JP2004079596A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最上層に銅の層を有するシールリングの酸化および腐食を防止しつつ、ダイシングの際の回路形成領域におけるクラック発生を防止する。
【解決手段】パッシベーション膜120には、層間絶縁膜109にまで到達する開口部123が形成されている。開口部123はシールリング110の外側を囲むよう配置されている。つまり、第2配線層114上面は、パッシベーション膜120により完全に覆われているので、第2配線層114の上面は外気に曝されない。よって、第2配線層114が酸化、腐食し、シールリング110による半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。さらに、開口部123の存在により、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜120にまで伝り難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の保護構造であるパッシベーション膜およびダイエッジシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の回路形成領域を外界の雰囲気からの水分やイオンの影響から保護するために、ダイシングラインの内側、即ちチップ(ダイ)のエッジ部近傍に、ダイエッジシール(Die Edge Seal)あるいはガードリング、シールリングと呼ばれる保護構造が設けられる。シールリングは、回路形成領域と同様の配線層およびコンタクトによって形成され、半導体装置の回路形成領域を囲むように形成される。さらに、半導体装置の表面を保護し外界の雰囲気の影響を避ける手段として、当該表面をパッシベーション膜と呼ばれる保護膜が設けられる。
【0003】
ところで近年、半導体装置における構造の微細化並びに高集積化、動作の高速化が進むにつれ、配線の低抵抗化の重要性が高まっている。それに伴い、比較的抵抗の小さい銅(Cu)が、配線材料として多く用いられるようになっている。即ち、上記のシールリング構造にも銅が使用されるケースが増加しつつある。
【0004】
図29は、従来の半導体装置の構成を示す図であり、シールリングが形成された領域の拡大断面図である。上記したように、シールリングはダイシングラインの内側に形成されるものであり、図29に示した領域の左側に回路形成領域、右側にダイシング領域がそれぞれ存在する。なお、同図において半導体装置の回路部分の図示は省略している。
【0005】
同図に示すように、シールリング110は、第1コンタクト111、第1配線層112、第2コンタクト113、第2配線層114により構成されている。素子分離膜102が形成されたリコン基板101上には、第1コンタクト111が形成された層間絶縁膜103、銅を材料とする第1配線層112が形成された層間絶縁膜105、第2コンタクト113が形成された層間絶縁膜107、銅を材料とする第2配線層114が形成された層間絶縁膜109が形成されている。また、層間絶縁膜103と層間絶縁膜105との間にはエッチングストッパ膜104が、層間絶縁膜105と層間絶縁膜107との間にはエッチングストッパ膜106が、層間絶縁膜107と層間絶縁膜109との間にはエッチングストッパ膜108が、それぞれ形成されている。
【0006】
第1コンタクト111および第2コンタクト113の材料は、例えばタングステン(W)であり、層間絶縁膜103,105,107,109の材料は、例えばプラズマ酸化膜である。また、エッチングストッパ膜104,106,108の材料は、例えばプラズマ窒化膜である。
【0007】
また、最上層の層間絶縁膜状にはパッシベーション膜120が形成されている。この例では、パッシベーション膜120は、プラズマ窒化膜層121とポリイミド層122との2層構造である。
【0008】
シールリング110およびパッシベーション膜120の存在により、半導体装置の回路形成領域は外界の雰囲気からの水分やイオンの影響から保護され、長期間に渡って当該半導体装置の特性を安定させることができる。
【0009】
また、シールリング110は、ダイシング領域をダイシングする際に回路形成領域にクラックが発生するのを抑える作用も有している。ダイシングの際にはダイシング領域にクラックが発生することがあるが、ダイシング領域と回路形成領域との間にシールリング110が存在するため、そのクラックが回路形成領域にまで達することが防止されるからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
パッシベーション膜120は、シールリング110の回路形成領域側にのみ形成されており、ダイシング領域側は層間絶縁膜109上面が露出している。その理由は、パッシベーション膜120をダイシング領域を含むウェハ表面全体に形成したままの場合、ダイシング領域をダイシングする際にダイシングに起因する応力(あるいはクラック)がパッシベーション膜120を介して回路形成領域にまで伝わりやすく、回路形成領域にクラックが発生してしまう恐れがあるからである。
【0011】
よって、従来の半導体装置においては、図29に示すようにシールリング110の最上層である第2配線層114の上面が露出した構造となっていた。即ち、第2配線層114の上面は外気に曝されていた。銅は他の金属配線材料(例えばアルミニウム)よりも比較的酸化、腐食しやすい。よって、この例のように、シールリング構造の最上層である第2配線層114が銅である場合、第2配線層114が酸化、腐食してしまう。そして、当該シールリング110による半導体装置の保護効果の劣化を招いてしまう。
【0012】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、最上層に銅を材料とする層を有するシールリングの酸化および腐食を防止しつつ、ダイシングの際の回路形成領域におけるクラック発生を防止できる半導体装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の半導体装置は、半導体チップの回路形成領域を囲むように前記半導体チップのエッジ部近傍の層間絶縁膜内に形成されたシールリング部と、前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成されたパッシベーション膜とを有する半導体装置であって、前記パッシベーション膜は、前記層間絶縁膜の上面を露出する第1の開口部を有しており、前記シールリング部の最上層の上面は、前記パッシベーション膜に覆われていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の半導体装置は、半導体チップの回路形成領域を囲むように前記半導体チップのエッジ部近傍の層間絶縁膜内に形成されたシールリング部と、前記シールリング部上に形成されたアルミ配線層と、前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成されたパッシベーション膜とを有する半導体装置であって、前記パッシベーション膜は、前記層間絶縁膜の上面を露出する第1の開口部を有し、前記シールリング部の最上層の上面は、前記アルミ配線層に覆われていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の半導体装置は、請求項1または請求項2に記載の半導体装置であって、前記半導体チップのダイシング領域において、前記層間絶縁膜は、前記シールリング部を囲む第2の開口部を有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の半導体装置は、半導体チップの回路形成領域を囲むように、前記半導体チップのエッジ部近傍に形成されたシールリング部と、前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成され、前記シールリング部の最上層の上面を露出する第1の開口部を有する第1のパッシベーション膜と、前記第1の開口部に形成されたアルミ配線層と、前記第1のパッシベーション膜および前記アルミ配線を覆うように形成され、前記第1のパッシベーション膜に対してエッチング選択性を有する第2のパッシベーション膜とを備え、前記第2のパッシベーション膜は、前記第1のパッシベーション膜の上面を露出する第2の開口部を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の半導体装置は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置であって、前記シールリング部の最上層は銅であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す図であり、シールリングが形成された領域の拡大断面図である。この図において、図29に図示したものと同一の要素には同一符号を付してあるので、それらの詳細な説明は省略する。なお、図1においても、図示した領域の左側に回路形成領域、右側にダイシング領域がそれぞれ存在する。また、第1配線層112および第2配線層114は共に銅を材料としている。
【0019】
本実施の形態において、パッシベーション膜120には、層間絶縁膜109にまで到達する開口部123(プラズマ窒化膜層121の開口部123aおよびポリイミド層122の開口部123b)が形成されている。即ち、開口部123においてパッシベーション膜120は完全に除去されており、言い換えれば、開口部123はパッシベーション膜120が形成されていない領域である。
【0020】
開口部123はスリット形状を有しており、シールリング110の外側を囲むよう配置されている。つまり、開口部123の位置と第2配線層114上面の位置とは互いにずれており、開口部123の方がチップの外側(即ちダイシング領域側)に位置している。従って、第2配線層114上面は、パッシベーション膜120により完全に覆われているので、第2配線層114の上面は外気に曝されない。よって、第2配線層114が酸化、腐食し、シールリング110による半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。
【0021】
さらに、開口部123の存在により、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜120にまで伝り難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【0022】
図2〜図7は、図1に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0023】
シリコン基板101にSTI(Shallow Trench Isolation)法で例えば厚さ300nmのトレンチ分離(素子分離膜102)を形成する。次に、例えば高密度プラズマ(HDP:High Density Plasma)酸化膜を1000nm堆積して、CMP(Chemical Mechnical Polishing)法により300nm研磨することによって、層間絶縁膜103を形成する。そして層間絶縁膜103を、例えば0.10μm径のレジストマスクを用いたドライエッチングにより、第1コンタクト111を形成するための開口を形成する。このとき、シリコン基板101と、層間絶縁膜103とは充分エッチング選択比のある条件でエッチングしている。続いて、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、例えばTiNおよびTiをそれぞれ20nmずつ堆積させたバリアメタル(不図示)を形成した後、同じくCVD法により第1コンタクト111の材料であるタングステンを堆積させる。その後、CMP法を用いて、層間絶縁膜103上のタングステンおよびバリアメタルを除去することで、第1コンタクト111が形成される(図2)。
【0024】
次に、例えばプラズマ窒化膜を50nm堆積させることで、エッチングストッパ層104を形成する。さらに、例えばプラズマ酸化膜400nm堆積させ、CMP法を用いて200nm研磨することにより層間絶縁膜105を形成する。そして、層間絶縁膜105をレジストマスク131をマスクとしてドライエッチングすることにより、第1配線層112を形成するための開口を形成する(図3)。
【0025】
レジストマスク131を除去した後、TaNおよびTaをそれぞれ10nmずつスパッタ法により成膜することでバリアメタル(不図示)を形成し、続いて第1配線層112の材料となる銅をめっき法で400nm堆積させる。そして、CMP法をを用いて層間絶縁膜105上の銅およびバリアメタルを除去することで、第1配線層112が形成される。
【0026】
さらに、例えばプラズマ窒化膜を50nm堆積させることで、エッチングストッパ層106を形成する。続いて例えばプラズマ酸化膜400nm堆積させ、CMP法を用いて200nm研磨することにより層間絶縁膜107を形成する。その後、層間絶縁膜107を、例えば0.10μm径のレジストマスクを用いたドライエッチングにより、第2コンタクト113を形成するための開口を形成する。そして、CVD法により、例えばTiNおよびTiをそれぞれ20nmずつ堆積させたバリアメタル(不図示)を形成した後、同じくCVD法により第1コンタクト111の材料であるタングステンを200nm堆積させる。その後、CMP法を用いて、層間絶縁膜107に形成された開口の外のタングステンおよびバリアメタルを除去することで、第2コンタクト113が形成される。
【0027】
そして、プラズマ窒化膜を30nm堆積させることで、エッチングストッパ層108を形成し、例えばプラズマ酸化膜400nm堆積させ、CMP法を用いて200nm研磨することにより層間絶縁膜109を形成する。その後、レジストマスク132をマスクとするドライエッチングにより、第2配線層114を形成するための開口を形成する(図4)。
【0028】
レジストマスク132を除去した後、TaNおよびTaをそれぞれ10nmずつスパッタ法により成膜することでバリアメタル(不図示)を形成し、続いて第2配線層114の材料となる銅をめっき法で400nm堆積させる。そして、CMP法をを用いて層間絶縁膜109上の銅およびバリアメタルを除去することで、第2配線層114が形成される(図5)。以上の工程で、シールリング110の形成が完了する。
【0029】
次に、パッシベーション膜120のプラズマ窒化膜層121を800nm堆積する(図6)。そして、プラズマ窒化膜層121上にレジストマスク133を形成し、レジストマスク133をマスクとしてプラズマ窒化膜層121をエッチングして開口部123aを形成する。このとき、開口部123aは、シールリング構造の外側を囲むように形成される。開口部123aは、例えば1μmのスリット状に形成される(図7)。
【0030】
そして最後に、ポリイミド膜122を堆積し、開口部123a上を開口したレジストマスクをマスクとしてエッチングして、ポリイミド膜122に開口部123bを形成する。以上の工程により、図1に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0031】
なお、上記の説明において、層間絶縁膜103,105,107,109は、プラズマ酸化膜としたが、例えば、FSG(F−doped SilicateGlass)膜や、有機膜、SiON、SiOC、SiCF等の低誘電率膜(low−k膜)であってもよい。またそれら層間絶縁膜の厚さは上で示したものに限定されるものではなく、例えば0〜200nmであってもよい。また、エッチングストッパ層104,106,108はプラズマ窒化膜としたが、例えばSiC、SiONであってもよい。またの厚さ上で示したものに限定されるものではない。さらに、第1および第2コンタクト111,112の材料は、タングステン以外の例えばAl、TiN、Ru等のメタルやポリシリコンなどでもよい。
【0032】
パッシベーション膜120は、プラズマ窒化膜121およびポリイミド膜122の2層構造としたが、単層構造であってもよいし2層以上の多層構造であってもよい。また、パッシベーション膜120の材料としては、プラズマ窒化膜およびポリイミド以外にも、例えばSiCFや、またFSG膜、有機膜、SiON、SiOC、SiCF等の低誘電率材料であってもよい。パッシベーション膜120に形成される開口部123の幅は1μmに限定されるものではない。
【0033】
パッシベーション膜120にはシールリング構造の外側の開口部123だけでなく、レイアウト可能であればシールリング110の内側にも回路形成領域を囲むスリット状の開口を形成してもよい。その場合、回路形成領域でのクラックの発生を抑える効果はさらに向上される。但しその場合、パッシベーション膜120による保護効果が劣化する恐れがあるので注意が必要である。
【0034】
また、開口部123は、スリット形状でなくてもよく、例えば、ダイシング領域側のパッシベーション膜が全て除去される構成であってもよい。
【0035】
さらにまた、図1において、開口部123を構成するプラズマ窒化膜層121の開口部123aおよびポリイミド層122の開口部123bの幅はほぼ同じ大きさで示したが、レイアウト可能であればプラズマ窒化膜層121の開口部123aの幅をより大きく(あるいは、露光可能であれば、ポリイミド層122の開口部123bをより小さく)形成してもよい。それにより、開口部123aと開口部123bとの位置合わせずれに対するマージンを大きくとることができる。
【0036】
また、開口部123の形成工程は、プラズマ窒化膜層121の開口部123aを形成した後にポリイミド層122を堆積し、開口部123bを形成することによって行われるように説明したが、次のように行ってもよい。即ち、まずプラズマ窒化膜層121およびポリイミド層122を堆積し、ポリイミド層122に開口部123bを形成した後、そのポリイミド層をマスクとして自己整合的にプラズマ窒化膜層121に開口部123aを形成してもよい。その場合、開口部123aと開口部123bとの位置合わせを行う必要がなくなると共に製造工程数を削減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、2層配線構造を有する半導体装置について説明したが、例えば単層構造や3層以上の多層配線構造の場合でも、上記と同様の効果を得ることができることは明らかである。
【0038】
<実施の形態2>
実施の形態1では、シールリング110を構成する各層は全てシングルダマシン法によって形成するものとしたが、主回路領域における回路形成工程に応じて、デュアルダマシン法を用いるものであってもよい。図8はその一例として、シールリング110の第2コンタクト113および第2配線層114をデュアルダマシン法を用いて形成した場合の構成を示した図である。同図において、図1と同様の要素には同一符号を付してある。デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので第2コンタクト113と第2配線層114は共に銅で形成される。
【0039】
本実施の形態においても、パッシベーション膜120には、層間絶縁膜109にまで到達するスリット形状の開口部123が、シールリング110の外側を囲むよう形成されている。また、第2配線層114上面は、パッシベーション膜120により完全に覆われているので、第2配線層114の上面は外気に曝されない。
【0040】
よって、実施の形態1と同様に、第2配線層114が酸化、腐食し、シールリングによる半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。また、開口部123の存在により、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜にまで伝わり難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【0041】
図9〜図11は、図8に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0042】
まず、素子分離膜102が形成されたシリコン基板101上に、層間絶縁膜103、エッチングストッパ層104、層間絶縁膜105、第1コンタクト111および第1配線層112を形成する。なお、それらの工程は実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0043】
そして、例えばプラズマ窒化膜のエッチングストッパ層106を形成し、続いて例えばプラズマ酸化膜の層間絶縁膜107を形成する。その後、層間絶縁膜107上に、第2コンタクト113を形成する領域が開口されたレジストマスク134を形成する。そして、レジストマスク134をマスクとするドライエッチングにより、第2コンタクト113を形成するための開口を形成する(図9)。
【0044】
レジストマスク134を除去した後、さらに第2配線層114を形成する領域が開口されたレジストマスク135を形成し、それをマスクとするドライエッチングにより層間絶縁膜107に第2配線層114を形成するための開口を形成する(図10)。
【0045】
レジストマスク135を除去した後、TaNおよびTaをそれぞれ10nmずつスパッタ法により成膜することでバリアメタル(不図示)を形成し、続いて銅をめっき法で堆積させる。そして、CMP法をを用いて層間絶縁膜107上の銅およびバリアメタルを除去することで、層間絶縁膜107に第2コンタクト113並びに第2配線層114が形成される(図11)。
【0046】
そして、実施の形態1と同様の工程で、開口部123を有するパッシベーション膜120を形成することで、図8に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0047】
デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので製造工程数の削減を図ることができる。また一般に、シングルダマシンフローに比べ、デュアルダマシンフローの方が位置合わせマージンを小さくできるので、シールリング110をより確実に形成することができる。
【0048】
<実施の形態3>
図12は、実施の形態3に係る半導体装置の構成を示す図である。この図において、図1と同様の要素には同一符号を付してある。同図に示すように、シールリング110の最上層である第2配線層114上に、当該第2配線層114上面を覆うアルミ配線層141を形成する。
【0049】
なお、本実施の形態においても、パッシベーション膜120には、層間絶縁膜109にまで到達するスリット形状の開口部123が、シールリング110の外側を囲むよう形成されている。また第2配線層114上面は、パッシベーション膜120により完全に覆われているので、第2配線層114の上面は外気に曝されない。
【0050】
よって、実施の形態1と同様に、第2配線層114が酸化、腐食して、シールリング110による半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。また、開口部123の存在により、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜にまで伝わり難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【0051】
また、例えば実施の形態1において、開口部123が位置合わせのずれにより第2配線層114の上方に形成されてしまった場合、第2配線層114は開口部123に露出してしまう。しかし、本実施の形態では、開口部123が第2配線層114の上方に形成された場合、アルミ配線層141が開口部123に露出するが、その下の第2配線層114は露出しない。アルミは銅に比較して酸化および腐食は生じ難いため、結果としてシールリング110による半導体装置の保護効果の劣化は防止される。よって、開口部123形成の際に高精度な位置合わせ精度を得ることができない場合に有効である。
【0052】
さらに、ダイシング領域とシールリング110との間に、開口部123を形成するためのスペースを確保できない場合、開口部123を意図的にアルミ配線層141上方に形成してもよい。即ち、開口部123をシールリング110の上方や内側に形成しても、当該開口部123がアルミ配線層141の上に位置していれば、当該開口部123に第2配線層114やシールリング110の内側の層間絶縁膜109が露出しないので、シールリング110およびパッシベーション膜120による半導体装置の保護効果の劣化は生じない。
【0053】
図13〜図15は、図12に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0054】
まず、実施の形態1で図2〜図5に示したものと同様の工程で、シールリング110を形成する。それらの工程の詳細は実施の形態1で説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。その後、シールリング110の第2配線層114および層間絶縁膜109上にアルミ配線層141を形成する(図13)。
【0055】
そして第2配線層114の上方に、レジストマスク142を形成し、それをマスクとしてアルミ配線層141をエッチングする。その結果、第2配線層114の上面を覆うアルミ配線層141が形成される(図14)。このとき、第2配線層114とアルミ配線層141との位置合わせずれを考慮し、アルミ配線層141は第2配線層114よりもひと回り大きい幅で形成する。即ち、アルミ配線層141を第2配線層114よりも位置合わせずれ量以上大きい幅に形成することで、アルミ配線層141は第2配線層114の上面を完全に覆うことができる。
【0056】
レジストマスク142を除去した後、パッシベーション膜120のプラズマ窒化膜層121を堆積する。そして、プラズマ窒化膜層121上にレジストマスク143を形成し、レジストマスク143をマスクとしてプラズマ窒化膜層121をエッチングして開口部123aを形成する。このとき、開口部123aは、シールリング構造の外側を囲むように形成される(図15)。
【0057】
そして最後に、ポリイミド膜122を堆積し、開口部123a上を開口したレジストマスクをマスクとしてエッチングして、ポリイミド膜122に開口部123bを形成する。以上の工程により、図12に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0058】
なお、以上の説明においては、シールリング110を構成する各層は全てシングルダマシン法によって形成するものとしたが、実施の形態2に示したように、デュアルダマシン法を用いるものであってもよい。図16はその一例として、シールリング110の第2コンタクト113および第2配線層114をデュアルダマシン法を用いて形成した場合の構成を示した図である。デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので第2コンタクト113と第2配線層114は共に銅で形成される。図16に示したシールリング110の製造工程については、実施の形態2と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0059】
デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので製造工程数の削減を図ることができる。また一般に、シングルダマシンフローに比べ、デュアルダマシンフローの方が位置合わせマージンが大きいので、シールリング110をより確実に形成することができる。
【0060】
<実施の形態4>
例えば実施の形態1において、開口部123が位置合わせのずれにより第2配線層114の上方に形成された場合、第2配線層114は開口部123に露出してしまう。そこで実施の形態3において、それを防止するために第2配線層114を覆うアルミ配線層141を有する構成を示した。しかしその場合、上述したようにアルミ配線層141を第2配線層114よりもひと回り大きく形成する必要があり、半導体装置の小型化の妨げとなる。
【0061】
一方、開口部123に第2配線層114が露出してしまうのを防止するために、第2配線層114および層間絶縁膜109上に、プラズマ窒化膜層121とのエッチング選択性を有する保護膜を形成することが考えられる。しかしその場合、ダイシングの際のクラックが当該保護膜を介して回路構成領域にまで達してしまう恐れが生じる。
【0062】
図17は、実施の形態4に係る半導体装置の構成を示す図である。この図において、図1と同様の要素には同一符号を付してある。本実施の形態においては、シールリング110上方のパッシベーション膜120は、ポリイミド層122、プラズマ窒化膜層121およびプラズマ酸化膜層151の3層構造となっている。プラズマ酸化膜層151は、プラズマ窒化膜層121に対するエッチング選択性を有している。また、プラズマ酸化膜層151は第2配線層114上に開口部151aを有しており、開口部151aにはアルミ配線層152が形成されている。
【0063】
本実施の形態によれば、開口部123が第2配線層114の上方に形成された場合でも、プラズマ窒化膜層121に対するエッチング選択性を有するプラズマ酸化膜層151あるいはアルミ配線層152が第2配線層114を覆っているため、第2配線層114は露出しない。よって、開口部123形成の際に高精度な位置合わせ精度を得ることができない場合に有効である。
【0064】
また、実施の形態3と異なり、アルミ配線層152は第2配線層114よりも大きく形成する必要はないので、装置の小型化に寄与できる。さらに、プラズマ酸化膜層151にはアルミ配線層152が形成された開口部151aを有しているので、ダイシングの際のクラックがプラズマ酸化膜層151を介して回路構成領域にまで達することを防止できる。
【0065】
さらに、開口部123をシールリング110の上方や内側に形成しても、当該開口部123に第2配線層114やシールリング110の内側の層間絶縁膜109が露出しないので、シールリング110およびパッシベーション膜120による半導体装置の保護効果の劣化は生じない。
【0066】
本実施の形態においては、図17で参照部号151で示した第1のパッシベーション膜としての層はプラズマ酸化膜、121で示した第2のパッシベーション膜としての層はプラズマ窒化膜という組合せについて説明する。しかし、第1のパッシベーション膜と第2のパッシベーション膜との間にエッチング選択性を有する組合せであれば、他の組合せでもよい。
【0067】
図18〜図20は、図17に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0068】
まず、実施の形態1で図2〜図5に示したものと同様の工程で、シールリング110を形成する。それらの工程の詳細は実施の形態1で説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
【0069】
その後、シールリング110の第2配線層114および層間絶縁膜109上にプラズマ酸化膜層151を形成し、第2配線層114上方を開口したレジストマスク153を形成し、当該レジストマスク153をマスクとしてプラズマ酸化膜層151をエッチングすることで、開口部151aを形成する(図18)。このとき、開口部151aの幅は第2配線層114の幅よりも狭いものでよい。
【0070】
次に、プラズマ酸化膜層151上にアルミ配線層152を堆積させる。そして、開口部151aの上方にレジストマスク154を形成し、レジストマスク154をマスクとしてアルミ配線層152をエッチングする(図19)。このとき、レジストマスク154は開口部151aの幅よりもひと回り大きく形成すればよく、必ずしも第2配線層114の幅よりも大きくする必要は無い。アルミ配線層152の幅はレジストマスク154の幅により規定されるので、レジストマスク154を第2配線層114の幅よりも狭くすれば、実施の形態3よりもシールリング110が形成される領域の幅を狭くレイアウトすることが可能になり、半導体装置の小型化に寄与できる。
【0071】
レジストマスク154を除去した後、パッシベーション膜120のプラズマ窒化膜層121を堆積する。そして、プラズマ窒化膜層121上にレジストマスク143を形成し、レジストマスク143をマスクとしてプラズマ窒化膜層121をエッチングして開口部123aを形成する。このとき、開口部123aは、シールリング構造の外側を囲むように形成される(図20)。
【0072】
そして最後に、ポリイミド膜122を堆積し、開口部123a上を開口したレジストマスクをマスクとしてエッチングして、ポリイミド膜122に開口部123bを形成する。以上の工程により、図17に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0073】
なお、以上の説明においては、シールリング110を構成する各層は全てシングルダマシン法によって形成するものとしたが、実施の形態2に示したように、デュアルダマシン法を用いるものであってもよい。図21はその一例として、シールリング110の第2コンタクト113および第2配線層114をデュアルダマシン法を用いて形成した場合の構成を示した図である。デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので第2コンタクト113と第2配線層114は共に銅で形成される。図21に示したシールリング110の製造工程については、実施の形態2と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0074】
デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので製造工程数の削減を図ることができる。また一般に、シングルダマシンフローに比べ、デュアルダマシンフローの方が位置合わせマージンが大きいので、シールリング110をより確実に形成することができる。
【0075】
<実施の形態5>
図22は、実施の形態5に係る半導体装置の構成を示す図である。この図において、図1と同様の要素には同一符号を付してある。同図に示すように、開口部123はエッチングストッパ層108にまで到達している。即ち、開口部123は、ポリイミド層122の開口部123b、プラズマ窒化膜層121の開口部123aおよび層間絶縁膜109の開口部123cとから成る。この場合、ダイシング領域をダイシングする際の応力は、図1の場合よりもさらに回路形成領域へ伝わりにくくなる。よって、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止される効果は実施の形態1よりもさらに向上される。
【0076】
また、本実施の形態は、層間絶縁膜として上記したような低誘電率膜(low−k膜)を使用したケースに特に有効である。一般に、低誘電率膜はポーラスなものが多く、そのため加熱処理等における収縮が大きいものが多い。従って、例えば層間絶縁膜として109としてそのような低誘電率膜を使用した場合、その収縮によるストレス(応力)が層間絶縁膜109自身に加わり、クラックが発生しやすくなる。よって、層間絶縁膜109が開口部123cを有することで、その収縮による応力を緩和することができ、クラック発生を防止することができる。
【0077】
図23および図24は、図22に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0078】
まず、実施の形態1で図2〜図6に示したものと同様の工程で、シールリング110を形成し、その上にパッシベーション膜120のプラズマ窒化膜層121を堆積する(図23)。それらの工程の詳細は実施の形態1で説明したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
【0079】
そして、プラズマ窒化膜層121上にレジストマスク156を形成し、レジストマスク156をマスクとしてプラズマ窒化膜層121をエッチングしてシールリング構造の外側を囲む開口部123aを形成すると共に、層間絶縁膜109をエッチングして開口部123bを形成する(図24)。
【0080】
そして最後に、ポリイミド膜122を堆積し、開口部123a上を開口したレジストマスクをマスクとしてエッチングして、ポリイミド膜122に開口部123bを形成する。以上の工程により、図22に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0081】
なお、以上の説明においては、シールリング110を構成する各層は全てシングルダマシン法によって形成するものとしたが、実施の形態2に示したように、デュアルダマシン法を用いるものであってもよい。その場合、図8において開口部123が層間絶縁膜107の下のエッチングストッパ層106にまで達する構成となる。
【0082】
デュアルダマシン法では、コンタクトと配線層の埋込は同時に行われるので製造工程数の削減を図ることができる。また一般に、シングルダマシンフローに比べ、デュアルダマシンフローの方が位置合わせマージンが大きいので、シールリング110をより確実に形成することができる。
【0083】
<実施の形態6>
例えば、主回路領域における回路形成工程にデュアルダマシン法が用いられる場合、実施の形態2のように、シールリング110の形成にもデュアルダマシン法を用いればよい。しかし、シールリングの各層はデュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみによっても形成することができる。
【0084】
図25は本実施の形態に係る半導体装置の構成を示す図である。同図において、図1と同様の要素には同一符号を付してある。ここで、当該半導体装置は配線の材料として銅を用いるものと仮定する。
【0085】
同図に示すように、シールリング210は、第1コンタクト211、第1配線層212、第2コンタクト213、第3コンタクト214および第4コンタクト215から構成されている。第1コンタクト211および第1配線層212はシングルダマシン法で形成され、第2コンタクト213、第3コンタクト214および第4コンタクト215はデュアルダマシンのコンタクト形成工程で形成されている。デュアルダマシン法では、コンタクトは配線層と同じ材料で形成されるので、第2コンタクト213、第3コンタクト214および第4コンタクト215は銅で形成される。
【0086】
素子分離膜102が形成されたシリコン基板101上には、第1コンタクト211が形成された層間絶縁膜201、第1配線層212が形成された層間絶縁膜203、第2コンタクト213が形成された層間絶縁膜205、第3コンタクト214が形成された層間絶縁膜207、第4コンタクト215が形成された層間絶縁膜209が形成されている。また、層間絶縁膜201と層間絶縁膜203との間にはエッチングストッパ膜202、層間絶縁膜203と層間絶縁膜205との間にはエッチングストッパ膜204が、層間絶縁膜205と層間絶縁膜207との間にはエッチングストッパ膜206が、層間絶縁膜207と層間絶縁膜209との間にはエッチングストッパ層208がそれぞれ形成されている。
【0087】
パッシベーション膜120には、層間絶縁膜209にまで到達する開口部123(プラズマ窒化膜層121の開口部123aおよびポリイミド層122の開口部123b)が形成されている。即ち、開口部123においてパッシベーション膜120は完全に除去されている。よって、実施の形態1と同様に、ダイシング時に回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。また、第2配線層114上面は、パッシベーション膜120により完全に覆われているので、第4コンタクト215が酸化、腐食してシールリング210による半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。
【0088】
図26〜図28は、図25に示した半導体装置の製造工程を示す図である。以下、これらの図に基づき本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0089】
まず、素子分離膜102が形成されたシリコン基板101上に、層間絶縁膜201、エッチングストッパ層202、層間絶縁膜203、第1コンタクト211および第1配線層212を形成する。なお、それらの工程は実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0090】
その後、例えばプラズマ窒化膜によるエッチングストッパ層204を形成し、続いて例えばプラズマ酸化膜により層間絶縁膜205を形成する。その後、層間絶縁膜205上に、第2コンタクト213を形成する領域が開口されたレジストマスク221を形成する。そして、レジストマスク221をマスクとするドライエッチングにより、第2コンタクト213を形成するための開口を形成する(図26)。レジストマスク221を除去した後、回路形成領域においては配線のためのトレンチ形成が行われるが、このときシールリング210を形成する領域においては何の処理も行わない。
【0091】
そして、バリアメタル(不図示)を形成した後、銅をめっき法で堆積させる。そして、CMP法をを用いて層間絶縁膜205上の銅およびバリアメタルを除去することで、層間絶縁膜205に第2コンタクト213が形成される(図27)。このように、第2コンタクト213は、デュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみによって形成される。
【0092】
その後、上と同様にデュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみを使用して、エッチングストッパ層206、層間絶縁膜207、第3コンタクト214を形成し、さらにその上にエッチングストッパ層208、層間絶縁膜209、第4コンタクト215を形成する(図28)。以上の工程で、シールリング210の形成が完了する。
【0093】
そして、実施の形態1と同様の工程で、開口部123を有するパッシベーション膜120を形成することで、図25に示した本実施の形態に係る半導体装置が形成される。
【0094】
このように、本実施の形態においては、シールリング210を構成する所定の層(第2コンタクト213、第3コンタクト214、第4コンタクト215)は、デュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみによって形成される。その場合、デュアルダマシンフローのコンタクト形成工程と配線形成工程との両方を用いる場合と異なり、シールリング210の配線層とコンタクトとの位置合わせを行わないため、当該位置合わせずれに対するマージンをとる必要がない。よって、上記した他の実施の形態よりも、シールリングの幅を狭く構成できる。
【0095】
なお、以上説明では、シールリング210を構成する層のうちの一部が、デュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみにより形成されるものとして説明したが、回路形成領域のコンタクトおよび配線の形成手法に応じて、全ての層がデュアルダマシンフローのうちのコンタクト形成工程のみによって形成されるものであってもよい。
【0096】
【発明の効果】
請求項1に記載の半導体装置によれば、シールリング部の最上層の上面は、パッシベーション膜に覆われているので、シールリングの最上層の上面は外気に曝されない。よって、例えばシールリングの最上層に銅が使用された場合でも、それが酸化、腐食し、当該シールリングによる半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。さらに、パッシベーション膜が形成されていない領域の存在により、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜にまで伝り難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【0097】
請求項2によれば、シールリングの最上層の上面は、アルミ配線層に覆われているので、シールリングの最上層の上面は外気に曝されない。また、パッシベーション膜が形成されていない領域にアルミ配線層が露出してしまったとしても、アルミは酸化、腐食が生じ難いため、シールリングによる半導体装置の保護効果の劣化は防止される。よって、高精度な位置合わせ精度を得ることができない場合や、ダイシング領域とシールリングとの間に、パッシベーション膜が形成されていない領域を形成するためのスペースを確保できない場合に有効である。
【0098】
請求項3に記載の半導体装置によれば、請求項1または請求項2に記載の半導体装置において、層間絶縁膜は、半導体チップのダイシング領域に、シールリング部を囲む開口部を有するので、ダイシング領域をダイシングする際の応力は、さらに回路形成領域へ伝わりにくくなる。よって、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止される効果はさらに向上される。特に、層間絶縁膜として加熱処理による収縮が大きい材料が使用されるケースに特に有効である。
【0099】
請求項4に記載の半導体装置によれば、第1のパッシベーションの第1の開口部にアルミ配線層が形成されているため、シールリング部の最上層上面は外気に曝されない。また、第2の開口部がシールリングの最上層の上方に形成された場合でも、アルミ配線の存在により当該シールリングの最上層は露出しない。さらに、アルミ配線層はシールリングの最上層の幅よりも大きく形成する必要はないので、装置の小型化に寄与できる。また、第2のパッシベーション膜は、第1のパッシベーション膜の上面を露出する第2の開口部を備えるので、ダイシング領域をダイシングする際の応力は回路形成領域上のパッシベーション膜にまで伝り難く、回路形成領域にクラックが入ってしまうことを防止することができる。
【0100】
請求項5に記載の半導体装置によれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置において、シールリングの最上層は銅であるので、配線の低抵抗化を図ることができる。また、銅は酸化、腐食しやすいが、シールリングの最上層の上面は外気に曝されないので、シールリングの最上層の酸化、腐食を抑えることができ、当該シールリングによる半導体装置の保護効果が劣化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図4】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図6】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図7】実施の形態1に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図8】実施の形態2に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図9】実施の形態2に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図10】実施の形態2に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図11】実施の形態2に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図12】実施の形態3に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図13】実施の形態3に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図14】実施の形態3に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図15】実施の形態3に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図16】実施の形態3に係る半導体装置の変形例を示す図である。
【図17】実施の形態4に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図18】実施の形態4に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図19】実施の形態4に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図20】実施の形態4に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図21】実施の形態4に係る半導体装置の変形例を示す図である。
【図22】実施の形態5に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図23】実施の形態5に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図24】実施の形態5に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図25】実施の形態6に係る半導体装置の構成を示す図である。
【図26】実施の形態6に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図27】実施の形態6に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図28】実施の形態6に係る半導体装置の製造工程を説明するための図である。
【図29】従来の半導体装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 シリコン基板、102 素子分離膜、103,105,107,109,201,203,205,209 層間絶縁膜、104,106,108,202,204,206,208 エッチングストッパ層、110,210 シールリング、111,211 第1コンタクト、112,212 第1配線層、113,213 第2コンタクト、114 第2配線層、120 パッシベーション膜、121 プラズマ窒化膜層、122 ポリイミド層、123 開口部、141 アルミ配線層、214 第3コンタクト、215 第4コンタクト。

Claims (5)

  1. 半導体チップの回路形成領域を囲むように前記半導体チップのエッジ部近傍の層間絶縁膜内に形成されたシールリング部と、
    前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成されたパッシベーション膜とを有する半導体装置であって、
    前記パッシベーション膜は、前記層間絶縁膜の上面を露出する第1の開口部を有しており、
    前記シールリング部の最上層の上面は、前記パッシベーション膜に覆われている
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体チップの回路形成領域を囲むように前記半導体チップのエッジ部近傍の層間絶縁膜内に形成されたシールリング部と、
    前記シールリング部上に形成されたアルミ配線層と、
    前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成されたパッシベーション膜とを有する半導体装置であって、
    前記パッシベーション膜は、前記層間絶縁膜の上面を露出する第1の開口部を有し、
    前記シールリング部の最上層の上面は、前記アルミ配線層に覆われている
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体装置であって、
    前記半導体チップのダイシング領域において、前記層間絶縁膜は、前記シールリング部を囲む第2の開口部を有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体チップの回路形成領域を囲むように、前記半導体チップのエッジ部近傍に形成されたシールリング部と、
    前記半導体チップの表面を覆うように前記シールリング部の上層に形成され、前記シールリング部の最上層の上面を露出する第1の開口部を有する第1のパッシベーション膜と、
    前記第1の開口部に形成されたアルミ配線層と、
    前記第1のパッシベーション膜および前記アルミ配線を覆うように形成され、前記第1のパッシベーション膜に対してエッチング選択性を有する第2のパッシベーション膜とを備え、
    前記第2のパッシベーション膜は、前記第1のパッシベーション膜の上面を露出する第2の開口部を備える
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の半導体装置であって、
    前記シールリング部の最上層は銅である
    ことを特徴とする半導体装置。
JP2002234387A 2002-08-12 2002-08-12 半導体装置 Expired - Lifetime JP4088120B2 (ja)

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