JP2019151539A - ガラス粉末及びそれを用いた封着材料 - Google Patents
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【課題】耐水性が高く、レーザー封着の際に、低温で軟化流動し得るガラス粉末及びそれを用いた封着材料を創案する。【解決手段】本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、Ag2O 10〜50%、P2O510〜35%未満、TeO21〜35%未満、ZnO 3超〜25%未満、Nb2O50〜10%、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O41〜30%を含有することを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、ガラス粉末及びそれを用いた封着材料に関し、特にレーザー光による封着処理(以下、レーザー封着)に好適なガラス粉末及びそれを用いた封着材料に関する。
近年、MEMS(Micro Electric Mechanical System)パッケージ等の気密パッケージの高性能化が検討されている。従来まで、気密パッケージの接着材料として、低温硬化性を有する有機樹脂系接着剤やはんだが使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着剤では、気体や水分の浸入を完全に遮断できないため、内部素子の特性が経時的に劣化する虞がある。また、はんだによる封着は、内部素子を含む気密パッケージ全体を加熱する工程があるため、内部素子を熱劣化させる虞がある。
一方、ガラス粉末を含む封着材料は、有機樹脂系接着剤に比べて、気体や水分が透過し難いため、長期に亘って内部素子の特性を維持することができる。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に内部素子を熱劣化させる虞がある。このような事情から、レーザー封着が注目されている。レーザー封着によれば、封着すべき部分のみを局所的に加熱し得るため、内部素子を熱劣化させることなく、気密パッケージを封着することができる。
また、近年、LED(Light Emission Diode)素子が実装された気密パッケージでは、熱伝導性の観点から、パッケージ基体として、窒化アルミニウム、アルミナ、サーマルビアを有する低温焼成基板(LTCC)等が使用されるが、この場合も、LED素子の熱劣化を防止するために、パッケージ基体とガラス蓋(リッド)をレーザー封着することが好ましい。特に、紫外波長領域で発光するLED素子が実装された気密パッケージでは、レーザー封着により紫外波長領域で発光特性を維持し易くなる。
レーザー封着には、一般的に、ガラス粉末としてビスマス系ガラスが使用されている。ビスマス系ガラスは、他の低融点ガラスに比べて耐水性が高いという特徴を有している。
しかし、ビスマス系ガラスは、他の低融点ガラスに比べて軟化温度が高いため、レーザー封着の際に、ガラス蓋や封着材料に熱歪みが生じ易いという問題がある。レーザー封着の条件を変更することにより、熱歪みを多少低減することは可能であるが、その低減にも限界がある。よって、レーザー封着の際に、低温で軟化流動し得る封着材料が求められている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、耐水性が高く、レーザー封着の際に、低温で軟化流動し得るガラス粉末及びそれを用いた封着材料を創案することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、銀リン酸系ガラスに特定の遷移金属酸化物を所定量導入することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、Ag2O 10〜50%、P2O5 10〜35%未満、TeO2 1〜35%未満、ZnO 3超〜25%未満、Nb2O5 0〜10%、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4 1〜30%を含有することを特徴とする。ここで、「CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4」は、CuO、MnO、Fe2O3、V2O5、NiO、WO3、MoO3及びCo3O4の合量を指す。
本発明のガラス粉末は、Ag2O 10〜50%、P2O5 10〜35%未満、TeO2 1〜35%未満、ZnO 3超〜25%未満、Nb2O5 0〜10%を含有する。このようにすれば、耐水性を維持しつつ、ガラスを低融点化することができる。
更に、本発明のガラス粉末は、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4を1モル%以上含む。このようにすれば、光吸収特性が向上するため、レーザー封着の際に、ガラスが軟化流動し易くなる。
また、本発明のガラス粉末は、CuO+MnOの含有量が1〜30モル%であることが好ましい。ここで、「CuO+MnO」は、CuOとMnOの合量である。
また、本発明のガラス粉末は、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が0.1モル%未満の場合を指す。
本発明の封着材料は、ガラス粉末 50〜90体積%、耐火性フィラー粉末 10〜50体積%、レーザー吸収材 0〜20体積%を含有し、ガラス粉末が上記のガラス粉末であることが好ましい。
また、本発明の封着材料は、耐火性フィラー粉末が、NaZr2(PO4)3型固溶体、ウイレマイト、コージエライト、ジルコン、酸化スズ、β−ユークリプタイト、リン酸ジルコニウム、五酸化ニオブ、石英ガラス、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、立方晶ジルコニア、チタニア、スズ酸亜鉛、マグネシア、石英、スピネル、ガーナイトから選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。ここで、「NaZr2(PO4)3型固溶体」とは、XY2Z3O12又はAYZ3O12の化学式で表される物質であり、Xは1価に相当する元素からなり、Yは4価に相当する元素からなり、またA、Zは5価に相当する元素からなる。
また、本発明の封着材料は、レーザー吸収材の含有量が5体積%以下であることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の際に、ガラスが失透し難くなる。
また、本発明の封着材料は、レーザー封着に用いることが好ましい。このようにすれば、封着の際に、内部素子の熱劣化を防止することができる。なお、レーザー封着に使用するレーザー光の光源は、特に限定されないが、例えば、半導体レーザー、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等が、取り扱いが容易な点で好適である。また、レーザー光の発光中心波長は、上記封着材料にレーザー光を的確に吸収させるために、500〜1600nm、特に750〜1300nmが好ましい。
本発明の気密パッケージは、パッケージ基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージであって、封着材料層が上記の封着材料を含むことが好ましい。
また、本発明の気密パッケージでは、パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、封着材料層が該枠部の頂部とガラス蓋の間に介在していることが好ましい。
本発明のガラス粉末は、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、Ag2O 10〜50%、P2O5 10〜35%未満、TeO2 1〜35%未満、ZnO 3超〜25%未満、Nb2O5 0〜10%、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4 1〜30%を含有する。上記のようにガラス粉末のガラス組成を限定した理由を下記に詳述する。なお、以下の%表示は、特に断りがない限り、モル%を示す。
Ag2Oは、ガラスを低融点化させると共に、水に溶け難いため、耐水性を高める成分である。Ag2Oの含有量は10〜50%であり、好ましくは20〜40%である。Ag2Oが少な過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、軟化流動性が低下し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。一方、Ag2Oが多過ぎると、ガラス化が困難になる。
P2O5は、ガラスを低融点化させる成分である。その含有量は10〜35%未満であり、好ましくは15〜25%である。P2O5が少な過ぎると、ガラス化が困難になる。一方、P2O5が多過ぎると、耐候性、耐水性が低下し易くなる。
TeO2は、耐失透性を高める成分であり、またガラスを低融点化させる成分である。TeO2の含有量は1〜35%未満であり、好ましくは10〜25%である。TeO2が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、TeO2が多過ぎると、耐候性、耐水性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分であり、また熱膨張係数を低下させる成分である。ZnOの含有量は3超〜25%未満であり、好ましくは5〜20%である。ZnOが少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、ZnOが多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、軟化流動性が低下し易くなる。
Nb2O5は、耐水性を高める成分である。Nb2O5の含有量は0〜10%であり、好ましくは1〜8%である。Nb2O5が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなって、軟化流動性が低下し易くなる。
CuO、MnO、Fe2O3、V2O5、NiO、WO3、MoO3、Co3O4は、光吸収特性を高める成分である。CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4の含有量は1〜30%であり、好ましくは2〜25%、特に3〜20%である。CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4が少な過ぎると、レーザー封着の際に、ガラスが軟化流動し難くなるため、レーザー封着強度が低下し易くなる。一方、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4が多過ぎると、ガラス化が困難になる。
CuO、MnO、Fe2O3、V2O5、NiO、WO3、MoO3、Co3O4の内、CuOとMnOは、光吸収特性が良好であり、銀リン酸系ガラスとの適合性が良好である。
CuO+MnOの含有量は1〜30%であり、好ましくは2〜25%、特に3〜20%である。CuO+MnOが少な過ぎると、レーザー封着の際に、ガラスが軟化流動し難くなるため、レーザー封着強度が低下し易くなる。一方、CuO+MnOが多過ぎると、ガラス化が困難になる。
CuO+MnOの含有量は1〜30%であり、好ましくは2〜25%、特に3〜20%である。CuO+MnOが少な過ぎると、レーザー封着の際に、ガラスが軟化流動し難くなるため、レーザー封着強度が低下し易くなる。一方、CuO+MnOが多過ぎると、ガラス化が困難になる。
なお、CuO、MnO、Fe2O3、V2O5、NiO、WO3、MoO3、Co3O4のそれぞれの含有量は、好ましくは0〜25%、より好ましくは2〜20%、特に好ましくは3〜10%である。
また、本発明の銀リン酸系ガラスにおいては、上記成分以外にも、Li2O、SiO2、Al2O3、In2O3、Bi2O3などの酸化物、Li、Si、B、Al、Mn、In、Mo、Cu、Co、Ge、W、Zn、Te、Ga、P、Agのハロゲン化物や硫化物をそれぞれ5%、好ましくは1%まで導入することができる。ここで、「ハロゲン化物」とは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物のことである。なお、金属元素が同じ場合、ハロゲン化物の方が、酸化物よりも、ガラスの粘性を低下させる効果が大きくなるが、その一方で環境負荷が大きくなる。
本発明のガラス粉末は、30〜150℃の温度範囲における熱膨張係数が100〜200×10−7/℃程度であり、また機械的強度が高くない。よって、本発明のガラス粉末は、耐火性フィラー粉末と混合して複合粉末とすることが好ましい。これにより、熱膨張係数を低減しつつ、機械的強度を高めることができる。
本発明の封着材料は、ガラス粉末 50〜90体積%、耐火性フィラー粉末 10〜50体積%、レーザー吸収材 0〜20体積%を含有することが好ましく、ガラス粉末 55〜80体積%、耐火性フィラー粉末 20〜45体積%、レーザー吸収材 0〜5体積%を含有することが更に好ましい。ガラス粉末は、レーザー封着の際に、軟化流動して、気密パッケージの気密信頼性を確保するための成分である。耐火性フィラー粉末は、骨材として作用し、熱膨張係数を低減しつつ、機械的強度を高めるための成分である。レーザー吸収材は、レーザー封着の際に、レーザー光を吸収して、ガラス粉末の軟化流動を促進する成分である。
ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは、好ましくは10μm以下、特に5μm以下である。ガラス粉末の最大粒子径Dmaxが大き過ぎると、レーザー封着に要する時間が長くなると共に、被封着物間のギャップを均一化し難くなり、レーザー封着の精度が低下し易くなる。ここで、「最大粒子径Dmax」とは、レーザー回折装置で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
ガラス粉末の軟化点は、好ましくは400℃以下、380℃以下、特に360℃以下が好ましい。ガラス粉末の軟化点が高過ぎると、レーザー封着の際にガラスが軟化し難くなるため、レーザー光の出力を上昇させない限り、レーザー封着強度を高めることができない。ここで、「軟化点」は、マクロ型示差熱分析で測定した時の第四変曲点の温度を指す。
耐火性フィラー粉末には、種々の材料が使用可能であるが、その中でも、低膨張と高強度の観点から、NaZr2(PO4)3型固溶体、ウイレマイト、コージエライト、ジルコン、酸化スズ、β−ユークリプタイト、リン酸ジルコニウム、五酸化ニオブ、石英ガラス、ムライト、チタン酸アルミニウム等が好ましい。また、機械的強度を高める観点から、耐火性フィラー粉末として、アルミナ、立方晶ジルコニア、チタニア、スズ酸亜鉛、マグネシア、石英、スピネル、ガーナイト等を用いることも好ましい。なお、上記の耐火性フィラー粉末は、単独で使用しても良いし、二種以上を混合して使用しても良い。なお、本発明の効果を損なわない限り、上記耐火性フィラー粉末以外の耐火性フィラー粉末を使用してもよい。
耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxは、好ましくは15μm以下、10μm未満、5μm未満、特に0.5〜3μm未満である。耐火性フィラー粉末の最大粒子径Dmaxが大き過ぎると、被封着物間のギャップを均一化し難くなると共に、被封着物間のギャップを狭小化し難くなり、気密パッケージの薄型化を図り難くなる。なお、被封着物間のギャップが大きい場合に、被封着物と封着材料層の熱膨張係数差が大きいと、被封着物や封着材料層にクラック等が発生し易くなる。
本発明の封着材料において、レーザー吸収材の含有量は、好ましくは0〜20体積%、0〜10体積%、0〜5体積%、0〜3体積%、0〜1体積%、特に0〜0.1体積%である。レーザー吸収材の含有量が多過ぎると、レーザー封着の際に、ガラス中にレーザー吸収材が溶け込み、これによりガラスが失透して、封着材料の軟化流動性が低下し易くなる。
本発明の封着材料において、波長808nmの単色光における光吸収率は、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上である。この光吸収率が低いと、レーザー封着の際に封着材料層が光を適正に吸収できず、レーザー光の出力を上昇させない限り、レーザー封着強度を高めることができない。なお、レーザー光の出力を上昇させると、レーザー封着の際に内部素子が熱劣化する虞がある。ここで、「波長808nmの単色光における光吸収率」は、膜厚5μmに焼成した封着材料層について、λ=808nmの単色光の反射率と透過率を分光光度計でそれぞれ測定し、それらの合計値を100%から減じた値に相当する。
本発明の封着材料において、熱膨張係数は、好ましくは85×10−7/℃以下、80×10−7/℃以下、特に50×10−7/℃以上、且つ75×10−7/℃以下である。このようにすれば、被封着物が低膨張である場合、レーザー封着の際に、被封着物や封着材料に熱歪みが生じ難くなり、被封着物や封着材料層にクラックが生じ難くなる。
本発明の封着材料において、軟化点は、好ましくは500℃以下、450℃以下、特に400℃以下である。封着材料の軟化点が高過ぎると、レーザー封着の際にガラスが軟化流動し難くなるため、レーザー光の出力を上昇させない限り、レーザー封着強度を高めることができない。
本発明の封着材料は、まず上記ガラス組成を有するように各種原料を調合し、850〜1000℃で1〜3時間溶融してガラス化した後、溶融ガラスをフィルム成形し、更にボールミル粉砕、空気分級して、ガラス粉末を得る。その後、このガラス粉末に耐火性フィラー粉末等を添加して混合することにより、封着材料を得ることができる。
本発明の封着材料は、粉末の状態で使用に供してもよいが、ビークルと均一に混練し、封着材料ペーストに加工すると取り扱い易い。ビークルは、主に溶媒と樹脂で構成される。樹脂は、封着材料ペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。封着材料ペーストは、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて被封着物上に塗布された後、脱バインダー工程に供される。
樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル酸エステル、ニトロセルロースは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
溶媒として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
本発明の封着材料は、気密パッケージの封着材料層に用いることが好ましい。気密パッケージは、パッケージ基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された構造であることが好ましい。以下、気密パッケージについて、詳細に説明する。
パッケージ基体は、基部と基部上に設けられた枠部とを有することが好ましく、封着材料層は、該枠部の頂部に形成されていることが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体の枠部内にMEMS、LED素子等の内部素子を収容し易くなる。パッケージ基体の枠部は、パッケージ基体の外側端縁領域に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。またMEMS、LED素子等の内部素子をパッケージ基体の枠部内に収容し易くなり、且つ配線接合等も行い易くなる。
枠部の頂部における封着材料層が配される領域の表面の表面粗さRaは1.0μm未満であることが好ましい。この表面の表面粗さRaが大きくなると、レーザー封着の精度が低下し易くなる。ここで、「表面粗さRa」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。
枠部の頂部の幅は、好ましくは100〜3000μm、200〜1500μm、特に300〜900μmである。枠部の頂部の幅が狭過ぎると、封着材料層と枠部の頂部との位置合わせが困難になる。一方、枠部の頂部の幅が広過ぎると、デバイスとして機能する有効面積が小さくなる。
パッケージ基体は、ガラス、ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムの何れか、或いはこれらの複合材料(例えば、窒化アルミニウムとガラスセラミックを一体化したもの)であることが好ましい。ガラスは、封着材料層と反応層を形成し易いため、レーザー封着で強固な封着強度を確保することができる。ガラスセラミックは、封着材料層との濡れ性を適正化し易いという特徴がある。更にサーマルビアを容易に形成し得るため、気密パッケージが過度に温度上昇する事態を適正に防止することができる。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、気密パッケージの温度上昇を抑制し易くなる。
ガラスセラミック、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムは、黒色顔料が分散されている(黒色顔料が分散された状態で焼結されてなる)ことが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体が、封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、レーザー封着の際にパッケージ基体の封着材料層と接触する箇所が加熱されるため、封着材料層とパッケージ基体の界面で反応層の形成を促進することができる。
黒色顔料が分散されているパッケージ基体は、照射すべきレーザー光を吸収する性質を有すること、つまり厚み0.5mm、照射すべきレーザー光の波長(808nm)における全光線透過率が10%以下(望ましくは5%以下)であることが好ましい。このようにすれば、パッケージ基体と封着材料層の界面で封着材料層の温度が上がり易くなる。
パッケージ基体の基部の厚みは0.1〜2.5mm、特に0.2〜1.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
パッケージ基体の枠部の高さ、つまりパッケージ基体から基部の厚みを引いた高さは、好ましくは100〜2000μm、特に200〜900μmである。このようにすれば、内部素子を適正に収容しつつ、気密パッケージの薄型化を図り易くなる。
ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、アルカリホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。なお、ガラス蓋は、複数枚のガラス板を貼り合わせた積層ガラスであってもよい。
ガラス蓋の内部素子側の表面に機能膜を形成してもよく、ガラス蓋の外側の表面に機能膜を形成してもよい。特に機能膜として反射防止膜が好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光を低減することができる。
ガラス蓋の厚みは、好ましくは0.1mm以上、0.2〜2.0mm、0.4〜1.5mm、特に0.5〜1.2mmである。ガラス蓋の厚みが小さいと、気密パッケージの強度が低下し易くなる。一方、ガラス蓋の厚みが大きいと、気密パッケージの薄型化を図り難くなる。
ガラス蓋と封着材料層の熱膨張係数差は50×10−7/℃未満、40×10−7/℃未満、特に30×10−7/℃以下が好ましい。この熱膨張係数差が大き過ぎると、封着部分に残留する応力が不当に高くなり、気密パッケージの気密信頼性が低下し易くなる。
封着材料層は、本発明の封着材料により構成されており、レーザー光を吸収することにより軟化変形して、パッケージ基体の表層に反応層を形成し、パッケージ基体とガラス蓋とを気密一体化する機能を有している。
封着材料層の端部(内側端部及び/又は外側端部)は、断面視で円弧状に側方に突出していることが好ましく、封着材料層の内側端部及び外側端部が円弧状に突き出ていることが更に好ましい。このようにすれば、気密パッケージにせん断応力がかかった時に、封着材料層がバルク破壊し難くなる。結果として、気密パッケージの気密信頼性を高めることができる。
封着材料層は、枠部との接触位置が枠部の頂部の内側端縁から離間するように形成されると共に、枠部の頂部の外側端縁から離間するように形成することが好ましく、枠部の頂部の内側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されることが更に好ましい。枠部の頂部の内側端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の内側端縁と封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。また枠部の頂部の外側端縁から50μm以上、60μm以上、70〜2000μm、特に80〜1000μm離間した位置に形成されていることが好ましい。枠部の頂部の外側端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ難くなるため、冷却過程でガラス蓋が破損し易くなる。一方、枠部の頂部の外側端縁と封着材料層の離間距離が長過ぎると、気密パッケージの小型化が困難になる。
封着材料層は、ガラス蓋との接触位置がガラス蓋の端縁から50μm以上、60μm以上、70〜1500μm、特に80〜800μm離間するように形成されていることが好ましい。ガラス蓋の端縁と封着材料層の離間距離が短過ぎると、レーザー封着の際に、ガラス蓋の端縁領域において、ガラス蓋の内部素子側の表面と外側の表面の表面温度差が大きくなり、ガラス蓋が破損し易くなる。
封着材料層は、枠部の頂部の幅方向の中心線上に形成されている、つまり枠部の頂部の中央領域に形成されていることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着の際に、局所加熱で発生した熱が逃げ易くなるため、ガラス蓋が破損し難くなる。なお、枠部の頂部の幅が充分に大きい場合は、枠部の頂部の幅方向の中心線上に封着材料層を形成しなくてもよい。
封着材料層の平均厚みは、好ましくは8.0μm未満、特に1.0μm以上、且つ6.0μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層とガラス蓋の熱膨張係数が不整合である時に、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、複合粉末ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法等が挙げられる。
封着材料層の最大幅は、好ましくは1μm以上、且つ2000μm以下、10μm以上、且つ1000μm以下、50μm以上、且つ800μm以下、特に100μm以上、且つ600μm以下である。封着材料層の最大幅を狭くすると、封着材料層を枠部の端縁から離間させ易くなるため、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減し易くなる。更にパッケージ基体の枠部の幅を狭くすることができ、デバイスとして機能する有効面積を拡大することができる。一方、封着材料層の最大幅が狭過ぎると、封着材料層に大きなせん断応力がかかった場合に、封着材料層がバルク破壊し易くなる。更にレーザー封着の精度が低下し易くなる。
封着材料層の平均厚みを封着材料層の最大幅で除した値は、好ましくは0.003以上、0.005以上、0.01〜0.1、特に0.02〜0.05である。封着材料層の平均厚みを封着材料層の最大幅で除した値が小さ過ぎると、封着材料層に大きなせん断応力がかかった場合に、封着材料層がバルク破壊し易くなる。一方、封着材料層の平均厚みを封着材料層の最大幅で除した値が大き過ぎると、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
封着材料層の表面粗さRaは、好ましくは0.5μm未満、0.2μm以下、特に0.01〜0.15μmである。また、封着材料層の表面粗さRMSは、好ましくは1.0μm未満、0.5μm以下、特に0.05〜0.3μmである。このようにすれば、パッケージ基体と封着材料層の密着性が向上し、レーザー封着の精度が向上する。ここで、「表面粗さRMS」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。なお、上記のように封着材料層の表面粗さRa、RMSを規制する方法としては、封着材料層の表面を研磨処理する方法、耐火性フィラー粉末の粒度を小さくする方法等が挙げられる。
気密パッケージを製造する方法としては、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、パッケージ基体とガラス蓋とを気密封着して、気密パッケージを得ることが好ましい。この場合、ガラス蓋をパッケージ基体の下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス蓋をパッケージ基体の上方に配置することが好ましい。
レーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、赤外レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
レーザー封着を行う際に、100℃以上、且つ内部素子の耐熱温度以下の温度でガラス蓋を予備加熱すると、レーザー封着の際にサーマルショックによるガラス蓋の破損を抑制し易くなる。またレーザー封着直後に、ガラス蓋側からアニールレーザーを照射すると、サーマルショックや残留応力によるガラス蓋の破損を更に抑制し易くなる。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着の際に、封着材料層の端部を円弧状に突出させ易くなる。そして、封着材料層の端部を円弧状に突出させた場合、気密パッケージにせん断応力がかかった時に、封着材料層がバルク破壊し難くなる。結果として、気密パッケージの気密信頼性を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。図1は、気密パッケージの一実施形態を説明するための概略断面図である。図1から分かるように、気密パッケージ1は、パッケージ基体10とガラス蓋11とを備えている。また、パッケージ基体10は、基部12と、基部12の外周端縁上に額縁状の枠部13とを有している。そして、パッケージ基体10の枠部13内には、内部素子14が収容されている。なお、パッケージ基体10内には、内部素子14と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
封着材料層15は、パッケージ基体10の枠部13の頂部とガラス蓋11の内部素子14側の表面との間に、枠部13の頂部の全周に亘って配されている。また、封着材料層15は、本発明の封着材料により構成されている。そして、封着材料層15の幅は、パッケージ基体10の枠部13の頂部の幅よりも小さく、更にガラス蓋11及び枠部13の端部の端縁から離間している。更に封着材料層15の平均厚みは8.0μm未満になっている。
また、上記気密パッケージ1は、次のようにして作製することができる。まず封着材料層15と枠部13の頂部が接するように、封着材料層15が予め形成されたガラス蓋11をパッケージ基体10上に載置する。続いて、押圧治具を用いてガラス蓋11を押圧しながら、ガラス蓋11側から封着材料層15に沿って、レーザー照射装置18から出射したレーザー光Lを照射する。これにより、封着材料層15が軟化流動し、パッケージ基体10の枠部13の頂部の表層と反応することで、パッケージ基体10とガラス蓋11が気密一体化されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)と比較例(試料No.5〜8)を示している。なお、表中で「N.A.」は、未測定であることを意味する。
次のようにして、表中に記載のガラス粉末を作製した。まず表中のガラス組成になるように、各種原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて900℃で1時間溶融した。溶融に際し、白金棒を用いて攪拌し、溶融ガラスの均質化を行った。次に、得られた溶融ガラスの一部を水冷双ローラー間に流し出して、フィルム状に成形し、残りの溶融ガラスをカーボン製の型枠に流し出して、棒状に成形した。最後に、得られたガラスフィルムをボールミルにて粉砕後、平均粒子径D50が1.0μm、最大粒子径Dmaxが3.0μmになるように空気分級機で分級した。また、棒状のガラスについては、徐冷点よりも約20℃高い温度に保持された電気炉内に投入した後、3分/分の降温速度で常温まで徐冷した。なお、この棒状のガラスは、密度測定用に使用するものである。
耐火物フィラー粉末として、NbZr(PO4)3を用いた。耐火物フィラー粉末は、空気分級により、平均粒子径D501.0μm、最大粒子径Dmax3.0μmに調整されている。
ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を表中に示す混合割合で混合し、試料No.1〜8を作製した。試料No.1〜8につき、熱膨張係数α、軟化流動性、レーザー封着強度及び気密信頼性を評価した。その結果を表1に示す。
熱膨張係数αは、TMA装置により、30〜150℃の温度範囲で測定した値である。なお、TMAの測定試料として、各試料を緻密に焼結させた後、所定形状に加工したものを用いた。
軟化流動性は、各試料について、0.6cm3分に相当する質量の粉末を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスし、これを25mm×25mm×0.6mm厚のアルミナ基板上に載置し、空気中で10℃/分の速度で昇温した後、510℃で10分間保持した上で室温まで10℃/分で降温し、得られたボタンの直径(流動径)を測定することで評価したものである。具体的には、流動径が16.0mm以上である場合を「○」、16.0mm未満である場合を「×」として評価した。
次のようにして、レーザー封着強度を評価した。最初に、各試料とビークル(エチルセルロース樹脂含有のトリプロピレングリコールモノブチルエーテル)を三本ロールミルで均一に混錬し、ペースト化した後、無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10、□40mm×0.5mm厚、熱膨張係数38×10−7/℃)上に、無アルカリガラス基板の端縁に沿って額縁状(5μm厚、0.6mm幅)に塗布し、乾燥オーブンで120℃、10分間乾燥した。次に、室温から10℃/分で昇温し、450℃で10分間焼成した後、室温まで10℃/分で降温し、ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の固着を行い、無アルカリガラス基板上に封着材料層を形成した。次に、封着材料層を有する無アルカリガラス基板を、封着材料層が形成されていないLTCC製パッケージ(□40mm)の上に正確に重ねた後、無アルカリガラス基板側から、封着材料層に沿って、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、無アルカリガラス基板とLTCC製パッケージを気密封着した。なお、封着材料層の平均厚みに応じて、レーザー光の照射条件(出力、照射速度)を調整した。最後に、得られた封着構造体を上方1mからコンクリート上に落下させた後、無アルカリガラスと封着材料層の界面に剥離が発生しなかったものを「○」、無アルカリガラスと封着材料層の界面が部分的に剥離したものを「△」、無アルカリガラスと封着材料層の界面が完全に剥離したものを「×」として、レーザー封着強度を評価した。
次のようにして、気密信頼性を評価した。上記の方法で得られた封着構造体を85℃、湿度85%に保持された恒温恒湿槽内で1000時間保持した。その後、封着構造体を光学顕微鏡で観察して、封着材料層が変質せず、封着構造体内に水分の侵入が認められなかったものを「○」、封着構造体内に水分の侵入が認められなかったが、封着材料層が変質したものを「△」、封着構造体内に水分の侵入が認められたものを「×」として、気密信頼性を評価した。
表1から分かるように、試料No.1〜4は、ガラス粉末のガラス組成が所定範囲に規制されているため、軟化流動性、レーザー封着強度及び気密信頼性の評価が良好であった。一方、試料No.5、6は、耐候性が低いため、気密信頼性の評価が不良であった。また試料No.7は、軟化流動性、レーザー封着強度及び気密信頼性の評価が不良であった。更に試料No.8は、光吸収特性が低いため、レーザー封着強度の評価が不良であった。
まず、外形30mm×20mm、外形に沿って額縁状に形成される枠部の幅2.5mm、枠部の高さ2.5mm、基部の厚み1.0mmの寸法を有するパッケージ基体が得られるように、グリーンシート(日本電気硝子社製MLS−26B)を積層、圧着した後、870℃で20分間焼成して、ガラスセラミックからなるパッケージ基体を得た。
次のようにして試料No.1〜4に係る気密パッケージをそれぞれ得た。ホウケイ酸ガラスからなるガラス蓋(日本電気硝子社製BDA、30mm×20mm×厚み0.3mm)の外周端縁に沿って、上記試料No.1〜4に係る封着材料を用いて額縁状の封着材料層を形成した。詳述すると、まず、粘度が約100Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、上記試料No.1〜4に係る封着材料、ビークル及び溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一に分散するまで混錬して、ペースト化し、封着材料ペーストを得た。ビークルにはグリコールエーテル系溶剤にエチルセルロース樹脂を溶解させたものを使用した。次に、ガラス蓋の外周端縁に沿って、スクリーン印刷機により上記の封着材料ペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、500℃で10分間焼成することにより、平均幅400μm、平均厚み6μmの封着材料層をガラス蓋上に形成した
更に、封着材料層を有するガラス蓋を、パッケージ基体の上に正確に重ねた後、ガラス蓋側から、封着材料層に沿って、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、ガラス蓋とパッケージ基体を気密封着して、試料No.1〜4に係る気密パッケージをそれぞれ得た。
更に、封着材料層を有するガラス蓋を、パッケージ基体の上に正確に重ねた後、ガラス蓋側から、封着材料層に沿って、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、ガラス蓋とパッケージ基体を気密封着して、試料No.1〜4に係る気密パッケージをそれぞれ得た。
試料No.1〜4に係る気密パッケージを85℃、湿度85%に保持された恒温恒湿槽内で1000時間保持した後、光学顕微鏡で観察したところ、封着構造体内に水分の侵入が認められなかった。よって、試料No.1〜4に係る気密パッケージは、気密信頼性が高いものと考えられる。
本発明のガラス粉末及びそれを用いた封着材料は、MEMSパッケージ、LEDパッケージ等の気密パッケージのレーザー封着に好適であり、色素増感型太陽電池、CIGS系薄膜化合物太陽電池等の太陽電池のレーザー封着にも好適である。
Claims (9)
- ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%で、Ag2O 10〜50%、P2O5 10〜35%未満、TeO2 1〜35%未満、ZnO 3超〜25%未満、Nb2O5 0〜10%、CuO+MnO+Fe2O3+V2O5+NiO+WO3+MoO3+Co3O4 1〜30%を含有することを特徴とするガラス粉末。
- CuO+MnOの含有量が1〜30モル%であることを特徴とする請求項1に記載のガラス粉末。
- 実質的にPbOを含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス粉末。
- ガラス粉末 50〜90体積%、耐火性フィラー粉末 10〜50体積%、レーザー吸収材 0〜20体積%を含有し、
ガラス粉末が請求項1〜3の何れかに記載のガラス粉末であることを特徴とする封着材料。 - 耐火性フィラー粉末が、NaZr2(PO4)3型固溶体、ウイレマイト、コージエライト、ジルコン、酸化スズ、β−ユークリプタイト、リン酸ジルコニウム、五酸化ニオブ、石英ガラス、ムライト、チタン酸アルミニウム、アルミナ、立方晶ジルコニア、チタニア、スズ酸亜鉛、マグネシア、石英、スピネル、ガーナイトから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項4に記載の封着材料。
- レーザー吸収材の含有量が5体積%以下であることを特徴とする請求項4又は6に記載の封着材料。
- レーザー封着に用いることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の封着材料。
- パッケージ基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージであって、封着材料層が請求項4〜7の何れかに記載の封着材料を含むことを特徴とする気密パッケージ。
- パッケージ基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、封着材料層が該枠部の頂部とガラス蓋の間に介在していることを特徴とする請求項8に記載の気密パッケージ。
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