と、出力フィルタコンデンサのプラス端子との間に接続すれば、入力フィルタコンデンサと出力フィルタコンデンサとが直列に接続されて、出力フィルタコンデンサが入力フィルタコンデンサの役割も兼ねることとなるため、入力フィルタコンデンサの耐圧を下げることができ、その入力フィルタコンデンサを小型化することもできる。
【0026】
また、請求項1〜7及び9の何れかのDC/DCコンバータにおいて、それが昇圧型(出力電圧が入力電圧よりも大きいDC/DCコンバータ)であるならば、請求項12に記載の如く、出力フィルタコンデンサを、当該DC/DCコンバータの出力側のプラス端子(出力側の端子のうちで電位が高い方の端子)と、入力フィルタコンデンサのプラス端子との間に接続すれば、出力フィルタコンデンサと入力フィルタコンデンサとが直列に接続されて、入力フィルタコンデンサが出力フィルタコンデンサの役割も兼ねることとなるため、出力フィルタコンデンサの耐圧を下げることができ、その出力フィルタコンデンサを小型化することもできる。
【0027】
次に、請求項13に記載のDC/DCコンバータでは、請求項1〜12のDC/DCコンバータにおいて、補助スイッチが、双方向に電流を流すことが可能な双方向スイッチであり、当該DC/DCコンバータは、2つの主スイッチのうちで、第1の主スイッチとして機能させる主スイッチと第2の主スイッチとして機能させる主スイッチとを逆にすることにより、入力側と出力側とを反対にすることが可能な双方向型であることを特徴としている。
【0028】
そして、このようなDC/DCコンバータによれば、入出力の方向を双方向の何れにしたとしても、補助共振回路による部分共振を用いたソフトスイッチングが可能となる。
次に、請求項14に記載のDC/DCコンバータでは、請求項1〜12のDC/DCコンバータにおいて、補助スイッチが、互いに逆の方向にのみ電流を流すことが可能な2つの単方向スイッチからなると共に、該2つの単方向スイッチのうちの一方がオンされることで、そのオンした単方向スイッチによる一方の方向にのみ電流を流すものとなっている。そして更に、当該DC/DCコンバータは、2つの主スイッチのうちで、第1の主スイッチとして機能させる主スイッチと第2の主スイッチとして機能させる主スイッチとを逆にすることにより、入力側と出力側とを反対にすることが可能な双方向型であると共に、その入出力の方向によって、前記2つの単方向スイッチのうちの何れか一方のみを作動させることを特徴としている。
【0029】
そして、このような請求項14のDC/DCコンバータによっても、請求項13のDC/DCコンバータと同様に、入出力の方向に拘わらず、補助共振回路による部分共振を用いたソフトスイッチングが可能となる。
次に、請求項15に記載のDC/DCコンバータでは、請求項1〜14のDC/DCコンバータにおいて、第1の主スイッチがオフされてから、請求項15に記載の式3の条件を満たす時間T2が経過したときに、第2の主スイッチがオンされることを特徴としている。
【0030】
そして、このようなDC/DCコンバータによれば、第2の主スイッチを確実にゼロ電圧ターンオンスイッチングさせることができる。
とろこで、請求項1〜15のDC/DCコンバータにおいては、請求項16に記載の如く、主スイッチに並列な容量成分に代えて、補助共振回路と並列に容量成分を設けても良い。
【0031】
また、請求項1〜3のDC/DCコンバータにおいて、第2の主スイッチは、請求項17に記載の如く、フライホールダイオードのような受動スイッチのみで構成することもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態のDC/DCコンバータについて、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
まず図1は、第1実施形態のDC/DCコンバータ15の構成を表す回路図である。
【0033】
図1に示すように、本第1実施形態のDC/DCコンバータ15は、図14に例示したDC/DCコンバータ101と同様の降圧型のDC/DCコンバータであるが、その図14のDC/DCコンバータ101と比較して、以下の(1−1)及び(1−2)点が異なっている。尚、図1において、図14のDC/DCコンバータ101と同じものについては、同一の符号を付しているため詳しい説明を省略する。
【0034】
(1−1):入力端子11,12間に、中点電位生成用の2つのコンデンサCa,Cb及び抵抗Ra,Rbが設けられておらず、その代わりに、1つの入力フィルタコンデンサCinが接続されている。
尚、この入力フィルタコンデンサCinは、端子11からの高周波ノイズ(いわゆるサージ)を吸収するために必要だが、主スイッチ1,2等の素子の耐圧が十分である場合には削除可能である。
【0035】
(1−2):主スイッチ1,2同士の接続点Mと出力端子14との間に、共振リアクトルLrと補助スイッチ3とを直列接続した補助共振回路10が設けられている。そして、補助スイッチ3は、それがオフのときには両方向に流れる電流を遮断し、オンのときには出力端子14側から接続点Mへの方向にだけ電流を流す単方向スイッチとして働くものであり、本実施形態では、トランジスタ(ここではNチャネルMOSFET)S3と、それの寄生ダイオードD3とから構成されている。このため、本実施形態では、トランジスタS3のオン/オフが、補助スイッチ3のオン/オフに相当する。
【0036】
尚、このDC/DCコンバータ15においても、主スイッチ1,2(トランジスタS1,S2)の各々に並列にコンデンサC1,C2が接続されているが、こうした共振用のコンデンサC1,C2としては、部品点数削減のためにトランジスタS1,S2の浮遊容量を用いても良い。また、共振周波数を精密に設計するために新たにコンデンサを追加しても良い。また更に、これらコンデンサC1,C2はノイズ抑制のためのスナバの役割も示すため、本実施形態では主スイッチ1,2の両方に接続しているが、ノイズの問題がなければ、主スイッチ1,2のうちの何れか一方にのみ接続するようにしても良い。また、コンデンサC1,C2の容量は、互いに同じでも異なっていても良い。一方、トランジスタS1〜S3としては、MOSFETに限らず、IGBTやバイポーラトランジスタ等の他の種類のスイッチング素子を用いても良い。
【0037】
次に、以上のような構成のDC/DCコンバータ15の動作について、図2〜図4を用いて説明する。
ここで、図2は、マイコン等を主要部として構成された制御回路(図示省略)がトランジスタS1,S2,S3の各々をオン/オフさせるタイミングと、図1の主要な各素子における電流又は電圧とを示したものである。
【0038】
また、図3と図4は、図2におけるa〜fの各期間での電流の経路を示した図であり、その図3,図4において、電流が流れていない素子は図示を省路している。尚、入力端子11,12間に接続される直流電源(入力側直流電源)と出力端子13,14間に接続される電気負荷との各々には、フィルタコンデンサCin,Coutの各々で平滑された電流が流れることとなるが、ここでは説明を簡略化するために省略している。また、入力端子11,12間の入力電圧Vinと、出力端子13,14間の出力電圧Voutは、それぞれ一定の値を保持しているものとする。
【0039】
そして、図2〜図4と以下の説明及び各式(式4〜式12)において、「iL」は平滑リアクトルLoに流れる電流(平滑リアクトル電流)であり、「ir」は共振リアクトルLr及び補助スイッチ3に流れる電流(共振リアクトル電流)であり、「i1」は主スイッチ1に流れる電流であり、「i2」は主スイッチ2に流れる電流であり、「iC1」はコンデンサC1に流れる電流であり、「iC2」はコンデンサC2に流れる電流である。また、それら各電流iL,ir,i1,i2,iC1,iC2の方向は、図1の矢印で示す方向をそれぞれ正としている。
【0040】
一方、以下の各式(式4〜式12)において、「Lr」は共振リアクトルLrのインダクタンスであり、「C1」はコンデンサC1の静電容量であり、「C2」はコンデンサC2の静電容量である。また、それら各式及び以下の説明において、「V1」は、トランジスタS1をオンしたときに平滑リアクトルLoに印加される電圧であり、「V2」は、トランジスタS2をオンしたときに平滑リアクトルLoに印加される電圧である。そして、本第1実施形態では、降圧型のDC/DCコンバータであるため、「V1=Vin−Vout」,「V2=Vout」となる。
【0041】
まず、図2に示すように、本第1実施形態のDC/DCコンバータ15では、トランジスタS1とトランジスタS2とが交互にオン/オフされるが、その両トランジスタS1,S2のオン/オフの切り替え時(転流時)には、トランジスタS2がオフされてからトランジスタS1がオンされ、また、トランジスタS1がオフされてからトランジスタS2がオンされるといった具合に、両トランジスタS1,S2が共にオフされるデッドタイムが設けられる。そして、トランジスタS2がオンしている期間中に補助スイッチ3のトランジスタS3がターンオンされ、そのトランジスタS3は、次にトランジスタS1がオンされて該トランジスタS1がオンしている期間中にターンオフされる。
【0042】
ここで、トランジスタS3がターンオンされる図2の時刻t10の直前(詳しくは、トランジスタS2がオンされてからトランジスタS3がターンオンされるまでの期間a)では、図3(a)に示すように、トランジスタS1〜S3のうちでトランジスタS2のみがオンしているため、平滑リアクトルLoのフライバック電流iLのみが流れている。そして、このトランジスタS2のみオンの期間aでは、平滑リアクトルLoに蓄積された電気エネルギーを出力側(詳しくは、出力端子13,14間に接続された負荷)へ放出する、という通常のDC/DCコンバータの動作をしている。
【0043】
次に、図2の時刻t10でトランジスタS3がターンオンされると、図3(b)に示すように、補助スイッチ3(D3,S3)を介して共振リアクトルLrに電流irが流れ、その共振リアクトルLrには、出力端子14からであって、詳しくは、出力端子13,14間に接続されている出力フィルタコンデンサCout(或いは更に負荷)から電気エネルギーが供給されることとなる。
【0044】
そして、その後にトランジスタS2がオフされる時刻t11での共振リアクトル電流irの値i0(即ち、トランジスタS2がオフされる直前での共振リアクトル電流ir)は式4で表され、時刻t11から時刻t10までの期間(即ち、トランジスタS2とトランジスタS3とが同時にオンされる期間「t11−t10=T1」)が長いほど、共振リアクトルLrに蓄えられる電気エネルギー(式4のi0に相当)が増加することとなる。
【0045】
【数4】
Figure 2004129393
【0046】
尚、共振リアクトルLrのインダクタンスは平滑リアクトルLoのインダクタンスよりも小さい値とするのが望ましい。
その理由は、共振リアクトルLrのインダクタンスが大きいと、共振リアクトル電流irが流れる期間(図2の時刻t10−t11間や後述する時刻t12−t20間)の1周期全体に対する割合が大きくなり、その共振リアクトル電流irによるダイオードD3やトランジスタS3での損失が大きくなってしまうからである。つまり、共振リアクトルLrのインダクタンスが大きいと、共振リアクトル電流irの増減傾きが緩くなるため、式4のi0をソフトスイッチングに必要な値にまで高めようとすると、補助スイッチ3での電力損失が大きくなってしまう。そこで、本実施形態では、共振リアクトルLrのインダクタンスを、平滑リアクトルLoのインダクタンスの1/10以下に設定している。
【0047】
また、仮に、トランジスタS2が図2の時刻t11’(i2が減少してゼロクロスする時刻)よりも前にターンオフされた場合、即ち、時刻t10−t11間が時刻t10−t11’間よりも短い場合、式4ではi0がiLよりも小さくなるが、このときには、i2(=iL−ir)が未だ正であり、ダイオードD2を通してi2が0になるまで流れ続けるため、結局、トランジスタS2を時刻t11’でオフした状態と同じになり、i0はiLと同じ値になる。つまり、トランジスタS2を時刻t11’よりも前でターンオフさせても、i0=iLとして動作することとなる。
【0048】
次に、図2の時刻t11でトランジスタS2がターンオフされると、図3(c)に示すように、共振リアクトルLrとコンデンサC1,C2との共振動作が起こり、共振リアクトル電流irが、平滑リアクトル電流iLと共振コンデンサ電流iC1,iC2とに分配されることとなる。尚、共振リアクトル電流irの初期値はi0である。
【0049】
そして、このとき、前述したように共振リアクトルLrのインダクタンスよりも平滑リアクトルLoのインダクタンスの方が十分に大きいため、トランジスタS2がターンオフされてからコンデンサC2の両端電位差VrがVin(=V1+V2)に到達するまで(換言すれば、トランジスタS1の両端電位差Vdsが0に到達するまで)の期間は、iLがほぼ一定であると見なすことができる。よって、そのときの共振リアクトル電流irは下記の式5で表され、共振コンデンサC2の両端電位差Vrは下記の式6で表される。尚、式5,式6では、共に、t11=0としている(即ち、トランジスタS2のオフタイミングを時間tの起点としている)。また、式5,式6のαとβは、それぞれ式7,式8で表される。
【0050】
【数5】
Figure 2004129393
【0051】
ここで、式6より、トランジスタS1をゼロ電圧スィッチングさせるためには、下記の式9の条件が必要である。尚、式9の右辺は、Vrの最大値である。
【0052】
【数6】
Figure 2004129393
【0053】
この式9の条件を満足しないと、コンデンサC2の電圧(接続点Mの電圧)VrがVin(=V1+V2)を越えず、トランジスタS1の両端電位差(ドレイン・ソース間電圧)Vdsがゼロボルトとならないからである。
そして更に、式9を展開すると下記の式10となり、この式10を満足するように、図2の時刻t10−t11間の時間(即ち、トランジスタS2とトランジスタS3とが同時にオンされる時間T1)を制御すれぱ、トランジスタS1のゼロ電圧スイッチングが可能となる。
【0054】
【数7】
Figure 2004129393
【0055】
そこで、本実施形態では、図1における一点鎖線で示すように、平滑リアクトルLoに実際に流れる電流iLを測定するセンサ(平滑リアクトル電流測定手段に相当)17と、共振リアクトルLrに実際に流れる電流irを測定するセンサ(共振リアクトル電流測定手段に相当)18とを設け、制御回路は、トランジスタS2,S3を同時にオンしている期間において、センサ18により検出される電流irが式10の右辺よりも大きくなったら(即ち、請求項7に記載の式2の条件を満たしたら)、トランジスタS2をターンオフさせるようにしている。尚、この場合に用いる式10右辺中のiLは、センサ17による実測値である。
【0056】
そして、このような制御により、トランジスタS2がオフされる直前での共振リアクトル電流irであるi0を、式10の右辺よりも確実に大きくし、トランジスタS1の確実なゼロ電圧ターンオンスイッチングを可能にしている。
尚、トランジスタS2,S3の同時オン時間T1(t10−t11間の時間)を固定にしてi0を固定としても、負荷が小さい場合(低負荷時)には、iLが小さくなって式10を必ず満たすようになるため、式4と式10とにより導出される下記の式11(即ち、請求項1に記載の式1と同じ式であり、その式1におけるT1を「t11−t10」と記載した式)が最大出力電力時でも満たされるように、トランジスタS2,S3の同時オン時間T1を予め固定値として求めておいても、必要出力条件下でのゼロ電圧スイッチングは可能である。そして、このようにT1を設計上、予め決めておく場合、式11のiLは、最大出力電力時における値(降圧型DC/DCコンバータでは出力電流と等しい)で良い。
【0057】
【数8】
Figure 2004129393
【0058】
また、低負荷時でもi0が変わらない(固定)ということは補助共振回路10の導通損失も変わらないということであるため、低負荷時により高効率とするならば、上述したセンサ17,18のうち、センサ17だけを設け、トランジスタS2,S3を同時にオンしている時間T1(=「t11−t10」)が、式11の条件を満たしたら、トランジスタS2をターンオフさせるように構成しても良い。そして、このようにすれば、2つのセンサ17,18を設ける場合よりも多少精度は劣るものの、トランジスタS2,S3の同時オン時間T1及びi0の値を実際の平滑リアクトル電流(負荷電流)iLに応じてアクティブに最適化することができ、補助共振回路10での無駄な電力損失の発生を防止することができる。
【0059】
但し、前述した通り、式10はあくまでトランジスタS1のスイッチング損失を最低とするための条件であり、回路全体の損失は必ずしも最低とならない場合もある。これはトランジスタS2,S3の同時オン期間T1が大きくなると、この期間に流れるirやi1,i2の実効値が大きくなり、それぞれのスイッチング素子の導通損失が大きくなるためである。特にトランジスタS3の抵抗やダイオードD3のオン電圧(順方向降下電圧)が大きくなるとこの傾向は顕著に表れ、このときはトランジスタS2,S3の同時オン期間T1が式10を満足しない小さな値であっても回路全体の損失が最小となる場合がある。
【0060】
次に、図2の時刻t12では、コンデンサC2の両端電位差(接続点Mの電圧)VrがVinに到達して、トランジスタS1の両端電位差Vdsが0になる。すると、図3(d)に示すように、ダイオードD1がオンして(ダイオードD1に順方向電流が流れて)コンデンサC1には電流が流れなくなり、共振が終了する。
【0061】
そして、本DC/DCコンバータ15では、このようにダイオードD1がオンしている間に、トランジスタS1をオンするようにしており、このため、図4(d’)に示すように、トランジスタS1はゼロ電圧スイッチングされることとなる。つまり、ゼロ電圧スイッチングとなるためのトランジスタS1のオンタイミング(図2のt13)は、i1が負になっている間あるいはゼロになったときで良く、図2では△t1の期間に相当する。
【0062】
次に、トランジスタS2のオフタイミング(時刻t11)から一定時間が経過した時であって、ダイオードD3がオフしてir=0になると見なされる時点(図2の時刻t20)で、トランジスタS3がオフされる。
すると、図4(e)に示すように、トランジスタS1のみがオンした状態になり、本DC/DCコンバータ15は、入力側直流電源からの電気エネルギーを平滑リアクトルLoに蓄えるという、通常のDC/DCコンバータの動作をする。
【0063】
ここで、図1のスイッチ3のように、トランジスタS3とダイオードD3の構成では、S3のオフタイミングは図2のt20〜t21の間でよい。これは、図1のS1がオンしている間は点Mの電位がVinとなっており、共振リアクトル電流irがゼロになったt20以降では、ダイオードD3は逆バイアスされるため、S3の状態に関わらずirがゼロとなるからである。ちなみに、このS3のオフタイミングがt20以前だと、irが流れているためS3にスイッチング損失が発生する。また、t21以後だと、ダイオードD3が順バイアスとなったときにirが流れ、誤動作の原因となる。
【0064】
次に、図2の時刻t21でトランジスタS1がターンオフされると、図4(f)に示すように電流が流れる。そして、このときも、前述したように共振リアクトルLrのインダクタンスより平滑リアクトルLoのインダクタンスの方が十分に大きいため、トランジスタS1のターンオフタイミングt21からコンデンサC2の両端電位差Vrが0Vになる(換言すればVds=Vinになる)時刻t30までの時間(「t30−t21」)は、平滑リアクトルLoとコンデンサC1,C2による共振周期よりも無視できるほど小さく、iLは一定と見なすことができる。よって、トランジスタS1のターンオフからVrが0Vになるまでの時間「t30−t21」は、下記の式12のように表すことができる。
【0065】
【数9】
Figure 2004129393
【0066】
ここで、トランジスタS2をターンオンさせるタイミングを、図2の時刻t30以前とすると、そのトランジスタS2に関してゼロ電圧スイッチングとならない。また、トランジスタS2のオンタイミングが図2の時刻t30よりも大きく遅れると、ダイオードD2での導通損失が増えてしまう。
【0067】
このため、トランジスタS2のオンタイミングは、時刻t30以降で且つその時刻t30のできるだけ直後が望ましい。
そこで、本DC/DCコンバータ15では、トランジスタS1をオフさせてから、式12の右辺で示される時間が経過したときに(即ち、請求項15に記載の式3の条件を満たす時間T2が経過したら)、トランジスタS2をターンオンさせるようにしている。
【0068】
以上が本DC/DCコンバータ15の動作であるが、上記の内容は、図5と図6との各々に示すように、反転型のDC/DCコンバータや昇圧型のDC/DCコンバータにも全く同様に適用することができる。
即ち、図5は、図1のDC/DCコンバータ15と同じ思想で構成された反転型DC/DCコンバータ19の構成を表す回路図であり、図6は、図1のDC/DCコンバータ15と同じ思想で構成された昇圧型DC/DCコンバータ21の構成を表す回路図である。そして、図5及び図6において、図1のDC/DCコンバータ15の場合と同様の役割及び動作をするものについては、同一の符号を付している。そして更に、図5,図6の各DC/DCコンバータ19,21においても、トランジスタS1〜S3のオン/オフタイミングは図2と同様であり、前述した式4〜式12も同様に当てはまる。
【0069】
ちなみに、式4〜式12におけるV1とV2は、前述したように、トランジスタS1あるいはトランジスタS2がオンしたときに平滑リアクトルLoに印加される電圧であるから、各タイプのDC/DCコンバータ15,19,21について、V1とV2は、下記の表1に示すV1とV2を当てはめればよい。
【0070】
【表1】
Figure 2004129393
【0071】
尚、図5の反転型DC/DCコンバータ19では、端子14が、出力側のプラス端子としてだけでなく、入力側のマイナス端子としての役割も果たしている。つまり、出力側のプラス端子と入力側のマイナス端子とが1つの端子14に共通化されている。そして、2つの主スイッチ1,2は、端子11(入力側のプラス端子に相当)と端子13(出力側のマイナス端子に相当)との間に直列に接続されている。また、図6の昇圧型DC/DCコンバータ21では、図1の降圧型DC/DCコンバータ15に対して、入力側と出力側とが反対になった構成(入出力の方向が逆の構成)であるため、出力端子13,14間に2つの主スイッチ1,2が直列に接続されると共に、そのうちで、出力端子14側の主スイッチ2が、図1のDC/DCコンバータ15における主スイッチ2と同様に、第2の主スイッチとしての役割を果たし、出力端子13側の主スイッチ1が、図1のDC/DCコンバータ15における主スイッチ1と同様に、第1の主スイッチとしての役割を果たすこととなる。つまり、各DC/DCコンバータ15,19,21においては、主スイッチ1が第1の主スイッチに相当し、主スイッチ2が第2の主スイッチに相当しており、このことは、後述する他の実施形態のDC/DCコンバータについても同様である。そして更に、図6のDC/DCコンバータ21では、主スイッチ1,2同士の接続点Mと入力端子11との間に平滑リアクトルLoと補助共振回路10が設けられており、補助スイッチ3は、それがオンのときに接続点M側から入力端子11への方向にだけ電流を流す単方向スイッチとして働くようになっている。但し、この昇圧型DC/DCコンバータ21においても、補助スイッチ3のトランジスタS3がオンされると、共振リアクトルLrには、出力端子14からトランジスタS2を介し電流が流れて電気エネルギーが供給されることとなる。
【0072】
以上、第1実施形態のDC/DCコンバータ15及びそれの変形例のDC/DCコンバータ19,21について説明したが、実際のDC/DCコンバータにおいて、上記実施形態のように主スイッチ2(S2)と補助スイッチ3(S3)とを同時にオンさせる期間を設ける必要がある入出力電圧Vin,Voutの条件を以下に述べる。
【0073】
それは、ゼロ電圧スイッチングが実現可能な条件である式10の実解が存在する範囲であって、式10中の(V1^2−V2^2)が正となる範囲に他ならない。尚、「^2」は2乗を意味している。
そして、この条件を各タイプのDC/DCコンバータのVin,Voutで表現すると、表1の一番右の列となる。
【0074】
即ち、▲1▼出力電圧Voutが入力電圧Vinの1/2以下である降圧型のDC/DCコンバータと、▲2▼出力電圧Voutの絶対値が入力電圧Vinの絶対値以下である反転型DC/DCコンバータと、▲3▼出力電圧Voutが入力電圧Vinの2倍以下である昇圧型DC/DCコンバータとが、主スイッチ2と補助スイッチ3とを同時にオンさせる期間を設ける前述の制御が特に有効なDC/DCコンバータである。
【0075】
一方、表1の一番右の列の条件以外のDC/DCコンバータについては、主スイッチ2と補助スイッチ3とを同時にオンさせる期間は必要でなく、図7で示す通常の補助共振回路を用いたDC/DCコンバータの一般的なスイッチングパターンのように、トランジスタS2をオフさせると同時にトランジスタS3をオンさせ、トランジスタS1をオンさせると同時にトランジスタS3をオフさせれば、ゼロ電圧スイッチングが可能となる。
【0076】
但し、表1の一番右の列の条件以外のDC/DCコンバータでも、ダイオードD3の電圧降下や出力電圧Voutの低下などにより、ゼロ電圧スイッチングとならない可能性もあるので、その場合には、主スイッチ2と補助スイッチ3とを同時にオンさせる期間を設ける前述の制御が効果的となる。
【0077】
以上詳述した第1実施形態のDC/DCコンバータ15及びそれの変形例のDC/DCコンバータ19,21によれば、共振リアクトルLrへの共振電流を、入力側ではなく、出力側から供給するようにしているため、中点電位生成用のコンデンサや抵抗といった部品が不要となり、回路の小型化と低コスト化とを実現することができる。つまり、出力側の電位(出力電圧Vout)は、DC/DCコンバータの本来の機能により一定に制御されているため、特別な部品を追加しなくても、共振電圧の基準電位を一定にすることができるからである。そして更に、入力側に中点電位安定用の抵抗を設ける必要がなく、その抵抗での電力損失が無くなるため、非常に高効率となる。
【0078】
[第2実施形態]
次に第2実施形態として、入力側と出力側とを反対にすることが可能な双方向型のDC/DCコンバータについて説明する。
まず図8は、図1のDC/DCコンバータ15を双方向型に変形した降圧−昇圧型のDC/DCコンバータ23の構成を表す回路図である。
【0079】
この図8のDC/DCコンバータ23と図1のDC/DCコンバータ15との構成上の相違点としては、本DC/DCコンバータ23では、補助共振回路10の補助スイッチ3が、互いに逆の方向の電流をオン・オフすることが可能な2つの単方向スイッチ(詳しくは、トランジスタS3a及びダイオードD3aからなる単方向スイッチと、トランジスタS3b及びダイオードD3bからなる単方向スイッチ)からなっており、その2つの単方向スイッチのうちの一方(詳しくは、トランジスタS3aとトランジスタS3bとの一方)がオンされると、そのオンされた方の単方向スイッチによって決まる一方の方向にのみ電流が流れるようになっている。つまり、トランジスタS3aがオンされたならば、ダイオードD3aの順方向にのみ電流が流れ、トランジスタS3bがオンされたならば、ダイオードD3bの順方向にのみ電流が流れる。
【0080】
尚、図8においては、ハードウェア上、図1の端子11〜14に夫々相当するものを、端子J1〜J4としている。これは、本DC/DCコンバータ23では、図1の入力端子11,12に相当する端子J1,J2と、図1の出力端子13,14に相当する端子J3,J4とが、役割上、入力端子と出力端子との何れにもなり得るからである。
【0081】
そして、図8における()無しの符号で説明すると、本DC/DCコンバータ23では、トランジスタS1,S2のうち、端子J1側のトランジスタS1が図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS1と同様のタイミングでオン/オフされると共に、端子J2側のトランジスタS2が図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS2と同様のタイミングでオン/オフされ、更に、トランジスタS3bが常時オフされた状態で、トランジスタS3aが図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS3と同様のタイミングで作動(オン/オフ)されることで、端子J1,J2側を入力側とし、端子J3,J4側を出力側とした図1と同様の降圧型DC/DCコンバータとして機能する。また逆に、端子J1側のトランジスタS1が図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS2と同様のタイミングでオン/オフされると共に、端子J2側のトランジスタS2が図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS1と同様のタイミングでオン/オフされ、更に、トランジスタS3aが常時オフされた状態で、トランジスタS3bが図1のDC/DCコンバータ15におけるトランジスタS3と同様のタイミングで作動(オン/オフ)されることで、端子J3,J4側を入力側とし、端子J1,J2側を出力側とした図6と同様の昇圧型DC/DCコンバータとして機能する。
【0082】
つまり、図8において、図1,図6のDC/DCコンバータ15,21と同様の役割及び動作をするものについては同一の符号を付しているが、各素子は、図8の左側から右側へ電圧を変換する降圧型の場合には()無しの符号の素子として機能し、図8の右側から左側へ電圧を変換する昇圧型の場合には()付きの符号の素子として機能することとなる。
【0083】
次に図9は、図5のDC/DCコンバータ19を双方向型に変形した反転−反転型のDC/DCコンバータ25の構成を表す回路図である。
この図9のDC/DCコンバータ25と図5のDC/DCコンバータ19との構成上の相違点としては、まず、本DC/DCコンバータ25では、二対の端子を持った双方向型であるため、図5の端子14に相当する端子として、互いに共通接続された2つの端子J2,J4を備えている。そして、端子J2と図5の端子11に相当する端子J1とが対を成し、端子J4と図5の端子13に相当する端子J3とが対を成している。そして更に、本DC/DCコンバータ25においても、図8のDC/DCコンバータ23と同様に、補助共振回路10の補助スイッチ3が、互いに逆の方向の電流をオン・オフすることが可能な2つの単方向スイッチ(詳しくは、トランジスタS3a及びダイオードD3aからなる単方向スイッチと、トランジスタS3b及びダイオードD3bからなる単方向スイッチ)からなっており、その2つの単方向スイッチのうちの一方(S3a又はS3b)がオンされると、そのオンされた方の単方向スイッチによって決まる一方の方向にのみ電流が流れるようになっている。
【0084】
そして、図9における()無しの符号で説明すると、本DC/DCコンバータ25では、トランジスタS1,S2のうち、端子J1側のトランジスタS1が図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS1と同様のタイミングでオン/オフされると共に、端子J3側のトランジスタS2が図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS2と同様のタイミングでオン/オフされ、更に、トランジスタS3bが常時オフされた状態で、トランジスタS3aが図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS3と同様のタイミングで作動(オン/オフ)されることで、端子J1,J2側を入力側とし、端子J3,J4側を出力側とした図5と同様の反転型DC/DCコンバータとして機能する。また逆に、端子J1側のトランジスタS1が図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS2と同様のタイミングでオン/オフされると共に、端子J3側のトランジスタS2が図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS1と同様のタイミングでオン/オフされ、更に、トランジスタS3aが常時オフされた状態で、トランジスタS3bが図1又は図5のDC/DCコンバータ15,19におけるトランジスタS3と同様のタイミングで作動(オン/オフ)されることで、端子J3,J4側を入力側とし、端子J1,J2側を出力側とした反転型DC/DCコンバータ(即ち、図5とは入出力が逆の反転型DC/DCコンバータ)として機能する。
【0085】
つまり、前述した図8と同様に、図9においても、図1,図5のDC/DCコンバータ15,19と同様の役割及び動作をするものについては同一の符号を付しているが、各素子は、図9の左側から右側へ電圧を変換する場合には()無しの符号の素子として機能し、図9の右側から左側へ電圧を変換する場合には()付きの符号の素子として機能することとなる。
【0086】
そして、以上のような図8,図9のDC/DCコンバータ23,25によれば、入出力の方向を変えることができる上に、第1実施形態で述べた各DC/DCコンバータ15,19,21と同様の効果を得ることができる。
尚、上記説明では、図8,図9の左側から右側へ電圧を変換する場合には、トランジスタS3a,S3bのうち、トランジスタS3aのみ作動させてトランジスタS3bは常時オフさせ、図8,図9の右側から左側へ電圧を変換する場合には、トランジスタS3a,S3bのうち、トランジスタS3bのみ作動させてトランジスタS3aは常時オフさせるといった具合に、入出力の方向によって、2つの単方向スイッチのうちの何れか一方のみを作動させることとした。
【0087】
そして、このような方法によれば、図2においてトランジスタS3a又はS3bのオフタイミングが時刻t20より少々遅れる方向にずれても、そのトランジスタのオフ時のゼロ電流スイッチングが実現されて、スイッチング損失を小さくすることができる反面、ダイオードD3a又はD3bに電流が流れるため、そのダイオードでの導通損失が大きくなる。
【0088】
そのため、第2の方法として、入出力の方向に拘わらずトランジスタS3aとトランジスタS3bとを同時にオン/オフさせるようにしても良い。つまり、この場合、補助スイッチ3は、双方向に電流を流すことが可能な双方向スイッチとなる。
【0089】
そして、この第2の方法によれば、ダイオードD3a,D3bには電流が流れず、そのダイオードD3a,D3bでの導通損失を抑えることができる。但し、トランジスタS3a,S3bのオンタイミングが前後に少しでもずれれば、ゼロ電流スイッチングとならず、そのトランジスタS3a,S3bでのスイッチング損失が増大してしまうという面もある。
【0090】
一方、何れの入出力方向についても、トランジスタS1のゼロ電圧スイッチングを行いたいならば、その両方向で前述した式10を満たすように図2のt10−t11間を設定する必要がある。しかし、実際には、表1の一番右の列の入出力電圧比の条件を一方の入出力方向で満たせば、逆の入出力方向では当該条件を満たさないので、その一方の入出力方向についてのみ、式10を満たすように図2のt10−t11間を設定すれば良い。
【0091】
また、上記図8,図9のDC/DCコンバータ23,25は、単方向のDC/DCコンバータとして使用しても良い。
そして、例えば、図8,図9の左側から右側へ電圧を変換する場合において、図2の時刻t21−t30間にトランジスタS3bをオンして、コンデンサC1をチャージすることによりトランジスタS1の両端電位差Vdsを積極的にVinとすれば、そのような共振によるトランジスタS2側のゼロ電圧ターンオンスイッチングが可能となる。つまり、図1や図5と同様の単方向のみのDC/DCコンバータとして使用する場合でも、トランジスタS3bを使って、S1からS2への転流時におけるS2のゼロ電圧スイッチングが可能となる。
【0092】
[第3実施形態]
次に、図10は、第3実施形態のDC/DCコンバータ27の構成を表す回路図である。尚、図10において、図1のDC/DCコンバータ15と同じものについては、同一の符号を付しているため詳しい説明を省略する。
【0093】
本第3実施形態のDC/DCコンバータ27は、図1の降圧型DC/DCコンバータ15に対して、下記の点のみ異なっている。
即ち、このDC/DCコンバータ27では、入力フィルタコンデンサCinを、入力端子11,12間ではなく、入力端子11(入力側のプラス端子に相当)と、出力フィルタコンデンサCoutのプラス端子(即ち、出力側のプラス端子に相当する出力端子14)との間に接続している。
【0094】
そして、このようなDC/DCコンバータ27によれば、入力フィルタコンデンサCinと出力フィルタコンデンサCoutとが直列に接続されて、出力フィルタコンデンサCoutが入力フィルタコンデンサCinの役割も兼ねることとなるため、入力フィルタコンデンサCinの耐圧を下げることができ、その分、該コンデンサCinを小型化することもできる。
【0095】
尚、このDC/DCコンバータ27では、一見すると、図14のDC/DCコンバータ101と同様に、入力端子11,12間に2つのコンデンサCin,Coutが直列に接続されており、そのコンデンサCin,Cout同士の接続点Nから補助共振回路10へ共振電流を供給しているとも言える。しかし、このDC/DCコンバータ27では、接続点Nが出力端子14に接続されているため、図1のDC/DCコンバータ15と全く同様に、自ずと電圧が一定な出力端子14から補助共振回路10へ共振電流が供給されることとなり、中点電位生成用のコンデンサや抵抗といった部品をわざわざ設ける必要は無い。
【0096】
[第4実施形態]
次に、図11は、第4実施形態のDC/DCコンバータ29の構成を表す回路図である。尚、図11において、図6のDC/DCコンバータ21と同じものについては、同一の符号を付しているため詳しい説明を省略する。
【0097】
本第4実施形態のDC/DCコンバータ29は、図6の昇圧型DC/DCコンバータ21に対して、下記の点のみ異なっている。
即ち、このDC/DCコンバータ29では、出力フィルタコンデンサCoutを、出力端子13,14間ではなく、出力端子14(出力側のプラス端子に相当)と、入力フィルタコンデンサCinのプラス端子(即ち、入力側のプラス端子に相当する入力端子11)との間に接続している。
【0098】
そして、このようなDC/DCコンバータ29によれば、出力フィルタコンデンサCoutと入力フィルタコンデンサCinとが直列に接続されて、入力フィルタコンデンサCinが出力フィルタコンデンサCoutの役割も兼ねることとなるため、出力フィルタコンデンサCoutの耐圧を下げることができ、その分、該コンデンサCoutを小型化することもできる。
【0099】
[第5実施形態]
次に、図12は、第5実施形態のDC/DCコンバータ31の構成を表す回路図である。尚、図12において、図1のDC/DCコンバータ15と同じものについては、同一の符号を付しているため詳しい説明を省略する。
【0100】
即ち、本第5実施形態のDC/DCコンバータ31は、図1のDC/DCコンバータ15に対して、共振用のコンデンサC1,C2を省略し、その代わりに、補助共振回路10と並列にコンデンサC3(請求項16の容量成分に相当)を設けたものである。
【0101】
このようなDC/DCコンバータ31によれば、図1ではコンデンサC1とコンデンサC2の耐圧がVin以上必要であるのに対し、コンデンサC3は、出力電圧Voutもしくは「Vin−Vout」のうちで大きい方までの耐圧で良く、その結果、コンデンサC3を小型化できるという利点がある。
【0102】
尚、本第5実施形態の構成は、前述した図1以外の各DC/DCコンバータについても同様に適用することができる。
[第6実施形態]
次に、図13は、第6実施形態のDC/DCコンバータ33の構成を表す回路図である。尚、図13において、図1のDC/DCコンバータ15と同じものについては、同一の符号を付しているため詳しい説明を省略する。
【0103】
本第6実施形態のDC/DCコンバータ33は、図1のDC/DCコンバータ15に対して、主スイッチ2を、ダイオードD2(請求項17の受動スイッチに相当)のみで構成し、そのダイオードD2にフライホイール電流を流すようにしたものである。そして、この構成によれば、能動スイッチとしてのトランジスタ(MOSFET)S2を省略することにより低コスト化を図ることができる。
【0104】
尚、本第6実施形態では、表1の一番右の列の条件ではゼロ電圧スイッチングを実現できないが、補助共振回路10は作動するので、ある程度はスイッチング損失を低減することができる。また、本第6実施形態の構成は、降圧型,昇圧型,反転型の全タイプのDC/DCコンバータに適用できるが、双方向型には適用できない。
【0105】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、前述した各DC/DCコンバータにおいて、そのDC/DCコンバータを電池の充電という用途に使用した場合など、出力側に容量性の負荷を接続する場合には、出力電圧Voutは電池などの容量性負荷によって安定するため、出力フィルタコンデンサCoutは省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の降圧型DC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図2】図1のDC/DCコンバータの動作を表すタイムチャートである。
【図3】図1のDC/DCコンバータの動作を説明する図のその1である。
【図4】図1のDC/DCコンバータの動作を説明する図のその2である。
【図5】図1のDC/DCコンバータを変形した反転型DC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図6】図1のDC/DCコンバータを変形した昇圧型DC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図7】通常の補助共振回路を用いたDC/DCコンバータの一般的なスイッチングパターンを表すタイムチャートである。
【図8】第2実施形態のDC/DCコンバータのうち、図1のDC/DCコンバータを双方向型に変形したDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図9】第2実施形態のDC/DCコンバータのうち、図5のDC/DCコンバータを双方向型に変形したDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図10】第3実施形態のDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図11】第4実施形態のDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図12】第5実施形態のDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図13】第6実施形態のDC/DCコンバータの構成を表す回路図である。
【図14】従来技術を表す図である。
【符号の説明】
1,2…主スイッチ、3…補助スイッチ、10…補助共振回路、11,12,13,14,J1,J2,J3,J4…端子、15,19,21,23,25,27,29,31,33…DC/DCコンバータ、17,18…センサ、C1,C2,C3…コンデンサ、Cin…入力フィルタコンデンサ、Cout…出力フィルタコンデンサ、D1,D2,D3,D3a,D3b…ダイオード、Lo…平滑リアクトル、Lr…共振リアクトル、S1,S2,S3,S3a,S3b…トランジスタ(NチャネルMOSFET)

Claims (17)

  1. 直列に接続された2つの主スイッチと、該主スイッチ同士の接続点に一端が接続された平滑リアクトルとを備え、
    前記2つの主スイッチを交互にオン/オフさせると共に、その2つの主スイッチのうちの一方である第1の主スイッチがオンしたときに、入力側の端子に接続された直流電源からの電気エネルギーを前記平滑リアクトルに蓄え、前記2つの主スイッチのうちの他方である第2の主スイッチがオンしたときに、前記平滑リアクトルに蓄えられた電気エネルギーを出力側の端子に接続された負荷へ放出するDC/DCコンバータにおいて、
    共振リアクトルと補助スイッチとを直列接続した補助共振回路を備えると共に、前記2つの主スイッチの両方あるいは何れか一方に並列に容量成分を備え、
    前記補助スイッチがオンのときに前記出力側の端子から前記共振リアクトルへ電気エネルギーを供給し、そこで蓄えた電気エネルギーを前記容量成分と前記共振リアクトルとの共振動作に使用すること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  2. 請求項1に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記出力側の端子には、出力電圧の変動を抑えるための出力フィルタコンデンサが接続されており、
    前記補助スイッチがオンのときに前記出力側の端子から前記共振リアクトルへ供給される電気エネルギーは、前記出力フィルタコンデンサから供給されること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記第1の主スイッチと前記第2の主スイッチとが両方共にオフするデッドタイムを設けると共に、
    少なくとも、前記第2の主スイッチがオフしてから次に前記第1の主スイッチがオンするまでの期間は、前記補助スイッチがオンされること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  4. 請求項3に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記第2の主スイッチがオンしている期間に前記補助スイッチをターンオンさせると共に、前記第1の主スイッチがオンしている期間に前記補助スイッチをターンオフさせ、
    更に、前記各スイッチのうちで前記第2の主スイッチのみがオンしているときに該第2の主スイッチに流れる電流の方向を正とすると、前記第2の主スイッチと前記補助スイッチとが同時にオンしている期間において、前記第2の主スイッチに流れる電流がゼロ又は負になったときに、該第2の主スイッチをターンオフさせること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  5. 請求項4に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記各スイッチのうちで前記第1の主スイッチのみがオンしているときに該第1の主スイッチに流れる電流の方向を正とすると、前記第1の主スイッチのターンオンは、前記第1の主スイッチに流れる電流が負又はゼロになったときに実施されること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記平滑リアクトルに流れる電流iLを測定する平滑リアクトル電流測定手段を備え、
    前記第2の主スイッチと前記補助スイッチとを同時にオンしている期間T1が、下記式1の条件を満たしたら、前記第2の主スイッチをターンオフさせること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
    Figure 2004129393
    但し、V1は、前記第1の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、V2は、前記第2の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、Lrは、前記共振リアクトルのインダクタンスであり、C1は、前記第1の主スイッチと並列の容量成分の静電容量であり、C2は、前記第2の主スイッチと並列の容量成分の静電容量である。
  7. 請求項4又は請求項5に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記平滑リアクトルに流れる電流iLを測定する平滑リアクトル電流測定手段と、前記共振リアクトルに流れる電流irを測定する共振リアクトル電流測定手段とを備え、
    前記第2の主スイッチと前記補助スイッチとを同時にオンしている期間において、前記電流irが下記式2の条件を満たしたら、前記第2の主スイッチをターンオフさせること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
    Figure 2004129393
    但し、V1は、前記第1の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、V2は、前記第2の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、Lrは、前記共振リアクトルのインダクタンスであり、C1は、前記第1の主スイッチと並列の容量成分の静電容量であり、C2は、前記第2の主スイッチと並列の容量成分の静電容量である。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    当該DC/DCコンバータは、出力電圧が入力電圧の1/2以下である降圧型であることを特徴とするDC/DCコンバータ。
  9. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    当該DC/DCコンバータは、出力電圧が入力電圧の2倍以下である昇圧型であることを特徴とするDC/DCコンバータ。
  10. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    当該DC/DCコンバータは、出力電圧の絶対値が入力電圧の絶対値以下である反転型であることを特徴とするDC/DCコンバータ。
  11. 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    当該DC/DCコンバータは、出力電圧が入力電圧よりも小さい降圧型であると共に、
    入力フィルタコンデンサが、当該DC/DCコンバータの入力側のプラス端子と、出力フィルタコンデンサのプラス端子との間に接続されていること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  12. 請求項1ないし請求項7及び請求項9の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    当該DC/DCコンバータは、出力電圧が入力電圧よりも大きい昇圧型であると共に、
    出力フィルタコンデンサが、当該DC/DCコンバータの出力側のプラス端子と、入力フィルタコンデンサのプラス端子との間に接続されていること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  13. 請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記補助スイッチは、双方向に電流を流すことが可能な双方向スイッチであり、
    当該DC/DCコンバータは、前記2つの主スイッチのうちで、前記第1の主スイッチとして機能させる主スイッチと前記第2の主スイッチとして機能させる主スイッチとを逆にすることにより、入力側と出力側とを反対にすることが可能な双方向型であること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  14. 請求項1ないし請求項12の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記補助スイッチは、互いに逆の方向にのみ電流を流すことが可能な2つの単方向スイッチからなると共に、該2つの単方向スイッチのうちの一方がオンされることで、そのオンした単方向スイッチによる一方の方向にのみ電流を流すものであり、
    更に、当該DC/DCコンバータは、前記2つの主スイッチのうちで、前記第1の主スイッチとして機能させる主スイッチと前記第2の主スイッチとして機能させる主スイッチとを逆にすることにより、入力側と出力側とを反対にすることが可能な双方向型であると共に、その入出力の方向によって、前記2つの単方向スイッチのうちの何れか一方のみを作動させること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  15. 請求項1ないし請求項14の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記第1の主スイッチがオフされてから、下記式3の条件を満たす時間T2が経過したときに、前記第2の主スイッチがオンされること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
    Figure 2004129393
    但し、V1は、前記第1の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、V2は、前記第2の主スイッチをオンしたときに前記平滑リアクトルに印加される電圧であり、iLは、前記平滑リアクトルに流れる電流であり、C1は、前記第1の主スイッチと並列の容量成分の静電容量であり、C2は、前記第2の主スイッチと並列の容量成分の静電容量である。
  16. 請求項1ないし請求項15の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記主スイッチに並列な容量成分に代えて、前記補助共振回路と並列に容量成分を備えていること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
  17. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のDC/DCコンバータにおいて、
    前記第2の主スイッチが受動スイッチのみで構成されていること、
    を特徴とするDC/DCコンバータ。
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