JP2020001958A - 封着材料層付きガラス蓋の製造方法及び気密パッケージの製造方法 - Google Patents

封着材料層付きガラス蓋の製造方法及び気密パッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封着材料層付きガラス蓋を効率良く作製し得る方法を提供する。【解決手段】本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法は、ガラス蓋を準備する工程と、封着材料とビークルを混練して、有機樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを作製する工程と、ガラス蓋に、封着材料ペーストを塗布、乾燥し、乾燥膜を作製する工程と、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、封着材料層付きガラス蓋の製造方法及び気密パッケージの製造方法に関する。
気密パッケージは、一般的に、光透過性を有するガラス蓋と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体と、それらで囲まれた内部空間に収容される内部素子と、を備えている。
気密パッケージの内部に実装される紫外LED等の内部素子は、周囲環境から浸入する水分により劣化する虞がある。従来、ガラス蓋とパッケージ基体とを一体化するために、低温硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されていた。しかし、有機樹脂系接着剤は、水分や気体を完全に遮蔽できないため、内部素子を経時的に劣化させる虞がある。
一方、ガラス粉末を含む複合粉末を封着材料に用いると、封着領域が周囲環境の水分で劣化し難くなり、気密パッケージの気密信頼性を確保し易くなる。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に内部素子を熱劣化させる虞がある。このような事情から、近年、レーザー封着が注目されている。
レーザー封着では、一般的に、近赤外域の波長を有するレーザー光が封着材料層に照射された後、封着材料層が軟化変形して、ガラス蓋とパッケージ基体が気密一体化される。そして、レーザー封着では、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、内部素子を熱劣化させることなく、パッケージ基体とガラス蓋とを気密一体化することができる。
特開2014−224006 特開2014−177356
ところで、ガラス蓋とパッケージ基体をレーザー封着する場合、通常、ガラス蓋に封着材料層が形成される。この封着材料層は、一般的に、ガラス蓋に封着材料ペーストを塗布、乾燥し、乾燥膜を作製した後、その乾燥膜を電気炉等で焼成することにより形成される。
しかし、乾燥膜を電気炉等で焼成すると、炉内の昇温、乾燥膜に含まれる有機樹脂の除去、乾燥膜の焼結、炉内の降温という工程が必要となる。結果として、封着材料層付きガラス蓋の作製に長時間を要し、製造効率が低下し易くなる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、封着材料層付きガラス蓋を効率良く作製し得る方法を提供することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、有機樹脂量が少ない封着材料ペーストを用いると共に、レーザー光の照射により乾燥膜を焼結させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法は、ガラス蓋を準備する工程と、封着材料とビークルを混練して、有機樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを作製する工程と、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法は、封着材料とビークルを混練して、有機樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを作製する工程と、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に封着材料層を形成する工程とを備える。このようにすれば、レーザー光の照射により乾燥膜を焼結させる場合に、有機樹脂の熱分解に必要な光エネルギーが低下するため、レーザー光の出力密度を低く抑えることができる。結果として、乾燥膜の焼結に際して、乾燥膜(封着材料層)の温度上昇が抑制されて、ガラス蓋の割れを防止することができる。更に封着材料層中に有機樹脂が残存し難くなるため、レーザー封着の際に、封着材料層中で有機樹脂の再分解が発生し難くなる。結果として、内部素子の特性劣化、封着材料層の流動不良、発泡を防止し得ると共に、封着材料層の表面平滑性が向上し、気密パッケージの気密信頼性を高めることができる。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、封着材料層の平均厚みを乾燥膜の平均厚みの70%以下にすることが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に平均厚みが10.0μm以下となる封着材料層を形成することが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、封着材料層の波長808nmの単色光の吸収率が、厚さ5μmに換算した時に30〜90%であることが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、乾燥膜に出力密度が1800W/cm以下となるレーザー光を照射することが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、封着材料層が、遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスを含むことが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、封着材料層が、実質的にレーザー吸収材を含まないことが好ましい。
本発明の気密パッケージの製造方法は、上記の封着材料層付きガラス蓋の製造方法により、封着材料層付きガラス蓋を作製する工程と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用意する工程と、封着材料層と枠部の頂部が接するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化して、気密パッケージを得る工程と、を備えることが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、パッケージ基体が、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることが好ましい。
また、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する前に、更にパッケージ基体の枠部内に内部素子を収容する工程を備えることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。図1は、本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法を説明するための断面概念図である。ガラス蓋1には、ガラス蓋1の外周端縁に沿って、乾燥膜2が形成されている。乾燥膜2は、樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを塗布、乾燥して、作製されたものである。その後、レーザー照射装置3から出射したレーザー光Lが、乾燥膜2に沿って照射される。これにより、乾燥膜2が焼結して、ガラス蓋上に封着材料層が形成される。
図2は、本発明の気密パッケージの製造方法を説明するための断面概念図である。気密パッケージ10は、ガラス蓋11とパッケージ基体12を備えている。パッケージ基体12は基部13を有し、更に基部13の外周端縁上に枠部14を有している。また、パッケージ基体12の枠部14内に内部素子15が収容されている。なお、パッケージ基体12内には、内部素子15と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
ガラス蓋11の表面には、額縁状の封着材料層16が形成されている。封着材料層16の幅は、パッケージ基体12の枠部14の幅よりも小さくなっている。
ガラス蓋11とパッケージ基体12は、ガラス蓋11の封着材料層16の中心線と、パッケージ基体12の枠部14の頂部17の幅方向の中心線とが一致するように積層配置されている。その後、レーザー照射装置18から出射したレーザー光Lが、ガラス蓋11側から封着材料層17に沿って照射される。これにより、封着材料層17が軟化流動した後、ガラス蓋11とパッケージ基体12が気密封着されて、気密パッケージ10の気密構造が形成される。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法を説明するための断面概念図である。 本発明の気密パッケージの製造方法を説明するための断面概念図である。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法は、ガラス蓋を準備する工程を備える。ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。
ガラス蓋の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1.2mm、特に0.3〜1.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減することができる。
ガラス蓋は、第一のガラス板と第二のガラス板が接着剤を介して積層一体化されたガラス板積層体でもよい。第一のガラス板と第二のガラス板は、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。なお、ガラス板積層体は、二枚のガラス板で構成されることが好ましいが、必要に応じて、別の板状体を更に積層させてもよい。
第一のガラス板と第二のガラス板は、同一のガラスを用いてもよい。つまり同一のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、両者の屈折率、熱膨張係数等の各種特性が一致するため、ガラス蓋の反りや貼り合わせ面での反射等を抑制することができる。
また、第一のガラス板と第二のガラス板は、異種のガラスを用いてもよい。つまり異種のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、第二のガラス板の熱膨張係数がパッケージ基体の熱膨張係数に制約されなくなるため、パッケージ基体と第一のガラス板の熱膨張係数を厳密に整合させつつ、生産性の良いガラス板を第二のガラス板に使用することができる。結果として、気密パッケージの気密信頼性と生産コストを両立し易くなる。
第一のガラス板と第二のガラス板を貼り合わせるための接着剤は、種々の材料が使用可能であるが、光透過性に優れる光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることが好ましい。そして、接着剤の厚みは500μm未満、特に100μm未満が好ましい。接着剤の厚みが厚過ぎると、ガラス蓋の透明性が低下し易くなる。
接着剤の屈折率ndは、第一のガラス板の屈折率nd±0.1の範囲内であることが好ましく、第二のガラス板の屈折率nd±0.1の範囲内であることが好ましい。接着剤の屈折率ndが、第一のガラス板の屈折率ndと第二のガラス板の屈折率ndに不整合であると、接着剤と第一のガラス板の界面及び接着剤と第二のガラス板の界面で光が反射し易くなる。同様の理由で、第一のガラス板の屈折率ndは、第二のガラス板の屈折率nd±0.1の範囲内であることが好ましい。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、封着材料とビークルを混練して、有機樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを作製する工程を有する。封着材料は、一般的に、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末であり、必要に応じて、着色顔料等のレーザー吸収材が添加される場合がある。そして、封着材料は、レーザー封着の際に、軟化流動して、パッケージ基体とガラス蓋を気密一体化する材料である。ビークルは、一般的に、有機樹脂と溶媒の混合物、つまり有機樹脂が溶解した粘性溶液を指し、封着材料を分散して、パッケージ基体の枠部の頂部に封着材料ペーストを均一に塗布するための材料である。また、ビークル中に、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等が添加される場合もある
封着材料として、種々の材料が使用可能である。その中でも、レーザー封着強度を高める観点から、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末を用いることが好ましい。複合粉末として、55〜100体積%のビスマス系ガラス粉末と0〜45体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが好ましく、60〜95体積%のビスマス系ガラス粉末と5〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが更に好ましく、60〜85体積%のビスマス系ガラス粉末と15〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが特に好ましい。耐火性フィラー粉末を添加すれば、封着材料層の熱膨張係数が、ガラス蓋とパッケージ基体の熱膨張係数に整合し易くなる。その結果、レーザー封着後に封着領域に不当な応力が残留する事態を防止し易くなる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、レーザー封着精度が低下し易くなる。
封着材料の軟化点は、好ましくは510℃以下、480℃以下、特に450℃以下である。封着材料の軟化点が高過ぎると、封着材料層の表面平滑性を高め難くなる。封着材料の軟化点の下限は特に設定されないが、ガラス粉末の熱的安定性を考慮すると、封着材料の軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点に相当する。
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 28〜60%、B 15〜37%、ZnO 0〜30%、CuO+MnO(CuOとMnOの合量) 1〜40%を含有することが好ましい。各成分の含有範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
Biは、軟化点を低下させるための主要成分である。Biの含有量は、好ましくは28〜60%、33〜55%、特に35〜45%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、軟化流動性が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して、軟化流動性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分である。Bの含有量は、好ましくは15〜37%、19〜33%、特に22〜30%である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスネットワークが形成され難くなるため、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなり、軟化流動性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0〜30%、3〜25%、5〜22%、特に5〜20%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
CuOとMnOは、レーザー吸収能を大幅に高める成分である。CuOとMnOの合量は、好ましくは1〜40%、3〜35%、10〜30%、特に15〜30%である。CuOとMnOの合量が少な過ぎると、レーザー吸収能が低下し易くなる。一方、CuOとMnOの合量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化流動し難くなる。またガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量は、好ましくは1〜30%、特に10〜25%である。MnOの含有量は、好ましくは0〜25%、1〜25%、特に3〜15%である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%である。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。またレーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満が好ましい。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
Feは、耐失透性とレーザー吸収能を高める成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜5%、特に0.4〜2%である。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
Sbは、耐失透性を高める成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
また、封着材料としてビスマス系ガラスだけでなく、銀リン酸系ガラス、テルル系ガラス等を使用することもできる。銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと比較して、低温で軟化流動し易く、レーザー封着後に生じる熱歪みを低減することができる。更に、銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと同様に、耐火性フィラー粉末と混合すると、封着材料層の機械的強度を高めることができ、且つ封着材料層の熱膨張係数を低下させることができる。
銀リン酸系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、AgO 10〜50%、P 10〜35%、ZnO 3〜25%、遷移金属酸化物 0〜30%を含有することが好ましい。なお、銀リン酸系ガラスのガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
AgOは、ガラスを低融点化させると共に、水に溶け難いため、耐水性を高める成分である。AgOの含有量は10〜50%、特に20〜40%が好ましい。AgOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。一方、AgOの含有量が多過ぎると、ガラス化が困難になる。
は、ガラスを低融点化させる成分である。その含有量は10〜35%、特に15〜25%が好ましい。Pの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になる。一方、Pの含有量が多過ぎると、耐候性、耐水性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分であり、その含有量は3〜25%、5〜22%、特に9〜20%が好ましい。ZnOの含有量が上記範囲外になると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CuOを添加すれば、レーザー吸収特性を高めることができる。CuOの含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は0〜40%、特に10〜30%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、特に1〜12%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
テルル系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、TeO 20〜80%、Nb 0〜25%、遷移金属酸化物 0〜40%を含有することが好ましい。なお、テルル系ガラスのガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は20〜80%、特に40〜75%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、1〜20%、特に5〜15%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CuOを添加すれば、レーザー吸収特性を高めることができる。CuOの含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
ガラス粉末の平均粒径D50は、好ましくは15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmである。ガラス粉末の平均粒径D50が小さい程、ガラス粉末の軟化点が低下する。ここで、「平均粒径D50」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上が好ましく、特にβ−ユークリプタイト又はコーディエライトが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラス、銀リン酸系ガラス、テルル系ガラス等との適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に0.1μm以上、且つ1.5μm未満である。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。
耐火性フィラー粉末の99%粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に0.3μm以上、且つ3μm以下である。耐火性フィラー粉末の99%粒径D99が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。ここで、「99%粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
封着材料は、光吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ガラスの失透を助長する作用を有する。よって、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量は、好ましくは10体積%以下、5体積%以下、1体積%以下、0.5体積%以下、特に実質的に含有しないことが好ましい。ガラスや封着材料の耐失透性が良好である場合は、レーザー吸収能を高めるために、レーザー吸収材を1体積%以上、特に3体積%以上導入してもよい。なお、レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能である。
封着材料の熱膨張係数は、好ましくは55×10−7〜110×10−7/℃、60×10−7〜105×10−7/℃、特に65×10−7〜100×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数がガラス蓋やパッケージ基体の熱膨張係数に整合して、封着領域に残留する応力が小さくなる。なお、「熱膨張係数」は、30〜300℃の温度範囲において、TMA(押棒式熱膨張係数測定)装置で測定した値である。
封着材料ペーストは、通常、三本ローラー等により、封着材料とビークルを混練することにより作製される。ビークルは、上記の通り、通常、有機樹脂と溶剤を含む。有機樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。但し、高分子量の有機樹脂、例えば250超の分子量を有する有機樹脂は、レーザー光の照射の際に、大きな分解熱が生じるため、乾燥膜の焼結が困難になる。
封着材料ペースト中の有機樹脂量は1.0質量%未満であり、好ましくは0.6質量%未満、0.5質量%以下、0.4質量%以下、0.3質量%以下、0.2質量%以下、特に0.1質量%未満である。封着材料ペースト中の有機樹脂量が多過ぎると、レーザー光の照射により乾燥膜を焼結させる場合に、有機樹脂の分解熱によるエネルギーロスが多くなるため、低出力のレーザー光を使用することが不可能になる。更にレーザー光の照射により乾燥膜を焼結させる場合に、封着材料層中に有機樹脂が残存し易くなる。結果として、レーザー封着の際に、封着材料層中で有機樹脂の再分解が発生して、内部素子の特性劣化を招く虞がある。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法では、有機樹脂を実質的に含まないビークル(有機樹脂量が0.1質量%未満であるビークル)を用いることが最も好ましいが、ビークルに有機樹脂を少量添加する場合、有機樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル有機樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、テルペン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
本発明の封着材料層付きガラス蓋の製造方法は、ガラス蓋に、封着材料ペーストを塗布、乾燥して、乾燥膜を作製する工程と、乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、を備える。
封着材料ペーストの塗布は、周知の方法で行うことができる。例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー等で行うことができる。
塗布膜の乾燥は、自然乾燥でもよいが、乾燥効率の観点から、電気炉(焼成炉、乾燥炉等)で行うことが好ましい。
乾燥膜にレーザー光を照射する前に、(100℃以上、且つガラス蓋の歪点以下)の温度でガラス蓋を予備加熱することが好ましい。また、乾燥膜にレーザー光を照射して、封着材料層を形成した後に、(100℃以上、且つガラス蓋の歪点以下)の温度でガラス蓋を熱処理することが好ましい。このようにすれば、ガラス蓋のサーマルショックが抑制されるため、ガラス蓋の割れを防止し易くなる。
乾燥膜にレーザー光を照射する際のレーザー光の走査速度は、好ましくは1〜35mm/秒、特に3〜15mm/秒である。レーザー光の走査速度が遅過ぎると、封着材料層の作製効率が低下する。一方、レーザー光の走査速度が速過ぎると、封着材料層中に有機樹脂が残存し易くなる。更に封着材料層の内部で溶け残りが生じ易くなる。
乾燥膜にレーザー光を照射する際のレーザー光の出力密度は700〜1900W/cm、特に1000〜1800W/cmが好ましい。レーザー光の出力密度が低過ぎると、乾燥膜全体を均一に加熱できず、封着材料層の焼結密度が低下し易くなる。一方、レーザー光の出力密度が高過ぎると、乾燥膜の温度が極端に高くなり、ガラス蓋が割れ易くなる。
乾燥膜にレーザー光を照射する際のレーザー光のビーム形状は、特に限定されない。ビーム形状としては、円形、楕円形、矩形が一般的であるが、その他の形状でもよい。
乾燥膜にレーザー光を照射する際のレーザー光のビーム径は0.3〜3.5mmが好ましい。
封着材料層の平均厚さは、好ましくは10.0μm未満、特に1.0μm以上、且つ7.0μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層、パッケージ基体及びガラス蓋の熱膨張係数が不整合であっても、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
封着材料層の平均幅は、好ましくは3500μm未満、1200μm未満、特に150μm以上、且つ800μm未満である。封着材料層の平均幅を狭くすると、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。更にパッケージ基体の枠部の幅を狭小化することができ、気密パッケージのデバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、上記の封着材料層付きガラス蓋の製造方法により、封着材料層付きガラス蓋を作製する工程と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用意する工程と、封着材料層と枠部の頂部が接するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化して、気密パッケージを得る工程と、を備えることが好ましい。
本発明の気密パッケージの製造方法は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用意する工程を備えている。このようにすれば、枠部内にLEDやセンサーチップ等の内部素子を収容し易くなる。パッケージ基体の枠部は、パッケージ基体の外周端縁領域に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。更にLEDやセンサーチップ等の内部素子をパッケージ基体の枠部内に収容し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
パッケージ基体は、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料(例えば、窒化アルミニウムとガラスセラミックを一体化したもの)であることが好ましい。ガラスセラミックは、サーマルビアを容易に形成し得るため、内部素子の動作時に、気密パッケージ内の温度が過度に上昇する事態を適正に防止することができる。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、内部素子の動作時に、気密パッケージ内の温度が過度に上昇する事態を適正に防止することができる。
パッケージ基体は、黒色顔料が分散されていることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着時に、パッケージ基体が封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、レーザー封着の際にパッケージ基体側への熱流動が低下するため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
パッケージ基体を構成する材料は、厚み0.5mm換算、照射すべきレーザー光の波長(例えば808nm)における全光線透過率が、好ましくは10%以下、特に5%以下である。このようにすれば、レーザー封着時に、パッケージ基体が封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、レーザー封着の際にパッケージ基体側への熱流動が低下するため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
パッケージ基体の基部の厚みは0.1〜5.0mm、特に0.2〜2.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、封着材料層と枠部の頂部が接するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程を備える。この工程では、ガラス蓋をパッケージ基体の下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス蓋をパッケージ基体の上方に配置することが好ましい。
ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する際に、封着材料層(好ましくは封着材料の中心線)がパッケージ基体の枠部の頂部において幅方向の中心線上に位置するように、封着材料層とパッケージ基体の枠部の頂部を接触配置することが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の精度を高めることができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化して、気密パッケージを得る工程を備える。
レーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
レーザー封着を行う前に、(100℃以上、且つ内部素子の耐熱温度以下の温度)でパッケージ基体を予備加熱することが好ましい。これにより、レーザー封着時にパッケージ基体側への熱伝導を阻害し得るため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着時に封着材料層の軟化変形を促進することができる。
レーザー封着におけるレーザー光の走査速度は、好ましくは5〜65mm/秒、特に10〜50mm/秒である。レーザー光の走査速度が遅過ぎると、封着材料層の温度が極端に高くなり、ガラス蓋が割れ易くなる。一方、レーザー光の走査速度が速過ぎると、封着材料層が十分に溶解しないため、気密パッケージの気密信頼性が低下し易くなる。
レーザー封着時におけるレーザー光の出力密度は1000〜3000W/cm、特に1300〜2700W/cmが好ましい。レーザー光の出力密度が低過ぎると、封着材料層全体を均一に加熱できず、気密パッケージの気密信頼性が低下し易くなる。一方、レーザー光の出力密度が高過ぎると、封着材料層の温度が極端に高くなり、ガラス蓋が割れ易くなる。
レーザー封着時におけるレーザー光のビーム形状は、特に限定されない。ビーム形状としては、円形、楕円形、矩形が一般的であるが、その他の形状でもよい。
レーザー封着時におけるレーザー光のビーム径は0.3〜3.5mmが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜5)と比較例(試料No.6、7)を示している。
以下のようにして表1に示す試料を作製した。まず、表中に記載のガラス蓋(縦15mm×横15mm×厚み0.3mm)を用意した。なお、表中の「アルカリホウケイ酸ガラス」は日本電気硝子社製BDAであり、「無アルカリガラス」は日本電気硝子社製OA−10Gである。
また、ビスマス系ガラス粉末を70体積%、耐火性フィラー粉末を30体積%の割合で混合して、封着材料を作製した。ここで、ビスマス系ガラス粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとし、耐火性フィラー粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとした。なお、ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 39%、B 24.5%、ZnO 14.5%、Al 1.0%、CuO 20.5%、Fe 0.5%を含有している。また耐火性フィラー粉末はβ-ユークリプタイトである。
得られた封着材料の熱膨張係数を測定したところ、その熱膨張係数は、69×10−7/℃であった。なお、熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定したものであり、その測定温度範囲は30〜300℃である。
次に、上記封着材料を用いて、表中に記載のガラス蓋の外周端縁上に沿って塗布、乾燥し、乾燥膜を得た後、レーザー光により乾燥膜を焼結させ、封着材料層を形成した。詳述すると、まず粘度が110±15Pa・s(25℃、Shear rate:4)の範囲内になるように、上記の封着材料、ビークル及び溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一分散するまで混錬して、ペースト化し、封着材料ペーストを得た。ビークルには、グリコールエーテル系溶剤にエチルセルロース有機樹脂を表中に示す量で溶解させたものを使用した。次に、ガラス蓋の外周端縁上に沿ってスクリーン印刷機により封着材料ペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥して、表中に示す平均厚みを有する乾燥膜を得た後、表中に記載の条件でレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結し、平均幅約300μm、表中に示す平均厚みを有する封着材料層を形成した。
乾燥膜を焼結した後に、光学顕微鏡で封着材料層及びガラス蓋を観察し、クラックがない場合を「○」、クラックがある場合を「×」として評価した。その結果を表1に示す。
次に、表中に記載の枠部を有するパッケージ基体(縦15mm×横15mm×基部厚み0.5mm、熱膨張係数70×10−7/℃)を準備した。なお、枠部は、パッケージ基体の外周縁に沿って形成されており、幅1mm、高さ1mmの額縁状である。最後に、枠部の頂部と封着材料層が接触するように積層配置した後、表に記載の条件で、ガラス蓋側から波長808nmのレーザー光を照射してレーザー封着を行い、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化し、各気密パッケージを得た。なお、表中の「ガラスセラミック」は、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含むグリーンシートの積層シートを焼結させたものである。
得られた気密パッケージについて、レーザー封着後のクラック、気密信頼性(温度サイクル試験、高温高湿高圧試験)を評価した。
レーザー封着後のクラックは、光学顕微鏡で封着材料層の近傍を観察した時に、クラックがない場合を「○」、クラックがある場合を「×」として評価したものである。
気密信頼性は、得られた気密パッケージに対して、温度サイクル試験を行った後、封着材料層の近傍を観察したところ、変質、クラック、剥離等が全く認められなかったものを「○」、変質、クラック、剥離等が認められたものを「×」として評価した。なお、温度サイクル試験の条件は、125℃⇔−55℃、1000サイクルである。
更に、得られた気密パッケージについて、高温高湿高圧試験:PCT(Pressure Cooker Test)を行った後、封着材料層の近傍を観察したところ、変質、クラック、剥離等が全く認められなかったものを「○」、変質、クラック、剥離等が認められたものを「×」として評価した。なお、PCTの試験条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。
表から明らかなように、試料No.1〜5は、乾燥膜の焼結後のクラックの評価が良好であり、レーザー封着後のクラックの評価も良好であった。更に、試料No.1〜5は、レーザー封着後のクラック、気密信頼性の評価が良好であった。一方、試料No.6、7は、樹脂を分解除去するために、レーザー光の出力密度を上昇させなければならず、その結果、乾燥膜の温度が高くなり、ガラス蓋にクラックが発生していた。なお、試料No.6、7について、レーザー光の出力密度を低下させることにより、クラックを発生させることなく、乾燥膜を焼結させることができるが、乾燥膜の表面平滑性が低下すると共に、封着材料層中に有機樹脂が残存するため、レーザー封着の際に樹脂の再分解ガスが発生し、気密パッケージの気密信頼性が低下するものと考えられる。
本発明の気密パッケージは、センサーチップ、紫外LED等の内部素子が実装された気密パッケージに好適であるが、それ以外にも圧電振動素子や有機樹脂中に量子ドットを分散させた波長変換素子等を収容する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
1 ガラス蓋
2 乾燥膜
11 ガラス蓋
12 パッケージ基体
13 基部
14 枠部
15 内部素子
16 封着材料層
17 枠部の頂部
18 レーザー照射装置
L レーザー光

Claims (10)

  1. ガラス蓋を準備する工程と、
    封着材料とビークルを混練して、樹脂量が1.0質量%未満となる封着材料ペーストを作製する工程と、
    ガラス蓋に、封着材料ペーストを塗布、乾燥し、乾燥膜を作製する工程と、
    乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、ガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、を備えることを特徴とする封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  2. 乾燥膜にレーザー光を照射することにより、封着材料層の平均厚みを乾燥膜の平均厚みの70%以下にすることを特徴とする請求項1に記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  3. 乾燥膜にレーザー光を照射することにより、乾燥膜を焼結させて、平均厚みが10.0μm以下となる封着材料層を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  4. 封着材料層の波長808nmの単色光の吸収率が、厚さ5μmに換算した時に30〜90%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  5. 出力密度が1800W/cm以下となるレーザー光を乾燥膜に照射することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  6. 封着材料層が、遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  7. 封着材料層が、実質的にレーザー吸収材を含まないことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の封着材料層付きガラス蓋の製造方法により、封着材料層付きガラス蓋を作製する工程と、
    基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用意する工程と、
    封着材料層と枠部の頂部が接するように、ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する工程と、
    ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  9. パッケージ基体が、ガラスセラミック、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料であることを特徴とする請求項8に記載の気密パッケージの製造方法。
  10. ガラス蓋とパッケージ基体を積層配置する前に、更にパッケージ基体の枠部内に内部素子を収容する工程を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の気密パッケージの製造方法。
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