JP2020057736A - 気密パッケージ - Google Patents

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Yoshio Umayahara
芳夫 馬屋原
徹 白神
Toru Shiragami
徹 白神
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Abstract

【課題】封着強度と気密信頼性が高く、発光強度を低下させ難い気密パッケージを提供する。【解決手段】本発明の気密パッケージは、パッケージ基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、パッケージ基体の枠部が、ガラスセラミック材料で構成されており、パッケージ基体の枠部の反射率が、波長350nm、厚み1mm換算で70%以上であり、且つパッケージ基体の枠部の熱伝導率が1〜5W/mKであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、気密パッケージに関し、特にLEDやセンサーチップ等の内部素子を実装可能な気密パッケージに関する。
気密パッケージは、一般的に、光透過性を有するガラス蓋と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体と、それらで囲まれた内部空間に実装される内部素子と、を備えている。
気密パッケージの内部に実装されるセンサー等の内部素子やその周辺部材は、周囲環境から浸入する水分により劣化する虞がある。
従来まで、パッケージ基体とガラス蓋とを一体化するために、低温硬化性または紫外線硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されていた。しかし、有機樹脂系接着剤は、水分や気体を完全に遮蔽することは困難であるため、内部素子を経時的に劣化させる虞がある。
一方、ガラス粉末を含む複合粉末を封着材料に用いると、内部素子が周囲環境の水分で劣化し難くなる。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に内部素子を熱劣化させる虞がある。
このような事情から、レーザー封着が注目されている。レーザー封着では、一般的に、近赤外域の波長を有するレーザー光を封着材料層に照射することによって、封着材料層を軟化変形させ、パッケージ基体とガラス蓋を気密一体化する。そして、レーザー封着では、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、内部素子を熱劣化させることなく、パッケージ基体とガラス蓋とを気密一体化することができる。
特開2013−239609号公報 特開2014−236202号公報
ところで、紫外LED素子が実装された気密パッケージには、熱伝導性の観点から、パッケージ基体として窒化アルミニウムが使用されている。
しかし、従来のレーザー封止技術では、レーザー封着時にパッケージ基体に窒化アルミニウムを用いた場合、窒化アルミニウムの熱伝導率が高いために、封着材料層の温度が上昇し難く、封着強度を確保し難いという問題がある。
一方、封着強度を高めるために、レーザー光の出力を高めると、ガラス蓋や封着材料層に割れ、クラック等が発生して、気密信頼性が低下し易くなる。
また、窒化アルミニウムは、反射率が低く、LED素子を実装したパッケージ基体に使用した場合に、LEDからの発光の一部を吸収するため、発光効率が低下してしまうという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、封着強度と気密信頼性が高く、発光強度を低下させ難い気密パッケージを提供することである。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、パッケージ基体の枠部の反射率と熱伝導率を所定範囲に規制することにより上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の気密パッケージは、パッケージ基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、パッケージ基体の枠部が、ガラスセラミック材料で構成されており、パッケージ基体の枠部の反射率が、波長350nm、厚み1mmで70%以上であり、且つパッケージ基体の枠部の熱伝導率が1〜5W/mKであることを特徴とする。ここで、「反射率」は、パッケージ基体と同じ材料で厚み1mm、50mm角の基板を作製し、波長350nmの全光線反射率を測定して求めた値を指す。「熱伝導率」は、レーザーフラッシュ法により測定した値を指す。
また、本発明の気密パッケージでは、ガラスセラミック材料が、ガラス 30〜70質量%、セラミック 30〜70質量%を含むことが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、パッケージ基体の枠部の頂部とガラス蓋との間に封着材料層が配されていることが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、封着材料層が、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラーとを含み、且つ実質的にレーザー吸収材を含んでいないことが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、パッケージ基体の枠部内に、内部素子が実装されていることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の気密パッケージの断面概略図である。気密パッケージ1は、ガラス蓋10とパッケージ基体11を備えている。パッケージ基体11は基部12を有し、更に基部12の外周縁部上に枠部13を有している。また、パッケージ基体11の枠部13内に内部素子14が実装されている。なお、パッケージ基体11内には、内部素子14と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
パッケージ基体11の枠部13は、ガラスセラミック材料で構成されており、反射率が、波長350nm、厚み1mmで70%以上であり、且つ熱伝導率が1〜5W/mKである。
ガラス蓋10の表面には、額縁状の封着材料層15が形成されている。封着材料層15の幅は、パッケージ基体11の枠部13の頂部16の幅よりも小さくなっている。
ガラス蓋10とパッケージ基体11は、ガラス蓋10の封着材料層15と、パッケージ基体11の枠部13の頂部16の幅方向の中心線とが一致するように積層配置されている。その後、レーザー照射装置17から出射したレーザー光Lが、ガラス蓋10側から封着材料層15に沿って照射される。これにより、封着材料層15が軟化流動した後、ガラス蓋10とパッケージ基体11が気密一体化されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
本発明の気密パッケージの形態を説明するための断面概略図である。
本発明の気密パッケージは、パッケージ基体を有しており、パッケージ基体は、基部と基部上に設けられた枠部とを有する。このようにすれば、枠部内にセンサーチップやLED等の内部素子を実装し易くなる。パッケージ基体の枠部は、パッケージ基体の外周縁部に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。更にセンサーチップやLED等の内部素子をパッケージ基体の枠部内に実装し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
本発明に係るパッケージ基体の枠部(少なくとも枠部の内側、望ましくはパッケージ基体全体)において、反射率は、波長350nm、厚み1mmで70%以上、75%以上、特に80%以上である。反射率が低過ぎると、LED素子を実装した気密パッケージに使用した場合に、LEDからの発光を吸収し易くなり、発光効率が低下する虞がある。
本発明に係るパッケージ基体の枠部(望ましくはパッケージ基体全体)において、熱伝導率は1〜5W/mK、特に2〜4W/mKが好ましい。熱伝導率が低過ぎると、パッケージ基体の放熱性が低くなり、内部素子が熱劣化する虞がある。一方、熱伝導率が高過ぎると、レーザーシールの際に、封着材料層の温度が上昇し難くなり、封着強度を確保し難くなる。なお、熱伝導率は、ガラスセラミック材料の材料構成(特にセラミックの種類と含有量)により調整することができる。
本発明の気密パッケージにおいて、パッケージ基体の枠部(望ましくはパッケージ基体全体)が、ガラスセラミック材料で構成されていることが好ましく、ガラスセラミック材料は、ガラス30〜70質量%、セラミック30〜70質量%の割合であることが好ましく、ガラス40〜60質量%、セラミック40〜60質量%の割合であることが更に好ましい。ガラスの割合が少な過ぎると、つまりセラミックの割合が多過ぎると、パッケージ基体の緻密性が低下し易くなる。一方、ガラスの割合が多過ぎると、つまりセラミックの割合が少な過ぎると、パッケージ基体の機械的強度が低下し易くなる。
ガラスセラミック材料を構成するガラスとして、種々のガラスが使用可能であるが、その中でも、耐候性と耐失透性の観点から、ホウケイ酸ガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、アルカリ土類ホウケイ酸ガラス、アルカリ土類ケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラスが好適であり、ガラス組成として、質量%で、SiO 20〜85%、B 5〜40%、CaO+SrO+BaO(CaO、SrO及びBaOの合量) 0〜40%、NaO+KO(NaOとKOの合量) 0〜10%、Al 0〜10%、ZnO 0〜15%を含有することが好ましい。上記のように、ガラスのガラス組成を限定した理由は以下の通りである。
SiOは、化学的耐久性を高める成分であり、その含有量は、好ましくは20〜85%、特に30〜70%である。SiOの含有量が少な過ぎると、耐候性が大幅に低下する傾向がある。一方、SiOの含有量が多過ぎると、低温焼結が困難になる。
は、低温焼結性を高めつつ、液相温度を低下させる成分である。Bの含有量は、好ましくは5〜40%、10超〜40%、特に15〜35%である。Bの含有量が少な過ぎると、低温焼結性が低下するだけでなく、成形時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、耐候性が低下する傾向がある。
CaO、SrO及びBaOは、低温焼結性を高める成分である。CaO、SrO及びBaOの合量及び個別含有量は、好ましくは0〜40%、1〜40%、特に10〜38%である。これらの成分が少な過ぎると、低温焼結が困難になる。一方、これらの成分が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。なお、SrOとBaOの合量は、耐失透性を高める観点から、20%未満、特に15%以下が好ましい。
Alは、耐候性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜5%である。Alの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。
NaOとKOは、溶融性を改善する成分である。NaOとKOの合量及び個別含有量は、好ましくは0〜10%、特に1〜5%である。これらの成分が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。
上記成分以外でも、LiO、MgO、ZnO、TiO、ZrO等の他の成分を10%(好ましくは5%、特に1%)まで導入してもよい。
ガラスセラミック材料を構成するセラミックとして、種々のセラミックが使用可能であるが、その中でも、アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、コージエライト、ジルコン、クオーツ、クリストバライト、ウイレマイトが好ましく、アルミナ、ジルコニアが特に好ましい。アルミナとジルコニアは、反射率と機械的強度を高める性質を有している。特に、ジルコニアは、アルミナよりもその効果が高いが、ジルコニアのみを導入すると、材料コストが高騰してしまう。よって、セラミック粉末として、アルミナとジルコニアの双方を導入することが好ましい。
パッケージ基体の基部の厚みは0.1〜5.0mm、特に0.2〜1.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
パッケージ基体の枠部の高さ(基部の内部素子実装面から枠部の頂部までの距離)は0.2〜5.0mm、特に0.5〜2.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージを薄型化し易くなる。更にセンサーチップやLED等の内部素子を実装し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
パッケージ基体の枠部の幅は0.3〜5.0mm、特に0.5〜4.0mmが好ましい。これにより、内部素子を実装し易くなると共に、気密パッケージを小型化し易くなる。
パッケージ基体は、ガラスセラミックグリーンシートを得た後、これを積層、焼成、焼結することにより作製することができる。ガラスセラミックグリーンシートは、ガラス粉末とセラミック粉末を主原料とし、これに有機バインダー、有機溶剤等を添加して混練してスラリーとし、これを成型及び乾燥して作製することができる。なお、必要に応じて、混練時に公知の可塑剤、分散助剤、可塑助剤等を適宜添加してもよい。有機バインダーとして、ポリビニルブチラール、ポリアクリル等の樹脂を用いることが好ましい。また、成型方法として、ドクターブレード法の他、ロールコータ法、圧延ロール法、押し出し法等を採択することができる。
本発明の気密パッケージは、ガラス蓋を有している。ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。
ガラス蓋の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1.2mm、特に0.3〜1.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減し、出射光又は入射光の反射ロスを低減することができる。
ガラス蓋は、第一のガラス板と第二のガラス板が接着剤を介して積層一体化されたガラス板積層体でもよい。第一のガラス板と第二のガラス板は、種々のガラスが使用可能である。なお、ガラス板積層体は、二枚のガラス板で構成されることが好ましいが、必要に応じて、別の板状体を更に積層させてもよい。
第一のガラス板と第二のガラス板は、同一のガラスを用いてもよい。つまり同一のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、両者の屈折率、熱膨張係数等の各種特性が一致するため、ガラス蓋の反りや貼り合わせ面での反射等を抑制することができる。
また、第一のガラス板と第二のガラス板は、異種のガラスを用いてもよい。つまり異種のガラス組成を有していてもよい。このようにすれば、第二のガラス板の熱膨張係数がパッケージ基体の熱膨張係数に制約されなくなるため、パッケージ基体と第一のガラス板の熱膨張係数を厳密に整合させつつ、安価なガラス板を第二のガラス板に使用することができる。結果として、気密パッケージの気密信頼性と製造コストを両立し易くなる。
本発明の気密パッケージは、封着材料層を有している。封着材料層は、封着材料とビークルを混練して作製される封着材料ペーストを塗布、乾燥、脱バインダー、及び焼結することにより作製される。封着材料は、一般的に、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末であり、必要に応じて、着色顔料等のレーザー吸収材が添加される場合がある。そして、封着材料は、レーザー封着の際に、軟化流動して、パッケージ基体とガラス蓋を気密一体化する材料である。ビークルは、一般的に、有機樹脂と溶媒の混合物、つまり有機樹脂が溶解した粘稠液を指し、ビークル中に封着材料を分散させることで封着材料ペーストが得られる。なお、ビークル中に、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等が添加される場合もある。
封着材料として、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末を用いることが好ましい。複合粉末として、60〜100体積%のガラス粉末と0〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが好ましく、65〜95体積%のビスマス系ガラス粉末と5〜35体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが更に好ましい。耐火性フィラー粉末は、パッケージ基体とガラス蓋の熱膨張係数を整合し易くするために添加される。その結果、レーザー封着後に封着領域に不当な応力が残留し、破損する事態を防止することができる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、パッケージ基体の枠部の頂部と封着材料層の密着性が低下して、レーザー封着強度が低下し易くなる。
封着材料の軟化点は、好ましくは530℃以下、510℃以下、特に480℃以下である。封着材料の軟化点が高過ぎると、封着材料層の表面平滑性を高め難くなる。更にレーザー封着時に過度に温度を高める必要があり、ガラス蓋が破損し易くなる。封着材料の軟化点の下限は特に設定されないが、ガラス粉末の熱的安定性を考慮すると、封着材料の軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点に相当する。
ガラス粉末は、レーザー封着強度を高める観点から、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスが好ましい。更に、ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 28〜60%、B 15〜37%、ZnO 0〜30%、CuO+MnO(CuOとMnOの合量) 1〜40%を含有することが好ましい。各成分の含有範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。
Biは、軟化点を低下させるための主要成分である。Biの含有量は、好ましくは28〜60%、33〜55%、特に35〜45%である。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、軟化流動性が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して、軟化流動性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分である。Bの含有量は、好ましくは15〜37%、19〜33%、特に22〜30%である。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスネットワークが形成され難くなるため、レーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなり、軟化流動性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0〜30%、3〜25%、5〜22%、特に5〜20%である。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
CuOとMnOは、レーザー吸収能を大幅に高める成分である。CuOとMnOの合量は、好ましくは1〜40%、3〜35%、10〜30%、特に15〜30%である。CuOとMnOの合量が少な過ぎると、レーザー吸収能が低下し易くなる。一方、CuOとMnOの合量が多過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化流動し難くなる。またガラスが熱的に不安定になり、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量は、好ましくは1〜30%、特に10〜25%である。MnOの含有量は、好ましくは0〜25%、1〜25%、特に3〜15%である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%である。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。またレーザー封着の際にガラスが失透し易くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満が好ましい。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
Feは、耐失透性とレーザー吸収能を高める成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜10%、0.1〜5%、特に0.4〜2%である。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
Sbは、耐失透性を高める成分である。Sbの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが崩れて、かえって耐失透性が低下し易くなる。
また、封着材料としてビスマス系ガラスだけでなく、銀リン酸系ガラスまたはテルル系ガラスの何れかを使用することもできる。銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと比較して、低温で軟化流動し易く、レーザー封着後に生じる熱歪みを低減し得るため、熱的信頼性及び機械的信頼性を高めることができるという特徴を有する。更に、銀リン酸系ガラスとテルル系ガラスは、ビスマス系ガラスと同様に、耐火性フィラー粉末を混合すると、封着材料層の機械的強度を高めることができ、且つ封着材料層の熱膨張係数を低下させることができる。
銀リン酸系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、AgO 10〜50%、P 10〜35%、ZnO 3〜25%、遷移金属酸化物 0〜30%を含有することが好ましい。
AgOは、ガラスを低融点化させると共に、水に溶け難いため、耐水性を高める成分である。AgOの含有量は10〜50%、特に20〜40%が好ましい。AgOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。一方、AgOの含有量が多過ぎると、ガラス化が困難になる。
は、ガラスを低融点化させる成分である。その含有量は10〜35%、特に15〜25%が好ましい。Pの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になる。一方、Pの含有量が多過ぎると、耐候性、耐水性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分であり、その含有量は3〜25%、5〜22%、特に9〜20%が好ましい。ZnOの含有量が上記範囲外になると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CuOを添加すれば、レーザー吸収特性を高めることができる。CuOの含有量は0〜30%、1〜30%、特に3〜15%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は0〜40%、特に10〜30%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、特に1〜12%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
テルル系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、TeO 20〜80%、Nb 0〜25%、遷移金属酸化物 0〜40%を含有することが好ましい。
TeOは、ガラス形成成分であり、ガラスを低融点化させる成分である。TeOの含有量は20〜80%、特に40〜75%が好ましい。
Nbは、耐水性を高める成分である。Nbの含有量は0〜25%、1〜20%、特に5〜15%が好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、流動性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物は、レーザー吸収特性を有する成分であり、その含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。遷移金属酸化物の含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
遷移金属酸化物の中では、CuOが、レーザー吸収特性を高める効果が高く、熱的安定性を高める効果も高い。CuOの含有量は0〜40%、5〜30%、特に15〜25%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
ガラス粉末の平均粒径D50は、好ましくは15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmである。ガラス粉末の平均粒径D50が小さい程、ガラス粉末の軟化点が低下する。ここで、「平均粒径D50」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上が好ましく、特にβ−ユークリプタイト又はコーディエライトが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラス、銀リン酸系ガラス、テルル系ガラス等との適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に0.1μm以上、且つ1.5μm未満である。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。
耐火性フィラー粉末の99%粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に0.3μm以上、且つ3μm以下である。耐火性フィラー粉末の99%粒径D99が大き過ぎると、封着材料層の表面平滑性が低下し易くなると共に、封着材料層の平均厚みが大きくなり易く、結果として、レーザー封着精度が低下し易くなる。ここで、「99%粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
封着材料は、レーザー吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ガラスの失透を助長する作用を有する。更にレーザー吸収材を導入すると、封着材料のレーザー吸収特性が高くなり過ぎて、パッケージ基体と封着材料層のレーザー吸収特性の差が大きくなり易い。よって、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量は、好ましくは10体積%以下、5体積%以下、1体積%以下、0.5体積%以下、特に実質的に含有しないことが好ましい。なお、レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能である。
封着材料の熱膨張係数は、好ましくは55×10−7〜110×10−7/℃、60×10−7〜100×10−7/℃、特に65×10−7〜90×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数がガラス蓋やパッケージ基体の熱膨張係数に整合して、封着領域に残留する応力が小さくなる。なお、「熱膨張係数」は、30〜200℃の温度範囲において、TMA(押棒式熱膨張係数測定)装置で測定した値である。
封着材料ペーストは、通常、三本ローラー等により、封着材料とビークルを混練、分散することにより作製される。ビークルは、上記の通り、有機樹脂と溶剤を含む。有機樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。
ビークルに添加する有機樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル有機樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、テルペン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
ガラス蓋への封着材料ペーストの塗布は、周知の方法で行うことができる。例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布等で行うことができる。塗布膜の乾燥は、自然乾燥でもよいが、乾燥効率の観点から、電気炉、乾燥炉で行うことが好ましい。
塗布膜を乾燥した乾燥膜に対して、電気炉等の全体加熱により脱バインダー処理を行い、且つガラス粉末の軟化点以上の温度で加熱して軟化流動させると、表面平滑性が高い封着材料層を得ることができる。
乾燥膜に対して、レーザー光の照射によって焼結処理を行うこともできる。この時、乾燥膜にレーザー光を照射して、封着材料層を形成した後に、(100℃以上、且つガラス蓋の歪点以下)の温度でガラス蓋を熱処理することが好ましい。このようにすれば、ガラス蓋のサーマルショックが抑制されるため、ガラス蓋の割れを防止し易くなる。
封着材料層の平均厚さは、好ましくは10.0μm未満、特に1.0μm以上、且つ7.0μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層、パッケージ基体及びガラス蓋の熱膨張係数が不整合であっても、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
封着材料層の平均幅は、好ましくは3500μm未満、1200μm未満、特に150μm以上、且つ800μm未満である。封着材料層の平均幅を狭くすると、レーザー封着後に封着領域に残留する応力を低減することができる。更にパッケージ基体の枠部の幅を狭小化することができ、気密パッケージのデバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。
気密パッケージの製造方法は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体を用意する工程と、ガラス蓋を用意する工程と、パッケージ基体の枠部の頂部とガラス蓋とが封着材料層と接するように、パッケージ基体とガラス蓋を積層配置する工程と、ガラス蓋側からレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、パッケージ基体とガラス蓋を気密一体化して、気密パッケージを得る工程と、を備えることが好ましい。
パッケージ基体とガラス蓋を積層配置する工程を設ける工程では、ガラス蓋をパッケージ基体の下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス蓋をパッケージ基体の上方に配置することが好ましい。
パッケージ基体とガラス蓋を積層配置する際に、封着材料層がパッケージ基体の枠部の頂部において幅方向の中心線上に位置するように、封着材料層とパッケージ基体の枠部の頂部を接触配置することが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の精度を高めることができる。
ガラス蓋側から照射するレーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。
レーザー封着時におけるレーザー光のビーム形状は、特に限定されない。ビーム形状としては、円形、楕円形、矩形が一般的であるが、その他の形状でもよい。また、レーザー封着時におけるレーザー光のビーム径は0.3〜3.5mmが好ましい。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
レーザー封着を行う前に、(100℃以上、且つ内部素子の耐熱温度以下の温度)でパッケージ基体を予備加熱することが好ましい。これにより、レーザー封着時にパッケージ基体側への熱伝導を阻害し得るため、レーザー封着を効率良く行うことができる。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着時に封着材料層の軟化変形を促進することができる。
パッケージ基体とガラス蓋を積層配置する前に、更にパッケージ基体の枠部内に内部素子を実装する工程を備えることが好ましい。これにより、内部素子の熱劣化を抑制することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜3)と比較例(試料No.4、5)を示している。
以下のようにして、試料No.1〜4に係るパッケージ基体を作製した。まず、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を表1に記載の割合で混合して、表1に記載の複合粉末を作製した。なお、ガラス粉末の平均粒径D50は2.5μmであった。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は2.0μmであった。
次に、複合粉末に対して、有機溶剤、有機バインダー、可塑剤を添加、混練してスラリーとし、これを成型及び乾燥して、ガラスセラミックグリーンシートを作製した。具体的には、複合粉末100質量部に対して、有機溶剤としてメチルエチルケトン40質量部、有機バインダーとしてアクリル樹脂12質量部、可塑剤としてブチルベンジルフタレート3質量部を加え、ボールミルで24時間分散して、均一なスラリーを得た。このスラリーからドクターブレード法で厚みが0.15mmのガラスセラミックグリーンシートを得た。
得られたグリーンシートを用いてパッケージ基体を作製した。基部を形成するガラスセラミックグリーンシート複数枚と枠部を形成するガラスセラミックグリーンシート複数枚を圧着、積層して表1に示す温度で1時間焼成して、基部と基部上に設けられた枠部とを有するパッケージ基体(縦5mm×横5mm×基部厚み0.9mm、枠部の幅600μm、枠部の高さ400μm)を作製した。なお、試料No.5では、同サイズのAlN基板を用いた。
得られたパッケージ基体について、波長350nm、厚み1mmの反射率を測定すると共に、熱伝導率をレーザーフラッシュ法により測定した。それらの結果を表1に示す。
続いて、ビスマス系ガラス粉末を68体積%、耐火性フィラー粉末を32体積%の割合で混合して、封着材料を作製した。ここで、ビスマス系ガラス粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとし、耐火性フィラー粉末の平均粒径D50を1.0μm、99%粒径D99を2.8μmとした。なお、ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 39%、B 24.5%、ZnO 14.5%、Al 1.0%、CuO 20.5%、Fe 0.5%を含有している。また耐火性フィラー粉末はβ−ユークリプタイトである。
得られた封着材料の熱膨張係数を測定したところ、その熱膨張係数は、66×10−7/℃であった。なお、熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定したものであり、その測定温度範囲は30〜200℃である。
次に、ガラス蓋(縦5mm×横5mm×厚み0.2mm、アルカリホウケイ酸ガラス基板、熱膨張係数66×10−7/℃)を用意すると共に、ガラス蓋の外周端縁上に、スクリーン印刷機により上記の封着材料ペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、500℃で10分間焼成して、5.0μm厚、幅200μmの封着材料層をガラス蓋上に形成した。
更に、試料No.1〜5に係るパッケージ基体の枠部内に深紫外LED素子を実装した。
最後に、パッケージ基体の枠部の頂部と封着材料層が接触するように、ガラスパッケージ基体とガラス蓋を積層配置した後、ガラス蓋側から封着材料層に向けて波長808nm、12Wの半導体レーザーを照射して、封着材料層を軟化変形させることにより、ガラス蓋とパッケージ基体を気密一体化して、各気密パッケージを得た。
得られた気密パッケージについて、封着強度を評価した。詳述すると、得られた気密パッケージからパッケージ基体を分離した後、パッケージ基体の枠部の頂部に形成された封着材料層を除去し、枠部の頂部の表層を目視観察したところ、反応痕が認められたものを「○」、反応痕が認められなかったものを「×」として、封着強度を評価した。
得られた気密パッケージについて、気密信頼性を評価した。詳述すると、得られた気密パッケージに対して、高温高湿高圧試験:HAST試験(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)を行った後、封着材料層の近傍を観察したところ、変質、クラック、剥離等が全く認められなかったものを「○」、変質、クラック、剥離等が認められたものを「×」として気密信頼性を評価した。なお、HAST試験の条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。
表1から明らかなように、試料No.1〜3に係る気密パッケージは、熱伝導率が所定範囲に規制されているため、封着強度と気密信頼性の評価が良好であった。更に、試料No.1〜3に係る気密パッケージは、反射率が所定範囲に規制されているため、LEDからの発光の一部を吸収し難く、発光効率を維持し易いものと考えられる。一方、試料No.4に係る気密パッケージは、熱伝導率が高過ぎるため、封着強度と気密信頼性の評価が不良であった。また、試料No.5に係る気密パッケージは、熱伝導率が高過ぎるため、封着強度と気密信頼性の評価が不良であり、更に反射率が低過ぎるため、LEDからの発光の一部を吸収し、発光効率を低下させる虞があるものと考えられる。
本発明の気密パッケージは、センサーチップ、LED等の内部素子が実装された気密パッケージに好適であるが、それ以外にも圧電振動素子や有機樹脂中に量子ドットを分散させた波長変換素子等を実装する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
1 気密パッケージ
10 ガラス蓋
11 パッケージ基体
12 基部
13 枠部
14 内部素子
15 封着材料層
16 枠部の頂部
17 レーザー照射装置
L レーザー光

Claims (5)

  1. パッケージ基体とガラス蓋とが、封着材料層により気密一体化された気密パッケージにおいて、
    パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、
    パッケージ基体の枠部が、ガラスセラミック材料で構成されており、
    パッケージ基体の枠部の反射率が、波長350nm、厚み1mmで70%以上であり、
    且つパッケージ基体の枠部の熱伝導率が1〜5W/mKであることを特徴とする気密パッケージ。
  2. ガラスセラミック材料が、ガラス 30〜70質量%、セラミック 30〜70質量%を含むことを特徴とする請求項1に記載の気密パッケージ。
  3. パッケージ基体の枠部の頂部とガラス蓋との間に封着材料層が配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気密パッケージ。
  4. 封着材料層が、ガラス組成中に遷移金属酸化物を含むビスマス系ガラスと耐火性フィラーとを含み、且つ実質的にレーザー吸収材を含んでいないことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気密パッケージ。
  5. パッケージ基体の枠部内に、内部素子が実装されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気密パッケージ。
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