JP2005164632A - 光学用フィルムおよび偏光板 - Google Patents
光学用フィルムおよび偏光板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005164632A JP2005164632A JP2003399657A JP2003399657A JP2005164632A JP 2005164632 A JP2005164632 A JP 2005164632A JP 2003399657 A JP2003399657 A JP 2003399657A JP 2003399657 A JP2003399657 A JP 2003399657A JP 2005164632 A JP2005164632 A JP 2005164632A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- retardation
- optical film
- polymer
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3083—Birefringent or phase retarding elements
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C55/00—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
- B29C55/02—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/06—Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
- B32B27/08—Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B1/00—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
- G02B1/04—Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3025—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
- G02B5/3033—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
- G02B5/3041—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid comprising multiple thin layers, e.g. multilayer stacks
- G02B5/305—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid comprising multiple thin layers, e.g. multilayer stacks including organic materials, e.g. polymeric layers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2323/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
- C08J2323/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L2203/00—Applications
- C08L2203/16—Applications used for films
Abstract
【課題】 従来の環状オレフィン系樹脂あるいは熱可塑性ノルボルネン系樹脂を主成分とする光学用フィルムの有する各種光学特性、耐熱性あるいは他素材との密着性・接着性等の利点を損なうことなく、高品位の液晶表示素子に使用しても視認性を著しく低減することのない光学用フィルムと、この光学用フィルムを用いた偏光板を提供する。
【解決手段】 環状オレフィン系樹脂からなり、輝点の数が10個/m2以下である
光学用フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 環状オレフィン系樹脂からなり、輝点の数が10個/m2以下である
光学用フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、環状オレフィン系樹脂を主成分とし、液晶ディスプレイなどの表示装置に使用した場合に点状欠点が実質的に発生しない光学用フィルム、およびこの光学用フィルムを用いた偏光板に関する。
環状オレフィン系樹脂は、主鎖構造の剛直性に起因してガラス転移温度が高く、主鎖構造に嵩高い基が存在するために非晶性で光線透過率が高く、しかも屈折率の異方性が小さいことによる低複屈折性を示すなどの特長を有しており、耐熱性、透明性、光学特性に優れた透明熱可塑性樹脂として注目されている。このような環状オレフィン系樹脂としては、例えば、特開平1−132625号公報、特開平1−132626号公報、特開昭63−218726号公報、特開平2−133413号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報等に記載されている。
近年、上記の環状オレフィン系樹脂を、例えば光ディスク、光学レンズ、光ファイバーなどの光学材料、光半導体封止などの封止材料などの分野に応用することが検討されている。また、光学用フィルムに応用し、以下に示したように、従来の光学用フィルムの問題点を改良する試みもなされている。
従来から光学用フィルムとして使用されているポリカーボネート、ポリエステルあるいはトリアセチルアセテート等のフィルムは、光弾性係数が大きいために微小な応力変化により位相差が発現したり変化したり、また耐熱性や吸水変形性に劣るなどの問題があるため、環状オレフィン系樹脂からなるフィルムが光学用の各種フィルムとして提案されている。例えば、特開平4−245202号公報、特開平4−36120号公報、特開平5−2108号公報、及び特開平5−64865号公報には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる位相差板が記載されている。また、特開平5−212828号公報、特開平6−51117号公報及び特開平7−77608号公報には、環状オレフィン系樹脂のフィルムを偏光板の保護フィルムに使用することが記載されている。さらに、特開平5−61026号公報には、環状オレフィン系樹脂のフィルムからなる液晶表示素子用基板が記載されている。
これらの公報には、環状オレフィン系樹脂のフィルムは、吸水率が0.05%以下であって、この低吸水性に優れている旨が記載されている。しかしながら、このような低吸水性の環状オレフィン系樹脂のフィルムを、例えば、位相差板や液晶表示素子用基板として用いる場合、ハードコート、反射防止膜や透明導電層の密着性、あるいは、偏光板やガラスとの接着性に問題が生じることがある。また、偏光板の保護フィルムとして用いる場合、上記の問題に加えて、偏光膜との貼合に通常使用される水系接着剤の水が乾燥し難いという問題も生じる。
一方、環状オレフィン系樹脂としては種々のものが知られており、すべての環状オレフィン系樹脂の吸水率0.05%以下になるとは限らない。吸水率を0.05%以下にするためには、環状オレフィン系樹脂は、炭素原子と水素原子のみからなるポリオレフィン構造かハロゲンを一部含む構造であることが必要である。
そこで、上記低吸水性に由来する問題を解決するために、分子内に極性基を導入した環状オレフィン系樹脂を含む光学用フィルムが、特開平7−287122号公報や特開平7−287123号公報などに記載されている。これらの光学用フィルムは高透明性、透過
光の低位相差、さらに延伸配向させたときの均一で安定した位相差等の光学特性において優れ、耐熱性、他材料との密着性や接着性等が良好で、しかも吸水変形が小さいという利点を有しており、多くの液晶表示素子に用いられている。
光の低位相差、さらに延伸配向させたときの均一で安定した位相差等の光学特性において優れ、耐熱性、他材料との密着性や接着性等が良好で、しかも吸水変形が小さいという利点を有しており、多くの液晶表示素子に用いられている。
しかしながら、近年の大型化やテレビモニターに採用される光学用フィルムには、より精細で輝度のコントラスト比が高く、視野角認知に優れる特性が液晶表示素子に要求されるようになってきた。そのために、画像の視認性を乱すことのない光学用フィルムの出現が望まれている。
本発明は、従来の環状オレフィン系樹脂あるいは熱可塑性ノルボルネン系樹脂を主成分とする光学用フィルムの有する各種光学特性、耐熱性あるいは他素材との密着性・接着性等の利点を損なうことなく、高品位の液晶表示素子に使用しても視認性を著しく低減することのない光学用フィルムと、この光学用フィルムを用いた偏光板を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、用いる光学用フィルムの輝点が上記画像の視認性に大きな影響を及ぼすことをつきとめ、環状オレフィン系樹脂を含む光学用フィルムにおいては、フィルム1m2に換算したときの輝点の数が10個以下
、好ましくは5個以下、さらに好ましくは0個であれば、高品位の画像を求められる液晶表示素子に用いても画像品位を保てることを見出して、本発明の完成に至った。
、好ましくは5個以下、さらに好ましくは0個であれば、高品位の画像を求められる液晶表示素子に用いても画像品位を保てることを見出して、本発明の完成に至った。
なお、本発明でいう輝点とは、フィルムをクロスニコル状態の偏光板に挟んで1000cd/m2の白色光源上に設置し偏光板の面に対して垂直方向から観察したときに肉眼で
観察される明点(部分的な光の漏れ)を意味し、少しでも明るくなる箇所は輝点としてカウントする。
観察される明点(部分的な光の漏れ)を意味し、少しでも明るくなる箇所は輝点としてカウントする。
本発明者らは、また、上記のような光学用フィルムを延伸加工してなる光学用フィルムが透過光に位相差を与える機能を有するフィルム(以下、「位相差フィルム」という。)として有用であり、さらに、本発明の光学用フィルムおよび/または位相差フィルムを用いた偏光板が有用であることも見出して本発明の完成に至った。
本発明の光学用フィルム、位相差フィルム、偏光板は、環状オレフィン系樹脂を主成分としたフィルムから構成され、点状欠点となりうる輝点が極めてないことから、液晶ディスプレイに使用した場合に視認性に著しく優れ、しかも耐熱性、他素材との密着性・接着性にも優れており、LCDパネルの高品位化に応えることができ、また光拡散機能、透明導電性、反射防止機能等の機能を有するフィルムとして有用である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
<環状オレフィン系樹脂>
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂としては、次のような重合体が挙げられる。なお、本発明においては、共重合体も含めて重合体という。
(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体。
(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環重合体の水素添加重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した重合体。
(5)下記一般式(I)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体。
(6)下記一般式(I)で表される特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型重合体およびその水素添加重合体。
(7)下記一般式(I)で表される特定単量体とアクリレートとの交互重合体。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂としては、次のような重合体が挙げられる。なお、本発明においては、共重合体も含めて重合体という。
(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体。
(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環重合体の水素添加重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した重合体。
(5)下記一般式(I)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体。
(6)下記一般式(I)で表される特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型重合体およびその水素添加重合体。
(7)下記一般式(I)で表される特定単量体とアクリレートとの交互重合体。
〔式中、R1〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基
、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。R1と
R2またはR3 とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R1またはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または1である。〕
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。R1と
R2またはR3 とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R1またはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または1である。〕
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−3−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体のうち好ましいのは、上記一般式(1)中、R1 およびR3が水素原子また
は炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4の少なくとも
一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0または1〜3の整数、pは0または1であり、より好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
は炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4の少なくとも
一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0または1〜3の整数、pは0または1であり、より好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテ
ル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
ル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R2およびR4の少なくとも一つが式
で表される極性基である単量体から導かれる環状オレフィン系樹脂は、高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するため好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、R1およびR3は炭素原子数1〜12、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基である。また、nは、通常、0または1〜5の整数であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記一般式(I)においてR1またはR3がアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式
で表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
<共重合性単量体>
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
<開環重合触媒>
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)
、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれた元素を含み、この元素−炭素結合あるいは元素−水素結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれた元素を含み、この元素−炭素結合あるいは元素−水素結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl6 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3 Al、(C2 H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiH
など特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
など特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比である「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
<重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、
クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、
ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、
クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、
ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
<分子量調節剤>
得られる開環重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより
調節する。
得られる開環重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより
調節する。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
(2)特定単量体と共重合性単量体との開環重合体を得るには、開環重合工程において、特定単量体と共重合性単量体とを開環重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
以上のようにして得られる開環重合体は、そのままでも用いることは可能であるが、分子中のオレフィン性不飽和結合をさらに水素添加して得られた(3)水素添加重合体は、耐熱性や耐光性がさらに優れるため有用である。
<水素添加触媒>
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-7〜1:1×10-2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値が50
%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の位相差フィルムとして使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の位相差フィルムとして使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、分子中に芳香族基を有する場合、光学特性や耐熱性の点で有利な場合もあるため、芳香族基は必ずしも水素添加される必要はない。所望の特性によっては、この芳香族基が実質的に水素添加されない条件を選択する必要がある。
(4)上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した重合体を得る方法としては、以下のような方法が挙げられる。
<フリーデルクラフト反応による環化>
上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3 、BF3 、FeCl3 、Al2O3 、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3 、BF3 、FeCl3 、Al2O3 、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
環化された開環重合体は、上記(1)または(2)の開環重合体と同様に分子中のオレフィン性不飽和結合を水素添加できる。
(5)上記特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体を得る方法としては、以下のような方法が挙げられる。
<不飽和二重結合含有化合物>
不飽和二重結合含有化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
不飽和二重結合含有化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
特定単量体/不飽和二重結合含有化合物の好ましい使用範囲は、重量比で90/10〜40/60であり、さらに好ましくは85/15〜50/50である。
本発明において、(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体を得るには、通常の付加重合法を使用できる。
<付加重合触媒>
上記(5)飽和重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
上記(5)飽和重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
さらに、バナジウム化合物としては、一般式
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素
電子供与体などが挙げられる。
電子供与体などが挙げられる。
さらに、助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも一種が用いられる。
上記において、例えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
付加重合に使用される重合反応用溶媒は、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。また、得られる(5)飽和重合体の分子量の調節は、通常、水素を用いて行われる。
(6)上記特定単量体と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型重合体およびその水素添加重合体を得る方法としては、以下のような方法が挙げられる。
<ビニル系環状炭化水素系単量体>
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
<シクロペンタジエン系単量体>
本発明の(6)付加型重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
本発明の(6)付加型重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
上記特定単量体と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型重合体は、上記(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和重合体と同様の付加重合法で得ることができる。
また、上記付加型重合体の水素添加重合体は、上記(3)開環重合体の水素添加重合体と同様の水添方法で得ることができる。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互重合体を得る方法としては、以下のような方法を挙げることができる。
<アクリレート>
本発明の(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
本発明の(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互重合体を得るためには、ルイス酸存在下、上記特定単量体とアクリレートとの合計を100モルとしたとき、通常、上記特定単量体が30〜70モル、アクリレートが70〜30モルの割合で、好ましくは上記特定単量体が40〜60モル、アクリレートが60〜40モル割合で、特に好ましくは上記特定単量体が45〜55モル、アクリレートが55〜45モルの割合でラジカル重合する。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互重合体を得るために使用するルイス酸の量は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルとなる量とされる。また、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒には、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。
なお、本発明でいう「交互重合体」とは、上記特定単量体に由来する構造単位が隣接しない、すなわち、上記特定単量体に由来する構造単位の隣は必ずアクリレートに由来する構造単位である構造を有する重合体のことを意味しており、アクリレート由来の構造単位どうしが隣接して存在する構造をも含んで意味する。
なお、本発明の環状オレフィン系樹脂として使用される上記(1)〜(7)の重合体もしくはその水素添加重合体は、該(水素添加)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。ゲル含有量が5重量%を超える場合、光学用フィルムとしたときにその表面性に問題が生じたり、輝点が発生しやすくなったりすることがある。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inh で0.2〜5dl/g 、さらに好ましくは0.3〜3dl/g 、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh 、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の位相差フィルムとして使用したときの位相差の安定性とのバランスが良好となる。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、120℃以上、好ましくは120〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。Tgが120℃未満の場合は、レーザー光源やその隣接部品からの熱により、得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの光学特性変化が大きくなり好ましくない。一方、Tgが350℃を超えると、延伸加工時などTg近傍まで加熱して加工する場合に、樹脂が熱劣化する可能性が高くなる。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂の23℃における飽和吸水率は、好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%である。飽和吸水率がこの範囲内であると、位相差が均一であり、得られる環状オレフィン系樹脂フィルムとガラス基板などとの密着性が優れ、使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などとの相溶性にも優れ、多量に添加することも可能となる。飽和吸水率が0.05重量%未満であると、ガラス基板や透明支持体との密着性が乏しくなり、剥離を生じやすくなり、一方、2重量%を超えると、環状オレフィン系樹脂フィルムが吸水により寸法変化を起こしやすくなる。
なお、上記の飽和吸水率はASTMD570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂としては、その光弾性係数(CP)が0〜1
00(×10-12Pa-1)であり、かつ応力光学係数(CR)が1,500〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすようなものが好適に使用される。
00(×10-12Pa-1)であり、かつ応力光学係数(CR)が1,500〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすようなものが好適に使用される。
ここで、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)については、種々の文献(Polymer Journal,Vol.27,No,9 pp 943-950(1995),日本レオロジー学会誌,Vol.19,No.2,pp93-97(1991),光弾性実験法,日刊工業新聞社,昭和50年第7版)に記載されており、前者がポリマーのガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
光弾性係数(CP)が大きいことは、ポリマーをガラス状態下で使用した場合に外的因
子または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表し、例えば本発明のように、積層した際の貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
子または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表し、例えば本発明のように、積層した際の貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、環状オレフィン系樹脂フィルムに位相差
の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがあ
る。
の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがあ
る。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)が好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜50(×10-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(
×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が100(×10-12Pa-1)を超えた場
合には、本発明で用いられる積層位相差板においては、貼り合わせ時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化によって、最適貼り合わせ光軸角度の許容誤差範囲からのずれが発生してしまい使用した時に透過光量が低下してしまう場合があり好ましくない。
×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が100(×10-12Pa-1)を超えた場
合には、本発明で用いられる積層位相差板においては、貼り合わせ時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化によって、最適貼り合わせ光軸角度の許容誤差範囲からのずれが発生してしまい使用した時に透過光量が低下してしまう場合があり好ましくない。
また、本発明に使用される環状オレフィン系樹脂の水蒸気透過度は、40℃,90%RHの条件下で25μm厚のフィルムとしたときに、通常、1〜400g/m2・24hr
であり、好ましくは5〜350g/m2・24hrであり、さらに好ましくは10〜30
0g/m2・24hrである。水蒸気透過度を本範囲とすることで、偏光板との貼合にお
いて使用される水系接着剤の乾燥に問題が生じることがなく、かつ、偏光板が使用される環境の湿度による特性変化を低減・回避することができることから好ましい。
であり、好ましくは5〜350g/m2・24hrであり、さらに好ましくは10〜30
0g/m2・24hrである。水蒸気透過度を本範囲とすることで、偏光板との貼合にお
いて使用される水系接着剤の乾燥に問題が生じることがなく、かつ、偏光板が使用される環境の湿度による特性変化を低減・回避することができることから好ましい。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂のSP値(溶解度パラメーター)は、好ましくは10〜30(MPa1/2)、さらに好ましくは12〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)である。SP値を前記範囲のものにすることで、環状オレ
フィン系樹脂を汎用の溶剤に良好に溶解できるとともに、安定したフィルムの製造ができ、また、得られるフィルムの特性も均一となり、さらに接着性・基板との密着性を良好なものとすることができ、さらに吸水率を適度にコントロールすることが可能となる。
フィン系樹脂を汎用の溶剤に良好に溶解できるとともに、安定したフィルムの製造ができ、また、得られるフィルムの特性も均一となり、さらに接着性・基板との密着性を良好なものとすることができ、さらに吸水率を適度にコントロールすることが可能となる。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂は、上記のような(1)〜(2)開環重合体、(3)〜(4)水素添加重合体、(5)飽和重合体、(6)付加型重合体、もしくはその水素添加重合体、または(7)交互重合体より選択されるが、本発明の効果を損なわない範囲で、これに公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加してさらに安定化することができる。
・酸化防止剤:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
・紫外線吸収剤:
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
これらの酸化防止剤等の添加量は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
・酸化防止剤:
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ[5.5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
・紫外線吸収剤:
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
これらの酸化防止剤等の添加量は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
さらに、本発明に使用される環状オレフィン系樹脂には、透明性・耐熱性など本発明の効果を損なわない範囲で、公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。また、本発明の効果を損なわない範囲で、加工性を向上させるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用いられる添加剤を添加することもできる。
<製膜方法>
本発明のフィルムを得るための成形方法は特に限定されるものではなく、環状オレフィン系樹脂を用いて公知の溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)などによりフィルムもしくはシートとすることができる。このうち、膜厚の均一性および表面平滑性に
優れたフィルムが得やすいなどの点から、通常は溶剤キャスト法が用いられる。
本発明のフィルムを得るための成形方法は特に限定されるものではなく、環状オレフィン系樹脂を用いて公知の溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)などによりフィルムもしくはシートとすることができる。このうち、膜厚の均一性および表面平滑性に
優れたフィルムが得やすいなどの点から、通常は溶剤キャスト法が用いられる。
溶剤キャスト法としては、例えば、環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させて適度の濃度の液体にし、適当なキャリヤー上に注ぐかまたは塗布し、これを乾燥した後、キャリヤーから剥離させる方法が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させる際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜35重量%にする。該樹脂の濃度を上記未満にすると、フィルムの厚みを確保することが困難になる、また、溶媒蒸発にともなう発泡等によりフィルムの表面平滑性が得にくくなる等の問題が生じる。一方、上記を超えた濃度にすると、溶液粘度が高くなりすぎて得られるフィルムの厚みや表面が均一になりにくくなることがある。
また、室温での上記溶液の粘度は、通常は1〜1,000,000(mPa・s)、好ましくは10〜100,000(mPa・s)、さらに好ましくは100〜50,000(mPa・s)、特に好ましくは1000〜40,000(mPa・s)である。
使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等のセロソルブ系溶媒、ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、1,2−ジメチルシクロヘキサン等のケトン系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン含有溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、1−ペンタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒を挙げることができる。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が、通常10〜30(MPa1/2
)、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学
特性の良好なフィルムを得ることができる。
)、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学
特性の良好なフィルムを得ることができる。
上記溶媒は単独であるいは2種以上併用して使用することができる。溶媒を2種以上併用する場合には、混合物としてのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。このとき、混合物としてのSP値の値は、その重量比から求めることができ、例えば二種の混合物の場合は、各溶媒の重量分率をW1,W2、また、SP値をSP1,SP2とすると混合溶媒のSP値は下記式:
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
環状オレフィン系樹脂を溶媒で溶解する場合、室温でもよいし加熱してもよいが、溶解時間を短縮するためには加熱することが好ましい。また、十分に撹拌することにより均一な溶液が得られる。なお、必要に応じて着色する場合には、溶液に染料、顔料等の着色剤を適宜添加することもできる。
また、フィルムの表面平滑性を向上させるためにレベリング剤を添加してもよい。一般的なレベリング剤であれば何れも使用できるが、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが使用できる。
さらに、上記方法により得られた環状オレフィン系樹脂溶液は、塗布等下記の方法により製膜する前に、脱泡処理することが好ましい。係る処理を施すことにより、フィルム中
の気泡を抑制することができる。
の気泡を抑制することができる。
本発明のフィルムを溶剤キャスト法により製造する方法としては、上記溶液をダイスやコーターを使用して金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン製ベルトなどの基材の上に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離する方法が一般に挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロールスピンコート、ディッピングなどの手段を用いて,樹脂溶液を基材に塗布し、その後溶剤を乾燥・除去して基材よりフィルムを剥離することにより製造することもできる。なお、塗布の繰り返しにより厚みや表面平滑性等を制御してもよい。
また、基材としてポリエステルフィルムを使用する場合には、表面処理されたフィルムを使用してもよい。表面処理の方法としては、一般的に行われている親水化処理方法、例えばアクリル系樹脂やスルホン酸塩基含有樹脂をコーテイングやラミネートにより積層する方法、あるいは、コロナ放電処理等によりフィルム表面の親水性を向上させる方法等が挙げられる。
上記溶剤キャスト法の乾燥(溶剤除去)工程については、特に制限はなく一般的に用いられる方法、例えば多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させる方法等で実施できるが、乾燥工程において溶媒の蒸発に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上の複数工程とし、各工程での温度あるいは風量を制御することが好ましい。
また、フィルム中の残留溶媒量は、通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。ここで、残留溶媒量が10重量%より多いと、実際に該フィルムを使用したときに経時による寸法変化が大きくなり好ましくない。また、残留溶媒によりTgが低くなり、耐熱性も低下することから好ましくない。
なお、後述する延伸工程を好適に行うためには、上記残留溶媒量を上記範囲内で適宜調節する必要がある場合がある。具体的には、延伸配向時の位相差を安定して均一に発現させるために、残留溶媒量を通常は10〜0.1重量%、好ましくは5〜0.1重量%、さらに好ましくは1〜0.1重量%にすることがある。溶媒を微量残留させることで、延伸加工が容易になる、あるいは位相差の制御が容易になる場合がある。
本発明のフィルムの厚さは、通常は1〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは1〜200μm、最も好ましくは1〜100μm(1000〜100000nm)である。1μm未満の厚みの場合には、実質的にハンドリングが困難となる。一方、5
00μm以上の場合には、フィルムをロール状に巻き取った際にいわゆる「巻きぐせ」が
ついてしまい後加工等における取扱いが困難になる場合がある。
00μm以上の場合には、フィルムをロール状に巻き取った際にいわゆる「巻きぐせ」が
ついてしまい後加工等における取扱いが困難になる場合がある。
本発明のフィルムの厚み分布は、通常は平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。このように厚み制御を実施することにより、延伸配向した際の位相差ムラを防ぐことができる。
<位相差フィルム>
上記方法により得られた光学用フィルムを延伸加工することにより、位相差フィルムを得ることができる。この位相差フィルムでは、材料の環状オレフィン系樹脂の高分子鎖が
一定の方向に配向しているため、透過光に位相差を与えることができる。ここで、「一定の方向に配向」とは、フィルム全体として見た場合に分子鎖がフィルム平面の一軸方向、二軸方向または厚み方向など特定の方向に規則的に配向していることを意味する。なお、配向の規則性の程度は、加工方法や加工条件などにより様々であり、所望の特性に応じて決定される。
上記方法により得られた光学用フィルムを延伸加工することにより、位相差フィルムを得ることができる。この位相差フィルムでは、材料の環状オレフィン系樹脂の高分子鎖が
一定の方向に配向しているため、透過光に位相差を与えることができる。ここで、「一定の方向に配向」とは、フィルム全体として見た場合に分子鎖がフィルム平面の一軸方向、二軸方向または厚み方向など特定の方向に規則的に配向していることを意味する。なお、配向の規則性の程度は、加工方法や加工条件などにより様々であり、所望の特性に応じて決定される。
本発明の位相差フィルムを製造するための延伸加工方法として、具体的には、公知の一軸延伸法または二軸延伸法を挙げることができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、円周の異なる二組のロールを利用する縦一軸延伸法等あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法等を用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。この時、延伸後のフィルムの屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、本発明に使用される環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgを基準として、通常Tg±30℃、好ましくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5℃〜Tg+15℃の範囲である。前記範囲内とすることで、位相差ムラの発生を抑えることが可能となり、また、屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が10倍を超えると、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分間、さらに好ましくは1分〜60分間保持してヒートセットすることが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なく安定した位相差フィルムが得られる。
延伸加工を施さない場合、本発明の光学用フィルムの加熱による寸法収縮率は、80℃における加熱を500時間行った場合に、通常5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
また、本発明の位相差フィルムの加熱による寸法収縮率は、80℃における加熱を500時間行った場合に、通常10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂の原料である特定単量体やその他の共重合性単量体を適宜選択する、キャスト方法やその条件、延伸方法やその条件あるいは上記ヒートセットの条件を適宜選択することにより、寸法収縮率を上記範囲内にすることができる
。
。
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度あるいはフィルムの厚さ等により制御することができる。例えば、延伸前のフィルムの厚さが同じである場合、延伸倍率が大きいフィルムほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。一方、延伸倍率が同じである場合、延伸前のフィルムの厚さが厚いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸前のフィルムの厚さを変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。また、上記延伸加工温度範囲においては、延伸温度が低いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸温度を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。
上記のように延伸して得た位相差フィルムの厚さは、好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.5〜80μm、特に好ましくは1〜70μm、最も好ましくは1〜60μmである。厚みを薄くすることで位相差フィルムが使われる分野の製品に求める小型化、薄肉化に大きく応えることができる。位相差フィルムの厚みは、延伸前のフィルムの厚さを適宜選択したり、延伸倍率を適宜選択することによりコントロールできる。例えば、延伸前のフィルムを薄くしたり、延伸倍率を大きくしたりすることで、位相差フィルムの厚さを薄くすることができる。
位相差フィルムの位相差値、すなわち、透過光に与える位相差の値は、位相差フィルムに求められる効果により決定されるものであり、透過光の波長によっても異なることがあり、一義的に決められるものではないが、通常1〜10000nm、好ましくは5〜5000nm、さらに好ましくは10〜1000nmである。位相差値を1nm未満でコントロールすることは実質的に困難であり、1000nmを超える位相差値を有する位相差フィルムは製造が困難であるばかりでなく、後述する位相差の均一性を確保することが困難な場合がある。
また、位相差フィルムを透過した光の位相差は、その均一性が高いことが好ましく、波長550nmにおけるバラツキは通常は±20%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好ましくは±5%以下である。位相差のバラツキが±20%の範囲を超えると、液晶表示素子等に用いた場合色にムラ等が発生してディスプレイとしての性能が悪化することがある。
本発明の光学用フィルムは単独で、あるいは2枚以上積層し、保護フィルムとして偏光膜に貼合して偏光板として用いることができる。本発明の光学用フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板の構成としては、例えば、以下に挙げる構成が例示できるが、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、所望の特性に応じて適宜構成を変更することができる。
1)トリアセチルセルロース(TACと略)+偏光膜+本発明の光学用フィルム
2)本発明の光学用フィルム+偏光膜+本発明の光学用フィルム
3)TAC+偏光膜+本発明の光学用フィルムA+本発明の光学用フィルムB
これらの偏光板構成において、本発明の光学用フィルムのうち少なくとも1枚が位相差フィルムであると、偏光板にあらためて位相差板を貼合する必要が無くなる利点があるとともに、厚みの低減や高機能化が可能となり、なおかつVAモードの液晶に対して良好な光学補償機能を発現することができる。
1)トリアセチルセルロース(TACと略)+偏光膜+本発明の光学用フィルム
2)本発明の光学用フィルム+偏光膜+本発明の光学用フィルム
3)TAC+偏光膜+本発明の光学用フィルムA+本発明の光学用フィルムB
これらの偏光板構成において、本発明の光学用フィルムのうち少なくとも1枚が位相差フィルムであると、偏光板にあらためて位相差板を貼合する必要が無くなる利点があるとともに、厚みの低減や高機能化が可能となり、なおかつVAモードの液晶に対して良好な光学補償機能を発現することができる。
なお、「本発明の光学用フィルムA」「本発明の光学用フィルムB」とは、それぞれの
位相差値が異なる(一方が未延伸品で実質的に位相差値が0の場合も含む)、もしくは光軸方向が異なることを意味する。もちろん、位相差値および光軸方向の何れもが異なる場合も含まれる。
位相差値が異なる(一方が未延伸品で実質的に位相差値が0の場合も含む)、もしくは光軸方向が異なることを意味する。もちろん、位相差値および光軸方向の何れもが異なる場合も含まれる。
本発明の光学用フィルム同士を、あるいは本発明の光学用フィルムを他のフィルム、シートもしくは基板に積層する場合には、粘着剤や接着剤を用いることができる。これらの粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、具体例としては天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂等の粘着剤や、水酸基、アミノ基等の官能基を有する前記樹脂等にイソシアナト基含有化合物などの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系のドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
また、本発明の光学用フィルムは、他のフィルム、シートもしくは基板などとの積層の作業性を向上させるために、あらかじめ、粘着剤層または接着剤層を積層しておくことができる。積層する場合には、粘着剤や接着剤としては前述のような粘着剤あるいは接着剤を用いることができる。
<反射防止層を有するフィルム>
本発明の光学用フィルムには、少なくともその片面に反射防止層を積層することができる。反射防止層の形成方法としては、例えば、一般的に使用される、例えばシリコン、チタン、タンタル、ジルコニウム等の金属酸化物などよりなる無機系や、例えばフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンの(共)重合体や含フッ素(メタ)アクリレート(共)重合体等の含フッ素化合物などよりなる有機系の反射防止膜を0.01〜10μm程度の厚みで、スパッタリング、蒸着、コーティング、ディッピングなどの方法により形成することができる。反射防止層の厚みは、通常は0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。0.01μm未満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超えると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化し好ましくない。
本発明の光学用フィルムには、少なくともその片面に反射防止層を積層することができる。反射防止層の形成方法としては、例えば、一般的に使用される、例えばシリコン、チタン、タンタル、ジルコニウム等の金属酸化物などよりなる無機系や、例えばフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンの(共)重合体や含フッ素(メタ)アクリレート(共)重合体等の含フッ素化合物などよりなる有機系の反射防止膜を0.01〜10μm程度の厚みで、スパッタリング、蒸着、コーティング、ディッピングなどの方法により形成することができる。反射防止層の厚みは、通常は0.01〜50μm、好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。0.01μm未満であると反射防止効果が発揮できず、50μmを超えると塗膜の厚みにムラが生じやすくなり外観などが悪化し好ましくない。
また、反射防止層を有する本発明の光学用フィルムには、公知のハードコート層や防汚層が積層されていてもよい。
上記のように複数の機能を有することにより、本発明の光学用フィルムは、例えば、反射防止フィルムと位相差板の機能を有する偏光膜保護フィルムとして適用することができ、液晶表示素子に用いた場合従来よりもその部品点数を低減することが可能となる。
本発明の光学用フィルムにおいては、フィルム1m2辺りに換算したときの輝点の数が
限りなく少ないことが好ましく、通常10個以下、好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは3個以下、最も好ましくは0または1である。
限りなく少ないことが好ましく、通常10個以下、好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは3個以下、最も好ましくは0または1である。
このような輝点の原因としては、その詳細な発生メカニズムについては不明であるが、微小領域における位相差の部分的なムラが原因と考えられている。すなわち、フィルム中に異物やゲル、泡等が存在すると、それらが肉眼では確認できないような大きさであっても、延伸加工した際に、異物やゲル、泡等が存在する部分に応力が集中するため、当該部分の位相差が周辺部分の位相差と異なってしまうことがあり、係る位相差の違いにより光が漏れてしまうと考えられている。
上述した輝点の数を0または限りなく少ない光学用フィルムを製造するには、製造工程毎に以下に示した対策を講じる。
1)製膜段階: 溶融成形法であれば溶融樹脂を、溶液流延法(溶剤キャスト法)であれ
ば樹脂溶液の段階で、フィルターろ過して異物を除去する。この場合には、目の細かいフィルター一段でろ過するよりも、比較的に目の粗いフィルターから目の細かいフィルターの順でろ過する方法が生産性ならびに品質面から好ましい。
1)製膜段階: 溶融成形法であれば溶融樹脂を、溶液流延法(溶剤キャスト法)であれ
ば樹脂溶液の段階で、フィルターろ過して異物を除去する。この場合には、目の細かいフィルター一段でろ過するよりも、比較的に目の粗いフィルターから目の細かいフィルターの順でろ過する方法が生産性ならびに品質面から好ましい。
溶融樹脂あるいは樹脂溶液が通過する最終のフィルターの目の粗さは、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、特に好ましくは3μm以下、最も好ましくは1μm以下である。また、このときのフィルターの形状に特に制約はないが、汎用性と生産性の面から、キャンドルタイプやリーフディスクタイプのものが好ましくは使用される。また、そのときのろ過面積は、フィルター前後の圧力損失によって適宜調整され、好ましくは圧力損失が10MPa以下、さらに好ましくは5MPa以下、特に好ましくは3MPa以下になるよう調整すると良い。圧力損失が10MPaを超えると、フィルターの目を輝点となる物質が通り抜けやすくなり好ましくない。
また、製膜段階においては、溶融樹脂あるいは樹脂溶液中の気泡の発生を防止するとともに発生した気泡を限りなく除去する。具体的には、溶融樹脂の場合には、加熱により空気、水分、低分子物質による樹脂中の発泡を抑えるために、予め熱風乾燥機や真空乾燥機を用いて、空気、水分、低分子物質を除去する、それでも不十分な場合には溶融状態の樹脂が流動する経路の少なくとも一つに減圧口を設けて脱気する。また、最終的にTダイなど溶融樹脂の吐出部分における圧力を下げるのも効果的であり、好ましくは吐出直前の圧力を5MPa以下、さらに好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.5MPa以下とする。そうすることで発泡を抑えることができる。
一方、樹脂溶液の場合には、キャストする前に脱泡することが肝要である。脱泡方法については特に限定されるものではなく、溶液を加温して静置する方法や減圧する方法等公知の方法が適用できる。
2)固化・乾燥段階: 溶融成形法の場合、製膜工程に次いで樹脂の固化工程に移るが、その際には輝点の原因となる異物を極力減らした環境で行うことが好ましい。例えば、クリーン度10000クラス以下、さらに好ましくは1000クラス以下、特に好ましくは100クラス以下のクリーン雰囲気でこの工程が進められることが望ましい。このような対応を行うことで、光学フィルムの表面あるいは一部埋没したかたちで存在する輝点発生の原因となることがある異物の付着を極力低減することが可能となる。また、直接フィルムと接触する部分あるいはそれに近い部分には、異物を存在させないことが好ましい。
2)固化・乾燥段階: 溶融成形法の場合、製膜工程に次いで樹脂の固化工程に移るが、その際には輝点の原因となる異物を極力減らした環境で行うことが好ましい。例えば、クリーン度10000クラス以下、さらに好ましくは1000クラス以下、特に好ましくは100クラス以下のクリーン雰囲気でこの工程が進められることが望ましい。このような対応を行うことで、光学フィルムの表面あるいは一部埋没したかたちで存在する輝点発生の原因となることがある異物の付着を極力低減することが可能となる。また、直接フィルムと接触する部分あるいはそれに近い部分には、異物を存在させないことが好ましい。
一方、溶液流延法の場合、製膜工程に次いで溶液の乾燥工程となるが、その際にも上述したクリーン度の高い環境での乾燥に加え、乾燥温度を段階的に昇温していく多段乾燥法を適用することが望ましい。多段乾燥法を適用することで、溶媒の乾燥に伴う気泡の発生を抑制することができる。
3)延伸段階: 延伸段階においては、一般には樹脂のガラス転移温度付近の温度まで加熱して行われるが、その際の発泡、ならびに異物の付着を極力抑えることが肝要である。具体的には、残留溶媒などの低分子量成分(低沸点成分)を極力低減することに加え、上述したクリーン環境で行うことが望ましい。また、延伸に際して事前に粘着ロール等でフィルム表面の付着異物を除去しておくこと、および静電気を除去しながら延伸加工することも効果的である。さらに、張力が均一にフィルムにかかるようにすることも望ましい。4)カット・貼合段階: 本発明の光学フィルムは、偏光板製造等に際して貼合/カット(あるいはカット/貼合)される。その際には、上述したクリーン環境での実施が効果的であるが、カットによる切りくずを極力発生させないか除去する工程を加えることが特に効果的である。具体的には、切れ味のよい切削刃を用いて室温付近で行うことも効果的であるが、樹脂のガラス転移温度(β)からβ+100℃とした冶具を用いて切削することも効果的である。さらに発生してしまった切りくずや環境起因による異物をフィルム表面から除去することも効果的である。具体的には、粘着ロールをもちいてフィルム表面に直
接接触する方法、あるいはクリーンな空気を用いて吹き飛ばす方法などである。
3)延伸段階: 延伸段階においては、一般には樹脂のガラス転移温度付近の温度まで加熱して行われるが、その際の発泡、ならびに異物の付着を極力抑えることが肝要である。具体的には、残留溶媒などの低分子量成分(低沸点成分)を極力低減することに加え、上述したクリーン環境で行うことが望ましい。また、延伸に際して事前に粘着ロール等でフィルム表面の付着異物を除去しておくこと、および静電気を除去しながら延伸加工することも効果的である。さらに、張力が均一にフィルムにかかるようにすることも望ましい。4)カット・貼合段階: 本発明の光学フィルムは、偏光板製造等に際して貼合/カット(あるいはカット/貼合)される。その際には、上述したクリーン環境での実施が効果的であるが、カットによる切りくずを極力発生させないか除去する工程を加えることが特に効果的である。具体的には、切れ味のよい切削刃を用いて室温付近で行うことも効果的であるが、樹脂のガラス転移温度(β)からβ+100℃とした冶具を用いて切削することも効果的である。さらに発生してしまった切りくずや環境起因による異物をフィルム表面から除去することも効果的である。具体的には、粘着ロールをもちいてフィルム表面に直
接接触する方法、あるいはクリーンな空気を用いて吹き飛ばす方法などである。
また、本発明の光学用フィルムは、フィルム1m2辺りに換算したとき、輝点発生の原
因となる異物の数が、好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは3個以下、最も好ましくは0または1である。ここでいう異物とは、フィルムに光を透過させたときに実質的に光りの透過を妨げるものである。当該異物がフィルム中に存在すると、画素抜けや特性の低下を及ぼすことから好ましくない。
因となる異物の数が、好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以下、特に好ましくは3個以下、最も好ましくは0または1である。ここでいう異物とは、フィルムに光を透過させたときに実質的に光りの透過を妨げるものである。当該異物がフィルム中に存在すると、画素抜けや特性の低下を及ぼすことから好ましくない。
なお、計測すべき異物の大きさは、所望の性能により決定されるものであり一義的に決定されるものではないが、通常10μm以上(円形のものであればその直径、その他の形状のものであれば長手方向の長さ)のもの、より厳しくは1μm以上である。もちろん、要求される性能によっては、これよりも小さい異物であっても計測する場合がある。
<用途>
本発明の光学用フィルムは、例えば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子の偏光板に用いることができる。また、タッチパネルや光ディスク用保護フィルムなどにも用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置や液晶プロジェクターに使用される波長板としても有用である。
本発明の光学用フィルムは、例えば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子の偏光板に用いることができる。また、タッチパネルや光ディスク用保護フィルムなどにも用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置や液晶プロジェクターに使用される波長板としても有用である。
[実施例]
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り「重量部」及び「重量%」を意味する。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り「重量部」及び「重量%」を意味する。
本発明における各種測定値の測定方法を以下に示す。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気、昇温速度:20℃/分の条件で測定した。
[飽和吸水率]
ASTM D570に準拠し、23℃の水中に1週間サンプルを浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定して求めた。
[全光線透過率]
スガ試験機社製ヘイズメーター:HGM−2DP型を使用して測定した。
[透過光の位相差]
王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADHを用い、波長590nmにおけるフィルム面内ならびに厚み方向の位相差を測定した。
[輝点測定]
サンプルをクロスニコル状態の偏光板の間に挟んで1000cd/m2の白色光源上に
セットし、肉眼で認められる部分的な光りの漏れを計測した。測定サンプルの数は10点とし、その平均値から1m2あたりに換算した輝点の数を求めた。
[視認性の確認]
三星電子製の22型液晶テレビ(LT22A13W)をクリーン度100の環境下で分解し、装着されている位相差フィルムおよび偏光板を取り外してサンプルを装着し視認性を確認した。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ社製、示差走査熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気、昇温速度:20℃/分の条件で測定した。
[飽和吸水率]
ASTM D570に準拠し、23℃の水中に1週間サンプルを浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定して求めた。
[全光線透過率]
スガ試験機社製ヘイズメーター:HGM−2DP型を使用して測定した。
[透過光の位相差]
王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADHを用い、波長590nmにおけるフィルム面内ならびに厚み方向の位相差を測定した。
[輝点測定]
サンプルをクロスニコル状態の偏光板の間に挟んで1000cd/m2の白色光源上に
セットし、肉眼で認められる部分的な光りの漏れを計測した。測定サンプルの数は10点とし、その平均値から1m2あたりに換算した輝点の数を求めた。
[視認性の確認]
三星電子製の22型液晶テレビ(LT22A13W)をクリーン度100の環境下で分解し、装着されている位相差フィルムおよび偏光板を取り外してサンプルを装着し視認性を確認した。
<合成例>
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(単量体A−1)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トル
エン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環共重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(単量体A−1)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トル
エン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール及びメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合反応させて開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環共重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水
素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添
加反応を行った。
素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添
加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(特定の環状ポリオレフィン系樹脂)を得た。
このようにして得られた水素添加重合体(以下、「樹脂(a−1)」という。)について400MHz 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。
樹脂(a−1)についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ170℃であった。また、樹脂(a−1)について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は39,000、重量平均分子量(Mw)は137,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.5であった。
当該樹脂(a−1)について、23℃における飽和吸水率を測定したところ0.45%であり、SP値を測定したところ、19(MPa1/2)であった。
[実施例1]
上記樹脂(a−1)をトルエンに30%濃度(室温での溶液粘度は30,000mPa・s)になるように溶解し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を重合体100重量部に対して0.1重量部を添加し、日本ポール製の孔径2.5μmの金属繊維焼結フィルター、続いて1μmの同フィルター、さらに0.2μmの同フィルターを用い、差圧が1MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス100のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製INVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易接着性化)表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーU94)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がして光学用フィルムを(a−2)を得た。得られたフィルムの残留溶媒量は0.5%であった。これらのフィルムの全光線透過率は何れも93%以上であった。この光学用フィルムのフィルム1m2辺りに換算したときの輝点の数を位相差値とともに表1に示す。
上記樹脂(a−1)をトルエンに30%濃度(室温での溶液粘度は30,000mPa・s)になるように溶解し、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を重合体100重量部に対して0.1重量部を添加し、日本ポール製の孔径2.5μmの金属繊維焼結フィルター、続いて1μmの同フィルター、さらに0.2μmの同フィルターを用い、差圧が1MPa以内に収まるように溶液の流速をコントロールしながら濾過した後、クラス100のクリーンルーム内に設置した井上金属工業製INVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易接着性化)表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーU94)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がして光学用フィルムを(a−2)を得た。得られたフィルムの残留溶媒量は0.5%であった。これらのフィルムの全光線透過率は何れも93%以上であった。この光学用フィルムのフィルム1m2辺りに換算したときの輝点の数を位相差値とともに表1に示す。
[実施例2]
光学用フィルム(a−2)を、クリーン度が100の環境ならびに延伸前に粘着ロールを用いてフィルム表面に付着した異物類を除去したのち、テンター内で、Tg+10℃である180度に加熱し、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.15倍
に延伸した後、フィルム面内方向の横方向に1.20倍に延伸し、その後Tg−20℃の90℃の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、室温へとさらに冷却して取り出して位相差フィルム(a−3)を得た。
光学用フィルム(a−2)を、クリーン度が100の環境ならびに延伸前に粘着ロールを用いてフィルム表面に付着した異物類を除去したのち、テンター内で、Tg+10℃である180度に加熱し、延伸速度300%/分でフィルム面内方向の縦方向に1.15倍
に延伸した後、フィルム面内方向の横方向に1.20倍に延伸し、その後Tg−20℃の90℃の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、室温へとさらに冷却して取り出して位相差フィルム(a−3)を得た。
また、光学用フィルム(a−2)の延伸倍率を、縦方向1.20倍、横方向1.25倍に変えたほかは上述のようにして位相差フィルム(a−4)を得た。
これらの位相差フィルム(a−3)、(a−4)の波長550nmにおけるフィルム面内位相差値、厚み方向位相差値、フィルム厚みを表1に示す。
また、これらの位相差フィルム(a−3)、(a−4)のフィルム1m2辺りに換算し
たときの輝点の数を合わせて表1に示す。
たときの輝点の数を合わせて表1に示す。
[比較例1]
フィルターとして日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、ダスト管理されていない部屋にて溶剤キャストしたこと以外は実施例1と同様にして光学用フィルム(b−2)を得た。このフィルムの全光線透過率は93%以上であった。この光学用フィルムのフィルム1m2辺りに換算したときの輝点の数を位相差値とともに表1に示す
。
フィルターとして日本ポール製の孔径5μmの金属繊維焼結フィルターを用い、ダスト管理されていない部屋にて溶剤キャストしたこと以外は実施例1と同様にして光学用フィルム(b−2)を得た。このフィルムの全光線透過率は93%以上であった。この光学用フィルムのフィルム1m2辺りに換算したときの輝点の数を位相差値とともに表1に示す
。
[比較例2]
光学用フィルム(b−2)を用い、粘着ロールを使用せず、ダスト管理されていない部屋にて延伸加工したこと以外は実施例2と同様にして、位相差フィルム(b−3)、(b−4)を得た。
光学用フィルム(b−2)を用い、粘着ロールを使用せず、ダスト管理されていない部屋にて延伸加工したこと以外は実施例2と同様にして、位相差フィルム(b−3)、(b−4)を得た。
これらの位相差フィルム(b−3)、(b−4)の波長550nmにおけるフィルム面内位相差値、厚み方向位相差値、フィルム厚みを表1に示す。
また、位相差フィルム(b−3)、(b−4)のフィルム1m2辺りに換算したときの
輝点の数を合わせて表1に示す。
輝点の数を合わせて表1に示す。
[調整例1]
反応容器に蒸留水250部を仕込み、当該反応容器にアクリル酸ブチル90部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8部と、ジビニルベンゼン2部と、オレイン酸カリウム0.1部とを添加し、これをテフロン(登録商標)製の撹拌羽根により撹拌して分散処理
した。当該反応容器内を窒素置換した後、この系を50℃まで昇温し、過硫酸カリウムを0.2部を添加して重合を開始した。2時間経過後、過硫酸カリウム0.1部を更に添加し、この系を80℃まで昇温し、1時間にわたり重合反応を継続させて重合体分散液を得た。次いでエバポレータを用いて、固形分濃度が70%になるまでこの重合体分散液を濃縮することにより、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤(極性基を有する粘着剤)を得た。
反応容器に蒸留水250部を仕込み、当該反応容器にアクリル酸ブチル90部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8部と、ジビニルベンゼン2部と、オレイン酸カリウム0.1部とを添加し、これをテフロン(登録商標)製の撹拌羽根により撹拌して分散処理
した。当該反応容器内を窒素置換した後、この系を50℃まで昇温し、過硫酸カリウムを0.2部を添加して重合を開始した。2時間経過後、過硫酸カリウム0.1部を更に添加し、この系を80℃まで昇温し、1時間にわたり重合反応を継続させて重合体分散液を得た。次いでエバポレータを用いて、固形分濃度が70%になるまでこの重合体分散液を濃縮することにより、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤(極性基を有する粘着剤)を得た。
このようにして得られた水系粘着剤を構成するアクリル酸エステル系重合体について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは69000、Mwは135000であった。また、本発明の水系粘着剤の30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)
を測定したところ1.2dl/gであった。
を測定したところ1.2dl/gであった。
[実施例3]
ポリビニルアルコール(以下「PVA」と略)を、ヨウ素濃度0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度0.5重量%の30℃水溶液の染色浴にて延伸倍率3倍で前延伸を実施後、ほう酸濃度5重量%とヨウ化カリウム濃度8重量%の水溶液の55℃の架橋浴中でさらに2倍で後延伸して乾燥処理し、偏光子を得た。
ポリビニルアルコール(以下「PVA」と略)を、ヨウ素濃度0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度0.5重量%の30℃水溶液の染色浴にて延伸倍率3倍で前延伸を実施後、ほう酸濃度5重量%とヨウ化カリウム濃度8重量%の水溶液の55℃の架橋浴中でさらに2倍で後延伸して乾燥処理し、偏光子を得た。
次いで、調整例1で得られた水系接着剤を用い、偏光子の両面に光学用フィルム(a−2)を貼り、一方の面に位相差フィルム(a−3)をPVA系接着剤を用いて貼って偏光板(a−5)を得た。偏光板(a−5)の透過率と偏光度を調べたところ、44.0%、99.9%であった。なお、本工程はクリーン度1000の環境で行うとともに貼合前には粘着ロールを用いて付着異物の除去を行った。
[実施例4]
実施例3で得た別の偏光子を用い、本発明の水系接着剤でその片面に光学用フィルム(a−2)を貼り、もう一方の面に位相差フィルム(a−4)を貼って、さらに光学フィルム(a−2)の面上に、10-4Torrの真空下で、80nmの膜厚でSiNxを蒸着させ、更に、順にTbFeCoを20nmの膜厚で、SiNxを30nmの膜厚で、再外層にAlを50nmで蒸着をそれぞれ行うことにより反射防止機能を付与させた。さらに上記反射防止層の上に、還流冷却器、撹拌機を備えた反応器内にメチルトリメトキシシラン25部、メタノール分散コロイダルシリカ(固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、メタノールゾル)10部、及び水道水6部を混合し、70℃に加熱して2時間反応させた後、i−プロピルアルコール38部を添加して得たコーティング組成物を、エアースプレーガンを用いて乾燥塗膜で5μmとなるように塗布し、140℃で60分間加熱して硬化塗膜を形成して偏光板(a−6)を得た。当該偏光板(a−6)の透過率と偏光度を調べたところ、47.0%、99.9%であった。なお、本工程はクリーン度1000の環境で行うとともに貼合前には粘着ロールを用いて付着異物の除去を行った。
実施例3で得た別の偏光子を用い、本発明の水系接着剤でその片面に光学用フィルム(a−2)を貼り、もう一方の面に位相差フィルム(a−4)を貼って、さらに光学フィルム(a−2)の面上に、10-4Torrの真空下で、80nmの膜厚でSiNxを蒸着させ、更に、順にTbFeCoを20nmの膜厚で、SiNxを30nmの膜厚で、再外層にAlを50nmで蒸着をそれぞれ行うことにより反射防止機能を付与させた。さらに上記反射防止層の上に、還流冷却器、撹拌機を備えた反応器内にメチルトリメトキシシラン25部、メタノール分散コロイダルシリカ(固形分濃度30%、日産化学工業(株)製、メタノールゾル)10部、及び水道水6部を混合し、70℃に加熱して2時間反応させた後、i−プロピルアルコール38部を添加して得たコーティング組成物を、エアースプレーガンを用いて乾燥塗膜で5μmとなるように塗布し、140℃で60分間加熱して硬化塗膜を形成して偏光板(a−6)を得た。当該偏光板(a−6)の透過率と偏光度を調べたところ、47.0%、99.9%であった。なお、本工程はクリーン度1000の環境で行うとともに貼合前には粘着ロールを用いて付着異物の除去を行った。
[実施例5]
上記偏光板(a−5)、(a−6)それぞれについて、液晶テレビで視認性を確認した。輝点によるちらつきや色抜けがなく良好な画面であることを確認できた。
上記偏光板(a−5)、(a−6)それぞれについて、液晶テレビで視認性を確認した。輝点によるちらつきや色抜けがなく良好な画面であることを確認できた。
[比較例3]
光学用フィルム(b−2)および位相差フィルム(b−3)を用いたこと以外は実施例3と同様にして偏光板(b−4)を得た。偏光板(b−5)の透過率と偏光度を調べたところ、44.0%、99.9%であった。
光学用フィルム(b−2)および位相差フィルム(b−3)を用いたこと以外は実施例3と同様にして偏光板(b−4)を得た。偏光板(b−5)の透過率と偏光度を調べたところ、44.0%、99.9%であった。
[比較例4]
光学用フィルム(b−2)および位相差フィルム(b−4)を用いたこと以外は実施例4と同様にして偏光板(b−6)を得た。偏光板(b−6)の透過率と偏光度を調べたところ、47.0%、99.9%であった。
光学用フィルム(b−2)および位相差フィルム(b−4)を用いたこと以外は実施例4と同様にして偏光板(b−6)を得た。偏光板(b−6)の透過率と偏光度を調べたところ、47.0%、99.9%であった。
上記偏光板(b−5)、(b−6)それぞれについて、液晶テレビで視認性を確認した。輝点によるちらつきや色抜けが認められ、画質が著しく低下していた。
Claims (5)
- 環状オレフィン系樹脂からなり、輝点の数が10個/m2以下である光学用フィルム。
- 輝点の数が0個/m2である請求項1に記載の光学用フィルム。
- 請求項1または2に記載の光学用フィルムを延伸加工してなる位相差フィルム。
- 偏光膜の両側に保護フィルムが積層されてなる偏光板において、この保護フィルムの少なくとも一方が請求項1〜3のいずれかに記載の光学用フィルムであることを特徴とする偏光板。
- 偏光膜の両側に保護フィルムが積層されてなる偏光板において、この保護フィルムの少なくとも一方に、さらに請求項1〜3のいずれかに記載の光学用フィルムが積層されていることを特徴とする偏光板。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003399657A JP2005164632A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 光学用フィルムおよび偏光板 |
TW093133359A TW200521169A (en) | 2003-11-28 | 2004-11-02 | Optical film and polarizing plate |
KR1020040098059A KR20050052661A (ko) | 2003-11-28 | 2004-11-26 | 광학용 필름 및 편광판 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003399657A JP2005164632A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 光学用フィルムおよび偏光板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005164632A true JP2005164632A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34724144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003399657A Pending JP2005164632A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 光学用フィルムおよび偏光板 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005164632A (ja) |
KR (1) | KR20050052661A (ja) |
TW (1) | TW200521169A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005264022A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 飽和ノルボルネンフィルムおよびその製造方法。 |
JP2007065452A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 偏光板 |
JP2007065451A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 偏光板とその製法、及びそれに用いる複屈折性保護フィルムの製造方法 |
WO2007055406A1 (en) * | 2005-11-09 | 2007-05-18 | Fujifilm Corporation | Cyclic olefin-based polymer, and optical material, polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
JP2007310344A (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Samsung Electronics Co Ltd | 偏光板及びこれを用いた液晶表示装置 |
EP1983023A1 (en) | 2007-02-02 | 2008-10-22 | JSR Corporation | Radiation-curable composition, composite and manufacturing method thereof |
WO2011158677A1 (ja) | 2010-06-15 | 2011-12-22 | コニカミノルタオプト株式会社 | 太陽光反射用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 |
JP2017161948A (ja) * | 2017-06-09 | 2017-09-14 | 住友化学株式会社 | 偏光板及び液晶パネル |
CN108027467A (zh) * | 2015-09-15 | 2018-05-11 | 住友化学株式会社 | 偏振板及液晶面板 |
JP2019086790A (ja) * | 2019-01-15 | 2019-06-06 | 住友化学株式会社 | 積層体及び液晶表示装置 |
JP7191795B2 (ja) | 2014-06-13 | 2022-12-19 | コニカミノルタ株式会社 | 環状ポリオレフィンフィルム |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007010830A1 (ja) * | 2005-07-22 | 2007-01-25 | Jsr Corporation | 環状オレフィン系開環共重合体およびその用途ならびに該共重合体を含む位相差板の製造方法 |
JP2007279621A (ja) * | 2006-04-12 | 2007-10-25 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 偏光板及び粘着剤付き偏光板の製造方法 |
KR100970550B1 (ko) * | 2007-02-27 | 2010-07-16 | 주식회사 엘지화학 | 고리형 올레핀계 부가 중합체를 함유하는 보호필름을포함하는 편광판 및 이를 포함하는 액정표시장치 |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003399657A patent/JP2005164632A/ja active Pending
-
2004
- 2004-11-02 TW TW093133359A patent/TW200521169A/zh unknown
- 2004-11-26 KR KR1020040098059A patent/KR20050052661A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005264022A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-09-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 飽和ノルボルネンフィルムおよびその製造方法。 |
JP2007065452A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 偏光板 |
JP2007065451A (ja) * | 2005-09-01 | 2007-03-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 偏光板とその製法、及びそれに用いる複屈折性保護フィルムの製造方法 |
WO2007055406A1 (en) * | 2005-11-09 | 2007-05-18 | Fujifilm Corporation | Cyclic olefin-based polymer, and optical material, polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
US7838088B2 (en) | 2005-11-09 | 2010-11-23 | Fujifilm Corporation | Cyclic olefin-based polymer, and optical material, polarizing plate and liquid crystal display device using the same |
JP2007310344A (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Samsung Electronics Co Ltd | 偏光板及びこれを用いた液晶表示装置 |
EP1983023A1 (en) | 2007-02-02 | 2008-10-22 | JSR Corporation | Radiation-curable composition, composite and manufacturing method thereof |
WO2011158677A1 (ja) | 2010-06-15 | 2011-12-22 | コニカミノルタオプト株式会社 | 太陽光反射用フィルムミラー及び太陽熱発電用反射装置 |
JP7191795B2 (ja) | 2014-06-13 | 2022-12-19 | コニカミノルタ株式会社 | 環状ポリオレフィンフィルム |
CN108027467A (zh) * | 2015-09-15 | 2018-05-11 | 住友化学株式会社 | 偏振板及液晶面板 |
JP2017161948A (ja) * | 2017-06-09 | 2017-09-14 | 住友化学株式会社 | 偏光板及び液晶パネル |
JP2019086790A (ja) * | 2019-01-15 | 2019-06-06 | 住友化学株式会社 | 積層体及び液晶表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20050052661A (ko) | 2005-06-03 |
TW200521169A (en) | 2005-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4178810B2 (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム | |
JP4238501B2 (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム | |
JP3899511B2 (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム | |
JP3912159B2 (ja) | 光学用フィルムおよびその製造方法並びに偏光板 | |
JP2007038646A (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび偏光板 | |
JP5407108B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、光学フィルムおよびフィルム製造方法 | |
JP2008055691A (ja) | 光学フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4172310B2 (ja) | 偏光板 | |
JP2007108529A (ja) | 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルムおよびその用途 | |
JP2005164632A (ja) | 光学用フィルムおよび偏光板 | |
JP3650852B2 (ja) | 液晶基板および偏光フィルム | |
JP5374820B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる光学フィルム | |
JP4325196B2 (ja) | 光学用フィルムおよびその製造方法並びにその応用製品 | |
JP2006188671A (ja) | 光学用フィルムおよびその用途 | |
JP3019741B2 (ja) | 位相板 | |
JP2007223242A (ja) | 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルムおよびその用途 | |
KR20060115757A (ko) | 파장판 | |
WO2007001020A1 (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルムおよび偏光板 | |
JP2008065061A (ja) | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板および液晶パネル | |
JP4701715B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム | |
JP4915409B2 (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム | |
JP2005128047A (ja) | 波長板 | |
JP2008062519A (ja) | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板および液晶パネル | |
JP4743213B2 (ja) | 熱可塑性ノルボルネン系樹脂系光学用フィルム | |
JP2008003264A (ja) | 光学フィルム、偏光板および液晶パネル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080916 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090203 |