JP2003255102A - 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム - Google Patents

熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム

Info

Publication number
JP2003255102A
JP2003255102A JP2002045708A JP2002045708A JP2003255102A JP 2003255102 A JP2003255102 A JP 2003255102A JP 2002045708 A JP2002045708 A JP 2002045708A JP 2002045708 A JP2002045708 A JP 2002045708A JP 2003255102 A JP2003255102 A JP 2003255102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical film
film
group
wavelength
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002045708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4178810B2 (ja
Inventor
Masayuki Sekiguchi
関口  正之
Yasuhiro Sakakura
康広 坂倉
Hiroshi Shibata
拓 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002045708A priority Critical patent/JP4178810B2/ja
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to US10/491,433 priority patent/US7101498B2/en
Priority to KR1020047005945A priority patent/KR100944616B1/ko
Priority to KR1020097023779A priority patent/KR100969095B1/ko
Priority to CA002463644A priority patent/CA2463644A1/en
Priority to EP02790819A priority patent/EP1459107A2/en
Priority to PCT/JP2002/013342 priority patent/WO2003056365A2/en
Priority to SG200407214A priority patent/SG123611A1/en
Priority to CNB028259033A priority patent/CN100416302C/zh
Priority to AU2002367202A priority patent/AU2002367202A1/en
Priority to TW091137175A priority patent/TWI293312B/zh
Publication of JP2003255102A publication Critical patent/JP2003255102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4178810B2 publication Critical patent/JP4178810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3083Birefringent or phase retarding elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/02Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes
    • C08G61/04Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms
    • C08G61/06Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/02Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes
    • C08G61/04Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms
    • C08G61/06Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds
    • C08G61/08Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds of carbocyclic compounds containing one or more carbon-to-carbon double bonds in the ring
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/03Viewing layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/031Polarizer or dye

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】400〜800nmの波長領域全てにおいて正
の波長依存性を示し、1枚で前記波長範囲において透過
光に特定の位相差を与えることができる光学用フィルム
を提供する。 【解決手段】1.波長400〜800nmにおいて、正
の複屈折性を示す構造単位(I)と負の複屈折性を示す
構造単位(II)とからなり、構造単位(I)又は(I
I)のみからなる重合体を同一条件で一軸延伸した場合
の任意の波長:λにおけるx軸方向の屈折率:Nx
(λ)とy軸方向の屈折率:Ny(λ)の差、すなわち、
Nx(λ)−Ny(λ)をそれぞれ△N(λ)及び△N
II(λ)としたとき、△N(λ)+△NII(λ)>0
△N(λ)−△N(800)<△NII(800)−△N
II(λ)[ここで、△N(800)及び△NII(800)は、
波長800nmにおけるx軸方向とy軸方向の屈折率の
差を示す。]である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む
光学用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を主成分とした光学用フィルムに関す
るものである。さらに詳しくは、他材料との密着性や接
着性が良好で、高透明であり、透過光に与える位相差
(ここで、位相差とはレターデーション[Retardatio
n]を意味する。以下同じ。)の均一性が高く、またこ
の位相差の特性が環境の温度や湿度に影響されにくく経
時安定性に優れ、さらに、この位相差の絶対値が透過光
の波長が長波長になるほど大きくなる(以下、「正の波
長依存性」という。)光学用フィルムに関する。また、
本発明は、光拡散機能、透明導電性、反射防止機能等の
機能を有する光学用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光学用フィルムとして使用され
ているポリカーボネート、ポリエステル等のフィルム
は、光弾性係数が大きいために微小な応力の変化などに
より透過光に位相差が発現したりして位相差が変化する
問題がある。また、あるいはトリアセチルアセテート等
アセテートフィルムは、耐熱性が低く吸水変形等の問題
がある。熱可塑性ノルボルネン系樹脂(環状ポリオレフ
ィン系樹脂)は、主鎖構造の剛直性に起因してガラス転
移温度が高く、主鎖構造に嵩高い基が存在するために非
晶性で光線透過率が高く、しかも屈折率の異方性が小さ
いことによる低複屈折性を示すなどの特長を有してお
り、耐熱性、透明性、光学特性に優れた透明熱可塑性樹
脂として注目されている。こうした環状ポリオレフィン
系樹脂としては、例えば特開平1−132625号公
報、特開平1−132626号公報、特開昭63−21
8726号公報、特開平2−133413号公報、特開
昭61−120816号公報、特開昭61−11591
2号公報等に記載されている。
【0003】近年、上記の特徴を利用して、例えば、光
ディスク、光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料、
光半導体封止などの封止材料などの分野において、環状
ポリオレフィン系樹脂を応用することが検討されてい
る。光学用フィルム用の樹脂としてみても、上記特性は
前記従来の樹脂の問題点を改善できるものであり、この
ため、環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが光
学用の各種フィルムとして提案されている。例えば、特
開平4−245202号公報、特開平4−36120号
公報、特開平5−2108号公報、特開平5−6486
5号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂のフィルムか
らなる位相差板が記載されている。また、特開平5−2
12828号公報、特開平6−51117号公報や特開
平7−77608号公報には、環状ポリオレフィン系樹
脂のフィルムを偏光板の保護フィルムに使用することが
記載されている。さらに、特開平5−61026号公報
には、環状ポリオレフィン系樹脂のフィルムからなる液
晶表示素子用基板が記載されている。
【0004】これらの公報には、環状ポリオレフィン系
樹脂は吸水率が容易に0.05%以下のものが得られ、
この低吸水性の点が特徴であり、かつ必要であると記載
されている。しかしながら、このような低吸水性の環状
ポリオレフィン系樹脂のフィルムを、例えば、位相差板
や液晶表示素子用基板として用いる場合、ハードコー
ト、反射防止膜や透明導電層の密着性、あるいは、偏光
板やガラスとの接着性の点で問題が生じることがある。
また、偏光板の保護フィルムとして用いる場合、上記の
問題に加えて、偏光子との貼り合わせに通常使用される
水系接着剤の水が乾燥し難いという問題も生じる。
【0005】一方、環状ポリオレフィン系樹脂は広い範
囲の構成からなり、すべてが吸水率0.05%以下にな
るとは限らない。吸水率を0.05%以下にするために
は、環状ポリオレフィン系樹脂は炭素原子と水素原子の
みからなるポリオレフィン構造かハロゲンを一部含む構
造であることが必要である。そこで、上記低吸水性に由
来する問題を解決するために、極性基を分子内に導入し
た熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む光学用フィルムが
特開平7−287122号公報や特開平7−28712
3号公報などに記載されている。これらに開示された光
学用フィルムは高透明性、透過光の低位相差、さらに延
伸配向させると透過光に均一で安定した位相差を与える
等の光学特性において優れ、耐熱性、他材料との密着性
や接着性等が良好で、しかも吸水変形が小さいという特
徴を有しており、前記従来の樹脂からなる光学用フィル
ムの問題点を改善したものとして、各種用途分野での応
用が検討されている。
【0006】しかしながら、従来の環状ポリオレフィン
系樹脂からなる光学用フィルムは、延伸配向させて得ら
れる透過光に位相差を与える機能が、透過光の波長が長
波長になるにつれて透過光の位相差の絶対値が小さくな
る(以下、「負の波長依存性」という。)という特性を
有するため、400〜800nmといういわゆる可視光
領域全てにおいて、例えば、1/4λの位相差を透過光
に与えることを1枚のフィルムで実現することはできな
かった。こうした事情は、従来の環状ポリオレフィン系
樹脂からなる光学用フィルムのみならず、前記他の樹脂
からなる光学用フィルムでも同様であった。
【0007】このため、透過光に位相差を与えるフィル
ム(以下、「位相差フィルム」という。)を複数枚貼り
合わせて用いることで可視光領域全てにおいて、特定の
位相差、例えば1/4λの位相差を透過光に与えるよう
にしている(例えば、特許第3174367号)。しか
しながら、この方法では、貼り合わせ時に高度な貼り合
わせ角度調整が必要なことや貼り合わせ時に不良品が発
生すること、また貼り合わせによって厚くなってしまう
等問題点も多く、一枚のみで上記特性を成し得る光学用
フィルムが長く望まれていた。この課題を解決するため
には、波長が長波長になるにつれて透過光の位相差の絶
対値が大きくなる、すなわち、正の波長依存性を示す光
学用フィルムが必要であるが、この正の波長依存性を示
す光学用フィルムとしては、特定のセルロースアセテー
ト系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(特
開2000−137116)。しかしながら、この位相
差フィルムはセルロース系樹脂からなるため、吸水によ
る特性変化や耐熱性等の点において問題点が有る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、40
0〜800nmの波長領域全てにおいて正の波長依存性
を示し、1枚で前記波長範囲において透過光に特定の位
相差を与えることができる光学用フィルムを提供するこ
とにある。さらに詳しくは、特定の構造を有する熱可塑
性ノルボルネン系樹脂を含む光学用フィルムを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、波長
400〜800nmにおいて、正の複屈折性を示す構造
単位(I)と負の複屈折性を示す構造単位(II)とか
らなり、構造単位(I)のみからなる重合体又は(I
I)のみからなる重合体を同一条件で一軸延伸した場合
の任意の波長:λにおけるx軸方向の屈折率:Nx
(λ)とy軸方向の屈折率:Ny(λ)の差、すなわち、
Nx(λ)−Ny(λ)をそれぞれ△N(λ)及び△N
II(λ)としたとき、 △N(λ)+△NII(λ)>0 △N(λ)−△N(800)<△NII(800)−△N
II(λ) [ここで、△N(800)及び△NII(800)は、波長80
0nmにおけるx軸方向とy軸方向の屈折率の差を示
す。なお、x軸は延伸方向、y軸はx軸に対して面内垂
直方向を示す。]である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
含む光学用フィルムを提供する。
【0010】また、本発明は、第二に、下記一般式
(1)で表される構造単位aと下記一般式(2)で表さ
れる構造単位bを含む共重合体である熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を含むことを特徴とする光学用フィルムを提
供する。
【0011】
【化5】 [式中、nは0又は1であり、mは0又は1以上の整数
である。Xは式:−CH=CH−で表される基又は式:−CH2
CH2−で表される基であり、R1、R2、R3及びR 4は独
立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ又は
ケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換
の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表
し、あるいはR1とR2、R3とR4、又はR2とR3とが相
互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複
素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造
を形成してもよい。)を形成してもよい。形成される炭
素環又は複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。
但し、R1〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式
(1−1)及び/又は下記一般式(1−2)で表される
基である。また、上記共重合体中に存在する複数のX、
1、R2、R3及びR4各々は同一でも異なっていてもよ
い。]
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】 〔一般式(1−1)及び一般式(1−2)において、R5
14、Z、RA及びRBは、独立に、水素原子;ハロゲン
原子;酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有
していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の
1価の炭化水素基;又は1価の極性基を表す。但し、一
般式(1−1)において、R5〜R14のうち1個は、式記載
の環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合す
る、式:−C(O)O−で表わされる基であり、p及びq
は独立に0〜2の整数であり、p=q=0のときは、R
6とR9、R13とR9、R5とR14、又は、R12とR14は相
互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複
素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造
を形成してもよい。)を形成してもよい。また、一般式
(1−2)においてRA、RB又はZのうち1個は、式記載の
環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合す
る、式:−C(O)O−で表わされる基であり、sは0又
は1以上の整数である。更に、上記共重合体中に存在す
る複数のR5〜R14、Z、RA及びRB各々は同一でも異
なっていてもよい。〕
【0014】
【化8】 [式中、tは0又は1であり、uは0又は1以上の整数
である。X、R1、R2、R3及びR4は前記のとおりであ
る。但し、式(2)においてR1〜R4が、上記一般式(1
−1)又は上記一般式(1−2)で表わされる基である場合
を除く。]本発明は、更に、上記熱可塑性ノルボルネン
系樹脂を含む有機溶剤溶液をキャストする工程を含むこ
とを特徴とする直上記光学用フィルムの製造方法を提供
する。
【0015】本発明は、更に、透過光に位相差を与える
ことを特徴とする上記光学用フィルムを提供する。本発
明は、更に、少なくとも片面に光拡散機能を有すること
を特徴とする上記光学用フィルムを提供する。本発明
は、更に、少なくとも片面に透明導電性層を有すること
を特徴とする上記光学用フィルムを提供する。本発明
は、更に、少なくとも片面に反射防止層を有することを
特徴とする上記光学用フィルムを提供する。本発明は、
更に、上記光学用フィルムからなることを特徴とする偏
光板保護フィルムを提供する。本発明は、更に、上記光
学用フィルムを有することを特徴とする偏光板を提供す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にについて詳述す
る。 −−第1の発明−− [光学用フィルム(1)]先ず始めに、高分子化合物の
複屈折性について定義しておく。正の複屈折性とは、延
伸等により高分子化合物の分子鎖を一軸配向した際に延
伸方向の屈折率がそれと垂直方向の屈折率より大きくな
る性質を示し、また負の複屈折性とは、逆に延伸方向
(一軸配向方向)の屈折率の方がそれと垂直方向の屈折
率よりも小さくなる性質を示す。すなわち、延伸方向を
x軸、それと面内垂直方向をy軸(なお、厚み方向をz
軸)とし、x軸方向の屈折率をNx、Y軸方向の屈折率
をNyとすると、 △N=Nx−Ny>0 : 正の複屈折性 △N=Nx−Ny<0 : 負の複屈折性 となる。
【0017】因みに、正の複屈折性を示す高分子化合物
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンやポ
リカーボネート等が挙げられる。一方、負の複屈折性を
示す高分子化合物としては、ポリメチルメタクリレート
やポリスチレン等が挙げられる。
【0018】また、位相差(レターデーション:Retard
ation):Reは、下記式: Re=(Nx−Ny)×d =△N×d [ここで、dは光路長を示す。]で定義される値であ
り、複屈折性の正負に対応して位相差は正負の値とな
る。一般に知られている高分子化合物の場合、複屈折性
の正負に拘わらず、位相差は透過する光の波長が長くな
るに従ってその絶対値が小さくなること(上記の定義で
いう「負の波長依存性」)が知られている。ポリカーボ
ネートやポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン等の代表的なポリマーはいず
れもこのような性質を示す。例えば、波長550nmで
の位相差Re(550)を基準にして波長400〜80
0nmの範囲の任意の波長:λにおける位相差を調べる
と、550nmより短い波長の範囲ではいずれもRe
(λ)/Re(550)は1以上となり、また550よ
り長い波長の範囲ではいずれもRe(λ)/Re(55
0)は1以下となる。
【0019】本発明者らは、波長400〜800nmの
範囲において、波長が短いほど位相差の絶対値が小さく
なる波長依存性(正の波長依存性)を示す光学用フィル
ムを提供することを課題とし、多大なる努力を持って鋭
意検討を行ったところ、おどろくべき事に、正の複屈折
性を示す構造単位と負の複屈折性を示す構造単位とから
なるノルボルネン系開環共重合体において、複屈折性の
加成性が近似的に成立する、即ち、共重合体の示す複屈
折性がその構造単位の複屈折性(△N)を足し合わせた
値と相関していることを見出し、共重合体を形成する両
構造単位の複屈折の絶対値の大小関係及び両構造単位の
複屈折の波長依存性:△N(λ)/△N(800)の大
小関係が下記式の全てを満たすようにすると上記課題を
達成しうることを見出し本発明に至った。
【0020】すなわち、本件第1の発明は、波長400
〜800nmにおいて、正の複屈折性を示す構造単位
(I)と負の複屈折性を示す構造単位(II)とからな
り、構造単位(I)のみからなる重合体又は構造単位
(II)のみからなる重合体を同一条件で一軸延伸した
場合の任意の波長:λにおけるx軸方向の屈折率:Nx
(λ)とy軸方向の屈折率:Ny(λ)の差、すなわち、
Nx(λ)−Ny(λ)をそれぞれ△N(λ)及び△N
II(λ)としたとき、 △N(λ)+△NII(λ)>0 △N(λ)−△N(800)<△NII(800)−△N
II(λ) [ここで、△N(800)及び△NII(800)は、波長80
0nmにおけるx軸方向とy軸方向の屈折率の差を示
す。なお、x軸は延伸方向、y軸はx軸に対して面内垂
直方向を示す。]である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
含む光学用フィルムに係るものである。
【0021】構造単位の複屈折性の正負を調べる方法と
しては、各構造単位のみからなる重合体を一軸延伸して
複屈折を測定し確認する方法やCAC(Computer Aided
Chemistry)、例えば、市販の半経験的分子軌道法プロ
グラム「MOPAC97」等を利用し、該構造単位の主
鎖方向と側鎖方向の屈折率を計算してその大小を比較す
る方法等が挙げられる。また、構造単位の複屈折の絶対
値の大小については、以下の方法から求めることができ
る。すなわち、本発明の共重合体の正の複屈折性を示す
構造単位のみ、又は負の複屈折性を示す構造単位のみか
らなる重合体からなるフィルムを、同一条件下[延伸速
度:同一速度、延伸倍率:同一倍率、温度:重合体のガ
ラス転移温度(Tg)+同一温度]で一軸延伸し、発生
した複屈折を調べることにより、構造単位の複屈折の絶
対値の大小を知ることができる。
【0022】さらに、構造単位の複屈折の波長依存性の
大小については、以下の方法から求めることができる。
すなわち、本発明の共重合体の正の複屈折性を示す構造
単位のみ、又は負の複屈折性を示す構造単位のみからな
る重合体からなるフィルムを、同一条件下[延伸速度:
同一速度、延伸倍率:同一倍率、温度:重合体のガラス
転移温度(Tg)+同一温度]で一軸延伸し、発生した
複屈折を複数の光線波長を用いて測定して調べる方法こ
とにより、構造単位の複屈折の波長依存性の大小を知る
ことができる。具体的には、波長400〜800nmの
範囲において複数の波長(例えば、450nm、550
nm、650nm、750nm等)における複屈折を測
定し、Cauchyの分散式やSellmeierの分散式を用い、そ
の他の光線波長における位相差を計算することで、複屈
折の波長依存性の大小を知ることができる。本発明者ら
は、また、例えば下記の特定の構造を有する熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を含むフィルムが、上記課題を達成し
得ることを見出した。
【0023】−−第2の発明−− [光学用フィルム(2)] <熱可塑性ノルボルネン系樹脂>本発明の光学用フィル
ム(2)に用いられる重合体、即ち、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂(以下、「本発明の樹脂」ということがあ
る。)は、下記一般式(1)で表される構造単位aと下
記一般式(2)で表される構造単位bを含む共重合体で
あり、さらに必要に応じて他の構造単位を含むことは任
意である。
【0024】
【化9】 [式中、X及びR1〜R4は、前記のとおりであり、R1
〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式(1−1)
及び/又は下記一般式(1−2)で表される基である。
nは0又は1であり、mは0又は1以上の整数であり、
好ましくは0〜3、更に好ましくは0〜2、特に好まし
くは0である。]
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】 〔一般式(1−1)及び一般式(1−2)において、R5
14、Z、RA、RB、p及びqは前記のとおりである。
sは0又は1以上の整数であり、好ましくは0〜3、更
に好ましくは0〜2、特に好ましくは0である。〕
【0027】
【化12】 [式中、X及びR1〜R4は、前記のとおりである。tは
0又は1であり、uは0又は1以上の整数であり、好ま
しくは0〜3、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは
1である。但し、式(2)においてR1〜R4が、上記一
般式(1−1)又は上記一般式(1−2)で表わされる基であ
る場合を除く。]
【0028】ここで、上記一般式(1)、一般式(1−
1)、一般式(1−2)及び一般式(2)において、R
1〜R14、Z、RA及びRBは、水素原子;ハロゲン原
子;酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有し
ていてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭
化水素基;又は極性基を表すが、これらの原子及び基に
ついて説明する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子及び臭素原子が挙げられる。炭素原子数1〜3
0の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリ
ル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、ビ
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族
基等が挙げられる。これらの炭化水素基は置換されてい
てもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素等
のハロゲン原子、フェニルスルホニル基等が挙げられ
る。
【0029】また、上記の置換又は非置換の炭化水素基
は直接環構造に結合していてもよいし、あるいは連結基
(linkage)を介して結合していてもよい。連結基として
は、例えば炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(例
えば、−(CH2)m−(mは1〜10の整数)で表されるアル
キレン基);酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結
基(例えば、カルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ
基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−)、スルホ
ニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル
結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO
−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R2)−(式中、R
はメチル、エチル等のアルキル基);あるいはこれらの
2種以上が組合さって連なったものが挙げられる。
【0030】極性基としては、例えば、水酸基、炭素原
子数1〜10のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、シアノ
基、アミド基、イミド環含有基、トリオルガノシロキシ
基、トリオルガノシリル基、アミノ基、アシル基、アル
コキシシリル基、スルホニル含有基、及びカルボキシル
基などあげられる。さらに具体的には、上記アルコキシ
基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等があげら
れ;アシルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プ
ロピオニルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、
及びベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニルオキシ
基があげられ;アルコキシカルボニル基としては、例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等があ
げられ;アリーロキシカルボニル基としては、例えばフ
ェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、
フルオレニルオキシカルボニル基、ビフェニリルオキシ
カルボニル基等があげられ;トリオルガノシロキシ基と
しては例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキ
シ基等があげられ;トリオルガノシリル基としてはトリ
メチルシリル基、トリエチルシリル基等があげられ;ア
ミノ基としては第1級アミノ基があげられ、アルコキシ
シリル基としては例えばトリメトキシシリル基、トリエ
トキシシリル基等があげられる。
【0031】本発明の光学用フィルムに用いられる共重
合体、すなわち熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、前記一
般式(1)で表される構造単位a及び前記一般式(2)
で表される構造単位bを必須の構造単位として含む共重
合体であるが、該共重合体は、下記一般式(3)で表さ
れる1種以上の単量体(以下、「特定単量体A」とい
う。)と下記一般式(4)で表される1種以上の単量体
(以下、「特定単量体B」という。)を含む単量体混合
物を開環共重合して得ることができる。
【0032】
【化13】 [式中、R1〜R4は一般式(1)に関して定義のとおり
であり、R1〜R4のうち少なくとも1つは前記一般式
(1−1)及び/又は前記一般式(1−2)で表される
基である。また、vは0又は1であり、wは0又は1以
上の整数であり、好ましくは0〜3、更に好ましくは0
〜2、特に好ましくは0である。]
【0033】
【化14】 [式中、R1〜R4は一般式(1)に関しての定義のとお
りである。但し、前記一般式(1−1)又は前記一般式
(1−2)で表される基である場合を除く。また、xは
0又は1であり、yは0又は1以上の整数であり、好ま
しくは0〜3、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは
1である。]
【0034】構造単位aの含有量は、本発明の樹脂中に
95〜5重量%、好ましくは90〜10重量%、さらに
好ましくは80〜20重量%である。構造単位aの含有
量が5重量%以下の場合、正の波長依存性を示す光学用
フィルムが得られないことがある。また、構造単位aの
含有量が95重量%以上の場合も、正の波長依存性を示
す光学用フィルムが得られないことがある。本発明の熱
可塑性ノルボルネン系樹脂のより具体的な例としては、
下記〜に示す重合体を挙げることができる。 特定単量体Aと特定単量体Bとの開環共重合体。 特定単量体Aと特定単量体Bとその他の共重合性単
量体との開環共重合体。 〜の開環共重合体の水素添加物。
【0035】<特定単量体A>以下に特定単量体Aにつ
いて具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。5−ベンゾイルオキシ−5−メチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンゾイル
オキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
(1−ナフチルカルボニルオキシ)−5−メチルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−ナフチ
ルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)−5
−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−ビフェニルカル
ボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−(4−ビフェニルカルボニルオキ
シ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−ビフ
ェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−(3−ビフェニルカルボニルオキ
シ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(9−フルオ
レンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−(9−フルオレンカル
ボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−(2−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−フルオレ
ンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−(9−アントラセンカルボ
ニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−(9−アントラセンカルボニルオキ
シ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−ベ
ンゾイルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.1 7,10]−3−ドデセン、8−ベン
ゾイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−(1−ナフチルカルボ
ニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−(1−ナ
フチルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−(2−ナ
フチルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(2−ナフチルカルボニルオキシ)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−(4−ビフェニルカ
ルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.
2, .17,10]−3−ドデセン、8−(3−ビ
フェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、8−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシ
クロ[4.4.0.12, .17,10]−3−ドデ
セン、8−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8−(2−ビフェニルカル
ボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,
7,10]−3−ドデセン、8−(9−フルオレンカ
ルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(9
−フルオレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.
4.0.12, .17,10]−3−ドデセン、8−
(2−フルオレンカルボニルオキシ)−8−メチルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、8−(2−フルオレンカルボニルオキシ)テ
トラシクロ[4.4.0.12, .17,10]−3
−ドデセン、8−(9−アントラセンカルボニルオキ
シ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−(9−ア
ントラセンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.
0.1 ,5.17,10]−3−ドデセン等。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0036】<特定単量体B>特定単量体Bの具体的な
例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−イソプロピルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−n-ブチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−n-ヘキシルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n-オク
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n-
デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(4−ビフェニ
ル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−
(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−
メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−フェノキシカ
ルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−トリフルオロメチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンタフルオロ
エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス
(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−トリフルオロメチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−ト
リフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラフ
ルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,
5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジフルオ
ロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ
−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ
−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチ
ル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフルオロ
−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフ
ルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジクロロ−
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ
−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプ
タフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−(4−フェニルフェニル)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アミノメチルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリメト
キシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−トリプロポキシシリルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−トリブトキシシリルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロメ
チルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシ
クロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、トリシクロ
[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−ブトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−フェノキシカルボニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n
−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2, 5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソ
プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,
5 .17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−ブ
トキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−フェノキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−メチル−8−フェニルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8
−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8−トリフルオロメチ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロテトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8,
9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8−メチル
−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .1 7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリフ
ルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、8,8,9−トリス(トリフルオロメチ
ル)テトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3
−ドデセン、8,8,9,9−テトラフルオロテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデ
セン、8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオ
ロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジフルオロ−8,9
−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,8,9−ト
リフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8,
8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプ
ロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、8−フルオロ−8−ペンタフルオロエ
チル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロ
ピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−クロロ−
8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロ−
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−
(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエト
キシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシ
クロ[7.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ペ
ンタデセン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5 .1
9,12.08,13]−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ
[8.7.0.13,6 .110,17 .112,15 .02,7
11,16]−4−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.
0.14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17
−5−ヘンエイコセン等。
【0037】これらは、1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。これらの単量体Bのうち、
一般式(4)において、x=0及びy=1である特定単
量体Bは、得られる重合体の耐熱性と靱性のバランスの
点で好ましい。すなわち、xが2以上若しくはyが1の
特定単量体Bを用いると、得られる重合体のガラス転移
温度(Tg)が高くなり耐熱性が向上する傾向があり、
好ましい場合もあるが、靱性が低下する傾向があり、フ
ィルムとした時に加工あるいは使用時に割れたり破断し
たりしやすくなる問題が生じる場合がある。
【0038】また、分子内に少なくとも1つ極性基を有
する特定単量体Bを使用することが好ましい。すなわ
ち、上記一般式(4)中、R〜Rのうち任意の3つ
が水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、残
りの1つが炭化水素基以外の極性基であるものが、他の
素材との密着性及び接着性を高めるので好ましい。さら
に、該極性基が一般式(5): −(CH2zCOOR15 (5) 〔ここで、zは通常0〜5の整数であり、好ましくは0
〜2であり、より好ましくは0である。R15は一価の
有機基である。〕で表される極性基である特定単量体B
は、得られる重合体のガラス転移温度と吸水性を制御し
やすい点で好ましい。一般式(5)においてR15で表さ
れる一価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル
基、アントラセニル基、ビフェニリル基等のアリール
基;この他にもジフェニルスルホン、テトラヒドロフル
オレン等のフルオレン類等の芳香環やフラン環、イミド
環等の複素環を有する一価の基等が挙げられる。また、
一般式(5)において、zは上述のように通常0〜5で
あるが、zの値が小さいものほど得られる重合体のガラ
ス転移温度が高くなるので好ましく、特にzが0である
特定単量体Bは、その合成が容易である点で好ましい。
【0039】さらに、上記一般式(4)において、一般
式(5)で表される極性基が結合した炭素原子にアルキ
ル基が結合していることが、得られる重合体の耐熱性と
吸水性のバランスを図る上で好ましい。当該アルキル基
の炭素原子数は1〜5であることが好ましく、更に好ま
しくは1〜2、特に好ましくは1である。上記特定単量
体Bの具体例の中から挙げるならば、特に、8−メチル
−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.
2,5 .17,10〕−3−ドデセンが、ガラス転移温度を
高め、吸水による変形等の悪影響を殆ど受けずかつ他材
料との密着性や接着性が良好となる程度の吸水性を維持
できるので好ましい。
【0040】重合体中の極性基の含有量は、所望する機
能等により決定されるものであり特に限定はされない
が、全構造単位中に極性基を有する構造単位が、通常1
モル%以上、好ましくは5モル%以上、さらに好ましく
は10モル%以上含まれる。全ての構造単位が極性基を
有していてもよい。極性基の含有量は、特定単量体Aと
特定単量体B(あるいは下記の「他の共重合性単量
体」)との共重合比率や共重合性単量体の種類を適宜選
択することで調整できる。
【0041】<他の共重合性単量体>特定単量体A及び
特定単量体Bとともに、共重合させることができる他の
共重合性単量体としては、例えば、シクロブテン、シク
ロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシ
クロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、ジシクロペ
ンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができ
る。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20
が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。さらに
ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノ
ルボルネンなどの主鎖にオレフィン性不飽和結合を有す
る不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で、特定単量
体Aと特定単量体B(及び他の共重合性単量体)を重合
させてもよい。そして、この場合に得られる共重合体
は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
【0042】<重合条件>1種以上の特定単量体Aと、
特定単量体B及び/又はその他の共重合性単量体との開
環重合反応の条件を説明する。 ・触媒:該開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行
われる。このメタセシス触媒は、(a)W、Mo及びR
eの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミ
ングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kな
ど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB
族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元
素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばT
i、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、S
n、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当
該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有する
ものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触
媒である。またこの場合に触媒の活性を高めるために、
後述の添加剤(c)が添加されたものであってもよい。
【0043】(a)成分として適当なW、Moあるいは
Reの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl
5 、ReOCl3 など特開平1−240517号公報に
記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体
例としては、n−C49 Li、(C253 Al 、
(C 252 AlCl、(C251.5 AlCl
1.5 、(C25 )AlCl2、メチルアルモキサン、
LiHなど特開平1−240517号公報に記載の化合
物を挙げることができる。(c)成分の代表例として
は、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類
などが好適に用いることができるが、更に特開平1−2
40517号公報に記載の化合物を使用することができ
る。
【0044】メタセシス触媒の使用量としては、上記
(a)成分と特定単量体A〜D(以下、特定単量体A〜
Dを総称する場合は、単に「特定単量体」という。)と
のモル比で、(a)成分:特定単量体が、通常1:50
0〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,
000〜1:10,000となる範囲とされる。(a)
成分と(b)成分との割合は、金属原子比で「(a):
(b)」が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:
30の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合
は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜1
5:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされ
る。
【0045】・分子量調節剤:重合体の分子量の調節は
重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うこと
ができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系
に共存させることにより調節することが好ましい。好適
な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−
オレフィン類及びスチレンを挙げることができ、これら
のうち、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。これら
の分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して
用いることができる。分子量調節剤の使用量としては、
重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.00
5〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとさ
れる。
【0046】・開環重合反応用溶媒:重合反応において
用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン
類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタ
ン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメ
ンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサ
ン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジ
ブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロ
ロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの
化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブ
チル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽
和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げ
ることができ、これらは単独であるいは2種以上を併用
して用いることができる。これらの中でも、上記芳香族
炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、溶媒:特
定単量体(重量比)が、通常1:1〜10:1となる量
とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0047】・重合体の水素添加:以上のようにして得
られる重合体は、そのまま本発明の樹脂として使用する
こともできるが、残留するオレフィン性不飽和結合を水
素添加して使用することが好ましい。水素添加反応は、
通常の方法、すなわち、重合体の溶液に水素添加触媒を
添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜20
0気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜1
80℃で作用させることによって行われる。
【0048】水素添加触媒としては、通常のオレフィン
性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用するこ
とができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒
及び均一系触媒が公知である。不均一系触媒としては、
パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムな
どの貴金属類を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニ
アなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができ
る。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/
トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナー
ト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n
−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルア
ルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロ
カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態
は粉末でも粒状でもよい。これらの水素添加触媒は、重
合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10 −6
1:2となる割合で使用される。
【0049】水素添加することにより得られる水素添加
重合体は優れた熱安定性を有するものとなり、フィルム
製膜時及び、延伸加工時や製品としての使用時の加熱に
よってはその特性が劣化しにくくなる。オレフィン性不
飽和結合の水素添加率は、通常50%以上、好ましく7
0%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましく
は98%以上である。
【0050】なお、特定単量体Aに由来する構造単位a
中の芳香環は、上記水素添加反応によっても実質的に水
素添加されないことが必要である。そのような水素添加
反応は、上記通常のオレフィン性化合物の水素添加反応
の条件を用いれば実施可能であるが、水素ガス圧や反応
温度を上記範囲の中で低めに設定する、あるいは、水素
添加触媒の種類や添加量を調整する等条件調整をする必
要がある場合もある。また、その他の共重合性単量体が
芳香環を含む置換基を有し係る単量体に由来する構造単
位が芳香環を含む場合も、水素添加によって芳香環の不
飽和結合が実質的に水素添加されない条件を選択するこ
とが望ましい。
【0051】<熱可塑性ノルボルネン系樹脂の特性>本
発明の樹脂の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘
度(ηinh )は、0.2〜5dl/gであることが好ま
しい。さらに好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ま
しくは0.5〜3dl/gである。5dl/gをこえる
と、溶液粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化し好ましく
なく、0.2dl/g未満であるとフィルム強度が低下
する。本発明の樹脂の分子量は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレ
ン換算の数平均分子量(Mn)が、通常は8,000〜
1,000,000、好ましくは10,000〜50
0,000、さらに好ましくは20,000〜100,
000、特に好ましくは30,000〜100,00
0、また、重量平均分子量(Mw)は、通常は20,0
00〜3,000,000、好ましくは30,000〜
1,000,000、さらに好ましくは40,000〜
500,000、特に好ましくは40,000〜30
0,000の範囲である。Mw、Mnが上記範囲より大
きい場合、溶液粘度が高くなりすぎて加工性が悪化する
ことがあり、上記範囲より小さい場合、フィルムの強度
が低下することがある。
【0052】また、分子量分布は、上記のMw/Mnが
通常1.5〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましく
は2.5〜5、特に好ましくは2.5〜4.5である。
Mw/Mnが上記範囲より大きい場合、低分子量の成分
が多くなりすぎ、フィルムを製造した場合にフィルムの
表面に係る低分子量成分がブリードしてべとつきが発生
することがある。一方、上記範囲より小さい場合、フィ
ルムの強度、特に靱性が低下することがある。本発明の
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常は80〜350
℃、好ましくは100〜250℃である。Tgが80℃
未満の場合、熱変形温度が低くなり、得られるフィルム
の耐熱性に問題が生じる場合がある。一方、Tgが35
0℃以上の場合、得られるフィルムを延伸加工等加熱し
て加工する場合の加工温度が高くなりすぎて、フィルム
が熱劣化する問題が生じる場合がある。
【0053】本発明の樹脂の23℃における飽和吸水率
は、通常は0.05〜1重量%、好ましくは0.1〜
0.7重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%
である。飽和吸水率がこの範囲内であると、各種光学特
性、例えば透明性、位相差や位相差の均一性あるいは寸
法精度が、高温多湿のような条件下でも維持され、他材
料との密着性や接着性に優れるため使用途中で剥離など
が発生せず、また、酸化防止剤等の添加物との相溶性も
良好であるため、添加の自由度が大きくなる。飽和吸水
率が0.05重量%未満であると、他材料との密着性や
接着性が乏しくなり使用中に剥離を生じやすくなる。ま
た、酸化防止剤等の添加物の配合に制限が生じる。一
方、1重量%を超えると、吸水により光学特性の変化や
寸法変化を起こしやすくなる。なお、上記の飽和吸水率
はASTMD570に準拠し、23℃水中で1週間浸漬
して増加重量を測定することにより求められた値であ
る。
【0054】本発明の樹脂のSP値(溶解度パラメータ
ー)は、好ましくは10〜30(MPa1/2)、さらに
好ましくは12〜25(MPa1/2)、特に好ましくは
15〜20(MPa1/2)である。SP値を本範囲にす
ることで、一般的な汎用溶剤に良好に溶解できるととも
にフィルム製造時に安定して製造でき、得られるフィル
ムの特性も均一でさらに良好な接着性や、基板との密着
性を得ることもでき、適度な吸水率をコントロールする
ことが可能となる。
【0055】<添加物>本発明の樹脂には、透明性・耐
熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子
などを配合しても良い。また、本発明の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂には、酸化防止剤等の添加剤などを添加し
ても良く、かかる酸化防止剤等の添加剤としては、例え
ば次の化合物が挙げられる。 酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチ
ル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル
−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス
[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタン
テトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホス
ファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト; 紫外線吸収剤:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンこれらの
酸化防止剤等の添加量は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好
ましくは0.05〜2重量部である。さらに、加工性を
向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもで
きる。
【0056】<光学用フィルム>本発明の光学用フィル
ムは、上記の本発明の樹脂を溶融成形法あるいは溶液流
延法(溶剤キャスト法)などによりフィルム若しくはシ
ートとすることができる。このうち、膜厚の均一性及び
表面平滑性が良好になる点から溶剤キャスト法が好まし
い。溶剤キャスト法としては、例えば、本発明の樹脂を
溶媒に溶解又は分散させて適度の濃度の液にし、適当な
キャリヤー上に注ぐか又は塗布し、これを乾燥した後、
キャリヤーから剥離させる方法が挙げられる。
【0057】本発明の樹脂を溶媒に溶解又は分散させる
際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90重量%、
好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜3
5重量%にする。該樹脂の濃度を上記未満にすると、フ
ィルムの厚みを確保することが困難になる、また、溶媒
蒸発にともなう発泡等によりフィルムの表面平滑性が得
にくくなる等の問題が生じる。一方、上記を超えた濃度
にすると溶液粘度が高くなりすぎて得られる光学用フィ
ルムの厚みや表面が均一になりにくくなるために好まし
くない。また、室温での上記溶液の粘度は、通常は1〜
1,000,000(mPa・s)、好ましくは10〜
100,000(mPa・s)、さらに好ましくは10
0〜50,000(mPa・s)、特に好ましくは1,
000〜40,000(mPa・s)である。
【0058】使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等
のセロソルブ系溶媒、ジアセトンアルコール、アセト
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチ
ル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、エチルシクロ
ヘキサノン、1,2−ジメチルシクロヘキサン等のケト
ン系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶
媒、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノー
ル、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン含有溶
媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、1−ペンタノール、1−ブタノール等のアルコール
系溶媒を挙げることができる。
【0059】また、上記以外でも、SP値(溶解度パラ
メーター)が通常10〜30(MPa1/2)、好ましく
は10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜
25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MP
1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学
特性の良好な光学用フィルムを得ることができる。上記
溶媒は単独であるいは2種以上併用して使用することが
できる。溶媒を2種以上併用する場合には、混合物とし
てのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。
このとき、混合物としてのSP値の値は、その重量比か
ら求めることができ、例えば二種の混合物の場合は、各
溶媒の重量分率をW1,W2、また、SP値をSP1,
SP2とすると混合溶媒のSP値は下記式:SP値=W
1・SP1+W2・SP2により計算した値として求め
ることができる。
【0060】上記の混合系を使用する際、本発明の樹脂
の良溶媒と貧溶媒を組み合わせると、光拡散機能を有す
る光学用フィルムを得ることができる。具体的には、樹
脂、良溶媒及び貧溶媒のSP値をそれぞれ(SP値:樹
脂)、(SP値:良溶媒)及び(SP値:貧溶媒)と規
定すると、(SP値:樹脂)と(SP値:良溶媒)の差
が好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下、特に好
ましくは3以下の範囲であり、かつ、(SP値:樹脂)
と(SP値:貧溶媒)の差が好ましくは7以上、さらに
好ましくは8以上、特に好ましくは9以上であり、(S
P値:良溶媒)と(SP値:貧溶媒)の差が好ましくは
3以上、さらに好ましくは5以上、さらに好ましくは7
以上とすることにより、得られる光学用フィルムに光拡
散機能を付与することができる。なお、貧溶媒の混合溶
媒中にしめる割合は、好ましくは50重量%以下、さら
に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは15重量
%以下、最も好ましくは10重量%以下である。また、
貧溶媒の沸点と良溶媒の沸点の差は好ましくは1℃以
上、さらに好ましくは5℃以上、特に好ましくは10℃
以上、最も好ましくは20℃以上であり、特に貧溶媒の
沸点が良溶媒の沸点より高いことが好ましい。
【0061】熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶媒で溶解
する場合の温度は、室温でも高温でもよい。十分に撹拌
することにより均一な溶液が得られる。なお、必要に応
じて着色する場合には、溶液に染料、顔料等の着色剤を
適宜添加することもできる。また、光学用フィルムの表
面平滑性を向上させるためにレベリング剤を添加しても
よい。一般的なレベリング剤であれば何れも使用できる
が、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリ
ル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など
が使用できる。
【0062】本発明の光学用フィルムを溶剤キャスト法
により製造する方法としては、上記溶液をダイスやコー
ターを使用して金属ドラム、スチールベルト、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレ
ート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリテトラ
フルオロエチレン製ベルトなどの基材の上に塗布し、そ
の後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離する
方法が一般に挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロー
ルスピンコート、ディッピングなどの手段を用いて,樹
脂溶液を基材に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基
材よりフィルムを剥離することにより製造することもで
きる。なお、塗布の繰り返しにより厚みや表面平滑性等
を制御してもよい。
【0063】また、基材としてポリエステルフィルムを
使用する場合には、表面処理されたフィルムを使用して
もよい。表面処理の方法としては、一般的に行われてい
る親水化処理方法、例えばアクリル系樹脂やスルホン酸
塩基含有樹脂をコーテイングやラミネートにより積層す
る方法、あるいは、コロナ放電処理等によりフィルム表
面の親水性を向上させる方法等が挙げられる。また、上
記溶液を塗布する基材、例えば金属ドラム、スチールベ
ルト、ポリエステルフィルム等の表面にサンドマット処
理やエンボス処理を施したものを使用すると、フィルム
の表面に上記処理による凹凸が転写して、本発明の光拡
散機能を有する光学用フィルムを製造することができ
る。上記のようにして光拡散機能を付与する場合は、低
波長から高波長までの光の透過率を安定して維持する特
性から、一定の大きさで凹凸を付けることが好ましい。
この時の凹凸の形状については、凹凸を付ける手法に左
右されるために特に制約は無いが、通常は表面粗さ(中
心線平均粗さ:Ra)が0.001〜100μm、好ま
しくは0.005〜10μm、さらに好ましくは0.0
1〜1μm、特に好ましくは0.05〜1μmである。R
aの値が0.001μm未満あるいは100μmを超える
と、良好な光拡散機能が期待できにくい。なお、フレネ
ルレンズのようなレンズ機能を付与する場合は、Raの
値が100μmを超えることがあってもよい。
【0064】さらに、本発明の樹脂の溶液に該樹脂と非
相溶の樹脂やフィラーを添加し均一化したものをキャス
トする方法でも、本発明の光拡散機能を有する光学用フ
ィルムを製造することができる。具体的には、上記非相
溶の樹脂を添加する場合には、本発明の樹脂との屈折率
差が通常は0.00001以上、好ましくは0.000
1以上、さらに好ましくは0.001以上、特に好まし
くは0.01以上の樹脂を選択して使用し、また、溶液
に混合した後にキャストして乾燥した後に得られるフィ
ルム中の前記相溶性を有しない樹脂の数平均の粒子径範
囲が通常は0.01〜1,000μm、好ましくは0.
05〜500μm、さらに好ましくは0.1〜100μ
m、特に好ましくは0.5〜50μmの範囲にすること
で、低波長から高波長における光拡散効果を発揮するこ
とができる。上記屈折率差が0.00001未満であっ
たり、また、上記粒子径が0.01μm未満であると良
好な光拡散機能を付与するのが困難であり、一方、上記
粒子径が1,000μmを超えた場合には光線透過率が
著しく低下したり、フィルムの厚み精度や表面性に悪影
響を及ぼすことがあるために好ましくない。
【0065】また、上記非相溶の樹脂の添加量は、要求
される光拡散の性能により変化するが、本発明の樹脂1
00重量部に対し、通常は0.001〜100重量部、
好ましくは0.01〜70重量部、さらに好ましくは
0.1〜50重量部、特に好ましくは1〜25重量部で
ある。添加量が0.001重量部未満であると、良好な
光拡散機能が期待できにくい。また、添加量が100重
量部以上になると光線透過率が著しく低下するために好
ましくない。一方、フィラーとしては市販の無機フィラ
ーや熱硬化性樹脂の硬化物を微細化した有機フィラー等
を任意に使用することもできる。また、その粒子径及び
添加量は、上記非相溶の樹脂を添加する場合と同様であ
る。上記本発明の樹脂と非相溶の樹脂としては、例え
ば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレ
ン、ポリビニルベンゼン、ポリアミドあるいはポリイミ
ドなどを挙げることができる。また、上記フィラーとし
ては、例えば、金、銀等の金属、SiO2、TiO2、Z
nO2、Al23等の金属酸化物、ガラス、石英などの
粒子を挙げることができる。
【0066】上記溶剤キャスト法の乾燥(溶剤除去)工
程については、特に制限はなく一般的に用いられる方
法、例えば多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させ
る方法等で実施できるが、乾燥工程において溶媒の蒸発
に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下
させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上
の複数工程とし、各工程での温度あるいは風量を制御す
ることが好ましい。
【0067】また、光学用フィルム中の残留溶媒量は、
通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さら
に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量
%以下である。ここで、残留溶媒量が10重量%以上で
あると、実際に該光学用フィルムを使用したときに経時
による寸法変化が大きくなり好ましくない。また、残留
溶媒によりTgが低くなり、耐熱性も低下することから
好ましくない。なお、後述する延伸工程を好適に行うた
めには、上記残留溶媒量を上記範囲内で適宜調節する必
要がある場合がある。具体的には、延伸配向時の位相差
を安定して均一に発現させるために、残留溶媒量を通常
は10〜0.1重量%、好ましくは5〜0.1重量%、
さらに好ましくは1〜0.1重量%にすることがある。
溶媒を微量残留させることで、延伸加工が容易になる、
あるいは位相差の制御が容易になる場合がある。
【0068】本発明の光学用フィルムの厚さは、通常は
0.1〜3,000μm、好ましくは0.1〜1,00
0μm、さらに好ましくは1〜500μm、最も好ましく
は5〜300μmである。0.1μm未満の厚みの場合実
質的にハンドリングが困難となる。一方、3,000μ
m以上の場合、ロール状に巻き取ることが困難になる。
本発明の光学用フィルムの厚み分布は、通常は平均値に
対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに
好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内であ
る。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%
以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以
下、特に好ましくは0.5%以下であることが望まし
い。かかる厚み制御を実施することにより、延伸配向し
た際の透過光の位相差ムラを防ぐことができる。
【0069】−−第3の発明等− <透過光に位相差を与える光学用フィルム>本発明の透
過光に位相差を与える光学用フィルム(以下、「位相差
フィルム」という。)は、上記方法によって得た光学用
フィルムを延伸加工して得る。具体的には、公知の一軸
延伸法あるいは二軸延伸法により製造することができ
る。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール
間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延
伸法等あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸
法、インフレーション法による延伸法等を用いることが
できる。
【0070】一軸延伸法の場合、延伸速度は通常は1〜
5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000
%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%
/分である。二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行
う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延
伸処理する場合がある。この時、屈折率楕円体の形状を
制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望する
特性により決定されるため特に限定はされないが、通常
は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延
伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通
常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜
1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜
1,000%/分であり、特に好ましくは100〜50
0%/分である。
【0071】延伸加工温度は、特に限定されるものでは
ないが、本発明の熱可塑性ノルボルネン系樹脂のガラス
転移温度Tgを基準として、通常はTg±30℃、好ま
しくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5〜Tg
+15℃の範囲である。前記範囲内とすることで、位相
差ムラの発生を抑えることが可能となり、また、屈折率
楕円体の制御が容易になることから好ましい。延伸倍率
は、所望する特性により決定されるため特に限定はされ
ないが、通常はは1.01〜10倍、好ましくは1.0
3〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延
伸倍率が10倍以上の場合、位相差の制御が困難になる
場合がある。延伸したフィルムは、そのまま冷却しても
よいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくと
も10秒以上、好ましくは30秒〜60分間、さらに好
ましくは1分〜60分間保持してヒートセットすること
が好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が
少なく安定した位相差フィルムが得られる。
【0072】延伸加工を施さない本発明の光学用フィル
ムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を
500時間行った場合に、通常5%以下、好ましくは3
%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは
0.5%以下である。また、本発明の位相差フィルムの
加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を50
0時間行った場合に、通常10%以下、好ましくは5%
以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%
以下である。寸法収縮率を上記範囲内にするためには、
本発明中の特定単量体の選択やその他の共重合性単量体
の選択に加え、キャスト方法や延伸方法の条件を調整す
ることも有力な手段である。
【0073】上記のようにして延伸したフィルムは、延
伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようにな
るが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度あるいはフィ
ルムの厚さ等により制御することができる。例えば、延
伸前のフィルムの厚さが同じである場合、延伸倍率が大
きいフィルムほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる
傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望
の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることが
できる。一方、延伸倍率が同じである場合、延伸前のフ
ィルムの厚さが厚いほど透過光の位相差の絶対値が大き
くなる傾向があるので、延伸前のフィルムの厚さを変更
することによって所望の位相差を透過光に与える位相差
フィルムを得ることができる。また、上記延伸加工温度
範囲においては、延伸温度が低いほど透過光の位相差の
絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸温度を変更す
ることによって所望の位相差を透過光に与える位相差フ
ィルムを得ることができる。
【0074】上記のように延伸して得た位相差フィルム
が透過光に与える位相差の値は、その用途により決定さ
れるものであり特に限定はされないが、液晶表示素子や
エレクトロルミネッセンス表示素子あるいはレーザー光
学系の波長板に使用する場合は、通常は1〜10,00
0nm、好ましくは10〜2,000nm、さらに好ま
しくは15〜1,000nmである。また、位相差フィ
ルムを透過した光の位相差は均一性が高いことが好まし
く、波長550nmにおける位相差のバラツキは通常は
±20%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好
ましくは±5%以下である。位相差のバラツキが±20
%を超えると、液晶表示素子等に用いた場合、色ムラ等
が発生し、ディスプレイ本体の性能が悪化する。
【0075】さらに、波長550nmでの位相差Re
(550)と波長400nmでの位相差Re(400)
との比:Re(400)/Re(550)が1.0〜
0.5、好ましくは0.8〜0.6、さらに好ましくは
0.75〜0.65の範囲にあり、かつ前記位相差Re
(550)と波長800nmでの位相差Re(800)
の比:Re(800)/Re(550)が1.5〜1.
0、好ましくは1.5〜1.3、さらに好ましくは1.
5〜1.4の範囲にあると、ある波長λでの位相差をR
e(λ)としたとき、400〜800nmの全波長領域
で、Re(λ)/λの値をほぼ一定とすることが可能と
なる。このRe(λ)/λの値を、400〜800nm
の全波長領域で±20%以内、好ましくは±10%以
内、さらに好ましくは±5%以内に制御すると、例え
ば、当該波長領域全てにおいて位相差が1/4λあるい
は1/2λであるような広帯域のλ板を得ることができ
る。すなわち、上記Re(λ)/λの値が、400〜8
00nmの全波長領域で、0.20〜0.30、好まし
くは0.22〜0.28、さらに好ましくは0.24〜
0.26である場合、当該波長領域全域で、円偏光と直
線偏光とを相互変換する1/4λ板としての機能を有す
ることになり、また、同様に上記Re(λ)/λの値
が、0.40〜0.60、好ましくは0.45〜0.5
5、さらに好ましくは0.48〜0.52である場合、
当該波長領域全域で、直線偏光の偏光面を90度回転さ
せる1/2λ板としての機能を有することになり、非常
に有用である。
【0076】本発明の位相差フィルムは単独又は透明基
板等に貼り合わせて位相差板として用いることができ
る。また、上記位相差板を他のフィルム、シート、基板
に積層して使用することができる。積層する場合には、
粘着剤や接着剤を用いることができる。これらの粘着
剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、
具体例としては天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化
ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系、
変性ポリオレフィン系、及びこれらにイソシアナートな
どの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹
脂溶液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドラ
イラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系
接着剤などが挙げられる。
【0077】また、上記の位相差フィルム及び位相差板
は、他のフィルムシート、基板などとの積層の作業性を
向上させるために、あらかじめ、粘着剤層、又は接着剤
層を積層することができる。積層する場合には、粘着剤
や接着剤としては前述のような粘着剤あるいは接着剤を
用いることができる。
【0078】<透明導電層を有する光学用フィルム>本
発明の光学用フィルムには、その少なくとも片面に透明
導電層を積層することができる。透明導電層を形成する
ための材料としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、
Pt、Ag等の金属、又はそれらの酸化物が一般的に使
用され、金属単体を基板上に形成したときは、必要に応
じてその後酸化することもできる。当初から酸化物層と
して付着形成させる方法もあるが、最初は金属単体又は
低級酸化物の形態で被膜を形成し、しかるのち、加熱酸
化、陽極酸化あるいは液相酸化等の酸化処理を施して透
明化することもできる。これらの透明導電層は、他の透
明導電層を有するシート、フィルムなどを接着したり、
プラズマ重合法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッ
キ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法
などによって本発明の光学用フィルム上に直接形成され
る。これらの透明導電膜の厚さは、所望する特性により
決定され特に限定はされないが、通常は10〜10,0
00オングストローム、好ましくは50〜5,000オ
ングストロームである。
【0079】本発明の光学用フィルムに直接透明導電層
を形成する場合、当該フィルムと透明導電層との間に必
要に応じて接着層及びアンカーコート層を形成してもよ
い。この接着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、
ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトンなどの耐熱樹脂を例示することができる。また
アンカーコート層としては、エポキシジアクリレート、
ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート
等のいわゆるアクリルプレポリマーなどを成分として含
むものが用いられる。硬化の方法は公知の手法を用いる
ことができ、例えばUV硬化や熱硬化などが用いられ
る。
【0080】本発明の透明導電層を有する光学用フィル
ムは、偏光フィルムと組み合わせて、積層体とすること
ができる。本発明の透明導電層を有する光学用フィルム
と偏光フィルムの組み合わせ方法は特に限定されず、偏
光膜の両面に保護フィルムが積層されてなる偏光フィル
ムの少なくとも片面に、本発明の透明導電層を有する光
学用フィルムを、その透明導電性層形成面と反対側面上
に適当な接着剤あるいは粘着剤を介して積層してもよい
し、偏光膜の保護フィルムの代わりに、本発明の透明導
電層を有する光学用フィルムを使用し、その透明導電性
層形成面と反対側面上に適当な接着剤あるいは粘着剤を
介して偏光膜に積層してもよい。もちろん、透明導電層
を有さない本発明の光学用フィルムを偏光フイルムの保
護フィルムとして用いることも可能である。係る場合、
本発明の位相差付与性光学用フィルムを保護フィルムと
して用いると、保護フィルムが位相差フィルムとしての
機能を有するため、偏光フィルムにあらためて位相差フ
ィルムを貼り合わせる必要が無くなる利点がある。
【0081】また、本発明の透明導電層を有する光学用
フィルムには、必要に応じて酸素や水蒸気の透過を小さ
くする目的のために、ポリビニリデンクロリド、ポリビ
ニルアルコール等のガスバリア性材料を、少なくともフ
ィルムの一方の面に積層することもできる。さらにフィ
ルムの耐傷性及び耐熱性を向上させる目的で、ガスバリ
ア層の上にハードコート層が積層されていてもよい。ハ
ードコート剤としては、有機シリコン系樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの有機ハードコ
ート材料、又は二酸化ケイ素などの無機系ハードコート
材料を用いることができる。このうち、有機シリコン系
樹脂、アクリル樹脂などのハードコート材料が好まし
い。有機シリコン系樹脂の中には、各種官能基を持った
ものが使用されるが、エポキシ基を持ったものが好まし
い。
【0082】<反射防止層を有する光学用フィルム>本
発明の光学用フィルムには、少なくともその片面に反射
防止層を積層することができる。反射防止層の形成方法
としては、例えば、フッ素系共重合体を含む組成物の溶
液をバーコーターやグラビアコーターなどを用いてコー
テイングする方法がある。反射防止層の厚みは、通常は
0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さ
らに好ましくは0.5〜20μmである。0.01m未
満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超え
ると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化
し好ましくない。
【0083】また、本発明の反射防止層を有する光学用
フィルムには、公知のハードコート層や防汚層が積層さ
れていてもよい。また、上記の透明導電層が積層されて
いてもよい。さらに、透過光に位相差を与える機能を有
していてもよく、光拡散機能を有していてもよい。上記
のように複数の機能を有することにより、本発明の反射
防止層を有する光学用フィルムは、例えば液晶表示素子
に用いた場合、反射防止フィルムが位相差フィルム、光
拡散フィルム、偏光板保護フィルムあるいは電極基板
(透明導電層)の幾つかを兼用することとなり、従来よ
りもその部品点数を低減することが可能となる。
【0084】<用途>本発明の光学用フィルムは、例え
ば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル(登
録商標)、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、
液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、
AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレ
クトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルな
どに用いることができる。また、CD、CD−R、M
D、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置に使
用される波長板としても有用である。
【0085】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。なお、以下にお
いて、「部」及び「%」は、特に断りのない限り「重量
部」及び「重量%」を意味する。
【0086】各種測定方法を以下に示す。 [ガラス転移温度(Tg)]セイコーインスツルメンツ
社製、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲
気、昇温速度:20℃/分の条件で測定した。 [飽和吸水率]ASTM D570に準拠し、23℃の
水中に1週間サンプルを浸漬し、浸漬前後の重量変化を
測定して求めた。 [残留溶媒量]サンプルを塩化メチレンに溶解し、得ら
れた溶液を島津製作所製:GC−7Aガスクロマトグラ
フィー装置を用いて分析した。 [全光線透過率、ヘイズ]スガ試験機社製ヘイズメータ
ー:HGM−2DP型を使用して測定した。 [複屈折、透過光の位相差]王子計測機器社製KOBR
A−21ADH、並びにKOBRA−CCDを用いて複
屈折と透過光の位相差測定を行った。なお、測定は、1
つの試料につき場所を変えて10回実施し、その平均値
を該試料の複屈折及び位相差とした。また、下記式によ
り位相差のバラツキを求めた。 Re(m)/Re(A)×100(%) Re(m):最大値若しくは最小値と平均値の差の絶対値。 絶対値の大きい方をバラツキの計算に使用。 Re(A):平均値
【0087】<単量体合成例> (1)5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0088】
【化15】 滴下ロートを取り付けた500 mLフラスコにノルボルネン
アルコール(endo体/exo体のモル比が8/1)を28g(2
53.9 m mol)をはかり取り、系内の窒素置換を行った。
これにピリジン41 mL(507.8 m mol)を滴下し、スターラ
ーにてよく攪拌し、溶解させた。次に予め脱水THF(テ
トラヒドロフラン)200 mLに溶解させた4‐フェニルベ
ンゾイルクロリド 50g(230.8 m mol)を氷冷バスで反
応系の温度を4±2℃に保ち、十分に攪拌しながら徐々
に滴下した。滴下終了後、氷冷バス中で1時間攪拌を継
続し、その後、室温で1時間攪拌、更に30分還流を行っ
た。室温に冷却後、生成したピリジン塩を濾紙で濾過
し、更に反応混合物を十分に蒸留水で水洗いした。減
圧、加温して溶媒を除去し、得られた結晶をn‐ヘキサ
ンで再結晶を繰り返し、白色結晶状の5−(4−ビフェ
ニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン(単量体)63gを得た。得られた結晶をHP
LCで分析した結果、純度は 98%であった。
【0089】(2)5−(2−ナフチルカルボニルオキ
シ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
【0090】
【化16】 4‐フェニルベンゾイルクロリドに代えて、2−ナフト
イルクロリド 44g(230.8 m mol)用い、反応物をカラ
ム(充填材;Al2O3、展開溶媒;ヘキサン)にて精製し
た以外は、実施例1(1)と同様にして、白色固体状の
5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン 46gを得た。得られた単量
体をHPLCにて分析した結果、純度は 99%であっ
た。
【0091】<合成例1>8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,1 7.10
−3−ドデセン(特定単量体B)100部と、5−(4
−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)150部と、1
−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750
部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60
℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒
としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のト
ルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノー
ルで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メ
タノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:
1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.
7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌する
ことにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であり、得ら
れた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測
定した固有粘度(ηinh )は0.65dl/gであっ
た。
【0092】このようにして得られた開環重合体溶液
4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合
体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533
0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2
反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素
添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体
溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶
液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、
これを乾燥して、水素添加重合体(特定の環状ポリオレ
フィン系樹脂)を得た。このようにして得られた水素添
加重合体(以下、「樹脂(a−1)」という。)につい
て400MHz、1H−NMRを用いてオレフィン性不
飽和結合の水素添加率を測定したところ99.9%であ
った。また、特定単量体Aに由来する芳香環は実質的に
水素添加されていなかった。
【0093】当該樹脂(a−1)についてTgを測定し
たところ110℃であった。また、当該樹脂(a−1)
について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)によ
りポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平
均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(M
n)は39,000、重量平均分子量(Mw)は12
6,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.23であ
った。また、当該樹脂(a−1)について、23℃にお
ける飽和吸水率を測定したところ0.2%であった。ま
た、SP値を測定したところ、17(MPa1/2)であ
った。また、当該樹脂(a−1)について、30℃のク
ロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ
0.67dl/gであった。
【0094】<合成例2>8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,1 7.10
−3−ドデセン(特定単量体B)を100部と、5−
(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)を150部を用
いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結
合の水素添加率が99.9%であり、特定単量体Aに由
来する芳香環が実質的に水素添加されていない樹脂(b
−1)を得た。該樹脂のTgは105℃であった。ま
た、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)によりポリ
スチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子
量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は
33,000、重量平均分子量(Mw)は120,00
0、分子量分布(Mw/Mn)は3.64であった。ま
た、当該樹脂(b−1)について、23℃における飽和
吸水率を測定したところ、0.2%であった。また、固
有粘度(ηinh)を測定したところ、0.61dl/g
であった。
【0095】<比較合成例1>5−(4−ビフェニルカ
ルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン(特定単量体A)のみを250部を用いた以外は合
成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加
率が99.9%であり、特定単量体Aに由来する芳香環
が実質的に水素添加されていない樹脂(c−1)を得
た。該樹脂のTgは100℃であった。また、GPC法
(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換
算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
を測定したところ、数平均分子量(Mn)は36,00
0、重量平均分子量(Mw)は142,000、分子量
分布(Mw/Mn)は3.94であった。
【0096】<比較合成例2>8−メチル−8−メトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,1
7.10]−3−ドデセン(特定単量体B)のみを250部
を用いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽
和結合の水素添加率が99.9%の樹脂(d−1)を得
た。該樹脂のTgは170℃であった。また、GPC法
(溶媒:テトラヒドロフラン)によりポリスチレン換算
の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を
測定したところ、数平均分子量(Mn)は38,00
0、重量平均分子量(Mw)は122,000、分子量
分布(Mw/Mn)は3.21であった。
【0097】<比較合成例3>5−(2−ナフチルカル
ボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン(特定単量体A)のみを250部を用いた以外は合成
例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加率
が99.9%であり、特定単量体Aに由来する芳香環が
実質的に水素添加されていない樹脂(e−1)を得た。
該樹脂のTgは85℃であった。また、GPC法(溶
媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測
定したところ、数平均分子量(Mn)は40,000、
重量平均分子量(Mw)は158,000、分子量分布
(Mw/Mn)は3.95であった。
【0098】[実施例1、比較例1]上記樹脂(a−
1)をトルエンに30%濃度になるように溶解し(室温
での溶液粘度は30,000mPa・sであった。)、
井上金属工業製INVEXラボコーターを用い、アクリ
ル酸系で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μ
mのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーU94)
に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗
布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥
を行った。PETフィルムより剥がした樹脂フィルムを
(a−2)とした。得られたフィルムの残留溶媒量は、
0.5%であった。このフィルムをテンター内で、Tg
+5℃である115℃に加熱し、延伸速度1000%/
分で2.5倍に延伸した後、Tgである110℃の雰囲
気下で約1分間この状態を保持しながら冷却し、室温へ
とさらに冷却して取り出し位相差フィルム(a−3)を
得た。
【0099】樹脂(b−1)、(c−1)、(d−1)
及び(e−1)を、前記と同様にしてフィルム化して
(b−2)、(c−2)、(d−2)及び(e−2)を
得るとともに、前記と同様の温度条件(樹脂のTg+5
℃)と延伸条件でそれぞれで延伸して位相差フィルム
(b−3)、(c−3)、(d−3)及び(e−3)を
得た。また、フィルム(c−2)及び(d−2)につい
て、加熱温度をTg+10℃、延伸速度を400%/
分、延伸倍率を1.3倍にしたこと以外は上記と同様に
して位相差フィルム(c−3’)(d−3’)を得た。
【0100】こうして得たフィルム(a−2)、(a−
3)、(b−2)、(b−3)、(c−2)、(c−
3’)、(d−2)、(d−3’)、(e−2)及び
(e−3)について、全光線透過率、ヘイズ、透過光の
位相差測定を行った。結果を表1及び表2に示した。ま
た、同一条件で延伸することにより得られた(c−
3)、(d−3)及び(e−3)の複屈折(Nx−Ny
の値)を表3に示した。さらに、(a−3)、(b−
3)、(c−3)、(d−3)及び(e−3)につい
て、透過光波長550nmを基準とした透過光の位相差
の波長依存性(Re(λ)/Re(550))を測定し
た結果を図1に示した。また、(a−3)、(b−
3)、(c−3’)及び(d−3’)について、波長4
00〜800nmにおける透過光の位相差の波長依存性
(Re(λ)/λ)を測定した結果を図2に示した。
【0101】
【表1】 *)「透過光の位相差」は表中の波長における絶対値。
【0102】
【表2】 *)「位相差のハ゛ラツキ」は波長550nmで測定。 「透過光の位相差」は表中の波長における値(絶対値で
はない。)。
【表3】 *)「複屈折」は表中の波長における値
【0103】図1から明らかなように、特定単量体Aを
含む単量体混合物を重合して得られた樹脂からなる本発
明の位相差フィルムは正の波長依存性を示したのに対し
て、特定単量体Aのみを重合し、又は特定単量体Aが存
在しない条件で重合して得られた樹脂からなる位相差フ
ィルムは正の波長依存性を示さなかった。
【0104】また、図2から明らかなように、特定単量
体Aを含む単量体混合物を重合して得られた樹脂からな
る本発明の位相差フィルムは、Re(λ)/λの値が4
00〜800nmの波長領域においてほぼ一定の値
(0.215〜0.247)を示し、当該波長領域全て
において1/4λ板としての作用が期待できるのに対し
て、特定単量体Aのみ、若しくは特定単量体Aが存在し
ない条件で重合して得られた樹脂からなる位相差フィル
ムは、波長550nmにおいては絶対値で約0.25を
示しても、波長が550nmからずれるにしたがって大
きく0.25からずれており、当該波長領域の一部でし
か1/4λ板としての作用が期待できない。
【0105】更に、上記表3のデータから、上記<合成
例1>に係る共重合体(a−1)から得られたフィルム
を上記条件で延伸した位相差フィルム(a−3)及び上
記<合成例2>に係る共重合体(b−1)から得られた
フィルムを上記条件で延伸した位相差フィルム(b−
3)は、上記第1の発明に係る光学用フィルム(1)の
要件:△N(λ)+△NII(λ)>0、及び △N(λ)−△N(800)<△NII(800)−△N
II(λ) を満足する光学用フィルムであることがわかる。
【0106】すなわち、位相差フィルム(a−3)につ
いては、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12.5 ,17.10]−3−ドデセン
(特定単量体B)のみの重合体(d−1)<正の複屈折
性を示す構造単位(I)に該当>から得られたフィルム
を上記条件で延伸した位相差フィルム(d−3)、及び
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみ
の重合体(c−1)<負の複屈折性を示す構造単位(I
I)に該当>から得られたフィルムを上記条件で延伸し
た位相差フィルム(c−3)に係る各△N(400)、△
(550)及び△N(800)の値に基づき、次のとおり確
認できる。 △N(400):0.0083+△NII(400):−0.0039>0 △N(550):0.0082+△NII(550):−0.0027>0 △N(800):0.0081+△NII(800):−0.0021>0 △N(400):0.0083−△N(800):0.0081(=0.000
2)<△NII(800):−0.0021−△NII(400):−0.0
039(=0.0018) △N(550):0.0082−△N(800):0.0081(=0.000
1)<△NII(800):−0.0021−△NII(550):−0.0
027(=0.0006)
【0107】また、同様に、位相差フィルム(b−3)
についても、上記位相差フィルム(d−3)、及び5−
(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみの重合体
(e−1)<負の複屈折性を示す構造単位(II)に該
当>から得られたフィルムを上記条件で延伸した位相差
フィルム(e−3)に係る各△N(400)、△N(550)
及び△N(800)の値に基づき、次のとおり確認でき
る。 △N(400):0.0083+△NII(400):−0.0037>0 △N(550):0.0082+△NII(550):−0.0028>0 △N(800):0.0081+△NII(800):−0.0019>0 △N(400):0.0083−△N(800):0.0081(=0.000
2)<△NII(800):−0.0019−△NII(400):−0.0
037(=0.0018) △N(550):0.0082−△N(800):0.0081(=0.000
1)<△NII(800):−0.0019−△NII(550):−0.0
028(=0.0009)
【0108】[実施例2]フィルム(a−2)にサンド
マット処理を行いヘイズ55%、全光線透過率93%の
光拡散機能を有する光学用フィルム(a−4)を得た。
当該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に50
0時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初
期値からの変化は認められなかった。フィルム(b−
2)及び(c−2)についても同様の処理を行い、ヘイ
ズ55%、全光線透過率93%の光拡散機能を有する光
学用フィルム(b−4)及び(c−4)を得た。フィル
ム(b−4)及び(c−4)についてもフィルム(a−
4)と同条件で耐久性を評価したが、いずれも初期値か
らの変化は認められなかった。
【0109】[実施例3]フィルム(a−3)の片面に
酸化インジウム/酸化スズ(重量比95:5)からなる
ターゲットを用いて透明導電膜をスパッタリング法によ
り形成させ、透明導電フィルム(a−5)を得た。この
透明導電フィルムの全光線透過率は85%を超えて良好
であり、目視で観察した外観(傷の有無、フィルムのそ
り具合)も良好であった。また、80℃、90%相対湿
度の雰囲気に500時間暴露し、全光線透過率の測定と
目視観察による外観変化の有無確認を行った。その結
果、全光線透過率は85%を超えて良好であり、また、
外観においても傷やそり、うねりの発生は認められず良
好であった。
【0110】[実施例4]フィルム(a−3)の片面に
JSR(株)製オプスターJN7212を乾燥膜厚0.
1μmになるようにコートし、反射防止層を形成したフ
ィルム(a−6)を得た。本フィルムは反射率が1%以
下と良好な反射防止特性を示した。
【0111】[実施例5]厚さ50μmのポリビニルア
ルコールフィルムをヨウ素5g、ヨウ化カリウム250
g、ほう酸10g、水1,000gからなる40℃の浴
に浸漬しながら約5分間で4倍まで一軸延伸して得た偏
光膜の表面に、n−ブチルアクリレート90重量%、エ
チルアクリレート7重量%、アクリル酸3重量%からな
るアクリル系樹脂100部とトリレンジイソシアナート
(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物
の75重量%酢酸エチル溶液2部からなる架橋剤を混合
して得られた粘着剤をもちいて、フィルム(a−2)を
両面に積層して偏光フィルム(a−7)を得た。該偏光
フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時
間暴露しその外観変化を目視で観察したところ、うねり
や反り等の外観異常は認められず、また、偏光度も90
%を超えた特性を維持しており良好なことが分かった。
【0112】[実施例6]トルエンの代わりに、沸点4
0℃、SP値19.2(MPa1/2)の塩化メチレン
(良溶媒)と沸点65℃、SP値29.7( MPa
1/2)のメタノール(貧溶媒)とをメタノールの溶媒中
に占める割合を10重量%とした混合溶媒を使用し、実
施例1と同様にして樹脂(a−1)のフィルムを作成
し、光拡散層を有するフィルム(a−8)を得た。該フ
ィルムは、ヘイズが40%であり全光線透過率が93%
であった。該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲
気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定し
たが、初期値からの変化は認められなかった。
【0113】[実施例7]室温での屈折率が1.515
(d線)である樹脂(a−1)100部に対し、非相溶
系で室温での屈折率が1.492(室温:d線)のPM
MAを10部加えた他は実施例1と同様にしてフィルム
(a−9)を得た。該フィルム中でのPMMAの平均分
散粒子径(TEMにより測定)は20μmであり、ヘイ
ズは20%、全光線透過率は92%であった。該フィル
ムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露
し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初期値からの
変化は認められなかった。
【0114】[実施例8]PETフィルムとして表面凹
凸の付いたマット処理済みのPETフィルムを用いた他
は実施例1と同様にして、樹脂(a−1)フィルムのフ
ィルムを作成し、光拡散層を有するフィルム(a−1
0)を得た。該フィルムは、ヘイズが10%、全光線透
過率が93%であった。該フィルムを80℃、90%相
対湿度の雰囲気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透
過率を測定したが、初期値からの変化は認められなかっ
た。
【0115】
【発明の効果】本発明の光学用フィルムは、従来の熱可
塑性ノルボルネン系樹脂系フィルムの有する高透明性、
低複屈折性、あるいは延伸配向した場合に得られる透過
光の位相差の均一性や安定性等の光学特性、並びに高耐
熱性、他材料との密着性や接着性が良好で吸水変形が小
さい等の特長を維持したうえに、従来の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂系フィルムでは得られなかった正の波長分
散性を示す。したがって、本発明の光学用フィルムを位
相差フィルムとして使用すると、400〜800nmの
波長領域において一定の位相差を示すλ板を一枚の位相
差フィルムで実現できる。また、光拡散機能、透明導電
性、反射防止機能等の機能を有する光学用フィルムとし
ても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1・比較例1で得られた位相差フィルム
(a−3)、(b−3)、(c−3)、(d−3)及び
(e−3)の透過光波長550nmを基準とした透過光
の位相差の波長依存性(Re(λ)/Re(550))
を示す図。
【図2】実施例1・比較例1で得られた位相差フィルム
(a−3)、(b−3)、(c−3’)及び(d−
3’)について、波長400〜800nmにおける透過
光の位相差の波長依存性(Re(λ)/λ)を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/02 G02B 5/02 4J032 5/30 5/30 // B29K 45:00 B29K 45:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 65:00 C08L 65:00 (72)発明者 柴田 拓 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H042 AA03 AA04 AA09 BA01 BA09 2H049 BA02 BA06 BA25 BA42 BB13 BB22 BB42 BB63 BB65 BB67 BC03 BC09 BC22 4F071 AA69 AF30 AF31 BA02 BB02 BB07 BC01 4F205 AA12 AC05 AG01 AH73 GA07 GB02 GC06 GE22 GW21 4F210 AA12A AE10 AG01 AH73 AR20 QA02 QC03 QD01 QD13 QD19 QG01 4J032 CA23 CA24 CA27 CA28 CA34 CA36 CA45 CA53 CA54 CB01 CB03 CD02 CD03 CD04 CG08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長400〜800nmにおいて、正の複
    屈折性を示す構造単位(I)と負の複屈折性を示す構造
    単位(II)とからなり、構造単位(I)のみからなる
    重合体又は構造単位(II)のみからなる重合体を同一
    条件で一軸延伸した場合の任意の波長:λにおけるx軸
    方向の屈折率:Nx(λ)とy軸方向の屈折率:Ny
    (λ)の差、すなわち、Nx(λ)−Ny(λ)をそれぞ
    れ△N(λ)及び△N (λ)としたとき、 △N(λ)+△NII(λ)>0 △N(λ)−△N(800)<△NII(800)−△N
    II(λ) [ここで、△N(800)及び△NII(800)は、波長80
    0nmにおけるx軸方向とy軸方向の屈折率の差を示
    す。なお、x軸は延伸方向、y軸はx軸に対して面内垂
    直方向を示す。]である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
    含む光学用フィルム。
  2. 【請求項2】下記一般式(1)で表される構造単位aと
    下記一般式(2)で表される構造単位bを含む共重合体
    である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含むことを特徴と
    する光学用フィルム。 【化1】 [式中、nは0又は1であり、mは0又は1以上の整数
    である。Xは式:−CH=CH−で表される基又は式:−CH2
    CH2−で表される基であり、R1、R2、R3及びR 4は独
    立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ又は
    ケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換
    の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表
    し、あるいはR1とR2、R3とR4、又はR2とR3とが相
    互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複
    素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造
    を形成してもよい。)を形成してもよい。形成される炭
    素環又は複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。
    但し、R1〜R4のうち少なくとも1つは、下記一般式
    (1−1)及び/又は下記一般式(1−2)で表される
    基である。また、上記共重合体中に存在する複数のX、
    1、R2、R3及びR4各々は同一でも異なっていてもよ
    い。] 【化2】 【化3】 〔一般式(1−1)及び一般式(1−2)において、R5
    14、Z、RA及びRBは、独立に、水素原子;ハロゲン
    原子;酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有
    していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の
    1価の炭化水素基;又は1価の極性基を表す。但し、一
    般式(1−1)において、R5〜R14のうち1個は、式記載
    の環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合す
    る、式:−C(O)O−で表わされる基であり、p及びq
    は独立に0〜2の整数であり、p=q=0のときは、R
    6とR9、R13とR9、R5とR14、又は、R12とR14は相
    互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複
    素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造
    を形成してもよい。)を形成してもよい。また、一般式
    (1−2)においてRA、RB又はZのうち1個は、式記載の
    環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合す
    る、式:−C(O)O−で表わされる基であり、sは0又
    は1以上の整数である。更に、上記共重合体中に存在す
    る複数のR5〜R14、Z、RA及びRB各々は同一でも異
    なっていてもよい。〕 【化4】 [式中、tは0又は1であり、uは0又は1以上の整数
    である。X、R1、R2、R3及びR4は前記のとおりであ
    る。但し、式(2)においてR1〜R4が、上記一般式(1
    −1)又は上記一般式(1−2)で表わされる基である場合
    を除く。]
  3. 【請求項3】前記一般式(1)において、n=m=0で
    ある構造単位a、及び前記一般式(2)において、t=
    0,u=1である構造単位bを含むことを特徴とする請
    求項2に記載の光学用フィルム。
  4. 【請求項4】前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む有
    機溶剤溶液をキャストする工程を含むことを特徴とする
    請求項2又は3に記載の光学用フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記の有機溶剤として前記熱可塑性ノルボ
    ルネン樹脂の良溶媒と貧溶媒との混合溶剤を使用するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】透過光に位相差を与える請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の光学用フィルム。
  7. 【請求項7】波長550nmでの位相差Re(550)
    と波長400nmでの位相差Re(400)との比:R
    e(400)/Re(550)が1.0〜0.5の範囲
    にあり、かつ前記位相差Re(550)と波長800n
    mでの位相差Re(800)の比:Re(800)/R
    e(550)が1.5〜1.0の範囲にあることを特徴
    とする請求項6に記載の光学用フィルム。
  8. 【請求項8】Re(λ)/λ [ここで、λは当該フィルムの透過光の波長を表し、R
    e(λ)は波長λにおける位相差を表す。]で表される
    値のバラツキが、波長400〜800nmのすべての範
    囲において、その平均値に対して±20%の範囲内にあ
    ることを特徴とする請求項6又は7に記載の光学用フィ
    ルム。
  9. 【請求項9】少なくとも片面に光拡散機能を有すること
    を特徴とする請求項1〜3又は請求項6〜8のいずれか
    1項に記載の光学用フィルム。
  10. 【請求項10】少なくとも片面に透明導電性層を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3又は請求項6〜9のいず
    れか1項に記載の光学用フィルム。
  11. 【請求項11】少なくとも片面に反射防止層を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3又は請求項6〜10のいず
    れか1項に記載の光学用フィルム。
  12. 【請求項12】請求項1〜3又は請求項6〜11のいず
    れか1項に記載の光学用フィルムからなることを特徴と
    する偏光板保護フィルム。
  13. 【請求項13】請求項1〜3又は請求項6〜12のいず
    れか1項に記載の光学用フィルムを有することを特徴と
    する偏光板。
JP2002045708A 2001-12-25 2002-02-22 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム Expired - Fee Related JP4178810B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045708A JP4178810B2 (ja) 2001-12-25 2002-02-22 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
CNB028259033A CN100416302C (zh) 2001-12-25 2002-12-20 热塑性降冰片烯树脂基光学薄膜
KR1020097023779A KR100969095B1 (ko) 2001-12-25 2002-12-20 열가소성 노르보르넨계 수지계 광학용 필름
CA002463644A CA2463644A1 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
EP02790819A EP1459107A2 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
PCT/JP2002/013342 WO2003056365A2 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
US10/491,433 US7101498B2 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
KR1020047005945A KR100944616B1 (ko) 2001-12-25 2002-12-20 열가소성 노르보르넨계 수지계 광학용 필름
AU2002367202A AU2002367202A1 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
SG200407214A SG123611A1 (en) 2001-12-25 2002-12-20 Thermoplastic norbornene resin based optical film
TW091137175A TWI293312B (en) 2001-12-25 2002-12-24 Thermoplastic norbornene resin based optical film and the production process and use thereof

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-392157 2001-12-25
JP2001392157 2001-12-25
JP2002045708A JP4178810B2 (ja) 2001-12-25 2002-02-22 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008004257A Division JP4743213B2 (ja) 2001-12-25 2008-01-11 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003255102A true JP2003255102A (ja) 2003-09-10
JP4178810B2 JP4178810B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=26625258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002045708A Expired - Fee Related JP4178810B2 (ja) 2001-12-25 2002-02-22 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム

Country Status (10)

Country Link
US (1) US7101498B2 (ja)
EP (1) EP1459107A2 (ja)
JP (1) JP4178810B2 (ja)
KR (2) KR100944616B1 (ja)
CN (1) CN100416302C (ja)
AU (1) AU2002367202A1 (ja)
CA (1) CA2463644A1 (ja)
SG (1) SG123611A1 (ja)
TW (1) TWI293312B (ja)
WO (1) WO2003056365A2 (ja)

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005103108A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Jsr Corporation 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途ならびに該共重合体を含む位相差板の製造方法
WO2006052116A1 (en) * 2004-11-15 2006-05-18 Lg Chem, Ltd. Biaxial-optical polynorbornene-based film and method of manufacturing the same, integrated optical compensation polarizer having the film and method of manufacturing the polarizer, and liquid crystal display panel containing the film and/or polarizer
JP2006189474A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
WO2007032170A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 帯電防止防眩フィルム
JP2008031320A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Fujifilm Corp ノルボルネン系重合体、ノルボルネン系重合体を用いたフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2008030243A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Jsr Corp 光学フィルムの製造方法および光学フィルム
WO2008023668A1 (fr) 2006-08-25 2008-02-28 Nippon Oil Corporation Film à retard et dispositif d'affichage à cristaux liquides l'utilisant
JP2008052119A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2008070742A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nitto Denko Corp 位相差フィルム、光学積層体、液晶パネル、及び液晶表示装置
JP2008179685A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Fujifilm Corp ノルボルネン系重合体、ノルボルネン系重合体を用いたフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2008231318A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Jsr Corp 樹脂組成物、光学フィルム、位相差フィルムおよび液晶表示装置
JP2009003193A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2009046613A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Fujifilm Corp シクロオレフィンコポリマーおよびフィルム
JP2009080488A (ja) * 2008-10-23 2009-04-16 Nippon Oil Corp 逆分散位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2010023235A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Jsr Corp 積層フィルムおよびその用途
JP2010097089A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2010097090A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2010107946A (ja) * 2008-07-04 2010-05-13 Jsr Corp Ndフィルターおよびその製造方法
JP2010122673A (ja) * 2008-10-24 2010-06-03 Jsr Corp Ndフィルターおよびその製造方法
WO2010084689A1 (ja) 2009-01-23 2010-07-29 新日本石油株式会社 逆分散性位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
WO2011158819A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 コニカミノルタオプト株式会社 樹脂フィルムの製造方法
WO2013069642A1 (ja) 2011-11-10 2013-05-16 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 位相差フィルム及びそれを備える液晶表示装置

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1321971C (zh) * 2001-10-10 2007-06-20 Jsr株式会社 降冰片烯衍生物及其降冰片烯系开环聚合物
KR100969433B1 (ko) * 2002-11-14 2010-07-14 제이에스알 가부시끼가이샤 노르보르넨계 개환 중합체
KR100618153B1 (ko) * 2003-02-06 2006-08-29 주식회사 엘지화학 편광막의 보호필름, 편광판 및 이의 제조방법
AU2003289135A1 (en) * 2003-12-03 2005-06-24 Jsr Corporation Wave plate
CN100397109C (zh) * 2003-12-03 2008-06-25 Jsr株式会社 用于激光光学系统的波长板
JP2005274725A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Nippon Zeon Co Ltd 光学積層体、光学素子及び液晶表示装置
JP4433462B2 (ja) * 2004-05-12 2010-03-17 株式会社クラレ ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよびその製造方法
US7378136B2 (en) * 2004-07-09 2008-05-27 3M Innovative Properties Company Optical film coating
US20060016097A1 (en) * 2004-07-26 2006-01-26 Chiang Kuo C Moisture removal device
JP2006058540A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Jsr Corp 光学フィルム、偏光板および液晶ディスプレイ
US20090231518A1 (en) * 2004-08-30 2009-09-17 Jsr Corporation Optical film, polarization plate and liquid crystal dispaly
EP1801624B1 (en) * 2004-09-24 2011-05-18 Mitsui Chemicals, Inc. Optical compensation film and display element using the same
JP3811175B2 (ja) * 2004-11-22 2006-08-16 日東電工株式会社 光学フィルム、偏光板、液晶セル、液晶表示装置、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法
JPWO2006057309A1 (ja) * 2004-11-25 2008-06-05 積水化学工業株式会社 位相差フィルム
US20070014020A1 (en) * 2005-07-13 2007-01-18 Eastman Kodak Company Low birefringent light redirecting film
US8663794B2 (en) * 2005-08-22 2014-03-04 Nitto Denko Corporation Control of birefringence dispersion utilizing nanocomposites
TWI259287B (en) * 2005-10-27 2006-08-01 Optimax Tech Corp Fabrication method of optical compensation film
JP5184806B2 (ja) * 2006-04-11 2013-04-17 富士フイルム株式会社 透明熱可塑性フィルムの製造方法および透明熱可塑性フィルム
US20070247712A1 (en) * 2006-04-21 2007-10-25 Eastman Kodak Company Optical elements having reverse dispersion
KR20090127331A (ko) * 2007-03-02 2009-12-10 제이에스알 가부시끼가이샤 위상차 필름, 그의 제조 방법 및 편광판
US7885342B2 (en) * 2007-03-05 2011-02-08 Cisco Technology, Inc. Managing bit error rates on point-to-point wireless links in a network
US8304079B2 (en) * 2007-03-29 2012-11-06 Akron Polymer Systems Optical compensation films with birefringence enhancing substituents for liquid crystal display
US9011992B2 (en) * 2007-03-29 2015-04-21 Akron Polymer Systems Optical compensation films based on stretched polymer films
US8226860B2 (en) * 2007-03-29 2012-07-24 Akron Polymer Systems Optical compensation films having positive birefringence for liquid crystal display
US9096719B2 (en) * 2007-03-29 2015-08-04 Akron Polymer Systems Optical compensation films with mesogen groups for liquid crystal display
US8821994B2 (en) 2007-03-29 2014-09-02 Akron Polymer Systems Liquid crystal display having improved wavelength dispersion characteristics
JP5310721B2 (ja) * 2008-06-18 2013-10-09 富士通株式会社 半導体装置とその製造方法
JP2013205649A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Toshiba Corp 表示装置
KR101805280B1 (ko) * 2013-04-03 2017-12-05 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 필름
WO2016194964A1 (ja) * 2015-06-04 2016-12-08 住友電気工業株式会社 プリント配線板用原板及びプリント配線板
JPWO2020218068A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29
CN112764133B (zh) * 2020-12-30 2022-11-22 华中科技大学 一种基于二维硒化亚锗的偏振相位调制器件及其设计方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0317262B1 (en) * 1987-11-17 1996-01-31 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Transparent resin material
US5115041A (en) * 1989-03-31 1992-05-19 The B. F. Goodrich Company Substrate for optical recording media and molding composition therefor
US5178955A (en) * 1990-12-17 1993-01-12 Allied-Signal Inc. Polymeric anti-reflection coatings and coated articles
US5516456A (en) * 1994-02-24 1996-05-14 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Liquid crystal display panel
EP0744433A1 (en) * 1995-05-23 1996-11-27 Sekisui Chemical Co., Ltd. A method of manufacturing a polysulfone resin film and a retardation film
JPH09316179A (ja) * 1996-05-31 1997-12-09 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 水添共重合体
US6174974B1 (en) * 1996-07-05 2001-01-16 Bayer Aktiengesellschaft Method for producing thermoplastic elastomers
JPH1060048A (ja) * 1996-08-23 1998-03-03 Nippon Zeon Co Ltd 環状オレフィン系重合体及びその製造方法
JP3817015B2 (ja) * 1997-04-14 2006-08-30 三井化学株式会社 環状オレフィン系共重合体およびその用途
JP4069534B2 (ja) * 1999-02-02 2008-04-02 Jsr株式会社 透明積層シートの製造方法
JP2001031744A (ja) * 1999-07-21 2001-02-06 Jsr Corp 光学用成形材料および光ディスク
JP2001337222A (ja) * 2000-05-25 2001-12-07 Fuji Photo Film Co Ltd 位相差板
JP2002156525A (ja) * 2000-11-21 2002-05-31 Fuji Photo Film Co Ltd 位相差板及びその製造方法
JP3899511B2 (ja) 2001-04-27 2007-03-28 Jsr株式会社 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP4238501B2 (ja) * 2001-04-27 2009-03-18 Jsr株式会社 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP2003043252A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Sekisui Chem Co Ltd 偏光子保護フィルム

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7449532B2 (en) 2004-04-20 2008-11-11 Jsr Corporation Cycloolefin copolymer obtained by ring-opening polymerization, use thereof, and process for producing retardation plate comprising the copolymer
KR101090535B1 (ko) 2004-04-20 2011-12-08 제이에스알 가부시끼가이샤 환상 올레핀계 개환 공중합체 및 그의 용도 및 이공중합체를 포함하는 위상차판의 제조 방법
WO2005103108A1 (ja) * 2004-04-20 2005-11-03 Jsr Corporation 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途ならびに該共重合体を含む位相差板の製造方法
WO2006052116A1 (en) * 2004-11-15 2006-05-18 Lg Chem, Ltd. Biaxial-optical polynorbornene-based film and method of manufacturing the same, integrated optical compensation polarizer having the film and method of manufacturing the polarizer, and liquid crystal display panel containing the film and/or polarizer
JP2006189474A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP4610329B2 (ja) * 2004-12-28 2011-01-12 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
WO2007032170A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 帯電防止防眩フィルム
JP2008030243A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Jsr Corp 光学フィルムの製造方法および光学フィルム
JP2008031320A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Fujifilm Corp ノルボルネン系重合体、ノルボルネン系重合体を用いたフィルム、偏光板および液晶表示装置
US7867581B2 (en) 2006-08-25 2011-01-11 Nippon Oil Corporation Retardation film and liquid crystal display device using the same
WO2008023668A1 (fr) 2006-08-25 2008-02-28 Nippon Oil Corporation Film à retard et dispositif d'affichage à cristaux liquides l'utilisant
JP2008052119A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
US8911837B2 (en) 2006-09-15 2014-12-16 Nitto Denko Corporation Retardation film, optical laminated body, liquid crystal panel, and liquid crystal display
JP2008070742A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nitto Denko Corp 位相差フィルム、光学積層体、液晶パネル、及び液晶表示装置
JP2008179685A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Fujifilm Corp ノルボルネン系重合体、ノルボルネン系重合体を用いたフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2008231318A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Jsr Corp 樹脂組成物、光学フィルム、位相差フィルムおよび液晶表示装置
JP2009003193A (ja) * 2007-06-21 2009-01-08 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2009046613A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Fujifilm Corp シクロオレフィンコポリマーおよびフィルム
JP2010107946A (ja) * 2008-07-04 2010-05-13 Jsr Corp Ndフィルターおよびその製造方法
JP2010023235A (ja) * 2008-07-15 2010-02-04 Jsr Corp 積層フィルムおよびその用途
JP2010097089A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2010097090A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Nippon Oil Corp 位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2009080488A (ja) * 2008-10-23 2009-04-16 Nippon Oil Corp 逆分散位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2010122673A (ja) * 2008-10-24 2010-06-03 Jsr Corp Ndフィルターおよびその製造方法
JP2013145405A (ja) * 2008-10-24 2013-07-25 Jsr Corp Ndフィルターおよびその製造方法
WO2010084689A1 (ja) 2009-01-23 2010-07-29 新日本石油株式会社 逆分散性位相差フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
US8211514B2 (en) 2009-01-23 2012-07-03 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Reverse dispersion retardation film and liquid crystal display device using the same
KR101407788B1 (ko) 2010-06-18 2014-06-17 코니카 미놀타 어드밴스드 레이어즈 인코포레이티드 수지 필름의 제조 방법
WO2011158819A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 コニカミノルタオプト株式会社 樹脂フィルムの製造方法
WO2013069642A1 (ja) 2011-11-10 2013-05-16 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 位相差フィルム及びそれを備える液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR20090125224A (ko) 2009-12-03
TW200307699A (en) 2003-12-16
CA2463644A1 (en) 2003-07-10
AU2002367202A1 (en) 2003-07-15
CN1608214A (zh) 2005-04-20
SG123611A1 (en) 2006-07-26
KR20040071128A (ko) 2004-08-11
WO2003056365A2 (en) 2003-07-10
KR100944616B1 (ko) 2010-02-26
TWI293312B (en) 2008-02-11
US20040242823A1 (en) 2004-12-02
US7101498B2 (en) 2006-09-05
JP4178810B2 (ja) 2008-11-12
CN100416302C (zh) 2008-09-03
KR100969095B1 (ko) 2010-07-09
AU2002367202A8 (en) 2003-07-15
EP1459107A2 (en) 2004-09-22
WO2003056365A3 (en) 2004-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4178810B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP4238501B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP3899511B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP3912159B2 (ja) 光学用フィルムおよびその製造方法並びに偏光板
JP4172310B2 (ja) 偏光板
KR20070094825A (ko) 열가소성 수지 조성물, 광학 필름 및 필름 제조 방법
JP2007108529A (ja) 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルムおよびその用途
JP2005164632A (ja) 光学用フィルムおよび偏光板
JP4325196B2 (ja) 光学用フィルムおよびその製造方法並びにその応用製品
JP5374820B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる光学フィルム
JP2006188671A (ja) 光学用フィルムおよびその用途
JP4352776B2 (ja) 光学用フィルムおよびその用途
JP4915409B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP4635968B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム
JP4701715B2 (ja) 光学フィルムの製造方法および光学フィルム
JP4743213B2 (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4178810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees