JP2010047441A - 有機elディスプレイ用封着材料 - Google Patents

有機elディスプレイ用封着材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2010047441A
JP2010047441A JP2008212424A JP2008212424A JP2010047441A JP 2010047441 A JP2010047441 A JP 2010047441A JP 2008212424 A JP2008212424 A JP 2008212424A JP 2008212424 A JP2008212424 A JP 2008212424A JP 2010047441 A JP2010047441 A JP 2010047441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
organic
sealing material
content
display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008212424A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010047441A5 (ja
JP5440997B2 (ja
Inventor
Noriaki Masuda
紀彰 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2008212424A priority Critical patent/JP5440997B2/ja
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to KR1020127007795A priority patent/KR20120046321A/ko
Priority to KR1020107007027A priority patent/KR101236369B1/ko
Priority to KR1020137004395A priority patent/KR101330100B1/ko
Priority to KR1020127007798A priority patent/KR101236371B1/ko
Priority to KR1020127007801A priority patent/KR101236373B1/ko
Priority to PCT/JP2009/051167 priority patent/WO2009107428A1/ja
Publication of JP2010047441A publication Critical patent/JP2010047441A/ja
Publication of JP2010047441A5 publication Critical patent/JP2010047441A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5440997B2 publication Critical patent/JP5440997B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末25〜60体積%未満、耐火性フィラー粉末40超〜75体積%を含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feを0.5〜15質量%を含有することを特徴とする。
【解決手段】レーザー光等の照射光による局所加熱に好適であるとともに、低軟化特性と高耐水性を有し、しかも熱膨張係数が低い有機ELディスプレイ用封着材料を創案することにより、信頼性が高い有機ELディスプレイを作製すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機ELディスプレイ用封着材料に関し、具体的には照射光による封着処理に供される有機ELディスプレイ用封着材料に関する。
近年、フラットディスプレイパネルとして有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できるとともに、液晶ディスプレイのように視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、接着材料として、低温硬化性を有するエポキシ樹脂、或いは紫外線硬化樹脂等の有機樹脂系接着材料が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着材料は気体の侵入を完全に遮断することが困難であるため、有機ELディスプレイ内部の気密性を保持することが困難であり、このことに起因して、耐水性の低い有機発光層が劣化しやすくなり、経時的に有機ELディスプレイの表示特性が劣化するといった不具合が生じていた。また、有機樹脂系接着材料は、低温でガラス基板同士を接着できる利点を有するものの、耐水性が低い欠点を有し、有機ELディスプレイを長期に亘って使用した場合、ディスプレイの信頼性が低下しやすくなる。
また、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様にして、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を各画素に配置して、駆動させる方式が主流である。
米国特許第6416375号明細書 特開2006−315902号公報
ガラスを用いた封着材料は、有機樹脂系接着材料に比べ、耐水性に優れるとともに、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保するのに適している。
しかし、封着材料に使用されるガラスは、一般的に、軟化点が300℃以上であるため、有機ELディスプレイに適用することが困難であった。つまり、上記の封着材料でガラス基板同士を封着する場合、電気炉に有機ELディスプレイ全体を投入し、ガラスの軟化点以上の温度で熱処理する必要がある。しかし、アクティブ素子は、120〜130℃程度の耐熱性しか有していないため、この方法でガラス基板同士を封着すると、アクティブ素子が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。同様にして、有機発光材料も耐熱性が乏しいため、この方法でガラス基板同士を封着すると、有機発光材料が熱により損傷し、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。
このような事情に鑑み、近年、封着材料にレーザー光等の照射光を照射し、有機ELディスプレイを封着する方法が検討されている。レーザー光等は、封着すべき部位のみを局所加熱できることから、アクティブ素子等の劣化を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。
特許文献1、2には、封着材料にレーザー光を照射して、フィールドエミッションディスプレイの前面ガラス基板と背面ガラス基板を封着する方法が記載されている。しかし、特許文献1、2には、この方法に好適なガラス系について具体的な記載がなく、レーザー光を封着材料に照射しても、封着部位において、レーザー光の光エネルギーを熱エネルギーに効率良く変換させることが困難であった。それ故、これらの封着材料を用いて、ガラス基板同士を封着するためには、レーザー光の出力を上げる必要があり、その結果、アクティブ素子等に不当な熱履歴がかかり、有機ELディスプレイの表示特性が劣化するおそれがあった。
また、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、ガラスの軟化点が低いと、短時間で封着可能になるとともに、封着強度を高めることができる。しかし、一般的に、ガラスの軟化点を下げると、ガラスの耐水性が低下しやすくなる。既述の通り、封着材料の耐水性は、有機発光層の劣化を防止する観点から重要であるが、特許文献1、2には、当然のことながら、低軟化特性と高耐水性を両立させたガラス系について具体的な記載はない。
さらに、アクティブマトリクス駆動が採用される場合、有機ELディスプレイ用ガラス基板には、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10)が使用される。無アルカリガラスの熱膨張係数は、通常、40×10−7/℃以下であり、従来の封着材料を無アルカリガラスの熱膨張係数に整合させることは困難であった。両者の熱膨張係数が不整合であると、封着後に封着部位や無アルカリガラスに不当な応力が残留しやすく、場合によっては、封着部位や無アルカリガラスにクラック等が発生し、有機ELディスプレイの気密信頼性が損なわれる。
そこで、本発明は、レーザー光等の照射光による局所加熱に好適であるとともに、低軟化特性と高耐水性を有し、しかも熱膨張係数が低い有機ELディスプレイ用封着材料を創案することにより、信頼性が高い有機ELディスプレイを作製することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意努力の結果、有機ELディスプレイ用封着材料として、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料において、耐火性フィラー粉末を40体積%より多く含有させるとともに、ビスマス系ガラス粉末において、ガラス組成として、CuOとFeのいずれか、或いは双方を所定量導入することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末25〜60体積%未満、耐火性フィラー粉末40超〜75体積%を含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Fe(CuOとFeの合量)を0.5〜15質量%を含有することを特徴とする。ここで、「ビスマス系ガラス粉末」とは、ガラス組成中のBiの含有量が50質量%以上のガラス粉末を指す。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末25〜60体積%未満、耐火性フィラー粉末40超〜75体積%を含有する。このようにすれば、無アルカリガラスの熱膨張係数に整合するように、封着材料の熱膨張係数を下げることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ガラス粉末を含有する。このようにすれば、有機ELディスプレイ内部の気密性を維持、つまり有機発光層を劣化させるHOやO等が有機ELディスプレイ内部に侵入する事態を防止することができ、その結果、有機ELディスプレイの長期信頼性を確保することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末を含有する。ビスマス系ガラスは、耐水性に優れているため、有機発光層の劣化を防止することができる。また、ビスマス系ガラスは、軟化点が低いため、短時間で封着可能であるとともに、封着強度を高めることができる。また、ビスマス系ガラスは、レーザー光等の照射の際に、ガラスに発泡が生じ難く、発泡に起因して、封着部位の機械的強度が低下する事態が生じ難い。更に、ビスマス系ガラスは、熱的に安定であり、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透し難く、失透に起因して、封着強度が低下する事態が生じ難い。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feの含有量を0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上含有する。このようにすれば、レーザー光等の光エネルギーが効率良く熱エネルギーに変換されるため、換言すればレーザー光等が的確にガラスに吸収されるため、封着すべき部位のみを局所加熱することができる。その結果、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。なお、レーザー光等で封着材料を局所加熱する場合、加熱箇所から1mm離れた部位の温度は100℃以下になり、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。一方、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feを15質量%以下含有する。このようにすれば、レーザー光等の照射の際に、ガラスが失透する事態を防止することができる。
第二に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末25〜50体積%未満、耐火性フィラー粉末50超〜75体積%を含有することを特徴とする。このようにすれば、無アルカリガラスの熱膨張係数に厳密に整合するように、封着材料の熱膨張係数を下げることができる。
第三に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、照射光による封着処理に供されることに特徴付けられる。既述の通り、このようにすれば、封着材料を局所加熱することができ、アクティブ素子や有機発光層の熱的損傷を防止することができる。
第四に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、上記照射光がレーザー光であることに特徴付けられる。ここで、照射光の光源として、種々のレーザーを使用することができるが、特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取り扱いが容易な点で好適である。また、レーザー光は、ガラスに光を的確に吸収させるために、500〜1600nm、好ましくは750〜1300nmの発光中心波長を有することが好ましい。
第五に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、照射光が赤外光(赤外ランプ等)であることを特徴とする。このようにすれば、広範囲に亘って、封着材料を局所加熱することができ、結果として、有機ELディスプレイの製造効率が向上する。
第六に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%表示で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜15%を含有することに特徴付けられる。
第七に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上であることに特徴付けられる。
第八に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、実質的にPbOを含有しないことに特徴付けられる。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。
第九に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、熱膨張係数が55×10−7/℃以下であることを特徴とする。ここで、「熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定装置で測定した値を指し、測定温度範囲は30〜300℃とする。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数が、無アルカリガラスの熱膨張係数に整合しやすくなる。
第十に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm未満であることに特徴付けられる。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指す。
第十一に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μm以下であることに特徴付けられる。ここで、「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指す。
第十二に、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、酸化物顔料を0〜10体積%を含有することに特徴付けられる。
本発明の封着材料において、ビスマス系ガラス粉末のガラス組成範囲を上記のように限定した理由を以下に示す。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は67〜87%、好ましくは70〜85%、より好ましくは72〜83%である。Biの含有量が67%より少ないと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は2〜12%、好ましくは3〜10%、より好ましくは4〜10%、更に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時または照射時にガラスが失透しやすくなる。一方、Bの含有量が12%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制し、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜11%、更に好ましくは3〜9%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する効果が得られ難くなる。ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分である。また、CuO+Feは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は0.5〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜10%、更に好ましくは3〜10%、特に好ましくは3〜8%である。CuO+Feの含有量が0.5%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは1〜15%、より好ましくは2〜10%、更に好ましくは3〜8%である。CuOの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、CuOの含有量を1%以上にすれば、光吸収特性が向上し、照射時にガラスが軟化しやすくなる。
Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であるとともに、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0.05〜7%、より好ましくは0.1〜4%、更に好ましくは0.2〜2%である。Feの含有量が7%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。なお、Feの含有量を0.05%以上にすれば、光吸収特性が向上し、照射時にガラスが軟化しやすくなる。
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+、或いはFe3+が想定されるが、本発明において、酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+、或いはFe3+のいずれかに限定されるものではなく、いずれであっても構わない。ここで、本発明では、Fe2+の場合はFeに換算した上で取り扱う。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+は赤外域に吸収ピークを有することから、Fe2+の割合を高くする方が好ましく、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の比率を0.03以上(望ましくは0.08以上)にすることが好ましい。
本発明に係るビスマス系ガラス粉末は、ガラス組成として、例えば、以下の成分を20%まで含有することができる。
SiOは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Alは、ガラスの耐水性を向上させる成分である。その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量)は、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、これらの成分の含有量は合量で0〜15%、好ましくは0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。MgOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。CaOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
SrOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%である。SrOの含有量が5%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
BaOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%である。BaOの含有量が10%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CeOは、溶融時または照射時にガラスの失透を抑制する成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。CeOの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、CeOを微量添加するのが好ましく、具体的には、CeOの含有量を0.01%以上とするのが好ましい。
Sbは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜2%、より好ましくは0〜1%である。Sbは、ビスマス系ガラスのネットワーク構造を安定化させる効果があり、ビスマス系ガラスにおいて、Sbを適宜添加すれば、Biの含有量が多い場合、例えばBiの含有量が76%以上であっても、ガラスの熱的安定性が低下し難くなる。ただし、Sbの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。また、ガラスの熱的安定性を向上させる観点から、Sbを微量添加するのが好ましく、具体的には、Sbの含有量を0.05%以上とするのが好ましい。
WOは、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は0〜10%、好ましくは0〜2%である。WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。
In+Ga(InとGaの合量)は必須成分ではないが、ガラスの失透を抑制するための成分であり、その含有量は合量で0〜5%、好ましくは0〜3%である。In+Gaの含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれ、逆にガラスが失透しやすくなる。なお、Inの含有量は0〜1%が好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%が好ましい。
Li、Na、KおよびCsの酸化物は、ガラスの軟化点を低くする成分であるが、溶融
時にガラスの失透を促進する作用を有するため合量で2%以下とするのが好ましい。
は、溶融時にガラスの失透を抑制する成分であるが、その添加量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相しやすくなる。
La、YおよびGdは、溶融時にガラスの分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。NiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
は、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。Vの含有量が7%より多いと、照射時にガラスに発泡が生じやすくなる。
CoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。CoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
MoOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MoOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
TiOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。TiOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。また、TiOの含有量が7%より多いと、ガラスの軟化点が高くなり過ぎ、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有する光を照射すると、光を吸収して、ガラスを軟化させやすくする成分であり、その含有量は0〜7%、好ましくは0〜3%である。MnOの含有量が7%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。
また、その他の成分であっても、ガラスの特性を損なわない範囲で15%(好ましくは5%)までガラス組成中に添加することができる。ただし、PbOは、既述の通り、環境的観点から、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、ビスマス系ガラス粉末25〜60体積%未満、耐火性フィラー粉末40超〜75体積%を含有し、ビスマス系ガラス粉末25〜50体積%未満、耐火性フィラー粉末50超〜75体積%を含有することが好ましく、ビスマス系ガラス粉末30〜45体積%、耐火性フィラー粉末55〜70体積%を含有することがより好ましい。ビスマス系ガラス粉末は、低融点であることから、低温で良好に流動する。また、ビスマス系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を40体積%より多く添加すれば、封着材料の熱膨張係数を無アルカリガラスの熱膨張係数に整合させやすくなる。その結果、無アルカリガラスや封着部位に不当な応力が残留する事態を防止することができる。ただし、耐火性フィラー粉末の含有量が75体積%より多いと、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなって、所望の流動性を確保することが困難になる。また、耐火性フィラー粉末の含有量が75体積%より多いと、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が10μm以下の場合、照射時にガラス中に耐火性フィラー粉末が溶解しやすくなり、その結果、ガラスが失透しやすくなる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度高く、しかもビスマス系ガラス粉末との適合性が良好である。更に、上記の耐火性フィラー粉末以外にも、封着材料の熱膨張係数の調整、流動性の調整および機械的強度の改善のために、石英ガラス、β−ユークリプタイト等の耐火性フィラー粉末を添加することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、熱膨張係数は、55×10−7/℃以下、50×10−7/℃以下、特に50×10−7/℃未満が好ましい。このようにすれば、無アルカリガラスや封着部位にかかる応力を小さくすることができ、封着部位の応力破壊を防ぐことができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、酸化物顔料を0〜10体積%、好ましくは0.1〜5体積%、より好ましくは0.5〜3体積%を含有することが好ましい。酸化物顔料の含有量が10体積%より多いと、ガラスが失透しやすくなり、ガラスの流動性が損なわれやすくなる。酸化物顔料として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物およびこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能であり、特に、酸化物顔料として、Mn系酸化物(例えば、東罐マテリアル株式会社製42−343B)が好ましい。これらの酸化物顔料は、レーザー光等の光吸収を促進させることが可能であり、その結果、封着材料の封着強度を高めることができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、封着部位の厚みを均一化するために、ガラスファイバー、ガラスビーズ、シリカビーズ、樹脂ビーズ等をスペーサーとして10体積%まで含有してもよい。また、本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、更に、光吸収を促進させるために、Cu、Fe、Mn、Co等の遷移金属粉末等を10体積%まで含有してもよい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、軟化点は550℃以下が好ましく、500℃以下がより好ましく、465℃以下が更に好ましい。軟化点が550℃より高いと、レーザー光等を照射しても、ガラスが軟化し難い傾向があり、ガラス基板同士の封着強度を高めるためには、レーザー光等の出力を上げる必要がある。軟化点の下限は特に限定されないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点を385℃以上に設定することが好ましい。ここで、「軟化点」とは、示差熱分析装置で測定した値を指し、空気中で昇温速度は10℃とする。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm以上であると、封着部位が厚くなりやすく、両ガラス基板間のギャップが大きくなり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。なお、耐火性フィラー粉末の効果(例えば、封着材料の熱膨張係数を低下させる効果)を的確に享受するためには、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50を0.5μm以上にするのが好ましい。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μmより大きいと、封着部位において、30μm以上の厚みを有する箇所が発生するため、両ガラス基板間のギャップが不均一になり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくすることができ、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50は15μm未満が好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、1〜5μmが更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の平均粒子径D50を15μm未満にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料において、ビスマス系ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。ビスマス系ガラス粉末の最大粒子径Dmaxを30μm以下にすると、両ガラス基板間のギャップを小さくしやすくなり、このような場合、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数の差が大きくても、ガラス基板および封着部位にクラック等が発生し難くなるとともに、封着に要する時間を短縮することができる。
本発明の有機ELディスプレイ用封着材料は、粉末のまま使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、ペーストに加工すると取り扱いやすい。ビークルは、主に溶媒と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。作製されたペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いてガラス基板に塗布され、脱バインダー工程に供される。
樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1〜3は本発明の実施例(試料No.1〜12)および比較例(試料No.13〜18)を示している。
Figure 2010047441
Figure 2010047441
Figure 2010047441
表1〜3に記載の各試料は次のようにして調製した。まず、表に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1100℃で1時間溶融した。次に、水冷ローラーにより、溶融ガラスを薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級し、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmの各ガラス粉末を得た。
耐火物フィラー粉末は、コーディエライト、ウイレマイト、リン酸ジルコニウムを用いた。各耐火性フィラー粉末は、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが10μmになるように調製した。
表中に示す通り、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を混合し、試料No.1〜18を作製した。試料No.1〜18につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、接合の可否、クラックの有無および失透状態を評価した。
ガラス転移点、軟化点は、示差熱分析装置で測定した。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
熱膨張係数は、押棒式熱膨張係数測定装置で求めた。測定温度範囲は30〜300℃とした。
接合の可否、クラックの有無および失透状態は次のように評価した。
まず、各試料とエチルセルロース系ビークルを混練し、粘度が約150Pa・sになるように調製した後、更に三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した。このペーストを、短冊状に加工した無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、10mm×50mm×0.7mm厚、熱膨張係数(30〜380℃)38×10−7/℃)の中心部に線幅0.8mm×長さ4mm×厚み20μmになるように印刷塗布した後、乾燥オーブンで120℃30分間乾燥した。次に、表中に示す軟化点で120分間焼成し、ビークルに含まれる樹脂成分を脱バインダーした。焼成に際し、昇降温速度は10℃/分とした。続いて、上記グレーズ膜が形成された無アルカリガラス基板の上に、同一形状の短冊状に加工した無アルカリガラス基板を正確に重ねた後、グレーズ膜が形成されていないガラス基板側からグレーズ膜に沿って、波長808nmの半導体レーザー(出力20W、走査速度2mm/s)を照射した。
レーザー光によりガラスが軟化し、両ガラス基板が接合されていたものを「接合可」、ガラスが軟化せず、両ガラス基板が接合されていなかったものを「接合不可」と評価した。「接合可」と判断した観察試料について、光学顕微鏡(100倍)で接合部位近傍のガラス基板を観察し、クラックの有無を評価した。また、「接合可」と判断した観察試料について、光学顕微鏡(100倍)で接合部位の表面を観察し、表面に結晶が観察されなかったものを「○」、表面に結晶が観察されたものを「×」として、失透状態を評価した。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜12は、ガラス組成中に光吸収特性に優れるCuO+Feを0.5質量%以上含有しているため、レーザー光により両ガラス基板を接合することができた。よって、ガラス組成中にCuO+Feを所定量添加すると、ガラスがレーザー光を吸収し、熱エネルギーに効率良く変換できると考えられる。また、試料No.1〜12は、熱膨張係数が50×10−7/℃以下であり、無アルカリガラスとの熱膨張係数差が小さいため、接合後にガラス基板に残存する歪み量が小さくなり、ガラス基板にクラックが観察されなかった。したがって、試料No.1〜12は、無アルカリガラス基板を用いた有機ELディスプレイに好適に使用可能であると考えられる。
表3から明らかなように、試料No.13〜15は、ガラス組成中にCuO+Feを所定量含有していないため、光吸収特性が低く、レーザー光により両ガラス基板を接合することができなかった。試料No.16、17は、ガラス組成中にCuO+Feを所定量含有しているため、レーザー光により両ガラス基板を接合することができたが、接合部近傍のガラス基板にクラックが観察された。これは、試料No.16、17と無アルカリガラスの熱膨張係数差が大きく、接合後に大きな歪みがガラス基板に残存したことに起因していると考えられる。試料No.18は、「接合不可」の評価であった。これは、耐火性フィラー粉末の含有量が76体積%と多いため、レーザー光の照射時にガラスが失透し、軟化変形が阻害されたことに起因していると考えられる。

Claims (12)

  1. ビスマス系ガラス粉末25〜60体積%未満、耐火性フィラー粉末40超〜75体積%を含有し、且つビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、CuO+Feを0.5〜15質量%含有することを特徴とする有機ELディスプレイ用封着材料。
  2. ビスマス系ガラス粉末25〜50体積%未満、耐火性フィラー粉末50超〜75体積%を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  3. 照射光による封着処理に供されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  4. 照射光がレーザー光であることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  5. 照射光が赤外光であることを特徴とする請求項3に記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  6. ビスマス系ガラス粉末が、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%表示で、Bi 67〜87%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜15%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  7. 耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化スズから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  8. 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  9. 熱膨張係数が55×10−7/℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  10. 耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50が15μm未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  11. 耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが30μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
  12. 更に、酸化物顔料を0〜10体積%含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の有機ELディスプレイ用封着材料。
JP2008212424A 2008-02-28 2008-08-21 有機elディスプレイ用封着材料 Expired - Fee Related JP5440997B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008212424A JP5440997B2 (ja) 2008-08-21 2008-08-21 有機elディスプレイ用封着材料
KR1020107007027A KR101236369B1 (ko) 2008-02-28 2009-01-26 유기 el 디스플레이용 봉착 재료
KR1020137004395A KR101330100B1 (ko) 2008-02-28 2009-01-26 유기 el 디스플레이용 봉착 재료
KR1020127007798A KR101236371B1 (ko) 2008-02-28 2009-01-26 유기 el 디스플레이용 글레이즈막 부착 무알칼리 유리 기판
KR1020127007795A KR20120046321A (ko) 2008-02-28 2009-01-26 유기 el 디스플레이용 봉착 재료
KR1020127007801A KR101236373B1 (ko) 2008-02-28 2009-01-26 유기 el 디스플레이의 제조 방법
PCT/JP2009/051167 WO2009107428A1 (ja) 2008-02-28 2009-01-26 有機elディスプレイ用封着材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008212424A JP5440997B2 (ja) 2008-08-21 2008-08-21 有機elディスプレイ用封着材料

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010047441A true JP2010047441A (ja) 2010-03-04
JP2010047441A5 JP2010047441A5 (ja) 2012-12-13
JP5440997B2 JP5440997B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=42064869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008212424A Expired - Fee Related JP5440997B2 (ja) 2008-02-28 2008-08-21 有機elディスプレイ用封着材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5440997B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158805A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 旭硝子株式会社 封着材料ペーストとそれを用いた電子デバイスの製造方法
WO2012001824A1 (ja) * 2010-07-02 2012-01-05 有限会社ソフィアプロダクト 接合材
JP2013047170A (ja) * 2011-07-27 2013-03-07 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着材料層付きガラス基板及びこれを用いた有機elデバイス
JP2015137186A (ja) * 2014-01-20 2015-07-30 旭硝子株式会社 封着材料、封着材料層付き基板およびその製造方法、ならびに封着体
WO2017170051A1 (ja) * 2016-04-01 2017-10-05 日本電気硝子株式会社 ガラス粉末及びそれを用いた封着材料
JP2018062445A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 日本電気硝子株式会社 ビスマス系ガラス及びそれを用いた封着材料

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0859294A (ja) * 1994-08-17 1996-03-05 Nippon Electric Glass Co Ltd 低融点封着用組成物
JP2000128574A (ja) * 1998-10-21 2000-05-09 Nippon Electric Glass Co Ltd ビスマス系ガラス組成物
JP2003522089A (ja) * 2000-01-31 2003-07-22 キャンデゼント テクノロジーズ コーポレイション 同調シール材およびシール方法
JP2006143480A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Nippon Electric Glass Co Ltd Bi2O3−B2O3系ガラス組成物およびBi2O3−B2O3系封着材料
JP2007031258A (ja) * 2005-06-23 2007-02-08 Asahi Techno Glass Corp 低融点ガラスおよび封着用組成物ならびに封着用ペースト
JP2007210870A (ja) * 2005-03-09 2007-08-23 Nippon Electric Glass Co Ltd ビスマス系ガラス組成物およびビスマス系封着材料
JP2008037740A (ja) * 2006-07-11 2008-02-21 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着用ガラス組成物および封着材料
JP2008117767A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Corning Inc 発光ディスプレイ装置のためのシール、方法、および装置
JP2009155200A (ja) * 2007-12-06 2009-07-16 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着材料
JP2009227566A (ja) * 2008-02-28 2009-10-08 Nippon Electric Glass Co Ltd 有機elディスプレイ用封着材料
JP5311274B2 (ja) * 2008-07-14 2013-10-09 日本電気硝子株式会社 ビスマス系ガラス組成物および封着材料

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0859294A (ja) * 1994-08-17 1996-03-05 Nippon Electric Glass Co Ltd 低融点封着用組成物
JP2000128574A (ja) * 1998-10-21 2000-05-09 Nippon Electric Glass Co Ltd ビスマス系ガラス組成物
JP2003522089A (ja) * 2000-01-31 2003-07-22 キャンデゼント テクノロジーズ コーポレイション 同調シール材およびシール方法
JP2006143480A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Nippon Electric Glass Co Ltd Bi2O3−B2O3系ガラス組成物およびBi2O3−B2O3系封着材料
JP2007210870A (ja) * 2005-03-09 2007-08-23 Nippon Electric Glass Co Ltd ビスマス系ガラス組成物およびビスマス系封着材料
JP2007031258A (ja) * 2005-06-23 2007-02-08 Asahi Techno Glass Corp 低融点ガラスおよび封着用組成物ならびに封着用ペースト
JP2008037740A (ja) * 2006-07-11 2008-02-21 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着用ガラス組成物および封着材料
JP2008117767A (ja) * 2006-11-07 2008-05-22 Corning Inc 発光ディスプレイ装置のためのシール、方法、および装置
JP2009155200A (ja) * 2007-12-06 2009-07-16 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着材料
JP2009227566A (ja) * 2008-02-28 2009-10-08 Nippon Electric Glass Co Ltd 有機elディスプレイ用封着材料
JP5311274B2 (ja) * 2008-07-14 2013-10-09 日本電気硝子株式会社 ビスマス系ガラス組成物および封着材料

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158805A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 旭硝子株式会社 封着材料ペーストとそれを用いた電子デバイスの製造方法
US9085483B2 (en) 2010-06-14 2015-07-21 Asahi Glass Company, Limited Sealing material paste and process for producing electronic device employing the same
JP5716743B2 (ja) * 2010-06-14 2015-05-13 旭硝子株式会社 封着材料ペーストとそれを用いた電子デバイスの製造方法
US8871661B2 (en) 2010-07-02 2014-10-28 Sophia Product Co. Bonding material
JP5349694B2 (ja) * 2010-07-02 2013-11-20 有限会社ソフィアプロダクト 接合材
KR101416203B1 (ko) 2010-07-02 2014-07-15 유겡가이샤 소피아 프로덕트 접합재
CN103025676A (zh) * 2010-07-02 2013-04-03 有限会社苏菲亚制造 接合材料
WO2012001824A1 (ja) * 2010-07-02 2012-01-05 有限会社ソフィアプロダクト 接合材
JP2013047170A (ja) * 2011-07-27 2013-03-07 Nippon Electric Glass Co Ltd 封着材料層付きガラス基板及びこれを用いた有機elデバイス
JP2017014103A (ja) * 2011-07-27 2017-01-19 日本電気硝子株式会社 封着材料層付きガラス基板及びこれを用いた有機elデバイス
JP2015137186A (ja) * 2014-01-20 2015-07-30 旭硝子株式会社 封着材料、封着材料層付き基板およびその製造方法、ならびに封着体
WO2017170051A1 (ja) * 2016-04-01 2017-10-05 日本電気硝子株式会社 ガラス粉末及びそれを用いた封着材料
CN108883971A (zh) * 2016-04-01 2018-11-23 日本电气硝子株式会社 玻璃粉末及使用其的密封材料
JPWO2017170051A1 (ja) * 2016-04-01 2019-02-07 日本電気硝子株式会社 ガラス粉末及びそれを用いた封着材料
JP2018062445A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 日本電気硝子株式会社 ビスマス系ガラス及びそれを用いた封着材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP5440997B2 (ja) 2014-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5458579B2 (ja) 有機elディスプレイ用封着材料
JP6455801B2 (ja) 封着材料
JP5224102B2 (ja) 有機elディスプレイ用封着材料
WO2011122218A1 (ja) 封着材料及びこれを用いたペースト材料
JP5500079B2 (ja) 封着材料層付きガラス部材とその製造方法、および電子デバイスとその製造方法
JP6075715B2 (ja) ビスマス系ガラス及びこれを用いた封着材料
JP2009221048A (ja) バナジウム系ガラス組成物およびバナジウム系材料
JP5190671B2 (ja) バナジウム系ガラス組成物およびバナジウム系材料
JP5440997B2 (ja) 有機elディスプレイ用封着材料
JP2011057477A (ja) 封着材料
JP6269991B2 (ja) 封着材料層付きガラス基板
JP5458648B2 (ja) 有機el照明用封着材料
WO2009107428A1 (ja) 有機elディスプレイ用封着材料
JP4941880B2 (ja) ビスマス系ガラス組成物およびビスマス系封着材料
JP5224103B2 (ja) 封着用ガラス組成物および封着材料
JP2011225426A (ja) 封着材料及びこれを用いたペースト材料
KR101236371B1 (ko) 유기 el 디스플레이용 글레이즈막 부착 무알칼리 유리 기판
JP5489061B2 (ja) フィラー粉末およびこれを用いた封着材料
JP2012106900A (ja) 封着材料及びこれを用いたペースト材料
JP2012162441A (ja) 封着材料及びこれを用いたペースト材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20130729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131208

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees