JP4743213B2 - 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム - Google Patents
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以下同じ。)の均一性が高く、またこの位相差の特性が環境の温度や湿度に影響されにくく経時安定性に優れ、さらに、この位相差の絶対値が透過光の波長が長波長になるほど大きくなる(以下、「正の波長依存性」という。)光学用フィルムに関する。また、本発明は、光拡散機能、透明導電性、反射防止機能等の機能を有する光学用フィルムに関する。
近年、上記の特徴を利用して、例えば、光ディスク、光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料、光半導体封止などの封止材料などの分野において、環状ポリオレフィン系樹脂を応用することが検討されている。
される基又は式:−CH2CH2−で表される基であり、R1、R2、R3及びR4は独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表し、あるいはR1とR2、R3とR4、又はR2とR3とが相互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。形成される炭素環又は複素環は芳香環でもよいし非芳香環でもよい。但し、R1〜
R4のうち少なくとも1つは、下記一般式(1−1)及び/又は下記一般式(1−2)で
表される基である。また、上記共重合体中に存在する複数のX、R1、R2、R3及びR4各々は同一でも異なっていてもよい。]
子にカルボニル基側で結合する、式:−C(O)O−で表わされる基であり、p及びqは独立に0〜2の整数であり、p=q=0のときは、R6とR9、R13とR9、R5とR14、又は、R12とR14は相互に結合して炭素環又は複素環(これらの炭素環又は複素環は単環構造でもよいし、他の環が縮合して多環構造を形成してもよい。)を形成してもよい。また、一般式(1−2)においてRA、RB又はZのうち1個は、式記載の環構造を構成する炭素原子にカルボニル基側で結合する、式:−C(O)O−で表わされる基であり、sは0又は1以上の整数である。更に、上記共重合体中に存在する複数のR5〜R14、Z、RA及びRB各
々は同一でも異なっていてもよい。〕
R4は前記のとおりである。但し、式(2)においてR1〜R4が、上記一般式(1−1)又は
上記一般式(1−2)で表わされる基である場合を除く。]
本発明は、更に、上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む有機溶剤溶液をキャストする工程を含むことを特徴とする直上記光学用フィルムの製造方法を提供する。
本発明は、更に、少なくとも片面に光拡散機能を有することを特徴とする上記光学用フィルムを提供する。
本発明は、更に、少なくとも片面に反射防止層を有することを特徴とする上記光学用フィルムを提供する。
本発明は、更に、上記光学用フィルムを有することを特徴とする偏光板を提供する。
−−第1の発明−−
[光学用フィルム(1)]
先ず始めに、高分子化合物の複屈折性について定義しておく。正の複屈折性とは、延伸等により高分子化合物の分子鎖を一軸配向した際に延伸方向の屈折率がそれと垂直方向の屈折率より大きくなる性質を示し、また負の複屈折性とは、逆に延伸方向(一軸配向方向)の屈折率の方がそれと垂直方向の屈折率よりも小さくなる性質を示す。すなわち、延伸方向をx軸、それと面内垂直方向をy軸(なお、厚み方向をz軸)とし、x軸方向の屈折率をNx、Y軸方向の屈折率をNyとすると、
△N=Nx−Ny>0 : 正の複屈折性
△N=Nx−Ny<0 : 負の複屈折性
となる。
Re=(Nx−Ny)×d
=△N×d
[ここで、dは光路長を示す。]
で定義される値であり、複屈折性の正負に対応して位相差は正負の値となる。
囲ではいずれもRe(λ)/Re(550)は1以下となる。
、
△NI(λ)+△NII(λ)>0
△NI(λ)−△NI(800)<△NII(800)−△NII(λ)
[ここで、△NI(800)及び△NII(800)は、波長800nmにおけるx軸方向とy軸方向
の屈折率の差を示す。なお、x軸は延伸方向、y軸はx軸に対して面内垂直方向を示す。]
である熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む光学用フィルムに係るものである。
の他の光線波長における位相差を計算することで、複屈折の波長依存性の大小を知ることができる。
−−第2の発明−−
[光学用フィルム(2)]
<熱可塑性ノルボルネン系樹脂>
本発明の光学用フィルム(2)に用いられる重合体、即ち、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(以下、「本発明の樹脂」ということがある。)は、下記一般式(1)で表される構造単位aと下記一般式(2)で表される構造単位bを含む共重合体であり、さらに必要に応じて他の構造単位を含むことは任意である。
れる基である場合を除く。]
ここで、上記一般式(1)、一般式(1−1)、一般式(1−2)及び一般式(2)において、R1〜R14、Z、RA及びRBは、水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ
又はケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表すが、これらの原子及び基について説明する。
炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族基等が挙げられる。これらの炭化水素基は置換されていてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、フェニルスルホニル基等が挙げられる。
1〜10の2価の炭化水素基(例えば、−(CH2)m−(mは1〜10の整数)で表されるアル
キレン基);酸素、窒素、イオウ又はケイ素を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO
−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、オキシカルボニル基(−OCO−)、スルホニル基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSi(R2)−(式中、Rはメチル、エチル等の
アルキル基);あるいはこれらの2種以上が組合さって連なったものが挙げられる。
好ましくは1である。]
構造単位aの含有量は、本発明の樹脂中に95〜5重量%、好ましくは90〜10重量%、さらに好ましくは80〜20重量%である。構造単位aの含有量が5重量%以下の場合、正の波長依存性を示す光学用フィルムが得られないことがある。また、構造単位aの含有量が95重量%以上の場合も、正の波長依存性を示す光学用フィルムが得られないことがある。
〈1〉 特定単量体Aと特定単量体Bとの開環共重合体。
〈2〉 特定単量体Aと特定単量体Bとその他の共重合性単量体との開環共重合体。
〈3〉 〈1〉〜〈2〉の開環共重合体の水素添加物。
以下に特定単量体Aについて具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
5−ベンゾイルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−フルオレンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−フルオレンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(9−アントラセンカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−ベンゾイルオキシ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−ベンゾイルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(1−ナフチルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(1−ナフチルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−(2−ナフチルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ナフチルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(3−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−ビフェニルカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−(9−フルオレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(9−フルオレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−(2−フルオレンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2−フルオレンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−(9−アントラセンカルボニルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(9−アントラセンカルボニルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等。
<特定単量体B>
特定単量体Bの具体的な例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−イソプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n-ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n-ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n-オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n-デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−フェニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリプロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリブトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
デセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイ
コセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘン
エイコセン等。
これらの単量体Bのうち、一般式(4)において、x=0及びy=1である特定単量体Bは、得られる重合体の耐熱性と靱性のバランスの点で好ましい。すなわち、xが2以上若しくはyが1の特定単量体Bを用いると、得られる重合体のガラス転移温度(Tg)が高くなり耐熱性が向上する傾向があり、好ましい場合もあるが、靱性が低下する傾向があり、フィルムとした時に加工あるいは使用時に割れたり破断したりしやすくなる問題が生じる場合がある。
−(CH2)zCOOR15 (5)
〔ここで、zは通常0〜5の整数であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0である。R15は一価の有機基である。〕
で表される極性基である特定単量体Bは、得られる重合体のガラス転移温度と吸水性を制御しやすい点で好ましい。一般式(5)においてR15で表される一価の有機基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニリル基等のアリール基;この他にもジフェニルスルホン、テトラヒドロフルオレン等のフルオレン類等の芳香環やフラン環、イミド環等の複素環を有する一価の基等が挙げられる。また、一般式(5)において、zは上述のように通常0〜5であるが、zの値が小さいものほど得られる重合体のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にzが0である特定単量体Bは、その合成が容易である点で好ましい。
子にアルキル基が結合していることが、得られる重合体の耐熱性と吸水性のバランスを図る上で好ましい。当該アルキル基の炭素原子数は1〜5であることが好ましく、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
度を高め、吸水による変形等の悪影響を殆ど受けずかつ他材料との密着性や接着性が良好となる程度の吸水性を維持できるので好ましい。
<他の共重合性単量体>
特定単量体A及び特定単量体Bとともに、共重合させることができる他の共重合性単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、ジシクロペンタジエンなどのシクロ
オレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素原子数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。
1種以上の特定単量体Aと、特定単量体B及び/又はその他の共重合性単量体との開環重合反応の条件を説明する。
該開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、Mo及びReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えばMg、Caなど)、IIB族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、IIIB族元素(例えばB、Alなど)、IVA族元素(例えばTi、Zrなど)あるいはIVB族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。またこの場合に触媒の活性を高めるために、後述の添加剤(c)が
添加されたものであってもよい。
MoCl5、ReOCl3など特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
l、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHな
ど特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で「(c):(a)」が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
重合体の分子量の調節は重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
分子量調節剤の使用量としては、重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
重合反応において用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロムヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;アリールなどの化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも、上記芳香族炭化水素が好ましい。
・重合体の水素添加:
以上のようにして得られる重合体は、そのまま本発明の樹脂として使用することもできるが、残留するオレフィン性不飽和結合を水素添加して使用することが好ましい。
水素添加することにより得られる水素添加重合体は優れた熱安定性を有するものとなり、フィルム製膜時及び、延伸加工時や製品としての使用時の加熱によってはその特性が劣化しにくくなる。オレフィン性不飽和結合の水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上である。
本発明の樹脂の30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は、0.2〜5
dl/gであることが好ましい。さらに好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ましくは0.5〜3dl/gである。5dl/gをこえると、溶液粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化し好ましくなく、0.2dl/g未満であるとフィルム強度が低下する。
0,000、特に好ましくは30,000〜100,000、また、重量平均分子量(Mw)は、通常は20,000〜3,000,000、好ましくは30,000〜1,000,000、さらに好ましくは40,000〜500,000、特に好ましくは40,000〜300,000の範囲である。Mw、Mnが上記範囲より大きい場合、溶液粘度が高くなりすぎて加工性が悪化することがあり、上記範囲より小さい場合、フィルムの強度が低下することがある。
本発明の樹脂のSP値(溶解度パラメーター)は、好ましくは10〜30(MPa1/2
)、さらに好ましくは12〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)である。SP値を本範囲にすることで、一般的な汎用溶剤に良好に溶解できるとともにフィルム製造時に安定して製造でき、得られるフィルムの特性も均一でさらに良好な接着性や、基板との密着性を得ることもでき、適度な吸水率をコントロールすることが可能となる。
本発明の樹脂には、透明性・耐熱性を損なわない範囲で公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。
酸化防止剤:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト;
紫外線吸収剤:
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
これらの酸化防止剤等の添加量は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
<光学用フィルム>
本発明の光学用フィルムは、上記の本発明の樹脂を溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)などによりフィルム若しくはシートとすることができる。このうち、膜厚の均一性及び表面平滑性が良好になる点から溶剤キャスト法が好ましい。
、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学特
性の良好な光学用フィルムを得ることができる。
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
製造することができる。
O2、ZnO2、Al2O3等の金属酸化物、ガラス、石英などの粒子を挙げることができる。
以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。ここで、残留溶媒量が10重量%以上であると、実際に該光学用フィルムを使用したときに経時による寸法変化が大きくなり好ましくない。また、残留溶媒によりTgが低くなり、耐熱性も低下することから好ましくない。
−−第3の発明等−
<透過光に位相差を与える光学用フィルム>
本発明の透過光に位相差を与える光学用フィルム(以下、「位相差フィルム」という。)は、上記方法によって得た光学用フィルムを延伸加工して得る。具体的には、公知の一軸延伸法あるいは二軸延伸法により製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法等あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。この時、屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望する特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
Re(λ)/λの値が、400〜800nmの全波長領域で、0.20〜0.30、好ましくは0.22〜0.28、さらに好ましくは0.24〜0.26である場合、当該波長領域全域で、円偏光と直線偏光とを相互変換する1/4λ板としての機能を有することになり、また、同様に上記Re(λ)/λの値が、0.40〜0.60、好ましくは0.45〜0.55、さらに好ましくは0.48〜0.52である場合、当該波長領域全域で、直線偏光の偏光面を90度回転させる1/2λ板としての機能を有することになり、非常に有用である。
本発明の光学用フィルムには、その少なくとも片面に透明導電層を積層することができる。透明導電層を形成するための材料としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、Pt、Ag等の金属、又はそれらの酸化物が一般的に使用され、金属単体を基板上に形成したときは、必要に応じてその後酸化することもできる。当初から酸化物層として付着形成させる方法もあるが、最初は金属単体又は低級酸化物の形態で被膜を形成し、しかるのち、加熱酸化、陽極酸化あるいは液相酸化等の酸化処理を施して透明化することもできる。これらの透明導電層は、他の透明導電層を有するシート、フィルムなどを接着したり、プラズマ重合法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法などによって本発明の光学用フィルム上に直接形成される。これらの透明導電膜の厚さは、所望する特性により決定され特に限定はされないが、通常は10〜10,000オングストローム、好ましくは50〜5,000オングストロームである。
てもよい。もちろん、透明導電層を有さない本発明の光学用フィルムを偏光フイルムの保護フィルムとして用いることも可能である。係る場合、本発明の位相差付与性光学用フィルムを保護フィルムとして用いると、保護フィルムが位相差フィルムとしての機能を有するため、偏光フィルムにあらためて位相差フィルムを貼り合わせる必要が無くなる利点がある。
本発明の光学用フィルムには、少なくともその片面に反射防止層を積層することができる。反射防止層の形成方法としては、例えば、フッ素系共重合体を含む組成物の溶液をバーコーターやグラビアコーターなどを用いてコーテイングする方法がある。反射防止層の厚みは、通常は0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。0.01m未満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超えると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化し好ましくない。
本発明の光学用フィルムは、例えば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気、昇温速度:20℃/分の条件で測定した。
ASTM D570に準拠し、23℃の水中に1週間サンプルを浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定して求めた。
サンプルを塩化メチレンに溶解し、得られた溶液を島津製作所製:GC−7Aガスクロマトグラフィー装置を用いて分析した。
スガ試験機社製ヘイズメーター:HGM−2DP型を使用して測定した。
[複屈折、透過光の位相差]
王子計測機器社製KOBRA−21ADH、並びにKOBRA−CCDを用いて複屈折と透過光の位相差測定を行った。なお、測定は、1つの試料につき場所を変えて10回実施し、その平均値を該試料の複屈折及び位相差とした。また、下記式により位相差のバラツキを求めた。
Re(m):最大値若しくは最小値と平均値の差の絶対値。
絶対値の大きい方をバラツキの計算に使用。
<単量体合成例>
(1)5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの合成
々に滴下した。滴下終了後、氷冷バス中で1時間攪拌を継続し、その後、室温で1時間攪拌、更に30分還流を行った。室温に冷却後、生成したピリジン塩を濾紙で濾過し、更に反応混合物を十分に蒸留水で水洗いした。減圧、加温して溶媒を除去し、得られた結晶をn‐ヘキサンで再結晶を繰り返し、白色結晶状の5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(単量体)63gを得た。得られた結晶をHPLCで分析した結果、純度は 98%であった。
、実施例1(1)と同様にして、白色固体状の5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 46gを得た。得られた単量体をHPLCにて分
析した結果、純度は 99%であった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,17.10]−3−ドデセン(特定単量体B)100部と、5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)150部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は0.65dl/gであった。
ところ99.9%であった。また、特定単量体Aに由来する芳香環は実質的に水素添加されていなかった。
(ηinh)を測定したところ0.67dl/gであった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,17.10]−
3−ドデセン(特定単量体B)を100部と、5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)を150部を用いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加率が99.9%であり、特定単量体Aに由来する芳香環が実質的に水素添加されていない樹脂(b−1)を得た。該樹脂のTgは105℃であった。また、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は33,000、重量平均分子量(Mw)は120,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.64であった。また、当該樹脂(b−1)について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.2%であった。また、固有粘度(ηinh)を測定した
ところ、0.61dl/gであった。
5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみを250部を用いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加率が99.9%であり、特定単量体Aに由来する芳香環が実質的に水素添加されていない樹脂(c−1)を得た。該樹脂のTgは100℃であった。また、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は36,000、重量平均分子量(Mw)は142,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.94であった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,17.10]−3−ドデセン(特定単量体B)のみを250部を用いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加率が99.9%の樹脂(d−1)を得た。該樹脂のTgは170℃であった。また、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は38,000、重量平均分子量(Mw)は122,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.21であった。
5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみを250部を用いた以外は合成例1と同様にしてオレフィン性不飽和結合の水素添加率が99.9%であり、特定単量体Aに由来する芳香環が実質的に
水素添加されていない樹脂(e−1)を得た。該樹脂のTgは85℃であった。また、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は40,000、重量平均分子量(Mw)は158,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.95であった。
上記樹脂(a−1)をトルエンに30%濃度になるように溶解し(室温での溶液粘度は30,000mPa・sであった。)、井上金属工業製INVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ
(株)製、ルミラーU94)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がした樹脂フィルムを(a−2)とした。得られたフィルムの残留溶媒量は、0.5%であった。
持しながら冷却し、室温へとさらに冷却して取り出し位相差フィルム(a−3)を得た。
さらに、(a−3)、(b−3)、(c−3)、(d−3)及び(e−3)について、透過光波長550nmを基準とした透過光の位相差の波長依存性(Re(λ)/Re(550))を測定した結果を図1に示した。
「透過光の位相差」は表中の波長における値(絶対値ではない。)。
図1から明らかなように、特定単量体Aを含む単量体混合物を重合して得られた樹脂からなる本発明の位相差フィルムは正の波長依存性を示したのに対して、特定単量体Aのみを重合し、又は特定単量体Aが存在しない条件で重合して得られた樹脂からなる位相差フィルムは正の波長依存性を示さなかった。
△NI(λ)+△NII(λ)>0、及び
△NI(λ)−△NI(800)<△NII(800)−△NII(λ)
を満足する光学用フィルムであることがわかる。
ルテトラシクロ[4.4.0.12.5,17.10]−3−ドデセン(特定単量体B)のみの
重合体(d−1)<正の複屈折性を示す構造単位(I)に該当>から得られたフィルムを上記条件で延伸した位相差フィルム(d−3)、及び5−(4−ビフェニルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみの重合体(c−1)<負の複屈折性を示す構造単位(II)に該当>から得られたフィルムを上記条件で延伸した位相差フィルム(c−3)に係る各△NI(400)、△NI(550)及び△NI(800)の値に基づき、次のとおり確認できる。
△NI(550):0.0082+△NII(550):−0.0027>0
△NI(800):0.0081+△NII(800):−0.0021>0
△NI(400):0.0083−△NI(800):0.0081(=0.0002)<△NII(800):−0.0021−△
NII(400):−0.0039(=0.0018)
△NI(550):0.0082−△NI(800):0.0081(=0.0001)<△NII(800):−0.0021−△
NII(550):−0.0027(=0.0006)
また、同様に、位相差フィルム(b−3)についても、上記位相差フィルム(d−3)、及び5−(2−ナフチルカルボニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(特定単量体A)のみの重合体(e−1)<負の複屈折性を示す構造単位(II)に該当>から得られたフィルムを上記条件で延伸した位相差フィルム(e−3)に係る各△NI(400)、△NI(550)及び△NI(800)の値に基づき、次のとおり確認できる。
△NI(550):0.0082+△NII(550):−0.0028>0
△NI(800):0.0081+△NII(800):−0.0019>0
△NI(400):0.0083−△NI(800):0.0081(=0.0002)<△NII(800):−0.0019−△
NII(400):−0.0037(=0.0018)
△NI(550):0.0082−△NI(800):0.0081(=0.0001)<△NII(800):−0.0019−△
NII(550):−0.0028(=0.0009)
[実施例2]
フィルム(a−2)にサンドマット処理を行いヘイズ55%、全光線透過率93%の光拡散機能を有する光学用フィルム(a−4)を得た。当該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初期値からの変化は認められなかった。
フィルム(a−3)の片面に酸化インジウム/酸化スズ(重量比95:5)からなるターゲットを用いて透明導電膜をスパッタリング法により形成させ、透明導電フィルム(a−5)を得た。この透明導電フィルムの全光線透過率は85%を超えて良好であり、目視で観察した外観(傷の有無、フィルムのそり具合)も良好であった。また、80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露し、全光線透過率の測定と目視観察による外観変化の有無確認を行った。その結果、全光線透過率は85%を超えて良好であり、また、外観においても傷やそり、うねりの発生は認められず良好であった。
フィルム(a−3)の片面にJSR(株)製オプスターJN7212を乾燥膜厚0.1
μmになるようにコートし、反射防止層を形成したフィルム(a−6)を得た。本フィルムは反射率が1%以下と良好な反射防止特性を示した。
厚さ50μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素5g、ヨウ化カリウム250g
、ほう酸10g、水1,000gからなる40℃の浴に浸漬しながら約5分間で4倍まで
一軸延伸して得た偏光膜の表面に、n−ブチルアクリレート90重量%、エチルアクリレート7重量%、アクリル酸3重量%からなるアクリル系樹脂100部とトリレンジイソシアナート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物の75重量%酢酸エチル溶液2部からなる架橋剤を混合して得られた粘着剤をもちいて、フィルム(a−2)を両面に積層して偏光フィルム(a−7)を得た。該偏光フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露しその外観変化を目視で観察したところ、うねりや反り等の外観異常は認められず、また、偏光度も90%を超えた特性を維持しており良好なことが分かった。
トルエンの代わりに、沸点40℃、SP値19.2(MPa1/2)の塩化メチレン(良
溶媒)と沸点65℃、SP値29.7( MPa1/2)のメタノール(貧溶媒)とをメタノールの溶媒中に占める割合を10重量%とした混合溶媒を使用し、実施例1と同様にして樹脂(a−1)のフィルムを作成し、光拡散層を有するフィルム(a−8)を得た。該フィルムは、ヘイズが40%であり全光線透過率が93%であった。該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初期値からの変化は認められなかった。
室温での屈折率が1.515(d線)である樹脂(a−1)100部に対し、非相溶系で室温での屈折率が1.492(室温:d線)のPMMAを10部加えた他は実施例1と同様にしてフィルム(a−9)を得た。該フィルム中でのPMMAの平均分散粒子径(TEMにより測定)は20μmであり、ヘイズは20%、全光線透過率は92%であった。
該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初期値からの変化は認められなかった。
PETフィルムとして表面凹凸の付いたマット処理済みのPETフィルムを用いた他は実施例1と同様にして、樹脂(a−1)フィルムのフィルムを作成し、光拡散層を有するフィルム(a−10)を得た。該フィルムは、ヘイズが10%、全光線透過率が93%であった。該フィルムを80℃、90%相対湿度の雰囲気に500時間暴露し、ヘイズと全光線透過率を測定したが、初期値からの変化は認められなかった。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表される構造単位aと下記一般式(2)で表される構造単位bからなる共重合体である熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする光学用フィルム。
- 前記一般式(1)において、n=m=0である構造単位a、及び前記一般式(2)において、t=0,u=1である構造単位bを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学用フィルム。
- 前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂を含む有機溶剤溶液をキャストする工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学用フィルムの製造方法。
- 前記の有機溶剤として前記熱可塑性ノルボルネン樹脂の良溶媒と貧溶媒との混合溶剤を使用することを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
- 透過光に位相差を与える請求項1又は2に記載の光学用フィルム。
- 波長550nmでの位相差Re(550)と波長400nmでの位相差Re(400)との比:Re(400)/Re(550)が1.0〜0.5の範囲にあり、かつ前記位相差Re(550)と波長800nmでの位相差Re(800)の比:Re(800)/Re(550)が1.5〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の光学用フィルム。
- Re(λ)/λ
[ここで、λは当該フィルムの透過光の波長を表し、Re(λ)は波長λにおける位相差を表す。]
で表される値のバラツキが、波長400〜800nmのすべての範囲において、その平均値に対して±20%の範囲内にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の光学用フィルム。 - 少なくとも片面に光拡散機能を有することを特徴とする請求項1、2及び5〜7のいずれか1項に記載の光学用フィルム。
- 少なくとも片面に透明導電性層を有することを特徴とする請求項1、2及び5〜8のいずれか1項に記載の光学用フィルム。
- 少なくとも片面に反射防止層を有することを特徴とする請求項1、2及び5〜9のいずれか1項に記載の光学用フィルム。
- 請求項1、2及び5〜10のいずれか1項に記載の光学用フィルムからなることを特徴とする偏光板保護フィルム。
- 請求項1、2及び5〜11のいずれか1項に記載の光学用フィルムを有することを特徴とする偏光板。
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