JP2003265258A - リクライニング装置及びその摺動隙間の設定方法 - Google Patents
リクライニング装置及びその摺動隙間の設定方法Info
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Abstract
は容易であるにもかかわらず、使用時における隙間はポ
ールの摺動は許容する程度に設定可能とする。 【解決手段】 固定側ハウジングと回転側ハウジングと
が相対的に回転できるように組み付けられ、固定側ハウ
ジングに形成されているガイド溝20に沿ってポール1
6を径方向へ摺動させることにより、回転側ハウジング
の内歯にポール16を噛み合わせて両ハウジングの相対
的な回転をロックする形式のリクライニング装置であっ
て、ガイド溝20における両サイドのガイド面24,2
5に対応するポール16の両側面の一方が、このポール
16の摺動方向に対して傾斜した斜面16aに設定され
ている。この斜面16aに対向しているガイド面24
に、ポール16を使用時の摺動領域外に移動させた状態
で斜面16aとの間の隙間を略ゼロに詰めた突出部28
が形成されている。そしてポール16を使用時の摺動領
域内に戻した状態での斜面16aと突出部28との間に
所定の隙間が確保されている。
Description
けるシートバックの傾斜角度を調整するためのリクライ
ニング装置及びその摺動隙間の設定方法に関する。
盤形状をした二つのハウジングが相対的に回転できるよ
うに組み付けられ、かつこの相対回転を所定の角度領域
において多段階にロックできる構造のリクライニング装
置がある。つまり一方のハウジング(固定側ハウジン
グ)はシートクッション側に固定され、他方のハウジン
グ(回転側ハウジング)はシートバック側に固定され
る。そして回転側ハウジングの内周部に内歯が形成され
ているとともに、両ハウジングによって構成された内部
スペースにポールが組み込まれている。
いるガイド溝により、固定側ハウジングに対して回転方
向へは一体的に回転し、かつ径方向へは相対的に摺動す
るようになっている。リクライニング装置の操作によっ
てポールをガイド溝に沿って径方向へ摺動させることが
でき、それによってポールが回転側ハウジングの内歯に
噛み合ったり外れたりする。ポールと内歯とを噛み合わ
せた状態では、両ハウジングの相対的な回転がロックさ
れ、結果としてシートバックが所望の傾斜角度で規制さ
れたリクライニング装置のロック状態となる。
定側ハウジングと回転側ハウジングとの相対的な回転が
ポールを介在して規制されているのであり、固定側ハウ
ジングにおいてはガイド溝とポールとのはめ合い部分で
回転が規制されている。ところがガイド溝とポールとの
間には、このポールの組み付け性を考慮した隙間が確保
されている。この隙間により、リクライニング装置のロ
ック状態においてシートバックに負荷をかけるとガタが
生じる。
ールの組み付け後において詰めるための技術が特開平1
1−299563号公報に開示されている。この技術で
はガイド溝にポールを組み付けた後、このガイド溝を構
成している両側の壁をポンチにより加圧している。この
加圧による壁の変形によってポールの両側面に対する接
触部を形成し、ガイド溝とポールとの間の隙間をポール
の摺動は許容する程度に詰めている。
工によって壁の変形量(接触部の突出量)を加減し、ガ
イド溝とポールとの間の隙間を管理することは至難の作
業である。一般的には隙間がゼロに詰められ、ガイド溝
に対してポールが摺動不能になってしまう。本発明は前
記課題を解決しようとするもので、その目的は、ガイド
溝とポールとの間の隙間を詰める作業は容易であるにも
かかわらず、使用時における隙間はポールの摺動を許容
する程度に設定可能とすることである。
するためのもので、請求項1に記載の発明は、固定側ハ
ウジングと回転側ハウジングとが相対的に回転できるよ
うに組み付けられ、前記固定側ハウジングの内部に形成
されているガイド溝に沿ってポールが前記固定側ハウジ
ングの径方向へ摺動するように配置され、この摺動によ
って前記回転側ハウジングに形成されている内歯に前記
ポールを噛み合わせることにより、両ハウジングの相対
的な回転をロックする形式のリクライニング装置であっ
て、前記ガイド溝における両サイドのガイド面に対応す
る前記ポールの両側面の一方が、このポールの摺動方向
に対して傾斜した斜面に設定されている。この斜面に対
向しているガイド面に、前記ポールを使用時の摺動領域
外に移動させた状態で前記斜面との間の隙間を略ゼロに
詰めた突出部が形成されている。そして前記ポールを使
用時の摺動領域内に戻した状態での前記斜面と前記突出
部との間に所定の隙間が確保されている。
移動させた状態で略ゼロに詰められた隙間が、ポールを
使用時の摺動領域内に戻した状態ではポールの摺動は許
容する程度の寸法となるように設定できる。したがって
隙間を詰める作業は、いわゆるゼロ詰めによって簡単に
行うことができ、かつ使用時のリクライニング装置にお
いてはそのロック状態でのガタを解消することができ
る。
されたリクライニング装置であって、前記突出部は、前
記ポールを前記回転側ハウジングの前記内歯に対する噛
み合い位置を超えた摺動領域外に移動させた状態で、前
記斜面との間の隙間を略ゼロに詰めるように設定されて
いる。これにより突出部を形成して斜面との隙間を略ゼ
ロに詰めるためのポールの位置を、このポールと内歯と
の噛み合い位置を基準として決定できるので、作業性が
よく、またポールを摺動領域内に戻した状態での隙間の
精度も向上する。
に記載されたリクライニング装置であって、前記突出部
は、前記ガイド面を構成している壁体に予め形成されて
いる凹部に工具を打ち込むことによって前記壁体におけ
る前記ガイド面と前記凹部との間の部分を前記ガイド溝
の側に向けて変形させることで形成されている。これに
より突出部を形成する作業、つまりポールの斜面に対し
て隙間を詰める作業が容易となる。
されたリクライニング装置における摺動隙間の設定方法
であって、前記ガイド溝に沿って前記ポールを使用時の
摺動領域外に移動させて位置決めする。その状態で前記
ポールの斜面と対向しているガイド面に、この斜面との
間の隙間を略ゼロに詰めるように突出部を形成する。そ
の後に前記ポールを前記ガイド溝に沿って使用時の摺動
領域内に戻し、前記斜面と前記突出部との間に所定の隙
間を確保する。
する。まず図1〜5によって実施の形態1について説明
する。図1は車両用シートのリクライニング装置を表し
た縦断面図、図2は図1のA-A矢視方向の断面図、図3
はリクライニング装置のアンロック状態を図2と対応さ
せて表した断面図である。まず、これらの図面によって
リクライニング装置の基本的な構造および機能について
説明する。
に円盤形状をした固定側ハウジング10及び回転側ハウ
ジング12を相互の中心まわりに相対的に回転できるよ
うに組み合わせた構造になっている。つまり両ハウジン
グ10,12は、相互を組み合わせた後に外周部におい
てカシメられるリング部材18により、相対的な回転可
能に、かつ外れないように保持されている。図1で示す
ように固定側ハウジング10は車両用シートにおけるシ
ートクッションのクッションフレーム40に固定され、
回転側ハウジング12はシートバックのバックフレーム
42に固定されている。
イドカム14と、その両側(図面の上下)に位置する一
対のポール16が組み込まれている。また両ハウジング
10,12の中心部には、リクライニング装置の回転操
作軸30がその軸線まわりの回転操作可能に設けられて
いる。この回転操作軸30の軸上には操作アーム32
が、ハウジング10,12の内部において回転操作軸3
0と共に回転するように組み付けられている。なお回転
操作軸30の一端部には、ハウジング10,12の外部
においてリクライニング装置のロックを解除するための
操作レバー(図示外)が取り付けられる。
逆に回転操作することにより、スライドカム14が図
2,3の左右方向へ往復移動する。このスライドカム1
4の動きにより、一対のポール16が固定側ハウジング
10の内部に形成されている個々のガイド溝20に沿っ
て径方向へ摺動する。これらのポール16は、回転側ハ
ウジング12の内周に形成されている内歯13に噛み合
うことが可能な歯17を備えている(図2,3)。なお
図1で示すように固定側ハウジング10の内部には回転
操作軸30を中心として形成された窪み10aがあり、
そこにスプリング34(巻きバネ)が収容されている。
このスプリング34は、操作アーム32に対して反時計
回り方向の付勢力を与えており、これによってスライド
カム14及び両ポール16は図2の状態に保たれてい
る。
0における両側のガイド面24,25は、このハウジン
グ10の内部に形成された一対の壁体22によって構成
されている。両ポール16は、個々のガイド溝20にお
けるガイド面24,25により、固定側ハウジング10
と共に回転し、かつ径方向へは固定側ハウジング10に
対して摺動できるように位置規制されている。したがっ
て図2のように両ポール16の歯17が回転側ハウジン
グ12の内歯13に噛み合った状態では、両ハウジング
10,12の相対的な回転がポール16を介して規制さ
れる。これがリクライニング装置のロック状態であっ
て、シートクッションに対するシートバックの傾き動作
がロックされる。
2をスプリング34の付勢力に抗して時計回り方向へ回
転させると、それに連動してスライドカム14が図3の
位置に移動する。これによって両ポール16が内方へ引
き込まれて個々の歯17と内歯13との噛み合いが解除
され、両ハウジング10,12の相対的な回転が可能と
なる。この状態がリクライニング装置のアンロック状態
であって、シートクッションに対するシートバックの傾
き角度を調整可能となる。
は、先に記載したように固定側ハウジング10と回転側
ハウジング12との相対的な回転がポール16を介して
規制されている。このときの固定側ハウジング10にお
いては、ガイド溝20とポール16とのはめ合い部分で
回転が規制されている。したがってガイド溝20とポー
ル16との間の隙間が大きすぎると、リクライニング装
置のロック状態においてシートバックに負荷をかけたと
きにガタが生じる。この隙間は、理想的にはポール16
の摺動を許容できる程度でよく、そうすることでリクラ
イニング装置のガタを抑えることが可能となる。
は一つのガイド溝20とポール16との関係を拡大して
表した平面図である。さて図5からも明らかなように、
ガイド溝20の両ガイド面24,25に対応するポール
16の両側面16a,16bのうち、一方の側面16a
はポール16の摺動方向に対して所定の角度で傾斜した
斜面となっている。つまりこの側面(斜面)16aは、
これと対向するガイド面24との間隔が、外方に向かう
にしたがって拡がるように傾斜している。
定側ハウジング10の成形(主として冷間鍛造)時にお
いて予め成形された凹部26を備えている。この凹部2
6に所定の工具(図示省略)を打ち込むことにより、凹
部26とガイド面24との間の部分を図4のようにガイ
ド溝20の側へ変形させた突出部28が形成されてい
る。この突出部28によってガイド溝20とポール16
との間の隙間を管理している。
順について説明する。まず固定側ハウジング10のガイ
ド溝20にポール16をセットするとともに、このポー
ル16をガイド溝20に沿って外方へ移動させる。そし
てポール16を図5の実線で示すロック位置aを超えた
仮想線の隙間詰め位置bに保持する。このロック位置a
はポール16の歯17が内歯13に噛み合う位置であ
り、実際の使用時における摺動領域の最も外側寄りの位
置である。この隙間詰め位置bにポール16を保持した
状態で突出部28を先に説明したようにして形成するの
であるが、このときの斜面16aと突出部28との間の
隙間をゼロに詰める。その後、ポール16をロック位置
aに戻すことで、斜面16aと突出部28との間に所定
の隙間Sが確保される。
の使用時におけるポール16の摺動領域は、内歯13に
対して歯17の噛み合いが解除されるアンロック位置と
ロック位置aとの範囲である。この隙間Sは斜面16a
の傾斜角度によって調整することができ、摺動領域内で
のポール16の摺動を許容できる程度に設定される。こ
れにより、リクライニング装置のロック状態においてシ
ートバックに負荷をかけときのガタが解消される。なお
隙間Sは摺動領域内におけるポール16の摺動位置によ
って多少変化するが、その変化量は僅かである。
16を配置した後に壁体22の凹部26に工具を打ち込
んで成形している。したがってポール16とガイド面2
4,25との元々の隙間はポール16を組み込むのに必
要な寸法に設定しておき、最終的な隙間Sは前記のよう
にポール16の摺動を許容するだけの理想的な精度に仕
上げることができる。
ール116との関係を拡大して表した平面図である。こ
の図面で示すように、ガイド溝120の両ガイド面12
4,125に対応するポール116の両側面116a,
116bのうち、一方の側面116aは実施の形態1の
斜面16aとは逆に傾斜した斜面となっている。つまり
この側面(斜面)116aは、これと対向するガイド面
124との間隔が、内方に向かうにしたがって拡がるよ
うに傾斜している。
成形されている凹部126に所定の工具を打ち込むこと
で、実施に形態1と同様に凹部126とガイド面124
との間の部分をガイド溝120の側へ変形させて突出部
128を成形している。この突出部128によって隙間
を詰めるには、ポール116をガイド溝120に沿って
内方へ移動させ、図6の実線で示すアンロック位置cを
超えた仮想線の隙間詰め位置dに保持する。この状態に
おいて斜面116aとの隙間をゼロに詰めるように突出
部128を成形し、その後にポール116を図6のロッ
ク位置aに戻すことにより斜面116aと突出部128
との間に所定の隙間S2が確保される。
て調整することができる。そしてこの隙間S2は、ポー
ル116の歯117が内歯に噛み合ったロック位置a
と、この噛み合いが解除されたアンロック位置cとの間
で、実際の使用時におけるポール116の摺動領域内で
のポール116の摺動を許容できる程度に設定される。
これによって実施の形態1と同様の機能が得られる。
断面図
対応させて表した断面図
した平面図
大して表した平面図
Claims (4)
- 【請求項1】 固定側ハウジングと回転側ハウジングと
が相対的に回転できるように組み付けられ、前記固定側
ハウジングの内部に形成されているガイド溝に沿ってポ
ールが前記固定側ハウジングの径方向へ摺動するように
配置され、この摺動によって前記回転側ハウジングに形
成されている内歯に前記ポールを噛み合わせることによ
り、両ハウジングの相対的な回転をロックする形式のリ
クライニング装置であって、 前記ガイド溝における両サイドのガイド面に対応する前
記ポールの両側面の一方が、このポールの摺動方向に対
して傾斜した斜面に設定されているとともに、この斜面
に対向しているガイド面に、前記ポールを使用時の摺動
領域外に移動させた状態で前記斜面との間の隙間を略ゼ
ロに詰めた突出部が形成され、前記ポールを使用時の摺
動領域内に戻した状態での前記斜面と前記突出部との間
に所定の隙間が確保されているリクライニング装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたリクライニング装
置であって、 前記突出部は、前記ポールを前記回転側ハウジングの前
記内歯に対する噛み合い位置を超えた摺動領域外に移動
させた状態で、前記斜面との間の隙間を略ゼロに詰める
ように設定されているリクライニング装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載されたリクライニ
ング装置であって、 前記突出部は、前記ガイド面を構成している壁体に予め
形成されている凹部に工具を打ち込むことによって前記
壁体における前記ガイド面と前記凹部との間の部分を前
記ガイド溝の側に向けて変形させることで形成されてい
るリクライニング装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載されたリクライニング装
置における摺動隙間の設定方法であって、 前記ガイド溝に沿って前記ポールを使用時の摺動領域外
に移動させて位置決めし、その状態で前記ポールの斜面
と対向しているガイド面に、この斜面との間の隙間を略
ゼロに詰めるように突出部を形成し、その後に前記ポー
ルを前記ガイド溝に沿って使用時の摺動領域内に戻し、
前記斜面と前記突出部との間に所定の隙間を確保するこ
とを特徴とした摺動隙間の設定方法。
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