JP2003522089A - 同調シール材およびシール方法 - Google Patents

同調シール材およびシール方法

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Abstract

(57)【要約】 同調シール材および同調シール材を使用して第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法が開示されている。一実施形態では、本発明により、第1の表面と第2の表面の間に同調シール材が塗布される。この実施形態では、同調シール材は、充填材とガラス材との組合せからなっている。また、この実施形態では、充填材は、選択された周波数の電磁放射を吸収するように同調されている。次に、この実施形態では、同調シール材が選択された周波数の電磁放射に晒される。充填材が同調されているため、同調シール材が選択された周波数の電磁放射を吸収する。所望の周波数の電磁放射が吸収されると、同調シール材を使用して第1の表面と第2の表面が取り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本開示はフラットパネルディスプレイに関し、より詳細には、フラットパネル
ディスプレイおよびシール材を用いて形成されたシールを有するフラットパネル
ディスプレイを形成するための方法に関する。一態様においては、本開示は、フ
ラットパネルディスプレイをシールするための同調シール材に関する。
【0002】 (背景技術) 陰極線管(CRT)ディスプレイは、従来技術によるディスプレイの中でも一
般的に最良の輝度、最も高いコントラスト、最良のカラー品質、および最大の視
野角度を提供している。通常、CRTディスプレイには、薄いガラス製フェース
プレートに蒸着されたリン光体層が使用されている。これらのCRTは、リン光
体の両端間をラスタパターンで走査される電子を発生する1本ないし3本の電子
ビームを使用して画像を生成している。リン光体は、電子エネルギーを可視光に
変換し、所望の画像を形成している。しかしながら従来技術によるCRTディス
プレイは、陰極を包み、かつ、陰極からディスプレイのフェースプレートに延び
ている真空管が大型であるため、極めて大型であり、かさばっている。したがっ
てこれまでのところ、薄型ディスプレイの形成には、アクティブマトリックス液
晶ディスプレイ技術、プラズマディスプレイ技術、およびエレクトロルミネセン
スディスプレイ技術など、他のタイプのディスプレイ技術が一般的に使用されて
いる。
【0003】 最近、CRT装置で使用されている画像生成プロセスと同じプロセスを使用し
た薄型フラットパネルディスプレイが開発された。これらの薄型フラットパネル
ディスプレイには、行および列の電極マトリックス構造を備えたバックプレート
が使用されている。背景資料として参照により本明細書に組み込まれる、「GR
ID ADDRESSED FIELD EMISSION CATHODE」
という名称の米国特許第5,541,473号に、このようなフラットパネルデ
ィスプレイの1つが記載されている。バックプレートは、通常、ガラスプレート
上に陰極構造(電子を放出する)を蒸着させることによって形成されている。陰
極構造には電子を発生するエミッタが含まれている。通常、バックプレートは能
動領域を有しており、陰極構造はその能動領域内に蒸着されている。一般的には
ガラスプレートの表面全体が能動領域で覆われているわけではなく、ガラスプレ
ートの周囲に延びた薄い条片が残されている。薄い条片を貫通して延びた導電ト
レースが、能動領域への接続性を可能にしている。
【0004】 従来技術によるフラットパネルディスプレイには、内部表面全体に渡って蒸着
された単層または複数層のリン光体層を有する薄いガラス製フェースプレートが
含まれている。通常、フェースプレートは、約1.2ないし2ミリメートルだけ
バックプレートから分離されている。フェースプレートには能動領域が含まれて
おり、リン光体層はその能動領域内に蒸着されている。リン光体を含有していな
い薄い条片が、能動領域からガラスプレートの縁に向かって延びている。フェー
スプレートは、ガラスシールを用いてバックプレートに取り付けられている。
【0005】 従来技術による1つの手法では、レーザビームを用いて、フェースプレートと
バックプレートの間に配置されたシール材を加熱している。レーザビームは、シ
ール材を溶融し、それによりフェースプレートとバックプレートの間にシールを
提供することを意図したものであるが、残念なことには、フェースプレートとバ
ックプレートを一体にシールするための従来の方法では、しばしば高出力レーザ
ビームを使用しなければならず、あるいはシール材を長時間に渡ってレーザビー
ムに晒さなければならない。その結果、しばしば極めて高い温度が発生し、フラ
ットパネルディスプレイをこのような高温に晒すことにより、フラットパネルデ
ィスプレイに有害な影響を与えている。例えばフラットパネルディスプレイをこ
のような高温に晒すことにより、汚染物質の不要な排気の原因となり、フェース
プレートおよび/またはバックプレートのガラスを損傷し、また、その他様々な
問題をもたらしている。
【0006】 したがってフェースプレートをバックプレートにシールするための、シール材
を長時間に渡ってレーザビームに晒す必要のない方法および装置が必要である。
また、フェースプレートをバックプレートにシールするための、シール材を高出
力レーザビームに晒す必要のない方法および装置が必要である。さらに、フェー
スプレートをバックプレートにシールするための、フェースプレートおよびバッ
クプレートへの加熱量の少ない方法および装置が必要である。
【0007】 (発明の開示) 本発明により、フェースプレートをバックプレートにシールするための、長時
間に渡ってシール材をレーザビームに晒す必要のない方法および装置が提供され
る。また、本発明により、フェースプレートをバックプレートにシールするため
の、シール材を高出力レーザビームに晒す必要のない方法および装置が提供され
る。さらに、本発明により、フェースプレートをバックプレートにシールするた
めの、フェースプレートおよびバックプレートへの加熱量の少ない方法および装
置が提供される。
【0008】 本発明の一実施形態では、本発明により、第1の表面と第2の表面の間に同調
シール材が塗布される。この実施形態では、同調シール材は、充填材とガラス材
を組合せたものからなっている。また、この実施形態では、充填材は、選択され
た周波数の電磁放射を吸収するように同調されている。次に、この実施形態では
、同調シール材が選択された周波数の電磁放射に晒される。充填材が同調されて
いるため、同調シール材が選択された周波数の電磁放射を吸収する。所望の周波
数の電磁放射が吸収されると、同調シール材を使用して第1の表面と第2の表面
とが取り付けられる。
【0009】 他の実施形態では、本発明により、上で説明した実施形態の特徴を備える以外
に、さらに第1の表面が選択された第2の周波数の電磁放射に晒される。この実
施形態では、第1の表面が選択された第2の周波数の電磁放射を吸収し、それに
より第1および第2の表面の取付けを促進している。
【0010】 さらに他の実施形態では、本発明により、上で説明した第1の実施形態の特徴
を備える以外に、第1の表面にさらに薄膜が加えられる。この実施形態では、薄
膜は、選択された第2の周波数の電磁放射を吸収するようになされている。この
実施形態では、第1の表面が選択された第2の周波数の電磁放射を吸収し、それ
により第1および第2の表面の取付けを促進している。
【0011】 本発明のこれらおよびその他の目的および利点については、様々な図面に示す
好ましい実施形態についての以下の詳細説明を読めば、当分野の技術者には疑問
の余地なく明らかになるであろう。
【0012】 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形
態を示したものであり、説明と共に本発明の原理を示している。
【0013】 以下の説明で参照する図面は、特に注記がない限り、スケール通りではないこ
とを理解すべきである。
【0014】 (最良の形態) 添付の図面に示されている本発明の好ましい実施形態を詳細に参照する。好ま
しい実施形態に関連して本発明が説明されているが、それらの実施形態が、本発
明をそれらの実施形態に限定することを意図したものではないことは理解される
であろう。それどころか、本発明は、代替形態、変形形態、および等価形態を包
含することを意図しており、それらは特許請求の範囲の各請求項に定義されてい
る本発明の精神および範囲の範疇に属するものとする。また、本発明を完全に理
解するために、多数の特定の事項が本発明についての以下の詳細な説明の中で記
載されているが、これらの特定の事項がなくても本発明を実践することができる
ことは、当分野の技術者には明らかであろう。したがって本発明を明確にするた
めに、良く知られている方法、手順、コンポーネントおよび回路については、こ
こでは詳細な説明は省略されている。
【0015】 図1を参照すると、本発明の一実施形態による同調シール材100の一部が側
面断面図で示されている。本出願のために、フラットパネルディスプレイのフェ
ースプレートをフラットパネルディスプレイのバックプレートに取り付けるため
の使用に関連して同調シール材100を説明する。本明細書においてはこのよう
な実施形態が記載されているが、本発明による同調シール材100は、任意の様
々な第1の表面を任意の様々な第2の表面にシールする材料としても適している
【0016】 さらに図1を参照すると、この実施形態では、同調シール材100は、正方形
102でその典型を示す充填材および円形104でその典型を示すガラス材から
なっている。図1では充填材102が正方形で示され、ガラス材104は円形で
示されているが、このような表現が単に説明のためのものであり、分かり易くす
るためのものに過ぎないことは理解されよう。ガラス材104および充填材10
2は、一体に混合してガラスフリットを形成するのに適している。本発明では、
同調シール材100の少なくとも1つの成分(充填材102またはガラス材10
4のいずれか)が、選択された周波数の電磁放射を吸収するように同調されてい
る。また、本発明は、同調シール材100の両方の成分(すなわち充填材102
およびガラス材104)が、選択された周波数の電磁放射を吸収するように同調
された実施形態にも適している。一方または両方の成分を同調させることにより
、光(例えばレーザ光)を使用して同調シール材100を加熱し、溶融させる実
施形態の場合、同調シール材100の同調成分は、選択された周波数の電磁放射
を容易に吸収することができる。したがってこのような実施形態では、同調成分
によって同調シール材100の加熱、延いては溶融が促進され、その結果、この
実施形態の場合、シール材をレーザビームに晒さなければならない時間が短縮さ
れている。また、同調シール材100の同調成分は、選択された周波数の電磁放
射(例えばレーザ光)を容易に吸収することができるため、この実施形態の場合
、高出力レーザビームを使用する必要なく、同調シール材100を溶融させるこ
とができる。さらに、同調シール材100が、従来のプロセスに必要な出力より
小さい出力のレーザ源を使用して速やかに溶融されるため、この実施形態の場合
、フラットパネルディスプレイのフェースプレートおよびバックプレートの不要
な加熱が低減されている。
【0017】 次に図2を参照すると、充填材の単一分子(正方形200で示す)の側面断面
図が示されている。この実施形態では、充填材の分子200は、充填材の分子2
00を着色することによって、選択された周波数の電磁放射を吸収するように同
調されている。より詳細には、この実施形態では、充填材の分子200は、電磁
放射吸収材で着色された着色領域202を有している。つまり、充填材の分子2
00を着色するために使用される材料は、選択された周波数の電磁放射を吸収す
ることができる材料である。例えば一実施形態では、充填材の分子200を着色
するために使用されている材料は、ガリウムヒ素レーザからの光(すなわち、約
810ナノメートルの周波数を有する電磁放射)を吸収することが意図されてい
る。このような実施形態では、充填材の分子200は、酸化クロム材で着色され
ている。この実施形態ではこのような着色について示されているが、本発明は、
充填材の分子200を着色するために使用される材料が、酸化銅、酸化鉄、酸化
クロムおよびクロム酸鉄からなるグループから選択される実施形態にも適してい
る。この実施形態ではこのような着色材について示されているが、本発明は、選
択された周波数の電磁放射の吸収を促進するために他の様々な着色材が使用され
ている実施形態にも適している。さらに、この実施形態ではこのような周波数の
レーザ光が示されているが、本発明は、他の様々な波長のレーザ光、可視光、マ
イクロ波放射、赤外放射等を吸収する同調充填材分子200にも適している。
【0018】 さらに図2を参照すると、充填材の分子200が、レーザ光を吸収し、それに
より同調シール材100の加熱、延いては溶融を促進する材料で着色された、上
記実施形態の1つが示されている。しかしながら本発明は、分子200が、例え
ば同調シール材100の硬化を促進する材料で着色された実施形態にも適してい
る。例えば本発明は、着色材が紫外光を吸収し、それにより同調シール材100
が硬化する実施形態に適している。したがって本発明は、同調シール材の加熱お
よび/または溶融を促進するための成分の同調には全く制限されない。
【0019】 再び図2を参照すると、充填材の単一分子200について上で考察したが、本
発明は、同調シール材が複数の充填材からなる実施形態にも適している。また、
本発明は、それぞれ1つまたは複数の選択された周波数の電磁放射を吸収するよ
うに、複数の充填材のうちの複数の充填材に着色された実施形態にも適している
【0020】 次に図3を参照すると、ガラス材の単一分子(円形300で示す)の側面断面
図が示されている。この実施形態では、ガラス材の分子300は、ガラス材の分
子300を着色することによって、選択された周波数の電磁放射を吸収するよう
に同調されている。より詳細には、この実施形態では、ガラス材の分子300は
、電磁放射吸収材で着色された着色領域302を有している。つまり、ガラス材
の分子300を着色するために使用される材料は、選択された周波数の電磁放射
を吸収することができる材料である。例えば一実施形態では、ガラス材の分子3
00を着色するために使用されている材料は、ガリウムヒ素レーザからの光(す
なわち、約810ナノメートルの周波数を有する電磁放射)を吸収することが意
図されている。このような実施形態では、ガラス材の分子300は、酸化クロム
材で着色されている。この実施形態ではこのような着色について示されているが
、本発明は、ガラス材の分子300を着色するために使用される材料が、酸化銅
、酸化鉄、酸化クロムおよびクロム酸鉄からなるグループから選択される実施形
態にも適している。この実施形態ではこのような着色材について示されているが
、本発明は、選択された周波数の電磁放射の吸収を促進するために他の様々な着
色材が使用されている実施形態にも適している。さらに、この実施形態ではこの
ような周波数のレーザ光が示されているが、本発明は、他の様々な波長のレーザ
光、可視光、マイクロ波放射、赤外放射等を吸収する同調ガラス材分子300に
も適している。
【0021】 さらに図3を参照すると、ガラス材の分子300が、レーザ光を吸収し、それ
により同調シール材100の加熱、延いては溶融を促進する材料で着色された、
上記実施形態の1つが示されている。しかしながら本発明は、分子300が、例
えば同調シール材100の硬化を促進する材料で着色された実施形態にも適して
いる。例えば本発明は、着色材が紫外光を吸収し、それにより同調シール材10
0が硬化する実施形態に適している。したがって本発明は、同調シール材の加熱
および/または溶融を促進するための成分の同調には全く制限されない。
【0022】 再び図3を参照すると、ガラス材の単一分子300について上で考察したが、
本発明は、同調シール材が複数のガラス材からなる実施形態にも適している。ま
た、本発明は、それぞれ1つまたは複数の選択された周波数の電磁放射を吸収す
るように、複数のガラス材のうちの複数のガラス材に着色された実施形態にも適
している。
【0023】 次に図4を参照すると、本発明の一実施形態によって行われるステップのフロ
ーチャート400が示されている。以下、フローチャート400の様々なステッ
プについて、図5〜8の実施形態に照らして説明する。バックプレートをフェー
スプレートに取り付けるための図1の同調シール材100の使用については、こ
の実施形態は、最初にフローチャート400のステップ402を行う。つまり、
この実施形態によれば、第1の表面と第2の表面の間に同調シール材100が塗
布される。ここでも、本発明を出願するために、フラットパネルディスプレイの
フェースプレートをフラットパネルディスプレイのバックプレートに取り付ける
ための使用に関連して同調シール材100を説明するが、本発明による同調シー
ル材100は、任意の様々な第1の表面を任意の様々な第2の表面にシールする
材料としても適している。
【0024】 図4のステップ402をさらに参照すると、この実施形態の場合、同調シール
材100は、すべて図1に示す充填材102とガラス材104の混合物からなっ
ている。また、この実施形態では、同調シール材100の少なくとも1つの成分
(すなわち充填材102またはガラス材104)が、選択された周波数の電磁放
射を吸収するように同調されている。
【0025】 ここで図5を参照すると、図4のステップ402が行われた後に得られる構造
を示す側面断面図が示されている。図5は、フラットパネルディスプレイ装置5
00の一部を示したものである。図5では、バックプレート502およびフェー
スプレート504は、それらの間に配置された、本出願で特許請求する発明の一
実施形態による同調シール材100を有している。
【0026】 再び図4を参照すると、ステップ402が完了すると、この実施形態はステッ
プ404に進む。この実施形態によれば、ステップ404で同調シール材100
が、選択された周波数の電磁放射に晒される。それにより、同調シール材100
の少なくとも1つの同調成分(例えば充填材102および/またはガラス材10
4)が、選択された周波数の電磁放射を吸収する。それにより、光(例えばレー
ザ光)を使用して同調シール材100を加熱し、溶融させる実施形態の場合、同
調シール材100の同調成分は、選択された周波数の電磁放射を容易に吸収する
ことができる。したがってこのような実施形態では、同調成分が同調シール材1
00の加熱、延いては溶融を促進している。
【0027】 この実施形態によれば、ステップ406で、選択された周波数の電磁放射に晒
されていた同調シール材100を使用して、バックプレート502およびフェー
スプレート504が取り付けられる。この実施形態では、同調シール材100は
、選択された周波数の電磁放射に晒された後、溶融し、それによりバックプレー
ト502とフェースプレート504の間にシールが提供される。
【0028】 次に図6を参照すると、本発明の他の実施形態600が示されている。この実
施形態では、バックプレート502が着色領域を提供するための物質で着色され
ており、その典型が602で示されている。この実施形態では、着色領域602
は、電磁放射吸収材で着色されている。つまり、バックプレート502を着色す
るために使用される材料は、選択された周波数の電磁放射を吸収することができ
る材料である。したがってバックプレート502は、同調シール材100の着色
成分に関して上述した方法と同様の方法で、選択された電磁放射をより容易に吸
収することができる。バックプレート502を電磁放射吸収材で着色することに
より、この実施形態は、例えば、同調シール材100に熱結合される加熱表面(
すなわち着色されたバックプレート502の表面)を提供することにより、シー
ル材の加熱、延いては溶融をさらに促進している。また、一実施形態では、バッ
クプレート502を着色するために使用される材料としては、同調シール材10
0によって容易に吸収される電磁放射の周波数とは異なる周波数を有する電磁放
射の吸収を促進することができる材料が選択されている。このような実施形態で
は、2つの独立した電磁放射源を使用して、例えばシール材またはバックプレー
ト502のいずれか一方を選択的に加熱することができる。
【0029】 次に図7を参照すると、本発明の他の実施形態700が示されている。この実
施形態では、バックプレート502が着色領域を提供するための物質で着色され
ており、その典型が602で示されており、また、フェースプレート504も着
色領域を提供するための物質で着色されており、その典型が702で示されてい
る。この実施形態では、着色領域602および702は、電磁放射吸収材で着色
されている。つまり、バックプレート502およびフェースプレート504を着
色するために使用される材料は、選択された周波数の電磁放射を吸収することが
できる材料である。したがってバックプレート502およびフェースプレート5
04は、同調シール材100の着色成分に関して上述した方法と同様の方法で、
選択された電磁放射をより容易に吸収することができる。バックプレート502
およびフェースプレート504を電磁放射吸収材で着色することにより、この実
施形態は、例えば、同調シール材100に熱結合される加熱表面(すなわち着色
されたバックプレート502の表面、および着色されたフェースプレート504
の表面)を提供することにより、シール材の加熱、延いては溶融をさらに促進し
ている。
【0030】 さらに図7を参照すると、一実施形態では、バックプレート502およびフェ
ースプレート504を着色するために使用される材料としては、同調シール材1
00によって容易に吸収される電磁放射の周波数とは異なる周波数を有する電磁
放射の吸収を促進することができる材料が選択されている。このような実施形態
では、2つの独立した電磁放射源を使用して、例えば同調シール材100または
バックプレート502およびフェースプレート504のいずれかを選択的に加熱
することができる。さらに他の実施形態では、バックプレート502を着色する
ために使用される材料としては、フェースプレート504によって容易に吸収さ
れる電磁放射の周波数とは異なる周波数を有する電磁放射の吸収を促進すること
ができる材料が選択されている。さらに、バックプレート502を着色するため
に使用される材料、およびフェースプレート504を着色するために使用される
材料としては、同調シール材100によって容易に吸収される電磁放射の周波数
とは異なる周波数を有する電磁放射の吸収を促進することができる材料が選択さ
れている。このような実施形態では、3つの独立した電磁放射源を使用して、例
えば同調シール材100、バックプレート502あるいはフェースプレート50
4を選択的に加熱することができる。
【0031】 次に図8を参照すると、本発明の他の実施形態による構造800の側面断面図
が示されている。図8の実施形態では、バックプレート502およびフェースプ
レート504は、それらの間に配置された同調シール材100を有し、また、バ
ックプレート502およびフェースプレート504には、それぞれ電磁放射吸収
薄膜802および804が結合されている。一実施形態では、バックプレート5
02とフェースプレート504の間に同調シール材100が配置されるに先立っ
て、本発明により、バックプレート502に薄膜802が塗布される。同様に、
バックプレート502とフェースプレート504の間に同調シール材100が配
置されるに先立って、この実施形態の場合、フェースプレート504に薄膜80
4が塗布される。
【0032】 図8をさらに参照すると、この実施形態では、薄膜802および804は、選
択された周波数の電磁放射を吸収するのに適している。薄膜802および804
を着色するために使用される材料としては、同調シール材100によって容易に
吸収される電磁放射の周波数とは異なる周波数を有する電磁放射の吸収を促進す
ることができる材料が選択されている。このような実施形態では、2つの独立し
た電磁放射源を使用して、例えば薄膜802および804または同調シール材1
00のいずれかを選択的に加熱することができる。さらに他の実施形態では、薄
膜802を着色するために使用される材料としては、薄膜804によって容易に
吸収される電磁放射の周波数とは異なる周波数を有する電磁放射の吸収を促進す
ることができる材料が選択されている。さらに、薄膜802を着色するために使
用される材料、および薄膜804を着色するために使用される材料としては、同
調シール材100によって容易に吸収される電磁放射の周波数とは異なる周波数
を有する電磁放射の吸収を促進することができる材料が選択されている。このよ
うな実施形態では、3つの独立した電磁放射源を使用して、例えば同調シール材
100、薄膜802あるいは薄膜804を選択的に加熱することができる。また
、この実施形態は、バックプレート502およびフェースプレート504の各々
に結合された薄膜を有するものとして特に示されているが、本発明は、薄膜がバ
ックプレート502およびフェースプレート504のいずれか一方にのみ結合さ
れた実施形態にも適している。
【0033】 したがって、選択された周波数の電磁放射に晒されると、薄膜802および/
または804は放射を吸収し、そして、例えば加熱される。この実施形態は、上
で説明した方法と同様の方法で、例えば、同調シール材100に熱結合される加
熱表面(すなわち薄膜802および薄膜804)を提供することにより、同調シ
ール材100の加熱、延いては溶融をさらに促進している。
【0034】 したがって本発明により、フェースプレートをバックプレートにシールするた
めの、長時間に渡ってシール材をレーザビームに晒す必要のない方法および装置
が提供される。また、本発明により、フェースプレートをバックプレートにシー
ルするための、シール材を高出力レーザビームに晒す必要のない方法および装置
が提供される。さらに、本発明により、フェースプレートをバックプレートにシ
ールするための、フェースプレートおよびバックプレートへの加熱量の少ない方
法および装置が提供される。
【0035】 以上、例示および説明を目的として本発明の特定の実施形態を記載した。上述
した特定の実施形態は、本発明を余すところなく示すこと、あるいは本発明を上
で開示したそのままの形態に制限することを意図したものではなく、以上の教示
に鑑みて、明らかに多くの変更および変形形態が可能である。上述の実施形態は
、本発明の原理および本発明の実施を最も分かり易く説明し、それにより当業者
が、本発明および意図する特定の用途に適した様々な変更が加えられた様々な実
施形態を最も良好に利用することができることを目的として選択されたものであ
る。本発明の範囲は、特許請求の範囲の各請求項およびその均等物によって定義
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による同調シール材の一部を示す側面
断面図である。
【図2】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、選択された周波数の電磁放射
を吸収させるために着色された充填材の単一分子(正方形で示す)の側面断面図
である。
【図3】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、選択された周波数の電磁放射
を吸収させるために着色されたガラス材の単一分子(円形で示す)の側面断面図
である。
【図4】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による実行ステップのフローチャート
である。
【図5】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、間に同調シール材が配置され
たバックプレートおよびフェースプレートの側面断面図である。
【図6】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、間に同調シール材が配置され
た着色バックプレートおよびフェースプレートの側面断面図である。
【図7】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、間に同調シール材が配置され
た着色バックプレートおよび着色フェースプレートの側面断面図である。
【図8】 本出願で特許請求する発明の一実施形態による、間に同調シール材が配置され
、それぞれ電磁放射吸収薄膜が結合されたバックプレートおよびフェースプレー
トの側面断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 クラペツキー,ディミトリー アメリカ合衆国,94121 カリフォルニア 州,サン フランシスコ,34ティエイチ アヴェニュー 770 (72)発明者 シュミッド,アンソニー,ピー. アメリカ合衆国,92075 カリフォルニア 州,ソラナ ビーチ,キャニオン ドライ ヴ 461 (72)発明者 ラドウィッグ,ポール,エヌ. アメリカ合衆国,94550 カリフォルニア 州,リヴァーモア,セレステ アヴェニュ ー 5337 Fターム(参考) 4G061 AA00 AA09 AA13 BA03 BA11 CC03 CD02 CD21 DA35 4G062 AA09 BB01 MM08 NN40 PP01

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の表面を第2の表面に取り付けるための同調シール材で
    あって、前記同調シール材が、 充填材と、 前記充填材と混合されたガラス材とを備え、前記同調シール材の少なくとも1
    つの成分が、選択された周波数の電磁放射を吸収するように同調されているとこ
    ろの同調シール材。
  2. 【請求項2】 第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法であって、
    前記方法が、 a)前記第1の表面と前記第2の表面の間に、請求項1の同調シール材を塗布
    するステップと、 b)前記同調シール材が前記選択された周波数の電磁放射を吸収するように、
    前記同調シール材を前記選択された周波数の前記電磁放射に晒すステップと、 c)前記選択された周波数の前記電磁放射に晒された前記同調シール材を使用
    して、前記第1の表面を前記第2の表面に取り付けるステップと を含む方法。
  3. 【請求項3】 ステップb)が、前記第1の表面が選択された第2の周波数
    の電磁放射を吸収するように、前記第1の表面を前記選択された第2の周波数の
    前記電磁放射に晒すステップをさらに含む、請求項2に記載の第1の表面を第2
    の表面に取り付けるための方法。
  4. 【請求項4】 ステップb)が、前記第2の表面が選択された第2の周波数
    の電磁放射を吸収するように、前記第2の表面を前記選択された第2の周波数の
    電磁放射に晒すステップをさらに含む、請求項2に記載の第1の表面を第2の表
    面に取り付けるための方法。
  5. 【請求項5】 ステップb)が、前記第1の表面および前記第2の表面が選
    択された第2の周波数の電磁放射を吸収するように、前記第1の表面および前記
    第2の表面を前記選択された第2の周波数の電磁放射に晒すステップをさらに含
    む、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法。
  6. 【請求項6】 ステップa)に先立って、選択された第2の周波数の電磁放
    射を吸収するのに適した薄膜を前記第1の表面に塗布するステップと、 前記薄膜が前記選択された第2の周波数の前記電磁放射を吸収するように、前
    記薄膜を前記選択された第2の周波数の電磁放射に晒すステップと をさらに含む、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方
    法。
  7. 【請求項7】 ステップa)に先立って、選択された第2の周波数の電磁放
    射を吸収するのに適した薄膜を前記第2の表面に塗布するステップと、 前記薄膜が前記選択された第2の周波数の前記電磁放射を吸収するように、前
    記薄膜を前記選択された第2の周波数の電磁放射に晒すステップと をさらに含む、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方
    法。
  8. 【請求項8】 ステップa)に先立って、前記選択された第2の周波数の電
    磁放射を吸収するのに適した薄膜を、前記第1の表面および前記第2の表面に塗
    布するステップと、 前記薄膜が前記選択された第2の周波数の前記電磁放射を吸収するように、前
    記薄膜を前記選択された第2の周波数の電磁放射に晒すステップと をさらに含む、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方
    法。
  9. 【請求項9】 第1の表面を第2の表面に取り付けるための同調シール材を
    形成する方法であって、前記方法が、 前記同調シール材の第1の成分を提供するステップと、 前記同調シール材の第2の成分を提供するステップと、 前記第1および第2の成分のうちの少なくとも1つの成分が、選択された周波
    数の電磁放射を吸収するように、前記同調シール材の前記第1および第2の成分
    のうちの前記少なくとも1つの成分を着色するステップとを含み、前記同調シー
    ル材の前記第1の成分と前記同調シール材の前記第2の成分が、一体に混合され
    るのに適しているところの方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の成分が充填材からなる、請求項9に記載の同調
    シール材を形成する方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の成分がガラス材からなる、請求項9に記載の同
    調シール材を形成する方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の成分が複数の充填材からなる、請求項9に記載
    の同調シール材を形成する方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の成分が複数のガラス材からなる、請求項9に記
    載の同調シール材を形成する方法。
  14. 【請求項14】 前記充填材または前記第1の成分が、前記選択された周波
    数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項1の同調シール材、請求
    項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法、または請求項9
    に記載の同調シール材を形成する方法。
  15. 【請求項15】 前記ガラス材または前記第2の成分が、前記選択された周
    波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項1の同調シール材、請
    求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法、または請求項
    9に記載の同調シール材を形成する方法。
  16. 【請求項16】 前記ガラス材および前記充填材の両方、または前記第1の
    成分および前記第2の成分の両方が、前記選択された周波数の前記電磁放射を吸
    収するように同調される、請求項1の同調シール材、請求項2に記載の第1の表
    面を第2の表面に取り付けるための方法、または請求項9に記載の同調シール材
    を形成する方法。
  17. 【請求項17】 前記同調シール材または前記第1の成分が、前記充填材ま
    たは前記第1の成分を、酸化銅、酸化鉄、酸化クロムおよびクロム酸鉄からなる
    グループから選択される電磁放射吸収材で着色することによって同調される、請
    求項1の同調シール材、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付ける
    ための方法、または請求項9に記載の同調シール材を形成する方法。
  18. 【請求項18】 前記同調シール材または前記第2の成分が、前記ガラス材
    または前記第2の成分を、酸化銅、酸化鉄、酸化クロムおよびクロム酸鉄からな
    るグループから選択される電磁放射吸収材で着色することによって同調される、
    請求項1の同調シール材、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付け
    るための方法、または請求項9に記載の同調シール材を形成する方法。
  19. 【請求項19】 前記同調シール材または前記第1および第2の成分のうち
    の前記少なくとも1つの成分によって吸収される前記電磁放射が、可視光、レー
    ザ光、マイクロ波放射、紫外光および赤外放射からなるグループから選択される
    、請求項1の同調シール材、請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付
    けるための方法、または請求項9に記載の同調シール材を形成する方法。
  20. 【請求項20】 前記第1の表面が、電界放出ディスプレイ装置のバックプ
    レートである、請求項1の同調シール材または請求項2に記載の第1の表面を第
    2の表面に取り付けるための方法。
  21. 【請求項21】 前記第2の表面が、電界放出ディスプレイ装置のフェース
    プレートである、請求項1の同調シール材または請求項2に記載の第1の表面を
    第2の表面に取り付けるための方法。
  22. 【請求項22】 前記同調シール材が複数の充填材をさらに備える、請求項
    1の同調シール材または請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付ける
    ための方法。
  23. 【請求項23】 前記複数の前記充填材のうちの少なくとも1つが、前記選
    択された周波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項22の同調
    シール材。
  24. 【請求項24】 前記複数の前記充填材のうちの複数の充填材が、複数の周
    波数の電磁放射を吸収するように同調される、請求項22の同調シール材。
  25. 【請求項25】 前記同調シール材が複数のガラス材をさらに備える、請求
    項1の同調シール材または請求項2に記載の第1の表面を第2の表面に取り付け
    るための方法。
  26. 【請求項26】 前記複数の前記ガラス材のうちの少なくとも1つが、前記
    選択された周波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項25の同
    調シール材。
  27. 【請求項27】 前記複数の前記ガラス材のうちの複数のガラス材が、複数
    の周波数の電磁放射を吸収するように同調される、請求項25の同調シール材。
  28. 【請求項28】 前記複数の前記ガラス材のうちの少なくとも1つが、前記
    選択された周波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項25に記
    載の第1の表面を第2の表面に取り付けるための方法。
  29. 【請求項29】 前記複数の前記ガラス材のうちの複数のガラス材が、複数
    の周波数の電磁放射を吸収するように同調される、請求項25に記載の第1の表
    面を第2の表面に取り付けるための方法。
  30. 【請求項30】 前記複数の前記充填材のうちの少なくとも1つが、前記選
    択された周波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項12に記載
    の同調シール材を形成する方法。
  31. 【請求項31】 前記複数の前記充填材のうちの複数の充填材が、複数の周
    波数の電磁放射を吸収するように同調される、請求項12に記載の同調シール材
    を形成する方法。
  32. 【請求項32】 前記複数の前記ガラス材のうちの少なくとも1つが、前記
    選択された周波数の前記電磁放射を吸収するように同調される、請求項13に記
    載の同調シール材を形成する方法。
  33. 【請求項33】 前記複数の前記ガラス材のうちの複数のガラス材が、複数
    の周波数の電磁放射を吸収するように同調される、請求項13に記載の同調シー
    ル材を形成する方法。
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