JPWO2017170051A1 - ガラス粉末及びそれを用いた封着材料 - Google Patents

ガラス粉末及びそれを用いた封着材料 Download PDF

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Abstract

本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi2O3+CuO 83〜95%、Bi2O375〜90%、B2O33〜12%、ZnO 1〜10%、Al2O30〜5%、CuO 4〜15%、Fe2O30〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜7%を含有し、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする。

Description

本発明は、ガラス粉末及びそれを用いた封着材料に関し、特にレーザー光による封着処理(以下、レーザー封着)に好適なガラス粉末及びそれを用いた封着材料に関する。
近年、フラットディスプレイパネルとして、有機ELディスプレイが注目されている。従来まで、有機ELディスプレイの接着材料として、低温硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着剤では、気体や水分の浸入を完全に遮断できないため、耐水性が低いアクティブ素子や有機発光層が劣化し易く、有機ELディスプレイの表示特性が経時的に劣化するという不具合が生じていた。
一方、ガラス粉末を含む封着材料は、有機樹脂系接着剤に比べて、気体や水分が透過し難いため、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保することができる。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時にアクティブ素子や有機発光層を熱劣化させる虞がある。このような事情から、レーザー封着が着目されている。レーザー封着によれば、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、アクティブ素子や有機発光層を熱劣化させることなく、無アルカリガラス基板等の被封着物を封着することができる。
更に、上記有機ELディスプレイ以外にも、気密パッケージの特性維持や長寿命化を図ることが検討されている。例えば、LED素子が実装された気密パッケージでは、熱伝導性の観点から、基体として、窒化アルミニウム、サーマルビアを有する低温焼成基板(LTCC)が使用されるが、この場合も、基体と蓋(リッド)をレーザー封着することが好ましい。特に、紫外波長領域で発光するLED素子が実装された気密パッケージでは、レーザー封着により紫外波長領域で発光特性を維持し易くなる。更にレーザー封着によりLED素子の熱劣化を防止することもできる。
米国特許第6416375号明細書 特開2006−315902号公報
本発明者の調査によると、レーザー封着に際し、封着材料の流動性が重要になる。封着材料の流動性が高いと、レーザー封着強度が向上し、機械的衝撃等により気密リーク等が生じ難くなる。そして、封着材料の流動性を向上させるためには、封着材料の低融点化が有効である。
しかし、封着材料の流動性を高めようとすると、耐火性フィラー粉末の含有量を多くしたり、ガラス粉末中に低軟化成分を多くしなければならず、封着材料の熱膨張係数が上昇し易くなる。結果として、無アルカリガラス基板、窒化アルミ基板、LTCC等の被封着物の熱膨張係数に整合し難くなり、被封着物や封着材料層にクラック等が発生し、気密性を確保し難くなる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、レーザー封着時の流動性が高く、且つ熱膨張係数が低いガラス粉末及びそれを用いた封着材料を創案することにより、有機ELディスプレイ、気密パッケージ等の特性劣化を抑制することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、ガラス粉末のガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi+CuO 83〜95%、Bi 75〜90%、B 3〜12%、ZnO 1〜10%、Al 0〜5%、CuO 4〜15%、Fe 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜7%を含有し、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする。ここで、「Bi+CuO」は、BiとCuOの合量を指す。「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が0.1質量%未満の場合を指す。
本発明者の調査によると、BiとCuOの合量は、レーザー封着時の流動性を高めるために大きな影響を与える。本発明のガラス粉末は、ガラス組成中のBi+CuOの含有量が83〜95質量%である。Bi+CuOの含有量を83質量%以上に規制すると、レーザー封着時の流動性を高めることができる。一方、Bi+CuOの含有量を95質量%以上に規制すると、レーザー封着時にガラスが失透して、所望の流動性を確保し易くなる。
また、本発明のガラス粉末は、ガラス組成中のCuOの含有量が4〜15質量%である。CuOの含有量を4質量%以上に規制すると、光吸収特性が向上するため、レーザー封着時の流動性を高めることができる。一方、CuOの含有量を15質量%以下に規制すると、レーザー封着時にガラスが失透し難くなる。
また、本発明のガラス粉末は、ガラス組成中のZnOの含有量が1〜10質量%である。ZnOの含有量を1質量%以上に規制すると、熱膨張係数を低下させることができる。一方、ZnOの含有量を10質量%以下に規制すると、Bi+CuOの含有量が83質量%以上である場合に、レーザー封着時にガラスが失透し難くなる。
更に、本発明のガラス粉末は、ガラス組成中のMgO+CaO+SrO+BaOの含有量が7質量%以下である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量を7質量%以下に規制すると、レーザー封着時に流動性を確保しながら、熱膨張係数を低下させ易くなる。
本発明のガラス粉末は、ガラス組成中に実質的にPbOを含有していない。このようにすれば、近年の環境的要請を満たすことができる。
第二に、本発明のガラス粉末は、ZnOの含有量が1〜5質量%未満であることが好ましい。
第三に、本発明のガラス粉末は、質量比(Bi+CuO)/ZnOが15〜70であることが好ましい。ここで、「(Bi+CuO)/ZnO」は、BiとCuOの合量をZnOの含有量で割った値を指す。
第四に、本発明のガラス粉末は、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が0〜2.0質量%未満であることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着時に良好な流動性を確保しながら、熱膨張係数を確実に低下させることができる。その結果、レーザー封着後の長期信頼性を高めることができる。
第五に、本発明の封着材料は、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料において、ガラス粉末が上記のガラス粉末であり、ガラス粉末の含有量が50〜95体積%であり、耐火性フィラー粉末の含有量が5〜50体積%であることが好ましい。
第六に、本発明の封着材料は、耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム系化合物、ジルコン、ジルコニア、酸化スズ、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体、スポジュメンから選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、上記ガラス粉末と適合性が良好であり、低熱膨張である。よって、これらの耐火性フィラー粉末を用いると、封着時にガラス粉末を失透させることなく、被封着物の熱膨張係数に整合するように封着材料の熱膨張係数を下げることができる。
第七に、本発明の封着材料は、更にレーザー吸収材を0〜25体積%含有することが好ましい。
第八に、本発明の封着材料は、レーザー吸収材が、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらの複合酸化物から選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。このようにすれば、レーザー光を熱エネルギーに変換し易くなるため、レーザー封着強度を高めることができる。ここで、「〜系酸化物」とは、明示の成分を必須成分として含む酸化物を指す。
第九に、本発明の封着材料は、レーザー封着に用いることが好ましい。このようにすれば、封着材料層を局所加熱し得るため、耐熱性が低い素子の熱劣化を防止することができる。なお、レーザー封着に使用するレーザー光の光源は、特に限定されないが、例えば半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等が、取り扱いが容易な点で好適である。また、レーザー光の発光中心波長は、上記封着材料にレーザー光を的確に吸収させるために、500〜1600nm、特に750〜1300nmが好ましい。
本発明に係る気密パッケージの一実施形態を説明するための概略断面図である。
本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi+CuO 83〜95%、Bi 75〜90%、B 3〜12%、ZnO 1〜10%、Al 0〜5%、CuO 4〜15%、Fe 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜7%を含有し、実質的にPbOを含有しないことを特徴とする。上記のようにガラス粉末のガラス組成範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各ガラス成分の説明において、%表示は、質量%を指す。
BiとCuOの合量は、レーザー封着時の流動性を高めるために大きな影響を与える。Bi+CuOの含有量は83〜95%であり、好ましくは85〜92%、特に87〜91%である。Bi+CuOの含有量が少な過ぎると、レーザー光を照射しても、ガラスが十分に軟化流動せず、レーザー封着強度を確保し難くなる。但し、Bi+CuOの含有量が多過ぎると、レーザー封着時にガラスが失透して、所望の流動性を確保できなくなる。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は75〜90%であり、好ましくは76〜86%、より好ましくは77超〜84%、更に好ましくは78〜82%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
は、ガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は3〜12%であり、好ましくは4〜10%、より好ましくは5〜9%である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、熱膨張係数を低下させる成分である。ZnOの含有量は1〜10%であり、好ましくは2〜7%、2.5〜6%、特に3〜5%未満である。ZnOの含有量が少な過ぎると、熱膨張係数が高くなり易い。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、Bi+CuOの含有量が83%以上である場合に、ガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
質量比(Bi+CuO)/ZnOは、好ましくは15〜70、20〜50、23〜45、特に25〜40である。質量比(Bi+CuO)/ZnOが小さ過ぎると、レーザー光を照射しても、ガラスが十分に軟化流動せず、レーザー封着強度を確保し難くなる。一方、質量比(Bi+CuO)/ZnOが大き過ぎると、熱膨張係数が高くなり易い。
Alは、耐水性を高める成分である。その含有量は0〜5%、0〜3%、特に0.1〜2%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CuOは、光吸収特性を高める成分、つまりレーザー光を吸収して、ガラスを軟化させる成分である。更にBiの含有量が77%より多い場合に、レーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuOの含有量は、好ましくは4〜15%、5〜12%、6〜11%、特に7超〜10%である。CuOの含有量が少な過ぎると、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成中の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
Feは、光吸収特性を高める成分、つまりレーザー光を吸収して、ガラスを軟化させる成分である。更にBiの含有量が77%より多い場合に、レーザー封着時の失透を抑制する成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜5%、0.05〜4%、0.1〜3%、特に0.2〜2%である。Feの含有量が少な過ぎると、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成中の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、熱的安定性を高める成分である。しかし、Bi+CuOの含有量が83%以上である場合に、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量が多過ぎると、レーザー封着時に流動性を確保しながら、熱膨張係数を低下させることが困難になる。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量及び個別含有量は、好ましくは0〜7%、0〜5%、0〜3%、0〜2.0%未満、0〜1%、0〜1.0%未満、0〜0.5%、特に0〜0.1%未満である。
質量比(Bi+CuO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)は、好ましくは35以上、50以上、100以上、特に150以上である。質量比(Bi+CuO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)が小さ過ぎると、レーザー封着時に流動性を確保しながら、熱膨張係数を低下させることが困難になる。なお、「(Bi+CuO)/(MgO+CaO+SrO+BaO)」は、BiとCuOの合量をMgO、CaO、SrO及びBaOの合量で割った値を指す。
上記の成分以外にも、例えば、以下の成分を導入してもよい。なお、その導入量は、合量で12%以下、10%以下、特に5%以下が好ましい。
SiOは、耐水性を高める成分である。その含有量は0〜10%、0〜5%、特に0〜1%未満が好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Sbは、失透を抑制する成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜2%、特に0〜1%である。Sbは、Biの含有量が77%より多い場合に、レーザー封着時の失透を抑制する成分である。但し、Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成中の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
Ndは、失透を抑制する成分である。Ndの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜2%、特に0〜1%である。Ndは、Biの含有量が77%より多い場合に、レーザー封着時の失透を抑制する成分である。但し、Ndの含有量が多過ぎると、ガラス組成中の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
LiO、NaO、KO及びCsOは、軟化点を低下させる成分であるが、溶融時に失透を助長する作用を有する。よって、これらの成分の含有量は、合量で2%以下、特に1%未満が好ましい。
は、溶融時の失透を抑制する成分であるが、その添加量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相し易くなる。
La、Y及びGdは、溶融時の分相を抑制する成分であるが、各々の成分の含有量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiO、V、CoO、MoO、TiO、CeO及びMnOは、光吸収特性を高める成分である。各々の成分の含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜7%で未満ある。各々の成分の含有量が多過ぎると、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは、好ましくは10μm以下、特に5μm以下である。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxを大き過ぎると、レーザー封着に要する時間が長くなると共に、被封着物間のギャップを均一化し難くなり、レーザー封着の精度が低下し易くなる。ここで、「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
本発明のガラス粉末において、軟化点は、好ましくは480℃以下、450℃以下、特に350〜430℃が好ましい。ガラス粉末の軟化点が高過ぎると、レーザー封着時にガラスが軟化し難くなるため、レーザー光の出力を上昇させない限り、レーザー封着強度を高めることができない。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析で測定した時の第四変曲点の温度を指す。
本発明の封着材料は、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料において、ガラス粉末が上記のガラス粉末であり、ガラス粉末の含有量が50〜95体積%であり、耐火性フィラー粉末の含有量が5〜50体積%であることが好ましい。ガラス粉末は、融剤として作用し、レーザー封着時に軟化流動して、被封着物同士を気密一体化させる材料である。耐火性フィラー粉末は、骨材として作用し、封着材料の熱膨張係数を低下させると共に、封着材料層の機械的強度を高める材料である。
本発明の封着材料において、耐火性フィラー粉末の含有量は、好ましくは1〜50体積%、10〜45体積%、20〜40体積%、特に22〜35体積%である。耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなり、所望の流動性、レーザー封着強度を確保し難くなる。なお、耐火性フィラー粉末の含有量が少な過ぎると、耐火性フィラー粉末の添加効果が乏しくなる。
耐火性フィラー粉末として、種々の材料が使用可能であるが、その中でも、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム系化合物、ジルコン、ジルコニア、酸化スズ、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体、スポジュメンが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかも本発明のガラス粉末との適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxは、好ましくは15μm以下、10μm未満、5μm未満、特に0.5〜3μm未満である。耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが大き過ぎると、被封着物間のギャップを均一化し難くなると共に、被封着物間のギャップを狭小化し難くなり、気密パッケージを薄型化、小型化を図り難くなる。なお、被封着物間のギャップが大きい場合に、被封着物と封着材料層の熱膨張係数差が大きいと、被封着物や封着材料層にクラック等が発生し易くなる。
本発明の封着材料は、レーザー光を吸収して熱エネルギーに変換するために、レーザー吸収材を更に含んでいてもよく、その含有量は、好ましくは0〜25体積%、特に0〜10体積%である。レーザー吸収材の含有量が多過ぎると、レーザー封着時に、レーザー吸収材がガラスに溶け込み易くなり、封着材料の熱的安定性が損なわれ易くなる。
レーザー吸収材の平均粒子径D50は、好ましくは0.01〜3μm、0.1〜2.5μm、0.3〜2μm、特に0.5〜1.5μmである。また、レーザー吸収材の最大粒子径Dmaxは、好ましくは20μm未満、10μm未満、6μm以下、特に0.5〜4μmである。レーザー吸収材の粒子径が小さ過ぎると、レーザー封着時に、レーザー吸収材がガラスに溶け込み易くなり、封着材料の熱的安定性が損なわれ易くなる。一方、レーザー吸収材の粒子径が大き過ぎると、封着材料中にレーザー吸収材を均一に分散させ難くなり、局所的に封着不良が発生する虞がある。ここで、「平均粒子径D50」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
レーザー吸収材として、種々の材料が使用可能であるが、その中でも、本発明のガラス粉末との適合性の観点から、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらの複合酸化物が好ましい。その中でも、光吸収特性の観点からCu系酸化物及びこの複合酸化物が特に好ましく、本発明のガラス粉末との適合性の観点から、Mn系酸化物及びこの複合酸化物が特に好ましい。
レーザー吸収材は、黒色であることが好ましい。黒色のレーザー吸収材を用いると、レーザー光の光エネルギーを熱エネルギーに変換し易くなると共に、封着材料中に異物が混入しても、封着材料層に外観不良が生じ難くなる。黒色のレーザー吸収材としては、Al−Cu−Fe−Mn系複合酸化物、Al−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Co−Cr−Fe−Ni−Zn系複合酸化物、Co−Fe−Mn−Ni系複合酸化物、Cr−Cu系複合酸化物、Cr−Cu−Mn系複合酸化物、Cr−Fe−Mn系複合酸化物、Fe−Mn系複合酸化物、Cr、Cが好ましく、本発明のガラス粉末との適合性の観点から、Al−Fe−Mn系複合酸化物が特に好ましい。
本発明の封着材料において、熱膨張係数は、好ましくは85×10−7/℃以下、82×10−7/℃以下、79×10−7/℃以下、特に50×10−7/℃以上、且つ76×10−7/℃以下である。このようにすれば、被封着物が低膨張である場合、被封着物や封着材料層に残留する応力が小さくなるため、被封着物や封着材料層にクラックが生じ難くなる。ここで、「熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値を指し、測定温度範囲は30〜300℃とする。
本発明の封着材料において、軟化点は、好ましくは510℃以下、480℃以下、特に350〜450℃である。封着材料の軟化点が高過ぎると、レーザー封着時に封着材料層が軟化し難くなるため、レーザー光の出力を上昇させない限り、レーザー封着強度を高めることができない。
本発明の封着材料は、粉末の状態で使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、封着材料ペーストに加工すると取り扱い易い。ビークルは、主に溶媒と樹脂で構成される。樹脂は、封着材料ペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。封着材料ペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて被封着物上に塗布された後、脱バインダー工程に供される。
樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
本発明の封着材料は、レーザー封着時の流動性が高く、且つ熱膨張係数が低いため、気密パッケージのパッケージ基体とガラス蓋のレーザー封着に好適に使用可能である。本発明に係る気密パッケージは、パッケージ基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、該封着材料層が、封着材料の焼結体であり、該封着材料が、上記の封着材料であることを特徴とする。以下、本発明に係る気密パッケージについて、詳細に説明する。
パッケージ基体は、基部と基部上に設けられた枠部とを有することが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体の枠部内にセンサー素子等の内部素子を収容し易くなる。パッケージ基体の枠部は、パッケージ基体の外側端縁領域に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。またセンサー素子等の内部素子をパッケージ基体内の空間に収容し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
枠部の頂部における封着材料層が配される領域の表面の表面粗さRaは1.0μm未満であることが好ましい。この表面の表面粗さRaが大きくなると、レーザー封着の精度が低下し易くなる。ここで、「表面粗さRa」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。
枠部の頂部の幅は、好ましくは100〜7000μm、200〜6000μm、特に300〜5000μmである。枠部の頂部の幅が狭過ぎると、封着材料層と枠部の頂部との位置合わせが困難になる。一方、枠部の頂部の幅が広過ぎると、デバイスとして機能する有効面積が小さくなる。
パッケージ基体は、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料(例えば、窒化アルミニウムとガラスセラミックを一体化したもの)であることが好ましい。ガラスセラミックは、封着材料層と反応層を形成し易いため、レーザー封着で強固な封着強度を確保することができる。更にサーマルビアを容易に形成し得るため、気密パッケージが過度に温度上昇する事態を適正に防止することができる。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、気密パッケージが過度に温度上昇する事態を適正に防止することができる。
ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムは、黒色顔料が分散されている(黒色顔料が分散された状態で焼結されてなる)ことが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体が、封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果レーザー封着の際にパッケージ基体の封着材料層と接触する箇所が加熱されるため、封着材料層とパッケージ基体の界面で反応層の形成を促進することができる。
黒色顔料が分散されているパッケージ基体は、照射すべきレーザー光を吸収する性質を有すること、例えば、厚み0.5mm、照射すべきレーザー光の波長(808nm)における全光線透過率が10%以下(望ましくは5%以下)であることが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体と封着材料層の界面で封着材料層の温度が上がり易くなる。
パッケージ基体の基部の厚みは0.1〜2.5mm、特に0.2〜1.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
パッケージ基体の枠部の高さ、つまりパッケージ基体から基部の厚みを引いた高さは、好ましくは100〜2500μm、特に200〜1500μmである。このようにすれば、内部素子を適正に収容しつつ、気密パッケージの薄型化を図り易くなる。
ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。なお、ガラス蓋は、複数枚のガラス板を貼り合わせた積層ガラスであってもよい。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減することができる。
ガラス蓋の厚みは、好ましくは0.1mm以上、0.15〜2.0mm、特に0.2〜1.0mmである。ガラス蓋の厚みが小さいと、気密パッケージの強度が低下し易くなる。一方、ガラス蓋の厚みが大きいと、気密パッケージの薄型化を図り難くなる。
封着材料層は、レーザー光を吸収することにより軟化変形して、パッケージ基体の表層に反応層を形成し、パッケージ基体とガラス蓋とを気密一体化する機能を有している。
ガラス蓋と封着材料層の熱膨張係数差は50×10−7/℃未満、40×10−7/℃未満、特に30×10−7/℃以下が好ましい。この熱膨張係数差が大き過ぎると、封着部分に残留する応力が不当に高くなり、気密パッケージの気密信頼性が低下し易くなる。
封着材料層は、枠部との接触位置が枠部の頂部の内側端縁から離間するように形成されると共に、枠部の頂部の外側端縁から離間するように形成することが好ましく、枠部の頂部の内側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されることが更に好ましい。枠部の頂部の内側端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の内側端縁と封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。また枠部の頂部の外側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されていることが好ましい。枠部の頂部の外側端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の外側端縁と封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。
封着材料層は、ガラス蓋との接触位置がガラス蓋の端縁から50μm以上、60μm以上、70〜1500μm、特に80〜800μm離間するように形成されていることが好ましい。ガラス蓋の端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、ガラス蓋の端縁領域において、ガラス蓋の内部素子側の表面と外側の表面の表面温度差が大きくなり、ガラス蓋が破損し易くなる。
封着材料層は、枠部の頂部の幅方向の中心線上に形成されている、つまり枠部の頂部の中央領域に形成されていることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ易くなるため、ガラス蓋が破損し難くなる。なお、枠部の頂部の幅が充分に大きい場合は、枠部の頂部の幅方向の中心線上に封着材料層を形成しなくてもよい。
封着材料層の平均厚みは、好ましくは8.0μm未満、特に1.0μm以上、且つ7.0μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、気密パッケージ内のα線放出率が少なくなるため、内部素子のソフトエラーを防止し易くなる。封着材料層の平均厚みが小さい程、レーザー封着の精度が向上する。更に封着材料層とガラス蓋の熱膨張係数が不整合である時に、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減することもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
封着材料層の最大幅は、好ましくは1μm以上、且つ2000μm以下、特に100μm以上、且つ1500μm以下である。封着材料層の最大幅を狭くすると、封着材料層を枠部の端縁から離間させ易くなるため、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減し易くなる。更にパッケージ基体の枠部の幅を狭くすることができ、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。一方、封着材料層の最大幅が狭過ぎると、封着材料層に大きなせん断応力がかかると、封着材料層がバルク破壊し易くなる。更にレーザー封着の精度が低下し易くなる。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。図1は、本発明に係る気密パッケージの一実施形態を説明するための概略断面図である。図1から分かるように、気密パッケージ1は、パッケージ基体10とガラス蓋11とを備えている。また、パッケージ基体10は、基部12と、基部12の外周端縁上に額縁状の枠部13とを有している。そして、パッケージ基体10の枠部13で囲まれた空間には、内部素子14が収容されている。なお、パッケージ基体10内には、内部素子14と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
封着材料層15は、封着材料の焼結体であり、該封着材料は、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含むが、実質的にレーザー吸収材を含んでいない。そして、このガラス粉末は、ガラス組成として、質量%で、Bi+CuO 83〜95%、Bi 75〜90%、B 3〜12%、ZnO 1〜10%、Al 0〜5%、CuO 4〜15%、Fe 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜7%を含有し、実質的にPbOを含有していない。また、封着材料層15は、パッケージ基体10の枠部13の頂部とガラス蓋11の内部素子14側の表面との間に、枠部13の頂部の全周に亘って配されている。封着材料層15の幅は、パッケージ基体10の枠部13の頂部の幅よりも小さく、更にガラス蓋11の端縁から離間している。更に封着材料層15の平均厚みは8.0μm未満になっている。
上記気密パッケージ1は、次のようにして作製することができる。まず封着材料層15と枠部13の頂部が接するように、封着材料層15が予め形成されたガラス蓋11をパッケージ基体10上に載置する。続いて、押圧治具を用いてガラス蓋11を押圧しながら、ガラス蓋11側から封着材料層15に沿って、レーザー照射装置から出射したレーザー光Lを照射する。これにより、封着材料層15が軟化流動し、パッケージ基体10の枠部13の頂部の表層と反応することで、パッケージ基体10とガラス蓋11が気密一体化されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜11)と比較例(試料No.12〜15)を示している。
Figure 2017170051
Figure 2017170051
次のようにして、表中に記載のガラス粉末を作製した。まず表中のガラス組成になるように、各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1000〜1100℃で1〜2時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスを水冷ローラーにより薄片状に成形した。最後に、薄片状のガラスをボールミルにて粉砕後、空気分級により、平均粒子径D50が1.0μm、最大粒子径Dmaxが4μmとなるガラス粉末を得た。
耐火物フィラー粉末として、コーディエライト、β−ユークリプタイト及びβ−石英固溶体を用いた。これらの耐火性フィラー粉末は、空気分級により、平均粒子径D501.0μm、最大粒子径Dmax3μmに調整されている。
レーザー吸収材として、Al−Fe−Mn系複合酸化物を用いた。Al−Fe−Mn系複合酸化物の平均粒子径D50は1.0μm、最大粒子径Dmaxは2.5μmであった。
ガラス粉末、耐火性フィラー粉末及びレーザー吸収材を表中に示す混合割合で混合し、試料No.1〜8、12〜14を作製した。またガラス粉末と耐火性フィラー粉末を表中に示す混合割合で混合し、試料No.9〜11、15を作製した。試料No.1〜15につき、熱膨張係数、流動性、レーザー封着強度及び気密性を評価した。
熱膨張係数は、TMA装置により、30〜300℃の温度範囲で測定した値である。なお、TMAの測定試料として、各試料を緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを用いた。
流動性は、各試料の合成密度に相当する質量の粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、これを40mm×40mm×2.8mm厚の高歪点ガラス基板上に載置し、空気中で10℃/分の速度で昇温した後、510℃で10分間保持した上で室温まで10℃/分で降温し、得られたボタンの直径を測定することで評価した。具体的には、流動径が17.5mm以上である場合を「○」、17.5mm未満である場合を「×」として評価した。なお、合成密度とは、ガラス粉末の密度と耐火物フィラー粉末の密度を、表中の体積比で混合させて算出される理論上の密度である。
次のようにして、レーザー封着した封着構造体(表中のタイプA)を作製した。まず、各試料とビークル(エチルセルロース樹脂含有のトリプロピレングリコールモノブチルエーテル)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、40mm×0.5mm厚、熱膨張係数38×10−7/℃)上に、無アルカリガラス基板の端縁に沿って額縁状(15μm厚、0.6mm幅)に塗布し、乾燥オーブンで120℃、10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、510℃で10分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温し、ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の固着を行い、無アルカリガラス基板上に封着材料層を形成した。次に、封着材料層を有する無アルカリガラス基板の上に、封着材料層が形成されていない別の無アルカリガラス基板(40mm×0.5mm厚)を正確に重ねた後、封着材料層を有する無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、無アルカリガラス基板同士を気密封着した。なお、封着材料層の平均厚みに応じて、レーザー光の照射条件(出力、照射速度)を調整した。最後に、得られた封着構造体を上方1mからコンクリート上に落下させて、レーザー封着した部分に剥離が発生しなかったものを「○」、剥離が発生したものを「×」として、レーザー封着後の接着強度、つまりレーザー封着強度を評価した。
更に、次のようにして、レーザー封着した封着構造体(表中のタイプB)を作製した。まず、各試料とビークル(エチルセルロース樹脂含有のトリプロピレングリコールモノブチルエーテル)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、アルカリ含有ガラス基板(日本電気硝子株式会社製BDA、10mm×0.2mm厚、熱膨張係数66×10−7/℃)上に、アルカリ含有ガラス基板の端縁に沿って額縁状(15μm厚、0.3mm幅)に塗布し、乾燥オーブンで120℃、10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、510℃で10分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温し、ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の固着を行い、アルカリ含有ガラス基板上に封着材料層を形成した。次に、封着材料層を有するアルカリ含有ガラス基板の上に、LTCC基板(10mm×1.5mm厚、熱膨張係数66×10−7/℃)を正確に重ねた後、封着材料層を有するアルカリ含有ガラス基板側から、封着材料層に沿って、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、アルカリ含有ガラス基板とLTCC基板を気密封着した。なお、封着材料層の平均厚みに応じて、レーザー光の照射条件(出力、照射速度)を調整した。最後に、得られた封着構造体を上方1mからコンクリート上に落下させて、レーザー封着した部分に剥離が発生しなかったものを「○」、剥離が発生したものを「×」として、レーザー封着後の接着強度、つまりレーザー封着強度を評価した。
次のようにして、封着構造体(表中のタイプA、B)の気密性を評価した。レーザー封着強度の評価と同様にして、各試料につき封着構造体を作製した。但し、レーザー封着強度の評価とは異なり、レーザー封着前に、封着材料層で形成される額縁の中央部に相当するガラス基板上に、300nm厚の金属Ca膜(タイプA:□25mm、タイプB:□5mm、各)を真空蒸着で形成した。次に、レーザー封着後の封着構造体を121℃、湿度100%、2気圧に保持された恒温恒湿槽内で24時間保持した。その後、金属Ca膜が金属光沢を保持していたものを「○」、透明になったものを「×」として、気密性を評価した。なお、金属Ca膜は、水分と反応すると、透明な水酸化カルシウムになる。
表1から分かるように、試料No.1〜11は、ガラス粉末のガラス組成が所定範囲に規制されているため、流動性、レーザー封着強度及び気密性の評価が良好であった。一方、試料No.12、15は、ガラス粉末中のCuOを含有しないため、流動性、レーザー封着強度及び気密性の評価が不良であった。試料No.13は、ガラス粉末中のZnOを含有しないため、タイプAの封着構造体においてレーザー封着強度及び気密性の評価が不良であった。試料No.14は、ガラス粉末中のBi+CuOの含有量が少ないため、流動性、レーザー封着強度及び気密性の評価が不良であった。
本発明のガラス粉末及びそれを用いた封着材料は、有機ELディスプレイ、有機EL照明装置等の有機ELデバイスのレーザー封着以外にも、色素増感型太陽電池、CIGS系薄膜化合物太陽電池等の太陽電池のレーザー封着、MEMSパッケージ、LEDパッケージ等の気密パッケージのレーザー封着等にも好適である。
1 気密パッケージ
10 パッケージ基体
11 ガラス蓋
12 基部
13 枠部
14 内部素子
15 封着材料層
L レーザー光

Claims (9)

  1. ガラス組成として、質量%で、Bi+CuO 83〜95%、Bi 75〜90%、B 3〜12%、ZnO 1〜10%、Al 0〜5%、CuO 4〜15%、Fe 0〜5%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜7%を含有し、実質的にPbOを含有しないことを特徴とするガラス粉末。
  2. ZnOの含有量が1〜5質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のガラス粉末。
  3. 質量比(Bi+CuO)/ZnOが15〜70であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス粉末。
  4. MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が0〜2.0質量%未満であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス粉末。
  5. ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含有する封着材料において、
    ガラス粉末が請求項1〜4の何れかに記載のガラス粉末であり、
    ガラス粉末の含有量が50〜95体積%であり、
    耐火性フィラー粉末の含有量が5〜50体積%であることを特徴とする封着材料。
  6. 耐火性フィラー粉末が、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、リン酸ジルコニウム系化合物、ジルコン、ジルコニア、酸化スズ、石英ガラス、β−ユークリプタイト、スポジュメンから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の封着材料。
  7. 更にレーザー吸収材を0〜25体積%含有することを特徴とする請求項5又は6に記載の封着材料。
  8. レーザー吸収材が、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらの複合酸化物から選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項7に記載の封着材料。
  9. レーザー封着に用いることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の封着材料。
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